IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立建機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-作業機械 図1
  • 特許-作業機械 図2
  • 特許-作業機械 図3
  • 特許-作業機械 図4
  • 特許-作業機械 図5
  • 特許-作業機械 図6
  • 特許-作業機械 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20221027BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20221027BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
B60R16/02 650J
E02F9/20 Q
E02F9/00 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019158165
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021035812
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】吉原 淳之介
(72)【発明者】
【氏名】清水 頼人
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-157401(JP,A)
【文献】特開2009-078702(JP,A)
【文献】特開2013-199804(JP,A)
【文献】特開2002-054181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0040809(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0031977(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/00 - 17/02
E02F 9/00 - 9/28
G05B 23/00 - 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサと、
前記複数のセンサによって検出された検出情報が入力されるコントローラと、
前記複数のセンサに供給する電力を蓄電するバッテリと、
一方が前記複数のセンサのそれぞれに、他方が前記コントローラ及び前記バッテリに接続する集合回路と、を備えた作業機械において、
前記集合回路は、前記複数のセンサからそれぞれ延び、前記コントローラに前記検出情報を通信可能に接続する複数の通信線と、前記バッテリから前記複数のセンサに電力を供給する複数の電力供給線とを有し、
前記信号線及び前記電力供給線は、分岐点において前記複数のセンサに複数回枝分かれして延びて接続し、
前記コントローラは、前記複数のセンサから入力される情報に基づき、前記集合回路のうち故障がある範囲である故障範囲を判定する回路故障判定部と、前記複数のセンサのうち異常な検出情報を該コントローラに入力するセンサとしての異常センサを判定する異常判定部と、を有し、
前記回路故障判定部は、前記異常判定部によって判定された前記異常センサが複数あるとき、該複数の異常センサが接続する前記通信線及び前記電力供給線の接続態様に基づいて、前記故障範囲として前記集合回路における故障発生区間を判定することを特徴とする作業機械。
【請求項2】
前記回路故障判定部は、
前記通信線及び前記電力供給線のうち、前記複数の異常センサのすべてが接続する前記集合回路中の経路の最も下流側である故障範囲下流位置と、
前記通信線及び前記電力供給線のうち、前記複数のセンサのうち正常な検出情報を前記コントローラに入力する正常センサのすべてが接続する前記集合回路中の経路の最も下流側である故障範囲上流位置とを判定し、前記故障範囲を前記故障範囲下流位置から前記故障範囲上流位置までの範囲と判定する、
ことを特徴とする、請求項に記載の作業機械。
【請求項3】
前記コントローラは、前記複数のセンサから入力される情報と前記故障範囲との関係性を示すデータベースを記憶する記憶部を有し、
前記回路故障判定部は、前記複数のセンサから入力される情報を前記データベースと照合して前記故障範囲を判定する、
ことを特徴とする、請求項に記載の作業機械。
【請求項4】
前記コントローラは、前記回路故障判定部が判定する前記故障範囲のうち、故障している可能性が高い箇所を推定する故障箇所推定部を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業機械に係り、特にワイヤ・ハーネスの故障を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の建設機械では、故障検知用のセンサの増加を抑えるために、既存の制御用のセンサからの信号を利用して油圧機器の故障や、コントローラの故障(以下、機器等の故障という)を検知している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-280488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、油圧ショベル等の建設機械において電気的な不具合が発生した場合、故障検知システムによってセンサ信号に問題がある箇所についてエラーコードが生成され、いくつかの警告信号などがモニタに表示されることが一般的である。しかしながら、作業者は、このようなエラーコードを参照しても、センサに問題があるのか、またはワイヤ・ハーネスに問題があるのかどうかを特定することが難しい場合があった。
