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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】ウインチ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B66D 1/44 20060101AFI20221028BHJP
   B66D 1/08 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
B66D1/44 C
B66D1/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018211328
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2020075806
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-09-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年3月27日、田辺市大塔総合文化会館(和歌山県田辺市鮎川2567番地の1)において開催された、新たな架線集材システム研修会で発表
(73)【特許権者】
【識別番号】508150337
【氏名又は名称】イワフジ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】有吉 実
(72)【発明者】
【氏名】伊東 伸哉
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】青澤 孝宏
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-115595(JP,A)
【文献】特開2015-139391(JP,A)
【文献】特開平08-091781(JP,A)
【文献】特開2012-101912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66D 1/44
B66D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインチドラムがウインチ本体に回転自在に支持されたウインチを駆動するウインチ駆動装置であって、
前記ウインチドラムの回転軸方向の両端に、一対の油圧モータが対向して配置されており、
前記ウインチドラムおよび前記一対の油圧モータの各回転部が、一体回転可能に設けられており、
前記一対の油圧モータは、前記ウインチドラムの回転軸方向の両端に設けられた第1の油圧モータ、および第2の油圧モータであり、
前記第1の油圧モータは、前記ウインチ本体の第1の壁部に一体的に設けられた第1の固定部と、前記第1の固定部に対し回転自在に設けられた第1の回転部とを有し、
前記第2の油圧モータは、前記ウインチ本体の前記第1の壁部に対向して設けられた第2の壁部に一体的に設けられた第2の固定部と、前記第2の固定部に対し回転自在に設けられた第2の回転部とを有し、
前記ウインチドラムが前記第1の回転部、および前記第2の回転部の間に設けられており、前記第1の回転部の回転、および前記第2の回転部の回転によって前記ウインチドラムが駆動されるものであり、
前記第1の固定部が、前記第1の壁部に対し脱着自在に設けられ、前記第2の固定部が、前記第2の壁部に対し脱着自在に設けられ、
前記第1の回転部の先端には、フランジ部が一体的に設けられ、前記第1の回転部のフランジ部は、前記ウインチドラムの側壁部に対し脱着自在に連結されており、
前記第2の回転部の先端には、フランジ部が一体的に設けられ、前記第2の回転部のフランジ部は、前記ウインチドラムの側壁部に対し脱着自在に連結されており、
前記ウインチドラムが、前記第1の回転部、および前記第2の回転部に対し脱着自在に設けられていることを特徴とするウインチ駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のウインチ駆動装置において、
前記ウインチが、架線集材機に備えられたリフティングライン用ウインチおよびホールバックライン用ウインチのうち少なくとも1つであることを特徴とするウインチ駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載のウインチ駆動装置において、
前記架線集材機には、前記ウインチ本体の前端部に前記ホールバックライン用ウインチが設けられ、前記ホールバックライン用ウインチの後方側に前記リフティングライン用ウインチが設けられ、前記ウインチ本体の側方にエンドレスライン用ウインチが設けられていることを特徴とするウインチ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインチ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウインチドラムがウインチ本体に回転自在に支持されたウインチが知られており、このウインチを駆動するためのウインチ駆動装置として、例えば特許文献1に記載されたようなものが知られている。この特許文献1には、2胴型ウインチを駆動するウインチ駆動装置が記載されている。具体的には、ウインチ駆動装置により2胴型ウインチの2つのウインチドラムをそれぞれ回転させて、索条(ワイヤ)の繰り出し・巻き取りを行うことによって、材木の伐採を行う材木伐採地から材木の集材を行う材木集材地へ伐採された材木を搬送することが記載されている。
