(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】転圧機械
(51)【国際特許分類】
E01C 19/26 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
E01C19/26
(21)【出願番号】P 2019175500
(22)【出願日】2019-09-26
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】田中 正道
(72)【発明者】
【氏名】切田 勝之
(72)【発明者】
【氏名】阿部 祐斗
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-157407(JP,A)
【文献】特開2019-012394(JP,A)
【文献】特開2000-314104(JP,A)
【文献】特開2019-108742(JP,A)
【文献】特開2015-232843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/00-19/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面を締め固める転圧ローラと、
前記転圧ローラを減速することで機体を減速する減速装置と、を備えた転圧機械において、
前記機体の進行方向に障害物が位置することを検出する障害物センサと、
前記機体の最高速度を前記オペレータが設定する最高速度設定スイッチと、
前記機体を操作するオペレータに所定の報知態様で報知する報知装置と、
前記減速装置及び前記報知装置を制御するコントローラと、を有し、
前記コントローラは、
前記機体の走行態様を判定する走行態様判定部と、
前記障害物センサによって前記機体の進行方向に障害物が位置することを検出した際に、前記減速装置を制御して前記機体を減速させる自動減速制御を実行する自動減速制御部と、
前記報知装置を制御する報知制御部と、を含み、
前記自動減速制御は、
前記走行態様判定部により判定される前記走行態様が所定の走行態様の範囲内
の走行態様であれば前記機体が前記障害物に接触する前に前記機体を停止させる制御であり、
前記報知制御部は、前記走行態様判定部により判定される前記走行態様が前記所定の走行態様の範囲外
の走行態様のとき、前記報知装置を制御して前記オペレータに前記所定の報知態様で報知
し、
前記走行態様判定部は、前記最高速度設定スイッチによって設定された前記機体の最高速度が所定速度以上であるとき、前記所定の走行態様の範囲外の走行態様であると判定することを特徴とする転圧機械。
【請求項2】
路面を締め固める転圧ローラと、
前記転圧ローラを減速することで機体を減速する減速装置と、を備えた転圧機械において、
前記機体の進行方向に障害物が位置することを検出する障害物センサと、
前記機体の速度を検出する速度センサ
と、
前記機体を操作するオペレータに所定の報知態様で報知する報知装置と、
前記減速装置及び前記報知装置を制御するコントローラと、を有し、
前記コントローラは、
前記機体の走行態様を判定する走行態様判定部と、
前記障害物センサによって前記機体の進行方向に障害物が位置することを検出した際に、前記減速装置を制御して前記機体を減速させる自動減速制御を実行する自動減速制御部と、
前記報知装置を制御する報知制御部と、を含み、
前記自動減速制御は、前記走行態様判定部により判定される前記走行態様が所定の走行態様の範囲内の走行態様であれば前記機体が前記障害物に接触する前に前記機体を停止させる制御であり、
前記報知制御部は、前記走行態様判定部により判定される前記走行態様が前記所定の走行態様の範囲外の走行態様のとき、前記報知装置を制御して前記オペレータに前記所定の報知態様で報知し、
前記走行態様判定部は、前記速度センサによって検出される前記機体の速度が所定速度以上であるとき、前記所定の走行態様の範囲外
の走行態様であると判定す
ることを特徴とす
る転圧機械。
【請求項3】
前記コントローラは、前記自動減速制御部による前記自動減速制御を無効にする自動減速キャンセル部を含み、
前記自動減速キャンセル部は、前記走行態様判定部によって判定される前記走行態様が、前記所定の走行態様の範囲外
の走行態様であるとき、前記自動減速制御部による前記自動減速制御を無効にする、
ことを特徴とする、請求項1
または2に記載の転圧機械。
【請求項4】
前記所定の報知態様は、前記オペレータに前記自動減速制御を無効にしたことを報知する報知態様である、
ことを特徴とする、請求項
3に記載の転圧機械。
【請求項5】
前記最高速度設定スイッチは、複数の速度から一の速度を選択可能に構成されてなる、
ことを特徴とする、請求項
