(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】半導体ウェハの洗浄装置及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20221027BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 642A
H01L21/304 648A
H01L21/304 647Z
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2020568238
(86)(22)【出願日】2018-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2018090227
(87)【国際公開番号】W WO2019232741
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ワン フゥイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヂーヨウ
(72)【発明者】
【氏名】ウー ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ルー グァンヂョン
(72)【発明者】
【氏名】チェン フーピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダユン
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-502275(JP,A)
【文献】特開2006-179757(JP,A)
【文献】特開平10-189527(JP,A)
【文献】特開2007-165528(JP,A)
【文献】特開2004-050119(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103846245(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1536636(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッチ洗浄プロセス実行のために、一又は複数のウェハを、洗浄薬液を含む少なくとも1つの第1タンクに、その後、洗浄液を含む一又は複数の第2タンクに搬送する工程と、
単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセス実行のために、前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液から前記一又は複数のウェハを取り出し、前記一又は複数のウェハを一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送する工程と、
前記一又は複数のウェハが前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液を出た時点から前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液に浸漬されるまで、及び/又は、前記一又は複数のウェハが前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液を出た時点から前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、前記一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚となるように制御及び維持する工程と、を備えて
おり、
前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さが、前記液体膜内で最大の粒子の直径、前記一又は複数のウェハを搬送するロボットの搬送加速度、及び、前記一又は複数のウェハ上での液体表面張力によって保持される前記液体膜の最大厚さによって決定される半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項2】
前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さが、前記液体膜内で最大の粒子の直径以上である請求項
1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項3】
前記ロボットの搬送加速度は、前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さを、前記液体表面張力によって保持される前記液体膜の最大厚さ以下とするように制御される請求項
1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液を出た時点から前記一又は複数の第2タンクの内前記洗浄液に浸漬されるまで、前記一又は複数のウェハに液体を吹き付ける工程と、
前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液を出た時点から前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、前記一又は複数のウェハに液体を吹き付ける工程と、をさらに備えている請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液を出た時点から前記一又は複数の第2タンクの内前記洗浄液に浸漬されるまで、前記一又は複数のウェハに液体を吹き付ける工程と、
前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液から前記一又は複数のウェハを取り出し、垂直面から水平面まで前記一又は複数のウェハを回転させてから、前記一又は複数のウェハを前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに水平に搬送する工程と、をさらに備えている請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液から前記一又は複数のウェハを取り出し、垂直面から水平面まで前記一又は複数のウェハを回転させる工程と、
前記一又は複数のウェハを前記一又は複数の第2タンクに水平に搬送する工程と、
水平面から垂直面まで前記一又は複数のウェハを回転させ、前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液内に前記一又は複数のウェハを配置する工程と、
前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液を出た時点から前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、前記一又は複数のウェハに液体を吹き付ける工程と、をさらに備えている請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液から前記一又は複数のウェハを取り出し、垂直面から水平面まで前記一又は複数のウェハを回転させる工程と、
前記一又は複数のウェハを前記一又は複数の第2タンクに水平に搬送する工程と、
水平面から垂直面まで前記一又は複数のウェハを回転させ、前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液内に前記一又は複数のウェハを配置する工程と、
前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液から前記一又は複数のウェハを取り出し、垂直面から水平面まで前記一又は複数のウェハを回転させてから、前記一又は複数のウェハを前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに水平に搬送する工程と、をさらに備えている請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項8】
前記一又は複数のウェハを前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送する工程と、
前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュール内で、前記一又は複数のウェハを回転させる前に、前記一又は複数のウェハに液体を吹き付ける工程と、をさらに備えている請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項9】
前記一又は複数の第2タンクから取り出されるウェハの数は、毎回、前記単一ウェハ洗浄モジュールの数以下である請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項10】
前記一又は複数の第2タンクから取り出されるウェハの数は、毎回、1若しくは2又は10より小さい請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液は、H
2SO
4とH
2O
2とを混合したSPMであり、SPMの温度が80℃から150℃である請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液は、H
2SO
4とH
2O
2とを混合したSPMであり、H
2SO
4とH
2O
2との濃度比が3:1から50:1である請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項13】
前記一又は複数のウェハに、前記一又は複数の第2タンク内でクイックダンプリンスを実行する請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項14】
クイックダンプリンスの洗浄液が脱イオン水である請求項
13に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項15】
前記第2タンクの数が少なくとも2つであり、前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液がHF溶液であり、少なくとも1つの前記第2タンク内の洗浄液がH
3PO
4溶液であり、その他の前記第2タンク内の洗浄液がクイックダンプリンスのための脱イオン水である請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項16】
H
3PO
4溶液の温度が150℃-200℃である請求項
15に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項17】
バッチ洗浄プロセス実行のために、洗浄溶液で満たされた少なくとも1つのタンクに一又は複数のウェハを搬送する工程と、
単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセス実行のために、前記少なくとも1つのタンクから前記一又は複数のウェハを取り出し、前記一又は複数のウェハを一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送する工程と、
