(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】顔認証システムおよび入力顔データの登録方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20221028BHJP
G06V 40/16 20220101ALI20221028BHJP
【FI】
G06T7/00 510F
G06V40/16 A
(21)【出願番号】P 2018026219
(22)【出願日】2018-02-16
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2017043752
(32)【優先日】2017-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】菅原 敦寿
【審査官】新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-146137(JP,A)
【文献】特開2004-126813(JP,A)
【文献】特開2004-157602(JP,A)
【文献】特開2008-107934(JP,A)
【文献】特開2013-117875(JP,A)
【文献】特開2011-150456(JP,A)
【文献】特開2000-011179(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0158307(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06V 40/00-40/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、前記被認証者を前記認証対象者であると認証する認証部を有する顔認証システムであって、
前記被認証者の顔を撮影する撮影部と、
前記認証対象者の個人識別情報である登録個人識別情報と、前記登録顔データと、前記入力顔データとを記憶する記憶部と、
前記被認証者から、前記被認証者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得部と、
前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在するか否かを確認する確認部と、
前記情報取得部が前記入力個人識別情報を取得したとき、当該取得より前に前記撮影部が撮影した顔に基づき生成され前記記憶部に記憶された前記入力顔データを、前記確認部による確認の結果に基づいて、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる登録部とを有し、
前記登録部は、前記認証部が前記被認証者を前記認証対象者であると認証しなかった場合に、認証に用いられた前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる新規登録を実行
し、取得された前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報が前記記憶部に記憶されていない場合、新規登録を実行しない顔認証システム。
【請求項2】
前記登録部は、前記確認部による確認の結果が、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在する旨の結果である場合に、前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる請求項1に記載の顔認証システム。
【請求項3】
前記登録部は、
前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データと前記入力顔データとの間の一致度が、所定の登録閾値よりも大きい場合に、
前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる請求項2に記載の顔認証システム。
【請求項4】
前記登録部は、
前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データと前記入力顔データとの間の一致度が、
前記入力個人識別情報に対応しない前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データと前記入力顔データとの間の一致度よりも大きい場合に、
前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる請求項2に記載の顔認証システム。
【請求項5】
前記登録部は、前記確認部による確認の結果が、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在しない旨の結果である場合に、前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に関連づけて前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させて、前記被認証者を前記認証対象者として登録する請求項1から4のいずれか1項に記載の顔認証システム。
【請求項6】
前記登録部は、前記登録顔データと前記入力顔データとの一致度が、所定の非登録閾値よりも小さい場合に、前記入力顔データを、新規に前記認証対象者として登録する人物の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる請求項5に記載の顔認証システム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記認証対象者としての登録の可否を示す登録可否データを記憶しており、
前記登録部は、前記入力個人識別情報に係る人物が、前記登録可否データに照らして、前記認証対象者としての登録が可能な人物である場合に、前記入力顔データを、新規に前記認証対象者として登録する人物の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる請求項5または6に記載の顔認証システム。
【請求項8】
前記登録部は、
前記確認部による確認の結果が、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在しない旨の結果である場合に、前記入力顔データを前記入力個人識別情報に関連づけた新規顔データとして前記記憶部に少なくとも1回記憶させた後、
前記入力個人識別情報に関して新たに取得した前記入力顔データと前記新規顔データの少なくとも1つとの一致度が所定の初期登録閾値より大きいとき、
新たに取得した前記入力顔データ及び前記一致度が所定の初期登録閾値より大きい前記新規顔データのうちの少なくとも1つを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる請求項1から7のいずれか1項に記載の顔認証システム。
【請求項9】
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、前記被認証者を前記認証対象者であると認証する顔認証システムで行われる、入力顔データの登録方法であって、
前記被認証者の顔を撮影する撮影処理と、
前記撮影処理の後に、前記被認証者から、前記被認証者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得処理と、
前記入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在するか否かを確認する確認処理と、
前記情報取得処理にて前記入力個人識別情報を取得したとき、当該取得より前に前記撮影処理で撮影した顔に基づき生成された前記入力顔データを、前記確認処理での確認の結果に基づいて、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして記憶させる登録処理とを有し、
前記登録処理は、前記被認証者を前記認証対象者であると認証されなかった場合に、認証に用いられた前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして記憶する新規登録を実行
し、取得された前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報が前記記憶部に記憶されていない場合、新規登録を実行しない入力顔データの登録方法。
【請求項10】
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、前記被認証者を前記認証対象者であると認証する認証部を有する顔認証システムであって、
前記被認証者の顔を撮影する撮影部と、
前記認証対象者の個人識別情報である登録個人識別情報と、前記登録顔データと、前記入力顔データとを記憶する記憶部と、
前記被認証者から、前記被認証者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が前記入力個人識別情報を取得したとき、前記撮影部が撮影した顔に基づき生成され前記記憶部に記憶された前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる登録部とを有し、
前記登録部は、
前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在しない場合に、前記入力顔データを前記入力個人識別情報に関連づけた新規顔データとして前記記憶部に少なくとも1回記憶させた後、
前記入力個人識別情報に関して新たに取得した前記入力顔データと前記新規顔データの少なくとも1つとの一致度が所定の初期登録閾値より大きいとき、
新たに取得した前記入力顔データ及び前記一致度が所定の初期登録閾値より大きい前記新規顔データのうちの少なくとも1つを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させ
、取得された前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記新規顔データを前記認証対象者の前記登録顔データとして登録しない顔認証システム。
【請求項11】
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、前記被認証者を前記認証対象者であると認証する顔認証システムで行われる、入力顔データの登録方法であって、
前記被認証者の顔を撮影する撮影処理と、
前記被認証者から、前記被認証者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得処理と、
前記撮影処理で撮影した顔に基づき生成された前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして記憶させる登録処理とを有し、
前記登録処理は、
前記入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在しない場合に、前記入力顔データを前記入力個人識別情報に関連づけた新規顔データとして少なくとも1回記憶した後、
前記入力個人識別情報に関して新たに取得した前記入力顔データと前記新規顔データの少なくとも1つとの一致度が所定の初期登録閾値より大きいとき、
新たに取得した前記入力顔データ及び前記一致度が所定の初期登録閾値より大きい前記新規顔データのうちの少なくとも1つを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして登録
し、取得された前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記新規顔データを前記認証対象者の前記登録顔データとして登録しない入力顔データの登録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔認証システム、および当該顔認証システムで行われる入力顔データの登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被認証者の顔を撮影し、登録されたデータと照合して個人認証を行う顔認証システムが知られている(例えば特許文献1)。このようなシステムでは、認証対象者の生体情報(顔画像など)と、認証対象者の認証情報(IDコードなど)とが1つの組となって辞書に登録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顔認証を行うには、認証対象者を撮影して、顔画像をシステムに予め記憶させる必要がある。また、認証性能の向上のため、システムの運用中に撮影した顔画像をシステムに追加登録する場合がある。その際に、撮影される人物からIDコード等の入力を受けた後に撮影を行うと、撮影者はシステムへの登録を意識してしまい、撮影の際に緊張して、不自然な姿勢・表情の顔画像となる場合がある。その場合、普段の顔認証時のように自然な状態で撮影した顔画像とは異なるため、スムーズな認証が行えない場合がある。