1に記載の転圧機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は転圧機械に係り、特にオペレータに報知する情報の最適化を図る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤローラ等の転圧機械には、路面の舗装工事等で舗装材を締め固めるために機体の前部及び後部に車輪を兼ねた転圧ローラ(例えば転圧タイヤや鉄輪)が備えられている。このような転圧機械は、アスファルト混合物等の舗装材を敷きつめた路面を一定速度(後述する作業時の速度)で走行しながら、転圧ローラによって舗装材を締め固めている。
【0003】
このような路面の舗装工事においては、転圧機械を操縦するオペレータ以外にも路面の完成度のチェックをする作業者や施工範囲の指標として配設される所謂三角コーンなど(以下、障害物という)、複数の障害物が路面に位置していることがある。
そこで、障害物を検出するセンサを用い、障害物を検出すると転圧機械を自動で停止させる技術(以下、自動減速技術という)が開発されている(特許文献1)。
【0004】
ところで、転圧機械は、作業現場間を移動する際に、公道を走行するような場合がある。このような場合、転圧機械は、作業時の速度(例えば4km/h)ではなく、公道走行用の速度(例えば20km/h)で走行する。
【0005】
ここで、上記特許文献1に開示される技術におけるタイヤローラでは、車両(機体)が無駄に停止する事態が生じることを避けるため、車幅方向に関する検知範囲の寸法をタイヤローラの車幅寸法と略同じに設定している(特許文献1の段落[0022])。したがって、転圧機械が移動用の速度で走行するような場合にも自動減速技術を応用する場合には、センサの検出精度を向上させることや、公道走行用の速度で走行する際に用いるために別途センサを設けることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、センサの検出精度を向上させるためには、高価なセンサを用いなければならず、別途センサを設けることもセンサに用いる費用が追加で必要となる。また、本来、自動減速技術は、転圧作業中におけるオペレータの補助的な位置づけで設けられるものであり、公道を走行するような作業時の速度ではない速度域で自動減速技術を用いるために多大な費用を費やすことは好ましいことではない。
【0008】
一方で、例えば作業時に自動減速技術によって転圧機械が停止することを知ったオペレータが、公道での走行中に自動減速技術が作動するか否かを試みるような虞があり、好ましいことではない。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動減速技術に依らずに転圧機械(機体)を操作するよう、オペレータに的確に報知することができる転圧機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の転圧機械は、路面を締め固める転圧ローラと、前記転圧ローラを減速することで機体を減速する減速装置と、を備えた転圧機械において、前記機体の進行方向に障害物が位置することを検出する障害物センサと、前記機体の最高速度を前記オペレータが設定する最高速度設定スイッチと、前記機体を操作するオペレータに所定の報知態様で報知する報知装置と、前記減速装置及び前記報知装置を制御するコントローラと、を有し、前記コントローラは、前記機体の走行態様を判定する走行態様判定部と、前記障害物センサによって前記機体の進行方向に障害物が位置することを検出した際に、前記減速装置を制御して前記機体を減速させる自動減速制御を実行する自動減速制御部と、前記報知装置を制御する報知制御部と、を含み、前記自動減速制御は、前記走行態様判定部により判定される前記走行態様が所定の走行態様の範囲内の走行態様であれば前記機体が前記障害物に接触する前に前記機体を停止させる制御であり、前記報知制御部は、前記走行態様判定部により判定される前記走行態様が前記所定の走行態様の範囲外の走行態様のとき、前記報知装置を制御して前記オペレータに前記所定の報知態様で報知し、前記走行態様判定部は、前記最高速度設定スイッチによって設定された前記機体の最高速度が所定速度以上であるとき、前記所定の走行態様の範囲外の走行態様であると判定することを特徴とする。
【0011】
これにより、最高速度設定スイッチによって設定された機体の最高速度が所定速度以上であるとき、走行態様判定部により機体の走行態様が所定の走行態様の範囲外の走行態様であると判定することで、機体の最高速度が所定速度以上であるため、自動減速制御に依らずに機体を操作するようオペレータに報知することが可能とされる。
また、本発明の転圧機械は、路面を締め固める転圧ローラと、前記転圧ローラを減速することで機体を減速する減速装置と、を備えた転圧機械において、前記機体の進行方向に障害物が位置することを検出する障害物センサと、前記機体の速度を検出する速度センサと、前記機体を操作するオペレータに所定の報知態様で報知する報知装置と、前記減速装置及び前記報知装置を制御するコントローラと、を有し、前記コントローラは、前記機体の走行態様を判定する走行態様判定部と、前記障害物センサによって前記機体の進行方向に障害物が位置することを検出した際に、前記減速装置を制御して前記機体を減速させる自動減速制御を実行する自動減速制御部と、前記報知装置を制御する報知制御部と、を含み、前記自動減速制御は、前記走行態様判定部により判定される前記走行態様が所定の走行態様の範囲内の走行態様であれば前記機体が前記障害物に接触する前に前記機体を停止させる制御であり、前記報知制御部は、前記走行態様判定部により判定される前記走行態様が前記所定の走行態様の範囲外の走行態様のとき、前記報知装置を制御して前記オペレータに前記所定の報知態様で報知し、前記走行態様判定部は、前記速度センサによって検出される前記機体の速度が所定速度以上であるとき、前記所定の走行態様の範囲外の走行態様であると判定することを特徴とする。
