(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】動作デバイスから飲料調製マシンにデータセットを送信するための方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/00 20060101AFI20221027BHJP
A47J 31/44 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A47J31/00 302
A47J31/44 510
A47J31/00 307
(21)【出願番号】P 2019558570
(86)(22)【出願日】2018-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2018060742
(87)【国際公開番号】W WO2018197617
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-03-03
(32)【優先日】2017-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507163714
【氏名又は名称】チボ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランケ,ドミニク
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-537892(JP,A)
【文献】特開2002-352307(JP,A)
【文献】国際公開第2017/058794(WO,A1)
【文献】特開2015-133678(JP,A)
【文献】特開2006-018469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00
A47J 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作デバイス(4)から飲料調製マシン(1)
にユーザレシピ(61)を定義したデータセットを送信するための方法であって
、ユーザレシピ(61)は、前記飲料調製マシン(1)によって合計製品を作製するための調製規定を定義または修正する調節可能な調製パラメータのセットを含み、前記データセットの送信は、前記動作デバイスと前記飲料調製マシンとの間の直接通信接続をセットアップすることなく達成され、前記方法は少なくとも、
・前記動作デバイス(4)が、前記データセットを特定する入力または選択を登録するステップと、
・前記動作デバイス(4)が
、前記動作デバイス(4)のユーザによるいくつかの動作モードのうちの選択として、飲料調製マシン(1)に前記データセットを間接的に送るために動作モードの選択を登録するステップと、
・前記飲料調製マシン(1)が
、前記ユーザと前記飲料調製マシンとの直接的な対話によって、前記ユーザによってトリガされる制御コマンドを登録するステップと、
・前記飲料調製マシン(1)が、前記制御コマンドによってトリガされ、前記動作デバイス(4)に前記飲料調製マシンのマシンアドレス(62)を送信するステップと、
・前記動作デバイス(4)が、前記マシンアドレス(62)を受信するステップと、
・前記動作デバイス(4)が、前記データセットおよび前記マシンアドレス(62)をコーディネーションサーバ(6)に送信するステップと、
・前記コーディネーションサーバ(6)が、前記マシンアドレス(62)および前記データセットを受信するステップと、
・前記コーディネーションサーバ(6)が、前記マシンアドレス(62)と、それに割り当てられた前記データセットとを格納するステップと、
・前記コーディネーションサーバ(6)が
、前記マシンアドレスを使用することを含む、前記飲料調製マシン(1)に当該データセットを送信するステップと、
・前記飲料調製マシン(1)が、前記コーディネーションサーバ(6)から前記データセットを受信するステップと、
・前記飲料調製マシン(1)が
、前記データセットに従ってアクションを実行するステップとを
含み、前記飲料調製マシン(1)によって行われる前記アクションは、前記ユーザレシピ(61)に従った合計製品の作製である、方法。
【請求項2】
前記コーディネーションサーバ(6)によって前記飲料調製マシン(1)に前記データセットを送信するために、
・前記飲料調製マシンが、前記コーディネーションサーバ(6)へと通知するステップであって、当該通知は、前記コーディネーションサーバ(6)への前記マシンアドレス(62)の送信を含み、前記飲料調製マシン(1)がデータセットを受信する準備ができているということを通知するステップと、
・前記コーディネーションサーバ(6)が、前記通知を受信するステップと、
・前記コーディネーションサーバ(6)が、前記マシンアドレス(62)に割り当てられるデータセットが前記コーディネーションサーバ(6)に格納されると、または、格納されるとすぐに、前記飲料調製マシン(1)に当該データセットを送信するステップとが、行われる
、請求
項1に記載の方法。
【請求項3】
・前記動作デバイス(4)が、前記飲料調製マシン(1)において前記ユーザに制御コマンドを入力するよう要求するユーザインストラクションを表示するステップを含む
、請求
項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記動作デバイス(4)への前記飲料調製マシン(1)の前記マシンアドレス(62)の前記送信は、近接範囲においてのみ作用する通信を介して実行される、請求項1
~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記動作デバイス(4)への前記飲料調製マシン(1)の前記マシンアドレス(62)の前記送信は、光学通信チャネルを介して実行される、請求項1
~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記光学通信チャネルを介した前記通信は、
・前記飲料調製マシン(1)が、前記飲料調製マシン(1)のディスプレイ上に文字列を表示し、前記動作デバイス(4)におけるこのコードの手動入力を登録するステップを含む、請求
項5に記載の方法。
【請求項7】
前記光学通信チャネルを介した前記通信は、
・前記飲料調製マシン(1)が、光学コードを送るステップと、
・前記動作デバイス(4)が、光学的にこの光学コードを登録しデコードするステップとを含み
