(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/02 20220101AFI20221028BHJP
【FI】
H04L67/02
(21)【出願番号】P 2022110420
(22)【出願日】2022-07-08
【審査請求日】2022-07-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508322428
【氏名又は名称】株式会社ディーエスブランド
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和吉
(72)【発明者】
【氏名】大西 耕平
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-096599(JP,A)
【文献】特開2005-085232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
記憶制御ステップでは、コンテンツのサンプルを記憶手段に記憶させ、前記サンプルは、ユーザが編集可能であり、且つ、ユーザ毎に固有の固有部分と全ユーザに共通の共通部分とを有し、
提示ステップでは、記憶されている前記サンプルをユーザに提示し、
前記記憶制御ステップでは、提示された前記サンプルから作成されたコンテンツのうち前記共通部分が編集されたコンテンツを新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶させ
、
前記固有部分には、数値を示す部分又は前記コンテンツの提示先を示す部分が含まれ、
検索ステップでは、検索条件として指定された前記数値又は前記提示先に基づいて前記新たなサンプルを含むサンプルを検索する、もの。
【請求項2】
情報処理システムであって、
記憶制御ステップでは、コンテンツのサンプルを記憶手段に記憶させ、前記サンプルは、ユーザが編集可能であり、且つ、ユーザ毎に固有の固有部分と全ユーザに共通の共通部分とを有し、
提示ステップでは、記憶されている前記サンプルをユーザに提示し、
前記記憶制御ステップでは、提示された前記サンプルから作成されたコンテンツのうち前記共通部分が編集されたコンテンツを新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶させ
、
第1通知ステップでは、前記新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶されたコンテンツと同じサンプルを編集したユーザに対して、当該サンプルを編集した新たなサンプルが提供されたことを通知する、もの。
【請求項3】
情報処理システムであって、
記憶制御ステップでは、コンテンツのサンプルを記憶手段に記憶させ、前記サンプルは、ユーザが編集可能であり、且つ、ユーザ毎に固有の固有部分と全ユーザに共通の共通部分とを有し、
提示ステップでは、記憶されている前記サンプルをユーザに提示し、
前記記憶制御ステップでは、提示された前記サンプルから作成されたコンテンツのうち前記共通部分が編集されたコンテンツを新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶させ、
前記コンテンツは、複数のカテゴリのいずれかに分類され
、
第2通知ステップでは、前記新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶されたコンテンツを編集したユーザに対して、当該コンテンツに関係するサンプルの更新がされた場合に、当該更新があったことを通知する、もの。
【請求項4】
請求項
3に記載の情報処理システムにおいて、
前記更新には、第1更新と、前記第1更新よりも更新量が多い第2更新とがあり、
前記第2通知ステップでは、前記第1更新は通知設定をしたユーザのみに通知し、前記第2更新は通知設定に関係なく通知する、もの。
【請求項5】
請求項1
~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記固有部分には、ユーザによる編集を促す記述がされており、
変換ステップでは、前記新たなサンプルにおける前記固有部分を前記記述に変換する、もの。
【請求項6】
請求項1
~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
問合せステップでは、前記共通部分が編集されたコンテンツの編集者に前記新たなサンプルの提供の承諾の問合せを行い、
前記記憶制御ステップでは、前記問合せに承諾が得られた場合に前記新たなサンプルを前記記憶手段に記憶させる、もの。
【請求項7】
請求項
6に記載の情報処理システムにおいて、
問合せステップでは、前記共通部分の編集内容が所定の条件を満たす場合に前記承諾の問合せを行う、もの。
【請求項8】
請求項1
~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
評価提示ステップでは、前記サンプルの評価を提示し、前記評価は、当該サンプルに対する処理の実績に基づいて決定される、もの。
【請求項9】
請求項
8に記載の情報処理システムにおいて、
前記コンテンツは、複数のカテゴリのいずれかに分類され、
前記評価提示ステップでは、前記複数のカテゴリのうちのいずれかのカテゴリの評価を提示し、当該評価は、当該カテゴリに属する前記サンプルの前記実績に基づいて決定される、もの。
【請求項10】
請求項1
~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
蓄積ステップでは、前記コンテンツ又は前記サンプルに関する前記ユーザの操作の履歴を蓄積し、
特定ステップでは、蓄積された前記履歴に基づいて、前記新たなサンプルの中から前記ユーザに推奨するサンプルを特定し、
推奨出力ステップでは、特定された前記推奨するサンプルを前記ユーザに提示する、もの。
【請求項11】
請求項1
~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
特典ステップでは、ユーザが編集したサンプルが前記新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶された場合に当該ユーザに特典を付与し、当該特典は、当該新たなサンプルの利用度に応じて決定される、もの。
【請求項12】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項
