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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221028BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020017219
(22)【出願日】2020-02-04
(65)【公開番号】P2021122439
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】海野 達也
(72)【発明者】
【氏名】中谷 竜二
(72)【発明者】
【氏名】水野 嘉中
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-024781(JP,A)
【文献】特開2020-000670(JP,A)
【文献】特開2017-140235(JP,A)
【文献】特開2010-178834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽選で当選すると遊技者に特典を付与すると共に、前記抽選の結果を報知する図柄演出と、前記図柄演出と共に行われ、該図柄演出で結果が報知される前記抽選の結果を示唆又は報知する複数の種類の予告演出と、を実行可能な弾球遊技機であって、
遊技球が始動領域に進入したことに起因して数値データを抽出し、該数値データの保留記憶を行う保留記憶手段と、
前記保留記憶がなされた前記数値データに基づき、前記抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段による前記抽選の前に、該抽選に係る前記数値データの判定を行う先読み判定手段と、
前記抽選に係る前記数値データに基づき前記予告演出の前記種類を選択し、選択した前記種類の前記予告演出を実行する予告演出手段と、
前記先読み判定手段による判定結果に基づき、第1予告演出の終了時に第2予告演出が選択される前記数値データについての前記保留記憶が存在し得るか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、前記第2予告演出が開始されるまでに中間演出を開始すると共に、否定判定が得られた場合には、前記中間演出を開始しない中間演出手段と、を備え、
前記第1予告演出とは、予め定められた前記種類の前記予告演出であると共に、前記第2予告演出とは、前記第1予告演出により結果が示唆又は報知される前記抽選よりも後に行われる前記抽選の結果を示唆又は報知する前記予告演出であって、前記第1予告演出に対応する前記種類の前記予告演出であり、前記第1及び第2予告演出では、同一のキャラクタが表示されること、
を特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
始動口への入球に起因して乱数を抽出し、該乱数に基づき大当り抽選を行うと共に、演出図柄の変動表示を行う図柄演出により、大当り抽選の結果を報知するパチンコ機が知られている(例えば、特許文献1)。このようなパチンコ機では、図柄演出中、大当り抽選での当選を示唆する様々な演出が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-115555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的に、各大当り抽選について行われる演出の内容は、始動口への入球時に抽出された乱数等に基づき個別に決定される。このため、特定の複数の大当り抽選に対応する演出同士に関連性や連続性等を持たせることは困難であり、演出に興趣を欠く場合があった。
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、演出の興趣を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に係る発明は、抽選で当選すると遊技者に特典を付与すると共に、抽選の結果を報知する図柄演出と、図柄演出と共に行われ、該図柄演出で
結果が報知される抽選の結果を示唆又は報知する複数の種類の予告演出と、を実行可能な弾球遊技機であって、遊技球が始動領域に進入したことに起因して数値データを抽出し、該数値データの保留記憶を行う保留記憶手段と、保留記憶がなされた数値データに基づき、抽選を行う抽選手段と、抽選手段による抽選の前に、該抽選に係る数値データの判定を行う先読み判定手段と、抽選に係る数値データに基づき予告演出の種類を選択し、選択した種類の予告演出を実行する予告演出手段と、先読み判定手段による判定結果に基づき、第1予告演出の終了時に第2予告演出が選択される数値データについての保留記憶が存在し得るか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、第2予告演出が開始されるまでに中間演出を開始すると共に、否定判定が得られた場合には、中間演出を開始しない中間演出手段と、を備え、第1予告演出とは、予め定められた種類の予告演出であると共に、第2予告演出とは、第1予告演出により結果が示唆又は報知される抽選よりも後に行われる抽選の結果を示唆又は報知する予告演出であって、第1予告演出に対応する種類の予告演出であり、第1及び第2予告演出では、同一のキャラクタが表示される。
【0006】
上記構成によれば、対応する複数の種類の予告演出が比較的短い間隔を開けて連続的に行われる場合に、これらの予告演出の間に中間演出を行うことができる。そして、中間演出により、これらの予告演出を関連付けたり、これらの予告演出にストーリー性を持たせたりすることができる。つまり、偶発的に起こった事象を、連続した演出のように見せることができ、演出の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】パチンコ機の正面図である。
図2】パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図3】遊技盤に設けられた確変決定装置の正面図である。
図4】パチンコ機の裏面図である。
図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図6】当り図柄について説明するための表である。
図7】メインルーチンについてのフローチャートである。
図8】始動口入賞確認処理についてのフローチャートである。
図9】当否判定処理についてのフローチャートである。
図10】当否判定処理についてのフローチャートである。
図11】当否判定処理についてのフローチャートである。
図12】当否判定処理についてのフローチャートである。
図13】大当り遊技処理についてのフローチャートである。
図14】大当り遊技処理についてのフローチャートである。
図15】大当り遊技処理についてのフローチャートである。
図16】大当り遊技処理についてのフローチャートである。
図17】特定演出が行われる際の演出画面の説明図である。
図18】特定モード判定処理のフローチャートである。
図19】特定モード制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、本実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
【0009】
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0010】
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、遊技ボタン67が設けられている。
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。
【0011】
なお、図1の49は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠49に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって右横には、普通図柄作動ゲート22が設置されている。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行われる。
