(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】ダンパ装置
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20221028BHJP
F25D 21/04 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
F25D17/08 306
F25D21/04 M
(21)【出願番号】P 2018156930
(22)【出願日】2018-08-24
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2017169232
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】原田 隆司
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-180948(JP,A)
【文献】特開2015-210068(JP,A)
【文献】特開2014-047958(JP,A)
【文献】特開2000-046458(JP,A)
【文献】特開2015-203505(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0349784(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/06 - 17/08
F25D 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口部を備える第1枠板と、
第2開口部を備え、前記第1枠板と並列に配置された第2枠板と、
前記第1枠板および前記第2枠板の厚さ方向の一方を第1方向、他方を第2方向としたときに、
前記第1枠板の前記第1方向の側から前記第1開口部を開閉する第1バッフルと、
前記第2枠板の前記第1方向の側から前記第2開口部を開閉する第2バッフルと、
前記バッフルを駆動する駆動機構と、
前記第1枠板と前記第2枠板との間で前記駆動機構を収容するケースと、
前記第1枠板における前記第1方向の第1枠板表面に固定されて前記第1開口部を囲む第1ヒータと、
前記第2枠板における前記第1方向の第2枠板表面に固定されて前記第2開口部を囲む第2ヒータと、
前記第1ヒータの第1ヒータ第1端子に接続された第1リード線と、
前記第1ヒータの第1ヒータ第2端子に接続された第2リード線と、
前記第2ヒータの第2ヒータ第1端子に接続された第3リード線と、
前記第2ヒータの第2ヒータ第2端子に接続された第4リード線と、
前記第1リード線および前記第2リード線が係止される第1切欠きを備える第1リード線係止板と、
前記第3リード線および前記第4リード線が係止される第2切欠きを備える第2リード線係止板と、を有し、
前記第1リード線係止板は、前記第1枠板の外周縁における前記第1開口部よりも前記ケースの側の外周縁部分から前記第1方向に立ち上がっており、
前記第2リード線係止板は、前記第2枠板の外周縁における前記第2開口部よりも前記ケースの側の外周縁部分から前記第1方向に立ち上がって
おり、
前記ケースは、前記第1枠板の側の端に位置する第1板部と、前記第2枠板の側の端に位置する第2板部と、前記第1板部と前記第2板部との間に位置して前記駆動機構を収容する収容部を備えるケース本体と、を備え、
前記第1枠板および前記第2枠板の配列方向と前記厚み方向とは直交しており、
前記第1リード線係止板は、前記配列方向と交差して前記厚み方向と直交する交差方向で前記第1板部の一方側に位置して当該第1板部に連続しており、
前記第2リード線係止板は、前記交差方向で前記第2板部の一方側に位置して前記第2板部に連続しており、
前記第1切欠きは、前記第1リード線係止板における前記第1方向の端縁から前記第2方向に向かって当該第1リード線係止板と前記第1板部との境界を前記ケース本体に沿って延びており、
前記第2切欠きは、前記第2リード線係止板における前記第1方向の端縁から前記第2方向に向かって当該第2リード線係止板と前記第2板部との境界を前記ケース本体に沿って延びており、
前記第1リード線係止板と前記第2リード線係止板とは、前記配列方向で対向し、
前記交差方向における前記ケースの一方側には、前記ケース本体と前記第1リード線係止板と前記第2リード線係止板とにより凹部が区画され、
前記第1リード線において前記第1切欠きに保持されている部分から前記第1ヒータ第1端子とは反対側に延在している第1リード線部分、前記第2リード線において前記第1切欠きに保持されている部分から前記第1ヒータ第2端子とは反対側に延在している第2リード線部分、前記第3リード線において前記第2切欠きに保持されている部分から前記第2ヒータ第1端子とは反対側に延在している第3リード線部分、および、前記第4リード線において前記第2切欠きに保持されている部分から前記第2ヒータ第2端子とは反対側に延在している第4リード線部分は、前記凹部の内側を引き回されていることを特徴とするダンパ装置。
【請求項2】
前記第1ヒータ第1端子および前記第1ヒータ第2端子は、前記第1開口部に対して前記ケースの側に設けられて前記第1枠板表面から起立しており、
前記第2ヒータ第1端子および前記第2ヒータ第2端子は、前記第2開口部に対して前記ケースの側に設けられて前記第2枠板表面から起立していることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項3】
前記第1切欠きは、前記第1ヒータ第1端子の先端および前記第1ヒータ第2端子の先端よりも前記第1枠板から前記第1方向に離間する位置に設けられており、
前記第2切欠きは、前記第2ヒータ第1端子の先端および前記第2ヒータ第2端子の先端よりも前記第2枠板から前記第1方向に離間する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のダンパ装置。
【請求項4】
前記第2リード線および前記第3リード線は、前記第1ヒータ第2端子と前記第2ヒータ第1端子とを接続する一本のヒータ直列接続用リード線であり、
前記ヒータ直列接続用リード線における第1ヒータ第2端子の側の部分は、前記第1切欠きに係止され、前記ヒータ直列接続用リード線における第2ヒータ第1端子の側の部分は、前記第2切欠きに係止されていることを特徴とする請求項
1から3のうちのいずれか一項に記載のダンパ装置。
【請求項5】
前記ヒータ直列接続用リード線は、前記凹部の内側で2つに折り曲げられた折り曲げ部分を備え、
前記折り曲げ部分は、結束部材により、束ねられていることを特徴とする請求項
4に記載のダンパ装置。
【請求項6】
前記駆動機構は、駆動源としてモータを備え、
前記ケースの外部から前記モータに電力を供給するためのモータ給電用リード線は、前記ケース本体に貼り付けられた貼付部材と当該ケース本体との間に保持されて前記凹部の内側を引き回されていることを特徴とする請求項
1から5のうちのいずれか一項に記載のダンパ装置。
【請求項7】
前記第1枠板、前記第1リード線係止板、および、前記第1板部を備える第1フレーム部材と、
前記第2枠板、前記第2リード線係止板、および、前記第2板部を備える第2フレーム部材と、
前記ケース本体を備えるケース部材と、を有し、
前記第1フレーム部材と前記第2フレーム部材とは、前記ケース部材を間に挟んで連結されていることを特徴とする請求項
1から6のうちのいずれか一項に記載のダンパ装置。
【請求項8】
前記第1フレーム部材は、前記第1枠板の外周縁部分から前記第1方向に立ち上がり前記第1リード線係止板および前記第1板部とともに当該第1枠板を囲む第1補強部を備え、
前記第2フレーム部材は、前記第2枠板の外周縁部分から前記第1方向に立ち上がり前記第2リード線係止板および前記第2板部とともに当該第2枠板を囲む第2補強部を備えることを特徴とする請求項