4の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、特定ユーザのホームページに適用するテンプレートを選択させ、その特定ユーザのビジネス情報を、ビジネス情報表示サービスが公開するAPIを介して取得し、選択されたテンプレートの各コンテンツ欄に、ビジネス情報に含まれる対応コンテンツを当てはめる術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術のテンプレートのようにコンテンツのサンプルを提供する場合、サンプルの作成には手間がかかる。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、サンプルを増やすために要する手間を減らすこととした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムにおける記憶制御ステップでは、コンテンツのサンプルを記憶手段に記憶させ、サンプルは、ユーザが編集可能であり、且つ、ユーザ毎に固有の固有部分と全ユーザに共通の共通部分とを有する。提示ステップでは、記憶されているサンプルをユーザに提示する。記憶制御ステップでは、提示されたサンプルから作成されたコンテンツのうち共通部分が編集されたコンテンツを新たなサンプルとして記憶手段に記憶させる。
【0007】
このような態様によれば、サンプルを増やすために要する手間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】コンテンツ作成支援システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】作成者端末20のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】作成支援処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図7】サンプルデータベースの一例を示す図である。
【
図8】作成されたコンテンツの一例を示す図である。
【
図9】作成されたコンテンツの別の一例を示す図である。
【
図10】ユーザデータベースの一例を示す図である。
【
図12】変換処理後の新たなサンプルの一例を示す図である。
【
図13】新サンプルの通知画面の一例を示す図である。
【
図15】表示された評価及び特典の一例を示す図である。
【
図16】表示された推奨サンプルの一例を示す図である。
【
図17】表示されたサンプルの評価の一例を示す図である。
【
図18】表示された更新通知の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係るコンテンツ作成支援システムのハードウェア構成について説明する。
【0014】
図1は、コンテンツ作成支援システム1の全体構成を示す図である。
図1においては、コンテンツ作成支援システム1が備える各装置、各装置を利用するユーザ及び各装置において処理される情報等の概要が示されている。各概要については、他の図も参照しながら随時説明する。
【0015】
コンテンツ作成支援システム1は、コンテンツの作成を支援するための処理を実行する情報処理システムである。コンテンツとは、ユーザに提供するために用意された情報であり、例えば、インターネット又はイントラネット等のネットワークに接続するユーザ端末を介してユーザに提供される。コンテンツは、画像、音又はそれらを組み合わせた動画等であり、ユーザ端末が有する出力機能によって出力される。コンテンツは、例えば、企業等のホームページで公開される情報であり、本実施形態では、企業等によるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に対する取り組みを示す情報である。
【0016】
コンテンツ作成支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、作成者端末20-1、20-2、・・・(以下それぞれを区別しない場合は「作成者端末20」と言う)とを備える。通信回線2は、インターネット等を含み、自回線に接続する装置同士のデータのやり取りを仲介する。通信回線2には、サーバ装置10及び各作成者端末20が有線又は無線で接続されている。
【0017】
作成者端末20-1、20-2、20-3、・・・は、企業等で外向けに公開するウェブページ等のコンテンツを作成する担当者である作成担当者U11、U12、U13、・・・(以下それぞれを区別しない場合は「作成担当者U10」と言う)によりそれぞれ利用される端末である。サーバ装置10は、コンテンツの提供を支援するための処理を実行する情報処理装置である。
【0018】
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バス14とを備える。バス14は、サーバ装置10が備える各部を電気的に接続する。
【0019】
(制御部11)
制御部11は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、コンテンツ作成支援システム1に係る種々の機能を実現するコンピュータである。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0020】
(記憶部12)
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるコンテンツ作成支援システム1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるコンテンツ作成支援システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0021】
(通信部13)
通信部13は、サーバ装置10から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部13は、外部の構成要素からサーバ装置10への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部13がネットワーク通信機能を有し、これにより通信回線2を介して、サーバ装置10と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
【0022】
図3は、作成者端末20のハードウェア構成を示す図である。作成者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、バス26とを備える。バス26は、作成者端末20が備える各部を電気的に接続する。制御部21、記憶部22及び通信部23は、
図2に示す制御部11、記憶部12及び通信部13と、スペック、モデル等は異なってもよいが、同様のハードウェアである。
【0023】
(入力部24)
入力部24は、キー、ボタン、タッチスクリーン及びマウス等のうちの1以上の入力インターフェースを有し、ユーザによる入力を受け付ける。
(出力部25)
出力部25は、ディスプレイ及びスピーカ等の出力デバイスを有し、表示面に画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された視覚情報を表示し、音声を含む音を出力する。