、
前記光学コードは、放射光の空間的または時間的な変動によって表わされる、請求
項5に記載の方法。
【請求項8】
前記方法はさらに、前記データセットを受信した後に、さらに別のステップとして、
・前記飲料調製マシン(1)が前記データセットを表示するステップを含む
、請求
項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、さらに別のステップとして、
・前記コーディネーションサーバ(6)が、前記データセットを格納した後の時間インターバル(「格納時間インターバル」)の完了の後に、格納された前記データセットと、前記マシンアドレス(62)へのその割り当てとを削除するステップを含む
、請求
項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、さらに別のステップとして、
・前記動作デバイス(4)が、前記飲料調製マシン(1)を識別するデバイス名を受信するステップを含み
、
○前記デバイス名は、前記飲料調製マシン(1)によって
、前記動作デバイス(4)への前記マシンアドレス(62)の前記送信と一緒に、前記動作デバイス(4)に送信されるか、または、
○前記デバイス名は、前記コーディネーションサーバ(6)によって
、前記動作デバイス(4)から前記マシンアドレス(62)を受信した後、前記動作デバイス(4)に送信されるかのいずれかであり、前記方法は、さらに別のステップとして、
・前記動作デバイス(4)が、さらに別のデータセットのその後の送信の前に、前記ユーザによる前記選択のために前記デバイス名を表示するステップを含む
、請求
項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、さらに別のステップとして、
・前記動作デバイス(4)が、前記データセットおよび前記マシンアドレス(62)と一緒に、前記コーディネーションサーバ(6)に動作デバイス識別子を送信するステップと、
・前記コーディネーションサーバ(6)が、前記マシンアドレス(62)への割り当てを含む、前記動作デバイス識別子を格納するステップとを含む
、請求
項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
動作デバイス(4)から飲料調製マシン(1)
にユーザレシピ(61)を定義したデータセットを送
信し、前記飲料調製マシン(1)がユーザレシピ(61)に従った合計製品の作成を達成するために前記動作デバイス(4)を動作させるための方法であって
、ユーザレシピ(61)は、前記飲料調製マシン(1)によって合計製品を作製するための調製規定を定義または修正する調節可能な調製パラメータのセットを含み、前記データセットの送信は、前記動作デバイスと前記飲料調製マシンとの間の直接通信接続をセットアップすることなく達成され、前記方法は少なくとも、前記動作デバイス(4)上で行われる、
・前記データセットを特定する入力または選択を登録するステップと、
・前記動作デバイス(4)のユーザによるいくつかの動作モードのうちの選択として、飲料調製マシン(1)に前記データセットを間接的に送るための動作モードの選択を登録するステップと、
・
前記飲料調製マシンから送信された前記飲料調製マシンのマシンアドレス(62)を受信するステップと、
・前記データセットおよび前記マシンアドレス(62)をコーディネーションサーバ(6)に送信するステップとを含む、方法。
【請求項13】
動作デバイス(4)から飲料調製マシン(1)にデータセットを送信するために前記動作デバイス(4)を動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記動作デバイス(4)上で実行されると、前記コンピュータプログラムは、請求項
12に記載の方法を実行する、コンピュータプログラム。
【請求項14】
動作デバイス(4)から飲料調製マシン(1)
にユーザレシピ(61)を定義したデータセットを送
信し、前記飲料調製マシン(1)がユーザレシピ(61)に従った合計製品の作成を達成するために前記飲料調製マシン(1)を動作させるための方法であって
、ユーザレシピ(61)は、前記飲料調製マシン(1)によって合計製品を作製するための調製規定を定義または修正する調節可能な調製パラメータのセットを含み、前記データセットの送信は、前記動作デバイスと前記飲料調製マシンとの間の直接通信接続をセットアップすることなく達成され、前記方法は少なくとも、前記飲料調製マシン(1)上で行なわれる、
・ユーザと前記飲料調製マシンとの直接的な対話によって、前記ユーザによってトリガされる制御コマンドを登録するステップと、
・前記制御コマンドによってトリガされると、前記飲料調製マシン(1)のマシンアドレス(62)を前記動作デバイス(4)に送信するステップと、
・随意に、コーディネーションサーバ(6)へと通知するステップであって、当該通知は、前記コーディネーションサーバ(6)への前記マシンアドレス(62)の送信を含み、前記飲料調製マシン(1)がデータセットを受信する準備ができているということを通知するステップと、
・前記コーディネーションサーバ(6)か
ら、前記マシンアドレスを使用することを含み前記飲料調製マシン(1)に送信されるデータセットを受信するステップと、
・前記データセットに従ってアクションを行なうステップとを
含み、前記飲料調製マシン(1)によって行われる前記アクションは、前記ユーザレシピ(61)に従った合計製品の作製である、方法。
【請求項15】
請求項
14に記載の方法を実行するために設計される、飲料調製マシン(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料などを調製するための飲料調製マシンに関する。実施形態によると、ポーションパッケージング(たとえばカプセル)と、ポーションパッケージングに含まれる抽出材料(たとえばコーヒー)とを有するポーションパッケージから調製が実行される。特に、本発明は、動作デバイスから飲料調製マシンにたとえばユーザレシピといったデータセットを送信するための方法に関し、動作デバイスを動作するための、飲料調製マシンおよびコーディネーションサーバの対応する(部分的)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポーションパッケージ中に存在する抽出材料から飲料などを調製するための飲料調製マシンは、たとえばコーヒーマシンまたはエスプレッソマシンとして既知である。多くの対応するシステムでは、ポーションパッケージングは、抽出材料がたとえば密閉した態様で封止されるカプセルとして設計されている。抽出のために、カプセルは、カプセルレシーバに配置され、たとえば互いに反対の2つの側面が突き刺される。一般にお湯である抽出流体が第1の側面に投入される。抽出物が第2の側面においてカプセルから放出される。これはいわゆる浸出モジュールにおいて行われる。