【0005】
また特許文献1のシステムでは、新たな顔画像をシステムへ登録する際、管理者などの操作員がIDコードとパスワードを入力した後に、撮影が行われる。したがって、システムの運用に管理者を必要とするので、システムの運用コストが上昇してしまう。また特許文献1のシステムでは、顔画像による辞書照合が失敗になり、認証処理の代替手段としてのパスワード入力により認証された場合に、顔照合用辞書の顔データの更新あるいは追加登録が行われる。しかし、IDコードとパスワードさえ一致すれば顔画像が追加登録されるため、他人の顔画像であっても顔照合用辞書に登録されてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、管理者の手間を削減して運用コスト上昇を抑制することや、顔認証システムの信頼性低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
<構成1>
上記目的を達成するための顔認証システムの特徴構成は、
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、前記被認証者を前記認証対象者であると認証する認証部を有する顔認証システムであって、
前記被認証者の顔を撮影する撮影部と、
前記認証対象者の個人識別情報である登録個人識別情報と、前記登録顔データと、前記入力顔データとを記憶する記憶部と、
前記被認証者から、前記被認証者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得部と、
前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在するか否かを確認する確認部と、
前記情報取得部が前記入力個人識別情報を取得したとき、当該取得より前に前記撮影部が撮影した顔に基づき生成され記憶部に記憶された前記入力顔データを、前記確認部による確認の結果に基づいて、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる登録部とを有する点にある。
【0008】
<構成10>
上記目的を達成するための入力顔データの登録方法の特徴構成は、
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、前記被認証者を前記認証対象者であると認証する顔認証システムで行われる、入力顔データの登録方法であって、
前記被認証者の顔を撮影する撮影処理と、
前記撮影処理の後に、前記被認証者から、前記被認証者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得処理と、
前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在するか否かを確認する確認処理と、
前記撮影処理で撮影した顔に基づき生成された前記入力顔データを、前記確認処理での確認の結果に基づいて、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして記憶させる登録処理とを有する点にある。
【0009】
上記の特徴構成によれば、被認証者から取得した入力個人識別情報と、その取得の前に撮影・生成された入力顔データとが記憶部に記憶されるから、被認証者の撮影は個人識別情報の取得の前に行われることになり、自然な状態での顔の撮影が可能となって、顔認証システムの性能を向上させることができる。さらには、入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データが存在するか否かの確認が行われるから、該当する登録顔データが存在する場合(追加登録)および存在しない場合(新規登録)それぞれに応じた顔データの登録が可能となり、他人の顔データの登録を抑制することが可能となる。
【0010】
<構成2>
本発明に係る顔認証システムの別の特徴構成は、
前記登録部は、前記認証部が前記被認証者を前記認証対象者であると認証しなかった場合に、認証に用いられた前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる点にある。
【0011】
上記の特徴構成によれば、認証に用いられた入力顔データが登録顔データとして記憶されるから、自然な状態で撮影された顔データがシステムに記憶されることになる。また当該入力顔データは、被認証者を認証対象者として認証しなかった際の顔データであるが、被認証者が認証対象者として登録済みの人物の場合は、そのような顔データを登録顔データとしてシステムに記憶させることで、本人拒否率を低下させることができる。被認証者がシステムに登録されていない人物の場合は、システムへ新規に登録することとなり、以後は自然な状態で撮影された顔データで認証されることになり好適である。なおこの入力顔データは、入力個人識別情報に対応する認証対象者の登録顔データとして記憶されるから、撮影された被認証者本人の顔データとして登録されることが担保されている。さらに、加えて上記の構成によれば、顔データの登録を管理者による入力を介在させずに行うことも可能であり、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0012】
<構成3>
本発明に係る顔認証システムを、
前記登録部は、前記確認部による確認の結果が、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在する旨の結果である場合に、前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させるよう構成してもよい。
【0013】
上記の特徴構成によれば、入力個人識別情報に関する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データが存在する場合に、追加登録、すなわち入力顔データを登録個人識別情報に関連づけて記憶させる処理が行われる。
【0014】
<構成4>
本発明に係る顔認証システムの別の特徴構成は、
前記登録部は、
前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データと前記入力顔データとの間の一致度が、所定の登録閾値よりも大きい場合に、
前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる点にある。
【0015】
入力顔データを追加登録するに際して、登録先(入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた人物)の登録顔データと入力顔データとの間の一致度が小さい場合は、別人の可能性があり、追加登録を行うべきではない。上記の特徴構成によれば、顔データの追加登録に際して、入力顔データが、一致度が小さい登録顔データに係る人物、すなわち他人の顔データとして記憶されることが抑制される。これにより誤操作やなりすまし等による他人の顔データの登録を抑制して、顔認証システムの信頼性低下を抑制することができ好適である。また管理者が誤登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0016】
<構成5>
本発明に係る顔認証システムの別の特徴構成は、
前記登録部は、
前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データと前記入力顔データとの間の一致度が、
前記入力個人識別情報に対応しない前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データと前記入力顔データとの間の一致度よりも大きい場合に、
前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる点にある。
【0017】
入力顔データを追加登録するに際して、登録先(入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた人物)の登録顔データと入力顔データとの間の一致度が、他の認証対象者の登録顔データに係る一致度より小さい場合は、入力顔データが他の認証対象者の顔データである可能性があり、追加登録を行うべきではない。上記の特徴構成によれば、顔データの追加登録に際して、入力顔データが、一致度が相対的に低い登録顔データに係る人物、すなわち他人の顔データとして記憶されることが抑制される。これにより誤操作やなりすまし等による他人の顔データの登録を抑制して、顔認証システムの信頼性低下を抑制することができ好適である。また管理者が誤登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0018】
<構成6>
本発明に係る顔認証システムを、
前記登録部は、前記確認部による確認の結果が、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在しない旨の結果である場合に、前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に関連づけて前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させて、前記被認証者を前記認証対象者として登録するよう構成してもよい。
【0019】
上記の特徴構成によれば、入力個人識別情報に関する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データが存在しない場合に、新規登録、すなわち入力顔データと入力個人識別情報とを関連づけて記憶させる処理が行われる。
【0020】
<構成7>
本発明に係る顔認証システムの別の特徴構成は、
前記登録部は、前記登録顔データと前記入力顔データとの一致度が、所定の非登録閾値よりも小さい場合に、前記入力顔データを、新規に前記認証対象者として登録する人物の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる点にある。
【0021】
入力顔データと入力個人識別情報とを用いて人物を新規登録するに際して、入力顔データと登録顔データとの一致度が大きい場合は、被認証者が既にシステムに登録された人物である可能性が高いため、新規登録を行うべきではない。上記の特徴構成によれば、登録顔データとの一致度が大きい入力顔データが、新たな認証対象者の顔データとして記憶されることが抑制される。これにより誤った新規登録を抑制して、顔認証システムの信頼性低下を抑制することができ好適である。また管理者が誤登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0022】
<構成8>
本発明に係る顔認証システムの別の特徴構成は、
前記記憶部は、前記認証対象者としての登録の可否を示す登録可否データを記憶しており、
前記登録部は、前記入力個人識別情報に係る人物が、前記登録可否データに照らして、前記認証対象者としての登録が可能な人物である場合に、前記入力顔データを、新規に前記認証対象者として登録する人物の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる点にある。
【0023】
上記の特徴構成によれば、登録可否データに照らして認証対象者としての登録が可能な人物のみを新規登録して、顔認証システムを適切に運用することができ好適である。また管理者が不適切な登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0024】
<構成9>
本発明に係る顔認証システムの別の特徴構成は、
前記登録部は、
前記確認部による確認の結果が、前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在しない旨の結果である場合に、前記入力顔データを前記入力個人識別情報に関連づけた新規顔データとして前記記憶部に少なくとも1回記憶させた後、
前記入力個人識別情報に関して新たに取得した前記入力顔データと前記新規顔データの少なくとも1つとの一致度が所定の初期登録閾値より大きいとき、
新たに取得した前記入力顔データ及び前記一致度が所定の初期登録閾値より大きい前記新規顔データのうちの少なくとも1つを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる点にある。
【0025】
上記の特徴構成によれば、入力個人識別情報に関する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データが存在しない場合に、新規登録、すなわち入力顔データと入力個人識別情報とを関連づけて記憶させる処理が行われる。このとき、本構成では、1回目又は1回目から数回撮影された入力顔データを新規顔データとして記憶部に記憶させておき、当該入力個人識別情報に関して新たに取得した入力顔データと当該新規顔データとの一致度が所定の初期登録閾値より大きいとき、一致度の高い入力顔データの少なくとも1つを登録顔データとして記憶させる。このように、複数の入力顔データに基づいて新規登録の可否決定をしているので、誤った新規登録を抑制して、顔認証システムの信頼性低下を抑制することができ好適である。また管理者が誤登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0026】
