(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】測定装置及びサーバ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20221027BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A61B5/00 M
A61B5/107 800
(21)【出願番号】P 2019539557
(86)(22)【出願日】2018-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2018031866
(87)【国際公開番号】W WO2019044869
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-17
(31)【優先権主張番号】P 2017164961
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100146123
【氏名又は名称】木本 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100174850
【氏名又は名称】大崎 絵美
(72)【発明者】
【氏名】青木 宏文
(72)【発明者】
【氏名】藤原 重良
(72)【発明者】
【氏名】斉 覬
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-346020(JP,A)
【文献】特開2005-329008(JP,A)
【文献】特開2012-208669(JP,A)
【文献】特開2004-065675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/01
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の肌に物理刺激を与える刺激付加部と、
前記物理刺激に対する前記被験者の刺激反応を測定する測定部と、を備え、
前記刺激付加部は、前記肌に液体を接触させる
、
測定装置。
【請求項2】
被験者の肌に物理刺激を与える刺激付加部と、
前記物理刺激に対する前記被験者の刺激反応を測定する測定部と、を備え、
前記被験者の操作に応じた信号を生成する操作部を備え、
前記刺激付加部は、前記肌に液体を接触させ、
前記測定部は、前記液体が前記肌に接触してから前記操作部によって前記信号が生成される迄の反応時間を測定する
、
測定装置。
【請求項3】
前記刺激付加部は、
前記肌に接触するプローブと、
前記液体を収容する液体タンクと、
前記プローブに前記液体を送るポンプと、
前記プローブに送られた液体の廃液を収容する廃液タンクと、を備える、
請求項1又は請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
被験者の肌に物理刺激を与える刺激付加部と、
前記物理刺激に対する前記被験者の刺激反応を測定する測定部と、
気体を加熱するヒータと、を備え、
前記刺激付加部は、
前記ヒータによって加熱された気体を前記肌
に接触させる
、
測定装置。
【請求項5】
前記測定部は、前記気体が接触した肌の粘弾性による位相の時間変化を測定する、
請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
被験者の肌に物理刺激を与える刺激付加部と、
前記物理刺激に対する前記被験者の刺激反応を測定する測定部と、
前記刺激付加部は、前記肌に気体を接触させ、
前記測定部は、前記気体が接触した肌の粘弾性による位相の時間変化を測定する、
測定装置。
【請求項7】
前記刺激付加部は、
肌に接触するプローブと、
前記プローブに前記気体を送るポンプと、を備える、
請求項4~請求項6の何れかに記載の測定装置。
【請求項8】
前記被験者の操作に応じた信号を生成する操作部を備え、
前記測定部は、前記気体が前記肌に接触してから前記操作部によって前記信号が生成される迄の反応時間を測定する、
請求項4~請求項7の何れかに測定装置。
【請求項9】
前記測定部は、前記物理刺激が付加されている間の前記肌の画像を撮像するカメラを備える、請求項1~
請求項8の何れかに記載の測定装置。
【請求項10】
前記刺激付加部は、前記肌に光を照射する発光部を備え、
前記カメラは、前記光が照射されている間の前記肌の画像を撮像する、
請求項
9に記載の測定装置。
【請求項11】
前記刺激付加部は、前記肌を吸引する、
請求項1~
請求項10の何れかに記載の測定装置。
【請求項12】
前記測定部は、前記吸引された肌の粘弾性による圧力の時間変化を測定する、
請求項
11に記載の測定装置。
【請求項13】
請求項1~
請求項12の何れかに記載の測定装置を制御するクライアント装置と通信可能なサーバであって、
前記クライアント装置から、前記測定装置による測定を受ける被験者を識別する被験者IDと、前記測定装置による測定結果を示す測定結果情報と、を取得する手段を備え、
前記被験者IDと、前記測定結果情報と、を関連付けて記憶する手段を備える、
サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、肌に使用されるスキンケア化粧品は、消費者の肌の状態に考慮して選択されることが好ましい。そのため、化粧品の販売店では、販売員は、測定装置を用いて消費者の肌の状態を測定し、測定結果に基づく最適な化粧品を提案することが一般的である。
【0003】
従来、肌の状態を測定する技術として、センサ及びカメラを用いて、肌の状態を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際には、人間の肌は、様々な物理刺激に曝される。肌は、物理刺激に応じた反応(以下「刺激反応」という)を示す。刺激反応には、個人差がある。スキンケア化粧品は、このような刺激反応を考慮して選ぶことが好ましい。つまり、最適なスキンケア化粧品を提供するためには、個々の刺激反応を知る必要がある。
【0006】
しかし、特許文献1のセンサ及びカメラから得られる測定結果には、刺激反応との相関性がない。特許文献1の測定結果は、センサ及びカメラが取得した情報に基づく推定結果であって、実際の刺激反応を示すものではない。
【0007】
つまり、特許文献1では、人間の肌が実際に曝される物理刺激に対する個々の刺激反応を測定することはできない。
【0008】
本発明の目的は、人間の肌が実際に曝される物理刺激に対する個々の刺激反応を測定することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
被験者の肌に物理刺激を与える刺激付加部と、
前記物理刺激に対する前記被験者の刺激反応を測定する測定部と、
を備える、測定装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、人間の肌が実際に曝される物理刺激に対する個々の刺激反応を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本実施形態の測定システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1のヘッドマウントプローブの構成図である。
【
図6】