これにより、機体の速度が所定速度以上であるとき、走行態様判定部により機体の走行態様が所定の走行態様の範囲外の走行態様であると判定することで、オペレータによる走行態様である機体の速度が所定速度以上であるため、自動減速制御に依らずに機体を操作するようオペレータに報知することが可能とされる。
【0012】
その他の態様として、前記コントローラは、前記自動減速制御部による前記自動減速制御を無効にする自動減速キャンセル部を含み、前記自動減速キャンセル部は、前記走行態様判定部によって判定される前記走行態様が、前記所定の走行態様の範囲外の走行態様であるとき、前記自動減速制御部による前記自動減速制御を無効にするのが好ましい。
【0013】
これにより、走行態様判定部によって判定される走行態様が、所定の走行態様の範囲外の走行態様であるとき、自動減速制御部による自動減速制御を無効にすることで、例えば所定の走行態様の範囲外の走行態様であることによる自動減速制御の想定外の減速態様等を防止することが可能とされる。
【0014】
その他の態様として、前記所定の報知態様は、前記オペレータに前記自動減速制御を無効にしたことを報知する報知態様であるのが好ましい。
これにより、オペレータに自動減速制御を無効にしたことを報知することで、所定の走行態様の範囲外の走行態様であり、自動減速制御が無効であるため、自動減速制御に依らずに機体を操作するようオペレータに報知することが可能とされる。
【0017】
その他の態様として、前記最高速度設定スイッチは、複数の速度から一の速度を選択可能に構成されてなるのが好ましい。
これにより、最高速度設定スイッチを複数の速度から一の速度を選択可能な構成にすることで、オペレータが容易に最高速度を設定することが可能とされる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の転圧機械によれば、最高速度設定スイッチによって設定された機体の最高速度が所定速度以上であるとき、或いは、機体の速度が所定速度以上であるとき、走行態様判定部により判定される機体の走行態様が所定の走行態様の範囲外の走行態様であると判定し、走行態様が所定の走行態様の範囲外であることを報知装置によってオペレータに報知するようにしたので、自動減速制御に依らずに機体を操作するよう、オペレータに的確に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】機体後方から視た操作ユニットの斜視図である。
【
図3】第1実施形態における転圧機械の制御に係るコントローラの接続構成が示されたブロック図である。
【
図4】コントローラの自動減速制御部が実行する、自動減速制御の制御手順のルーチンを示すフローチャートである。
【
図5】コントローラが実行する、第1実施形態に係る転圧機械の制御手順のルーチンを示すフローチャートである。
【
図6】第2実施形態における転圧機械の制御に係るコントローラの接続構成が示されたブロック図である。
【
図7】コントローラが実行する、第2実施形態に係る転圧機械の制御手順のルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1を参照すると、第1実施形態に係る機体1の側面図が示されている。
機体1は、前輪(転圧ローラ)3、後輪(転圧ローラ)4、駆動ユニット(減速装置)5、散水装置7及び操作ユニット9を備えたタイヤローラである。この機体1は、質量が8~12t程度あり、転圧施工をすることでアスファルト舗装工事における締固め作業をする機械である。前輪3及び後輪4は、ゴム製であって接地面が平らな転圧輪であり、後輪4を駆動することで機体1を走行させ、減速することで機体1を減速させることが可能である。
【0022】
駆動ユニット5は、エンジン11、HST(Hydraulic Static Transmission)13及びドライブシャフト15を備えている。エンジン11は、図示しない燃料タンクから燃料が供給されることで稼働する内燃機関である。HST13は、油圧ポンプ13a、油圧走行モータ13b及び油圧経路13cを有する閉油圧回路である。油圧ポンプ13aは、エンジン11の駆動力を利用して作動油を循環させる所謂両傾転油圧ポンプであり、図示しない斜板の傾斜角度を調整することで作動油の循環量や循環方向を調整することが可能である。これにより、HST13は、エンジン11の駆動力を利用して油圧ポンプ13aを稼働することで油圧経路13cを介して作動油を油圧走行モータ13bに循環させて油圧走行モータ13bを駆動することが可能である。
