(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】3次元口腔内表面特徴付け
(51)【国際特許分類】
G01B 11/25 20060101AFI20221027BHJP
A61C 19/04 20060101ALI20221027BHJP
A61B 1/24 20060101ALI20221027BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20221027BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
G01B11/25 H
A61C19/04 Z
A61B1/24
A61B1/045 610
A61B1/00 551
(21)【出願番号】P 2021075026
(22)【出願日】2021-04-27
(62)【分割の表示】P 2019527378の分割
【原出願日】2016-11-21
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】517429282
【氏名又は名称】ケアストリーム・デンタル・テクノロジー・トプコ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミルチ ジェームス アール
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ビクター シー
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-192474(JP,A)
【文献】特開2006-266957(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0141949(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0010080(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
A61C 19/04
A61B 1/00、1/045、1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像化検出器を表面に位置合わせするための、少なくとも部分的にコンピュータ上で実行される方法であって、
前記表面の一部分に、第1のラインの疎パターン及び後続する第2のラインの疎パターンを含むシーケンスを投影して記録するステップであって、前記表面の第1の位置の部分集合は第1のラベルに対応する第1及び第2の疎パターンの両方からのラインによって照明され、前記表面の第2の位置の部分集合は第2のラベルに対応する前記第1の疎パターンからのラインのみによって照明され、そして前記表面の第3の位置の部分集合は第3のラベルに対応する前記第2の疎パターンからのラインのみによって照明されるステップと、
前記表面からの前記第1、第2及び第3のラベルを復号し、前記第1、第2及び第3のラベルにそれぞれ対応する前記第1、第2及び第3の位置の部分集合の各メンバ要素を前記復号されたラベルに従って前記画像化検出器に位置合わせするステップと、
前記位置合わせによって前記第1及び第2のラインの疎パターンが統合された密パターンに従って前記表面の輪郭画像を形成して表示するステップと、
を含む、画像化検出器を表面に位置合わせするための方法。
【請求項2】
所定のラベルのパターンに従って前記復号を検証し、前記検証が失敗した場合に前記第1及び第2の疎パターンのうちの少なくとも1つの前記投影を繰り返すステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ラベルはデブルーインシーケンスとして配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
パターン投影の間に運動を検出するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
投影して記録するステップは携帯式画像化装置を用いて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記表面
の輪郭画像を格納、又は伝達するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のラインの疎パターン又は前記第2のラインの疎パターンのいずれかの投影を繰り返し、前記第1、第2及び第3のラベルのうちの1つ以上の前記復号を検証するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
画像化検出器を表面に位置合わせするための、少なくとも部分的にコンピュータ上で実行される方法であって、
前記表面の第1の部分に、第1の
照明パターンを含む第1画像フレーム及び後続する第2の照明パターンを含む照明特徴の第2画像フレームを投影するステップであって、
前記表面の第1の位置の部分集合は第1のラベルを符号化する前記第1及び第2の照明パターンの両方から照明特徴を受け取り、前記表面の第2の位置の部分集合は第2のラベルを符号化する前記第1の照明パターンからの照明特徴のみを受け取り、そして前記表面の第3の位置の部分集合は第3のラベルを符号化する前記第2の照明パターンからの照明特徴のみを受け取るステップと、
