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7165592鋳造管の砂型鋳込み装置及びその中子の金枠への位置決め方法
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  • -鋳造管の砂型鋳込み装置及びその中子の金枠への位置決め方法 図1
  • -鋳造管の砂型鋳込み装置及びその中子の金枠への位置決め方法 図2
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  • -鋳造管の砂型鋳込み装置及びその中子の金枠への位置決め方法 図5
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  • -鋳造管の砂型鋳込み装置及びその中子の金枠への位置決め方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】鋳造管の砂型鋳込み装置及びその中子の金枠への位置決め方法
(51)【国際特許分類】
   B22C 21/08 20060101AFI20221027BHJP
   B22C 23/00 20060101ALI20221027BHJP
   B22C 9/10 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
B22C21/08 Z
B22C23/00 J
B22C9/10 T
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019009418
(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公開番号】P2020116605
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】柿本 昌彦
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-033949(JP,A)
【文献】特開2005-270984(JP,A)
【文献】特開2008-231521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 5/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造管の砂型鋳込み装置(A)であって、
金枠(1a、1b)内に砂(a)を型込めした上下の鋳型(2a、2b)と、その上下の鋳型(2a、2b)を重ねたキャビティ(3)内に装填される中子(4)と、その中子(4)の両端を前記金枠(1a、1b)にそれぞれ固定する手段と、からなり、
上記中子(4)は、芯金(5)の周りに砂(a)を型込めし、その芯金(5)の一端部に横杆(7)をその中央部で固定したものであり、
上記中子(4)の一端の固定手段は、上記横杆(7)の一端を、上記金枠(1a、1b)側面の上下の天狗部(8)との間にねじジャッキで支持固定するとともに、前記横杆(7)の他端を前記金枠(1a、1b)側面の他の天狗部(8)に支持固定し、
上記中子(4)の他端は、上記芯金(5)の他端を上記金枠(1a、1b)側面に固定のクランプ(12)によって固定した鋳造管の砂型鋳込み装置。
【請求項2】
上記鋳造管の一端が受口、他端が前記受口に挿し込まれる挿し口となっており、
上記中子(4)の受口側の一端の固定手段は、上記横杆(7)の両端を、上記金枠(1a、1b)側面の上下の天狗部(8)との間にねじジャッキをそれぞれ介在して挟んで支持固定し、
上記中子(4)の挿し口側の他端は、上記芯金(5)の他端を上記金枠(1a、1b)側面に固定のクランプ(12)によって固定した請求項1に記載の鋳造管の砂型鋳込み装置。
【請求項3】
上記中子(4)の他端も、上記クランプ(12)によらず、上記芯金(5)の他端部に上記横杆(7)をその中央部で固定し、その横杆(7)の一端を、上記金枠(1a、1b)側面の上下の天狗部(8)との間にねじジャッキで支持固定するとともに、前記横杆(7)の他端を前記金枠(1a、1b)側面の他の天狗部(8)に支持固定した請求項1又は2に記載の鋳造管の砂型鋳込み装置。
【請求項4】
上記鋳造管が異形管(P)である請求項1乃至3のいずれか一つに記載の鋳造管の砂型鋳込み装置。
【請求項5】
上記ねじジャッキをターンバックル(9)とした請求項1乃至4のいずれか一つに記載の鋳造管の砂型鋳込み装置。
【請求項6】
上記ターンバックル(9)が上記横杆(7)に宛がわれる受座(9a)を有する請求項5に記載の鋳造管の砂型鋳込み装置。
【請求項7】
鋳造管の砂型鋳込み方法において、
金枠(1a、1b)内に砂(a)を型込めした上下の鋳型(2a、2b)を重ねたキャビティ(3)内に中子(4)を装填し、その中子(4)を前記金枠(1a、1b)に位置決めする方法であって、
