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特許71656681種または複数の患者特異的脊椎インプラントを開発するためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】1種または複数の患者特異的脊椎インプラントを開発するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20221027BHJP
   A61F 2/44 20060101ALI20221027BHJP
   A61B 17/70 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A61B34/10
A61F2/44
A61B17/70
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019551980
(86)(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 IB2018000551
(87)【国際公開番号】W WO2018193316
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/488,077
(32)【優先日】2017-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/518,305
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/518,310
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/597,035
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/612,260
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517349393
【氏名又は名称】メディクレア インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】スルナック,デニス
(72)【発明者】
【氏名】ライアン,ダヴィド
(72)【発明者】
【氏名】モスニエ,トマス
(72)【発明者】
【氏名】ジャベロット,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】オーガニュール,セリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】セナック,アガーテ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-536051(JP,A)
【文献】特開2011-218180(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0058320(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0131486(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56 - 17/94
34/00 - 34/20
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種または複数の患者特異的脊椎インプラントを開発するためのシステムであって、
(A)コンピューターにより実行可能な複数の命令を記憶するように構成された1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置;および
(B)前記1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置と通信し、前記コンピューターにより実行可能な複数の命令を実行し、前記システムに、
(a)患者の脊椎の1つまたは複数の医用画像にアクセスすること;
(b)1つまたは複数の医用画像に基づいて、
(I)目的の脊椎分節に沿った1つまたは複数の基準点を特定すること;および
(II)前記特定した1つまたは複数の基準点の周りで前記1つまたは複数の医用画像の1つまたは複数の部分を回転させて、患者の脊椎の所望の手術出力弯曲を得ること、
を含む、目的の脊椎分節への脊椎ロッドの埋め込みをシミュレートすること;
(c)前記脊椎ロッドの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドの、直径および弯曲を含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
(d)前記決定した1つまたは複数の前記患者特異的脊椎ロッドの埋め込みの寸法に少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節用の前記患者特異的脊椎ロッドを作製または選択するための、脊椎ロッド製造または選択装置に使用するための脊椎ロッド製造またはデータ選択命令を生成すること;
(e)前記1つまたは複数の医用画像から、前記目的の脊椎分節の前方長手方向靱帯の長さおよび前記目的の脊椎分節の後方長手方向靱帯の長さを決定すること;
(f)前記1つまたは複数の医用画像から、前記目的の脊椎分節の前方弯曲部の長さおよび前記目的の脊椎分節の後方弯曲部の長さを決定すること;
(g)前記1つまたは複数の医用画像に基づいて、
(I)前記後方弯曲部が、前記後方長手方向靱帯の長さに実質的に一致するまたはそれを超えない長さまで、前記1つまたは複数のケージのそれぞれの後方高さを増大させること;および
(II)前記前方長手方向靱帯より短い前方弯曲部の長さを維持している間に、前記1つまたは複数のケージのそれぞれの脊柱前湾を増大させること、
含む、前記目的の脊椎分節内の1つまたは複数の椎間腔への1つまたは複数のケージの埋め込みをシミュレートすること;
(h)前記1つまたは複数のケージの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節用の1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの、後方高さおよび前方高さを含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
(i)前記1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの前記決定した1つまたは複数の寸法に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の椎間腔用の1つまたは複数の患者特異的ケージを製造または選択するためのケージ製造または選択装置により使用するための、ケージ製造またはデータ選択命令を生成すること、
を実施させるように構成された1つまたは複数のハードウェアコンピュータープロセッサー、を含み、
前記目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドは、前記生成した脊椎ロッド製造またはデータ選択命令に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲の脊椎ロッドから作製または選択され、前記1つまたは複数の椎間腔用の1つまたは複数の患者特異的ケージは、前記生成したケージ製造またはデータ選択命令に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のケージから作製または選択される、システム。
【請求項2】
前記システムが、
(j)前記1つまたは複数の医用画像から、前記目的の脊椎分節内の各椎骨に対し、矢状面上のスクリュー挿入軸投影長さおよび椎体幅を決定すること;
(k)前記目的の脊椎分節内の各椎骨に対する、所定の脊椎解剖学的データ、文献、または外科医の好みに少なくとも部分的に基づいて、前記スクリューが取り付けられるように構成される端板を基準にした埋め込みスクリューの想定または所定角形成、横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率、および椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率を決定すること;
(l)前記矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、前記決定した椎体幅、前記横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、および前記スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の長さを生成すること;
(m)前記矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、前記決定した椎体幅、および前記椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の直径を生成すること;および
(n)前記決定した1つまたは複数の所望長さおよび所望直径に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のスクリューから、前記1つまたは複数の患者特異的スクリューを作製または選択するためのスクリュー製造または選択装置により使用するための、スクリュー製造またはデータ選択命令を生成すること、
をさらに実施させる、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数の患者特異的スクリューの内の少なくとも1つが、1つまたは複数のセンサーを含み、前記1つまたは複数のセンサーが、術中追跡データを得るように構成され、前記術中追跡データが、実質的にリアルタイムの前記患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、前記術中追跡データが、外科手術を支援するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つまたは複数の患者特異的スクリューが、外科ツールを用いて1つまたは複数の椎骨中に挿入されるように構成され、前記外科ツールが、1つまたは複数のセンサーを含み、前記1つまたは複数のセンサーが、術中追跡データを得るように構成され、前記術中追跡データが、実質的にリアルタイムの前記患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、前記術中追跡データが、外科手術を支援するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記脊椎の所望の手術出力弯曲が、1つまたは複数の予測術後パラメーターに少なくとも部分的に基づいて決定され、
前記システムが、
(o)1つまたは複数の医用画像を解析して、UIL、LIL、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、または矢状面垂直軸術前値の少なくとも1つを含む、患者の脊椎に関連する1つまたは複数の術前変数を決定すること;および
(p)予測モデルの適用に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の術後変数の予測値を生成することであって、前記予測モデルが、
(p1)1人または複数の以前の患者および前記1人または複数の以前の患者に採用された脊椎手術戦略から収集したデータを含む、電子データベースのデータセットにアクセスすること;
(p2)脊椎手術領域知識に基づいて、データセットを1つまたは複数のカテゴリーに分類すること;
(p3)前記データを第1のサブカテゴリーに規格化すること;
(p4)前記第1のサブカテゴリー中の前記データに対するモデルアルゴリズムを選択すること;
(p5)前記第1のサブカテゴリーから第1セットの入力値を前記モデルアルゴリズムに入力して、前記第1のサブカテゴリーからの第1セットの出力値に基づいて予測モデルを訓練すること;
(p6)第2のサブカテゴリーからの第2セットの入力値を訓練した予測モデルに入力し、第2のサブカテゴリーからの第2セットの出力値で訓練した予測モデルにより生成された結果を比較すること;および
(p7)実施のために訓練した予測モデルを保存すること、
により生成される、予測値を生成すること、
により1つまたは複数の術後パラメーターの予測値を生成することを実施させ、
前記術後パラメーターが、骨盤傾斜、腰部前弯、胸部後弯、または矢状面垂直軸の内の1つまたは複数を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の脊椎の医用画像が、矢状面X線像、正面X線像、屈曲X線像、伸張X線像、またはMRI像の内の1つまたは複数を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つまたは複数の医用画像が、1つまたは複数の二次元X線像を含み、前記システムが、前記1つまたは複数の二次元X線像を較正し、前記1つまたは複数の二次元X線像に基づいて、三次元合成画像を生成することを実施させる、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
1種または複数の患者特異的脊椎インプラントを開発するためのシステムであって、
(A)コンピューターにより実行可能な複数の命令を記憶するように構成された1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置;および
(B)前記1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置と通信し、前記コンピューターにより実行可能な複数の命令を実行し、前記システムに、
(a)患者の脊椎の1つまたは複数の医用画像にアクセスすること;
(b)前記1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節の前方長手方向靱帯の長さおよび前記目的の脊椎分節の後方長手方向靱帯の長さを決定すること;
(c)前記1つまたは複数の医用画像から、前記目的の脊椎分節の前方弯曲部の長さおよび前記目的の脊椎分節の後方弯曲部の長さを決定すること;
(d)前記1つまたは複数の医用画像に基づいて、
(I)前記後方弯曲部が、前記後方長手方向靱帯の長さに実質的に一致するまたはそれを超えない長さまで、前記1つまたは複数のケージのそれぞれの後方高さを増大させること;および
(II)前記前方長手方向靱帯より短い前方弯曲部の長さを維持している間に、前記1つまたは複数のケージのそれぞれの脊柱前湾を増大させること、
含む、前記目的の脊椎分節内の1つまたは複数の椎間腔への1つまたは複数のケージの埋め込みをシミュレートすること;
(e)前記1つまたは複数のケージの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節用の1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの、後方高さおよび前方高さを含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
(f)前記1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの決定した1つまたは複数の寸法に少なくとも部分的に基づいて、生成したケージ製造またはデータ選択命令に、少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のケージから作製または選択される、前記1つまたは複数の椎間腔用の1つまたは複数の患者特異的ケージを製造または選択するためのケージ製造または選択装置により使用するための、ケージ製造またはデータ選択命令を生成すること、
(g)前記1つまたは複数の医用画像から、前記目的の脊椎分節内の各椎骨に対し、矢状面上のスクリュー挿入軸投影長さおよび椎体幅を決定すること;
(h)前記目的の脊椎分節内の各椎骨に対する、所定の脊椎解剖学的データ、文献、または外科医の好みに少なくとも部分的に基づいて、前記スクリューが取り付けられるように構成される端板を基準にした埋め込みスクリューの想定または所定角形成、横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率、および椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率を決定すること;
(i)前記矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、前記決定した椎体幅、前記横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、および前記スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の長さを生成すること;
(j)前記矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、前記決定した椎体幅、および前記椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための前記1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の直径を生成すること;および
(k)前記決定した1つまたは複数の所望長さおよび所望直径に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のスクリューから、前記1つまたは複数の患者特異的スクリューを作製または選択するためのスクリュー製造または選択装置により使用するための、スクリュー製造またはデータ選択命令を生成させること、
を実施させるように構成された1つまたは複数のハードウェアコンピュータープロセッサーを含む、システム。
【請求項9】
前記1つまたは複数の患者特異的スクリューの内の少なくとも1つが、1つまたは複数のセンサーを含み、前記1つまたは複数のセンサーが、術中追跡データを得るように構成され、前記術中追跡データが、実質的にリアルタイムの前記患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、前記術中追跡データが、外科手術を支援するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つまたは複数の患者特異的スクリューが、外科ツールを用いて1つまたは複数の椎骨中に挿入されるように構成され、前記外科ツールが、1つまたは複数のセンサーを含み、前記1つまたは複数のセンサーが、術中追跡データを得るように構成され、前記術中追跡データが、実質的にリアルタイムの前記患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、前記術中追跡データが、外科手術を支援するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムが、
(l)前記1つまたは複数の医用画像に基づいて、
(I)前記目的の脊椎分節に沿った1つまたは複数の基準点を特定すること;および
(II)前記特定した1つまたは複数の基準点の周りで前記1つまたは複数の医用画像の1つまたは複数の部分を回転させて、患者の脊椎の所望の手術出力弯曲を得ること、
含む、前記目的の脊椎分節への脊椎ロッドの埋め込みをシミュレートすること;
(m)前記脊椎ロッドの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドの、直径および弯曲を含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
(n)決定した1つまたは複数の患者特異的脊椎ロッドの寸法に少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドを作製または選択するための、脊椎ロッド製造または選択装置に使用するための脊椎ロッド製造またはデータ選択命令を生成すること、
を実施させ、
前記目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドは、生成した脊椎ロッド製造またはデータ選択命令に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲の脊椎ロッドから作製または選択される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記脊椎の所望の手術出力弯曲が、1つまたは複数の予測術後パラメーターに少なくとも部分的に基づいて決定され、
前記システムが、
(o)1つまたは複数の医用画像を解析して、UIL、LIL、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、または矢状面垂直軸術前値の少なくとも1つを含む、患者の脊椎に関連する1つまたは複数の術前変数を決定すること;および
(p)予測モデルの適用に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の術後変数の予測値を生成することであって、前記予測モデルが、
(p1)1人または複数の以前の患者および前記1人または複数の以前の患者に採用された脊椎手術戦略から収集したデータを含む、電子データベースのデータセットにアクセスすること;
(p2)脊椎手術領域知識に基づいて、前記データセットを1つまたは複数のカテゴリーに分類すること;
(p3)前記データを第1のサブカテゴリーに規格化すること;
(p4)前記第1のサブカテゴリー中の前記データに対するモデルアルゴリズムを選択すること;
(p5)前記第1のサブカテゴリーから第1セットの入力値を前記モデルアルゴリズムに入力して、前記第1のサブカテゴリーからの第1セットの出力値に基づいて予測モデルを訓練すること;
(p6)前記第2のサブカテゴリーからの第2セットの入力値を訓練した予測モデルに入力し、第2のサブカテゴリーからの第2セットの出力値で前記訓練した予測モデルにより生成された結果を比較すること;および
(p7)実施のために訓練した予測モデルを保存すること、
により生成される、予測値を生成すること、
により1つまたは複数の術後パラメーターの予測値を生成することを実施させ、
前記術後パラメーターが、骨盤傾斜、腰部前弯、胸部後弯、または矢状面垂直軸の内の1つまたは複数を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つまたは複数の脊椎の医用画像が、矢状面X線像、正面X線像、屈曲X線像、伸張X線像、またはMRI像の内の1つまたは複数を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つまたは複数の医用画像が、1つまたは複数の二次元X線像を含み、前記システムが、前記1つまたは複数の二次元X線像を較正し、前記1つまたは複数の二次元X線像に基づいて、三次元合成画像を生成することを実施させる、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
1種または複数の患者特異的脊椎インプラントを開発するためのシステムであって、
(A)コンピューターにより実行可能な複数の命令を記憶するように構成された1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置;および
(B)前記1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置と通信し、前記コンピューターにより実行可能な複数の命令を実行し、前記システムに、
(a)患者の脊椎の1つまたは複数の医用画像にアクセスすること;
(b)前記1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節の1つまたは複数の椎間板のそれぞれの高さを決定すること;
(c)前記目的の脊椎分節の1つまたは複数の椎間板のそれぞれに対し、前記目的の脊椎分節の総椎間板高さのパーセンテージとして椎間板高さおよび/または前記目的の脊椎分節の総椎間板角形成のパーセンテージとして椎間板角形成を決定すること;
(d)前記目的の脊椎分節の1つまたは複数の椎間板のそれぞれの決定した椎間板高さパーセンテージおよび/または決定した椎間板角形成パーセンテージを、1つまたは複数の対応する無症候性集団の椎間板の所定の椎間板高さパーセンテージおよび/または所定の椎間板角形成パーセンテージと比較することにより解析することであって、1つまたは複数の対応する無症候性集団の椎間板の前記所定の椎間板高さパーセンテージおよび/または前記所定の椎間板角形成パーセンテージが定期的におよび/または継続的に更新される、解析すること;
(e)前記1つまたは複数の医用画像に基づいて、前記目的の脊椎分節の1つまたは複数の椎間板のそれぞれの決定した椎間板高さパーセンテージおよび/または決定した椎間板角形成パーセンテージの、1つまたは複数の対応する前記無症候性集団の椎間板の前記所定の椎間板高さパーセンテージおよび/または前記所定の椎間板角形成パーセンテージとの比較に、少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のケージの前記目的の脊椎分節内の1つまたは複数の椎間腔への埋め込みをシミュレートすること;
(f)前記1つまたは複数のケージの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節用の1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの、後方高さおよび前方高さおよび/または角形成を含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
(g)前記1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの決定した1つまたは複数の寸法に少なくとも部分的に基づいて、生成したケージ製造またはデータ選択命令に、少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のケージから作製または選択される、前記1つまたは複数の椎間腔用の1つまたは複数の患者特異的ケージを製造または選択するためのケージ製造または選択装置により使用するための、ケージ製造またはデータ選択命令を生成すること、
(h)前記1つまたは複数の医用画像から、前記目的の脊椎分節内の各椎骨に対し、矢状面上のスクリュー挿入軸投影長さおよび椎体幅を決定すること;
(i)前記目的の脊椎分節内の各椎骨に対する、所定の脊椎解剖学的データ、文献、または外科医の好みに少なくとも部分的に基づいて、前記スクリューが取り付けられるように構成される端板を基準にした埋め込みスクリューの想定または所定角形成、横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率、および椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率を決定すること;
(j)前記矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、前記決定した椎体幅、前記横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の前記想定または所定角度、および前記スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の長さを生成すること;
(k)前記矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、前記決定した椎体幅、および前記椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための前記1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の直径を生成すること;および
(l)前記決定した1つまたは複数の所望長さおよび所望直径に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のスクリューから、前記1つまたは複数の患者特異的スクリューを作製または選択するためのスクリュー製造または選択装置により使用するための、スクリュー製造またはデータ選択命令を生成させること、
を実施させるように構成された1つまたは複数のハードウェアコンピュータープロセッサーを含む、システム。
【請求項16】
前記1つまたは複数の患者特異的スクリューの内の少なくとも1つが、1つまたは複数のセンサーを含み、前記1つまたは複数のセンサーが、術中追跡データを得るように構成され、前記術中追跡データが、実質的にリアルタイムの前記患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、前記術中追跡データが、外科手術を支援するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムが、
(m)前記1つまたは複数の医用画像に基づいて、
(I)前記目的の脊椎分節に沿った1つまたは複数の基準点を特定すること;および
(II)前記特定した1つまたは複数の基準点の周りで前記1つまたは複数の医用画像の1つまたは複数の部分を回転させて、前記患者の脊椎の所望の手術出力弯曲を得ること、
含む、前記目的の脊椎分節への脊椎ロッドの埋め込みをシミュレートすること;
(n)前記脊椎ロッドの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、前記目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドの、直径および弯曲を含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
(o)決定した1つまたは複数の患者特異的脊椎ロッドの寸法に少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドを作製または選択するための、脊椎ロッド製造または選択装置に使用するための脊椎ロッド製造またはデータ選択命令を生成すること、
