(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】個人情報開示管理システム、プログラム及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221027BHJP
G06Q 10/08 20120101ALI20221027BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/08 308
(21)【出願番号】P 2020168782
(22)【出願日】2020-10-05
【審査請求日】2021-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】衣川 彰
(72)【発明者】
【氏名】村松 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】高田 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】中谷 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】勝屋 太智
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-122694(JP,A)
【文献】特開2003-058776(JP,A)
【文献】特開2018-077768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文者と受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームを構成する受注者向けのプログラムであって、
携帯通信端末に、
前記携帯通信端末の入力デバイスを介して、前記受注者と前記注文者とのマッチングが成立している成立状態において前記携帯通信端末の現在位置情報を前記注文者に対してどのような条件で開示可能かを示す設定内容の入力を受け付け、前記設定内容に応じて前記プラットフォームを構成するサーバに前記設定内容を反映させる設定指示を生成する設定機能と、
前記設定指示を、前記サーバに送信する送信機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項2】
前記設定機能は、前記成立状態において予め定められたエリア内に前記受注者が位置する場合に前記注文者に対する前記携帯通信端末の現在位置情報の開示を制限するよう設定可能である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記予め定められたエリアは、前記受注者の自宅のエリアである、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記設定機能は、前記成立状態において前記予め定められたエリア内に前記受注者が位置する場合に、前記注文者に対して、前記携帯通信端末の現在位置情報を開示せず、前記受注者の現在位置から注文に基づく目的地までの距離を開示するよう設定可能である、請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記受注者は、飲食店の飲食物を前記注文者に配達する前記注文者からの注文を受注した場合に、前記飲食店に前記飲食物を受け取りに行って前記飲食物を前記注文者の位置に配達する配達者であり、
前記設定機能は、前記成立状態において前記予め定められたエリア内に前記受注者が位置する場合に、前記注文者に対して、前記携帯通信端末の現在位置情報を開示せず、前記受注者の現在位置から前記飲食店までの距離を開示するよう設定可能である、請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記設定機能は、前記成立状態において前記予め定められたエリア内に前記受注者が位置する場合に、前記受注者が前記予め定められたエリア内に位置しない場合と比較して、前記注文者に対して開示する前記携帯通信端末の現在位置情報の精度を低くするよう設定可能である、請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項7】
前記受注者は、飲食店の飲食物を前記注文者に配達する前記注文者からの注文を受注した場合に、前記飲食店に前記飲食物を受け取りに行って前記飲食物を前記注文者の位置に配達する配達者であり、
前記設定機能は、前記受注者が第1の注文者による第1の注文を受注して前記受注者と前記第1の注文者とのマッチングが成立している成立状態において、前記第1の注文における配達ルート沿いに位置する飲食店の飲食物の配達を注文しようとしている注文者に対して、前記携帯通信端末の現在位置情報を開示するよう設定可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記設定機能は、前記携帯通信端末の現在位置情報を前記注文者に対してどのような条件で開示可能かを前記受注者の指示に従って設定し、
前記設定機能は、前記受注者による前記注文者からの注文の内容の実施に支障が生じた場合に、前記受注者の指示に従って設定した内容を、前記プラットフォームのサーバの指示に従って変更する、請求項1から7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記設定機能は、前記注文者からの注文を受け付けており、かつ、前記受注者と前記注文者とのマッチングが成立していない受付状態において、前記携帯通信端末の現在位置情報を、前記携帯通信端末の位置を基準とするエリア内に位置する注文者向けのプログラムがインストールされた注文者端末に対してどのような条件で開示可能かを設定可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記受注者は、飲食店の飲食物を前記注文者に配達する前記注文者からの注文を受注した場合に、前記飲食店に前記飲食物を受け取りに行って前記飲食物を前記注文者の位置に配達する配達者であり、
前記設定機能は、前記注文者からの注文を受け付けており、かつ、前記受注者と前記注文者とのマッチングが成立していない受付状態において、前記携帯通信端末の現在位置情報を、注文の対象の飲食店が前記携帯通信端末の位置を基準とするエリア内に位置する注文者向けのプログラムがインストールされた注文者端末に対してどのような条件で開示可能かを設定可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記設定機能は、前記受付状態において、他の受注者からの評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対して、前記携帯通信端末の現在位置情報を開示しないように設定可能である、請求項9又は10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記設定機能は、前記受付状態において、前記携帯通信端末を所有する前記受注者の過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対して、前記携帯通信端末の現在位置情報を開示しないように設定可能である、請求項9から11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記設定機能は、前記携帯通信端末を所有する前記受注者に対する過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対して、前記携帯通信端末の現在位置情報を開示しないように設定可能である、請求項9から12のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記設定機能は、前記注文者からの注文を受け付けていない非受付状態において、前記携帯通信端末の現在位置情報を、前記プラットフォームを構成するサーバに対して開示可能か否かを設定可能である、請求項1から13のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
注文者と受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームを構成するサーバであって、
前記受注者の携帯通信端末からの指示に応じて、前記受注者と前記注文者とのマッチングが成立している成立状態において前記携帯通信端末の現在位置情報を前記注文者に対してどのような条件で開示可能か否かを設定する設定部と、
前記成立状態において前記受注者の携帯通信端末の現在位置情報を前記注文者に対して開示する条件が満たされている場合に、前記携帯通信端末の現在位置情報を前記注文者の注文者端末に送信する送信部と
を備えるサーバ。
【請求項16】
注文が集中しそうな地域を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された地域内に位置する、受注者用アプリをインストールしており、かつ、前記受注者用アプリが注文を受け付けない状態になっている携帯通信端末に、前記受注者用アプリを、注文を受け付ける状態に遷移させるための処理を実行する状態遷移部と
を更に備える、請求項15に記載のサーバ。
【請求項17】
前記プラットフォームは、前記注文者と、前記注文者からの注文を受注した場合に前記注文者の位置に移動する前記受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームである、請求項16に記載のサーバ。