7に記載のダンパ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫の冷気通路等に用いられるダンパ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の冷気通路等に用いられるダンパ装置は、冷気通路内に配置される枠板と、枠板の開口部を開閉するバッフルと、バッフルを駆動する駆動機構を備える。特許文献1に記載のダンパ装置は、枠板の表面に開口部を囲むヒータを備えており、開口部の周囲で結露した水が凍って枠板とバッフルとが氷結により吸着することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷蔵庫の複数の部位に冷気を分配して送るためには、1台のダンパ装置に、複数の枠板と、各枠板の開口部を開閉する複数のバッフルを設ける必要がある。また、この場合には、複数の枠板のそれぞれに、開口部を囲むヒータを備えることが望ましい。ここで、枠板毎にヒータを備える場合には、ヒータの数が増えるので、各ヒータに給電を行うためのリード線の引き回しが容易ではなくなる。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ヒータの数が増加した場合でも、各ヒータに給電を行うためのリード線の引き回しが容易なダンパ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るダンパ装置は、第1開口部を備える第1枠板と、第2開口部を備え、前記第1枠板と並列に配置された第2枠板と、前記第1枠板および前記第2枠板の厚さ方向の一方を第1方向、他方を第2方向としたときに、前記第1枠板の前記第1方向の側から前記第1開口部を開閉する第1バッフルと、前記第2枠板の前記第1方向の側から前記第2開口部を開閉する第2バッフルと、前記バッフルを駆動する駆動機構と、前記第1枠板と前記第2枠板との間で前記駆動機構を収容するケースと、前記第1枠板における前記第1方向の第1枠板表面に固定されて前記第1開口部を囲む第1ヒータと、前記第2枠板における前記第1方向の第2枠板表面に固定されて前記第2開口部を囲む第2ヒータと、前記第1ヒータの第1ヒータ第1端子に接続された第1リード線と、前記第1ヒータの第1ヒータ第2端子に接続された第2リード線と、前記第2ヒータの第2ヒータ第1端子に接続された第3リード線と、前記第2ヒータの第2ヒータ第2端子に接続された第4リード線と、前記第1リード線および前記第2リード線が係止される第1切欠きを備える第1リード線係止板と、前記第3リード線および前記第4リード線が係止される第2切欠きを備える第2リード線係止板と、を有し、前記第1リード線係止板は、前記第1枠板の外周縁における前記第1開口部よりも前記ケースの側の外周縁部分から前記第1方向に立ち上がっており、前記第2リード線係止板は、前記第2枠板の外周縁における前記第2開口部よりも前記ケースの側の外周縁部分から前記第1方向に立ち上がっており、前記ケースは、前記第1枠板の側の端に位置する第1板部と、前記第2枠板の側の端に位置する第2板部と、前記第1板部と前記第2板部との間に位置して前記駆動機構を収容する収容部を備えるケース本体と、を備え、前記第1枠板および前記第2枠板の配列方向と前記厚み方向とは直交しており、前記第1リード線係止板は、前記配列方向と交差して前記厚み方向と直交する交差方向で前記第1板部の一方側に位置して当該第1板部に連続しており、前記第2リード線係止板は、前記交差方向で前記第2板部の一方側に位置して前記第2板部に連続しており、前記第1切欠きは、前記第1リード線係止板における前記第1方向の端縁から前記第2方向に向かって当該第1リード線係止板と前記第1板部との境界を前記ケース本体に沿って延びており、前記第2切欠きは、前記第2リード線係止板における前記第1方向の端縁から前記第2方向に向かって当該第2リード線係止板と前記第2板部との境界を前記ケース本体に沿って延びており、前記第1リード線係止板と前記第2リード線係止板とは、前記配列方向で対向し、前記交差方向における前記ケ
ースの一方側には、前記ケース本体と前記第1リード線係止板と前記第2リード線係止板とにより凹部が区画され、前記第1リード線において前記第1切欠きに保持されている部分から前記第1ヒータ第1端子とは反対側に延在している第1リード線部分、前記第2リード線において前記第1切欠きに保持されている部分から前記第1ヒータ第2端子とは反対側に延在している第2リード線部分、前記第3リード線において前記第2切欠きに保持されている部分から前記第2ヒータ第1端子とは反対側に延在している第3リード線部分、および、前記第4リード線において前記第2切欠きに保持されている部分から前記第2ヒータ第2端子とは反対側に延在している第4リード線部分は、前記凹部の内側を引き回されていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、1台のダンパ装置において、第1開口部を含む流路、および第2開口部を含む流路に対する冷気の分配等を行うことができる。また、第1枠板の第1枠板表面に第1ヒータが設けられ、第2枠板の第2枠板表面に第2ヒータが設けられているので、第1バッフルと第1枠板との氷結、および第2バッフルと第2枠板との氷結の双方を抑制することができる。また、本発明では、第1枠板の外周縁におけるケース側の外周縁部分から第1リード線係止板が立ち上がっており、第1ヒータの第1ヒータ第1端子に接続された第1リード線と、第1ヒータ第2端子に接続された第2リード線とは、第1リード線係止板に設けられた第1切欠きに係止される。同様に、第2枠板の外周縁におけるケース側の外周縁部分から第2リード線係止板が立ち上がっており、第2ヒータの第2ヒータ第1端子に接続された第3リード線と、第2ヒータ第2端子に接続された第4リード線とは、第2リード線係止板に設けられた第2切欠きに係止される。従って、第1リード線および第2リード線を第1枠板の側から、第1バッフルと干渉しないケースの側に向かって引き回すことが容易である。また、第3リード線および第4リード線を第2枠板の側から、第2バッフルと干渉しないケースの側に向かって引き回すことが容易である。また、このようにすれば、第1リード線および第2リード線を第1切欠きに係止することにより、これらのリード線をケース本体の外周面に沿って引き出すことができる。また、第3リード線および第4リード線を第2切欠きに係止することにより、これらのリード線をケース本体の外周面に沿って引き出すことができる。また、このようにすれば、第1リード線部分、第2リード線部分、第3リード線部分、および、第4リード線部分をケース本体の一方側(凹部内)に位置させることができるので、これらのリード線部分が第1枠板の側に移動して第1バッフルと干渉することや、第2枠板の側に移動して第2バッフルと干渉することを防止できる。
【0008】
本発明において、前記第1ヒータ第1端子および前記第1ヒータ第2端子は、前記第1開口部に対して前記ケースの側に設けられて前記第1枠板表面から起立しており、前記第2ヒータ第1端子および前記第2ヒータ第2端子は、前記第2開口部に対して前記ケースの側に設けられて前記第2枠板表面から起立していることが望ましい。このようにすれば、第1ヒータ第1端子および第1ヒータ第2端子から第1切欠きまでの距離が短くなるので、第1リード線および第2リード線と第1バッフルとの干渉を回避しながらこれらのリード線を引き回すことが容易である。また、第2ヒータ第1端子および第2ヒータ第2端子から第2切欠きまでの距離が短くなるので、第3リード線および第4リード線と第2バッフルとの干渉を回避しながらこれらのリード線を引き回すことが容易である。
【0009】
本発明において、前記第1切欠きは、前記第1ヒータ第1端子の先端および前記第1ヒータ第2端子の先端よりも前記第1枠板から前記第1方向に離間する位置に設けられており、前記第2切欠きは、前記第2ヒータ第1端子の先端および前記第2ヒータ第2端子の先端よりも前記第2枠板から前記第1方向に離間する位置に設けられていることが望ましい。このようにすれば、第1ヒータ第1端子および第1ヒータ第2端子にそれぞれ接続した第1リード線および第2リード線を、第1ヒータ第1端子および第1ヒータ第2端子が起立している方向に沿って引き出して、第1切欠きに係止させることができる。従って、第1リード線および第2リード線の引き回しに際して、第1リード線と第1ヒータ第1端子との接続部分および第2リード線と第1ヒータ第2端子との接続部分が屈曲するなどして損傷することを防止できる。また、第2ヒータ第1端子および第2ヒータ第2端子にそれぞれ接続した第3リード線および第4リード線を、第2ヒータ第1端子および第2ヒータ第2端子が起立している方向に沿って引き出して、第2切欠きに係止させることができる。従って、第3リード線および第4リード線の引き回しに際して、第3リード線と第2ヒータ第1端子との接続部分および第4リード線と第2ヒータ第2端子との接続部分が屈曲するなどして損傷することを防止できる。
【0012】
本発明において、前記第2リード線および前記第3リード線は、前記第1ヒータ第2端子と前記第2ヒータ第1端子とを接続する一本のヒータ直列接続用リード線であり、前記ヒータ直列接続用リード線における第1ヒータ第2端子の側の部分は、前記第1切欠きに係止され、前記ヒータ直列接続用リード線における第2ヒータ第1端子の側の部分は、前記第2切欠きに係止されているものとすることができる。このようにすれば、第1ヒータおよび第2ヒータへ給電を行うためのリード線の本数を減らすことができるので、これらのリード線の引き回しが容易となる。また、第1ヒータおよび第2ヒータが直列に接続されるので、第1ヒータおよび第2ヒータを同期して駆動することができる。
【0013】
本発明において、前記ヒータ直列接続用リード線は、前記凹部の内側で2つに折り曲げられた折り曲げ部分を備え、前記折り曲げ部分は、結束部材により、束ねられていることが望ましい。このようにすれば、ヒータ直列接続用リード線を折り曲げていないときに、ヒータ直列接続用リード線の長さを確保できるので、ヒータ直列接続用リード線の一方の端を第1ヒータ第2端子に接続し、他方の端を第2ヒータ第1端子に接続することが容易である。また、折り曲げ部分を設けて束ねることにより、第1切欠きと第2切欠きとの間におけるヒータ直列接続用リード線の弛みを無くすことができるので、ヒータ直列接続用リード線が第1バッフルや第2バッフルと干渉することがない。