<構成11>
上記目的を達成するための顔認証システムの特徴構成は、
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、前記被認証者を前記認証対象者であると認証する認証部を有する顔認証システムであって、
前記被認証者の顔を撮影する撮影部と、
前記認証対象者の個人識別情報である登録個人識別情報と、前記登録顔データと、前記入力顔データとを記憶する記憶部と、
前記被認証者から、前記被認証者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が前記入力個人識別情報を取得したとき、前記撮影部が撮影した顔に基づき生成され前記記憶部に記憶された前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる登録部とを有し、
前記登録部は、
前記入力個人識別情報に対応する前記登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在しない場合に、前記入力顔データを前記入力個人識別情報に関連づけた新規顔データとして前記記憶部に少なくとも1回記憶させた後、
前記入力個人識別情報に関して新たに取得した前記入力顔データと前記新規顔データの少なくとも1つとの一致度が所定の初期登録閾値より大きいとき、
新たに取得した前記入力顔データ及び前記一致度が所定の初期登録閾値より大きい前記新規顔データのうちの少なくとも1つを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして前記記憶部に記憶させる点にある。
【0027】
<構成12>
上記目的を達成するための入力顔データの登録方法の特徴構成は、
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、前記被認証者を前記認証対象者であると認証する顔認証システムで行われる、入力顔データの登録方法であって、
前記被認証者の顔を撮影する撮影処理と、
前記被認証者から、前記被認証者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得処理と、
前記撮影処理で撮影した顔に基づき生成された前記入力顔データを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして記憶させる登録処理とを有し、
前記登録処理は、
前記入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた前記登録顔データが存在しない場合に、前記入力顔データを前記入力個人識別情報に関連づけた新規顔データとして少なくとも1回記憶した後、
前記入力個人識別情報に関して新たに取得した前記入力顔データと前記新規顔データの少なくとも1つとの一致度が所定の初期登録閾値より大きいとき、
新たに取得した前記入力顔データ及び前記一致度が所定の初期登録閾値より大きい前記新規顔データのうちの少なくとも1つを、前記入力個人識別情報に対応する前記認証対象者の前記登録顔データとして登録する点にある。
【0028】
上記の特徴構成によれば、入力個人識別情報に関する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データが存在しない場合に、新規登録、すなわち入力顔データと入力個人識別情報とを関連づけて記憶させる処理が行われる。このとき、本構成では、1回目又は1回目から数回撮影された入力顔データを新規顔データとして記憶部に記憶させておき、当該入力個人識別情報に関して新たに取得した入力顔データと当該新規顔データとの一致度が所定の初期登録閾値より大きいとき、一致度の高い入力顔データの少なくとも1つを登録顔データとして記憶させる。このように、複数の入力顔データに基づいて新規登録の可否決定をしているので、誤った新規登録を抑制して、顔認証システムの信頼性低下を抑制することができ好適である。また管理者が誤登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、管理者の手間を削減して運用コスト上昇を抑制することや、顔認証システムの信頼性低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図3】顔認証システムで行われる処理を示すフローチャート
【
図8】顔認証システムで行われる処理を示すフローチャート
【
図10】顔認証システムで行われる処理を示す説明図
【
図11】顔認証システムで行われる処理を示すフローチャート
【
図12】顔認証システムで行われる処理を示す説明図
【
図13】顔認証システムで行われる処理を示すフローチャート
【
図14】顔認証システムで行われる処理を示すフローチャート
【
図15】初回自動登録サブルーチンを示すフローチャート
【
図16】顔認証システムで行われる処理を示す説明図
【
図17】顔認証システムで行われる処理を示す説明図
【
図18】顔認証システムで行われる処理を示すフローチャート
【0031】
<第1実施形態>
以下
図1~
図12を参照して、本実施形態に係る顔認証システム、および入力顔データの登録方法について説明する。
【0032】
顔認証システム1は、被認証者Aの顔画像またはその特徴量からなる入力顔データEと、登録された認証対象者Bの顔画像またはその特徴量からなる登録顔データFとを照合して、被認証者Aを認証対象者Bであると認証するシステムである。
図1に示す顔認証システム1は、例えばデータセンターのサーバールームに設置されて、管理エリアへの入場を管理する。詳しくは顔認証システム1は、認証対象者Bであると認証された被認証者Aのみ管理エリアへの入場を許可する。
【0033】
被認証者Aとは、顔認証システム1にて認証を受ける人物である。認証対象者Bとは、管理エリアへの入場を許可された人物として顔認証システム1に登録されている人物である。
【0034】
顔データとは、顔画像またはその特徴量である。顔画像とは、人物の顔をカメラ等で撮影した画像である。特徴量とは、顔画像における人物の顔の特徴を数値化した量である。
【0035】
本実施形態では、被認証者Aの顔データを入力顔データEと呼び、認証対象者Bの顔データを登録顔データFと呼ぶ。また被認証者Aである人物P1等の顔データを、末尾に同じ番号を付して入力顔データE1等と呼ぶ場合がある。認証対象者Bである人物P2等の顔データを、末尾に同じ番号を付して登録顔データF2等と呼ぶ場合がある。また
図3に示すように、同じ人物(例えば人物P2)に関して複数の登録顔データFが記憶される場合があり、それら登録顔データFを、末尾に更に連番を付して登録顔データF21、F22、F23等と呼ぶ場合がある。この場合、アルファベットの直後の数字が人物Pの番号を表し、その次の数字が人物Pの複数の顔データの中での通し番号を表す。
【0036】
人物Pの個人識別情報とは、顔データ以外の情報であって、個人を識別できる情報である。個人識別情報としては、例えば氏名、社員番号、管理番号など、単独で個人を識別できる情報であってもよいし、所属会社名、部署、役職、連絡先電話番号、メールアドレスなど、複数の組合せで個人を識別できる情報であってもよい。また本実施形態における個人識別情報としては、指紋や虹彩などの生体認証情報(顔データを除く)を含むものとする。これら情報を取得して所謂生体認証を行い、個人を識別することが可能である。
【0037】
本実施形態では、被認証者Aの個人識別情報を入力個人識別情報Hと呼び、認証対象者Bの個人識別情報を登録個人識別情報Iと呼ぶ。また被認証者Aである人物P1等の個人識別情報を、末尾に同じ番号を付して入力個人識別情報H1等と呼ぶ場合がある。認証対象者Bである人物P2等の個人識別情報を、末尾に同じ番号を付して登録個人識別情報I2等と呼ぶ場合がある。
【0038】
図1を参照して、顔認証システムの動作の概要について説明する。認証を受けようとする被認証者Aが端末装置10の前に立つと、端末装置10の撮影部11が被認証者Aを撮影する(#01)。撮影された画像に基づいて、被認証者Aの入力顔データEが生成されて、制御装置30にて認証が行われる(#02)。
【0039】
認証OK、すなわち被認証者Aがシステムに登録された人物(認証対象者B)であると認証されると、電気制御扉20が開放または開錠されて、被認証者Aが電気制御扉20を通過可能な状態となる(以下では、開錠の場合で説明する)。認証に失敗(認証NG)すると、IDカードQによる個人識別情報の入力を求められる(#03)。
【0040】
被認証者AがIDカードQを端末装置10の情報取得部12(カードリーダー)にかざすと、情報取得部12がIDカードQから被認証者Aの個人識別情報(入力個人識別情報H)を読み取る(#04)。被認証者Aから取得された入力個人識別情報Hに基づいて、制御装置30にて被認証者Aの入場の可否が判断される。入場可と判断されると、電気制御扉20が開錠される(#05)。
【0041】
本発明に係る顔認証システム1では、#02で生成された入力顔データEと、#04で取得された入力個人識別情報Hとを用いて、システムへの入力顔データEの登録が行われる(#06)。詳しくは、まず入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが存在するか否かが確認される。このような登録顔データFが存在する場合には、入力顔データEは、対応する認証対象者Bの登録顔データFとして記憶される(追加登録)。確認の結果が否、つまりこのような登録顔データFが存在しない場合には、被認証者Aを認証対象者Bとして登録する処理(新規登録)がなされる。これらの処理については後に詳しく説明する。
【0042】
以下、顔認証システム1の各構成について説明する。
【0043】
端末装置10は、管理エリアの入口付近に配置され、被認証者Aから入力顔データEおよび入力個人識別情報Hを取得する装置である。端末装置10は、撮影部11および情報取得部12を有して構成される。
【0044】
撮影部11は、被認証者Aの顔を撮影する装置である。そして撮影部11が撮影した顔に基づき入力顔データEが生成される。本実施形態では撮影部11はカメラであり、端末装置10の前に立った被認証者Aを撮影し、撮影した画像から顔を検出して顔画像を作成する。そして撮影部11が、顔画像から特徴量を抽出して顔データを生成し、入力顔データEとして制御装置30へ送信する。なお、撮影部11が撮影した画像を制御装置30に送信して、制御部33が入力顔データEを生成してもよい。以下、顔画像と特徴量とを区別することなく「顔データ」と総称して説明する。
【0045】
情報取得部12は、被認証者Aから入力個人識別情報Hを取得する装置である。本実施形態では情報取得部12はICカードリーダーであり、被認証者AがかざしたIDカードQから被認証者AのID番号(個人識別情報)を読み取って、入力個人識別情報Hとして制御装置30へ送信する。
【0046】
なお情報取得部12は、顔認証システム1で用いられる個人識別情報の種類に応じて構成される。たとえば個人識別情報としてQRコード(登録商標)化されたID番号を用いる場合は、情報取得部12としてカメラを用いる。個人識別情報としてID番号そのものを用いて、被認証者Aから手入力を受け付ける場合には、情報取得部12としてタッチパネル式入力装置やテンキーを用いる。個人識別情報として指紋や虹彩などの生体認証情報を用いる場合には、情報取得部12として指紋読取装置や虹彩認識装置などの生体情報入力装置を用いる。
【0047】
電気制御扉20は、制御装置30により開錠・施錠(または開閉)が制御される扉である。電気制御扉20は、管理エリアの入口に設置される。そして被認証者Aが認証対象者Bであると認証された場合に、制御装置30により電気制御扉20が開錠され、被認証者Aが管理エリアに入場することが可能となる。
【0048】
制御装置30は、顔認証システム1の全体の動作を制御し、各種の処理を行う。制御装置30は、処理用記憶部31、登録記憶部32、制御部33および通信部34を有して構成される。
【0049】
処理用記憶部31および登録記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性RAM(Random Access Memory)といった記憶デバイスで構成される。処理用記憶部31および登録記憶部32は、物理的に別個の記憶デバイスであってもよいし、一つの記憶デバイスに設けられた2つの記憶領域であってもよい。
また処理用記憶部31および登録記憶部32は、顔認証システム1が設けられた場所(例えばサーバールーム)に設けられてもよいし、いわゆるクラウド上の記憶領域であってもよい。以下、処理用記憶部31と登録記憶部32とをまとめて記憶部Mと総称する場合がある。