【請求項18】
前記受注者は、前記注文者からの注文を受注した場合に、飲食店に飲食物を受け取りに行って前記飲食物を前記注文者の位置に配達する配達者である、請求項17に記載のサーバ。
【請求項19】
注文者と受注者とをマッチングさせるサーバと、
前記受注者の携帯通信端末と
を備え、
前記携帯通信端末は、
前記受注者と前記注文者とのマッチングが成立している成立状態において前記携帯通信端末の現在位置情報を前記注文者に対してどのような条件で開示可能か否かを前記サーバに設定する設定部
を有し、
前記サーバは、
前記設定に基づいて、前記成立状態において前記受注者の携帯通信端末の現在位置情報を前記注文者に対して開示する条件が満たされている場合に、前記携帯通信端末の現在位置情報を前記注文者の注文者端末に送信する送信部
を有する、個人情報開示管理システム。
【請求項20】
注文者と受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームを構成する受注者向けのプログラムであって、
携帯通信端末に、
前記注文者からの注文を受け付けており、かつ、前記受注者と前記注文者とのマッチングが成立していない受付状態において、前記携帯通信端末の現在位置情報を前記携帯通信端末の位置を基準とするエリアに位置する注文者向けのプログラムがインストールされた注文者端末に対して、指名受注を受け付け可能な態様で開示する開示機能であって、他の受注者からの評価が予め定められた閾値よりも低い注文者、前記携帯通信端末を所有する前記受注者の過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者、又は、前記携帯通信端末を所有する前記受注者に対する過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対しては、前記現在位置情報の開示を制限する開示機能
を実現させるためのプログラム。
【請求項21】
注文者と受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームを構成するサーバであって、
前記受注者の携帯通信端末が前記注文者からの注文を受け付けており、かつ、前記受注者と前記注文者とのマッチングが成立していない受付状態において、前記携帯通信端末の現在位置情報を前記携帯通信端末の位置を基準とするエリアに位置する注文者向けのプログラムがインストールされた注文者端末に対して、指名受注を受け付け可能な態様で送信する情報送信部であって、他の受注者からの評価が予め定められた閾値よりも低い注文者、前記携帯通信端末を所有する前記受注者の過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者、又は、前記携帯通信端末を所有する前記受注者に対する過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対しては、前記現在位置情報の開示を制限する情報送信部
を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報開示管理システム、プログラム及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、荷物の受取人が、自己の個人情報である受取人情報について公開否を設定することで、依頼人に対して秘匿(非公開)することができるシステムが記載されている。特許文献2には、サービスの利用者側が所持する電子機器の画面に地図を表示させ、地図上に表示された配達車両の位置によって配達状況を利用者に知らせる際に、地図上の配達車両の現在位置があいまいに特定されるように画面に表示可能な位置情報提供システムが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2020-071775号公報
[特許文献2]特開2016-144140号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、プログラムが提供される。プログラムは、注文者と受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームを構成する受注者向けのプログラムであってよい。プログラムは、携帯通信端末に、受注者と注文者とのマッチングが成立している成立状態において携帯通信端末の現在位置情報を注文者に対してどのような条件で開示可能かを設定可能な設定機能を実現させるためのプログラムであってよい。
【0004】
上記設定機能は、上記成立状態において予め定められたエリア内に上記受注者が位置する場合に上記注文者に対する上記携帯通信端末の現在位置情報の開示を制限するよう設定可能であってよい。上記予め定められたエリアは、上記受注者の自宅のエリアであってよい。上記設定機能は、上記成立状態において上記予め定められたエリア内に上記受注者が位置する場合に、上記注文者に対して、上記携帯通信端末の現在位置情報を開示せず、上記受注者の現在位置から注文に基づく目的地までの距離を開示するよう設定可能であってよい。上記受注者は、飲食店の飲食物を上記注文者に配達する上記注文者からの注文を受注した場合に、上記飲食店に上記飲食物を受け取りに行って上記飲食物を上記注文者の位置に配達する配達者であってよく、上記設定機能は、上記成立状態において上記予め定められたエリア内に上記受注者が位置する場合に、上記注文者に対して、上記携帯通信端末の現在位置情報を開示せず、上記受注者の現在位置から上記飲食店までの距離を開示するよう設定可能であってよい。上記設定機能は、上記成立状態において上記予め定められたエリア内に上記受注者が位置する場合に、上記受注者が上記予め定められたエリア内に位置しない場合と比較して、上記注文者に対して開示する上記携帯通信端末の現在位置情報の精度を低くするよう設定可能であってよい。上記受注者は、飲食店の飲食物を上記注文者に配達する上記注文者からの注文を受注した場合に、上記飲食店に上記飲食物を受け取りに行って上記飲食物を上記注文者の位置に配達する配達者であってよく、上記設定機能は、上記受注者が第1の注文者による第1の注文を受注して上記受注者と上記第1の注文者とのマッチングが成立している成立状態において、上記第1の注文における配達ルート沿いに位置する飲食店の飲食物の配達を注文しようとしている注文者に対して、上記携帯通信端末の現在位置情報を開示するよう設定可能であってよい。上記設定機能は、上記携帯通信端末の現在位置情報を上記注文者に対してどのような条件で開示可能かを上記受注者の指示に従って設定してよく、上記設定機能は、上記受注者による上記注文者からの注文の内容の実施に支障が生じた場合に、上記受注者の指示に従って設定した内容を、上記プラットフォームの指示に従って変更してよい。
【0005】
上記設定機能は、上記注文者からの注文を受け付けており、かつ、上記受注者と上記注文者とのマッチングが成立していない受付状態において、上記携帯通信端末の現在位置情報を、上記携帯通信端末の位置を基準とするエリア内に位置する注文者向けのプログラムがインストールされた注文者端末に対してどのような条件で開示可能かを設定可能であってよい。上記受注者は、飲食店の飲食物を上記注文者に配達する上記注文者からの注文を受注した場合に、上記飲食店に上記飲食物を受け取りに行って上記飲食物を上記注文者の位置に配達する配達者であってよく、上記設定機能は、上記注文者からの注文を受け付けており、かつ、上記受注者と上記注文者とのマッチングが成立していない受付状態において、上記携帯通信端末の現在位置情報を、注文の対象の飲食店が上記携帯通信端末の位置を基準とするエリア内に位置する注文者向けのプログラムがインストールされた注文者端末に対してどのような条件で開示可能かを設定可能であってよい。上記設定機能は、上記受付状態において、他の受注者からの評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対して、上記携帯通信端末の現在位置情報を開示しないように設定可能であってよい。上記設定機能は、上記受付状態において、上記携帯通信端末を所有する上記受注者の過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対して、上記携帯通信端末の現在位置情報を開示しないように設定可能であってよい。上記設定機能は、上記携帯通信端末を所有する上記受注者に対する過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対して、上記携帯通信端末の現在位置情報を開示しないように設定可能であってよい。上記設定機能は、上記注文者からの注文を受け付けていない非受付状態において、上記携帯通信端末の現在位置情報を、上記プラットフォームを構成するサーバに対して開示可能か否かを設定可能であってよい。
【0006】