前記一又は複数のウェハが前記少なくとも1つのタンク内の前記洗浄溶液を出た時点から前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、前記一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚となるように制御及び維持する工程と、を備えて
おり、
前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さが、前記液体膜内で最大の粒子の直径、前記一又は複数のウェハを搬送するロボットの搬送加速度、及び、前記一又は複数のウェハ上での液体表面張力によって保持される前記液体膜の最大厚さによって決定される半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項18】
前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さが、前記液体膜内で最大の粒子の直径以上である請求項
17に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項19】
前記ロボットの搬送加速度は、前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さを、前記液体表面張力によって保持される前記液体膜の最大厚さ以下とするように制御される請求項
17に記載の半導体ウェハの洗浄方法。
【請求項20】
バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄薬液を含む少なくとも1つの第1タンクと、
バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄液を含む一又は複数の第2タンクと、
単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセスを実行するように構成された、一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールと、
一又は複数のウェハを搬送するように構成された複数のロボットと、
一又は複数のウェハを、前記少なくとも1つの第1タンクに、その後、前記一又は複数の第2タンクに、さらに前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送するように、前記複数のロボットを制御するように構成されたコントローラと、を備えており、
前記コントローラは、前記一又は複数のウェハが前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液を出た時点から前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液に浸漬されるまで、及び/又は、前記一又は複数のウェハが前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液を出た時点から前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、前記一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚を維持するように構成されて
おり、
前記コントローラは、前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さを、前記液体膜内で最大の粒子の直径、前記一又は複数のウェハを搬送するロボットの搬送加速度、及び、前記一又は複数のウェハ上での液体表面張力によって保持される前記液体膜の最大厚さによって決定するように構成されている半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項21】
前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さが、前記液体膜内で最大の粒子の直径以上である請求項
20に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項22】
前記ロボットの搬送加速度は、前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さを、前記液体表面張力によって保持される前記液体膜の最大厚さ以下とするように制御される請求項
20に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項23】
第1ノズルと第2ノズルとを有する液体供給装置をさらに備えており、
前記第1ノズルは、前記一又は複数のウェハが前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液を出た時点から、前記一又は複数のウェハが前記少なくとも1つの第1タンクから取り出された後で垂直面から水平面まで回転させられるまで、前記一又は複数のウェハに液体を吹き付け、そして、前記第1ノズルは、前記一又は複数の第2タンクへの水平搬送のために前記一又は複数のウェハが水平面まで回転させられてから液体の吹き付けを停止し、
前記第2ノズルは、前記一又は複数のウェハが前記一又は複数の第2タンクの上方において水平面から回転した時点から、前記一又は複数のウェハが前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液内に垂直に浸漬されるまで、前記一又は複数のウェハに液体を吹き付ける請求項
20に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項24】
前記一又は複数のウェハが前記少なくとも1つの第1タンクへと垂直に搬送されるように、水平面から垂直面まで前記一又は複数のウェハを回転させるように構成された第1ターンオーバー装置と、
前記一又は複数のウェハが前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールへと水平に搬送されるように、垂直面から水平面まで前記一又は複数のウェハを回転させるように構成された第2ターンオーバー装置と、をさらに備えている請求項
20に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項25】
前記第2ターンオーバー装置が、
受容チャンバと、
前記受容チャンバ内に配置されたウェハホルダと、
前記受容チャンバ内において前記ウェハホルダを回転させる第1駆動機構と、
前記受容チャンバまで延在した端部を有する支持バーと、
前記支持バーの前記端部に固定された支持台と、
前記支持バーを介して前記支持台を昇降させる第2駆動機構と、
前記受容チャンバに画定された窓と、
前記受容チャンバ内に配置されたドアと、
前記窓を閉めるために前記ドアを上昇させる又は前記窓を開けるために前記ドアを下降させる第3駆動機構とを備えている請求項
24に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項26】
前記複数のロボットが、
前記一又は複数のウェハを保持し、前記一又は複数のウェハを前記少なくとも1つの第1タンク及び前記一又は複数の第2タンクに搬送するように構成された第1ウェハ搬送ロボットと、
前記一又は複数の第2タンクから毎回一定数のウェハを取り出し、前記一定数のウェハを前記第2ターンオーバー装置に搬送するように構成された第2ウェハ搬送ロボットと、
前記第2ターンオーバー装置から前記一定数のウェハを取り出し、前記一定数のウェハを対応した数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送するように構成されたプロセスロボットとをさらに備えている請求項
24に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項27】
前記第2ウェハ搬送ロボットが一対のクランプアームを有しており、各クランプアームの端部には複数のウェハを保持するための複数のクランプスロットが画定されている請求項
26に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項28】
一又は複数のノズル装置をさらに備えており、各ノズル装置は長いストリップ形状であってスリット型ノズルを有しており、少なくとも1つの注入口が前記スリット型ノズルに液体を供給するために前記スリット型ノズルに接続されている請求項
26に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項29】
前記ノズル装置の数は、前記第2ウェハ搬送ロボットによってクランプされたウェハの数と一致しており、1つのノズル装置が1つのウェハに対応して当該1つのウェハに液体を吹き付ける請求項
28に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項30】
前記ノズル装置は、前記ウェハの上方で前後に移動すること、及び、前記ウェハが前記第2ターンオーバー装置に保持されている間に前記ウェハに液体を吹き付けることが可能である請求項
28に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項31】
前記プロセスロボットは、水平面から傾斜面及び水平面への回転が可能である請求項
26に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項32】
前記一又は複数の第2タンクから取り出されるウェハの数は、毎回、前記単一ウェハ洗浄モジュールの数以下である請求項
26に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項33】
前記第1ウェハ搬送ロボットがアイドル状態であるときに前記第1ウェハ搬送ロボットを洗浄するための洗浄タンクをさらに備えている請求項
26に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項34】
少なくとも1つのロードポートと、
前記少なくとも1つのロードポートに位置する少なくとも1つのウェハカセットと、
バッファ室であって、前記プロセスロボットが一定数のウェハを対応する数の前記単一ウェハ洗浄モジュールから取り出して、前記一定数のウェハを前記バッファ室へと搬送するようなバッファ室と、
前記少なくとも1つのウェハカセットから一又は複数のウェハを取り出して前記第1ターンオーバー装置に搬送し、前記バッファ室から前記一定数のウェハを取り出して前記少なくとも1つのウェハカセットに搬送するインデックスロボットと、をさらに備えている請求項
26に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項35】