【0050】
処理用記憶部31には、
図4等に示すように、撮影部11で生成された入力顔データEと、情報取得部12で取得された入力個人識別情報Hとが記憶される。
【0051】
登録記憶部32には、
図4等に示すように、認証対象者Bの登録顔データFと登録個人識別情報Iとが記憶される。
図4の例では、認証対象者Bである3人の人物P2、P3およびP4について、各人物の複数の登録顔データFと、登録個人識別情報Iとが、人物毎に関連づけられた状態で、登録記憶部32に記憶されている。
【0052】
詳しくは、人物P2について、4つの登録顔データF21、F22、F23およびF24と、登録個人識別情報I2とが記憶されている。人物P3について、2つの登録顔データF31およびF32と、登録個人識別情報I3とが記憶されている。人物P4について、3つの登録顔データF41、F42およびF43と、登録個人識別情報I4とが記憶されている。このように本実施形態では、一人の人物Pに対して複数の登録顔データFが関連づけられる。
【0053】
人物の認証対象者Bとしての顔認証システム1への「登録」は、当該人物の顔データおよび個人識別情報が、互いに関連づけられた状態で記憶部Mに記憶されていることを意味する。
【0054】
制御部33は、認証部33a、確認部33bおよび登録部33cを有して構成される。
制御部33は、例えば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラムと、該ソフトウェアプログラムを実行するCPUと、該CPUによって制御される各種ハードウェア等によって構成されている。制御部33の動作に必要なソフトウェアプログラムやデータは記憶部Mに保存されるが、保存先は特に限定されず、別途専用に設けられたディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置に保存される態様であってもよいし、通信可能に接続されたサーバや記憶装置等に保存される態様であっても構わない。
【0055】
認証部33aは、入力顔データEと、登録顔データFとを照合して、被認証者Aを認証対象者Bであると認証する。認証の手法としては各種の方法を用いることができるが、本実施形態では以下の手法が採られる。
【0056】
認証部33aは、
図4に示すように、登録記憶部32に記憶されている全ての登録顔データFと、処理用記憶部31に記憶されている入力顔データEとを照合して、各登録顔データF毎に入力顔データEとの一致の度合いである一致度を算出する。
【0057】
次に認証部33aは、登録顔データFの中で最も一致度が大きい登録顔データFを選択する。そして認証部33aは、選択された登録顔データFの一致度が所定の認証閾値Vより大きい場合に、被認証者Aを、選択された登録顔データFに関連づけられた認証対象者Bであると認証する。
【0058】
確認部33bは、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが記憶部Mに存在するか否かを確認する。そしてこの確認結果に基づいて、後述する登録部33cの処理が行われる。
【0059】
登録部33cは、情報取得部12が入力個人識別情報Hを取得したとき、当該取得より前に撮影部11が生成して記憶部Mに記憶した入力顔データEを、確認部33bによる確認の結果に基づいて、入力個人識別情報Hに対応する認証対象者Bの登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。本実施形態では登録部33cは、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが記憶部Mに存在する場合、入力顔データEを、その登録個人識別情報Iに係る人物Pの登録顔データFとしてシステムに登録する(追加登録)。入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが記憶部Mに存在しない場合、入力顔データEを、その入力個人識別情報Hに係る人物Pの登録顔データFとしてシステムに登録する(新規登録)。
【0060】
通信部34は、無線LANや有線LAN等を介して顔認証システム1の各構成とデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
【0061】
次に、
図3のフローチャート、および
図4~
図7の説明図を参照しながら、顔認証システム1の動作、および顔認証システム1で行われる入力顔データの登録方法について説明する。
【0062】
ステップ#101の撮影ステップでは、顔認証システム1に対して被認証者Aの顔データが入力される。具体的には
図4に示すように、端末装置10の撮影部11が、被認証者Aである人物P1の顔を撮影して、入力顔データE1を生成する。生成された入力顔データE1は、制御装置30へ送信され、処理用記憶部31に記憶される。そしてステップ#102へ進む。
【0063】
ステップ#102の認証ステップでは、認証部33aが、入力された被認証者Aの入力顔データEと、記憶部Mに記憶された登録顔データFとを照合して、被認証者Aを認証対象者Bであると認証する。本実施形態では、認証は次の様にして行われる。
【0064】
認証部33aは、
図4に示すように、登録記憶部32に記憶されている全ての登録顔データFと、処理用記憶部31に記憶されている入力顔データEとを照合して、各登録顔データF毎に入力顔データEとの一致の度合いである一致度を算出する。
図4の例では、算出された一致度が登録顔データFの下に示されている。例えば、人物P1に係る入力顔データE1と、人物P2に係る登録顔データF21~F24との一致度は、18、21、22、19と算出されている。
【0065】
次に認証部33aは、登録顔データFの中で最も一致度が大きい登録顔データFを選択する。
図4の例では、人物P4に係る登録顔データF42が、一致度が97であり最も大きいので、登録顔データF42が選択される。
【0066】
そして認証部33aは、選択された登録顔データFの一致度が所定の認証閾値V(例えば90)より大きい場合に、被認証者Aを、選択された登録顔データFに関連づけられた認証対象者Bであると認証する。
図4の例では、選択された登録顔データF42の一致度は97であり、認証閾値V(90)より大きい。したがって被認証者Aが、登録顔データF42に係る人物P4(認証対象者B)であると認証される。
【0067】
このように被認証者Aが認証対象者Bであると認証されると(ステップ#103:Yes)、ステップ#104へ進む。
【0068】
ステップ#104の開錠ステップでは、制御部33が、電気制御扉20を開錠する。そして処理を終了する。
【0069】
被認証者Aが認証対象者Bであると認証されない場合(ステップ#103:No)、ステップ#105へ進む。
図5に示す例では、
図4の場合と同様に一致度が算出されているが、人物P4に係る登録顔データF41~F44の一致度が、
図4の場合に比べて低くなっている。撮影の際の顔の向きや光線の具合、表情等の影響により、同じ人物であっても一致度が変動する場合がある。
【0070】
図5の例では、ステップ#102の認証ステップにて、登録顔データFの中で最も一致度が大きい登録顔データFとして、一致度が87である登録顔データF41が選択される。しかし登録顔データF42の一致度87は、認証閾値V(90)より小さい。したがって、被認証者Aは認証対象者Bであると認証されず(ステップ#103:No)、ステップ#105へ進む。
【0071】
ステップ#105の情報取得ステップでは、情報取得部12が、被認証者Aから入力個人識別情報Hを取得する。具体的には
図6に示すように、被認証者Aである人物P1が、自分のIDカードQ1を情報取得部12にかざす。そうすると情報取得部12が、IDカードQ1から人物P1の個人識別情報である入力個人識別情報H1を取得する。取得された入力個人識別情報H1は、制御装置30へ送信され、処理用記憶部31に記憶される。
そしてステップ#106へ進む。
【0072】
ステップ#106の存在確認ステップでは、確認部33bが、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが記憶部Mに存在するか否かを確認する。具体的には確認部33bは、まず処理用記憶部31に記憶された入力個人識別情報H1と、登録記憶部32に記憶されている全ての登録個人識別情報Iとを照合するそして入力個人識別情報H1に対応する登録個人識別情報Iが存在する場合には、その登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが存在するか否かを確認する。
【0073】
図6の例では、入力個人識別情報H1と、登録個人識別情報I2、I3およびI4とが照合され、登録個人識別情報I4が入力個人識別情報H1に対応すると判断されている。
そして登録個人識別情報I4に関しては、これに関連づけられた登録顔データF41~F43が存在する。したがってこの場合、確認部33bによる確認の結果は、入力個人識別情報H1に対応する登録個人識別情報I(I4)に関連づけられた登録顔データF(F41~F43)が、登録記憶部32に存在する旨の結果となる。
【0074】
確認部33bによる確認の結果が、上述の
図6のように<存在する>であった場合(ステップ#107:(1)IDあり、顔データあり)、顔データの追加登録を行うべくステップ#108へ進む。
【0075】
一方、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iが存在しても、これに関連づけられた登録顔データFが存在しない(記憶されていない)場合がある。この場合、確認部33bによる確認の結果は<存在しない>となり(ステップ#107:(2)IDあり、顔データなし)、被認証者Aを認証対象者Bとして新規登録すべくステップ#111へ進む。
【0076】
なお入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iが存在しない場合(ステップ#107:(3)IDなし)、処理を終了する。
【0077】
ステップ#108の顔データ審査ステップでは、登録部33cが、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度を確認する。
図6の例では、登録部33cが、入力顔データE1と、登録個人識別情報I4に関連づけられた登録顔データF41~F43との間の一致度を確認する。
【0078】
入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度が、所定の登録閾値X(例えば80)よりも大きい場合に(ステップ#109:Yes)、ステップ#110へ進む。
図6の例では、登録個人識別情報I4に関連づけられた登録顔データF41~F43との間の一致度は87、81および86であり、登録閾値X(80)よりも大きい。よって入力顔データE1は人物P4の登録顔データFと十分に類似しており、人物P4への追加登録に適していると判定され、ステップ#110へ進む。一致度が所定の登録閾値Xよりも小さい場合には(ステップ#109:No)、入力顔データE1は追加登録に適していないと判定され、処理を終了する。
【0079】
ステップ#110の登録ステップでは、登録部33cが、入力顔データEを、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。
図6の例では、入力顔データE1が、入力個人識別情報H1に対応する登録個人識別情報I4に関連づけられた登録顔データF(F44)として登録記憶部32に記憶される。そして制御部33が電気制御扉20を開錠して処理を終了する。
【0080】
上述の通りステップ#107にて、確認部33bによる確認の結果が<存在しない>、すなわち入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが記憶部Mに存在しない場合(ステップ#107:(2)IDあり、顔データなし)、ステップ#111へ進む。
【0081】
例えば
図7に示されるように、被認証者Aである人物P5が自分のIDカードQ5を情報取得部12にかざして、入力個人識別情報H5が取得されたとする(#105の情報取得ステップ)。確認部33bは、入力個人識別情報H5と、登録個人識別情報I2、I3、I4およびI5とを照合する(#106の存在確認ステップ)。ここで登録個人識別情報I5と、入力個人識別情報H5とが対応するが、登録個人識別情報I5には、関連づけられた登録顔データFが存在しない。よって確認部33bによる確認の結果は、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが記憶部Mに存在しない旨の結果となり(ステップ#107:(2)IDあり、顔データなし)、ステップ#111へ進む。
【0082】