【0012】
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して第1特別図柄(第1特図或いは特図1とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選(当否判定)が行われる第1始動口11が設置されている。また、センターケース5の右横であって、普通図柄作動ゲート22の直下には、遊技球の入球に起因して第2特別図柄(第2特図或いは特図2とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第2始動口12が設置されている。
【0013】
第1始動口11は、左打ち(センターケース5の左側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(左打ち領域)に配置されていると共に、第2始動口12は、右打ち(センターケース5の右側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(右打ち領域)に配置されている。
このため、左打ちを行うことで第1始動口11を狙い打つことができると共に、右打ちを行うことで第2始動口12を狙い打つことができる。
【0014】
なお、第1,第2始動口11,12の配置は、これに限定されることはなく、例えば、第1,第2始動口11,12を上下に並べてセンターケース5の下方に配置しても良いし、第1始動口11を右打ち領域に、第2始動口12を左打ち領域に配置しても良い。
第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。なお、閉鎖時であっても、稀に入球可能な構成としても良い。
【0015】
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶されると共に、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。
【0016】
また、センターケース5の下方においては、第1始動口11の右側であって、第2始動口12の下方には、特別電動役物からなる大入賞口20が設けられている。大入賞口20は、右打ちされた遊技球が主に入球する位置に配されている。無論、大入賞口20の配置は、これに限定されることはなく、例えば、左打ち領域に大入賞口20を配置しても良い。
【0017】
また、大入賞口20の下側には、大当り遊技(換言すれば、特別遊技)中に大入賞口20に入球した遊技球が誘導され、大当り遊技終了後に確変状態(大当り抽選で当る確率が高確率となる状態)となることを決定するための確変決定装置13が配置されている。なお、確変決定装置13の詳細については、後述する。
遊技盤1における向かって左側の領域には、複数(例えば、7個程度)のLEDを備える第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置23及び第2特図保留数表示装置24が設置されている。また、遊技盤1における向かって右下の領域には、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
【0018】
第1特図表示装置9では特図1が、第2特図表示装置10では特図2が表示されるが、第1,第2特図表示装置9,10は、これらの特図を表示する際の各LEDの点灯パターンを変則的なものとすることで、遊技者が特図の判別を不可能或いは困難とする。なお、第1,第2特図表示装置9,10を構成するLEDの並びを変則的なものとすることで、遊技者が表示された特図を判別することを不可能或いは困難としても良い。
【0019】
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの演出画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。
【0020】
また、センターケース5の下方であって、第1始動口11の左方には、一般入賞口25~27が配置されている。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
次に、確変決定装置13の構成について説明する。
【0021】
図3に記載されているように、確変決定装置13は、大入賞口20に入球した遊技球が排出される排出口13aと、確変状態への移行を決定するための特定領域15と、特定領域15を閉鎖或いは開放するシャッター14を備える。
既に述べたように、大当り遊技中に大入賞口20に入球した遊技球は、排出口13aから排出される。特定領域15が閉鎖されているときに排出口13aから遊技球が排出されると、該遊技球はシャッター14によりはずれ口13bに誘導される(図3(a)参照)。一方、特定領域15が開放されているときに排出口13aから遊技球が排出されると、該遊技球は特定領域15に入球し、大当り遊技が終了すると共に、大当り遊技後に確変状態となることが決定される(図3(b)参照)。
【0022】
また、図4に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図4に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71,タンクレール72,払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
【0023】
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図4では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技枠側)に配されている。
【0024】
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84,電源基板にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
【0025】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート22に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW22a、一般入賞口25~27に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW25a等からの検出信号が入力される。
また、このほかにも、大入賞口20に入球した遊技球を計数するためのカウントSW20a、確変決定装置13に設けられた特定領域15に入球した遊技球を検出する確変SW15aからの検出信号が入力される。
【0026】
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9,第2特図表示装置10,第1特図保留数表示装置23,第2特図保留数表示装置24,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
【0027】
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド20bを制御することで大入賞口20の開閉を制御すると共に、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、シャッターソレノイド14aを制御することで、シャッター14を制御し、確変決定装置13に設けられた特定領域15の開閉状態を切り替える。シャッター14が開放状態である場合には、遊技球の特定領域15への進入が可能となり、シャッター14が閉鎖状態である場合には、遊技球の特定領域15への進入が不可能となる。
【0028】
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ30を稼働させて賞球を払い出させる。本実施形態においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW31の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW31の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0029】
