(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】新規なグリセリルポリラムノシド、それらを調製するためのプロセス、並びにそれらを含む化粧品及び/又は医薬品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/60 20060101AFI20221027BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20221027BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20221027BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20221027BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20221027BHJP
A61K 31/7004 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A61K8/60
A61Q19/00
A61K8/34
A61P17/00
A61Q1/00
A61K31/7004
(21)【出願番号】P 2020531729
(86)(22)【出願日】2018-11-27
(86)【国際出願番号】 FR2018053010
(87)【国際公開番号】W WO2019115904
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-10-26
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】レティシア・カットゥザット
(72)【発明者】
【氏名】ジョージズ・ダコスタ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・デッシラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ギルボット
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-057610(JP,A)
【文献】特表2016-522161(JP,A)
【文献】特表2021-505623(JP,A)
【文献】特表2021-505626(JP,A)
【文献】国際公開第2017/191394(WO,A1)
【文献】特開2014-058472(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102011081436(DE,A1)
【文献】国際公開第2006/037813(WO,A1)
【文献】特表2005-532311(JP,A)
【文献】特表2007-509913(JP,A)
【文献】特開2007-181789(JP,A)
【文献】特開2011-256114(JP,A)
【文献】国際公開第2007/113440(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
C07H
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物(C
1)であって、その質量100%あたり、
(1)0質量%を超え且つ50質量%以下の量の、式(I)のポリオール:
HO-CH
2-CHOH-CH
2-OH (I)
(2)25質量%~95質量%の、式(II)で表される組成物(C
R):
HO-CH
2-CHOH-CH
2-O-(Rham)
x-H (II)
(式(II)の中で、Rhamは、ラムノース残基を表し、そしてxは、前記Rham残基の平均重合度を示し、1.0を超え2.5以下の十進数を表す);
(3)0質量%を超え且つ20質量%以下の量の、ラムノース;
を含む、組成物(C
1)。
【請求項2】
その質量100%あたり、
(1)15%~45%nのグリセロール;
(2)30質量%~70質量%の先に定義された式(II)によって表される(C
R);
(3)5質量%~20質量%のラムノース;
を含む、請求項1において定義された組成物(C
1)。
【請求項3】
その質量100%あたり、
(1)5%~15%nのグリセロール;
(2)65質量%~85質量%の先に定義された式(II)によって表される(C
R);
(3)3質量%~10質量%のラムノース;
を含む、請求項1において定義された組成物C
1。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において定義された組成物(C
1)を調製するためのプロセスであって、
ステップa):先に定義された前記式(I)のポリオールを、穏やかに撹拌しながら加熱して、それを、その融点よりも少なくとも5℃高い温度(T
1)とするステップ;
ステップb):撹拌しながら、ラムノース一水和物[1]を、前記先に溶融させた媒質の中に、所望の化学量論比で分散させ、ホモジナイズさせるステップ;
ステップc):ステップb)で得られた前記液体媒質に、撹拌しながら、触媒量の強酸を添加し、すべての反応混合物を部分真空下に維持しながら、生成した水を留去する、アセタール化ステップ;及び、必要又は所望であれば、
ステップd)ステップd)の最後に得られる前記溶液を中和して、前記組成物(C
1)を得るステップ;
の連続のステップを含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項5】
局所用化粧品又は皮膚用化粧品組成物(C)であって、有効量の、請求項1~3のいずれか1項で定義された組成物(C
1)を含むことを特徴とする、局所用化粧品又は皮膚用化粧品組成物(C)。
【請求項6】
局所用医薬品又は皮膚用医薬品組成物(C’)であって、有効量の、請求項1~3のいずれか1項で定義された組成物(C
1)を含むことを特徴とする、局所用医薬品又は皮膚用医薬品組成物(C’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖誘導体をベースとする新規な組成物、それらを調製するためのプロセス、並びに化粧品及び医薬品組成物におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、主として、化粧品及び医薬品における用途を見出している。
【0003】
皮膚は、人体における一つの異質な器官であって、その厚みに関しては極端に薄いが、個体の最も重要な器官でもある。皮膚の特性の一つは、それが、内部環境(人体)と外部環境(external medium)との界面器官(iterface organ)、境界器官(boundary organ)である点にある。その結果として、そしてそれを覆いその上に棲むフローラと共に、皮膚は、人体を保護するための最初のバリヤーである。外部環境と接する界面という立場からは、皮膚は、たとえば、衣服、温度変化、湿度変化、圧力変化のような、数多くの日常的なストレスを受け、さらには、たとえば、極めて強い酸性、極めて強い塩基性、又は刺激性を有するか、又は潜在的に有しているある種の化学製品、そして汚染物質のような化学製品との接触のようなものの攻撃を受けている。皮膚は、複数の異なった組織の層で構成されている:
- 表皮(ケラチノサイトで構成され、最外部である)、次いで、
- 真皮(これは、主として線維芽細胞及び細胞外基質で構成される結合組織である)、並びに、
- 下皮(脂肪細胞で構成され、最深部にあり、外部環境からは最も遠い位置にある部分)。
【0004】
皮膚は、それが覆っている全体系の利益のために、その各種の機能を発揮するが、中でも、以下のことが想起される:
- 人体の内部環境の一体性を維持するための、機械的バリヤー機能、
- 水、塩、及び酸性の廃棄物をベースとする汗を分泌することによる、排出器官機能
- 体温調節機能、
そして皮膚は、たとえば、紫外線に対する適応及び保護のための機構(メラニン産生による適応色素着色)、たとえば、マクロファージ及び樹枝状細胞の存在を介しての免疫監視システムなど、その他多くの調節機構も有している。
【0005】
ヒトの皮膚はさらに、他人に与える第一印象ともなる。したがって、その外観を改良することは、人間にとって、常に変わらぬ関心事である。皮膚は、(しばしば若さに関連した)健康状態の反映でもあり、そして、その逆に、疲労及び/又は老化状態も反映する。その結果、皮膚の最外層、すなわち表皮の状態を保持し、改良することが、化粧品産業が実施する研究の主たる対象となっている。
【0006】
表皮の周辺には、角質層(stratum corneum)として知られる上部角化層(upper cornified layer)があり、それは、たとえば、外部の気象条件(温度、圧力、湿度)の変動や、機械的ストレスなど、外部由来のストレスを受けている、表皮の第一の層である。これは、ヒトの皮膚の外観を改良したり、或いは満足のいくように維持したりすることが、角質層(stratum corneum)の湿潤状態を最適且つ満足のいくレベルで保持することからなっている理由である。これによってさらに、皮膚の乾燥に伴う、美的及び生理学的欠陥を回避することも可能となる。
【0007】
角質層(stratum corneum)は、低湿度に暴露されたり、或いは洗剤の溶液と長時間且つ頻繁に接触状態にあったりすると、脱水され、乾ききった状態になる傾向がある。
【0008】
角質層(stratum corneum)の乾燥の問題を解決するための、特に、保湿組成物を開発することによる、多くの解決法がすでに提案されてきた。
【0009】
しかしながら、皮膚を早すぎる劣化から防止するためには、特に、手、唇、及び顔が、皮膚の乾燥をもたらすような気象条件(強烈な寒さ、風)に暴露された場合に、直ぐに作用する、短時間での皮膚保湿を提供する必要がある。