前記一又は複数のウェハが前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送され、前記一又は複数のウェハが前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュール内で回転させられる前に、液体を吹き付けられる請求項
20に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項36】
前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液は、H
2SO
4とH
2O
2とを混合したSPMであり、SPMの温度が80℃から150℃である請求項
20に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液は、H
2SO
4とH
2O
2とを混合したSPMであり、H
2SO
4とH
2O
2との濃度比が3:1から50:1である請求項
20に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項38】
前記一又は複数のウェハに、前記一又は複数の第2タンク内でクイックダンプリンスを実行する請求項
20に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項39】
クイックダンプリンスの洗浄液が脱イオン水である請求項
38に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項40】
前記第2タンクの数が少なくとも2つであり、前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液がHF溶液であり、少なくとも1つの前記第2タンク内の洗浄液がH
3PO
4溶液であり、その他の前記第2タンク内の洗浄液がクイックダンプリンスのための脱イオン水である請求項
20に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項41】
H
3PO
4溶液の温度が150℃-200℃である請求項
40に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項42】
複数のロードポートと、
バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄薬液を含む少なくとも1つの第1タンクと、
バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄液を含む一又は複数の第2タンクと、
単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセスを実行するように構成された、一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールと
、
一又は複数のウェハを搬送するように構成された複数のロボットと、
一又は複数のウェハを、前記少なくとも1つの第1タンクに、その後、前記一又は複数の第2タンクに、さらに前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送するように、前記複数のロボットを制御するように構成されたコントローラと、を備えており、
前記複数のロードポートが横方向に並べられ、前記少なくとも1つの第1タンク及び前記一又は複数の第2タンクが一方の側部に縦に並べられ、前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールが、前記少なくとも1つの第1タンク及び前記一又は複数の第2タンクとは反対側の他方の側部に縦に並べられて
おり、
前記コントローラは、前記一又は複数のウェハが前記少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液を出た時点から前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液に浸漬されるまで、及び/又は、前記一又は複数のウェハが前記一又は複数の第2タンク内の前記洗浄液を出た時点から前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、前記一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚を維持するように構成されており、
前記コントローラは、前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さを、前記液体膜内で最大の粒子の直径、前記一又は複数のウェハを搬送するロボットの搬送加速度、及び、前記一又は複数のウェハ上での液体表面張力によって保持される前記液体膜の最大厚さによって決定するように構成されている半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項43】
前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールと前
記少なくとも1つの第1タンク及び前記一又は複数の第2タンクとの間に形成された空隙をさらに備えており、前記空隙内にプロセスロボットが配置されている請求項
42に記載の半導体ウェハの洗浄装置。
【請求項44】
バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄溶液を含む少なくとも1つのタンクと、
単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセスを実行するように構成された、一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールと、
一又は複数のウェハを、前記少なくとも1つ
のタンク及び前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送するように構成された一又は複数のロボットと、
前記一又は複数のロボットを制御するように構成されたコントローラと、を備えており、
前記コントローラは、前記一又は複数のウェハが前記少なくとも1つのタンク内の前記洗浄溶液を出た時点から前記一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、前記一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚を維持するように構成されて
おり、
前記コントローラは、前記一又は複数のウェハ上の液体膜の厚さを、前記液体膜内で最大の粒子の直径、前記一又は複数のウェハを搬送するロボットの搬送加速度、及び、前記一又は複数のウェハ上での液体表面張力によって保持される前記液体膜の最大厚さによって決定するように構成されている半導体ウェハの洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の製造に関し、より詳細には半導体ウェハの洗浄装置及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造において、高い品質の集積回路を得るためにはウエット洗浄工程が必要である。ドライエッチング工程後、残留フォトレジスト、ドライエッチング工程で発生した有機物、及び、ウェハの表面に付着したフィルム材料を除去するために、ウェハを洗浄しなければならない。ウェハを洗浄するための主な化学溶液は、例えばSC1、BOE、及びH2SO4とH2O2の混合物であるSPMを含む。特にSPMの温度は80℃より高くなることがあり、高温のSPMは残留フォトレジスト及び有機物の除去のために使用される。現在、ウェハを洗浄するには2つの方法がある。一つはバッチ洗浄であり、もう一つは単一ウェハ洗浄である。これらについて以下に説明する。
【0003】
バッチ洗浄によると、毎回複数のウェハを洗浄することが可能である。バッチ洗浄のための装置は、機械的伝動装置及び複数の洗浄タンクを含む。複数のウェハを複数の洗浄タンクのうちの1つにおいて同時に洗浄することができ、したがってバッチ洗浄は効率が高い。さらに、洗浄タンクの化学溶液が循環されるので、特に120℃のSPMのような高温の化学溶液について、化学溶液を再利用することができバッチ洗浄のコストが低減されるのである。高温SPMは高額であるので、バッチ洗浄を用いることで洗浄コストを下げることができる。しかしながら、集積回路の線幅が縮小し続けていることによって、バッチ洗浄の不利益が明らかとなってきている。バッチ洗浄プロセスの間、ウェハは洗浄タンク内に垂直に配置されるので、ウェハ間で容易に相互汚染が生じる。特に、複数の洗浄タンクの1つにある複数のウェハの1つが金属又は有機汚染物質を有している場合、同じ洗浄タンク内で洗浄されたすべてのウェハが汚染される。洗浄後、複数のウェハは、洗浄タンクから垂直に取り出される。このとき、もし洗浄タンク内の化学溶液に何種類かの微小な有機汚染物質又は粒子が含まれていれば、微小な有機汚染物質又は粒子が化学溶液と共にウェハの表面に付着することになる。そして、ウェハが乾燥すると、ウェハ上の微小な有機汚染物質又は粒子を除去することは非常に困難となる。
【0004】
単一ウェハ洗浄では、毎回1枚のウェハだけを洗浄することができる。単一ウェハ洗浄のための装置は、機械的伝動装置及び複数の独立した単一ウェハ洗浄モジュールを含む。1つのウェハの洗浄及び乾燥プロセスは、1つの単一ウェハ洗浄モジュールで行われる。1枚のウェハを洗浄した後、単一ウェハ洗浄モジュールの中の化学溶液が排出され、新しい化学溶液が単一ウェハ洗浄モジュールに供給されて新たな1枚のウェハが洗浄される。これによって、相互汚染が効果的に回避される。単一ウェハ洗浄によると、粒子及びフィルム材料を効果的に除去することができ、金属イオン汚染を回避できる。しかし、単一ウェハ洗浄は、高温の化学溶液の再利用が困難であるため、大量のSPMが必要となる。そのため、130℃より高温のSPMのような高温化学溶液の使用に限界がある。さらに、単一ウェハ洗浄は、ウェハの前面を洗浄するのには適しているが、ウェハの背面を洗浄するのにはいくつかの困難や課題がある。いくつかの場合において、単一ウェハ洗浄はウェハを洗浄するのに長時間を要し、スループットが低い。
【0005】
バッチ洗浄及び単一ウェハ洗浄のそれぞれが、利点及び欠点をどちらも有している。バッチ洗浄又は単一ウェハ洗浄のみを採用すると、最高の洗浄効果を達成できず、さらに最新のプロセス要求を満たすことができない。したがって、バッチ洗浄と単一ウェハ洗浄とを結合するというアイディアが推し進められてきた。しかし、バッチ洗浄と単一ウェハ洗浄とを結合することに大きな課題があり、それは、ウェハが洗浄タンク内の液体から取り出されてから単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまでにおいて、バッチ洗浄液内の粒子及び汚染物質がウェハに付着しないように制御することが非常に困難なことである。この期間内にもし粒子及び汚染物質がウェハの表面に付着すると、粒子及び汚染物質を単一ウェハ洗浄モジュール内で除去するのは非常に困難である。
【発明の概要】
【0006】