【0005】
一方で、通常の制御には使用しない、ワイヤ・ハーネスの故障の検知のみを目的とした部品、およびシステムを追加することで故障の検知範囲や精度を向上させることも考えられるが、部品点数の増加、検知システムが正常であるかを判断する必要性があるなど、コスト増加およびシステムの複雑化が問題となる。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成にしてワイヤ・ハーネス(集合回路)の故障を的確に検知することができる作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の作業機械は、複数のセンサと、前記複数のセンサによって検出された検出情報が入力されるコントローラと、前記複数のセンサに供給する電力を蓄電するバッテリと、一方が前記複数のセンサのそれぞれに、他方が前記コントローラ及び前記バッテリに接続する集合回路と、を備えた作業機械において、前記集合回路は、前記複数のセンサからそれぞれ延び、前記コントローラに前記検出情報を通信可能に接続する複数の通信線と、前記バッテリから前記複数のセンサに電力を供給する複数の電力供給線とを有し、前記信号線及び前記電力供給線は、分岐点において前記複数のセンサに複数回枝分かれして延びて接続し、前記コントローラは、前記複数のセンサから入力される情報に基づき、前記集合回路のうち故障がある範囲である故障範囲を判定する回路故障判定部と、前記複数のセンサのうち異常な検出情報を該コントローラに入力するセンサとしての異常センサを判定する異常判定部と、を有し、前記回路故障判定部は、前記異常判定部によって判定された前記異常センサが複数あるとき、該複数の異常センサが接続する前記通信線及び前記電力供給線の接続態様に基づいて、前記故障範囲として前記集合回路における故障発生区間を判定することを特徴とする。
【0010】
これにより、複数のセンサから入力される情報に基づき、異常判定部によって判定された異常センサが複数あるとき、複数の異常センサが接続する通信線及び電力供給線の接続態様に基づいて、故障範囲を検出するためのセンサを設けることなく、例えば複数の異常センサの組み合わせと通信線及び電力供給線の接続態様から集合回路のうち故障がある範囲である故障範囲を判定することが可能とされる。
【0011】
その他の態様として、前記回路故障判定部は、前記通信線及び前記電力供給線のうち、前記複数の異常センサのすべてが接続する前記集合回路中の経路の最も下流側である故障範囲下流位置と、前記通信線及び前記電力供給線のうち、前記複数のセンサのうち正常な検出情報を前記コントローラに入力する正常センサのすべてが接続する前記集合回路中の経路の最も下流側である故障範囲上流位置とを判定し、前記故障範囲を前記故障範囲下流位置から前記故障範囲上流位置までの範囲と判定するのが好ましい。
【0012】
これにより、複数の異常センサのすべてが接続する経路の最も下流側である故障範囲下流位置から、複数のセンサのうち正常な検出情報をコントローラに入力する正常センサのすべてが接続する経路の最も下流側である故障範囲上流位置まで、の範囲を故障範囲とすることで、故障範囲の判定精度を高めることが可能とされる。
【0013】
その他の態様として、前記コントローラは、前記複数のセンサから入力される情報と前記故障範囲との関係性を示すデータベースを記憶する記憶部を有し、前記回路故障判定部は、前記複数のセンサから入力される情報を前記データベースと照合して前記故障範囲を判定するのが好ましい。
【0014】
これにより、記憶部に記憶されたデータベースと複数のセンサから入力される情報とを照合して故障範囲を判定することで、回路故障判定部による判定精度を高めることが可能とされる。
【0015】
その他の態様として、前記コントローラは、前記回路故障判定部が判定する前記故障範囲のうち、故障している可能性が高い箇所を推定する故障箇所推定部を有するのが好ましい。
これにより、回路故障判定部が判定する故障範囲のうち、故障している可能性が高い箇所を推定することで、例えば推定した故障箇所をテスタに表示して修理する箇所を的確に案内することが可能とされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の作業機械によれば、複数のセンサから入力される情報に基づき、集合回路のうち故障がある範囲である故障範囲を判定するようにしたので、故障範囲を検出するためのセンサを設けることなく、故障範囲を判定することができる。
これにより、簡単な構成にしてワイヤ・ハーネスの故障を的確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る油圧ショベルの側面図である。