図1のヘッドマウントプローブの部分拡大図である。
【
図7】ヘッドマウントプローブの使用例を示す図である。
【
図9】本実施形態の被験者情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図10】本実施形態の測定コース情報マスタのデータ構造を示す図である。
【
図11】本実施形態の測定情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図12】本実施形態の評価情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図13】本実施形態のアドバイス情報マスタのデータ構造を示す図である。
【
図14】本実施形態の測定処理のシーケンス図である。
【
図15】
図14の処理において表示される画面例を示す図である。
【
図16】
図14の処理において表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
(1)測定システムの構成
測定システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の測定システムの概略図である。
図2は、本実施形態の測定システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、測定システム1は、クライアント装置10と、サーバ30と、測定装置50と、を備える。
クライアント装置10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
測定装置50は、クライアント装置10に接続される。
【0015】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0016】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、ウェブサーバである。
【0017】
測定装置50は、被験者に物理刺激を付加し、且つ、物理刺激に対する被験者の刺激反応を測定するように構成される。
【0018】
(1-1)クライアント装置の構成
図2を参照して、クライアント装置10の構成について説明する。
【0019】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。
【0020】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0021】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0022】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0023】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
【0024】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスからクライアント装置10に対するユーザ指示を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0025】
通信インタフェース14は、クライアント装置10とサーバ30との間の通信と、クライアント装置10と測定装置50との間の通信と、を制御するように構成される。
【0026】
(1-2)サーバの構成
図2を参照して、サーバ30の構成について説明する。
【0027】
図2に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0028】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0029】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0030】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0031】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、コンピュータの一例である。
【0032】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスからサーバ30に対するユーザ指示を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0033】
通信インタフェース34は、サーバ30とクライアント装置10との間の通信を制御するように構成される。
【0034】
(1-3)測定装置の構成
図2を参照して、測定装置50の構成について説明する。
【0035】
図2に示すように、測定装置50は、本体50aと、ヘッドマウントプローブ55と、操作部56と、刺激生成部57と、を備える。
【0036】
本体50aは、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54と、刺激生成部57と、圧力測定部58と、を備える。
【0037】
記憶装置51は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0038】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・測定装置50のファームウェアのプログラム
【0039】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0040】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動することによって、測定装置50の機能を実現するように構成される。プロセッサ52は、コンピュータの一例である。
【0041】
入出力インタフェース53は、測定装置50に接続されるヘッドマウントプローブ55及び操作部56との間で、信号の入出力を行うように構成される。
【0042】
通信インタフェース54は、測定装置50とクライアント装置10との間の通信を制御するように構成される。
【0043】
刺激生成部57は、物理刺激を被験者に付加するための媒体である刺激物質を生成するように構成される。刺激物質は、気体、液体、又は、それらの組合せである。
【0044】
ヘッドマウントプローブ55は、刺激生成部57によって生成された刺激物質を被験者の肌に当てることにより、被験者の肌に物理刺激を与えるように構成される。ヘッドマウントプローブ55は、被験者の刺激反応を測定するように構成される。
【0045】
操作部56は、被験者の操作を介して、被験者の刺激反応を測定するように構成される。
【0046】
圧力測定部58は、吸引に対する被験者の肌の抵抗圧(例えば、皮膚を吸引した時の皮膚内部の粘弾性による圧力変化)を測定するように構成される。
【0047】
(1-3-1)測定装置本体の構成
本実施形態の測定装置本体の構成について説明する。
図3は、
図1の測定装置本体の構成図である。
【0048】
刺激生成部57は、水タンク57aと、洗浄液タンク57bと、廃液タンク57cと、ポンプ57dと、を備える。
【0049】
水タンク57aには、水が収容される。
【0050】
