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特許7166015光アファイバと光学システムの部品との安全で管理された配置のためのモジュール式システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】光アファイバと光学システムの部品との安全で管理された配置のためのモジュール式システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20221028BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
G02B6/46
H01S3/067
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020503003
(86)(22)【出願日】2018-07-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 EP2018068447
(87)【国際公開番号】W WO2019016001
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】17181971.7
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520017801
【氏名又は名称】ウニベルズィテート ベルン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライジン、フィリップ リヒャルト
(72)【発明者】
【氏名】バッハー、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】リューダー シュカイブル、アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】ライザー、マニュエル アラン
(72)【発明者】
【氏名】イェンク、アードリアン
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-025230(JP,A)
【文献】特開2009-198603(JP,A)
【文献】特表2015-513698(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0033732(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/46 - 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御された安全な態様で光学システムの光ファイバを配置するためのモジュール式システム(1)であって、少なくとも、以下の部品である、
複数の直立したポスト(31)を有するモジュール式フレーム(30)であって、前記ポスト(31)は、前記ポスト(31)同士の近接距離が同一であるように前記フレーム(30)上に配置されており、各ポスト(31)は上端上に凹部(31a)を有する、モジュール式フレーム(30)と、
光ファイバを受け入れる複数のモジュール(20)であって、前記複数のモジュール(20)は少なくとも4つのコーナ(21)を有する、複数のモジュール(20)とを備え、
前記ポスト(31)は、前記複数のモジュール(20)のうち2~4つのモジュール(20)が、前記2~4つのモジュール(20)の前記コーナ(21)が単一のポスト(31)上に非オーバラップで配置され得るように、配置されており、
各モジュール(20)の前記コーナ(21)は、前記ポスト(31)上に固定手段により固定されることが可能であり、前記固定手段は、前記ポスト(31)の上端上の前記凹部(31a)内に係合するように設計されており、各モジュール(20)の前記コーナ(21)と及び前記固定手段は、前記固定手段が、前記フレーム(30)の単一のポスト(31)上に、非オーバラップで配置された前記2~4つのモジュール(20)を同時に固定し得るように設計されている、モジュール式システム(1)。
【請求項2】
各モジュール(20)は4つのコーナ(21)を有し、前記複数のモジュール(20)及び前記ポスト(31)は、前記複数のモジュール(20)のうち4つのモジュール(20)が、前記4つのモジュール(20)の前記コーナ(21)が単一のポスト(31)上に非オーバラップ態様で配置され得るように設計されている、請求項1に記載のモジュール式システム。
【請求項3】
前記ポスト(31)は、前記複数のモジュール(20)が、前記ポスト(31)上に規則的なパターンで配置され得るように、規則格子状に配置されており、前複数のモジュール(20)の側面(22a,22b)は各々、互いに90°又は120°の角度を囲み、前記複数のモジュール(20)の側面(22b)は、同じ長さを有する、請求項1又は2に記載のモジュール式システム。
【請求項4】
前記固定手段はネジであり、前記複数のモジュール(20)の各コーナ(21)は、4分の1又は3分の1扇形切欠き部(23)を有し、前記切欠き部(23)は前記ポスト(31)の前記凹部(31a)の周囲に配置されており、前記複数のモジュール(20)は前記フレーム(30)上に配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載のモジュール式システム。
【請求項5】
前記フレーム(30)は直線状かつ長尺のモジュール支持部材(33)を有し、前記モジュール支持部材(33)は、前記フレーム(30)の長尺の延在方向(34)が水平方向に沿った状態に配置されており、各モジュール支持部材(33)上方向に、少なくとも2つのポスト(31)が直立して配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のモジュール式システム。
【請求項6】
各モジュール支持部材(33)は、前記ポスト(31)の前記延在方向に直交する回転対称の断面を有する、請求項5に記載のモジュール式システム。
【請求項7】
各モジュール支持部材(33)は、前記モジュール支持部材(33)の前記長尺の延在方向(34)に沿って延在する長尺部(35)を有し、前記長尺部(35)は、前記長尺部(35)の第1の端部にある第1の接続部(35a)と、前記長尺部(35)の第2の端部にある第2の接続部(35b)とを有し、前記第1の接続部及び前記第2の接続部(35a,35b)は、第1のモジュール支持部材(33)の前記第1の接続部(35a)と第2のモジュール支持部材(33)の前記第2の接続部(35b)とが接続されると、前記第1のモジュール支持部材及び前記第2のモジュール支持部材(33)の前記長尺の延在方向に沿って直線状に延在する結合されたモジュール支持部材が形成されるように、互いに相補的に形成されている、請求項5又は6に記載のモジュール式システム。
【請求項8】
前記フレーム(30)はフレーム支持部材(36)を有し、前記フレーム支持部材(36)は、前記モジュール式システム(1)が組み立てられた状態にあるときに前記フレーム支持部材(36)が前記モジュール支持部材(33)より低い位置に配置されるように、かつ前記フレーム(30)が前記フレーム支持部材(36)にのみ装着され得るように、かつ前記モジュール支持部材(33)が前記モジュール式システム(1)の平坦な装着表面に接触しないように、配置されている、請求項~7のいずれか1項に記載のモジュール式システム。
【請求項9】
前記複数のモジュール(20)は、前記モジュール支持部材(33)のほうを向く平坦な下面を有し、前記複数のモジュール(20)は、電子部品(72,73)、フォトダイオード回路、モータの制御回路、温度制御システム、及び/又は熱電冷却又は加熱システムを、前記複数のモジュール(20)の前記下面に取り付けるために構成された、前記下面上の、凹部又はネジ溝付き凹部を有する、請求項~8のいずれか1項に記載のモジュール式システム。
【請求項10】
