(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】抗N3pGluアミロイドベータペプチド抗体およびその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20221027BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221027BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20221027BHJP
A61B 5/055 20060101ALN20221027BHJP
【FI】
A61K39/395 N ZNA
A61K45/00
A61P25/28
A61B5/055 383
(21)【出願番号】P 2018567740
(86)(22)【出願日】2017-06-23
(86)【国際出願番号】 US2017038999
(87)【国際公開番号】W WO2018005282
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2018-12-25
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-03
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ブラッドリー・ディマットス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・カール・イリザリー
【合議体】
【審判長】井上 典之
【審判官】森井 隆信
【審判官】大久保 元浩
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-536191(JP,A)
【文献】Alzheimer’s & Dementia: Translational Research & Clinical Inverventions[online], 2016年6月20日,Vol.2,No.3,pp.169-176
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K39/395
A61P25/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Aβ沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患の治療
のための薬剤であって、前記薬剤が、10~60mg/kgの
静脈内用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含み、前記薬剤が、患者に
最大72週間の期間4週間毎に1回の頻度で2回以上投与され、かつ前記薬剤中の前記抗N3pGlu Aβ抗体が、
配列番号25の軽鎖可変領域(LCVR)および
配列番号26の重鎖可変領域(HCVR)を含み、
かつ前記薬剤中の前記抗N3pGlu Aβ抗体がヒト化抗体である、薬剤。
【請求項2】
前記薬剤中の前記抗N3pGlu Aβ抗体が、配列番号28の軽鎖(LC)および配列番号29の重鎖(HC)を含む、請求項
1に記載の薬剤。
【請求項3】
アミロイド沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患が、前臨床的または臨床的アルツハイマー病から選択される、請求項
1または2に記載の薬剤。
【請求項4】
アミロイド沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患が、前臨床的AD、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、および重度ADから選択される、請求項
1または2に記載の薬剤。
【請求項5】
10~40mg/kgの
用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項6】
10~20mg/kgの
用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項7】
15~30mg/kgの
用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項8】
10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、および40mg/kgから選択される
用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項9】
前記患者に投与される前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記
用量が、10mg/kgである、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項10】
前記患者に投与される前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記
用量が、20mg/kgである、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項11】
前記患者に投与される前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記
用量が、40mg/kgである、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項12】
薬剤が、12から72週間の期間にわたり4週間毎に1回の頻度で患者に投与される、
請求項9または10に記載の薬剤。
【請求項13】
3~18用量の抗N3pGlu Aβ抗体が、患者に投与され、ここで1用量が4週間毎に1回投与される、請求項9または10に記載の薬剤。
【請求項14】
Aβ沈着物の減少を引き起こす、請求項1~13のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項15】
前記脳におけるAβ沈着物が、抗N3pGlu Aβ抗体の投与の6カ月以内に35~100%減少する、請求項1~14のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項16】
前記脳におけるAβ沈着物が、抗N3pGlu Aβ抗体の投与の6カ月以内に50%減少する、請求項15に記載の薬剤。
【請求項17】
前記患者に投与される抗N3pGlu Aβ抗体の用量が、1用量当たり700mgである、請求項1~16のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項18】
患者が、アミロイドPETイメージング走査により測定される場合に、脳においてアミロイド沈着物について陽性である、請求項1~17のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項19】
有効量のアルツハイマー病を治療する対症療法剤との同時、別々、または連続併用で患者に投与される、請求項1~18のいずれか一項に記載の薬剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗N3pGlu Aβ抗体での疾患の治療に関し、疾患は、患者におけるアミロイドベータ(Aβ)の沈着を特徴とする。より具体的には、本発明は、アルツハイマー病(AD)、ダウン症候群、および脳アミロイド血管症(CAA)を含む、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患の抗N3pGlu Aβ抗体での短期間導入治療に関する。
【0002】
ヒト患者の斑において見られる沈着物は、Aβペプチドの不均一混合物からなる。N3pE Aβ、Aβ pE3-42、またはAβP3-42とも呼ばれるN3pGlu Aβは、Aβペプチドの切断形態であり、斑においてのみ見られる。N3pGlu Aβは、ヒトAβのN末端における最初の2つのアミノ酸残基を欠失しており、第3のアミノ酸位置におけるグルタミン酸から誘導されたピログルタミン酸塩を有する。N3pGlu Aβペプチドが脳において沈着したAβの微量成分であるが、研究により、N3pGlu Aβペプチドが侵襲性凝集特性を有し、沈着カスケードにおいて早期に蓄積することが実証されている。
【0003】
N3pGlu Aβに対する抗体は、当該技術分野で既知である。例えば、米国特許第8,679,498号は、抗N3pGlu Aβ抗体およびアルツハイマー病のような疾患を抗体で治療する方法を開示している。沈着物中に見られるN3pGlu Aβを含むAβに対する抗体の長期慢性投与による受動免疫化は、様々な動物モデルにおいてAβ凝集物を破壊し、脳における斑のクリアランスを促進することが示されている。しかしながら、ヒトでは、Aβ抗体の長期慢性投与は、血管原性浮腫および脳溝滲出液(ARIA-E)、ならびに微小出血およびヘモジデリン沈着物(ARIA-H)、ならびに注射部位反応および免疫原性のリスクを示唆するアミロイド関連イメージング異常(ARIA)を含む有害事象を引き起こしている。Piazza and Winblad,“Amyloid-Related Imaging Abnormalities (ARIA) in Immunotherapy Trials for Alzheimer’s Disease:Need for Prognostic Biomarkers?”Journal of Alzheimer’s Disease,52(2016)417-420を参照されたい。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、長期慢性投与に関連する問題を克服する。出願人らは、比較的高用量の抗N3pGlu Aβ抗体での短期導入治療が、Aβ沈着物を有する患者の脳における斑の顕著なクリアランスを促進し、このクリアランスが驚くべきことに長期間維持されることを見出した。短期導入治療は、1回用量の抗N3pGlu抗体、6ヶ月の期間の隔週用量の抗N3pGlu Aβ抗体、または6ヶ月以下の期間の月1回用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含むことができる。Aβに対する抗体の長期慢性投与によって引き起こされる有害事象を減少させることに加えて、短期導入治療の追加の利点には、患者コンプライアンスの改善、注射部位反応および免疫原性のリスクの減少、顕著な治療コストの削減、ならびに患者および介護者の生活の混乱の減少が含まれる。
【0005】
このようなものとして、本発明は、Aβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、アミロイド沈着物について陽性の患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、Aβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、アミロイド沈着物について陽性の患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。より具体的には、本発明は、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、アミロイド沈着物について陽性の患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。別のより好ましい実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0006】
あるいは、本発明は、Aβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、アミロイド沈着物について陽性の患者に10~60mg/kgの用量の抗N3pGlu Aβ抗体に続いて任意で10~60mg/kgの1つ以上の用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1~12回の別々の用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの6回の別々の用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。あるいは、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの12回の別々の用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される6または12の別々の用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kg(例えば、6ヶ月にわたり患者に投与される20mg/kgの6回の別々の用量)である。別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、6または12回の別々の用量は、用量当たり10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。別の好ましい実施形態では、6回の別々の用量は、1ヶ月の間隔で分離され、12回の別々の用量は、2週間の間隔で分離される。好ましい実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0007】
ある実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別の特定の実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。別の特定の実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防するための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週(2週間毎)、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。別のより好ましい実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において前臨床的AD、前駆的AD(Aβ関連軽度認知障害、MCI、またはADによるMCIと呼ばれる場合もある)、軽度AD、中等度AD、および重度ADを治療または予防する方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において前臨床的AD、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、および重度ADを治療または予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。より具体的には、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において前臨床的AD、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、および重度ADを治療または予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において前臨床的AD、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、および重度ADを治療または予防する方法であって、2週間毎に、10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において前臨床的AD、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、および重度ADを治療または予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。前臨床的AD、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、および重度ADを治療または予防するための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週(2週間毎)、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。別のより好ましい実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知低下を遅らせる方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知低下を遅らせる方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。より具体的には、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知低下を遅らせる方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知低下を遅らせる方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知低下を遅らせる方法であって、患者に10~60mg/kgの1ヶ月導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知低下を遅らせるための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。