【0003】
浸出モジュールとは別に、たとえばミルクのようなさらに別の飲料構成要素を送達および追加するための1つ以上のさらに別のユニットが存在し得る。したがって、飲料調製マシンは、飲料、または、一般的に言うと合計製品を2つの部分製品から作製し得る。
【0004】
欧州特許出願第15 194 735号は、いくつかの部分製品の製品を作製するための飲料調製マシンを動作させるための方法を記載しており、当該部分製品の量割合が量割合のグラフィックディスプレイ上でユーザによって調節され得る。
【0005】
欧州特許出願第15 194 667号は、ポーションパッケージのポーションコードに基づき決定される調製パラメータを使用することを含む飲料調製マシンを動作させるための方法を記載している。ここで、個々の調製パラメータはユーザによって調節可能である。
【0006】
たとえば、上記の特許出願において、たとえば携帯電話またはスマートフォンといったモバイルおよびポータブルであり得る動作デバイスとの飲料調製マシンの通信のオプションが記載されている。ユーザレシピは飲料調製マシンに送信され得るか、または、飲料調製マシンに格納される調製規定が動作デバイスによって修正され得る。ユーザレシピは、調製規定を規定または修正する調節可能な調製パラメータの量である。ユーザ自身によって飲料調製マシンにて実行される動作ステップによって調製がトリガされるということが意図される。
【0007】
一般的なデータセット、特定的にはユーザレシピを送信する際には、ユーザまたは動作デバイスが送信を行なうことが承認されていることが保証されるべきである。これは、たとえば、これに先立って飲料調製マシンと動作デバイスとの間でコードが交換されることによって、または、これらが共通の無線ネットワーク(WLAN)へ統合されることによって実行され得る。しかしながら、このためには、たとえばペアリング方法が実行されることが必要であるか、または、無線ネットワークへの接続のためのパスワードがユーザに伝えられることが必要である。これは不利または望ましくない場合があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の可能な目的は、特定的には、特にユーザレシピといったデータセットの飲料調製マシンへの送信に関してユーザに快適な飲料調製マシンの動作を実現することと、この実現を可能にする、動作デバイスから飲料調製マシンへ特にユーザレシピといったデータセットを送信するための対応する方法、および、動作デバイスを動作するための、飲料調製マシンおよびコーディネーションサーバの対応する(部分的)方法を提供することとである。
【0009】
本発明のさらに別の可能な目的は、ユーザのために飲料調製マシンの動作を簡素化することである。
【0010】
本発明のさらに別の可能な目的は、動作デバイスから飲料調製マシンに特にユーザレシピといったデータセットを送信するための代替的な可能性を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的は、特許請求の範囲に従った、動作デバイスから飲料調製マシンにデータセットを送信するための方法と、動作デバイスを動作するための、飲料調製マシンおよびコーディネーションサーバの対応する(部分的)方法と、コンピュータプログラムと、飲料調製マシンとによって達成される。
【0012】
したがって、動作デバイスから飲料調製マシンにデータセットを送信するための方法は、少なくとも、
・動作デバイスが、データセットを特定する入力または選択を登録するステップと、
・動作デバイスが、特に動作デバイスのユーザによるいくつかの動作モードのうちの選択として、飲料調製マシンにデータセットを間接的に送るために動作モードの選択を登録するステップと、
・飲料調製マシンが、ユーザによってトリガされる制御コマンドを登録するステップと、
・飲料調製マシンが、制御コマンドによってトリガされ、動作デバイスに飲料調製マシンのマシンアドレスを送信するステップと、
・動作デバイスが、マシンアドレスを受信するステップと、
・動作デバイスが、コーディネーションサーバにデータセットおよびマシンアドレスを送信するステップと、
・コーディネーションサーバが、マシンアドレスおよびデータセットを受信するステップと、
・コーディネーションサーバが、マシンアドレスと、それに割り当てられたデータセットとを格納するステップと、
・コーディネーションサーバが、特にマシンアドレスを使用することを含む、飲料調製マシンに当該データセットを送信するステップと、
・飲料調製マシンが、コーディネーションサーバからデータセットを受信するステップと、
・飲料調製マシンが、データセットを格納しおよび/またはデータセットに従ってアクションを実行するステップとを含む。
【0013】
これにより、任意の「異なる」飲料調製マシンにデータセットを送信することが可能である。これはたとえば、動作デバイスが登録されていないような飲料調製マシンであるか、または、反対に動作デバイスに登録されていないような飲料調製マシンである。動作デバイスと飲料調製マシンとの間の直接的な通信接続を介するデータセットの直接的な送信は必要ではない。したがって、そのような直接的な通信接続もセットアップされる必要はない。
【0014】
実施形態では、データセットはユーザレシピを定義する。本願明細書において、ユーザレシピは、飲料調製マシンによって合計製品を作製するための調製規定を定義または修正する調節可能な調製パラメータの量を含む。
【0015】
実施形態において、飲料調製マシンによって行なわれるアクションは、ユーザレシピに従った合計製品の作製である。
【0016】
実施形態において、合計製品の作製はポーションパッケージを使用することを含んで実行される。
【0017】
実施形態において、コーディネーションサーバによって飲料調製マシンにデータセットを送信するために以下のステップが行なわれる。すなわち、