【0024】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、各装置の記憶部に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部によって具体的に実現されることで、制御部に含まれる各機能部が実行されうる。
【0025】
図4は、各装置の制御部の機能構成を示す図である。サーバ装置10の制御部11は、サーバ表示部111と、記憶制御部112と、ユーザ認証部113と、サンプル処理部114と、承諾処理部115と、評価処理部116と、操作蓄積部117と、推奨処理部118と、特典処理部119と、通知処理部120とを備える。作成者端末20の制御部21は、ユーザ表示部211と、操作受付部212とを備える。
【0026】
サーバ表示部111は、コンテンツ作成支援システム1に関するシステム画面を作成者端末20に表示させるための処理を実行する。サーバ表示部111は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルの生成及び送信等の処理を行い、システム画面を示すウェブページを作成者端末20に表示させる。なお、サーバ表示部111は、コンテンツ作成支援システム1を利用するためのアプリケーションの表示用データの生成及び送信等の処理を行ってもよい。
【0027】
記憶制御部112は、記憶手段への情報の記憶、更新、削除等の処理を実行する。ユーザ認証部113は、コンテンツ作成支援システム1の利用者として登録されているユーザを認証する。サンプル処理部114は、コンテンツのサンプルをユーザに提示するなどのサンプルに関する処理を実行する。コンテンツ作成支援システム1においては、システムの提供者が用意するサンプルに加え、ユーザが作成したコンテンツがサンプルとして用いられる。承諾処理部115は、サンプルの提供の承諾をユーザから得るための処理を実行する。
【0028】
評価処理部116は、サンプルの評価に関する処理を実行する。操作蓄積部117は、ユーザによる操作の履歴を蓄積する。推奨処理部118は、ユーザへのサンプルの推奨に関する処理を実行する。特典処理部119は、サンプルを提供したユーザへの特典の付与に関する処理を実行する。通知処理部120は、ユーザに対するサンプルの更新の通知に関する処理を実行する。
【0029】
ユーザ表示部211は、作成者端末20が有する表示手段であるディスプレイへの表示を制御する。ユーザ表示部211は、例えば、サーバ表示部111から送信されてくるウェブページ又はアプリの画面を表示手段に表示させる。操作受付部212は、ユーザの操作を受け付ける。
【0030】
3.情報処理
本節では、本実施形態において、プログラムがコンピュータに実行させる情報処理について説明する。コンテンツ作成支援システム1は、コンテンツの作成の支援に関する作成支援処理を実行する。
【0031】
図5は、作成支援処理の一例を示すアクティビティ図である。
図5に示すアクティビティは、コンテンツ作成支援システム1にコンテンツのサンプルを登録する作業が行われることを契機に開始される。まず、サーバ装置10は、A11において、記憶制御部112により、コンテンツのサンプルを記憶手段に記憶させる。サンプルは、ユーザが編集可能なデータである。またサンプルは、ユーザ毎に固有の固有部分と全ユーザに共通の共通部分とを有する。
【0032】
図6は、サンプルの一例を示す図である。
図6の例では、SDGsのテーマのひとつである「教育」についてのコンテンツのサンプルSP1が示されている。サンプルSP1は、固有部分C11、C12、C13と、共通部分D11とを有する。固有部分C11、C12、C13には、[会社名を記入]、[目標値を記入]、[達成時期を記入]のように、ユーザによる編集を促す記述がされている。共通部分D1には、例えば、教育についての一般的な取り組みを表す文章が記述されている。記憶制御部112は、サンプルデータベースにサンプルを示すデータを格納する。
【0033】
図7は、サンプルデータベースの一例を示す図である。
図7では、サンプルID、構成情報、固有部分、共通部分、カテゴリ及び作成者ID等の項目のデータを格納するサンプルデータベースDB1が示されている。固有部分及び共通部分は、例えば、それぞれの部分を記述する文字列データである。なお、固有部分及び共通部分には、画像を示す画像データ又は音声を示す音声データが含まれていてもよい。
【0034】
構成情報は、固有部分及び共通部分の配置、サイズ、フォント等を定義してサンプルの構成を示す情報である。構成情報は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)文書である。カテゴリは、サンプル及びコンテンツが分類される区分を表している。本実施形態では、「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」、「すべての人に健康と福祉を」及び「質の高い教育をみんなに」等のSDGsにおける17の目標がカテゴリとして用いられている。なお、以下では、それらのカテゴリを「貧困」、「飢餓」、「健康」及び「教育」等のように省略して示す。
【0035】
作成者IDは、サンプルを作成したユーザのユーザIDである。本実施形態では、サンプルIDが「SP001」、「SP002」及び「SP003」である3つのサンプルが、コンテンツ作成支援システム1の運用者(ユーザIDが「U001」)によって初期サンプルとして作成されてサンプルデータベースDB1に記憶されているものとする。他の項目については後ほど関係する処理とともに説明する。
【0036】
次に、作成者端末20は、A11において、ユーザ表示部211により、コンテンツ作成支援システム1を利用するためのログイン画面を表示し、操作受付部212により、作成担当者U10による認証操作を受け付ける。操作受付部212は、認証操作により入力された認証情報(ユーザID及びパスワード等)をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、A12において、ユーザ認証部113により、送信されてきた認証情報に基づいてユーザを認証する。
【0037】
続いて、作成者端末20は、A13において、ユーザ表示部211により、サンプルを検索するための検索画面を表示し、操作受付部212により、作成担当者U10による検索操作を受け付ける。操作受付部212は、検索操作により入力された検索条件(サンプルのカテゴリ又はキーワード等)をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、A14において、サンプル処理部114により、送信されてきた検索条件を満たすサンプルを検索する。
【0038】
サーバ装置10は、A15において、サーバ表示部111により、A14における検索の結果を示す検索結果データを生成して作成者端末20に送信することで、サンプルの検索結果を作成担当者U10に通知する。作成者端末20は、A16において、ユーザ表示部211により、送信されてきた検索結果データが示す検索結果を表示する。作成者端末20は、A21において、操作受付部212により、表示された検索結果からダウンロードするサンプルを選択する作成担当者U10によるDL(Down Load)操作を受け付ける。操作受付部212は、DL操作により選択されたサンプルを示す選択データをサーバ装置10に送信する。