を実施させ、
前記目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドは、生成した脊椎ロッド製造またはデータ選択命令に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲の脊椎ロッドから作製または選択される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記脊椎の所望の手術出力弯曲が、1つまたは複数の予測術後パラメーターに少なくとも部分的に基づいて決定され、前記システムは、
(p)1つまたは複数の医用画像を解析して、UIL、LIL、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、または矢状面垂直軸術前値を含む、患者の脊椎に関連する1つまたは複数の術前変数を決定すること;および
(q)予測モデルの適用に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の術後変数の予測値を生成することであって、前記予測モデルが、
(q1)1人または複数の以前の患者および前記1人または複数の以前の患者に採用された脊椎手術戦略から収集したデータを含む、電子データベースのデータセットにアクセスすること;
(q2)脊椎手術領域知識に基づいて、前記データセットを1つまたは複数のカテゴリーに分類すること;
(q3)前記データを第1のサブカテゴリーに規格化すること;
(q4)前記第1のサブカテゴリー中の前記データに対するモデルアルゴリズムを選択すること;
(q5)前記第1のサブカテゴリーから第1セットの入力値を前記モデルアルゴリズムに入力して、前記第1のサブカテゴリーからの第1セットの出力値に基づいて予測モデルを訓練すること;
(q6)前記第2のサブカテゴリーからの第2セットの入力値を訓練した予測モデルに入力し、第2のサブカテゴリーからの第2セットの出力値で前記訓練した予測モデルにより生成された結果を比較すること;および
(q7)実施のために訓練した予測モデルを保存すること、
により生成される、予測値を生成すること、
により1つまたは複数の術後パラメーターの予測値を生成することを実施させ、
前記術後パラメーターが、骨盤傾斜、腰部前弯、胸部後弯、または矢状面垂直軸の内の1つまたは複数を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つまたは複数の脊椎の医用画像が、矢状面X線像、正面X線像、屈曲X線像、伸張X線像、またはMRI像の内の1つまたは複数を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つまたは複数の医用画像が、1つまたは複数の二次元X線像を含み、前記システムが、前記1つまたは複数の二次元X線像を較正し、前記1つまたは複数の二次元X線像に基づいて、三次元合成画像を生成することを実施させる、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、1種または複数の患者特異的脊椎インプラントを開発するためのシステムに関する。本出願はまた、脊椎ロッドならびに手術計画およびその手順に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎手術は、世界中で最もよく実施される外科手術の1つである。一般的に言って、脊椎手術は、患者の脊椎の弯曲を矯正し、さらなる悪化を防止するための脊椎ロッドの埋め込みを伴う。従って、脊椎ロッドの個々の弯曲は、手術に成功するための重要な因子である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書で記載の種々の実施形態は、患者特異的な脊椎治療、手術、および手順を開発するためのシステム、方法、および装置に関する。いくつかの実施形態では、患者特異的脊椎治療、手術および手順の開発のための本明細書で記載のシステム、方法、および装置は、反復好循環を含み得る。反復好循環は、術前、術中、および手術後技術または工程をさらに含み得る。例えば、反復好循環は、画像解析、症例シミュレーション、インプラント作製、症例支援、データ収集、機械学習、および/または予測モデリングを含み得る。反復好循環の1つまたは複数の技術または工程は、反復し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、1種または複数の患者特異的脊椎インプラントを開発するためのシステムに関し、該システムは、
複数のコンピューターにより実行可能な命令を記憶するように構成された1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置;および1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置と通信し、複数のコンピューターにより実行可能な命令を実行し、システムに、
患者の脊椎の1つまたは複数の医用画像にアクセスすること;
1つまたは複数の医用画像に基づいて、
目的の脊椎分節に沿った1つまたは複数の基準点を特定すること;および
特定した1つまたは複数の基準点の周りで1つまたは複数の医用画像の1つまたは複数の部分を回転させて、患者の脊椎の所望の手術出力弯曲を得ること、
を含む、目的の脊椎分節への脊椎ロッドの埋め込みをシミュレートすること;
脊椎ロッドの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドの、直径および弯曲を含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
決定した1つまたは複数の患者特異的脊椎ロッドの埋め込みの寸法に少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドを作製または選択するための、脊椎ロッド製造または選択装置に使用するための脊椎ロッド製造またはデータ選択命令を生成すること;
1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節の前方長手方向靱帯の長さおよび目的の脊椎分節の後方長手方向靱帯の長さを決定すること;
1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節の前方弯曲部の長さおよび目的の脊椎分節の後方弯曲部の長さを決定すること;
1つまたは複数の医用画像に基づいて、
後方弯曲部が、後方長手方向靱帯の長さに実質的に一致するまたはそれを超えない長さまで、1つまたは複数のケージのそれぞれの後方高さを増大させること;および
前方長手方向靱帯より短い前方弯曲部の長さを維持している間に、1つまたは複数のケージのそれぞれの脊柱前湾を増大させること、
をさらに含む、目的の脊椎分節内の1つまたは複数の椎間腔への1つまたは複数のケージの埋め込みをシミュレートすること;
1つまたは複数のケージの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの、後方高さおよび前方高さを含む1つまたは複数の寸法を決定すること;および
1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの決定した1つまたは複数の寸法に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の椎間腔用の1つまたは複数の患者特異的ケージを製造または選択するためのケージ製造または選択装置により使用するための、ケージ製造またはデータ選択命令を生成すること、
を実施させるように構成された1つまたは複数のハードウェアコンピュータープロセッサー、を含み、
目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドは、生成した脊椎ロッド製造またはデータ選択命令に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲の脊椎ロッドから作製または選択され、1つまたは複数の椎間腔用の1つまたは複数の患者特異的ケージは、生成したケージ製造またはデータ選択命令に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のケージから作製または選択される。
【0005】
一実施形態では、システムは、
1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節内の各椎骨に対し、矢状面上のスクリュー挿入軸投影長さおよび椎体幅を決定すること;
目的の脊椎分節内の各椎骨に対する、所定の脊椎解剖学的データ、文献、または外科医の好みに少なくとも部分的に基づいて、スクリューが取り付けられるように構成される端板を基準にした埋め込みスクリューの想定または所定角形成、横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率、および椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率を決定すること;
矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、決定した椎体幅、横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、およびスクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の長さを生成すること;
矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、決定した椎体幅、および椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の直径を生成すること;および
決定した1つまたは複数の所望長さおよび所望直径に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のスクリューから、1つまたは複数の患者特異的スクリューを作製または選択するためのスクリュー製造または選択装置により使用するための、スクリュー製造またはデータ選択命令を生成させること、をさらに実施させる。
【0006】
一実施形態では、1つまたは複数の患者特異的スクリューの内の少なくとも1つは、1つまたは複数のセンサーを含み、1つまたは複数のセンサーは、術中追跡データを得るように構成され、術中追跡データは、実質的にリアルタイムの患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、術中追跡データは、外科手術を支援するように構成される。
【0007】
一実施形態では、1つまたは複数の患者特異的スクリューは、外科ツールを用いて1つまたは複数の椎骨中に挿入されるように構成され、外科ツールは、1つまたは複数のセンサーを含み、1つまたは複数のセンサーは、術中追跡データを得るように構成され、術中追跡データは、実質的にリアルタイムの患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、術中追跡データは、外科手術を支援するように構成される。
【0008】
一実施形態では、脊椎の所望の手術出力弯曲は、1つまたは複数の予測術後パラメーターに少なくとも部分的に基づいて決定され、
システムは、
1つまたは複数の医用画像を解析して、UIL、LIL、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、または矢状面垂直軸術前値を含む、患者の脊椎に関連する1つまたは複数の術前変数を決定すること;および
予測モデルの適用に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の術後変数の予測値を生成することであって、予測モデルが、
1人または複数の以前の患者および1人または複数の以前の患者に採用された脊椎手術戦略から収集したデータを含む、電子データベースのデータセットにアクセスすること;
脊椎手術領域知識に基づいて、データセットを1つまたは複数のカテゴリーに分類すること;
データを第1のサブカテゴリーに規格化すること;
第1のサブカテゴリー中のデータに対するモデルアルゴリズムを選択すること;
第1のサブカテゴリーから第1セットの入力値をモデルアルゴリズムに入力して、第1のサブカテゴリーからの第1セットの出力値に基づいて予測モデルを訓練すること;
第2のサブカテゴリーからの第2セットの入力値を訓練した予測モデルに入力し、第2のサブカテゴリーからの第2セットの出力値で訓練した予測モデルにより生成された結果を比較すること;および
実施のために訓練した予測モデルを保存すること、
により生成される、予測値を生成すること、
により1つまたは複数の術後パラメーターの予測値を生成することをさらに実施させ、
術後パラメーターは、骨盤傾斜、腰部前弯、胸部後弯、または矢状面垂直軸の内の1つまたは複数を含む。
【0009】
一実施形態では、1つまたは複数の脊椎の医用画像は、矢状面X線像、正面X線像、屈曲X線像、伸張X線像、またはMRI像の内の1つまたは複数を含む。
【0010】
一実施形態では、1つまたは複数の医用画像は、1つまたは複数の二次元X線像を含み、システムは、1つまたは複数の二次元X線像を較正し、1つまたは複数の二次元X線像に基づいて、三次元合成画像を生成することをさらに実施させる。
【0011】
本発明はまた、1種または複数の患者特異的脊椎インプラントを開発するためのシステムに関し、該システムは、
複数のコンピューターにより実行可能な命令を記憶するように構成された1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置;および
1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置と通信し、複数のコンピューターにより実行可能な命令を実行し、システムに、
患者の脊椎の1つまたは複数の医用画像にアクセスすること;
1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節の前方長手方向靱帯の長さおよび目的の脊椎分節の後方長手方向靱帯の長さを決定すること;
1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節の前方弯曲部の長さおよび目的の脊椎分節の後方弯曲部の長さを決定すること;
1つまたは複数の医用画像に基づいて、
後方弯曲部が、後方長手方向靱帯の長さに実質的に一致するまたはそれを超えない長さまで、1つまたは複数のケージのそれぞれの後方高さを増大させること;および
前方長手方向靱帯より短い前方弯曲部の長さを維持している間に、1つまたは複数のケージのそれぞれの脊柱前湾を増大させること、
をさらに含む、目的の脊椎分節内の1つまたは複数の椎間腔への1つまたは複数のケージの埋め込みをシミュレートすること;
1つまたは複数のケージの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの、後方高さおよび前方高さを含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの決定した1つまたは複数の寸法に少なくとも部分的に基づいて、生成したケージ製造またはデータ選択命令に、少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のケージから作製または選択される、1つまたは複数の椎間腔用の1つまたは複数の患者特異的ケージを製造または選択するためのケージ製造または選択装置により使用するための、ケージ製造またはデータ選択命令を生成すること、
1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節内の各椎骨に対し、矢状面上のスクリュー挿入軸投影長さおよび椎体幅を決定すること;
目的の脊椎分節内の各椎骨に対する、所定の脊椎解剖学的データ、文献、または外科医の好みに少なくとも部分的に基づいて、スクリューが取り付けられるように構成される端板を基準にした埋め込みスクリューの想定または所定角形成、横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率、および椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率を決定すること;
矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、決定した椎体幅、横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、およびスクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の長さを生成すること;
矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、決定した椎体幅、および椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の直径を生成すること;および
決定した1つまたは複数の所望長さおよび所望直径に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のスクリューから、1つまたは複数の患者特異的スクリューを作製または選択するためのスクリュー製造または選択装置により使用するための、スクリュー製造またはデータ選択命令を生成させること、
を実施させるように構成された1つまたは複数のハードウェアコンピュータープロセッサーを含む。
【0012】
一実施形態では、1つまたは複数の患者特異的スクリューの内の少なくとも1つは、1つまたは複数のセンサーを含み、1つまたは複数のセンサーは、術中追跡データを得るように構成され、術中追跡データは、実質的にリアルタイムの患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、術中追跡データは、外科手術を支援するように構成される。
【0013】
一実施形態では、1つまたは複数の患者特異的スクリューは、外科ツールを用いて1つまたは複数の椎骨中に挿入されるように構成され、外科ツールは、1つまたは複数のセンサーを含み、1つまたは複数のセンサーは、術中追跡データを得るように構成され、術中追跡データは、実質的にリアルタイムの患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、術中追跡データは、外科手術を支援するように構成される。
【0014】
1.一実施形態では、システムは、
1つまたは複数の医用画像に基づいて、
目的の脊椎分節に沿った1つまたは複数の基準点を特定すること;および
特定した1つまたは複数の基準点の周りで1つまたは複数の医用画像の1つまたは複数の部分を回転させて、患者の脊椎の所望の手術出力弯曲を得ること、
をさらに含む、目的の脊椎分節への脊椎ロッドの埋め込みをシミュレートすること;
脊椎ロッドの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドの、直径および弯曲を含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
決定した1つまたは複数の患者特異的脊椎ロッドの寸法に少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドを作製または選択するための、脊椎ロッド製造または選択装置に使用するための脊椎ロッド製造またはデータ選択命令を生成すること、
をさらに実施させ、
目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドは、生成した脊椎ロッド製造またはデータ選択命令に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲の脊椎ロッドから作製または選択される。
【0015】
2.一実施形態では、脊椎の所望の手術出力弯曲は、1つまたは複数の予測術後パラメーターに少なくとも部分的に基づいて決定され、
システムは、
1つまたは複数の医用画像を解析して、UIL、LIL、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、または矢状面垂直軸術前値を含む、患者の脊椎に関連する1つまたは複数の術前変数を決定すること;および
予測モデルの適用に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の術後変数の予測値を生成することであって、予測モデルが、
1人または複数の以前の患者および1人または複数の以前の患者に採用された脊椎手術戦略から収集したデータを含む、電子データベースのデータセットにアクセスすること;
脊椎手術領域知識に基づいて、データセットを1つまたは複数のカテゴリーに分類すること;
データを第1のサブカテゴリーに規格化すること;
第1のサブカテゴリー中のデータに対するモデルアルゴリズムを選択すること;
第1のサブカテゴリーから第1セットの入力値をモデルアルゴリズムに入力して、第1のサブカテゴリーからの第1セットの出力値に基づいて予測モデルを訓練すること;
第2のサブカテゴリーからの第2セットの入力値を訓練した予測モデルに入力し、第2のサブカテゴリーからの第2セットの出力値で訓練した予測モデルにより生成された結果を比較すること;および
実施のために訓練した予測モデルを保存すること、により生成される、予測値を生成すること、
により1つまたは複数の術後パラメーターの予測値を生成することをさらに実施させ、
術後パラメーターは、骨盤傾斜、腰部前弯、胸部後弯、または矢状面垂直軸の内の1つまたは複数を含む。
【0016】
一実施形態では、1つまたは複数の脊椎の医用画像は、矢状面X線像、正面X線像、屈曲X線像、伸張X線像、またはMRI像の内の1つまたは複数を含む。
【0017】
一実施形態では、1つまたは複数の医用画像は、1つまたは複数の二次元X線像を含み、システムは、1つまたは複数の二次元X線像を較正し、1つまたは複数の二次元X線像に基づいて、三次元合成画像を生成することをさらに実施させる。
【0018】
本発明はまた、1種または複数の患者特異的脊椎インプラントを開発するためのシステムに関し、該システムは、
複数のコンピューターにより実行可能な命令を記憶するように構成された1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置;および
1つまたは複数のコンピューター可読記憶装置と通信し、複数のコンピューターにより実行可能な命令を実行し、システムに、
患者の脊椎の1つまたは複数の医用画像にアクセスすること;
1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節の1つまたは複数の椎間板のそれぞれの高さを決定すること;
目的の脊椎分節の1つまたは複数の椎間板のそれぞれに対し、目的の脊椎分節の総椎間板高さのパーセンテージとして椎間板高さおよび/または目的の脊椎分節の総椎間板角形成のパーセンテージとして椎間板角形成を決定すること;
目的の脊椎分節の1つまたは複数の椎間板のそれぞれの決定した椎間板高さパーセンテージおよび/または決定した椎間板角形成パーセンテージを、1つまたは複数の対応する無症候性集団の椎間板の所定の椎間板高さパーセンテージおよび/または所定の椎間板角形成パーセンテージと比較することにより分析することであって、1つまたは複数の対応する無症候性集団の椎間板の所定の椎間板高さパーセンテージおよび/または所定の椎間板角形成パーセンテージが定期的におよび/または継続的に更新される、分析すること;
1つまたは複数の医用画像に基づいて、目的の脊椎分節の1つまたは複数の椎間板のそれぞれの決定した椎間板高さパーセンテージおよび/または決定した椎間板角形成パーセンテージの、1つまたは複数の対応する無症候性集団の椎間板の所定の椎間板高さパーセンテージおよび/または所定の椎間板角形成パーセンテージとの比較に、少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のケージの目的の脊椎分節内の1つまたは複数の椎間腔への埋め込みをシミュレートすること;
1つまたは複数のケージの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの、後方高さおよび前方高さおよび/または角形成を含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
1つまたは複数の患者特異的ケージのそれぞれの決定した1つまたは複数の寸法に少なくとも部分的に基づいて、生成したケージ製造またはデータ選択命令に、少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のケージから作製または選択される、1つまたは複数の椎間腔用の1つまたは複数の患者特異的ケージを製造または選択するためのケージ製造または選択装置により使用するための、ケージ製造またはデータ選択命令を生成すること、
1つまたは複数の医用画像から、目的の脊椎分節内の各椎骨に対し、矢状面上のスクリュー挿入軸投影長さおよび椎体幅を決定すること;
目的の脊椎分節内の各椎骨に対する、所定の脊椎解剖学的データ、文献、または外科医の好みに少なくとも部分的に基づいて、スクリューが取り付けられるように構成される端板を基準にした埋め込みスクリューの想定または所定角形成、横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率、および椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率を決定すること;
矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、決定した椎体幅、横断面上の椎骨軸と椎弓根軸との間の想定または所定角度、およびスクリュー長さとスクリュー挿入軸長さとの間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の長さを生成すること;
矢状面上の決定したスクリュー挿入軸投影長さ、決定した椎体幅、および椎体幅と椎弓根幅との間の想定または所定比率に、少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節内の各椎骨中に挿入するための1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の所望の直径を生成すること;および
決定した1つまたは複数の所望長さおよび所望直径に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲のスクリューから、1つまたは複数の患者特異的スクリューを作製または選択するためのスクリュー製造または選択装置により使用するための、スクリュー製造またはデータ選択命令を生成させること、
を実施させるように構成された1つまたは複数のハードウェアコンピュータープロセッサーを含む。
【0019】
一実施形態では、1つまたは複数の患者特異的スクリューの内の少なくとも1つは、1つまたは複数のセンサーを含み、1つまたは複数のセンサーは、術中追跡データを得るように構成され、術中追跡データは、実質的にリアルタイムの患者の脊椎の一部の配向および位置データを含み、術中追跡データは、外科手術を支援するように構成される。
【0020】
一実施形態では、システムは、
1つまたは複数の医用画像に基づいて、
目的の脊椎分節に沿った1つまたは複数の基準点を特定すること;および
特定した1つまたは複数の基準点の周りで1つまたは複数の医用画像の1つまたは複数の部分を回転させて、患者の脊椎の所望の手術出力弯曲を得ること、
をさらに含む、目的の脊椎分節への脊椎ロッドの埋め込みをシミュレートすること;
脊椎ロッドの埋め込みのシミュレーションに少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドの、直径および弯曲を含む1つまたは複数の寸法を決定すること;
決定した1つまたは複数の患者特異的脊椎ロッドの寸法に少なくとも部分的に基づいて、目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドを作製または選択するための、脊椎ロッド製造または選択装置に使用するための脊椎ロッド製造またはデータ選択命令を生成すること、
をさらに実施させ、
目的の脊椎分節用の患者特異的脊椎ロッドは、生成した脊椎ロッド製造またはデータ選択命令に少なくとも部分的に基づいて、既存の範囲の脊椎ロッドから作製または選択される。
【0021】
3.一実施形態では、脊椎の所望の手術出力弯曲は、1つまたは複数の予測術後パラメーターに少なくとも部分的に基づいて決定され、
システムは、
1つまたは複数の医用画像を解析して、UIL、LIL、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、または矢状面垂直軸術前値を含む、患者の脊椎に関連する1つまたは複数の術前変数を決定すること;および
予測モデルの適用に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の術後変数の予測値を生成することであって、予測モデルが、
1人または複数の以前の患者および1人または複数の以前の患者に採用された脊椎手術戦略から収集したデータを含む、電子データベースのデータセットにアクセスすること;
脊椎手術領域知識に基づいて、データセットを1つまたは複数のカテゴリーに分類すること;
データを第1のサブカテゴリーに規格化すること;
第1のサブカテゴリー中のデータに対するモデルアルゴリズムを選択すること;
第1のサブカテゴリーから第1セットの入力値をモデルアルゴリズムに入力して、第1のサブカテゴリーからの第1セットの出力値に基づいて予測モデルを訓練すること;
第2のサブカテゴリーからの第2セットの入力値を訓練した予測モデルに入力し、第2のサブカテゴリーからの第2セットの出力値で訓練した予測モデルにより生成された結果を比較すること;および
実施のために訓練した予測モデルを保存すること、
により生成される、予測値を生成すること、
により1つまたは複数の術後パラメーターの予測値を生成することをさらに実施させ、
術後パラメーターは、骨盤傾斜、腰部前弯、胸部後弯、または矢状面垂直軸の内の1つまたは複数を含む。