上記中子(4)の芯金(5)の一端部に横杆(7)をその中央部で固定し、その横杆(7)の一端を、上記金枠(1a、1b)側面の上下の天狗部(8)との間にねじジャッキで支持固定するとともに、前記横杆(7)の他端を前記金枠(1a、1b)側面の他の天狗部(8)に支持固定し、前記中子(4)の他端は、前記芯金(5)の他端を前記金枠(1a、1b)側面に固定のクランプ(12)によって固定する中子の金枠への位置決め方法。
【請求項8】
上記鋳造管の一端が受口、他端が前記受口に挿し込まれる挿し口となっており、
上記中子(4)の受口側の一端は、上記横杆(7)の両端を、上記金枠(1a、1b)側面の上下の天狗部(8)との間にねじジャッキをそれぞれ介在して挟んで支持固定し、前記中子(4)の挿し口側の他端は、上記芯金(5)の他端を前記金枠(1a、1b)側面に固定のクランプ(12)によって固定する請求項7に記載の中子の金枠への位置決め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上下水道管路等に使用される直管、異形管等の鋳造管の砂型鋳込み装置及びその中子の金枠への位置決め方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の異形管は、直管と異なり、管軸が屈曲しているため、遠心鋳造法ではなく、多くは砂型鋳込法が採用されている。
この砂型鋳込法は、この発明の一実施形態を示す図1図6を参照して説明すると、金枠1a、1b内に砂aを型込めした上下の鋳型2a、2bと、その上下の鋳型2a、2bを重ねたキャビティ3内に装填される中子4と、からなる。その中子4は、芯金5の周りに砂aを型込めしたものである。
その中子4を装填し重ねた上下の鋳型2a、2bのキャビティ3内に溶湯を注入(注湯)することによって異形管Pを鋳造する(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭56-154251号公報
【文献】特開平3-13263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その溶湯の注入時、溶湯により中子4に浮力が発生し、中子浮きや中子回転などが生じる場合がある。
この中子浮き等が生じると、中子4周りのキャビティ3の厚み(中子4の外面と鋳型2a、2bの内面の間隔)に変化が生じ(寸法変化が生じ)、寸法精度が悪くなることがある。従来、中子4の浮き上がりは、中子の両端の巾木部分をしっかり固定することで行っているが、巾木部は円筒形のため、溶湯の浮力による中子が回転する方向の力を押さえることが難しく、このため、中子を装填する際のキャビティを調整しながら行う、中子の回転方向の位置決めは、煩雑な作業となっている。特に、異形管の場合、管軸が曲がっているため、中子4周りのキャビティ3の厚みが変化しやすい。
このため、従来では、上記製品(鋳造品)の変形代を考慮した肉厚に設定したり、全体的な肉厚を過剰に設定したりすることで、肉厚不良の対応をしている。この肉厚を厚くすることは、過剰な溶湯を使用することとなり、過重ロスが大きくなって、今日のコストダウンの要求に応えることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記の実情の下、中子4を鋳型2a、2b内に容易かつ簡単に位置合わせてセットし得るようにすることを課題とする。
【0006】
上記課題を達成するために、この発明は、鋳造管の砂型鋳込み装置であって、金枠内に砂を型込めした上下の鋳型と、その上下の鋳型を重ねたキャビティ内に装填される中子と、その中子の両端を金枠にそれぞれ固定する手段と、からなり、中子は、芯金の周りに砂を型込めし、その芯金の一端部に横杆をその中央部で固定したものであり、中子の一端の固定手段は、横杆の一端を、金枠側面の上下の天狗部との間にねじジャッキで支持固定するとともに、横杆の他端を金枠側面の他の天狗部に支持固定し、中子の他端は、芯金の他端を金枠側面に固定のクランプによって固定した構成を採用したのである。
【0007】
この構成の鋳造管の砂型鋳込み装置は、まず、芯金の一端において、その芯金に固定の横杆の一端を、金枠側面の上下の天狗部との間にねじジャッキで支持固定するとともに、横杆の他端を金枠側面の他の天狗部に支持固定する。このとき、横杆一端のねじジャッキによって横杆の他端に対する傾斜角度(取付角度)を調整し得るため、円筒状等の中子をその軸心回りに自在に回転・固定することは比較的容易である。
つぎに、中子の他端となる芯金の他端を金枠側面にクランプによって固定する。この固定により、注湯時に中子が軸方向に動くことが抑えられる。
【0008】
この構成において、鋳造管がその一端が受口、他端が受口に挿し込まれる挿し口となっている場合、中子の受口側の一端の固定手段は、横杆の両端を、金枠側面の上下の天狗部との間にねじジャッキをそれぞれ介在して挟んで支持固定し、中子の挿し口側の他端は、芯金の挿し口側の他端を、金枠側面に固定のクランプによって固定することができる。受口側を先に固定することにより、挿し口より大径の受口で中子を位置決めすることとなるため、その位置決めが安定するからである。特に、異形管の場合に有効である。