洗浄液タンク57bには、洗浄液が収容される。洗浄液は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・界面活性剤
・アルコール類
・揮発性油分
・温水
【0051】
廃液タンク57cには、ヘッドマウントプローブ55から循環して本体50aに戻る水又は洗浄液(以下「廃液」という)が収容される。
【0052】
ポンプ57dは、以下の機能を有する。
・水タンク57aに収容された水をヘッドマウントプローブ55に送る機能
・洗浄液タンク57bに収容された洗浄液をヘッドマウントプローブ55に送る機能
・本体50a内の空気をヘッドマウントプローブ55に送る機能
・ヘッドマウントプローブ55から空気を吸引する機能
・ヘッドマウントプローブ55から送られた廃液を廃液タンク57cに送る機能
【0053】
プロセッサ52は、ポンプ57dを駆動させるためのポンプ制御信号を生成する。ポンプ57dは、プロセッサ52によって生成されたポンプ制御信号に従って駆動する。
プロセッサ52は、ヘッドマウントプローブ55の各部を駆動させるためのプローブ制御信号を生成する。プローブ制御信号は、入出力インタフェース53を介して、ヘッドマウントプローブ55に送信される。
プロセッサ52は、入出力インタフェース53を介して、ヘッドマウントプローブ55から、刺激反応の測定結果を示す測定結果情報を受信する。
【0054】
(1-3-2)操作部の構成
本実施形態の操作部56の構成について説明する。
図4は、
図1の操作部の構成図である。
【0055】
図4に示すように、操作部56は、押しボタン56aと、スライダ56bとを備える。
【0056】
押しボタン56aは、被験者の押下操作に応じた電気信号を生成するように構成される。被験者は、例えば、物理刺激を感じた時に押しボタン56aを操作する。その結果、被験者が物理刺激を感じたタイミングで電気信号が生成される。つまり、押しボタン56aによって生成される電気信号は、被験者に物理刺激を付加してから刺激反応が起こるまでの反応時間を示す。
【0057】
スライダ56bは、被験者の操作の速度に応じた電気信号を生成するように構成される。被験者は、例えば、物理刺激の強さに応じた速度でスライダ56bをスライドさせる。その結果、被験者が感じた物理刺激の強さに応じた電気信号が生成される。つまり、スライダ56bによって生成される電気信号は、被験者が感じた物理刺激の強さを示す。
【0058】
(1-3-3)ヘッドマウントプローブの構成
本実施形態のヘッドマウントプローブ55の構成について説明する。
図5は、
図1のヘッドマウントプローブの構成図である。
図6は、
図1のヘッドマウントプローブの部分拡大図である。
図7は、ヘッドマウントプローブの使用例を示す図である。
【0059】
図5に示すように、ヘッドマウントプローブ55は、ペルチェ素子55aと、水冷機55bと、ヒータ55cと、加速度センサ55dと、カメラ55eと、温度センサ55gと、水位センサ55hと、LED(Light Emitting Diode)55iと、を備える。
【0060】
図6及び
図7に示すように、ヘッドマウントプローブ55は、左プローブ55Lと、右プローブ55Rと、バンド55Bと、を備える。左プローブ55L及び右プローブ55Rは、バンド55Bの端部に繋がっている。
被験者は、左プローブ55Lが左頬に接触し、且つ、右プローブ55Rが右頬に接触するように、ヘッドマウントプローブ55を頭部に装着する。これにより、左プローブ55L及び右プローブ55Rと被験者との間に空間が形成される。
【0061】
チューブ55fは、左プローブ55L及び右プローブ55Rと、本体50aとに接続される(
図7)。チューブ55f内には、本体50aから送られた気体刺激物質及び液体刺激物質が流れる。チューブ55fを流れた刺激物質は、気液出入口55faから放出される(
図6)。気液出入口55faから放出された刺激物質は、左プローブ55L及び右プローブ55Rと被験者との間に形成された空間を介して被験者の肌に接触する。その結果、被験者に、刺激物質による物理刺激が付加される。
被験者に接触した後の液体刺激物質(廃液)は、気液出入口55fa及びチューブ55fを介して、本体50aに戻る。
【0062】
左プローブ55Lには、温度変化による物理刺激を被験者に付加するための構成が配置される。つまり、左プローブ55Lは、温度刺激を被験者に付加するように構成される。
右プローブ55Rには、気体刺激物質及び液体刺激物質を被験者に付加するための構成が配置される。つまり、右プローブ55Rは、気体刺激及び液体刺激を被験者に付加するように構成される。
【0063】
ペルチェ素子55aは、プローブ制御信号に従って発熱する。ペルチェ素子55aが発した熱は、温度変化による物理刺激を被験者に付加する。ペルチェ素子55aは、左プローブ55Lに配置される(
図6)。
【0064】
水冷機55bは、プローブ制御信号に従って駆動する。水冷機55bは、冷却用チューブ(不図示)に冷却水を流すことにより、ペルチェ素子55aの排熱を取り除くように構成される。水冷機55bは、左プローブ55Lに配置される(
図6)。
【0065】
ヒータ55cは、プローブ制御信号に従って駆動する。ヒータ55cは、チューブ55fを加熱することにより、本体50aから送られた気体刺激物質及び液体刺激物質の温度を上昇させるように構成される。ヒータ55cは、右プローブ55Rの近傍に配置される(
図7)。
【0066】
加速度センサ55dは、ヘッドマウントプローブ55の加速度を測定するように構成される。加速度センサ55dは、バンド55B内に配置される(
図7)。
【0067】
カメラ55eは、被験者の肌の画像を取得するように構成される。カメラ55eは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラである。カメラ5
5eは、右プローブ55Rに配置される(
図6)。
【0068】
温度センサ55gは、気液出入口55faから放出された気体刺激物質及び液体刺激物質の温度を測定するように構成される。温度センサ55gは、右プローブ55Rに配置される(
図6)。
【0069】
水位センサ55hは、右プローブ55R内に滞留する液体刺激物質の量を検出するように構成される。水位センサ55hは、右プローブ55Rに配置される(
図6)。
【0070】
LED55iは、プローブ制御信号に従って発光する。LED55iが発光した光は、被験者の肌に照射される。LED55iは、右プローブ55Rに配置される(
図6)。
【0071】
(2)本実施形態の概要
本実施形態の概要について説明する。
図8は、本実施形態の概要の説明図である。
【0072】
図8に示すように、測定装置50は、被験者に対して、物理刺激を付加する。
【0073】
具体的には、プロセッサ52は、ポンプ制御信号を生成する。
ポンプ57dは、ポンプ制御信号に従って駆動する。その結果、刺激物質(水タンク57aに収容された水、洗浄液タンク57bに収容された洗浄液、及び、本体50a内の空気の少なくとも1つ)がチューブ55fに送られる。
チューブ55fを通った刺激物質は、気液出入口55faから放出される。気液出入口55faから放出された刺激物質は、被験者の肌に接触する。これにより、被験者に対して、液体又は気体による物理刺激が付加される。
【0074】
また、プロセッサ52は、プローブ制御信号を生成する。