図2】油圧ショベルの上視図である。
図3】総合配線の回路図の一部である。
図4図1中のA部の拡大図である。
図5】本発明に係る油圧ショベルの制御に係るコントローラの接続構成が示されたブロック図である。
図6】コントローラが実行する、本発明に係るエラー判定制御の制御手順を示すルーチンのフローチャートである。
図7】故障データベースの一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1を参照すると、本実施形態に係る油圧ショベル1の側面図が示されている。油圧ショベル(作業機械)1は、鉱山などの現場で稼働する大型の油圧ショベルであり、例えば最大で前後長25m、左右長7m、地上高15の大きさの機械である。この油圧ショベル1は、下部走行体2と上部旋回体3と旋回装置4とを備えている。
【0019】
下部走行体2は油圧ショベル1の走行手段であり、ここではクローラ式の下部走行体2を例示している。上部旋回体3は、上部旋回体3の下側の骨格を形成する旋回フレーム3a及び旋回装置4を介して下部走行体2に連結されている。旋回装置4は、下部走行体2に対して上部旋回体3を相対的に旋回することが可能である。これにより、油圧ショベル1は、旋回式作業機を構成している。
【0020】
上部旋回体3は、旋回フレーム3a上に運転室5、フロントアタッチメント6及び建屋7等が搭載されている。運転室5には、油圧ショベル1を操作する各種の操作手段が設けられている。したがって、オペレータは、運転室5に搭乗することで、旋回装置4を操作する旋回操作やフロントアタッチメント6を操作する作業操作等の油圧ショベル1の各種操作を行うことが可能である。建屋7は、エンジン8や油圧ポンプ9等の機械を収容するものであり、運転室5の後方に配置している。
【0021】
フロントアタッチメント6は、上部旋回体3の前部に運転室5とほぼ並ぶようにして設けられており、ブーム10、アーム11及びバケット12を備えている。ブーム10は、基端部が旋回フレーム3aに図示しない連結ピンにより軸支されている。これにより、ブーム10は、旋回フレーム3aに対して相対的に揺動可能である。このブーム10の先端には、アーム11が上下方向に回動可能に連結され、アーム11の先端には、バケット12が上下方向に回動可能に連結されている。
【0022】
ここで、ブーム10は、ブームシリンダ10aを調整して伸縮することにより調整して回動することが可能である。同様に、アーム11は、アームシリンダ11aにより、バケット12は、バケットシリンダ12aを調整して伸縮することにより調整して回動することが可能である。したがって、フロントアタッチメント6は、ブームシリンダ10a、アームシリンダ11a及びバケットシリンダ12aを適宜調整して伸縮することにより、ブーム10、アーム11及びバケット12を適宜調整して回動し、掘削作業等の作業を行うことが可能である。
【0023】
図2を参照すると、油圧ショベル1の上視図が示されている。油圧ショベル1には、第1センサ21、第2センサ22、第3センサ23、第4センサ24及び第5センサ25を含む複数のセンサ(以下、総じて「各センサ20」ともいう。)、コントローラ(CU)27及びバッテリ(Batt)28が配設されている。第1センサ21は、ブーム10の左側面に設けられ、ブーム10の姿勢を検出するセンサである。第2センサ22は、油圧ショベル1の外部の雰囲気温度を検出する温度センサである。
【0024】
第3センサ23は、エンジン(ENG)8の図示しないアウトプットシャフトの回転数を検出するセンサである。第4センサ24は、エンジン8内を循環する冷却水の温度を検出するセンサである。第5センサ25は、油圧ポンプ9から突出される作動油の圧力を検出するセンサである。なお、一例として各センサ20についてそれぞれ説明したが、油圧ショベル1に配設されるセンサの数や種類はこれらに限られなくてもよい。
【0025】
コントローラ27は、エンジン8の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。なお、コントローラ27の構成については、後程説明する。バッテリ28は、エンジン8が駆動する際に図示しないオルタネータによって発電する電力を蓄電する電池である。このバッテリ28は、各センサ20やコントローラ27、その他油圧ショベル1の電気機器に電力を供給することが可能である。
【0026】
図3を参照すると、総合配線(集合回路)29の回路図の一部が示されている。各センサ20、コントローラ27及びバッテリ28は、総合配線29によってそれぞれ電気的に接続している。ここで、総合配線29は、主配線30、第1配線31、第2配線32、第3配線33、第4配線34、第5配線35及び第6配線36を備えている。主配線30は、一方(下流側)が第6コネクタ46及び第7コネクタ47を介して第8コネクタ48に接続し、他方(上流側)がコントローラ27及びバッテリ28に接続している。なお、本実施形態では、第8コネクタ48より下流側の配線について説明を省略するが、作動油の温度を検出する温度センサ等の各種センサや油圧ポンプ9の稼働量を制御するコントローラ等の各種電気機器を接続するようにしてもよい。
【0027】