前記表面からの前記第1、第2及び第3のラベルを復号し、前記第1、第2及び第3の位置の部分集合の各メンバ要素を前記復号されたラベルに従って前記画像化検出器に位置合わせするステップと、
前記第1及び第2画像フレーム
が統合された照明パターンに従って前記表面の輪郭画像を形成して表示するステップと、
を含む、画像化検出器を表面に位置合わせするための方法。
【請求項9】
前記復号を検証するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1又は第2
の画像フレームのいずれかを再投影するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
歯科用口腔内画像化装置であって、
3つのシンボルの集合及び各シンボルの疎符号化を、表面上のある位置での各シンボルを同じ前記位置に1~2回、光のラインを投影することによって表す2間隔時間シーケンスに従って定義するための符号化手段と、
照明画素アレイ上の画素をセンサアレイ上の対応する画素に相関させる手段であって、前記照明アレイ画素から前記センサアレイ画素へ向けられた光を、2つの連続する
疎フレーム内における前記シンボルの集合の一連の組み合わせを符号化する照明シーケンスの一部として順次投影して記録することによって相関させる手段と、
前記2つの連続する疎フレームからの前記記録されたパターンに従って前記表面の輪郭画像を形成するための手段と、
を含む、歯科用口腔内画像化装置。
【請求項12】
前記疎フレーム内で第1の光のラインと前記第1の光のラインに次隣接する第2の光のラインとの間の間隔は、前記第2の光のラインと前記第2の光のラインに次隣接する第3の光のラインとの間の前記間隔の2倍以上であることを特徴とする、請求項11に記載の歯科用口腔内画像化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して表面形状の特徴付けの分野に関し、より具体的には、パターン照明を用いた口腔内表面の画像化及び特徴付けに関する。
【背景技術】
【0002】
小さい対象物の3D構造を決定する能力は、口腔内又は歯科用画像化を含む様々な用途において価値がある。口腔内画像化は、接近及び位置決めの困難さ、歯及び口内の他の特徴の光学的特性、並びに不規則な表面の正確な測定の必要性に関連するような、3D構造を検出するための多くの課題を提示する。
【0003】
医療用途、工業用途及び別の用途において様々な種類の対象物から表面輪郭情報を取得するための多数の技術が開発されている。光学的3次元(3-D)測定方法は、表面上に向けられた光のパターンから取得された画像を用いて形状及び深さ情報を提供する。様々な種類の画像化方法は、一連の光パターンを生成し、焦点又は三角測量を用いて照明領域にわたる表面形状の変化を検出する。
【0004】
表面輪郭画像化は、パターン光又は構造光と三角測量とを用いて、様々な種類の構造に対する表面輪郭情報を得る。輪郭画像化において、ライン又は他の特徴のパターンは、所与の角度から対象物の表面に向かって投影される。次に、表面からの投影パターンは、三角測量を利用して、別の角度から輪郭画像として観察され、輪郭線の外観に基づいて表面情報を分析する。位相シフトでは、投影パターンを漸増的に空間的にシフトしてオフセット位置で追加の計測を取得し、通常は表面輪郭画像化の一部として適用され、それを用いて表面の輪郭マッピングを完成して輪郭画像の全体的な解像度を高める。
【0005】
構造光を用いる表面輪郭画像化は、固体の非常に不透光な対象物に効果的に使用されており、かつ人体のいくつかの部分の表面形状を特徴付けるため、また皮膚構造に関する詳細なデータを得るために使用されている。しかしながら、多くの技術的な障害が歯の輪郭投影画像化の効果的な使用を妨げている。歯の表面画像化に伴う1つの特定の課題は、歯の透光性に関する。透光又は半透光材料は、一般に、パターン光画像化にとって特に厄介であることは周知である。透光性構造における表面下散乱は、全体の信号対雑音(S/N)比を減少させ、光強度をシフトさせ、不正確な高さデータを生じさせる可能性がある。別の問題は、様々な歯の表面に対する高レベルの反射に関する。高反射材料、特に中空反射構造は、この種の画像化のダイナミックレンジを実際上、減少させる可能性がある。
【0006】
光学的観点から、歯自体の構造は、構造光投影画像化に対して多くの追加の課題を提示する。歯は、その時々で、異なる表面及び表面の一部分に沿って濡れていても乾いていてもよい。歯の形状は、鋭い縁部を伴う不規則な場合が多い。前述のように、歯は複雑な方法で光と相互作用する。歯の表面の下を透過する光は、透光性歯材内で著しい散乱を受ける傾向がある。さらに、歯の表面下の不透光性特徴からの反射が生じる場合もあり、雑音を加えて感知された信号を劣化させ、それによって歯の表面分析の作業を更に複雑にする。すべての光波長を同じ精度で検出できるわけではない。したがって、マルチスペクトル又はマルチカラーアプローチは、場合によってはあまり満足のいくものではない可能性がある。
【0007】