【0014】
本発明において、前記駆動機構は、駆動源としてモータを備え、前記ケースの外部から前記モータに電力を供給するためのモータ給電用リード線は、前記ケース本体に貼り付けられた貼付部材と当該前記ケース本体との間に保持されて前記凹部の内側を引き回されているものとすることができる。このようにすれば、モータ給電用リード線についても、第1ヒータおよび第2ヒータに給電をするためのリード線と同様に、ケースの一方側(凹部内)を引き回すことができる。
【0015】
本発明において、前記第1枠板、前記第1リード線係止板、および、前記第1板部を備える第1フレーム部材と、前記第2枠板、前記第2リード線係止板、および、前記第2板部を備える第2フレーム部材と、前記ケース本体を備えるケース部材と、を有し、前記第1フレーム部材と前記第2フレーム部材とは、前記ケース部材を間に挟んで連結されているものとすることができる。このようにすれば、第1枠板と第2枠板とをケースを間に挟んで並列に配置することが容易である。
【0016】
本発明において、前記第1フレーム部材は、前記第1枠板の外周縁部分から前記第1方向に立ち上がり前記第1リード線係止板および前記第1板部とともに当該第1枠板を囲む第1補強部を備え、前記第2フレーム部材は、前記第2枠板の外周縁部分から前記第1方向に立ち上がり前記第2リード線係止板および前記第2板部とともに当該第2枠板を囲む第2補強部を備えることが望ましい。第1補強部および第2補強部を備えれば、第1枠板および第2枠板が歪むことを防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、1台のダンパ装置において、第1開口部を含む流路、および第2開口部を含む流路に対する冷気の分配等を行うことができる。また、第1枠板の第1枠板表面に第1ヒータが設けられ、第2枠板の第2枠板表面に第2ヒータが設けられているので、第1バッフルと第1枠板との氷結、および第2バッフルと第2枠板との氷結の双方を抑制することができる。さらに、第1ヒータの第1ヒータ第1端子に接続される第1リード線と、第1ヒータ第2端子に接続される第2リード線とが、ケースに近い位置に設けられた第1リード線係止板の第1切欠きに係止され、第2ヒータの第2ヒータ第1端子に接続される第3リード線と、第2ヒータ第2端子に接続される第4リード線とが、ケースに近い位置に設けられた第2リード線係止板の第2切欠きに係止される。従って、第1リード線および第2リード線を第1枠板の側からケースの側に向かって引き回すことが容易であり、第3リード線および第4リード線を第2枠板の側からケースの側に向かって引き回すことが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例1に係るダンパ装置を第1枠板と第2枠板の配列方向と直交する交差方向の一方側および第1端板の側から見た場合の斜視図である。
【
図2】
図1のダンパ装置を交差方向の一方側および第2端板の側から見た場合の斜視図である。
【
図3】
図1のダンパ装置を交差方向の他方側および第1端板の側から見た場合の斜視図である。
【
図4】第1バッフルおよび第2バッフルを外したダンパ装置の分解斜視図である。
【
図5】第1バッフル、第2バッフル、第1ヒータおよび第2ヒータを外したダンパ装置の分解斜視図である。
【
図6】第1フレーム部材、第2フレーム部材、ケース部材を分解したダンパ装置の分解斜視図である。
【
図7】ダンパ装置における第1ヒータ、第2ヒータおよびモータの配線の説明図である。
【
図8】ダンパ装置の組み立て動作における第1ヒータ、第2ヒータの配線の引き回しの説明図である。
【
図9】実施例2のダンパ装置の第1ヒータ、第2ヒータおよびモータの配線の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明を適用した冷蔵庫用のダンパ装置について説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係るダンパ装置を第1枠板と第2枠板の配列方向と直交する交差方向の一方側および第1端板の側から見た場合の斜視図である。
図2は、
図1のダンパ装置を交差方向の一方側および第2端板の側から見た場合の斜視図である。
図3は、
図1のダンパ装置を交差方向の他方側および第1端板の側から見た場合の斜視図である。
【0020】
図1に示すように、本例のダンパ装置1は、第1開口部3を備える第1枠板4と、第2
開口部5を備える第2枠板6と、直方体形状のケース7とを備える。第1枠板4と第2枠板6とは並列に配置されている。ケース7は第1枠板4と第2枠板6との間に位置する。また、ダンパ装置1は、第1枠板4に固定された第1ヒータ8、第2枠板6に固定された第2ヒータ9、第1枠板4の一方側から第1開口部3を開閉する第1バッフル10、および、第2枠板6の一方側から第2開口部5を開閉する第2バッフル11を備える。ケース7には第1バッフル10および第2バッフル11を駆動する駆動機構12が収容されている。駆動機構12は、駆動源としてモータ13を備える。さらに、ダンパ装置1は、第1ヒータ8および第2ヒータ9に給電をおこなうための3本のリード線15~17と、モータ13に給電を行うための4本のモータ給電用リード線18を備える。
【0021】
以下の説明では、互いに直交する方向をX方向(配列方向)、Y方向(交差方向)、およびZ方向とする。X方向は第1枠板4および第2枠板6の配列方向である。Z方向は第1枠板4および第2枠板6の厚さ方向である。また、X方向においてケース7に対して第1枠板4が位置する方向をX1方向、ケース7に対して第2枠板6が位置する側をX2方向とする。Y方向において、その一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。Y2方向は第1バッフル10の回転軸である第1軸線L1および第2バッフル11の回転軸である第2軸線L2が位置する側であり、Y1方向はその反対側である。Z方向において、第1枠板4および第2枠板6に対して第1バッフル10および第2バッフル11が位置する方向をZ1方向、その反対方向をZ2方向とする。
【0022】
(第1枠板およびその周辺部分)
図4は第1バッフルおよび第2バッフルを外したダンパ装置の分解斜視図である。
図5は第1バッフル、第2バッフル、第1ヒータおよび第2ヒータを外したダンパ装の分解斜視図である。
図4、
図5では、第1ヒータ8および第2ヒータ9に給電をおこなうための3本のリード線15~17と、モータ13に給電を行うための4本のモータ給電用リード線18と、を省略して示す。
【0023】
図4、5に示すように、第1枠板4は、Z方向から見た場合の輪郭形状が長方形である。第1枠板4は、長手方向をX方向に向け、短手方向をY方向に向けている。第1開口部3は、Z方向から見た形状が長方形であり、長手方向をX方向に向け、短手方向をY方向に向けている。
図5に示すように、第1枠板4は、ケース7の側でY方向に延びる枠板部分4aの幅が他の枠板部分の幅と比較して広い。
【0024】
第1枠板4の第1開口部3の縁からは角枠状の第1シール板20がZ1方向に立ち上がっている。第1枠板4の外周縁において、ケース7の側に位置するX2方向の端縁からは、一方側第1リード線係止板21(第1リード線係止板)と第1側板22(第1板部)とがZ1方向に立ち上がっている。一方側第1リード線係止板21は第1側板22のY1方向の側に位置する。一方側第1リード線係止板21と第1側板22とは段差なく連続している。一方側第1リード線係止板21は第1ヒータ8に接続された2本のリード線15、17を係止可能な第1切欠き23を備える。第1側板22はケース7のX1方向の端板を構成するものである。従って、一方側第1リード線係止板21はケース7からY1方向に突出している。
【0025】
また、第1枠板4の外周縁においてY2方向の端縁のケース7の側の端縁部分からは他方側第1リード線係止板24がZ1方向に立ち上がっている。他方側第1リード線係止板24は第1側板22のY2方向の端縁にX1方向の側から連続する。他方側第1リード線係止板24と第1側板22とは直交している。他方側第1リード線係止板24は、第1ヒータ8に接続された2本のリード線15、16を係止可能な第1切欠き23を備える。
【0026】
さらに、第1枠板4の外周縁部分からは、一方側第1リード線係止板21、第1側板2
2および他方側第1リード線係止板24とともに第1枠板4を包囲する第1補強板27(補強部)がZ1方向に立ち上がっている。第1補強板27は、一方側第1リード線係止板21および他方側第1リード線係止板24と連続している。
【0027】
一方側第1リード線係止板21の第1枠板4からの高さと他方側第1リード線係止板24の第1枠板4からの高さとは同一であり、第1側板22の第1枠板4からの高さよりも低い。第1補強板27の第1枠板4からの高さは、一方側第1リード線係止板21の第1枠板4からの高さおよび他方側第1リード線係止板24の第1枠板4からの高さよりも低い。第1枠板4は、一方側第1リード線係止板21、第1側板22、他方側第1リード線係止板24および第1補強板27によって包囲されることにより、その歪みが防止されている。