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW45,内枠閉鎖SW46,球切れSW33,払出SW31,満杯SW32からの信号が入力され、満杯SW32により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW33により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ30を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW32,球切れSW33も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ30の駆動を再開させる。
【0030】
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板34を介してCRユニット56と交信することで払出モータ30を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW31に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板34は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
【0031】
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施形態のパチンコ機50は遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0032】
発射制御装置84は、発射モータ40を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW38からのタッチ信号、発射停止SW39から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW39を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0033】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信する。なお、サブ統合制御装置83は、主制御装置80に対しデータを送信しない。そして、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0034】
音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ28を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、遊技ボタン67が接続されており、遊技者が遊技ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0035】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)等の演出画面を表示させる。
【0036】
[動作の説明]
(1)概要について
次に、本実施形態におけるパチンコ機50の動作について説明する。パチンコ機50は、所謂ST機として構成されていると共に、確変機能及び開放延長機能が搭載されている。すなわち、パチンコ機50では、大当り抽選にて大当りに当選すると大当り遊技が行われる。大当り遊技では、予め定められた総ラウンド数(一例として、4R又は10R)にわたって大入賞口20が開放される。そして、大当り遊技の終了後には、予め定められた回数(ST回数)の大当り抽選が行われるまでの間、開放延長機能、又は、開放延長機能及び確変機能を作動させることで、遊技者に特典が付与される。以後、該特典が付与される期間を、STとも記載する。
【0037】
なお、確変機能とは、大当り抽選で当選する確率を上昇させる機能である。以後、確変機能が作動した遊技状態を、確変状態又は高確率状態と記載し、確変機能が作動していない遊技状態を、低確率状態とも記載する。一方、開放延長機能とは、普通図柄抽選の当選確率を上昇させる、普通図柄抽選で当選した際の第2始動口12の開放時間を長くする、普通図柄抽選がなされた際の普通図柄表示装置7での変動表示時間を短くする等の方法により、第2始動口12への入球を容易にする機能である。また、開放延長機能と共に作動し、特別図柄表示装置での変動表示時間を短くする時短機能も設けられている。以後、開放延長機能及び時短機能が作動した遊技状態を、電サポとも記載する。また、確変機能及び開放延長機能が作動していない遊技状態を、通常状態とも記載する。
【0038】
ST中は電サポとなるため、第2始動口12への入球が容易となる。このため、ST中は右打ちを行い、第2始動口12への入球を狙う遊技が行われる。一方、電サポでない場合には、第2始動口12への入球は困難となる。このため、ST中でない場合には、左打ちを行い、第1始動口11への入球を狙う遊技が行われる。
また、パチンコ機50では、大当りが発生した際に第1、第2特図表示装置9、10に確定表示される特図(以後、当り図柄とも記載)として、複数の種類が設けられている。そして、図6(a)、(b)に示すように、当り図柄に応じて、大当り遊技の総ラウンド数と、大当り遊技後に付与される特典の内容が定められる。具体的には、特図1の各当り図柄は、特1当り図柄1、2に区分されると共に、特図2の各当り図柄は、特2当り図柄1~3に区分される。なお、これらの区分の各々は、複数の種類の当り図柄を含んでいる。
【0039】
そして、当り図柄が特1当り図柄2、又は、特2当り図柄2,3である大当りは、確変大当りとして構成されている。確変大当りに起因して行われる確変大当り遊技では、後述するV入賞が発生可能であり、V入賞が生じると、確変大当り遊技後のSTでは、確変機能及び開放延長機能が作動する。一方、確変大当り遊技にてV入賞が生じなかった場合には、大当り遊技後のSTでは、確変機能は作動しないが開放延長機能は作動する。
【0040】
一方、当り図柄が特1当り図柄1、又は、特2当り図柄1である大当りは、通常大当りとして構成されている。通常大当りに起因して行われる通常大当り遊技では、実質的にV入賞は生じず、通常大当り遊技後のSTでは、確変機能は作動しないが開放延長機能が作動する。
また、ST回数は、特1当り図柄1,2,及び、特2当り図柄1~3の各区分に属するいずれの図柄が当り図柄であるかに応じて、20回、50回、100回のうちのいずれかに設定される。
【0041】
一方、確変大当り遊技では、一例として、第4Rが特定ラウンドとして構成されており、確変大当り遊技における第4Rは、大入賞口20に入球した遊技球が、確変決定装置13における特定領域15に進入するV入賞が可能となっている。一方、確変大当り遊技における第4R以外のラウンドと、通常大当り遊技における全ラウンドは、V入賞が実質的に不可能な通常ラウンドとして構成されている。
【0042】
具体的には、特定ラウンド及び通常ラウンドでは、ラウンド開始時はシャッター14が閉鎖状態となるが、大入賞口20に1回目の入球が生じた後、短期間にわたりシャッター14が開放状態となる。なお、この1回目の開放状態となった時には、シャッター14の開放期間が短いため、大入賞口20に入球した遊技球は実質的に特定領域15に進入せず、V入賞は発生しない。
【0043】
そして、通常ラウンドでは、1回目の開放状態となった後は、ラウンド終了までシャッター14が閉鎖状態となる。一方、特定ラウンドでは、1回目の開放状態となった後、シャッター14が閉鎖状態となり、その後、大入賞口20に2回目の入球が生じると、ラウンドが終了するまでシャッター14が開放状態となる。この2回目の開放状態となった時には、大入賞口20に入球した遊技球は容易に特定領域15に進入し、特定ラウンドでは、ほぼ確実にV入賞が発生する。そして、特定ラウンドにてV入賞が生じると、大当り遊技後のSTにて確変機能が作動する。