以下においては、半導体ウェハの洗浄方法及び洗浄装置が開示される。
【0007】
本発明の一実施形態によると、以下の半導体ウェハの洗浄方法が提供される。この半導体ウェハの洗浄方法は、バッチ洗浄プロセス実行のために、洗浄薬液を含む少なくとも1つの第1タンクに、その後、洗浄液を含む一又は複数の第2タンクに一又は複数のウェハを搬送する工程と、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセス実行のために、一又は複数の第2タンク内の洗浄液から一又は複数のウェハを取り出し、一又は複数のウェハを一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送する工程とを備えている。そして、一又は複数のウェハが少なくとも1つの第1タンク内の洗浄薬液を出た時点から一又は複数の第2タンク内の洗浄液に浸漬されるまで、及び/又は、一又は複数のウェハが一又は複数の第2タンク内の洗浄液を出た時点から一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚となるように制御及び維持する。
【0008】
本発明の別の実施形態によると、以下の半導体ウェハの洗浄方法が提供される。この半導体ウェハの洗浄方法は、バッチ洗浄プロセス実行のために、洗浄溶液で満たされた少なくとも1つのタンクに一又は複数のウェハを搬送する工程と、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセス実行のために、少なくとも1つのタンクから一又は複数のウェハを取り出し、一又は複数のウェハを一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送する工程とを備えている。そして、一又は複数のウェハが少なくとも1つのタンク内の洗浄溶液を出た時点から一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚となるように制御及び維持する。
【0009】
本発明の別の実施形態によると、以下の半導体ウェハの洗浄装置が提供される。この半導体ウェハの洗浄装置は、バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄薬液を含む少なくとも1つの第1タンクと、バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄液を含む一又は複数の第2タンクと、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセスを実行するように構成された、一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールと、一又は複数のウェハを搬送するように構成された複数のロボットと、一又は複数のウェハを、少なくとも1つの第1タンクに、その後、一又は複数の第2タンクに、さらに一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送するように、複数のロボットを制御するように構成されたコントローラとを備えている。そして、コントローラは、一又は複数のウェハが少なくとも1つの第1タンク内の前記洗浄薬液を出た時点から一又は複数の第2タンク内の洗浄液に浸漬されるまで、及び/又は、一又は複数のウェハが一又は複数の第2タンク内の洗浄液を出た時点から一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚を維持するように構成されている。
【0010】
本発明の別の実施形態によると、以下の半導体ウェハの洗浄装置が提供される。この半導体ウェハの洗浄装置は、複数のロードポートと、バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄薬液を含む少なくとも1つの第1タンクと、バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄液を含む一又は複数の第2タンクと、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセスを実行するように構成された、一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールとを備えている。そして、複数のロードポートが横方向に並べられ、少なくとも1つの第1タンク及び一又は複数の第2タンクが一方の側部に縦に並べられ、一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールが、少なくとも1つの第1タンク及び一又は複数の第2タンクとは反対側の他方の側部に縦に並べられている。
【0011】
本発明の別の実施形態によると、以下の半導体ウェハの洗浄装置が提供される。この半導体ウェハの洗浄装置は、バッチ洗浄プロセスを実行するように構成された、洗浄溶液を含む少なくとも1つのタンクと、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセスを実行するように構成された、一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールと、一又は複数のウェハを、少なくとも1つの第1タンク及び一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送するように構成された一又は複数のロボットと、一又は複数のロボットを制御するように構成されたコントローラとを備えている。そして、コントローラは、一又は複数のウェハが少なくとも1つのタンク内の洗浄溶液を出た時点から一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚を維持するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
上述した及びその他の本発明の目的、特徴及び利点は、添付した図面と共に本発明をより詳細に示した例示的な実施形態から明らかとなる。これらの本発明の例示的な実施形態では通常は同じ符号は同じ要素を表している。
【
図1A】
図1Aは、薄い液体膜によってウェハの表面に粒子が付着することがあることを示す図である。
【
図1B】
図1Bは、厚い液体膜によってウェハの表面から粒子が遠ざかることを示す図である。
【
図2】
図2Aから
図2Fは、本発明の一実施形態による、ウェハが第1タンク内の液体を出る時点からウェハが完全に第1タンクから取り出されるまで、ウェハ上の液体膜の厚さを制御及び維持することを示す図である。
【
図3】
図3Aから
図3Eは、本発明の一実施形態による、ウェハが第2タンクの上方で回転した時点からウェハが完全に第2タンクの液体内に浸漬されるまで、ウェハ上の液体膜の厚さを制御及び維持することを示す図である。
【
図4】
図4Aから
図4Dは、本発明の一実施形態による、ウェハが第2タンク内の液体を出る時点からウェハが完全に第2タンクから取り出されるまで、ウェハ上の液体膜の厚さを制御及び維持することを示す図である。
【
図5】
図5Aから
図5Hは、本発明の一実施形態による、ウェハが第2ターンオーバー装置に搬送されてからウェハが単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されて単一ウェハ洗浄モジュール内のウェハ上に液体が吹き付けられるまで、ウェハ上の液体膜の厚さを制御及び維持することを示す図である。
【
図6】
図6Aから
図6Jは、本発明の別の実施形態による、ウェハが第2ターンオーバー装置に搬送されてからウェハが単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されて単一ウェハ洗浄モジュール内のウェハ上に液体が吹き付けられるまで、ウェハ上の液体膜の厚さを制御及び維持することを示す図である。
【
図7】
図7Aから
図7Bは、本発明の一実施形態による、ウェハが第1タンクから取り出されてからウェハが第2タンク内に配置されるまで、ウェハ上の液体膜の厚さを制御及び維持することを示す図である。
【
図8】
図8Aは、本発明による、ウェハ上の液体膜の厚さが対象粒子の直径よりも大きいときに、対象粒子がウェハの表面に付着しない場合があることを示す図である。
図8B及び
図8Cは、本発明による、ウェハ上の液体膜の厚さが対象粒子の直径以下であるときに、対象粒子がウェハの表面に付着する場合があることを示す図である。
【
図9】
図9Aから
図9Cは、ウェハの傾斜回数、ウェハの傾斜角度及びウェハ搬送中のロボット加速度を制御することによって、ウェハ上に形成される液体膜の3つのモードを描いた図である。
【
図10】
図10は、本発明の例示的な一実施形態に係る洗浄装置の上面図である。
【
図13】
図13は、ウェハカセットからウェハを取り出すインデックスロボットを描いた図である。
【
図14A】
図14Aから
図14Dは、本発明の一実施形態による、第1ターンオーバー装置に置かれた複数のウェハのターンオーバープロセスを描いた図である。
【
図14B】
図14Aから
図14Dは、本発明の一実施形態による、第1ターンオーバー装置に置かれた複数のウェハのターンオーバープロセスを描いた図である。
【
図14C】
図14Aから
図14Dは、本発明の一実施形態による、第1ターンオーバー装置に置かれた複数のウェハのターンオーバープロセスを描いた図である。
【
図14D】
図14Aから
図14Dは、本発明の一実施形態による、第1ターンオーバー装置に置かれた複数のウェハのターンオーバープロセスを描いた図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施形態による、第2ウェハ搬送ロボットのクランプアームの斜視図である。
【
図17】
図17は、本発明の一実施形態による、第2ターンオーバー装置の斜視図である。
【
図19】
図19は、本発明による、第2ターンオーバー装置の支持台に2枚のウェハを配置する第2ウェハ搬送ロボットを描いた図であり、2枚のウェハには常時液体が吹き付けられる。
【
図21】
図21は、本発明による、第2ターンオーバー装置のウェハホルダに保持され、第2ターンオーバー装置の支持台から離れた2枚のウェハを描いた図であり、2枚のウェハにはまだ常時液体が吹き付けられている。
【
図22】
図22は、本発明による、2枚のウェハへの液体の吹き付けを停止し、2枚のウェハを垂直面から水平面まで回転させた図である。
【
図23】
図23は、本発明による、第2ターンオーバー装置によって水平面から傾斜面に回転した2枚のウェハを描いた図である。
【
図24】
図24は、本発明による、第2ターンオーバー装置によって傾斜面から水平面に回転した2枚のウェハを描いた図である。
【
図25】
図25は、本発明による、プロセスロボットが第2ターンオーバー装置から2枚のウェハを取り出す様子を描いた図である。
【
図26】
図26は、本発明による、第2ウェハ搬送ロボットが1枚のウェハを第2ターンオーバー装置の支持台に置く様子を描いた図であって、当該1枚のウェハには常時液体が吹き付けられる。
