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特許7165612半導体コンデンサ装置及び半導体コンデンサ装置モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】半導体コンデンサ装置及び半導体コンデンサ装置モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20221027BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20221027BHJP
   H01G 4/33 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01G4/33 102
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019060831
(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公開番号】P2020161686
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】沼倉 啓一郎
(72)【発明者】
【氏名】丸井 俊治
(72)【発明者】
【氏名】早見 泰明
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮太
(72)【発明者】
【氏名】林 哲也
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-079961(JP,A)
【文献】特開2016-225545(JP,A)
【文献】特開2013-153020(JP,A)
【文献】特開2012-169525(JP,A)
【文献】特開2006-196811(JP,A)
【文献】特開2016-001654(JP,A)
【文献】特開2012-227204(JP,A)
【文献】特開2017-092080(JP,A)
【文献】特開2012-49237(JP,A)
【文献】特開2006-286842(JP,A)
【文献】特開2014-53390(JP,A)
【文献】特開2005-159106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 27/04
H01G 4/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、前記半導体基板の内部に形成された誘電層と、前記誘電層を挟む第1電極及び、前記第1電極とは異なる極性を有する第2電極とを備え、少なくとも1つの前記第1電極の一部が、前記半導体基板の主面に配置され、少なくとも2つの前記第2電極の一部が、前記主面に配置された前記第1電極を挟むように前記主面に配置された半導体コンデンサと、
前記主面に配置された前記第1電極に接合される第1金属端子と、
前記主面に配置された前記第2電極のそれぞれに接合される第2金属端子と、を備え、
前記第1金属端子、及び前記第2金属端子は、同一方向に沿って延伸する
ことを特徴とする半導体コンデンサ装置。
【請求項2】
前記2つの第2電極の一部は、前記主面に配置された前記第1電極を囲むように前記主面に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体コンデンサ装置。
【請求項3】
前記誘電層は、前記主面に対して垂直方向に形成される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体コンデンサ装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体コンデンサ装置において、前記主面に対向する面に、前記第1電極及び前記第2電極と同一個数かつ同一形状の電極が配置され、
前記半導体コンデンサ装置が2つ以上積層される
ことを特徴とする半導体コンデンサ装置モジュール。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体コンデンサ装置を2つ以上有し、
前記第1金属端子、及び前記第2金属端子が延伸する方向と直交する方向に前記半導体コンデンサ装置が並んで配置される