【0044】
なお、本実施形態では、一例として、確変大当り遊技における第4Rが特定ラウンドとして構成されているが、確変大当り遊技における他のラウンドを特定ラウンドとしても良い。また、例えば、当り図柄の種類に応じて、特定ラウンドが決定されるようにしても良い。
(2)メインルーチンについて
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
【0045】
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S70に処理を移行する。
【0046】
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50)、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S60)、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)を行う。
【0047】
なお、これ以外にも、遊技球の普通図柄作動ゲート22の通過に起因して普通図柄抽選等を行う普図当否判定処理や、普通電動役物(第2始動口12)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理等が行われる。
また、当否判定処理に続いて、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が行われる。
また、S70では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
【0048】
(3)始動口入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶等を行う始動口入賞確認処理について、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
【0049】
S100では、主制御装置80は、第1始動口SW11aの検出信号に基づき、第1始動口11への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、S115に処理を移行する。
S105では、主制御装置80は、第1始動口11に対応する特図についての保留記憶の数(第1保留記憶)が、最大値(一例として4)に達しているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S105:Yes)、S115に処理を移行し、否定判定の場合は(S105:No)、S110に処理を移行する。
【0050】
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、当り図柄を決定する大当り図柄決定用乱数や、図柄演出においてリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を第1保留記憶として記憶すると共に、何個の第1保留記憶が生じているかを示す第1保留数コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し、S115に処理を移行する。
【0051】
なお、S110では、主制御装置80は、第1保留記憶に係る大当り決定用乱数等(換言すれば、数値データ)が特定値であるか否かを判定することで、高確率状態である場合と低確率状態である場合との各々について、該第1保留記憶に基づく大当り抽選で大当りが生じるか否かや、該大当り抽選の結果を報知する図柄演出にて後述する特定演出が行われるか否かを判定する先読みを行う。なお、特定演出が行われるか否かは、該第1保留記憶に係る乱数から把握される特別図柄の変動時間に基づき判定されても良い。そして、先読み結果を示す先読みコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。
【0052】
S115では、主制御装置80は、第2始動口SW12aの検出信号に基づき、第2始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S115:Yes)、S120に処理を移行し、否定判定の場合は(S115:No)、本処理を終了する。
S120では、主制御装置80は、第2始動口12に対応する特図についての保留記憶の数(第2保留記憶)が、最大値(一例として4)に達しているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S120:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合は(S120:No)、S125に処理を移行する。
【0053】
S125では、主制御装置80は、大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数やリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を第2保留記憶として記憶すると共に、何個の第2保留記憶が生じているかを示す第2保留数コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
なお、主制御装置80は、第2保留記憶に係る大当り決定用乱数等に対し上述した先読みを行い、先読みコマンドをサブ統合制御装置83に送信する。
【0054】
(4)当否判定処理について
次に、保留記憶に係る大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、図9~12のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。また、本処理の終了後は、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が実行される。
【0055】
まず、図9に関して、S200では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
S205では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、図11のS280に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
【0056】
S210では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、図12のS290に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、図10のS215に処理を移行する。
続いて図10に関して、S215では、主制御装置80は、第1保留記憶及び第2保留記憶の有無を判定し、いずれかの保留記憶が存在する場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、そうでない場合には(S215:No)、本処理を終了する。
【0057】
S220では、主制御装置80は、第2保留記憶が存在する場合には、第2保留記憶のうち最先に生じたものを選択し、第2保留記憶が存在せず、第1保留記憶のみが存在する場合には、第1保留記憶のうち最先に生じたものを選択する。なお、第1及び第2保留記憶のうち、最先に生じたものを選択する構成としても良い。
S225では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、S235に処理を移行する。
【0058】
S230では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選で大当りとなるか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
一方、S235では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態で無い場合に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選で大当りとなるか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