試みられた1つの是正措置は、コーティングを施して歯の表面自体の反射特性を変えることである。歯の相対的な透光性によって引き起こされる問題を補償するために、多くの従来の歯の輪郭画像化システムでは、表面輪郭画像化の前に歯の表面に塗料又は反射性粉末を塗布する。この追加ステップは、歯の不透光性を高め、前述の散乱光の影響を排除又は低減する。しかしながら、この種のアプローチには欠点がある。コーティング粉末又は液体を塗布するステップは、歯の輪郭画像化過程にコストと時間を増加させる。コーティング層の厚さは全ての歯の表面にわたって不均一であることが多いため、測定誤差が生じやすい。より重要なことに、塗布されたコーティングは、輪郭画像化を容易にする一方で、歯に関する別の問題を覆い隠しやすく、したがって取得され得る有用な情報の総量を減じやすい。
【0008】
しかしながら、歯のコーティング又は別の種類の表面調整が用いられる場合でさえ、歯の表面の顕著な輪郭と、角度及び空間制限のような固有の困難さのために、結果は期待外れになる場合がある。全ての歯の表面に十分な量の光を供給し、そこから反射された光を感知することは困難であり得る。例えば、同じ歯の異なる表面は互いに対して90°に向けられる場合があり、歯の全ての部分を正確に画像化するのに十分な光を向けることを困難にしている。
【0009】
多くの問題が、正確な表面輪郭計測のための照明アレイのセンサ回路へのマッピングを複雑にしている。複数の画像を歯が同じ位置にある状態で取り込まなければならないため、カメラ又は患者のあらゆる種類の動きが、計測作業を複雑にし、又は再画像化及び追加計測及び計算時間を必要とする。したがって、正確なマッピングに必要な画像の数と時間量を減らすことに有用性がある。しかしながら、同時に、複数の画像を取得でき、かつそれらのそれぞれのデータが相関する場合に計測は改善される。これらの相反する考察を考慮すると、より効率的な画素マッピング技術には有用性があり、少数の画像からかなりの量の表面輪郭データを得ることが分かる。
【発明の概要】
【0010】
本開示の目的は、歯及び関連する口腔内構造の表面輪郭特徴付けの技術を進歩させることである。本開示の例示的な実施形態は、光パターンの配置を用いて歯の表面を照明することによって歯についての3D表面情報を提供し、デジタル撮像アレイ上の画素位置を照明装置からの画素位置とより密接にマッピングするのに役立つ。有利なことに、例示的な実施形態は、既知の照明及び画像化コンポーネントの配置と共に使用することができ、従来の輪郭検出方法と比較した場合に感知パターンの曖昧さの減少に役立つように適合される。更なる利点として、本開示の例示的な実施形態は、別の方法より必要とする照明フレームが少なく、患者又はオペレータの動きによって引き起こされる問題を軽減する。
【0011】
これらの目的は例示的な例としてのみ与えられ、そのような目的は本開示の1つ以上の実施形態の例示であり得る。開示された方法によって本質的に達成される別の望ましい目的及び利点は、当該技術者には想起され、又は明らかになり得る。本発明は特許請求の範囲によって規定される。
【0012】
本開示の1つの態様により、画像化検出器を表面に位置合わせするための方法が提供され、この方法は、少なくとも部分的にコンピュータ上で実行され、表面の一部分に、第1のラインの疎パターンとそれに続く第2のラインの疎パターンとを含むシーケンスを投影して記録することであって、ここで表面上の第1の位置の部分集合は、第1のラベルに対応する第1及び第2の疎パターンの両方からのラインによって照明され、表面上の第2の位置の部分集合は、第2のラベルに対応する第1の疎パターンからのラインによってのみ照明され、表面上の第3の位置の部分集合は、第3のラベルに対応する第2の疎パターンからのラインによってのみ照明されることと、表面位置からの第1、第2、及び第3のラベルを復号し、第1、第2、及び第3の位置の部分集合の各メンバ要素を、復号されたラベルに従って画像化検出器に位置合わせすることと、復号されたラベルの位置合わせされたメンバ要素と位置的に相関した1つ以上のラインの密パターンを投影して記録することと、記録されたパターンに従って表面輪郭の画像を形成して表示することとを含み得る。
本開示の前述及び別の目的、特徴、及び利点は、添付の図面に示されるように、本開示の実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。図面の要素は、必ずしも互いに対して一定の縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】表面に従いセンサ画素アレイを照明アレイにマッピングすることを示す概略図である。
【
図2A】単一の光のラインを用いた歯の表面の照明を示す図である。
【
図2B】複数の光のラインを用いた歯の表面の照明を示す図である。
【
図4】輪郭特徴付けのための疎画像フレーム及び完全充填(fully populated)画像フレームを示す概略図である。
【
図5】一例示的なマルチライン画像を示す平面図である。
【
図6】本開示の一実施形態による表面輪郭画像データを取得するためのシーケンスを示すロジック流れ図である。
【
図7A】本開示の実施形態による表面特徴付けのために表面上に投射し得る疎フレーム及び完全充填フレームの例示的なシーケンスを示す概略図である。
【
図7B】本開示の実施形態による表面特徴付けのために表面上に投射し得る疎フレーム及び完全充填フレームの例示的なシーケンスを示す概略図である。
【
図7C】本開示の実施形態による表面特徴付けのために表面上に投射し得る疎フレーム及び完全充填フレームの例示的なシーケンスを示す概略図である。
【
