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特許7165975洋上ゴミ回収装置および複合洋上ゴミ回収装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】洋上ゴミ回収装置および複合洋上ゴミ回収装置
(51)【国際特許分類】
   E02B 15/00 20060101AFI20221028BHJP
   B63B 35/32 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
E02B15/00 Z
B63B35/32 C
B63B35/32 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018240218
(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公開番号】P2020101022
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】391060524
【氏名又は名称】有限会社手島通商
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100098154
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 克彦
(72)【発明者】
【氏名】手島 浩光
(72)【発明者】
【氏名】手島 万里
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-017064(JP,A)
【文献】特開2008-138441(JP,A)
【文献】特開2008-150816(JP,A)
【文献】特開2010-077691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 15/00
B63B 35/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋上に設置されて海面に浮遊するゴミを回収する平面視略円形の洋上ゴミ回収装置であって、
円形の基盤を内周側と外周側に区分し、前記基盤の外周側にはゴミ回収部が、前記基盤の内周側にはゴミ貯留部が設けられており、
前記ゴミ回収部は、前記基盤の上面に立設されて洋上の風を受けて前記基盤を回転させる羽根と、基端が前記基盤に固定され先端が外方向であって回転方向側に伸びる腕と、を有し、
前記ゴミ貯留部は、前記基盤の下面に環状に設置された内周浮きと、前記内周浮きの周面に貫通形成された導入口と、前記基盤の上面に貫通形成された取出口と、を有し、
前記ゴミ回収部の前記羽根が洋上の風を受けることによって前記基盤全体が回転し、前記腕によって海面に浮遊するゴミを内方へ掻き込み、前記ゴミ貯留部に形成した前記導入口から前記ゴミを内部へ導入し、前記ゴミ貯留部の頂面に形成した前記取出口から前記ゴミを取り出し可能としたことを特徴とする洋上ゴミ回収装置。
【請求項2】
前記導入口における後端縁に、前記ゴミ貯留部の周面より突出して前記ゴミ回収部の回転方向と同方向に延びる案内板が形成されていることを特徴とする請求項1記載の洋上ゴミ回収装置。
【請求項3】
前記腕に2つの取付孔を形成し、前記基盤に丸孔および長孔をそれぞれ1つ形成し、前記腕の各取付孔と前記基盤の丸孔および長孔とに2本の軸をそれぞれ挿入することにより前記腕が前記基盤に軸支されるとともに、前記軸が前記長孔内を移動可能とすることで前記腕は前記丸孔に挿通された前記軸を支点に一定範囲を揺動可能に支持され、且つ、少なくとも前記軸の一端には上下方向の位置調整可能な留め具が設けられていることで、前記腕の上下方向位置を調整可能としたことを特徴とする請求項1または2記載の洋上ゴミ回収装置。
【請求項4】
前記羽根が、所定の一辺と、当該所定の一辺に連続する長い辺ならびに短い辺とを有する平面視凸四角形の可撓性シートからなり、前記長い辺の両端同士を近づけるように撓ませた状態で前記基盤に固定することで、前記長い辺が前記短い辺より高さのある半ドーム状に形成されていることを特徴とする請求項1,2または3記載の洋上ゴミ回収装置。
【請求項5】
