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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】角度付き直管の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 13/10 20060101AFI20221027BHJP
   B22D 13/02 20060101ALI20221027BHJP
   B22D 25/02 20060101ALI20221027BHJP
   F16L 9/02 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
B22D13/10 508A
B22D13/02 501B
B22D13/10 507
B22D13/02 501F
B22D25/02 C
F16L9/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019063730
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020163395
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】森田 裕也
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-231063(JP,A)
【文献】特開2003-164953(JP,A)
【文献】特開2010-5675(JP,A)
【文献】特開昭60-206546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 13/10
B22D 13/02
B22D 25/02
F16L 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管部(1)と、その一端の受口部(2)と、他端の挿し口部(3)とからなり、前記受口部(2)の外表面が前記直管部(1)の軸心(o)と平行となっているとともに、受口部(2)の内表面は直管部(1)の軸心(o)と所要の角度(θ)で傾斜している、角度付き直管(P)の遠心鋳造による製造方法であって、
上記受口部(2)内面に沿う外周面を有する中子(18)を、前記受口部(2)にその中子(18)の軸心(c)を直管部(1)の軸心(o)に対して所要角度(θ)傾けて装填すると共に、その中子(18)と受口部(2)に鋳込まれる鋳鉄の合計の重心が直管部(1)の軸心(o)に近づくように、中子(18)にカウンターウエイト(30)を設けた角度付き直管の製造方法。
【請求項2】
直管部(1)と、その一端の受口部(2)と、他端の挿し口部(3)とからなり、前記受口部(2)の外表面が前記直管部(1)の軸心(o)と平行となっているとともに、受口部(2)の内表面は直管部(1)の軸心(o)と所要の角度(θ)で傾斜している、角度付き直管(P)の遠心鋳造による製造方法であって、
上記受口部(2)の鋳込み部分の仕上げ代(b3)を、中子(18)と受口部(2)に鋳込まれる鋳鉄の合計の重心が直管部(1)の中心軸(o)に近づくように設けた角度付き直管の製造方法。
【請求項3】
直管部(1)と、その一端の受口部(2)と、他端の挿し口部(3)とからなり、前記受口部(2)の外表面が前記直管部(1)の軸心(o)と平行となっているとともに、受口部(2)の内表面は直管部(1)の軸心(o)と所要の角度(θ)で傾斜している、角度付き直管(P)の遠心鋳造による製造方法であって、
上記受口部(2)内面に沿う外周面を有する中子(18)を、前記受口部(2)にその中子(18)の軸心(c)を直管部(1)の軸心(o)に対して所要角度(θ)傾けて装填すると共に、前記中子(18)と受口部(2)の合計の重心が直管部(1)の中心軸(o)に近づくように、遠心鋳造用モールド(11)にカウンターウエイト(30)を設けた角度付き直管の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、角度付き直管を遠心鋳造によって製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道管等に広く使用されている鋳鉄管は、図5に示すように、内外径が一定な円筒形の直管部1と、その一端に設けられ内外径が直管部1より大きい受口部2と、他端に設けられ内径が直管部1と等しい挿し口部3と、から構成されるものが多い。この鋳鉄管Pは、同図鎖線で示すように、一の鋳鉄管Pの受口部2に他の鋳鉄管Pの挿し口部3を挿し入れて直線状に管路を構築する場合に使用され、主に遠心鋳造によって製造される。
【0003】
一方、曲線部を有する管路にはその曲線部においては曲管が使用される。この曲管は遠心鋳造が困難であり、主に、置き注ぎ法によって製造され、その製造コストが高い物となっている。