図8A】完全充填マルチライン画像フレームの一部分を形成するために付勢された、照明アレイからの単一の照明画素のラインの一部分を概略的に示す図である。
【
図8B】疎画像フレームの一部分を形成するために付勢された、照明アレイからの単一の照明画素のラインの一部分を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下は、例示的な実施形態の説明であり、図面の参照において、いくつかの図の各々で同じ参照符号は構造の同じ要素を識別する。
【0015】
用語「第1」、「第2」等は、使用される場合、必ずしも順序、順次又は優先権の関係を示すものではないが、1つの要素、要素の集合、又は時間間隔を、別のものから、より明確に区別するために使用され得る。「例示的」という用語は、その説明が一例として使用されることを示し、それが理想であることを意味するのではない。
【0016】
本開示の文脈では、用語「観察者」、「オペレータ」、及び「ユーザ」は同等であると見なされ、ディスプレイモニタ上で歯科用画像等の画像を観察し操作する観察施術者又は技術者又は他の人物を指す。
【0017】
本明細書で用いられる用語「集合」は、集合の要素又はメンバの集まりの概念が初等数学で広く理解されているため、空でない集合を指す。用語「部分集合」は、特に明記しない限り、本明細書において、空でない部分集合、すなわち1つ以上のメンバを有するより大きな集合の部分集合を指すために使用される。集合Sについて、部分集合は、全てのメンバを含む完全集合Sを含み得る。集合Sの「真部分集合」は狭義で集合Sに含まれ、集合Sの少なくとも1つのメンバを排他する。本開示の文脈において、用語「部分集合」は、特に明記しない限り、空でない真部分集合を意味するために使用される。
【0018】
図1の概略図は、単一の光のラインLの例を用いて、パターン光が表面輪郭情報を得るためにどのように使用されるかを示す。マッピングは、照明アレイ10が表面20上に光のパターンを投影又は配向するときに得られ、反射ラインL’の対応する画像が画像センサアレイ30上に形成される。画像センサアレイ30上の各画素32は、表面20による変調に従って照明アレイ10上の対応する画素12にマップすることができる。画素位置のシフトは、
図1に示すように、表面20の輪郭に関する有用な情報をもたらす。
図1に示される基本パターンは、複数の同一又は異なる照明源を含む様々な照明源及びシーケンスを使用して画像を投影し、1つ以上の異なる種類のセンサアレイ30を使用して画像データを取得又は獲得する、多くの方法で実施できることが理解され得る。照明アレイ10は、液晶アレイ又はデジタルマイクロミラーアレイ等の、光変調に使用される多数のアレイの種類のいずれかを利用することができ、例えば、テキサス州ダラスのテキサスインスツルメンツのデジタルライトプロセッサ、すなわちDLP装置を用いて提供される。この種類の空間光変調器は、照明経路において使用され、マッピングシーケンスに必要とされる際に投影光パターンを変更する。
【0019】
図2A及び
図2Bは、パターン光を用いて人間の歯から表面構造情報を取得するための従来のアプローチに関する1つの問題の態様を示す。
図2Aは、歯への単一の光のライン14を用いた照明を示し、歯の縁部で照明の著しいシフトを伴う。この方法において、歯を横切って走査され、走査中に多数の点で撮像される単一ラインの投影は、表面領域の部分に関する正確な情報を得ることができるが、一部の情報は、この方法を用いてさえも失われ、例えば、ラインセグメントが互いに離れている場合である。
図2Bは、複数の光のラインを有するパターンを用いた表面画像化を示す。表面に沿って急激な移行がある場合、各投影ラインに対応するセグメントを明確に識別することは困難である場合が多く、ミスマッチが起こり易く、表面特性についての不正確な結論をもたらす。例えば、ラインセグメント16がラインセグメント18と同じ照明のラインからのものであるのか、隣接するラインセグメント24からのものであるのかを判断することは困難である場合が多い。
【0020】
例示的な方法及び/又は装置の実施形態は、投影画像のシーケンス又は画像フレームを使用して表面輪郭マッピングの問題に対処でき、これは画像センサアレイ上の画素を照明アレイからの投影ラインとよりよく相関させ、かつ比較的少数の投影画像を使用してこの相関を提供するのに役立つ。輪郭画像化プロセスの効率、精度、及び/又は速度を向上させるために、例示的な符号化方法及び/又は装置の実施形態は、疎の表現と密の輪郭計測技術の組み合わせを使用することができ、検出精度に関する固有のチェックと、照明装置(複数可)及び感知装置(複数可)の表面への非常に効率的な位置合わせとを提供する。
【0021】
図3の概略図は、画像化装置70を示し、符号化を提供して画像化装置を位置合わせする疎の画像52a及び52bと、表面輪郭をマップする1つ以上の密のマルチライン画像の両方を投影して取り込む。制御ロジックプロセッサ80、又は他の種類のコンピュータは、照明アレイ10及び画像センサアレイ30の動作を制御する。歯22から等の表面20からの画像データは、画像センサアレイ30から取得され、メモリ72に格納される。制御ロジックプロセッサ80は受信した画像データを処理し、マッピングをメモリ72に格納する。メモリ72から得られた画像は、その後、ディスプレイ74に必要に応じて表示される。更にメモリ72は、ディスプレイバッファを含むことができる。加速度計等の任意選択のモーションセンサ60は、照明投影中に運動の検出を可能にし得る。