前記複数のモジュール(20)は、直立した突出要素(25)を有する上面(24)を有し、前記突出要素(25)は、光ファイバ(61)を配置及び誘導するためのファイバ誘導凹部(26)を形成しており、前記突出要素(25)は、前複数のモジュール(20)の前記上面(24)の中心(24c)に対して回転対称な形状をなして、又は前記複数のモジュール(20)の少なくとも1つの対称軸(24a)に対して対称な形状をなして、配置されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のモジュール式システム。
【請求項11】
前記複数のモジュール(20)の第1の種類のモジュール(201)は、90°の角度をなす等しい長さの側面(22b)を有し、各側面(22b)は3つの接続凹部(29a,29b)を有し、前記側面(22b)の中央に中央接続凹部(29b)が配置されており、前記中央凹部(29b)に対して対称に、前記コーナ(21)に、2つの外側接続凹部(29a)が配置されており、前記ファイバ誘導凹部(26)は前記接続凹部(29a,29b)に接続されており、前記ファイバ誘導凹部(26,26a)は、少なくとも部分的に、各々が弧(26a)、4分の1円弧をたどる、溝として形成されていて、ファイバ(61)が前記弧(26a)に沿って配置及び誘導され得るようになっており、
少なくとも1つの弧(26a)が、第1の端部により、前記外側接続凹部(29a)のうちの1つに接続しており、前記モジュール表面(24)の中心(24a)又は中心領域において、第2の端部を有し
少なくとも1つの弧(26a)が、前記少なくとも1つの弧(26a)の端部により、2つの隣り合う側面(22b)の前記中央接続凹部(29b)に接続しており、
前記モジュール(201)は、直線に沿って、対向する側面(22b)の前記中央接続凹部(29b)を接続しているファイバ誘導凹部(26)を有する、請求項10に記載のモジュール式システム。
【請求項12】
前記複数のモジュール(20)の第2の種類のモジュール(202)は、90°をなす、2つの長側面(22a)及び2つの短側面(22b)を有し、前記長側面(22a)は前記短側面(22b)の2倍の長さであり、前記突出要素(25)は、8の形状を有する経路に沿ってファイバ(61)が巻き付けられ、及び誘導され得るように、前記第2の種類のモジュール(202)の前記表面(24)上に配置されており、前記長側面(22a)は、各々、前記側面(22a)の中央の周りに対称に配置された6つの接続凹部(29a,29c)を有し、前記コーナ(21)に2つの外側接続凹部(29a)が配置されている、請求項10に記載のモジュール式システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のモジュール式システムを備えるファイバ光学システムアセンブリあって、光ファイバ(61)と、活性媒質、ファイバ光アイソレータ、ファイバ光カプラ、波長分割多重素子、インライン偏光子、レーザダイオード、ポンプ信号コンバイナ、からなる群から選択されるファイバ光学部品とをさらに備え、前記ファイバ光学システムアセンブリは、前記ファイバ光学部品を接続する前記ファイバ(61)は、前記モジュール式システム(1)上の前記複数のモジュール(20,201,202)上に配置されている、ファイバ光学システムアセンブリ。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか1項に記載のモジュール式システム(1)に供されるモジュール(201)であって、前記モジュール(201)の前記側面(22b)は、90°の角度を囲み、かつ同じ長さを有し、前記モジュール(201)は4つのコーナ(21)を有し、前記モジュール(201)の各コーナ(21)は、4分の1扇形切欠き部(23)を有し、
前記モジュール(201)は、直立した突出要素(25)を有する上面(23)を有し、
前記突出要素(25)は、前記モジュール(201)の前記上面(24)上に、光ファイバ(61)を誘導するファイバ誘導凹部(26)を形成しており、前記突出要素(25)は、少なくとも1つの前記モジュール(201)の少なくとも1つの対称軸(24a)に対して回転対称又は対称に配置及び/又は設計されており、前記モジュール(201)は、前記モジュール(201)の各側面(22b)上に、隣接モジュール(20,201)の接続凹部(29a,29b,29c)に光ファイバ(61)を中継する3つの接続凹部(29a,29b)を有し、前記側面(22b)の中央に中央接続凹部(29b)があり、前記中央接続凹部(29b)に対称に2つの外側接続凹部(29a)が配置されており、前記ファイバ誘導凹部(26)は前記接続凹部(29a,29b)に接続しており、前記ファイバ誘導凹部(26)は、少なくとも部分的に、各々が弧(26a)、4分の1円弧をたどる、溝として形成されていて、ファイバが前記弧(26a)に沿って配置及び誘導され得るようになっており、
少なくとも1つの弧(26a)が、第1の端部により、前記外側接続凹部(29a)のうちの1つに接続しており、前記モジュール表面(24)の中心(24a)において、第2の端部を有し
少なくとも1つの弧(26a)が、前記少なくとも1つの弧(26a)の端部により、2つの隣り合う側面(22b)の前記中央接続凹部(29b)に接続しており、
前記モジュール(201)は、直線に沿って、対向する側面(22b)の前記中央接続凹部(29b)を接続しているファイバ誘導凹部(26)を有する、モジュール(201)。
【請求項15】
請求項11に記載のモジュール式システムに供されるモジュール(202)であって、前記モジュール(202)は、各々が90°をなす、2つの長側面(22a)及び2つの短側面(22b)を有し、前記長側面(22a)は、前記短側面(22b)の2倍の長さであり、
前記モジュール(202)は4つのコーナ(21)を有し、前記モジュール(202)の各コーナ(21)は、4分の1扇形切欠き部(23)を有し、前記モジュール(202)は、直立した突出要素(25)を有する上面(24)を有し、
前記突出要素(25)は、前記モジュール(202)の前記上面(24)上に、光ファイバ(61)を配置及び中継するためのファイバ誘導凹部(26)を形成しており、前記突出要素(25)は、前記モジュール(202)の少なくとも1つの対称軸(24a)に対して回転対称又は対称に配置されており、
前記突出要素(25)は、8の形状を有する経路に沿ってファイバ(61)が巻き付けられ、及び誘導され得るように、前記モジュール(202)の前記表面(24)上に設計及び配置されており、前記長側面(22a)は、各々、前記側面(22a)の中央の周りに対称に配置された6つの接続凹部(29a,29c)を有し、前記モジュール(202)の前記コーナ(21)の隣りに2つの外側接続凹部(29a)が配置されており、前記モジュール(202)は、直線に沿って、対向する側面(22a)の前記中央接続凹部(29b)を接続しているファイバ誘導凹部(26)を有する、モジュール(202)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバ光学システムの光ファイバを、安全な、順応性のある、かつ整然とした態様で配置するためのモジュール式システムと、さらには、このようなモジュール式システムに供される複数のモジュールとに関する。ファイバ光学システムは、レーザシステム、光源、センサシステム、及び電気通信の分野で広く使用されている。
【背景技術】
【0002】
ファイバレーザシステムは、材料加工(例えば、シート切断、溶接、マーキング、又は微細加工)、医療、情報技術、及び基礎研究に広く使用されている。近年において、ファイバレーザは、伝統的なバルク固体状態レーザ及びガスレーザと比較して、継続的に需要がある。ファイバレーザの主な利点は、コンパクト性、堅牢性、低保守性、エネルギー効率性、光学位置合わせの容易さ、安定なレーザパラメータ、及び高ビーム品質である。
【0003】
ファイバ光学機器が、ウルトラポータブルであり、順応性があり、及び位置合わせ不要であるようになる見込みであるにも関わらず、ファイバ光学機器アセンブリを用いて作業する際の困難な課題が依然として存在する。
【0004】
ファイバ光学システムにおいて、小径のファイバと、さらには光ファイバのいくつかの計量の必要性とが与えられると、たちまち光学台上に光ファイバが増設されて、相当な乱雑さが生じる。
【0005】
この問題を解決する標準的な方法は、標準のファイバスプール(例えば、ソーラボ(Thorlabs)製)を使用することである。これらのスプールは光学台に固定され、ファイバ光学部品はこれらのスプール間に配置される。