このため、図6に示す、図5の直管Pにおいて、上記受口部2の外表面が上記直管部1の軸心(中心軸)oと平行となっているとともに、受口部2の内表面は直管部1の軸心oと所要の角度θで傾斜している、角度付き直管Pが提案されている(特許文献1、第4図参照)。この角度付き直管Pは、遠心鋳造によって製作し得るとしており(特許文献1、第6図参照)、一の鋳鉄管Pの受口部2に他の鋳鉄管Pの挿し口部3を挿し入れて各接続部において角度θずつ屈曲させて曲線管路を構築する。
【0004】
ところで、遠心鋳造は、鋳造物内部にブローホール、引け巣等の欠陥が生じ難く、材質も微密となり、機械的性質等の良好な品質の鋳造物を円滑に得ることができる。このため、水道管等に広く使用される鋳鉄管の多くは、その遠心鋳造法によって製造されている。
その遠心鋳造機は、例えば、図7に示すように、円筒状モールド(鋳型)11をローラ12により回転させるとともに、取鍋13、14を介して鋳込用トラフ20に溶湯aを送り込み、そのトラフ20を介して溶湯aを前記回転するモールド11内に鋳込んで(注湯して)、遠心力により、溶湯aをモールド11内面に均一に分布させることにより、原則、軸心回りに管厚の均一な円筒状溶湯層(鋳鉄管)Pを形成する。
【0005】
このとき、同図に示すように、トラフ20を固定し、モールド11を台車15によりその長さ方向に移動させたり、トラフ20を台車15によりモールド11の長さ方向に移動させたりする等して、トラフ20とモールド11をその長さ方向(軸心方向)に相対的に移動させて鋳込む(特許文献2段落0003、図1)。
トラフ20は、通常、取鍋14からの溶湯aを案内するシュート21と、そのシュート21を支持固定して台車15に固定のシュートケース22と、そのシュートケース22に固定されてシュート21からの溶湯aをモールド11内に導くライナー23とからなる。図中、14aは取鍋14の支持台、16は台車15の移動用レール、17は台車15上のモールド11を被うケーシング(カバー)であり、省略する(取り付けない)場合もある。
【0006】
この鋳鉄管Pの遠心製造において、特に、大口径管については、中子18によって受口部2を形成することが多い。このとき、鋳放しから製品形状を作り、焼鈍を行った後に、寸法公差内に形状を作るのが困難であり、また遠心鋳造の特徴として不純物が内面に浮上してきて良好な鋳肌を得ることが困難であることから、図8図9に示すように、切削等による加工を前提として加工代b(編み斜線部分b、同b)を設けることがある。
このとき、図8に示すように、受口部2の開口に堰板19のみを設けて、遠心鋳造することが考えられる(可能である)が、図9に示す、堰板19付きの中子18によって加工代bを確保する場合に比べて、加工によって除去しなくては成らない部分(鉄部分)が多く(b>b)、歩留まりが悪く、加工時間が長くなる。
【0007】
また、角度付き直管Pの受口部2内面を切削加工(仕上げ加工)によって形成する場合、直管1の軸心oの同一垂直面(図6において上下方向の垂直面)で切断し、その上部分断面2aと下部分断面2bとに分割し、図10(a)に示すように、その両部分断面2a、2bを突き合わせ、同図(b)に示すように、下部分断面2bを上部分断面2aに重ねると、同図(c)に示すように、両部分断面2a、2bの鋳込み部分が重なる部分(同図(b)の点部分)は加工代取り合いとなる。このため、この加工代bの取り合い部分の外周面形状を有する中子18とすれば、その中子18は軸心oの周りに線対称であり(断面一次モーメントが同じであり)、その中子18による遠心鋳造によって鋳鉄管Pを製造し、その中子18によって形成された図10(c)の内面形状受口部2において、その受口部2の軸心(中心軸)cを中心にした回転切削により図6図10(a))に示す受口部2を切削して角度付き直管Pを得ることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】実公平01-8786号公報
【文献】特開2006-150432号公報
【文献】特開2011-212732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1における角度付き直管Pの遠心鋳造は、受口部2に中子18を装填しているが(同文献第6図参照)、その中子18及び受口部2の鋳込み部の両軸心cが直管部1の重心(中心軸)oに一致しないこととなるため(ずれることとなるため)(本願図1参照)、モールド11の回転時、その回転軸は直管部1の軸心oであることから、モールド11、中子18及び鋳込まれる角度付き直管Pの軸心oに対するその全長に亘る断面一次モーメントが異なり、遠心力によってモールド11が振動する。このため、モールド11がローラ12から逸脱したりして遠心鋳造が困難となったり、鋳造品質が悪くなったりしている。
【0010】