ペルチェ素子55aは、プローブ制御信号に従って発熱する。ペルチェ素子55aが発した熱により、被験者に対して、温度変化による物理刺激が付加される。
【0075】
測定装置50は、物理刺激に対する被験者の刺激反応を測定し、測定結果を示す測定結果情報を生成し、且つ、生成した測定結果情報をクライアント装置10に送信する。
【0076】
クライアント装置10は、被験者を識別する被験者IDと、測定装置50から送信された測定結果情報と、をサーバ30に送信する。
【0077】
サーバ30は、クライアント装置10から送信された情報(被験者ID、及び、測定結果情報)を関連付けて記憶装置31に記憶する。
【0078】
これにより、各被験者の物理刺激に対する刺激反応に関する情報がサーバ30に蓄積される。
【0079】
(3)データベース
本実施形態のデータベースについて説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0080】
(3-1)被験者情報データベース
本実施形態の被験者情報データベースについて説明する。
図9は、本実施形態の被験者情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0081】
図9の被験者情報データベースには、被験者に関する被験者情報が格納される。
被験者情報データベースは、「被験者ID」フィールドと、「被験者名」フィールドと、「属性」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0082】
「被験者ID」フィールドには、被験者を識別する被験者IDが格納される。被験者IDは、例えば、本実施形態の測定装置50による測定を初めて受ける被験者の被験者情報の登録(以下「初期登録」という)の時に、サーバ30によって決定される。
【0083】
「被験者名」フィールドには、被験者名を示す情報(例えば、テキスト)が格納される。被験者名を示す情報は、例えば、初期登録の時に、被験者によって任意に決定される。
【0084】
「属性」フィールドには、被験者の属性を示す属性情報が格納される。属性情報は、例えば、初期登録の時に、被験者によって任意に決定される。
「属性」フィールドは、「年齢」フィールドと、「性別」フィールドと、「国籍」フィールドと、「人種」フィールドと、を含む。
【0085】
「年齢」フィールドには、被験者の年齢を示す情報が格納される。
「性別」フィールドには、被験者の性別を示す情報が格納される。
「国籍」フィールドには、被験者の国籍を示す情報が格納される。
「人種」フィールドには、被験者の人種を示す情報が格納される。
【0086】
(3-2)測定コース情報マスタ
本実施形態の測定コース情報マスタについて説明する。
図10は、本実施形態の測定コース情報マスタのデータ構造を示す図である。
【0087】
図10の測定コース情報マスタには、被験者に対する刺激の付加パターンに関する測定コース情報が格納される。
測定コース情報マスタは、「コースID」フィールドと、「コース名」フィールドと、「測定項目」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0088】
「コースID」フィールドには、測定コースを識別するコースIDが格納される。
【0089】
「コース名」フィールドには、測定コースの名称を示す情報(例えば、テキスト)が格納される。
【0090】
「測定項目」フィールドには、測定項目を示す情報が格納される。
「測定項目」フィールドは、「洗浄」フィールドと、「水の接触」フィールドと、「水の蒸発」フィールドと、「温風」フィールドと、「温度変化」フィールドと、「熱」フィールドと、「空気振動」フィールドと、「吸引圧力」フィールドと、「光」フィールドと、を含む。
【0091】
「洗浄」フィールドには、洗浄液に対する刺激反応を測定するための測定シーケンスを実行するか否か(ON又はOFF)を示す情報が格納される。
この測定シーケンスでは、ポンプ57dが、洗浄液をヘッドマウントプローブ55に送る。ヘッドマウントプローブ55に送られた洗浄液は、被験者の肌に接触する。
カメラ55eは、洗浄液が被験者の肌に接触している間に、被験者の肌の画像を撮像する。この画像は、皮脂過剰分泌の測定結果を示す。
皮脂過剰分泌は、例えば、吹き出物、又は、ニキビに関する肌リスクに影響する。
【0092】
「水の接触」フィールドには、水の接触で感じる知覚を測定するための測定シーケンスを実行するか否か(ON又はOFF)を示す情報が格納される。
この測定シーケンスでは、ポンプ57dが、水をヘッドマウントプローブ55に送る。ヘッドマウントプローブ55に送られた水は、被験者の肌に接触する。
水の接触に応じて被験者が押しボタン56a又はスライダ56bを操作すると、押しボタン56a又はスライダ56bは、被験者の操作に応じた電気信号を生成する。この電気信号は、水の接触に対する意識下の知覚の測定結果を示す。
水の接触に応じて被験者が動くと、加速度センサ55dは、ヘッドマウントプローブ55の加速度を示す情報(以下「加速度情報」という)を生成する。この加速度情報は、水の接触に対する無意識下の知覚の測定結果を示す。
水の接触で感じる知覚は、角層脆弱化、感作、又は、アトピーに関する肌リスクに影響する。
【0093】
「水の蒸発」フィールドには、水の蒸発で感じる知覚を測定するための測定シーケンスを実行するか否か(ON又はOFF)を示す情報が格納される。
この測定シーケンスでは、被験者の肌に水を接触させた後、ポンプ57dが、本体50a内の空気をヘッドマウントプローブ55に送る。ヒータ55cが空気を加熱する。ヒータ55cによって加熱された空気は、被験者の肌に付着した水を蒸発させる。
水の蒸発に応じて被験者が押しボタン56a又はスライダ56bを操作すると、押しボタン56a又はスライダ56bは、被験者の操作に応じた電気信号を生成する。この電気信号は、水の蒸発に対する意識下の知覚の測定結果を示す。
水の蒸発に応じて被験者が動くと、加速度センサ55dは、加速度情報を生成する。この加速度情報は、水の蒸発に対する無意識下の知覚の測定結果を示す。
水の蒸発で感じる知覚は、脂質不足、又は、脂質不良に関する肌リスクに影響する。
【0094】
「温風」フィールドには、過剰な赤みを測定するための測定シーケンスを実行するか否か(ON又はOFF)を示す情報が格納される。
この測定シーケンスでは、ポンプ57dが、本体50a内の空気をヘッドマウントプローブ55に送る。ヒータ55cが空気を加熱する。その結果、被験者の肌に温風が接触する。
カメラ55eは、温風が被験者の肌に接触している間に、被験者の肌の画像を撮像する。この画像は、過剰な赤みの測定結果である。
過剰な赤みは、例えば、赤ら顔、腫れ、又は、腫さに関する肌リスクに影響する。
【0095】
「温度変化」フィールドには、弱い温度刺激に対する知覚を測定するための測定シーケンスを実行するか否か(ON又はOFF)を示す情報が格納される。
この測定シーケンスでは、ペルチェ素子55aが緩やかに温度を上げることにより、被験者の肌に弱い温度刺激を付加する。
弱い温度刺激に応じて被験者が押しボタン56a又はスライダ56bを操作すると、押しボタン56a又はスライダ56bは、被験者の操作に応じた電気信号を生成する。この電気信号は、弱い温度刺激に対する意識下の知覚の測定結果である。