・飲料調製マシンが、コーディネーションサーバへと通知するステップであって、当該通知は、コーディネーションサーバへのマシンアドレスの送信を含み、飲料調製マシンがデータセットを受信する準備ができているということを通知するステップと、
・コーディネーションサーバが、通知を受信するステップと、
・コーディネーションサーバが、マシンアドレスに割り当てられるデータセットがコーディネーションサーバに格納されると、または、格納されるとすぐに、飲料調製マシンに当該データセットを送信するステップとが、行われる。
【0018】
飲料調製マシンへのデータセットの送信は、データセットが通知の受信の時点でコーディネーションサーバに既に格納されている場合、直ちに実行され得る。別の態様では、データセットが動作デバイスから得られるまで、コーディネーションサーバは待機し得、必ずしも新しい通知または要求を送る必要なしにこれを飲料調製マシンに送信し得る。
【0019】
マシンアドレスを使用することを含む飲料調製マシンへのデータセットの送信は、マシンアドレスがそれに割り当てられる飲料調製マシンを識別し、この態様で識別される飲料調製マシンへの送信が行われることにより実行され得る。
【0020】
飲料調製マシンによる受信準備の通知は、マシンアドレスに割り当てられるデータセットがコーディネーションサーバに格納されているか否かについてのコーディネーションサーバへの照会としても考えることができる。典型的に、ネットワークアドレスが受信準備の通知とともに送信される。
【0021】
したがって、これらの実施形態によれば、飲料調製マシン自体は、能動的な態様でコーディネーションサーバに通知を行なう。したがって、これらの実施形態によれば、飲料調製マシンによる通知、照会、要求またはトリガがなければ、情報が能動的な態様で飲料調製マシンに送られることはない。これにより、飲料調製マシンは、認証されていないアクセスからより良好に保護される。
【0022】
他の実施形態では、データセットは、コーディネーションサーバに通知もしくは照会を行なうかまたはコンタクトすることなく、コーディネーションサーバから飲料調製マシンに(「能動的に」)送信される。これはたとえば、マシンアドレスおよびデータセットがコーディネーションサーバによって受信された後、実行される。情報が飲料調製マシンに送信され得るネットワークアドレスは、マシンアドレスに割り当てられる態様で、この態様で飲料調製マシンにデータセットを送ることができるように、コーディネーションサーバに格納され得る。このネットワークアドレスはたとえばIPアドレスまたはEメールアドレスである。そのようなネットワークアドレスも飲料調製マシンから動作デバイスにマシンアドレスと一緒に送信され得、次いで、動作デバイスからコーディネーションサーバに送信され得る。コーディネーションサーバが飲料調製マシンにデータセットを送信するために、
・コーディネーションサーバが、受信したマシンアドレスに割り当てられるネットワークアドレスを決定するステップと、
・コーディネーションサーバが、このネットワークアドレスにデータセットを送信するステップとが行われる。
データセットの送信は、データセットを受信した後のたとえば数秒といった予め規定された時間インターバルの後にコーディネーションサーバによってのみ開始され得、繰り返される場合もあり得る。
【0023】
飲料調製マシンは典型的に、無線通信のために設計されている通信ユニットを含み、当該通信ユニットにより飲料調製マシンはコーディネーションサーバと通信し得る。
【0024】
マシンアドレスは、マシンの明白な識別を可能にする。たとえば、マシンアドレスは、シリアル番号、デバイス名、Eメールアドレス、(静的な)ネットワークアドレス(たとえばIPアドレス)またはハードウェアアドレス(たとえばMACアドレス)である。
【0025】
データセットの格納のステップ、および/または、たとえばユーザレシピに従った合計製品の作製といったデータセットに従ったアクションの実行のステップは、典型的に、たとえばボタンを押すことによりユーザが飲料調製マシンにおいて確認アクションを行なわなければならない確認ステップを含む。これにより、たとえば合計製品を受け取るための受取容器が存在しない状態でアクションまたは調製が実行されることが防止され得る。
【0026】
実施形態では、上記方法は、
・動作デバイスが、飲料調製マシンにおいてユーザに制御コマンドを入力するよう要求するユーザインストラクションを表示するステップを含む。
これにより、動作ユニット自体が飲料調製マシンと直接的に通信することなく、飲料調製マシンにおいて方法の連続する実行をトリガすることが可能である。制御コマンドの入力はたとえば、飲料調製マシンの動作ボタンを2回始動させることにより実行され得る。
【0027】
実施形態では、制御コマンドの入力は、飲料調製マシンとのユーザのインタラクションによって直接的に実行され、したがって動作デバイスを使用せずに実行される。
【0028】
実施形態では、ユーザ自身によって、特に直接の態様での飲料調製マシンとのユーザのインタラクションによって、したがって動作デバイスを使用せずに、飲料調製マシンにおいてトリガされる対応する制御コマンドを登録しない場合、飲料調製マシンはマシンアドレスを送信しない。
【0029】
実施形態では、動作デバイスへの飲料調製マシンのマシンアドレスの送信は、近接範囲においてのみ作用する通信を介して実行される。これにより、実際的に他のデバイスによる如何なる影響も除外することが可能である。この通信は、飲料調製マシンと動作デバイスとの間で直接的なチャネルを介して実行される。
【0030】
実施形態では、動作デバイスへの飲料調製マシンのマシンアドレスの送信は、単方向送信により実行される。
【0031】
実施形態では、動作デバイスへの飲料調製マシンのマシンアドレスの送信は、光学通信チャネルを介して実行される。これにより、飲料調製マシンの動作ユニットの既存の要素を適用することが可能である。
【0032】
実施形態では、この送信は、音声通信チャネルまたは無線接続を介して、特にたとえばNFC、ブルートゥース(登録商標)といった近接範囲において有効な無線接続を介して、実行される。
【0033】
実施形態では、光学通信チャネルを介した通信は、
・飲料調製マシンが、飲料調製マシンのディスプレイ上に文字列を表示し、動作ユニットにおけるこのコードの手動入力を登録するステップを含む。
これにより、動作デバイス上の任意の特別なスキャニングソフトウェアなしに送信を実現することが可能である。
【0034】