【0023】
ドライブシャフト15は、一端がHST13の油圧走行モータ13bと連動可能に接続し、他端が後輪4の回転軸であるアクスル14と連動可能に接続するシャフト部材である。これにより、後輪4は、油圧走行モータ13bの駆動力がドライブシャフト15及びアクスル14を介して伝達されることで機体1を走行させることが可能である。また、HST13は、油圧走行モータ13bがドライブシャフト15及びアクスル14を介して後輪4と連動するため、油圧ポンプ13aによる作動油の循環量を調整することで後輪4を減速させることが可能である。
【0024】
ここで、油圧走行モータ13bには、パーキングブレーキ装置13dが内設され、アクスル14には、サービスブレーキ装置13eが配設されている。パーキングブレーキ装置13dは、図示しない駐機ボタンを押圧することで作動するディスク式の摩擦ブレーキ装置である。このパーキングブレーキ装置13dを作動させることで、油圧走行モータ13bの駆動を停止することが可能である。これにより、例えば機体1による作業後に機体1を駐機する際は、パーキングブレーキ装置13dを作動させて機体1が坂道等で重力により移動することを防止する(駐機状態)ことが可能である。サービスブレーキ装置13eは、オペレータが図示しないブレーキペダルを踏圧することでアクスル14の回動を制動するディスク式の摩擦ブレーキ装置である。
【0025】
散水装置7は、機体1のフレーム内に形成される図示しない水タンクに貯留された水を前輪3並びに後輪4及び路面に噴霧及び散水する装置である。これにより、散水装置7は、前輪3及び後輪4とアスファルト舗装材との接着性を低下させて舗装路面が荒れることを抑制することが可能である。
【0026】
図2を参照すると、機体後方から視た操作ユニット9の斜視図が示されている。操作ユニット9は、前後進レバー21、ステアリング23及び操作パネル25を備えている。この操作ユニット9は、オペレータが機体1の走行、転舵、制動その他機体1の各種操作をするための装置である。
【0027】
前後進レバー21は、オペレータが操作することでHST13を制御して後輪4の回転方向を変更し、機体1の前後方向における進行方向を切り替えるレバーである。ステアリング23は、オペレータが操作することで機体上下方向を軸にして前輪3を回動させ、機体左右方向における進行方向を調整する転舵装置である。操作パネル25は、モニタ(報知装置)31、スピーカ(報知装置)33、ランプ(報知装置)34及び最高速度設定スイッチ35を有する操作装置である。
【0028】
モニタ31は、機体1の走行速度や燃料の残量その他各種設定状態等を表示する液晶パネルである。スピーカ33は、ブザー音等を吹鳴することが可能である。ランプ34は、オペレータに視認可能な可視光を点灯することが可能な警告灯である。
【0029】
最高速度設定スイッチ35は、オペレータによって設定することで、低速(例えば4km/h)、中速(例えば8km/h)及び高速(例えば20km/h)の三段階(複数の速度)で機体1の最高速度を設定することが可能なスイッチである。この低速とは、締固め作業の序盤に適した速度であり、中速とは、締固め作業の終盤に適した速度であり、高速とは、公道を走行する際に適した速度である。ここで、オペレータが搭乗した際の足元にあたる操作ユニット9の下方には、アクセルペダル37が配設されている(
図1)。これにより、オペレータは、アクセルペダル37の踏圧量を調整することで機体1を加減速及び停止させることが可能である。したがって、最高速度設定スイッチ35を用いて機体1の最高速度を設定することで、オペレータは、締固め作業中におけるアクセルペダルの踏圧量を容易に調整することや速度を出しすぎることによる転圧不足等を抑制することが可能である。
【0030】
図1に戻り、第1実施形態に係る機体1には、警告灯41、赤外線センサ(障害物センサ)43、速度センサ45及びコントローラ47が配設されている。警告灯41は、例えばルーフ2に取り付けられ、機体1の周囲に位置する作業者に向けて赤、黄色、緑、青等の複数の色の可視光を発する警告灯である。この警告灯41は、着脱可能に配設されており、機体1が公道を走行する際には緊急車両との識別のため取り外されている。
【0031】
赤外線センサ43は、機体1の進行方向に赤外線を発し進行方向における障害物の有無や機体1と障害物との距離を検出する障害物検出センサであり、機体1の前側及び後側に配設されている。速度センサ45は、例えば前輪3の回転軸に配設された回転センサであり、前輪3の回転数に基づいて機体1の速度を検出することが可能である。
【0032】
図3を参照すると、第1実施形態における転圧機械の制御に係るコントローラ47の接続構成がブロック図で示されている。コントローラ47は、駆動ユニット5の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。
【0033】