本発明の一実施態様によれば、サーバが提供される。サーバは、注文者と受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームを構成してよい。サーバは、受注者の携帯通信端末からの指示に応じて、受注者と注文者とのマッチングが成立している成立状態において携帯通信端末の現在位置情報を注文者に対してどのような条件で開示可能か否かを設定する設定部を備えてよい。サーバは、成立状態において受注者の携帯通信端末の現在位置情報を注文者に対して開示する条件が満たされている場合に、携帯通信端末の現在位置情報を注文者の注文者端末に送信する送信部を備えてよい。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、個人情報開示管理システムが提供される。個人情報開示管理システムは、注文者と受注者とをマッチングさせるサーバと、受注者の携帯通信端末とを備えてよい。携帯通信端末は、受注者と注文者とのマッチングが成立している成立状態において携帯通信端末の現在位置情報を注文者に対してどのような条件で開示可能か否かをサーバに設定する設定部を有してよい。サーバは、設定に基づいて、成立状態において受注者の携帯通信端末の現在位置情報を注文者に対して開示する条件が満たされている場合に、携帯通信端末の現在位置情報を注文者の注文者端末に送信する送信部を有してよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、プログラムが提供される。プログラムは、注文者と受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームを構成する受注者向けのプログラムであってよい。プログラムは、携帯通信端末に、注文者からの注文を受け付けており、かつ、受注者と注文者とのマッチングが成立していない受付状態において、携帯通信端末の現在位置情報を携帯通信端末の位置を基準とするエリアに位置する注文者向けのプログラムがインストールされた注文者端末に対して、指名受注を受け付け可能な態様で開示する開示機能であって、他の受注者からの評価が予め定められた閾値よりも低い注文者、携帯通信端末を所有する受注者の過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者、又は、携帯通信端末を所有する受注者に対する過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対しては、現在位置情報の開示を制限する開示機能を実現させるためのプログラムであってよい。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、サーバが提供される。サーバは、注文者と受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームを構成してよい。サーバは、受注者の携帯通信端末が注文者からの注文を受け付けており、かつ、受注者と注文者とのマッチングが成立していない受付状態において、携帯通信端末の現在位置情報を携帯通信端末の位置を基準とするエリアに位置する注文者向けのプログラムがインストールされた注文者端末に対して、指名受注を受け付け可能な態様で送信する情報送信部を備えてよい。サーバは、他の受注者からの評価が予め定められた閾値よりも低い注文者、携帯通信端末を所有する受注者の過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者、又は、携帯通信端末を所有する受注者に対する過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者に対しては、現在位置情報の開示を制限させる制限部を備えてよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、サーバが提供される。サーバは、注文者と受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームを構成してよい。サーバは、注文が集中しそうな地域を特定する特定部を備えてよい。サーバは、特定部によって特定された地域内に位置する、受注者用アプリをインストールしており、かつ、受注者用アプリが注文を受け付けない状態になっている携帯通信端末に、受注者用アプリを、注文を受け付ける状態に遷移させるための処理を実行する状態遷移部を備えてよい。
【0011】
上記プラットフォームは、上記注文者と、上記注文者からの注文を受注した場合に上記注文者の位置に移動する上記受注者とをマッチングさせるためのプラットフォームであってよい。上記受注者は、上記注文者からの注文を受注した場合に、飲食店に飲食物を受け取りに行って上記飲食物を上記注文者の位置に配達する配達者であってよい。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを上記サーバとして機能させるためのプログラムが提供される。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】プラットフォーム10の一例を概略的に示す。
【
図2】プラットフォーム10の一例について説明するための説明図である。
【
図3】受注者30の状況毎の、現在位置の開示相手の一例を概略的に示す。
【
図4】受付状態における受注者端末300の現在位置情報の開示について説明するための説明図である。
【
図5】受付状態における受注者端末300の現在位置情報の開示について説明するための説明図である。
【
図6】成立状態における受注者端末300の現在位置情報の開示について説明するための説明図である。
【
図7】現在位置情報の開示の制限について説明するための説明図である。
【
図8】現在位置情報の開示の制限について説明するための説明図である。
【
図9】サーバ100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図10】注文者端末200の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図11】受注者端末300の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図12】サーバ100、注文者端末200、又は受注者端末300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態に係るプラットフォーム10は、注文者と受注者とをマッチングさせてよい。受注者は、例えば、個人事業主であってよい。プラットフォーム10は、例えば、飲食店の飲食物を注文する注文者と、注文を受注して、飲食店から飲食物を受け取って注文者のもとに配達する配達者とをマッチングさせてよい。プラットフォーム10は、配達者の現在位置情報が、注文者に対して適切に提供されるような仕組みを実現してよい。例えば、プラットフォーム10は、配達者による設定に応じて、マッチングが成立していない状態において配達者の近傍に位置する複数の注文者に配達者の現在位置情報を開示してよい。これにより、配達者の個人情報を適切に保護しつつ、注文者が配達者を選択する機能を提供することができる。また、例えば、プラットフォーム10は、配達さによる設定に応じて、マッチングが成立している状態において配達者の現在位置情報を注文者に開示してよい。これにより、配達者の個人情報を適切に保護しつつ、注文者に配達状況を把握させることができる。プラットフォーム10は、飲食物の配達サービスに限らず注文者と受注者とをマッチングさせる任意のサービスに適用可能であってよい。
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、プラットフォーム10の一例を概略的に示す。プラットフォーム10は、個人情報開示管理システムの一例であってよい。プラットフォーム10は、注文者20と受注者30とをマッチングさせてよい。プラットフォーム10は、注文者20と、当該注文者20による注文を受注可能な受注者30とをマッチングさせてよい。
【0018】
プラットフォーム10が対象とするサービスの例として、飲食物の配達が挙げられる。例えば、注文者20は、飲食店の飲食物の配達を注文し、受注者30は、飲食店に移動して飲食物を受け取って注文者20の指定場所に配達する。
【0019】
プラットフォーム10が対象とするサービスの他の例として、自家用車による移送が挙げられる。例えば、注文者20は、目的地までの移送を注文し、受注者30は、自家用車によって注文者20の現在位置に移動して目的地までの移送を行う。
【0020】
プラットフォーム10が対象とするサービスの他の例として、引越しが挙げられる。例えば、注文者20は、引越しを注文し、受注者30は、注文者20の引越し元まで移動して引越し先までの荷物の配送を行う。
【0021】
プラットフォーム10が対象とするサービスの他の例として、家事手伝いが挙げられる。例えば、注文者20は、特定の場所(例えば注文者20の自宅など)の家事手伝いを注文し、受注者30は、その特定の場所まで移動して家事手伝いを行う。プラットフォーム10が対象とするサービスの他の例として、除雪、草刈り、屋外清掃、害虫駆除、不用品処理、警備、介護、子守又はペットの散歩などの業務が挙げられる。例えば、注文者20は、特定の場所における業務を注文し、受注者30は、その特定の場所まで移動して業務を行う。
【0022】
これらは例示であり、プラットフォーム10が対象とするサービスは任意のサービスであってよい。プラットフォーム10が対象とするサービスは、特に受注者30が注文者20に関連する位置まで移動して提供するサービスであってよい。
【0023】
プラットフォーム10は、サーバ100と、注文者20の注文者端末200にインストールされる注文者向けプログラムと、受注者30の受注者端末300にインストールされる受注者向けプログラムによって構成されてよい。
【0024】