【0003】
上述のような従来のウインチ駆動装置では、ウインチドラムを正逆回転させる油圧モータがウインチドラムの一端側に設けられ、ウインチドラムの他端側に軸受け部材が設けられている。この場合、大型の油圧モータを用いることによって、ウインチの出力を大きくすることが可能である。しかし、大型の油圧モータを用いた場合、内部のプランジャー機構に遠心力が作用するため、その遠心力に対する剛性を確保する必要があり、油圧モータ自体の重量が増加する可能性がある。このため、油圧モータが大型化するほど、ウインチドラムの高速回転が困難になり、ウインチドラムの最高回転数が低く設定されることが懸念される。
【0004】
その一方で、小型の油圧モータを用いた場合には、ウインチドラムの高速回転が可能であり、ウインチドラムの最高回転数を高く設定可能であるものの、ウインチの出力向上が困難になることが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4049304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したような実情を考慮してなされたものであって、ウインチドラムの高速回転およびウインチの出力向上の両立を図ることが可能なウインチ駆動装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、ウインチドラムがウインチ本体に回転自在に支持されたウインチを駆動するウインチ駆動装置であって、前記ウインチドラムの回転軸方向の両端に、一対の油圧モータが対向して配置されており、前記ウインチドラムおよび前記一対の油圧モータの各回転部が、一体回転可能に設けられていることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、1つの油圧モータによってウインチドラムを駆動する場合に比べて、一対の油圧モータの小型化を図ることができ、これにより、ウインチドラムの高速回転およびウインチの出力向上の両立を図ることができる。しかも、ウインチドラムが一対の油圧モータの各回転部によって回転自在に支持されるので、ベアリング等の軸受け部材が不要になり、部品点数を削減することができる。
【0009】
本発明において、前記一対の油圧モータは、前記ウインチドラムの回転軸方向の両端に設けられた第1、第2の油圧モータであり、前記第1の油圧モータは、前記ウインチ本体の第1の壁部に一体的に設けられた第1の固定部と、前記第1の固定部に対し回転自在に設けられた第1の回転部とを有し、前記第2の油圧モータは、前記ウインチ本体の前記第1の壁部に対向して設けられた第2の壁部に一体的に設けられた第2の固定部と、前記第2の固定部に対し回転自在に設けられた第2の回転部とを有し、前記ウインチドラムが前記第1、第2の回転部の間に設けられており、前記第1、第2の回転部の回転によって前記ウインチドラムが駆動されることが好ましい。この構成によれば、第1、第2の油圧モータによって、ウインチの出力を半分ずつ分担させることができ、出力向上のために第1、第2の油圧モータを大型化する必要がなくなり、第1、第2の油圧モータの小型化を図ることができる。これにより、第1、第2の油圧モータの重量を低減することができ、ウインチドラムの高速回転を実現でき、ウインチドラムの最高回転数を高く設定することができる。
【0010】
本発明において、前記第1の固定部が、前記第1の壁部に対し脱着自在に設けられ、前記第2の固定部が、前記第2の壁部に対し脱着自在に設けられ、前記ウインチドラムが、前記第1、第2の回転部に対し脱着自在に設けられていることが好ましい。この構成によれば、ウインチドラムが、第1、第2の軸受け機能を備えた油圧モータの第1、第2の回転部によって回転自在に支持されるので、ベアリング等の軸受け部材が不要になる。また、第1、第2の油圧モータの変速作用によってウインチドラムの高速回転を行うことができるので、ウインチドラムの高速回転のための変速機構を別途設ける必要がなくなる。したがって、部品点数を削減することができ、コスト低減を図ることができる。
【0011】
本発明において、前記ウインチが、架線集材機に備えられたリフティングライン用ウインチおよびホールバックライン用ウインチのうち少なくとも1つであることが好ましい。この場合、前記架線集材機には、前記ウインチ本体の前端部に前記ホールバックライン用ウインチが設けられ、前記ホールバックライン用ウインチの後方側に前記リフティングライン用ウインチが設けられ、前記ウインチ本体の側方にエンドレスライン用ウインチが設けられていることが好ましい。この構成によれば、第1、第2の油圧モータによって、架線集材機のリフティングライン用ウインチや、ホールバックライン用ウインチの出力を半分ずつ分担させることができ、リフティングラインの張力や、ホールバックラインの張力を容易に確保することができる。また、第1、第2の油圧モータの小型化により、ウインチドラムの高速回転を実現でき、ウインチドラムの最高回転数を高く設定することができ、その結果、リフティングラインや、ホールバックラインの巻き取り・繰り出しを高速で行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、1つの油圧モータによってウインチドラムを駆動する場合に比べて、一対の油圧モータの小型化を図ることができ、これにより、ウインチドラムの高速回転およびウインチの出力向上の両立を図ることができる。しかも、ウインチドラムが一対の軸受け機能を備えた油圧モータの各回転部によって回転自在に支持されるので、ベアリング等の軸受け部材が不要になり、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るウインチ駆動装置を備えた架線集材機を示す斜視図である。