【0022】
一実施形態では、1つまたは複数の脊椎の医用画像は、矢状面X線像、正面X線像、屈曲X線像、伸張X線像、またはMRI像の内の1つまたは複数を含む。
【0023】
一実施形態では、1つまたは複数の医用画像は、1つまたは複数の二次元X線像を含み、システムは、1つまたは複数の二次元X線像を較正し、1つまたは複数の二次元X線像に基づいて、三次元合成画像を生成することをさらに実施させる。
【0024】
本概要のために、本発明の実施形態の特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書で記載されている。このような利点の全てが、本発明のいずれかの特定の実施形態によって必ずしも達成されなくてもよいことは理解されたい。従って、例えば、当業者なら、本明細書で教示、または示唆され得る他の利点を達成することを必ずしも必要とせずに、本明細書で教示される1つの利点または一群の利点を達成するように、本発明を実施または実行し得ることが分かるであろう。
【0025】
これらの実施形態は全て、本明細書で開示の本発明の範囲に含まれることが意図されている。これらおよび他の実施形態は、添付図面に言及する以下の詳細説明から当業者には容易に明らかになると思われ、また、本発明は、いずれかの特定の開示実施形態に限定されるものではない。
【0026】
本明細書で記載の装置および方法は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより、さらに良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するための反復好循環の例示的実施形態の概要を示すフローチャートである。
図2】患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するための術前画像解析および/または症例シミュレーションの例示的実施形態を示すフローチャートである。
図3】患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するためのインプラント作製、症例支援、および/またはデータ収集の例示的実施形態を示すフローチャートである。
図4】患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するためのデータ収集、機械学習、および/または予測モデリングの例示的実施形態を示すフローチャートである。
図5】患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するための症例シミュレーション送付の例示的実施形態を示す。
図6】患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するための症例シミュレーション送付の例示的実施形態を示す。
図7A】患者特異的脊椎治療、手術、および手順のためのシステム、装置、および方法の特定の実施形態を用いて作製および/または選択できる脊椎ロッドの例示的実施形態を示す。
図7B】患者特異的脊椎治療、手術、および手順のためのシステム、装置、および方法の特定の実施形態を用いて作製および/または選択できる脊椎ロッドの例示的実施形態を示す。
図7C】患者特異的脊椎治療、手術、および手順のためのシステム、装置、および方法の特定の実施形態を用いて作製および/または選択できるケージの例示的実施形態を示す。
図7D】患者特異的脊椎治療、手術、および手順のためのシステム、装置、および方法の特定の実施形態を用いて作製および/または選択できるスクリューの例示的実施形態を示す。
図8】ケージおよび/またはスクリュー設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。
図9A】ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。
図9B】ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す。
図9C】ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す。
図10A】ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。
図10B】ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す。
図10C】ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す。
図11A】ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。
図11B】ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す概略図である。
図12A】スクリュー設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。
図12B】スクリュー設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態の特定の態様を示す概略図である。
図13A】術中追跡の例示的実施形態を示す概略図である。
図13B】術中追跡に使用できるスクリューおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図13C】術中追跡に使用できるスクリューおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図13D】術中追跡に使用できるスクリューおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図13E】術中追跡に使用できるスクリューおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
【0028】
術中追跡に使用できるスクリューおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図13G】術中追跡に使用できるスクリューおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図14A】術中追跡に使用できるツールおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図14B】術中追跡に使用できるツールおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図14C】術中追跡に使用できるツールおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図14D】術中追跡に使用できるツールおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図14E】術中追跡に使用できるツールおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。
図15】予測モデリングの例示的実施形態を示すフローチャートである。
図16】患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するためのシステムの実施形態を示す概略図である。
図17】患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するためのシステムの1つまたは複数の実施形態を実施するためのソフトウェアを実行するように構成されたコンピューターハードウェアシステムの実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
いくつかの実施形態、実施例、および説明図が以下で開示されるが、当業者なら、本明細書で記載の本発明は、具体的に開示された実施形態、実施例および説明図を超えて広がり、本発明の他の使用および明らかな修正物および等価物を含むことを理解するであろう。本発明の実施形態は、添付図面に言及しながら説明され、この添付図では、全体を通して、類似の数字は、類似の要素を意味する。本明細書で提供される説明に使用される用語は、本発明の特定の具体的実施形態の詳細説明に関連して使用されるという単純な理由から、何らかに限定されたまたは制限されたように解釈されることを意図するものではない。さらに、本発明の実施形態は、いくつかの新規特徴を含み、ただ1つの特徴のみがその望ましい属性に関与するまたは本明細書で記載の本発明の実施に不可欠であると言うことはない。
【0030】
脊椎手術は、世界中で最もよく実施される外科手術の1つである。一般的に言って、脊椎手術は、患者の脊椎の弯曲を矯正し、さらなる悪化を防止するための、脊椎ロッド、ケージおよび/または1つまたは複数のスクリューなどの1つまたは複数のインプラントの埋め込みを伴い得る。従って、1つまたは複数の脊椎インプラントと患者の解剖学的形態との間の対応は、手術に成功するための重要な因子であり得る。特に、1つまたは複数の脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューの個々の弯曲、寸法、形状および/またはサイズは、成功した手術結果を得るためには、非常に重要である。
【0031】
本明細書で記載の種々の実施形態は、患者特異的な脊椎治療、手術、および手順を開発するためのシステム、方法、および装置に関する。いくつかの実施形態では、患者特異的脊椎治療、手術および手順の開発のための本明細書で記載のシステム、方法、および装置は、反復好循環を含み得る。反復好循環は、術前、術中、および手術後技術または工程をさらに含み得る。例えば、反復好循環は、画像解析、症例シミュレーション、インプラント作製、症例支援、データ収集、機械学習、および/または予測モデリングを含み得る。反復好循環の1つまたは複数の技術または工程は、反復し得る。
【0032】
特に、望ましい手術結果は、それぞれの患者にとって特有であり得る。例えば、患者の脊椎の現在の状態に基づいて、特定の方法および/または特定の程度で個々の患者の脊椎が矯正されるべきであるということは、過去のデータ、経験、および/または文献から知ることができる。さらには、このような矯正結果を得るために、個々の患者に特異的な1つまたは複数のインプラントに関する具体的寸法および/またはその他の変数を設計、生成する、および/または別の方法で構築することが好都合な場合がある。例えば、特定の患者に埋め込むために、1つまたは複数の脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューに対し、1つまたは複数の望ましい変数および/またはパラメーターが存在し得る。従って、本明細書で記載の特定のシステム、装置、および方法は、患者の1つまたは複数の医用画像を利用して構成され、それらを分析して、埋め込み用の1つまたは複数の脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューの1つまたは複数の所望パラメーターおよび/または変数が決定される。決定した1つまたは複数の所望パラメーターおよび/または変数に基づいて、本明細書で記載の特定のシステム、装置、および方法は、個々の患者に対して特異的にカスタマイズされている1つまたは複数の脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューを、製造、作製、修正、および/または選択する命令を選択するためのガイダンスを製造、作製、修正、選択、提供する、および/または命令を生成するようにさらに構成され得る。
【0033】
理想的または所望脊椎インプラントの設計、作製、および/または別の方法での取得に加えて、所望および/または所定の手術計画に従ってこのようなインプラントが適切に埋め込まれることは、より重要とは言わないまでも、同様に重要であり得る。換言すれば、特定の患者に対する1つまたは複数の脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューが作製、選択、または別の方法で入手されたとしても、埋め込みまたはその他の外科手術が所望または所定の計画に従って行われない場合には、その効果は限定的となり得る。従って、手術またはその手順が所望通り実施される機会を保証するまたは少なくともそのような機会を増やすことができることは、有利であり得る。このような効果のために、本明細書で記載の特定のシステム、装置、および方法は、脊椎手術中のガイダンスおよび/または性能評価を可能とする術中追跡を提供する。
【0034】
さらに、全ての患者は異なり、特有の脊椎状態を有し得るが、いくつかの脊椎状態は、他のものよりも類似性が高い。また、特定の患者の脊椎状態の個別の特性は、その他のものよりも類似性が高い場合がある。従って、新機患者の脊椎手術の結果を予測するために、術前および/または術後の特定の患者の脊椎状態に関してデータを分析、およびそれらを利用できることは、有利であり得る。予測分析も患者特異的手術計画の生成に使用でき、これは、1つまたは複数の脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューのための、1つまたは複数のパラメーターおよび/または変数を含み得る。したがって、本明細書で開示の特定のシステム、方法、および装置は、予測モデリングを利用して予測手術結果および/または患者特異的手術計画を生成するように構成される。
【0035】
反復好循環
図1は、患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するための反復好循環の例示的実施形態の概要を示すフローチャートである。図1に図示されているように、システム、方法、および装置のいくつかの実施形態は、反復好循環を形成できる1つまたは複数の工程を含む。例えば、反復好循環は、次記の内の1つまたは複数を含み得る:(1)画像解析;(2)症例シミュレーション;(3)インプラント作製;(4)症例支援;(5)データ収集;(6)機械学習;および/または(7)予測モデリング。実施形態は、上述の工程の任意のサブセットを含み得る。さらに、反復好循環の1つまたは複数の工程または技術は反復できる。
【0036】
反復好循環の特定の工程または技術は、異なる時点で実施できる。例えば、画像解析、症例シミュレーション、および/またはインプラント作製は、術前に実施できる。症例支援および/またはデータ収集は、手術中または術内で実施し得る。最後に、いくつかのデータ収集、機械学習、および/または予測モデリングを術後に実施できる。特定の実施形態では、全体の反復好循環および/またはその一部は、同じ患者および/または異なる患者に対して反復できる。
【0037】
図2は、患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するための術前画像解析および症例シミュレーションの例示的実施形態を示すフローチャートである。画像解析は、1つまたは複数の医用画像の解析に関連付けることができる。例えば、1つまたは複数の、正面X線像および矢状面X線像などの患者のX線像を解析し得る。他の実施形態では、1つまたは複数の医用画像は、MRIスキャン、他のX線像、CTスキャン、および/または任意の他の医用画像を含み得る。1つまたは複数の医用画像の解析は、1つまたは複数の医用画像上へのオーバーレイとして、1つまたは複数のロッド設計を描画することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、個々の弯曲を有する1つまたは複数のロッドは、1つまたは複数のX線像の上にオーバーレイとして描画できる。
【0038】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、医療撮像システムは、ブロック202で患者の1つまたは複数の医用画像を得るおよび/またはそれにアクセスするように構成できる。1つまたは複数の医用画像は、二次元および/または三次元であり得る。1つまたは複数の医用画像は、患者の脊椎の矢状面X線、正面X線、屈曲X線、伸張X線、CTスキャン、および/またはMRIスキャンであり得る。医療施設クライアントシステムは、患者特異的脊椎治療、手術、および/または手順を開発することを目的として、メインサーバーシステムへ出力するために1つまたは複数の医用画像にアクセスおよび/またはそれを入手するように構成できる。
【0039】
ブロック204では、メインサーバーシステムは、医療施設クライアントシステムからの1つまたは複数の医用画像を受け取るおよび/またはアクセスするように構成できる。いくつかの実施形態では、例えば、1つまたは複数の医用画像は、インターネットを介して電子的に送信できる。他の実施形態では、1つまたは複数の医用画像は、メインサーバーシステムにオフラインで、例えば、携帯型電子的記憶媒体や画像フィルムなどを介して入力できる。
【0040】
CTおよび/またはMRIスキャンが利用される実施形態では、脊椎の完全な三次元再構築をCTおよび/またはMRIスキャンそれ自体から直接に得ることが可能である。これは、医用画像から1つまたは複数のパラメーターおよび/または変数を決定して適切なおよび/または所望の患者に特異的な脊椎治療、手術、および/または手順を生成するなどの、さらなる解析に有用であり得る。しかし、CTまたはMRIスキャンは、このような方式の追加の費用および一般的利用可能性のために、全ての患者に利用できない。
【0041】
むしろ、いくつかの実施形態では、システムは、患者に特異的な適切なおよび/または所望脊椎治療、手術、および/または手順を生成するために、より広く利用できる1つまたは複数のX線像を利用して、1つまたは複数のパラメーターおよび/または変数を決定するように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、矢状面図、正面図、屈曲、および/または伸張像などの、1つまたは複数の二次元X線像を、別々に、および/またはさらなる解析のために組み合わせて解析し、例えば、1つまたは複数のパラメーターおよび/または変数を決定するように構成される。特定の実施形態では、システムは、上記で記載のものなどの1つまたは複数の二次元X線像を組み合わせて、さらなる解析のための脊椎の三次元再構築物を得るように構成できる。例えば、システムは、屈曲状態および/または伸張状態のために、正面X線図および矢状面X線図を組み合わせるように構成できる。他の実施形態では、システムは、1つまたは複数のX線、MRI、および/またはCT像の組み合わせを利用するように構成できる。
【0042】
複数の医用画像を効率的に利用するために、システムは、複数の医用画像をブロック206で較正するように構成できる。より具体的には、複数の医用画像中の共通の基準点を特定し、較正および解析に使用することができる。システムは、自動的におよび/または使用者のマニュアル入力で複数の医用画像中で共通の基準点を特定するように構成できる。例えば、仙骨端板または椎骨の中心点は、複数の医用画像の共通の基準点として特定できる。特に、正面X線像および矢状面X線像の仙椎の中心点を特定できる。
【0043】
さらに、特定の実施形態では、複数の医用画像は、複数の画像間で一致させるために拡大縮小できる。較正工程は、複数のX線像中の患者の脊椎の共通部分、一部、および/または形状を特定し、このような共通性に基づいて、複数のX線像の内の1つまたは複数のスケールを調節することを含む。例えば、L3プレート長さが共通の特徴として選択される場合、L3の長さは、複数のX線像のそれぞれに対し測定でき、X線像をこのような長さに適合させるために拡大縮小できる。
【0044】
較正工程または技術は、完全にまたは部分的に自動化できる。いくつかの実施形態では、較正および/または調節工程は、結腸脊椎を抽出することにより、および/または例えば、中心プレートを測定することにより自動化することができる。複数の医用画像を較正後、システムは、さらなる解析のために、ブロック208で合成三次元画像を生成するように構成できる。他の実施形態では、単一医用画像またはスキャンが使用され、それにより、較正は何ら必要ない。
【0045】
システムは、ブロック210で、1つまたは複数の医用画像を解析するように構成できる。画像解析は、1つまたは複数の端板を特定すること、1つまたは複数の端板間の距離および/または弯曲を特定すること、1つまたは複数の端板間に1つまたは複数のラインを描画すること、などを含み得る。1つまたは複数のパラメーターは、システムにより自動的に、および/またはマニュアル入力により得ることができる。加えて、画像解析は、1つまたは複数の医用画像を、例えば、その1つまたは複数の部分を、例えば、特定された基準点および/または軸の周りで、回転して、脊椎の所望手術結果を模倣することにより、修正することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の画像解析工程は、1つまたは複数の医用画像の1つまたは複数の部分の回転などの画像修正の前におよび/またはその後で実施できる。
【0046】
1つまたは複数の医用画像の解析は、外科医、文献および/またはシステムの以前に採取したデータベースにより特定されるパラメーターおよび/または変数などの多くの因子に依存し得る。したがって、図2に示すように、システムは、ブロック210で、1つまたは複数の医用画像の解析時に、1つまたは複数の外科医データベース212、文献データベース214、計画データベース216、および/または手術データベース218と通信するように構成できる。外科医データベース212、文献データベース214、計画データベース216、および/または手術データベース218のそれぞれまたは全ては、継続的におよび/または定期的に更新されるように構成できる。
【0047】
外科医データベース212は、個々の外科医の好み、例えば、特定の外科手術または特定の外科医が定期的に利用するまたは好む選択、およびこのような外科医の好みに適合するのに必要になり得る特定の脊椎パラメーター、を含み得る。このような決定に基づいて、システムは、例えば、特定の外科医の好みに適合する1つまたは複数の医用画像を解析するように構成できる。
【0048】
文献データベース214は、1つまたは複数の、例えば、脊椎手術に関連する医学文献を含み得る。医学研究は進展しているので、脊椎の追加のパラメーターが手術計画において役立つものとして特定できる。さらに、より多くの実在の患者データが役立つようになり、これには、術前および/または術後データが含まれ得る。従って、特定の実施形態では、文献データベース214は、システムが1つまたは複数の医用画像の解析に利用できる脊椎の特定のパラメーター、変数、および/または追加のデータを特定するためにシステムにより使用できる。
【0049】
計画データベース216および/または手術データベース218は、システムの内部データを含み得る。換言すれば、計画データベース216は、システムにより開発された1つまたは複数の以前の脊椎手術計画に関連するデータを含み得る。同様に、手術データベース218は、システムを利用して実施された手術を含む、以前に実施された実際の脊椎手術に関連するデータを含み得る。以前に計画されたおよび/または実施された脊椎手術に関連するこのようなデータはまた、システムが、1つまたは複数の医用画像の解析の一部として特定および/または決定するためのパラメーターを与えるまたは特定することができる。
【0050】
画像解析後、手術計画は、ブロック220での症例シミュレーションの一部として実施できる。手術計画は、例えば、1つまたは複数の医用画像の解析に基づいて特定の患者のために使用される、1つまたは複数の脊椎ロッド、スクリュー、および/またはケージの設計、作製、修正、および/または選択を含み得る。より具体的には、特定の実施形態では、システムにより生成された手術計画は、脊椎ロッド、スクリュー、および/またはケージなどのインプラントの長さ、直径、弯曲、角形成、および/またはその他の寸法の1つまたは複数を含み得る。例えば、システムは、1つまたは複数の医用画像上へのオーバーレイとして、特定の弯曲の脊椎ロッドを描画する、および/または使用者にその脊椎ロッドを描画させるように構成できる。特に、いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の医用画像上の脊椎の上にスプラインを描画し、描画された脊椎の全体的測定値を得るように構成できる。システムはまた、解析のために、それぞれの椎骨の角などのローカルデータを得るように構成できる。特定の実施形態では、システムは、1つまたは複数の脊椎スクリューの範囲、谷底および/または直径の設計および/または選択を含む手術計画を生成するように構成できる。さらに、特定の実施形態では、生成された手術計画は、錐体装置またはケージなどの特定のインプラントの設計、形状、サイズ、材料、などを含み得る。
【0051】
画像解析と同様に、システムは、手術計画の実施時に、1つまたは複数の外科医データベース212、文献データベース214、計画データベース216、および/または手術データベース218と通信するように構成できる。例えば、システムは、外科医特異的好みを計画中に斟酌するように構成できる。システムはまた、医学文献を考慮するようにも構成できる。システムはまた、以前に決定し、実施した手術計画および手術を含むその内部データベースを考慮するようにも構成できる。システムは、類似であり得るこのシステムおよび/または他のシステムを利用して実施した1つまたは複数の以前の脊椎手術を特定し、年齢、変形の重症度、骨強度または密度、などに基づいて、現在の患者の症例に対するガイダンスを提供するように構成できる。システムは、1つまたは複数のデータベースの中を見て、以前に実施された類似の症例を特定し、これらの症例で以前に使用された手術戦略を特定し、計画を支援する結果を特定するように構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、スクリューおよび/またはケージの位置の軌道および/または挿入深さを考慮できる。より具体的には、1つまたは複数の以前の手術からのスクリューの軌道および/または挿入深さを、現在の手術に対する所望スクリュー長さ、軌道、および/または挿入深さを決定する際の入力として用いることができる。いくつかの実施形態では、システムは、以前の収集データに基づいて、脊椎ロッド、スクリュー、またはケージのための推奨インプラント設計、位置決め、および/または材料を決定するように構成できる。例えば、以前の収集データは、患者の特定の臨床成績および/または骨品質および/または年齢を含む特定の症例から選択し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、生成した手術計画は、ロッド径、材料、長さ、弯曲、などを含む、特定の患者に対する脊椎ロッドの特定の設計および/または弯曲を含み得る。例えば、上部椎骨に対しては、システムは、頚椎胸椎ロッドの使用を推奨し得る。いくつかの実施形態では、1個のみの計画が設計され、外科医に提供される。他の実施形態では、2つ以上の計画を設計でき、最終決定のために外科医に提供される。例えば、単一の患者の単一セットの医用画像に対し、システムにより開発された手術計画の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、および/または10個の計画を含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、3つの計画を策定し、外科医に提供するように構成できる。例えば、システムは、外科医入力戦略および/または目的に基づいて第1の計画を提供するように構成できる。システムにより生成される第2の計画は、純粋に科学文献に基づくことができ、第3の計画は、システムにより以前に計画された手術の内部データに基づくことができる。特に、以前の収集データを解析して、どの戦略または計画が、類似の患者に対する角形成測定値などの臨床転帰に基づいて、例えば、90%超の高い成功率を有したかを判定することができる。システムは、単一患者に対し開発された1つまたは複数の計画の間で外科医からの選択を受けるようにさらに構成できる。換言すれば、システムは、単一患者に対し、複数の代替手術計画を生成するように構成できる。
【0053】
いくつかの実施形態では、システムは、患者特異的脊椎治療、手術、および手順の開発の一部として、例えば、外科医に、症例シミュレーションガイダンスを提供するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、以前にシステムに入力されている外科医の戦略および/または目的に基づいて、1つまたは複数の手術計画を生成するように構成できる。追加でまたは代わりに、手術計画設計は、例えば、科学文献および/または以前の手術からの他のデータに基づくデータ駆動型であり得る。科学文献は、10~20人、またはそれを超える外科医由来のものであり得、および/または継続的におよび/または定期的に更新され得る。科学文献はまた、システムにより生成された以前の症例から収集した内部データにも基づき得る。システムはまた、いくつかの実施形態では、以前の内部データおよび/または科学文献に基づいて、その手術計画を継続的に改善するために、機械学習も利用し得る。手術計画はまた、ビッグデータにも基づき得、1つまたは複数のビッグデータ処理技術を利用し得る。
【0054】
脊椎再編成の目的には、例えば、外科医入力ガイドライン、胸部後弯矯正、加齢性目的、および/または座位周りのさらなる理論を含み得る。例えば、脊椎の成長は、より若年の患者に対する計画段階において考慮できる。さらに、患者の外科的バランスは、患者の年齢に依存する場合がある。システムの症例シミュレーション能力には、外科医入力ガイドラインおよび/または戦略、スミス・ピーターセン骨切り術(SPO)に基づく戦略、経椎弓根的楔状骨切り術(PSO)およびSPOに基づく戦略、ケージに基づく戦略、および/またはケージおよびSPOに基づく戦略、および/または上記の任意の組み合わせを含み得る。追加のシミュレーションは、脊椎すべり症矯正、胸部領域の代償機構、および/または要求に応じたおよび/または必要に応じた圧縮/伸延を含み得る。外科医入力のいくつかの例には、脊椎手術のタイプ、特定の部分へのスクリューの挿入、一定レベルでのPSOの実施、一定レベルでのSPOの実施、特定の部分でのケージの挿入、などが含まれる。
【0055】