コントローラ47の入力側には、赤外線センサ43、速度センサ45及び最高速度設定スイッチ35が電気的に接続されている。これにより、コントローラ47は、赤外線センサ43からは機体1の進行方向における障害物の有無や機体1と障害物との距離に関する情報が入力され、速度センサ45からは機体1の速度に関する情報が入力され、最高速度設定スイッチ35からはオペレータが設定した機体1の最高速度に関する情報が入力される。
【0034】
また、コントローラ47の出力側には、駆動ユニット5、警告灯41、モニタ31、スピーカ33及びランプ34が電気的に接続されている。これにより、コントローラ47は、駆動ユニット5のエンジン11及びHST13の油圧ポンプ13aを制御することで機体1の加速度及び減速度を制御することやパーキングブレーキ装置13dを制御することで機体1を駐機状態にすることができる。
【0035】
また、コントローラ47は、警告灯41を制御することで機体1の周囲に報知や警告等を示すことができ、モニタ31を制御することで所定の報知映像をオペレータに表示(所定の報知態様)することができ、スピーカ33を制御することでブザー音をオペレータに聞こえるように吹鳴する(所定の報知態様)ことができ、ランプ34を制御することで点滅等の所定の点灯態様でオペレータに視認可能なように光を発する(所定の報知態様)ことができる。
【0036】
ここで、コントローラ47には、自動減速制御部51、走行態様判定部53、自動減速キャンセル部55及び報知制御部57が設けられている。自動減速制御部51は、例えば赤外線センサ43から入力される機体1の進行方向における障害物の有無や機体1と障害物との距離に関する情報及び速度センサ45から入力される機体1の速度に関する情報に基づいて、オペレータの操作に依らず機体1が障害物に接触する手前で停止するよう駆動ユニット5のエンジン11及びHST13を制御する(後述する自動減速制御)制御部である。走行態様判定部53は、最高速度設定スイッチ35から入力されるオペレータが設定した機体1の最高速度に関する情報に基づいて、機体1の最高速度等の走行態様を判定する判定部である。
【0037】
自動減速キャンセル部55は、自動減速制御部51による自動減速制御の情報及び走行態様判定部53が判定した機体1の走行態様に基づいて、自動減速制御部51による自動減速制御を有効にし、または自動減速制御を無効にすることが可能な制御部である。報知制御部57は、走行態様判定部53が判定した機体1の走行態様に基づいて、警告灯41、モニタ31、スピーカ33及びランプ34を制御する制御部である。
【0038】
図4を参照すると、コントローラ47の自動減速制御部51が実行する、自動減速制御の制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されており、以下、同フローチャートに沿い説明する。本ルーチンは、図示しないイグニッションキーによりエンジン11が稼働する(IGN ON)ことでスタートする(ステップS10)。
【0039】
ステップS20では、赤外線センサ43により機体1の進行方向に障害物が有るか否かを判別する。ステップS20の判別結果が偽(No)で、機体1の進行方向に障害物はないと判別すると、本ルーチンを終了する。一方、ステップS20の判別結果が真(Yes)で、機体1の進行方向に障害物が有る(位置する)と判別すると、ステップS30に移行する。
【0040】
ステップS30では、機体1と障害物との距離及び機体1の速度に基づいて、機体1の減速が必要か否かを判定する。具体例としては、機体1と障害物との距離及び機体1の速度に基づき、機体1が障害物に接触する手前で停止するために必要な減速度が、例えば予め記憶させた機体1の減速度の最大値(最大減速度)に所定の安全率を乗じた値以上か否かを判別する。ステップS20の判別結果が偽(No)で、まだ機体1の減速が必要ではないと判定すると、本ルーチンを終了する。一方、ステップS20の判別結果が真(Yes)で、機体1の減速が必要であると判定すると、ステップS40に移行する。
【0041】
ステップS40では、駆動ユニット5のエンジン11及びHST13を制御することで機体1の減速を最大減速度で開始してステップS50に移行する。ステップS50では、モニタ31に例えば「自動減速します」等の警告情報を表示してステップS60に移行し、スピーカ33からはブザー音を吹鳴してステップS70に移行し、警告灯41(例えば赤色)を点灯してステップS80に移行する。
【0042】
これにより、ステップS20~ステップS70では、赤外線センサ43により機体1の進行方向に障害物が有ると判別し(ステップS20でYes)、機体1と障害物との距離及び機体1の速度に基づいて機体1の減速が必要であると判定すると(ステップS30でYes)、駆動ユニット5のエンジン11及びHST13を制御することで機体1の減速を最大減速度で開始する(ステップS40)と共に、モニタ31、スピーカ33及び警告灯41によってオペレータや機体1の周囲に位置する作業者に機体1が最大減速度で停止することを警告する(ステップS50~70)ことができる。