前記基盤が中心に空洞を有するドーナツ型であって、前記空洞に中央浮きが備えられており、前記中央浮きにアンカーを取り付けることで装置全体の位置を固定することを可能としたことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の洋上ゴミ回収装置。
【請求項6】
洋上に設置される複合洋上ゴミ回収装置であって、
平面視円形にくり抜かれた形状の複数の収容部を有し、
前記請求項1~5のいずれか一項に記載の洋上ゴミ回収装置を前記各収容部に収容してなることを特徴とする複合洋上ゴミ回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海面に浮遊するゴミを自動的に回収可能な洋上ゴミ回収装置および当該装置を複数収容してなる複合洋上ゴミ回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、海洋に流出するゴミの増加が国際的な問題となっており、特にプラスチックゴミは自然分解されず、回収をしない限り海洋を漂流し続け、中には小さく砕けたマイクロプラスチックとしてプラスチック自体やそれに付着した有害物質がプランクトンや魚類などの動物に取り込まれてしまい、正常な生命活動を阻害する危険性があることが知られている。
【0003】
そこで、プラスチックゴミその他の海洋に流出したゴミを回収する仕組みが喫緊の課題として求められている。
【0004】
水上のゴミを回収する仕組みとしては、例えば実開平5-35594号公報(特許文献1)や特開平10-95393号公報(特許文献2)に示すような、単胴または双胴の船体を用いた自走式のゴミ回収装置を用いることができる。
【0005】
これら従来の自走式のゴミ回収装置は、船体を自走させることで自発的に水上に浮遊するゴミを回収することができるため、池や湖など一部特定箇所におけるゴミ回収を行うには効率が良い。
【0006】
しかしながら、海洋のような広範囲にわたってゴミを回収しなければならない場面において、自走式のゴミ回収装置を用いることは非常に効率が悪く、回収できるゴミの量もごく限定的なものとなる。
【0007】
また、例えば特開2018-17064号公報(特許文献3)に示すような、自動的なゴミ回収装置も知られている。当該発明は前述した従来の自走式のゴミ回収装置の欠点を解消するためになされた発明であり、ネットを備えた容器と、容器を浮遊させるフロートと、容器内の水を汲み出す汲み出し機構を備えた装置である。
【0008】
しかしながら、前記従来の自動的なゴミ回収装置は、容器内の水を汲み出すことで、容器周囲の水面との落差により容器内へ水が流れ込み、それと同時に水上のゴミが容器内へ流入することを利用して回収するものであるため、例えば池や湖、または貯水施設のような穏やかな水面においては安定して動作すると思われるものの、洋上における潮や波のような激しい動きのある水面においても安定して動作するとは言い難く、且つ、洋上の使用に適するように装置の規模を大きくしようとすると、それに応じた性能の汲み出し機構が求められるため、現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】実開平5-35594号公報
【文献】特開平10-95393号公報
【文献】特開2018-17064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、自動的にゴミを回収することが可能で、洋上での使用に適し、且つ長期にわたってメンテナンス不要で使用することが可能な洋上ゴミ回収装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するためになされた本発明である洋上ゴミ回収装置は、洋上に設置されて海面に浮遊するゴミを回収する平面視略円形の洋上ゴミ回収装置であって、円形の基盤を内周側と外周側に区分し、前記基盤の外周側にはゴミ回収部が、前記基盤の内周側にはゴミ貯留部が設けられており、前記ゴミ回収部は、前記基盤の上面に立設されて洋上の風を受けて前記基盤を回転させる羽根と、基端が前記基盤に固定され先端が外方向であって回転方向側に伸びる腕と、を有し、前記ゴミ貯留部は、前記基盤の下面に環状に設置された内周浮きと、前記内周浮きの周面に貫通形成された導入口と、前記基盤の上面に貫通形成された取出口と、を有し、前記ゴミ回収部の前記羽根が洋上の風を受けることによって前記基盤全体が回転し、前記腕によって海面に浮遊するゴミを内方へ掻き込み、前記ゴミ貯留部に形成した前記導入口から前記ゴミを内部へ導入し、前記ゴミ貯留部の上面に形成した前記取出口から前記ゴミを取り出し可能としたことを特徴とする。