【0039】
サーバ装置10は、A22において、サンプル処理部114により、送信されてきた選択データが示すサンプルを読み出す。サンプル処理部114は、読み出したサンプルを示すサンプルデータを作成者端末20に送信する。作成者端末20は、A23において、ユーザ表示部211により、送信されてきたサンプルデータが示すサンプルを表示する。このように、サンプル処理部114は、サーバ装置10に記憶されているサンプルをユーザに提示する提示部として機能する。
【0040】
次に、作成者端末20は、A24において、操作受付部212により、サンプルを編集する編集操作を受け付ける。編集操作は、例えば、固有部分により編集が促されている情報をその固有部分に上書きして入力する操作である。また、編集操作には、共通部分を追加、削除及び変更等する操作が含まれていてもよい。これらの編集操作は、例えば、サンプルに含まれる文字列に対して行われるが、サンプルに含まれる画像又は音声等に対して行われてもよい。作成担当者U10は、これらの編集操作によりサンプルを編集してコンテンツを作成する。
【0041】
図8は、作成されたコンテンツの一例を示す図である。
図8では、
図6に示すサンプルSP1が編集されて生成されたコンテンツCT11が示されている。コンテンツCT11においては、サンプルSP1では固有部分C11、C12及びC13であった部分に、「AAA株式会社」、「N1人/年」及び「202X年3月」と言う固有情報が上書きされ、それぞれ固有部分E111、E112及びE113となっている。一方、サンプルSP1で共通部分D11であった部分は、編集がされずにそのまま共通部分D11として残っている。
【0042】
図9は、作成されたコンテンツの別の一例を示す図である。
図9では、サンプルSP1が編集されて生成されたコンテンツCT12が示されている。コンテンツCT12においては、サンプルSP1では固有部分C11、C12及びC13であった部分に、「BBB株式会社」、「N2人/年」及び「202X年10月」と言う固有情報が上書きされ、それぞれ固有部分E121、E122及びE123となっている。また、サンプルSP1で共通部分D11であった部分は、
図8の例と異なり、例えば関連する画像を増やす編集がされ、共通部分D12となっている。
【0043】
作成者端末20は、A21において、操作受付部212により、作成されたコンテンツをサーバ装置10にアップロードするUL(UpLoad)操作を受け付ける。操作受付部212は、UL操作によりアップロード対象として指定されたコンテンツと、そのコンテンツの元になったサンプルのサンプルIDとを示すコンテンツデータをサーバ装置10に送信する。ここで、操作受付部212は、
図5の例では、サンプル又はコンテンツに関して行った操作の履歴(検索操作、DL操作、編集操作、UP操作等)を示す履歴データをサーバ装置10に送信する。
【0044】
コンテンツデータ及び履歴データが送信されてきた場合、本実施形態では、サーバ装置10は、まず、A26において、記憶制御部112により、送信されてきた履歴データが示す作成担当者U10による操作の履歴を蓄積する。記憶制御部112は、ユーザに関するデータを格納するデータベースにユーザの操作履歴を示す履歴データを格納することでそれらの操作履歴を蓄積する。なお、記憶制御部112は、
図5の例では、A26においてまとめて操作履歴を蓄積しているが、各操作が行われる度に操作履歴を蓄積してもよい。いずれの場合も、記憶制御部112は、コンテンツ又はサンプルに関するユーザの操作の履歴を蓄積する蓄積部として機能する。
【0045】
図10は、ユーザデータベースの一例を示す図である。
図10では、ユーザID、認証情報、閲覧サンプル、DL(ダウンロード)サンプル及びUL(アップロード)コンテンツ等の項目のデータを格納するユーザデータベースDB2が示されている。ユーザID及び認証情報は、A12の認証処理において用いられる。閲覧サンプル及びDLサンプルは、ユーザが閲覧したサンプルのサンプルID及びユーザがダウンロードしたサンプルのサンプルIDであり、ユーザによる閲覧操作及びDL操作の履歴を示す。ULコンテンツは、ユーザがアップロードしたコンテンツのコンテンツIDであり、ユーザによる編集操作及びUL操作の履歴を示す。
【0046】
続いて、サーバ装置10は、A31において、サンプル処理部114により、送信されてきたコンテンツデータが示すコンテンツから、編集箇所を抽出する。サンプル処理部114は、例えば、コンテンツデータが示すサンプルIDのサンプルと、コンテンツデータが示すコンテンツとの差分を編集箇所として抽出する。こうして抽出される編集箇所には、固有部分だけが含まれる場合と、固有部分及び共通部分の両方が含まれる場合とがある。
【0047】
サーバ装置10は、共通部分の編集があった場合、A32において、承諾処理部115により、アップロードされたコンテンツの新たなサンプル(以下では「新サンプル」とも言う)としての提供を承諾するか否かを確認する確認データを生成して作成者端末20に送信する。作成者端末20は、A33において、ユーザ表示部211により、送信されてきた確認データが示す新サンプルの提供の承諾の可否を確認する画面を表示する。
【0048】
図11は、承諾確認画面の一例を示す図である。
図10では、新たなサンプルの提供の承諾の可否を確認する確認画面F1が示されている。確認画面F1には、ユーザが作成したコンテンツCT12と、「以下コンテンツを新たなサンプルとして提供していただけますか?」という文字列と、承諾ボタンB1と、承諾不可ボタンB11とが表示されている。このように、承諾処理部115は、共通部分が編集されたコンテンツの編集者に新たなサンプルの提供の承諾の問合せを行う問合せ部として機能する。
【0049】
図5の例では、承諾ボタンB1を押す操作が行われたとする。作成者端末20は、A34において、操作受付部212により、この操作を、新サンプルの提供を承諾する操作として受け付ける。操作受付部212は、新サンプルの提供が承諾されたことを示す承諾データをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、承諾データを受け取った場合、A35において、サンプル処理部114により、A31で編集箇所として抽出された固有部分を、編集前の固有部分と同様にユーザによる編集を促す記述に変換する変換処理を実行する。
【0050】
図12は、変換処理後の新たなサンプルの一例を示す図である。
図12では、新サンプルであるサンプルSP4が示されている。サンプルSP4は、