別のより好ましい実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における機能低下を遅らせる方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における機能低下を遅らせる方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。より具体的には、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における機能低下を遅らせる方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における機能低下を遅らせる方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における機能低下を遅らせる方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における機能低下を遅らせるための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、前臨床的または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における脳Aβアミロイド斑負荷を減少させる方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、前臨床的または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における脳Aβアミロイド斑負荷を減少させる方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。より具体的には、本発明は、前臨床的または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における脳Aβアミロイド斑負荷を減少させる方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における脳Aβアミロイド斑負荷を減少させる方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における脳Aβアミロイド斑負荷を減少させる方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。前臨床的または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における脳Aβアミロイド斑負荷を減少させる方法のための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、低レベルの脳脊髄液(CSF)のAβ1-42および/または脳のAβ沈着物を有する臨床的無症候性患者における記憶喪失または認知低下を予防する方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、低レベルの脳脊髄液(CSF)のAβ1-42および/または脳のAβ沈着物を有する臨床的無症候性患者における記憶喪失または認知低下を予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。より具体的には、本発明は、低レベルの脳脊髄液(CSF)のAβ1-42および/または脳のAβ沈着物を有する臨床的無症候性患者における記憶喪失または認知低下を予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、低レベルの脳脊髄液(CSF)のAβ1-42および/または脳のAβ沈着物を有する臨床的無症候性患者における記憶喪失または認知低下を予防する方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、低レベルの脳脊髄液(CSF)のAβ1-42および/または脳のAβ沈着物を有する臨床的無症候性患者における記憶喪失または認知低下を予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。低レベルの脳脊髄液(CSF)のAβ1-42および/または脳のAβ沈着物を有する臨床的無症候性患者における記憶喪失または認知低下を予防する方法のための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる臨床的無症候性患者を治療する方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる臨床的無症候性患者を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。より具体的には、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる臨床的無症候性患者を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる臨床的無症候性患者を治療する方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる臨床的無症候性患者を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含む、方法を提供する。本発明では、「アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる臨床的無症候性患者」は、PSEN1 E280Aアルツハイマー病因遺伝子突然変異(Paisa突然変異)、常染色体優性アルツハイマー病を引き起こすか、または上記患者に本発明の薬学的組成物を投与することを含む、1つまたは2つのAPOE e4対立遺伝子を保有することによりADを発症するリスクがより高い、遺伝子突然変異を有することが知られる患者を含む。アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる臨床的無症候性患者を治療する方法のための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0014】
さらなる実施形態では、本発明は、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。具体的には、本発明は、Aβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。より具体的には、本発明は、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0015】
ある実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症を治療する方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。具体的には、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。より具体的には、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症を治療する方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。好ましい本発明のある実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0016】
ある実施形態では、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知および/または機能低下を遅らせる方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。具体的には、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知および/または機能低下を遅らせる方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。より具体的には、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知および/または機能低下を遅らせる方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知および/または機能低下を遅らせることであって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、遅らせることを提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的アルツハイマー病または臨床的アルツハイマー病と診断された患者における認知および/または機能低下を遅らせる方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、方法を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0017】
ある実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを抗N3pGlu Aβ抗体で6ヶ月以下の期間治療する方法であって、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少し、減少した状態で治療後2~10年の期間維持される、方法を提供する。より好ましくは、2~5年間。さらにより好ましくは、5~10年間。具体的には、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少し、減少した状態で治療後2~10年の期間維持される、方法を提供する。より好ましくは、2~5年間。さらにより好ましくは、5~10年間。より具体的には、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、減少した状態で治療後1~10年の期間維持される、方法を提供する。より好ましくは、2~5年間。さらにより好ましくは、5~10年間。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症を治療する方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少し、減少した状態で治療後2~10年の期間維持される、方法を提供する。より好ましくは、2~5年間。さらにより好ましくは、5~10年間。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が、導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少し、減少した状態で治療後2~10年の期間維持される、方法を提供する。より好ましくは、2~5年間。さらにより好ましくは、5~10年間。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0018】
本発明はまた、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、続いて導入治療の完了後12、3、5、または10年毎に維持用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。具体的には、本発明は、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、アミロイド沈着物について陽性の患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体、続いて導入治療の完了後1、2、3、5、または10年毎に維持用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、続いて導入治療の完了後1、2、3、5、または10年毎に維持用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者の脳におけるAβ沈着物を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、続いて導入治療の完了後1、2、3、5、または10年毎に維持用量の抗N3pGlu Aβ抗体を投与することを含む、方法を提供する。1つの特定の実施形態では、維持用量のAβ抗体は、1年毎に与えられる。別の特定の実施形態では、維持用量のAβ抗体は、2年毎に与えられる。別の特定の実施形態では、維持用量のAβ抗体は、3年毎に与えられる。別の特定の実施形態では、維持用量のAβ抗体は、5年毎に与えられる。別の特定の実施形態では、維持用量のAβ抗体は、10年毎に与えられる。別の特定の実施形態では、維持用量のAβ抗体は、2~5年毎に与えられる。別の特定の実施形態では、維持用量のAβ抗体は、5~10年毎に与えられる。本発明のある実施形態では、導入および維持用量に同じ抗N3pGlu Aβ抗体が使用される。本発明の別の実施形態では、導入および維持用量に異なる抗N3pGlu抗体が使用される。より具体的な発明のある実施形態では、導入および維持用量で投与される抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0019】
ある実施形態では、本発明はまた、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、有効量のBACE阻害剤との同時、別々、または連続併用で投与することを含む、方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を有効量のBACE阻害剤との同時、別々、または連続併用で投与することを含む、方法を提供する。別の特定の実施形態では、本発明は、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、有効量のBACE阻害剤との同時、別々、または連続併用で投与することを含む、方法を提供する。別の特定の実施形態では、本発明は、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、有効量のBACE阻害剤との同時、別々、または連続併用で投与することを含む、方法を提供する。本発明の別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。
【0020】
本発明のより具体的な実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択され、BACE阻害剤は、
a)式
【化1】
の化合物であって、
化合物名N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミドでも呼ばれる化合物、またはその薬学的に許容される塩、
b)N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド、
c)2 N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4a,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a(4H)-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド、および
d)式
【化2】
の化合物であって、
化合物名N-[3-[(5R)-3-アミノ-5,6-ジヒドロ-2,5-ジメチル-1,1-ジオキシド-2H-1,2,4-チアジアジン-5-イル]-4-フルオロフェニル]-5-フルオロ-2-ピリジンカルボキサミドもしくは一般名ベルベセスタットでも呼ばれる化合物、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0021】
本発明の別のより具体的な実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくはB12Lであり、BACE阻害剤は、
a)式
【化3】
の化合物であって、
化合物名N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミドでも呼ばれる化合物、またはその薬学的に許容される塩、
b)N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド、
c)2 N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4a,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a(4H)-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド、
d)式
【化4】
の化合物であって、