いくつかの実施形態では、システムにより生成された手術計画は、1つまたは複数の術前画像および/または手術計画画像を含み得る。図5および6は、患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するための症例シミュレーション送付の例示的実施形態を示す。計画工程の一部として、図5および6に示すように、システムは、1つまたは複数の計画画像を作製するように構成でき、それには、脊椎ロッド、1つまたは複数のスクリュー、および/または1つまたは複数のケージを、1つまたは複数の修正または解析された術前画像の上に示すことができる。例えば、計画工程の一部として、システムは、医用画像を1つまたは複数の部分に分割し、このような部分を相互に回転して、術後結果または目的の描写を得るように構成できる。特定の実施形態では、システムは、各椎骨を特定し、それを回転して術後の推定結果または脊椎の弯曲を得るように構成される。各椎骨および/または1つまたは複数の椎骨を含み得る医用画像の1つまたは複数の部分の回転は、以前に採取したデータに基づいてデータ駆動型であり得、および/または特定の実施形態では、自動化され得る。脊椎ロッドのオーバーレイを、このような計画画像上に付加して、手術計画の目に見える描写を得ることができる。
【0056】
手術計画はまた、1つまたは複数の術前および/または計画した、骨盤傾斜(PT)、骨盤形態(PT)、仙骨傾斜角(SS)、腰部前弯(LL)、PI-LL、胸部後弯(TK)、T1骨盤角度、および/または矢状面垂直軸(SVA)などの脊柱骨盤パラメーターを含み得る。手術計画はまた、1つまたは複数の頸部パラメーター、手術ステップ、スクリュー、および/またはロッドタイプなどのインプラント要件を含み得る。
【0057】
図2に戻ると、システムは、生成された1つまたは複数の手術計画を電子的に送信するかまたは別の方法で使用者が1つまたは複数の手術計画を見るまたはアクセスすることを可能とするように構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、使用者アクセスポイントシステムは、ブロック222で、1つまたは複数の手術計画および/またはそのステップを受け取るように構成できる。使用者アクセスポイントシステムは、パーソナルコンピューター(PC)、スマートフォン、タブレットPC、または1人または複数の医療関係者により使用されるいずれか他の電子デバイスであり得る。1つまたは複数の生成された計画は、電子メール、アプリケーションメッセージまたは通知などにより、1人または複数の医療関係者に送付できる。
【0058】
使用者アクセスポイントシステムは、ブロック224で、1つまたは複数の手術計画および/またはそのステップを表示するように構成できる。いくつかの実施形態では、実際の手術計画のPDFまたは他の見ることができるコピーを、見るために、使用者アクセスポイントシステムに送ることができる。例えば、図5は、電子メールなどの1つまたは複数の電子通信方法により医療関係者に送付され得るPDFメモの形の手術計画の例を示す。他の実施形態では、医療関係者または使用者アクセスポイントシステムにリンクを送信できる。リンクを有効にすることにより、使用者アクセスポイントシステムは、1つまたは複数の生成された手術計画を、例えば、ウェブページまたはアプリケーションページ上に表示するように構成できる。例えば、図6は、システムにより1人または複数の医療関係者が見ることができるウェブページまたはアプリケーションページなどのシステムプラットフォーム手術計画例を示す。
【0059】
上記で簡単に考察したように、単一手術計画は、PSO、SPO、ケージ挿入、および/またはスクリュー挿入などの1つまたは複数のステップを含み得る。計画の各ステップは、術前状態から出発した特定の外科手術および/または結果に関連し得る。例えば、手術計画は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれを超えるステップを含み得る。手術計画の全ステップは、システムにより使用者に見えるようにすることができる。いくつかの実施形態では、システムおよび/または使用者アクセスポイントシステムは、使用者が1つまたは複数のステップを、例えば、順に「無効にする」ことを可能にする。他の実施形態では、システムは、実質的に術前状態をみるために、使用者が計画の全てのステップを1度に「無効にする」ことを可能にする。
【0060】
いくつかの実施形態では、画像解析、症例シミュレーション、および/または手術計画は、1つまたは複数の三次元医用画像を利用して、三次元計画を生成することができる。特定の実施形態では、1つまたは複数の二次元医用画像を組み合わせて、または別の方法で利用して、三次元計画を生成できる。例えば、矢状面および/または正面図などの異なる視野からの1つまたは複数のX線像を組み合わせて、三次元合成画像を生成することができ、これは、次に、三次元手術計画を生成するために利用できる。より具体的には、いくつかの実施形態では、上記で考察した1つまたは複数の拡大縮小方法を用いて正面X線像および矢状面X線像を組み合わせて、拡大縮小および/または調整の後で合成三次元画像を形成することができる。いくつかの実施形態では、生成された三次元計画を使って、三次元の脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューなどの1つまたは複数の患者特異的脊椎インプラントのための1つまたは複数の所望パラメーターおよび/または変数を決定できる。
【0061】
本明細書で記載のシステム、方法、および装置を用いて、ケージなどの他の患者特異的インプラントも同様に設計、選択、および/または作製できる。特に、CTスキャンおよび/または三次元印刷を利用して、患者特異的ケージの設計、選択、および/または作製を行うことができる。本明細書で記載の合成X線像に関する1つまたは複数の特徴または技法はまた、患者特異的ケージの開発にも使用できる。EOS X線イメージングシステムはまた、任意の本明細書の実施形態と関連して使用できる。
【0062】
図2に戻ると、いくつかの実施形態では、使用者アクセスポイントシステムは、ブロック226で、生成された1つまたは複数の計画に関して1人または複数の医療関係者から入力を受けるように構成できる。例えば、1人または複数の医療関係者は、システムにより開発された複数の手術計画の1つを選択および/または検証し得る。加えて、および/または代わりに、1人または複数の医療関係者は、例えば、コメントを挿入することおよび/または特定のパラメーターおよび/または変数を変更することにより、特定の手術計画が修正されることを要求し得る。使用者アクセスポイントシステムは、このような入力をメインサーバーシステムにリレーまたは送信するように構成でき、これは、ブロック228で、1人または複数の医療関係者から受け取った入力に基づいて、1つまたは複数の手術計画を修正するようにさらに構成できる。ブロック230で、システムは、使用者アクセスポイントシステムを介して、外科医などの1人または複数の医療関係者に最終手術計画を提示するように構成できる。
【0063】
その後、特定の実施形態では、システムは、例えば、既存の在庫から、埋め込みのための、1つまたは複数の患者特異的脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューを作製、修正、および/または選択するように構成できる。例えば、システムは、手術の前に、曲げ得るまたは特定の患者に別の点で望ましいおよび/または特異的であり得る、1つまたは複数の脊椎ロッドを作製、修正、および/または選択するように構成できる。1つまたは複数の脊椎ロッドは、低侵襲手術(MIS)で使用されるように構成できる。特定の実施形態では、追加された利益は、患者による照射を最小化するために、手術中のリアルタイムX線が最小化または全体で使用されないようにできる。さらに、いくつかの実施形態では、システムは、手術の前に、特定の患者に望ましいおよび/または別の点で特異的な1つまたは複数のケージおよび/またはスクリューを作製、修正、および/または選択するように構成できる。
【0064】
図3は、患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するためのインプラント作製、症例支援、およびデータ収集の例示的実施形態を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、インプラント作製および/または選択施設のコンピューティングシステムは、ブロック302で、例えば、インターネットまたは携帯型電子記憶媒体を経由して最終手術計画または複数の手術計画にアクセスおよび/またはそれを受け取るように構成できる。インプラント作製施設は、ブロック304で、外科手術のために、1つまたは複数の部品を作製、修正、および/または選択するように構成できる。例えば、インプラント作製施設は、手術計画に指定された規格値および/または材料に基づいて、脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューを作製するように構成できる。同様に、インプラント作製施設は、1つまたは複数の手術計画に指定された規格値および/または材料に基づいて、1つまたは複数の予め作製した脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューを選択および/または修正するように構成できる。
【0065】
いくつかの実施形態では、脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューは、1つまたは複数の異なった材料から作製できる。特定の患者特異的ロッド、スクリュー、および/またはケージに対し使用されるべき特定の材料は、データに依存し得る、および/または外科医により選択できる。特定の材料はまた、特に、とりわけ特定の患者の身長、体重、年齢、骨密度、および/または骨強度に依存し得る。
【0066】
図7Aおよび7Bは、患者特異的脊椎治療、手術、および手順のためのシステム、装置、および方法の特定の実施形態を用いて、例えば、既存の範囲の脊椎ロッドから作製および/または選択できる脊椎ロッドの例示的実施形態を示す。いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の胸腰椎、頸胸ロッド、MISロッド、および/または3Dベントロッドを設計、選択、および/または作製するように構成できる。特定の実施形態では、脊椎ロッドは、チタン、コバルト-クロム合金、および/または任意のその他の材料から作製できる。
【0067】
上記で考察したように、いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の方向に曲げられるロッドを作製、選択、および/または修正するように構成できる。通常、外科医が、手術前にまたは手術中にツールを使ってロッドを、2つ以上の方向は言わずもがな、1つの方向でさえ曲げることは、不可能ではないにしても、困難であり得る。対照的に、二次元X線像および/または三次元医用画像の合成を利用することにより、システムは、例えば、横方向に加えて矢状面方向の2つ以上の方向に曲げられているまたは弯曲しているロッドを作製、および/または既存の在庫から選択するように構成できる。
【0068】
図7Cは、患者特異的脊椎治療、手術、および手順のためのシステム、装置、および方法の特定の実施形態を用いて作製および/または例えば、既存の範囲のケージから選択できるケージの例示的実施形態を示す。図7Dは、患者特異的脊椎治療、手術、および手順のためのシステム、装置、および方法の特定の実施形態を用いて作製および/または例えば、既存の範囲のスクリューから選択できるスクリューの例示的実施形態を示す。
【0069】
図3に戻ると、1人または複数の医療関係者は、ブロック306で、埋め込みのための、ブロック304の手術計画に基づいてインプラント作製施設により作製、修正および/または選択された、脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューなどの1つまたは複数のインプラントから選択できる。
【0070】
いくつかの実施形態では、1人または複数の医療関係者は、ブロック308で術中追跡のために、1つまたは複数のセンサーを取り付け、および/または有効化することができる。1つまたは複数のセンサーは、患者の椎骨に取り付けるために、1つまたは複数のスクリューおよび/またはナットに配置でき、および/または同じ椎骨に取り付けるためのツールに配置できる。特定の実施形態で使用できる1つまたは複数のセンサーは、以下でより詳細に考察される。いくつかの実施形態では、脊椎手術のために、センサーが全ての椎骨中に配置され得る、または全ての椎骨に取り付けられ得る。これは、正確なデータを得るために有利であり得る。しかし、これは、いくつかの状況では、データのサイズのために、望ましくない場合もある。例えば、椎骨の角度が最も重要なパラメーターの1つであり得る場合、大量の不必要なデータが収集され得る。従って、センサーは、脊椎の有用な位置および/または角度データを得ることができるサブセットの椎骨にのみ取り付けられ得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、システムは、画像処理技術に依存する代わりに、例えば、術中追跡を得るために、埋め込まれたスクリューが端板に平行になることを仮定して、椎骨中に埋め込まれた1つまたは複数のスクリューの内側に、またはそれに取り付けられた1つまたは複数のセンサーから収集されたデータを利用するように構成できる。換言すれば、矢状面中のスクリューの角形成は、椎骨角形成と等しいまたは実質的に等しいと仮定できる。いくつかの実施形態では、スクリューの頂部は、能動または受動センサーを含むことができる。いくつかの実施形態では、頂部は、手術中に後で切り離すことができ、それにより、センサーを再利用できる。1つまたは複数のセンサーを含む1つまたは複数のスクリューを、全ての椎骨またはそのサブセット中に挿入できる。例えば、いくつかの実施形態では、センサーは、全ての20個の椎骨に取り付けることができる。他の実施形態では、センサーは、そのサブセットのみに、例えば、2つ以上のセンサーを上部腰椎に取り付け、および/または2つ以上のセンサーを下部椎骨に取り付けることができる。その後、センサーは、リアルタイム、準リアルタイムおよび/または実質的にリアルタイムでの並進および回転で6つの自由度(または9つの自由度)の椎骨の位置および/または角度または配向に関連するデータを得るために利用できる。1つまたは複数のセンサーにより収集された生データを、コンピューターシステムに送信して、生データを1つまたは複数の椎骨の追跡位置および/または配向に変換し、例えば、脊椎弯曲および/または外科的矯正を決定するのを支援できる。
【0072】
リアルタイム、準リアルタイム、および/または実質的に術中追跡または監視に基づいて、システムは、椎骨および/またはスクリューの位置および/または配向または角形成を追跡するように構成できる。換言すれば、いくつかの実施形態では、手術中の脊椎の矯正は、リアルタイム、準リアルタイム、および/または実質的にリアルタイムで監視できる。図3に戻ると、特定の実施形態では、各椎骨の位置および/または角形成に対応する追跡データは、ブロック310の医療施設で、メインサーバーシステムおよび/またはクライアントシステムに送信できる。
【0073】
特定の実施形態では、1人または複数の医療関係者が1、2つ、またはそれを超えるスクリューを患者の脊椎中に挿入した後、ブロック312で、メインサーバーシステムおよび/または医療施設クライアントシステムは、矯正中の異なる椎骨の動き、および他の手術手順データを追跡、解析、および/または保存するように構成できる。1人または複数の医療関係者は、したがって、椎骨の位置、配向、矯正および/または角形成を可視化または別の方法でリアルタイム、準リアルタイム、および/または実質的にリアルタイムで追跡でき、望ましい条件、例えば、所定の手術計画に一致する条件が得られたときを特定できる。
【0074】
このようなライブ追跡は、医療関係者に実質的な支援をもたらすことができる。例えば、術中追跡なしでは、外科医は、PSSが実施される場合、30度の矯正を得ることができると考える;しかし、現実には、実施されたPSSは、10度の矯正のみがもたらされる場合がある。このような状況で、術中追跡または監視を可能とすることにより、手術を止める前に、外科医は、必要に応じ、さらなる矯正をすることができる。
【0075】
特定の実施形態では、システムは、所定の手術計画に対し追跡データを比較することにより、追跡データの解析を行うように構成できる。そうするために、システムは、計画データベース216および/または手術データベース218からデータを取り出すことができる。このような比較および/または解析に基づいて、システムは、ブロック314で、手術中に、リアルタイムおよび/または準リアルタイムで外科医に動的にガイダンスを生成および/または提供するように構成できる。例えば、システムは、追跡データに基づいて、外科医に指示して、または外科医を誘導して、1つまたは複数の椎骨の角度を変えて所定の計画に近い脊椎の弯曲を得るように構成できる。
【0076】
システムは、可聴および/または可視通知および/またはガイダンスを外科医に提供するようにさらに構成できる。可聴および/または可視通知および/またはガイダンスは、外科医に対する手術を特定の方法または角度で実施するための指示を含むことができ、および/または1つまたは複数の椎骨の位置および/または角形成が所定の閾値内にある場合に、外科医に通知することができる。例えば、システムは、1つまたは複数のスクリューおよび/または椎骨の位置および/または角形成が、所定の計画の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%以内にある場合、および/または上述の値の内の2つにより決定される範囲内にある場合、通知を与えるように構成できる。特定の実施形態では、システムは、外科医を誘導するための追跡データに基づいて、ディスプレイ上に、各椎骨の位置、場所、配向、および/または角形成の視覚描写を与えるように構成できる。
【0077】
許容され得るレベルの角形成の椎骨が得られると、外科医は、脊椎ロッドを挿入しおよび/またはスクリューをロッドに締め付け、全ての部品を固定して、例えば、ブロック316で手術を完結する。特定の実施形態では、外科医はその後、ブロック318で、1つまたは複数のセンサーを取り外し、および/または無効化できる。
【0078】
特定の実施形態では、システムは、術後データを収集し、および/または術後データを利用して、予測モデリングおよび/または他の術後の機能またはサービスを提供するようにさらに構成できる。さらに、いくつかの実施形態では、システムは、将来の症例のために、外科医特異的推奨を提供する外科医の洗練および/または好みのレベルについて考慮するように構成できる。特定の実施形態では、術前、術中、および/または術後データおよび/または外科医入力の比較および/または解析を用いて、外科医の技能レベルおよび/または戦略的嗜好を判定できる。外科医の特定の技能レベルおよび/または戦略的嗜好を用いて、その外科医のためのその後の手術計画を開発できる。さらに、いくつかの実施形態では、脊椎の成長および/または弯曲関連などの他のその後の発達に関連するデータは、1つまたは複数の術後X線像から得ることができる。このような長期効果はまた、その後の計画の作成に利用できる。
【0079】
いくつかの実施形態では、予測モデリングおよび/または機械学習の一部として、システムは、特定の症例に対して開発された1つまたは複数の異なる計画を解析するように構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、最初に生成された計画は、外科医の戦略および/または目的に基づき得る。同じ症例に対して2回目に生成した計画は、科学文献からのデータに基づき得る。同じ症例に対して3回目に生成した計画は、外科手術の実施を介してシステムにより以前に採取されたデータに基づき得る。より多くのデータが収集されるに伴い、また、より多くのフィードバックおよび入力が与えられ、および外科医から得られるに伴い、および/またはより多くの科学研究が行われるに伴い、単一の症例に対する1つまたは複数の生成された計画および/またはその特定の特徴は、収束し得る。他のものよりその傾向が強い特定のパラメーターは、システムにより、その後の計画段階でより大きく利用できる。さらに、特定の実施形態では、システムは、計画段階で所与の症例を以前の症例と比較するように構成できる。例えば、システムは、1つまたは複数のデータベースを解析して、所与の症例および/またはその特定の特徴に一致する1つまたは複数の脊椎を見つけて、計画に対する特定の推奨および/または予測をするように構成できる。
【0080】
図4は、患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するためのデータ収集、機械学習、および予測モデリングの例示的実施形態を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、システムは、ブロック402で、計画データベース216および/または手術データベース218から、術前、術中、および/または術後のデータを取り出すように構成できる。
【0081】
特に、いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の定量的パラメーターおよび/または1つまたは複数のX線像または他の医用画像を含む1つまたは複数セットのデータを収集するように構成できる。1つまたは複数の定量的パラメーターは、それぞれまたは1つまたは複数の椎骨に対して、および術前、計画段階、および/または術後のそれぞれまたは1つまたは複数に対して、骨盤傾斜(PT)、骨盤形態(PT)、仙骨傾斜角(SS)、腰部前弯(LL)、PI-LL、胸部後弯(TK)、T1骨盤角度、および/または矢状面垂直軸(SVA)を含み得る。1つまたは複数のX線像は、術前、計画段階、術後由来であり得、および/または術後1年または複数年経過のものであり得る。収集データは、例えば、データ駆動型および/または部分的にデータ駆動型計画の目的のために、将来の参考のためのデータベース構築に使用できる。
【0082】
いくつかの実施形態では、術後データは、継続的におよび/または定期的に収集できる。例えば、患者の脊椎の、術後データ、その1つまたは複数のパラメーターまたは変数、および/またはX線像などの1つまたは複数の医用画像は、術後3ヶ月またはその前に、術後6ヶ月またはその近傍で、術後1年またはその近傍で、術後2年またはその近傍で、術後3年またはその近傍で、術後4年またはその近傍で、術後5年またはその近傍で、術後10年またはその近傍で、術後15年またはその近傍で、術後20年またはその近傍で、および/または上述の値のいずれかの間で、および/または上述の値の2つにより定まる範囲内で収集できる。
【0083】
特定の実施形態では、システムは、ブロック404で、外科医入力データおよび/または文献ベースデータを取り出すようにさらに構成できる。外科医ベースデータおよび/または文献ベースデータは、上述のように、外科医データベース212および文献データベース214から取り出すことができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、システムは、ブロック406で、術前、術中、および/または術後のデータを解析し、および/またはブロック408でレポートまたは他の統計データを生成するように構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、計画段階、手術段階、および術後からの1つまたは複数のX線像を比較するように構成できる。正確な比較を得るために、システムは、異なる視野からの1つまたは複数のX線像の較正に関連して上述したのと類似の方法で異なる時点から採取した1つまたは複数のX線像を較正するように構成できる。例えば、仙骨端板の中心点などの共通の基準点を、異なる時点から採取したそれぞれのX線像に対し選択することができる。プレート長さなどの共通の特徴値の長さがまた特定でき、X線像の拡大縮小の基準として使用できる。
【0085】
較正したX線像に基づいて、システムは、患者の術前、術中、および/または術後の脊椎のオーバーレイを含むレポートを生成するように構成できる。1つまたは複数の術後X線像は、例えば、手術から1ヶ月後、手術から6ヶ月後、手術から1年後、手術から2年後、手術から3年後、手術から5年後、手術から10年後、などに提供され得る。異なる時点で採取されたX線像および/またはそのオーバーレイは、いかに綿密に手術が実施されたか、および/または手術結果がいかに手術計画に近かったかということの視覚を与えることができる。
【0086】
生成されたレポートは、SVA、PI、LL、PI-LL、PTなどの1つまたは複数の仙骨パラメーターをさらに含み得る。生成されたレポートはまた、手術計画に比較して、達成のパーセンテージを含み得る。したがって、術前および術後データを比較することにより、手術計画の結果の強みおよび/または弱点に関連するデータを得ることができる。さらに、術前および術中データを比較することにより、特定の外科医による実施の強みおよび/または弱点に関連するデータを得ることもできる。
【0087】
システムは、生成されたレポートおよび/または統計データを、手術を行った外科医に送信するように構成できる。例えば、外科医の使用者アクセスポイントシステムは、ブロック410で、このような生成されたレポートおよび/または統計データを受け取ることができる。再検討後、外科医は、ブロック412で、使用者アクセスポイントシステムを介して入力を与え得る。例えば、外科医は、特定の手順および/または選択が改善可能であるという入力を与え得る。外科医はまた、レポートに基づいて全般設定を与えるおよび/または変更し得る。全てのこのようなデータは、将来の参考のために、システムのデータベースに保存できる。その後、このような解析は、ブロック414で、その後の術前計画および/または症例シミュレーションに使用できる。
【0088】
特定の実施形態では、システムはまた、機械学習技術または工程を利用するように構成できる。例えば、システムは、患者の重症度、年齢、体重、身長、および/または任意の他の個人的特徴の分類に基づいて、以前の計画および手術から学習するように構成できる。システムは、このような機械学習データベースおよび/または工程からデータを抽出するように構成できる。
【0089】
ケージ/スクリュー計画の概要
本明細書で考察したように、特定の実施形態では、システムは、1つまたは複数の患者特異的スクリューおよび/またはケージのためのガイダンスを設計、作製、修正、および/または提供し、脊椎手術の有効性を高めおよび/またはコストを管理するように構成できる。例えば、1つまたは複数の患者特異的スクリューおよび/またはケージは、既存の範囲またはスクリューおよび/またはケージの在庫から選択できる。特に、いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の医用画像の解析に少なくとも部分的に基づいて、特定の椎骨および/または椎間腔などの特異的解剖学的位置で特異的な患者のために使用される1つまたは複数のスクリューおよび/またはケージの選択のためのガイダンスを設計、作製、修正、および/または提供するように構成できる。例えば、システムは、特異的椎骨中に挿入するための特異的スクリューおよび/または特異的椎間腔中に挿入するための特異的ケージを設計するように構成できる。
【0090】
特に、いくつかの実施形態では、システムは、例えば、1つまたは複数のX線像、MRIスライス、および/または他の医用画像の解析に一部は基づいて決定された、1つまたは複数のスクリューの直径および/または長さを含む、スクリュー選択および/または1つまたは複数の設計パラメーターおよび/またはその寸法を提供および/または推奨するように構成できる。同様に、いくつかの実施形態では、システムは、例えば、1つまたは複数のX線像、MRIスライス、および/または他の医用画像の解析に一部は基づいて決定された、フットプリント、後方高さ、前方高さ、幅、長さおよび/または脊柱前湾を含む、ケージ選択および/または1つまたは複数の設計パラメーターおよび/またはその寸法を提供および/または推奨するように構成できる。
【0091】
特定の実施形態では、システムにより生成された手術計画および/または画像解析出力は、ケージおよび/またはスクリューなどのインプラントの長さ、直径、寸法、および/または角形成の1つまたは複数を含み得る。より具体的には、いくつかの実施形態では、システムは、例えば、特定の患者の特定の椎骨中への挿入のための、所望長さおよび/または直径のスクリューを決定および/または生成するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、例えば、特定の患者の特定の椎間腔への挿入のための、所望の設計、形状、サイズ、および/または角形成の、ケージなどの特異的椎体間装置を決定および/または生成するように構成できる。
【0092】
従って、いくつかの実施形態では、システムは、所与の患者の1つまたは複数のインプラントと特異的解剖学的形態との間の最適および/または所望対応を保証するために、生成された手術計画の1つまたは複数の規格値に基づいて、患者特異的脊椎ケージおよび/またはスクリューの1つまたは複数の所望パラメーターを設計および/または決定するように構成できる。したがって、特定の実施形態では、この工程は、製造され、および/またはストックで保持される必要があるスクリューおよび/またはケージの在庫の必要性を減らすことにより、関連コストを低減できる。関連コストは、在庫の滅菌コストが減らされるために、さらに低減できる。追加の利点は、手術時間の低減および外科手術の単純化に関連し得る。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、特定の患者のための可能な限り許容され得るスクリューおよび/またはケージの特定の判定基準および/または寸法を決定および/または生成するように構成できる。このような決定に基づいて、特定の実施形態では、手術の前に決定される、選択の余地の少ないケージおよび/またはスクリューを含む個別化されたキャディーが手術時に用意され得る。
【0093】