【0059】
S240では、主制御装置80は、大当り抽選で大当りが生じたか否かを判定し、肯定判定の場合には(S240:Yes)、S245に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S240:No)、S260に処理を移行する。
S245では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき当り図柄を決定する。なお、大当り図柄決定用乱数に基づく決定の結果、第1特図,第2特図に対応する各当り図柄は、予め定められた振分率に従いランダムに選択される。そして、S250に処理を移行する。
【0060】
S250,S255では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定すると共に、当り図柄に基づき、大当りの種類や、大当り遊技の総ラウンド数や、特定ラウンドにおけるシャッター14の制御態様や、大当り遊技後の遊技状態や、ST回数等を決定し、S270に処理を移行する。
一方、大当り抽選で外れた際に移行するS260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
【0061】
S265では、主制御装置80は、ST中に実行可能な大当り抽選の残り回数(ST残り回数)を示すカウンタの更新等を行い、S270に処理を移行する。
S270では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り抽選後の第1保留記憶の数を示す第1保留数コマンドと、大当り抽選後の第2保留記憶の数を示す第2保留数コマンドとを送信する。また、消化した保留記憶に対応する特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し、特別図柄の変動時間や大当り抽選の結果等を示す変動開始コマンドを送信することで図柄演出を開始させる。さらに、サブ統合制御装置83に対し、停止表示させる演出図柄を指示する図柄指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0062】
続いて図11に関して、第1特図或いは第2特図の変動表示中に移行するS280では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S280:Yes)、S285に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S280:No)、本処理を終了する。
S285では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0063】
続いて図12に関して、特図の確定表示中に移行するS290では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S290:Yes)、S295に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S290:No)、本処理を終了する。
S295では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S300に処理を移行する。
【0064】
S300では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S300:No)、S335に処理を移行する。
S305では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグがセットされている場合には確変フラグをクリアし(S310)、その後、S315に処理を移行する。
【0065】
S315では、主制御装置80は、電サポであることを示す電サポフラグを参照すると共に、電サポフラグがセットされている場合には電サポフラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S325),役物連続作動装置作動開始処理(S327)を実行すると共に、大当り抽選での当選を通知するコマンドや、大当り遊技の種類や特典内容等を通知するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S330)、本処理を終了する。
【0066】
一方、S300にて否定判定が得られた場合に移行するS335では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグがセットされている場合には(S335:Yes)、ST残り回数を参照する(S340)。そして、ST残り回数が0である場合には(S340:Yes)、確変フラグをクリアし(S345)、S350に処理を移行する。
S350では、主制御装置80は、電サポフラグを参照し、電サポフラグがセットされている場合には(S350:Yes)、ST残り回数を参照する(S355)。そして、ST残り回数が0である場合には(S355:Yes)、電サポフラグをクリアし(S360)、S365に処理を移行する。
【0067】
S365では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、現在の遊技状態、及び、ST残り回数を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
(5)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技を行う大当り遊技処理について、図13~16のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、当否判定処理に続いて実行される。
【0068】
S500では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S510に処理を移行し、否定判定の場合には(S500:No)、本処理を終了する。
S510では、主制御装置80は、大入賞口20の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S510:Yes)、図14のS540に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S510:No)、S515に処理を移行する。
【0069】
S515では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S515:Yes)、図15のS600に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S515:No)、S520に処理を移行する。
S520では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S520:Yes)、図16のS645に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S520:No)、S525に処理を移行する。
【0070】
S525では、主制御装置80は、大当り抽選で大当りとなった後、大当り遊技が開始されるまでに行われる大当り開始演出の演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S525:Yes)、S530に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S525:No)、本処理を終了する。
S530では、主制御装置80は、当り図柄に対応する開放パターンに従い大入賞口20を開放させる大入賞口開放処理を実行する(第1Rの大当り遊技を実行する)と共に、ラウンド数を示す開放カウンタに1を設定し(S535)、本処理を終了する。なお、この時、主制御装置80は、第1Rが開始されることを示すコマンドを、サブ統合制御装置83に送信しても良い。
【0071】