化合物名N-[3-[(5R)-3-アミノ-5,6-ジヒドロ-2,5-ジメチル-1,1-ジオキシド-2H-1,2,4-チアジアジン-5-イル]-4-フルオロフェニル]-5-フルオロ-2-ピリジンカルボキサミドもしくは一般名ベルベセスタットでも呼ばれる化合物、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0022】
ある実施形態では、本発明はまた、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、有効量のAβ抗体との同時、別々、または連続併用で投与することを含む、方法を提供する。特定の実施形態では、本発明はまた、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回、隔週、または月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、有効量のAβ抗体との同時、別々、または連続併用で投与することを含み、Aβ抗体が、
A)配列番号65のLCおよび配列番号66のHC(ソラネズマブ)、
B)配列番号61のLCおよび配列番号62のHC(クレネズマブ)、
C)配列番号57のLCおよび配列番号58のHC(アデュカヌマブ)、
D)配列番号63のLCおよび配列番号64のHC(BAN2401)、ならびに
E)配列番号59のLCおよび配列番号60のHC(ガンテネルマブ)からなる群から選択されるアミノ酸軽鎖(LC)およびアミノ酸重鎖(HC)を含む、方法を提供する。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0024】
ある実施形態では、本発明はまた、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回、隔週、または月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、有効量の20kDペグ化抗Aβ Fab抗体との同時、別々、または連続併用で投与することを含み、抗Aβ Fabが、配列番号55のアミノ酸軽鎖可変領域および配列番号56のアミノ酸重鎖可変領域を含む、方法を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0025】
別の実施形態では、本発明はまた、脳におけるAβの沈着を特徴とする疾患を治療する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回、隔週、または月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間、有効量のアルツハイマー病を治療する対症療法剤との同時、別々、または連続併用で投与することを含む、方法を提供する。対症療法剤は、コリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)および/または部分N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニストから選択することができる。好ましい実施形態では、薬剤は、ChEIである。別の好ましい実施形態では、薬剤は、NMDAアンタゴニストまたはChEIおよびNMDAアンタゴニストを含む併用薬である。本発明のより好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替のより好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、好ましくは表1から選択される。
【0026】
別の実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症の治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの用量で6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。具体的には、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症の治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症の治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症の治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に1ヶ月毎に10~60mg/kgの導入用量として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAの治療または予防における使用のための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。さらにより好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0027】
別の実施形態では、本発明は、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、または重度ADの治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの用量で6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。具体的には、本発明は、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、または重度ADの治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、または重度ADの治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、または重度ADの治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に1ヶ月毎に10~60mg/kgの導入用量として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。前駆的AD、軽度AD、中等度AD、または重度ADの治療における使用のための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。さらにより好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0028】
別の実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症から選択される病態と診断された患者における認知または機能低下の予防または遅延における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの用量で6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。具体的には、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症から選択される病態と診断された患者における認知低下の予防または遅延における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症、中等度ADまたは重度ADから選択される病態と診断された患者における認知低下の予防または遅延における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症から選択される病態と診断された患者における認知低下の予防または遅延における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に1ヶ月毎に10~60mg/kgの導入用量として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症から選択される病態と診断された患者における認知低下の予防または遅延における使用のための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。さらにより好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0029】
別の実施形態では、本発明は、前臨床的または臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症と診断された患者の脳におけるAβアミロイド斑負荷の減少における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの用量で6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。具体的には、本発明は、前臨床的または臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症と診断された患者の脳におけるAβアミロイド斑負荷の減少における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的または臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症と診断された患者の脳におけるAβアミロイド斑負荷の減少における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前臨床的または臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症と診断された患者の脳におけるAβアミロイド斑負荷の減少における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に1ヶ月毎に10~60mg/kgの導入用量として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。前臨床的または臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症と診断された患者の脳におけるAβアミロイド斑負荷の減少における使用のための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。さらにより好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0030】
別の実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる臨床的無症候性患者の治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの用量で6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。具体的には、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる無症候性患者の治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる無症候性患者の治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に2週間毎に10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる無症候性患者の治療における使用のための抗N3pGlu Aβ抗体であって、患者に1ヶ月毎に10~60mg/kgの導入用量として6ヶ月以下の期間投与される、抗N3pGlu Aβ抗体を提供する。アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる無症候性患者の治療における使用のための本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0031】
別の実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症の治療のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。具体的には、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症の治療のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に投与される10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症の治療のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に2週間毎に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症の治療のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に1ヶ月毎に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。さらにより好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0032】
別の実施形態では、本発明は、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、または重度ADの治療のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。具体的には、本発明は、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、または重度ADの治療のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、または重度ADの治療のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に2週間毎に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、前駆的AD、軽度AD、中等度AD、または重度ADの治療のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に1ヶ月毎に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。さらにより好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0033】
別の実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症から選択される病態と診断された患者における認知または機能低下の予防または遅延のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。具体的には、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症から選択される病態と診断された患者における認知低下の予防または遅延のための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症から選択される病態と診断された患者における認知低下の予防または遅延のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、2週間毎に患者に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的脳アミロイド血管症から選択される病態と診断された患者における認知低下の予防または遅延のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に1ヶ月毎に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。さらにより好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0034】
別の実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる無症候性患者を治療するための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に10~60mg/kgの用量の抗N3pGlu Aβ抗体で6ヶ月以下の期間投与される、使用を提供する。具体的には、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる無症候性患者を治療するための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる無症候性患者を治療する抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に2週間毎に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子突然変異を有することが知られる無症候性患者を治療する抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に1ヶ月毎に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含む、使用を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。さらにより好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0035】