ことを特徴とする半導体コンデンサ装置モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体コンデンサ装置及び半導体コンデンサ装置モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、キャパシタ動作時の発熱を低減する発明が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載された発明は、キャパシタの誘電層に凹凸構造を形成し、凹凸構造の向きを上部電極から下部電極へ向かう向きと直交させ、等価直列抵抗を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-195161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された上部電極と下部電極とは、キャパシタの両端に位置する構造であるため、これらの電極を外部端子に接続した際に電流経路のインダクタンスが大きくなる。これにより、キャパシタ動作時の電流によって生じるサージ電圧が大きくなるおそれがある
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、等価直列抵抗の低減及びインダクタンスの低減を両立させることができる半導体コンデンサ装置及び半導体コンデンサ装置モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る半導体コンデンサ装置は、半導体基板と、半導体基板の内部に形成された誘電層と、誘電層を挟む第1電極及び、第1電極とは異なる極性を有する第2電極とを備え、少なくとも1つの第1電極の一部が、半導体基板の主面に配置され、少なくとも2つの第2電極の一部が、主面に配置された第1電極を挟むように主面に配置された半導体コンデンサと、第1電極に接合される第1金属端子と、第2電極のそれぞれに接合される第2金属端子と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、等価直列抵抗の低減及びインダクタンスの低減を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体コンデンサ装置の平面図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体コンデンサ装置の側面図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係る半導体コンデンサ装置の平面図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態に係る半導体コンデンサ装置の側面図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態に係る半導体コンデンサ装置の側面図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体コンデンサ装置の平面図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態に係る半導体コンデンサ装置の側面図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態に係る半導体コンデンサ装置の側面図である。
図9図9は、本発明の第3実施形態に係る半導体コンデンサ装置の平面図である。
図10図10は、本発明の第3実施形態に係る半導体コンデンサ装置の断面図であって、図9のA-A線断面図である。
図11図11は、本発明の第3実施形態に係る半導体コンデンサ装置の平面図である。
図12図12は、本発明の第3実施形態に係る半導体コンデンサ装置の断面図であって、図11のA-A線断面図である。
図13図13は、本発明の第4実施形態に係る半導体コンデンサ装置の断面図である。
図14図14は、本発明の第5実施形態に係る半導体コンデンサ装置の断面図である。
図15図15は、本発明の第5実施形態に係る半導体コンデンサ装置モジュールの断面図である。
図16図16は、本発明の第5実施形態に係る半導体コンデンサ装置モジュールの側面図である。
図17図17は、本発明の第6実施形態に係る半導体コンデンサ装置モジュールの平面図である。
図18図18は、本発明の第6実施形態に係る半導体コンデンサ装置モジュールの断面図であって、図17のA-A線断面図である。
図19図19は、本発明の他の実施形態に係る半導体コンデンサ装置の平面図である。
図20図20は、本発明の他の実施形態に係る半導体コンデンサ装置の側面図である。
図21図21は、本発明の他の実施形態に係る半導体コンデンサ装置の平面図である。
図22図22は、本発明の他の実施形態に係る半導体コンデンサ装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
(半導体コンデンサ装置の構成例)
図1図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る半導体コンデンサ装置を説明する。半導体コンデンサは、半導体基板1を備える。本実施形態において、半導体基板1はケイ素(Si)からなるが、これに限定されない。半導体基板1は、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などで構成されてもよい。なお、本実施形態では、xyz直交座標系を用いて半導体コンデンサ装置を説明する。半導体コンデンサ装置の幅方向をx軸方向とする。また、x軸方向に直交して、半導体コンデンサ装置の前後方向をz軸方向、x軸方向及びz軸方向に直交し、半導体コンデンサ装置の高さ方向をy軸方向とする。