また、上記の切削による角度付き直管Pの製造は、切削による仕上げ代が多く、作業性が悪い上に、加工代bの取り合い部分も小さく製造コストの低減を大きく図ることができない。例えば、UR形(R方式)φ2600×4m、θ:3°の継手構造の受口部2にあっては、図10(d)において、仕上げ代の取り合い部分bの鋳込み鉄重量は数百kg程度の削減となるだけである。
【0011】
この発明は、以上の実状の下、遠心鋳造によって角度付き直管Pを円滑に製造するとともに製造コストの低減を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を達成するため、この発明は、まず、中子を斜めに装填してその中子の外周面で形成される角度付き直管Pの受口部内面を仕上げ代の少ないものとしたのである。
中子を傾ければ(軸心oに対し中子の軸心cを傾ければ)、外周面が角度付き直管Pの受口部内面形状に近づいたものとすることができる。すなわち、仕上げ代が極めて少ないものとすることができる。
つぎに、中子やモールドにカウンターウエイト(バランスウエイト)を付設したり、仕上げ代を変化させたり、して、モールドの軸心全長に亘ってその周りのつり合いを取るようにしたのである。
このようにして釣り合いをとれば、遠心力によってモールド11が振動することは極めて少ない。
【0013】
具体的には、直管部と、その一端の受口部と、他端の挿し口部とからなり、前記受口部の外表面が前記直管部の軸心と平行となっているとともに、受口部の内表面は直管部の軸心と所要の角度で傾斜している、角度付き直管の遠心鋳造による製造方法において、前記受口部内面に沿う外周面を有する中子を、前記受口部にその中子の軸心を直管部の軸心に対して所要角度傾けて装填すると共に、その中子と受口部に鋳込まれる鋳鉄の合計の重心が直管部の中心軸に近づくように、中子又はモールドにカウンターウエイトを設けたり、
上記受口部の鋳込み部分の仕上げ代を、中子と受口部に鋳込まれる鋳鉄の合計の重心が直管部の中心軸に近づくように設ける構成を採用できる。
【発明の効果】
【0014】
この発明は、以上のように構成して、モールドの軸心全長に亘ってその周りのつり合いを取るようにしたので、角度付き直管の遠心鋳造において、遠心力によってモールドが振動することが極めて少なく、円滑かつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明に係る角度付き直管の製造方法の一実施形態の一部断面図
図2】同他の実施形態の一部断面図
図3】同実施形態の中子の作成態様一部断面図
図4】同他の実施形態の一部断面図
図5】鋳鉄管の断面図
図6】角度付き鋳鉄管の一部断面図
図7】遠心鋳造の概略断面図
図8】鋳鉄管の製造説明用一部断面図
図9】鋳鉄管の他の製造説明用一部断面図
図10】鋳鉄管の鋳込み作用説明図
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明に係る角度付き直管Pの製造方法の一実施形態を図1に示す。この実施形態の角度付き直管Pは、同図に示すように、直管部1と、その一端の受口部2と、他端の挿し口部3とからなり、受口部2の外表面が直管部1の軸心oと平行となっているとともに、受口部2の内表面は直管部1の軸心oと所要の角度θで傾斜している。この角度θは1~5度である。
【0017】
受口部2の内面を形成する中子18は、仕上げ代bを取った外周面を有し、その軸心cを直管部1の軸心oに対してθ度傾けてモールド11に装填する。このとき、中子18の軸心cがモールド11の軸心oに対してθ度傾いているため、その中子18を含めた軸心o周りの断面一次モーメントが均一とならない。
このため、同図に示すように、中子18の外周面一部を欠如して、上記軸心o周りの断面一次モーメントが均一となるように、黒塗り部分の仕上げ代bをさらに形成するようにする。このとき、図1において、受口部2の上側奥側肉厚部2aは同下側肉厚部2bに対して開口側(図1の左側)に長いため、軸心oの周りの断面一次モーメントは上側に向かって大きくなる。このため、仕上げ代bは下側に形成することなり、その仕上げ代bは、3D-CAD(3次元コンピュータ支援設計)によって仕上げ代bを取らない状態で、図1の図面を作成し、その図面における重心位置が軸心oからどの程度ずれているかを確認して受口部内径にだいたいの重量をつけ、3D-CADによって再計算して重心位置が軸心o上にくるようにする。このとき、仕上げ代bの断面(図1)は、周方向両側に向かって徐々に厚みが減少したり、段階的(ブロック状)に減少したりして仕上げ部bに吸収されるようにする。
【0018】