【0012】
また、前記導入口における後端縁に、前記ゴミ貯留部の周面より突出して前記ゴミ回収部の回転方向と同方向に延びる案内板が形成されている場合には、より確実に海面に浮遊するゴミを回収することができる。
【0013】
更に、前記腕に2つの取付孔を形成し、前記基盤に丸孔および長孔をそれぞれ1つ形成し、前記腕の各取付孔と前記基盤の丸孔および長孔とに2本の軸をそれぞれ挿入することにより前記腕が前記基盤に軸支されるとともに、前記軸が前記長孔内を移動可能とすることで前記腕は前記丸孔に挿通された前記軸を支点に一定範囲を揺動可能に支持され、且つ
、少なくとも前記軸の一端には上下方向の位置調整可能な留め具が設けられていることで
、前記腕の上下方向位置を調整可能とした場合には、可動する腕によってより広範囲の海面に浮遊するゴミを回収することができる。
【0014】
また、前記羽根が、所定の一辺と、当該所定の一辺に連続する長い辺ならびに短い辺とを有する平面視凸四角形の可撓性シートからなり、前記長い辺の両端同士を近づけるように撓ませた状態で前記基盤に固定することで、前記長い辺が前記短い辺より高さのある半ドーム状に形成されている場合には、事前に成形することなく1枚のシートから立体の羽根を構成することが可能となるため合理的かつ経済的である。
【0015】
更に、前記基盤が中心に空洞を有するドーナツ型であって、前記空洞に中央浮きが備えられており、前記中央浮きにアンカーを取り付けることで装置全体の位置を固定することを可能とした場合には、簡易な構成で位置決めをすることが可能となる。
【0016】
更にまた、洋上に設置される複合洋上ゴミ回収装置であって、平面視円形にくり抜かれた形状の複数の収容部を有し、前記洋上ゴミ回収装置を前記各収容部に収容してなる場合には、より大規模な洋上ゴミ回収装置を容易に実現できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、洋上を浮遊するゴミの種別を問わず広範囲にわたって自動的に回収が可能であって、電力その他の人工的な動力を用いることがなく、洋上の風のみによって駆動するためメンテナンス不要な洋上ゴミ回収装置を提供することができる。
【0018】
更に、前記洋上ゴミ回収装置を複数収容してなる複合洋上ゴミ回収装置とすることで、より大規模に洋上のゴミを回収することを実現することができるのみならず、内部に設けたスペースを例えば人口浮島のごとく、居住施設、環境改善化施設、観測施設、発電施設その他種々の目的に有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の好ましい実施の形態を示す平面図。
図2図1に示した実施の形態の側面図。
図3図1に示した実施の形態における腕を示す部分断面図。
図4図1に示した実施の形態における腕を示す部分平面図。
図5図1に示した実施の形態における羽根を形成するシートを示す概略図。
図6図1に示した実施の形態における羽根を示す概略図。
図7】本発明に係る複合洋上ゴミ回収装置の実施の形態を示す概略斜視図。
図8図7に示した実施の形態の概略平面図。
図9図7に示した実施の形態の概略正面図。
図10図7に示した実施の形態に好適な洋上ゴミ回収装置を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
図1乃至図6は、本発明の好ましい実施の形態を示す図であり、洋上ゴミ回収装置10
0は、平面視で中央に空洞を有する円形板状のドーナツ型の基盤1を内周側と外周側に区分し、前記基盤1の外周側にはゴミ回収部2が、前記基盤1の内周側にはゴミ貯留部3が設けられている。尚、符号Sは海面である。
【0022】
ゴミ回収部2は、前記基盤1の下面11に等間隔に16個取り付けられ、先端が外方向であって回転方向側に伸びる腕20と、前記基盤1の上面12には等間隔に16個立設された羽根30と、を有する。
【0023】
腕20は、2つの取付孔22a,22bを備えた腕部材21と、丸孔24aおよび長孔24bをそれぞれ1つ形成した腕取付部材23と、前記腕部材21の各取付孔22a,2