弱い温度刺激に応じて被験者が動くと、加速度センサ55dは、加速度情報を生成する。この情報は、弱い温度刺激に対する無意識下の知覚の測定結果である。
弱い温度刺激に対して感じる知覚は、化粧品を塗布した時の違和感に関する肌リスクに影響する。
【0096】
「熱」フィールドには、強い温度刺激に対する知覚を測定するための測定シーケンスを実行するか否か(ON又はOFF)を示す情報が格納される。
この測定シーケンスでは、ペルチェ素子55aが急激に温度を上げることにより、被験者の肌に強い温度刺激を付加する。
強い温度刺激に応じて被験者が押しボタン56a又はスライダ56bを操作すると、押しボタン56a又はスライダ56bは、被験者の操作に応じた電気信号を生成する。この電気信号は、強い温度刺激に対する意識下の知覚の測定結果である。
強い温度刺激に応じて被験者が動くと、加速度センサ55dは、加速度情報を生成する。この情報は、強い温度刺激に対する無意識下の知覚の測定結果である。
強い温度刺激に対する知覚は、化粧品を塗布した時の違和感に関する肌リスクに影響する。
【0097】
「空気振動」フィールドには、圧力振動に対する刺激反応を測定するための測定シーケンスを実行するか否か(ON又はOFF)を示す情報が格納される。
この測定シーケンスでは、ポンプ57dが、空気をヘッドマウントプローブ55に送る。ヘッドマウントプローブ55に送られた空気は、被験者の肌を振動させる。
圧力測定部58は、振動している肌の皮膚表面の粘弾性による位相の時間変化を測定する。この位相の時間変化は、圧力振動に対する刺激反応の測定結果である。
圧力振動に対する刺激反応は、例えば、角質脆さ、落屑、又は、ひび割れに関する肌リスクに影響する。
【0098】
「吸引圧力」フィールドには、吸引に対する刺激反応を測定するための測定シーケンスを実行するか否か(ON又はOFF)を示す情報が格納される。
この測定シーケンスでは、ポンプ57dが、ヘッドマウントプローブ55内の空気を吸引する。その結果、被験者の肌に吸引圧力がかかる。
圧力測定部58は、被験者の皮膚表面の粘弾性による圧力の時間変化を測定する。この圧力の時間変化は、吸引に対する刺激反応の測定結果である。
吸引に対する刺激反応は、例えば、むくみ、たるみ、又は、しわに関する肌リスクに影響する。
【0099】
「光」フィールドには、光に対する刺激反応を測定するための測定シーケンスを実行するか否か(ON又はOFF)を示す情報が格納される。
この測定シーケンスでは、LED55iは、強度及び屈折角の組合せに応じた様々なパターンで発光する。
カメラ55eは、光が被験者の肌に当たっている間に、被験者の肌の画像を撮像する。この画像から、吸光度が得られる。吸光度は、光に対する刺激反応の測定結果である。
光に対する刺激反応は、例えば、しみ、くすみ、血色、又は、くまに関する肌リスクに影響する。
【0100】
(3-3)測定情報データベース
本実施形態の測定情報データベースについて説明する。
図11は、本実施形態の測定情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0101】
図11の測定情報データベースには、被験者の肌の刺激反応の測定結果に関する測定情報が格納される。
測定情報データベースは、「測定ID」フィールドと、「測定日」フィールドと、「コースID」フィールドと、「測定結果」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
測定情報データベースは、被験者IDに関連付けられている。
【0102】
「測定ID」フィールドには、測定情報を識別する測定IDが格納される。測定IDは、例えば、測定情報データベースが更新される時に、サーバ30によって決定される。
【0103】
「測定日」フィールドには、測定日を示す情報が格納される。
【0104】
「コースID」フィールドには、測定情報の基礎となる測定で用いられた測定コースのコースIDが格納される。
【0105】
「測定結果」フィールドには、測定結果を示す測定結果情報が格納される。
「測定結果」フィールドは、「加速度」フィールドと、「画像」フィールドと、「圧力」フィールドと、「押しボタン」フィールドと、「スライダ」フィールドと、を含む。
【0106】
「加速度」フィールドには、加速度センサ55dによって測定された加速度の時間変化を示す情報が格納される。
【0107】
「画像」フィールドには、カメラ55eによって撮像された画像の画像データが格納される。
【0108】
「圧力」フィールドには、圧力測定部58によって測定された圧力の時間変化を示す圧力情報が格納される。
【0109】
「押しボタン」フィールドには、押しボタン56aによって生成された電気信号の時間変化を示す情報が格納される。電気信号の時間変化においてピークが現れるタイミングは、電気信号が生成されたタイミング(つまり、押しボタン56aが操作されたタイミング)を示す。
【0110】
「スライダ」フィールドには、スライダ56bによって生成された電気信号の時間変化を示す情報が格納される。電気信号の時間変化においてピークが現れるタイミングは、電気信号が生成されたタイミング(つまり、スライダ56bが操作されたタイミング)を示す。このピークの振幅は、スライダ56bによって生成された電気信号の大きさ(つまり、スライダ56bの操作速度)を示す。
【0111】
(3-4)評価情報データベース
本実施形態の評価情報データベースについて説明する。
図12は、本実施形態の評価情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0112】
図12の評価情報データベースには、被験者の肌の状態の評価結果に関する評価情報が格納される。
評価情報データベースは、「評価ID」フィールドと、「測定ID」フィールドと、「評価結果」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
評価情報データベースは、被験者IDに関連付けられている。
【0113】
「評価ID」フィールドには、評価情報を識別する評価IDが格納される。評価IDは、例えば、評価情報データベースが更新される時に、サーバ30によって決定される。
【0114】
「測定ID」フィールドには、評価情報の基礎となる測定情報の測定IDが格納される。
【0115】
「評価結果」フィールドには、評価結果を示す評価結果情報が格納される。
「評価結果」フィールドは、「肌リスク」フィールドと、「肌生理」フィールドと、「肌状態」フィールドと、を含む。
【0116】
「肌リスク」フィールドには、肌リスクを示すコード、及び、肌リスクを示す肌リスク情報(例えば、テキスト)の組合せが格納される。肌リスクとは、将来的に肌のトラブルを引き起こし得る要因と、当該トラブルのレベルと、を示す指標である。肌リスクは、測定情報データベース(
図11)の「測定結果」フィールドの情報によって決まる。
【0117】
「肌生理」フィールドには、肌生理、及び、肌生理を示す肌生理情報(例えば、テキスト)の組合せを示すコードが格納される。肌生理とは、被験者の肌の生理学的な性質と、当該性質のレベルと、を示す指標である。肌生理は、測定情報データベース(
図11)の「測定結果」フィールドの情報によって決まる。
【0118】