ステップ#111の顔データ審査ステップでは、登録部33cが、登録記憶部32に記憶されている登録顔データFと、入力顔データEとの間の一致度を確認する。
図7の例では、登録部33cが、入力顔データE5と、登録顔データF21~F24、F31,F32、F41~F44との間の一致度を確認する。
【0083】
登録顔データFと入力顔データEとの一致度が、所定の非登録閾値Y(例えば50)よりも小さい場合には(ステップ#112:Yes)、ステップ#113へ進む。
図7の例では、入力顔データE5との一致度は10~33であり、いずれも非登録閾値Y(50)より低い。よって入力顔データE5は認証対象者Bの登録顔データFと類似しておらず、新規登録に適していると判定され、ステップ#113へ進む。一致度が非登録閾値Yより大きい登録顔データFが存在する場合には(ステップ#112:No)、入力顔データE5は新規登録に適していないと判定され、処理を終了する。
【0084】
ステップ#113の登録ステップでは、登録部33cが、入力顔データEを、新規に認証対象者Bとして登録する人物Pの登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。
図7の例では、入力顔データE5が、人物P5の登録顔データF(F51)として登録記憶部32に記憶される。これをもって、人物P5が新規に認証対象者Bとして顔認証システム1に登録される。そして制御部33が電気制御扉20を開錠して処理を終了する。
【0085】
以上述べた通り、本実施形態に係る顔認証システム1では、入力顔データの登録方法が実行される。当該登録方法は、
被認証者Aの顔を撮影する撮影処理と、
撮影処理の後に、被認証者Aから、被認証者Aの個人識別情報である入力個人識別情報Hを取得する情報取得処理と、
入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが存在するか否かを確認する確認処理と、
撮影処理で撮影した顔に基づき生成された入力顔データEを、確認処理での確認の結果に基づいて、入力個人識別情報Hに対応する認証対象者Bの登録顔データFとして記憶させる登録処理とを有する。そして、
上述の撮影ステップ(#101)が、撮影処理に相当し、
情報取得ステップ(#105)が、情報取得処理に相当し、
存在確認ステップ(#106)が、確認処理に相当し、
登録ステップ(#110または#113)が、登録処理に相当する。
【0086】
<第2実施形態>
第2実施形態では、#108の顔データ審査ステップが、第1実施形態とは異なる態様で行われる。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。第2実施形態以降の説明でも同様である。
【0087】
第2実施形態に係るステップ#108の顔データ審査ステップでは、登録部33cが、記憶部Mに記憶されている登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度を確認する。
図6の例では、登録部33cが、入力顔データE1と、登録顔データF21~F24、F31,F32、F41~F43との間の一致度を確認する。
【0088】
入力個人識別情報H1に対応する登録個人識別情報I4に関連づけられた登録顔データF41~F43と入力顔データE1との間の一致度が、入力個人識別情報H1に対応しない登録個人識別情報(I2およびI3)に関連づけられた登録顔データ(F21~F24、F31,F32)と入力顔データとの間の一致度よりも大きい場合に(ステップ#109:Yes)、ステップ#110へ進む。
図6の例では、登録顔データF41~F43の一致度(81~87の範囲)は、登録顔データF21~F24、F31,F32の一致度(22~31の範囲)より大きい。そうすると入力顔データE1は、人物P2およびP3の登録顔データFよりも、人物P4の登録顔データFに類似しており、人物P4への追加登録に適していると判定され、ステップ#110へ進む。そうでない場合(ステップ#109:No)、入力顔データE1は追加登録に適していないと判定され、処理を終了する。
なお、上述した一致度の大小は、平均値や中央値で比較してもよい。また、入力個人識別情報H1に対応する方の全ての一致度が、入力個人識別情報H1に対応しない方の全ての一致度より大きいことを条件としてもよい。
【0089】
すなわち第2実施形態に係る顔認証システム1では、登録部33cは、
入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度が、
入力個人識別情報Hに対応しない登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度よりも大きい場合に、
入力顔データEを、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。
【0090】
<第3実施形態>
第1実施形態および第2実施形態では、認証部33aが被認証者Aを認証対象者Bであると認証しなかった場合(ステップ#103:No)に、入力顔データEの記憶部Mへの記憶(追加登録、新規登録)が行われた。つまり追加登録・新規登録が、被認証者Aの認証に付随する処理として行われた。
【0091】
入力顔データEの記憶部Mへの記憶(追加登録、新規登録)は、被認証者Aの認証を行わない場合にも実施することが可能である。第3実施形態に係る顔認証システム1では、入力顔データEの記憶部Mへの記憶(追加登録、新規登録)が、被認証者Aの認証に付随しない形態で実行される。
【0092】
第1実施形態および第2実施形態の認証部33aに替わって、ここでは、登録部33cが顔データ同士を照合して一致度を算出し、所定の閾値との比較を行う。
【0093】
本実施形態では
図9・
図10に示すように、端末装置10を用いて処理対象者Dの顔データのシステムへの登録が行われる。
図9の例では、4人の人物P8~P11が端末装置10の前に並び、順に顔写真の撮影、個人識別情報の入力を行う。
【0094】
以下、
図8のフローチャート、および
図9・
図10の説明図を参照しながら、本実施形態に係る顔認証システム1の動作、および顔認証システム1、および顔認証システム1で行われる入力顔データの登録方法について説明する。
【0095】
ステップ#201の撮影ステップでは、顔認証システム1に対して処理対象者Dの顔データが入力される。具体的には
図9に示すように、端末装置10の撮影部11が、処理対象者Dである人物P8の顔を撮影して、入力顔データE8を生成する。生成された入力顔データE8は、制御装置30へ送信され、処理用記憶部31に記憶される。そしてステップ#202へ進む。
【0096】
ステップ#202の情報取得ステップでは、情報取得部12が、処理対象者Dから入力個人識別情報Hを取得する。具体的には
図9に示すように、処理対象者Dである人物P8が、自分のIDカードQ8を情報取得部12にかざす。そうすると情報取得部12が、IDカードQ8から人物P8の個人識別情報である入力個人識別情報H8を取得する。取得された入力個人識別情報H9は、制御装置30へ送信され、処理用記憶部31に記憶される。そしてステップ#203へ進む。
【0097】
ステップ#203の存在確認ステップでは、確認部33bが、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが記憶部Mに存在するか否かを確認する。具体的には確認部33bは、まず処理用記憶部31に記憶された入力個人識別情報H8と、登録記憶部32に記憶されている全ての登録個人識別情報Iとを照合する。そして入力個人識別情報H1に対応する登録個人識別情報Iが存在する場合には、その登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが存在するか否かを確認する。
【0098】
図9の例では、入力個人識別情報H8と、登録個人識別情報I6、I7およびI9とが照合され、登録個人識別情報I6が入力個人識別情報H8に対応すると判断されている。
そして登録個人識別情報I6に関しては、これに関連づけられた登録顔データF61およびF62が存在する。したがってこの場合、確認部33bによる確認の結果は、入力個人識別情報H8に対応する登録個人識別情報I(I6)に関連づけられた登録顔データF(F61およびF62)が、登録記憶部32に存在する旨の結果となる
【0099】
確認部33bによる確認の結果が、上述の
図9のように<存在する>であった場合(ステップ#204:(1)IDあり、顔データあり)、顔データの追加登録を行うべくステップ#205へ進む。
【0100】
一方、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iが存在しても、これに関連づけられた登録顔データFが存在しない(記憶されていない)場合がある(
図9の登録個人識別情報I9)。この場合、確認部33bによる確認の結果は<存在しない>となり(ステップ#204:(2)IDあり、顔データなし)、被認証者Aを認証対象者Bとして新規登録すべくステップ#208へ進む。
【0101】
なお入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iが存在しない場合(ステップ#204:(3)IDなし)、処理を終了する。
【0102】
ステップ#205の顔データ審査ステップでは、登録部33cが、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度を確認する。
図9の例では、登録部33cが、入力顔データE8と、登録個人識別情報I6に関連づけられた登録顔データF61およびF62との間の一致度を確認する。
【0103】
入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度が、所定の登録閾値X(例えば80)よりも大きい場合に(ステップ#206:Yes)、ステップ#207へ進む。
図9の例では、登録個人識別情報I6に関連づけられた登録顔データF61およびF62と、入力顔データE8の間の一致度は83および87であり、登録閾値X(80)よりも大きい。よって入力顔データE8は人物P6の登録顔データFと十分に類似しており、人物P6への追加登録に適していると判定され、ステップ#207へ進む。一致度が所定の登録閾値Xよりも小さい場合には(ステップ#206:No)、入力顔データE8は追加登録に適していないと判定され、処理を終了する。
【0104】
ステップ#207の登録ステップでは、登録部33cが、入力顔データEを、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。
図9の例では、入力顔データE8が、入力個人識別情報H8に対応する登録個人識別情報I6に関連づけられた登録顔データF(F63)として登録記憶部32に記憶される。そして制御部33が電気制御扉20を開錠して処理を終了する。
【0105】
上述の通りステップ#204にて、確認部33bによる確認の結果が<存在しない>、すなわち入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが記憶部Mに存在しない場合(ステップ#204:(2)IDあり、顔データなし)、ステップ#208へ進む。
【0106】
例えば
図10に示されるように、処理対象者Dである人物P9が自分のIDカードQ9を情報取得部12にかざして、入力個人識別情報H9が取得されたとする(#202の情報取得ステップ)。確認部33bは、入力個人識別情報H9と、登録個人識別情報I6、I7およびI9とを照合する(#203の存在確認ステップ)。ここで登録個人識別情報I9と、入力個人識別情報H9とが対応するが、登録個人識別情報I9には、関連づけられた登録顔データFが存在しない。よって確認部33bによる確認の結果は、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが記憶部Mに存在しない旨の結果となり(ステップ#204:(2)IDあり、顔データなし)、ステップ#208へ進む。
【0107】
ステップ#211の顔データ審査ステップでは、登録部33cが、登録記憶部32に記憶されている登録顔データFと、入力顔データEとの間の一致度を確認する。
図10の例では、登録部33cが、入力顔データE9と、登録顔データF61、F62およびF71との間の一致度を確認する。
【0108】
登録顔データFと入力顔データEとの一致度が、所定の非登録閾値Y(例えば50)よりも小さい場合には(ステップ#209:Yes)、ステップ#210へ進む。
図10の例では、入力顔データE9との一致度は22~36であり、いずれも非登録閾値Y(50)より低い。よって入力顔データE9は認証対象者Bの登録顔データFと類似しておらず、新規登録に適していると判定され、ステップ#210へ進む。一致度が非登録閾値Yより大きい登録顔データFが存在する場合には(ステップ#209:No)、入力顔データE9は新規登録に適していないと判定され、処理を終了する。
【0109】