【0022】
表面輪郭特徴付けのための特定の例示的な方法及び/又は画像化装置の実施形態は、繰り返しライン又は他のパターン照明特徴を有する光のパターンを投影して検出するにあたって、繰り返し照明特徴の中心座標が明確に識別されて位置合わせされ、各照明特徴の光源が識別されることの様々な問題に対処する。歯の特定の幾何学的形状はこの作業を非常に複雑にする。いくつかの投影されたストライプ又は他の投影された照明特徴は、特定のカメラ角度では知覚され得ず、又は説明されなければならない断片に分割される。各投影されたストライプは識別タグ又はラベルを有し得るが、可能なラベルの数は限られる。深さ範囲の中心からの任意の所与の投影された光のラインの位置は、その深さ範囲の終わりでストライプがどれだけ遠くに移動することができるかに関するデータと共に周知である。2本のストライプが、この決定、又は最大距離移動よりも更に離れると、もはや一意ではない。
【0023】
符号化方式
画像センサアレイによって検出された照明特徴を照明アレイ上の対応する位置にマッピング又は相関させる際の曖昧さに対処及び/又は排除することができるラベリング方式を提供するために、本開示のいくつかの例示的な実施形態は、シンボル又はラベルを各ラインに関連付ける符号化、及び容易に復号しチェックすることができ、かつ十分なパターン長を有することでラベルの繰り返しが照明特徴の識別に影響を及ぼさないライン間符号化パターンを提供する。
【0024】
本開示の1つの例示的な実施形態は、組み合わせ数学の熟練者に周知である、デブルーイン(deBruijn)シーケンス等のパターンの表現を可能にする二値符号化を使用する。デブルーインシーケンスは周期的であり、サイズ又は濃度mのラベル又は要素の集合を使用し、ここでmは整数である。デブルーインシーケンスは、m個のラベル又は要素を使用し、n>m個の一意の位置を形成する。要素又はラベルの集合{R、G、B}に対して、長さ12の一例は以下のとおりである。
RGBRGRBRBGBG
【0025】
このシーケンスには4つの「B」ラベル又はシンボルがあるが、左側にGと右側にRがあるBのインスタンスは1つのみである。3つの隣接するシンボルを組み合わせることによって、シーケンス内において一意の位置が識別される。
【0026】
デブルーインシーケンスは通常、周期的であるように設計されるため、シーケンスが繰り返される場合でさえ一意性は維持される。例えば、24要素のシーケンスを考える。
RGBRGRBRBGBGRGBRGRBRBGBG
【0027】
2つの同一のデブルーインシーケンスの境界上に存在するトライアドBGR及びGRGは一意である。12要素のシーケンスの第1の出現と第2の出現とを識別する方法は未だ必要であるが、境界に対して混乱はない。一般的なデブルーインシーケンスは、位置を識別するために使用されるg個のシンボル又はラベルのグループと共に、m個のシンボルと長さnを有する。本明細書で与えられる基線の説明は、値m=3、n=12、g=3を使用する。
【0028】
モノクロ歯科用画像化システム(例えば、モノクロセンサ)は、検出可能な照明状態が1つのみ利用可能であるため、単一フレームの特徴を用いてデブルーインシーケンスを符号化することができず、二値符号化のみが可能になる。必要とされる追加の次元を提供するために、時間シーケンスを用いて符号化を拡張する。フレームの順序付けられたシーケンスを用いることによって、わずか2つの連続する画像フレームを使用すること等、疎のフレーム表現を使用して、m=3の要素又はラベルの集合を符号化することが可能である。
図4を参照して示される疎のフレーム表現の例では、以下の例の符号化が3つのラベルを用いて、使用される。
1、0-R
0、1-G
1、1-B
【0029】
この符号化シーケンスでは、2つの疎画像フレームは3つのシンボルの符号化を可能にするのに十分である。追加の疎画像フレームを用いて、拡張数のシンボル又はラベルを符号化し得ることに留意すべきである。例えば、3つの疎画像フレームは、以下のように(23-1)=7までのシンボルの集合、例えば以下の使用を符号化できるであろう。
{R、G、B、C、M、Y、K}
【0030】
本開示の複数の例示的な実施形態で使用される疎の符号化方式に関して、0、0(又は0、0、0)符号化に対して要素は定義されない。それぞれの離隔した符号化位置に対して、2つ以上の疎の照明フレームのシーケンスは、少なくとも1つの光のライン又は他の照明特徴を投影しなければならない。
【0031】
例として、
図4は、直列に投影された2つの疎フレームF1及びF2のシーケンスを示し、例の符号化RGBRGRBRBRを提供し、上記のように所定の位置に符号化された要素又はラベルR、G、Bを有する。破線は、疎フレームの一部として投影されていない省略されたライン又は照明特徴を、二値「0」を提供して示し、実線は 「1」を示す。各位置に関して、第1又は第2の疎フレームF1とF2の少なくとも一方に「1」がある必要がある。より一般的に言えば、この符号化に使用される疎画像フレームF1、F2の集合では、符号化に使用される各ライン又は別の照明特徴は少なくとも一度は出現しなければならない。
【0032】