「肌状態」フィールドには、肌状態を示すコード、及び、肌状態を示す肌状態情報(例えば、テキスト)の組合せが格納される。肌状態とは、肌の状態に関する指標である。肌状態は、肌リスク及び肌生理の組合せによって決まる状態、及び、当該状態のレベルである。
【0119】
(3-5)アドバイス情報マスタ
本実施形態のアドバイス情報マスタについて説明する。
図13は、本実施形態のアドバイス情報マスタのデータ構造を示す図である。
【0120】
図13のアドバイス情報マスタには、被験者の肌のアドバイスに関するアドバイス情報が格納される。
アドバイス情報マスタは、「肌状態」フィールドと、「レコメンド商品ID」フィールドと、「レコメンド商品名」フィールドと、「アドバイスメッセージ」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0121】
「肌状態」フィールドには、肌状態を示すコードが格納される。
【0122】
「レコメンド商品ID」フィールドには、使用が推奨されるレコメンド商品を識別する商品IDが格納される。レコメンド商品とは、ある肌状態において使用が推奨される商品(例えば、化粧品)である。
【0123】
「レコメンド商品名」フィールドには、レコメンド商品の名称を示す情報(例えば、テキスト)が格納される。
【0124】
「アドバイスメッセージ」フィールドには、アドバイスの内容(例えば、肌のケア方法)を示すアドバイスメッセージ(例えば、テキスト)が格納される。
【0125】
(4)測定処理
本実施形態の測定処理について説明する。
図14は、本実施形態の測定処理のシーケンス図である。
図15は、
図14の処理において表示される画面例を示す図である。
図16は、
図14の処理において表示される画面例を示す図である。
【0126】
図14に示すように、クライアント装置10は、メニュー画面の表示(S100)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P100(
図15)をディスプレイに表示する。
【0127】
画面P100は、ボタンオブジェクトB100a~B100cと、入力フィールドオブジェクトF100と、を含む。
【0128】
入力フィールドオブジェクトF100は、被験者ID及びパスワードの入力を受け付けるオブジェクトである。
【0129】
ボタンオブジェクトB100a~B100cは、測定コースの指定に関するユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。ボタンオブジェクトB100a~B100cには、それぞれ、コースIDが割り当てられている。
【0130】
ステップS100の後、クライアント装置10は、測定リクエスト(S101)を実行する。
具体的には、測定装置50のオペレータ、又は、被験者によって、ボタンオブジェクトB100a(
図15)が操作され、且つ、入力フィールドオブジェクトF100に情報が入力されると、プロセッサ12は、画面P102をディスプレイに表示する。
【0131】
画面P102は、表示オブジェクトA102と、ボタンオブジェクトB102と、を含む。
表示オブジェクトA102には、測定に関する案内を示すメッセージが表示される。
ボタンオブジェクトB102は、測定開始のユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0132】
測定装置50のオペレータ又は被験者によってボタンオブジェクトB102が操作されると、プロセッサ12は、測定リクエストデータを測定装置50に送信する。測定リクエストデータは、ステップS100で操作されたボタンオブジェクトB100aに割り当てられたコースIDを含む。
【0133】
ステップS101の後、測定装置50は、測定(S500)を実行する。
【0134】
具体的には、プロセッサ52は、測定コース情報マスタ(
図10)を参照して、測定リクエストデータに含まれるコースIDに関連付けられたレコード(つまり、測定装置50のオペレータ、又は、被験者が指定した測定コースに関する情報)を特定する。
プロセッサ52は、特定したレコードの「測定項目」フィールドの情報に基づいて、ポンプ制御信号及びプローブ制御信号を生成する。刺激生成部57及びヘッドマウントプローブ55は、ポンプ制御信号及びプローブ制御信号に基づいて、被験者に物理刺激を付加する。
ヘッドマウントプローブ55及び圧力測定部58は、物理刺激に対する刺激反応を測定し、且つ、測定結果を示す測定結果情報をプロセッサ52に与える。
プロセッサ52は、測定レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。測定レスポンスデータは、測定結果情報を含む。
【0135】
ステップS500は、各測定シーケンスの実行中に繰り返し実行される。つまり、測定装置50は、各測定シーケンスの実行中に測定レスポンスデータの送信を繰り返す。
【0136】
ステップS500の後、クライアント装置10は、測定画面の表示(S102)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、測定レスポンスデータに基づく画面P104(
図16)をディスプレイに表示する。
【0137】
画面P104は、表示オブジェクトA104と、ボタンオブジェクトB104と、画像IMG104と、を含む。
【0138】
表示オブジェクトA104には、ステップS100で受け付けたユーザ指示に対応する付加パターンに基づく測定の進捗状況(「終了」、「測定中」、又は、「実行前」)が表示される。
【0139】
画像IMG104は、終了した測定により得られた測定結果情報の種類(「洗浄」、「水の接触」、「水の蒸発」、「温風」、「温度変化」、「熱」、「空気振動」、「吸引圧力」、及び、「光」)毎の刺激反応の強さを示すグラフの画像である。
【0140】
ボタンオブジェクトB104は、サーバ30に対して、測定結果に基づく評価を要求するユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0141】
ステップS103の後、クライアント装置10は、評価リクエスト(S103)を実行する。
具体的には、ボタンオブジェクトB104が操作されると、プロセッサ12は、評価リクエストデータをサーバ30に送信する。
評価リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ステップS100で受け付けた被験者ID
・ステップS102で測定装置50から送信された測定レスポンスデータに含まれる測定結果情報
・ステップS103の実行日を示す情報
【0142】
ステップS103の後、サーバ30は、データベースの更新(S300)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、測定レスポンスデータに含まれる被験者IDに関連付けられた測定情報データベース(
図11)に、新規レコードを追加する。
新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「測定ID」フィールドには、プロセッサ32によって任意に決定された新規測定IDが格納される。
・「測定日」フィールドには、測定レスポンスデータに含まれる実行日を示す情報が格納される。
・「加速度」フィールドには、測定レスポンスデータに含まれる測定結果情報のうち、加速度情報が格納される。
