IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニッサン ノース アメリカ,インクの特許一覧

<>
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図1
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図2
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図3
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図4
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図5
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図6
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図7
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図8
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図9
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図10
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図11
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図12
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図13
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図14
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図15
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図16
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図17
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図18
  • 特許-車両のタイヤ圧監視インターフェース 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】車両のタイヤ圧監視インターフェース
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/04 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
B60C23/04 180
B60C23/04 170
B60C23/04 220A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021502532
(86)(22)【出願日】2018-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2018042808
(87)【国際公開番号】W WO2020018099
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】511257078
【氏名又は名称】ニッサン ノース アメリカ,インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス、 カール
(72)【発明者】
【氏名】バスコ、 メライナ
(72)【発明者】
【氏名】ロソロウスキー、 カート
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-212620(JP,A)
【文献】特開2009-184461(JP,A)
【文献】特開2004-155279(JP,A)
【文献】特開2017-202822(JP,A)
【文献】特開2002-059723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対応する複数の車両ホイールの複数のタイヤ圧センサの各々からタイヤ圧信号を受信するように構成される受信機と、
警報装置と、
タイヤ圧関連データのデータ選択を有する少なくとも1つのメニューを表示し、手動で入力された命令を受信するように構成される電子入出力装置と、
電子メモリを有し、前記受信機、前記警報装置及び前記電子入出力装置に電子的に接続される電子コントローラと
を備え、前記電子コントローラは、
前記複数のホイールの各々について第1のタイヤ圧及び第2のタイヤ圧を定義するデータにアクセスするように前記電子メモリを動作させることであって、前記第1のタイヤ圧はオンロード走行条件用であり、前記第2のタイヤ圧はオフロード走行条件用であること、
前記電子入出力装置を介して前記少なくとも1つのメニューを表示して、データ入力、データ選択及び動作命令のうちの少なくとも1つを受信することであって、前記命令はオフロード走行条件を要求することを含むこと、
前記複数の車両ホイールの各々におけるタイヤ圧を監視すること、
前記複数のホイールの各々におけるタイヤ圧の変化が、車両の外側で前記タイヤ圧を手動で変化させる人によって手動で達成されたかどうかをホイールごとに決定すること、及び
前記タイヤ圧を手動で変化させる人に、前記タイヤ圧の変化が各ホイールについて達成されたことをホイールごとに警告するように前記警報装置を動作させること
を行うように構成され
前記電子コントローラの前記電子メモリは、前記電子メモリが前記第1のタイヤ圧及び前記第2のタイヤ圧のそれぞれのデフォルト設定を記憶するように構成される、タイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項2】
前記電子入出力装置は、車体構造内のタッチスクリーンディスプレイ、前記車体構造内の入力スイッチを有するコントロールパネル、及び前記電子コントローラと電子的に通信するように構成されるアプリケーションを有する携帯電話のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項3】
前記電子コントローラは、前記電子入出力装置を介した新たなタイヤ圧データのデータ入力に応答して、前記第1のタイヤ圧及び前記第2のタイヤ圧の一方又は両方を再定義して前記新たなタイヤ圧データを前記電子メモリに保存するようにさらに構成される、請求項1に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項4】