図9に示すコンテンツCT12に変換処理を行って生成された新たなサンプルである。サンプル処理部114は、コンテンツCT12の固有部分E121(BBB株式会社)をサンプルSP1の固有部分C11([会社名を記入])に変換している。また、サンプル処理部114は、CT12の固有部分E122(N2人/年)、固有部分E123(202X年10月)をサンプルSP1の固有部分C12([目標値を記入])、C13([達成時期を記入])に変換している。
【0051】
一方、サンプルSP4においては、CT12の共通部分D12がそのまま用いられている。なお、共通部分D12は、コンテンツの固有部分と編集を促す記述の文字数の違いにより、変換処理の前後で配置がずれる場合があるが、その場合でも、文字や画像が表す内容には変化がないものとする。以上のとおり、サンプル処理部114は、新たなサンプルにおける固有部分を、ユーザによる編集を促す記述に変換する変換部として機能する。
【0052】
そして、サーバ装置10は、A36において、記憶制御部112により、固有部分が変換された新サンプルを記憶手段に記憶させる。記憶制御部112は、
図7に示すサンプルデータベースDB1に、A11におけるサンプルSP1の場合と同様に、新サンプルを示すデータを、構成情報、固有部分、共通部分及びカテゴリに格納する。また、記憶制御部112は、作成者IDと、元サンプルIDとを格納する。
【0053】
「作成者ID」は、新サンプルを作成した作成担当者U10のユーザIDである。「元サンプルID」は、作成担当者U10が新サンプルを作成する元として用いたサンプルのサンプルIDである。
図7の例では、SP001~SP003までの3つのサンプルは、運用者が作成して提供した初期サンプルであるため、元サンプルIDが「該当なし」となっている。
【0054】
一方、SP004は、作成者IDが「U021」の作成担当者U10が「SP002」のサンプルを元に提供した新サンプルである。また、SP005は、作成者IDが「U008」の作成担当者U10が「SP003」のサンプルを元に提供した新サンプルである。これらの新サンプルは、元のサンプルと同じ分類になるので、同じカテゴリ(SP004の場合はSP002と同じ「教育」、SP005の場合はSP003と同じ「貧困」)が格納されている。
【0055】
同様に、SP006は、作成者IDが「U005」の作成担当者U10が「SP002」のサンプルを元に提供した新サンプルである。また、SP007は、作成者IDが「U012」の作成担当者U10が「SP004」のサンプルを元に提供した新サンプルであり、SP008は、作成者IDが「U105」の作成担当者U10が「SP001」のサンプルを元に提供した新サンプルである。
【0056】
以上のとおり、記憶制御部112は、サンプル処理部114により提示されたサンプルから作成されたコンテンツのうち共通部分が編集されたコンテンツを新たなサンプルとして記憶手段に記憶させる。このようにサンプルの利用者が作成したコンテンツを新たなサンプルとして活用することで、新たなサンプルを一から作成する場合に比べて、新たなサンプルを増やすために要する手間を減らすことができる。また、記憶制御部112は、承諾処理部115による問合せに承諾が得られた場合に新たなサンプルを記憶手段に記憶させる。このような態様によれば、サンプルの無断流出を防ぐことができる。
【0057】
また、記憶制御部112は、ユーザデータベースDB2にも、新サンプルに関する情報を格納する。
図10の例では、記憶制御部112は、新サンプルを提供した作成担当者U10のユーザIDに対応付けて、新サンプルのサンプルIDと、新サンプルの分類とを格納している。例えば、「U002」というユーザIDに対応付けて、「SP004」及び「SP013」という新サンプルのサンプルIDと、「健康」及び「貧困」という分類とが格納されている。
【0058】
サーバ装置10は、A36において新たなサンプルが記憶されると、A41において、通知処理部120により、新サンプルの通知を行う。通知処理部120は、記憶された新たなサンプルと同じ元サンプルを編集したコンテンツを過去にアップロードした作成担当者U10の作成者端末20に対して、同じサンプルを編集した新サンプルが提供されたことを通知する通知データを送信する。作成者端末20は、A42において、ユーザ表示部211により、送信されてきた通知データが示す新サンプルの通知を表示する。
【0059】
図13は、新サンプルの通知画面の一例を示す図である。
図13では、新サンプルが提供されたことを通知する通知画面F11が示されている。通知画面F11には、「あなたが利用したサンプルの新サンプルが提供されました。」という文字列と、新サンプルであるサンプルSP4と、通知先の作成担当者U10が過去にアップロードしたコンテンツCT11とが表示されている。サンプルSP4及びコンテンツCT11は、どちらも
図6に示すサンプルSP1を編集して作成されたものである。
【0060】
以上のとおり、通知処理部120は、新たなサンプルとして記憶手段に記憶されたコンテンツと同じサンプルを編集したユーザに対して、その同じサンプルを編集した新たなサンプルが提供されたことを通知する第1通知部として機能する。このような態様によれば、新たなサンプルの活用を促進することができる。
【0061】
次に、サーバ装置10は、A43において、評価処理部116により、サンプルを評価する。評価処理部116は、例えば、サンプルに対する処理の実績に基づいてそのサンプルの評価を決定する。サンプルに対する処理とは、例えば、サンプルを閲覧する処理、サンプルをダウンロードする処理、サンプルを編集して作成されたコンテンツをアップロードする処理等である。評価処理部116は、これらの処理が多く実行されているサンプル程、有用なサンプルとみなして、高く評価する。
【0062】
これらのサンプルに関する処理の多さは、例えば、A26において蓄積されたユーザの操作履歴(
図10に示す閲覧サンプル、DLサンプル、ULサンプル)によって表される。そこで、評価処理部116は、例えば、ユーザデータベースDB2に格納されたこれらの操作履歴を参照し、各処理の実行回数を計数し、サンプルデータベースDB1の「閲覧数」、「DL数」及び「UL数」に格納する。そして、評価処理部116は、閲覧数、DL数及びUL数にそれぞれ所定の係数を乗じた値を合計したものを評価値として算出し、サンプルデータベースDB1の「評価値」に格納する。
【0063】
上記のとおり算出された評価値は、値が大きいほど、ユーザによってよく利用されており、ユーザに高く評価されているサンプルであることを示す。この評価値は、例えば、A15においてサンプルの検索をしたときに表示されるサンプルの表示順に影響する(評価値が大きいほど上位の位置に表示される)。また、評価値は、サンプルのユーザによる利用度を示す値として、この後に述べる特典にも用いられる。
【0064】
サーバ装置10は、A44において、特典処理部119により、新たなサンプルを提供したユーザに対して特典を付与する。特典とは、ユーザに対して特別に与えられる待遇、権利又は物品等である。特典処理部119は、例えば、A43において算出された評価値に応じた価値を有する特典を付与する。特典処理部119は、例えば、評価値と特典とを対応付けた特典テーブルを用いて付与する特典を決定する。