・「画像」フィールドには、測定レスポンスデータに含まれる測定結果情報のうち、画像データが格納される。
・「圧力」フィールドには、測定レスポンスデータに含まれる測定結果情報のうち、圧力情報が格納される。
・「押しボタン」フィールドには、測定レスポンスデータに含まれる測定結果情報のうち、押しボタン56aによって生成された電気信号の時間変化を示す情報が格納される。
・「スライダ」フィールドには、測定レスポンスデータに含まれる測定結果情報のうち、スライダ56bによって生成された電気信号の時間変化を示す情報が格納される。
【0143】
ステップS300の後、サーバ30は、評価(S301)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、肌リスクを推定するための肌リスク推定式と、肌生理を推定するための肌生理推定式と、が格納される。
プロセッサ32は、測定レスポンスデータに含まれる測定結果を肌リスク推定式に適用することにより、肌リスクを決定する。
プロセッサ32は、測定レスポンスデータに含まれる測定結果を肌生理推定式に適用することにより、肌生理を決定する。
【0144】
ステップS301の後、サーバ30は、肌状態の判定(S302)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、マッチングテーブルが記憶されている。マッチングテーブルは、肌リスク及び肌生理の組合せと、肌状態との対応関係を示す情報である。
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたマッチングテーブルを参照して、ステップS301で決定した肌リスク及び肌生理の組合せに対応する肌状態を特定する。
【0145】
ステップS302の後、サーバ30は、データベースの更新(S303)を実行する。
【0146】
具体的には、プロセッサ32は、測定レスポンスデータに含まれる被験者IDに関連付けられた評価情報データベース(
図12)に、新規レコードを追加する。
新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「評価ID」フィールドには、プロセッサ32によって任意に決定された新規評価IDが格納される。
・「測定ID」フィールドには、ステップS300で追加された新規測定IDが格納される。
・「肌リスク」フィールドには、ステップS301で決定された肌リスクを示すコードが格納される。
・「肌生理」フィールドには、ステップS301で決定された肌生理を示すコードが格納される。
・「肌状態」フィールドには、ステップS302で決定された肌状態を示すコードが格納される。
【0147】
ステップS303の後、サーバ30は、評価レスポンス(S304)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、アドバイス情報マスタ(
図13)を参照して、ステップS302で特定された肌状態を示すコードに対応するレコメンド商品ID、レコメンド商品の名称を示す情報、及び、アドバイスメッセージを特定する。
プロセッサ32は、レコメンド商品IDに対応するコード画像(例えば、二次元バーコード画像)の画像データを生成する。コード画像には、例えば、レコメンド商品IDを販売するウェブサイトのURL(Uniform Resource Name)が割り当てられる。
【0148】
プロセッサ32は、評価レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。
・評価レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS301で決定された肌リスク情報
・ステップS301で決定された肌生理情報
・ステップS302で決定された肌状態情報
・ステップS304で特定されたアドバイスメッセージ
・ステップS304で特定されたレコメンド商品の名称を示す情報
・ステップS304で生成されたコード画像データ
【0149】
ステップS304の後、クライアント装置10は、評価結果画面の表示(S104)を実行する。
具体的には、画面P106は、表示オブジェクトA106と、画像IMG106と、を含む。
【0150】
表示オブジェクトA106には、評価レスポンスデータに含まれる、肌リスク情報、肌生理情報、肌状態情報、アドバイスメッセージ、及び、レコメンド商品の名称を示す情報が表示される。
【0151】
画像IMG106は、評価レスポンスデータに含まれるコード画像データに対応するコード画像である。
【0152】
被験者は、画面P106から、自身の肌の刺激反応と、肌リスクと、肌生理と、肌状態と、肌状態に基づくレコメンド商品と、を知ることができる。
また、被験者は、コード画像をコード読取装置(不図示)に読み取らせることにより、コード画像に割り当てられたURLのウェブサイトにアクセスすることができる。
【0153】
(5)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0154】
(5-1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、複数の化粧品を販売する自動販売機を用いて、コード画像に対応する化粧品を被験者に提供する例である。
【0155】
変形例1のコード画像には、レコメンド商品IDが割り当てられる。
【0156】
自動販売機には、複数の化粧品が収容される。各化粧品には、商品IDが割り当てられる。自動販売機は、コード画像を読み取るコードリーダを備える。
【0157】
被験者が、コード画像IMG106のスクリーンショット、又は、ハードコピーをコードリーダに読み取らせると、自動販売機は、読み取ったコード画像に割り当てられたレコメンド商品IDに対応する化粧品を被験者に提供する。
【0158】
変形例1によれば、被験者は、容易にレコメンド商品を入手することができる。例えば、自動販売機が公共機関(一例として、駅)に設置されている場合、被験者は、駅を利用する時(例えば、通勤の帰路)にレコメンド商品を入手することができる。
【0159】
(5-2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、刺激の付加の方法を調整する例である。
【0160】
第1例として、変形例2の画面P104(
図16)は、更に、以下の項目を調整するためのオブジェクトを含む。
・ポンプ57dがヘッドマウントプローブ55に送る水の流速及び継続時間の少なくとも1つ
・ポンプ57dがヘッドマウントプローブ55に送る洗浄液の流速及び継続時間の少なくとも1つ
・ポンプ57dがヘッドマウントプローブ55に送る空気の風速及び継続時間の少なくとも1つ
・ポンプ57dによる吸引の強さ及び継続時間の少なくとも1つ
・ヒータ55cの温度及び加熱時間の少なくとも1つ
・ペルチェ素子55aの温度及び加熱時間の少なくとも1つ
・測定コースを構成する項目のON又はOFF
【0161】
第2例として、プロセッサ12は、第1例の調整結果と、被験者IDと、をサーバ30に送信する。
プロセッサ32は、調整結果と、被験者IDと、を関連付けて記憶装置31に記憶する。
これにより、被験者毎にカスタマイズされたコースの内容がサーバ30で管理される。
【0162】
(5-3)変形例3