前記電子コントローラは、オフロード条件の選択及びデータ入力を提供するメニューを表示し、前記オフロード条件を前記電子メモリに保存するように前記電子入出力装置を動作させるようにさらに構成され、前記オフロード条件は、車両長手方向に対する前記車両の傾斜角度及び車両横手方向に対する前記車両の傾斜角度を有する走行条件を含む、請求項1に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項5】
前記電子コントローラ及び前記電子メモリは、前記第2のタイヤ圧が、前記車両横手方向に対する前記車両の傾斜角度に対応して互いに異なる第1の横側タイヤ圧及び第2の横側タイヤ圧を含むように構成される、請求項に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項6】
前記電子コントローラは、前記第1の横側タイヤ圧及び前記第2の横側タイヤ圧を含む前記オフロード走行条件の選択を受信するように前記電子入出力装置を動作させるように構成される、請求項に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項7】
前記電子コントローラは、
前記複数の車両ホイールの各々における前記タイヤ圧の変化が前記車両の外側で前記タイヤ圧を手動で変化させる人によって手動で達成されたかどうかを車両ホイールごとに決定することが、前記車両の第1の横側における前記複数のホイールのうちの2つを前記第1の横側タイヤ圧に設定することと、前記車両の第2の横側における前記複数のホイールのうちの2つを前記第2の横側タイヤ圧に設定することとを含む
ように構成される、請求項に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項8】
前記警報装置は触覚装置である、請求項1に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項9】
前記警報装置は照明装置である、請求項1に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項10】
前記警報装置は音声装置である、請求項1に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項11】
前記電子コントローラは、オフロード条件の選択及びデータ入力を提供するメニューを表示し、前記オフロード条件の前記選択及び入力されたデータを前記電子メモリに保存するように前記電子入出力装置を動作させるようにさらに構成される、請求項1に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項12】
前記オフロード条件は、岩場条件、砂利条件、砂場条件、河川及び水場条件、並びに泥地条件のうちの1つ以上を含む、請求項11に記載のタイヤ圧監視システム用のインターフェース。
【請求項13】
複数の車両ホイールの各々について第1のタイヤ圧及び第2のタイヤ圧を定義するデータに電子メモリからアクセスするステップであって、前記第1のタイヤ圧はオンロード走行条件用であり、前記第2のタイヤ圧はオフロード走行条件用であるステップと、
電子入出力装置を介して少なくとも1つのメニューを表示するステップと、
前記電子入出力装置を介してデータを入力するステップであって、入力されたデータは、データ入力、データ選択及び動作命令のうちの少なくとも1つを含み、前記データ入力は、予備タイヤ圧設定及びオフロード条件を含み、前記データ選択は、前記第1及び第2のタイヤ圧のうちの1つ、前記予備タイヤ圧設定のうちの1つ、及び前記オフロード条件の1つ以上を含む表示されたメニューからの選択を含み、前記命令は、前記第1のタイヤ圧及び前記第2のタイヤ圧のうちの一方から前記第1のタイヤ圧及び前記第2のタイヤ圧のうちの他方への変更を要求することを含むステップと、
前記複数の車両ホイールの各々におけるタイヤ圧を監視するステップと、
前記複数のホイールの各々におけるタイヤ圧の変化が、車両の外側で前記タイヤ圧を手動で変化させる人によって手動で達成されたかどうかをホイールごとに決定するステップと、
前記タイヤ圧を手動で変化させた人に、前記タイヤ圧の変化が各ホイールについて達成されたことをホイールごとに警告するように電子制御された警報装置を動作させるステップと
を含み、
前記電子入出力装置を介したデータの入力は、1つ以上のメニューを表示して、車両長手方向に対する前記車両の傾斜角度及び車両横手方向に対する前記車両の傾斜角度を含むオフロード条件を入力すること、及び入力されたデータを前記電子メモリに保存することを含む、タイヤ圧監視システムのインターフェースを動作させるための方法。
【請求項14】
前記データの入力は、前記車両横手方向に対する前記車両の傾斜角度に対応して互いに異なる第1の横側タイヤ圧及び第2の横側タイヤ圧を入力することをさらに含む、請求項13に記載のタイヤ圧監視システムのインターフェースを動作させるための方法。
【請求項15】
前記複数のホイールの各々におけるタイヤ圧の変化及び前記電子制御された警報装置の後続の動作をホイールごとに決定することは、前記車両の第1の横側の前記複数のホイールのうちの2つを前記第1の横側タイヤ圧に設定することと、前記車両の第2の横側の前記複数のホイールのうちの2つを前記第2の横側タイヤ圧に設定することとを含む、請求項14に記載のタイヤ圧監視システムのインターフェースを動作させるための方法。
【請求項16】
前記電子制御された警報装置の動作は、触覚装置からの触覚警告、照明装置からの照明警告、及び音声装置からの音声警告のうちの少なくとも1つを生成することを含む、請求項13に記載のタイヤ圧監視システムのインターフェースを動作させるための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、車両オペレータのタイヤ圧データを使用し、車両オペレータのタイヤ圧データに基づいて車両タイヤ内の空気圧を監視する車両タイヤ圧監視インターフェースに関する。より詳細には、本発明は、タイヤ圧が所望のレベルに達したときに、車両オペレータ又は係員にタイヤ圧を手動で膨張又は収縮させる警報を提供し、保存されたタイヤ圧データを調整するための命令及びデータエントリを受信する入力装置をさらに提供する車両タイヤ監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤを空気抜きすることは、砂、岩、その他の地形で静止摩擦を最大にするためにオフローダの間で一般的に行われている。これにより、タイヤの接触面が大きくなり、静止摩擦が増加し、タイヤが障害物の形状に適合すことが可能になり、静止摩擦が向上する。典型的なアプローチは、タイヤ圧ゲージを使用して、空気を抜いている間の圧力をチェックするか、又はアフターマーケット製品をタイヤバルブステムに取り付けることであり、いずれも時間がかかり、面倒である。