【0028】
(第1ヒータ)
図4および
図5に示すように、第1ヒータ8は、第1枠板4におけるZ1方向の第1枠板表面4bに固定されている。第1ヒータ8は、シート状であり、枠状である。
図5に示すように、第1ヒータ8は、一点鎖線で示す抵抗体31が可撓性の基板32の一方面で基板32の延在方向に沿って延在した構造を備える。基板32には、抵抗体31を被うように絶縁層33が積層されている。第1ヒータ8は、抵抗体31の両端に一対のランド34と、各ランド34に設けられた第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36を備える。一対のランド34および第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36は絶縁層33から外部に露出している。ここで、第1ヒータ8は、ケース7が位置する側の辺部分の幅が他の辺部分より広くなっており、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36は、この幅の広い辺部分に位置する。
【0029】
第1ヒータ8には、抵抗体31を避けるように複数の穴37が形成されている。一方、第1枠板4には、穴37に嵌る凸部38が形成されている。従って、穴37に凸部38を嵌めて第1ヒータ8の位置決めを行った後、凸部38を加熱変形させれば、第1ヒータ8を第1枠板4に固定することができる。
【0030】
第1ヒータ8は、基板32を第1枠板4に向けた姿勢で第1枠板表面4bに固定される。第1ヒータ8が第1枠板表面4bに固定された状態では、
図4に示すように、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36は第1枠板表面4bからZ1方向に起立する。また、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36は第1開口部3に対してケース7の側に位置する。第1ヒータ第1端子35は、第1ヒータ第2端子36のY1方向の側に位置する。
【0031】
ここで、
図4に示すように、一方側第1リード線係止板21の第1切欠き23、および、他方側第1リード線係止板24の第1切欠き23は、それぞれ、第1ヒータ第1端子35の先端および第1ヒータ第2端子36の先端よりも第1枠板4からZ1方向に離間する(Z1方向に位置する)。
【0032】
なお、抵抗体31は、
図5に示すように、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36が形成されている辺を除く3辺のうち、Y2方向の側でX方向に延びる辺では直線状に延在し、他の2辺では蛇行するように延在している。すなわち、後述する第1バッフル10の回転中心線である第1軸線L1に近い側よりも遠い側で抵抗体31の形成密度が高くなっている。
【0033】
(第2枠板およびその周辺)
図5に示すように、第2枠板6は、Z方向から見た場合の輪郭形状が長方形である。第2枠板6は、長手方向をX方向に向け、短手方向をY方向に向けている。第2開口部5は
、Z方向から見た形状が長方形であり、長手方向をX方向に向け、短手方向をY方向に向けている。第2枠板6は、ケース7の側でY方向に延びる枠板部分6aの幅が他の枠板部分の幅と比較して広い。
【0034】
図4、
図5に示すように、第2枠板6の第2開口部5の縁からは角枠状の第2シール板40がZ1方向に立ち上がっている。第2枠板6の外周縁において、ケース7の側に位置するX1方向の端縁からは、一方側第2リード線係止板41(第2リード線係止板)と第2側板42(第2板部)とがZ1方向に立ち上がっている。
図2に示すように、一方側第2リード線係止板41は第2側板42のY1方向に位置する。一方側第2リード線係止板41と第2側板42とは段差なく連続している。一方側第2リード線係止板41は第2ヒータ9に接続された2本のリード線16、17を係止可能な第2切欠き43を備える。第2側板42はケース7のX1方向の端板を構成するものである。従って、一方側第2リード線係止板41はケース7からY1方向に突出している。
【0035】
また、第2枠板6の外周縁においてY2方向の端縁のケース7の側の端縁部分からは他方側第2リード線係止板44がZ1方向に立ち上がっている。他方側第2リード線係止板44は第2側板42のY2方向の端縁にX1方向の側から連続する。他方側第2リード線係止板44と第2側板42とは直交している。他方側第1リード線係止板24は、第2ヒータ9に接続された2本のリード線16、17を係止可能な第2切欠き43を備える。
【0036】
さらに、第2枠板6の外周縁部分からは、一方側第2リード線係止板41、第2側板42および他方側第2リード線係止板44とともに第2枠板6を包囲する第2補強板47(補強部)がZ1方向に立ち上がっている。第2補強板47は、一方側第2リード線係止板41および他方側第2リード線係止板44と連続している。
【0037】
一方側第2リード線係止板41の第2枠板6からの高さと他方側第2リード線係止板44の第2枠板6からの高さとは同一であり、第2側板42の第2枠板6からの高さよりも低い。第2補強板47の第2枠板6からの高さは、一方側第2リード線係止板41の第2枠板6からの高さおよび他方側第2リード線係止板44の第2枠板6からの高さよりも低い。第2枠板6は、一方側第2リード線係止板41、第2側板42、他方側第2リード線係止板44および第2補強板47によって包囲されることにより、その歪みが防止されている。
【0038】
(第2ヒータ)
図4、
図5に示すように、第2ヒータ9は、第2枠板6におけるZ1方向の第2枠板表面6bに固定されている。第2ヒータ9は、シート状であり、枠状である。第2ヒータ9は、
図4に一点鎖線で示す抵抗体51が可撓性の基板52の一方面で基板52の延在方向に沿って延在した構造を備える。基板52には、抵抗体51を被う絶縁層53が積層されている。第2ヒータ9は、抵抗体51の両端に一対のランド54と、各ランド54に設けられた第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56を備える。一対のランド54、第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56は絶縁層53から外部に露出している。ここで、第2ヒータ9は、ケース7が位置する側の辺部分の幅が他の辺部分より広くなっており、第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56は、この幅の広い辺部分に位置する。
【0039】
第2ヒータ9には、抵抗体51を避けるように複数の穴57が形成されている。一方、第2枠板6には、穴57に嵌る凸部58が形成されている。従って、穴57に凸部58を嵌めて第2ヒータ9の位置決めを行った後、凸部58を加熱変形させれば、第2ヒータ9を第2枠板6に固定することができる。
【0040】
第2ヒータ9は、基板52を第2枠板6に向けた姿勢で第2枠板表面6bに固定される。
図2に示すように、第2ヒータ9が第2枠板表面6bに固定された状態では、第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56は、第2開口部5に対してケース7の側に位置して、第2枠板表面6bからZ1方向に起立する。第2ヒータ第2端子56は、第2ヒータ第1端子55のY1方向の側に位置する。
【0041】
ここで、一方側第2リード線係止板41の第2切欠き43、および、他方側第2リード線係止板44の第2切欠き43は、それぞれ、第2ヒータ第1端子55の先端および第2ヒータ第2端子56の先端よりも、第2枠板6からZ1方向に離間する(Z1方向に位置する)。
【0042】
なお、
図5に示すように、抵抗体51は、第2ヒータ第1端子および第2ヒータ第2端子56が形成されている辺を除く3辺のうち、Y2方向の側でX方向に延びる辺では直線状に延在し、他の2辺では蛇行するように延在している。すなわち、後述するように、第2バッフル11の回転中心線である第2軸線に近い側よりも遠い側で抵抗体51の形成密度が高くなっている。
【0043】
(ケース)
図6は、第1フレーム部材、第2フレーム部材、ケース部材を分解したダンパ装置の分解斜視図である。
図4に示すように、ケース7は、X1方向(第1枠板4の側)の端に位置する第1側板22と、X2方向(第2枠板6の側)の端に位置する第2側板42と、第1側板22と第2側板42との間に位置して駆動機構12を収容する収容部61を備えるケース本体62と、を備える。
図6に示すように、ケース本体62は、X方向に延びる筒部63および筒部63におけるX1方向の開口を封鎖する底部64を備える。第1側板22は底部64を第1枠板4の側から被う。X方向から見た場合に底部64と第1側板22とは同一形状であり、底部64と第1側板22とはX方向に積層された状態でケース7の第1方向の側の端壁を構成している。第1側板22は第1枠板4のX2方向の端縁から立ち上がっている。第2側板42は筒部63におけるX1方向の開口を封鎖する。第2側板42は第2枠板6のX1方向の端縁から立ち上がっている。