フレームF1及びF2は疎フレームであり、すべての利用可能な位置に、すなわち単位増分ごとにライン又は特徴を含まず、完全充填マルチラインフレームF(本開示では密フレームとも呼ばれる)はライン又は特徴を含む。各フレームF1及びF2において、次隣接照明特徴間の間隔増分は、標準的な間隔単位の整数倍だけ変えることができ、その結果、次隣接ライン間の間隔は、例えば、1、2、3、又はそれ以上の標準単位増分である。
【0033】
図4では、例示として、疎画像フレームF1及びF2は、12要素シーケンスを符号化するラインパターンのみを示す。一般に、ラインパターンの集合は、各画像を水平方向に横断して何度も繰り返され、照明アレイ10内のすべてのライングループを完全に識別する。密フレームF内のラインは、それに対応して、各単位増分位置にラインが配置された状態で、照明アレイ10全体を水平方向に横断して繰り返される。
【0034】
投影ライン又は他のパターン要素に関して、マッピングに使用される疎フレームF1及びF2の各々は、完全充填マルチラインフレームFの適切な部分集合と見なし得る。すなわち、各疎フレームF1は、完全充填である密フレームFの少なくとも1つの要素又は照明パターンの特徴を省略する。同様に、各疎フレームF2は、完全充填フレームFの少なくとも1つの要素を省略する。疎フレームF1及びF2の統合は、完全充填又は密フレームFのすべての要素を含む。
【0035】
検出器アレイによって感知される画像表面に関して、表面上の第1の位置の部分集合は、第1のシンボルを符号化する第1及び第2の照明パターンの両方からの照明特徴を受け取り、表面上の第2の位置の部分集合は、第2のシンボルを符号化する第1の照明パターンからの照明特徴のみを受け取り、表面上の第3の位置の部分集合は、第3のシンボルを符号化する第2の照明パターンからの照明特徴のみを受け取る。この種類の符号化は、
図1を参照して説明したように、照明及び検出器画素を用いた表面位置の有用なマッピングを提供する。
【0036】
図5は、例示的な完全充填マルチライン画像54の平面図である。照明特徴84は、等間隔で離隔され、それらの間の標準距離単位又は単位増分は距離dとして示される。照明特徴84は、1画素幅であることが好ましいが、1つの実施形態では、2つ以上の画素を照明特徴84のために、又は疎若しくは密フレームにおいて使用し得る。ラインのパターンは表面特徴付けのための1つの有用な種類の照明特徴を提供し、検出されたラインのシフトは表面特徴を決定するために容易に使用され得るため有利であることに留意すべきである。しかしながら、代替の照明特徴を照明パターンとして利用することができ、例えば、曲線、点、整列形状、又は他の適切なパターンである。
【0037】
符号化の特定
前述のデブルーイン符号化方式は、拡張された非繰り返しシーケンスを提供し得る一意の符号化を提供するための多くの利点を有し得るが、別の符号化シーケンスは、
図4を参照して説明した疎フレーム投影と共に使用することができる。一例示的な実施形態において、例えば、感知されたデータの有効な読み取り及び解釈についてのチェックとして、様々な種類の繰り返しパターンを有することが有用であると考えられ得る。
【0038】
表面特徴付けのためのシーケンス
特定の例示的な方法及び/又は画像化装置の実施形態では、符号化を用いて、
図3の画像化装置を視野内の表面特徴に位置合わせするのに役立つ。この正確な位置合わせを考慮すると、次に1つ以上の後続の完全充填フレームを投影して、より完全に詳細な輪郭情報を取得することができる。
【0039】
図6のロジック流れ図は、表面特徴付けのための一例のシーケンスを示し、
図4を参照して説明した疎フレーム及び完全充填フレームを使用することができ、
図3の口腔内画像化装置70において使用され得る。
【0040】
第1と第2の投影ステップS100とS110のそれぞれにおいて、疎フレームF1及びF2は表面上に投影され、画像センサアレイ30によって検出される(
図3)。疎フレームF1及びF2は、照明ラインの一意識別を伴うマッピングに必要とされるプリセット又は最小数のフレームを提供する。後続の再構成ステップS170が疎フレームF1及びF2からのデータに対して実行される場合、比較的低い解像度ではあるが、表面の粗い輪郭を描くことができる。
【0041】
図6のシーケンスを再び参照すると、第1及び第2の疎フレームの投影後、第1の完全充填又は密フレームを任意選択の投影ステップS140で投影することができる。この密フレーム内のラインは、疎フレーム内のラインの位置に対して、ラインピッチの半分等、単位増分の一分数だけシフトされ得る。この密フレームと第1及び第2の疎フレームとが再構成ステップS170で一緒に処理される場合、それらは、密フレームなしで第1及び第2の疎フレームのみを使用して生成されるのと同じ解像度の2倍で表面輪郭を生成し得る。
【0042】
典型的な用途では、必要とされる解像度に部分的に応じて、更なる完全充填フレームは、任意選択の投影ステップS150で表面に向かって投影され得る。追加の完全充填フレームが使用される場合、第2及び後続の投影フレームは、好ましくは、ステップS140の最初の完全充填フレームから、及び互いに位置的にオフセットされ得て、追加の表面内容情報を生成する。例えば、第1の任意選択の密度マルチライン画像フレームFは+0.33dだけオフセットされ、第2のフレームは-0.33dだけオフセットされ得る。このようにして、画像解像度における著しい利得は、各追加の完全充填フレームFの投影で得ることができる。1つの例示的な実施形態では、追加された表面内容情報は、完全充填フレーム間又はマルチラインフレーム間の位置に対する補間によって得ることができる。再構成及び表示ステップS170では、この処理シーケンスから生成されたコンピュータ化表面輪郭を再構成し表示する。