【発明の概要】
【0003】
本開示の1つの目的は、車両オペレータのデータエントリを可能にし、手動でタイヤを膨張又は収縮させている間に所望の空気圧が手動で達成されたときに車両オペレータに警告するインターフェースを車両オペレータ又は係員に提供することである。
【0004】
本開示の別の目的は、オンロード走行条件に対応する第1のプリセットタイヤ圧と、オフロード走行条件に対応する第2のプリセットタイヤ圧とを記憶する電子メモリを備えたタイヤ圧監視インターフェースを構成し、車両オペレータが好む様々なオンロード及びオフロードタイヤ圧設定を入力して保存するように車両オペレータにデータエントリを提供することである。
【0005】
既知の技術の状態を考慮すると、本開示の1つの態様は、受信機、警報装置、電子入出力装置及び電子コントローラとのインターフェースをタイヤ圧監視システムに提供することである。受信機は、対応する複数の車両ホイールの複数のタイヤ圧センサの各々からタイヤ圧信号を受信するように構成される。電子入出力装置は、タイヤ圧関連データのデータ選択を有する少なくとも1つのメニューを表示し、手動で入力された命令を受信するように構成される。電子コントローラは、電子メモリを有し、受信機、警報装置及び電子入出力装置に電子的に接続される。電子コントローラは、複数のホイールの各々について第1のタイヤ圧及び第2のタイヤ圧を定義するデータにアクセスするように電子メモリを動作させることであって、第1のタイヤ圧はオンロード走行条件用であり、第2のタイヤ圧はオフロード走行条件用であること、電子入出力装置を介して少なくとも1つのメニューを表示して、データ入力、データ選択及び動作命令のうちの少なくとも1つを受信することであって、命令はオフロード走行条件の要求を含むこと、複数の車両ホイールの各々におけるタイヤ圧を監視すること、複数のホイールの各々におけるタイヤ圧の変化が、車両の外側でタイヤ圧を手動で変化させる人によって手動で達成されたかどうかをホイールごとに決定すること、及びタイヤ圧を手動で変化させる人に、各ホイールについてタイヤ圧の変化が達成されたことをホイールごとに警告するように警報装置を動作させることを行うように構成される。
【0006】
次に、本開示の一部を構成する添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による車体構造、タイヤ、及びタイヤ監視システムを有する車両の概略図である。
【0008】
図2】車両の前部右側の斜視図であり、一実施形態に従って、人がタイヤの1つを収縮又は膨張させることを示している。
【0009】
図3】一実施形態によるタイヤ監視システムの様々な要素を示すブロック図である。
【0010】
図4】車両の客室内部の斜視図であり、一実施形態に従ってデータを入力するように構成された入力装置を示している。
【0011】
図5】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第1のメニューである。
【0012】
図6】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第2のメニューである。
【0013】
図7】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第3のメニューである。
【0014】
図8】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第4のメニューである。
【0015】
図9】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第5のメニューである。
【0016】
図10】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第6のメニューである。
【0017】
図11】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第7のメニューである。
【0018】
図12】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第8のメニューである。
【0019】
図13】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第9のメニューである。
【0020】
図14】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第10のメニューである。
【0021】
図15】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第11のメニューである。
【0022】
図16】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第12のメニューである。
【0023】
図17】一実施形態による車両オペレータが使用するために入力装置によって表示される第13のメニューである。
【0024】
図18】一実施形態によるタイヤ圧監視システムの基本動作を示す第1のフローチャートである。
【0025】
図19】一実施形態によるタイヤ圧監視システムのさらなる基本動作を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図面を参照して、選択された実施形態について説明する。本開示から当業者には明らかなように、以下の実施形態の説明は、例示のためのみに提供され、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明を限定することを意図していない。
【0027】
最初に図1を参照すると、タイヤ圧監視システム10を備えた車両12が、第1の実施形態に従って概略的に示されている。
【0028】
車両10は、図1に概略的に示す車体構造14を含んでいる。タイヤ圧監視システム12の様々な部分は、以下にさらに説明するように、車体構造14の内部又は構造上の位置に設置される。車両10は、4つのタイヤ16、18、20、22を備え、これらは、従来のやり方で車体構造14に回転可能に取り付けられている。
【0029】
また、車両10は、車両オペレータによって動作させられる動力装置Eをさらに備える。動力装置Eは、従来のやり方で4つのタイヤのうちの少なくとも2つに回転動力を供給する。本明細書の図面及び記載から、車両10は、従来の特徴、構造及びシステムである多くの構造コンポーネント及び車両システムをさらに含むことが理解されるべきである。これらの特徴、構造及びシステムは従来のものであるので、簡潔にするためにさらなる説明を省略する。