別の実施形態では、本発明は、患者の脳におけるAβ沈着物を減少させるための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含み、患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、使用を提供する。具体的には、本発明は、患者の脳におけるAβ沈着物を減少させるための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含み、患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、患者の脳におけるAβ沈着物を減少させるための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に2週間毎に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含み、患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、使用を提供する。別のより具体的な実施形態では、本発明は、患者の脳におけるAβ沈着物を減少させるための薬剤の製造のための抗N3pGlu Aβ抗体の使用であって、薬剤が、患者に1ヶ月毎に6ヶ月以下の期間投与される10~60mg/kgの導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を含み、患者の脳におけるAβ沈着物が、導入用量治療後6ヶ月以内に35~100%減少する、使用を提供する。本発明の好ましい実施形態では、患者に投与される1回、隔週、および月1回導入用量は、20~40mg/kgまたは15~30mg/kgである。本発明の別の好ましい実施形態では、患者に投与される1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。本発明の代替の好ましい実施形態では、患者に投与される隔週および月1回導入用量は、6ヶ月の期間10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgである。さらにより好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1から選択される。
【0036】
本明細書で使用される場合、「抗N3pglu Aβ抗体」は、Aβ1-40またはAβ1-42に対してN3pGlu Aβに優先的に結合する抗体を指す。N3pGlu Aβの配列は、配列番号31のアミノ酸配列である。特定の実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、表1に列挙されるアミノ酸配列を含む。より具体的には、本発明の抗N3pGlu Aβ抗体は、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、そのLCVRは、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、HCVRは、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、これらは、下記からなる群から選択される:
a)LCDR1は配列番号17であり、LCDR2は配列番号18であり、LCDR3は配列番号19であり、HCDR1は配列番号20であり、HCDR2は配列番号22であり、HCDR3は配列番号23であり、
b)LCDR1は配列番号17であり、LCDR2は配列番号18であり、LCDR3は配列番号19であり、HCDR1は配列番号21であり、HCDR2は配列番号22であり、HCDR3は配列番号24であり、
c)LCDR1は配列番号17であり、LCDR2は配列番号18であり、LCDR3は配列番号19であり、HCDR1は配列番号36であり、HCDR2は配列番号22であり、HCDR3は配列番号37であり、
d)LCDR1は配列番号4であり、LCDR2は配列番号6であり、LCDR3は配列番号7であり、HCDR1は配列番号1であり、HCDR2は配列番号2であり、HCDR3は配列番号3であり、
e)LCDR1は配列番号4であり、LCDR2は配列番号5であり、LCDR3は配列番号7であり、HCDR1は配列番号1であり、HCDR2は配列番号2であり、HCDR3は配列番号3である。
【0037】
他の実施形態では、本発明の抗N3pGlu Aβ抗体は、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、そのLCVRおよびHCVRは、
a)配列番号25のLCVRおよび配列番号26のHCVR、
b)配列番号25のLCVRおよび配列番号27のHCVR、
c)配列番号32のLCVRおよび配列番号34のHCVR、
d)配列番号9のLCVRおよび配列番号8のHCVR、ならびに
e)配列番号10のLCVRおよび配列番号8のHCVRからなる群から選択される。
【0038】
さらなる実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含み、そのLCおよびHCは、
a)配列番号28のLCおよび配列番号29のHC、
b)配列番号28のLCおよび配列番号30のHC、
c)配列番号33のLCおよび配列番号35のHC、
d)配列番号12のLCおよび配列番号11のHC、ならびに
e)配列番号13のLCおよび配列番号11のHCからなる群から選択される。
【0039】
他の実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、2つの軽鎖(LC)および2つの重鎖(HC)を含み、各LCおよび各HCは、
a)配列番号28のLCおよび配列番号29のHC、
b)配列番号28のLCおよび配列番号30のHC、
c)配列番号33のLCおよび配列番号35のHC、
d)配列番号12のLCおよび配列番号11のHC、ならびに
e)配列番号13のLCおよび配列番号11のHCからなる群から選択される。
【0040】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号12および配列番号11の軽鎖(LC)および重鎖(HC)を有する抗体Iを含む。抗体Iは、それぞれ配列番号9および配列番号8の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)をさらに有する。抗体IのHCVRは、配列番号1のHCDR1、配列番号2のHCDR2、および配列番号3のHCDR3をさらに含む。抗体IのLCVRは、それぞれ配列番号4のLCDR1、配列番号6のLCDR2、および配列番号7のLCDR3をさらに含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号13および配列番号11の軽鎖(LC)および重鎖(HC)を有する抗体IIを含む。抗体IIは、それぞれ配列番号10および配列番号8の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)をさらに有する。抗体IIのHCVRは、配列番号1のHCDR1、配列番号2のHCDR2、および配列番号3のHCDR3をさらに含む。抗体IIのLCVRは、それぞれ配列番号4のLCDR1、配列番号5のLCDR2、および配列番号7のLCDR3をさらに含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号28および配列番号29の軽鎖(LC)および重鎖(HC)を有するB12Lを含む。B12Lは、それぞれ配列番号25および配列番号26の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)をさらに有する。B12LのHCVRは、配列番号20のHCDR1、配列番号22のHCDR2、および配列番号23のHCDR3をさらに含む。B12LのLCVRは、それぞれ配列番号17のLCDR1、配列番号18のLCDR2、および配列番号19のLCDR3をさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号28および配列番号30の軽鎖(LC)および重鎖(HC)を有するR17Lを含む。R17Lは、それぞれ配列番号25および配列番号27の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)をさらに有する。R17LのHCVRは、配列番号21のHCDR1、配列番号22のHCDR2、および配列番号24のHCDR3をさらに含む。R17LのLCVRは、それぞれ配列番号17のLCDR1、配列番号18のLCDR2、および配列番号19のLCDR3をさらに含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号33および配列番号35の軽鎖(LC)および重鎖(HC)を有するhE8Lを含む。hE8Lは、それぞれ配列番号32および配列番号34の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)をさらに有する。hE8LのHCVRは、配列番号36のHCDR1、配列番号22のHCDR2、および配列番号37のHCDR3をさらに含む。hE8LのLCVRは、それぞれ配列番号17のLCDR1、配列番号18のLCDR2、および配列番号19のLCDR3をさらに含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号39および40の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を有する抗体VIを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号41および42の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を有する抗体VIIを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号43および44の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を有する抗体VIIIを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号45および46の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を有する抗体IXを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号47および48の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を有する抗体Xを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号49および50の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を有する抗体XIを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号51および52の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を有する抗体XIIを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、それぞれ配列番号53および54の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を有する抗体XIIIを含む。
【0053】
当業者であれば、本発明のある実施形態が、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、患者に1回、隔週、または月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、抗N3pGlu Aβ抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、そのLCVRおよびHCVRが、
a)配列番号25のLCVRおよび配列番号26のHCVR、
b)配列番号25のLCVRおよび配列番号27のHCVR、
c)配列番号32のLCVRおよび配列番号34のHCVR、
d)配列番号9のLCVRおよび配列番号8のHCVR、ならびに
e)配列番号10のLCVRおよび配列番号8のHCVRからなる群から選択される、方法を提供すると認識するであろう。
【0054】
好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、配列番号25のLCVRおよび配列番号26のHCVRを含む。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、1回または隔週投与される。さらにより好ましくは、1回または隔週用量は、導入用量の投与の6ヶ月以内に患者の脳におけるAβ沈着物の35~100%の減少をもたらす。
【0055】
別の特定の実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、患者に1回、隔週、または月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、抗N3pGlu Aβ抗体が、軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含み、そのLCおよびHCが、
a)配列番号28のLCおよび配列番号29のHC、
b)配列番号28のLCおよび配列番号30のHC、
c)配列番号33のLCおよび配列番号35のHC、
d)配列番号12のLCおよび配列番号11のHC、ならびに
e)配列番号13のLCおよび配列番号11のHCからなる群から選択される、方法を提供する。
【0056】
好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、配列番号28のLCおよび配列番号29のHCを含む。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、1回または隔週投与される。さらにより好ましくは、1回または隔週用量は、導入用量の投与の6ヶ月以内に患者の脳におけるAβ沈着物の35~100%の減少をもたらす。
【0057】
さらなる実施形態は、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、患者に1回、隔週、または月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、抗N3pGlu Aβ抗体が、2つの軽鎖(LC)および2つの重鎖(HC)を含み、各LCおよびHCが、
a)配列番号28のLCおよび配列番号29のHC、
b)配列番号28のLCおよび配列番号30のHC、
c)配列番号33のLCおよび配列番号35のHC、
d)配列番号12のLCおよび配列番号11のHC、ならびに
e)配列番号13のLCおよび配列番号11のHCからなる群から選択される、方法を提供する。
【0058】
好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、配列番号28の2つのLCおよび配列番号29のHCを含む。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、1回または隔週投与される。さらにより好ましくは、1回または隔週用量は、導入用量の投与の6ヶ月以内に患者の脳におけるAβ沈着物の35~100%の減少をもたらす。
【0059】
本発明はまた、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回、隔週、または月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、抗N3pGlu Aβ抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)を含み、そのLCVRおよびHCVRが、
a)配列番号25のLCVRおよび配列番号26のHCVR、
b)配列番号25のLCVRおよび配列番号27のHCVR、
c)配列番号32のLCVRおよび配列番号34のHCVR、
d)配列番号9のLCVRおよび配列番号8のHCVR、ならびに
e)配列番号10のLCVRおよび配列番号8のHCVRからなる群から選択される、方法を提供する。
【0060】