【0044】
ケース7はX方向およびY方向に比較してZ方向が長い。ケース7のY方向の寸法は、第1枠板4および第2枠板6のY方向の寸法よりも短く、第1枠板4および第2枠板6はケース7からY1方向に突出している。従って、一方側第1リード線係止板21は、第1枠板4のケース7の側の端縁においてケース7からY1方向に突出している端縁部分から立ち上がっている。また、一方側第2リード線係止板41は、第2枠板6のケース7の側の端縁においてケース7からY1方向に突出している端縁部分から立ち上がっている。一方側第1リード線係止板21と一方側第2リード線係止板41とは、ケース7のY1方向の側に位置してX方向で対向している。これにより、
図1に示すように、ケース7のY1方向の側には、ケース本体62と一方側第1リード線係止板21と一方側第2リード線係止板41とにより凹部65が区画されている。
【0045】
図3に示すように、ケース7のY2方向の側の端面のZ1方向の側の部分にはコネクタ用凹部66が設けられている。コネクタ用凹部66の内側には、ケース側コネクタ67が配置されている。ケース側コネクタ67には、ケース7内に収容されたモータ13に給電を行うための4本のモータ給電用リード線18が組み付けられたリード線側コネクタ68が着脱可能に接続されている。ケース側コネクタ67に対してリード線側コネクタ68が装着される装着方向は第1枠板4からケース7に向かう方向(X2方向)である。
【0046】
ここで、
図6に示すように、第1枠板4、一方側第1リード線係止板21、第1側板22、他方側第1リード線係止板24、および、第1補強板27は、第1フレーム部材71
に設けられている。第2枠板6、一方側第2リード線係止板41、第2側板42、他方側第2リード線係止板44、および、第2補強板47は、第2フレーム部材72に設けられている。ケース本体62は、ケース部材73に設けられている。第1フレーム部材71と第2フレーム部材72とはケース部材73を間に挟んで連結されている。これにより、第1枠板4と第2枠板6とはケース7を間に挟んで並列に配置される。
【0047】
(駆動機構)
ケース7内(ケース本体62の収容部61)には、第1バッフル10および第2バッフル11を駆動する駆動機構12が収容されている。駆動機構12は、駆動源であるモータ13と、ケース7からX1方向に突出する第1回転軸75と、ケース7からX2方向に突出する第2回転軸76と、モータ13の回転を第1回転軸75および第2回転軸76に伝達する伝達機構77と、を備える。モータ13は3相モータである。モータ13には給電を行うための4本の配線の一方端が接続されている。4本の配線の他方端はケース7の内側においてケース側コネクタ67に接続されている。第1回転軸75は、ケース7の第1枠板4の側の端部分(Z2方向の端部分)におけるY2方向の端部分から突出して、第1枠板4の第1枠板表面4bに沿ってX1方向に延びる。第1回転軸75は、ケース本体62の底部64および第1側板22を貫通している。第2回転軸76は、ケース7の第2枠板6の側の端部分(Z2方向の端部分)におけるY2方向の端部分から突出して、第2枠板6の第2枠板表面6bに沿ってX2方向に延びる。第2回転軸76は第2側板42を貫通している。
【0048】
(第1バッフル)
図4、
図5に示すように、第1バッフル10は、第1開口部3よりサイズが大きな第1開閉板81と、第1開閉板81の第1開口部3の側の面に保持された矩形の第1弾性部材82とを備える。第1弾性部材82は、シート状であり、発泡ポリウレタン等からなる。第1開閉板81には、第1回転軸75に接続される第1連結部83と、第1補強板27において第1枠板4のX1方向の端縁から立ち上がってY方向に延びる補強板部分に回転可能に支持される第1軸部84とが設けられている。
【0049】
第1バッフル10は、駆動機構12により第1回転軸75の第1軸線L1回りに回転駆動される。第1回転軸75は、第1枠板4においてY2方向の側でX方向に延びる枠板部分のZ1方向を通過する。第1バッフル10は、第1軸線L1回りの一方側に回転して第1弾性部材82が第1シール板20に当接した際、第1開口部3を塞いだ閉状態となる。また、第1バッフル10は、第1軸線L1回りの他方側に回転して第1弾性部材82が第1シール板20から離間した際、第1開口部3を開放した開状態となる。
【0050】
(第2バッフル)
第2バッフル11は、第2開口部5よりサイズが大きな第2開閉板85と、第2開閉板85の第2開口部5の側の面に保持された矩形の第2弾性部材86とを備える。第2弾性部材86は、シート状であり、発泡ポリウレタン等からなる。第2開閉板85には、第2回転軸76に接続される第2連結部87と、第2補強板47において第2枠板6のX2方向の端縁から立ち上がってY方向に延びる補強板部分に回転可能に支持される第2軸部88とが設けられている。
【0051】
第2バッフル11は、駆動機構12により第2回転軸76の第2軸線L2回りに回転駆動される。第2回転軸76は、第2枠板6においてY2方向の側でX方向に延びる枠板部分のZ1方向を通過する。第2バッフル11は、第2軸線L2回りの一方側に回転して第2弾性部材86が第2シール板40に当接した際、第2開口部5を塞いだ閉状態となる。また、第2バッフル11は、第2軸線L2回りの他方側に回転して第2弾性部材86が第2シール板40から離間した際、第2開口部5を開放した開状態となる。
【0052】
ここで、第1回転軸75と第2回転軸76とは同軸に配置されている。従って、第1バッフル10の回転中心である第1軸線L1と第2バッフル11の回転中心である第2軸線L2とは同軸である。
【0053】
(配線)
次に、ダンパ装置1における第1ヒータ8、第2ヒータ9およびモータ13の配線を説明する。
図7は、第1ヒータ8、第2ヒータ9およびモータ13の配線の説明図である。本例では、第1ヒータ8および第2ヒータ9の配線として、第1ヒータ8の第1ヒータ第1端子35に接続された第1ヒータ側リード線15(第1リード線)と、第1ヒータ8の第1ヒータ第2端子36と第2ヒータ9の第2ヒータ第1端子55に接続されたヒータ直列接続用リード線16(第2リード線および第3リード線)と、第2ヒータ9の第2ヒータ第2端子56に接続された第2ヒータ側リード線17(第4リード線)を備える。第1ヒータ8においてY1方向の側に位置する第1ヒータ第2端子36と、第2ヒータ9においてY1方向の側に位置する第2ヒータ第1端子55とがヒータ直列接続用リード線16によって接続されることにより、第1ヒータ8と第2ヒータ9とは直列に接続されている。
【0054】
図1、
図3に示すように、第1ヒータ側リード線15は、第1ヒータ第1端子35からZ1方向に引き出されて、一方側第1リード線係止板21の第1切欠き23に係止されている。
図1に示すように、第1ヒータ側リード線15において第1切欠き23に保持されている部分から第1ヒータ第1端子35とは反対側に延在している第1ヒータ側リード線部分15a(第1リード線部分)は、ケース7のY1方向の側において、ケース本体62と一方側第1リード線係止板21と一方側第2リード線係止板41とにより区画された凹部65内を引き回される。
図2に示すように、第2ヒータ側リード線17は、第2ヒータ第2端子56からZ1方向に引き出されて、一方側第2リード線係止板41の第2切欠き43に係止されている。第2ヒータ側リード線17において第2切欠き43に保持されている部分から第2ヒータ第2端子56とは反対側に延在している第2ヒータ側リード線部分17a(第4リード線部分)は、ケース7のY1方向の側に区画された凹部65内を引き回されている。
【0055】
また、
図1に示すように、ヒータ直列接続用リード線16における第1ヒータ8の第1ヒータ第2端子36の側の部分は、第1ヒータ第2端子36からZ1方向に引き出されて、一方側第1リード線係止板21の第1切欠き23に係止されている。一方、
図2に示すように、ヒータ直列接続用リード線16における第2ヒータ9の第2ヒータ第1端子55の側の部分は、第2ヒータ第1端子55からZ1方向に引き出されて、一方側第2リード線係止板41の第2切欠き43に係止されている。
【0056】
さらに、
図7に示すように、ヒータ直列接続用リード線16において第1切欠き23と第2切欠き43との間に位置する延在部分16a(第2リード線部分、第3リード線部分)は、凹部65の内側で2つに折り曲げられた折り曲げ部分91を備える。折り曲げ部分91は、第1切欠き23からZ2方向に延びる第1延在部91aと、第2切欠き43から第2方向に延びる第2延在部91bと、第1延在部91aと第2延在部91bのZ2方向の端を接続する屈曲部91cを備える。折り曲げ部分91は、第1ヒータ側リード線部分15aおよび第2ヒータ側リード線部分17aとともに、結束バンドなどの結束部材93により、束ねられている。なお、結束部材93として、粘着テープを用いることもできる。
【0057】