注文者向けプログラムがインストールされることによって実装されるアプリケーションを、注文者アプリと記載する場合がある。受注者向けプログラムがインストールされることによって実装されるアプリケーションを、受注者アプリと記載する場合がある。
【0025】
注文者端末200は、注文者20が利用する通信端末であってよい。注文者端末200は、スマートフォン、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等であってよい。
【0026】
受注者端末300は、受注者30が携帯する携帯通信端末であってよい。受注者端末300は、スマートフォン、タブレット端末、及びウェアラブル端末等であってよい。
【0027】
サーバ100、注文者端末200、及び受注者端末300は、ネットワーク80を介して相互に通信してよい。ネットワーク80は、移動体通信ネットワークを含んでよい。ネットワーク80は、インターネットを含んでよい。サーバ100は、ネットワーク80に有線接続されても、無線接続されてもよい。注文者端末200は、ネットワーク80に有線接続されても、無線接続されてよい。受注者端末300は、ネットワーク80に無線接続されてよい。ネットワーク80への無線接続は、無線基地局及びWi-Fi(登録商標)アクセスポイント等を介して行われてよい。
【0028】
注文者20は、注文者端末200の注文者アプリを用いて、サーバ100に対して注文を依頼してよい。サーバ100は、注文内容に基づいて、受注の候補となる受注者30を特定し、特定した受注者30の受注者端末300に対して、受注依頼を送信してよい。受注者30は、受注者端末300の受注者アプリを用いて、受注依頼を受けるか否かを回答してよい。受注者30が受注依頼を受けると回答した場合に、受注者30と注文者20とのマッチングが成立してよい。マッチング成立後は、受注者30が、注文内容に応じたサービスを実施してよい。
【0029】
図2は、プラットフォーム10の一例について説明するための説明図である。ここでは、プラットフォーム10が、飲食物の配達を対象とする場合について例示する。
【0030】
注文者20が飲食店40の飲食物の配達を注文するときに、複数の受注者30から選択する機能を提供しようとした場合、サーバ100が、複数の受注者30のそれぞれについて、現在位置情報を含む個人情報を収集する必要がある。例えば、サーバ100が、複数の受注者30の氏名、性別、住所、連絡先、顔写真、及び現在位置を収集して注文者20に開示することによって、注文者20に選択の材料を提供することができる。しかし、受注者30の個人情報保護とのバランスをとる必要がある。
【0031】
また、注文者20と受注者30とのマッチングが成立した後に、受注者30の現在位置情報を注文者20に提供しようとした場合、サーバ100が、受注者30の現在位置情報を収集する必要がある。例えば、サーバ100が、受注者30の現在位置情報を継続的に注文者20に開示することによって、受注者30に配達状況を把握させることができる。しかしこの場合も、受注者30の個人情報保護とのバランスをとる必要がある。
【0032】
本実施形態に係るサーバ100は、予め設定された開示ポリシに従って、受注者30の個人情報の注文者20に対する開示を制御してよい。サーバ100は、受注者30によって受注者アプリを用いて設定された設定内容に基づいて、開示ポリシを設定してよい。
【0033】
図3は、受注者30の状況毎の現在位置の開示相手の一例を概略的に示す。
図3では、受注者30の状況の例として、非受付状態、受付状態、及び成立状態を挙げている。
【0034】
非受付状態は、注文者20からの注文を受け付けていない状態であってよい。非受付状態は、例えば、受注者アプリをオフにしている状態であってよい。非受付状態は、注文者20からの注文依頼が受注者30に届かない状態であってよい。非受付状態は、例えば、受注者アプリがオンになっている状態であって、注文者20からの注文依頼を受け付けない設定にしている状態であってよい。
【0035】
受付状態は、注文者20からの注文を受け付けており、かつ、受注者30と注文者20とのマッチングが成立していない状態であってよい。受付状態は、受注者アプリをオンにしており、注文者20とのマッチングを待ち受けている状態であってよい。
【0036】
成立状態は、受注者30と注文者20とのマッチングが成立している状態であってよい。
【0037】
なお、受注者30の状況は、受注者30と注文者20とのマッチングが成立していない非成立状態と、受注者30と注文者20とのマッチングが成立している成立状態との2つの状態であってもよい。
【0038】
非受付状態においては、受注者30の現在位置がサーバ100に開示され得る。受注者30は、受注者アプリによって、非受付状態において受注者端末300の現在位置情報をサーバ100に対して開示可能か否かを設定可能であってよい。受注者30が開示可能と設定することによって、サーバ100は、非受付状態の受注者端末300の現在位置を把握可能になる。これにより、例えば、サーバ100は、注文が集中しそうな地域を特定した場合に、当該地域内に位置する非受付状態の受注者端末300に、非受付状態から受付状態に遷移することを推奨したり、受付状態に遷移させたりすることによって、受付状態の受注者端末300を増加させることができる。これによりサーバ100は、注文者20と受注者30との間で需要と供給のバランスを取ることができる。
【0039】
また、受注者30による設定に応じた制御とすることによって、受注できない状況や、受注が難しい状況にある受注者30は、開示不可と設定することによって、推奨を受けないようにすることが出来る。また、受注者30の意図に反して受付状態に遷移してしまうことを防止することができる。
【0040】
受付状態においては、受注者30の現在位置が、サーバ100と、受注者30に関連する、注文者アプリをオンにしている注文者20とに開示され得る。サーバ100は、受注者30の現在位置を、注文者20とのマッチングのために用いてよい。
【0041】
受付状態における受注者30に関連する注文者20とは、例えば、受注者30の近傍に位置する注文者20や、利用しようとしている飲食店40が受注者30の近傍に位置する注文者20であってよい。受注者30は、受注者アプリによって、受付状態において受注者端末300の現在位置情報を関連する注文者20の注文者端末200に対してどのような条件で開示可能か設定可能であってよい。受注者30が、例えば無条件で開示可能と設定することによって、受注者30の現在位置情報が、受注者30に関連する注文者20に継続的に開示されることになる。これにより、注文者20の近傍に位置する受注者30の一覧や、注文者20が利用しようとしている飲食店40の近傍に位置する受注者30の一覧を、注文者20の注文者アプリに表示する等の機能を実現することができる。
【0042】
受注者端末300の受注者アプリは、受付状態において、他の受注者30からの評価が低い注文者20に対して現在位置情報を開示しないように設定可能であってよい。また、受注者端末300の受注者アプリは、受付状態において、受注者30自身が過去に低い評価を付けた注文者20に対して現在位置情報を開示しないように設定可能であってよい。また、受注者端末300の受注者アプリは、受付状態において、受注者30自身に対して過去に低い評価を付けた注文者20に対して現在位置情報を開示しないように設定可能であってよい。これらにより、受注者30が注文を受けることを希望しない可能性が高い注文者20に対して、現在位置情報を開示しないようにでき、このような注文者20とのマッチングが成立しないようにできる。
【0043】
受注者端末300の受注者アプリは、受付状態において、他の受注者30からの評価が高い注文者20に対してのみ現在位置情報を開示するように設定可能であってもよい。また、受注者端末300の受注者アプリは、受付状態において、受注者30自身が過去に高い評価を付けた注文者20に対してのみ現在位置情報を開示するように設定可能であってもよい。また、受注者端末300の受注者アプリは、受付状態において、受注者30自身に対して過去に高い評価を付けた注文者20に対してのみ現在位置情報を開示するように設定可能であってもよい。これらにより、受注者30は、さらに高評価を得る可能性を向上させることができる。
【0044】
成立状態においては、受注者30の現在位置が、サーバ100と、受注者30に関連する、注文者アプリをオンにしている注文者20と、マッチング相手の注文者20とに開示され得る。サーバ100及びマッチング相手の注文者20の注文者端末200は、受注者30の現在位置を、受注者30の位置追跡のために用いてよい。
【0045】
成立状態における受注者30に関連する注文者20とは、例えば、受注者30の近傍に位置する注文者20や、利用しようとしている飲食店40が受注者30の配達ルート沿いに位置する注文者20であってよい。受注者30は、受注者アプリによって、受注者30が第1の注文者20による第1の注文を受注して受注者30と第1の注文者20とのマッチングが成立している成立状態において、第1の注文における配達ルート沿いに位置する飲食店の飲食物の配達を注文しようとしている注文者に対して、受注者30の現在位置情報を開示するよう設定可能であってよい。
【0046】
図4は、受付状態における受注者端末300の現在位置情報の開示について説明するための説明図である。
【0047】