【
図27】
図27は、本発明による、1枚のウェハが第2ターンオーバー装置のウェハホルダに保持され、第2ターンオーバー装置の支持台から離れた様子を描いた図であって、当該1枚のウェハにはまだ常時液体が吹き付けられている。
【
図28】
図28は、本発明による、1枚のウェハが垂直面から傾斜面まで第2ターンオーバー装置によって回転した様子を描いた図であって、当該1枚のウェハにはまだ常時液体が吹き付けられている。
【
図29】
図29は、本発明による、1枚のウェハが傾斜面から水平面まで第2ターンオーバー装置によって回転した様子を描いた図であって、当該1枚のウェハにはまだ常時液体が吹き付けられている。
【
図30】
図30Aから
図30Cは、本発明の一実施形態による、ロボットを制御することによってウェハ上の液体膜の厚さを制御及び維持する別の方法を描いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
バッチ洗浄と単一ウェハ洗浄とを組み合わせてバッチ洗浄と単一ウェハ洗浄の利益を最大に発揮させるために、大きな課題は、ウェハがバッチ洗浄されてウェハが液体から出てから単一ウェハ洗浄実行のためにウェハに液体が吹き付けられるまで常に、粒子と汚染物質がウェハの表面に付着しないようにするために、どのようにして粒子と汚染物質を制御及び維持するかである。この期間において、もし粒子又は汚染物質がウェハに付着すると、単一ウェハ洗浄プロセスにおいてウェハからこれらを除去することは困難となり、それが製品の歩留まり及び品質に悪い影響を与える。
【0014】
図1Aに示すように、本発明によると、ウェハ102が液体から取り出された後、ウェハ102上に薄い液体膜104が残る。液体膜104は非常に薄いので、粒子106をウェハ102に付着させようとし、後の洗浄工程において粒子106を除去するのが困難となる。これと比較して、
図1Bに示すように、ウェハ102が液体から取り出された後、ウェハ102上には厚い液体膜104が残っている。液体膜104が厚いと、そこに含まれる粒子106はウェハ102の表面から遠くに離れることになる。したがって、粒子106がウェハ102に付着する可能性が大幅に低下する。
【0015】
以下の
図2から
図6において、ウェハが第1タンクから第2タンクへ搬送され、さらに単一ウェハ洗浄モジュールへと搬送されることを説明する。
【0016】
図2Aから
図2Fは、本発明により、ウェハが第1タンク内の液体を出る時点からウェハが完全に第1タンクから取り出されるまで、ウェハ上の液体膜の厚さを制御及び維持する例示的な実施形態を示す図である。
図2Aに示すように、バッチ洗浄実行のためにSPM溶液のような液体を含む第1タンク201内でウェハ202が処理されてから、液体提供装置が第1タンク201の上方位置へと移動してくる。液体供給装置は、第1ノズル203と第2ノズル205とを有している。しかる後、ウェハ202は第1タンク201内で引き上げられる。
図2Bに示すように、ウェハ202が第1タンク201の液体から出てくる前に、第1ノズル203がオンとなってSPM溶液のような第1タンク201内と同じ液体が吹き付けられる。第1ノズル203がオンされて液体を吹き付けるので、ウェハ202が第1タンク201内の液体から出てきた時点から、第1ノズル203は、
図2Cに示すように、ウェハ202上の液体膜の厚さが維持されるようにウェハ202に液体を吹き付ける。ウェハ202上の液体膜は、第1タンク201内の液体からウェハ202が出てきた時点から非常に薄くなるので、第1ノズル203は、ウェハ202が第1タンク201内の液体から出てきた時点から、ウェハ202の液体膜の厚さを維持するために液体を吹き付けるように構成されている。ここで、第1ノズル203からのウェハ202上への液体の吹き付けは、ウェハ202上の液体膜の厚さが
図8Aから
図8Cで定義される一定値よりも大きい限りにおいて、ウェハ202が第1タンク201内の液体から部分的に又は完全に出た後に遅延させることができる。第1ノズル203はウェハ202上に液体を吹き付け続け、
図2Dに示すように、ウェハ202は第1タンク201から完全に取り出される。しかる後、ウェハ202は垂直面から傾斜面へと回転させられ、液体提供装置もまた回転させられる。第1ノズル203は、
図2Eに示すように、ウェハ202上に液体を吹き付け続ける。ウェハ202は傾斜面から水平面へと回転させられ、液体提供装置も同様に回転させられる。ウェハ202が水平面まで回転した後、第1ノズル203はオフとされてウェハ202上への液体の吹き付けが停止する。
図2Fに示すように、ウェハ202上には厚みのある液体膜204が形成される。ウェハ202を垂直面から水平面まで回転させるプロセスは、一定の回転速度をもつ連続プロセスであってよい。回転速度が速いほど、ウェハ202上の液体膜204は厚くなる。しかし、ウェハ上の液体膜の最大厚さは、ウェハ上の液体膜の表面張力によって決定される。代替的には、ウェハ202上の液体膜204の厚さを制御するために、ウェハ202が傾斜面まで回転してから水平面に回転するまで一時休止が設けられてもよい。休止時間が長いほど、ウェハ202上の液体膜204の厚さは薄くなる。
図9Aから
図9Cで説明する理由によって、ウェハ202上の液体膜は、適切な厚さに維持されることが好ましい。
【0017】
図3Aから
図3Eを参照すると、バッチ洗浄実行のために、厚みのある液体膜204を有するウェハ202が、脱イオン水のような液体を含む第2タンク207の上方位置へと水平に搬送され、
図3Aに示すように液体提供装置も第2タンク207の上方位置へと移動してくる。しかる後、ウェハ202は、水平面から傾斜面まで、そして最終的には垂直面まで回転させられる。この回転プロセスは連続したプロセスであり得る。ウェハ上の液体膜を一定厚に維持するために、ウェハ202が回転した時点から、
図3B及び
図3Cに示すように、第2ノズル205がオンとなって、脱イオン水のような第2タンク207内の液体と同じ種類の液体がウェハ202上に吹き付けられる。第2ノズル205はウェハ202に液体を吹き付け続け、そして、ウェハ202は
図3Dに示すように第2タンク207内に配置される。ウェハ202が完全に第2タンク207内の液体に浸漬された後、第2ノズル205はオフとされて
図3Eに示すように液体の吹き付けを停止する。別の実施形態では厚さのある液体膜204を有するウェハ202が第2タンク207の上方位置まで水平に搬送された後、ウェハ202が水平面から垂直面まで回転させられ、しかる後第2ノズル205をオンとすることなくウェハ202が第2タンク207内に配置される。
【0018】
図4Aから
図4Dを参照すると、ウェハ202が第2タンク207内で処理された後、
図4Aに示すように第3ノズル208が第2タンク207の上方位置に移動してくる。しかる後、ウェハ202は第2タンク207内から引き上げられる。
図4Bに示すように、ウェハ202が第2タンク207の液体から出てくる前に、第3ノズル208がオンとなって脱イオン水のような液体を吹き付ける。第3ノズル208がオンされて液体を吹き付けるので、ウェハ202が第2タンク207内の液体から出てきた時点から、第3ノズル208は、
図4Cに示すように、ウェハ202上の液体膜の厚さが維持されるようにウェハ202に液体を吹き付ける。ウェハ202上の液体膜は、第2タンク207内の液体からウェハ202が出てきた時点から非常に薄くなるので、第3ノズル208は、ウェハ202が第2タンク207内の液体から出てきた時点から、ウェハ202上の液体膜の厚さを維持するために液体を吹き付けるように構成されている。第3ノズル208はウェハ202上に液体を吹き付け続け、
図4Dに示すように、ウェハ202は第2タンク207から完全に取り出される。
【0019】
図5A~
図5Hを参照すると、ウェハ202はターンオーバー装置の支持台502へと搬送されて、支持台502に保持される。この期間において、第3ノズル208は、
図5A及び
図5Bに示すように、ウェハ202上に液体を吹き付け続ける。しかる後、支持台502は下降し、ウェハ202はターンオーバー装置のウェハホルダによって保持される。支持台502は下降し続けてウェハ202から離れる。
図5Cに示すように、第3ノズル208はウェハ202上に液体を吹き付け続ける。ターンオーバー装置は垂直面から傾斜面へとウェハ202を回転させ、
図5Dに示すように、第3ノズル208はウェハ202上に液体を吹き付け続ける。しかる後、第3ノズル208はウェハ202上への液体の吹き付けを停止し、
図5Eに示すように移動していく。ターンオーバー装置がウェハ202を傾斜面から水平面まで回転させて、
図5Fに示すように、ウェハ202上の液体膜504が最大厚に維持される。ウェハ202上の液体膜504の厚さを制御するために、ウェハ202が傾斜面まで回転してから水平面に回転するまで一時休止が設けられてもよい。ウェハ202上の液体膜504の厚さは、休止時間によって決定される。休止時間が長いほど、ウェハ202上の液体膜504の厚さは薄くなる。
図5G及び
図5Hに示すように、プロセスロボット506はターンオーバー装置からウェハ202を取り出し、ウェハ202を単一ウェハ洗浄モジュール510へと搬送する。プロセスロボット506の搬送加速度を制御することによって、ウェハ202上に一定厚の液体膜204を残存させることができる。プロセスロボット506の搬送加速度は、ウェハ202の周縁部上の液体膜504の厚さが、液体表面張力によって保持される液体膜の最大厚さ以下となることが保証されるように制御され得る。したがって、ウェハ202上の液体はプロセスロボット506によるウェハ202搬送中はウェハ202の周縁部から落下することが無く、液体膜504はウェハ202上において一定の厚さに維持され得るので、液体膜504内の粒子がウェハ202の表面上に付着する可能性が減少する。詳細については
図8Aから
図8Cにおいて説明する。
【0020】
ウェハ202が単一ウェハ洗浄モジュール510に搬送された後、第4ノズル508は、ウェハ202上の液体膜504の厚みが維持されるように、ウェハ202が単一ウェハ洗浄モジュール510内で回転させられる前に、ウェハ202上に液体を吹き付ける。ウェハ202には、単一ウェハ洗浄モジュール510内で、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセスが実行される。
【0021】
図6A~
図6Jを参照すると、本発明の別の実施形態によると、ウェハ202はターンオーバー装置の支持台602へと搬送されて、支持台602に保持される。この期間において、第3ノズル208は、
図6A及び
図6Bに示すように、ウェハ202上に液体を吹き付け続ける。しかる後、支持台602は下降し、ウェハ202はターンオーバー装置のウェハホルダによって保持される。支持台602は下降し続けてウェハ202から離れる。
図6Cに示すように、第3ノズル208はウェハ202上に液体を吹き付け続ける。ターンオーバー装置は垂直面から傾斜面へとウェハ202を回転させ、
図6Dに示すように、第3ノズル208はウェハ202上に液体を吹き付け続ける。ターンオーバー装置は202を傾斜面から水平面へと回転させ、第3ノズル208はウェハ202上へ液体を吹き付け続けて、