【0011】
半導体基板1は、主面2と、主面2に対向する裏面(図1では不図示)とを備え、半導体基板1の形状は平板状である。本実施形態において、主面2及び裏面の形状は、四角形状であるが、これに限定されない。主面2及び裏面の形状は、円形であってもよい。
【0012】
図1では図示を省略するが、半導体基板1には溝が形成され、溝には誘電体からなる誘電層が形成される。誘電体は、特に限定されないが、例えばシリコン窒化膜(Si)、シリコン酸化膜(SiO)などからなる。誘電層は、高電位電極3および低電位電極4に接合される。更に、図1では図示を省略するが、溝の中の誘電層は1対の導体により挟持され、この1対の導体は誘電層により電気的に絶縁されている。誘電層及び誘電層を挟む1対の導体によってコンデンサが構成されている。1対の導体は、後述する高電位電極3及び低電位電極4の一部分である。
【0013】
図1及び図2に示すように、半導体基板1の主面2には、2つの高電位電極3と、1つの低電位電極4が配置される。高電位電極3は、低電位電極4を挟むように配置される。また、x軸方向に沿って、高電位電極3、低電位電極4、高電位電極3の順に配置される。主面2に配置される高電位電極3及び低電位電極4の形状は、特に限定されないが、例えば長方形状である。高電位電極3及び低電位電極4は、Al、Cu、Ti、Ni、Agなどからなる。なお、主面2には、高電位電極3の一部と、低電位電極4の一部が配置される。高電位電極3の残り部分と、低電位電極4の残り部分は、半導体基板1の内部に形成される。
【0014】
次に、図3図5を参照して、本実施形態に係る半導体コンデンサと外部とを接続する金属端子について説明する。
【0015】
図3図5に示すように、高電位電極3の表面には、高電位金属端子5(第1金属端子)が接合される。高電位電極3の表面とは、主面2と接する面とは逆方向の面である。同様に、低電位電極4の表面には、低電位金属端子6(第2金属端子)が接合される。図3図5に示す例では、2つの高電位金属端子5及び1つの低電位金属端子6が接合される。つまり、高電位電極3のそれぞれに高電位金属端子5が接合される。なお、高電位金属端子5及び低電位金属端子6の接合には、周知の接合方法(金属接合、圧接)が用いられる。
【0016】
また、図3図4に示すように、高電位金属端子5及び低電位金属端子6は、z軸方向に沿って延伸される。なお、2つの高電位金属端子5は、終端で結合されてもよい。
【0017】
(作用効果)
第1実施形態によれば、主面2に配置された2つの高電位電極3が、主面2に配置された1つの低電位電極4を挟む。これにより、高電位電極3から半導体基板1の内部の誘電層までの電流経路、及び誘電層から低電位電極4までの電流経路が短くなるため、等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance)を低減することができる。
【0018】
また、第1実施形態によれば、高電位金属端子5及び低電位金属端子6は、同一方向(z方向)に沿って延伸される。これにより、図3に示すように、高電位金属端子5から半導体コンデンサへ流れる電流20と、半導体コンデンサから低電位金属端子6へ流れる電流21とが対向する。よって、相互インダクタンス効果により、高電位金属端子5から半導体コンデンサを経て低電位金属端子6に至るインダクタンスを低減することができる。同様に、高電位金属端子5から半導体コンデンサへ流れる電流30と、半導体コンデンサから低電位金属端子6へ流れる電流31も対向する。これにより、インダクタンスの低減効果が向上する。なお、電流20の向きと電流21の向きは、逆である。同様に電流30の向きと電流31の向きも、逆である。
【0019】
(第2実施形態)
(半導体コンデンサ装置の構成例)
次に、図6図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る半導体コンデンサ装置を説明する。
【0020】
第2実施形態では、高電位金属端子5及び低電位金属端子6は、y軸方向(主面2と直交する方向)に沿って延伸される。
【0021】
(作用効果)
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、高電位金属端子5及び低電位金属端子6は、同一方向に沿って延伸されていればよく、延伸する方向は、z軸方向でもよく、y軸方向でもよい。
【0022】
(第3実施形態)
(半導体コンデンサ装置の構成例)
次に、図9図12を参照して、本発明の第3実施形態に係る半導体コンデンサ装置を説明する。