受注者アプリは、受注者端末300の現在位置情報を、受注者端末300の現在位置を基準とするエリア50内に位置する注文者端末200に対してどのような条件で開示可能かを設定可能であってよい。エリア50は、例えば、受注者端末300の現在位置から予め定められた距離の範囲内であってよい。すなわち、エリア50の形状は、受注者端末300の現在位置を中心とする円形であってよい。エリア50の形状は、円形でなく、他の形状であってもよい。また、受注者端末300の現在位置が、エリア50の中心に位置しなくてもよい。
【0048】
例えば、受注者30が受注者端末300の現在位置情報をエリア50内に位置する注文者端末200に対して無条件で開示可能と設定することによって、エリア50内に位置する注文者端末200のみに、受注者端末300の現在位置を開示することができる。これにより、マッチングされる注文者20を、受注者30の近傍の注文者20に制限することができ、結果として配達の移動距離を短くすることができる。また、注文者20の注文者アプリに、注文者20の近傍に位置する受注者30の一覧を表示する機能を実現させることができる。
【0049】
図5は、受付状態における受注者端末300の現在位置情報の開示について説明するための説明図である。
【0050】
受注者アプリは、受注者端末300の現在位置情報を、注文の対象の飲食店40が受注者端末300の現在位置を基準とするエリア50内に位置する注文者端末200に対してどのような条件で開示可能かを設定可能であってよい。例えば、受注者30が受注者端末300の現在位置情報をエリア50内の注文者端末200に対して無条件で開示可能と設定することによって、注文の対象の飲食店40がエリア50内に位置する注文者端末200のみに、受注者端末300の現在位置を開示することができる。これにより、マッチングされる注文者20を、注文対象の飲食店40が受注者30の近傍に位置する注文者20に制限することができ、結果として飲食店40までの移動距離を短くすることができる。また、注文者20の注文者アプリに、注文者20が注文しようとしている飲食店40の近傍に位置する受注者30の一覧を表示する機能を実現させることができる。
【0051】
図6は、成立状態における受注者端末300の現在位置情報の開示について説明するための説明図である。
【0052】
受注者アプリは、成立状態において、受注者端末300の現在位置情報を、マッチングが成立している注文者20以外の注文者20に対してどのような条件で開示可能かを設定可能であってよい。
【0053】
受注者アプリは、例えば、受注者30が注文者20による注文を受注して受注者30と注文者20とのマッチングが成立している成立状態において、配達ルート410沿いに位置する飲食店42の飲食物の配達を注文しようとしている注文者22に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示するよう設定可能であってよい。これにより、注文者20からの注文を受けて配達をしている最中に、更に配達ルート410上の飲食店42の注文を受注できる可能性を高めることができ、受注者30の配達効率の向上に貢献することができる。
【0054】
受注者アプリは、例えば、受注者30が注文者20による注文を受注して受注者30と注文者20とのマッチングが成立している成立状態であって、受注者30が飲食店40に向かう受取前ルート412を移動しているときに、飲食店40の飲食物の配達を注文しようとしている注文者22に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示するよう設定可能であってよい。これにより、飲食店40におけるダブルピックアップの可能性を高めることができ、受注者30の配達効率の向上に貢献することができる。
【0055】
受注者アプリは、成立状態において受注者端末300の現在位置情報をマッチングが成立している注文者20に対してどのような条件で開示可能かを設定可能であってよい。受注者アプリは、例えば、成立状態において予め定められたエリア内に受注者30が位置する場合に、注文者20に対する受注者端末300の現在位置情報の開示を制限するよう設定可能であってよい。予め定められたエリアは、例えば、受注者30の自宅のエリアであってよい。受注者30が自宅のエリアに位置する場合に、注文者20に対する受注者端末300の現在位置情報の開示を制限することによって、受注者30の個人情報の保護に貢献することができる。
【0056】
受注者アプリは、成立状態において受注者端末300の現在位置情報を注文者20に対してどのような条件で開示可能かを、受注者30の指示に従って設定してよい。例えば、受注者30によって、成立状態において受注者端末300の現在位置情報を注文者20に対して開示不可と設定された場合、サーバ100は、受注者端末300の現在位置情報を注文者20に開示しないように制御してもよい。
【0057】
ここで、受注者アプリは、受注者30による注文の内容の実施に支障が生じた場合に、受注者30の指示に従って設定した内容を、プラットフォーム10のサーバ100の指示に従って変更してもよい。例えば、受注者アプリは、飲食物の配達の注文に対して、配達予定時刻を超過した場合に、受注者30のより詳細な個人情報を段階的に、受注者30の意思によらずに注文者20に開示するように、設定を変更してよい。
【0058】
具体例として、受注者アプリは、配達予定時刻からの超過時間が10分等の予め定められた時間未満である場合、受注者30によって設定された開示ポリシを維持してよい。また、受注者アプリは、配達予定時刻からの超過時間が10分以上30分未満等の予め定められた期間内である場合、受注者端末300の現在位置情報を強制的に注文者20に開示するように設定を変更してよい。また、受注者アプリは、配達予定時刻からの超過時間が30分以上等の予め定められた時間以上である場合に、注文者20に開示する受注者30の個人情報の種類を増やすように設定を変更してよい。例えば、受注者アプリは、受注者30に対するクレームの連絡先や、安否の確認先を、注文者20に開示するように設定を変更してよい。これにより、受注者30の個人情報を保護しつつ、注文者20に対して、状況に応じた適切な受注者30に関する情報を開示することができる。
【0059】
なお、上述したような設定の変更は、受注者アプリが主体となって行われるのではなく、サーバ100が主体となって行われてもよい。サーバ100は、配達予定時刻からの超過時間が10分等の予め定められた時間未満である場合、受注者30によって設定された開示ポリシを維持してよい。また、サーバ100は、配達予定時刻からの超過時間が10分以上30分未満等の予め定められた期間内である場合、受注者端末300の現在位置情報を強制的に注文者20に開示するように設定を変更してよい。また、サーバ100は、配達予定時刻からの超過時間が30分以上等の予め定められた時間以上である場合に、注文者20に開示する受注者30の個人情報の種類を増やすように設定を変更してよい。例えば、サーバ100は、受注者30に対するクレームの連絡先や、安否の確認先を、注文者20に開示するように設定を変更してよい。
【0060】
受注者30が、置き配等によって配達を完了したと判断したにもかかわらず、注文者20からみて飲食物を受け取れていない場合、誤配の可能性が高い。このような支障が生じた場合にも、受注者アプリ又はサーバ100は、受注者30に対するクレームの連絡先や、安否の確認先を、強制的に注文者20に開示するように設定を変更してよい。プラットフォーム10における運用において、配達遅延時間に応じた金額のクーポンを注文者20に配布するようにしてもよい。
【0061】
図7及び
図8は、現在位置情報の開示の制限について説明するための説明図である。成立状態において予め定められたエリア内に受注者30が位置する場合に、注文者20に対する受注者端末300の現在位置情報の開示を制限するよう受注者アプリによって設定された場合、サーバ100は、現在位置情報の開示を制限する。サーバ100は、受注者端末300の真の現在位置500を示す現在位置情報を開示せず、受注者30の現在位置から飲食物の受け取り対象の飲食店40までの距離を開示してよい。
【0062】
例えば、サーバ100は、
図7に例示するように、飲食店40からの距離は同一であるが、真の現在位置とは異なるダミー位置510を、注文者20に開示してよい。これにより、受注者30の真の現在位置500を開示することなく、受注者30と飲食店40との距離や、受注者30が飲食店40に向かっているか否か等の情報を注文者20に提供することができる。なお、ダミー位置510は、上記に限られない。例えば、ダミー位置510は、真の現在位置500から飲食店40までの距離と同一でない距離に位置するが、真の現在位置500から飲食店40までの所要時間と同じ所要時間が見込まれる位置であってもよい。
【0063】
また、例えば、サーバ100は、
図8に例示するように、注文を受注した地点32からの受注者30の移動距離と、飲食店40までの距離とを示す画像を、注文者20に開示してよい。サーバ100は、さらに、説明文520を注文者20に開示してよい。説明文520は、受注者30の状況を示す内容を含んでよい。また、説明文520は、飲食店40までの距離を含んでよい。また、説明文520は、飲食店40までの所要時間を含んでよい。これにより、受注者30の真の現在位置500を開示することなく、受注者30と飲食店40との距離や、受注者30が飲食店40に向かっているか否か等の情報を注文者20に提供することができる。なお、サーバ100は、例えば、受注者300の移動距離と時間から移動速度を算出し、移動速度に基づいて所要時間を随時調整して開示してもよい。