第1配線31、第2配線32、第4配線34及び第5配線35は、分岐点P1、P2、P4、P5でそれぞれ主配線30から分岐して延び、第1コネクタ41、第2コネクタ42、第4コネクタ44及び第5コネクタ45を介して第1センサ21、第2センサ22、第4センサ24及び第5センサ25に電気的に接続している。また、第3配線33及び第6配線36は、上流側が分岐点P3、P6でそれぞれ第1配線31及び第4配線34から分岐して延びる電気線である。この第3配線33は、下流側が第3コネクタ43を介して第3センサ23に電気的に接続している。なお、第6配線36の下流側については、ここでの説明は省略するが、アーム11の姿勢を検出するセンサ等の電気機器に接続するようにしてもよい。
【0028】
図4を参照すると、図1中のA部の拡大図が示されている。第1センサ21は、バッテリ28から主配線30及び第1配線31を介して電力が供給されることで稼働してブーム10の姿勢を検出する。また、第1センサ21は、検出した情報を電気信号に変換し、第1配線31を介してコントローラ27に出力する。
【0029】
ここで、第1配線31には、第1コネクタ41が取り付けられている。第1コネクタ41は、第1配線31の上流側と下流側とを電気的に接続するコネクタである。これにより、第1配線31を加工することなく、第1コネクタ41を上流側と下流側とに分離させることで、第1センサ21を簡単に着脱することができる。また、第1配線31は、後述する第1電力供給線51、第1信号線71及び第6信号線76を束ね、ラバー等の保護部材によって覆われている。
【0030】
図3に戻り、総合配線29は、信号線や電力線を束ねた電線である。この図3においては、電力の供給を目的とした電線(電力供給線)を実線で示し、信号伝達を目的とした電線(信号線)を一点鎖線で示している。図3によると、電力供給線は、第1電力供給線(電力供給線)51及び第2電力供給線(電力供給線)52を備えており、それぞれバッテリ28から下流側に向かって延びている。
【0031】
第1電力供給線51は、第1分岐点P1にて第1ジョイント61を介して分岐して第1配線31及び第4配線34に延びている。この第1電力供給線51は、第1分岐点P1にて第1ジョイント61を介して分岐し、第1配線31及び第4配線34に延びている。さらに、第1電力供給線51は、第3分岐点P3及び第6分岐点P6にて第3ジョイント63及び第6ジョイント66を介して分岐し、第1配線31及び第6配線36並びに第3配線33及び第4配線34に延びている。第2電力供給線52は、第2分岐点P2及び第5分岐点P5にて第2ジョイント62及び第5ジョイント65を介して分岐し、第2センサ22及び第5センサ25に接続している。
【0032】
信号線は、第1信号線71、第2信号線72、第3信号線73、第4信号線74、第5信号線75及び第6信号線76を含む複数の信号線(以下、総じて「各信号線(通信線)70」ともいう。)を備えており、それぞれコントローラ27から下流側に向かって延びて第1センサ21、第2センサ22、第3センサ23、第4センサ24及び第5センサ25に接続している。
【0033】
したがって、電力供給線は、2本の線に複数のジョイントを配設して分岐することでバッテリ28から各センサに電力を供給し、一方で、信号線は、各センサ20に対応する本数の信号線を各センサ20からそれぞれ延ばし、コントローラ27に検出情報を出力している。
【0034】
図5を参照すると、本発明に係る油圧ショベル1の制御に係るコントローラ27の接続構成がブロック図で示されている。コントローラ27の入力側には、第1センサ21、第2センサ22、第3センサ23、第4センサ24及び第5センサ25が電気的に接続されており、各センサ20の検出情報がそれぞれ電気信号として入力されている。また、コントローラ27の出力側には、例えばテスタ100が電気的に接続されており、コントローラ27の後述するエラー判定制御によって判定された判定結果がテスタ100のモニタに表示される。なお、ここではテスタ100に判定結果を表示するようにしているが、無線通信にて管理者が所持する携帯端末に表示するようにしてもよく、運転室5内の図示しない操作パネルに表示するようにしてもよい。
【0035】
コントローラ27は、第1エラーコード生成部81、第2エラーコード生成部82、第3エラーコード生成部83、第4エラーコード生成部84、第5エラーコード生成部85を含む複数のエラーコード生成部(以下、総じて、「各エラーコード生成部(異常判定部)80」ともいう)、記憶部87、統合判定部(回路故障判定部)88及び故障箇所推定部89を有している。
【0036】
第1エラーコード生成部81は、第1センサ21から入力される検出情報が正常な情報か否かを判別し、異常を検知した場合(センサが異常センサである場合)は該当するエラーコードを生成する生成部である。ここで、第1センサ21から入力される検出情報が正常な情報である場合とは、第1センサ21から入力される検出情報の値が一定の範囲に収まる場合のことである。換言すると、第1センサ21から入力される検出情報の値が当該一定の範囲を超えた検出された場合には、第1センサ21やその信号を伝達する電力供給線や信号線に何らかの故障が生じていることを示している。なお、第2エラーコード生成部82、第3エラーコード生成部83、第4エラーコード生成部84及び第5エラーコード生成部85についても同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0037】