ここで、ヒータ直列接続用リード線16が接続された第1ヒータ第2端子36は、第1ヒータ側リード線15が接続された第1ヒータ第1端子35よりも一方側第1リード線係
止板21の第1切欠き23に近い位置にある。また、ヒータ直列接続用リード線16が接続された第2ヒータ第1端子55は、第2ヒータ側リード線17が接続された第2ヒータ第2端子56よりも一方側第2リード線係止板41の第2切欠き43に近い位置にある。従って、ヒータ直列接続用リード線16を第1切欠き23および第2切欠き43に係止する際に、第1ヒータ第2端子36から第1側板22に沿って引き出されて第1切欠き23に至るリード線部分、および、第2ヒータ第1端子55から第2側板42に沿って引き出されて第2切欠き43に至るリード線部分を短くすることができる。よって、ヒータ直列接続用リード線16を第1切欠き23に係止し、しかる後に、第1ヒータ側リード線15を第1切欠き23に係止するとともに、ヒータ直列接続用リード線16を第2切欠き43に係止し、しかる後に、第2ヒータ側リード線17を第2切欠き43に係止すれば、ヒータ直列接続用リード線16、第1ヒータ側リード線15および第2ヒータ側リード線17が絡まることを防止しやすい。
【0058】
また、
図1に示すように、第1切欠き23は、一方側第1リード線係止板21におけるZ1方向の端縁からZ2方向に向かって当該一方側第1リード線係止板21と第1側板22との境界をケース本体62のケース本体62のY1方向の端面に沿って延びている。従って、第1切欠き23に係止された第1ヒータ側リード線15の第1ヒータ側リード線部分15aを、ケース本体62のY1方向の端面に沿わせることが容易である。同様に、第2切欠き43は、一方側第2リード線係止板41におけるZ1方向の端縁からZ2方向に向かって当該一方側第2リード線係止板41と第2側板42との境界をケース本体62のY1方向の端面に沿って延びている。従って、第2切欠き43に係止された第2ヒータ側リード線17の第2ヒータ側リード線部分17aをケース本体62のY1方向の端面に沿わせることが容易である。また、第1切欠き23および第2切欠き43に係止されたヒータ直列接続用リード線16については、一方側第1リード線係止板21と一方側第2リード線係止板41との間に位置する折り曲げ部分91をケース本体62のY1方向の端面に沿わせることが容易である。
【0059】
次に、ケース側コネクタ67に接続されたリード線側コネクタ68から引き出された4本のモータ給電用リード線18は、
図3に示すように、コネクタ用凹部66からケース本体62のY2方向の端面に沿ってZ1方向に引き出され、ケース本体62のZ1方向の側の端面に沿って折り曲げられてY1方向に引き出され、しかる後に、
図1に示すように、ケース本体62のY1方向の端面に沿って折り曲げられてZ2方向に引き出されている。従って、モータ給電用リード線18は、ケース本体62のY2方向の端面に沿って延在する第1延在部分18a、ケース本体62のZ1方向の側の端面に沿って延在する第2延在部分18b、ケース本体62のY1方向の端面に沿って延在する第3延在部分18cを備える。
【0060】
ケース本体62のY1方向の端面には、粘着テープなどの貼付部材94が貼り付けられている。4本のモータ給電用リード線18はケース本体62と貼付部材94との間に保持されて、Z2方向に引き出されている。貼付部材94は、ケース本体62のY1方向の端面における一方側第1リード線係止板21および一方側第2リード線係止板41よりもZ1方向の端面部分に貼り付けられている。ケース本体62のY1方向の端面に沿ってZ2方向に引き出された4本のモータ給電用リード線18は、凹部65の内側を引き回される。
【0061】
ここで、第1ヒータ側リード線15、第2ヒータ側リード線17、および4本のモータ給電用リード線18の先端は、外部接続用コネクタ95に組み付けられる。外部接続用コネクタ95は、ダンパ装置1の駆動を制御する冷蔵庫の制御部に設けられ制御部側コネクタに接続される。
【0062】
(ダンパ装置の動作)
ダンパ装置1は、冷気通路を構成するダクトの内側に配置される。ダクトを流通する冷気は、第1開口部3に対して第1バッフル10が配置されている側とは反対側の共通流路から第1開口部3を通ってZ1方向に流れる。また、冷気は、第2開口部5に対して第2バッフル11が配置されている側とは反対の共通流路から第2開口部5を通ってZ1方向に流れる。そして、冷気は、第1開口部3を含む第1流路と、第2開口部5を含む第2流路とに分配される。その際、ダンパ装置1は、モータ13の駆動により第1バッフル10および第2バッフル11を回転させて、それぞれの開度を調整し、冷気の流量を調節する。
【0063】
また、ダンパ装置1は、第1ヒータ8および第2ヒータ9を、定期的、或いは、所定のタイミングで駆動して、第1ヒータ8および第2ヒータ9を発熱させる。これにより、第1枠板4の第1開口部3の周囲で結露した水が凍って第1枠板4と第1バッフル10とが氷結により吸着することを防止するとともに、第2枠板6の第2開口部5の周囲で結露した水が凍って第2枠板6と第2バッフル11とが氷結により吸着することを防止する。従って、ダンパ装置1によれば、第1バッフル10による第1開口部3の開閉動作や第2バッフル11による第2開口部5の開閉動作が阻害されることがなく、冷気の流量の調節動作に不具合が発生することがない。
【0064】
なお、第1開口部3および第2開口部5に対して第1バッフル10および第2バッフル11が配置されている側から冷気が流れるように構成する場合もある。
【0065】
(作用効果)
本例では、1台のダンパ装置1において、第1開口部3を含む流路、および第2開口部5を含む流路に対する冷気の分配等を行うことができる。また、第1枠板4の第1枠板表面4bに第1ヒータ8が設けられ、第2枠板6の第2枠板表面6bに第2ヒータ9が設けられているので、第1バッフル10と第1枠板4との氷結、および第2バッフル11と第2枠板6との氷結の双方を抑制することができる。
【0066】
また、本例では、第1枠板4の外周縁におけるケース7側の外周縁部分から一方側第1リード線係止板21が立ち上がっており、一方側第1リード線係止板21に設けられた第1切欠き23に第1ヒータ8の第1ヒータ第1端子35に接続された第1ヒータ側リード線15と、第1ヒータ第2端子36に接続されたヒータ直列接続用リード線16の第1枠板4側の部分とが係止される。同様に、第2枠板6の外周縁におけるケース7側の外周縁部分から一方側第2リード線係止板41が立ち上がっており、一方側第2リード線係止板41に設けられた第2切欠き43に第2ヒータ9の第1ヒータ第1端子35に接続されたヒータ直列接続用リード線16の第2枠板6側の部分と、第2ヒータ第2端子56に接続された第2ヒータ側リード線17とが係止される。従って、第1ヒータ側リード線15およびヒータ直列接続用リード線16を、第1バッフル10と干渉しないケース7の側に向かって引き回すことができる。また、ヒータ直列接続用リード線16および第2ヒータ側リード線17を第2バッフル11と干渉しないケース7の側に向かって引き回すことができる。
【0067】
さらに、本例では、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36は、第1開口部3に対してケース7の側に設けられて、第1枠板表面4bから起立している。これにより、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36から第1切欠き23までの距離が短くなるので、第1ヒータ側リード線15およびヒータ直列接続用リード線16と第1バッフル10との干渉を回避しながら、これらのリード線を引き回すことが容易である。また、第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56は、第2開口部5に対してケース7の側に設けられて第2枠板表面6bから起立している。これにより、第2ヒ
ータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56から第2切欠き43までの距離が短くなるので、ヒータ直列接続用リード線16および第2ヒータ側リード線17と第2バッフル11との干渉を回避しながらこれらのリード線を引き回すことが容易である。
【0068】