【0043】
ステップS80では、機体1が停止したか否かを判別する。ここで、機体1が停止したか否かの判別方法は、例えば速度センサ45によって検出される機体1の速度が1km/h未満となってから一定時間経過したか否かを基に判別するようにすればよい。ステップS80の判別結果が偽(No)で、機体1が停止していないと判別すると、ステップS80を繰り返し実行し、ステップS80の判別結果が真(Yes)で、機体1が停止したと判別すると、ステップS90に移行する。ステップS90では、HST13のパーキングブレーキ装置13dを作動させて本ルーチンを終了する。
【0044】
これにより、ステップS80及びステップS90では、機体1が停止したと判別すると(ステップS80)HST13のパーキングブレーキ装置13dを作動させて油圧走行モータ13bの駆動を停止することで、後輪4が回転することを確実に防止することができる。ゆえに、自動減速制御は、赤外線センサ43によって機体1の進行方向に障害物が位置することを検出した際に、駆動ユニット5を制御して機体1を減速させ、機体1が障害物に接触する前に機体1を停止させることができる。本ルーチンの終了後、自動減速制御部51は、自動減速制御を繰り返し実行する。
【0045】
図5を参照すると、コントローラ47が実行する、第1実施形態に係る転圧機械の制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されており、以下、同フローチャートに沿い説明する。本ルーチンは、自動減速制御と同様に、図示しないイグニッションキーによりエンジン11が稼働する(IGN ON)ことでスタートする(ステップS10)。
【0046】
ステップS120では、走行態様判定部53により、最高速度設定スイッチ35から入力される情報に基づいて、オペレータが設定した機体1の最高速度が高速か否かを判定する。ステップS120の判定結果が偽(No)で、オペレータが設定した機体1の最高速度が低速または中速であると判定すると、ステップS130に移行して自動減速制御部51による自動減速制御を有効にし、本ルーチンを終了する。一方、ステップS120の判定結果が真(Yes)で、オペレータが設定した機体1の最高速度が高速であると判定すると、ステップS140に移行して自動減速制御部51による自動減速制御を無効にし、ステップS150に移行する。
【0047】
ところで、自動減速制御部51による自動減速制御では、機体1が例えば10km/h(所定の走行態様、所定速度)以上の速度で走行すると、中速(例えば8km/h)で走行している場合と比較して機体1を停止させるまでにかかる時間が長くなる。換言すると、機体1の減速を開始してから機体1を停止するまでに必要な距離もまた長くなる。特に、自動減速制御部51による自動減速制御は、主に作業現場での機体1と障害物との衝突を抑制する目的で用いられる制御であるため、アスファルト舗装材と接地面が平らな転圧輪である前輪3及び後輪4とが、散水装置7によって水に濡れ滑りやすい状態での減速態様で減速することを想定されたものであるため、公道での減速は想定以上の減速度での減速をする等、想定外の減速態様となる可能性がある。
【0048】
すなわち、ステップS120~S140では、機体1を用いて締固め作業をしている際の速度として10km/h未満、換言すると、オペレータが設定した機体1の最高速度が低速(例えば4km/h)または中速(例えば8km/h)である場合は(ステップS120でNo)、機体1が締固め作業中であり、機体1を想定通りに停止できる走行態様である(所定の走行態様の範囲内)と判定し、自動減速制御部51による自動減速制御を有効にすることができる(ステップS130)。
【0049】
一方、オペレータが設定した機体1の最高速度が10km/h以上、換言すると、高速(例えば20km/h)である場合は(ステップS120でYes)、機体1が締固め作業中ではなく公道を走行する走行態様であり(所定の走行態様の範囲外)、機体1を想定通りに停止可能か不明であると判定し、自動減速制御部51による自動減速制御を無効にし、想定外の減速態様で機体1が減速することを防止することができる(ステップS140)。
【0050】
ステップS150では、モニタ31に例えば「10km/h以上の速度で走行可能なため、自動減速制御を実行しません」等の報知情報を表示して(所定の報知態様)ステップS160に移行し、スピーカ33からはブザー音を例えば1秒間吹鳴して(所定の報知態様)ステップS170に移行する。そして、ステップS170では、ランプ34を例えば1秒間に2回点灯するように点滅させて(所定の報知態様)本ルーチンを終了し、本ルーチンを繰り返し実行する。
【0051】
このように、ステップS150~170では、モニタ31に報知情報を表示することで(ステップS150)、自動減速制御部51による自動減速制御が無効にされている(ステップS140)ことをオペレータに視覚を通じて報知することができる。また、スピーカ33からブザー音を吹鳴することで(ステップS160)、オペレータがモニタ31を視認しないような場合であっても、聴覚を通じて報知することができる。さらに、ランプ34を例えば1秒間に2回点灯するように点滅させることで(ステップS170)、機体1が公道を走行するために警告灯41を取り外しているような場合であっても、オペレータに光による報知をすることができる。