2b並びに前記腕取付部材23の丸孔24aおよび長孔24bにそれぞれ挿入されるとともに両端に設けた位置調整可能な留め具26a,26bにより脱落不能に取り付けられた2本の軸25と、前記腕取付部材23と一体に備えられ前記基盤1に浮力を与える外周浮き27と、からなる。
【0024】
そして、腕20は長孔24bに挿通された軸25が長孔24b内を移動することで丸孔24bに挿通された軸25を支点に腕部材21を揺動可能とするとともに、軸25の留め具26の位置を上下に調整して、軸25の有効長を変更することで腕部材21の上下方向位置を調整可能である。
【0025】
本実施の形態においては、腕部材21には基端位置211に取付孔22aが、基端位置211より少し先端213寄りの中間位置212に取付孔22bが形成されており、腕部材21の取付孔22aと腕取付部材23の丸孔24aを、腕部材21の取付孔22bと腕取付部材23の長孔24bを、それぞれ連通させた状態で軸25を挿通し、留め具26により固定することで腕部材21と腕取付部材23を一体としている(図3参照)。
【0026】
このとき、腕部材21は基端位置211に挿通された軸25を支点として、中間位置2
12に挿通された軸25が長孔内24bを移動することによって先端213を開放方向Oおよび閉鎖方向Cに揺動することができるため、より広範囲に浮遊するゴミGをゴミ回収部1の内方へ案内して回収することができる(図4参照)。
【0027】
なお、腕部材21の先端213は柔軟性を有することがより好ましい。
【0028】
また、外周浮き27は基盤1へ浮力を与えるとともに、基盤1が回転する際に水の抵抗を受けることで、基盤1全体の回転速度が適度な回転速度になるよう調整する役割を発揮するものである。
【0029】
羽根30は、平面視凸四角形であって所定の一辺32に連続する長い辺33および短い辺34の長さが異なる形状の可撓性を有するシート31からなる。
【0030】
シート31の一辺32および対向する辺35には、それぞれ所定の幅の折り返し部36
,37が形成されている。
【0031】
そして、長い辺33の両端33a,33b同士を近づけるように撓ませた状態で、折り返し部36,37を外側に折り返し、折り返し部36,37同士が略並行になった状態で前記基盤1に固定することで、長い辺33の方が短い辺34よりも高さのある半ドーム状の羽根30を形成するものである(図5参照)。
【0032】
このように羽根30を半ドーム状とし、全ての羽根30を一定の向きに設置することで
、基盤1全体の回転方向を所望の方向に限定することができる。
【0033】
なお、本実施の形態において折り返し部36,37は外側へ折り返すものとしたが、内側に折り返すものとしてもよいことは勿論である。
【0034】
符号40は垂直羽根であり、基盤1から垂直に立設する16本の柱41および各柱41を連結する円形の補強枠42からなる骨組に取り付けられており、前記柱41と一体に固定されている。
【0035】
ゴミ貯留部3は、基盤1の下面11に固定された環状の内周浮き50と、前記内周浮き50の周面51の複数箇所に貫通形成された導入口52と、前記基盤1の上面12に貫通形成された取出口60と、基盤1の中央の空洞に配置された略円柱状の中央浮き70と、を有する。
【0036】
内周浮き50は、全体として環状を呈し、その周面51には中心へ向けて貫通形成された4つの導入口52が設けられている。
【0037】
また、貫通形成した各導入口52と内周浮き50内部の間は、内周浮き50内部であって基盤1と海面Sとの間の空間54に連通する通路53となっている。
【0038】
更に、各導入口52における回転方向Rに対する後端縁521には内周浮き50の周面51より突出してゴミ回収部1の回転方向Rと同方向に延びる案内板55が取り付けられている。
【0039】
このとき、内周浮き50にはその下面56の全面を覆うネット57が取り付けられているため、仮に前記空間54に回収したゴミGが沈んでしまったとしても再び洋上に流出する心配がない。
【0040】
基盤1の上面12に複数形成された各取出口60には開閉可能な蓋が取り付けられており、平常時は蓋を閉鎖しておき、空間54内に回収したゴミGを回収する際に蓋を開放するものである。
【0041】