【0010】
皮膚の健康さ及びその正しい機能状態を、さらに具体的にはその保湿状態を診断し、評価するためには、その信頼性及び堅牢性の面から、一般的には2種の測定法が使用される。
【0011】
角質層(stratum corneum)の中の保湿度、すなわちその中の水分の測定、並びに、上皮経由の水分ロス(Transepidermanl water loss=TWL)、すなわち、皮膚の最も深い層から外部環境への水の受動的な拡散による、そして、その表面で、いつでも検出することが可能な発汗による、角質層(stratum corneum)を介して皮膚から蒸発する水の流れの測定。
【0012】
皮膚の保湿度は、特に皮膚のキャパシタンス又は皮膚のインピーダンスの測定をベースとする、生体測定技術により測定される。そのような測定を実施するためには、多くの市販の機器が利用できる。インピーダンスの増大又はキャパシタンスの増大は、皮膚の保湿度における増大、従って、角質層(stratum corneum)の水分の増大を示唆している。
【0013】
上皮経由の水分ロス(TWL)は、標準化された条件下で皮膚の表面に、その中で、プローブが水の蒸発流れを動的に測定するオープンシリンダーからなる機器を適用することからなる生体測定技術により測定される。この慣用されるオープンシリンダー法を補完するものとして、クローズドシリンダー(クローズドチャンバー)をベースとする同様の機器が最近開発され、やはり入手することができる。角質層(stratum corneum)の表面で測定される「上皮経由の水分ロス」の低下は、含まれている水の蒸発が減ったことを示している。
【0014】
これら、先に挙げた定義に関連して、皮膚の保湿、より具体的には角質層(stratum corneum)の保湿における改良は、皮膚を「保湿効果(moisturizing effect)」を有する化合物と接触状態に置くというようにイメージすることができる。
【0015】
皮膚保湿に対する挑戦、従って、それに関連した研究は、改良された保湿効果を特徴としながらも、実質的な閉塞効果(occlusive effect)を導入する必要がない、物質又は組成物を開発する研究であるが、前記閉塞効果は、「非病的な(nonpathological)」皮膚、すなわち10g/m2/hを超える上皮経由の水分ロスを有さない皮膚の自然な機能性を乱す原因となり得るので、これは、望んでいた目的に逆向することは明らかである。
【0016】
以下に列記するのは、皮膚に対する、より具体的には、極めて乾燥し構造破壊された皮膚に対する、保湿剤である:
- 閉塞剤(occlusive agent)(皮膚の表面上に非浸透性の膜を形成し、それによって、表皮の表面での水の蒸発を大幅に低減させる性能を特徴としている)。そのような薬剤の例としては、以下のものが挙げられる:鉱油、たとえば石油ゼリー又は流動パラフィン、グリセロール、シアバター(ブチロスペルマム・パルキイ(Butyrospermum parkii)バター)、蜜蝋、ある種の植物油、たとえば、麦芽油、ヤシ油、カカオ脂、ラノリン、及びシリコーン誘導体;
- 皮膚軟化剤(表皮の角質層の細胞の間に存在する細胞間空間を充填する性能を特徴とし、これらもまた、表皮のからの水の蒸発を制限するものの、その程度は閉塞剤ほどではない)。そのような薬剤の例としては、以下のものが挙げられる:セラミド、リノール酸、及びある種の植物油、たとえばスウィートアーモンド油又はホホバ油;
- 成膜剤(水と会合して、半透性ヒドロゲルを形成する性能を特徴とし、そのことにより、角質層(stratum corneum)からの水の蒸発の調節に寄与する)。そのような薬剤の例としては、以下のものが挙げられる:コラーゲン、エラスチン、DNA、ペクチン、ゼラチン、キトサン、又はグリコサミノグリカン、たとえばヒアルロン酸;
- 保湿剤(高い吸湿性力、すなわち、水を保持する能力を特徴とする、親水性物質)。したがって、それらは、角質層(stratum corneum)が、それに含まれている水と、化粧品配合物によって供給される水との両方を保持することに寄与する。そのような薬剤の例としては、以下のものが挙げられる:尿素、グリセロール、乳酸、アミノ酸、乳酸ナトリウム、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、α-ヒドロキシ酸、又はソルビトール。グリセロール、尿素、及び乳酸は、保湿化粧品組成物の中で最も頻用されている保湿剤であり、最も特定的には、価格競争力が極めて高いグリセロールである。
【0017】
しかしながら、ある種の保湿剤たとえばグリセロールは、即時に閉塞する作用も有しているが、このことは、バリヤー機能が不足していない通常の皮膚には望ましくない。さらには、それらのいくつか、たとえばグリセロールは、特に敏感な人の場合、ある種の皮膚刺激又は粘膜刺激の原因となる。
【0018】
グリセロールよりは耐えやすい新規な保湿物質の探索により、とりわけ、ある種のそれの誘導体、特に、それと還元糖との縮合物から得られるグリセロールアセタールの使用がもたらされた。特に、以下のものを挙げることができる:
- グリセロールとグルコースとの縮合により得られるアセタール、このものは、欧州特許出願公開第0 770 378号明細書に開示されている;それらは効果的に、グリセロールよりは良好な皮膚耐性を示すが、一般的に保湿力が低い;
- マンノシルエリスリトール、このものは、特開昭63-063390号公報に記載されており、酵素的調製プロセスにより得られ、その皮膚保湿保持活性で知られている。
【0019】
グルコース及びその他のポリオールのアセタールの中では、仏国特許出願公開第2 839 447A1号明細書に記載された、エリスリトール、キシリトール、又はソルビトールのアセタール化によって得られるグリコシドを挙げることができる。これらの化合物は、上述のグリセロールのアセタール化反応生成物よりは良好な保湿性能を示した。
【0020】
ポリオールのポリグリコシド(すなわちPPG)は、グルコースからの場合と同じようにして、出発脂肪族アルコールをポリオールに置き換えることによって得られる。グリコシル化反応が終わると、その反応生成物は、得られたままの形の出発ポリオール中の溶液として、又は水溶液の形態で販売することができる。アルキルポリグルコシド(すなわちAPG)の場合と同様にして、その目標のPPGは、極めて1に近い平均重合度(DP)を特徴としている。市販されているのは、ポリオールポリグルコシドのみであって、すなわち、ブランド名Hydragen(商標)GGで販売されているグリセロールポリグルコシド、及びブランド名Aquaxyl(商標)で販売されているキシリチルポリグルコシドを含む組成物である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
皮膚保湿の改良に関する本願発明者らの検討の文脈において、本願発明者らは、この関連において未だかって使用されたことがない天然の糖であるラムノースの使用をベースとする新規な技術的解決法の開発に焦点をあてたが、このものの天然の出発源は、木材、特にシラカバ(birch)又はブナ(beech)からのヘミセルロースである:
【0022】
【発明を実施するための形態】
【0023】
したがって、第一の態様に従えば、本発明の主題は、組成物(C1)であって、その質量100%あたり、以下のものを含む:
(1)0質量%を超え且つ50質量%以下の量の、式(I)のポリオール:
HO-CH2-CHOH-CH2-OH (I)
(2)25質量%~95質量%の、式(II)で表される組成物(CR):
HO-CH2-CHOH-CH2-O-(Rham)x-H (II)
[式(II)中、Rhamは、ラムノース残基を表し、そしてxは、前記Rham残基の平均重合度を示し、1.0を超え2.5以下の十進数を表す]、
(3)0質量%を超え且つ20質量%以下の量の、ラムノース。
【0024】
「式(II)のHO-CH2-CHOH-CH2-O-(Rham)x-H」という用語は、前記組成物(CR)が、実質的に、式(II1)、(II2)、(II3)、(II4)、及び(II5)で表される化合物の混合物からなるということを意味しており:
HO-CH2-CHOH-CH2-O-(Rham)1-H (II1)
HO-CH2-CHOH-CH2-O-(Rham)2-H (II2)
HO-CH2-CHOH-CH2-O-(Rham)3-H (II3)
HO-CH2-CHOH-CH2-O-(Rham)4-H (II4)
HO-CH2-CHOH-CH2-O-(Rham)5-H (II5)
それぞれのモル比が、a1、a2、a3、a4、及びa5であって、その合計のa1+a2+a3+a4+a5が1に等しく、そして、a1+2a2+3a3+4a4+5a5の合計がxに等しい。
【0025】
先行する定義において、「実質的に(essentially)」という用語は、式(IIw)の1種又は複数種の化合物(ここで、wは5より大)の存在が、組成物(CR)の中で排除されることはないが、但し、それが存在している場合には、それは、前記組成物(CR)の性質になんら実質的な変化を与えない、最小限の比率でしか存在しないということを意味している。
【0026】
先に定義された式(II)においては、基HO-CH2-CHOH-CH2-O-は、(Rham)xに対して、サッカライド残基のアノマー炭素を介して結合されて、その結果、アセタール結合が形成される。
【0027】
本発明の一つの特定な態様においては、xが、式(II)において、1.2以上且つ2.2以下の十進数を表す。
【0028】
また別の特定の態様においては、本発明の主題は、先に定義された組成物(C1)であって、その質量100%あたり、以下のものを含む:
(1)15質量%~45質量%のグリセロール;