【0064】
図9は、サーバ100の機能構成の一例を概略的に示す。サーバ100は、格納部102、情報受信部104、情報送信部106、設定部108、注文管理部110、評価管理部112、特定部114、及び状態遷移部116を備える。なお、サーバ100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0065】
格納部102は、各種情報を格納してよい。格納部102は、例えば、サービスに登録している注文者20の情報を格納してよい。注文者20の情報は、注文者20の個人情報を含んでよい。注文者20の個人情報は、注文者20の氏名、住所、性別、電話番号、生年月日、年齢、及び血液型等のデモグラフィック情報を含んでよい。また、注文者20の個人情報は、注文者20の顔写真を含んでよい。注文者20の個人情報は、これまでに受注者30から得た評価又はこれまでに発注した業務等に関する情報を含んでよい。
【0066】
格納部102は、例えば、サービスに登録している受注者30の情報を格納してよい。受注者30の情報は、受注者30の個人情報を含んでよい。受注者30の個人情報は、受注者30の氏名、住所、性別、電話番号、生年月日、年齢、及び血液型等のデモラフィック情報を含んでよい。また、受注者30の個人情報は、受注者30の顔写真を含んでよい。受注者30の情報は、受注者30のスキル、経験、所有資格、これまでに注文者20から受けた評価又はこれまでに実行した業務等に関する情報を含んでよい。
【0067】
格納部102は、例えば、サービスに登録している飲食店40の情報を格納してよい。飲食店40の情報は、飲食店40の位置情報を含んでよい。飲食店40の情報は、飲食店40における飲食物の情報を含んでよい。
【0068】
情報受信部104は、ネットワーク80を介して各種情報を受信してよい。情報受信部104は、注文者端末200から各種情報を受信してよい。情報受信部104は、受注者端末300から各種情報を受信してよい。情報受信部104は、ネットワーク80上の各種装置から、各種情報を受信してもよい。情報受信部104は、受信した情報を格納部102に格納してよい。
【0069】
情報受信部104は、例えば、注文者端末200から注文者端末200の現在位置情報を受信してよい。情報受信部104は、例えば、注文者端末200から、注文を受信してよい。具体例として、情報受信部104は、注文者端末200から、対象の飲食店40及び飲食物と、配達先の場所とを含む注文を受信してよい。情報受信部104は、注文者端末200から、対象の飲食店40を示す情報のみをまず受信してもよい。
【0070】
情報受信部104は、例えば、受注者端末300から、非受付状態であるか、受付状態であるかの通知を受信してよい。受注者端末300は、例えば、非受付状態から受付状態に遷移したときや、受付状態から非受付状態に遷移したときに、その旨をサーバ100に通知してよい。情報受信部104は、例えば、受注者端末300から、受注者端末300の現在位置情報を受信してよい。情報受信部104は、例えば、受注者端末300から、設定指示を受信してよい。
【0071】
情報送信部106は、ネットワーク80を介して各種情報を送信してよい。情報送信部106は、注文者端末200に対して、格納部102に格納されている各種情報を送信してよい。情報送信部106は、受注者端末300に対して、格納部102に格納されている各種情報を送信してよい。
【0072】
情報送信部106は、例えば、注文者端末200に対して、飲食店40の情報を送信してよい。注文者20は、飲食店40の情報を閲覧することによって、注文対象の飲食店40及び飲食物を決定し得る。
【0073】
設定部108は、情報送信部106が受信した情報に基づいて各種設定を実行してよい。設定部108は、例えば、複数の受注者30のそれぞれについて、受注者端末300から受信した設定指示に従って、受注者30の個人情報の開示ポリシを設定してよい。
【0074】
注文管理部110は、情報受信部104が注文者端末200から受信した注文を管理してよい。注文管理部110は、例えば、注文に含まれる対象の飲食店40及び配達先の場所と、複数の受注者30の現在位置とによって、当該注文を受注する候補となる受注者30を特定する。注文管理部110は、情報送信部106に、特定した受注者30の受注者端末300に対して受注依頼を送信させてよい。
【0075】
注文管理部110は、受注依頼に対する回答を情報受信部104が受信した場合に、回答内容に基づいて、注文者20と受注者30とをマッチングするか否かを決定してよい。注文管理部110は、回答内容が受注依頼を受けることを示す場合、注文者20と受注者30とをマッチングしてよい。注文管理部110は、回答内容が受注依頼を受けないことを示す場合、候補となる他の受注者30を特定して、情報送信部106に、特定した受注者30の受注者端末300に対して受注依頼を送信させてよい。
【0076】
注文管理部110は、注文者20と受注者30とのマッチングが成立した場合に、情報送信部106に、対象の飲食店40に対して、飲食物の準備依頼と、受注者30の情報とを送信させてよい。注文管理部110は、飲食物の準備依頼を、マッチングが成立する前に飲食店40に対して送信させてもよい。
【0077】
また、注文管理部110は、注文者20と受注者30とのマッチングが成立した場合に、情報送信部106に、受注者30の受注者端末300に対して、飲食店40の名称、飲食店40の位置情報、及び飲食物の情報を送信させてよい。注文管理部110は、受注者30による飲食店40での飲食物の受け取りが完了した後に、情報送信部106に、受注者30の受注者端末300に対して、飲食物の配達先の場所を示す情報を送信させてよい。なお、注文管理部110は、受注者30による飲食店40での飲食物の受け取りが完了した後ではなく、マッチングが成立したときに、情報送信部106に、飲食物の配達先の場所を示す情報を合わせて送信させてもよい。
【0078】
注文管理部110は、注文者20と受注者30とのマッチングが成立した場合に、情報送信部106に、注文者20の注文者端末200に対して、受注者30の個人情報を送信させてよい。情報送信部106は、例えば、受注者30の氏名、顔写真、及び移動手段を送信させてよい。
【0079】
情報送信部106は、受注者30による配達が完了するまで、受注者30の開示ポリシに従って、受注者30の現在位置情報を継続的に注文者20の注文者端末200に送信してよい。情報送信部106は、受注者30による配達が完了したことを、注文者端末200又は受注者端末300からの通知によって知得したことに応じて、受注者30の現在位置情報の注文者端末200への送信を停止してよい。
【0080】
情報受信部104は、受注者30の受注者端末300から、飲食店40を評価する評価情報を受信してよい。情報受信部104は、例えば、受注者30による飲食物の受け取りが完了した後に、受注者端末300から、飲食店40の評価情報を受信してよい。
【0081】
情報受信部104は、受注者30の受注者端末300から、注文者20を評価する評価情報を受信してよい。情報受信部104は、例えば、受注者30による注文者20への飲食物の引き渡しが完了した後に、受注者端末300から、注文者20の評価情報を受信してよい。
【0082】
情報受信部104は、注文者20の注文者端末200から、受注者30を評価する評価情報を受信してよい。情報受信部104は、例えば、受注者30による注文者20への飲食物の引き渡しが完了した後に、注文者端末200から、受注者30の評価情報を受信してよい。
【0083】
評価情報管理部112は、情報受信部104が受信した評価情報を管理してよい。評価情報管理部112は、注文者20に対する複数の受注者30からの評価を集計して管理してよい。評価情報管理部112は、受注者30に対する複数の注文者20からの評価を集計して管理してよい。評価情報管理部112は、飲食店40に対する複数の受注者30からの評価を集計して管理してよい。
【0084】
特定部114は、注文が集中しそうな地域を特定してよい。例えば、特定部114は、注文が発生した地点、すなわち、注文を送信した受注者端末300の現在位置を監視して、各地域の注文の発生状況を把握することによって、注文が集中しそうな地域を特定してよい。
【0085】
また、例えば、特定部114は、過去の注文について、注文時刻と注文が発生した地点との履歴を収集して、各地域における注文の発生状況を解析することによって、注文が集中しそうな地域を特定してよい。
【0086】
また、例えば、特定部114は、各地におけるイベント等の外的要因に基づいて、注文が集中しそうな地域を特定してもよい。特定部114は、例えば、花火大会が予定されている場合に、花火を見ることができる地域を、注文が集中しそうな地域として特定してよい。
【0087】
状態遷移部116は、特定部114によって特定された地域内に位置する、非受付状態の受注者端末300に、受注者用アプリを、受付状態に遷移させるための処理を実行する。状態遷移部116は、例えば、受付状態に遷移することを推奨する推奨情報を情報送信部106に送信させる。推奨情報は、例えば、推奨に応じて受付状態に設定した受注者30に対して、注文を受注した際の報酬を増額する旨のメッセージを含んでよい。推奨情報に応じて受付状態に設定した受注者30に対して報酬増額を適用するように運用することによって、注文が集中しそうな地域内における受付状態の受注者端末300を増加させることができ、増加する注文に対応しやすくすることができる。なお、状態遷移部116は、推奨情報を送信するのではなく、受注者用アプリを、強制的に受付状態に遷移させてもよい。