【0043】
図7A、
図7B、及び
図7Cの概略図は、疎フレーム及び完全充填フレームの例示的なシーケンスを示し、本開示の一実施形態による表面特徴付けのために表面上に投影され得る。各シーケンスは、以下の説明では上から下に向かって進むが、疎フレーム及び密又は完全充填フレームは、任意の適切な順序で投影され得ることに留意すべきである。
図7Aに示されるように、疎フレームF1及びF2は、疎解像度での表面輪郭マッピングのための最小フレームシーケンスとして投影される。このシーケンスは、輪郭特徴付けが、わずか2つの疎フレームを使用して得られることを示す。
【0044】
図7Bは、完全充填マルチラインフレームFを追加したフレームシーケンスを示す。密フレームFでは、密ラインは疎フレームF1及びF2のライン位置に対して0.5dだけシフトされる。ここで、示される3フレームシーケンスは、
図7Aの2つのフレームシーケンスの2倍の解像度で表面輪郭マッピングを提供する。
【0045】
図7Cは、2つの追加の完全充填マルチラインフレームF及びF’を備える例示的なシーケンスを示す。密マルチラインフレームF及びF’は、疎フレームF1及びF2のライン位置からそれぞれ、距離+0.33d及び-0.33dだけオフセットされたラインを備えて投影される。この4フレームシーケンスは、
図7Aの2つのフレームシーケンスの3倍の解像度で表面輪郭マッピングを提供する。更なるオフセットされた完全充填フレームもまた、適切なオフセット(例えば、密フレームのグループに対しては1/5、1/4等)で投影され得て、更なる解像度を提供する。
【0046】
図7A~
図7Cに示されるような画像フレームは、任意の順序で表面20に向けることができ、例えば、最初に完全充填マルチライン画像フレーム(複数可)を送り、続いて疎画像を送ることに留意すべきである。しかしながら、最初に疎画像F1及びF2を提供して手の動きの影響を低減又は最小化することは有用である。
【0047】
使用されるフレームF1、F2及びFの任意のシーケンスでは、1つ以上のフレームを繰り返すことに利点があり得る。したがって、例えば、投影された第1のフレームを、シーケンス内の最後のフレームとして繰り返すことに利点があり得る。この配置により、システムロジックは、カメラ位置が患者に対してずれていないことを検証することができ、その結果、輪郭情報は正確さに関して検証され得る。例として、この方法は、
図7Cに示されるシーケンスの終わりにフレームF1を繰り返し、位置データをテストして、過度の位置ずれが生じていないことを検証する。
【0048】
例として、
図8Aは、照明アレイ10からの単一行の照明画素34の一部分を概略的に示し、完全充填マルチライン画像フレームFの一部分を形成するために付勢されている。この図の遮光画素34は、付勢されて照明を提供する。複数行の画素を用いて完全画像を形成し、
図8Aには単一行のみを示す。並行表現では、
図8Bは、照明アレイ10からの単一行の照明画素34の一部分を示し、疎画像フレームF1を形成するために付勢される。疎画像フレーム(例えば、F1、F2)では、同じプリセット又は最小画素間隔が使用されるが、一部のポテンシャル画素は消勢され、表面20に光を送達しない。
【0049】
各種類の画像の光強度は同じにすることができるが、異なる画像種類に対して強度を変えることには利点があり得る。強度の適切な調整は、利用可能な場合、例えば、散乱光の影響を減らすのに役立ち得る。
【0050】
本実施形態でライン又は他の特徴に対して示されたパターン配置は、規則的に離隔されたライン又は他の特徴を提示する。しかしながら、投影された特徴の不均一な分布を有する密パターンを提供することに利点があり得ることを留意すべきである。したがって、例えば、ラインを表面の一部上でより密な間隔にすることができる。特徴が、均等な単位間隔において均一に分布されない場合、疎フレームF1及びF2はそれに応じて配置され、その結果、疎フレームと密又は完全充填フレームとの間の照明特徴の空間的位置合わせが維持される。密又は完全充填フレームは、疎フレームに見られる1つ以上の特徴を省略してもよい。
【0051】
有利には、本開示の例示的な方法及び/又は装置の実施形態は、わずか2、3、又は4つのフレームを用いて正確な輪郭特徴付けを可能にする。これは、従来の歯科用構造光技術とは対照的であり、従来の技術は、単一のスキャナ位置からの歯の正確な表面特徴付けを提供するために5つ以上の個々のフレームの光パターンを必要とする。本開示の様々な例示的な実施形態を用いることで、表面画像化コンテンツを迅速に取得することが可能になる。粗い解像度では、わずか2つの疎フレームを用いて表面画像データを取得することができる。
【0052】