(2)30質量%~70質量%の先に定義された式(II)によって表される(CR);
(3)5質量%~20質量%のラムノース。
【0029】
また別の特定の態様においては、本発明の主題は、先に定義された組成物C1であって、その質量100%あたり、以下のものを含む:
(1)5%n~15%nのグリセロール;
(2)65質量%~85質量%の先に定義された式(II)によって表される(CR);
(3)3質量%~10質量%のラムノース。
【0030】
先に定義された組成物(C1)にはさらに、糖のアセタール化反応により生ずる未同定の二次反応生成物が含まれる。しかしながら、それらは、前記組成物(C1)の20質量%を超えることはない。
【0031】
先に定義された組成物(C1)には、場合によってはまた、主としてその質量の5%以下の比率で、水が含まれていてもよい。
【0032】
本発明にはさらに、先に定義された組成物(C1)を調製するためのプロセスを含み、それは、以下の連続ステップを含むことを特徴としている:
ステップa):グリセロールを、穏やかに撹拌しながら加熱して、それを、その融点よりも少なくとも5℃高い温度(T1)とするステップ;
ステップb):撹拌しながら、ラムノース一水和物を、前記先に溶融させた媒質の中に、所望の化学量論比で分散させ、ホモジナイズさせるステップ;
ステップc):ステップb)で得られた前記液体媒質に、撹拌しながら、触媒量の強酸を添加し、すべての反応混合物を部分真空下に維持しながら、生成した水を留去する、アセタール化ステップ;及び、必要又は所望であれば、
ステップd)ステップd)の最後に得られる溶液を中和して、前記組成物(C1)を得るステップ。
【0033】
先に定義されたステップc)の実施のために、強酸を、特に以下のものから選択する:硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、次亜リン酸、メタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、及び酸性のイオン交換樹脂。アセタール化反応は、通常、300~20×102Pa(300~20mbar)の真空下、70℃~130℃の温度(T2)で実施する。
【0034】
先に定義された組成物(C1)は、皮膚又は粘膜に適用することを意図した、各種のタイプの化粧品又は医薬品組成物の中に組み入れることができる。
【0035】
このことが、本発明の主題がさらに、有効量の、先に定義された組成物(C1)を含むことを特徴とした、局所用化粧品又は皮膚用化粧品組成物(C)である理由である。
【0036】
本発明の主題はさらに、有効量の、先に定義された組成物(C1)を含むことを特徴とした、局所用医薬品又は皮膚用医薬品組成物(C’)である。
【0037】
組成物(C)及び(C’)の上述の定義において、「有効量(effective amount)」という用語は、一般的には、それらの全質量の0.5質量%以上且つ5質量%以下、より具体的には、それらの全質量の1質量%~3質量%を指している。
【0038】
上述の組成物(C)及び(C’)を修飾する形容詞の「局所的(topical)」は、それらの組成物が皮膚、頭皮、又は粘膜に対する適用において使用されることを意味している。
【0039】
前記上述の組成物(C)及び(C’)は、特に、水性若しくは油性の溶液、油中水型(W/O)若しくは水中油型(O/W型)のエマルション若しくはマイクロエマルション、水中油中水型(W/O/W型)若しくは油中水中油型(O/W/O型)の多相エマルション、ゲル、セッケン若しくは合成洗剤、香油、水性分散体、クリーム、ムース若しくはエアロゾル、又はそれらに代えて、無水物たとえば粉体の形態にある。それらは、以下のことに使用することができる:クリーム、乳液、気泡剤、シャンプー、ヘアコンディショナー、又は顔、手、及び体をケアしたり保護したりするためのローションとして、より具体的には低温又は日光に長時間暴露された後の表皮上の、それらの短期的保湿効果のため;又は、それに代えて、ヒトの皮膚老化の外観的な徴候、たとえば、しわや細かい線、微細な起伏の抑制、弾性及び/又は弾力性の欠如、ヒトの皮膚の密度及び/又は張りの低下の現れを防止したり、遅らせたりするため;又は、それに代えて、顔のひげそりの後、又は頭皮の洗浄及び/又は処理のため。
【0040】
一般的には、前記組成物(C)及び(C’)にはさらに、局所配合剤の分野で通常使用される賦形剤及び/又は有効成分が含まれるが、そのようなものとしては、たとえば以下のものが挙げられる:発泡性及び/又は洗浄性界面活性剤、増粘性及び/又はゲル化用界面活性剤、増粘剤及び/又はゲル化剤、安定剤、成膜性化合物、溶媒及び共溶媒、ヒドロトロープ剤、可塑剤、脂肪性物質、油及びワックス、乳化剤及び共乳化剤、乳白剤、真珠光沢剤、過脂肪剤、金属イオン封鎖剤、キレート化剤、抗酸化剤、芳香剤、精油、保存剤、コンディショニング剤、体毛及び皮膚の漂白を意図した漂白剤、皮膚又は毛髪に対して処置及び/又は保護作用を与えることを意図した有効成分、サンスクリーン、鉱物質充填剤又は顔料、視的効果を与えたり、活性成分をカプセル化したりすることを意図した粒子状物質、剥離用粒子状物質、テクスチャー剤、蛍光増白剤、及び昆虫忌避剤。
【0041】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に場合によっては存在させる、発泡性及び/又は洗浄性界面活性剤の例としては、この活性の分野で一般的に使用される、局所的に受容可能な、アニオン性、カチオン性、両性、又はノニオン性の発泡性及び/又は洗浄性界面活性剤を挙げることができる。
【0042】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、発泡性及び/又は洗浄性のアニオン性界面活性剤としては、以下のもののアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、及びアミノアルコール塩を挙げることができる:アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルカルボキシレート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート、アルキルスルホアセテート、アルキルサルコシネート、アシルイセチオネート、N-アシルタウレート、アシルラクチレート、アミノ酸のN-アシル誘導体、ペプチドのN-アシル誘導体、タンパク質のN-アシル誘導体、脂肪酸。
【0043】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、発泡性及び/又は洗浄性の両性界面活性剤としては、以下のものを挙げることができる:アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、イミダゾリン誘導体、ホスホベタイン、アンホポリアセテート、及びアンホプロピオネート。
【0044】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、発泡性及び/又は洗浄性のカチオン性界面活性剤としては、特に、四級アンモニウム誘導体が挙げられる。
【0045】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、発泡性及び/又は洗浄性のノニオン性界面活性剤としては、より具体的には、アルキルポリグリコシド、ヒマシ油誘導体、ポリソルベート、ヤシ仁アミド(coconut kernel amide)、及びN-アルキルアミンが挙げられる。
【0046】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、発泡性及び/又は洗浄性のノニオン性界面活性剤としては、より具体的には、組成物(C3)又は組成物(C3)の混合物が挙げられるが、前記組成物(C3)は、式(IV)で表される:
R2-O-(G2)p-H (IV)
(式中、R2は、8~16個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分岐状で、飽和若しくは不飽和の脂肪族基を表し、G2は、還元糖の残基を表し、そしてpは、1.05以上且つ5以下の十進数を表す)、前記組成物(C3)は、実質的には、式(IV1)、(IV2)、(IV3)、(IV4)及び(IV5)で表される化合物の混合物からなっている:
R2-O-(G2)1-H (IV1)
R2-O-(G2)2-H (IV2)
R2-O-(G2)3-H (IV3)
R2-O-(G2)4-H (IV4)
R2-O-(G2)5-H (IV5)
それぞれのモル比が、a1、a2、a3、a4、及びa5であって、その合計のa1+a2+a3+a4+a5が1に等しく、そして、a1+2a2+3a3+4a4+5a5の合計がpに等しい。
【0047】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、増粘性及び/又はゲル化用界面活性剤の例としては、以下のものを挙げることができる:場合によってはアルコキシル化されたアルキルポリグリコシド脂肪酸エステル、最も特には、エトキシル化メチルポリグルコシドエステル、たとえば、PEG120メチルグルコーストリオレエート若しくはPEG120メチルグルコースジオレエート(それぞれ、Glutamate(商標)LT及びGlutamate(商標)DOE120として販売されている);アルコキシル化脂肪酸エステル、たとえば、PEG150ペンタエリスリチルテトラステアレート(Crothix(商標)DS53の名称で販売されている)、PEG55プロピレングリコールオレエート(Antil(商標)141の名称で販売されている);脂肪族鎖ポリアルキレングリコールカルバメート、たとえばPPG14ラウレスイソホリルジカルバメート(Elfacos(商標)T211の名称で販売されている)、PPG14パルメト60ヘキシルジカルバメート(Elfacos(商標)GT2125の名称で販売されている)。