【0006】
さらなる電子機器(すなわち、ADC、光子カウンタ、レーザダイオード、サーボモータ、AOMなど)が与えられると、セットアップされたコンパクトなブレッドボードでも、すぐに、可搬とはなり難くなる。プロジェクトの研究段階において可搬性は、通常、重要なことではないが、より多くが統合された開始するためのセットアップを有するのが望ましい体裁である。
【0007】
光学台上にファイバが大きく増設されるというさらなる有害な体裁は、光学セットアップを破壊するリスクを増大させる。
【0008】
破壊は、例えば、ファイバによって結合された装置から実験者が誤ってファイバをもぎ取るときに、起こり得る。
【0009】
こうして、特にファイバレーザのアセンブリの場合に、光ファイバは、もつれやすく、ファイバレーザセットアップを壊れやすいセットアップにする。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明に係る課題は、光学システムのファイバを増設配置することに関連する欠点を克服するシステムを提供することである。
【0011】
この課題は、請求項1の特徴を有するモジュール式システムによって、さらには、請求項13に係るファイバレーザと、請求項14及び15に係るモジュール式システムに供されるモジュールとによって、解決される。
【0012】
従属請求項及びその説明において、有利な実施形態が開示される。
【0013】
請求項1によれば、制御された態様で光学システムの光ファイバを配置するための積み重ね可能なモジュール式システムは、少なくとも、以下の部品である、
複数の直立したポストを有するモジュール式フレームであって、ポストは、ポスト同士の近接距離が同一であるようにフレーム上に配置されており、ポストは、特に、正方形状又は六角形状に配置されており、各ポストは上端上に凹部を有する、モジュール式フレームと、光ファイバを受け入れる少なくとも1つのモジュールであって、モジュールは、少なくとも4つ、特に4つ又は6つのコーナを有する、少なくとも1つのモジュールとを備え、
ポストは、4つ以下、特に3つ又は4つのモジュールが、4つ以下のモジュールのコーナが単一のポスト上で隣接した状態で隣り合って配置され得るように、配置されており、
各モジュールのコーナは、ポスト上で固定手段によって繰り返し固定及び解放されることが可能であり、固定手段、特にネジは、ポストの上端上の凹部内に繰り返し係合及び係脱するように設計されており、凹部は特にネジ溝を有し、固定手段と各モジュールのコーナとは、固定手段が、フレームの単一のポスト上に、4つ以下、特に3つ又は4つの隣同士が隣接して配置されたモジュールを同時に固定し得るように設計されている。
【0014】
規則的に間隔を置いて配置されたポスト、特に正方形状に配置されたポスト上に配置された複数のモジュールを備え得るこのようなモジュール式フレームは、本発明に係る課題を解決する。モジュールが光ファイバを受け入れるように構成されていることから、光ファイバをモジュール上に配置することができ、ファイバの長さに応じて、複数のモジュールが、ファイバを全長にわたって収容する好適な数のモジュールを含み得る。
【0015】
それゆえ、モジュール式システムのサイズを、構築される特定の光学システムに応じて、選択し、変化させることができる。
【0016】
本明細書の文脈における「モジュール式(modular)」との用語は、システムが複数の類似又は同一の構成要素によって組み立てられ得るというシステムの特性に関連する。
【0017】
モジュール式システムは、複数のポスト及びモジュールによって組み立てられ得る。
【0018】
「ファイバ(fibre)」との用語、及び「光ファイバ(optical fibre)」との語句は、その用途において同義に使用される、すなわち、ファイバは光ファイバである。
【0019】
「非オーバラップの(non-overlapping)」又は「隣接する(adjoining)」との用語は、モジュールがポスト上に隣り合って配置され得るが、モジュールが、特に同一平面上かつ同じ高さに配置される態様である、というモジュール式システムの特徴のことを指す。
【0020】
モジュール式システムの組み立てられた状態において、隣り合うモジュール及び隣接するモジュールは、互いを覆わない。同一平面上にある隣り合うモジュールのコーナは、特に、積み重ねられない。したがって、モジュール及びコーナの幾何形状は、特に、テセレーションを形成し得るようになっている。テセレーションは、長方形、正方形、又は六角形のテセレーションであり得る。
【0021】
固定手段は、全ての隣接するコーナを単一のポスト上に固定するように設計されている。それゆえ、固定手段は、モジュールがモジュール式フレーム上に固定されると、モジュールのコーナの少なくとも一部を覆うことになる。
【0022】
フレームは、特に、水平な平坦表面上に載置されるように構成されており、ポストが上方を向く、すなわち、ポストが当該表面に直交して配置されるようになっている。
【0023】
水平な表面は、デカルト座標系として使用されることが可能であり、この表面はx-y平面に広がり、ポストはz軸に沿った向きをなす。
【0024】
少なくとも1つのモジュールは、特に、水平な表面に対して平行である、すなわちx-y平面に沿っている。
【0025】
したがって、システムのモジュールは、特に、六角形状又は長方形の外形を有し得る。モジュールが六角形状の外形を有する場合に、ポストは、3つの異なるモジュールの3つのコーナを受け入れるように構成されており、モジュールが長方形の外形を有する場合に、ポストは、4つの異なるモジュールの4つのコーナを受け入れるように構成されている。
【0026】
本発明の実施形態によれば、モジュール式フレーム及び少なくとも1つのモジュールは、金属、特にアルミニウム、銅、又は鋼、特にステンレス鋼を含む、又はこれらである。
【0027】
金属は安定性をもたらし、モジュール式システムの部品は、比較的容易かつ高精度に製造され得る。特に、アルミニウムは、良好な熱特性及び取扱い特性をもたらす。
【0028】
特に、放熱するように設計されたモジュールは、金属から作製されている、又は金属を含む。
【0029】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つのモジュール又はモジュール支持部材は、ポリマー、特に熱絶縁ポリマー、より特には、ポリオキシメチレン([CAS-Nr 9002-81-7)、ポリエチレン(CAS-Nr:9002-88-4)、及び/又はポリプロピレン(CAS-Nr 9003-07-0)を含む、又はこれらからなる。
【0030】
このようなポリマーを含む、又はこのようなポリマーからなるモジュールは、断熱目的で使用されることが可能であり、例えば、このようなモジュール上に配置された高温又は暖温の部品を熱的に絶縁し、かつ安定化させるべき場合である。このポリマーは、モジュールが金属を含む、又は金属からなるとした場合よりも容易に、部品が所望の温度に維持され得るように、熱伝導を介した放熱をもたらす。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、各モジュールは4つのコーナを有し、モジュール及びポストは、4つのモジュールが、4つのモジュールのコーナが単一のポスト上に隣接する態様で存在する非オーバラップで配置され得るように設計されている。
【0032】
この実施形態は、ポスト上に載置されるモジュールに、本質的に長方形又は正方形の幾何形状をもたらす。
【0033】
本発明の別の実施形態によれば、ポストは、フレームのx方向及びy方向に沿って等間隔に配置されており、x方向及びy方向は、ポストの延在方向に、さらには互いに対して、直交する。
【0034】
上述したように、x方向及びy方向は、特に、フレームが載置される水平な表面のx-y平面内に延在する。
【0035】
本発明の別の実施形態によれば、ポストは、規則格子状に配置されており、少なくとも1つのモジュールのうちの複数のモジュールが、規則的なパターンで、特に、ポスト上のテセレーションとして、特に、長方形状、正方形状、又は六角形状をなして、特に少なくとも2行2列をなして、配置され得る。