【0088】
情報送信部106は、受注者30の現在位置情報を、受注者30の状況と、受注者30に対応する開示ポリシとに基づいて、注文者端末200に対して開示してよい。情報送信部106は、このような開示機能を実行してよい。
【0089】
例えば、情報送信部106は、開示ポリシによって許可されている場合に、受付状態の受注者端末300の現在位置情報を、受注者30に関連する、注文者アプリをオンにしている注文者20の注文者端末200に対して送信する。情報送信部106は、例えば、受注者端末300の位置を基準とするエリア内に位置する注文者端末200に対して、受注者端末300の現在位置情報を送信してよい。また、情報送信部106は、例えば、注文の対象の飲食店40が受注者端末300の位置を基準とするエリア内に位置する注文者端末200に対して、受注者端末300の現在位置情報を送信してよい。
【0090】
情報送信部106は、開示ポリシによって制限されている場合に、受注者30に関連する注文者20であっても、他の受注者30からの評価が予め定められた閾値よりも低い注文者20に対しては、受注者端末300の現在位置情報を送信しないようにしてもよい。情報送信部106は、開示ポリシによって制限されている場合に、受注者30に関連する注文者20であっても、受注者端末300を所有する受注者30の過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者20に対しては、受注者端末300の現在位置情報を送信しないようにしてもよい。情報送信部106は、開示ポリシによって制限されている場合に、受注者30に関連する注文者20であっても、受注者端末300を所有する受注者30に対する過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者20に対しては、受注者端末300の現在位置情報を送信しないようにしてもよい。
【0091】
また、例えば、情報送信部106は、開示ポリシによって許可されている場合に、受注者30が第1の注文者20による第1の注文を受注して受注者30と第1の注文者20とのマッチングが成立している成立状態において、第1の注文における配達ルート沿いに位置する飲食店40の飲食物の配達を注文しようとしている注文者20の注文者端末200に対して、受注者端末300の現在位置情報を送信してよい。
【0092】
また、例えば、情報送信部106は、開示ポリシによって許可されている場合に、成立状態の受注者端末300の現在位置情報を、マッチング相手の注文者20の注文者端末200に送信してよい。情報送信部106は、開示ポリシによって制限されている場合に、成立状態において予め定められたエリア内に受注者30が位置する場合に、注文者20に対する受注者端末300の現在位置情報の開示を制限してよい。情報送信部106は、例えば、注文者20に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示せず、受注者30の現在位置から注文に基づく目的地までの距離を開示してよい。例えば、情報送信部106は、注文者20に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示せず、受注者30の現在位置から飲食店までの距離を開示してよい。
【0093】
図10は、注文者端末200の機能構成の一例を概略的に示す。注文者端末200は、格納部202、位置情報取得部204、入力受付部206、表示制御部208、情報受信部210、及び情報送信部212を備える。注文者端末200のこれらの機能の少なくとも一部は、注文者用プログラムが注文者端末200にインストールされることによって実現されてよい。
【0094】
格納部202は、各種情報を格納してよい。格納部202は、注文者20の情報を格納してよい。
【0095】
位置情報取得部204は、注文者端末200の位置情報を取得する。位置情報取得部204は、例えば、GPS(Global Positioning System)のようなGNSS(Global Navigation Satellite System)システムを利用した測位を実行してよい。位置情報取得部204は、いわゆる基地局測位等を実行してもよい。
【0096】
入力受付部206は、各種入力を受け付ける。入力受付部206は、注文者端末200が備える入力デバイスを介して、注文者20からの入力を受け付けてよい。表示制御部208は、注文者端末200が備えるディスプレイに各種情報を表示するよう制御してよい。
【0097】
情報受信部210は、各種情報を受信してよい。情報受信部210は、ネットワーク80を介して、サーバ100及び受注者端末300等から各種情報を受信してよい。
【0098】
情報送信部212は、各種情報を送信してよい。情報送信部212は、ネットワーク80を介して、サーバ100及び受注者端末300等に各種情報を送信してよい。
【0099】
情報受信部210は、例えば、サーバ100から、複数の飲食店40の情報を受信してよい。表示制御部208は、複数の飲食店40の情報を表示させてよい。注文者20は、複数の飲食店40の情報を閲覧して、注文対象の飲食店40及び飲食物を決定し得る。
【0100】
入力受付部206は、注文対象の飲食店40及び飲食物と、配達先を示す情報とを含む注文の入力を受け付けてよい。情報送信部212は、注文をサーバ100に送信してよい。サーバ100は、注文者端末200から受信した注文に基づいて、注文者20と受注者30とをマッチングしてよい。マッチングが成立した後、情報受信部210は、受注者30の情報を受信してよい。表示制御部208は、例えば、受注者30の氏名及び顔写真と、継続的に受信する受注者端末300の現在位置情報とをディスプレイに表示させてよい。
【0101】
注文者端末200は、受注者30を注文者20に選択させる機能を実行してもよい。例えば、情報受信部210は、注文者端末200の位置から予め定められた範囲内に位置する受注者30の情報をサーバ100から受信してよい。表示制御部208は、注文者20の近傍に位置する受注者30の一覧をディスプレイに表示させてよい。
【0102】
表示制御部208は、複数の受注者30を順位付けした一覧をディスプレイに表示させてもよい。例えば、表示制御部208は、注文者端末200と受注者端末300との距離がより短い受注者30を優先して、複数の受注者30を順位付けてよい。また、表示制御部208は、配達の価格交渉が可能である場合に、価格がより安い受注者30を優先して、複数の受注者30を順位付けてもよい。表示制御部208は、性別によって複数の受注者30を分けてもよい。
【0103】
情報受信部210は、特定の飲食店40の位置から予め定められた範囲内に位置する受注者30の情報をサーバ100から受信してよい。表示制御部208は、注文者20が注文しようとしている飲食店40の近傍に位置する受注者30の一覧をディスプレイに表示させてよい。
【0104】
表示制御部208は、複数の受注者30を順位付けした一覧をディスプレイに表示させてもよい。例えば、表示制御部208は、飲食店40と受注者端末300との距離がより短い受注者30を優先して、複数の受注者30を順位付けてよい。また、表示制御部208は、配達の価格交渉が可能である場合に、価格がより安い受注者30を優先して、複数の受注者30を順位付けてもよい。表示制御部208は、性別によって複数の受注者30を分けてもよい。
【0105】
入力受付部206は、受注者30の選択を受け付けてよい。入力受付部206は、例えば、表示制御部208によって表示された受注者30の一覧からの受注者30の選択を受け付ける。情報送信部212は、選択された受注者30をサーバ100に対して通知してよい。
【0106】
図11は、受注者端末300の機能構成の一例を概略的に示す。受注者端末300は、格納部302、位置情報取得部304、入力受付部306、表示制御部308、情報受信部310、情報送信部312、及び設定部314を備える。受注者端末300のこれらの機能の少なくとも一部は、受注者用プログラムが受注者端末300にインストールされることによって実現されてよい。
【0107】
格納部302は、各種情報を格納してよい。格納部302は、受注者30の情報を格納してよい。
【0108】
位置情報取得部304は、受注者端末300の位置情報を取得する。位置情報取得部304は、例えば、GPSのようなGNSSシステムを利用した測位を実行してよい。位置情報取得部304は、いわゆる基地局測位等を実行してもよい。
【0109】
入力受付部306は、各種入力を受け付ける。入力受付部306は、受注者端末300が備える入力デバイスを介して、受注者30からの入力を受け付けてよい。表示制御部308は、受注者端末300が備えるディスプレイに各種情報を表示するよう制御してよい。
【0110】
情報受信部310は、各種情報を受信してよい。情報受信部310は、ネットワーク80を介して、サーバ100及び注文者端末200等から各種情報を受信してよい。
【0111】
情報送信部312は、各種情報を送信してよい。情報送信部312は、ネットワーク80を介して、サーバ100及び注文者端末200等に各種情報を送信してよい。情報送信部312は、注文者端末200に対して、受注者端末300の現在位置情報を、指名受注を受け付け可能な態様で開示する開示機能を実行してよい。情報送信部312は、例えば、受付状態において、受注者端末300の現在位置情報を、受注者端末300の位置を基準とするエリアに位置する注文者端末200に対して、指名受注を受け付け可能な態様で送信してよい。