図6Eに示すようにウェハ202上に或る厚みを有する液体膜604を形成する。ウェハ202を垂直面から水平面まで回転させるプロセスは、連続プロセスであってよい。しかる後、
図6Fに示すように、第3ノズル208は、ウェハ202上への液体の吹き付けを停止し、移動していく。ターンオーバー装置がウェハ202を水平面から傾斜面まで回転させると、
図6Gに示すように、ウェハ202上の液体膜604の厚さを制御するために、傾斜面において一時休止される。傾斜角度及び休止時間を制御することによって、液体膜604が、粒子がウェハ202に付着するほど薄くなること、ウェハ202の搬送中にウェハ202上の液体が落下するほど厚くなることのいずれもなくすことができる。しかる後、
図6Hに示すように、ターンオーバー装置がウェハ202を傾斜面から水平面まで回転させる。
図6I及び
図6Jに示すように、プロセスロボット606はターンオーバー装置からウェハ202を取り出し、ウェハ202を単一ウェハ洗浄モジュール610へと搬送する。プロセスロボット606の搬送加速度を制御することによって、ウェハ202上に一定厚の液体膜604を残存させることができる。プロセスロボット606の搬送加速度は、ウェハ202の周縁部上の液体膜604の厚さが、液体表面張力によって保持され得る液体膜の最大厚さ以下となることが保証されるように制御され得る。したがって、ウェハ202上の液体はプロセスロボット606によるウェハ202搬送中はウェハ202の周縁部から落下することが無く、液体膜604はウェハ202上において一定厚に維持され得るので、液体膜604内の粒子がウェハ202の表面上に付着する可能性が減少する。
【0022】
ウェハ202が単一ウェハ洗浄モジュール610に搬送された後、ウェハ202上で液体膜604の厚さが維持されるように、ウェハ202が単一ウェハ洗浄モジュール610内で回転させられる前に、第4ノズル608はウェハ202上に液体を吹き付ける。ウェハ202には、単一ウェハ洗浄モジュール610内で、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセスが実行される。
【0023】
本発明による、ウェハ上の液体膜の厚さを制御及び維持する別の実施形態が描かれた
図7A及び
図7Bを参照されたい。
図7Aに示すように、バッチ洗浄実行のためにSPM溶液のような液体を含む第1タンク701内でウェハ702が処理されてから、ウェハ702は第1タンク701から取り出されて垂直面から水平面へと回転させられるので、液体膜704はウェハ702上において厚みが維持される。しかる後、当該厚みの液体膜704を有するウェハ702は、バッチ洗浄実行のために、脱イオン水のような液体を含む第2タンク707へと搬送される。ウェハ702は、水平面から垂直面まで回転させられ、バッチ洗浄実行のために第2タンク707内に垂直に配置される。
【0024】
上述したすべての実施形態において、本発明のウェハ上の液体膜の厚みを制御及び維持するメカニズムを説明するために、1枚のウェハ、1つの第1タンク、1つの第2タンク及び1つの単一ウェハ洗浄モジュールだけが描かれているが、複数のウェハが処理され得ること、ウェハの数、第1タンクの数、第2タンクの数及び単一ウェハ洗浄モジュールの数は、それぞれのプロセス要求に応じて決定されてよい。
【0025】
図8Aから
図8Cは、本発明による、ウェハ上の液体膜の厚さと粒子サイズとの関係を描いた図である。ウェハ上の液体膜の厚さは、最大の粒子の直径と関係がある。粒子がウェハに付着するのを回避するには、ウェハ上の液体膜の厚さは、最大の粒子の直径以上であることが必要である。この関係が満たされていると、最大の粒子は液体膜内でほとんどが浮遊することになり、ウェハに付着する可能性が低下する。最大の粒子が液体膜内で浮遊できるので、最大の粒子よりも小さな粒子はより液体膜内で浮遊しやすくなって、ウェハに付着する可能性がさらに低下する。
図8Aは、ウェハ802上の液体膜804の厚さが、液体膜804内の最大の粒子806の直径よりも大きいときの様子を描いた図である。
図8Bは、ウェハ802上の液体膜804の厚さが、最大の粒子806の直径に等しいときの様子を描いた図である。
図8Cは、ウェハ802上の液体膜804の厚さが、最大の粒子806の直径よりも小さいときの様子を描いた図である。
図8B及び
図8Cに描かれた条件下において、最大の粒子806はウェハ802の表面に接触し、ウェハ802の表面に付着する可能性が非常に高い。これは望ましくない。
【0026】
ウェハ上の液体膜の厚さは、ウェハを搬送するロボットの搬送速度と関係がある。
図9Aに示すように、ウェハ902上の液体膜904の厚みは大きい。厚い液体膜904が上方に形成されたウェハ902をロボット搬送する間、もしロボットの搬送加速度が大きければ、液体膜904がウェハ902の周縁部に押し寄せ、
図9Cに示すように、ウェハ902の周縁部上の液体膜904の厚さが増大する。もしウェハ902の周縁部上の液体膜904の厚さが、液体表面張力によって保持され得る液体膜の最大厚さよりも大きくなると、ウェハ902上の液体は、ウェハ902のロボット搬送中に、ウェハ902の周縁部から落下する。
図9Bに示すようにウェハ902上の液体膜904の厚さが薄ければ、ウェハ902の周縁部上の液体膜904の厚さが、液体表面張力によって保持され得る液体膜の最大厚さ以下となる限りにおいて、ウェハ902のロボット搬送中におけるロボットの搬送加速度を大きくすることが可能である。したがって、ウェハ902上の液体はロボットによるウェハ902搬送中はウェハ902の周縁部から落下することが無く、液体膜904はウェハ902上において一定厚に維持され得るので、液体膜904内の粒子がウェハ902の表面上に付着する可能性が減少する。
【0027】
いくつかの実施形態において、第2タンクを省略することができる。このとき、ウェハはバッチ洗浄実行のために第1タンクに搬送され、その後ウェハは第1タンクから取り出され、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセス実行のために単一ウェハ洗浄モジュールへと搬送される。
図2及び
図5から
図9の説明は、ウェハが第1タンク内の液体を出た時点から単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、ウェハ上の液体膜が一定厚となるように制御及び維持することにも適用される。
【0028】
本発明の例示的な一実施形態による、半導体ウェハの洗浄装置が描かれた
図10から
図12を参照されたい。この装置1000は、複数のロードポート1010と、インデックスロボット1020と、第1ターンオーバー装置1030と、第1ウェハ搬送ロボットと、洗浄タンク1040と、少なくとも1つの第1タンク1050と、一又は複数の第2タンク1060と、第2ウェハ搬送ロボットと、第2ターンオーバー装置1070と、プロセスロボット1080と、一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュール1090と、バッファ室1100と、薬液配送システム1200と、電気的な制御システム1300と、コントローラとを含んでいる。コントローラは、複数のロボットを制御するように構成されている。
【0029】
一実施形態において、複数のロードポート1010は、装置1000の一方の端部に並んで配列されている。本発明の装置1000のレイアウトを明確にするために、複数のロードポート1010の配列は横配列と考えることができる。洗浄タンク1040、少なくとも1つの第1タンク1050、及び、一又は複数の第2タンク1060は、装置1000の一方の側部に配列されている。洗浄タンク1040、少なくとも1つの第1タンク1050、及び、一又は複数の第2タンク1060の配列は、縦配列である。一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュール1090は装置1000の他方の側部に配列されており、洗浄タンク1040、少なくとも1つの第1タンク1050、及び、一又は複数の第2タンク1060と対向している。一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュール1090の配列は縦配列である。一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュール1090と、洗浄タンク1040、少なくとも1つの第1タンク1050、及び、一又は複数の第2タンク1060との間には、間隙がある。この間隙にはプロセスロボット1080が配置されていて、間隙内を縦方向に移動し得る。薬液配送システム1200及び電気的な制御システム1300は装置1000の他方の端部に配置されていて、複数のロードポート1010と対向している。この装置1000のレイアウトの利点は、(1)装置1000の横方向長さすなわち幅が短く且つ装置1000の縦方向長さが長いため、半導体製造プラントの要求により適していること、(2)例えば単一ウェハ洗浄モジュール1090の数を縦方向に増やす、及び/又は、第1タンク1050の数と第2タンク1060の数を縦方向に増やすようにして、必要であれば装置1000を拡張し得ることである。一実施形態では、単一ウェハ洗浄モジュール1090は、
図12に示すように、2層に配列される。単一ウェハ洗浄モジュールは、装置1000の設置面積を増加させること無く単一ウェハ洗浄モジュールの数を増加させるために、3層以上に配列することが可能である。一実施形態では、第1ターンオーバー装置1030は洗浄タンク1040に隣接して配置され、第2ターンオーバー装置1070は第2タンク1060に隣接して配置される。
【0030】
図13と併せてみると、すべてのロードポート1010はウェハカセット1301を受容するように構成されている。複数のウェハ1302、たとえば25枚のウェハをウェハカセット1301にロードすることができる。インデックスロボット1020は、横方向に移動することができる。インデックスロボット1020は、ウェハカセット1301から複数のウェハ1302を取り出し、これら複数のウェハ1302を第1ターンオーバー装置1030へと搬送する。
【0031】
図14Aから
図14Dを参照すると、第1ターンオーバー装置1030は、台座1031と支持枠1032とを有している。支持枠1032は、2つの対向する側壁と、これら2つの対向する側壁を接続する底壁とを有している。支持枠1032の底壁は、回転軸1033を介して台座1031に接続されている。第1駆動装置1034は、回転軸1033を介して支持枠1032を回転させるように構成されている。第1ターンオーバー装置1030は、支持枠1032の2つの対向する側壁に、2つの回転軸1036を介して回転可能に取り付けられたウェハ保持具1035を有している。第2駆動装置1037は、2つの回転軸1036のいずれかを回転させるように構成されており、そのためにウェハ保持具1035が回転させられる。昇降装置1038には第3駆動装置が接続されている。第3駆動装置は、昇降装置1038を上下に昇降させるように構成されている。