【0009】
また、中子の他端となる芯金の他端も、クランプによらず、その芯金の他端部に横杆をその中央部で固定し、その横杆の一端を、金枠側面の上下の天狗部との間にねじジャッキで支持固定するとともに、横杆の他端を金枠側面の他の天狗部に支持固定した構成とすることができる。このとき、上記のように、横杆の両端を、金枠側面の上下の天狗部との間にねじジャッキをそれぞれ介在して挟んで支持固定することができる。
【0010】
上記金枠内に砂を型込めした上下の鋳型には、樹脂と硬化剤を混合して時間の経過とともに硬化する自硬化型と、水ガラスを混ぜてCOガスで硬化するガス硬化型等があって、これらの硬化型は、硬化後に抜型が出来るため寸法精度と生産性が良いという特徴があり、それらを適宜に使用する。
この発明は、直管や異形管等の各種の鋳造管の鋳造に採用することができる。それらの鋳造管には、その一端が受口、他端が受口に挿し込まれる挿し口となっていないものも採用できる。また、ねじジャッキには、従来周知の各構成のものを採用でき、例えば、ターンバックルを使用する。そのターンバックルには横杆に宛がわれる受座を有するものとして、横杆の支持固定を安定化するのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、以上のように構成したので、中子の浮き上がり、及び回転を有効に防止でき、肉厚不良の現象、及び注湯時の寸法変形防止に伴う過重ロスの低減(肉厚設定の適正化)が可能となって、特に異形管を安価にして精度よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明に係る鋳造管の砂型鋳込み装置の一実施形態の正面斜視図
図2】同実施形態の背面斜視図
図3】同実施形態の正面図
図4】同実施形態の上鋳型を除去して中子を装填した下鋳型の概略平面図
図5】同実施形態の上鋳型を反転させた斜視図
図6】同実施形態の下鋳型の斜視図
図7】同実施形態の中子を地盤上に設置した斜視図
図8】同実施形態の中子を下鋳型にセットした斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明に係る砂型鋳込み装置の一実施形態を図1図8に示し、この実施形態の砂型鋳込み装置Aも従来と同様に、金枠1a、1b内に砂aを型込めした上下の鋳型2a、2bと、その上下の鋳型2a、2bを重ねたキャビティ3内に装填される中子4と、からなる。
【0014】
鋳型2a、2bは、従来と同様に、ミキサーによって、砂と硬化性樹脂を混練するとともに、それぞれの主型木型(図示せず)に金枠1a、1bを被せ、その金枠1a、1bにその上(図1において格子状面)から、前記混練砂aを投入し、突き固めながら、造型を行う。
この後、金枠1a、1b内の砂aが固まれば、主型木型を脱型し、両鋳型2a、2bは反転してコンクリート床等の地盤に載置して、図5図6に示す、上鋳型2b、下鋳型2aを得る。
【0015】
一方、別の工程で中子用木型(図示せず)に芯金5をセットし、その木型を立てて混練砂aをその木型内に投入し、突き固めながら中子造型を行う。この後、芯金5周りの砂aが固まれば、中子用木型を脱型する。
このとき、その芯金5の一端に固定の筒体6に横杆(かんざし部)7を通し、クサビ7aをその筒体内に打ち込んで芯金5の一端に横杆7の中程を固定する。また、芯金5の他端にも適宜なクランプ(図2参照)を設ける。この横杆7及びクランプを使用して、図7に示すように、中子4を載置台7bに載置する。
【0016】
このようにして、上下の鋳型2a、2b及び中子4を造型し、図8に示すように、下鋳型2aに中子4をセットする。このとき、その芯金5に固定した横杆7の両端を、金枠1a側面の天狗部8との間にねじジャッキとなるターンバックル9、9を介在して支持固定する。そのターンバックル9は、上下に円弧状又はコ字状片からなる受け座9aを有し、本体(胴部)9bを回すことによってねじを介してその受け座9aを進退させて横杆7及び天狗部8に圧接又は離反させる。
また、芯金5の他端は、図2に示すように、金枠1aに固定の支持台11に取り付けたクランプ12で支持固定する。そのクランプ12は、支持台11に固定のコ字状の本体12aに押さえねじ棒12bをねじ通した周知のものである。このクランプ12による支持固定によって、注湯時に中子4が軸方向に動くことが抑えられる。
【0017】
この芯金5を金枠1aに支持固定する際、ターンバックル9によって、横杆7と天狗部8の間を調節して上下鋳型2a、2bで形成されるキャビティ3の軸心と中子4(芯金5)の軸心が一致するようにする。すなわち、中子4外面と鋳型2a内面(キャビティ3内面)との隙間を隙間ゲージによって測定しつつその軸心が一致するようにターンバックル9によって横杆7と天狗部8の間を調整する。
このターンバックル9による中子4の位置合わせは、単なる固定ではなく、中子4の上下方向及び軸心回りの回転方向の位置合わせも容易に行うことができ、作業性の良いものとなる。