好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、配列番号25のLCVRおよび配列番号26のHCVRを含む。より好ましくは、患者に投与される1回、隔週(2週間毎)、および月1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、20~40mg/kg、または15~30mg/kgである。さらにより好ましくは、導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体は、1回または隔週投与される。さらにより好ましくは、1回または隔週用量は、導入用量の投与の6ヶ月以内に患者の脳におけるAβ沈着物の35~100%減少をもたらす。
【0061】
ある実施形態では、本発明は、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回、隔週、または月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、抗N3pGlu Aβ抗体が、軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含み、そのLCおよびHCが、
a)配列番号28のLCおよび配列番号29のHC、
b)配列番号28のLCおよび配列番号30のHC、
c)配列番号33のLCおよび配列番号35のHC、
d)配列番号12のLCおよび配列番号11のHC、ならびに
e)配列番号13のLCおよび配列番号11のHCからなる群から選択される、方法を提供する。
【0062】
好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、配列番号28のLCおよび配列番号29のHCを含む。より好ましくは、患者に投与される1回、隔週(2週間毎)、および月1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、20~40mg/kg、または15~30mg/kgである。さらにより好ましくは、導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体は、1回または隔週投与される。さらにより好ましくは、1回または隔週用量は、導入用量の投与の6ヶ月以内に患者の脳におけるAβ沈着物の35~100%の減少をもたらす。
【0063】
本発明はまた、アミロイド沈着物について陽性の患者において臨床的または前臨床的アルツハイマー病、ダウン症候群、および臨床的または前臨床的CAAを治療または予防する方法であって、患者に10~60mg/kgの1回、隔週、または月1回導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体を6ヶ月以下の期間投与することを含み、抗N3pGlu Aβ抗体が、2つの軽鎖(LC)および2つの重鎖(HC)を含み、各LCおよびHCが、
a)配列番号28のLCおよび配列番号29のHC、
b)配列番号28のLCおよび配列番号30のHC、
c)配列番号33のLCおよび配列番号35のHC、
d)配列番号12のLCおよび配列番号11のHC、ならびに
e)配列番号13のLCおよび配列番号11のHCからなる群から選択される、方法を提供する。
【0064】
好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体は、配列番号28の2つのLCおよび配列番号29の2つのHCを含む。より好ましくは、患者に投与される1回、隔週(2週間毎)、および月1回導入用量は、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、40mg/kg、20~40mg/kg、または15~30mg/kgである。さらにより好ましくは、導入用量の抗N3pGlu Aβ抗体は、1回または隔週投与される。さらにより好ましくは、1回または隔週用量は、導入用量の投与の6ヶ月以内に患者の脳におけるAβ沈着物の35~100%の減少をもたらす。
【0065】
当業者であれば、「抗N3pGlu Aβ抗体」、ならびに特異的抗体「hE8L」、「B12L」、および「R17L」が、2014年3月25日に発行された米国特許第8,679,498B2号、表題「Anti-N3pGlu Amyloid Beta Peptide Antibodies and Uses Thereof」(米国特許出願第13/810,895号)に記載されるように、当業者によってそれらの抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。例えば、米国特許第8,679,498B2号の表1を参照されたい。これらの3つの抗体(例えば、「hE8L」、「B12L」、および「R17L」)の各々は、本発明の抗N3pGlu Aβ抗体として使用され得る。当業者であれば、「抗N3pGlu Aβ抗体」、ならびに特異的抗体「抗体VI」、「抗体VII」、「抗体VIII」、および「抗体IX」が、WO2010/009987A2、表題「Diagnosed Antibody Assay」に記載されるように、当業者によってそれらの抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。これらの4つの抗体(例えば、「抗体VI」、「抗体VII」、「抗体VIII」、および「抗体IX」)の各々は、本発明の抗N3pGlu Aβ抗体として使用され得る。
【0066】
当業者であれば、「抗N3pGlu Aβ抗体」、ならびに特異的抗体「抗体X」および「抗体XI」が、WO2011/151076A2、表題「Monoclonal Antibodies Targeting Aβ Monoclonal Antibodies」に記載されるように、当業者によってそれらの抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。これらの2つの抗体(例えば、「抗体X」および「抗体XI」)の各々は、本発明の抗N3pGlu Aβ抗体として使用され得る。
【0067】
当業者であれば、「抗N3pGlu Aβ抗体」、ならびに特異的抗体「抗体XII」および「抗体XIII」が、WO2012/136552A1、表題「Antibodies Specific to Pyroglutamated Aβ」に記載されるように、当業者によってそれらの抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。これらの2つの抗体(例えば、「抗体XII」および「抗体XIII」)の各々は、本発明の抗N3pGlu Aβ抗体として使用され得る。
【0068】
当業者であれば、「Aβ抗体」、および特異的抗体「アデュカヌマブ」が、2014年6月12日に公開されたWO14089500A1、表題「A Method of Reducing Brain Amyloid Plaques Using Anti-Aβ Antibodies」に記載されるように、当業者によってその抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。これは、本発明のAβ抗体として使用され得る。
【0069】
当業者であれば、「Aβ抗体」、および特異的抗体「ガンテネルマブ」が、2007年6月21日に公開されたWO2007/068429、表題「Antibodies Against Amyloid Beta 4 with Glycosylated in the Variable Region」に記載されるように、当業者によってその抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。これは、本発明のAβ抗体として使用され得る。
【0070】
当業者であれば、「Aβ抗体」、および特異的抗体「クレネズマブ」が、2015年8月13日に公開された2015/120280A1、表題「Methods of treating alzheimer’s disease」に記載されるように、当業者によってその抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。これは、本発明のAβ抗体として使用され得る。
【0071】
当業者であれば、「Aβ抗体」、および特異的抗体「BAN 2401」が、2011年9月27日に発行されたUS8025878B2、表題「Protofibril selective antibodies and the use thereof」に記載されるように、当業者によってその抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。これは、本発明のAβ抗体として使用され得る。
【0072】
当業者であれば、「Aβ抗体」、および特異的抗体「ソラネズマブ」が、2007年3月27日に発行された米国特許第7,195,761B2号、表題「Humanized Antibodies that Sequester ABeta Peptide」に記載されるように、当業者によってその抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。これは、本発明のAβ抗体として使用され得る。
【0073】
当業者であれば、「Aβ抗体」、および特異的抗体「抗体XIV」が、2011年11月29日に発行された米国特許第8,066,999B1号、表題「Pegylated Aβ FAB」(米国特許出願第12/521,309号)に記載されるように、当業者によってその抗体を作製および使用するための方法と共に特定および開示されることを理解および認識するであろう。これは、本発明のAβ抗体として使用され得る。
【0074】
式:
【化5】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩は、BACE阻害剤として開示されており、2014年9月23日に発行された米国特許第8,841,293B1号、表題「Tetrahydropyrrolothiazine Compounds」(米国特許出願第14/195,897号)、特に実施例4、N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド参照、に記載されるように、当業者によって調製され得る。N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミドのトシレート塩は、PCT/US2016/014423に記載されるように、当業者によって調製され得る。N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミドの結晶形は、WO2016/043996、表題「A Tetrahydropyrrolo[3,4-D][1,3]Thiazine-Derivative as BACE Inhibitor」に記載されるように、当業者によって調製され得る。
【0075】
式:
【化6】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩は、BACE阻害剤として開示されており、2014年5月20日に発行された米国特許第8,729,071B1号、表題「Iminothiadiazine Dioxide Compounds As BACE Inhibitors,Compositions and Their Use」に記載されるように、当業者によって調製され得る。N-[3-[(5R)-3-アミノ-5,6-ジヒドロ-2,5-ジメチル-1,1-ジオキシド-2H-1,2,4-チアジン-5-イル]-4-フルオロフェニル]-5-フルオロ-2-ピリジンカルボキサミドの結晶形およびトシレート塩の結晶形、ベルベセスタットは、開示されており、WO2016/053767、表題「Novel Crystalline forms of a BACE Inhibitor,Compositions,and their Use」に記載されるように、当業者によって調製され得る。
【0076】
加えて、本発明で使用される特定の抗N3pGlu Aβ抗体のアミノ酸配列を以下の表1に提供する。
【0077】
【0078】
「抗体I」、「抗体II」、「抗体III」、「抗体IV」、および「抗体V」に関して、このような抗体についての追加のアミノ酸配列を表2に提供する。
【0079】
【0080】
本明細書で使用する場合、「抗体」とは、ジスルフィド結合によって相互に連結された、2つの重鎖(HC)および2つの軽鎖(LC)を含む免疫グロブリン分子である。各LCおよびHCのアミノ末端部分は、その中に含有される相補性決定領域(CDR)を介した抗原認識を生じる可変領域を含む。CDRには、フレームワーク領域と呼ばれるより保存的な領域が散在している。本発明の抗体のLCVRおよびHCVR領域内のCDRドメインに対するアミノ酸の割り当ては、下記:Kabat付番規則(Kabat,et al.,Ann.NY Acad.Sci.190:382-93(1971)、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242(1991))、およびNorth付番規則(North et al.,A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations,Journal of Molecular Biology,406:228-256(2011))に基づく。上記方法に従って、本発明のCDRを決定した(表2)。
【0081】
本発明の抗N3pGlu Aβ抗体は、κLCおよびIgG HCを含む。特定の実施形態では、本発明の抗N3pglu Aβ抗体は、ヒトIgG1アイソタイプのものである。
【0082】
本発明の抗体は、モノクローナル抗体(「mAb」)である。モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ技術、組換え技術、ファージディスプレイ技術、合成技術、例えば、CDRグラフティング、または当該技術分野で知られるこうしたもしくは他の技術の組み合わせによって産生することができる。本発明のモノクローナル抗体は、ヒトまたはヒト化である。ヒト化抗体は、非ヒト抗体由来のCDRを取り囲む1つ以上のヒトフレームワーク領域(または実質的にヒトフレームワーク領域)を含有するように操作することができる。ヒトフレームワーク生殖系列配列は、そのウェブサイトhttp://imgt.cines.frを介してImunoGeneTics(INGT)から、またはMarie-Paule Lefranc and Gerard LefrancによるThe Immunoglobulin FactsBook,Academic 25 Press,2001,ISBN 012441351から入手することができる。ヒトまたはヒト化抗体を産生するための技法は、当該技術分野で周知である。本発明の別の実施形態では、抗体、または抗体をコードする核酸は、単離形態で提供される。本明細書で使用する場合、「単離」という用語は、天然では見出されない、かつ細胞環境において見出される他の高分子種を含まないか、または実質的に含まない、タンパク質、ペプチド、または核酸を指す。「実質的に含まない」とは、本明細書で使用する場合、対象のタンパク質、ペプチド、または核酸が、存在する高分子種の80%超(モルベース)、好ましくは90%超、より好ましくは95%超を含むことを意味する。
【0083】
本発明の抗N3pGlu Aβ抗体は、薬学的組成物として投与される。本発明の抗体を含む薬学的組成物は、本明細書で説明される疾患もしくは障害のリスクがあるか、またはこれを呈する患者に、非経口経路(例えば、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内)によって投与され得る。皮下経路および静脈内経路が好ましい。
【0084】
「治療」、「治療すること(treating)」、または「治療すること(to treat)」という用語および類似語は、患者における既存の症状、病態、疾患、または障害の進行または重症度の抑制、遅延、または停止を含む。「患者」という用語は、ヒトを指す。
【0085】
「予防」という用語は、疾患の発症または進行を予防するための、無症候性患者または前臨床的アルツハイマー病を有する患者への本発明の抗体の予防投与を意味する。
【0086】
「Aβの沈着を特徴とする疾患」または「Aβ沈着物を特徴とする疾患」という用語は、相互互換的に使用されており、脳または脳血管系におけるAβ沈着物により病理学的に特徴付けられる疾患を指す。これは、アルツハイマー病、ダウン症候群、および脳アミロイド血管症のような疾患を含む。アルツハイマー病の臨床的診断、病期分類、または進行は、当業者としての担当診断医または医療従事者によって、既知の技法を用いることにより、かつ結果を観察することにより容易に判定され得る。これは一般に、ある形態の脳斑イメージング、精神もしくは認知評価(例えば、臨床的認知症重症度判定尺度(CDR-SB)、ミニメンタルステート検査(MMSE)、またはアルツハイマー病評価尺度-認知(ADAS-Cog))、または機能評価(例えば、アルツハイマー病共同研究-日常生活動作(ADCS-ADL)を含む。認知および機能評価は、患者認知(例えば、認知低下)および機能(例えば、機能低下)の変化を判定するために使用することができる。本明細書で使用される「臨床的アルツハイマー病」とは、診断された病期のアルツハイマー病である。これは、前駆的アルツハイマー病、軽度アルツハイマー病、中等度アルツハイマー病、および重度アルツハイマー病と診断された病態を含む。「前臨床的アルツハイマー病」という用語は、臨床的アルツハイマー病に先立つ病期であり、バイオマーカー(CSF Aβ42レベルまたはアミロイドPETによる沈着脳斑など)の測定可能な変化が、臨床的アルツハイマー病へ進行するアルツハイマー病理を有する患者の最初期の徴候を示す。これは通常、記憶喪失および混乱のような症状が顕著となる前である。前臨床的アルツハイマー病には、発症前常染色体優性保有者ならびに1つまたは2つのAPOE e4対立遺伝子を保有することによりADを発症するリスクがより高い患者も含まれる。