記憶部87は、後述する故障データベースが予め記憶されたメモリである。統合判定部88は、各エラーコード生成部80によって生成されたエラーコード及び記憶部87に記憶された情報、換言すると、各センサ20から入力される情報に基づいて、総合配線29における故障の有無や後述する故障発生区間(故障範囲)を判定する判定部である。故障箇所推定部89は、統合判定部88の判定結果から、さらに故障箇所である可能性が高い箇所を推定する推定部である。
【0038】
図6を参照すると、コントローラ27が実行する、本発明に係るエラー判定制御の制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されており、以下、同フローチャートに沿い説明する。本ルーチンは、図示しないイグニッションキー(ING)がON操作されるとスタートする(ステップS10)。
【0039】
ステップS20では、各エラーコード生成部80にて、各センサ20それぞれから異常を検知したか否かを判別する。ステップS20の判別結果が偽(No)で、各エラーコード生成部80すべてが異常を検知しなかった場合は、本ルーチンを終了する。一方、ステップS20の判別結果が真(Yes)で、各エラーコード生成部80のうち少なくともひとつが異常を検知した場合は、ステップS30に移行する。ステップS30では、各エラーコード生成部80のうち、異常を検知したエラーコード生成部がエラーコードを生成してステップS40に移行する。
【0040】
これにより、ステップS10~S30では、イグニッションキー(ING)がON操作されることで、総合配線29の第1電力供給線51及び第2電力供給線52を介してバッテリ28から各センサ20に電力が供給され(ステップS10)、各センサ20が稼働することにより検出した検出情報から各エラーコード生成部80のうち少なくともひとつが異常を検知する(異常センサを検知する)と(ステップS20でYes)、該当するエラーコード生成部がエラーコードを生成することができる(ステップS30)。
【0041】
ステップS40では、ステップS30で生成されたエラーコードが複数存在するか否かを判別する。ステップS40の判別結果が偽(No)で、生成されたエラーコードがひとつである場合は、後述するステップS70に移行する。一方、ステップS40の判別結果が真(Yes)で、生成されたエラーコードが複数存在する場合は、ステップS50に移行する。ステップS50では、記憶部87に記憶されている故障データベース(データベース)90とステップS30で生成されたエラーコードとを照合する。
【0042】
図7を参照すると、故障データベース90の一例が表で示されている。まず、故障データベース90の構成について説明すると、最も左に位置する第1列91には、パターン名が列挙されている。本実施形態では、一例として5つのパターンが示されている。
【0043】
次に、左から2番目に位置する第2列92には、各パターンにおける実際の故障箇所が列挙されている。次に、左から3番目に位置する第3列93には、各エラーコード生成部80によって各パターンにおける各センサ20のエラーコードが生成された場合(異常センサ)は丸印が記載され、エラーコードが生成されていない場合は空欄にて列挙されている。
【0044】
次に、左から4番目に位置する第4列94には、統合判定部88が判定する故障発生区間が列挙されている。そして、左から5番目、すなわち最も右に位置する第5列95には、故障箇所推定部89が推定する、故障が発生している可能性が高い箇所(故障箇所)が列挙されている。
【0045】
したがって、ステップS50では、故障データベース90とエラーコードとを照合することで、統合判定部88が判定する故障発生区間や故障箇所推定部89が推定する故障箇所を割り出すことができる。このように、故障発生区間や故障箇所を割り出したあと、ステップS60に移行する。なお、エラーコードと故障発生区間及び故障箇所との対応関係については後述する。
【0046】
図6に戻り、ステップS60では、ステップS50で照合結果として、合致するパターンが存在するか否かを判別する。ステップS60の判別結果が偽(No)で、合致するパターンが存在しない場合は、ステップS70に移行する。ステップS70では、各センサ20のうち該当するセンサが故障箇所であると判定してステップS90に移行する。ここで、上記したように、ステップS40の判別結果が偽(No)で、生成されたエラーコードがひとつである場合もまた、該当するセンサが故障箇所であると判定してステップS90に移行する。
【0047】
一方、ステップS60の判別結果が真(Yes)で、合致するパターンが存在する場合は、ステップS80に移行する。ステップS80では、故障データベース90における合致するパターンに基づき、故障範囲は、故障データベース90中第4列94の合致する故障発生区間であると判定してステップS85に移行する。ステップS85では、故障データベース90における合致するパターンに基づき、故障箇所は、第5列95の推定される故障箇所であると推定してステップS90に移行する。