実施形態では、光学通信チャネルを介した通信は、
・飲料調製マシンが、光学コードを送るステップと、
・動作デバイスが、光学的にこの光学コードを登録しデコードするステップとを含み、
特に、光学コードは、放射光の空間的または時間的な変動によって表わされる。これにより、標準的な認識ソフトウェアが使用され得る既知の光学コードを使用することが可能である。
【0035】
光学コードは、出力装置上の表示の空間的および/または時間的な変動の形態で、送信情報をエンコードし得る。空間の変動またはコーディングは、たとえば一次元または二次元のバーコード(「QRコード(登録商標)」)を表示することにより実行される。時間的な変動はたとえば、表示の部分の明るさまたは表示の全体の明るさを変更することにより、または、典型的に可視領域もしくは赤外領域での光ダイオードまたは別の光源の光の放射を変調することにより、実行される。
【0036】
他の実施形態において、動作デバイスへのマシンアドレスの送信は、近接範囲無線プロトコルによって実行される。特に、これは単方向の態様でのみ動作され得る。近接範囲無線プロトコルはたとえば、ブルートゥース(登録商標)、NFCまたは別のプロトコルであり得る。
【0037】
単方向動作または単方向送信とは、一方の通信相手(ここでは飲料調製マシン)が送信のみし、他方の通信相手(ここでは動作デバイス)が受信のみするということを意味する。これは、光学通信および無線ベースの通信に適用される。
【0038】
実施形態では、方法は、データセットを受信した後、さらに別のステップとして、
・飲料調製マシンがデータセットを表示するステップを含む。
これにより、作製をトリガする前に、ユーザが当該ユーザの送信されるレシピを制御することが可能である。
【0039】
実施形態では、方法は、さらに別のステップとして、
・コーディネーションサーバが、データセットを格納した後の時間インターバル(「格納時間インターバル」)の完了の後に、格納されたデータセットと、マシンアドレスへのその割り当てとを削除するステップを含む。
これにより、もはや使用されないデータセットがメモリ容量を占有することを防止する。
【0040】
データセットはさらに、飲料調製マシンに送信された後、コーディネーションサーバにおいて削除され得る。マシンアドレスのためのデータセットの予め規定された数を上回る場合、最も古いデータセットが削除され得る。
【0041】
実施形態では、方法は、さらに別のステップとして、
・動作デバイスが、飲料調製マシンを識別するデバイス名を受信するステップを含み、特に、
○デバイス名が、特に動作デバイスへのマシンアドレスの送信と一緒に飲料調製マシンから動作デバイスに送信されるか、または、
○デバイス名が、特に動作デバイスからマシンアドレスを受信した後にコーディネーションサーバから動作デバイスに送信され、上記方法はさらに、
・動作デバイスが、合計製品の更新された作製のためのさらに別のデータセットのその後の送信の前にユーザによる選択のためにデバイス名を表示するステップを含む。
【0042】
これにより、マシンアドレスが一度送信された後、デバイス名に基づいて動作デバイスにおいて飲料調製マシンを選択することが可能であり、かつ、動作デバイスにもう一度マシンアドレスが送信される必要なくデータセットを送信することが可能である。
【0043】
実施形態では、方法は、さらに別のステップとして、
・動作デバイスが、データセットおよびマシンアドレスと一緒にコーディネーションサーバに動作デバイス識別子を送信するステップと、
・コーディネーションサーバが、マシンアドレスへの割り当てを含む、動作デバイス識別子を格納するステップとを含む。
これにより、互いに異なる動作デバイスに由来するデータセットを区別することが可能であり、それらを優先することもおそらく可能である。
【0044】
動作デバイスは、タッチスクリーンおよびデータ処理ユニットとして組み合わせられ得る入力デバイスおよび出力デバイスを含む。動作デバイスは、飲料調製マシンとの通信のための通信ユニットを含み得る。しかしながら、本発明に従った通信ユニットは、飲料調製マシンとの双方向通信のために必ずしも使用されず、特に、飲料調製マシンへのデータセットの直接的な送信のために使用されない。動作デバイスは、たとえば携帯電話もしくはスマートフォンといったモバイルデバイス、特にポータブルデバイス、であり得るか、または、スマートウォッチまたはウェアラブルコンピュータのような機能的に同等なデバイスであり得る。
【0045】
飲料調製マシンおよびコーディネーションサーバとのインタラクションにおいて動作デバイスを動作させるための方法は、動作デバイスから飲料調製マシンへのデータセットの送信のために機能する。上記方法は少なくとも、動作デバイス上で行われる、
・データセットを特定する入力または選択を登録するステップと、
・間接的にデータセットを飲料調製マシンに送るために動作モードの選択を登録するステップと、
・マシンアドレスを受信するステップと、
・コーディネーションサーバにデータセットおよびマシンアドレスを送信するステップとを含む。
【0046】
飲料調製マシンおよびコーディネーションサーバとのインタラクションにおいて動作デバイスを動作させるためのコンピュータプログラムは、動作デバイスから飲料調製マシンへのデータセットの送信のために機能する。動作デバイス上での実行の際には、コンピュータプログラムは、動作デバイスを動作させるための方法における上記されたステップを行なう。
【0047】
動作デバイス上での実行のためのコンピュータプログラムは、動作デバイスのデジタルデータ処理ユニットの内部メモリにロードされ得、コンピュータプログラムコード手段を含む。コンピュータプログラムコード手段は、動作デバイスのデジタルデータ処理ユニットにおいて実行される場合に動作デバイスのために意図される上記方法のステップをこれに行なわせる。コンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータプログラムコード手段が格納されるデータキャリアまたはコンピュータ読取可能媒体を含む。
【0048】
動作デバイスおよびコーディネーションサーバとのインタラクションにおいて飲料調製マシンを動作させるための方法は、動作デバイスから飲料調製マシンへのデータセットの送信のために機能する。上記方法は少なくとも、飲料調製マシン上で行なわれる、
・ユーザによってトリガされる制御コマンドを登録するステップと、