【0087】
脳斑イメージングを受けている患者について、患者は、放射性標識PET化合物でのアミロイドイメージングのような方法によって脳においてアミロイドが検出される場合、アミロイド沈着物について陽性である。1つのこのようなアミロイドPETイメージング化合物の例は、アミロイド斑に高い特異性で結合する、フロルベタピルF18である。フロルベタピルF18の化学式は、C20H25
18FN2O3である。放射性標識PET化合物でのアミロイドイメージングを使用して、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物が導入治療後6ヶ月以内に35~100%減少するかを判定することができる。当業者であれば、(放射性標識PET化合物での)アミロイドイメージングから得られた標準取込み値比(SUVR)値を相関させて、治療前後の患者の脳におけるAβ沈着物の減少%を計算することができる。SUVr値は標準センチロイド単位に変換することができ、100はADの平均値であり、0は若年対照の平均値であり、アミロイドPETトレーサー間の比較可能性をもたらし、センチロイド単位による減少の計算を可能にする(Klunk et al.,Alzheimers Dement,2015;11:1-15)。本明細書で使用する場合、「6ヶ月以下の期間」は、各月が28~31日を有する、満連続暦月で6ヶ月以下の期間を指す。少なくともこの期間には、単一投与で与えられる1回導入用量が含まれる。
【0088】
認知低下の軽減または減速は、臨床的認知症重症度判定尺度(CDR-SB)、ミニメンタルステート検査(MMSE)、またはアルツハイマー病評価尺度-認知(ADAS-Cog)のような認知評価によって測定することができる。機能低下の軽減または減速は、アルツハイマー病共同研究-日常生活動作(ADCS-ADL)のような機能評価によって測定することができる。
【0089】
「導入用量」は、治療の6ヶ月以内にヒト患者の脳におけるAβ沈着物の急激な減少を引き起こす抗N3pGlu Aβ抗体の用量である。「1回」用量は、患者に1回投与される導入用量である。「1回」用量はまた、そのような用量が必要とされる場合に用量間で、2~10年のような長期間に1回、患者に投与される用量であり得る。患者が2回以上の「1回」導入用量を必要とするかどうかは、既知の技法を使用することにより、かつ結果を観察することにより、診断医または医療従事者によって判定され得る。「隔週」用量は、2週間毎に患者に投与される用量である。
【0090】
「維持用量」は、導入用量治療後に患者に投与される用量である。維持用量は、ヒト患者の脳におけるAβ沈着物の減少を含む所望の治療応答を維持するために投与される抗体または薬物の量である。維持用量は、導入用量と比較して同じまたは低い量の抗体または薬物である用量であり得る。
【0091】
本明細書で使用する場合、「mg/kg」は、体重キログラムに基づいて患者に投与される抗体または薬物のミリグラム単位の量を意味する。1用量は、1回で与えられる。例えば、体重70kgの患者のための10mg/kg用量の抗体は、単一投与で与えられる単一700mg用量の抗体であろう。同様に、体重80kgの患者のための40mg/kg用量の抗体は、単一投与で与えられる3200mg用量の抗体であろう。
【0092】
本明細書で使用する場合、「と組み合わせて」という語句は、別の分子(BACE阻害剤、対症療法剤、またはAβ抗体のような「併用分子」)との、同時、もしくは任意の順序での連続、またはこれらのいずれかの組み合わせでの、本発明の抗N3pGlu Aβ抗体の投与を指す。2つの分子は、同じ薬学的組成物の一部としてまたは別個の薬学的組成物としてのいずれかで投与され得る。抗N3pGlu Aβ抗体は、併用分子の投与前に、それと同時に、もしくはその後に、またはこれらのある組み合わせで投与され得る。併用分子が(例えば、標準的な治療経過中)反復間隔で投与される場合、抗N3pGlu Aβ抗体は、併用分子の各投与前に、それと同時に、もしくはその後に、またはこれらのある組み合わせで、または併用分子での療法に関して異なる間隔で、または併用分子での治療経過前の、その間の任意の時点での、もしくはその後の単一もしくは一連の用量で投与され得る。当業者であれば、BACE阻害剤が治療剤、好ましくはβ-セクレターゼ1酵素を阻害し、アミロイド斑の形成を防止し得る小分子を指すことを認識するであろう。BACE阻害剤の例は、本明細書に開示される。
【0093】
本明細書で使用される「対症療法剤」は、アルツハイマー病の認知徴候を対症的に治療するために用いられる治療剤を指し、アルツハイマー病の進行にいかなる効果を有することも示していない。これらには、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤およびNMDA受容体アンタゴニストが含まれる。AD症状の管理のために承認されたコリンエステラーゼ阻害剤には、ドネペジル(商品名Aricept(商標))、ガランタミン(Razadyne(商標))、およびリバスチグミン(商品名ExelonおよびExelon(商標)Patch)が含まれる。メマンチン(NAMEDA(登録商標)としても知られている)は、承認されたNMDA受容体アンタゴニストである。NAMZARIC(登録商標)は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤およびNMDA受容体アンタゴニストの両方を含む配合剤である。
【0094】
以下の実施例およびアッセイは、本発明の抗体が、アルツハイマー病、ダウン症候群、およびCAAのような、Aβの沈着を特徴とする疾患を治療するために有用であることを実証している。しかしながら、以下の実施例が限定ではなく例証として記載されており、当業者によって様々な変更がなされ得ることは理解されるべきである。
【実施例】
【0095】
実施例1:老齢トランスジェニックマウスにおける単一用量有効性
老齢PDAPPトランスジェニックマウス(18.5~20月齢)において観察されたネズミサロゲートmE8c抗N3pGlu抗体(IgG2a)(米国特許第8,679,498B1号)の単一用量縦効果。アルツハイマー病を有するヒトにおけるAβ沈着率および条件を模倣するために、ビオチン化mE8c抗体または同じアイソタイプのビオチン化対照抗体の単一腹腔内注射を受ける4日前から、マウスにBACE阻害剤LY2811376(0.015%)を含む穀物飼料を与え、試験期間中はこの飼料のままとする。飼料中のBACE阻害剤で治療された老齢PDAPPマウスにおいて実証された先立つ4ヶ月の試験は、4ヶ月間にわたって沈着したAβに変化をもたらさないレベルのBACE阻害をもたらした(すなわち、さらなる沈着および沈着したAβのクリアランスは起こらなかった)。動物は、ビオチン化mE8c抗体(20mg/kgまたは100mg/kg)またはビオチン化対照抗体(100mg/kg)の単一注射の4、8、12、または16週間後に犠死させる。トランスジェニックマウスの追加の対照群は、試験開始時(時間ゼロコホート)および4、8、12、または16週(年齢適合対照コホート)で犠死させる。海馬組織を酸尿素ゲルによって分析し、Aβ1-42を変性条件によって測定する。
【0096】
本質的に上記のような手順後、Aβ1-42のレベルには、時間ゼロコホートと比較して、4、8、12、または16週で注射されたアイソタイプ対照(年齢適合対照コホート)の間で有意差はなかった。このようなものとして、ビオチン化mE8c抗体が注射された動物との比較のために、対照動物を1つの対照群にまとめた。20mg/kgのビオチン化mE8c抗体の単一注射を受けたマウスは、対照動物と比較して、4週(-6%)、8週(-32%、ダネットの多重比較、p=0.0091)、12週(-17%)、および16週(-19%)で海馬Aβ1-42のレベルが減少した。100mg/kgのビオチン化mE8c抗体の単一注射を受けた老齢PDAPPマウスは、対照動物と比較して、4週(-23%)、8週(-28%、ダネットの多重比較、p=0.0252)、12週(-14%)、および16週(-17%)で海馬Aβ1-42のレベルが減少した。
【0097】
実施例2:老齢トランスジェニックマウスにおける単一用量標的結合
単一用量のN3pGlu抗体後の沈着斑のインビボ標的結合を判定するために、実施例1に記載の単一用量抗体試験からの凍結脳半球を組織学的に分析して、単一用量の抗体の0、4、8、12、および16週間後に斑に結合した抗体を示す海馬の面積パーセントを決定する。
【0098】
脳を切片化し、(結合したN3pGlu抗体を検出するための)抗ヒト抗体および(切片における沈着標的の総量を検出するための)3D6を有する姉妹切片に対して免疫組織化学を行う。N3pGlu抗体によって結合された面積パーセントは、切片における沈着標的の総量に対して正規化される。
【0099】
本質的に上記のような手順後、沈着Aβによって覆われた総面積は、すべての群にわたって有意に異ならず、染色によって覆われた平均海馬面積は、27~39%で変動した。対照動物について、標的結合はほとんどまたは全く観察されなかった。有意な標的結合は、20mg/kg(それぞれ、2.8%(p<0.0001)、1.9%(p<0.0001)、1.1%(p=0.003)、0.6%(p=0.0323)または100mg/kg(それぞれ、5.5%(p<0.0001)、4.0%(p<0.0001)、2.6%(p<0.0001)、1.5%(p=0.0002)の単一用量のビオチン化mE8c抗体の4、8、12、および16週間後に観察された。Dunnノンパラメトリック分析を用いてp値を決定した。mE8c注射動物における標的結合の平均面積は、治療の4週間後に最も高く、平均標的結合は、その後の8、12、および16週間の時点で長手方向に減少した(20mg/kgのmE8c群についてそれぞれ1.9%、1.1%、0.6%、ならびに100mg/kgのmE8c群についてそれぞれ4.0%、2.6%、および1.5%)。高レベルの変動性に起因して、第12週および第16週(p値=0.0465、0.0432未調整Wilcoxon)を除いた一致した時点について、20および100mg/kgのmE8c単一用量が注射された動物の間に有意差は観察されなかった。
【0100】
実施例3:アルツハイマー病のための単一用量および複数用量、用量漸増臨床試験
ADまたは軽度~中等度ADに起因するMCIを有する患者における第I相、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、パラレル群、単一用量、続いて複数用量、用量漸増試験を実施して、LY3002813(抗体III)の単一および複数IV用量の安全性、忍容性、およびPKを評価した。AD患者は、単一漸増用量(SAD)相に登録され、各々単一静脈内(IV)用量の抗体III(0.1mg/kg IV~10mg/kg IVの5つの投薬コホート)またはプラセボが投与され、続いて各用量レベルについて12週間の追跡期間が設けられた。追跡期間後、同じ患者は複数漸増用量(MAD)相(5コホート)に進み、IV用量の抗体III(0.3mg/kg IV~10mg/kg IV)またはプラセボが、初回用量に応じて1ヶ月あたり約1回、4用量まで投与された。この相は12週間の追跡期間で終了した。
【0101】
抗体IIIのPKを単一用量の84日後まで評価した単一用量試験の結果は、平均終末消失半減期が0.1mg/kg~3.0mg/kgの単一用量投与の約4日後であり、10mg/kgの用量レベルで約10日(243時間)まで増加したことを示した。各用量レベルでの平均クリアランス値は、26.3mL/時間(10mg/kg)~35.6mL/時間(1.0mg/kg)の範囲であった。
【0102】
患者がSAD相で単一用量を受けた12週間後に複数用量相に入った複数用量試験の結果は、抗体III濃度が、最初の単一用量後よりも複数用量の抗体III後に有意に低かったことを示した。他の用量レベルとは対照的に、10mg/kgの用量レベルでは、抗体III濃度は一般に、単一用量投与後に観察されたものと類似した。ほとんどの患者は、用量レベル≦3mg/kgでは、投薬の28日後に検出限界を下回る血清抗体III濃度を有した。10mg/kgを受けた患者は、投薬の28日後に定量化可能な濃度を維持していた。
【0103】
ADを有する患者の90%超は、すべての用量群で最初の用量の3ヵ月後に治療誘発性抗薬物抗体(ADA)を有し、力価は、MAD相の終わりまでに増加し、最後の用量後3ヶ月持続する傾向があった。複数用量投与後の抗体III濃度の急激な低下は、ADAの存在と少なくとも部分的に関連している可能性がある。治療群はまた、複数投薬時に注入関連反応の増加を経験した。
【0104】
フロルベタピル走査を、約7ヶ月離れた、ベースライン時および最後のMAD用量後に行った。参照領域としての小脳との全灰白質の標準取込み値比(SUVr)の変化を用量コホートにわたって比較し、SUVr値を標準センチロイド(CL)単位に変換した。この用量群では脳血管原性浮腫または微小出血合併症を伴わずに、6ヶ月にわたって3~5用量の10mg/kgの抗体IIIを静脈内投与された6人の患者において(フロルベタピルPETイメージングによって評価される)脳アミロイドの有意な減少があった。44CL単位の平均減少は、脳アミロイドの平均40~50%減少に相当する。
【0105】
3~5用量の10mg/kg IVの抗体III(対2プラセボ)で治療された3人の対象からの延長追跡におけるフロルベタピル走査は、最後の用量の18ヶ月後に持続性アミロイド除去を示した。データは、抗N3pGlu Aβ抗体(抗体IIIなど)の短期(および場合によっては単一)用量がアミロイドの持続的な除去をもたらすのに十分であることを示す。脳アミロイドのクリアランスを維持するのに、抗N3pGlu Aβ抗体での長期投薬は必要ない。
【0106】
実施例4:アルツハイマー病のための単一用量および複数用量臨床試験
6ヶ月にわたる静脈内の3~5用量のLY3002813(抗体III)10mg/kg後に特定された有意な標的結合(フロルベタピルPETによるアミロイド減少)の結果として、異なる投薬レジメン(より高い、より頻繁な投薬での単一用量、短期「導入」投薬、および最大PD効果のための長期投薬)は、免疫原性および免疫安全性の問題を緩和し、持続的なアミロイド減少をもたらすことができることを確認するための、第1b相試験が進行中である。ADまたは軽度~中等度ADに起因するMCIを有する患者における第Ib相、二重盲検、コホート内無作為化、プラセボ対照、パラレル群、単一および複数用量試験を実施して、抗体IIIの単一および複数IV用量の安全性、忍容性、およびPKを評価する。この試験は、10mg/kg、20mg/kg、または40mg/kgの単一IV用量(それぞれコホート1、2、および3)、10mg/kgまたは20mg/kgの24週間にわたる2週間毎のIV用量(それぞれコホート4および5)、および10mg/kgまたは20mg/kgの最大72週間にわたる4週間毎のIV用量(それぞれコホート6および7)を含む、少なくとも7つのコホートで実施される。
【0107】
主な標的結合結果は、ベースライン時ならびに治療開始の12週間、24週間、36週間、48週間、および72週間後に評価された定量的アミロイドPETイメージング(フロルベタピルCL)によって測定される脳アミロイドの減少である。
【0108】
結果は、10mg/kg、20mg/kg、および40mg/kgの単一用量ならびに10mg/kgの複数用量の抗体IIIが、12週間でアミロイドを減少させることができること(フロルベタピルPETによる-12~-39CLの範囲の現在までのコホートにおける平均減少)を実証する。12週間を超えて追加の走査を行った患者では、アミロイドクリアランスは単一用量コホートで持続され、さらなるアミロイドクリアランスは複数用量コホートにおける投薬で観察される。
【0109】
実施例5:操作されたN3pGlu Aβ抗体の発現および精製
本発明の抗N3pGlu Aβ抗体は、本質的に下記のように発現および精製され得る。HEK293EBNAまたはCHOのような適切な宿主細胞は、最適な所定のHC:LCベクター比またはHCおよびLCの両方をコードする単一ベクター系を使用して抗体を分泌するための発現系で、一時的または安定のいずれかでトランスフェクトされる。抗体が分泌された清澄培地を、多くの一般的に使用される技法のいずれかを用いて精製する。例えば、培地は、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)のような適合する緩衝液で平衡化したProtein AまたはG Sepharose FFカラムに便利に適用され得る。カラムを洗浄して、非特異的結合成分を除去する。結合抗体は、例えば、pH勾配(0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH6.8~0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液pH2.5など)によって溶出する。抗体分画は、SDS-PAGEなどによって検出し、次いでプールする。さらなる精製は、意図される使用に応じて、任意である。抗体は、一般的な技法を用いて濃縮および/または滅菌濾過され得る。可溶性凝集体および多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む、一般的な技法によって効率的に除去することができる。これらのクロマトグラフィーステップ後の抗体の純度は、99%を超える。産生物は、-70℃ですぐに凍結してもよく、または凍結乾燥してもよい。抗N3pGlu Aβ抗体のアミノ酸配列を表1に提供する。