ステップ#210の登録ステップでは、登録部33cが、入力顔データEを、新規に認証対象者Bとして登録する人物Pの登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。
図10の例では、入力顔データE9が、人物P9の登録顔データF(F91)として登録記憶部32に記憶される。これをもって、人物P9が新規に認証対象者Bとして顔認証システム1に登録される。そして制御部33が電気制御扉20を開錠して処理を終了する。
【0110】
なお本実施形態における#205の顔データ審査ステップを、第2実施形態で説明した形態で行うことも可能である。
【0111】
また本実施形態においては、#201の撮影ステップと、#202の情報取得ステップの順番を入れ替えることも可能である。つまり、情報取得ステップを実行して処理対象者Dから入力個人識別情報Hを取得し、その後に、撮影ステップを実行して処理対象者Dの入力顔データEを生成してもよい。
【0112】
<第4実施形態>
第4実施形態では、存在確認ステップが第1~第3実施形態とは異なる態様で行われる。また新規登録の場合において、登録可否確認ステップ(
図11のステップ#311)が行われる。以下、
図11と
図12を用いて第4実施形態に係る顔認証システム1の動作について説明する。
【0113】
また本実施形態では、登録記憶部32に登録可否データが記憶される。登録可否データは、認証対象者Bとしての登録の可否を示すデータであり、例えば、顔認証システム1への登録が認められた(可能な)人物Pの個人識別情報(氏名等)が列記されたデータである。
【0114】
本実施形態に係る顔認証システム1の動作を、
図11のフローチャートに示す。ステップ#301(撮影ステップ)、ステップ#302(認証ステップ)、ステップ#303、ステップ#304(開錠ステップ)およびステップ#305(情報取得ステップ)は、第1実施形態と同様に実行される。
【0115】
ステップ#306の存在確認ステップでは、入力顔データEに類似する登録顔データFが記憶部Mに存在するか否かが確認される。具体的には、記憶部Mに記憶されている全ての登録顔データFと入力顔データEとの一致度が確認される。一致度が所定の確認閾値W(例えば60)よりも大きい場合、入力顔データEに類似する登録顔データFが記憶部Mに存在する旨の結果となる(ステップ#307:(1)顔データあり)。
【0116】
図12の例では、被認証者A(人物P5)の入力顔データE5と、記憶部Mに記憶されている登録顔データF21~F24、F31,F32、F41~F44との間の一致度が確認される。一致度は10~33の範囲であり、確認閾値W(60)よりも小さい。したがって
図12の例では、存在確認ステップの結果は、入力顔データEに類似する登録顔データFが記憶部Mに存在しない旨の結果となる(ステップ#307:(2)顔データなし)。
【0117】
存在確認ステップの結果が<存在する>、すなわち入力顔データEに類似する登録顔データFが記憶部Mに存在する場合(ステップ#307:(1)顔データあり)、ステップ
#308へ進む。
【0118】
ステップ#308の顔データ審査ステップでは、存在確認ステップ(#306)にて一致度が確認閾値Wよりも大きい旨確認された登録顔データFに関し、その登録顔データFに係る登録個人識別情報Iが、入力個人識別情報Hと対応するか否か、および、その登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度が、所定の登録閾値Xよりも大きいか否かが確認される。
【0119】
顔データ審査ステップでの確認結果が、個人識別情報が対応し、かつ顔データの一致度が登録閾値Xよりも大きい場合(ステップ#309:Yes)、ステップ#310に進む。そうでない場合(ステップ#309:No)、処理を終了する。
【0120】
ステップ#310の登録ステップは、第1実施形態の登録ステップ(#110)と同様に行われる。そして制御部33が電気制御扉20を開錠して処理を終了する。
【0121】
上述の存在確認ステップの結果が<存在しない>、すなわち入力顔データEに類似する登録顔データFが記憶部Mに存在しない場合(ステップ#307:(2)顔データなし)、ステップ#311に進む。
【0122】
ステップ#311の登録可否確認ステップでは、登録部33cが、登録記憶部32の登録可否データを参照して、入力個人識別情報Hに係る人物Pが、認証対象者Bとしての登録が可能な人物であるか否かを確認する。登録が可能な人物である場合には(ステップ#312:Yes)、ステップ#313へ進む。登録が可能な人物でない場合には(ステップ#312:No)、処理を終了する。
【0123】
ステップ#313の顔データ存在確認ステップでは、登録記憶部32に、情報取得ステップ(#305)で取得した入力個人識別情報Hに関連づけられた登録顔データFが存在するか否かが確認される。
【0124】
顔データ存在確認ステップでの確認結果が、存在する旨の結果の場合(ステップ#314:Yes)、新規登録に該当しないため、処理を終了する。顔データ存在確認ステップでの確認結果が、存在しない旨の結果の場合(ステップ#314:No)、ステップ#315に進む。
【0125】
ステップ#315の登録ステップでは、登録部33cが、入力顔データEを、新規に認証対象者Bとして登録する人物Pの登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。
図12の例では、入力顔データE5が、人物P5の登録顔データF(F51)として登録記憶部32に記憶され、入力個人識別情報H5が、人物P5の登録個人識別情報I5として登録記憶部32に記憶される。これをもって、人物P5が新規に認証対象者Bとして顔認証システム1に登録される。そして制御部33が電気制御扉20を開錠して処理を終了する。
【0126】
<第5実施形態>
第1実施形態および第2実施形態に係る顔認証システムでは、まず被認証者Aを撮影して入力顔データE1を生成し(
図3のステップ#101)、被認証者Aの認証を行う(同ステップ#102)。被認証者Aが認証されなかった場合に(同ステップ#103:No)、被認証者Aから入力個人識別情報Hを取得する(同ステップ#105)。そしてその入力個人識別情報Hと、先に生成された入力顔データE1とを用いて、登録部33cによる顔データの登録が行われる(同ステップ#110、#113)。これを改変して、被認証者Aから入力個人識別情報Hを取得した後に、被認証者Aを撮影して顔データを生成し、その顔データを用いて登録部33cによる顔データの登録を行ってもよい。
【0127】
本実施形態に係る顔認証システム1の動作を、
図13のフローチャートに示す。ステップ#401(撮影ステップ)、ステップ#402(認証ステップ)、ステップ#403、ステップ#404(開錠ステップ)およびステップ#405(情報取得ステップ)は、第1実施形態と同様に実行される。
【0128】
本実施形態では、#405の情報取得ステップの次に、#406の登録用撮影ステップが実行される。ステップ#406の登録用撮影ステップでは、再び、顔認証システム1に対して被認証者Aの顔データが入力される。具体的には、端末装置10の撮影部11が、被認証者Aの顔を撮影して、入力顔データEを生成する。生成された入力顔データEは、制御装置30へ送信され、処理用記憶部31に記憶される。そしてステップ#407へ進む。
【0129】
以降の処理は第1実施形態と同様に行われるが、#409および#414の顔データ審査ステップ、#411および#416の登録ステップでは、#401の撮影ステップで生成された入力顔データEではなく、#406の登録用撮影ステップで生成された入力顔データEが用いられる。
【0130】
<第6実施形態>
第3実施形態および第5実施形態で説明したとおり、顔認証システム1を、情報取得部12による入力個人識別情報Hの取得を行った後に、撮影部11による入力顔データEの生成を行うよう構成することも可能である。つまり、被認証者A(あるいは処理対象者D)の顔写真の撮影と、被認証者A(あるいは処理対象者D)からの個人識別情報の取得は、その先後を入れ替え可能である。
【0131】
<変形例1>
そうすると、顔認証システムを次の様に構成することも有用である。すなわち、
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、被認証者を認証対象者であると認証する認証部を有する顔認証システムは、
処理対象者の顔を撮影する撮影部と、
認証対象者の個人識別情報である登録個人識別情報と、登録顔データと、入力顔データとを記憶する記憶部と、
処理対象者から、処理対象者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得部と、
入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データと入力顔データとの間の一致度が、所定の登録閾値よりも大きい場合に、
入力顔データを、入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データとして記憶部に記憶させる登録部と
を有して構成される。
【0132】
入力顔データを追加登録するに際して、登録先(入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた人物)の登録顔データと入力顔データとの間の一致度が小さい場合は、別人の可能性があり、追加登録を行うべきではない。上記のように構成された顔認証システムによれば、顔データの追加登録に際して、入力顔データが、一致度が小さい登録顔データに係る人物、すなわち他人の顔データとして記憶されることが抑制される。
これにより誤操作やなりすまし等による他人の顔データの登録を抑制して、顔認証システムの信頼性低下を抑制することができ好適である。また管理者が誤登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0133】
<変形例2>
また顔認証システムを次の様に構成することも有用である。すなわち、
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、被認証者を認証対象者であると認証する認証部を有する顔認証システムは、
処理対象者の顔を撮影する撮影部と、
認証対象者の個人識別情報である登録個人識別情報と、登録顔データと、入力顔データとを記憶する記憶部と、
処理対象者から、処理対象者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得部と、
入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データと入力顔データとの間の一致度が、
入力個人識別情報に対応しない登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データと入力顔データとの間の一致度よりも大きい場合に、
入力顔データを、入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データとして記憶部に記憶させる登録部と
を有して構成される。
【0134】
入力顔データを追加登録するに際して、登録先(入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた人物)の登録顔データと入力顔データとの間の一致度が、他の認証対象者の登録顔データに係る一致度より小さい場合は、入力顔データが他の認証対象者の顔データである可能性があり、追加登録を行うべきではない。上記のように構成された顔認証システムによれば、顔データの追加登録に際して、入力顔データが、一致度が相対的に低い登録顔データに係る人物、すなわち他人の顔データとして記憶されることが抑制される。これにより誤操作やなりすまし等による他人の顔データの登録を抑制して、顔認証システムの信頼性低下を抑制することができ好適である。また管理者が誤登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0135】
<変形例3>
さらに顔認証システムを次の様に構成することも有用である。すなわち、
被認証者の顔を撮影して生成された顔画像またはその特徴量からなる入力顔データと登録された認証対象者の顔画像またはその特徴量からなる登録顔データとを照合して、被認証者を認証対象者であると認証する認証部を有する顔認証システムは、
処理対象者の顔を撮影する撮影部と、
認証対象者の個人識別情報である登録個人識別情報と、登録顔データと、入力顔データとを記憶する記憶部と、
処理対象者から、処理対象者の個人識別情報である入力個人識別情報を取得する情報取得部と、
確認部による確認の結果が、入力個人識別情報に対応する登録個人識別情報に関連づけられた登録顔データが存在しない旨の結果である場合、
登録顔データと入力顔データとの一致度が、所定の非登録閾値よりも小さい場合に、入力顔データを、新規に認証対象者として登録する人物の登録顔データとして記憶部に記憶させる登録部と