【0032】
図14Aに示すように、インデックスロボット1020はウェハカセット1301から複数のウェハ1302を取り出し、第1ターンオーバー装置1030のウェハ保持具1035へと水平に搬送する。複数のウェハ1302はウェハ保持具1035に水平に保持される。第2駆動装置1037は2つの回転軸1036のいずれかを回転させることで、ウェハ保持具1035を90°回転させる。そのため、ウェハ保持具1035によって保持された複数のウェハ1302は、水平面から垂直面に回転する。複数のウェハ1302は、
図14Bに示すように、ウェハ保持具1035によって垂直に保持される。しかる後、第1駆動装置1034は
図14Cに示すように支持枠1032を90°回転させる。これによって、第1ウェハ搬送ロボットが複数のウェハ1302を昇降装置1038からピックアップして少なくとも1つの第1タンク1050内へと配置しやすくなる。これに続いて、第3駆動装置が、複数のウェハ1302を支持するように昇降装置1038を昇降させる。
図14Dに示すように、第1ウェハ搬送ロボットが昇降装置1038から複数のウェハ1302を受け取ることのために、複数のウェハ1302がウェハ保持具1035から離れる。
【0033】
代替的には、複数のウェハ1302が第1ターンオーバー装置1030のウェハ保持具1035へと水平に搬送された後、第1駆動装置1034は支持枠1032を90°回転させる。第2駆動装置1037は2つの回転軸1036のいずれかを回転させることで、ウェハ保持具1035を90°回転させる。そのため、ウェハ保持具1035によって保持された複数のウェハ1302は、水平面から垂直面に回転する。これに続いて、第3駆動装置が、複数のウェハ1302を支持するように昇降装置1038を昇降させる。第1ウェハ搬送ロボットが昇降装置1038から複数のウェハ1302を受け取ることのために、複数のウェハ1302がウェハ保持具1035から離れる。
【0034】
第1ウェハ搬送ロボットは、第1ターンオーバー装置1030の昇降装置1038から複数のウェハ1302を受け取って、例えば6枚又は7枚である複数のウェハ1302を毎回少なくとも1つの第1タンク1050へと搬送する。複数のウェハ1302は、第1ウェハ搬送ロボットによって少なくとも1つの第1タンク1050内へと配置される。少なくとも1つの第1タンク1050は、複数のウェハ1302のバッチ洗浄を実行するように構成されている。少なくとも1つの第1タンク1050は、複数のウェハ1302を洗浄する洗浄薬液を含んでいる。少なくとも1つの第1タンク1050内の洗浄薬液は、H2SO4とH2O2とを混合したSPMであってよい。H2SO4とH2O2との濃度比は3:1から50:1であってよく、異なるプロセス要求に応じて選択可能である。SPMの温度は80℃から150℃までであってよく、それは調整可能である。
【0035】
複数のウェハ1302が少なくとも1つの第1タンク1050内で処理された後、第1ウェハ搬送ロボットは、少なくとも1つの第1タンク1050から複数のウェハ1302を取り出して一又は複数の第2タンク1060へと搬送する。複数のウェハ1302は、第1ウェハ搬送ロボットによって一又は複数の第2タンク1060内へと配置される。一又は複数の第2タンク1060は、複数のウェハ1302のバッチ洗浄を実行するように構成されている。例示的な一実施形態では、2つの第2タンク1060がある。複数のウェハ1302は2つのグループに分けられ、2つのグループのウェハ1302がそれぞれ2つの第2タンク1060内へと配置される。複数のウェハ1302には、2つの第2タンク1060内でクイックダンプリンスが実行される。2つの第2タンク1060内でのクイックダンプリンスの洗浄液は、脱イオン水であってよい。脱イオン水の温度は室温から90℃までであってよい。
【0036】
本発明の一実施形態によると、少なくとも1つの第1タンク1050がHF溶液を含んでおり、少なくとも1つの第2タンク1060がH3PO4溶液を含んでいる。その他の第2タンク1060は、クイックダンプリンスのための脱イオン水を含むことができる。HF溶液の濃度は、1:10から1:1000までとすることができる。HF溶液の温度は、約25℃に設定することができる。H3PO4溶液の濃度は、約86%に設定することができる。H3PO4 溶液の温度は、150℃から200℃までに設定することができる。HF溶液は、H3PO4プロセスの前に自然シリコン酸化物を除去するために使用することができる。H3PO4溶液は、シリコン窒化物を除去するために使用することができる。
【0037】
図2から
図3及び
図7で説明した方法は、複数のウェハ1302が少なくとも1つの第1タンク1050内の洗浄薬液を出た時点から一又は複数の第2タンク1060の洗浄液内に配置されるまで、複数のウェハ1302上の液体膜が一定厚となるように制御及び維持することに適用され得る。
【0038】
洗浄タンク1040は、第1ウェハ搬送ロボットがアイドル状態である間に、第1ウェハ搬送ロボットのクランプアームを洗浄するように構成されている。第1ウェハ搬送ロボットがアイドル状態である間に、第1ウェハ搬送ロボットは洗浄タンク1040へと移動して洗浄タンク1040内で洗浄される。
【0039】
複数のウェハ1302が2つの第2タンク1060内で処理された後、第2ウェハ搬送ロボットは、2つの第2タンク1060から毎回一定数のウェハ1302を取り出して第2ターンオーバー装置1070へと搬送する。2つの第2タンク1060から取り出されるウェハ1302の数は、毎回、単一ウェハ洗浄モジュール1090の数以下であり得る。ウェハ1302が第2タンク1060から取り出された後でウェハ1302の空気への露出時間を削減してウェハ1302が乾燥するのを抑制するために、好ましくは、2つの第2タンク1060から毎回取り出されるウェハ1302の数は、1若しくは2又は10未満である。
【0040】
図15から
図16を参照すると、本発明による第2ウェハ搬送ロボットの一例が描かれている。第2ウェハ搬送ロボットは、一対のクランプアーム1501を有している。各クランプアーム1501の一端には、第2ウェハ搬送ロボットがウェハを搬送するために用いられる際に2つのウェハを保持するための2つのクランプスロット1502が画定されている。各クランプアーム1501の他端は、2つのノズル装置1503に可動接続されている。そのため、一対のクランプアーム1501は、ウェハ1302をピックアップ及びリリースするために外側に開き、又は、ウェハ1302をクランプするために内側に閉じることが可能となっている。2つのノズル装置1503は、長いストリップ形状であって水平に並んで配列されている。各ノズル装置1503はスリット型ノズル1504と、少なくとも1つ例えば2つの注入口1505とを有している。注入口1505はスリット型ノズル1504に接続されていて、スリット型ノズル1504に液体を供給する。第2ウェハ搬送ロボットが2つの第2タンク1060のいずれかからウェハ1302を取り出して第2ターンオーバー装置1070まで搬送するために使用されるとき、ノズル装置1503は、ウェハ1302上の液体膜を一定厚に制御及び維持するためにオンとなってスリット型ノズル1504からウェハ1302上に液体を吹き付けること、又は、オフとなってウェハ1302上への液体の吹き付けを停止することができる。スリット型ノズル1504に供給される液体の流量は、例えば300mmウェハについて5lpmから300lpmまでというように、プロセス要求に応じて調整可能とすることができる。スリット型ノズル1504の寸法はプロセス要求に応じて設定することが可能であり、通常のスリット幅は1mmから4mmで、長さはウェハの直径よりも大きい。ノズル装置1503の数は、一対のクランプアーム1501によってクランプされたウェハ1302の数と一致しており、1つのノズル装置1503が1つのウェハ1302に対応して当該1つのウェハ1302に液体を吹き付ける。
【0041】
図17~
図18を参照すると、本発明による第2ターンオーバー装置1070の一例が描かれている。第2ターンオーバー装置1070は、受容チャンバ1071を有している。受容チャンバ1071は、ほぼ直方体形状である。受容チャンバ1071内には、ウェハホルダ1072が配置されている。具体的には、ウェハホルダ1072は、受容チャンバ1071の対向する側壁に移動可能に据え付けられている。第1駆動機構1073は、ウェハホルダ1072と接続されるように構成されており、受容チャンバ1071内においてウェハホルダ1072を回転させる。支持バー1075の一方の端部には、支持台1074が固定されている。支持バー1075の端部が受容チャンバ1071にまで延在しており、そのために支持台1074は受容チャンバ1071内に配置されている。支持バー1075の他方の端部は、接続部品を介して第2駆動機構1076に接続されている。第2駆動機構1076は、支持台1074を昇降させるように構成されている。受容チャンバ1071の側壁には窓1077が画定されている。受容チャンバ1071内にはドア1078が配置されている。ドア1078は、第3駆動機構1079に接続されている。第3駆動機構1079は、窓1077を閉めるためにドア1078を上昇させる又は窓1077を開けるためにドア1078を下降させるように構成されている。
【0042】
図19~
図25を参照すると、本発明の一実施形態によると、第2ウェハ搬送ロボットは、2つのウェハ1302を2つの第2タンク1060のいずれかから取り出す。2つのノズル装置1503は、2つのウェハ1302が2つの第2タンク1060内の洗浄液を出た時点から、オンとなって2つのウェハ1302上に液体1900を吹き付ける。第2駆動機構1076は、支持台1074を上昇させて支持台1074が受容チャンバ1071よりも上方となるようにする。窓1077はドア1078によって閉じられる。第2ウェハ搬送ロボットは、2つのウェハ1302を支持台1074まで搬送する。第2ウェハ搬送ロボットは、2つのウェハ1302を支持台1074に垂直に配置する。支持台1074は2つのウェハ1302を垂直に支持及び保持する。しかる後、第2駆動機構1076が支持台1074を下降させ、2つのウェハ1302は、第2ターンオーバー装置1070のウェハホルダ1072によって垂直に保持される。第2駆動機構1076が支持台1074を下降させ続けることによって、支持台1074は2つのウェハ1302から離れる。支持台1074は、受容チャンバ1071の底壁上に位置することができる。2つのノズル装置1503は、2つのウェハ1302が2つの第2タンク1060内の洗浄液を出た時点から、2つのウェハ1302が受容チャンバ1071内で回転する時点まで、2つのウェハ1302上に液体1900を吹き付ける。受容チャンバ1071内の液体は、排出されてもよい。2つのノズル装置1503はオフとされて2つのウェハ1302上への液体の吹き付けを停止し、第1駆動機構1073は垂直面から水平面までウェハホルダ1072を回転させる。したがって、2つのウェハ1302は、ウェハホルダ1072と共に垂直面から水平面まで回転する。引き続いて、第1駆動機構1073は、水平面から傾斜面まで2つのウェハ1302を回転させる。2つのウェハ1302上の液体膜の厚みを制御するために、傾斜面において一時休止が設けられている。傾斜角度及び休止時間を制御することによって、液体膜が、粒子が2つのウェハ1302に付着するほど薄くなること、2つのウェハ1302の搬送中に2つのウェハ1302上の液体が落下するほど厚くなることのいずれもなくすことができる。休止時間が長いほど、2つのウェハ1302上の液体膜の厚さは薄くなる。しかる後、第1駆動機構1073は、傾斜面から水平面まで2つのウェハ1302を回転させる。第3駆動機構1079は、窓1077を開けるためにドア1078を下降させる。プロセスロボット1080は受容チャンバ1071から2つのウェハ1302を取り出し、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセス実行のために2つの単一ウェハ洗浄モジュール1090へと、一定厚の液体膜を有する2つのウェハ1302を搬送する。