また、第1切欠き23は、第1ヒータ第1端子35の先端および第1ヒータ第2端子36の先端よりも第1枠板4からZ1方向に離間する位置に設けられており、第2切欠き43は、第2ヒータ第1端子55の先端および第2ヒータ第2端子56の先端よりも第2枠板6からZ1方向に離間する位置に設けられている。従って、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36にそれぞれ接続した第1ヒータ側リード線15およびヒータ直列接続用リード線16を、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36が起立している方向に沿って引き出して、第1切欠き23に係止させることができる。よって、第1ヒータ側リード線15およびヒータ直列接続用リード線16の引き回しに際して、第1ヒータ側リード線15と第1ヒータ第1端子35との接続部分およびヒータ直列接続用リード線16と第1ヒータ第2端子36との接続部分が屈曲するなどして損傷することを防止できる。また、第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56にそれぞれ接続したヒータ直列接続用リード線16および第2ヒータ側リード線17を、第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56が起立している方向に沿って引き出して、第2切欠き43に係止させることができる。よって、ヒータ直列接続用リード線16および第2ヒータ側リード線17の引き回しに際して、ヒータ直列接続用リード線16と第2ヒータ第1端子55との接続部分および第2ヒータ側リード線17と第2ヒータ第2端子56との接続部分が屈曲するなどして損傷することを防止できる。
【0069】
さらに、本例では、第1ヒータ側リード線15において第1切欠き23に保持されている部分から第1ヒータ第1端子35とは反対側に延在している第1ヒータ側リード線部分15a、第2ヒータ側リード線17において第2切欠き43に保持されている部分から第2ヒータ第2端子56とは反対側に延在している第2ヒータ側リード線部分17a、および、ヒータ直列接続用リード線16の折り曲げ部分91は、ケース7体のY1方向の側に区画された凹部65内を引き回されている。従って、これらのリード線部分が凹部65から第1側板22の側や第2側板42の側に移動して、第1バッフル10や第2バッフル11と干渉することがない。
【0070】
また、本例では、第1ヒータ8と第2ヒータ9とをヒータ直列接続用リード線16によって直列に接続している。これにより、第1ヒータ8と第2ヒータ9のそれぞれに2本のリード線を接続する場合と比較して、第1ヒータ8および第2ヒータ9へ給電を行うためのリード線の本数を減らすことができるので、リード線の引き回しが容易となる。
【0071】
さらに、ヒータ直列接続用リード線16は、凹部65の内側で2つに折り曲げられた折り曲げ部分91を備え、折り曲げ部分91は、結束部材93により、束ねられている。これにより、ヒータ直列接続用リード線16を折り曲げていないときに、ヒータ直列接続用リード線16の長さを確保できるので、ヒータ直列接続用リード線16の一方の端を第1ヒータ第2端子36に接続し、他方の端を第2ヒータ第1端子55に接続することが容易である。また、折り曲げ部分91を設けて束ねることにより、第1切欠き23と第2切欠き43との間におけるヒータ直列接続用リード線16の延在部分16aの弛みを無くすことができるので、ヒータ直列接続用リード線16が凹部65から外側に移動して、第1バッフル10や第2バッフル11と干渉することを防止できる。
【0072】
かかる効果について、
図8を参照して詳細に説明する。
図8はダンパ装置の組み立て動作における第1ヒータ、第2ヒータの配線の引き回しの説明図である。
図8に示すように、ダンパ装置1の組み立てに際しては、第1フレーム部材71に第1ヒータ8を組み付けるとともに、第1フレーム部材71に第1バッフル10を載置し、第1ヒータ8の第1ヒ
ータ第1端子35に第1ヒータ側リード線15を接続し、第1ヒータ第2端子36にヒータ直列接続用リード線16の一方の端を接続する。そして、第1ヒータ側リード線15およびヒータ直列接続用リード線16を一方側第1リード線係止板21の第1切欠き23に係止しておく。また、これに並行して、第2フレーム部材72に第2ヒータ9を組み付けるとともに、第2フレーム部材72に第2バッフル11を載置し、第2ヒータ9の第2ヒータ第2端子56に第2ヒータ側リード線17を接続し、第2ヒータ第2端子56にヒータ直列接続用リード線16の一方の端を接続する。そして、第2ヒータ側リード線17およびヒータ直列接続用リード線16を一方側第2リード線係止板41の第2切欠き43に係止しておく。さらに、これと並行して、ケース本体62内に、駆動機構12を収容した状態としておく。
【0073】
ここで、
図8に示すように、第1フレーム部材71と第2フレーム部材72とを離間させた状態で、第1ヒータ8および第2ヒータ9に対する配線を行った場合でも、ヒータ直列接続用リード線16を折り曲げていない状態では、ヒータ直列接続用リード線16が長いので、ヒータ直列接続用リード線16の一方の端を第1フレーム部材71に支持された第1ヒータ第2端子36に接続し、他方の端を第2フレーム部材72に支持された第2ヒータ第1端子55に接続することが容易である。
【0074】
次に、第1フレーム部材71と、第2フレーム部材72とを、ケース本体62を間に挟んで連結する。また、この際に、第1回転軸75に第1バッフル10の第1連結部83を接続し、第2回転軸76に第2バッフル11の第2連結部87を接続する。これにより、ケース7のY1方向の側には、ケース本体62と一方側第1リード線係止板21と一方側第2リード線係止板41とにより凹部65が区画される。また、第1ヒータ側リード線部分15a、第2ヒータ側リード線部分17a、および、ヒータ直列接続用リード線16の第1切欠き23と第2切欠き43との間に位置する延在部分16aが、凹部65の内側に配置される。
【0075】
ここで、ヒータ直列接続用リード線16の第1切欠き23と第2切欠き43との間に位置する延在部分16aは、弛んだ状態となる。従って、
図1、
図2に示すように、延在部分16aを折り曲げて折り曲げ部分91を設ける。また、結束部材93により、折り曲げ部分91と、第1ヒータ側リード線部分15aと第2ヒータ側リード線部分17aと、を結束する。これにより、第1切欠き23と第2切欠き43との間でヒータ直列接続用リード線16の弛んだ状態となることを回避できるので、ヒータ直列接続用リード線16が凹部65から外側に移動して、第1バッフル10や第2バッフル11と干渉してしまうことがない。
【0076】
また、本例では、4本のモータ給電用リード線18は、ケース本体62に貼り付けられた貼付部材94とケース本体62との間に保持されて、凹部65の内側を引き回されている。従って、4本のモータ給電用リード線18についても、第1ヒータ側リード線15、ヒータ直列接続用リード線16おび第2ヒータ側リード線17と同様に、ケース7の一方側(凹部65内)を引き回すことができる。また、4本のモータ給電用リード線18、第1ヒータ側リード線15、おおび第2ヒータ側リード線17を外部接続用コネクタ95に組み付けることが容易である。
【0077】
(変形例)
なお、第1ヒータ側リード線15およびヒータ直列接続用リード線16を他方側第1リード線係止板24(第1リード線係止板)の第1切欠き23に係止し、第2ヒータ側リード線17およびヒータ直列接続用リード線16を他方側第2リード線係止板44(第2リード線係止板)の第2切欠き43に係止して、これらのリード線をケース7のY2方向に引き出すこともできる。
【0078】
(実施例2)
次に、
図9を参照して実施例2のダンパ装置1を説明する。
図9は実施例2のダンパ装置の第1ヒータ、第2ヒータおよびモータ13の配線の説明図である。実施例2のダンパ装置1Aは、第1ヒータ8および第2ヒータ9への配線、およびモータ給電用リード線18の配線の引き回しが実施例1とは相違するが、他の部分は実施例1と同様の構成を備える。従って、対応する部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0079】
(配線)
本例では、第1ヒータ8および第2ヒータ9の配線として、第1ヒータ8の第1ヒータ第1端子35に接続された第1リード線101と、第1ヒータ8の第1ヒータ第2端子36に接続された第2リード線102と、第2ヒータ9の第2ヒータ第1端子55に接続された第3リード線103と、第2ヒータ9の第2ヒータ第2端子56に接続された第4リード線104と、を備える。
【0080】
第1リード線101は、第1ヒータ第1端子35からZ1方向に引き出されて、他方側第1リード線係止板24(第1リード線係止板)の第1切欠き23に係止されている。第2リード線102は、第1ヒータ第2端子36からZ1方向に引き出されて、他方側第1リード線係止板24(第1リード線係止板)の第1切欠き23に係止されている。第1リード線101において第1切欠き23に保持されている部分から第1ヒータ第1端子35とは反対側に延在している第1リード線部分101aは、ケース7、他方側第1リード線係止板24および第1補強板27のY2方向の外側を引き回される。第2リード線102において第1切欠き23に保持されている部分から第1ヒータ第2端子36とは反対側に延在している第2リード線部分102aは、ケース7、他方側第1リード線係止板24および第1補強板27のY2方向の外側を引き回される。
【0081】
ここで、他方側第1リード線係止板24のY2方向の端面には、粘着テープなどの貼付部材106が貼り付けられており、第1リード線101と第2リード線102とは、他方側第1リード線係止板24と貼付部材106との間に保持されて、X2方向に引き出されている。
【0082】