本明細書の例示的な実施形態と一致して、コンピュータプログラムは、格納された命令を使用して、電子メモリからアクセスされる画像データに対して実行することができる。画像処理分野の当業者には理解されるように、本出願の例示的な実施形態において画像化システム及びプローブを動作させ、画像データを取得するためのコンピュータプログラムは、本明細書に記載の制御ロジックプロセッサとして動作する適切な汎用コンピュータシステムによって利用することができ、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等である。しかしながら、多くの別の種類のコンピュータシステムを用いて、本発明のコンピュータプログラムを実行することができ、例えばネットワークプロセッサの配置を含む。例示的な方法の実施形態を実行するためのコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納することができる。この媒体は、例えば、ハードドライブ等の磁気ディスク、リムーバブルデバイス、磁気テープ等の磁気記憶媒体と、光ディスク、光テープ、又は機械可読光符号化等の光記憶媒体と、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又は読み取り専用メモリ(ROM)等のソリッドステート電子記憶装置と、コンピュータプログラムを格納するために使用されるその他の物理的装置又は媒体とを含んでもよい。例示的な方法の実施形態を実行するためのコンピュータプログラムは、インターネット又は他のネットワーク又は通信媒体を介して画像プロセッサに接続されるコンピュータ可読記憶媒体にも格納され得る。当業者であれば、そのようなコンピュータプログラム製品と同等のものもハードウェアに構成され得ることを容易に理解するであろう。
【0053】
本出願の文脈において「コンピュータアクセス可能なメモリ」と同等の用語「メモリ」は、任意の種類の一時的又はより持続的なデータ格納ワークスペースを指すことができ、画像データを格納及び操作するために使用され、コンピュータシステムにアクセス可能であり、例えばデータベースが挙げられる。メモリは、不揮発性であり得て、例えば、磁気記憶装置又は光学記憶装置等の長期記憶媒体を用いる。代替的に、メモリは、より揮発性とすることができ、マイクロプロセッサ又は他の制御ロジックプロセッサ装置によって一時的バッファ又はワークスペースとして使用されるランダムアクセスメモリ(RAM)等の電子回路を使用する。例えば、表示データは、典型的には表示装置と直接関連する一時的記憶バッファに格納され、表示されたデータを提供するために必要に応じて周期的にリフレッシュされる。更に、この一時的記憶バッファは、この用語が本出願で用いられる場合は、一種のメモリと見なされる。メモリは、データワークスペースとしても使用され、計算及び他の処理の中間結果及び最終結果を実行及び格納する。コンピュータアクセス可能メモリは、揮発性、不揮発性、又は揮発性タイプと不揮発性タイプのハイブリッドの組み合わせとし得る。
【0054】
本出願のコンピュータプログラム製品は、よく知られている様々な画像操作アルゴリズム及びプロセスを利用し得ることが理解されよう。本出願のコンピュータプログラム製品の例示的な実施形態は、実装に有用である、本明細書に具体的に図示又は記載されていないアルゴリズム及びプロセスを具体化し得ることがさらに理解されるであろう。そのようなアルゴリズム及びプロセスは、画像処理分野の通常の技術の範囲内である従来の有用性を含み得る。そのようなアルゴリズム及びシステムの更なる態様、並びに画像を生成及びその他の方法で処理するための、あるいは本出願のコンピュータプログラム製品の例示的な実施形態と協働するためのハードウェア及び/又はソフトウェアは、本明細書では具体的に示されず、又は説明されず、そして当技術分野で周知であるそのようなアルゴリズム、システム、ハードウェア、構成要素、及び要素から選択してもよい。
【0055】
本出願による特定の例示的な歯科用方法及び/又は装置の実施形態は、わずか2、3、又は4つのフレームの構造光を使用して正確な歯列輪郭特徴付けを可能にし得る。例示的な実施形態では、シンボルのシーケンスは2つの疎フレームで符号化することができ、密非符号化フレームと共に使用され、密非符号化フレームは疎フレームから画素分数ピッチだけシフトされる。本開示の実施形態は歯科用画像化装置を用いて例示されるが、同様の原理は、別の種類の診断用画像化及び他の解剖学的構造に対しても適用され得る。本出願による例示的な実施形態は、本明細書に記載される様々な特徴を(個別に又は組み合わせて)含み得る。
【0056】
本発明は1つ以上の実装に関して例示されているが、変更及び/又は修正を、添付の特許請求の趣旨及び範囲から逸脱することなく、示された例に対して加えることができる。更に、本発明の特定の特徴は、いくつかの実装/実施形態のうちの1つのみに対して開示され得るが、そのような特徴は、他の実装/実施形態のうちの1つ以上の別の特徴と組み合わせることができ、任意の所与の又は特定の機能に対して所望されて有利であり得る。用語「少なくとも1つ」は、列挙された項目のうちの1つ以上が選択され得ることを意味するために用いられる。「約」という用語は、変更が例示の実施形態に対するプロセス又は構造の不適合をもたらさない限り、列挙された値が幾分変更され得ることを示す。最後に、「例示的」は、それが理想であることを意味するのではなく、説明が一例として使用されることを示す。本発明の別の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示された本発明の実用から当業者には明らかであろう。本明細書及び例は例示としてのみ考慮されることを意図しており、本発明の真の範囲及び趣旨は少なくとも以下の特許請求の範囲によって示される。