【0048】
そして、ステップS90では、ステップS70またはステップS80、S85で判定及び推定した故障範囲や故障箇所を例えばテスタ100に通知して本ルーチンを終了し、その後本ルーチンを繰り返し実行する。
【0049】
このように、ステップS40~S90では、各エラーコード生成部80が生成したエラーコードが単数である場合や(ステップS40でNo)、複数であっても(ステップS40でYes)故障データベース90に合致するパターンが存在しない場合は(ステップS50、ステップS60でNo)、該当するセンサが故障していると判定し(ステップS70)、該判定をテスタ100に表示して作業者に修理すべき箇所を案内することができる。
【0050】
また、ステップS40~S90では、各エラーコード生成部80が生成したエラーコードが複数であって(ステップS40でYes)、故障データベース90に合致するパターンが存在する場合は(ステップS50、ステップS60でYes)、故障発生区間や故障箇所を判定及び推定し(ステップS80、S85)、該判定及び推定をテスタ100に表示して作業者に修理すべき区間や箇所を案内することができる。したがって、本ルーチンを用いることで、統合判定部88は、故障範囲を検出するためのセンサを設けることなく、各信号線70並びに第1電力供給線51の接続態様に基づいて故障範囲を判定することができる。
【0051】
ところで、上記ステップS50にて用いた故障データベース90については、エラーコードと故障発生区間及び故障箇所との対応関係について、所定の対応関係(関係性)がある。以下、図3、7に沿ってエラーコードと故障発生区間及び故障箇所との対応関係について、故障箇所がコネクタである場合と故障箇所がジョイントである場合とに分けて説明する。
【0052】
<故障箇所がコネクタである場合>
パターン1及びパターン2は、故障箇所がコネクタである場合である。まず、パターン1について説明する。図7によると、パターン1は、各センサ20のうち、第3センサ23、第4センサ24及び第5センサ25のエラーコードが同時に発生し、かつ第1センサ21及び第2センサ22のエラーコードが発生していない状態である(第3列93)。
【0053】
このように、第3センサ23、第4センサ24及び第5センサ25のエラーコードが同時に発生している場合、複数箇所のセンサに故障が同時に生じている可能性は低い。また、図3によると、第3センサ23、第4センサ24及び第5センサ25は、第4分岐点P4から分岐している。ここで、第4分岐点P4は、第3センサ23、第4センサ24及び第5センサ25(異常センサ)のすべてが接続する総合配線29中の経路の最も下流側である。したがって、総合配線29における、第4分岐点P4(故障範囲下流位置)から上流での故障発生が予想される。
【0054】
さらに、エラーコードが発生していない第2センサ22は、第2分岐点P2から延びる第2配線32に接続している。したがって、総合配線29における、第2分岐点P2(故障範囲上流位置)から下流での故障発生が予想される。これにより、第4列94のように、故障発生区間は、総合配線29における第2分岐点P2から第4分岐点P4までの間の区間であると判定することができる。
【0055】
ところで、図4によると、第1配線31は、ブーム10上側を延びているため、外部の砂塵や雨水、紫外線等の外部の影響を受けやすい。特に、第1コネクタ41や第1分岐点P1の第1ジョイント61は、第1配線31の配線部分と比較して接続部分の隙間や電線同士を接続する部分と比較して故障が発生しやすい。また、第1コネクタ41や第1ジョイント61と同様に、第1コネクタ41以外のコネクタや第1ジョイント61以外のジョイントについても、配線部分と比較して故障が発生しやすい。
【0056】
したがって、故障発生区間と判定した第2分岐点P2から第4分岐点P4までの区間のうち、第7コネクタ47は、第1ジョイント61と同様に故障が発生している箇所として最も可能性が高い。ゆえに、パターン1のときは、故障範囲は第2分岐点P2から第4分岐点P4までの間の区間であると判定し(図6のステップS80)、故障箇所は第7コネクタ47である(図6のステップS85)と推定することができる。
【0057】
次に、パターン2について説明する。図7によると、パターン2は、各センサ20すべてのエラーコードが同時に発生している状態である(第3列93)。このような場合、各センサ20に故障が同時に生じている可能性は低い。また、図3によると、各センサ20は、第1分岐点P1まではすべて主配線30に接続されている。したがって、総合配線29における、第1分岐点P1から上流での故障発生が予想される。ゆえに、第4列94のように、故障発生区間は、総合配線29における第1分岐点P1から上流側の区間であると判定することができる。
【0058】
また、故障発生区間と判定した第1分岐点P1から上流側の区間のうち、第6コネクタ46は、故障が発生している箇所として最も可能性が高い。したがって、パターン2のときは、故障範囲は第1分岐点P1から上流側の区間であると判定し(図6のステップS80)、故障箇所は第6コネクタ46である(図6のステップS85)と推定することができる。