続いて図14に関して、大入賞口20の開放中に移行するS540では、主制御装置80は、確変SW15aからの信号により、特定領域15への入球(換言すれば、V入賞)が生じたか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S540:Yes)、S545に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S540:No)、S550に処理を移行する。
【0072】
S545では、主制御装置80は、V入賞フラグをセットし、S550に処理を移行する。なお、この時、主制御装置80は、V入賞が生じたことを示すV入賞コマンドをサブ統合制御装置83に送信しても良い。
また、大入賞口20の開放中、主制御装置80は、大入賞口20への入球を検出する度に、サブ統合制御装置83に対し、大入賞口20への入球を報知するコマンドを送信する。また、S550では、主制御装置80は、大入賞口20に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S550:No)、S555に処理を移行する。
【0073】
S555では、主制御装置80は、開放パターンに応じて定められる大入賞口20の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S555:No)、本処理を終了する。
S560では、主制御装置80は、大入賞口20を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S565に処理を移行する。
【0074】
S565では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図15に関して、各ラウンドのインターバル中に移行するS600では、主制御装置80は、開放カウンタと大当り遊技の開放パターンとに基づき、最終ラウンドに到達しているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S600:No)、S615に処理を移行する。
【0075】
S605では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行すると共に、開放カウンタをクリアし(S610)、本処理を終了する。
一方、S615では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S615:Yes)、S620に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S615:No)、本処理を終了する。
【0076】
S620では、主制御装置80は、大入賞口20を開放させる大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし(S625)、本処理を終了する。なお、この時、主制御装置80は、新たに開始されるラウンドを示すコマンドを、サブ統合制御装置83に送信しても良い。また、主制御装置80は、大入賞口20の開放開始と同時にシャッター14の制御を開始する。
【0077】
続いて図16に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS645では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S645:Yes)、S650に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S645:No)、本処理を終了する。
続くS650,S655では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S660に処理を移行する。
【0078】
S660では、主制御装置80は、大当り遊技中に、確変決定装置13に設けられた特定領域15への入球が生じたことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S660:Yes)、S665に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S660:No)、S680に処理を移行する。
S665では、主制御装置80は、当り図柄に応じて先に決定されたST回数等を設定する。また、確変フラグと電サポフラグをセットすると共に(S670)、V入賞フラグをクリアし(S675)、S695に処理を移行する。
【0079】
一方、S680では、主制御装置80は、大当り遊技の終了後に電サポとなるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S680:Yes)、S685に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S680:No)、S695に処理を移行する。
S685では、主制御装置80は、当り図柄に応じて先に決定されたST回数等を設定する。また、電サポフラグをセットし(S690)、S695に処理を移行する。
【0080】
S695,S700では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドと、大当り遊技終了後の遊技状態、及び、ST回数を通知する状態指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
(6)演出について
パチンコ機50では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに基づき演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の演出画面800やスピーカ66等を介して各種演出を行う。具体的には、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からの変動開始コマンド等に基づき、演出画面800にて、大当り抽選の結果を報知する図柄演出810を行うと共に、保留数コマンド等に基づき、演出画面800に保留図柄821~823を表示する保留演出820を行う(図17(a)参照)。また、保留記憶が消化された場合には、該保留記憶に対応する保留図柄に替えて変動中図柄830を表示する変動中演出が行われる。
【0081】
図柄演出810では、演出画面800にて演出図柄の変動表示を行った後に、演出画面800に演出図柄を確定表示することにより行われ、確定表示された演出図柄の組合せにより、大当り抽選で大当りとなったか否かが報知される。また、図柄演出810では、リーチとなることにより、当該図柄演出810にて結果が報知される大当り抽選での当選が示唆される。つまり、図柄演出810におけるリーチは、後述する予告演出として構成されている。なお、図柄演出810のリーチは、図柄演出810の途中で発生しても良いし、図柄演出810の開始時に発生しても良い。
【0082】
そして、本実施形態では、複数の種類のリーチが設けられており、各種類のリーチは、演出の対象となっている大当り抽選で当選する確率(以後、期待度)が固有に定められている。また、各種類のリーチは、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも期待度が高く、発生頻度が低いSPリーチとのうちのいずれかに分類される。なお、図柄演出以外の演出により、大当り抽選の結果を報知する構成としても良い。
【0083】
この他にも、サブ統合制御装置83は、例えば、演出画面800にて、図柄演出810と共に、該図柄演出810にて結果が報知される大当り抽選で大当りが発生することを示唆又は報知する複数の種類の予告演出を実行可能となっている。各予告演出には、該大当り抽選で大当りとなることの期待度が固有に定められており、予告演出の種類や態様により期待度が示される。また、予告演出は、図柄演出の開始時や、図柄演出の途中に開始され得る。
【0084】