図8は、ケージおよび/またはスクリュー設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。図8に示すように、いくつかの実施形態では、医療施設クライアントシステムは、ブロック802で、1つまたは複数の二次元および/または三次元医用画像にアクセスおよび/またはそれを得るように構成される。1つまたは複数の医用画像は、1つまたは複数の矢状面および/または正面X線像、屈曲および/または伸張X線像、CT画像、MRI像、および/または1つまたは複数のその他の画像化手法を用いて取得した医用画像を含み得る。特定の実施形態では、メインサーバーシステムは、ブロック804で、例えば、図2に関連して説明したのと類似の方式で、1つまたは複数の二次元および/または三次元医用画像を医療施設クライアントシステムから受けとるように構成できる。特に、医用画像を受け取りおよび/またはアクセスに関連する図2に関連して記載の1つまたは複数の特徴値が、図8に示された1つまたは複数の工程に同様に適用可能であり得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、システムは、ブロック806で、1つまたは複数の二次元および/または三次元医用画像を較正および/または拡大縮小し、例えば、図2に関連して説明したのと類似の方式で、ブロック808で、1つまたは複数の合成医用画像を生成するように構成できる。特に、医用画像の較正および拡大縮小ならびにその合成画像の生成に関連する図2に関連して記載の1つまたは複数の特徴値が、図8に示された1つまたは複数の工程に同様に適用可能であり得る。
【0095】
特定の実施形態では、システムは、ブロック810で、1つまたは複数の医用画像の1つまたは複数の解析を実施するようにさらに構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、患者特異的ケージの計画および/または設計のために、後方長手方向靱帯(PLL)ベース解析、前方長手方向靱帯(ALL)ベース解析、および/または中間プレートベース解析を利用するように構成できる。これについては、以降でより詳細に説明する。
【0096】
いくつかの実施形態では、ケージおよび/またはスクリュー計画のための、1つまたは複数の医用画像の解析はまた、外科医、外科医の好み、脊椎解剖学的データ、文献および/またはシステムの以前に採取した手術データベースにより特定されるパラメーターおよび/または変数などの多くの因子に依存し得る。したがって、図8に示すように、システムは、ブロック810で、1つまたは複数の医用画像の解析時に、1つまたは複数の外科医データベース212、文献データベース214、計画データベース216、および/または手術データベース218と通信するように構成できる。外科医データベース212、文献データベース214、計画データベース216、および/または手術データベース218のそれぞれまたは全ては、継続的におよび/または定期的に更新されるように構成できる。
【0097】
特定の実施形態では、ブロック810で実施される解析に少なくとも部分的に基づいて、システムは、患者特異的ケージおよび/またはスクリューのために、ブロック812で、1つまたは複数の所望パラメーターを生成するように構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、脊椎手術で使用される1つまたは複数のスクリューに対する次の患者特異的パラメーター:谷底、長さ、および/または直径の内の1つまたは複数を指定するように構成できる。さらに、特定の実施形態では、システムは、埋め込まれる1つまたは複数のケージのための次の患者特異的パラメーター:タイプ、設計、形状、サイズ、材料、幅、高さ、角形成、配向、および/または長さの内の1つまたは複数を指定するように構成できる。
【0098】
いくつかの実施形態では、インプラント作製施設および/または医療施設クライアントシステムにおけるコンピューティングシステムは、患者特異的ケージおよび/またはスクリューのために、生成された所望の1つまたは複数のパラメーターに、例えば、インターネットまたは携帯型電子記憶媒体を介して、アクセスするおよび/または受け取るように構成できる。特定の実施形態では、ブロック814で、インプラント作製および/または選択施設および/または医療施設クライアントシステムは、生成された1つまたは複数のその所望のパラメーターに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の患者特異的スクリューおよび/またはケージの選択のためのガイダンスを作製、修正、および/または提供するように構成できる。
【0099】
ケージ計画-後方アプローチ
特定の実施形態では、システムは、例えば、症例支援の一部として、ケージ計画および/またはケージ設計を提供するように構成できる。システムは、特定の患者に適合する可能性がある特定のケージを決定し、このような1つまたは複数のケージを推奨するように構成できる。より具体的には、いくつかの実施形態では、システムは、特定の患者の脊椎を過剰伸延させないように保証するおよび/または脊椎をその生理学的能力を超えて矯正しようとしないことを保証する、1つまたは複数の靱帯の長さを決定するおよび/またはそれに注目するように構成できる。より具体的には、ケージ選択では、特定の患者の長手方向靱帯の長さをこえる脊椎の伸ばし過ぎを生じる可能性のあるケージを選択しないことが重要であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、システムは、脊柱に沿った直線長さを単純に測定するのではなく、1つまたは複数の長手方向靱帯の1つまたは複数の寸法を測定するように構成される。
【0100】
図9Aは、ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。図9Aに示すように、いくつかの実施形態では、システムは、後方アプローチまたは後方-前方アプローチを利用するように構成できる。より具体的には、特定の実施形態では、システムは、ブロック902で、例えば、患者の脊椎の、1つまたは複数の二次元および/または三次元医用画像にアクセスおよび/またはそれを得るように構成される。1つまたは複数の医用画像は、1つまたは複数の矢状面および/または正面X線像、屈曲および/または伸張X線像、CT画像、MRI像、および/または1つまたは複数のその他の画像化手法を用いて取得した医用画像を含み得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の医用画像から、1つまたは複数の靱帯の長さを測定するように構成できる。いくつかの実施形態では、最大長さを考慮に入れるために、システムは、例えば、患者が伸張状態にあるときに採取した1つまたは複数の医用画像から、伸張靱帯長さを決定するように構成される。特定の実施形態では、システムは、水平および垂直長さの両方を構成する靱帯前方および/または後方長さを測定するように構成できる。
【0102】
より具体的には、特定の実施形態では、システムは、1つまたは複数のMRI像および/またはX線像から、患者の、後方長手方向靱帯(PLL)および/または前方長手方向靱帯(ALL)などの1つまたは複数の靱帯の長さを決定するように構成できる。1つまたは複数のX線像は、屈曲および/または伸張X線などの動的であり得る。図9Aに図示した実施形態では、システムは、ブロック904で、1つまたは複数のMRI、X線および/または動的X線像上の、患者の特定の脊椎分節のPLLおよび/またはALLの長さを決定するように構成できるが、特定の実施形態では、この工程は、任意であり得る。
【0103】
特定の実施形態では、システムは、1つまたは複数のMRI像から、靱帯の直接測定により、ALLおよび/またはPLLなどの1つまたは複数の靱帯の長さを得るように構成できる。図9Bは、ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す。特に、図9Bの例示的実施形態では、MRI像920が提供され、その像上で、システムがALLおよびPLLの両方の長さを決定するように構成される。示した実施例では、特定の脊椎分節のPLLの長さは、おおよそ61.5mm、同じ特定の脊椎分節のALLの長さはおおよそ64.3mmとして決定される。
【0104】
さらに、いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数のX線像および/または動的X線像から、1つの椎間腔を考慮して、別の椎骨に対する1つの椎骨の可動域を推定することによるなどの、ALLおよび/またはPLLなどの1つまたは複数の靱帯の長さを推定および/または決定するように構成できる。例えば、患者が屈曲位にある場合に採取されたX線像から、システムは、患者の特定の脊椎分節に対するPLL長さを推定および/または決定するように構成できる。
【0105】
従って、図9Aに戻ると、特定の実施形態では、システムは、ブロック906で、屈曲X線像上の特定の脊椎分節に沿った特定の患者のPLLの長さを決定および/または推定するように構成できる。図9Bは、屈曲X線像916をさらに示し、その像に対し、システムは、特定の脊椎分節に沿ったPLLの長さを推定および/または決定するように構成される。示した実施例では、特定の脊椎分節に沿ったPLLの長さは、おおよそ61.5mmであると決定される。
【0106】
図9Aに戻ると、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック908で、伸張X線像上の特定の脊椎分節に沿った特定の患者のALLの長さを決定および/または推定するように構成できる。図9Bは、伸張X線像918をさらに示し、その像に対し、システムは、特定の脊椎分節に沿ったALLの長さを推定および/または決定するように構成される。示した実施例では、特定の脊椎分節に沿ったALLの長さは、おおよそ64.3mmであると決定される。
【0107】
1つまたは複数のMRI像および/またはX線または動的X線像から取り出したこのような測定に少なくとも部分的に基づいて、システムは、ケージの前方および後方高さを決定および/または考慮するように、および特定の実施形態では、設計および/または1つまたは複数の患者特異的ケージの決定における角形成および/または位置決めをさらに考慮するようにさらに構成できる。従って、特定の実施形態では、1つまたは複数の靱帯の評価を考慮することにより、システムは、生成した手術計画が患者脊椎を過剰延伸しないことを保証できる。
【0108】
より具体的には、図9Aに戻ると、システムは、ブロック910で、さらなる解析のために、体位X線像などのX線像上に、前柱に沿った1つまたは複数の前方弯曲(AC)および/または後柱に沿った1つまたは複数の後方弯曲(PC)をオーバーレイ、描画する、および/または使用者にそれをオーバーレイおよび/または描画させるように構成できる。特定の実施形態では、システムは、ACおよび/またはPCに沿った1つまたは複数の弯曲部を自動的におよび/または、例えば、ディスプレイ上に弯曲部を表示および/またはオーバーレイすることなしに、半自動的に、特定するように構成できる。
【0109】
図9Cは、ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す。特に、図9Cに示す例示的実施形態では、体位X線像922が提供され、その像上で、システムは、脊椎分節に対し特定の寸法を有するケージの埋め込みをシミュレートするように構成できる。示した実施例では、特に、システムは、後方弯曲部および/または前方弯曲部にオーバーレイするように構成できる。示した実施例では、PCは4つの後方椎骨の角を通過するとして特定および/または描画され、ACは、4つの前方椎骨の角を通過するとして特定および/または描画される。示した実施例では、目的の特定の脊椎分節に対するACは、おおよそ59.4mmであると決定され、目的の特定の脊椎分節に対するPCは、おおよそ56.5mmであると決定される。
【0110】
図9Aに戻ると、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック912で、さらなる解析のために、PCの長さが、体位X線像などのX線像上のPLLの長さと等しくなるまで、1つまたは複数のケージの後方高さ(Hpost)を増大するように構成できる。従って、特定の実施形態では、ブロック912で、システムは、PCの長さがPLLの長さと等しくなるまで、埋め込み用として提案されたケージのHpostを増大させることによりACおよび/またはPCが描画された体位X線像を修正するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、PCの長さがPLLに等しくなるまで自動的におよび/または、例えば、ディスプレイ上にHpostを表示および/またはオーバーレイすることなく、半自動的に、1つまたは複数のケージのHpostを増大させるように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数のケージのHpostを増大させ、同時に、PCがPLLより短いまたは等しいまたは実質的に等しいことを保証するように構成できる。
【0111】
図9Cは、体位X線像924をさらに示し、その像に対し、システムは、埋め込みのために、特定の椎間腔中の提案されたケージのHpostを、PCの長さがPLLの長さに等しくなるまで、増大させるように構成される。示した実施例では、提案されたケージのHpostは、PC弯曲部長さおよびPLL長さが、おおよそ、61.5mmであると決定および/または推定されるまで、増大される。さらに、示した実施例では、ACの長さは、おおよそ62.1mmであると決定され、ALLの長さはおおよそ64.3mmであると決定される。
【0112】
図9Aに戻ると、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック914で、目的の特定の脊椎分節に対し、脊柱前湾を増大し、同時に、AC長さをALLより短いかまたは少なくとも等しく保持するように構成できる。従って、特定の実施形態では、ブロック914で、システムは、ACおよび/またはPCが描画されたおよび/または提案されたケージのHpostを、例えば、脊柱前湾を増大させることにより増大させた体位X線像を修正するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、自動的におよび/または、例えば、ディスプレイ上にAC長さを表示および/またはオーバーレイすることなしに半自動的に、脊柱前湾を増大し、同時にAC長さをALL長さより短くまたは少なくとも等しく保持するように構成できる。
【0113】
図9Cは、体位X線像926をさらに示し、それに対し、システムは、目的の特定の脊椎分節に対し、脊柱前湾を増大し、同時に、AC長さをALLより短いかまたは少なくとも等しく保持するように構成できる。示した実施例では、PC弯曲部長さおよびPLL長さの両方は、以前に体位X線像924で決定したように、おおよそ、61.5mmであると決定および/または推定される。さらに、示した実施例では、上記のように、脊柱前湾を増大させることによるACの長さは、おおよそ64mmであると決定され、ALLの長さはおおよそ64.3mmであると決定される。修正および/または特定されたPC、PLL、AC、および/またはALLに少なくとも部分的に基づいて、システムは、例えば、患者の脊椎を過剰伸長することなく、脊椎矯正結果を最大化するために、患者特異的ケージの、前方高さ(Hant)、後方高さ(Hpost)、および/または脊柱前湾などの1つまたは複数の寸法を決定、設計および/または、推定するように構成できる。例えば、示した実施例では、患者特異的ケージは、おおよそ10mmのHant、おおよそ7mmのHpost、および/または約6°の脊柱前湾を含むべきであることが、決定および/または推定できる。
【0114】
従って、いくつかの実施形態では、患者特異的ケージの設計および/または計画をする場合、システムは、脊椎の過剰伸延をさせないように、ALLおよび/またはPLLなどの1つまたは複数の脊椎靱帯の長さを評価および/または解析することにより、1つまたは複数の患者特異的ケージの前方および/または後方高さを決定、推定、および/または規定するように構成できる。さらに、特定の実施形態では、システムはまた、このような1つまたは複数のケージの位置決めを、例えば、体位X線像または他の医用画像上で、考慮に入れることにより、1つまたは複数の患者特異的ケージの角形成を決定、推定、および/または規定するように構成できる。いくつかの実施形態では、このように決定した後方高さ、前方高さ、全体高さ、長さ、幅、角形成、などの1つまたは複数のケージパラメーターは、システムに使用されて、例えば、既存の範囲または在庫から、1つまたは複数の患者特異的ケージを設計、作製、および/または選択できる。
【0115】
ケージ計画-前方アプローチ
いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の靱帯長さの測定および設計でのこの靱帯長さの使用において、または患者の脊椎が手術の結果として過剰伸長されていないことを保証するための患者特異的ケージの1つまたは複数の寸法の決定において、前方または後方アプローチを利用するように構成できる。図10Aは、ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。特に、図10Aに示すように、いくつかの実施形態では、システムは、前方アプローチを利用するように構成できる。
【0116】
より具体的には、特定の実施形態では、システムは、ブロック1002で、例えば、患者の脊椎の、1つまたは複数の二次元および/または三次元医用画像にアクセスおよび/またはそれを得るように構成される。1つまたは複数の医用画像は、1つまたは複数の矢状面および/または正面X線像、屈曲および/または伸張X線像、CT画像、MRI像、および/または1つまたは複数のその他の画像化手法を用いて取得した医用画像を含み得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数のMRI像および/またはX線像から、患者の、後方長手方向靱帯(PLL)および/または前方長手方向靱帯(ALL)などの1つまたは複数の靱帯の長さ決定をするように構成できる。1つまたは複数のX線像は、屈曲および/または伸張X線などの動的であり得る。図10Aに図示した実施形態では、システムは、ブロック1004で、1つまたは複数のMRI、X線および/または動的X線像上の、特定の脊椎分節に対する患者のPLLの長さを決定するように構成できるが、特定の実施形態では、この工程は、任意であり得る。
【0118】
特定の実施形態では、システムは、1つまたは複数のMRI像から、靱帯の直接測定により、ALLおよび/またはPLLなどの1つまたは複数の靱帯の長さを得るように構成できる。図10Bは、ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す。特に、図10Bに示す実施形態では、MRI像1016が提供され、その像上で、システムが目的の脊椎分節に対するPLLの長さを決定するように構成される。示した実施例では、特定の脊椎分節のPLLの長さは、おおよそ61.5mmであると決定される。
【0119】
さらに、いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数のX線像および/または動的X線像から、1つの椎間腔を考慮して、別の椎骨に対する1つの椎骨の可動域を推定することによるなどの、ALLおよび/またはPLLなどの1つまたは複数の靱帯の長さを推定および/または決定するように構成できる。例えば、屈曲X線像から、システムは、患者の特定の脊椎分節に対するPLL長さを推定および/または決定するように構成できる。
【0120】
従って、図10Aに戻ると、特定の実施形態では、システムは、ブロック1006で、屈曲X線像上の特定の脊椎分節に沿った特定の患者のPLLの長さを決定および/または推定するように構成できる。図10Bは、屈曲X線像1014をさらに示し、その像に対し、システムは、特定の脊椎分節に沿ったPLLの長さを推定および/または決定するように構成される。示した実施例では、特定の脊椎分節に沿ったPLLの長さは、おおよそ61.5mmであると決定される。
【0121】
いくつかの実施形態では、システムは、体位X線像などのX線像上に、前柱に沿った1つまたは複数の前方弯曲部(AC)および/または後柱(PC)に沿った1つまたは複数の後方弯曲部(PC)をオーバーレイおよび/または描画する、および/または使用者にそれをオーバーレイおよび/または描画させるように構成できる。図10Aに戻ると、特定の実施形態では、システムは、ブロック1008で、目的の特定の脊椎分節に対し、1つまたは複数の後方弯曲部をオーバーレイ、描画する、および/または使用者にそれをオーバーレイおよび/または描画させるように構成できる。特定の実施形態では、システムは、1つまたは複数の後方弯曲部および/または前方弯曲部を自動的におよび/または、例えば、ディスプレイ上に弯曲部を表示および/またはオーバーレイすることなしに、半自動的に、特定するように構成できる。
【0122】
図10Cは、ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す。特に、図10Cに示す例示的実施形態では、体位X線像922が提供され、その像上で、システムは、脊椎分節に対し特定の寸法を有するケージの埋め込みをシミュレートするように構成できる。示した実施例では、特に、システムは、PCにオーバーレイするように構成できる。示した実施例では、後方弯曲部は4つの後方椎骨の角を通過するとして特定および/または描画される。示した実施例では、目的の特定の脊椎分節に対する後方弯曲部は、おおよそ56.5mmであると決定される。
【0123】
図10Aに戻ると、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック1010で、ケージの脊柱前湾を適用および/または増大するように構成できる。従って、特定の実施形態では、ブロック1010で、システムは、シミュレートしたケージの脊柱前湾を適用および/または増大させることによりPC弯曲部が描画される体位X線像をさらに修正するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、ケージの脊柱前湾を、自動的におよび/または、例えば、ディスプレイ上に弯曲部を表示および/またはオーバーレイすることなしに、半自動的に、適用および/または増大させるように構成できる。
【0124】
図10Cは、体位X線像1020をさらに示し、その像に対し、システムは、ケージの脊柱前湾を適用および/または増大させるように構成される。示した実施例では、特定の椎間腔に対し、ケージの脊柱前湾を適用することにより、ケージ脊柱前湾は、おおよそ9°であり、目的の脊椎分節に対するPCはおおよそ54.7mmであることを決定できる。
【0125】
図10Aに戻ると、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック1012で、PCが体位X線像などのX線像上のPLLの長さと等しくなるまで、複数のケージの高さを、例えば、全体的に、増大させるように構成できる。従って、特定の実施形態では、ブロック1012で、システムは、特定の脊椎分節に対し、PC弯曲部の長さがPLLの長さと等しくなるまで、特定の椎間腔に対する全体ケージ高さを増大させることにより、PC弯曲部が描画され、および/またはケージ脊柱前湾が適用された体位X線像を修正するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、PCがPLLに等しくなるまで、全体ケージ高さを、自動的におよび/または、例えば、ディスプレイ上に全体ケージ高さを表示および/またはオーバーレイすることなしに、半自動的に、適用および/または増大させるように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、全体ケージ高さを増大させ、同時に、PCがPLLより短いまたは等しいまたは実質的に等しいことを保証するように構成できる。
【0126】
図10Cは、体位X線像1022をさらに示し、その像に対し、システムは、特定の椎間腔中のケージに対し、PCがPLLに等しくなるまで、全体高さを増大するように構成される。示した実施例では、目的の特定の脊椎分節に対し、PC長さがPLL長さに等しくなるまでケージ高さを全体的に増大させた後、提案されたケージのHantは、おおよそ12mmであると決定され、提案されたケージのHpostは、おおよそ8mmであると決定される。さらに、示した実施例では、脊柱前湾はまだ9°で維持され、PCおよびPLLの長さは、ケージ高さを増大させた後、それに応じて、おおよそ61.5mmであると決定される。
【0127】
従って、いくつかの実施形態では、患者特異的ケージの設計および/または計画をする場合、システムは、脊椎を過剰伸延させないために、ALLまたはPLLなどの単一脊椎靱帯の長さを評価および/または解析することにより、1つまたは複数の患者特異的ケージの前方および/または後方高さを決定、推定、および/または規定するように構成できる。さらに、特定の実施形態では、システムはまた、このような1つまたは複数のケージの位置決めを、例えば、体位X線像または他の医用画像上で、考慮に入れることにより、1つまたは複数の患者特異的ケージの角形成を決定、推定、および/または規定するように構成できる。いくつかの実施形態では、このように決定した前方高さ、後方高さ、全体高さ、長さ、幅、角形成、などの1つまたは複数のケージパラメーターは、システムに使用されて、例えば、既存の範囲または在庫から、1つまたは複数の患者特異的ケージを設計、作製、および/または選択できる。
【0128】
ケージ計画-中間プレート解析
いくつかの実施形態では、システムは、患者特異的ケージの1つまたは複数の寸法を設計または決定して、例えば、手術の結果として、患者脊椎が過剰伸長または過剰伸延しないことを保証するために、各椎骨端板の中位により規定される弯曲部を解析するおよび/または別の方法でそれに注目するように構成できる。図11Aは、ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。図11Bは、ケージ設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示す概略図である。特に、図11Aおよび11Bに示すように、いくつかの実施形態では、システムは、中間プレートアプローチを利用するように構成できる。
【0129】
より具体的には、特定の実施形態では、システムは、椎骨端板の中位と交差する弯曲部に沿って1つまたは複数の椎間板の高さを測定するように構成できる。決定した1つまたは複数の椎間板高さ測定値に基づいて、システムは、脊椎または脊椎の一部に沿った、例えば、図11Bの例示的実施形態に示すような腰椎に沿った、などの総椎間板高さのパーセンテージとしてのそれぞれの椎間板高さの平均配分を計算するように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、位置および/または弯曲部に沿った1つまたは複数の中間プレート位置の起伏を得るように構成できる。このようなデータは、1つまたは複数の患者特異的ケージの全体高さおよび/または角形成などの1つまたは複数の寸法を設計および/または決定するなどのために、以前の症例の以前に採取したデータおよび/または予測計画目的のための科学文献と比較できる
【0130】
いくつかの実施形態では、システムは、データ駆動型技術および/またはケージ計画工程を利用するように構成できる。特に、特定の実施形態では、システムは、このようなパーセンテージを健康なおよび/または無症候性集団から得たデータ、および/または既存のデータに対し、比較および/または解析するように構成できる。特に、特定の実施形態では、特定の患者に対する計算された特定の椎間板高さのパーセンテージが健康な集団の値と異なる場合には、システムは、その椎間板のためにケージを埋め込む必要があることを決定するように構成できる。このような解析に基づいて、システムは、その椎間板のための患者特異的ケージに対する1つまたは複数の寸法を決定して、例えば、椎間板総高さのパーセンテージとして測定された、許容可能な椎間板高さを回復するようにさらに構成できる。さらに、特定の実施形態では、同じおよび/または類似の技術または工程を同様に適用し、ケージ中の角形成の配分を規定し、明確な全体角度矯正値を得ることができる。
【0131】
図11Aに戻ると、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック1102で、健康なまたは無症候性集団の脊椎測定データにアクセスするように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、総椎間板高さのパーセンテージとして、および/または総角形成のパーセンテージとしての1つまたは複数の特定の椎間板の高さおよび/または角形成に関連するデータを含む、健康なおよび/または無症候性集団から収集したデータを保存したデータベース1104を含み得る。このようなデータベース1104は、システムに対し内部または外部であり得る。このようなデータベース1104はシステムにより構築され得、またはシステムにより導入および/または他の方法でアクセスされ得る。
【0132】
特定の実施形態では、データベース1104は、継続的におよび/または定期的に更新できる。特に、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック1106で、個別の椎間板高さおよび/または角形成の配分を、例えば、新規および/または更新した健康な集団の脊椎データが利用可能となるように、健康な集団の総椎間板高さおよび/または角形成のパーセンテージとして、決定および/または更新するように構成できる。いくつかの実施形態では、このプロセスは、データベース1104を更新するために、継続的におよび/または定期的に反復できる。
【0133】