【0059】
<故障箇所がジョイントである場合>
パターン3~5は、故障箇所がジョイントである場合である。まず、パターン3について説明する。図7によると、パターン3は、各センサ20のうち、第3センサ23及び第4センサ24のエラーコードが同時に発生し、かつ第1センサ21、第2センサ22及び第5センサ25のエラーコードが発生していない状態である(第3列93)。
【0060】
ここで図3によると、第3センサ23及び第4センサ24は、第3分岐点P3から分岐する第3配線33及び第4配線34に接続している。したがって、総合配線29における、第3分岐点P3から上流での故障発生が予想される。
【0061】
一方で、エラーコードが発生していない第5センサ25は、第4分岐点P4より下流に位置しているにも関わらず、エラーコードが発生していない。また、第3センサ23及び第4センサ24は、第1電力供給線51を介してバッテリ28から電力の供給を受けているのに対し、第5センサ25は、第2電力供給線52を介してバッテリ28から電力の供給を受けている。またさらに、第1電力供給線51を介してバッテリ28から電力の供給を受けている第1センサ21は、エラーコードが発生していない。
【0062】
これにより、第4列94のように、故障発生区間は、総合配線29における第1分岐点P1から第3分岐点P3までの間の区間における第1電力供給線51上の故障であると判定することができる。また、故障発生区間と判定した第1分岐点P1から第3分岐点P3までの区間であって第1電力供給線51上に位置する第3ジョイント63は、故障が発生している箇所として最も可能性が高い。したがって、パターン3のときは、故障範囲は第1分岐点P1から第3分岐点P3までの区間であると判定し(図6のステップS80)、故障箇所は第3ジョイント63である(図6のステップS85)と推定することができる。
【0063】
次に、パターン4について説明する。図7によると、パターン4は、各センサ20のうち、第2センサ22及び第5センサ25のエラーコードが同時に発生し、かつ第1センサ21、第3センサ23及び第4センサ24のエラーコードが発生していない状態である(第3列93)。
【0064】
ここで図3によると、第2センサ22及び第5センサ25は、第2分岐点P2から分岐する第2配線32並びに主配線30及び第5配線35に接続している。したがって、総合配線29における、第2分岐点P2から上流での故障発生が予想される。
【0065】
一方で、エラーコードが発生していない第3センサ23及び第4センサ24は、第2分岐点P2より下流に位置しているにも関わらず、エラーコードが発生していない。また、第2センサ22及び第5センサ25は、第2電力供給線52を介してバッテリ28から電力の供給を受けているのに対し、第3センサ23及び第4センサ24は、第1電力供給線51を介してバッテリ28から電力の供給を受けている。
【0066】
これらから、第4列94のように、故障発生区間は、総合配線29における第1分岐点P1から第2分岐点P2までの間の区間における第2電力供給線52上の故障であると判定することができる。また、故障発生区間と判定した第1分岐点P1から第2分岐点P2までの区間であって第2電力供給線52上に位置する第2ジョイント62は、故障が発生している箇所として最も可能性が高い。したがって、パターン4のときは、故障範囲は第1分岐点P1から第2分岐点P2までの区間であると判定し(図6のステップS80)、故障箇所は第2ジョイント62である(図6のステップS85)と推定することができる。
【0067】
次に、パターン5について説明する。図7によると、パターン5は、各センサ20のうち、第1センサ21、第3センサ23及び第4センサ24のエラーコードが同時に発生し、かつ第2センサ22及び第5センサ25のエラーコードが発生していない状態である(第3列93)。
【0068】
ここで図3によると、第1センサ21、第3センサ23及び第4センサ24は、第1分岐点P1から分岐する第1配線31並びに主配線30、第3配線33及び第4配線34に接続している。したがって、総合配線29における、第1分岐点P1から上流での故障発生が予想される。
【0069】
一方で、エラーコードが発生していない第2センサ22及び第5センサ25は、第1分岐点P1より下流に位置しているにも関わらず、エラーコードが発生していない。また、第1センサ21、第3センサ23及び第4センサ24は、第1電力供給線51を介してバッテリ28から電力の供給を受けているのに対し、第2センサ22及び第5センサ25は、第2電力供給線52を介してバッテリ28から電力の供給を受けている。
【0070】
これらから、第4列94のように、故障発生区間は、総合配線29における第1分岐点P1から上流の区間における第1電力供給線51上の故障であると判定することができる。また、故障発生区間と判定した第1分岐点P1から上流の区間であって第1分岐点P1上に位置する第1ジョイント61は、故障が発生している箇所として最も可能性が高い。したがって、パターン5のときは、故障範囲は第1分岐点P1から上流の区間であると判定し(図6のステップS80)、故障箇所は第1ジョイント61である(図6のステップS85)と推定することができる。