【0030】
以下により詳細に説明するように、タイヤ16は、バルブステム24aを含む。各ホイールは、図1及び図3に示すバルブステム24b、24c及び24dのようなバルブステムを含む。また、各バルブステム24a、24b、24c、24dには、対応するタイヤ圧センサ26a(タイヤ16)、26b(タイヤ18)、26c(タイヤ20)、26d(タイヤ22)がタイヤ16、18、20、22にそれぞれ取り付けられて共に回転するようになっている。なお、4つのタイヤ16、18、20、22は基本的に同じであり、バルブステム24a、24b、24c、24dは基本的に同じであり、タイヤ圧センサ26a、26b、26c、26dは全て略同じであるので、1つのタイヤ16、1つのバルブステム24a、1つのタイヤ圧センサ26aについてのみ以下で説明する。各バルブステム24a-24dは、タイヤの外側に位置する第1の端部と、タイヤの内側に位置する第2の端部とを有する。タイヤ圧センサ26a-26dのうちの対応するものは、タイヤ内のバルブステムの第2の端部に配置されている。
【0031】
タイヤの1つ、バルブステムの1つ、及び対応するタイヤ圧センサの説明は、4つのタイヤ、バルブステム、及び対応するタイヤ圧センサの全てに等しく適用されることを理解されたい。
【0032】
次に、タイヤ圧監視システム12について、最初に図1-3を参照して説明する。タイヤ圧監視システム12は、複数の回転センサ30a、30b、30c及び30d(速度センサとも呼ばれる)を含んでもよく、各ホイール16、18、20及び22に対して1つずつである。タイヤ圧監視システム12は、受信機32と、入力装置34と、内部信号装置36と、外部信号装置38と、電子コントローラ40とをさらに含む。入力装置34及び電子コントローラ40は、タイヤ圧監視システム12のためのインターフェースを画定する。
【0033】
4つの回転センサ30a、30b、30c、30dがあり、タイヤ毎に1つである。なお、各回転センサ30a、30b、30c、30dの基本的な動作及び機能は同一であるため、以下では簡潔のために1つの回転センサ30aについてのみ説明する。1つの回転センサの説明は、全ての回転センサに等しく適用されることが、本明細書の図面及び説明から理解されるべきである。
【0034】
タイヤ16に隣接する回転センサ30aは、タイヤ16の動き(回転)を検出するように構成されている。特に、回転センサ30aは、タイヤ16の回転及びタイヤ16のバルブステム24aの位置に対応する回転データを生成する。回転センサ30aは、様々なセンサのいずれであってもよい。例えば、図示の実施形態では、回転センサ30aは、回転センサ30aを介して4つのタイヤの各々の回転速度を監視するアンチロックブレーキシステム(図示せず)の一部である。各車軸/ホイールアセンブリのブレーキロータ(図示せず)の一部、又はブレーキロータに対するアタッチメントは、その上に円周方向に配置された複数の金属突起(図示せず)を含む。タイヤ16による金属突起の回転運動は、回転センサ30bに近接して移動する。各金属突起が回転センサ30aを通過すると、回転センサ30aによって生成される磁界が乱される。磁場の乱れは、タイヤ16の速度を決定するための基礎を形成する信号を生成する。
【0035】
代替的な実施形態では、回転センサ30aは、対応するバルブステム24に関連するタイヤ圧センサ26aから無線信号を受信することもできる。また、回転センサ30aは、タイヤ圧センサ26aによって生成されたタイヤ識別信号を受信するように構成することもでき、ここで、タイヤ圧センサ26a、26b、26c及び26dの各々は、信号がタイヤ16、18、20又は22のうちの対応するものと相関するように、そのタイヤのタイヤ圧の測定と共に一意の識別信号を生成する。
【0036】
しかしながら、図示の実施形態では、受信機32は、タイヤ圧測定値及びタイヤ識別信号をタイヤ圧センサ26a、26b、26c及び26dの各々から受信する無線信号受信機である。したがって、受信機32がタイヤの1つから空気圧測定値を受信すると、受信機32は空気圧測定値に関連するタイヤ識別信号も受信する。したがって、各タイヤ圧測定値は、特定のタイヤ及びその位置で識別される。
【0037】
入力装置34(電子入出力装置34とも呼ばれる)は、表示された種々のメニューからの選択を可能にする関連するボタン及び/又はスイッチを備えたディスプレイのような種々の車両装置のいずれかであってもよく、又は入力装置34は、車両オペレータが表示されたメニュー上の項目にタッチし、指のタッチで選択を行うことができるようなタッチスクリーンディスプレイであってもよい。入力装置34は、タイヤ16、18、20及び22の各々の指示タイヤ圧のような種々の車両状態関連情報及びデータを表示又は他のやり方で指示するように構成される。また、入力装置34(インターフェース)は、バルブステム24aが所定の角度方向にあるときに車両オペレータに通知するための種々の要求を受信することもできる。
【0038】
内部信号装置36は、以下により詳細に説明するように、車両オペレータに種々の信号を提供するように動作する車両10の客室内に設置される装置である。車内信号装置36は、車両10のインストルメントパネル上のランプ、ブザー、ベル及び/又はチャイムであってもよく、或いは例えばハンドル(図示せず)又はフロントシートを振動させる触覚装置であり得る。また、入力装置34は、メッセージを表示することができ、それによって信号装置として機能する。換言すれば、警報装置36、38は、触覚装置、照明装置、音声装置(サウンド発生装置)のいずれかのタイプの1つ以上であってもよい。触覚装置は、キーフォブ及び携帯電話のいずれかである。照明装置とは、車体構造に取り付けられているか、又は電子コントローラに電子的に接続されている方向指示ランプ、ヘッドランプ、携帯電話及びLED(発光ダイオード)の装置のいずれかである。音声装置は、車両ホーン、車体構造内の娯楽システム、携帯電話、及び車体構造内に設置された警報装置のうちの1つ以上である。
【0039】
図示された実施形態では、図4に入力装置34が示されている。特に、図4は、車両10の客室内のインストルメントパネル44及びハンドル44を示す。インストルメントパネル42は、タコメータ48と、速度計50と、それらの間の入力装置34とを有するインストルメントクラスタ46を含む。入力装置34は、メニューを表示するために電子コントローラ40によって操作される表示画面である。表示画面は、上述したように、タイヤ圧監視システム12のインターフェースを画定するタッチスクリーンディスプレイとすることができる。しかしながら、図示の実施形態では、入力装置34に表示されるメニューは、ハンドル54上のスイッチ52及び54、並びにボタン56及び58を介して変更される。スイッチ52及び54の一方を操作してメニューを切り替えることができ、スイッチ52及び54の他方を使用して、入力装置34に表示される選択及び/又は値を変更することができる。ボタン56及び58は、入力装置34に表示されるエントリ、データ及び/又は命令を選択するために使用され得る。