【0048】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、乳化性界面活性剤の例としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤を挙げることができる。
【0049】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、乳化性のノニオン性界面活性剤の例としては、以下のものを挙げることができる:ソルビトールの脂肪酸エステル、たとえばMontane(商標)80、Montane(商標)85、及びMontane(商標)60;直鎖状若しくは分岐状で、飽和若しくは不飽和のアルキルポリグリコシド及びアルキルポリグリコシドと脂肪族アルコールとの組成物(前記アルキルポリグリコシドのアルキル鎖は、14~22個の炭素原子を含む、直鎖状若しくは分岐状で、飽和若しくは不飽和のアルキル基からなっている)、たとえばMontanov(商標)、Easynov(商標)、及びFluidanov(商標);ポリグリセロールの脂肪酸エステル、たとえばIsolan(商標)GI34及びPlurol(商標)Diisostearic;エトキシル化ヒマシ油及び水素化エトキシル化ヒマシ油、Simulsol(商標)989;グリセリルステアレート及び5mol~150molの間のエチレンオキシドを用いてエトキシル化したステアリン酸を含む組成物、たとえば135molのエチレンオキシドを用いてエトキシル化したステアリン酸及びグリセリルステアレートを含む組成物(Simulsol(商標)165の名称で販売されている);ポリグリコール若しくはポリグリセリルポリヒドロキシステアレート、たとえばHypermer(商標)B246又はArlacel(商標)P135、Dehymuls(商標)PGPH、Decaglyn(商標)5HS;ポリエチレングリコール-アルキルグリコールコポリマー、たとえばPEG-45ドデシルグリコールコポリマー、たとえばElfacos(商標)ST9;エトキシル化ソルビタンエステル、たとえばMontanox(商標);マンニタンエステル;エトキシル化マンニタンエステル;スクロースエステル;メチルグルコシドエステル。
【0050】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、乳化性のアニオン性界面活性剤の例としては、以下のものを挙げることができる:リン酸デシル、リン酸セチル(Amphisol(商標)の名称で販売されている)、グリセリルステアレートサイトレート;硫酸セテアリル;アラキジル/ベヘニルホスフェート及びアラキジル/ベヘニルアルコール組成物(Sensanov(商標)WRの名称で販売されている);セッケン、たとえばステアリン酸ナトリウム又はステアリン酸トリエタノールアンモニウム、塩形成されたN-アシルアミノ酸誘導体、たとえばグルタミン酸ステアロイル。
【0051】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、乳化性のカチオン性界面活性剤の例としては、以下のものを挙げることができる:アミンオキシド、Quaternium(商標)82、及び国際公開第96/00719号パンフレットに記載されている界面活性剤で、主として、その脂肪族鎖に少なくとも16個の炭素原子を含むもの。
【0052】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、乳白剤及び/又は真珠光沢剤の例としては、以下のものを挙げることができる:パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、及び12~22個の炭素原子を含む脂肪族アルコール。
【0053】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、テクスチャー剤の例としては、以下のものを挙げることができる:N-アシルアミノ酸誘導体、たとえばラウロイルリシン(Aminohope(商標)LLの名称で販売されている)、オクテニルデンプンスクシネート(Dryflo(商標)の名称で販売されている)、ミリスチルポリグルコシド(Montanov(商標)14の名称で販売されている)、セルロース繊維、綿繊維、キトサン繊維、タルク、セリサイト、及びマイカ。
【0054】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、溶媒及び共溶媒の例としては、以下のものを挙げることができる:水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、水溶性アルコールたとえば、エタノール、イソプロパノール又はブタノール、並びに水と前記溶媒との混合物。
【0055】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、油の例としては、以下のものを挙げることができる:鉱油、たとえば流動パラフィン、液体石油ゼリー、イソパラフィン、又は白色鉱油;動物由来の油、たとえばスクアレン又はスクアラン;植物油、たとえば、フィトスクアラン、スイートアーモンド油、ヤシ仁油、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、ナタネ油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、麦芽油、トウモロコシ胚芽油、ダイズ油、綿油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、オオマツヨイグサ油、キビ油、オオムギ油、ライムギ油、サフラワー油、ククイ油、トケイソウ油、ハシバミ油、パーム油、シアバター、杏仁油、ビューティーリーフ(beauty-leaf)油、シシンブリウム(sisymbrium)油、アボカド油、カレンデュラ油、花又は野菜由来の油;エトキシル化植物油;合成油、たとえば脂肪酸エステル、たとえばミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリル酸ブチル、ステアリル酸ヘキサデシル、ステアリル酸イソプロピル、ステアリル酸オクチル、ステアリル酸イソセチル、オレイン酸ドデシル、ラウリン酸ヘキシル、プロピレングリコールジカプリレート、ラノール酸(lanolic acid)から誘導されるエステル、たとえばラノール酸イソプロピル、ラノール酸イソセチル、脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリド、たとえばグリセリルトリヘプタノエート、アルキルベンゾエート、硬化油、ポリ(α-オレフィン)、ポリオレフィンたとえば、ポリ(イソブタン)、合成イソアルカン、たとえばイソヘキサデカン、イソドデカン、ペルフルオロ化油;シリコーン油、たとえば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミンを用いて変性したシリコーン、脂肪酸を用いて変性したシリコーン、アルコールを用いて変性したシリコーン、アルコール及び脂肪酸を用いて変性したシリコーン、ポリエーテル基を用いて変性したシリコーン、エポキシ変性シリコーン、フルオロ基を用いて変性したシリコーン、環状シリコーン、及びアルキル基を用いて変性したシリコーン。本特許出願においては、「油(oil)」は、水不溶性であり、且つ温度25℃で液体の外観を有する、化合物及び/又は化合物の混合物を指している。
【0056】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に場合によっては存在させるワックスの例としては、以下のものを挙げることができる:蜜蝋、カルナウバワックス、カンデリラワックス、オウリカリワックス、木蝋、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、パラフィンワックス、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス;オゾケライト;ポリエチレンワックス;シリコーンワックス;植物ワックス;室温で固体である脂肪族アルコール及び脂肪酸;室温で固体であるグリセリド。本特許出願においては、「ワックス」という用語は、水-不溶性であり、且つ45℃以上の温度で固体の外観を有する化合物及び/又は化合物の混合物を指している。
【0057】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、脂肪性物質の例としては、以下のものを挙げることができる:飽和若しくは不飽和で、直鎖状若しくは分岐状の、8~36個の炭素原子を含む脂肪族アルコール、又は、飽和若しくは不飽和で、直鎖状若しくは分岐状の、8~36個の炭素原子を含む脂肪酸。