【0071】
このように、統合判定部88及び故障箇所推定部89は、各パターンごとに故障発生区間や推定される故障箇所を含む故障データベース90と照合して故障発生区間や推定される故障箇所を判定及び推定することで、的確に判定及び推定することができる。
【0072】
以上説明したように、本発明に係る油圧ショベル1では、各センサ20と、各センサ20によって検出された検出情報が入力されるコントローラ27と、各センサ20に供給する電力を蓄電するバッテリ28と、一方が各センサ20のそれぞれに、他方がコントローラ27及びバッテリ28に接続する総合配線29と、を備え、コントローラ27は、各センサ20から入力される情報に基づき、総合配線29のうち故障がある範囲である故障範囲を判定する統合判定部88を有する。
【0073】
従って、各センサ20から入力される情報に基づき、総合配線29のうち故障がある範囲である故障範囲を判定するようにしたので、故障範囲を検出するためのセンサを設けることなく、故障範囲を判定することができる。
【0074】
特に、総合配線29は、各センサ20からそれぞれ延び、コントローラ27に検出情報を通信可能に接続する各信号線70と、バッテリ28から各センサ20に電力を供給する第1電力供給線51及び第2電力供給線52と、を有し、第1電力供給線51及び第2電力供給線52は、各分岐点P1~6にて複数回枝分かれして各センサ20に延びて接続し、コントローラ27は、各センサ20のうち異常な検出情報を該コントローラ27に入力するセンサ(異常センサ)を判定する各エラーコード生成部80を有し、統合判定部88は、各エラーコード生成部80によって異常を検知したセンサであると判定された異常センサが複数あるとき、該複数の異常センサが接続する各信号線70並びに第1電力供給線51の接続態様に基づいて故障範囲を判定する。
【0075】
従って、各エラーコード生成部80によって判定された異常センサが複数あるとき、複数の異常センサが接続する各信号線70並びに第1電力供給線51及び第2電力供給線52の接続態様に基づいて故障範囲を判定するようにしたので、例えば複数の異常センサの組み合わせと各信号線70並びに第1電力供給線51及び第2電力供給線52の接続態様から故障範囲を判定することができる。
【0076】
そして、統合判定部88は、各信号線70並びに第1電力供給線51及び第2電力供給線52のうち、複数の異常センサのすべてが接続する総合配線29中の経路の最も下流側である故障範囲下流位置と、各信号線70並びに第1電力供給線51及び第2電力供給線52のうち、各センサ20のうち正常な検出情報をコントローラ27に入力する正常センサのすべてが接続する総合配線29中の経路の最も下流側である故障範囲上流位置とを判定し、故障範囲を故障範囲下流位置から故障範囲上流位置までの範囲と判定するようにしたので、故障範囲の判定精度を高めることができる。
【0077】
そして、コントローラ27は、各センサ20から入力される情報と故障範囲との関係性を示す故障データベース90を記憶する記憶部87を有し、統合判定部88は、各センサ20から入力される情報を故障データベース90と照合して故障範囲を判定するようにしたので、統合判定部88による判定精度を高めることができる。
【0078】
そして、コントローラ27は、統合判定部88が判定する故障範囲のうち、故障している可能性が高い箇所を推定する故障箇所推定部89を有するので、例えば推定した故障箇所をテスタ100に表示して修理する箇所を的確に案内することができる。
【0079】
以上で本発明に係る作業機械の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0080】
例えば、本実施形態では、各センサ20や総合配線29、コネクタ、ジョイント等の「故障」を検知、判定及び推定するようにしたが、ここで、「故障」の意は、断線等の破損以外にも、コネクタの接続忘れ等の人的ミスも含めた正常ではない状態を示すものとしてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、コントローラ27が実行する、本発明に係るエラー判定制御の制御手順を図6のフローチャートを用いて説明したが、各ステップの順序は、これに限らず、本発明を実施できる程度に適宜入れ替えるようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、作業機械として油圧ショベル1を用いて説明したが、ホイルローダや転圧機械、クレーン等、油圧ショベル以外の作業機械に用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 油圧ショベル(作業機械)
20 各センサ(複数のセンサ)
27 コントローラ
28 バッテリ
29 総合配線(集合回路)
51 第1電力供給線(電力供給線)
52 第2電力供給線(電力供給線)
70 各信号線(通信線)
80 各エラーコード生成部(異常判定部)
87 記憶部
88 統合判定部(回路故障判定部)
89 故障箇所推定部
90 故障データベース(データベース)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7