【0040】
外部信号装置38は、車両10のヘッドライト、ホーン、又は他のノイズ発生装置とすることができる。
【0041】
電子コントローラ40は、好ましくは、以下に説明するようにタイヤ監視システム12を制御するタイヤ圧監視システム(タイヤ監視システム12)制御プログラムを備えたマイクロコンピュータを含む。また、電子コントローラ40は、入力インターフェース回路、出力インターフェース回路、及びROM(読み取り専用メモリ)装置及びRAM(ランダムアクセスメモリ)装置及び電子記憶装置又はドライブ(以下総称して電子メモリと呼ぶ)のような記憶装置等の他の従来のコンポーネントを含むことができる。電子コントローラ40のマイクロコンピュータは、タイヤ監視システム12を制御するようにプログラムされている。メモリ回路は、プロセッサ回路によって実行されるタイヤ監視システム12の動作のためのもの等の処理結果及び制御プログラムを記憶する。電子コントローラ40は、従来のやり方で、様々な車両コンポーネント及びタイヤ監視システム12のコンポーネントに動作可能に結合される。電子コントローラ40の内部RAMには、動作フラグの状態及び各種制御データが記憶されている。電子コントローラ40の内部ROMには、各種動作のためのデータ通信プロトコルやコマンドが記憶されている。電子コントローラ40は、制御プログラムに従って、タイヤ監視システム12の制御システムの任意のコンポーネントを選択的に制御することが可能である。電子コントローラ40の正確な構造及びアルゴリズムは、タイヤ監視システム12の機能を実行するハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせであり得ることは、本開示から当業者には明らかであろう。
【0042】
電子コントローラ40は、車体構造14内に設置され、電子メモリ、回転センサ30a-30d、受信機32、入力装置34、及び信号装置36及び38(別名警報装置36及び38)と電子的に通信する。電子コントローラ40の電子メモリは、複数のホイール(タイヤ16、18、20及び22)の各々について、第1のプリセットタイヤ圧及び第2のプリセットタイヤ圧を記憶する。第1のプリセットタイヤ圧は、舗装された道路走行条件に使用されることを意図したものであり、第2のプリセットタイヤ圧は、オフロード走行条件に使用されることを意図したものである。電子コントローラ40は、以下に説明するような複数のタスク及び動作を実行するように構成される。
【0043】
電子コントローラ40は、車両10の動作中にタイヤ16、18、20、22の各々の空気圧を監視するように構成されている。電子コントローラ40は、入力装置34を使用して行われる入力、命令及び/又は選択も監視する。例えば、入力装置34によって表示されるいくつかのスクリーンショットが、図5-17に示されている。
【0044】
図5は、車両オペレータが選択することができる多くのメインメニューの1つを示しており、これによりさらなるメニューが案内される。特に、電子コントローラ40は、車両オペレータがサブメニューを選択して、データの入力、設定の変更、又は電子コントローラ40によって実行される命令の選択を行うことができるようにメニューM1を表示させる。車両オペレータは、図5に示す強調表示カーソル(長方形ボックス)を可能な選択の間で切り替えるようにスイッチ52を操作する。強調表示カーソルが車両設定コマンドを囲む場合、車両オペレータはボタン56を押すことができ、それによって電子コントローラ40に別のメニューを表示させることができる。特に、図6に示すように、メニューMが表示される。簡単のために、メニューMには1つのコマンドのみが示されているが、本明細書の図面及び説明から、他のコマンドをメニューMに含めることができることが理解されるべきである。再び、ボタン56を使用して、車両オペレータは、空気圧低下警告コマンドを選択することができ、それによって、それぞれ図7及び図8のメニューM及びメニューMのようなさらなるメニューに移動することができる。
【0045】
図7において、図示の選択は、電子コントローラ40がタイヤ16、18、20及び22の各々における空気圧を監視するための命令である。メニューMに示された命令が選択されると、図2に示すように、車両10の外側の係員、車両オペレータ又は乗員(以下、車両オペレータ)がタイヤごとに(1つずつ)手動で各タイヤから空気を抜いている間、電子コントローラ40は、所定の期間、例えば5分間、タイヤ内の空気圧を連続的に監視する。メニューMの命令選択前のタイヤ圧は、(舗装道路走行条件用の)第1のプリセットタイヤ圧である。所定期間の間、車両オペレータは、タイヤからタイヤに移動して、そのタイヤの空気圧が(オフロード走行条件用の)第2のプリセットタイヤ圧に低下するまで各タイヤから空気を排出させる。各ホイールが所望の圧力を達成した後で、電子コントローラ40は、警報装置(内部信号装置36及び外部信号装置38の一方又は両方)を動作させ、適切なタイヤ圧が達成されたことを車両オペレータに通知する第1の警報又は信号を提供する。
【0046】
図8において、図示された選択は、電子コントローラ40が各タイヤ16、18、20及び22内の空気圧を再び監視するための命令である。メニューMに示される命令が選択されると、図2に示すように、車両10の外側の車両オペレータがタイヤごとに(1つずつ)手動で各タイヤに圧縮空気を入れる間、電子コントローラ40は、所定の期間、例えば5分間、タイヤ内の空気圧を連続的に監視する。メニューMの命令選択前のタイヤの空気圧は、(オフロード走行条件用の)第2のプリセットタイヤ圧である。所定時間の間、車両オペレータは、タイヤからタイヤに移動して、そのタイヤの空気圧が(舗装道路走行条件用の)第1のプリセットタイヤ圧に上昇するまで、各タイヤに圧縮空気を入れる。各ホイールが所望の圧力を達成した後で、電子コントローラ40は、警報装置(内部信号装置36及び外部信号装置38の一方又は両方)を動作させ、適切なタイヤ圧が達成されたことを車両オペレータに通知する第1の警報又は信号を提供する。
【0047】
電子コントローラ40は、任意の様々なやり方で構成することができる。例えば、電子コントローラ40は、どのタイヤがその空気圧の変化を有しているかを決定することができるので、電子コントローラ40は、一意の第1の警報又は信号を提供することができ、各タイヤに対して異なる信号が提供される。例えば、警報装置は、タイヤ16に関して所望の空気圧に達したときに第1の信号を、タイヤ18に関して所望の空気圧に達したときに第2の信号を、タイヤ30に関して所望の空気圧に達したときに第3の信号を、タイヤ22に関して所望の空気圧に達したときに第4の信号を発するように動作させることができる。