【0036】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つのモジュールの側面は、各々、互いに90°又は120°の角度を囲み、本質的に長方形又は六角形のモジュールを形成し、少なくとも1つのモジュールの側面は、特に、同じ長さを有して、本質的に正方形又は正六角形を形成する。
【0037】
本発明の別の実施形態によれば、固定手段はネジであり、モジュールの各コーナは、4分の1又は3分の1扇形切欠き部を有し、モジュールがフレーム上に配置及び特に固定されると、切欠き部はポストの凹部の周囲に配置される。
【0038】
ネジを固定手段として使用することにより、ポスト上でモジュールを繰り返し固定及び解放することが可能になる。この理由で、モジュールのコーナは、ネジが、ポストのネジ溝付き凹部内に係合し得る(切欠き部を有する)ような形状をなす。
【0039】
さらには、コーナは、切欠き部の周囲に凹部を有することが可能であり、当該丸い凹部は、ネジ頭が当該凹部内に沈み得るような丸い形状でもある。
【0040】
本発明の別の実施形態によれば、フレームは直線状かつ長尺のモジュール支持部材を有し、モジュール支持部材は、フレームの長尺の延在方向が水平方向、特にフレームのx方向又はy方向、に沿った状態で配置されており、各モジュール支持部材上に、少なくとも2つのポストが、特にフレームのz軸に沿った向きをなして(水平な表面に直交する)、直立して配置されている。
【0041】
モジュール支持部材が、特に、モジュールの支持ビームであり、ポストは、当該支持ビームに直交して、上方を向いて配置されている。
【0042】
長尺の延在方向は、特に、支持ビームに沿った向きをなす。
【0043】
フレームのx軸とフレームのy軸とは交換可能である。
【0044】
実施形態のさらなる発展形によれば、各モジュール支持部材は、ポストの延在方向に直交する任意の断面内に回転対称の断面プロファイルを有し、回転対称は、特に、点対称である。
【0045】
モジュール支持部材の対称なレイアウトにより、モジュールのほとんど任意の継足しが可能になることから、モジュール支持部材のこの設計により、システムのモジュール式概念の実装が可能になる。
【0046】
本明細書の文脈における「回転対称の」との用語は、二次元の回転対称、特に、x-y面内又は対応する平行な断面内の二次元の点対称、のことを指す。
【0047】
本発明の別の実施形態によれば、各モジュール支持部材は、モジュール支持部材の長尺の延在方向に沿って延在する長尺部を有し、長尺部は、長尺部の第1の端部にある第1の接続部と、長尺部の第2の端部にある第2の接続部とを有し、第1の接続部及び第2の接続部は、特に、複数のモジュール支持部材のうちの第1のモジュール支持部材の第1の接続部と、複数のモジュール支持部材のうちの第2のモジュール支持部材の第2の接続部とが接続されると、第1のモジュール支持部材及び第2のモジュール支持部材の長尺の延在方向に沿って直線状に延在する結合されたモジュール支持部材が形成されるように、互いに相補的に形成されている。
【0048】
モジュール支持部材を結合するこの方法は、モジュール式システムのモジュール方式をもたらす。
【0049】
この実施形態の一環において、第1の接続部及び第2の接続部は、各々、1つ又は2つの接続手段の長尺の延在方向に沿って隣り合って配置された2つの開口部を有する。
【0050】
開口部は、特に、2つの接続部が互いに接続されると接続手段がy方向又はx方向に沿った向きをなすように、配置されている。
【0051】
このことは、長尺部の端部において凹部として形成されている接続部によって容易化され得る。
【0052】
開口部は、特に、接続手段が1つ又は2つのネジであり得るように、ネジ溝を有する。
【0053】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つのモジュールは、より低い、特に、モジュール支持部材のほうを向く平坦な表面を有し、少なくとも1つのモジュールは、電子部品、特に、フォトダイオード回路、モータの制御回路、温度制御システム、及び/又は熱電冷却又は加熱システムを、モジュールのより低い表面に取り付けために構成された、より低い表面上の、凹部又はネジ溝付き凹部を有する。
【0054】
本発明の別の実施形態によれば、フレームはフレーム支持部材を有し、フレーム支持部材は、フレーム支持部材がモジュール支持部材より低く延在するように、フレームがフレーム支持部材上にのみ装着され得るように、モジュール支持部材が平坦な装着表面に接触しないように、フレームに配置されている。
【0055】
この実施形態では、フレーム支持部材のみが、特に、フレームが載置された水平な表面に接触し、これにより、フレームのモジュール支持部材はこの表面より上にある、すなわち、モジュール支持部材は基底に接触することがない。
【0056】
この実施形態により、空気のより良好な循環、したがって、システムの放熱を向上させることが可能になる。
【0057】
その上、モジュールの下及び上の、結果として生じる空間は、フォトダイオード回路、モータの制御回路、水系冷却システム、熱電冷却、及び/又はファンなどの冷却機器などの、あらゆる種類の電子装置を取り付けるために使用され得る。
【0058】
慣用的なセットアップでは、これらの部品は、台上に配置される必要があり、もはや光学部品に利用可能でない貴重な空間を消費する。
【0059】
部品が全てモジュール式グリッドに固設され、かつ平坦領域に配置されることの別の利点は、部品に接近し、部品を変更又は修理するために、アセンブリ全体を表裏反転させることができることである。
【0060】
加えて、このようにして、高さの観点で、光学部品と電子部品などの他の部品との非常に明確な分離がもたらされる。モジュールの上に光学部品を配置することができ、モジュールの下に冷却部品及び/又は電子装置を配置することができる。また、このことにより、ファイバシステムの作動及び設計が容易化されることになる。
【0061】
さらには、この実施形態はフレームの支持領域を低減し、これにより、フレームを様々なデバイス又はハウジング上に比較的容易に装着することができる。
【0062】
表面は、例えば、光学台又はブレッドボードであり得る。
【0063】
本発明の別の実施形態によれば、各フレーム支持部材は長尺部を有し、長尺部は、フレーム支持部材の長尺部の第1の端部にある第1のフレーム支持部材接続部と、フレーム支持部材の長尺部の第2の端部にある第2のフレーム支持部材接続部とを有し、第1のフレーム支持部材接続部及び第2のフレーム支持部材接続部は、特に、第1のフレーム支持部材の第1のフレーム支持部材接続部と第2のフレーム支持部材の第2の接続部とが接続されると、第1のフレーム支持部材及び第2のフレーム支持部材の長尺の延在方向に沿って直線状に延在する結合されたフレーム支持部材が形成されるように、互いに相補的に形成されている。
【0064】
この実施形態により、システムの順応性のある長さが可能になる。
【0065】
本発明の別の実施形態によれば、システムは、特にシステムのz方向に沿って、互いの上に配置された複数のフレームを備え、複数のフレーム、特にフレーム支持部材は、複数のフレームのうちの第1のフレーム、又は特に第1のフレームのフレーム支持部材が、複数のフレームのうちの第2のフレーム、特に第2のフレームのフレーム支持部材の上に配置されるとフレーム接続部材、特にピン又はネジに係合するように設計された少なくとも1つの凹部を、その上面及び下面上に有する。
【0066】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つのモジュールは、このモジュールの表面平面に対して回転対称である。
【0067】
モジュールの回転対称、例えば90°対称又は180°対称(点対称)により、モジュール式システムとモジュール上のファイバ配置との順応性のあるレイアウトが可能になる。
【0068】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つのモジュールは、特に、直立した突出要素を有する平坦な回転対称性の上面を有し、当該突出要素は、光ファイバを配置及び誘導するためのファイバ誘導凹部を形成しており、突出要素は、特に、モジュールの表面平面の中心に対して回転対称な形状をなして、又は少なくとも1つのモジュールの少なくとも1つの対称軸に対して対称な形状をなして、配置されている。