【0052】
以上説明したように、第1実施形態に係る転圧機械では、路面を締め固める前輪3及び後輪4と、後輪4を減速することで機体1を減速する駆動ユニット5と、を備えた転圧機械において、機体1の進行方向に障害物が位置することを検出する赤外線センサ43と、機体1を操作するオペレータに所定の報知態様で報知するモニタ31、スピーカ33及びランプ34と、駆動ユニット5、モニタ31、スピーカ33及びランプ34を制御するコントローラ47と、を有している。
【0053】
このコントローラ47は、機体1の走行態様を判定する走行態様判定部53と、赤外線センサ43によって機体1の進行方向に障害物が位置することを検出した際に(ステップS20でYes)、駆動ユニット5を制御して機体1を減速させる自動減速制御を実行する自動減速制御部51と、モニタ31、スピーカ33及びランプ34を制御する報知制御部57と、を含み、自動減速制御は、機体1の走行態様が所定の走行態様の範囲内であれば機体1が障害物に接触する前に機体1を停止させる制御であり、報知制御部57は、走行態様判定部53により判定される走行態様が所定の走行態様の範囲外のとき(ステップS120でYes)、モニタ31、スピーカ33及びランプ34を制御してオペレータに所定の報知態様で報知する(ステップS150~S170)。
【0054】
従って、走行態様判定部53により判定される走行態様が所定の走行態様の範囲外のとき、走行態様が所定の走行態様の範囲外であることをモニタ31、スピーカ33及びランプ34によってオペレータに報知するようにしたので、自動減速制御に依らずに機体1を操作するようオペレータに報知することができる。
【0055】
このように自動減速制御に依らずに機体1を操作するようオペレータに報知することで、オペレータが自動減速制御が実行されるか否かを試みるようなことを抑制するとともに、機体1の操作をする際の安全への意識付けを改めて行うことができる。
【0056】
そして、コントローラ47は、自動減速制御部51による自動減速制御を無効にする自動減速キャンセル部55を含み、自動減速キャンセル部55は、走行態様判定部53によって判定される走行態様が、所定の走行態様の範囲外であると判定するとき、自動減速制御部51による自動減速制御を無効にするようにしたので、例えば所定の走行態様の範囲外の走行態様であることによる自動減速制御の想定外の減速態様等を防止することができる。
【0057】
そして、所定の報知態様は、オペレータに自動減速制御を無効にしたことを報知する報知態様なので、所定の走行態様の範囲外の走行態様であり、自動減速制御が無効であるため、自動減速制御に依らずに機体1を操作するようオペレータに良好に報知することができる。
【0058】
特に、機体1の最高速度をオペレータが設定する最高速度設定スイッチ35を有し、走行態様判定部53は、最高速度設定スイッチ35によって設定された機体1の最高速度が高速である、換言すると、10km/h(所定速度)以上であるとき、所定の走行態様の範囲外であると判定するようにしたので、機体1の最高速度が10km/h以上、すなわち所定の走行態様の範囲外であるため、自動減速制御に依らずに機体1を操作するようオペレータに報知することができる。
【0059】
このように、機体1の最高速度をオペレータが最高速度設定スイッチ35を操作することによって高速に設定したときにオペレータに報知することで、オペレータが最高速度設定スイッチ35を操作したことによって機体1の走行態様が所定の走行態様の範囲外となったことを認識させることもできる。
【0060】
そして、最高速度設定スイッチ35は、複数の速度(低速、中速、高速)から一の速度を選択可能に構成したので、オペレータが容易に最高速度を設定することができる。
【0061】
<第2実施形態>
以下、
図6、7に基づき第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と共通の構成、作用効果については説明を省略し、ここでは第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0062】
図6を参照すると、第2実施形態における転圧機械の制御に係るコントローラ47の接続構成がブロック図で示されている。第2実施形態におけるコントローラ47の走行態様判定部153には、速度センサ45が電気的に接続している。すなわち、第2実施形態における走行態様判定部153は、速度センサ45から入力される機体1の速度に関する情報に基づいて、機体1の走行態様を判定する。
【0063】