より具体的には、健康なおよび/または無症候性集団のリファレンスデータベースを構築するために、システムは、直線または椎骨の中位と交差する曲線に沿って個別の椎間板高さを測定および/または他の方法で決定するように構成できる。加えておよび/または代わりに、特定の実施形態では、システムは、前方ラインおよび/または後方ラインに沿って椎間板高さを測定するように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、医用画像に基づいて、椎間板高さを自動的に測定または決定するように構成できる。他の実施形態では、椎間板高さは、マニュアルで決定される。
【0134】
決定した椎間板高さおよび/または角形成測定値に基づいて、システムは、総椎間板高さおよび/または角形成のパーセンテージとしての全ての椎間板高さおよび/または角形成の平均配分を計算するように構成できる。そうすることにより、図11Bの概略図1120で示したように、システムは、健康な集団に対する椎間板高さの配分の基準パーセンテージを得るように構成できる。さらに、同じおよび/または類似の技術または工程を同様に適用し、ケージ中の角形成の配分を規定し、明確な全体角度矯正値を得ることができる。
【0135】
この基準データ1120を、その後に、特異的患者データと比較して、その患者のための推奨ケージを決定するために使用できる。特に、図11Aに戻ると、システムは、ブロック1108で、患者の、X線、MRI、CTなどの1つまたは複数の詳細画像を解析して、1つまたは複数の椎間板高さおよび/または角形成の配分を、患者総椎間板高さおよび/または角形成のパーセンテージとして決定するように構成できる。
【0136】
そうするために、図11Bの概略図1116に戻ると、システムは、中間プレート弯曲部に沿った患者の1つまたは複数の個別の椎間板の高さを、例えば、患者の目的の脊椎分節の1つまたは複数の医用画像に基づいて、決定するように構成できる。いくつかの実施形態では、特定の患者の1つまたは複数の椎間板高さは、術前に測定するまたは得ることができる。特定の実施形態では、システムは、患者腰椎椎間板高さの測定値を、1つまたは複数の医用画像から自動的にまたはマニュアルで、レベル毎におよび/または合計として得るように構成できる。このような測定値に基づいて、システムは、特定の患者が、例えば、健康な集団来のデータと比較して大きな差異がある場合に、1つまたは複数の椎間板に対し、ケージで置換する必要があり得ることを決定するように構成できる。図示した実施形態1116では、システムは、患者がL4L5および/またはL5S1位置で、ケージで置換する必要があり得ることを決定し得る。
【0137】
考察のように、特定の実施形態では、システムは、ブロック1108で、測定または決定された個別の椎間板高さおよび/または角形成を用いて、各椎間板高さおよび/または角形成の総計椎間板高さおよび/または角形成に対するパーセンテージを計算するように構成できる。例えば、図11Bに示す例示的実施形態では、特に概略図1118では、総腰椎椎間板高さのパーセンテージとしてのL4L5およびL5S1の高さは、おおよそ9.5%および19.0%であると決定できる。
【0138】
いくつかの実施形態では、システムは、ブロック1110で、このようなパーセンテージを健康な集団から得たデータに対し、比較および/または解析するようにさらに構成できる。例えば、図11Bに示す例示的実施形態では、特に概略図1120では、総腰椎椎間板高さのパーセンテージとしてのL4L5およびL5S1の高さは、健康な集団に対し、おおよそ20.7%および27.6%であると決定できる。
【0139】
特定の患者に対する計算された特定の椎間板高さのパーセンテージが健康な集団の値と比較して小さすぎる場合には、システムは、その椎間板が許容可能な椎間板高さを回復するために、ケージを埋め込む必要があることを決定するように構成できる。特定の実施形態では、健康な集団と比較して、特定の患者の特定の椎間板高さが所定の閾値未満である場合には、システムは、特定の高さまたは高さの範囲のケージの埋め込みを推奨するように構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、図11Aのブロック1112で、特定の椎間板を置換するために、前方および/または後方ケージ高さなどの1つまたは複数のケージ高さを提案するように構成できる。
【0140】
いくつかの実施形態では、システムは、ブロック1114で、1つまたは複数の提案されたケージ高さおよび/または角形成の結果をシミュレートし、および/または1つまたは複数のケージ高さおよび/または角形成のパーセンテージの単位のシミュレート結果を、健康な集団から収集したデータに対し比較するように構成できる。このようなシミュレーション結果に基づいて、システムは、1つまたは複数のケージに対する修正した提案高さ、角形成、および/またはその他の寸法を生成するように構成できる。従って、いくつかの実施形態では、システムは、このようなパーセンテージを、無症候性集団から得たデータベースに対し、比較および/または解析するようにさらに構成できる。このような比較に基づいて、このような値間の差異が所定の閾値未満である場合、システムは、ケージ計画提案を受け入れ、完結するように構成できる。しかし、差異が特定の所定の閾値より大きい場合、システムは、ケージ計画提案を拒絶し、例えば、ケージの1つまたは複数の高さ、角形成、またはその他の寸法を増大するおよび/または減らすことにより、提案を改良するように構成できる。従って、いくつかの実施形態では、システムは、反復工程または技術を適用するように構成できる。いくつかの実施形態では、このように決定した後方高さ、前方高さ、全体高さ、長さ、幅、角形成、などの1つまたは複数のケージパラメーターは、システムに使用されて、例えば、既存の範囲または在庫から、1つまたは複数の患者特異的ケージを設計、作製、および/または選択できる。
【0141】
スクリュー計画
本明細書で考察したように、特定の実施形態では、システムは、1つまたは複数の患者特異的スクリューの選択のためのガイダンスを設計、作製、修正、および/または提供するように構成できる。これは、製造する必要があり、および/またはストックとして保持する必要があるスクリューの在庫を減らして、実質的にコストを減らすことにより有利である。関連コストは、滅菌コストが減らされるために、さらに低減できる。追加の利点は、より少ないスクリュー、ケージ、および/またはそのセットが各手術のための個別化されたキャディーとして提供されるので、手術時間の低減および外科医およびスタッフのための外科手術の単純化であり得る。
【0142】
例えば、通常のデフォーミティトレイ(deformity tray)が400または500またはそれを越える数にもなる一つ一つの利用可能なスクリューまたはスクリューセットと違って、いくつかの実施形態は、約10個のスクリュー、約20個のスクリュー、約30個のスクリュー、約40個のスクリュー、約50個のスクリュー、約60個のスクリュー、約70個のスクリュー、約80個のスクリュー、約90個のスクリュー、約100個のスクリュー、約110個のスクリュー、約120個のスクリュー、約130個のスクリュー、約140個のスクリュー、約150個のスクリュー、約160個のスクリュー、約170個のスクリュー、約180個のスクリュー、約190個のスクリュー、約200個のスクリューのみの提供を可能にでき、および/または、例えば、通常約2~60個のスクリューのみを必要とする手術に対して、上述の値の2つにより規定される範囲内のスクリューの数のみの提供を可能にできる。いくつかの実施形態では、非限定的例として、5-レベル手術に対し、システムは、個別化されたキャディー中に特定の寸法を有する最大72個のスクリューを含むように選択および/または推奨するように構成できる。
【0143】
従って、いくつかの実施形態では、システムは、二次元X線像および/またはMRI矢状面スライスなどの1つまたは複数の医用画像の解析および/またはそれから得られた測定値からの、1つまたは複数の適切な寸法を評価し、患者特異的スクリューおよび/またはその他のインプラントを設計するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、文献および/またはデータ駆動型付加物を有する1つまたは複数の医用画像から得られた1つまたは複数の測定値を組み合わせて、十分な正確さおよび/または精密さを得て、患者特異的スクリュー設計および/または1つまたは複数のその寸法を実質的に決定するように構成できる。
【0144】
図12Aは、スクリュー設計、作製、修正、および/または選択の例示的実施形態を示すフローチャートである。特に、図12Aに示すように、いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の患者特異的スクリューを設計、作製、修正、および/または選択するために使用できる、特定の椎骨中に挿入するための患者特異的スクリューの1つまたは複数の寸法を設計および/または決定するように構成できる。
【0145】
特定の実施形態では、システムは、ブロック1202で、例えば、患者の脊椎の、1つまたは複数の二次元および/または三次元医用画像にアクセスおよび/またはそれを得るように構成される。1つまたは複数の医用画像は、1つまたは複数の矢状面および/または正面X線像、屈曲および/または伸張X線像、CT画像、MRI像、および/または1つまたは複数のその他の画像化手法を用いて取得した医用画像を含み得る。従って、いくつかの実施形態では、スクリュー選択および/または設計は、CTスキャンなどの三次元画像スキャンデータに基づき得る。CTスキャンに基づいて、システムは、スクリューが挿入される椎骨をスライスし、スクリューの長さおよび/または直径などのそれぞれ必要とされるスクリューの精密測定値を決定するように構成できる。しかし、そうするためには、三次元多断面再構成(MPR)が必要であり、これは時間がかかり得る。また、ルーチン画像ではない、CTスキャンが必要であり得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、図2に関連して上述のように、患者特異的スクリュー設計、選択、および/または推奨は、三次元医用画像および/または二次元医用画像に基づき得る。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、特定の測定値を得るためだけの1つまたは複数の矢状面X線像を利用するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、X線像および正面X線像を利用して、上述の合成三次元画像を得て、より正確なスクリュー長さおよび/または直径の推定値を得るように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、特定の測定値を得るため完全三次元画像を利用するように構成できる。
【0147】
特定の実施形態では、システムは、1つまたは複数の二次元X線および/またはMRI像データを利用するように構成できる。X線像は、ルーチン作業であり、幅広く利用可能である。いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の二次元X線像および/またはMRIスライスの解析に基づいて、1つまたは複数の患者特異的スクリューの1つまたは複数の精密規格値および/または寸法を得るように構成できる。特定の実施形態では、システムは、1つまたは複数の二次元X線像および/またはMRIスライスから得られた1つまたは複数の測定値を、文献および/またはその他のデータ由来の1つまたは複数の測定値および/またはその他の特徴値と組み合わせて、例えば、少なくとも特定の手術に必要であり得るスクリューの総数を実質的に減らすために、高い正確さおよび/または精密さを得るように構成できる。
【0148】
より具体的には、いくつかの実施形態では、システムは、脊椎解剖学的データ、科学/医学文献、外科医の好みまたは他の入力に由来する1つまたは複数の特徴値、および/または他のデータを利用して、患者特異的スクリューを設計するための1つまたは複数のパラメーターまたは変数の決定における特定の値および/または仮定を得るように構成できる。図12Aに戻ると、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック1204で、科学または医学文献、脊椎解剖学的データ、および/または外科医の好みまたはデータベース1206で保存できる入力に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の値および/または仮定を決定するおよび/または得るように構成できる。1つまたは複数の値および/または仮定は、目的のそれぞれの椎骨に特異的であり得る。例えば、特定の実施形態では、システムは、レベル特異的であり得る横断面(β)上の椎骨軸と椎弓根軸との間の角度(α)でスクリューが挿入される椎骨の端板を基準にして矢状面中のスクリューの角形成、スクリュー長さとスクリュー挿入軸長さの間の比(y/x)、および/または椎体幅(VBW)と最小椎弓根幅(W)との間のレベル特異的であり得る比率に関する1つまたは複数の値および/または仮定を得るように構成できる。
【0149】
図12Bは、スクリュー設計、作製、修正、および/または選択の特定の態様を示す概略図である。特に、図12Bの略図1214に示すように、いくつかの実施形態では、システムは、スクリューが挿入される端板を基準にして埋め込まれたスクリューの角形成αを仮定するおよび/または得るように構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、埋め込まれたスクリューは、科学文献および/または脊椎解剖学的データに基づいて、端板に平行となることが仮定できる。換言すれば、矢状面中のスクリューの角形成αは、考慮している椎骨(および上段椎骨端板)角形成と等しいまたは実質的に等しいと仮定できる。従って、特定の実施形態では、この角形成αは、例えば、科学文献および/または脊椎解剖学的データに基づいて、ゼロと仮定できる。いくつかの実施形態では、システムは、任意の他の角度値を、例えば、外科医の嗜癖および/または好みに基づいて、角形成αに割り付けるように構成できる。
【0150】
さらに、概略図1216に示すように、特定の実施形態では、システムは、各レベルでの椎骨軸と椎弓根軸(横断面中の)との間の角度βを、例えば、科学文献および/または脊椎解剖学的データから得るおよび/または仮定するように構成できる。各レベルでの椎骨軸と椎弓根軸(横断面中の)との間の角度βは、レベル特異的であり得る。いくつかの実施形態では、システムは、任意の他の角度値を、例えば、外科医の嗜癖および/または好みに基づいて、角度βに割り付けるように構成できる。
【0151】
同様に、概略図1218に示すように、いくつかの実施形態では、システムは、スクリュー長さとスクリュー挿入軸(SIA)との間の比率(y/x)を、例えば、科学文献および/または脊椎解剖学的データに基づいて、得るおよび/または仮定するように構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、科学文献により示唆され得るように、最適骨スクリュー足場のための、スクリューによる椎体の70%の侵入を仮定するように構成できる。特定の実施形態では、SIAは、外科医特異的であり得、および/または特定の患者の好みおよび/または外科的目標に依存し得る。外科医の好みはまた、横断面(椎弓根と一致して、収束あるいは発散的)中のスクリュー配向に対しても考慮することができる。データ駆動型工程、科学文献、および/または外科医の好みに基づいて、システムは、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および/または上述の値の2つにより規定される範囲内であるようにSIAを仮定するように構成できる。
【0152】
さらに、概略図1220に示すように、特定の実施形態では、システムは、椎体幅(VBW)と最小椎弓根幅(W)の比率を、例えば、科学文献および/または脊椎解剖学的データから得るおよび/または仮定するように構成できる。VBWとWとの間の比率は、レベル特異的であり得る。従って、特定の実施形態では、システムは、各レベルの椎骨に対し、VBWとWとの比率を得るように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、任意の他の角度値を、例えば、外科医の嗜癖および/または好みに基づいて、VBW、W、および/またはその比率に割り付けるように構成でき、外科医特異的であり得る。
【0153】
図12Aに戻ると、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック1208で、1つまたは複数の医用画像からの1つまたは複数のパラメーターを測定するように構成できる。特に、システムは、1つまたは複数の医用画像から、目的の各椎骨に対する矢状面(SIAp)上への1つまたは複数のスクリュー挿入軸(SIA)投影長さおよび/または椎体幅(VBW)を測定するように構成できる。特に、特定の実施形態では、SIApおよび/またはVBW測定値は、目的の各椎骨に対する矢状面X線像および/またはMRIスライスから得ることができる。特定の実施形態では、端板の長さは、矢状面X線像から測定できる。いくつかの実施形態では、椎骨の前壁への椎弓根入口からの長さを得ることができる。特定の実施形態では、端板長さおよび椎骨の前壁への椎弓根入口からの長さの両方は、目的の各椎骨に対して測定できる。
【0154】
特定の実施形態では、科学文献および/または外科医入力からのこのような仮定およびデータに基づいて、およびSIApおよび/またはVBWにさらに基づいて、システムは、各患者特異的スクリューの長さおよび/または直径を決定および/または推定するように構成できる。特に、いくつかの実施形態では、システムは、SIAp、VBW、椎骨軸と椎弓根軸との角度、および/またはスクリュー侵入比率に一部分は基づいて、ブロック1210で、目的の各レベルに対する各スクリューの長さを決定するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、ブロック1212で、SIAp、VBW、および/またはVBWと最小椎弓根幅(W)との比率に一部分は基づいて、目的の各レベルに対する各スクリューの直径を決定するように構成できる。いくつかの実施形態では、VBW/W比率は、文献から、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、および/または上述の値の2つにより規定される範囲内であるとして仮定できる。
【0155】
従って、いくつかの実施形態では、目的の1つまたは複数の椎骨および/または全ての椎骨またはそのサブセットに対し、十分な足場を得るために所望のスクリューの直径および/または長さが特異的患者に対し決定できる。手術の前の、スクリュー設計、推奨、および/または特定のスクリューの選択は、上述した患者特異的特徴値および/または解析のいずれか1つに基づくことができる。スクリュー設計、推奨、および/または選択は、骨品質、スクリューの直径、長さおよび/または材料により変化し得る。例えば、特定の実施形態では、スクリューの直径は、約3.5mm~約10.5mmの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、このように決定した長さ、幅、材料、足場、などの1つまたは複数のスクリューパラメーターは、システムに使用されて、例えば、既存の範囲または在庫から、1つまたは複数の患者特異的ケージを設計、作製、および/または選択できる。
【0156】
術中追跡センサー
一般的に言って、X線透視法および/またはCTスキャンなどの特定の術中画像化は、脊椎弯曲および/またはその矯正の術中評価のために使用できる。しかし、このような工程は通常、脊椎弯曲の瞬間的な視覚/評価のみを提供する。従って、脊椎弯曲/角形成のライブ追跡を可能として、実質的な外科医に対する支援を与え、それにより、ライブ制御下が必要である場合に外科医が脊椎に対するさらなる矯正を行うことをさらに可能とすることは有利であり得る。同時に、通常の手術と比較して、多くの追加のステップが必要となり得るので、光電子受動的センサーに基づくものなどの特定のライブ追跡装置が、外科医のワークフローを乱す可能性がある
【0157】
したがって、本明細書で記載のいくつかの実施形態では、術中監視を可能とするシステム、装置、および方法が提供される。特に、特定の実施形態では、システムは、手術ワークフローに対し軽微なフットプリントのみを加えながら、外科医動作をリアルタイム、準リアルタイム、および/または実質的にリアルタイムで追跡し、それを術前計画とさらに比較するように構成できる。
【0158】
いくつかの実施形態では、システムは、外科医が患者の脊椎を操作することを可能にでき、1つまたは複数の椎骨に取り付けられた1つまたは複数のセンサーの1つまたは複数の位置および/または1つまたは複数の配向を追跡することを可能にできる。1つまたは複数の椎骨に取り付けられた1つまたは複数のセンサーは、センサーが取り付けられた椎骨の1つまたは複数の位置および/または配向に関連する追跡データを得るように構成できる。従って、特定の実施形態では、このような追跡データおよび/またはそこから誘導したガイダンスデータに基づいて、その後、1つまたは複数のセンサー読み値が脊椎の位置決めが最適、望ましい、および/または所定の計画と一致することを示すまで、外科医は、患者の脊椎を、操作することができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、X線透視法および/またはCTスキャンなどの術中画像化工程または技術は、術中画像化のために使用できる。例えば、特定の実施形態では、術中X線透視法を使って、解剖学的形態構造に関するスクリューの位置を評価して、術中追跡を提供できる。特定の実施形態では、1つまたは複数のセンサーは、1つまたは複数の赤外線カメラおよび/または電磁的検出と共に使用できる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサーおよび/または骨の位置および/または配向は、能動的センサーの使用により特定できる。特定の実施形態では、1つまたは複数の受動的センサーも使用できる。
【0160】
いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の能動的センサーの使用により、1つまたは複数の椎弓根スクリューの位置および/または配向、次に、1つまたは複数の椎弓根スクリューがそれに取り付けられた1つまたは複数の骨および/または椎骨の位置および/または配向を特定するように構成できる。従って、特定の実施形態では、システムは、何らかの受信機が、共通軸システム上の1つまたは複数のセンサーの位置、配向、および/または角形成を解釈する必要もなく、1つまたは複数の能動的センサーを利用するように構成され、換言すれば、いくつかの実施形態では、全体術中追跡システムおよび/または装置は、1個のみのまたはそれを超えるセンサーおよび1つまたは複数のセンサーのシグナルを処理し、そこから得た1つまたは複数の測定値を表示する、1つまたは複数のコンピューター装置またはシステムを含み得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用される用語のセンサーは、電池などの電源、無線送信機、およびリアルタイム追跡のための1つまたは複数の能動的および/または受動的センサーを含み得る。特定の実施形態では、1つまたは複数のセンサーは、6つの自由度(DOF)および/または9つのDOFの場合などの、1つまたは複数の加速度計および/または1つまたは複数のジャイロスコープを含む、1つまたは複数の慣性測定ユニットを得ることができる。いくつかの実施形態では、システムは、6つのDOFおよび/または9つのDOFにおける慣性測定ユニットであるように構成される1つまたは複数の能動的センサーを含み得る。システムが1つまたは複数の受動的センサーを利用するように構成できるいくつかの実施形態では、視覚追跡を利用して、術中追跡をリアルタイム、準リアルタイム、および/または実質的にリアルタイムで得ることができる。能動的センサーのみが使用される他の実施形態では、システムは、視覚追跡に依存しないように構成できる。むしろ、システムは、リアルタイム、準リアルタイム、および/または実質的にリアルタイムでの術中追跡に対する動作データの無線送信を利用できる。
【0162】
特定の実施形態では、システムは、患者脊椎に取り付けられた2つ以上のセンサーの相対的配向および/または位置を決定し、例えば、独立したセンサーデータを解釈することにより、脊椎弯曲を測定および/または計算するように構成できる。特に、いくつかの実施形態では、システムは、重力ベクトルを共通の基準として使用して、2つ以上のセンサーから得られた独立したセンサーデータを解釈するように構成できる。特定の実施形態では、各中心ユニットの3つの軸の内の2つを、手術台上にある患者の矢状面に対する確定角と平行または実質的に平行な面であると仮定または見なすことができる。換言すれば、特定の実施形態では、2つ以上のセンサーの位置および/または配向は、各センサーにより収集される3軸の内の2つの位置データは、手術台上の患者の矢状面に平行または実質的に平行な面であるかまたはそのように仮定されるように構成できる。従って、いくつかの実施形態では、慣性ユニットの適切な位置決めは、センサー/インプラント境界面により機械的に得ることができる。
【0163】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサーは、例えば、1つまたは複数のインプラント/スクリューを介して提供される1つまたは複数の境界面により全ての椎骨に、および/または骨構造に直接的に取り付けることができる。特定の実施形態では、1つまたは複数のセンサーは、椎骨の一部のみに取り付けできる。従って、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサーは、脊椎の有用な位置および/または角度データを得ることができるサブセットの椎骨にのみ取り付けられ得る。図13Aは、術中追跡の例示的実施形態を示す概略図である。図13Aに示すように、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサー1302は、例えば、脊椎ロッド1304が埋め込まれている特定の椎骨のみに取り付けられ得る。例えば、特定の実施形態では、1つまたは複数のセンサーは、S1、L1およびT4椎骨に取り付けて、L1-S1脊柱前湾および/またはT4-T12脊柱後弯を評価し得る。
【0164】
1つまたは複数のセンサーが直接連結および/または1つまたは複数のスクリューに取り付けられたいくつかの実施形態では、システムは、矢状面中でのスクリューの角形成は、椎骨(または上端板)角形成に実質的に等しいと仮定するように構成できる。場合により、特定の実施形態では、術中X線透視像を使って、矢状面ならびに他の面中の椎骨端板などの解剖学的形態構造に関するスクリューの位置を評価できる。
【0165】
図13B~13Gは、術中追跡に使用できるスクリューおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。いくつかの実施形態では、1種または複数のスクリューおよび/または他のインプラントは、単軸および/または多軸であり得る。図13B~13Eは、単軸スクリュー例示的実施形態を示し、図13Fおよび13Gは、多軸スクリューの例示的実施形態を示す。
【0166】
1つまたは複数の単軸スクリューが使用される特定の実施形態では、システムは、埋め込まれた全てのスクリューの位置および/または角度を追跡し、それにより、スクリューの位置に基づいて、椎骨の位置を追跡するように構成できる。単軸スクリューは、全てのスクリューの動きは、剛体運動のみに起因するという仮説に基づいて、1個のみのセンサー1302を含み得る。特定の実施形態では、単軸スクリューは、1つまたは複数のセンサー1302を含み得る。
【0167】
いくつかの実施形態では、多軸スクリューは、例えば、特定の運動または動きが椎骨それ自体の剛体運動に起因するか、または少なくとも部分的に、または椎骨の内側および外側などのスクリューの異なる部分間の運動のために完全に、剛体運動に起因するか、または非剛体運動に起因するかを判定できるように、1つまたは複数のセンサーおよび/または2つ以上のセンサー1302を含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、2つ以上のセンサー読み値間の相関がある場合、特定の動きが剛体運動であることを決定するように構成できる。
【0168】
いくつかの実施形態では、スクリューの頂部および/またはほかのインプラントは、1つまたは複数の能動および/または受動センサーを含むことができる。特定の実施形態では、スクリューの頂部および/またはほかのインプラントはまた、電池などの電源、および/または無線送信機、ならびに1つまたは複数の能動的および/または受動的センサーを含み得る。いくつかの実施形態では、頂部は、手術中に後で切り離すことができ、埋め込まれない。センサー1302、または少なくとも1つまたは複数のその部分は、その後、再使用、廃棄、および/または将来の使用のために転用できる。例えば、図13B~13Eに示した例示的実施形態では、システムは、それぞれ取付部1306および頂部1308を含む、単軸スクリュー、多軸スクリュー、および/または他のインプラントの内の1つまたは複数を利用するように構成できる。頂部1308は、特定のスクリューのための単一センサー1302を含み得る。同様に、図13Fおよび13Gで示した例示的実施形態では、システムは、それぞれ取付部1306および頂部1308を含む、多軸スクリュー、および/または他のインプラントの内の1つまたは複数を利用するように構成できる。示したように、特定の実施形態では、頂部1308は、特定のスクリューそれぞれのための2つ以上のセンサー1302を含み得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、術中追跡システムまたは装置は、椎骨に取り付けられる少なくとも2つ以上のスクリューを必要とし得、2つ以上のスクリューのそれぞれは、少なくとも1つのセンサーを含む。特定の実施形態では、術中追跡システムまたは装置は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、および/または10個の1つまたは複数の椎骨に取り付けられるセンサーを含むスクリューを必要とし得る。いくつかの実施形態では、術中追跡システムまたは装置は、特定の範囲の数の、少なくとも1つのセンサーを含むスクリューを必要とし得る。このセンサーの数の範囲は、2つの上述の値により規定される。