変形例3について説明する。変形例3は、被験者の視線、脳波、脈波の少なくとも1つを更に測定する例である。
【0163】
変形例3のクライアント装置10又は測定装置50は、被験者の視線を測定する視線測定部(例えば、カメラ)、被験者の脳波を測定する脳波センサ、及び、被験者の脈波を測定する脈波センサの少なくとも1つを備える。
【0164】
視線測定部、脳波センサ、及び、脈波センサの少なくとも1つによる測定は、例えば、以下のシーケンスの少なくとも1つに含まれる。
・水の接触で感じる知覚を測定するための測定シーケンス
・水の蒸発で感じる知覚を測定するための測定シーケンス
・緩やかな温度変化の知覚を測定するための測定シーケンス
・急激な温度変化の知覚を測定するための測定シーケンス
【0165】
変形例3によれば、測定結果の精度をより向上させることができる。
【0166】
(5-4)変形例4
変形例4について説明する。変形例4は、測定の安全性を向上させる例である。
【0167】
第1例として、プロセッサ52は、温度センサ55gの測定結果(つまり、気液出入口55faから放出された気体刺激物質及び液体刺激物質の温度)が所定の閾値以上になった場合、ポンプ57dを停止させるためのポンプ制御信号を生成する。ポンプ57dは、プロセッサ52によって生成されたポンプ制御信号に従って停止する。
これにより、所定温度以上の温度に達した気体刺激物質及び液体刺激物質の放出が停止する。
【0168】
第2例として、プロセッサ52は、温度センサ55gの測定結果が所定の閾値以上になった場合、ヒータ55cを停止させるためのプローブ制御信号、又は、ヒータ55cの加熱温度を低下させるためのプローブ制御信号を生成する。ヒータ55cは、プロセッサ52によって生成されたプローブ制御信号に従って、停止する、又は、加熱温度を低下させる。
これにより、気液出入口55faから放出された気体刺激物質の温度が低下する。
【0169】
第3例として、プロセッサ52は、水位センサ55hの測定結果(つまり、右プローブ55R内に滞留する液体刺激物質の量)が所定の閾値以上になった場合、本体50aからプローブ55への液体(水又は洗浄液)の供給を停止させるためのポンプ制御信号を生成する。ポンプ57dは、プロセッサ52によって生成されたポンプ制御信号に従って、液体の供給を停止させ、且つ、右プローブ55R内の液体(廃液)を廃液タンク57cに吸い取る。
これにより、右プローブ55R内に滞留する液体刺激物質の量が所定量以下に抑えられる。
【0170】
変形例4によれば、測定の安全性を向上させることができる。
【0171】
(6)本実施形態の小括
本実施形態について小括する。
【0172】
本実施形態の第1態様は、
被験者の顔の肌に物理刺激を与える刺激付加部(例えば、刺激生成部57)と、
肌に付加された物理刺激に対する被験者の刺激反応を測定する測定部(例えば、ヘッドマウントプローブ55)と、
を備える、測定装置50である。
【0173】
第1態様によれば、人間の肌が実際に曝される物理刺激に対する個々の刺激反応を測定することができる。
【0174】
本実施形態の第2態様の刺激付加部は、肌に液体を接触させるポンプ57dを備える。
【0175】
第2態様によれば、水による物理刺激を被験者に与えることができる。
【0176】
本実施形態の第3態様の測定装置50は、被験者の操作に応じた信号を生成する操作部56を備え、
測定部は、液体が肌に接触してから操作部56によって信号が生成される迄の反応時間を測定する。
【0177】
第3態様によれば、水による物理刺激に対する被験者の刺激反応を取得することができる。
【0178】
本実施形態の第4態様の刺激付加部は、肌に気体を接触させるポンプ57dを備える。
【0179】
第4態様によれば、気体による物理刺激を被験者に与えることができる。
【0180】
本実施形態の第5態様の測定部は、気体が接触した肌の粘弾性による位相の時間変化を測定する圧力測定部58を備える。
【0181】
第5態様によれば、気体による物理刺激に対する被験者の刺激反応を取得することができる。
【0182】
本実施形態の第6態様の測定装置50は、気体を加熱するヒータ55cを備え、
刺激付加部は、ヒータ55cによって加熱された気体を肌に接触させるポンプ57dを備える。
【0183】
第6態様によれば、熱による物理刺激を被験者に与えることができる。
【0184】
本実施形態の第7態様の測定部は、物理刺激が付加されている間の肌の画像を撮像するカメラ55eを備える。
【0185】
本実施形態の第8態様の刺激付加部は、肌に光を照射する発光部(例えば、LED55i)を備え、
カメラ55eは、光が照射されている間の肌の画像を撮像する。
【0186】
第8態様によれば、肌の吸光度を測定することができる。
【0187】
本実施形態の第9態様の刺激付加部は、肌を吸引するポンプ57dを備える。
【0188】
第9態様によれば、空気の吸引による物理刺激を被験者に与えることができる。
【0189】
本実施形態の第10態様の測定部は、吸引された肌の粘弾性による圧力の時間変化を測定する圧力測定部58を備える。
【0190】
第10態様によれば、被験者の吸引圧力を取得することができる。
【0191】
本実施形態の第11態様は、測定装置50を制御するクライアント装置10と通信可能なサーバ30であって、
クライアント装置10から、測定装置50による測定を受ける被験者を識別する被験者IDと、測定装置50による測定結果を示す測定結果情報と、を取得する手段(例えば、ステップS300の処理を実行するプロセッサ32)を備え、
被験者IDと、測定結果情報と、を関連付けて記憶する手段(例えば、例えば、ステップS300の処理を実行するプロセッサ32)を備える、サーバ30である。
【0192】
第11態様によれば、複数の被験者のそれぞれの刺激反応を管理することができる。
【0193】
(7)その他の変形例
【0194】
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。記憶装置51は、ネットワークNWを介して、測定装置50と接続されてもよい。
【0195】
測定装置50は、クライアント装置10を備えても良い。この場合、測定装置50は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続される。測定装置50は、測定結果情報をサーバ30に送信する。
【0196】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0197】
1 :測定システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
50 :測定装置
50a :本体
51 :記憶装置
52 :プロセッサ
53 :入出力インタフェース
54 :通信インタフェース
55 :ヘッドマウントプローブ
55B :バンド
55L :左プローブ
55R :右プローブ
55a :ペルチェ素子
55b :水冷機
55c :ヒータ
55d :加速度センサ
55e :カメラ
55f :チューブ
55fa :気液出入口
55g :温度センサ
55h :水位センサ
55i :LED
56 :操作部
56a :押しボタン
56b :スライダ
57 :刺激生成部
57a :水タンク
57b :洗浄液タンク
57c :廃液タンク
57d :ポンプ
58 :圧力測定部