【0048】
代替的に、4つのタイヤのそれぞれが1つずつ所望の空気圧を達成するときに、同じ第1の信号を発することができる。
【0049】
電子コントローラ40は、車両オペレータの決定及び車両オペレータが予想する運転条件に適合するように変更及び/又は調整することができるデータを表示するメニューを表示するようにさらに構成される。例えば、図9に示すように、メニューMは、いくつかのコマンド又は命令(図9には1つの命令のみが示されている)と共に表示することができ、これらのコマンド及び命令の1つは、車両オペレータが特定のデータを変更し、入力し、メモリに保存することができるさらなる1つ以上のメニューにリンクされている。図9に示すように、第1及び第2のプリセットタイヤ圧(オンロード及びオフロード走行条件)の一方又は両方に対する空気圧(警告圧力の設定)を入力又はリセットすることができる。
【0050】
図10に示すように、メニューMが表示され、車両オペレータがオフロード走行条件のために第2のプリセットタイヤ圧を変更できるようにする。車両オペレータは、第2の現在のタイヤ状態を変更してそれをメモリに保存することができる。図11に示すように、メニューMが表示され、車両オペレータにオフロード走行条件に関する状況特定条件を提供する。特に、車両オペレータが傾斜面を走行することを予想した場合には、その情報を入力して保存し、その後で、タイヤ圧が第1のプリセットタイヤ圧から第2のプリセットタイヤ圧に変化したとき等の状態における車両性能を決定する際に電子コントローラ40によって使用することができる。このような車両性能は、電子コントローラ40が車両10のABS(アンチロックブレーキシステム)及び/又は静止摩擦関連システムの動作を僅かに変化させることを含むことができる。
【0051】
図12において、別のメニューMは、車両オペレータに第2のプリセットタイヤ圧設定をさらにカスタマイズする機会を提供する選択を示す。メニューMにおけるオプションを選択すると、図13のメニューMが表示される。車両オペレータは、近づいてくるオフロード走行の予想される傾斜角度を入力することができる。次に、図14のメニューM10において、車両オペレータは、傾斜している場合、その角度に対する車両10の向きを入力することができる。例えば、予想されるオフロード走行は、傾斜を上るか、又は傾斜を下ることを含み得る。したがって、傾斜角度は車両10の長手方向に対するものである。車両オペレータは、後続のメニュー(図示せず)から長手方向を選択するであろう。代替的に、予想されるオフロード走行は、車両自体が車両の横手方向に対して傾斜している傾斜面に沿って、傾斜に垂直に走行することを含んでもよい。このような状況では、車両10が必ずしも上り下りしているとは限らない。その結果、傾斜角度は車両10の横手方向に対するものである。車両オペレータは、後続のメニュー(図示せず)から横手方向を選択するであろう。
【0052】
車両10が傾斜面に垂直な方向に走行しようとする状況では、車両の下側のタイヤは、車両の上側のタイヤとは異なる応力を受ける。図10のメニューM11は、車両オペレータが車両10の下側のタイヤの空気圧を車両10の上側の空気圧と異なるようにカスタマイズする機会を提供する。例えば、車両オペレータは、上側タイヤよりも下側タイヤの方が高いオフロード圧力を有することを望む場合がある。車両オペレータは、このような変更をM11から入力することができる。より詳細には、電子コントローラ40は、第1の横側タイヤ圧及び第2の横側タイヤ圧を含むオフロード走行条件の選択を受信するように電子入出力装置34を動作させるように構成されている。車両オペレータがタイヤ圧を第1のプリセットタイヤ圧から第2のプリセットタイヤ圧に変更することを選択する場合、これらのオフセットタイヤ圧をメモリから選択することができる。
【0053】
また、電子コントローラ40は、さらにオフロード走行条件データを入力して保存するように構成されている。特に、電子コントローラ40は、車両オペレータによる選択のためのより具体的な条件データをリストするさらなるメニュー(図示せず)を表示することができる。特に、電子コントローラ40は、オフロード条件の選択及びデータ入力を受信し、これは岩場条件、砂利条件、砂場条件、河川及び水場条件、並びに泥地条件のうちの1つ以上を含む。これらの条件の各々は、電子コントローラ40に、車両10のABS(アンチロックブレーキシステム)及び/又は静止摩擦関連システムの動作に僅かな変更を加えるための修正を要求することができる。
【0054】
図16に示すように、メニューM12は、車両オペレータが車両10を携帯電話又は電子タブレット等のモバイル装置にリンクする機会を提供する。選択的に、携帯電話及び/又は電子タブレットは、図5-17のメニュー機能の全て(及びその他)を表示するアプリケーション(コンピュータプログラム)を備えることができる。モバイル装置が電子コントローラ40にリンクされると、(図3に示す)モバイル装置は、入力装置34となり得る。図3に示すように、モバイル装置は、インターネット、WiFi又はBlueTooth(登録商標)を介して電子コントローラ40にリンクして通信することができる。
【0055】
図17に示されるように、電子コントローラ40は、車両オペレータが警報装置(内部信号装置36と外部信号装置38)の動作を変更することを可能にするメニューM13をさらに表示することができる。特に、電子コントローラ40による使用のために、様々な警報装置の任意の1つ又は組合せを選択することができる。警報装置は、触覚装置、灯火又は照明装置、及び音声装置を含むことができる。車両オペレータは、入力装置34に表示されたメニュー(図示せず)を使用して、触覚装置からの触覚警報、照明装置からの照明警報、及び音声装置からの音声警報のうちの1つ以上を提供する警報装置を選択することができる。触覚デバイスは、キーフォブ及び携帯電話等のモバイル装置のいずれかであり得る。灯火照明又は灯火装置は、車体構造に取り付けられ、かつ/又は電子コントローラ40に電子的に接続された、方向指示ランプ、ヘッドランプ、モバイル装置(携帯電話等)のディスプレイ、及び車両10上又はその内部のLED(発光ダイオード)のいずれかであり得る。音声装置は、車両ホーン、車両内の娯楽システム、携帯電話、及び車体構造14内に設置された警報装置のうちの1つ以上であり得る。
【0056】
タイヤ圧監視システム12は、以下のような種々のやり方で動作することができる。
【0057】