【0112】
設定部314は、設定機能を実行する。設定部314は、入力受付部306が受注者30から受け付けた内容に従って、各種設定を実行してよい。設定部314は、設定指示をサーバ100に送信することによって、各種設定を実行してよい。
【0113】
設定機能は、例えば、受注者30と注文者20とのマッチングが成立している成立状態において、受注者端末300の現在位置情報を注文者20に対してどのような条件で開示可能かを設定可能であってよい。設定機能は、成立状態において予め定められたエリア内に受注者30が位置する場合に注文者20に対する受注者端末300の現在位置情報の開示を制限するよう設定可能であってよい。
【0114】
予め定められたエリアは、受注者30の自宅のエリアであってよい。受注者30の自宅のエリアは、受注者30の自宅の敷地内のエリアであってよい。また、受注者30の自宅のエリアは、受注者30の自宅を中心とした予め定められた範囲内のエリアであってよい。
【0115】
設定機能は、成立状態において予め定められたエリア内に受注者30が位置する場合に、注文者20に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示せずに、受注者30の現在位置から注文に基づく目的地までの距離を開示するよう設定可能であってよい。具体例として、設定機能は、成立状態において予め定められたエリア内に受注者30が位置する場合に、注文者20に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示せずに、受注者30の現在位置から注文の対象の飲食店40までの距離を開示するよう設定可能であってよい。設定機能は、成立状態において予め定められたエリア内に受注者30が位置する場合に、受注者30が予め定められたエリア内に位置しない場合と比較して、注文者20に対して開示する受注者端末300の現在位置情報の精度を低くするよう設定可能であってよい。
【0116】
設定機能は、受注者30が第1の注文者による第1の注文を受注して受注者30と第1の注文者とのマッチングが成立している成立状態において、第1の注文における配達ルート沿いに位置する飲食店40の飲食物の配達を注文しようとしている注文者20に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示するよう設定可能であってよい。
【0117】
設定機能は、上述したように、受注者端末300の現在位置情報を注文者20に対してどのような条件で開示可能かを受注者30の指示に従って設定してよく、設定機能は、受注者30による注文者20からの注文の内容の実施に支障が生じた場合に、受注者30の指示に従って設定した内容を、プラットフォーム10のサーバ100の指示に従って変更してよい。例えば、設定機能は、受注者30の指示に従って設定した条件を、プラットフォーム10のサーバ100の指示に従って緩めてよい。具体例として、受注者30が、受注者端末300の現在位置情報の開示のみを許可しており、他の受注者30の個人情報の開示を拒否している場合において、設定機能は、プラットフォームの指示に従って、受注者30の連絡先の情報も開示可能に変更してよい。また、例えば、設定機能は、飲食物の配達の注文に対して、配達予定時刻を超過した場合に、受注者30のより詳細な個人情報を段階的に、受注者30の意思によらずに注文者20に開示するように、設定を変更してよい。
【0118】
設定機能は、成立状態において、受注者30の周囲を撮像した撮像画像を、マッチング相手の注文者20に開示することを設定可能であってもよい。情報送信部312は、受注者端末300が備えるカメラ又は受注者30が装着しているカメラによって撮像された撮像画像を、サーバ100に送信してよい。サーバ100は、受注者30によって許可されている場合に、受注者端末300から受信する撮像画像を、受注者30のマッチング相手の注文者20の注文者端末200に送信してよい。注文者20は、注文者端末200によって当該撮像画像を閲覧することによって、受注者30による配達の状況をリアルタイムに把握することができ、例えば、受注者30の評価の材料とすることができる。
【0119】
設定機能は、受付状態において、受注者端末300の現在位置情報を、受注者端末300の位置を基準とするエリア内に位置する注文者端末200に対してどのような条件で開示可能かを設定可能であってよい。
【0120】
設定機能は、受付状態において、受注者端末300の現在位置情報を、注文の対象の40が受注者端末300の位置を基準とするエリア内に位置する注文者端末200に対してどのような条件で開示可能かを設定可能であってよい。
【0121】
設定機能は、受付状態において、他の受注者30からの評価が予め定められた閾値よりも低い注文者20に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示しないように設定可能であってよい。
【0122】
設定機能は、受付状態において、受注者端末300を所有する受注者30の過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者20に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示しないように設定可能であってよい。
【0123】
設定機能は、受注者端末300を所有する受注者30に対する過去の評価が予め定められた閾値よりも低い注文者20に対して、受注者端末300の現在位置情報を開示しないように設定可能であってよい。
【0124】
設定機能は、非受付状態において、受注者端末300の現在位置情報を、サーバ100に対して開示可能か否かを設定可能であってよい。
【0125】
上記実施形態では、プラットフォーム10が、受注者30の個人情報の注文者20に対する開示を制御する場合を主に例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、複数の受注者30が連携して飲食物や荷物を配達するような場合、プラットフォーム10は、複数の受注者30間での、個人情報の開示を制御してもよい。
【0126】
図12は、サーバ100、注文者端末200、又は受注者端末300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0127】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0128】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0129】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0130】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0131】
プログラムは、ICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0132】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0133】
また、CPU1212は、記憶装置1224、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0134】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0135】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0136】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0137】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0138】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0139】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0140】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0141】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0142】
10 プラットフォーム、20 注文者、30 受注者、40 飲食店、50 エリア、80 ネットワーク、100 サーバ、102 格納部、104 情報受信部、106 情報送信部、108 設定部、110 注文管理部、112 評価情報管理部、114 特定部、116 状態遷移部、200 注文者端末、202 格納部、204 位置情報取得部、206 入力受付部、208 表示制御部、210 情報受信部、212 情報送信部、300 受注者端末、302 格納部、304 位置情報取得部、306 入力受付部、308 表示制御部、310 情報受信部、312 情報送信部、314 設定部、410 配達ルート、412 受取前ルート、500 現在位置、510 ダミー位置、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