【0043】
図26~
図30を参照すると、本発明の別の実施形態においては、第2ウェハ搬送ロボットは、1つのウェハ1302を2つの第2タンク1060のいずれかから取り出す。1つのノズル装置1503は、1つのウェハ1302が第2タンク1060内の洗浄液を出た時点から、オンとなって1つのウェハ1302上に液体1900を吹き付ける。第2駆動機構1076は、支持台1074を上昇させて支持台1074が受容チャンバ1071よりも上方となるようにする。第2ウェハ搬送ロボットは、1つのウェハ1302を支持台1074まで搬送する。第2ウェハ搬送ロボットは、1つのウェハ1302を支持台1074に垂直に配置する。支持台1074は1つのウェハ1302を垂直に支持及び保持する。しかる後、第2駆動機構1076が支持台1074を下降させ、1つのウェハ1302は、第2ターンオーバー装置1070のウェハホルダ1072によって垂直に保持される。第2駆動機構1076が支持台1074を下降させ続けることによって、支持台1074は1つのウェハ1302から離れる。支持台1074は、受容チャンバ1071の底壁上に位置することができる。1つのノズル装置1503は、1つのウェハ1302が第2タンク1060内の洗浄液を出た時点から当該1つのウェハ1302がウェハホルダ1072によって垂直に保持されるまで、当該1つのウェハ1302上に液体1900を吹き付ける。第1駆動機構1073は垂直面から傾斜面までウェハ1302を回転させ、1つのノズル装置1503は1つのウェハ1302上への液体1900を吹き付け続ける。1つのノズル装置1503は、1つのウェハ1302の上方で前後に移動して当該1つのウェハ1302に液体を吹き付けることが可能である。第1駆動機構1073は傾斜面から水平面まで当該1つのウェハ1302を回転させ、そして、1つのノズル装置1503は、依然として、当該1つのウェハ1302上で前後に移動して当該1つのウェハ1302に液体1900を吹き付ける。受容チャンバ1071内の液体は、排出されてもよい。1つのウェハ1302を垂直面から水平面まで回転させるプロセスは、連続プロセスであってよい。1つのノズル装置1503はオフとなって当該1つのウェハ1302上への液体の吹き付けを停止し、第3駆動機構1079は、窓1077を開けるためにドア1078を下降させる。プロセスロボット1080は、受容チャンバ1071から1つのウェハ1302を水平に取り出す。しかる後、プロセスロボット1080が水平面から傾斜面まで回転するので、当該1つのウェハ1302は水平面から傾斜面まで回転する。ウェハ1302上の液体膜の厚さを制御するために、傾斜面において一時休止が設けられる。傾斜角度及び休止時間を制御することによって、液体膜が、粒子が1つのウェハ1302に付着するほど薄くなること、1つのウェハ1302の搬送中に1つのウェハ1302上の液体が落下するほど厚くなることのいずれもなくすことができる。休止時間が長いほど、当該1つのウェハ1302上の液体膜の厚さは薄くなる。しかる後、プロセスロボット1080が傾斜面から水平面へと回転するので、当該1つのウェハ1302は傾斜面から水平面まで回転する。プロセスロボット1080は、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセス実行のために、一定厚の液体膜を有する当該1つのウェハ1302を単一ウェハ洗浄モジュール1090へと搬送する。
【0044】
図4から
図6で説明した方法は、一又は複数のウェハ1302が一又は複数の第2タンク1060内の洗浄液を出た時点から一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュール1090に搬送されるまで、一又は複数のウェハ1302上の液体膜が一定厚となるように制御及び維持することに適用され得る。
【0045】
1つのウェハ1302及び1つの単一ウェハ洗浄モジュール1090を例にすると、単一ウェハ洗浄モジュール1090はチャックを有している。プロセスロボット1080は、一定厚の液体膜を有するウェハ1302をチャックに配置する。一定厚の液体膜を有するウェハ1302がチャックに配置された後、ウェハ1302上で液体膜の厚さが維持されるように、ウェハ1302が単一ウェハ洗浄モジュール1090内で回転させられる前に、ノズルはウェハ1302上に脱イオン水のような液体を吹き付ける。しかる後、チャックが単一ウェハ洗浄モジュール1090内で回転し、ウェハ1302がチャックと共に回転する。ウェハ1302を洗浄するために化学溶液がウェハ1302に塗布され、その後脱イオン水がウェハ1302に塗布される。脱イオン水の流量は、1.2lpmから2.3lpmの範囲で調整可能であり、好ましくは1.8lpmである。脱イオン水溶液の温度は、約25℃に設定することができる。しかる後、ウェハ1302を乾燥させる。ウェハ1302に塗布される化学溶液は、DHF、SC1、DIO3溶液のようなものであってよい。DHFの流量は、1.2lpmから2.3lpmの範囲で調整可能であり、好ましくは1.8lpmである。DHF溶液の温度は、約25℃に設定することができる。DHFの濃度は、1:10から1:1000まで調整可能であってよい。SCIの流量は、1.2lpmから2.3lpmの範囲で調整可能であり、好ましくは1.8lpmである。SCIの温度は、25℃から50℃までの範囲で調整可能である。SC1(NH4OH:H2O2:H2O)の濃度は、1:1:5から1:2:100までの範囲で調整可能である。ウェハ1302を乾燥させる方法は、1900rpmの速度でチャックを回転させてウェハ1302にN2を吹き付けることを含んでいる。N2の流量は、3.5lpmから5.5lpmの範囲で調整可能であり、好ましくは5lpmである。N2の温度は、約25℃に設定することができる。
【0046】
単一ウェハ洗浄モジュール1090内でウェハ1302が乾燥した後、プロセスロボット1080は、単一ウェハ洗浄モジュール1090からウェハ1302を取り出してバッファ室1100へと搬送する。インデックスロボット1020は、バッファ室1100からウェハ1302を取り出し、ウェハ1302をロードポート1010に位置するウェハカセットへと搬送する。
【0047】
いくつかの実施形態では、一又は複数のウェハが第1タンク内の洗浄薬液を出た時点から一又は複数の第2タンク内の洗浄液に浸漬されるまで、一又は複数のウェハに液体が吹き付けられる。一又は複数のウェハが一又は複数の第2タンク内の洗浄液を出た時点から一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、一又は複数のウェハに液体が吹き付けられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、一又は複数のウェハが第1タンク内の洗浄薬液を出た時点から一又は複数の第2タンク内の洗浄液に浸漬されるまで、一又は複数のウェハに液体が吹き付けられる。一又は複数のウェハが一又は複数の第2タンク内の洗浄液から取り出され、垂直面から水平面まで回転させられる。しかる後、一又は複数のウェハは一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに水平に搬送される。
【0049】
いくつかの実施形態では、一又は複数のウェハは第1タンク内の洗浄薬液から取り出され、垂直面から水平面まで回転させられる。しかる後、一又は複数のウェハは一又は複数の第2タンクに水平に搬送される。一又は複数のウェハは水平面から垂直面まで回転させられ、一又は複数の第2タンク内の洗浄液内に配置される。一又は複数のウェハが一又は複数の第2タンク内の洗浄液を出た時点から一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、一又は複数のウェハに液体が吹き付けられる。
【0050】
いくつかの実施形態では、一又は複数のウェハは第1タンク内の洗浄薬液から取り出され、垂直面から水平面まで回転させられる。しかる後、一又は複数のウェハは一又は複数の第2タンクに水平に搬送される。一又は複数のウェハは水平面から垂直面まで回転させられ、一又は複数の第2タンク内の洗浄液内に配置される。一又は複数のウェハが一又は複数の第2タンク内の洗浄液から取り出され、垂直面から水平面まで回転させられる。しかる後、一又は複数のウェハは一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに水平に搬送される。
【0051】
いくつかの実施形態において、一又は複数の第2タンクを省略することができる。一又は複数のウェハは、バッチ洗浄プロセス実行のために洗浄薬液で満たされた少なくとも1つのタンクに搬送され、その後一又は複数のウェハは少なくとも1つのタンク内の洗浄薬液から取り出されて、単一ウェハ洗浄及び乾燥プロセス実行のために一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送される。
図2、
図5から
図9及び
図10から
図30の説明は、一又は複数のウェハが少なくとも1つのタンク内の洗浄溶液を出た時点から一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚となるように制御及び維持することにも適用される。
【0052】
コントローラは、一又は複数のウェハが少なくとも1つの第1タンク内の洗浄薬液を出た時点から一又は複数の第2タンク内の洗浄液に浸漬されるまで、及び/又は、一又は複数のウェハが一又は複数の第2タンク内の洗浄液を出た時点から一又は複数の単一ウェハ洗浄モジュールに搬送されるまで、一又は複数のウェハ上の液体膜が一定厚を維持するように、ロボット、ノズル及びウェハホルダを制御するように構成されている。
【0053】
本発明に関する上述の説明は、例示及び説明の目的で提示されたものである。網羅的であること、又は、上記の正確な形態に本発明を限定することは、意図されていない。上述した教示の観点から、多くの修正および変更が可能であることは、明らかである。当業者にとって明らかな修正および変更は、特許請求の範囲において定義される本発明の範囲に含まれる。