を有して構成される。
【0136】
入力顔データと入力個人識別情報とを用いて人物を新規登録するに際して、入力顔データと登録顔データとの一致度が大きい場合は、被認証者が既にシステムに登録された人物である可能性が高いため、新規登録を行うべきではない。上記のように構成された顔認証システムによれば、登録顔データとの一致度が大きい入力顔データが、新たな認証対象者の顔データとして記憶されることが抑制される。これにより誤った新規登録を抑制して、顔認証システムの信頼性低下を抑制することができ好適である。また管理者が誤登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0137】
変形例3の顔認証システムが、更に次の構成を有すると好適である。すなわち、
記憶部は、認証対象者としての登録の可否を示す登録可否データを記憶しており、
登録部は、入力個人識別情報に係る人物が、登録可否データに照らして、認証対象者としての登録が可能な人物である場合に、入力顔データを、新規に認証対象者として登録する人物の登録顔データとして記憶部に記憶させる。
【0138】
上記のように構成された顔認証システムによれば、登録可否データに照らして認証対象者としての登録が可能な人物のみを新規登録して、顔認証システムを適切に運用することができ好適である。また管理者が不適切な登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0139】
なお、以上述べた変形例1、2および3の顔認証システムは、上述の実施形態に係る認証部33a、確認部33bを有して構成されてもよい。
【0140】
<第7実施形態>
以上の実施例では、撮影部11が入力顔データEを一つ生成し、認証が行われる例を説明したが、撮影部11が生成する入力顔データEは複数としてもよい。
【0141】
図3によって具体的に説明する。撮影部11が所定の間隔で被認証者Aを撮影し、これに伴って入力顔データEが繰り返し生成される(#101の撮影ステップ)。認証部33aはこれらの入力顔データEと登録顔データFとを順次照合して認証を行う(#102の認証ステップ)。ある入力顔データEによって被認証者Aが認証対象者Bであると認証されると、開錠ステップ(#104)へ進み、認証されない場合は、次の入力顔データEにより照合を行う。認証の開始から所定時間が経過しても、被認証者Aが認証対象者Bであると認証されない場合は、#105の存在確認ステップへ進む。なお、所定時間の経過に替えて、認証の開始から所定回数の認証を行っても、被認証者Aが認証対象者Bであると認証されない場合は、#105の存在確認ステップへ進むようにしてもよい。
【0142】
新規登録/追加登録の際は、記憶部Mに記憶している被認証者Aの複数の入力顔データEをすべて登録、あるいは、選択した一枚または複数枚を登録してもよい。
【0143】
例えば、追加登録では、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと、複数の入力顔データEとの間の一致度が登録閾値Xを超えることを確認した上で、これら入力顔データEを、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFとして登録する。
【0144】
さらに、任意の条件によって、登録する入力顔データEを選別してもよい。例えば、登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度が、所定の不登録閾値Zを超えないことを条件として、入力顔データEを選別し、登録顔データFとして登録してもよい。また、顔画像の鮮鋭度を計算してぼけ具合を判定し、ぼけ具合が所定の閾値よりも小さいことを条件として、入力顔データEを選別し、登録顔データFとして登録してもよい。もしくは、登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度が最も小さい入力顔データEを、登録顔データFとして登録してもよい。顔の向きを確認して、既に登録されている登録顔データFとは顔の向きが異なる入力顔データEを優先して登録してもよい。
【0145】
登録記憶部32に記憶可能な登録顔データFの数に制限がある場合は、上述のように、追加登録する入力顔データを選別するほうが好ましい。また、登録顔データFのうち、不要なものを削除すると好適である。
【0146】
また、新規登録では、複数の入力顔データEの相互の一致度が登録閾値Xを超えることを確認し、さらに複数の入力顔データEと登録顔データFとの一致度が非登録閾値Yよりも低いことを確認した上で、これら入力顔データEを、取得した入力個人識別情報Hに対応する登録顔データFとして全て登録する。
【0147】
さらに、任意の条件によって、登録する入力顔データEを選択してもよい。例えば、複数の入力顔データEの相互の一致度を求め、一致度の合計値が小さい順に所定数の入力顔データEを登録してもよい。また、顔画像の鮮鋭度を計算してぼけ具合を判定し、所定の閾値よりも小さいことを条件として、入力顔データEを選別し、登録顔データFとして登録してもよい。なお新規登録時には、出来るだけ多くの登録顔データFを登録するほうが様々な場面に対応しやすくなるので、登録する入力顔データEの選択は必須ではない。
また、認証部33aは生成される入力顔データEと登録顔データFとを順次照合して認証を行うとしたが、認証開始から所定時間内または所定数の入力顔データEを記憶しておき、一斉に登録顔データFと照合して認証してもよい。
【0148】
<第8実施形態>
第8実施形態では、新規登録が第1~第7実施形態とは異なる態様で行われる。以下、
図14~
図17を用いて第8実施形態に係る顔認証システム1の動作について説明する。本実施形態では、登録記憶部32に、後述する新規顔データNとしての入力顔データEが記憶される。なお、新規顔データNとしての入力顔データEは、記憶部Mのうち登録記憶部32とは別の記憶領域に記憶しても良い。
【0149】
第1実施形態における
図3のフローチャートでは、確認部33bによる確認の結果が<存在しない>となったとき(ステップ#107:(2)IDあり、顔データなし)、被認証者Aを認証対象者Bとして新規登録すべくステップ#111~ステップ#113の処理を実行した。これに代えて、本実施形態では、
図14に示すように、ステップ#114の初回自動登録サブルーチンを実行する。その他のフローは、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0150】
図15には、初回自動登録サブルーチンが示されている。確認部33bは、入力個人識別情報Hに対応する新規顔データNが登録記憶部32に存在するか否かを確認する(ステップ♯501)。ここで、新規顔データNとは、撮影部11が撮影した顔に基づき生成された入力顔データEを、新規登録用として登録記憶部32に記憶させた仮登録状態の顔データのことであり、上述した実施形態における登録顔データFとして登録記憶部32に記憶させる前段階での顔データのことである。
【0151】
確認部33bによる確認の結果、入力個人識別情報Hに対応する新規顔データNが登録記憶部32に存在しない場合(ステップ♯501:No)、登録部33cは、入力顔データEを新規顔データNとして登録記憶部32に記憶させて(ステップ♯502)、ステップ#503へ進む。ステップ♯503の開錠ステップでは、制御部33が、電気制御扉20を開錠する。そして初回自動登録サブルーチンを抜け出して
図14のフローチャートに戻る。なお、被認証者Aが時間を空けて再度、情報取得部12にIDカードQをかざすことで、後述する新規顔データNが所定数(例えば3枚)蓄積された時点で初めて開錠するように構成しても良い。
【0152】
確認部33bによる確認の結果、入力個人識別情報Hに対応する新規顔データNが登録記憶部32に存在する場合(ステップ♯501:Yes)、ステップ#504へ進む。
図16の例では、入力個人識別情報H9と、登録個人識別情報I6、I7およびI9とが照合され、登録個人識別情報I9が入力個人識別情報H9に対応すると判断されている。そして登録個人識別情報I9に関連づけられた、つまり入力個人識別情報H9に関連づけられた新規顔データN91~N92が存在する。したがってこの場合、確認部33bによる確認の結果は、入力個人識別情報H9に関連づけられた新規顔データN91~N92が、登録記憶部32に存在する旨の結果となる。また、
図17の例では、確認部33bによる確認の結果は、入力個人識別情報H9に関連づけられた新規顔データN91が、登録記憶部32に存在する旨の結果となる。
【0153】
ステップ#504の顔データ審査ステップでは、登録部33cが、入力個人識別情報Hに対応する新規顔データNと入力顔データEとの間の一致度を確認する。
図16の例では、登録部33cが、入力顔データE9と、登録個人識別情報I9(入力個人識別情報H9)に関連づけられた新規顔データN91~N92との間の一致度を確認する。
図17の例では、登録部33cが、入力顔データE9と、登録個人識別情報I9(入力個人識別情報H9)に関連づけられた新規顔データN91との間の一致度を確認する。
【0154】
入力個人識別情報Hに対応する新規顔データNと入力顔データEとの間の一致度が、所定の初期登録閾値XN(例えば80)よりも大きい場合に(ステップ#505:Yes)、ステップ#506へ進む。
図16の例では、入力個人識別情報H9に関連づけられた入力顔データE9と新規顔データN91~N92との間の一致度は90、83であり、初期登録閾値XN(80)よりも大きい。よって入力顔データE9は人物P9の新規顔データNと十分に類似しており、新規登録に適していると判定され、ステップ#506へ進む。なお、新規登録に適していると判定する条件として、登録記憶部32に記憶された新規顔データNの全てと入力顔データEとの間の一致度が初期登録閾値XNより大きい場合に限定されない。例えば、登録記憶部32に記憶された新規顔データNの少なくとも1つと入力顔データEとの間の一致度が初期登録閾値XNより大きい場合に新規登録に適していると判定しても良い。
【0155】
ステップ#506の新規顔データ記憶ステップでは、登録部33cは、入力顔データE9を入力個人識別情報H9に関連づけられた新規顔データN93として登録記憶部32に記憶(仮登録)させる。そして、登録部33cは、新規顔データNが所定数(例えば3つ)以上となったか否かを判定する(ステップ#507)。
【0156】
図16の例では、新規顔データN93が登録されることにより新規顔データNが所定数(3つ)以上となる(ステップ#507:Yes)ので、ステップ#508へ進む。一方、新規顔データNが所定数より小さい場合(ステップ#507:No)、ステップ#503へ進み、制御部33が、電気制御扉20を開錠する。そして初回自動登録サブルーチンを抜け出して
図14のフローチャートに戻る。
【0157】
ステップ#508の登録ステップでは、登録部33cが、新規顔データN91~N93の少なくとも1つを、新規に認証対象者Bとして登録する人物Pの登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。新規顔データN91~N93の少なくとも1つとは、最も一致度の高い2つの新規顔データNであっても良いし、何れか1つの新規顔データNであっても良い。これをもって、人物P9が新規に認証対象者Bとして顔認証システム1に登録(本登録)される。そしてステップ#503へ進み、制御部33が、電気制御扉20を開錠する。そして初回自動登録サブルーチンを抜け出して
図14のフローチャートに戻る。
【0158】
一方、ステップ#504の顔データ審査ステップにおいて、入力個人識別情報Hに対応する新規顔データNと入力顔データEとの間の一致度が、所定の初期登録閾値XN(例えば80)以下の場合に(ステップ#505:No)、ステップ#507へ進む。
図17の例では、入力個人識別情報H9に関連づけられた入力顔データE9と新規顔データN91との間の一致度は33であり、初期登録閾値XN(80)以下である。よって入力顔データE9は人物P9の新規顔データN91と類似しておらず、新規登録に適していないと判定され、登録記憶部32に記憶された新規顔データN91を削除する(削除ステップ#509)。なお、新規顔データNの全てを削除せずに、例えば、初期登録閾値XN(80)以下である新規顔データNのみを削除するように構成しても良いし、全ての新規顔データNを削除せずに登録記憶部32に記憶した状態としても良い。そして初回自動登録サブルーチンを抜け出して
図14のフローチャートに戻る。
【0159】
このように、新規顔データNが所定数以上となったとき、新規顔データNを登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる(本登録)。つまり、登録顔データFが記憶部Mに記憶されていない被認証者A(新規登録者)は、所定回数IDカードQを用いた顔認証を経て本登録された後に初めて、IDカードQを用いない顔認証(いわゆる1対N顔認証)が可能となる。つまり、