具体的には、予告演出として、例えば、擬似連や、群予告や、カットイン予告や、変動中図柄演出等が行われても良いし、予告演出では、例えば、所定のキャラクタ等の画像要素を表示させても良い。なお、擬似連とは、図柄演出において、擬似的に変動表示を停止させた後に再度変動表示を開始することで、1回の図柄演出で複数回の図柄演出が行われるように見せる演出である。また、群予告とは、複数の演出要素の群れを演出画面800に表示する演出であり、カットイン予告とは、所定の画像を一時的に演出画面800に表示する演出である。また、変動中図柄演出とは、変動中図柄として、大当りの期待度が高いことを示す図柄を表示する演出である。
【0085】
この他にも、保留記憶に基づく大当り抽選が行われる前に、該大当り抽選で大当りになることを示唆又は報知する先読み演出が行われても良い。先読み演出では、当該先読み演出の対象となる保留記憶に対応して、該保留記憶に基づく大当り抽選での大当りの期待度に応じた態様の保留図柄が表示されても良い。この他にも、先読み演出では、保留図柄を用いること無く、例えば、カットイン演出を行ったり、所定のキャラクタを表示させたりすることにより、期待度が示されても良い。また、先読み演出は、先読み演出の対象となる保留記憶の発生後から、該保留記憶が消化されるまでの間におけるいずれかのタイミングに開始される。
【0086】
(7)特定モードについて
ここで、本実施形態のパチンコ機50にて実行可能な予告演出(図柄演出810におけるリーチを含む)のうちの一部の種類の演出を、特定演出と記載する。なお、特定演出は、大当りへの期待度が相対的に高いか、又は、発生頻度が低い演出であることが望ましい。また、図柄演出におけるリーチを特定演出とする場合には、SPリーチを特定演出とするのが好適である。また、例えば、特定の演出図柄が表示された状態でのリーチを、特定演出としても良い。また、例えば、同一の種類の予告演出を特定演出としても良いし、複数の異なる種類の予告演出を特定演出としても良い。
【0087】
そして、図柄演出810の実行中に特定演出(以後、1回目の特定演出とも記載)が実行された場合において(例えば、特定演出であるSPリーチがハズレとなった場合等)、該特定演出の実行中に存在する保留記憶に基づく大当り抽選に対して再び特定演出(以後、2回目の特定演出とも記載)が行われる場合には、1回目の特定演出の終了後、2回目の特定演出が開始されるまでの間に、特定モードに移行する。
【0088】
ここで、保留記憶に対応して2回目の特定演出が行われるかどうかを判定するため、該保留記憶に対応して先読み判定を行うことが考えられる。このような先読み判定では、大当り抽選の結果のみならず、図柄演出でリーチやSPリーチが発生するか否かや、SPリーチの種類を判定するのが好適である。また、2回目の特定演出が行なわれる保留記憶で当選する場合には、敢えて1回目の特定演出と同じ特定演出を繰り返すようにしても良い。
【0089】
本実施形態では、一例として、図17(a)に示すように、熊の達吉という名前の主人公キャラクタ840が出現する予告演出(以後、達吉予告)を、特定演出としている。また、図17(a)における演出画面800では、保留演出820により保留記憶が3つ存在することが示されている。そして、一例として、これらの保留記憶のうち、3番目に消化される、保留図柄823に対応する保留記憶(以後、対象保留記憶)に基づく大当り抽選に対し、2回目の特定演出が行われる。
【0090】
このため、図17(a)における図柄演出810(換言すれば、1回目の特定演出)が終了し、保留図柄821に対応する保留記憶に基づく新たな図柄演出が開始されると、特定モードが開始される(図17(b)参照)。なお、特定モードの開始タイミングは、これに限らず、例えば、保留図柄821に対応する図柄演出の実行中に特定モードが開始されても良いし、保留図柄822に対応する図柄演出の開始時や、該図柄演出の実行中に、特定モードが開始されても良い。また、例えば、1回目の特定演出の実行中に、特定モードが開始されても良い。
【0091】
特定モード中の演出画面800では、一例として、特定演出である達吉演出に登場した主人公キャラクタ840と、敵キャラクタ850とが対戦する演出が行われる。特定モード中の演出は、達吉演出と関連性を有しており、特定モードを間に挟んで2回の達吉演出が行われることで、簡略的なストーリーが形成され、これにより、特定モード中の演出と2回の達吉演出との間に、連続性や関連性が生じる。なお、特定モード中、例えば、達吉演出と関連するセリフ等が表示されたり、音声出力されたりしても良い。
【0092】
また、特定モード中には、対象保留記憶よりも先に生じた保留記憶に対応する図柄演出810が、演出画面800における右上の領域にて行われる。そして、対象保留記憶に基づく大当り抽選の結果を報知する図柄演出810が開始されると、特定モードが終了すると共に、該図柄演出810と共に2回目の特定演出が行われる(図17(c)参照)。なお、該図柄演出810の開始後も特定モードを継続し、特定モード中に2回目の特定演出が行われるようにしても良い。
【0093】
なお、特定モード中の演出態様は、これに限定されず、適宜定めることができる。具体的には、例えば、特定モード中、例えば、短期間にわたって特定のキャラクタを出現させたり、特定のセリフ等を表示させたりする演出が行われても良い。このような場合であっても、2回の達吉演出と特定モード中の演出との間に連続性や関連性やストーリー性を持たせることができる。
【0094】
また、特定演出が行われた際に存在する保留記憶のうち、2番目又は4番目に消化される保留記憶が対象保留記憶となる場合においても、同様に特定モードに移行する。
また、特定演出が行われた際に存在する保留記憶のうち、最初に消化される保留記憶が対象保留記憶となる場合にも、特定モードに移行しても良い。つまり、連続的に実行される第1及び第2大当り抽選に対して特定演出が行われる場合にも、第1大当り抽選に対する1回目の特定演出の終了後、第2大当り抽選に対する2回目の特定演出が開始されるまでの間に、特定モードに移行しても良い。この場合、第2大当り抽選に対応する図柄演出の実行中に、特定モードを終了させた上で2回目の特定演出を開始しても良いし、特定モードを継続させたまま2回目の特定演出を開始しても良い。
【0095】
しかし、これとは反対に、特定演出が行われた際に存在する保留記憶のうち、最初に消化される保留記憶が対象保留記憶となる場合には、特定モードに移行しないものとしても良い。こうすることにより、演出が過度に複雑化するのを抑制できる。
また、特定演出が行われた場合において、対象保留記憶が存在しないにも関わらず、該特定演出が行われた図柄演出の終了後に特定モードに移行しても良い。つまり、特定演出が行われた後に特定モードに移行するものの、2回目の特定演出が行われないケースを設けても良い。反対に、1回目の特定演出が行われた場合において、例えば抽選により特定モードに移行するか否かを決定し、対象保留記憶が存在するにも関わらず、1回目の特定演出の終了後に特定モードに移行しないケースが生じるようにしても良い。これらの構成によれば、演出を多様化でき、遊技者を楽しませることができる。
【0096】
また、上述した具体例では、達吉予告が特定演出となっているが、これに限らず、例えば、複数の種類の予告演出を特定演出としても良い。また、特定演出となる複数の予告演出は、類似していても良いし、類似していないが何等かの関連性を有するものであっても良い。具体的には、例えば、同一のキャラクタが登場する複数の予告演出や、モチーフが共通する複数の予告演出等を、特定演出としても良い。また、例えば、図柄演出における特定のリーチとカットイン演出等といった具合に、種類の違う複数の予告演出を特定演出としても良い。こうすることにより、特定モードに移行する契機を増やしたり、演出を多様化したりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
【0097】
(8)特定モード判定処理について
次に、特定モードに移行するか否かを判定する特定モード判定処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83により定期的に実行される。
S900では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S900:Yes)、S905に移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S900:No)、S910に移行する。