【0023】
第3実施形態では、図9~10に示すように、半導体基板1の主面2の中央に、四角形状の高電位電極3が配置される。四角形状の高電位電極3を囲むように、中空の四角形状の低電位電極4が主面2に配置される。そして、中空の四角形状の低電位電極4を囲むように、中空の四角形状の高電位電極3が主面2に配置される。つまり、第3実施形態では、中央に配置された高電位電極3と、外側に配置された高電位電極3とによって囲まれるように低電位電極4が配置される。
【0024】
また、第3実施形態では、図9~10に示す高電位電極3及び低電位電極4と同じ形状の金属端子が、高電位電極3及び低電位電極4に接合される。具体的には、図11図12に示すように、四角形状の高電位金属端子5、中空の四角形状の低電位金属端子6、中空の四角形状の高電位金属端子5がそれぞれ、四角形状の高電位電極3、中空の四角形状の低電位電極4、中空の四角形状の高電位電極3に接合される。また、高電位金属端子5及び低電位金属端子6は、y軸方向(主面2と直交する方向)に沿って延伸される。
【0025】
(作用効果)
第3実施形態によれば、2つの高電位電極3が1つの低電位電極4を囲むように配置される。これにより第1実施形態と比較して、高電位電極3から半導体基板1の内部の誘電層までの電流経路、及び誘電層から低電位電極4までの電流経路がさらに短くなるため、等価直列抵抗をより低減することができる。
【0026】
また、第3実施形態によれば、高電位金属端子5から半導体コンデンサへ流れる電流と、半導体コンデンサから低電位金属端子6へ流れる電流とが対向する面積が、第1実施形態と比較して大きくなる。よって、高電位金属端子5から半導体コンデンサを経て低電位金属端子6に至るインダクタンスをより低減することができる。
【0027】
(第4実施形態)
(半導体コンデンサ装置の構成例)
次に、図13を参照して、本発明の第4実施形態に係る半導体コンデンサ装置を説明する。
【0028】
第4実施形態では、半導体基板1の内部において、y軸方向(主面2と直交する方向)に誘電層7が形成される。誘電層7は、x軸方向において、高電位電極3および低電位電極4に挟まれるように、高電位電極3および低電位電極4に接合される。なお、半導体基板1の内部に形成される高電位電極3と、主面2に配置される高電位電極3とは、一体形成される。同様に、半導体基板1の内部に形成される低電位電極4と、主面2に配置される低電位電極4とは、一体形成される。
【0029】
(作用効果)
第4実施形態によれば、誘電層7が主面2に対して垂直方向に形成されるため、高電位電極3のうち、主面2に配置された一部分の高電位電極3から誘電層7へ流れる電流経路と、誘電層7から主面2に配置された低電位電極4の一部分へ流れる電流経路とが、対向し相互インダクタンス効果により半導体コンデンサのインダクタンスを低減する。これにより、第1実施形態と比較して、高電位金属端子5から半導体コンデンサを経て低電位金属端子6に至るインダクタンスをさらに低減することができる。
【0030】
(第5実施形態)
(半導体コンデンサ装置の構成例)
次に、図14図16を参照して、本発明の第5実施形態に係る半導体コンデンサ装置を説明する。
【0031】
第5実施形態では、図14に示すように、主面2に対向する裏面8に2つの高電位電極3と、1つの低電位電極4が配置される。主面2に配置される高電位電極3及び低電位電極4の個数及び形状は、裏面8に配置される高電位電極3及び低電位電極4の個数及び形状と同じである。図14に示す例では、主面2に2つの高電位電極3が配置され、裏面8にも2つの高電位電極3が配置される。また、主面2に1つの低電位電極4が配置され、裏面8にも1つの低電位電極4が配置される。主面2に配置される高電位電極3の形状は長方形状であり、裏面8に配置される高電位電極3の形状も長方形状である。また、主面2に配置される低電位電極4の形状は長方形状であり、裏面8に配置される低電位電極4の形状も長方形状である。なお、半導体基板1の内部に形成される高電位電極3と、主面2に配置される高電位電極3と、裏面8に配置される高電位電極3とは、一体形成される。同様に、半導体基板1の内部に形成される低電位電極4と、主面2に配置される低電位電極4と、裏面8に配置される低電位電極4とは、一体形成される。
【0032】
第5実施形態では、図14に示す半導体コンデンサ装置をy軸方向に積層して、半導体コンデンサ装置モジュールを構成する。半導体コンデンサ装置モジュールを図15に示す。半導体コンデンサ装置の積層方法には、周知の方法(金属接合、圧接)が用いられる。
【0033】
(作用効果)
第5実施形態によれば、主面2と裏面8に、同一個数及び同一形状の高電位電極3及び低電位電極4をそれぞれ配置する。そして、このような半導体コンデンサ装置を積層して、半導体コンデンサ装置モジュールを構成する。これにより、高電位金属端子5から半導体コンデンサを経て低電位金属端子6に至るインダクタンスを低減しつつ、半導体コンデンサ装置の容量値を大きくすることができる。