【0069】
モジュールが突出要素を有することから、ファイバを、ファイバ誘導凹部内に、巻き付け、及び配置することができる。
【0070】
モジュールがモジュールの向きに関わらず組み立てられ得ることから、モジュール表面上のレイアウトの対称性は、システムのモジュール式概念に寄与する。
【0071】
実施形態の一環において、突出要素のうちの少なくとも1つは、ファイバ誘導凹部内で光ファイバを規制する、ファイバ誘導凹部に少なくとも部分的にわたって延在する規制突起を、上端に有する。
【0072】
この実施形態により、システム上における光ファイバの耐久性のある配置が可能になる。規制凹部は、ファイバが、特に、z方向に沿ってモジュールから突き出ないように、特に、突出要素の高さより下にファイバを保持する。
【0073】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つのモジュールは、モジュールの各側面上に少なくとも2つの接続凹部を有し、接続凹部は、光ファイバを受け入れて、フレーム上の隣接モジュールの接続凹部に中継するように設計されており、各側面上の少なくとも2つの接続凹部は、側面の中央に対して対称に、特にコーナに、配置されている。
【0074】
接続凹部は、ファイバがモジュール上で曲げられ、又は誘導されるように、配置されており、接続凹部をコーナに配置することが可能であり、それにより、モジュールの全領域を利用するために、ファイバを、そこから内側へ、かつモジュール表面にわたって、曲げることができる。
【0075】
それゆえ、本説明の文脈における「コーナに」との語句は、接続凹部を、コーナからモジュールの側面に沿って延在する部分に配置することを指し、この部分の長さは、モジュールの側面の長さの10%未満、特に5%未満である。
【0076】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つのモジュールのうちの第1の種類のモジュールは、90°の角度をなす等しい長さの側面を有し、各側面は3つの接続凹部を有し、側面の中央に中央接続凹部が配置されており、中央接続凹部に対して対称に、特にコーナに、3つの接続凹部のうちの2つの外側接続凹部が配置されており、ファイバ誘導凹部は接続凹部に接続されており、ファイバ誘導凹部は、少なくとも部分的に、各々が弧、特に4分の1円弧をたどる、溝として形成されていて、ファイバが当該弧に沿って配置及び誘導され得るようになっており、
少なくとも1つの弧が、第1の端部により、外側接続凹部のうちの1つに接続しており、モジュール表面の中心において、第2の端部により、終端しており、及び/又は
少なくとも1つの弧が、少なくとも1つの弧の端部により、2つの隣り合う側面の中央接続凹部に接続しており、
モジュールは、特に、直線に沿って、対向する側面の中央接続凹部を接続しているファイバ誘導凹部を有する。
【0077】
弧は、特に、正又は負のいずれかである曲率と、弧の端部におけるゼロ以下の曲率とを有する。弧は、特に、曲率が符号を変化させる変曲点を有しない。
【0078】
モジュールの第1の種類が複数のこのような弧を有することが可能であり、したがって、対称な表面レイアウトを形成し、モジュールの表面上に多数のファイバ誘導オプションをもたらすことは、明らかである。全ての可能な弧が上記の実施形態に該当する場合に、モジュールの表面上にフラワー状の凹部構造が実現される。したがって、この実施形態を「フラワー」モジュールとも称する。
【0079】
これらの弧及びファイバ誘導凹部を形成する突出要素は、特に、いくつかの規制突起を有する。
【0080】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つのモジュールのうちの第2の種類のモジュールは、90°をなす、2つの対向する長側面及び2つの対向する短側面を有し、それら側面が長方形のモジュールを形成するように、長側面は短側面の2倍の長さであり、突出要素は、8の形状を有する経路に沿って光ファイバが、特に何回も、巻き付けられ、及び誘導され得るように、第2の種類のモジュールの表面上に配置されており、特に、長側面は、各々、側面の中央の周りに対称に配置された4つの接続凹部を有し、コーナに2つの外側接続凹部が配置されている。
【0081】
側面の中央の周りに配置された接続凹部は、特に、中央の周りの部分に配置されており、これにより、モジュールが中央で半分に切断されるとした場合に、当該接続凹部はコーナに配置されることになる、すなわち、当該接続凹部が、特に、外側接続凹部がコーナから有する距離と同じだけの、中央からの距離を有する。
【0082】
このようにして、第1の種類(正方形)のモジュールと第2の種類(長方形)のモジュールとが、モジュールシステム上に混在しても、接続凹部のモジュール間ファイバ接続性が維持されることが確保される。
【0083】
第2の種類のモジュールは、ファイバが本質的にモジュール上に8の形態で巻かれるように、ファイバを、突出要素の周りに、特に多数回、巻き付けるオプションを提供する。
【0084】
さらには、モジュールは、特に、過剰なファイバを補償するために、ファイバ接続凹部から突出するファイバの長さが連続的に調整され得るように、設計されている。このことは、近接モジュールが、波長分割多重器(wavelength division multiplexer,WDM)などの、固定されたファイバ光学素子を含む場合に、特に重要である。
【0085】
第2の種類のモジュールは、特に、第2の種類のモジュールの各ファイバ接続凹部に、同じモジュール上の任意の他のファイバ接続凹部からの、モジュール上に配置されたファイバが、ファイバをよじることなく届き得るように、設計されている。例えば、ファイバが特定のファイバ接続凹部においてモジュールに挿入される場合に、ファイバは、ファイバが、過度に曲げられ、又はさらによじられて、任意の他のファイバ接続凹部、特には同じことさえあるファイバ接続凹部においてモジュールを出得るように、モジュールを通して、特に様々な凹部を通して、誘導され得る。
【0086】
この設計により、ファイバレイアウトの特に高い順応性が可能になる。
【0087】
本発明に係る課題は、さらには、光ファイバ、活性媒質、及び本発明に係るモジュール式システムを備えるファイバレーザであって、ファイバがモジュール式システム上の複数のモジュール上に配置された、ファイバレーザによって解決される。
【0088】
本発明に係る課題は、また、ファイバ光学システムアセンブリ、特に、光トモグラフィデバイス、ファイバ感知及び検出デバイス、及び/又はファイバ方式の光源であって、光ファイバと、特に、活性媒質、ファイバ光アイソレータ、ファイバ光カプラ、波長分割多重素子、インライン偏光子、レーザダイオード、ポンプ信号コンバイナ、からなる群からのファイバ光学部品とを備え、ファイバ光学システムアセンブリは、さらに、先行請求項のいずれか1項に記載のモジュール式システムを備え、ファイバ光学部品を接続するファイバは、モジュール式システム上の複数のモジュール上に配置されている、ファイバ光学システムアセンブリによって解決される。課題は、さらには、本発明に係るモジュール式システムに供されるモジュールによって解決され、モジュールの側面は、90°の角度を囲み、本質的に正方形を形成する同じ長さを有し、モジュールは4つのコーナを有し、モジュールの各コーナは4分の1扇形切欠き部を有し、モジュールは、特に直立した突出要素を有する平坦な上面を有し、当該突出要素は、モジュールの上面上に、光ファイバを誘導するファイバ誘導凹部を形成しており、突出要素は、モジュールの表面平面の中心に対して回転対称に、又は少なくとも1つのモジュールの少なくとも1つの対称軸に対して対称に、配置及び/又は設計されており、モジュールは、モジュールの各側面上に、隣接モジュールの接続凹部に光ファイバを中継する3つの接続凹部を有し、
側面の中央に中央接続凹部が配置されており、中央接続凹部に対して対称に、特にコーナに、2つの外側接続凹部が配置されており、ファイバ誘導凹部は接続凹部に接続されており、ファイバ誘導凹部は、少なくとも部分的に、各々が弧、特に4分の1円弧をたどる、溝として形成されていて、ファイバが弧に沿って配置及び誘導され得るようになっており、