このようにして、図1に示す、中子18をモールド11の受口部に装填した状態において、図7に示す、モールド11を左方に移動し、注湯(注ぎ込む溶湯)aは受口部2側から挿し口部3側に向かって行う遠心鋳造によって角度付き鋳鉄管Pの鋳込み鉄管を製造する。このとき、注湯aの当初は、受口部2の仕上げ代b、bを含めた全域に溶湯aが回るように、モールド11の回転は緩やかとし、溶湯aの全て鋳込み完了後、通常の高速回転に移行する。例えば、呼び径:1500の場合、鋳込み時、GNo.:20~24、高速回転時、GNo.:49~57とする。なお、GNo.は、管の回転によって発生する遠心力を表す指標であって、GNo.=V2/r×1/gで示される(V:管の周速、r:管の半径、g:重力加速度)。
【0019】
この製造作用は、受口部2における中子18を含めた軸心oに対する断面一次モーメントがモールド軸心o全長に亘ってほぼ同じとなってその重心は軸心o上に位置するため、モールド11は振動することなく回転して円滑な鋳込みが行われる。
このようにして鋳込まれた鋳鉄管は、受口部2の内面を、その軸心c(軸心o)を中心として、上部分2aは仕上げ部分b、下部分2bは仕上げ部分b及びbを、をそれぞれ切削することによって、図10(a)に示す上部分断面2aと下部分断面2bを有する、図6に示す角度付き鋳鉄管Pを得る。
【0020】
図2の実施形態は、中子18内にカウンターウエイト30を埋設し、そのカウンターウエイト30でもって、受口部2における、中子18を含めた軸心o周りの断面一次モーメントが均一となるようにしたものである。このカウンターウエイト30の大きさ・重さは、上記と同様に、3D-CADによってカウンターウエイト30を付けない状態で、図1の図面を作成し、その図面における重心位置が軸心oからどの程度ずれているかを確認し、適宜な中子18及びその孔内に適宜な重さのカウンターウエイト30をいれて、3D-CADによって再計算して重心位置が軸心o上にくるようにする。
【0021】
そのカウンターウエイト30の中子18における嵌め込み孔は、例えば、特許文献3記載の保持バンドを用いて中子18を形成する場合、図3に示すように、保持バンド31を内型とし、外型32との間で砂からなる中子18を成形する際、その保持バンド31の外側に所要形状の抜き勾配を設けた木型33をいれて前記嵌め込み孔34を形成する。この形成手段によると、角度θが変われば、木型33をそれに応じた形状にして対応できる。このカウンターウエイト30は中子18に埋設した態様も採用できる。
【0022】
この図2に示す、中子18を受口部2に装填した状態において、同様に、図7に示す遠心鋳造によって角度付き鋳鉄管Pの鋳込み鉄管を作成する。このとき、カウンターウエイト30の存在によって受口部2における中子18を含めた断面一次モーメントがモールド軸心o全長に亘ってほぼ同じとなってその重心は軸心o上に位置するため、モールド11は振動することなく回転して円滑な鋳込みが行われる。その鋳込まれた鋳鉄管は角度付き直管Pとなる。この角度付き直管Pは,仕上げ代を形成していないが、中子18の外周面精度を高めることによってその仕上げ代は極めて少ないものとし得る。
【0023】
カウンターウエイト30は、図1鎖線で示すように、モールド11の外面に、モールド11の回転によって落下しないように、ボルト止め、溶接等の適宜手段によって固定することもできる。このカウンターウエイト30の大きさ・重さ・取付位置は、上記と同様に、3D-CADによってカウンターウエイト30を付けない状態で、図1の図面を作成し、その図面における重心位置が軸心oからどの程度ずれているかを確認し、適宜なカウンターウエイト30を、適宜な大きさ・重さ・位置として、3D-CADによって再計算して重心位置が軸心o上にくるようにする。
【0024】
このカウンターウエイト30付きのモールド11によれば、同様に、図7に示す遠心鋳造によれば、受口部2における中子18を含めた断面一次モーメントがモールド軸心o全長に亘ってほぼ同じとなってその重心は軸心o上に位置するため、モールド11は振動することなく回転して円滑な鋳込みが行われる。その鋳込まれた鋳鉄管は角度付き直管Pとなる。
【0025】
なお、図1に示す実施形態において、図2に示す、仕上げ代bを取らない中子18とすることもできる。このとき、仕上げ代bを設けることは勿論である。
また、カウンターウエイト30を中子18に取り付ける場合、図4に示すように、溝部2cを仕上げ加工する仕上げ代bを形成するようにすることもできる。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0026】
1 鋳鉄管の直管部
2 同受口部
3 同挿し口部
11 モールド
18 中子
19 堰板
20 湯込みトラフ(鋳込用トラフ)
30 カウンターウエイト
a 溶湯(注湯)
、b 仕上げ代
重心調整用仕上げ代
c 角度付き直管の受口部の軸心(中心軸)
o 同直管部(モールド)の軸心(中心軸)
θ 角度付き直管の受口部の軸心の傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10