図7を参照すると、コントローラ47が実行する、第2実施形態に係る転圧機械の制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されている。第2実施形態では、第1実施形態のステップS120に代わり、ステップS220が実行される。ステップS220では、走行態様判定部153により、速度センサ45から入力される機体1の速度に関する情報に基づいて、機体1の速度が10km/h以上か否かを判定する。
【0064】
ステップS220の判定結果が偽(No)で、機体1の速度が10km/h未満である(所定の走行態様の範囲内)と判定すると、ステップS130に移行して自動減速制御部51による自動減速制御を有効にし、本ルーチンを終了する。一方、ステップS220の判定結果が真(Yes)で、機体1の速度が10km/h以上である(所定の走行態様の範囲外)と判定すると、ステップS140に移行して自動減速制御部51による自動減速制御を無効にし、ステップS150に移行する。
【0065】
これにより、ステップS220では、機体1の速度が10km/h未満である場合は(ステップS220でNo)、機体1が締固め作業中であり、機体1を想定通りに停止できる走行態様であると判定し、自動減速制御部51による自動減速制御を有効にすることができる(ステップS130)。一方、機体1の速度が10km/h以上である場合は(ステップS220でYes)、機体1が締固め作業中ではなく公道を走行する走行態様であり、機体1を想定通りに停止可能か不明であると判定し、自動減速制御部51による自動減速制御を無効にし、想定外の減速態様で機体1が減速することを防止することができる(ステップS140)。
【0066】
すなわち、第2実施形態では、機体1の速度に応じて自動減速制御部51による自動減速制御を有効にし、または無効にすることができる。また、ステップS150~170においても、機体1の速度に応じてモニタ31に報知情報を表示して(ステップS150)、自動減速制御部51による自動減速制御が無効にされている(ステップS140)ことをオペレータに視覚を通じて報知する(所定の報知態様)ことや、スピーカ33からブザー音を吹鳴することで(ステップS160)、聴覚を通じてオペレータに報知する(所定の報知態様)こと及びランプ34を点滅させることで(ステップS170)オペレータに光による報知をすること(所定の報知態様)ができる。
【0067】
以上説明したように、第2実施形態に係る転圧機械では、機体1の速度を検出する速度センサ45を有し、走行態様判定部153は、速度センサ45によって検出される機体1の速度が10km/h(所定速度)以上であるとき、所定の走行態様の範囲外であると判定する。
従って、機体1の速度が10km/h以上で走行しているときを所定の走行態様の範囲外と判定するようにしたので、オペレータによる走行態様である機体1の速度が10km/h以上であるため、自動減速制御に依らずに機体1を操作するようオペレータに報知することができる。
【0068】
以上で本発明に係る転圧機械の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本実施形態では、機体1としてタイヤローラを用いて説明したが、コンバインドローラや振動ローラ、マカダムローラ等の一方または両方の転圧ローラが鉄輪の転圧機械でもよい。
【0069】
また、本実施形態では、報知態様として、モニタ31、スピーカ33及びランプ34を用いるようにしたが、クラクション等その他の態様で報知するようにしてもよい。
【0070】
また、第1実施形態では、最高速度設定スイッチとして低速、中速及び高速の三段階で機体1の最高速度を設定することが可能な最高速度設定スイッチ35を用いて説明したが、無段階に設定可能なスイッチを用いてもよい。この場合、ステップS120では、オペレータが所定速度以上の速度を選択したか否かを判定するようにすればよい。
【0071】
また、第1実施形態の走行態様判定部53は、最高速度設定スイッチ35が設定した最高速度が所定速度以上か否か(ステップS120)を判定し、第2実施形態の走行態様判定部153は、速度センサ45が検出した機体1の速度が所定速度以上か否か(ステップS220)を判定することで、機体1の走行態様を判定するようにしたが、警告灯41が取り外されたときに機体1の走行態様が公道を走行する走行態様(所定の走行態様の範囲外)であると判定するようにしてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、所定の走行態様として機体1の速度を用いて説明したが、オペレータが操作するステアリング23の転舵角度によって赤外線センサ43が障害物を検出できないような場合を所定の走行態様の範囲外としてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 機体
3 前輪(転圧ローラ)
4 後輪(転圧ローラ)
5 駆動ユニット(減速装置)
31 モニタ(報知装置)
33 スピーカ(報知装置)
34 ランプ(報知装置)
35 最高速度設定スイッチ
43 赤外線センサ(障害物センサ)
45 速度センサ
47 コントローラ
51 自動減速制御部
53、153 走行態様判定部
55 自動減速キャンセル部