少なくとも1つの弧が、第1の端部により、外側接続凹部のうちの1つに接続しており、モジュール表面の中心において、第2の端部により、終端しており、及び/又は
少なくとも1つの弧が、少なくとも1つの弧の端部により、2つの隣り合う側面の中央接続凹部に接続しており、
モジュールは、特に、直線に沿って、対向する側面の中央接続凹部を接続しているファイバ誘導凹部を有する。
【0089】
このモジュールは、本質的に「フラワー」モジュールに相当する。
【0090】
課題は、また、本発明に係るモジュール式システムに供される別のモジュールによって解決され、モジュールは、各々が90°をなす、2つの対向する長側面と2つの対向する短側面とを有し、長側面は、モジュールが本質的に長方形であるように、短側面の2倍の長さであり、モジュールは4つのコーナを有し、モジュールの各コーナは、4分の1扇形切欠き部を有し、モジュールは、特に直立した突出要素を有する平坦な上面を有し、当該突出要素は、モジュールの上面上に、光ファイバを配置及び中継するためのファイバ誘導凹部を形成しており、突出要素は、モジュールの表面平面に対して回転対称に、又は少なくとも1つのモジュールの少なくとも1つの対称軸に対して対称に、配置されており、突出要素は、8の形状を有する経路に沿ってファイバが、特に多数回、巻き付けられ得るように、モジュールの表面上に設計及び配置されており、特に、長側面は、各々、側面の中央の周りに対称に配置された4つの接続凹部を有し、モジュールのコーナの隣に2つの外側接続凹部が配置されている。
【0091】
なお、光ファイバの受入れに合わせて設計され、かつ接続凹部を有する、モジュール式システムに供されるモジュールについて、接続凹部はファイバの受入れに合わせて設計されており、ファイバは接続凹部によってモジュールに導入される。ファイバは、接続凹部を介して出て、対応する接続凹部を介して隣接モジュールに入り得る。
【0092】
ファイバ誘導凹部は、特に、ファイバをよじることなくファイバが凹部に配置され得るが、ファイバが多少は連続的に曲げられるように、形成されている。この理由で、ファイバ誘導凹部は、特に、いずれかの弧状凹部が接続凹部に接線方向に接続するように、形成されている。
【0093】
特に、ファイバ誘導凹部は、ファイバの最小曲げ半径に適合する。標準のシングルモードファイバの場合に、これは25mmの曲げ半径を意味する。ただし、設計を、より大きい及びより小さい許容可能な曲げ半径を有するファイバに、容易に適合させることが可能である。
【0094】
正方形のモジュールの場合に、側面は、特に62.5mmの長さを有する。長方形のモジュールは、特に、125.0mm長であり、幅が62.5mmである。
【0095】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下に示す図面を参照して、実施形態の詳細な説明により記載される。
【図面の簡単な説明】
【0096】
図1】本発明に係る簡易的なモジュール。
図2】本発明に係る第1の種類のモジュール。
図3】本発明に係る第2の種類のモジュール。
図4】本発明に係る、チューブ状にパッケージされたファイバ光学素子(例えば、フィルタ、アイソレータ、波長分割多重器、サーキュレータ、偏光子、カプラなど)を有するモジュール式システム。
図5】箱状にパッケージされたファイバ光学素子(例えば、フィルタ、アイソレータ、波長分割多重器、サーキュレータ、偏光子、カプラなど)を有するモジュール式システム。
図6】本発明に係る正方形の断熱モジュール。
図7】本発明に係る長方形の断熱モジュール。
図8】本発明に係るモジュール支持部材。
図9】第2の種類の2つのモジュールを有するモジュール式システムの上面図。
図10】第2の種類の2つのモジュールを有するモジュール式システムの底面図。
図11】本発明に係るモジュール式システム。
図12】フレーム支持部材。
図13】互いの上に積み重ねられた2つの高さのモジュールを備えるシステム。
図14】2つの温度安定化モジュール配置の分解図。
図15】第2の種類のモジュールの変形例。
図16】フレーム支持部材の変形例。
図17】別の簡易的な蓋モジュール。
図18】光学機械偏光コントローラモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0097】
図1は、本発明に係る簡易的なモジュール20の斜視図を示す。簡易的なモジュール20は、短側面22bの2倍の長さである2つの対向する長側面22aを有し、これら側面が長方形のモジュール20を形成するようになっている。
【0098】
モジュール20の側面22a,22b上に、特に直立した突起25の形態をなす、周縁部25bが位置している。
【0099】
縁部25bは、光学部品又は電気部品を受け入れるように構成された、モジュール20の平坦な表面24を取り囲んでいる。
【0100】
当該縁部25bには、モジュール20の平坦な表面24への段差のない開口部を形成する、モジュール20の接続凹部29a,29b,29cが、差し挟まれている。
【0101】
長側面22aの各々は、光ファイバに対する6つの接続凹部29a,29cを顕示しており、短側面の各々は、光ファイバに対する3つの接続凹部29a,29bを有する。
【0102】
モジュール20の4つのコーナ21は、ネジなどの固定手段を用いてモジュール式システム1に取り付けられるように構成及び設計された4分の1扇形切欠き部23によって、各々形成されている。モジュール20がモジュール式システム1上に固定されるときに、4分の1扇形切欠き部23は、ネジのネジ頭によってポスト31に対して下方に押圧される。
【0103】
モジュールの長側面22aの中央には、モジュールをポスト31に同様に取り付けるために使用され得る2分の1扇形切欠き部23aがある。ここでも、これらの切欠き部23aは、ネジ頭が切欠き部23aをポスト31上で下方に押圧し、これにより、切欠き部23aがポスト31に、したがってモジュール式システム1に固定されることが可能であるように、設計されている。
【0104】
モジュール20は、図面に示す全てのモジュールのように、上記で詳述したモジュール20の目的に応じて、金属又はポリマーから作製されている。
【0105】
モジュール20の長側面22aは125mm長であり、短側面22bは62.5mm長である。
【0106】
図2は、光ファイバを受け入れる第1の種類のモジュール201、いわゆる「フラワーモジュール」の斜視図である。モジュール201は本質的に正方形であり、各側面22bは3つの接続凹部29a,29bを有する。コーナ21に2つの外側接続凹部29aが配置されており、側面22bの中央に中央接続凹部29bが配置されている。
【0107】
モジュール20のコーナ21は、既に図1に記載したように、モジュール式システム1に取り付けられ得る4分の1扇形切欠き部23によって、各々形成されている。
【0108】
モジュール201は、8の弧状の誘導凹部26aを有する。弧状のファイバ誘導凹部26aは、各々、第1の端部により、コーナ21のうちの1つにおいて接続凹部29a(モジュール201は、コーナ21に8つの接続凹部29aを有する)に接続し、第2の端部により、モジュール201の中心領域(中心24cの周り)において終端する。
【0109】
中心領域は、モジュール201の幾何中心24cを含み、特に、当該中心24cの周りに、側面の長さの30%の直径を有して円形に広がっている。
【0110】
「フラワー」モジュール201は、さらには、溝の形態をなす2つの直線状のファイバ誘導凹部26を有し、ファイバ誘導凹部26は、中央において接続凹部26bを接続し、かつモジュール201の中心24cにおいて互いに直交して交差する。
【0111】
モジュール201の回転対称性により、モジュール式システム1とモジュール201上のファイバ配置との順応性のあるレイアウトが可能になる。
【0112】
「フラワー」モジュールの全ての凹部26,26aが、図1中のモジュール20の凹部29a,29b,29cと同一平面上にあり、図1のモジュール20の平坦な表面24と同じ高さある。
【0113】