【0058】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、増粘剤又はゲル化剤の例としては、以下のものを挙げることができる:多価電解質/高分子電解質タイプの直鎖状若しくは分岐状、又は架橋された重合体、たとえば、部分的若しくは全面的に塩形成されたアクリル酸ホモポリマー、部分的若しくは全面的に塩形成されたメタクリル酸ホモポリマー、部分的若しくは全面的に塩形成された2-メチル-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(AMPS)ホモポリマー、アクリル酸とAMPSとのコポリマー、アクリルアミドとAMPSとのコポリマー、ビニルピロリドンとAMPSとのコポリマー、AMPSとアクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのコポリマー、AMPSとメタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのコポリマー、AMPSとヒドロキシエチルアクリルアミドとのコポリマー、AMPSとN,N-ジメチルアクリルアミドとのコポリマー、AMPSとトリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミドメタン(THAM)とのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とメタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とヒドロキシエチルアクリルアミドとのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とTHAMとのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とN,N-ジメチルアクリルアミドとのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとアクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとメタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとTHAMとのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとN,N-ジメチルアクリルアミドとのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとアクリルアミドとのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリル酸アルキル(その炭素鎖には、4~30個の炭素原子、より具体的には10~30個の炭素原子が含まれる)とのコポリマー、AMPSとアクリル酸アルキル(その炭素鎖には、4~30個の炭素原子、より具体的には10~30個の炭素原子が含まれる)とのコポリマー、遊離しているか、部分的に塩形成されているか、又は全面的に塩形成された強酸機能を有する少なくとも1種のモノマーと、少なくとも1種の中性モノマーと、式(V)の少なくとも1種のモノマーとの、直鎖状、分岐状又は架橋されたターポリマー:
CH2=C(R7)-C(=O)-[CH2-CH2-O]z-R8 (V)
[式中、R7は、水素原子又はメチル基を表し、R8は、8~30個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表し、そしてzは、1以上且つ50以下の数を表す]。
【0059】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、多価電解質/高分子電解質タイプの直鎖状若しくは分岐状若しくは橋かけ重合体は、溶液、水性懸濁液、油中水型エマルション、水中油型エマルション、又は粉体の形態であってよい。先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、多価電解質/高分子電解質タイプの直鎖状若しくは分岐状若しくは橋かけ重合体は、以下の名称で販売されている製品から選択することができる:Simulgel(商標)EG、Simulgel(商標)EPG、Sepigel(商標)305、Simulgel(商標)600、Simulgel(商標)NS、Simulgel(商標)INS100、Simulgel(商標)FL、Simulgel(商標)A、Simulgel(商標)SMS88、Sepinov(商標)EMT10、Sepiplus(商標)400、Sepiplus(商標)265、Sepiplus(商標)S、Sepimax(商標)Zen、Aristoflex(商標)AVC、Aristoflex(商標)AVS、Novemer(商標)EC-1、Novemer(商標)EC2、Aristoflex(商標)HMB、Cosmedia(商標)SP、Flocare(商標)ET25、Flocare(商標)ET75、Flocare(商標)ET26、Flocare(商標)ET30、Flocare(商標)ET58、Flocare(商標)PSD30、Viscolam(商標)AT64、及びViscolam(商標)AT100。
【0060】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、以下のものを挙げることができる:単糖類のみからなっている多糖類、たとえばグルカン、又はグルコースのホモポリマー、グルコマンノグルカン、キシログリカン、そのD-マンノース主鎖の上のD-ガラクトース単位の置換度(DS)が、0~1の間、より特には1~0.25の間であるガラクトマンナン、たとえばカッシアゴム(DS=1/5)、イナゴマメゴム(DS=1/4)、タラゴム(DS=1/3)、グアーゴム(DS=1/2)、又はコロハゴム(DS=1)由来のガラクトマンナン。
【0061】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、以下のものを挙げることができる:単糖類誘導体からなる多糖類、たとえば硫酸ガラクタン、より具体的にはカラゲナン及び寒天、ウロナン、より具体的にはアルギン、アルギネート、及びペクチン、単糖類及びウロン酸のヘテロポリマー、そしてより具体的には、キサンタンゴム、ゲランゴム、アラビアゴム滲出物、及びカラヤゴム滲出物、グルコサミノグリカン。
【0062】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、以下のものを挙げることができる:セルロース、セルロース誘導体、たとえばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、シリケート、デンプン、親水性デンプン誘導体、及びポリウレタン。
【0063】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、安定剤の例としては、以下のものを挙げることができる:モノクリスタリンワックス、及びより具体的には、オゾケライト、鉱物塩たとえば、塩化ナトリウム又は塩化マグネシウム、シリコーンポリマーたとえばポリシロキサンポリアルキルポリエーテルコポリマー。
【0064】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、湧水又はミネラルウォーターの例としては、以下のものを挙げることができる:少なくとも300mg/Lの無機質を含む湧水又はミネラルウォーター、具体的には、Avene水、Vittel水、Vichy流域からの水、Uriage水、La Roche Posay水、La Bourboule水、Enghien-les-bains水、Saint-Gervais-les-bains水、Neris-les-bains水、Allevard-les-bains水、Digne水、Maizieres水、Neyrac-les-bains水、Lons le Saunier水、Rochefort水、Saint Christau水、Fumades水、及びTercis-les-bains水。
【0065】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、ヒドロトロープ剤の例としては、以下のものを挙げることができる:キシレンスルホネート、クメンスルホネート、ヘキシルポリグルコシド、(2-エチルヘキシル)ポリグルコシド、及びn-ヘプチルポリグルコシド。
【0066】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、脱臭剤の例としては、以下のものを挙げることができる:アルカリ金属のケイ酸塩、亜鉛塩たとえば硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛、又は乳酸亜鉛;第四級アンモニウム塩たとえば、セチルトリメチルアンモニウム塩又はセチルピリジニウム塩;グリセロール誘導体たとえば、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、及びカプリン酸ポリグリセリル;1,2-デカンジオール;1,3-プロパンジオール;サリチル酸;重炭酸ナトリウム;シクロデキストリン;メタリックゼオライト;Triclosan(商標);アルミニウムブロモヒドレート、アルミニウムクロロヒドレート、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレート、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウムナトリウム、アルミニウムクロロヒドレートとグリコールとの錯体、たとえば、アルミニウムクロロヒドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムジクロロヒドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムセスキクロロヒドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムクロロヒドレートとポリエチレングリコールとの錯体、アルミニウムジクロロヒドレートとポリエチレングリコールとの錯体、又はアルミニウムセスキクロロヒドレートとポリエチレングリコールとの錯体。