【0018】
その後、下鋳型2aに上鋳型2bを被せ、湯口、押し湯をセットする(これらは周知であるから、図示省略している)。このとき、下鋳型2aと上鋳型2bはその界面(割り面)に形成したピン10及びそのピンが嵌る嵌合孔10’の嵌め合いによって位置決めされる。そのピン10、嵌合孔10’の位置・数は任意である。
【0019】
なお、上下鋳型2a、2bには、湯口、押し湯以外に、湯止り、受口、湯口底、湯道、せき、ガス抜き、揚り等が適宜に設けられる(形成される)。これらは周知であるから、図示省略するが、例えば、湯口は挿し口側に形成し、湯口棒をその湯口から砂型の側部に径方向の中程にまで形成し、その後、湯道を挿し口先端面に延ばし、さらに径方向の中程まで下向き円弧状に形成する等とする。押し湯は挿し口及び受口の鍔の上部に設ける。
【0020】
この上下鋳型2a、2bを重ねた(セットした)状態において、上下鋳型2a、2bの間の適宜位置を万力等で機械的に締結するとともに、横杆7を上金枠2bの天狗部8との間にターンバックル9を介在して支持固定する(図1図2参照)。これにより、横杆7の両端が、金枠1a、1b側面の上下の天狗部8、8との間にターンバックル9をそれぞれ介在して挟んで支持固定され、中子4が上下鋳型2a、2b内に安定してセットされる。その上下鋳型2a、2bの割り面(パーティングライン)は造型砂で形成されて密着している。
なお、鋳型2a、2b、中子4の移動等はクレーンを使用し、その際、天狗部8にロープやチエーンを係止してそれらを持ちあげる。
【0021】
この上下鋳型2a、2bが一体になった状態において、湯口から、溶湯をキャビティ3内に注入(注湯)して異形管Pを鋳造する(図4参照)。この注湯時、特に、異形管Pの場合、管軸心が曲がっているため、その表面積が大きい屈曲部の背側が浮く方向の回転力が発生するが、横杆7の金枠1a、1bへの固定によってその回転力に抗して有効にその回転を阻止する。
また、中子4が横杆7等によって鋳型2a、2bに強固に固定されているため、キャビティ3の寸法変形が少なく、過剰な肉厚設定を行わなくても良くなり、溶湯の過重率も低減する。
【0022】
なお、上下鋳型2a、2bを重ねた(セットした)状態において、キャビティ3の軸心と中子4(芯金5)の軸心を一致させる作用を行うこともできるが、この際、横杆7の端の下側のターンバックル9によって、キャビティ3の軸心と中子4(芯金5)の軸心を一致させ、その後、上側のターンバックル9によってその中子4を位置固定する。上側のターンバックル9で先に調整すると、下側のターンバックル9によって、キャビティ3の軸心と中子4(芯金5)の軸心を一致させる際、中子4が動く恐れがあり、中子4が動けば、上記隙間ゲージを用いた確認作業を再度行う必要があり、煩雑である。
【0023】
また、この実施形態においては、横杆7の他端(図1において右端)においても、上下鋳型2a、2bの天狗部8にターンバックル9を介して支持固定したが、横杆7の両端の一方は、上下鋳型2a、2bの天狗部8、8との間の両者に棒材などを介在して支持固定しても良い。
さらに、ターンバックル9は、横杆7の両端と左右上下の天狗部8との4個所の間の下側に少なくとも1個所に設ければ、そのターンバックル9の伸縮によって芯金5の上下方向及び回転方向の調整は可能である。このターンバックル9が一つの場合、横杆7のターンバックル9を設けていない端下側と下鋳型2aの天狗部8との間に棒材を介在し、横杆7の端下側のターンバックル9で芯金5(中子4)の上下方向及び回転方向の調整後、横杆7の両端と上鋳型2bの両天狗部8との間に適宜に棒材などを介在する。
このように、中子4(芯金5)の両端を固定し、その横杆7の一端をターンバックル(ねじジャッキ)9によって支持すれば、ターンバックル9によって横杆7の他端に対する傾斜角度(取付角度)を調整し得る。
【0024】
図2の芯金5の他端部も、一端側と同様に、ターンバックル9と横杆7等による固定手段を採用することができる。
また、中子4の下鋳型2aへの支持固定は、芯金5の他端(図2の手前側)を先に支持固定し、つぎに一端を支持固定するようにすることもできる。
【0025】
実施形態はNS形曲がり異形管Pの砂型鋳造であったが、直管においてもこの発明は採用し得ることは勿論であり、鋳造管Pの型式は、NS形曲がり異形管に限らず、他の種々の型式のものを採用できることも言うまでもない。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0026】
1a 下金枠
1b 上金枠
2a 下鋳型
2b 上鋳型
3 キャビティ
4 中子
5 芯金
7 横杆(かんざし部)
8 天狗部
9 ねじジャッキ(ターンバックル)
9a ねじジャッキ(ターンバックル)の受け座
9b 同本体
11 支持台
12 クランプ
P 異形管
a 砂(混練砂)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8