図14のフローチャートを複数回繰り返して新規顔データNが所定数以上となった後に初めて、ステップ#103の顔認証のみで被認証者Aが認証対象者Bであると認証されるケースが発生することとなる。
【0160】
本実施形態は、第1実施形態における
図3のステップ#111~ステップ#113の処理を省略したが、♯507と♯508との間にステップ#111~ステップ#112の顔データ審査ステップの処理を実行しても良い。つまり、
図16の例では、#508の登録ステップで登録対象となる入力顔データE9と、登録顔データF61,F62、F71との一致度が、所定の非登録閾値Y(例えば50)よりも小さいので(
図3のステップ#112:Yes)、登録対象となる入力顔データE9は認証対象者Bの登録顔データFと類似しておらず、新規登録に適していると判定される。このステップ#111~ステップ#112の顔データ審査ステップの処理は、入力顔データE4を新規顔データNとして登録記憶部32に記憶する度に実行しても良い。
【0161】
本実施形態では、第1実施形態における
図3のステップ#111~ステップ#113の処理に代えて
図14のステップ#114の処理を実行した。これと同様に、第2実施形態における
図3のステップ#111~ステップ#113の処理、第3実施形態における
図8のステップ#208~ステップ#210、第4実施形態における
図11のステップ#311~ステップ#315の処理、第5実施形態における
図13のステップ#412~ステップ#416の処理に代えて、
図14のステップ#114の処理を実行しても良い。この場合においても、♯507と♯508との間に
図3のステップ#111~ステップ#112の処理、
図8のステップ#208~ステップ#209の処理、
図11のステップ#311~ステップ#314の処理、
図13のステップ#412~ステップ#415の処理を実行しても良いし、これらの処理は、入力顔データE4を新規顔データNとして登録記憶部32に記憶する度に実行しても良い。
【0162】
このように第8実施形態に係る顔認証システム1では、登録部33cは、
確認部33bによる確認の結果が、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが存在しない旨の結果である場合に、入力顔データEを入力個人識別情報Hに関連づけた新規顔データNとして記憶部Mに少なくとも1回記憶させた後、
入力個人識別情報Hに関して新たに取得した入力顔データEと新規顔データNの少なくとも1つとの一致度が所定の初期登録閾値XNより大きいとき、
新たに取得した入力顔データE及び一致度が所定の初期登録閾値XNより大きい新規顔データNのうちの少なくとも1つを、入力個人識別情報Hに対応する認証対象者Bの登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。
【0163】
本実施形態では、1回目又は1回目から数回撮影された入力顔データEを新規顔データNとして記憶部Mに記憶させておき、入力個人識別情報Hに関して新たに取得した入力顔データEと当該新規顔データNとの一致度が所定の初期登録閾値XNより大きいとき、一致度の高い入力顔データEの少なくとも1つを登録顔データFとして記憶させる。このように、複数の入力顔データEに基づいて新規登録の可否決定をしているので、誤った新規登録を抑制して、顔認証システム1の信頼性低下を抑制することができ好適である。また管理者が誤登録を監視する必要がなくなるので、運用コスト上昇を抑制することができる。
【0164】
<第9実施形態>
顔認証システム1を、情報取得部12による入力個人識別情報Hの取得を行った後に、撮影部11による入力顔データEの生成を行うよう構成することも可能である。要するに、第6実施形態で説明したように、被認証者A(あるいは処理対象者D)の顔写真の撮影と、被認証者A(あるいは処理対象者D)からの個人識別情報の取得は、その先後を入れ替え可能である。
【0165】
本実施形態では、
図18に示すように、ステップ♯601の情報取得ステップを経た後、ステップ♯602の撮影ステップが実行される。そして、ステップ♯603に進む。ステップ♯601の情報取得ステップでは、情報取得部12が、被認証者Aから入力個人識別情報Hを取得する。ステップ♯602の撮影ステップでは、顔認証システム1に対して被認証者Aの顔データが入力される。
【0166】
ステップ♯603の認証ステップでは、認証部33aが、入力された被認証者Aの入力顔データEと、記憶部Mに記憶された登録顔データFとを照合して、被認証者Aを認証対象者Bであると認証する。その後のステップ♯605~ステップ♯611の処理は、第8実施形態にかかる
図14のステップ♯104,♯106~♯110,♯114の処理と同様であるので説明を省略する。また、第8実施形態における変形例についても、本実施形態において同様に適用することが可能である。本実施形態において、新規登録とした後、つまり
図15のステップ♯508の処理が実行された後は、第1実施形態に示す
図3のようにステップ#103の顔認証のみで開錠できるように構成して、
図18に示す撮影ステップ♯602の前の情報取得ステップ♯601を省略しても良い。
【0167】
このように本実施形態に係る顔認証システム1は、
被認証者Aの顔を撮影する撮影部11と、
認証対象者Bの個人識別情報である登録個人識別情報Iと、登録顔データFと、入力顔データEとを記憶する記憶部Mと、
被認証者Aから、被認証者Aの個人識別情報である入力個人識別情報Hを取得する情報取得部12と、
情報取得部12が入力個人識別情報Hを取得したとき、撮影部11が撮影した顔に基づき生成され記憶部Mに記憶された入力顔データEを、入力個人識別情報Hに対応する認証対象者Bの登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる登録部33cとを有し、
登録部33cは、
入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが存在しない場合に、入力顔データEを入力個人識別情報Hに関連づけた新規顔データNとして記憶部Mに少なくとも1回記憶させた後、
入力個人識別情報Hに関して新たに取得した入力顔データEと新規顔データNの少なくとも1つとの一致度が所定の初期登録閾値XNより大きいとき、
新たに取得した入力顔データE及び一致度が所定の初期登録閾値XNより大きい新規顔データNのうちの少なくとも1つを、入力個人識別情報Hに対応する認証対象者Bの登録顔データFとして記憶部Mに記憶させる。
【0168】
また、以上述べた通り、本実施形態に係る顔認証システム1では、入力顔データの登録方法が実行される。当該登録方法は、被認証者Aの顔を撮影する撮影処理と、
被認証者Aから、被認証者Aの個人識別情報である入力個人識別情報Hを取得する情報取得処理と、
撮影処理で撮影した顔に基づき生成された入力顔データEを、入力個人識別情報Hに対応する認証対象者Bの登録顔データFとして記憶させる登録処理とを有し、
登録処理は、
入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFが存在しない場合に、入力顔データEを入力個人識別情報Hに関連づけた新規顔データNとして少なくとも1回記憶した後、
入力個人識別情報Hに関して新たに取得した入力顔データEと新規顔データNの少なくとも1つとの一致度が所定の初期登録閾値XNより大きいとき、
新たに取得した入力顔データE及び一致度が所定の初期登録閾値XNより大きい新規顔データNのうちの少なくとも1つを、入力個人識別情報Hに対応する認証対象者Bの登録顔データFとして登録する。
ここで、上述の撮影ステップ(
図18の♯602)が撮影処理に相当し、情報取得ステップ(
図18の♯601)が情報取得処理に相当し、登録ステップ(
図15の♯508)が登録処理に相当する。
【0169】
<他の実施形態>
<1>上述の実施形態では、入力顔データEによって認証対象者Bであると認証された場合に(
図3のステップ#103:Yesなど)、電気制御扉20が開錠され、被認証者Aの管理エリアへの入場が許可された。入場の許可、すなわち電気制御扉20の開錠の条件としては様々な態様が可能である。例えば、IDカードQにて入力個人識別情報Hが顔認証システムに入力された場合に入場が許可されてもよい。例えば、入力された入力個人識別情報Hが適正なもの、すなわち適正なIDカードQを所有していることが確認された場合に、入場が許可されてもよい。例えば、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iが登録記憶部32に存在する場合(
図3のステップ#107:Yesなど)、すなわちIDカードQにより被認証者Aが認証対象者Bであると確認された場合に、入場が許可されてもよい。
【0170】
<2>上述の第1実施形態では登録部33cは、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度が、所定の登録閾値よりも大きい場合に、入力顔データEを、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFとして登録記憶部32に記憶させる。つまり、登録先の人物Pの登録顔データFとの一致度が十分に高い場合に、入力顔データEが登録記憶部32に記憶される。
【0171】
また上述の第2実施形態では登録部33cは、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度が、入力個人識別情報Hに対応しない登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度よりも大きい場合に、入力顔データEを、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFとして記憶部に記憶させる。つまり、登録先の人物Pの登録顔データFとの一致度が相対的に高い場合に、入力顔データEが登録記憶部32に記憶される。
【0172】
登録部33cを改変して、上述の条件に加えて、入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iに関連づけられた登録顔データFと入力顔データEとの間の一致度が、所定の不登録閾値Z(例えば96)よりも大きい場合に、入力顔データEを登録記憶部32に記憶しないよう、登録部33cを構成してもよい。一致度が大きい場合、入力顔データEは登録顔データFと類似度が高いため、本人拒否率を低下させる効用は小さい。一致度が不登録閾値Zよりも小さい場合に入力顔データEを登録するよう構成することで、記憶部Mのデータ量の増大を抑制することができる。
【0173】
<3>上述の実施形態では、登録可否データとして、登録可能な人物の個人識別情報を予め登録個人識別情報Iとして記憶部に記憶させることで、登録個人識別情報Iがあれば登録可能な人、無ければ登録不可の人、と区別できるようにしたが、これには限らない。
【0174】
例えば、登録個人識別情報Iが記憶部Mに記憶されている人は登録顔データFが登録されている人であって、新規登録のとき、登録可否データとして登録可能な人物の個人識別情報が記憶された登録可能リストを参照し、登録可能リストの個人識別情報と取得した個人識別情報とが一致した被認証者のみが登録可能としてもよい。
【0175】
<4>存在確認ステップ(#106等)を次の様に行うことも可能である。情報取得ステップ(#105等)で取得された入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iが、登録記憶部32に存在しない場合に、新規登録する。
【0176】
<5>また存在確認ステップ(#106等)を次の様に行うことも可能である。情報取得ステップ(#105等)で取得された入力個人識別情報Hに対応する登録個人識別情報Iが、登録記憶部32に存在せず、かつ登録可否データに(登録可能として)含まれている場合に、新規登録する。なお、登録可否データは登録可能な個人識別情報を確認できるものであればよい。上述の登録が認められた人物Pの個人識別情報(氏名等)が列記されたデータのほか、例えば、登録可能な個人識別情報のリストや個人識別情報に登録可否の情報を関連付けたものである。
【0177】
なお上述の実施形態(他の実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0178】
1 :顔認証システム
10 :端末装置
11 :撮影部
12 :情報取得部
20 :電気制御扉
30 :制御装置
31 :処理用記憶部
32 :登録記憶部
33 :制御部
33a :認証部
33b :確認部
33c :登録部
34 :通信部
A :被認証者
B :認証対象者
D :処理対象者
E :入力顔データ
F :登録顔データ
H :入力個人識別情報
I :登録個人識別情報
M :記憶部
N :新規顔データ
P :人物
Q :IDカード