電子コントローラ40は、複数の車両ホイール又はタイヤ16、18、20及び22の各々について第1のタイヤ圧及び第2のタイヤ圧を定義するデータにその電子メモリからアクセスすることができる。上述したように、第1のタイヤ圧はオンロード走行条件用であり、第2のタイヤ圧はオフロード走行条件用である。電子コントローラ40は、電子入出力装置34(入力装置34)を介して少なくとも1つのメニューを表示する。車両オペレータが電子入出力装置34を介してデータを入力し、入力されたデータは、データ入力、データ選択及び動作命令の少なくとも1つを含む。データ入力には、予備タイヤ圧設定及びオフロード条件を含めることができる。データ選択は、第1及び第2のタイヤ圧のうちの1つ、予備タイヤ圧設定のうちの1つ、及び1つ以上のオフロード条件を含む表示メニューからの選択をさらに含んでもよく、命令は、第1のタイヤ圧及び第2のタイヤ圧のうちの一方から第1のタイヤ圧及び第2のタイヤ圧のうちの他方への変更を要求することを含む命令を含む。
【0058】
さらに、電子コントローラ40は、複数の車両ホイール(タイヤ)の各々におけるタイヤ圧を監視し、複数の車両ホイールの各々におけるタイヤ圧の変化が、車両10の外部でタイヤ圧を手動で変更した人物によって手動で達成されたか否かを車両ホイールごとに決定するように構成される。電子コントローラ40は、タイヤ圧を手動で変化させる人物に、各車両ホイールのタイヤ圧の変化が達成されたことを車両ホイール毎に警告するために、電子制御警報装置(内部信号装置36及び/又は外部信号装置38)をさらに作動させる。
【0059】
ここで、電子コントローラ40によって使用される論理の一例の説明は、図18及び図19に示されるフローチャートを具体的に参照して提供される。
【0060】
図18のステップS10において、タイヤ圧監視システム12は、例えば、動力装置E(エンジンE)の始動時に動作を開始する。電子コントローラ40は、起動手順を経て、通信中又は接続中の各装置及びセンサとの通信をチェックする。ステップS11において、電子コントローラ40は、車両オペレータがボタン54を押して、入力装置34を介してメニューの表示を要求したか否かを決定する。Noである場合、動作はステップS10に戻る。Yesである場合、動作はステップS12に進む。
【0061】
ステップS12において、電子コントローラ40は、入力装置34を操作し、スイッチ52及び54の操作、及び/又はボタン56及び58の操作に応答して、図5-17に示されるような複数のメニューを切り替える。ステップS13において、電子コントローラ40は、電子保存日(設定)の変更が必要であることを示すメニューM-M13の1つが選択されたか否か、又は、新たな設定を入力するか否かを決定する。Yesである場合、動作はステップS14に進み、動作は図17のフローチャートに進む。Noである場合、動作はステップS15に進む。
【0062】
ステップS15において、電子コントローラ40は、第1のプリセットタイヤ圧(舗装又はオンロード走行条件)と第2のプリセットタイヤ圧(オフロード走行条件)との切り替えを決定する。タイヤのタイヤ圧が現在略第1のプリセットタイヤ圧である場合、切り替えは第2のプリセットタイヤ圧への変化である。タイヤのタイヤ圧が現在略第2のプリセットタイヤ圧である場合、切り替えは第1のプリセットタイヤ圧への変化である。ステップS15でNoである場合、動作はステップS11に戻る。ステップS15でYesである場合、動作はステップS16に進む。ステップS16において、電子コントローラ40は、4つのタイヤ16、18、20及び22の各々における空気圧を所定の期間、例えば、5分間、連続的に監視し始める。この期間中、車両オペレータは、各タイヤの空気を部分的に収縮させるか(第2のプリセットタイヤ圧に変更する場合)、又は圧縮空気を加えることで各タイヤを膨張させる(第1のプリセットタイヤ圧に変更する場合)ことが期待される。
【0063】
ステップS17において、電子コントローラ40は、いずれかのタイヤの空気圧が変化しているか否かを決定する。所定時間内に4つのタイヤのいずれにも空気圧の変化がなければ、電子コントローラ40はタイムアウトしてステップS18に進む。ステップS18において、電子コントローラ40は、1つ以上の警報装置36及び38を動作させ、車両オペレータに、何のアクションも取られておらず、システムがタイムアウトしたことを警報する。動作はステップS19に移行し、ここで動作はステップS10に戻る。
【0064】
ステップS17において、電子コントローラ40が1つ以上のタイヤの空気圧が変化していると決定した場合、電子コントローラ40は、そのタイヤ内の空気圧を監視し続ける。ステップS20において、電子コントローラ40は、タイヤ内の空気圧が所望の空気圧に変化したか否かを決定する。Yesである場合、ステップS21において、電子コントローラ40は、1つ以上の警報装置36及び38を動作させ、車両オペレータに所望のタイヤ圧が達成されたことを警告する。図18には示されていないが、電子コントローラ40は、全ての4つのタイヤが手動で膨張又は収縮されて所望のタイヤ圧が達成されるまで、4つのタイヤのそれぞれについてこの処理を繰り返す。その後、ステップS22に移行し、ステップS10に戻る。
【0065】
図18のステップS14から、動作は図19のステップS30に進む。ステップS31において、電子コントローラ40は、第1及び第2の現在のタイヤ圧の一方若しくは両方又は他のオフロード設定を置換又は修正するメニューが選択されたか否かを決定する。ステップS31において、Yesである場合、動作はステップS32に進み、そこでオンロードタイヤ圧及び/又はオフロードタイヤ圧を修正することができる。その後、動作はステップS33に進み、そこで新しい設定が将来の使用のために保存される。
【0066】
ステップS31において、Noである場合、動作はステップS34に進む。
【0067】
ステップS34において、電子コントローラ40は、車両オペレータが、第1及び第2のプリセットタイヤ圧を元の工場設定に復元する命令を行ったか否か(車両オペレータが以前に圧力を変更していた場合)を決定する。ステップS34において、Yesである場合、元の初期工場設定が復元され、動作はステップS33に進み、復元された設定が将来の使用のために保存される。
【0068】
ステップS34において、Noである場合、動作はステップS35に進む。
【0069】
ステップS35において、電子コントローラ40は、車両オペレータが傾斜角度と、その傾斜角度に対する車両の向き又は方向を入力する命令を送信したか否かを決定する。Yesである場合、動作はステップS36に進み、角度及び傾斜角度に対する車両方向が車両オペレータによって入力される。この動作を図11-14に示す。次に、ステップS37において、電子コントローラ40は、車両オペレータが横手方向に異なる空気圧(車両10の助手席側タイヤの一方の値と運転席側タイヤの他方の値)を入力することを選択したか否かを決定する。Noである場合、動作はステップS33に進み、設定を保存する。ステップS37において、データを入力する場合には、動作はステップS38(図15)に進み、車両オペレータは、運転者側タイヤの空気圧と、助手席側タイヤの空気圧設定とを入力し得る。その後、動作はステップS33に進み、データ及び設定を電子メモリに保存する。