【0065】
図14は、特典テーブルの一例を示す図である。
図14では、「Th1未満」、「Th1以上Th2未満」及び「Th2以上」という評価値に、「利用料金10%OFF」、「利用料金20%OFF」及び「利用料金30%OFF」という特典が対応付けられた特典テーブルtb1が示されている。
図14の例では、コンテンツ作成支援システム1の利用料金が設定されていることを前提としている。この場合に、特典処理部119は、例えば、算出された評価値に特典テーブルtb1において対応付けられている割引率の適用を要求する要求データを、利用料金に関する処理を行うシステムに送信することで、その利用料金の値引きを特典として付与する。
【0066】
なお、特典の種類は上記のものに限らず、例えば、特別な機能の使用権又は特別デザインのサンプルの提供等であってもよい。このように、特典処理部119は、ユーザが編集したサンプルが新たなサンプルとして記憶手段に記憶された場合に、そのユーザに特典を付与する特典部として機能する。特典処理部119は、その特典を、新たなサンプルの利用度(評価値は利用度を示す値の一例)に応じて決定する。なお、利用度は、新サンプルの利用の多さを示すものであれば、評価値とは異なる値(例えば、単なるサンプルの閲覧数、DL数又はUL数等)によって表されてもよい。
【0067】
サーバ表示部111は、A43における評価とA44における特典とを通知する通知データを作成者端末20に送信する。作成者端末20は、A45において、ユーザ表示部211により、送信されてきた通知データが示す評価及び特典を表示する。
【0068】
図15は、表示された評価及び特典の一例を示す図である。
図15では、ユーザ表示部211が、特典通知画面F2を表示している。特典通知画面F2には、「有用なサンプルを提供いただきありがとうございました!特典が付与されました!」という文字列と、作成担当者U12によって提供されたサンプルSP4及びSP013と、評価値G1と、特典情報H1とが表示されている。このように、サーバ表示部111及び評価処理部116は、サンプルの評価を提示する評価提示部として機能する。
【0069】
図15に示すように、特典処理部119は、本実施形態では、ユーザが複数の新サンプルを提供した場合、それらの評価値の合計に基づいて、ユーザごとに特典を決定する。なお、特典処理部119は、より単純に、新サンプルの評価値に基づいてその新サンプルについての特典を決定してもよい。また、特典処理部119は、1人のユーザが1つのカテゴリについて2以上の新サンプルを提供している場合に、カテゴリごとに特典を決定してもよい。また、評価されるサンプルには、新サンプルだけに限らず、サンプルSP1のような新規サンプルが含まれていてもよい。
【0070】
また、サーバ装置10は、A51において、推奨処理部118により、作成担当者U10に推奨するサンプルを特定する。推奨処理部118は、A26において蓄積された操作の履歴(コンテンツ又はサンプルに関するユーザの操作の履歴)に基づいて、新たなサンプルの中からユーザに推奨するサンプル(以下「推奨サンプル」と言う)を特定する特定部として機能する。推奨処理部118は、例えば、蓄積された履歴が示す操作によりユーザが閲覧した回数、ダウンロードした回数、アップロードした回数又はそれらを合計した回数(以下「サンプル利用回数」と言う)が所定の回数よりも多いサンプルを推奨サンプルとして特定する。
【0071】
推奨処理部118は、特定した推奨サンプルを作成者端末20に送信する。作成者端末20は、A52において、ユーザ表示部211により、送信されてきた推奨サンプルを表示する。
図16は、表示された推奨サンプルの一例を示す図である。
図16では、ユーザ表示部211が、推奨サンプル画面F3を表示している。推奨サンプル画面F3には、「あなたにお奨めのサンプルです。」という文字列と、推奨度が1番のサンプル群SP100と、推奨度が2番のサンプルSP3と、推奨度が3番のサンプル群SP200と、切り替えボタンB2及びB3とが表示されている。
【0072】
サンプル群SP100には、サンプルSP1と、遡るとサンプルSP1が元になっている全ての新サンプルとが含まれている。サンプル群SP200には、サンプルSP2と、遡るとサンプルSP2が元になっている全ての新サンプルとが含まれている。これらは、切り替えボタンB2又はB3を押す操作が行われると、一番上に表示されるサンプルがそれぞれ切り替わるようになっている。推奨処理部118は、例えば、親サンプル(例えばサンプルSP1)と、遡るとその親サンプルが元になっている全ての子サンプル(サンプルSP1を除くサンプル群SP100)とを含むサンプル群がある場合、サンプル群全体でのサンプル利用回数を用いて推奨サンプルを特定する。
【0073】
なお、推奨処理部118は、親サンプルのみの利用回数を用いて推奨サンプルを特定してもよいし、各サンプルの個別の利用回数を用いて推奨サンプルを特定してもよい。その場合、推奨処理部118は、各サンプルを推奨度の順番で個別に並べて表示させてもよいし、
図16の例のように同じサンプル群に含まれるサンプルを、そのサンプル群に含まれるサンプルのうち最上位のサンプルと切替可能に表示させてもよい。
【0074】
このように、推奨処理部118は、上記のとおり特定した推奨サンプルをユーザに提示する推奨提示部として機能する。このような態様によれば、推奨サンプルが提示されない場合に比べて、サンプルを選びやすくすることができる。また、推奨処理部118は、親サンプル及び子サンプルを互いに対応付けて推奨サンプルとしてユーザに提示する。このような態様によれば、ユーザは、似たサンプルをまとめて参考にすることができる。
【0075】
<その他の実施形態>
コンテンツは、上記のものに限らない。例えば、SDGs以外の企業等の取り組みを示す情報であってもよい。また、ホームページのように一般に公開される情報ではなく、例えば顧客又は自社の社員等のように特定の相手にのみ公開される情報であってもよい。また、上記のコンテンツは、ユーザ端末において出力(表示又は放音)される情報であったが、提案書及び見積書等のように、印刷して用いられる情報であってもよい。
【0076】
<承諾の問合せ>
承諾処理部115は、共通部分が編集されたコンテンツは全て新サンプルの承諾の問合せを行ったが、これに限らない。承諾処理部115は、共通部分の編集内容が所定の条件を満たす場合に承諾の問合せを行ってもよい。所定の条件とは、例えば、編集された文字数が所定の数以上という条件、画像又は音が編集されたという条件、又は、共通部分のうち所定の箇所(例えばコンテンツのうち特に重要な箇所)が編集されたという条件等である。このような態様によれば、サンプルを必要以上に増やさないようにすることができる。
【0077】
<検索条件>