第3リード線103は、第2ヒータ第1端子55からZ1方向に引き出されて、他方側第2リード線係止板44(第2リード線係止板)の第2切欠き43に係止されている。第4リード線104は、第2ヒータ第2端子56からZ1方向に引き出されて、他方側第2リード線係止板44(第2リード線係止板)の第2切欠き43に係止されている。第3リード線103において第2切欠き43に保持されている部分から第2ヒータ第1端子55とは反対側に延在している第3リード線部分103aは、ケース7、他方側第2リード線係止板44および第2補強板47のY2方向の外側を引き回される。第4リード線104において第2切欠き43に保持されている部分から第2ヒータ第2端子56とは反対側に延在している第4リード線部分104aは、ケース7、他方側第2リード線係止板44および第2補強板47のY2方向の外側を引き回される。
【0083】
ここで、ケース本体62のY2方向の端面には、粘着テープなどの貼付部材107が貼り付けられており、第3リード線103と第4リード線104とは、ケース本体62と貼付部材107との間に保持されて、X2方向に引き出されている。
【0084】
次に、ケース側コネクタ67に接続されたリード線側コネクタ68から引き出された4本のモータ給電用リード線18は、ケース側コネクタ67の装着方向(X2方向)とは反対側のX1方向に向かって引き回される。
【0085】
ここで、
図9に示すように、第1切欠き23は、他方側第1リード線係止板24におけるZ1方向の端縁からZ2方向に向かって当該他方側第1リード線係止板24と第1側板22との境界を第1側板22に沿って延びている。従って、第1ヒータ第1端子35に接続された第1リード線101と第1ヒータ第2端子36に接続された第2リード線102とを、ケース7の第1側板22に沿わせた状態で引き回した後に、第1切欠き23からケース7、他方側第1リード線係止板24および第1補強板27のY2方向に引き出すことが容易である。また、第2切欠き43は、他方側第2リード線係止板44におけるZ1方向の端縁からZ2方向に向かって当該他方側第2リード線係止板44と第2側板42との境界を第2側板42に沿って延びている。従って、第2ヒータ第2端子56に接続された第3リード線103と第2ヒータ第2端子56に接続された第4リード線104とを、ケース7の第2側板42に沿わせた状態で引き回した後に、第2切欠き43から、ケース7、他方側第2リード線係止板44および第2補強板47のY2方向に引き出すことが容易である。
【0086】
(作用効果)
本例では、第1枠板4の外周縁におけるケース7側の外周縁部分から立ち上がる他方側第1リード線係止板24の第1切欠き23に第1ヒータ8の第1ヒータ第1端子35に接続された第1リード線101と、第1ヒータ第2端子36に接続された第2リード線102とが係止される。同様に、第2枠板6の外周縁におけるケース7側の外周縁部分から立ち上がる他方側第2リード線係止板44の第2切欠き43に、第2ヒータ9の第2ヒータ第1端子55に接続された第3リード線103と、第2ヒータ第2端子56に接続された第4リード線104とが係止される。従って、第1リード線101および第2リード線102を第1バッフル10と干渉しないケース7の側に向かって引き回すことができる。また、第2リード線102および第4リード線104を第2バッフル11と干渉しないケース7の側に向かって引き回すことができる。
【0087】
また、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36は、第1開口部3に対してケース7の側に設けられて、第1枠板表面4bから起立している。これにより、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36から第1切欠き23までの距離が短くなるので、第1リード線101および第2リード線102と第1バッフル10との干渉を回避しながら、これらを引き回すことが容易である。また、同様に第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56は、第2開口部5に対してケース7の側に設けられて、第2枠板表面6bから起立している。これにより、第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56から第2切欠き43までの距離が短くなるので、第3リード線103および第4リード線104と第2バッフル11との干渉を回避しながらこれらを引き回すことが容易である。
【0088】
さらに、第1切欠き23は、第1ヒータ第1端子35の先端および第1ヒータ第2端子36の先端よりも第1枠板4からZ1方向に離間する位置に設けられており、第2切欠き43は、第2ヒータ第1端子55の先端および第2ヒータ第2端子56の先端よりも第2枠板6からZ1方向に離間する位置に設けられている。従って、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36にそれぞれ接続した第1リード線101および第2リード線102を、第1ヒータ第1端子35および第1ヒータ第2端子36が起立している方向に沿って引き出して、第1切欠き23に係止させることができる。これにより、第1リード線101および第2リード線102の引き回しに際して、第1リード線101と第1ヒータ第1端子35との接続部分および第2リード線102と第1ヒータ第2端子36との接続部分が屈曲するなどして損傷することを防止できる。また、第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56にそれぞれ接続した第3リード線103および第4リード線104を、第2ヒータ第1端子55および第2ヒータ第2端子56が起立している方向に沿って引き出して、第2切欠き43に係止させることができる。これにより、第3リー
ド線103および第4リード線104の引き回しに際して、第3リード線103と第2ヒータ第1端子55との接続部分および第4リード線104と第2ヒータ第2端子56との接続部分が屈曲するなどして損傷することを防止できる。
【0089】
また、本例では、第1ヒータ8に2本のリード線が接続されており、第2ヒータ9に2本のリード線が接続されている。従って、第1ヒータ8と第2ヒータ9とを別々に駆動することできる。
【0090】
(変形例)
なお、第1リード線101および第2リード線102を一方側第1リード線係止板21の第1切欠き23に係止し、第3リード線103および第4リード線104を一方側第2リード線係止板41の第2切欠き43に係止して、これらのリード線の延在部分をケース7のY1に区画された凹部65内で引き回してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1・1A…ダンパ装置、3…第1開口部、4…第1枠板、4a…枠板部分、4b…第1枠板表面、5…第2開口部、6…第2枠板、6a…枠板部分、6b…第2枠板表面、7…ケース、8…第1ヒータ、9…第2ヒータ、10…第1バッフル、11…第2バッフル、12…駆動機構、13…モータ、15…第1ヒータ側リード線(第1リード線)、15a…第1ヒータ側リード線部分(第1リード線部分)、16…ヒータ直列接続用リード線(第2リード線、第3リード線)、16a…延在部分(第2リード線部分、第3リード線部分)、17…第2ヒータ側リード線(第4リード線)、17a…ヒータ側リード線部分(第4リード線部分)、18…モータ給電用リード線、18a…第1延在部分、18b…第2延在部分、18c…第3延在部分、20…第1シール板、21…一方側第1リード線係止板(第1リード線係止板)、22…第1側板(第1板部)、23…第1切欠き23、24…他方側第1リード線係止板(第1リード線係止板)、27…第1補強板、31…抵抗体、32…基板、33…絶縁層、34…ランド、35…第1ヒータ第1端子、36…第1ヒータ第2端子、37…穴、38…凸部、40…第2シール板、41…一方側第2リード線係止板(第2リード線係止板)、42…第2側板(第2板部)、43…第2切欠き、44…他方側第2リード線係止板(第2リード線係止板)、47…第2補強板、51…抵抗体、52…基板、53…絶縁層、54…ランド、55…第2ヒータ第1端子、56…第2ヒータ第2端子、57…穴、58…凸部、61…収容部、62…ケース本体、63…筒部、64…底部、65…凹部、66…コネクタ用凹部、67…ケース側コネクタ、68…リード線側コネクタ、71…第1フレーム部材、72…第2フレーム部材、73…ケース部材、75…第1回転軸、76…第2回転軸、77…伝達機構、81…第1開閉板、82…第1弾性部材、83…第1連結部、84…第1軸部、85…第2開閉板、86…第2弾性部材、87…第2連結部、88…第2軸部、91…折り曲げ部分、91a…延在部、91b…延在部、91c…屈曲部、91…部分、93…結束部材、94…貼付部材、95…外部接続用コネクタ、101…第1リード線、101a…第1リード線部分、102…第2リード線、102a…第2リード線部分、103…第3リード線、103a…第3リード線部分、104…第4リード線、104a…第4リード線部分、106・107…貼付部材、L1…第1軸線、L2…第2軸線