【0110】
実施例6:結合親和性および速度
本発明の抗N3pGlu Aβ抗体(抗体Iまたは抗体II)のpE3-42 AβペプチドまたはAβ1-40ペプチドに対する結合親和性および速度は、BIACORE(登録商標)3000(GE Healthcare)を使用して表面プラズモン共鳴によって測定される。結合親和性は、BIACORE(登録商標)CMSチップ上に固定化されたタンパク質Aを介して抗N3pGlu Aβ抗体を捕捉し、2倍連続希釈で100nMから開始して3.125nMまでpE3-42 AβペプチドまたはAβ1-40ペプチドを流すことによって測定される。これらの実験は、HBS-EP緩衝液(GE Healthcare BR100669、10mM HEPES、150mM NaCl、3mM EDTA、0.05%界面活性剤P20、pH7.4)中で、25℃で行われる。
【0111】
各サイクルについて、抗体は、10μL/分の流量での10μg/mLの濃度の抗体溶液の5μL注入により捕捉される。ペプチドは、50μL/分での250μL注入により結合され、その後10分間解離される。チップ表面は、10μL/mLの流量でのpH1.5のグリシン緩衝液の5μL注入により再生される。データは、1:1Langmiur結合モデルに当てはめ、kon、koffを誘導し、KDを計算する。本質的に上記のような手順後、以下のパラメータ(表3に示す)が観察された。
【0112】
【0113】
実施例7:エクスビボ標的結合
固定化PDAPP脳由来の脳切片におけるエクスビボ標的結合を判定するために、外因的に付加された本発明の抗N3pGlu Aβ抗体(hE8L、B12L、R17L、抗体I、または抗体II)で免疫組織化学的分析を行う。老齢PDAPPマウス(25月齢)由来のクリオスタット連続冠状切片を、20μg/mLの本発明の例示のN3pGlu Aβ抗体とインキュベートする。ヒトIgGに特異的な二次HRP試薬を用い、沈着斑をDAB-Plus(DAKO)で可視化する。ビオチン化ネズミ3D6抗体、続いてStep-HRP二次を、陽性対照として使用する。陽性対照抗体(ビオチン化3D6)は、PDAPP海馬において有意な量の沈着Aβを標識し、抗N3pGlu Aβ抗体(hE8L、B12L、R17L、抗体I、または抗体II)は、沈着物のサブセットを標識した。これらの組織学的試験は、本発明の抗N3pGlu Aβ抗体がエクスビボで沈着Aβ標的に結合したことを実証した。
【0114】
実施例8:N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド、トルエンスルホン酸の合成
【化7】
結晶形2 N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド水和物(149.15mg)を酢酸エチル(2mL)に添加する。試料を80℃の温度で1000rpmで撹拌する。p-トルエンスルホン酸(酢酸エチル(1mL)に溶解した70mg)を撹拌溶液に添加し、80℃で一晩撹拌して白色固体のスラリーを生成し、これを真空濾過により単離して表題化合物を提供する。
【0115】
N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド、トルエンスルホン酸の代替調製A
N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド(9.5g、19mmol)およびp-トルエンスルホン酸(3.80g、19.8mmol)を、テトラヒドロフラン(31mL)、水(7.9mL)、および2-プロパノール(8.6mL)に添加する。溶液を40℃まで加熱する。温かい溶液に、2-プロパノール(200.0mL)を約3時間かけて添加する。混合物に、2-プロパノール添加の開始直後、表題化合物の一部分(500mg、0.75mmol)を播種する。溶媒の添加が完了した後、混合物を1~3時間かけて約20℃まで冷却する。混合物を約20℃から約55℃まで2時間の目標時間にわたって加熱する。温度を55℃で1時間保持し、次いで約4時間かけて約20℃まで冷却する。スラリーを約20℃で少なくとも10時間撹拌する。スラリーを濾過し、湿潤ケーキを水(57mL)で洗浄する。生成物を45℃で少なくとも10時間真空乾燥して、表題化合物(10.4g、81%)を得る。ES/MS(m/z):500(M+H)。
【0116】
N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド、トルエンスルホン酸の代替調製B
N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド水和物(20.7g)を、窒素バブラー、TEFLON(登録商標)バナナブレードを有するガラスシャフトに取り付けられたIKA(登録商標)機械モーター/アジテーター、およびプログラム可能なJ-KEM(登録商標)温度コントローラーに接続された熱電対を備えた500mLの3つ口丸底フラスコにおいて、60:40のTHF:H2O(85mL)中、170rpmでスラリー化する。p-トルエンスルホン酸一水和物(7.6g、1.03当量)を、60:40のTHF:H2O(20mL)の混合物に溶解し、溶液を、23℃の撹拌N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミドスラリーにすべて1度で添加し、ほぼ直ちに透明な赤みを帯びた黄褐色の溶液をもたらす。次いで、撹拌速度を15分間かけて200rpmまで増加させ、水(22mL)を溶液に添加し、これに次いでN-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミドトルエンスルホン酸(750mg、3重量%播種負荷)を播種し、次いで23℃でさらに15分間撹拌する。6時間かけて、水(226mL、353mLの全溶媒、または13.6体積、最終溶媒比17.5:82.5のTHF:H2O)をスラリーに添加し、これを次いで23℃で一晩(22時間)撹拌する。スラリーを真空濾過し、15:85のTHF:H2O(2×20mL)ですすぎ、次いで生成物の湿潤ケーキ中に形成される亀裂を手動で圧閉しながら真空下に20分間置く。湿潤固体を40℃で真空下で約72時間乾燥させて、白色結晶性固体(24.07g、90.0重量%)として表題化合物を得る。
【0117】
結晶性N-[3-[(4aR,7aS)-2-アミノ-6-(5-フルオロピリミジン-2-イル)-4,4a,5,7-テトラヒドロピロロ[3,4-d][1,3]チアジン-7a-イル]-4-フルオロ-フェニル]-5-メトキシ-ピラジン-2-カルボキサミド、トルエンスルホン酸は、CuKa照射を用いたXRDパターンにより、下の表4に記載されるような回折ピーク(2-θ値)を有するものとして、特に、19.6°、13.8°、および18.5°からなる群から選択されるピークのうちの1つ以上と組み合わせて5.0°の回折角度2-θでピークを有するものとして特徴付けられ、回折角度の許容誤差は0.2度である。
【0118】
【0119】
配列
<配列番号1、PRT1、人工>(HCDR1-抗体Iおよび抗体II)
KASGYTFTDYYIN
<配列番号2、PRT1、人工>(HCDR2-抗体Iおよび抗体II)
WINPGSGNTKYNEKFKG
<配列番号3、PRT1、人工>(HCDR3-抗体Iおよび抗体II)
TREGETVY
<配列番号4、PRT1、人工>(LCDR1-抗体Iおよび抗体II)
KSSQSLLYSRGKTYLN
<配列番号5、PRT1、人工>(LCDR2-抗体II)
YAVSKLDS
<配列番号6、PRT1、人工>(LCDR2-抗体I)
YDVSKLDS
<配列番号7、PRT1、人工>(LCDR3-抗体Iおよび抗体II)
VQGTHYPFT
<配列番号8、PRT1、人工>(HCVR-抗体Iおよび抗体II)QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTDYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTREGETVYWGQGTLVTVSS
<配列番号9、PRT1、人工>(LCVR-抗体I)DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYDVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK
<配列番号10、PRT1、人工>(LCVR-抗体II)
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCKSSQSLLYSRGKTYLNWLQQKPGKAPKLLIYAVSKLDSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK
<配列番号11、PRT1、人工>(HC-抗体Iおよび抗体II)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTDYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTREGETVYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
<配列番号12、PRT1、人工>(LC-抗体I)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYDVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
<配列番号13、PRT1、人工>(LC-抗体II)
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCKSSQSLLYSRGKTYLNWLQQKPGKAPKLLIYAVSKLDSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
<配列番号14、DNA、人工>配列番号11の抗体重鎖を発現するための例示のDNA
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGTCCTCGGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGACTATTATATCAACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTGGCAGTGGTAATACAAAGTACAATGAGAAGTTCAAGGGCAGAGTCACGATTACCGCGGACGAATCCACGAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTACAAGAGAAGGCGAGACGGTCTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGACGAGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCCCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGT
<配列番号15、DNA、人工>配列番号12の抗体軽鎖を発現するための例示のDNA
GATGTTGTGATGACTCAGTCTCCACTCTCCCTGCCCGTCACCCTTGGACAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAAGTCTAGTCAAAGCCTCCTGTACAGTCGCGGAAAAACCTACTTGAATTGGTTTCAGCAGAGGCCAGGCCAATCTCCAAGGCGCCTAATTTATGATGTTTCTAAACTGGACTCTGGGGTCCCAGACAGATTCAGCGGCAGTGGGTCAGGCACTGATTTCACACTGAAAATCAGCAGGGTGGAGGCTGAGGATGTTGGGGTTTATTACTGCGTGCAAGGTACACACTACCCTTTCACTTTTGGCCAAGGGACCAAGCTGGAGATCAAACGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
<配列番号16、DNA、人工>配列番号13の抗体軽鎖を発現するための例示のDNA
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCTTCCACCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCAAGTCCAGTCAGAGTCTCCTGTACAGTCGCGGAAAAACCTATTTGAACTGGCTCCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATGCTGTCTCCAAACTGGACAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGAATTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGATGATTTTGCAACTTATTACTGCGTGCAGGGTACACATTATCCTTTCACTTTTGGCCAGGGGACCAAGCTGGAGATCAAACGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
<配列番号17、PRT1、人工>(LCDR1-B12L/R17L/hE8L)
KSSQSLLYSRGKTYLN
<配列番号18、PRT1、人工>(LCDR2-B12L/R17L/hE8L)
AVSKLDS
<配列番号19、PRT1、人工>(LCDR3-B12L/R17L/hE8L)
VQGTHYPFT
<配列番号20、PRT1、人工>(HCDR1-B12L)
GYDFTRYYIN
<配列番号21、PRT1、人工>(HCDR1-R17L)
GYTFTRYYIN
<配列番号22、PRT1、人工>(HCDR2-B12L/R17L/hE8L)
WINPGSGNTKYNEKFKG
<配列番号23、PRT1、人工>(HCDR3-B12L)
EGITVY
<配列番号24、PRT1、人工>(HCDR3-R17L)
EGTTVY
<配列番号25、PRT1、人工>(LCVR-B12L/R17L)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK
<配列番号26、PRT1、人工>(HCVR-B12L)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSS
<配列番号27、PRT1、人工>(HCVR-R17L)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGTTVYWGQGTTVTVSS
<配列番号28、PRT1、人工>(LC-B12L/R17L)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
<配列番号29、PRT1、人工>(HC-B12L)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
<配列番号30、PRT1、人工>(HC-R17L)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGTTVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
N3pGlu Aβ(配列番号31)
[pE]FRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIA
<配列番号32、PRTl、人工>(LCVR-hE8L)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK
<配列番号33、PRTl、人工>(LC-hE8L)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
<配列番号34、PRTl、人工>(HCVR-hE8L)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTDYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGETVYWGQGTTVTVSS
<配列番号35、PRTl、人工>(HC-hE8L)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTDYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGETVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
<配列番号36、PRT1、人工>(HCDR1-hE8L)
GYTFTDYYIN
<配列番号37、PRT1、人工>(HCDR3-hE8L)
EGETVY
<配列番号38、PRT1、人工>(Aβ1-42)
DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIA
<配列番号39、PRT1、人工>(LCVR-抗体VI)
MVSSAQFLFLLVLWIQETNGDVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLL
YSDGKTYLNWLLQRPGQSPMRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLK
ISRVEAEDLGVYYCVQGTHFPFTFGSGTKLEIKRADAAPTVSIFPP
<配列番号40、PRT1、人工>(HCVR-抗体VI)
MGWSGVFLFLLSGTAGVHSEVQLQQSGPELVKPGASMKISCKASGYSFTG
YTMNWVKQSHGKNLEWIGLINPYSGVTRYNQKFKGKATLIVDKSSSTAYM
ELLSLTSEDSAVYYCTREAKREWDETYWGQGTLVTVSAAKTTPPSV
<配列番号41、PRT1、人工>(LCVR-抗体VII)
MVSTAQFLFLLVLWIQETNGDVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLL
YSDGKTYLNWLLQRPGQSPMRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLK
ISRVEAEDLGVYYCVQGTHFPFTFGSGTKLEIKRADAAPTVSIFPPS
<配列番号42、PRT1、人工>(HCVR-抗体VII)
MGWSGVFIFLLSGTAGVHSEVQLQQSGPELVKPGASMKISCKASGYSFTG
YTMNWVKQSHGKNLEWIGLINPYNGVTRYNQKFKGKATLIVDKSSSTAY
MELLSLTSEDSAVYYCTREAKREWDETYWGQGTLVTVSAAKTTPPSVYPL
<配列番号43、PRT1、人工>(LCVR-抗体VIII)
MKLPVRLLVLVFWIPVSSSDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVH
SDGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKIS
RVEAEDLGVYFCSQSTHVPPTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSS
<配列番号44、PRT1、人工>(HCVR-抗体VIII)
MDFGLSLLIFVLILKGVQCEVKLVESGGGLVQPGGSRKLSCAASGFTFSDY
GMAWVRQAPGKGPEWVAFISNLAYSIYYADTVTGRFTISRENAKNTLYLEM
SSLRSEDTAMYYCARYDYDNILDYVMDYWGQGTSVTVSSAKTTPPSVYPL
<配列番号45、PRT1、人工>(LCVR-抗体IX)
MKLPVRLLVLWIQETKGDVVLTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLYSN
GKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYVVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRV
EAEDLGVYYCVQGTHFPFTFGSGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSS
<配列番号46、PRT1、人工>(HCVR-抗体IX)
MGWSGVFLFLLSVTEGVHSQVQLQQSGAELVRPGSSVKISCKASGYIFNN
YWINWVKQRPGQGLEWIGQIYPGDGDTNYNGKFKGKATLTADKSSSTAY
MQLSSLTSEDSAVYFCAREGYIVYWGQGTLVTVSAAKTTPPSVYPL
<配列番号47、PRT1、人工>(LCVR-抗体X)
DVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLLHSNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLI
YKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPLTFGAGT
<配列番号48、PRT1、人工>(HCVR-抗体X)
QLQQSGAELMKPGASVKISCKATGYTFSSYWIEWVKQRPGHGLEWIGEILPGR
GSTHYNEKFKGKATFTADTSSNTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARSPITTSDYWG
QGTTLTVSS
<配列番号49、PRT1、人工>(LCVR-抗体XI)
SCRSSQSLVHSNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGT
DFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPLTFGAGT
<配列番号50、PRT1、人工>(HCVR-抗体XI)
AELKKPGASVKISCKATGYTFRSYWIEWVKQRPGHGLEWIGEILPGRGSTKY
NEKFKGKATFTADTSSNTANMQLSSLTSEDSAVYYCARSPITTSDY
<配列番号51、PRT1、人工>(LCVR-抗体XII)
DVVLTQTPFTLSVTIGQPASISCKSSQSLLHSNGESYLNWLFQRPGQSPKRLIY
AVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCVQGTHFPFTFGGG
TKLEIK
<配列番号52、PRT1、人工>(HCVR-抗体XII)
QIQLQQSGPELVKPGAAVKISCKASGYTFTDYYLNWVKQKPGQGLEWIGWIY
PGSGNVKYNEKFKGKATLTADTSSNTAHMQLSSLTSEDTAVYFCTREGLIVY
WGQGTLVTVSA
<配列番号53、PRT1、人工>(LCVR-抗体XIII)
DVVLTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLYSNGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIY
VVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCVQGTHYPFTFGGGT
KLEIK
<配列番号54、PRT1、人工>(HCVR-抗体XIII)
QIQLQQSGPDLVKPGASVKISCKASGYTFTDYYINWVKQKPGQGLEWIGWLNP
GSGNTKYNEKFKGKATMTVDTTSSTVYMQLSSLTSEDSAVYFCTREGPIDYWG
RGTSVTVSS
<配列番号55、PRT1、人工>(LCVR-抗体XIV)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCSSSQSLIYSDGNAYLHWYLQKP
GQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVG
VYYCTQSTHSPWTFGGGTKVEIK
<配列番号56、PRT1、人工>(HCVR-抗体XIV)
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGYTFSRYSMSWVRQAPG
KGLEWVGQINIRGCNTYYPDTVKGRFTISRDDSKNTLYLQMNS
LKTEDTAVYYCTTGDFWGQGTLVTVSS
<配列番号57、PRT1、人工>(LC-抗体XV)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYA
ASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGG
GTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKV
DNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQG
LSSPVTKSFNRGEC
<配列番号58、PRT1、人工>(HC-抗体XV)
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFAFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAV
IWFDGTKKYYTDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNTLRAEDTAVYYCARDR
GIGARRGPYYMDVWGKGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALG
CLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSL
GTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLF
PPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPRE
EQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQP
REPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKT
TPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSL
SPG
<配列番号59、PRT1、人工>(LC-抗体XVI)
DIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGVPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFATYYCLQIYNMPITFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
<配列番号60、PRT1、人工>(HC-抗体XVI)
QVELVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQAPGKGLEWVSAINAS
GTRTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGKGNTHKPYGYVRYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
<配列番号61、PRT1、人工>(LC-抗体XVII)
DIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLVYSNGDTYLHWYLQKPGQSPQLLIY
KVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHVPWTFGQGT
KVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQ
SGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSF
NRGEC
<配列番号62、PRT1、人工>(HC-抗体XVII)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPGKGLELVASIN
SNGGSTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASGDYWG
QGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSG
ALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKR
VESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDP
EVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKC
KVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPS
DIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
<配列番号63、PRT1、人工>(LC-抗体XVIII)
DVVMTQSPLSLPVTPGAPASISCRSSQSIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPK
LLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLRISRVEAEDVGIYYCFQGSHVP
PTFGPGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAK
VQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACE
VTHQGLSSPVTKSFNRGEC
<配列番号64、PRT1、人工>(HC-抗体XVIII)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCSASGFTFSSFGMHWVRQAPGKGLEWVAY
ISSGSSTIYYGDTVKGRFTISRDNAKNSLFLQMSSLRAEDTAVYYCAREG
GYYYGRSYYTMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALG
CLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSL
GTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLF
PPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPRE
EQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQP
REPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKT
TPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSL
SPGK
<配列番号65、PRT1、人工>(LC-抗体XIX)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLIYSDGNAYLHWFLQKPGQSPRLLIY
KVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHVPWTFGQGT
KVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQ
SGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSF
NRGEC
<配列番号66、PRT1、人工>(HC-抗体XIX)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSRYSMSWVRQAPGKGLELVAQINS
VGNSTYYPDTVKGRFTISRDNAKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASGDYWGQG
TLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTS
GVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSC
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFN
WYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKAL
PAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESN
GQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【配列表】