【0098】
S905では、サブ統合制御装置83は、変動開始コマンドが示す変動時間や大当り抽選の結果等に基づき、新たに開始される図柄演出の態様や、図柄演出と共に行われる予告演出等を決定する。この時、図柄演出と共に特定演出が実行されるか否かが決定される。そして、サブ統合制御装置83は、図柄演出を開始すると共に、以後、S905での決定に従い、予告演出等を適宜実行する。
【0099】
続くS910では、サブ統合制御装置83は、実行中の図柄演出と共に特定演出が行われるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S910:Yes)、S915に移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S910:No)、本処理を終了する。
S915では、サブ統合制御装置83は、現在存在する保留記憶に基づく大当り抽選に対し、2回目の特定演出が行われるか否かを判定する。換言すれば、現在存在する保留記憶の中に、上述した対象保留記憶が存在するか否かを判定する。具体的には、サブ統合制御装置83は、該保留記憶に対応する先読みコマンドの内容に基づき、該判定を行っても良い。そして、肯定判定が得られた場合には(S915:Yes)、特定モードの開始を支持する開始フラグをセットした後(S920)、本処理を終了し、否定判定が得られた場合には(S910:No)、本処理を終了する。
【0100】
なお、S915、S920の処理は、特定演出が行われる図柄演出中、定期的に実行されても良い。つまり、特定演出が行われる図柄演出中、新たに保留記憶が生じる度に、該保留記憶が対象保留記憶であるか否かを判定し、肯定判定が得られると、開始フラグセットし、特定演出の後に特定モードに移行するようにしても良い。これにより、特定演出中に対象保留記憶が生じた場合にも、確実に特定モードに移行できる。
【0101】
(9)特定モード制御処理について
次に、特定モードを開始又は終了させる特定モード制御処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83により定期的に実行される。
S1000では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに基づき、図柄演出の終了タイミングか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S1000:Yes)、S1005に移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S1000:No)、本処理を終了する。
【0102】
S1005では、サブ統合制御装置83は、特定モード中であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S1005:Yes)、S1010に移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S1005:No)、S1020に移行する。
S1010では、サブ統合制御装置83は、新たに消化される保留記憶が、当該保留記憶に基づく大当り抽選に対して2回目の特定演出が行われる上述した対象保留記憶であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S1010:Yes)、特定モードを終了した後(S1015)、本処理を終了すると共に、否定判定が得られた場合には(S1010:No)、本処理を終了する。
【0103】
一方、特定モード中ではない場合に移行するS1020では、サブ統合制御装置83は、開始フラグがセットされているか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S1020:Yes)、S1025に移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S1020:No)、本処理を終了する。
S1025では、サブ統合制御装置83は、特定モードを開始すると共に、開始フラグをクリアし(S1030)、本処理を終了する。
【0104】
なお、特定演出がリーチである場合において、1回目の特定演出としてのリーチがハズレとなり、次の図柄演出にて特定モードに移行し、該特定モード中に、2回目の特定演出としての該リーチが再び発生したときには、2回目の該リーチに対応する大当り抽選で必ず当選するようにしても良い。
これならば、特定演出であるリーチがハズレとなった場合でも、その後に特定モードに移行する可能性があるため、遊技者を楽しませることができる。また、該リーチがハズレとなった後に特定モードに移行した場合には、該特定モード中に再び該リーチが発生して当選が確定するという可能性があり、これにより、遊技者を楽しませることができる。この場合、同じリーチが2回行なわれることに意味があるようにリーチと特定モードとの演出内容を定めれば、複数の図柄演出にわたるストーリーを形成し、連続性のある演出とすることができる。
【0105】
このように、単純にリーチの演出内容だけで楽しませるだけでなく、特定演出として構成された特定のリーチでハズレとなった場合のみ移行できる特別な演出モード(換言すれば、特定モード)を設け、該演出モード中には再び該リーチが発生し易くしたり、該リーチが必ず発生するようにしたりし、特別な期間を形成することにより、遊技者に驚きと喜びを与えることができる。
【0106】
なお、関連性のある2種類の異なるリーチを特定演出とした場合には、1回目、2回目の各特定演出として異なるリーチが行われることで、リーチの演出内容がステップアップしたように見せることができる。さらに、2回目の特定演出としてのリーチを、特定モード中のみに発生する専用のリーチとしても良い。また、この専用のリーチが発生した場合には、必ず大当り抽選で当選するようにしても良い。また、この専用のリーチとして、期待度の異なる複数の種類のリーチを設け、該リーチの種類により、大当り抽選での当選への期待度を示しても良い。
【0107】
[他の実施形態]
上記実施形態のパチンコ機50は、所謂ST機として構成されているが、これに限らず、本発明は、保留記憶に基づく抽選を行う様々な種類のパチンコ機に適用できる。具体的には、例えば、上記実施形態のパチンコ機50は、例えば、所謂リミッタ機能付のパチンコ機として構成されていても良いし、所謂1種2種混合機として構成されていても良い。また、本発明は、例えば、普図の当否判定に対する演出に適用されても良い。
【0108】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
パチンコ機50が弾球遊技機の一例に相当し、サブ統合制御装置83、演出図柄制御装置82、及び演出図柄表示装置6が、予告演出手段及び中間演出手段の一例に相当し、第1,第2始動口11,12が始動領域の一例に相当する。また、大当り遊技が特典の一例に相当し、特定モードが中間演出の一例に相当する。
【0109】
また、始動入賞確認処理におけるS110,S125が、保留記憶手段の一例に相当する。
また、当否判定処理におけるS230,S235が抽選手段の一例に相当する。
また、特別モード判定処理のS905が予告演出手段の一例に、S910~S920が中間演出手段の一例に相当する。
【0110】
また、特別モード制御処理におけるS1025が、中間演出手段の一例に相当する。
【符号の説明】
【0111】
1…遊技盤、3…遊技領域、5…センターケース、6…演出図柄表示装置、7…普通図柄表示装置、8…普図保留数表示装置、9…第1特図表示装置、10…第2特図表示装置、11…第1始動口、12…第2始動口、13…確変決定装置、14…シャッター、15…特定領域、20…大入賞口、22…普通図柄作動ゲート、50…パチンコ機、80…主制御装置、81…払出制御装置、82…演出図柄制御装置、83…サブ統合制御装置。
図1
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