中央浮き70は、基盤1の中央に形成された空洞に配置されるものであって、前記中央浮き70にアンカー71を取り付けることで洋上における洋上ゴミ回収装置100全体の位置を固定することを可能とするものである。
【0042】
以上の構成を有する本発明の洋上ゴミ回収装置100は、ゴミ回収部2の羽根30が洋上の風を受けることによって基盤1全体が図1に示すR方向に回転し、腕20によって海面Sに浮遊するゴミGを内方へ掻き込み、ゴミ貯留部3の内周浮き50の周面51に形成した各導入口52から前記ゴミGを内周浮き50内の空間54へ導入して貯留し、前記空間54と連通して基盤1の上面12に複数形成された各取出口60から前記ゴミGを取り出し可能としたものである。
【0043】
このとき、各導入口52に案内板55が取り付けられていることによって、ゴミ回収部2の内方へ掻き込まれたゴミGをこの案内板55に沿って導入口52の中へとスムーズに導入することができる。
【0044】
また、本実施の形態において、ゴミ回収部2とゴミ貯留部3は共通の基盤1を用いているため、互いに同期して回転するが、例えばゴミ回収部2とゴミ貯留部3を独立した別体として構成し、各々が独立して回転するようにしてもよい(図示せず)。
【0045】
図7図1に示した洋上ゴミ回収装置100を複数備えた複合洋上ゴミ回収装置200を示す図であり、本実施の形態は、平面視円形にくり抜かれた形状の複数の収容部220を外周230に有するフロート本体210の前記各収容部220に前記洋上ゴミ回収装置100をそれぞれ収容してなるものである。
【0046】
本実施の形態の複合洋上ゴミ回収装置200によれば、単独の洋上ゴミ回収装置100よりも広範囲にわたって洋上のゴミを回収することができるとともに、内部240に設けたスペースを例えば人口浮島のごとく、居住施設、環境改善化施設、観測施設、発電施設その他種々の目的に有効利用することができる。
【0047】
フロート本体210は一体に固定した複数の柱型浮き250の浮力によって洋上に浮遊するものとしているが、例えばフロート本体210そのものを浮力を発揮する素材により構成してもよく、洋上に浮遊させる方法はその他任意の方法によることができる(図8図9参照)。
【0048】
洋上ゴミ回収装置100の基盤1の外周に複数のローラー4が取り付けられており、このローラー4がフロート本体210の収容部220の内周に接触することで、洋上ゴミ回収装置100の基盤1が直接ぶつかることがないため、洋上ゴミ回収装置100の基盤1をスムーズに回転させることができるとともに衝突による故障の発生を防止できる(図1
0参照)。
【0049】
本発明によれば、洋上を浮遊するゴミの種別を問わず広範囲にわたって自動的に回収が可能であって、電力その他の人工的な動力を用いることがなく、洋上の風のみによって駆動するためメンテナンス不要な洋上ゴミ回収装置を提供することができる。
【0050】
更に、前記洋上ゴミ回収装置を複数収容してなる複合洋上ゴミ回収装置とすることで、より大規模に洋上のゴミを回収することを実現することができるのみならず、内部に設けたスペースを例えば人口浮島のごとく、居住施設、環境改善化施設、観測施設、発電施設その他種々の目的に有効利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 基盤、2 ゴミ回収部、3 ゴミ貯留部、4 ローラー、11 下面、12 上面、20 腕、21 腕部材、22a,22b 取付孔、23 腕取付部材、24a 丸孔、24b 長孔 、25 軸、26 留め具、27 外周浮き、211 基端位置、212 中間位置、213 先端、30 羽根、31 シート、32 一辺、33 長い辺、34 短い辺、35 対向する辺、36,37 折り返し部、40 垂直羽根、41 柱、42 補強枠、50 内周浮き、51 周面、52 導入口、53 通路、54 空間、55 案内板、56 下面、57 ネット、60 取出口、70 中央浮き、71 アンカー、100 洋上ゴミ回収装置、200 複合洋上ゴミ回収装置、210 フロート本体、220 収容部、230 外周、240 内部、250 柱型浮き、G ゴミ、S 海面、R 回転方向、C 閉鎖方向、O 開放方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10