・制御コマンドによってトリガされると、動作デバイスに飲料調製マシンのマシンアドレスを送信するステップと、
・随意に、コーディネーションサーバへと通知するステップであって、当該通知は、コーディネーションサーバへのマシンアドレスの送信を含み、飲料調製マシンがデータセットを受信する準備ができているということを通知するステップと、
・コーディネーションサーバからデータセットを受信するステップと、
・データセットを格納し、および/または、データセットに従ってアクションを行なうステップとを含む。
【0049】
飲料調製マシンは上記方法を実行するために設計されている。
動作デバイスおよび飲料調製マシンとのインタラクションにおいてコーディネーションサーバを動作させるための方法は、動作デバイスから飲料調製マシンにデータセットを送信するために機能する。方法は少なくとも、コーディネーションサーバ上で行われる、
・コーディネーションサーバが、飲料調製マシンのマシンアドレスおよびデータセットを受信するステップと、
・コーディネーションサーバが、マシンアドレスと、それに割り当てられたデータセットとを格納するステップと、
・コーディネーションサーバが、マシンアドレスに従って飲料調製マシンに当該データセットを送信するステップとを含む。
【0050】
実施形態では、コーディネーションサーバによって、飲料調製マシンにデータセットを送信するために、以下のステップが行なわれる。すなわち、
・コーディネーションサーバが通知を受信するステップであって、当該通知は、マシンアドレスを特定することを含み、飲料調製マシンがデータセットを受信する準備ができているという通知を受信するステップと、
・コーディネーションサーバが、マシンアドレスに割り当てられるデータセットがコーディネーションサーバに格納される場合、通知の送信側にこのデータセットを送信するステップとを含む。
【0051】
特許請求の範囲の従属項から、さらに別の好ましい実施形態が導出される。本願明細書において、方法の請求項の特徴は、適切な場合、デバイスの請求項およびコンピュータプログラムの請求項と組み合わせられ得、その逆も可能である。
【0052】
本発明の主題は、添付の図面において表わされる好ましい実施形態例として以下により詳細に説明される。各々の場合、概略的な態様で示される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図2】ユーザレシピを送信するための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
基本的に、図において、同一要素には同一の参照番号が付されている。
図1は、ポーションパッケージ3からの少なくとも1つの抽出材料で受取容器2を充填するための飲料調製マシン1を有する飲料調製のためのシステムを示す。飲料調製マシン1は、第1の通信接続51を介してイントラネットまたはインターネットのような第1の通信ネットワークに接続され得る。たとえば携帯電話もしくはスマートフォンまたは飲料調製マシン1を動作するためにのみ提供される専用デバイスといったモバイルおよびポータブルであり得る動作デバイス4は、第2の通信接続52および通信ネットワーク5を介して間接的な態様で、または随意に直接的な態様で直接的なチャネル53を介して、飲料調製マシン1と通信し得る。本発明によれば、直接的な双方向接続は必要ではない。
【0055】
飲料調製マシン1および動作デバイス4は各々、通信ネットワーク5を介してコーディネーションサーバ6と通信する。
【0056】
飲料調製マシン1は、抽出単位により抽出物を抽出するためのベースユニット10を含む。飲料調製マシン1はたとえば、それ自体既知のタイプのポーションカプセルコーヒーマシンであり、ベースユニット10は浸出モジュールであり、抽出流体は圧力下のお湯である。抽出単位は受取容器2に供給される。
【0057】
ポーションパッケージ3は、ポーションパッケージング(たとえばカプセル)と、ポーションパッケージングに含まれる抽出材料(たとえばコーヒー)とを含む。ポーションパッケージ3にはマシン読取可能なポーションコード33が設けられ得る。
【0058】
飲料調製マシン1は、たとえばミルクおよび/またはミルク泡といった少なくとも1つのさらに別の製品または部分製品を送達または作製し得る補助ユニット11を含んでおり、受取容器2に同様に供給される。
【0059】
抽出物および少なくとも1つの部分製品は、同時または連続する態様で受取容器2に供給され、たとえば、コーヒーと、冷たいもしくは暖かいミルクまたは冷たいもしくは暖かいミルク泡とからなる「カフェマキアート」といった合計製品を受取容器2において一緒に形成する。
【0060】
ベースユニット10および補助ユニット11の制御に関し、ユーザによる動作および他のデバイスとの随意の通信のために、飲料調製マシン1は、制御ユニット2、上位制御ユニット13、動作ユニット14および通信ユニット15を含む。
【0061】
制御ユニット12は、たとえばベースユニット10および補助ユニット11のポンプ、バルブ、加熱要素などを制御し、温度、圧力、フローなどの測定値を登録および処理することにより、これらのユニットの制御のために構成される。
【0062】
上位制御ユニット13は、動作ユニット14および通信ユニット15の制御のために構成される。上位制御ユニット13は、制御ユニットから物理的におよび/またはプログラム技術的に分離される態様で実現され得るか、または、制御ユニット12と同一であり得る。
【0063】
動作ユニット14は、たとえばスイッチ、ボタン、および/または、ジョグダイヤルもしくは調節ホイール、および/または、タッチセンシティブ表面といった入力ユニット141と、ライトまたはスクリーンなどといった光学表示手段、および/または、ラウドスピーカ、加算演算器などといった音響表示手段を有する出力ユニット142とを含む。
【0064】
通信ユニット15は、(たとえばWi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)などによる)無線であり得るか、または、(たとえばイーサネット(登録商標)、USB(登録商標)による)有線接続される第1の通信接続51を介する通信のために構成され、特に通信ネットワーク5との通信のために構成される。
【0065】