【0170】
特定の実施形態では、1、2、3、4つ、および/またはそれを超える少なくとも1つのセンサーを含むスクリューが椎骨に取り付けられると、システムは、1つまたは複数のスクリューおよびしたがって椎骨の現在位置、配向、および/または角度の1つまたは複数のセンサーの読み値を得るように構成できる。1つまたは複数のセンサーからの読み値、および/またはそこからの生成されるガイダンスに基づいて、外科医は、患者の脊椎を必要に応じ、さらに操作できる。例えば、いくつかの実施形態では、術中追跡システムおよび/または装置は、更新された追跡データおよび/またはそこからの解析を継続的におよび/または定期的に提供するように構成でき、それにより、外科医は、1つまたは複数のセンサー読み値が、脊椎の1つまたは複数の位置決めおよび/または配向が最適であること、および/または所定の計画と一致または実質的に一致することを示すまで、患者の脊椎を操作できる。
【0171】
いくつかの実施形態では、システムはまた、脊椎を特定の方法および/または方向に操作し、所定の計画に到達するおよび/またはより密接して所定の計画を追跡するように、外科医に、チップ、ガイダンス、および/または提案を与えるように構成できる。いくつかの実施形態では、外科医は、最適または所望の脊椎配置が得られると、2、3、4つおよび/またはそれを超えるスクリューにより脊椎ロッドを埋め込むことができる。特定の実施形態では、ロッド埋め込み後、1つまたは複数のセンサーを含むスクリューの頂部は、切り離すことができる。
【0172】
特定の実施形態では、1つまたは複数のセンサーは、スクリューの一部として提供されず、むしろ、最終的にスクリューを椎骨に取り付けるために使用できる、1つまたは複数の外科ツールが1つまたは複数のセンサーを含む。例えば、ドライバー、ナット回し、または椎弓根スクリュー、足場、および/またはほかのインプラントを取り付けるように構成された他の特殊または通常の外科ツールは、術中追跡目的のための1つまたは複数の能動的および/または受動的センサーを含み得る。特定の実施形態では、術中追跡システムは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、および/または10個の外科ツールが1つまたは複数のセンサーを含むことを必要とし得る。特定の実施形態では、術中追跡システムまたは装置は、特定の範囲の数のツールが、少なくとも1つのセンサーを含むことを必要とし得、この範囲は、2つの上述の値により規定される。
【0173】
いくつかの実施形態では、術中追跡目的のための1つまたは複数のセンサーを含む外科ツールは、例えば、6つのDOFおよび/または9つのDOFの、外科ツールの現在の位置および/または配向データを測定および/または保存するボタンまたは他のシグナル伝達機構を含み得る。従って、特定の実施形態では、スクリュー、足場、またはその他のインプラントが、このような外科ツールを用いて、椎骨に取り付けられるなどの所定位置に置かれると、外科医または他の医療関係者は、ツール中のセンサーを有効にして、それにより、その時点での配向および/または位置データを検出および/または提供できる。従って、いくつかの実施形態では、術中追跡システムは、リアルタイム追跡データを提供するのではなく、時間的に凍結されたデータを提供するように構成できる。
【0174】
図14A~14Eは、術中追跡に使用できるツールおよび/またはセンサーの例示的実施形態を示す。図14Aに図示されているように、いくつかの実施形態では、ドライバー1400は、1つまたは複数のセンサー1302および/または術中追跡用のその他の電子部品を含み得る。図14Aの例示的実施形態に示されているように、特定の実施形態では、1つまたは複数のセンサー1302および/または他の電子部品は、ドライバーのシャフト1402中に配置できる。図14Bの例示的実施形態に示されているように、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサー1302および/または他の電子部品は、ドライバーのハンドル1404中に配置できる。さらに、図14Cの例示的実施形態に示されているように、ナット回し1406は、1つまたは複数のセンサー1302を、例えば、シャフト1408中および/またはハンドル中に含めることができる。
【0175】
図14Dおよび14Eの例示的実施形態に示すように、スクリュー1306、ナット、足場、および/または他のインプラントに結合されるように構成された追加のハウジング構造1410が、1つまたは複数の能動的および/または受動的センサー1302を含み得る。特定の実施形態では、追加のハウジング構造1410はまた、電池などの電源、および/または無線送信機、ならびに1つまたは複数の能動的および/または受動的センサー1302を含み得る。いくつかの実施形態では、追加のハウジング構造1410は、取り外し可能なハンドル1412に使用および/または結合されるように構成できる。追加のハウジング構造1410は、スクリュー1306および/または他の椎弓根足場またはインプラントに取り付けることができる。脊椎は、手術中に調節される間、追加のハウジング構造1410はまだ、スクリュー1306に取り付けられているので、1つまたは複数のセンサー1302は、スクリュー1306の配向および/または位置に関連するデータを提供できる。脊椎が許容可能なレベルに調節される後で、脊椎ロッド1304が挿入でき、スクリュー1306および/または他の椎弓根足場またはインプラントが取り外し可能なハンドル1412を用いて椎骨に固定でき、その後、追加のハウジング構造1410が取り外され得る。いくつかの実施形態では、追加のハウジング構造1410は、1つまたは複数のセンサー、電源、および/または無線送信機を配置するための追加のスペースまたは体積を提供できる。
【0176】
予測モデリング
いくつかの実施形態では、システムは、外科手術のための1つまたは複数の予測モデルまたはアルゴリズムを生成するように構成される。特定の実施形態では、1つまたは複数の予測モデルおよび/またはアルゴリズムは、例えば、脊椎の外科手術から生じ得る1つまたは複数の手術パラメーターおよび/または変数を予測するように構成される。いくつかの実施形態では、予測モデルおよび/またはアルゴリズムは、所望の手術結果を達成するための手術計画を生成するように構成される。例えば、本明細書で開示のシステムは、術前患者入力データにアクセスし、脊椎ロッドを患者に埋め込むための手術計画を生成するように構成でき、患者に個別化されて生成される手術計画は、特定の患者に対する最適手術後脊椎弯曲を生成するように構成される。
【0177】
患者が医師により手術を受ける場合、手術結果は通常、外科医の推定およびそれまでの手術経験に基づいて決定できる。例えば、脊椎ロッドが患者に埋め込まれる場合、外科医は、患者の身体および他の特長を解析できる。これらの観察に基づいて、外科医は、一般的推定値を提供し、および/または患者の術後により良好な脊椎弯曲が得られると外科医が確信している特定の手術パラメーターを選択できる。しかし、現実には、外科医の推定値および選択された手術パラメーターは、最も所望されるまたは最適手術結果をもたらさない場合がある。
【0178】
例えば、患者脊椎弯曲を改善するために脊椎手術を実施する場合、医師は、患者に埋め込む脊椎ロッドの弯曲を選択できる。ロッド弯曲選択は、患者の医師の観察に基づいて、外科医により決定および/または推定でき、このような決定と推定は、手術後、最適より小さい脊椎弯曲を有する患者をもたらし得る。したがって、術前患者特性に基づいて、術後手術パラメーターを予測し得るシステムがあれば、外科医および/または患者にとって有益であり得る。例えば、脊椎手術を実施する前に、特定の特性を有する特定の患者に対して術後最適脊椎弯曲を達成するために、手術計画で利用されるべき1つまたは複数の最適手術パラメーターを決定することは、有用であろう。本明細書で開示の特定のシステム、方法、および装置は、前述の問題に対処するように構成される。
【0179】
特に、いくつかの実施形態では、システムは、術前患者特性にアクセスし、1つまたは複数のこのような変数を予測アルゴリズムに入力するように構成できる。特定の実施形態では、システムは、予測アルゴリズムを利用して、患者の最適術後結果を生成するように予測される1つまたは複数の特異的手術パラメーターを有する1つまたは複数の手術計画を生成するように構成できる。例えば、システムは、術前脊椎弯曲および角度、患者の年齢、遺伝子地図または遺伝子状態、および/またはその他の変数などの1つまたは複数の患者特性を受け取るように構成できる。特に、特定の遺伝子の存在は、脊柱側弯症などの特定の状態および/または手術結果と相関し得る。システムは、このような患者特性および/または変数を予測アルゴリズムへの入力のために利用するように構成できる。システムは、予測アルゴリズムに基づいて、患者の術後の最適脊椎弯曲を達成するために、最適脊椎ロッド弯曲および/または計装位置および/またはその他の変数などの特異的手術パラメーターを出力するように構成できる。
【0180】
いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の予測アルゴリズムを利用して、術後の結果の予測を生成するように構成できる。例えば、システムは、外科医が手術計画に使用する意図がある1つまたは複数の患者特性ならびに手術パラメーターにアクセスするように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、予測アルゴリズムを利用して、手術計画に関連する手術パラメーターから得られる術後結果を決定するように構成できる。例えば、システムは、術前脊椎弯曲および/または角度、患者の年齢、遺伝子状態、および/またはその他の変数などの患者特性にアクセスするように構成できる。システムはまた、外科医が患者に埋め込むことを意図している脊椎ロッドの弯曲にアクセスするように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、入力変数、この実施例では、患者特性および患者に埋め込まれる脊椎ロッドの弯曲に基づいて、患者の予測的手術後脊椎弯曲を生成するように構成できる。
【0181】
当業者なら、本明細書で開示のシステムは、無数の外科手術に適用可能であり、脊椎手術に限定することを意図するものではないことを理解するであろう。例えば、本明細書で開示のシステムは、限定されないが、頚部、頭部、手、足、脚部、および腕手術などの整形外科手術を含む、任意の種類の手術に適用できる。
【0182】
いくつかの実施形態では、システムは、術後パラメーターを予測するための予測モデルを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、1人または複数の患者の術前および/または術後データを含むデータセットを選択することにより、予測モデルを生成するように構成できる。非限定的例として、いくつかの実施形態では、システムは、PJK(近位隣接椎間後弯変形)を有する全ての症例を特定し、このような症例をデータセットから取り除くように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、全ての小児科症例をデータセットから取り除くように構成される。いくつかの実施形態では、小児科の症例の取り除きは、データセット中の以前の症例の知識に基づき得る。
【0183】
いくつかの実施形態では、システムは、計装レベルに基づいて、データを異なるグループに分割するように構成される。例えば、システムは、データセットを、L1-L5およびS1-Iliacの位置で計装される第1のグループ、およびT10-T12およびS1-Iliacの位置で計装される第2のグループに分割するように構成できる。各グループに対し、いくつかの実施形態では、システムは、訓練セットおよび試験セットに(例えば、約75%のデータを訓練セットに、約25%のデータを試験セットに)データを分割するように構成される。
【0184】
いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の入力パラメーター、例えば、年齢、PI術前値、PT術前値、LL術前値、TK術前値、SVA術前値、下部計装レベル、上部計装レベル、LL術後目標値、外科医、重量、術前スプラインの形状、術前X線、などを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、入力パラメーターの範囲を規格化および/または拡大縮小法を利用するように構成される。
【0185】
いくつかの実施形態では、システムは、訓練セットに基づいてデータを規格化するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、線形モデル、ニューラルネットワーク、ディープラーニング、SVR、などの複数のモデルタイプから第1のモデルタイプを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、交差検証を用いて、最良の形態を選択するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、データセットを新規訓練セットと新規試験セットに分割することにより、交差検証を実施するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、モデルを新規訓練セットで訓練し、結果を新規試験セットで評価するように構成される。
【0186】
いくつかの実施形態では、システムは、各データが試験セットで1回となり、ただ1回のみになるまで、訓練工程を反復するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、モデルを新規訓練セットで訓練し、結果を新規試験セットで評価するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、正則化および変数選択アルゴリズムleast absolute shrinkage and selection operator(LASSO)を有する最小角度回帰(LARS)と命名された線型モデルを利用するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、訓練したモデルを試験セットで試験し、訓練したモデルが精度閾値レベルを満たすかどうかを判定するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、訓練したモデルを利用して提案された手術計画と比較し、手術計画が患者にとって最適であるかどうか、および/または特定の患者特性を有する患者にとって最適術後結果をもたらすかどうかを判定するように構成される。
【0187】
図15は、予測モデリングの例示的実施形態を示すフローチャートである。示した例示的実施形態では、システムは、ブロック1502で、1つまたは複数の術前、術中、および/または術後データセットにアクセスするおよび/またはそれを取り出すように構成できる。1つまたは複数のデータセットは、特に、計画データベース216および/または手術データベース218などの1つまたは複数のデータベースにアクセスし、および/またはそれから取り出すことができる。
【0188】
特定の実施形態では、システムは、ブロック1504で、取り出したまたはアクセスしたデータセットが術後データを含むかどうかを判定するように構成できる。データセットが術後データを含む場合、システムは、ブロック1506で、1つまたは複数の、本明細書で記載のものなどの目的の変数を、術後データおよび/または関連術前および/または術中データセットから特定するように構成できる。特定した1つまたは複数の変数に一部分は基づいて、システムは、ブロック1508で、本明細書で記載の1つまたは複数の工程または技術に従って、ブロック予測モデリングアルゴリズムを訓練するように構成できる。この訓練工程および/または技術および/またはその一部は、必要に応じて反復し得る。例えば、特定の実施形態では、システムは、追加の患者からの追加のデータおよび/または既知患者からの追加の術後データ、などが利用可能になるので、アルゴリズムの訓練および/またはその一部を反復するように構成される。
【0189】
いくつかの実施形態では、取り出したまたはアクセスしたデータセットが新しい症例に対するものであり、従って、術後データを含まない場合、システムは、1つまたは複数の予測モデリングアルゴリズムをこのような入力術前データに適用するように構成できる。特に、特定の実施形態では、システムは、ブロック1510で、入力術前データからの1つまたは複数の変数を特定し、および/またはそれを1つまたは複数の他のデータセットと比較するように構成できる。いくつかの実施形態では、比較および/または他のデータ解析に基づいて、システムは、1つまたは複数の予測モデリングアルゴリズムを入力術前データに適用できる。その後、いくつかの実施形態では、システムは、ブロック1512で、予測モデルに基づいて、1つまたは複数の予測手術結果および/または計画および/または1つまたは複数のその変数を生成するように構成できる。特定の実施形態では、得られた手術計画および/または1つまたは複数のその変数に少なくとも部分的に基づいて、ブロック1514で、システムは、脊椎ロッド、ケージ、および/またはスクリューなどの、1つまたは複数の脊椎インプラントの選択のためのガイダンスを作製、修正、選択、および/または提供するように構成できる。
【0190】
予測モデリングのためのその他の実施形態
いくつかの実施形態では、システムは、胸部後弯または骨盤傾斜などの術後パラメーターを決定するための予測モデルを生成するように構成されるコンピューター実装方法を実施するように構成され、コンピューター実装方法は、電子データベースのデータセットへのアクセスを含み、データセットは、患者に関するデータ(例えば、X線像または臨床的情報)および手術戦略(例えば、上部計装椎骨、下部計装椎骨、など)を含む。いくつかの実施形態では、コンピューター実装方法は、パラメーターがモデルの入力でなければならず、そのパラメーターがモデルの出力でなければならないデータセットで定義されるように構成される。例えば、モデルの出力は、システムが予測されるように構成されるパラメーターであり得る。
【0191】
いくつかの実施形態では、システムは、必要に応じ、脊椎手術領域知識に基づいて、データセットを複数のカテゴリーに分割するように構成され、例えば、データセットは、成人症例および小児科症例に分離するように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、各カテゴリーのための予測モデルを生成するように構成できる。いくつかの実施形態では、システムは、データを第1のサブカテゴリーおよび第2のサブカテゴリーに分割するように構成され、第1のサブカテゴリーは、訓練に使用され、第2のサブカテゴリーは、予測モデルの試験に使用される。いくつかの実施形態では、システムは、第1のカテゴリーを用いてデータを規格化するように構成される。
【0192】
いくつかの実施形態では、システムは、モデルアルゴリズム、例えば、ニューラルネットワーク、サポートベクター回帰、線形モデル、などを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、交差検証戦略の使用に基づいて、モデルを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、第1のサブカテゴリーに基づいて、1つまたは複数の入力値をモデルに入力し、第1のサブカテゴリーの出力値に基づいて、統計モデルを訓練するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、生成された訓練したモデルに1つまたは複数の入力データ値を入力し、モデルにより生成された出力を、第1のサブカテゴリーの出力値と比較するように構成される。特定の実施形態では、前述の比較に基づいて、モデルが生成され、モデルの性能は既知である。いくつかの実施形態では、システムは、第1の訓練した統計モデルをデータリポジトリに保存するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータープロセッサーおよび電子記憶装置を含む。特定の実施形態では、1つまたは複数の上記特定された工程または技術は、データセットを上述の脊椎手術領域知識ブロックに基づいて分割される場合に定義されたそれぞれのカテゴリーに対し、反復される。
【0193】
いくつかの実施形態では、システムは、術後パラメーターを評価するための予測モデルを生成するために、コンピューター実装方法を実施するように構成され、コンピューター実装方法は、電子データベースのデータセットへのアクセスを含み、データセットは、1人または複数の患者から収集したデータおよび1人または複数の患者に採用された脊椎手術戦略を含む。いくつかの実施形態では、システムは、脊椎手術領域知識に基づいて、データセットを1つまたは複数のカテゴリーに分類するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、それぞれのカテゴリーに対し、データを第1のサブカテゴリーおよび第2のサブカテゴリーに分割するように構成され、第1のサブカテゴリーは、訓練に使用され、第2のサブカテゴリーは、予測モデルの試験に使用される。
【0194】
いくつかの実施形態では、システムは、第1のサブカテゴリーのデータを規格化するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、第1のサブカテゴリーのデータに対し、モデルアルゴリズムを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、第1のサブカテゴリーから第1セットの入力値をモデルアルゴリズムに入力して、第1のサブカテゴリーからの第1セットの出力値に基づいて予測モデルを訓練するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、第2のサブカテゴリーからの第2セットの入力値を訓練した予測モデルに入力し、第2のサブカテゴリーからの第2セットの出力値で訓練した予測モデルにより生成された結果を比較するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、実装または将来の使用のために、訓練予測モデルをデータリポジトリに保存するように構成される。いくつかの実施形態では、術後パラメーターは、胸部後弯または骨盤傾斜の内の1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータープロセッサーおよび電子記憶装置を含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、1人または複数の患者から収集したデータは、1つまたは複数のX線または臨床情報を含む。いくつかの実施形態では、1人または複数の患者に採用された手術戦略は、上部計装椎骨または下部計装椎骨に関連するデータの内の1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、脊椎手術領域知識は、成人症例または小児科症例の内の1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、モデルアルゴリズムは、ニューラルネットワーク、サポートベクター回帰、または線型モデルの内の1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、モデルアルゴリズムは、交差検証戦略を用いて選択される。
【0196】
いくつかの実施形態では、システムは、術後胸部後弯および骨盤傾斜パラメーターを推定するための予測モデルを生成するために、コンピューター実装方法を実施するように構成され、コンピューター実装方法は、電子データベースのデータセットへのアクセスを含み、データセットは、脊椎手術からのデータを含み、脊椎手術は、少なくとも上部計装椎骨および下部計装椎骨を含む。いくつかの実施形態では、システムは、データセットを解析して、データセットを複数のカテゴリーに分割するように構成され、複数のカテゴリーは、手術からのデータを含む第1のカテゴリーを含み、上部計装椎骨がL1およびL5椎骨の間に配置され、下部計装椎骨がS1およびiliacの間に配置される。
【0197】
いくつかの実施形態では、システムは、第1のカテゴリーを選択し、手術からのデータにアクセスするように構成され、データは、第1のカテゴリーの手術のそれぞれに対する、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、矢状面垂直軸術前値、下部計装椎骨値、上部計装椎骨値、または腰部前弯術後目標値の内の1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、システムは、第1のカテゴリーのデータを規格化するように構成される。
【0198】
いくつかの実施形態では、システムは、データを第1のサブカテゴリーおよび第2のサブカテゴリーに分割するように構成され、第1のサブカテゴリーは、訓練に使用され、第2のサブカテゴリーは、術後胸部後弯および骨盤傾斜パラメーターを決定するための予測モデルの試験に使用される。いくつかの実施形態では、システムは、第1のサブカテゴリー中の術前データ値を複数の統計モデルに入力し、術後データ値に基づいて統計モデルを訓練するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、第2のサブカテゴリー中の術前データ値を複数の訓練した統計モデルに入力し、複数の訓練した統計モデルからの出力値を第2のサブカテゴリーの術後データ値と比較するように構成される。
【0199】
いくつかの実施形態では、システムは、複数の訓練した統計モデルから第1の訓練した統計モデルを選択するように構成され、第1の訓練した統計モデルは、比較に基づいて、術後データ値に最も近い出力値を生成した。いくつかの実施形態では、システムは、第1の訓練を行った統計モデルを電子記憶装置に保存するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータープロセッサーおよび電子記憶装置を含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、システムは、術後パラメーターを評価するための予測モデルに基づいて手術計画を生成するために、コンピューター実装方法を実施するように構成され、コンピューター実装方法は、患者の脊椎の一部の1つまたは複数の医用画像にアクセスすることを含む。いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の医用画像を解析して、患者の脊椎に関連する1つまたは複数の術前変数を決定するように構成され、1つまたは複数の術前変数は、UIL、LIL、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、または矢状面垂直軸術前値の内の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、システムは、予測モデルの適用に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の術後変数の予測を生成するように構成され、予測モデルは、1つまたは複数の次の工程により生成される。
【0201】
いくつかの実施形態では、予測モデルは、電子データベースのデータセットへのアクセスを含み、データセットは、1人または複数の以前の患者から収集したデータおよび1人または複数の以前の患者に採用された脊椎手術戦略を含む。いくつかの実施形態では、予測モデルは、脊椎手術領域知識に基づいて、データセットを1つまたは複数のカテゴリーに分類するように構成される。いくつかの実施形態では、予測モデルは、第1のサブカテゴリーのデータを規格化するように構成される。
【0202】
いくつかの実施形態では、予測モデルは、第1のサブカテゴリーのデータに対し、モデルアルゴリズムを選択するように構成される。いくつかの実施形態では、予測モデルは、第1のサブカテゴリーの第1セットの入力値をモデルアルゴリズムに入力して、第1のサブカテゴリーの第1セットの出力値に基づいて予測モデルを訓練するように構成される。いくつかの実施形態では、予測モデルは、第2のサブカテゴリーの第2セットの入力値を訓練した予測モデルに入力し、第2のサブカテゴリーの第2セットの出力値で訓練した予測モデルにより生成された結果を比較するように構成される。
【0203】
いくつかの実施形態では、予測モデルの術後パラメーターは、胸部後弯または骨盤傾斜の内の1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、システムは、予測モデルにより生成された1つまたは複数の予測術後変数に少なくとも部分的に基づいて、手術計画を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、手術計画は、埋め込むケージの数、ケージの埋め込み位置、埋め込み用の脊椎ロッドの長さ、または脊椎ロッドの弯曲の内の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータープロセッサーおよび電子記憶装置を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、システムは、術後の胸部後弯および骨盤傾斜パラメーターを評価するための予測モデルに基づいて手術計画を生成するために、コンピューター実装方法を実施するように構成され、コンピューター実装方法は、患者の脊椎の一部の1つまたは複数の医用画像にアクセスすることを含む。いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の医用画像を解析して、患者の脊椎に関連する1つまたは複数の術前変数を決定するように構成され、1つまたは複数の術前変数は、UIL、LIL、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、または矢状面垂直軸術前値の内の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、システムは、予測モデルの適用に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の術後変数の予測を生成するように構成され、予測モデルは、1つまたは複数の次の工程により生成される。