【0067】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、サンスクリーンの例としては、以下のものを挙げることができる:修正化粧品規則76/768/EEC、付属書VIIに記載されているもの。
【0068】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、有機サンスクリーンとしては、以下のものを挙げることができる:安息香酸誘導体のファミリー、たとえばパラ-アミノ安息香酸(PABA)、特に、PABAのモノグリセリルエステル、N,N-プロポキシPABAのエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのメチルエステル、及びN,N-ジメチルPABAのブチルエステル;アントラニル酸誘導体のファミリー、たとえばアントラニル酸ホモメンチル-アセチル;サリチル酸誘導体のファミリー、たとえば、サリチル酸アミル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、及びサリチル酸p-イソプロパノールフェニル;ケイ皮酸誘導体のファミリー、たとえば、ケイ皮酸エチルヘキシル、ケイ皮酸エチル-4-イソプロピル、ケイ皮酸メチル2,5-ジイソプロピル、ケイ皮酸p-メトキシプロピル、ケイ皮酸p-メトキシイソプロピル、ケイ皮酸p-メトキシイソアミル、ケイ皮酸p-メトキシオクチル(ケイ皮酸p-メトキシ2-エチルヘキシル)、p-メトキシ-2-エトキシエチル、ケイ皮酸p-メトキシシクロヘキシル、ケイ皮酸エチル-α-シアノ-β-フェニル、ケイ皮酸2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニル、又はケイ皮酸グリセリル、ケイ皮酸ジ-パラ-メトキシモノ-2-エチルヘキサノイル;ベンゾフェノン誘導体のファミリー、たとえば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニルベンゾフェノン-2-カルボキシレート、4-ヒドロキシ-2-n-オクチルオキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン;3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-ショウノウ、3-(ベンジリデン)-d,l-ショウノウ、ショウノウベンザルコニウムメソスルフェート;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル;スルホン酸誘導体のファミリー、たとえば、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、及びその塩;トリアジン誘導体のファミリー、たとえば、ヒドロキシフェニルトリアジン、(エチルヘキシルオキシヒドロキシフェニル)(4-メトキシフェニル)トリアジン、2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイルジイミノ)ビス-(2-エチルヘキシル)ベンゾエート、2-フェニル-5-メチルベンズオキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチフェニル)ベンゾトリアゾール;ジベンザジン;ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4’’-t-ブチルベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;ジフェニルアクリレート誘導体のファミリー、たとえば、2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペン酸2-エチルヘキシル、2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペン酸エチル;ポリシロキサンのファミリー、たとえばベンジリデンシロキサンマロネート。
【0069】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、鉱物質サンスクリーン(「鉱物質サンブロック」とも呼ばれる)としては、以下のものを挙げることができる:酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、黄色、赤色若しくは黒色酸化鉄、及び酸化クロム。これらの鉱物質サンスクリーンは、微粉化されていてもいなくてもよく、表面処理をされていてもいなくてもよく、そして、場合によっては、水性若しくは油性の予備分散の形態にあってもよい。
【0070】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、有効成分(active principle)の例としては、以下のものを挙げることができる:ビタミン及びそれらの誘導体、特にそれらのエステル、たとえばレチノール(ビタミンA)及びそのエステル(たとえば、パルミチン酸レチニル)、アスコルビン酸(ビタミンC)及びそのエステル、アスコルビン酸の糖誘導体(たとえば、アスコルビルグルコシド)、トコフェロール(ビタミンE)及びそのエステル(たとえば、酢酸トコフェロール)、ビタミンB3又はB10(ナイアシンアミド、及びその誘導体);皮膚に対して淡色化(lightening)又は脱色(depigmenting)作用を示す化合物、たとえば、ω-ウンデセリノイルフェニルアラニン(Sepiwhite(商標)MSH、Sepicalm(商標)VGの名称で販売されている)、ω-ウンデセリノイルフェニルアラニンのグリセロールモノエステル及び/又はジエステル、ω-ウンデセリノイルジペプチド、アルブチン、コウジ酸、及びヒドロキノン;鎮静作用を示す化合物、たとえば、Sepicalm(商標)S、アラントイン、及びビサボロール;抗炎症剤;保湿作用を示す化合物、たとえば、尿素、ヒドロキシ尿素、グリセロールグルコシド、ジグリセロールグルコシド、ポリグリセロールグルコシド;ポリフェノールリッチな植物抽出物、たとえばブドウ抽出物、パイン抽出物、ワイン抽出物、及びオリーブ抽出物;スリミング作用又は脂質分解作用を示す化合物、たとえば、カフェイン又はその誘導体、Adiposlim(商標)、Adipoless(商標)、フコキサンチン;N-アシルプロテイン;N-アシルペプチド、たとえばMatrixyl(商標);N-アシルアミノ酸;N-アシルタンパク質部分水解物;アミノ酸;ペプチド;タンパク質全水解物;ダイズ抽出物、たとえば、Raffermine(商標);小麦抽出物、たとえば、Tensine(商標)又はGliadine(商標);植物抽出物、たとえば、タンニンリッチな植物抽出物、イソフラボンリッチな植物抽出物、又はテルペンリッチな植物抽出物;淡水若しくは海水藻類抽出物;海洋植物抽出物;一般的にサンゴのような海洋抽出物;精製ワックス;バクテリア抽出物;セラミド;リン脂質;抗菌作用又は清浄化作用を示す化合物、たとえば、Lipacide(商標)C8G、Lipacide(商標)UG、Sepicontrol(商標)A5;Octopirox(商標)又はSensiva(商標)SC50;活力化性能又は刺激性能を示す化合物、たとえば、Physiogenyl(商標)、パンテノール及びその誘導体、たとえばSepicap(商標)MP;抗老化性活性剤、たとえば、Sepilift(商標)DPHP、Lipacide(商標)PVB、Sepivinol(商標)、Sepivital(商標)、Manoliva(商標)、Phyto-Age(商標)、Timecode(商標);Survicode(商標);抗光老化活性剤;表皮膚-真皮膚の接合部の一体性を保護するための薬剤;
細胞外基質の成分の合成を促進する薬剤、たとえば、コラーゲン、エラスチン、及びグリコサミノグリカン;化学的な細胞伝達の促進作用を有する活性剤、たとえばサイトカイン、又は物理的な細胞伝達の促進作用を有する、たとえば、インテグリン;皮膚膚の上で「温」感をもたらす活性剤、たとえば皮膚膚毛細血管循環活性化剤(たとえば、ニコチン酸誘導体)、又は皮膚膚の上で「清涼」感をもたらす製品(たとえば、メントール及びその誘導体);皮膚膚毛細血管循環を改良する活性剤、たとえば静脈活性化剤(venotonic agent);排膿活性剤(draining active agent);鬱血緩和活性剤、たとえば、ギンコ・ビロバ(Ginkgo biloba=イチョウ)、ツタ、セイヨウトチノキ(common horse chestnut)、タケ、ルスクス(Ruscus)、ナギイカダ(butcher’s-broom)、センテラ・アシアチカ(Centalla asiatica=ツボクサ)、ヒバマタ(fucus)、ローズマリー又はヤナギの抽出物;日焼け剤(skin tanning or browning agent)、たとえば、ジヒドロキシアセトン(DHA)、エリトルロース、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド、アロキサン又はニンヒドリン、植物抽出物、たとえば、プテロカルプス(Pterocarpus)属又はバフィア(Baphia)属の赤色木材、たとえばプテロカルプス・サンタリヌス(Pteropcarpus santalinus)、プテロカルプス・オスン(Pterocarpus osun)、プテロカルプス・ソヤウキシ(Pterocarpus saoyauxii)、プテロカルプス・エリナケウス(Pterocarpus erinaceus)、プテロカルプス・インジクス(Pterocarpus indicus)、又はバフィア・ニチダ(Baphia nitida)の抽出物、たとえば、欧州特許出願公開第0 971 683号明細書に記載されているようなもの;ヒトの皮膚の日焼け(tanning