「フラワー」モジュール201のファイバ誘導凹部26,26aは、モジュール201のファイバ誘導凹部26,26cの底部に相当する表面から5mm突出する直立した突出要素25によって、形成されている。
【0114】
図3は、本発明に係る、光ファイバを受け入れる第2の種類のモジュール202の斜視図である。モジュール202は、2つの対向する長側面22aと2つの対向する短側面22bとを有する長方形であり、長側面22aは、短側面22bの2倍の長さである。突出要素25は、8の形状を有する経路に沿って光ファイバが何回も巻き付けられ、及び誘導され得るように、モジュール202の表面24上に配置されており、長側面22aは、各々、側面29aの中央の周りに対称に配置された4つの接続凹部29a,29cを有し、コーナ21に2つの外側接続凹部29aが配置されている。
【0115】
モジュール202の中央にある接続凹部29aは、接続凹部29aが、4つの短側面22bを有する正方形のモジュール20,201(例えば、図2中のモジュール)の接続凹部29aにより連続的な凹部を形成するように、配置されており、正方形のモジュール20,201は、正方形のモジュール20,201のコーナ21に正方形のモジュール20,201の接続凹部29aを有する。
【0116】
このように、モジュール202を正方形のモジュール20,201の隣に配置し、かつ、モジュール20,201,202が異なる形状を有する場合であっても、モジュール20,201,202の全体にわたってファイバ接続性を維持することが可能である。
【0117】
第2の種類のモジュール202は、また、1つの接続凹部29aから相手方の接続凹部29aへのファイバを受け入れ、及び誘導する直線状の溝を形成する、直線状のファイバ誘導凹部26を有する。
【0118】
モジュールのコーナ21は、モジュール式システム1に取り付けられ得る4分の1扇形切欠き部23によって、各々形成されている。
【0119】
モジュールの長側面22aの中央に、図1に記載するように、モジュール式システム1への取付けに使用され得る2分の1扇形切欠き部23aがある。
【0120】
モジュール202の回転対称性により、モジュール式システム1とモジュール202上のファイバ配置との順応性のあるレイアウトが可能になる。
【0121】
第2の種類のモジュール2020のファイバ誘導凹部26は、モジュール202のファイバ誘導凹部26の底部によって与えられた表面から5mm突出する直立した突出要素25によって、形成されている。
【0122】
さらには、突出要素25のうちのいくつかは、突出要素25の上端に、モジュール202の表面平面24に対して平行な平面内に延在する規制突起25aを有し、規制突起25aは、ファイバがモジュール202から、直立した突起25の上に突き出ないように防止し得る。
【0123】
図4は、モジュール式システム1に取り付けられた、図1に係るモジュール20上に配置されたファイバ光学素子60の斜視図を示す。チューブ状にパッケージされたファイバ光学素子60は、モジュールの短側面22bの中央にある接続凹部29bを通して誘導されたファイバ61によって接続されている。
【0124】
モジュールのコーナ21(4分の1扇形切欠き部23)と、モジュールの2分の1扇形切欠き部23a(長側面22aの中央にある)とは、ポストの領域の4分の1又は2分の1のみが係合する(このことは、同じポスト31に他のモジュールを取り付けるのに十分な空間があることを意味する)ように、モジュール支持部材33の一体化部分であるポスト31上に載置されている。
【0125】
モジュール支持部材33は、モジュール式システム1のx軸に沿って延在し、かつx軸に沿って延在する列をなして配置されており、列はy軸に沿って平行に配置されている。
【0126】
モジュール支持部材33の列は、互いにy軸に沿った、固定された一定の距離を有する。列間の距離は、y軸に沿った2つのポスト31同士間の近接距離がx軸に沿った2つの隣り合うポスト31間の距離と同じであるようになっている。したがって、ポスト31は、x-y平面内の規則的な正方格子上に配置されている。
【0127】
モジュール支持部材33は、モジュール支持部材33がモジュール式であり、互いに接続されて、結合されたモジュール支持部材を形成し得るように、設計されている。結合されたモジュール支持部材上のポスト間の距離は、全てのポストについて一定である。
【0128】
各結合されたモジュール支持部材(複数のモジュール支持部材を含む)の端部において、結合されたモジュール支持部材は、グリッド側部中心間部材37により、結合されたモジュール支持部材がモジュール式システム1の装着表面に接触しない態様でフレーム支持部材36に取り付けられている。
【0129】
図5は、図1に示すモジュール20上に配置された、箱状にパッケージされたファイバ光学素子62の斜視図である。
【0130】
ファイバ光学素子62は、モジュールの短側面22bの中央にある光ファイバ60に対する接続凹部29bを通して、ファイバ光学素子62の入力及び出力を引き出されている。モジュールのコーナ21(4分の1扇形切欠き部23)と、モジュールの2分の1扇形切欠き部23a(長側面22aの中央にある)とは、ポストの領域の4分の1又は2分の1のみが係合する(このことは、同じポスト31に他のモジュールを取り付けるのに十分な空間があることを意味する)ように、モジュール支持部材33のポスト31上に載置されている。
【0131】
グリッド側部中心間部材37は、フレーム支持部材36を、モジュール支持部材33及びモジュール20(本図面では部品ホルダ)に接続するために使用される。
【0132】
図6及び図7は、断熱モジュール20の斜視図を示し、図6のモジュール20は正方形であり、図7のモジュールは、長側面22aが短側面22bの2倍の長さである長方形である。断熱モジュール20は、フレームを形成しており、ポリマーから作製されている。
【0133】
図7に示すモジュール20は、各側面22b上の光ファイバに対する3つの接続凹部29a,29bを有する。凹部29a,29bは、断熱モジュール20の、側部の中央とコーナ21とに置かれている。コーナ21は、モジュール式システム1に取り付けられ得る4分の1扇形切欠き部23によって、各々形成されている。
【0134】
図7のモジュール20は、各々が短側面22bにある3つの接続凹部29a,29b(1つは中央29bに、2つはコーナ29aにある)と、各々が長側面22a上にある4つの接続凹部29a,29cとを有する。接続凹部29a,29cは、第2の種類のモジュール202に配置されている(図3を参照)。
【0135】
また、モジュールの長側面22aの中央に、モジュール20をモジュール式システム1に取り付けるために使用され得る2分の1扇形切欠き部23aがある。
【0136】
図8は、モジュール支持部材33の斜視図を示す。モジュール支持部材33は、モジュール式システム1において、モジュール20,201,202に対する支持ビームとして作用し、ポスト31は、上方(z方向)を向いて、当該支持ビーム35上に直交して配置されている。ポスト31は、モジュール20,201,202を支持部材33に固定するために内部にネジが係合し得る、上部のネジ溝付き凹部31aを有する。
【0137】
モジュール支持部材33は、モジュール式システム1が組み立てられるとモジュール式システム1のx軸に沿って配置される、長尺の延在方向34を有する。モジュール支持部材33上に、少なくとも2つのポスト31が配置されている。
【0138】
モジュール支持部材33は、ポスト31の延在方向に直交する任意の断面内に回転対称性の断面プロファイルを有し、回転対称は、特に、点対称である。
【0139】
支持部材33は、(同じ種類の)別のモジュール支持部材33に接続するため、又はグリッド側部中心間部材37に接続するためのものである、2つの相補的な接続凹部35a,35bを有する。
【0140】
接続部35a,35bは、組み立てられると2つのモジュール支持部材33が互いに係合し得るように、相補的に形成された突起35c及び凹部35dを有する。このことは、ひいては、結合されたモジュール支持部材のより高い安定性をもたらす。
【0141】
モジュール支持部材33は、例えば図1図3図4図5,又は図7のモジュールなどの、長方形のモジュールの長側面22aと同じ長さを有する。