【0205】
いくつかの実施形態では、予測モデルは、電子データベースのデータセットへアクセスするように構成され、データセットは、脊椎手術からのデータを含み、脊椎手術は、少なくとも上部計装椎骨および下部計装椎骨を含む。いくつかの実施形態では、予測モデルは、データセットを解析して、データセットを複数のカテゴリーに分割するように構成され、複数のカテゴリーは、手術からのデータを含む第1のカテゴリーを含み、上部計装椎骨がL1およびL5椎骨の間に配置され、下部計装椎骨がS1およびiliacの間に配置される。
【0206】
いくつかの実施形態では、予測モデルは、第1のカテゴリーを選択し、手術からのデータにアクセスするように構成され、データは、第1のカテゴリーの手術のそれぞれに対する、患者の年齢、骨盤形態術前値、骨盤傾斜術前値、腰部前弯術前値、胸部後弯術前値、矢状面垂直軸術前値、下部計装椎骨値、上部計装椎骨値、または腰部前弯術後目標値の内の1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、予測モデルは、第1のカテゴリーのデータを規格化するように構成される。
【0207】
いくつかの実施形態では、予測モデルは、データを第1のサブカテゴリーおよび第2のサブカテゴリーに分割するように構成され、第1のサブカテゴリーは、訓練に使用され、第2のサブカテゴリーは、術後胸部後弯および骨盤傾斜パラメーターを決定するための予測モデルの試験に使用される。いくつかの実施形態では、予測モデルは、第1のサブカテゴリー中の術前データ値を複数の統計モデルに入力し、術後データ値に基づいて統計モデルを訓練するように構成される。いくつかの実施形態では、予測モデルは、第2のサブカテゴリー中の術前データ値を複数の訓練した統計モデルに入力し、複数の訓練した統計モデルからの出力値を第2のサブカテゴリーの術後データ値と比較するように構成される。
【0208】
いくつかの実施形態では、予測モデルは、複数の訓練した統計モデルから第1の訓練した統計モデルを選択するように構成され、第1の訓練した統計モデルは、比較に基づいて、術後データ値に最も近い出力値を生成した。いくつかの実施形態では、予測された1つまたは複数の術後変数は、腰部前弯術後目標値、胸部後弯術後値、または矢状面垂直軸術後値の内の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の予測術後変数に少なくとも部分的に基づいて、手術計画を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、手術計画は、埋め込むケージの数、ケージの埋め込み位置、埋め込み用の脊椎ロッドの長さ、または脊椎ロッドの弯曲の内の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータープロセッサーおよび電子記憶装置を含む。
【0209】
予測モデリングのためのデータ要素/パラメーター
いくつかの実施形態では、予測モデリングに関連する1つまたは複数の工程または技術を実施するために、システムは、1人または複数の患者から収集できる1つまたは複数の下記データ要素またはパラメーターを受け取る、それにアクセスするおよび/または、それを得るように構成できる。
【0210】
特に、特定の実施形態では、システムは、例えば、手術時年齢、性別、身長、体重、活動レベル、麻酔日、身体障害、教育、在宅介護要求、保険補償範囲、仕事、人種、仕事/学校/スポーツに戻る日、社会経済的状況、などの1つまたは複数の人口統計学的特性を受け取る、これにアクセスする、および/またはこれを得るように構成できる。
【0211】
いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数の患者報告結果、例えば、オズウェストリー腰痛障害質問票(Oswestry Disability Index(ODI))、頚椎障害指数(NDI)、脊柱側弯症研究会(SRS-22)質問票、Nurick、などを、受け取る、これにアクセスするおよび/または、これを得るように構成できる。
【0212】
特定の実施形態では、システムは、例えば、T4-T12 TK(胸部後弯)、L1-S1 LL(=腰部前弯)、側面C7~仙骨SVA(=矢状面垂直軸)、PT(=骨盤傾斜)、PI(骨盤形態)、L1-S1 TK(=胸部後弯)、などの術前および/または術後のデータなどの1つまたは複数のX線検査パラメーターを受け取る、これにアクセスするおよび/または、これを得るように構成できる。
【0213】
いくつかの実施形態では、システムは、頂椎の偏位 ThL/腰椎弯曲-CSVL、C2T1骨盤角度(=CTPA,°)、C2C7 SVA(mm)(=矢状面垂直軸)、頸椎前弯、レンケ分類、近位隣接椎間後弯変形(PJK)、Rod Tracing、SS、T1スロープ(T1S,°)T1傾斜角および方向、T10-L2、T12-S1腰部前彎、T2-T12、T2-T5、T5-T12胸部後弯、Th頂椎、Th屈曲、Th弯曲、Th弯曲レベル、(Th/L 腰椎頂椎、Th/L 腰椎弯曲、Th/L 腰椎弯曲 弯曲の方向、Th/L 腰椎弯曲レベル)、T1骨盤角度(TPA)、解剖学的後弯、解剖学的前湾、コブ角、矢状面および冠状面中の全ての椎骨コーナーおよび大腿骨頭の座標、頂椎の偏位 Th弯曲-C7プラム、頂椎の偏位 Th弯曲-CSVLのような術前または術後データ、コンピューター断層撮影の実施、計装用椎骨空間(EIV)より下の椎間板角形成、EIV角形成、冠状C7からCSVL、T1 S-CL(°)、TH CUrve-弯曲の方向、Y状軟骨、Th上部屈曲、Th上部弯曲、Th上部弯曲-弯曲の方向、Th上部弯曲-レベル、外耳道、骨盤側傾、骨盤回転、寛骨臼指数、などの1つまたは複数の他のX線検査パラメーターも同様に受け取る、アクセスする、および/または得るように構成できる。
【0214】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示のシステムは、計装材料、計装サイズ、計装タイプ、最下部計装、MIS(=最小侵襲手術)、レベルの数、実施した骨切り術、ロッド弯曲度および/または角度、ロッド切断パラメーター、最上部計装パラメーター、上部計装椎骨(UIV)、下部計装椎骨(LIV)、外科医、手術技術(いくつかの実施形態では、外科医の手術技術が、外科医の期待に一致する手術およびロッドをシミュレートできることを解析するために、機械学習アルゴリズムを使用する)、画像、スキャナー、MRI像(画像または画像セット)としてのX線検査などの1つまたは複数の手術データパラメーターを含む脊椎手術戦略を生成するように構成できる。
【0215】
例示的実施形態では、術前および/または術後のデータのための第1セットの入力値は、下記を含む:T4-T12 TK(=胸部後弯)、L1-S1 LL(=腰椎前弯)、側面C7から仙骨(SVA)(=矢状面垂直軸)、最下部計装椎骨(LIV)、最上部計装椎骨(UIV)、骨盤傾斜、手術時年齢、および骨盤形態(PI)。
【0216】
例示的実施形態では、術前および/または術後のデータのための第1セットの出力値は、下記を含む:T4-T12 TK(=胸部後弯)、L1-S1 LL(=腰部前弯)、および骨盤傾斜。
【0217】
システム
図16は、患者特異的脊椎治療、手術、および手順を開発するためのシステムの実施形態を示す概略図である。いくつかの実施形態では、メインサーバーシステム1602は、画像解析モジュール1604、症例シミュレーションモジュール1606、術中追跡モジュール1608、データ利用モジュール1610、予測モデリングモジュール1628、計画データベース1612、手術データベース1614、外科医データベース1616、および/または文献データベース1618から構成され得る。メインサーバーシステムは、ネットワーク1620に接続できる。ネットワークは、メインサーバーを、インプラント作製施設システム1626、1つまたは複数の医療施設クライアントシステム1622、および/または1つまたは複数の使用者アクセスポイントシステム1624の内の1つまたは複数と接続できる。
【0218】
画像解析モジュール1604は、画像解析および/または本明細書に記載の関連機能を提供することにより機能し得る。症例シミュレーションモジュール1606は、手術計画、症例シミュレーション、および/または本明細書に記載の関連機能を実施することにより機能し得る。術中追跡モジュール1608は、術中追跡、および/または本明細書に記載の関連機能を実施することにより機能し得る。データ利用モジュール1610は、1つまたは複数のデータベースおよび/または関連機能からデータを取り出すおよび/または、それにデータを保存することにより機能し得る。予測モデリングモジュール1628は、本明細書に記載の1つまたは複数の予測モデリング工程を実施することにより機能し得る。
【0219】
計画データベース1612は、システムにより生成された全ての計画および/または関連データのコレクションを提供し得る。手術データベース1614は、システムを利用して実施した全ての外科手術のコレクションおよび/または関連データを提供し得る。外科医データベース1616は、システムを利用した全ての外科医のコレクション、および/または外科医の好み、技能レベル、などの関連データを提供し得る。文献データベース1618は、脊椎手術に関連する科学文献のコレクションを提供し得る。
【0220】
コンピューターシステム
いくつかの実施形態では、システム、工程、本明細書で記載の方法は、図17に示すものなどの、コンピューティングシステムを用いて実施される。例示的コンピューターシステム1702は、1つまたは複数のコンピューティングシステム1720および/または1つまたは複数のデータソース1722と1つまたは複数のネットワーク1718を介して通信している。図17は、コンピューティングシステム1702の一実施形態を示すが、コンピューター1702の部品およびモジュールで提供される機能は、より少ない部品およびモジュールに統合され得る、または追加の部品およびモジュールにさらに分割され得ることは理解されよう。
【0221】
コンピューターシステム1702は、本明細書で記載の機能、方法、作用、および/または工程を実施する、患者特異的脊椎治療、手術、および手順モジュール1714を含み得る。患者特異的脊椎治療、手術、および手順モジュール1714は、以降でさらに考察される中央演算処理装置1706により、コンピューターシステム1702上で実行される。
【0222】
一般に、本明細書で使用される場合、単語の「モジュール」は、ハードウェアまたはファームウェア中で、またはソフトウェア命令のコレクションに対し、実施される、入口点および出口点を有するロジックを意味する。モジュールは、JAVA(登録商標)、CまたはC++、PYPHONなどのプログラム言語で記述される。ソフトウェアモジュールは、実行プログラムにコンパイルまたはリンク、ダイナミックリンクライブラリーにインストール、またはBASIC、PERL、LUA、またはPythonなどのインタープリタ型言語で記述され得る。ソフトウェアモジュールは、他のモジュールまたはそれ自体から呼び出され得、および/または検出イベントまたは割込に応答して、呼び出され得る。ハードウェアで実施されるモジュールには、ゲートおよびフリップフロップなどの連結論理ユニットが含まれ、および/またはプログラム可能ユニット、例えば、プログラム可能ゲートアレイまたはプロセッサーを含み得る。
【0223】
通常、本明細書で記載のモジュールは、物理的構成または物理記憶に関わらず、他のモジュールと組み合わせ得るかまたはサブモジュールに分割し得る論理モジュールを意味する。モジュールは、1つまたは複数のコンピューティングシステムにより実行され、任意の好適なコンピューター可読媒体上にまたは内に記憶され得るか、または特異的に設計されたハードウェアまたはファームウェア中に全体がもしくは部分的に実装され得る。全ての計算、解析、および/または最適化がコンピューターシステムを必要とするものではないが、上述の方法、計算、工程、または解析のいくつかは、コンピューターの使用により促進され得る。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で記載の工程ブロックは、変更、再構成、組み合わせ、および/または省き得る。
【0224】
コンピューターシステム1702は、1つまたは複数の処理装置(CPU)1706を含み、これはマイクロプロセッサーを含み得る。コンピューターシステム1702は、情報の一次的な記憶のためのランダムアクセスメモリー(RAM)などの物理的記憶装置1710、情報の永久的記憶のためのリードオンリーメモリ(ROM)、および補助記憶装置、ハードドライブ、回転磁気ディスク、固体ディスク(SSD)、フラッシュメモリー、相変化メモリー(PCM)、3Dクロスポイントメモリー、ディスケット、または光学媒体記憶装置などの大容量記憶装置1704をさらに含む。あるいは、大容量記憶装置は、サーバーアレイ中に実装され得る。通常、コンピューターシステム1702の部品は、標準的バスシステムを用いてコンピューターに接続される。バスシステムは、周辺部品相互接続規格(PCI)、マイクロチャネル、SCSI、産業標準アーキテクチャー(ISA)および拡張ISA(EISA)アーキテクチャーなどの種々のプロトコルを用いて実装され得る。
【0225】
コンピューターシステム1702は、キーボード、マウス、タッチパッド、および印刷機などの1つまたは複数の入力/出力(I/O)装置およびインターフェイス1712を含む。I/O装置およびインターフェイス1712は、モニターなどのデータの使用者へのビジュアルプレゼンテーションを可能とする1つまたは複数のディスプレイデバイスを含み得る。より具体的には、表示装置は、用途ソフトウェアデータとして、および例えば、マルチメディアプレゼンテーションとして、GUIのプレゼンテーションを提供する。I/O装置およびインターフェイス1712はまた、種々の外部装置への通信インターフェイスも提供する。コンピューターシステム1702は、例えば、スピーカー、ビデオカード、グラフィックアクセラレーター、およびマイクロフォンなどの1つまたは複数のマルチメディア装置1708を含み得る。
【0226】
コンピューターシステム1702は、サーバー、ウインドウズサーバー、構造化照会言語サーバー、ユニックスサーバー、パーソナルコンピューター、ラップトップコンピューター、などの種々のコンピューティングデバイス上で実行し得る。他の実施形態では、コンピューターシステム1702は、クラスターコンピューターシステム、メインフレームコンピューターシステムおよび/またはその他の大きなデータベースの制御および/またはそれとの通信に好適し、大量のトランザクション処理を行い、大きなデータベースからのレポートを生成するコンピューティングシステム上で実行し得る。コンピューティングシステム1702は通常、z/OS、ウインドウズ、リナックス(登録商標)、ユニックス、BSD、SunOS、ソラリス、MacOS、または知的所有権下にあるオペレーティングシステムを含むその他のコンパチブルオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムソフトウェアにより制御および調整される。オペレーティングシステムは、特に、実行のためのコンピュータープロセスの制御およびスケジュール、記憶装置管理の実施、ファイルシステム、ネットワーキング、およびI/Oサービスの提供、およびグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)などのユーザーインターフェースの提供を行う。
【0227】
図17に示したコンピューターシステム1702は、通信リンク1716(有線、無線、またはこれらの組み合わせ)を介して、LAN、WAN、またはインターネットなどのネットワーク1718と接続される。ネットワーク1718は、種々のコンピューティングデバイスおよび/またはその他の電子機器と通信する。ネットワーク1718は、1つまたは複数のコンピューティングシステム1720および1つまたは複数のデータソース1722と通信している。患者特異的脊椎治療、手術、および手順モジュール1714は、インターネット対応の使用者アクセスポイントを介して、コンピューティングシステム1720および/またはデータソース1722によりアクセスし得るまたはアクセスされ得る。接続は、直接的物理的接続、バーチャル接続、およびその他の接続形式であり得る。インターネット対応の使用者アクセスポイントは、テキスト、グラフィックス、オーディオ、ビデオ、およびその他の媒体を使用してデータを提示し、ネットワーク1718を介してデータとの相互作用を可能にするブラウザモジュールを含み得る。
【0228】
患者特異的脊椎治療、手術、および手順モジュール1714に対するコンピューティングシステム1720によるコンピューターシステム1702のアクセスは、コンピューティングシステム1720またはデータソースの1722パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピューター、電子書籍端末装置、オーディオプレイヤー、またはその他のネットワーク1718に接続できる装置などのインターネット対応の使用者アクセスポイントを経由し得る。このような装置は、テキスト、グラフィックス、オーディオ、ビデオ、およびその他の媒体を使用するモジュールとして実装されているブラウザモジュールを有し、データを提示し、ネットワーク1718を介してデータとの相互作用を可能にし得る。
【0229】
出力モジュールは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、またはその他のタイプおよび/またはディスプレイの組み合わせなどの、全点アドレス参照可能ディスプレイの組み合わせとして実装され得る。出力モジュールは、入力装置1712と連通する用に実装され得、それらはまた、メニュー、ウインドウ、ダイアログボックス、ツールバー、およびコントロール(例えば、ラジオボタン、チェックボックス、摺動スケール、など)などの定型化スクリーン要素の使用により使用者のデータアクセスを可能にする適切なインターフェイスを備えたソフトウェアも含む。さらに、出力モジュールは、一組の入力および出力装置と通信し、使用者からシグナルを受信する。
【0230】
入力装置は、キーボード、ローラーボール、ペンおよびスタイラス、マウス、トラックボール、音声認識システム、または予め指定したスイッチまたはボタンを含み得る。出力装置は、スピーカー、ディスプレイスクリーン、プリンター、または音声合成装置を含み得る。さらに、タッチスクリーンは、ハイブリッド入力/出力装置として機能し得る。別の実施形態では、使用者は、スコアジェネレーターに接続したシステム端末を介するなどにより、インターネット、WAN、またはLAN、または類似のネットワーク越しに通信せずに、さらに直接的に対話し得る。
【0231】
いくつかの実施形態では、システム1702は、遠隔マイクロプロセッサーとメインフレームホストコンピューターとの間で、アップロード、ダウンロード、リアルタイムでの双方向データおよびデータベースのオンライン閲覧などの明確な目的のために樹立された物理または論理接続を含み得る。遠隔マイクロプロセッサーは、コンピューターシステム1702を操作する、クライアントサーバーシステムまたはメインサーバーシステムを含む実体により操作され得る、および/または1つまたは複数のデータソース1722および/または1つまたは複数のコンピューティングシステム1720により操作され得る。いくつかの実施形態では、端末エミュレーションソフトウェアを、マイクロ-メインフレームリンクに参画するために、マイクロプロセッサー上で使用し得る。
【0232】
いくつかの実施形態では、コンピューターシステム1702を操作する実体に対し内部であるコンピューティングシステム1720は、患者特異的脊椎治療、手術、および手順モジュール1714に、内部的に、CPU1706により実行されるアプリケーションまたはプロセスとしてアクセスし得る。
【0233】
コンピューティングシステム1702は、1つまたは複数の内部および/または外部データソース(例えば、データソース1722)を含み得る。いくつかの実施形態では、データリポジトリおよび上記データソースの1つまたは複数が、DB2、サイベース、オラクル、コードベース、およびマイクロソフトSQLサーバーならびに他のタイプのデータベース、例えば、フラットファイルデータベース、実体関連データベース、およびオブジェクト指向データベース、および/またはレコードに基づくデータベースなどのリレーショナルデータベースを用いて実装され得る。
【0234】
コンピューターシステム1702はまた、1つまたは複数のデータベース1722にアクセスし得る。データベース1722は、データベース中にまたはデータリポジトリ中に保存され得る。コンピューターシステム1702は、ネットワーク1718を介して1つまたは複数のデータベース1722にアクセス、またはI/O装置およびインターフェイス1712を介してデータベースまたはデータリポジトリに直接的にアクセスし得る。1つまたは複数のデータベース1722を保存するデータリポジトリは、コンピューターシステム1702内に存在し得る。
【0235】
いくつかの実施形態では、本明細書で記載の1つまたは複数のシステムの特徴、方法、および装置は、例えば、データまたは使用者情報を保存および/または送信するために、URLおよび/またはクッキーを利用できる。ユニフォームリソースロケータ(URL)は、データベースおよび/またはサーバー上に保存されているウェブアドレスおよび/またはウェブリソースへの参照を含み得る。URLは、コンピューターおよび/またはコンピューターネットワーク上のリソースの位置を指定し得る。URLは、ネットワークリソースを検索する機構を含み得る。ネットワークリソースのソースは、URLを検索し、ウェブリソースの位置を特定し、ウェブリソースを要求元に送信して戻すことができる。URLをIPアドレスに変換でき、ドメインネームシステム(DNS)は、URLおよびその対応するIPアドレスを検索できる。URLは、ウェブページ、ファイル転送、電子メール、データベースアクセス、および他のアプリケーションへの照会であり得る。URLは、パス、ドメイン名、ファイル拡張子、ホスト名、問い合わせ、素片、スキーム、プロトコル識別子、ポート番号、ユーザー名、フラグ、オブジェクト、リソース名などの一連のキャラクターを含み得る。本明細書で開示のシステムは、URLの作用を生成、受信、送信、適用、解析、連続化、レンダリング、および/または実施できる。
【0236】
クッキーは、HTTPクッキー、ウェブクッキー、インターネットクッキー、およびブラウザクッキーとも呼ばれ、ウェブサイトから送られたデータおよび/または使用者のコンピューター上に保存されたデータを含み得る。このデータは、使用者がブラウジング中に、使用者のウェブブラウザにより保存され得る。クッキーは、以前のブラウジング情報を記憶するための、ウェブサイトにとって有用な、例えば、オンラインストア上の買い物カート、ボタンのクリック、ログイン情報、および/または過去に訪れたウェブページまたはネットワークリソースの記録などの情報を含み得る。クッキーはまた、使用者が入力した、例えば、名前、アドレス、パスワード、クレジットカード情報、なども含み得る。クッキーはまた、コンピューター機能も実施できる。例えば、認証クッキーは、アプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)により使用され、使用者が既にログインしたかどうか(例えば、ウェブサイトに)を特定できる。クッキーデータは、消費者の安全性を提供するために暗号化できる。追跡クッキーを用いて、個人の過去のブラウジング歴をコンパイルできる。本明細書で開示のシステムは、個人のデータにアクセスするために、クッキーを生成、使用できる。システムはまた、JSONウェブトークンを生成、使用して、信頼性情報、認証プロトコルとしてのHTTP認証、セッションまたは識別情報を追跡するためのIPアドレス、URLを保存できる。
【0237】
本明細書で考察の実施形態は、患者特異的脊椎治療、手術および手順に関連するが、本明細書で開示のシステム、方法、および装置は、任意の非脊椎患者特異的治療、手術、および手順にも同様に使用できる。また、本明細書で開示のシステム、方法、および装置は、X線、MRI、CT、または二次元および/または三次元医用画像またはビデオデータを作製する任意のその他のイメージングシステムまたは装置と共に使用できる。
【0238】
本発明は、特定の実施形態および実施例に照らして開示されてきたが、当業者なら、本発明が具体的に開示された実施形態を超えて本発明の他の代替実施形態および/または使用、ならびにその明らかな変形物および等価物に展開できることを理解するであろう。加えて、本発明の実施形態のいくつかの変形物を詳細に示し、記載してきたが、本発明の範囲内にあるその他の変形物も、当業者には本開示に基づいて容易に明らかとなるであろう。また、いくつかの実施形態の特定の特徴および態様の種々の組み合わせまたは副組合せをなし得、これらもまた、本発明の範囲に入ることが意図されている。開示発明の実施形態の様々な様式を形成するために、開示実施形態の種々の特徴および態様を相互に組み合わせる、または置換することができる。本明細書で開示のいずれの方法も、記述の順番で実施する必要はない。従って、本明細書で開示の本発明の範囲は、上記の特定の開示実施形態により限定されるべきものではないことが意図されている。
【0239】
特に、「できる(can)」、「可能である(could)」、「可能である(might)」、「あり得る(may)」などの条件付き語句は、特に明記しない限り、または使用される文脈内で別の理解がなされない限り、特定の実施形態は特徴、要素および/またはステップを含むが、他の実施形態はこれらを含まないことを伝えることが通常、意図される。したがって、このような条件付き語句は通常、特徴、要素および/またはステップが1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要であること、または1つまたは複数の実施形態が、ユーザー入力またはプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、および/またはステップが、特定の実施形態に含まれるか、実行されるべきであるかどうかを、決定するためのロジックを必ず含むことを意味することを意図するものではない。本明細書で使用される見出しは、読者の便宜のためだけのものであり、本発明または特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0240】
さらに、本明細書で記載する方法および装置は、さまざまな修正形態および代替形態が可能であるが、その具体的例を図面に示し、本明細書で詳細に説明している。ただし、本発明は、開示された特定の形態または方法に限定されるものではなく、それと反対に、本発明は、添付請求項の範囲に記載された種々の実施態様の趣旨および範囲内に入るすべての修正物、均等物、および代替物を包含するものであることを理解されたい。さらに、ある実施態様または実施形態に関連するいずれか特定の特徴、態様、方法、性質、特性、品質、属性、要素などの本明細書の開示は、本明細書に記載される他のすべての実施態様または実施形態で使用することができる。本明細書で開示のいずれの方法も、記述の順番で実施する必要はない。本明細書で開示される方法は、開業医によってとられる特定の行為を含み得る。ただし、明示的または暗示的に、これらの行為の任意のサードパーティの手引き書を方法に含めることもできる。本明細書に開示された範囲はまた、任意のおよび全ての重複、部分範囲、およびそれらの組み合わせを包含する。「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「の間」などの語句には、記述された数値が含まれる。「約(about)」や「約(approximately)」などの用語が先行した数値には、記述された数値が含まれ、状況に応じて解釈する必要がある(例えば、できる限り合理的に正確に、±5%、±10%、±15%など)。たとえば、「約3.5mm」には「3.5mm」が含まれる。「実質的に」などの用語が先行する語句には、記述された語句が含まれ、状況に基づいて解釈する必要がある(例えば、その状況下で、できる限り合理的に)。たとえば、「実質的に一定」には「一定」が含まれる。特に明記されていない限り、すべての測定値は、温度と圧力を含む標準条件の場合のものである。
【0241】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの」項目のリストを意味する語句は、単一のメンバーを含むこれらの項目の任意の組み合わせを意味する。一例として、「A、B、またはCの少なくとも1つ」は、AとBとC;AとB;AとC;BとC;およびA;B;Cを包含する。「X、Y、Zの少なくとも1つ」などの語句のような接続的語句は、特に明記しない限り、項目、用語などがX、YまたはZの少なくとも1つであり得ることを伝えるために一般的に使用される文脈で別義に理解される。したがって、そのような接続語句は一般に、特定の実施形態がそれぞれ存在するために少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、および少なくとも1つのZを必要とすることを意味することを意図しない。
図1
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図5
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図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図9C
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図10B
図10C
図11A
図11B
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