and/or broning)を容易にするか及び/又は加速する作用、及び/又はヒトの皮膚膚の着色におけるその作用が知られている薬剤、たとえば、カロテノイド(より特には、ベータ-カロチン及びガンマ-カロチン)、Provital社からCarrot oil(INCI名称:ダウクス・カロタ(Daucus carota)、ヘリアンツス・アヌウス(Helianthus annuus)、ヒマワリ油)のブランド名で販売されている製品(これには、カロテノイド、ビタミンE、及びビタミンKが含まれている);チロシン及び/又はその誘導体(紫外線暴露と組み合わせて、ヒトの皮膚膚の日焼けを促進する効果で知られている)、たとえば、Provital社からSunTan Accelerator(商標)のブランド名で販売されている製品(これには、チロシン及びリボフラビン(ビタミンB)が含まれている)、チロシン及びチロシナーゼ複合体(Zymo Line社から、Zymo Tan Complexのブランド名で販売されている)、Mibelle社からMelanoBronze(商標)のブランド名で販売されている製品(INCI名称:アセチルチロシン、イタリアニンジンボク抽出物(ビテックス・アグヌスーカスツス(Vitex Agnus-castus))(このものには、アセチルチロシンが含まれている)、Unipex社からUnipertan VEG-24/242/2002のブランド名で販売されている製品(INCI名称:ブチレングリコール及びアセチルチロシン及び加水分解植物タンパク質及びアデノシン三リン酸)、Sederma社からTry-Excell(商標)のブランド名で販売されている製品(INCI名称:オレオイルチロシン及びルファ・キリンドリカ(Luffa cylindrica)(シード油及びオレイン酸)(これには、マロウシード(marrow seed)の抽出物(又はヘチマ油)が含まれている)、Alban Muller社からActibronze(商標)の商品名で販売されている製品(INCI名称:加水分解小麦タンパク質及びアセチルチロシン及びグルコン酸銅)、Synerga社からTyrostan(商標)の商品名で販売されている製品(INCI名称:カプロイルチロシンカリウム)、Synerga社からTyrosinolの商品名で販売されている製品(INCI名称:ソルビタンイソステアレート、グリセリルオレエート、カプロイルチロシン)、Alban Muller社からInstaBronze(商標)の商品名で販売されている製品(INCI名称:ジヒドロキシアセトン及びアセチルチロシン及びグルコン酸銅)、Exymol社からTyrosilaneのブランド名で販売されている製品(INCI名称:メチルシラノール及びアセチルチロシン);メラニン形成を活性化させる効果で知られているペプチド、たとえば、Infinitec Activos社からBronzing SF peptide powderのブランド名で販売されている製品(INCI名称:デキストラン及びオクタペプチド-5)、Melitaneの商品名で販売されている製品(INCI名称:グリセリン及び水及びデキストラン及びアセチルヘキサペプチド-1)(アルファ-MSH拮抗作用で知られるアセチルヘキサペプチド-1が含まれている)、Lipotec社からMelatimes Solutions(商標)の商品名で販売されている製品(INCI名称:ブチレングリコール、パルミトイルトリペプチド-40),糖及び糖誘導体、たとえば、Provital社からTanositol(商標)のブランド名で販売されている製品(INCI名称:イノシトール)、Codif International社からThalitan(商標)(又はPhycosaccharide(商標)AG)のブランド名で販売されている製品(INCI名称:水及び加水分解したアルギン(ラミナリア・ジギタタ(Laminaria digitata))及び硫酸マグネシウム及び硫酸マンガン)(海洋由来のオリゴサッカライド(マグネシウム及びマンガンイオンでキレート化されたグルロン酸及びマンヌロン酸)が含まれている)、Alban Muller社からMelactiva(商標)の商品名で販売されている製品(INCI名称:マルトデキストリン、ムクナ・プルリエンス(Mucuna pruriens)シード抽出物)、フラボノイドリッチな化合物、たとえばSilab社からBiotanningのブランド名で販売されている製品(INCI名称:加水分解シトルスのアウランチウム・ドゥルキス(Aurantium dulcis)果実抽出物)、及び(ヘスペリジンタイプの)レモンフラボノイドリッチなことで知られているもの。
【0071】
先に定義された前記組成物(C)及び(C’)の中に、場合によっては存在させる、抗酸化剤の例としては、以下のものを挙げることができる:EDTA及びそれらの塩、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、トコフェロール誘導体たとえば、酢酸トコフェロール、抗酸化剤化合物の混合物、たとえばDissovine(商標)GL47S(AkzoNobel社からINCI名:テトラナトリウムグルタメートジアセテートの名称で販売されている)。
【実施例】
【0072】
以下の実施例により本発明を説明するが、それらは本発明を限定するものではない。
【0073】
A)本発明による組成物C1の調製
本発明による組成物を調製するために実施されるグリコシル化反応のための一般的手順は、以下の通りである:
- 機械式攪拌機及び真空蒸留装置を備えた反応器の中に、グリセロールを仕込む、
- 以下の表1及び表2に示した化学量論比で、粉体の形態のラムノース一水和物を仕込む、
- ラムノースが完全に溶融するまで、撹拌及び加熱する、
- 部分真空下に置いて、ラムノースの中に含まれる水を除去する、
- (ラムノースの質量に対して)1.0質量%の、50%H3PO2(次リン酸)の触媒系を添加する、
- ラムノースが実質的に全部反応するまで、加熱する、
- 必要があれば、水酸化ナトリウム及びホウ水素化ナトリウムの混合物を含む溶液を用いて、その反応媒質の粘度に応じて、その媒質を中和する。
【0074】
【0075】
【0076】
B)配合
以下の配合において、パーセントは、配合の重量で表されている。
【0077】
B.1 顔のメーキャップ除去液
配合
組成物(C1A):10.00%
メチルパラベン:0.15%
フェノキシエタノール:0.80%
Sepicalm(商標)S:1.00%
香料/芳香剤:0.10%
水:適量、100.00%
手順:マグチックスターラー撹拌をしながら、各種の成分を、指示された順で、水中に混合し、pHを約7に調節する。
【0078】
B.2 小児用毛髪及びボディ用シャンプー
配合
A
組成物(C1B):15.00%
Proteol(商標)APL:5.00%
Sepicide(商標)HB:0.50%
香料/芳香剤:0.10%
B
水:20.00%
Capigel(商標)98:3.50%
C
水:適量、100.00%
Sepicide(商標)CI:0.30%
着色剤:適量
水酸化ナトリウム:適量、pH=7.2
手順:組成物(E4)を、Proteol(商標)APL及びSepicide(商標)HB(相A)と混合する。Capigel(商標)98を一部の水で希釈して、先に得られた相Aに添加する(相B)。残りの水を相Bに添加し、次いで、Sepicide(商標)CI及び着色剤を添加する。水酸化ナトリウムを用いて、その混合物のpHを約7.2に調節する。
【0079】
B.3 眼のためのメーキャップ除去ワイプ
配合
A
組成物(C1C):3.00%
B
Sepicide(商標)HB2:0.50%
C
Sepicalm(商標)VG:0.50%
香料/芳香剤:0.05%
D
水:適量、100.00%
手順:相Bの成分及び相Cの成分を、相Aに、溶液が透明になるまで、混合する。相Dを添加する。
【0080】
B.4 マイルド発泡ゲル
配合
A
組成物(C1D):8.50%
Proteol(商標)APL:3.00%
Euxyl(商標)PE9010:1.00%
香料/芳香剤:0.10%
B
水:適量、100.00%
乳酸:適量、pH=6.0
手順:組成物E4及びProteol(商標)APLからなる混合物の中に芳香剤及び保存剤のEuxyl(商標)PE9010を溶解させる(相A)。水を添加し、乳酸を用いてpHを約6.0に調節する。
【0081】
B.5 通常使用シャンプー
配合
A
組成物(C1C):12.80%
Proteol(商標)OAT:5.00%
Euxyl(商標)PE9010:1.00%
香料/芳香剤:0.30%
水:適量、100.00%
B
Montaline(商標)C40:8.50%
乳酸:適量、pH=6.0
手順:相Aのすべての成分を混合し、均一になったら、Montaline(商標)C40を添加し、乳酸を用いてpHを約6.0に調節する。
【0082】
B.6 ウルトラマイルドベビーシャンプー
配合
A
組成物(C1B):10.00%
Amisoft(商標)CS-11:4.00%
香料/芳香剤:0.10%
Sepicide(商標)HB:0.30%
Sepicide(商標)CI:0.20%
水:適量、100.00%
B
水:20.00%
Capigel(商標)98:3.50%
トロメタミン:適量、pH=7.2
手順:相Aの全部の成分を、指示された順で、混合し、透明な相Aが得られるまで混合する。別途に、Capigel(商標)98を水に添加してから、そのようにして調製したこの相Bを、相Aに添加し、トロメタミンを使用してpHを7.2に調節する。
【0083】
B.7 ベビー用クレンジング乳液
配合
A
Simulsol(商標)165:2.00%
Montanov(商標)202:1.00%
Lanol(商標)99:3.00%
ジメチコン:1.00%
イソヘキサデカン:3.00%