サンプル処理部114は、実施形態では、サンプルのカテゴリ又はキーワード等の検索条件に基づき検索を行う検索部として機能した。サンプル処理部114は、それらとは異なる検索条件を用いてもよい。例えば、固有部分には、数値を示す部分が含まれる場合がある。数値を示す部分とは、例えば、目標の実現時期又は目標値等である。その場合に、サンプル処理部114は、検索条件として指定された数値に基づいてサンプルを検索してもよい。このような態様によれば、所望のサンプル(例えば自社と同じような実現時期又は数値目標等を掲げているサンプル)を見つけやすくすることができる。
【0078】
<評価の提示方法>
図15の例では、特典が提供されるユーザごとに評価が提示されたが、これに限らない。実施形態では、上記のとおり、コンテンツが、複数のカテゴリ(本実施形態ではSDGsにおける17の目標)のいずれかに分類されている。その場合に、評価処理部116が、各カテゴリに属するサンプルの処理の実績に基づいてそのカテゴリの評価を決定し、サーバ表示部111及び評価処理部116が、決定されたカテゴリの評価を提示してもよい。
【0079】
図17は、表示されたサンプルの評価の一例を示す図である。
図17では、ユーザ表示部211が、人気カテゴリ画面F4を表示している。人気カテゴリ画面F4には、「人気のあるカテゴリの一覧です。」という文字列と、評価値が最大の「教育」カテゴリのサンプル群SP400と、評価値が2番目に大きい「健康」カテゴリのサンプル群SP500と、評価値が3番目に大きい「気候」カテゴリのサンプル群SP600と、それらの評価値G4、G5、G6と、それらの切り替えボタンB4、B5、B6とが表示されている。
【0080】
サンプル群SP400、SP500、SP600には、各カテゴリに分類されるサンプルが重ねて表示されている。切り替えボタンB4、B5、B6を押す操作が行われると、一番上に表示されるサンプルがそれぞれ切り替わるようになっている。評価値G4、G5、G6には、各カテゴリに分類されるサンプルについて決定された評価値の合計値が表されている。なお、カテゴリの評価値は、各サンプルの評価値の平均値又は中間値等の統計値であってもよい。このような態様によれば、カテゴリ別の評価値が提示されない場合に比べて、コンテンツのカテゴリを選びやすくすることができる。
【0081】
<サンプルに関する通知>
通知処理部120は、実施形態とは異なる通知を行ってもよい。例えば、サンプルデータベースDB1に格納されているサンプルが、作成者によって更新される場合がある。通知処理部120は、そのようにサンプルの更新がされた場合に、その更新があったことを通知する(以下「更新通知」と言う)第2通知部として機能してもよい。
【0082】
通知処理部120は、例えば、新たなサンプルとして記憶手段に記憶されたコンテンツを編集したユーザに対して、そのコンテンツに関係するサンプルの更新がされた場合に、更新通知を行う。コンテンツに関係するサンプルとは、例えば、そのコンテンツの作成に用いられたサンプル又はそのコンテンツと同じカテゴリに分類されるサンプル等である。通知処理部120は、更新されたサンプル等を示す通知データを生成して作成者端末20に送信する。
【0083】
図18は、表示された更新通知の一例を示す図である。
図18では、ユーザ表示部211が、サンプルの更新通知画面F5を表示している。更新通知画面F5には、「あなたが利用したサンプルに更新がありました。」という文字列と、ユーザが利用したサンプルSP4と、サンプルSP4が更新されて新しくなったサンプルSP4-2とが表示されている。サンプルSP4-2は、サンプルSP4になかった固有部分C14が追加されている。このような態様によれば、コンテンツに最新情報を反映することができる。
【0084】
また、サンプルの更新に、第1更新と、第1更新よりも更新量が多い第2更新とがある場合がある。例えば、第1更新とはマイナーチェンジ(軽微な更新)であり、第2更新とはメジャーチェンジ(大幅な更新)である。その場合に、通知処理部120は、第1更新は通知設定をしたユーザのみに通知し、第2更新は通知設定に関係なく通知してもよい。このような態様によれば、全ての更新を通知する場合に比べて、軽微な更新は関心の高いユーザにのみ通知することで、必要に応じて通知量を抑制することができる。
【0085】
通知処理部120は、例えば、更新により変更された文字数が閾値以上である場合、又は、特定箇所が変更された場合に、第2更新であると判断する。特定箇所とは、例えば、コンテンツに含まれる文章のうち重要な箇所又は画像等である。なお、第1更新及び第2更新のいずれであるかの判断は、例えば、コンテンツ作成支援システム1の運用者が行ってもよい。
【0086】
また、通知処理部120は、更新前のサンプルと更新後のサンプルを提示する際に、両サンプルの差分を強調して提示してもよい。このような態様によれば、ユーザは、更新された箇所を用意に把握することができる。また、通知処理部120は、サンプルをダウンロードしたユーザに、定期的にコンテンツの作成作業の進捗を問合せてもよい。その際、通知処理部120は、例えば、作業が所定の段階まで進んでいるという回答があったユーザに対して、更新通知を行ってもよい。
【0087】
図1に示す全体構成は一例であり、これに限られない。例えば、サーバ装置10は、2台以上の装置に分散されてもよいし、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。また、
図4に示す機能構成も一例であり、これに限られない。例えば、サーバ装置10の機能が2台以上の装置に分散して実現されてもよい。
【0088】
また、1つの機能(例えばサンプル処理部114又は推奨処理部118等)が行う動作を2以上の機能が分散して行ってもよいし、2以上の機能(例えばサンプル処理部114及び承諾処理部115等)が1つの機能に統合されてもよい。要するに、コンテンツ作成支援システム1の全体で
図4に示す各機能が実現されていれば、それらの機能を実現する装置はどのような構成であってもよい。
【0089】
上述した実施形態の態様は、サーバ装置10のような情報処理装置を備えるコンテンツ作成支援システム1のような情報処理システムであったが、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、その情報処理システムが実行する各処理のステップを備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータに、同様の情報処理システムが実行する各処理を実行させる。
【0090】
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0091】
(1)情報処理システムであって、記憶制御ステップでは、コンテンツのサンプルを記憶手段に記憶させ、前記サンプルは、ユーザが編集可能であり、且つ、ユーザ毎に固有の固有部分と全ユーザに共通の共通部分とを有し、提示ステップでは、記憶されている前記サンプルをユーザに提示し、前記記憶制御ステップでは、提示された前記サンプルから作成されたコンテンツのうち前記共通部分が編集されたコンテンツを新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶させる、もの。
【0092】
このような態様によれば、サンプルを増やす手間を減らすことができる。
【0093】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記固有部分には、ユーザによる編集を促す記述がされており、変換ステップでは、前記新たなサンプルにおける前記固有部分を前記記述に変換する、もの。
【0094】
このような態様によれば、新たなサンプルを容易に作成することができる。
【0095】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理システムにおいて、問合せステップでは、前記共通部分が編集されたコンテンツの編集者に前記新たなサンプルの提供の承諾の問合せを行い、前記記憶制御ステップでは、前記問合せに承諾が得られた場合に前記新たなサンプルを前記記憶手段に記憶させる、もの。
【0096】
このような態様によれば、サンプルの無断流出を防ぐことができる。
【0097】
(4)上記(3)に記載の情報処理システムにおいて、問合せステップでは、前記共通部分の編集内容が所定の条件を満たす場合に前記承諾の問合せを行う、もの。
【0098】
このような態様によれば、サンプルを必要以上に増やさないようにすることができる。
【0099】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、評価提示ステップでは、前記サンプルの評価を提示し、前記評価は、当該サンプルに対する処理の実績に基づいて決定される、もの。
【0100】
このような態様によれば、サンプルを選びやすくすることができる。
【0101】
(6)上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、前記コンテンツは、複数のカテゴリのいずれかに分類され、前記評価提示ステップでは、前記複数のカテゴリのうちのいずれかのカテゴリの評価を提示し、当該評価は、当該カテゴリに属する前記サンプルの前記実績に基づいて決定される、もの。
【0102】
このような態様によれば、コンテンツのカテゴリを選びやすくすることができる。
【0103】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記固有部分には、数値を示す部分又は前記コンテンツの提示先を示す部分が含まれ、検索ステップでは、検索条件として指定された前記数値又は前記提示先に基づいて前記新たなサンプルを含むサンプルを検索する、もの。
【0104】
このような態様によれば、所望のサンプルを見つけやすくすることができる。
【0105】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、蓄積ステップでは、前記コンテンツ又は前記サンプルに関する前記ユーザの操作の履歴を蓄積し、特定ステップでは、蓄積された前記履歴に基づいて、前記新たなサンプルの中から前記ユーザに推奨するサンプルを特定し、推奨出力ステップでは、特定された前記推奨するサンプルを前記ユーザに提示する、もの。
【0106】
このような態様によれば、サンプルを選びやすくすることができる。
【0107】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、特典ステップでは、ユーザが編集したサンプルが前記新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶された場合に当該ユーザに特典を付与し、当該特典は、当該新たなサンプルの利用度に応じて決定される、もの。
【0108】
このような態様によれば、サンプルを提供する動機づけをすることができる。
【0109】
(10)上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、第1通知ステップでは、前記新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶されたコンテンツと同じサンプルを編集したユーザに対して、当該サンプルを編集した新たなサンプルが提供されたことを通知する、もの。
【0110】
このような態様によれば、新たなサンプルの活用を促進することができる。
【0111】
(11)上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記コンテンツは、複数のカテゴリのいずれかに分類され、第2通知ステップでは、前記新たなサンプルとして前記記憶手段に記憶されたコンテンツを編集したユーザに対して、当該コンテンツに関係するサンプルの更新がされた場合に、当該更新があったことを通知する、もの。
【0112】
このような態様によれば、コンテンツに最新情報を反映することができる。
【0113】
(12)上記(11)に記載の情報処理システムにおいて、前記更新には、第1更新と、前記第1更新よりも更新量が多い第2更新とがあり、前記第2通知ステップでは、前記第1更新は通知設定をしたユーザのみに通知し、前記第2更新は通知設定に関係なく通知する、もの。
【0114】
このような態様によれば、必要に応じて通知量を抑制することができる。
【0115】
(13)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(12)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0116】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0117】
1 :コンテンツ作成支援システム
10 :サーバ装置
11 :制御部
20 :作成者端末
21 :制御部
111 :サーバ表示部
112 :記憶制御部
113 :ユーザ認証部
114 :サンプル処理部
115 :承諾処理部
116 :評価処理部
117 :操作蓄積部
118 :推奨処理部
119 :特典処理部
120 :通知処理部
211 :ユーザ表示部
212 :操作受付部
【要約】 (修正有)
【課題】サンプルを増やすために要する手間を減らす情報処理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】コンテンツ作成支援システム1である情報処理システムにおいて、記憶制御ステップでは、コンテンツのサンプルを記憶手段に記憶させ、サンプルは、ユーザが編集可能であり、且つ、ユーザ毎に固有の固有部分と全ユーザに共通の共通部分とを有する。提示ステップでは、記憶されているサンプルをユーザに提示する。記憶制御ステップでは、提示されたサンプルから作成されたコンテンツのうち共通部分が編集されたコンテンツを新たなサンプルとして記憶手段に記憶させる。
【選択図】
図1