典型的には携帯電話またはスマートフォンである動作デバイス4は、たとえば入出力ユニットとして機能するタッチセンシティブスクリーンまたはタッチスクリーンのようなユーザインターフェイス44を含む。付加的または代替的には、動作デバイス4のボタン(キー)がさらに入力ユニットとして機能し得る。これに加えてまたはこれの代わりに、スピーチ入力が実現され得る。
【0066】
言及されていないが、動作ユニット14および/または動作デバイス4を介して、情報がユーザに出力され得るとともにユーザの入力が入力され得る。
【0067】
上位制御ユニット13は、たとえば調製規定またはレシピが格納されるメモリ131を含む。調製規定は、ベースユニット10および補助ユニット11の制御のためのコマンドに変換され得る少なくとも制御情報を含む。そのような制御情報は、一方では、ベースユニット10および/または補助ユニット11によって合計製品を作製するために行なわれるべきステップのシーケンスを特定するシーケンス情報を含む。他方、制御情報はたとえば、以下に一般的に調製パラメータと称されシーケンスをパラメータ化する、温度、体積の詳細、時間の詳細、絶対的または相対的な量割合、部分製品のさらに別のパラメータ、部分製品の調製のシーケンス、飲料の名前、ユーザの名前、調製のヒントおよび調製推薦、カプセルの嗜好などを含む。
【0068】
調製規定はさらにユーザインストラクションを含み得る。これらのインストラクションは、合計製品の調製の一部分であり、ユーザによって行なわれなければならないものである。これについて、ユーザインストラクションは、出力ユニット142または動作デバイス4のユーザインターフェイス44により表示され得る。たとえば、そのようなインストラクションは「ここでアイスキューブを追加」である。
【0069】
調製規定の一部でないが、別の態様において飲料調製マシンおよび/または動作デバイス4の動作に関係するユーザインストラクションも表示され得る。特に、ユーザインストラクションは、飲料調製マシン1において、任意の動作デバイス4からのユーザレシピの間接的な送信をトリガすることをユーザに要求し得る。
【0070】
製品を調製するために、制御情報または対応するコマンドが、調製規定に従ってベースユニット10および補助ユニット11によって実現され、調製シーケンスはこれによって実現される。調製規定がユーザインストラクションを含む場合、これらはシーケンスの対応する位置でユーザに表示される。
【0071】
調製規定は、ユーザによって調節されることが許可される調製パラメータと、ユーザによって調節されることができない調製パラメータとを含み得る。調節可能な調製パラメータはたとえば、合計製品中の部分製品の(容積)割合、部分製品の合計量または温度である。調節可能な調製パラメータについて、調製規定は、ユーザがパラメータを調節しない場合に使用される標準値またはデフォルト値を含み得る。
【0072】
調節可能な調製パラメータを調節するために、動作デバイス4のユーザインターフェイス44上において、1つ以上のそのような調製パラメータの選択がユーザに対して表示され、調製パラメータを調節するためのユーザの入力が登録される。ここで、ユーザレシピは、調製規定を定義するか、または、格納された調製規定を補足および/もしくは修正する調節可能な調製パラメータの量として定義される。
【0073】
動作ユニット4は、量割合、容器または合計量の選択、温度選択などといった登録されたユーザ入力を表わす情報を飲料調製マシン1に、
・そのために構成されていれば直接的なチャネル53を介して直接的な態様で、または、
・第2の通信接続52および第1の通信接続51を介して間接的に送信し得る。
さらに、以下に、どのように間接的な送信が実現され得るかが説明されているので、動作デバイス4から飲料調製マシン1への情報の送信のための直接的なチャネル53を介する通信接続のセットアップが回避され得る。
【0074】
図2は、特にユーザレシピ61といったデータセットを動作デバイス4から飲料調製マシン1に送信するための方法のシーケンスのフロー図を示す。当該方法はユーザレシピ61の送信により説明されるが、データセットに概して適用可能である。さらに、データセットはたとえば飲料調製マシン1の基本セッティングを特定し得るか、または、製品の作製を直接的に示さない他のパラメータを特定し得る。
【0075】
上記方法は、以下のステップ(各々S1、S2などによって示される)を含む。すなわち、上記方法は、
・ユーザが、動作デバイス4において、ユーザレシピ61を入力または選択するS1と、
・ユーザが、動作デバイス4上で、飲料調製マシン1にユーザレシピ61を間接的に送るための動作モードを選択するS2とを含む。特に、これはいくつかの動作モードの中からの選択として実行される。他のそのような動作モードはたとえば、(別の)飲料調製マシンへのレシピの直接的な送信または(別の)飲料調製マシンの構成であり、当該飲料調製マシンは動作デバイスとの直接的な通信のために構成されている。上記方法はさらに、
・随意に、動作デバイス4が、ユーザインストラクションを表示するS3と、
・ユーザが、飲料調製マシン1において、制御コマンドを入力するか、または、ユーザによってトリガされる制御コマンドを登録するS4とを含む。制御コマンドは、たとえば印刷または電子的な形態の動作インストラクションによって、または、随意に動作デバイス4において表示されるユーザインストラクションによって、ユーザに知らされ得る。上記方法はさらに、
・飲料調製マシン1が、制御コマンドによってトリガされ、動作デバイス4にマシンアドレス62を送信するS5を含む。これは、特に2メートル未満、1メートル未満または50cm未満の距離にわたって作用する通信といった近接範囲内でのみ作用する通信を介して実行され得る。実施形態では、この通信は単方向である。たとえば、それは、時間インターバル(「表示時間インターバル」)中の飲料調製マシン1の出力ユニット142のディスプレイ上のQRコードのような光学コードの表示を含む。上記方法はさらに、
・動作デバイス4が、マシンアドレス62を受信するS6を含む。随意に、マシンアドレス62が有効なものか否かに関して検討され得る。上記方法はさらに、
・動作デバイス4が、コーディネーションサーバ6にユーザレシピ61およびマシンアドレス62を送信するS7と、
・コーディネーションサーバ6が、マシンアドレス62とそれに割り当てられたユーザレシピ61とを受信および格納するS8とを含む。このマシンアドレス62に対してユーザレシピ61の予め規定された最大値(たとえば5)を超えて格納される場合、最も古いユーザレシピ61を削除する。上記方法はさらに、