【0070】
ステップS35において、Noである場合、動作はステップS39に進む。ステップS39において、電子コントローラ40は、車両オペレータがモバイル装置(携帯電話又はタブレット)のような追加入力装置34へのリンク要求を選択したか否かを決定する。Yesである場合、動作はステップS40に進み、モバイル装置は電子コントローラ40にリンクされる。その後、動作はステップS33に進み、データ及び設定を電子メモリに保存する。
【0071】
ステップS39において、Noである場合、動作はステップS41に進む。ステップS41において、電子コントローラ40は、車両オペレータが、デフォルト設定とは異なる条件のために追加のオフロード設定を作成する命令を選択したか、又は第1及び第2の現在のタイヤ圧を修正したかどうかを決定する。Yesである場合、ステップS42において、車両オペレータは追加のオフロード設定を入力する。ステップS33では、入力された設定が保存される。
【0072】
ステップS41において、Noである場合、動作はステップS43に進む。ステップS43において、電子コントローラ40は、車両オペレータが警報装置36及び38によって設定された警報信号を再構成するための命令を選択したか否かを決定する。例えば、車両オペレータは、車両ホーンに警報を提供させるか、又はチャイム、ブザー又はベルに車両内からノイズを発生させるか、警報信号としてライトを点滅させるか、又は車両キーフォブ又は携帯電話を振動させるかを選択することができる。Yesである場合、ステップS44において、車両オペレータは、上述した全てのデータエントリの選択と同様に、入力装置34を使用してそのような変更を行うことができる。終了すると、ステップS33に進み、入力された設定が保存される。その後、動作はステップS45に移行し、電子コントローラ40は図18のフローチャートに戻る。
【0073】
ステップS43において、それ以上のデータエントリが行われない場合、動作はステップS45に進む。
【0074】
上述のシステムの1つの利点は、従来のタイヤ圧監視システム(TPMS)の既存のコンポーネントのいくつかを利用できることである。これらの従来の要素は、以前のシステムには見られない追加の特徴、動作及び利点を提供するように再プログラミング及び再構成され得る。
【0075】
タイヤ圧監視システム12を使用してタイヤ内のタイヤ圧を調整し、オンロード走行条件からオフロード走行条件に移行させ、再び元に戻すことができることは、オフロード走行愛好家にとって大きな利益となる。上記システムでは、所望のタイヤ圧が達成されたことを知らせる警告又は信号が車両オペレータに提供されるので、車両オペレータは、タイヤゲージを必要とせずに、必要に応じてタイヤを膨張及び収縮させる。
【0076】
さらに、上述のシステムは、予想されるオフロード条件を反映するために、車両オペレータによって好まれる特定のデータを車両オペレータに入力させるように構成される。
【0077】
(タイヤ圧監視システム12以外の)様々な車両の特徴及びコンポーネントは、当技術分野で周知の従来のコンポーネントである。このような従来の車両の特徴及びコンポーネントは当技術分野で周知であるため、これらの構造については、本明細書には詳細に説明又は図示しない。むしろ、コンポーネントは、本発明を実施するために使用することができる任意のタイプの構造及び/又はプログラミングであり得ることが、本開示から当業者には明らかであろう。
【0078】
(用語の一般的な解釈)
本発明の範囲を理解する上で、本明細書で使用される用語「含む」及びその派生語は、記載された特徴、要素、成分、群、整数、及び/又はステップの存在を特定するが、他の記載されていない特徴、要素、成分、群、整数、及び/又はステップの存在を除外しない、非限定的な用語であることが意図される。「含む」、「有する」及びそれらの派生語等の同様の意味を有する単語にも、前述のことが適用される。また、単数で使用される場合、用語「部」、「セクション」、「部分」、「部材」又は「要素」は、単一の部分又は複数の部分の二重の意味を有し得る。また、上述の実施形態を説明するために本明細書で使用される場合、以下の方向を表す用語「前方」、「後方」、「上方」、「下方」、「垂直」、「水平」、「下側」及び「横手方向」ならびに他の同様の方向を表す用語は、タイヤ圧監視システムを装備した車両のこうした方向を指す。したがって、本発明を説明するために利用されるこれらの用語は、タイヤ圧監視システムを装備した車両に関して解釈されるべきである。
【0079】
本明細書において、物理的検出を必要としないコンポーネント、セクション、装置等によって実行される動作又は機能を記述するために使用される「検出する」という用語は、動作又は機能を実行するための決定、測定、モデル化、予測又は計算等を含む。
【0080】
本明細書において、装置のコンポーネント、セクション又は一部を記述するために使用される「構成される」という用語は、所望の機能を実行するように構築及び/又はプログラミングされたハードウェア及び/又はソフトウェアを含む。
【0081】
本明細書で使用される「実質的に」、「約」及び「略」等の程度の用語は、最終結果が大きく変化しないように、変更された用語の合理的な量の逸脱を意味する。
【0082】
本発明を説明するために選択された実施形態のみが選ばれたが、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が本明細書においてなされ得ることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、様々なコンポーネントのサイズ、形状、位置又は方向は、必要に応じて及び/又は所望に応じて変更し得る。互いに直接的に接続又は接触して示されるコンポーネントは、それらの間に配置された中間構造を有し得る。1つの要素の機能は2つでも実行可能であり、その逆も可能である。1つの実施形態の構造及び機能は、別の実施形態で採用し得る。全ての利点が特定の実施形態において同時に存在する必要はない。先行技術に特有の全ての特徴は、単独で又は他の特徴と組み合わせて、そのような特徴によって具現化される構造的及び/又は機能的概念を含めて、出願人によるさらなる発明の別個の説明とみなされるべきである。したがって、本発明による実施形態の前述の説明は、例示のためだけに提供され、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明を限定することを意図していない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19