B
水:適量、100.00%
C
Sepiplus(商標)400:0.30%
D
組成物(C1A):6.35%
E
Sepicide(商標)HB:0.30%
DMDMヒダントイン:0.20%
香料/芳香剤:0.10%
手順:各種の成分を混合することにより構成した、相A及び相Bを別途に加熱する。その加熱した脂肪相に相Cを添加し、水相の中に注入することによりエマルションを形成させ、(ローター/ステーターターボミキサーの手段による)激しい撹拌を数分間かけて均質化させる。次いで、その熱いエマルションに相Dを添加し、穏やかに撹拌しながら、そのエマルションを冷却して、室温とする。40℃で、相Eを添加する。
【0084】
B.8 敏感な皮膚のためのクレンジングパウダーローション
配合
A
Lipacide(商標)C8G:0.95%
メチルパラベン:0.10%
エチルパラベン:0.024%
プロピルパラベン:0.0119%
ブチルパラベン:0.024%
イソブチルパラベン:0.0119%
水:20.00%
EDTA二ナトリウム:0.10%
トリエタノールアミン:1.38%
B
組成物(C1B):1.80%
香料/芳香剤:0.10%
C
Sepicalm(商標)S:0.28%
水:適量、100.00%
乳酸:適量、pH=5.2
D
Micropearl(商標)M310:5.00%
手順:80℃で、相Aの成分を水の中に溶解させる。別途に、組成物(E4)の中に芳香剤を溶解させて相Bを調製する。冷却した相Aを相Bに添加してから、Sepicalm(商標)S及び残りの水を導入する。最終的なpHをチェックして、必要があれば、約5.2に調節する。次いで、Micropearl(商標)M310を添加する。
【0085】
B.9 小児用シャワーゲル
配合
A
水:56.06%
Sepimax(商標)Zen:3.00%
Sepiplus(商標)S:0.80%
B
Proteol(商標)OAT:20.80%
Oramix(商標)NS10:9.30%
Amonyl(商標)265BA:5.10%
C
組成物(C1C):2.00%
グリセリルグルコシド:1.00%
フェノキシエタノール&エチルヘキシルグリセロール:1.00%
香料/芳香剤:0.90%
着色剤:0.04%
手順:Sepimax(商標)ZENを水の中に分散させ、解膠機、逆方向回転インペラー、及びアンカーパドルを備えたマグネチックスターラーを使用して、完全になめらかなゲルが得られるまで撹拌する。Sepiplus(商標)Sを添加し、次いで、その混合物が均一になるまで撹拌する。次いで、相Bの成分を添加し、ホモジナイズさせ、相Cの添加物を個別に添加する。pHを6.0~6.5に調節する。
【0086】
B.10 BBクリーム
配合
A
Easynov(商標):2.30%
Lanol(商標)99:1.00%
Sepimat(商標)H10W:1.00%
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル:5.00%
B
シクロメチコーン:6.00%
トリエトキシカプリルシラン&アルミナ-シラン&酸化チタン:8.00%
赤色酸化鉄&トリエトキシカプリルシラン:0.24%
黄色酸化鉄&トリエトキシカプリルシラン:0.66%
黒色酸化鉄&トリエトキシカプリルシラン:0.09%
香料/芳香剤:0.10%
C
水:適量、100%
Sepinov(商標)EMT10:1.20%
D
組成物(C1D):2.00%
Sepitonic(商標)M3:1.00%
フェノキシエタノール&エチルヘキシルグリセロール:1.00%
手順:各種の成分を混合することによって相Bを調製し、ローター-ステーター系を備えたミキサーを使用し、回転速度4500rpmで、6分かけてホモジナイズする。Sepinov(商標)EMT10を水とグリセロールとの混合物に添加し、ローター-ステーター系を備えたミキサーを使用し、回転速度4000rpmで、4分かけてホモジナイズすることにより、相Cを調製する。相A及びBを相Cに添加し、そのようにして得られた混合物を、アンカーパドルを備えた機械式攪拌機を使用し、30rpmの速度で2分、次いで50rpmの速度で20分かけて撹拌する。相5の成分を、一つずつ添加し、50rpmの速度で25分間撹拌する。
【0087】
B.11 SPFが30を超える、高保護サンスプレー
配合
A
Montanov(商標)L:1.00%
Montanov(商標)82:1.00%
安息香酸C12-15アルキル:17.00%
ジメチコン:3.00%
オクトクリレン:6.00%
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル:6.00%
ビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン:3.00%
トコフェロール:0.05%
B
水:適量、100%
C
Simulgel(商標)INS100:0.50%
シクロジメチコーン:5.00%
D
組成物(C1C):3.00%
フェノキシエタノール&エチルヘキシルグリセロール:1.00%
香料/芳香剤:0.20%
E
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール:10.00%
25%クエン酸:適量、pH=5
【0088】
Sepicalm(商標)S:N-ココイルアミノ酸、サルコシン、アスパラギン酸カリウム、及びアスパラギン酸マグネシウムの混合物(国際公開第98/09611号パンフレットに記載されている);
Proteol(商標)APL:N-ココイルアミノ酸のナトリウム塩の混合物、アミノ酸のアシル化によって得られ、リンゴジュース特有;
Sepicide(商標)HB:フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、及びブチルパラベンの混合物、これは保存剤である;
Capigel(商標)98:アクリレートコポリマー;
Sepicide(商標)CI:イミダゾリン尿素、これは保存剤である;
Sepicide(商標)HB:フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、及びイソブチルパラベンの混合物、これは保存剤である;
Sepicalm(商標)VG:ナトリウム塩の形態にあるN-パルミトイルプロリンと、ニムフェア・アルバ(Nymphea alba)の花の抽出物との混合物;
Euxyl(商標)PE9010:フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセロールの混合物;
Proteol(商標)OAT:国際公開第94/26694号パンフレットの記載に従って、カラスムギのタンパク質を完全加水分解することにより得られた、N-ラウリルアミノ酸の混合物;
Montaline(商標)C40:モノエタノールアミンコカミドプロピルベタインアミドの塩化物;
Amisoft(商標)CS-11:N-ココイルグルタメートのナトリウム塩;
Simulsol(商標)165:PEG-100ステアレートとグリセリルステアレートとの混合物;
Montanov(商標)202:(アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、及びアラキジルグルコシド)、欧州特許出願公開第0 977 626号明細書に記載されているような、自己乳化性組成物;
Lanol(商標)99:イソノナン酸イソノニル;
Sepiplus(商標)400:国際公開第2005/040230号パンフレットに記載されている、ポリイソブテン中ポリアクリレートの自己反転性反転ラテックスで、ポリソルベート20を含む;
Lipacide(商標)C8G:カプリロイルグリシン(SEPPIC社により販売されている);
Micropearl(商標)M310:粉体の形態の、架橋されたポリメタクリル酸メチルポリマー、テクスチャー変性剤として使用される;
Sepimax(商標)Zen(INCI名:ポリアクリレートクロスポリマー-6):粉体の形態の増粘ポリマー;
Sepiplus(商標)S(INCI名:アクリル酸ヒドロキシエチル/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー&ポリイソブテン&PEG-7トリメチロールプロパンココナッツエーテル):自己反転性反転ラテックス;
Amonyl(商標)265BA(INCI名:ココイルベタイン):発泡性の両性界面活性剤;
Sepinov(商標)EMT10(INCI名:アクリル酸ヒドロキシエチル/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー):粉体の形態の増粘ポリマー;
Easynov(商標)(INCI名:オクチルドデカノール及びオクチルドデシルキシロシド及びPEG-30ジポリヒドロキシステアレート):親油性傾向の乳化剤;
Sepimat(商標)H10FW(INCI名:メタクリル酸メチルクロスポリマー及びスクアラン):テクスチャー剤として使用されるポリマー;
Sepitonic(商標)M3(INCI名:アスパラギン酸マグネシウム及びグルコン酸亜鉛及び銅グルコネート):フリーラジカルスカベンジャー及び細胞のための活性化剤として使用される混合物;
Montanov(商標)L(INCI名称:C14-22アルコール及びC12-20アルキルグルコシド):乳化剤;
Montanov(商標)82(INCI名:セテアリルアルコール及びココ-グルコシド):乳化剤;
Simulgel(商標)INS100(INCI名:アクリル酸ヒドロキシエチル/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー及びイソヘキサデカン及びポリソルベート60):ポリマー性増粘剤。