・飲料調製マシン1がコーディネーションサーバ6へと通知するS9であって、当該通知は、コーディネーションサーバ6へのマシンアドレス62の送信を含み、飲料調製マシン1がユーザレシピ61を受信する準備ができているということを通知するS9を含む。これも、マシンアドレスに割り当てられるユーザレシピ61が格納されるか否かに関する照会と考えられ得る。そうでない場合に、照会を繰り返す。繰り返しのインターバルはたとえば2秒、5秒もしくは10秒または1分の半分以上である。繰り返される場合のある上記照会はたとえば、動作デバイス4にマシンアドレス62を送信する際に開始される。特に、この送信が単方向であり、飲料調製マシン1が動作デバイス4から受信確認を直接的に取得しない場合、繰り返される場合のある当該照会は、時間インターバル(「照会時間インターバル」)の完了の後に自動的に終了され得る。照会時間インターバルは典型的に、少なくとも表示時間インターバルと等しい長さであるか、または、表示時間インターバルよりも多少より長い(たとえば2分)。代替的には、要求の繰り返しなしにすることができる。コーディネーションサーバ6は、飲料調製マシン1の更新された通知または照会を待つことなく、飲料調製マシン1に自動的にユーザレシピ61を存在するとすぐに送信するように構成される。上記方法はさらに、
・ユーザレシピ61が存在する場合、コーディネーションサーバ6が飲料調製マシン1にユーザレシピ61を送信するS10と、
・飲料調製マシン1が、ユーザレシピ61を受信するS11と、
・随意に飲料調製マシン1が、受信したユーザレシピ61を表示するS12と、
・飲料調製マシン1が、ユーザレシピ61に従って特に合計製品を作製するといったアクションを実行するS13とを含む。当該作製は、随意に、トリガまたは確認のためのユーザの入力を要求し得る。上記方法はさらに、
・随意に、コーディネーションサーバ6が、飲料調製マシン1にユーザレシピ61を送信した後、または、送信が行われなかった場合、ユーザレシピ61の格納の後の時間インターバル(「格納時間インターバル」)の完了の後、格納されたユーザレシピ61およびマシンアドレス62へのその割り当てを削除するS14を含む。時間インターバルはたとえば5分である。
【0076】
同じ割り当てられたマシンアドレス62を有するいくつかのユーザレシピ61がコーディネーションサーバ6に送信される場合、コーディネーションサーバ6は、最後に送信されたもののみを格納するように構成され得る。代替的には、コーディネーションサーバ6はいくつかのユーザレシピ61を格納し、これにより照会時に飲料調製マシン1にこれらを送信し得る。その際に、飲料調製マシン1は、ユーザにいくつかのユーザレシピ61の選択を提供し得る。
【0077】
実施形態では、動作デバイス4はさらに、ユーザレシピ61およびマシンアドレス62と一緒に、コーディネーションサーバ6に動作デバイス識別子を送信し得る。動作デバイス識別子はあいまいさなしに動作デバイス4を識別する。たとえば、動作デバイス4にあいまいさなしに割り当てられるのは英数字のコードである。それは、マシンアドレス62への割り当てを含むコーディネーションサーバ6に格納され得る。
【0078】
実施形態では、飲料調製マシン1を識別するデバイス名が動作デバイス4に送信される。これはたとえば、動作デバイス4へのマシンアドレス62の送信と一緒に実行される。代替的には、コーディネーションサーバ6が、動作デバイス4からマシンアドレス62を受信した後、動作デバイス4に応答してデバイス名を送信することにより実行される。これについては、デバイス名は、マシンアドレスに割り当てられる態様でコーディネーションサーバ6に格納される。デバイス名は、典型的にユーザに理解可能な飲料調製マシン1の説明であり、たとえばその位置の詳細(「部屋1303」または「ホテルロビー」または「ピーターのマシン」)である。デバイス名とその割り当ては、飲料調製マシン1を構成する際に定義され、飲料調製マシン1および/またはコーディネーションサーバ6に格納される。
【0079】
動作デバイス4がデバイス名を知っていることにより、これは、理解可能な形態で動作デバイス4において表示され得るとともに、ユーザレシピ61の更新された送信のために、または、合計製品の更新された作製のために、ユーザへ選択のために提供される。代替的には、マシンアドレス62も表示され、飲料調製マシン1へ選択のために提供され得る。両方の場合において、動作デバイス4は、選択に従って、コーディネーションサーバ6へのユーザレシピ61およびマシンアドレス62(およびユーザ名の場合もあり)の送信を行い得、これに先立って動作デバイス4にもう一度マシンアドレス62を送信する必要がない。
【0080】
本願明細書において、飲料調製マシン1の領域にユーザがしばらくの間、位置していないという事実にもかかわらず動作デバイス4が飲料調製マシン1のユーザレシピ61を送信することを防止するために、当該方法は、ある時間インターバル(「使用時間インターバル」)の後にそのような送信を防ぐように構成し得る。この時間インターバルは、1時間以上、1日以上、または、それよりもさらに長くあり得る。それは、動作デバイス4へのマシンアドレス62の送信から始まり得る。動作デバイス4のための時間インターバルが経過したか否かに関する検討がコーディネーションサーバ6において行われ得る。
【0081】
本願明細書において、ユーザレシピ61がいくつかの動作デバイス4から飲料調製マシン1に送信可能になるのを防止するために、ユーザレシピ61は、動作デバイス識別子が(コーディネーションサーバ6において)すべてのうちの最後にマシンアドレス62へ割り当てられた(かつ割り当てが格納された)ユーザデバイス4によってのみ受け入れられ得る。
【0082】
動作デバイス4とコーディネーションサーバ6との間の通信および飲料調製マシン1とコーディネーションサーバ6との間の通信は、たとえばTCP/IPといった既知の通信システムおよび通信プロトコルを介して実行される。これについて、コーディネーションサーバ6が到達し得るネットワークアドレスまたはURLは、動作デバイス4および飲料調製マシン1に格納され得る。
【0083】
一般に、動作デバイス4と、コーディネーションサーバ6と、飲料調製マシン1との間での情報の異なる送信がインターネットのような公衆通信ネットワーク5を介して実行され得る場合もあり、その場合は、暗号方法の使用を伴うまたは伴わない異なる通信方式を使用することも含む。