【0034】
(第6実施形態)
(半導体コンデンサ装置の構成例)
次に、図17図18を参照して、本発明の第6実施形態に係る半導体コンデンサ装置を説明する。
【0035】
第6実施形態では、図17図18に示すように、2つの半導体コンデンサ装置が、高電位金属端子5(高電位金属端子9)及び低電位金属端子6が延伸する方向(z軸方向)と直交する方向(x軸方向)に並んで配置され、半導体コンデンサ装置モジュールを構成する。ここで、高電位金属端子9について説明する。高電位金属端子9は、2つの半導体コンデンサ装置をつなぐために用いられ、2つの半導体コンデンサ装置の高電位電極3のそれぞれに接合される。
【0036】
(作用効果)
一般に、金属端子は、半導体コンデンサ装置より柔らかい。金属端子と電極との接合には、はんだ付けなどが用いられるが、はんだ付け後において温度が下がる際に、金属端子と半導体コンデンサ装置との線膨張係数の差から、x軸方向にせん断応力が発生する。第6実施形態によれば、複数の半導体コンデンサ装置が、高電位金属端子5及び低電位金属端子6が延伸する方向と直交する方向に並んで配置されるため、x軸方向において高電位金属端子5(高電位金属端子9)と低電位金属端子6との間にすきまが形成される。このように形成されるすきまによって、x軸方向に発生するせん断応力を低減することができる。
【0037】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0038】
図1において、2つの高電位電極3が、1つの低電位電極4を挟むように主面2に配置されたが、これに限定されない。例えば、図19図20に示すように、2つの低電位電極4が、1つの高電位電極3を挟むように主面2に配置されてもよい。このような構成であっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。本実施形態において、主面2に配置される、少なくとも1つの第1電極の一部が、少なくとも2つの第2電極の一部によって挟まれていればよい。第2電極は、第1電極とは異なる極性を有する。
【0039】
また、図1において、主面2に配置される高電位電極3の個数は2つ、低電位電極4の個数は1つであるが、これに限定されない。例えば、図21図22に示すように、主面2に配置される高電位電極3の個数は2つ、低電位電極4の個数は2つであってもよい。高電位電極3が低電位電極4を挟むように配置されていれば、高電位電極3及び低電位電極4の個数は、制限されない。高電位電極3の個数は、3つ以上であってもよい。なお、高電位電極3及び低電位電極4の個数が増えれば、高電位電極3及び低電位電極4に接合される高電位金属端子5及び低電位金属端子6の個数も増える。なお、上述では2つの高電位金属端子5は、終端で結合されてもよい、と説明したが、終端で結合される金属端子は、高電位金属端子5に限定されない。低電位金属端子6が2つ以上接合される場合、2つ以上の低電位金属端子6は終端で結合されてもよい。
【0040】
また、図6に示すように、高電位金属端子5及び低電位金属端子6が、主面2と直交する方向に沿って延伸される場合においても、高電位電極3及び低電位電極4の個数は、制限されない。
【0041】
また、図9において、主面2に配置される高電位電極3の個数は2つ、低電位電極4の個数は1つであるが、これに限定されない。図21図22に示す例と同様に、主面2に配置される高電位電極3の個数は2つ、低電位電極4の個数は2つであってもよい。このような構成であっても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
また、図15において、積層される半導体コンデンサ装置は2つであるが、これに限定されない。半導体コンデンサ装置は3つ以上積層されてもよい。積層される半導体コンデンサ装置が増えるほど、半導体コンデンサ装置の容量値を大きくすることができる。
【0043】
また、図17において、高電位金属端子5及び低電位金属端子6が延伸する方向と直交する方向に配置される半導体コンデンサ装置の個数は2つであるが、これに限定されない。高電位金属端子5及び低電位金属端子6が延伸する方向と直交する方向に配置される半導体コンデンサ装置の個数は、3つ以上であってもよい。このような構成であっても、第6実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0044】
1 半導体基板
2 主面
3 高電位電極
4 低電位電極
5、9 高電位金属端子
6 低電位金属端子
7 誘電層
8 裏面

図1
図2
図3
図4
図5
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