【0142】
図9は、モジュール式システム1に取り付けられた、光ファイバを受け入れる第2の種類のモジュール202(図3を参照)の斜視図を示す。特に、1つの第2の種類のモジュール202は、一方側においてグリッド側部中心間部材37に取り付けられており、その他方側においてモジュール支持部材33のポスト31に取り付けられている。2番目の「第2の種類の」モジュール202は、1番目の第2の種類のモジュール202に隣接しており、その一方側において1番目の「第2の種類の」モジュール202のように同じポスト31に取り付けられており、その他方側において他方の-対応する-ポスト31に取り付けられている。モジュール式システム1が、異なる同一平面上のモジュール20,201,202を取り付けるために同じポスト1を使用する方法を提供することが分かるはずである。モジュール20,201,202は、モジュール式システム1上に配置されると、オーバラップしない。
【0143】
図10は、図9に示すシステム1の、反対方向からの斜視図である。光ファイバを受け入れる2つの「第2の種類の」モジュール202(図3を参照)は、モジュール式システム1に取り付けられている。この概観から、グリッド側部中心間部材37は、モジュール202を、モジュール支持部材33及びフレーム支持部材36に取り付けるために使用されることが分かる。
【0144】
図11は、モジュール式システム1の一実施形態の斜視図である。システムのフレーム30は、各々が3つのフレーム支持部材36によって形成されている、2つの対向する側面からなる。2つの側面は、結合されたモジュール支持部材を形成する2つのモジュール支持部材33によって各々が形成されている、10個の列によって、接続されている。結合されたモジュール支持部材は、結合されたモジュール支持部材の端部によって、1つのグリッド側部中心間部材37に取り付けられている。
【0145】
モジュール式システム1は、レーザ及びフォトダイオードの電子装置を含む異なる種類のモジュール20,201,202、ファイバ光学部品ホルダモジュール、「第1の種類の」モジュール201、「第2の種類の」モジュール202、及びネジ溝付きブレッドボードプレートとして形成されたモジュールを備える。
【0146】
フレーム30の側面上に電子部品を同様に実装することが可能である。
【0147】
図12は、フレーム支持部材36の斜視図である。フレーム支持部材36は、モジュール式に組み立てることと、ほぼ任意の長さの結合されたフレーム支持部材を形成することとを可能にする、回転対称性を有する。
【0148】
図13は、特にコンパクトな組み上げが達成されるような、互いの上に配置された2つのフレーム30を示す。
【0149】
本質的に、様々なモジュール20を有する2つのフレーム30は、システム1が、x-y平面に沿ってではなく、z方向に沿ってさらに延在するように、互いの上に積み重ねられている。この構成は、空間を節約し、コンパクトなレイアウトを可能にする。
【0150】
図14は、加熱又は冷却モジュール20を有する配置を示す。分解図は、断熱ポリマーから作製されたモジュール20、例えば銅などの、熱伝導性化合物から作製された表層プレート70を示す。モジュール20の下方に、温度を制御する制御電子装置72が配置されている。さらに制御電子装置72の下方に、過剰な熱を散逸させる放熱モジュール73が配置されている。モジュール式システム1がモジュールの下方に自由空間を有することから(モジュール支持部材33と、さらにはフレーム支持部材36とが対応して形成されていることから)、これらのさらなる部品は、モジュール20の下方に配置されている。モジュール20は、モジュール20上に配置された部品を絶縁するために設計されたカバー要素71によってカバーされている。
【0151】
図15は、図3に示す第2の種類のモジュール202の実施形態の変形例を示す。図3に関する特徴の説明及び開示は、適宜の変更を伴って、図15に示すモジュール202に当てはまる。図3の実施形態に加えて、モジュールは、モジュール202の長側面及び短側面上に配置された、さらなる中央接続凹部29bを有する。これと同様に、他のモジュール20,201,202,204が、ファイバが1つのモジュール20,202,202,204から隣のモジュールへ誘導され得るように、このような中央接続凹部29bを有し得る。
【0152】
図16に、フレーム支持部材36の変形実施形態を示す。図12に示すフレーム支持部材36に加えて、図16のフレーム支持部材36は、ファイバに対する凹部39と、さらには穿孔38とを有する。図12に示す実施形態の説明は、図16に当てはまる。
【0153】
システムのモジュール20上に配置された光学部品又は光学機械部品の熱的安定化を提供するために、モジュール20(不図示)の上に、図17に示す蓋モジュール203を配置することが可能であり、モジュール20上に配置された部品がカバーされ、これにより周囲の空気から熱的に分離され得るようになっている。このことは、対流に基づく熱輸送を減少させ、温度安定化の向上を可能にする。蓋モジュール203は、システム上に配置されたモジュール20,201,202,204のうちの任意のものの外面形状に対応する外面形状を有し、これにより、モジュール20,201,202,204は、隣り合って配置されることが可能であり、蓋モジュール203はこの配置に干渉しない。蓋モジュール203は、モジュール20,201,202,204上に配置された部品を収容するように構成された容積203cを閉囲する、カバー203a及び蓋モジュール壁203bを有する。
【0154】
蓋モジュール203は、蓋モジュール203のコーナに、溝203dの形態をなす凹部を有し、凹部203dは、蓋モジュール203を下にあるモジュール20(不図示)又はモジュール支持部材33に取り付けるためのネジなどの固定手段を受け入れるように構成されており、これにより、モジュール20は、蓋モジュール203と同時か、又は蓋モジュール203とは独立して、モジュール支持部材33に締結される。
【0155】
図18において、光学機械偏光コントローラモジュール204は、モジュール式システム1に取り付けられるように、適応及び構成されていることが示されている。
【0156】
光学機械偏光コントローラモジュール204の4つのコーナ21は、ネジなどの固定手段を用いてモジュール式システム1に取り付けられるように構成及び設計された、4分の1扇形切欠き部23によって、各々形成されている。光学機械偏光コントローラモジュール204がモジュール式システム1上に固定されると、4分の1扇形切欠き部23は、ネジのネジ頭によって、モジュール支持部材33(不図示)のポスト31に対して下方に押圧される。
【0157】
光学機械偏光コントローラモジュール204は、ファイバスプール204bの周りに例えば1~5回巻回するためにファイバが挿通され得るファイバ受入れ部204aを有する。ファイバスプール204bは、ファイバスプール204b上に巻回されるファイバを誘導及び保持するための凹部204cを有する。ファイバスプール204bから、ファイバが、ファイバの出口部204gに向けて誘導され、出口部204gにおいて、ファイバは光学機械偏光コントローラモジュール204を出る。
【0158】
ファイバスプール204bは、光学機械偏光コントローラモジュール204のフレーム204d内に回転可能に配置されている。回転軸は、ファイバの受入れ部204及び出口部204fに沿った向きをなす。ファイバスプール204bをフレーム204d(モジュール式システムに固定されている)に対して回転させることによって、ファイバは、ファイバ内の光の偏光の変化をもたらすトルクを受け、これにより、ファイバ内の光の偏光が光学機械偏光コントローラモジュール204によって制御され得る。ファイバスプール204bは、フレーム204dに対するファイバスプール204bの回転及び角度を制御するように適応されたプリント回路基板204f上の電子装置によって制御されるモータ204eに接続されている。上記の詳細な例は、モジュール式システムを例示するためのものである。例に開示された任意の特徴は、具体的に、例示して議論されていない他の実施形態にも用いられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18