図2図1の架線集材機を示す側面図である。
図3図2のX1-X1線断面図である。
図4図1の架線集材機を備えた架線集材システムの概略構成を示す図である。
図5図4の架線集材システムの集材範囲の一例を示す平面図である。
図6図1の架線集材機の油圧回路の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るウインチ駆動装置を備えた架線集材機1を示す斜視図である。図2は、図1の架線集材機1を示す側面図である。図3は、図2のX1-X1線断面図である。図4は、図1の架線集材機1を備えた架線集材システム100の概略構成を示す図である。図5は、図4の架線集材システム100の集材範囲R1の一例を示す平面図である。図6は、図1の架線集材機1の油圧回路の概略構成を示す図である。
【0015】
まず、架線集材システム100の概略構成について、図4図5を参照して説明する。本実施形態では、架線集材システム100は、エンドレスタイラー式の架線集材システムとして構成されている。図4図5に示すように、架線集材システム100は、架線集材機1、搬器(キャリッジ)2、グラップル装置3、スカイライン(主索)SKL、エンドレスライン(エンドレス索)ELL、リフティングライン(巻上索)LFL、ホールバックライン(引戻索)HBL等から構成されている。
【0016】
スカイラインSKLは、材木集材地P1と、材木伐採地P3よりも遠い位置に設けられた先柱位置P2との間に架け渡されている。スカイラインSKLは、略一直線状に延びており、例えば、スカイラインSKLの一端が材木集材地P1の樹木等に連結され、スカイラインSKLの他端が先柱位置P2の樹木等に連結されている。
【0017】
スカイラインSKLには、搬器2が滑車Sを介して走行可能に取り付けられている。搬器2には、無限軌道を構成するエンドレスラインELLの両端部が連結されている。エンドレスラインELLは、複数の滑車E、および架線集材機1のエンドレスライン用ウインチ10Eのウインチドラム11Eに掛け渡されている。この場合、滑車Eは、材木集材地P1の近傍や、先柱位置P2の近傍、架線集材機1の近傍等に設置されている。
【0018】
架線集材機1に備えられたエンドレスライン用ウインチ10EによってエンドレスラインELLを走行させることにより、搬器2をスカイラインSKLに沿って移動させることが可能になっている。具体的には、エンドレスラインELLをE1方向へ繰り出すように、エンドレスライン用ウインチ10Eのウインチドラム11Eを駆動することにより、搬器2がスカイラインSKLに沿ってS1方向へ移動する。逆に、エンドレスラインELLをE2方向へ繰り出すように、ウインチドラム11Eを駆動することにより、搬器2がスカイラインSKLに沿ってS2方向へ移動する。
【0019】
搬器2には、一対の滑車La,Laがワイヤ等の連結部材を介して吊り下げられており、これら一対の滑車La,La間には、架線集材機1から引き出されたリフティングラインLFLの中間部分が架け渡されている。一対の滑車La,La間に位置するリフティングラインLFLの中間部分には、グラップル装置3が設けられている。グラップル装置3は、一対の滑車Lb,Lbを介してリフティングラインLFLに吊り下げられている。
【0020】
リフティングラインLFLの一端は、例えば材木伐採地P3の樹木等に連結されている。リフティングラインLFLの他端は、架線集材機1のリフティングライン用ウインチ10Lのウインチドラム11Lに巻回されている。リフティングラインLFLは、上述した一対の滑車La,La、一対の滑車Lb,Lb、材木集材地P1の近傍に設けられた滑車L、架線集材機1の近傍に設けられた滑車L等に掛け渡されている。
【0021】
架線集材機1に備えられたリフティングライン用ウインチ10Lのウインチドラム11LへのリフティングラインLFLの巻き取り・繰り出しを行うことにより、グラップル装置3を昇降させることが可能になっている。具体的には、リフティングラインLFLをウインチドラム11LからL1方向へ繰り出すように、ウインチドラム11Lを駆動することにより、一対の滑車La,La間に位置するリフティングラインLFLの中間部分の長さが大きくなってグラップル装置3が下降する。逆に、リフティングラインLFLをウインチドラム11Lに巻き取るように、ウインチドラム11Lを駆動することにより、上述したリフティングラインLFLの中間部分の長さが小さくなってグラップル装置3が上昇する。
【0022】
グラップル装置3の側面には、架線集材機1から引き出されたホールバックラインHBLの一端が連結されている。ホールバックラインHBLの他端は、架線集材機1のホールバックライン用ウインチ10Hのウインチドラム11Hに巻回されている。ホールバックラインHBLは、スカイラインSKLから離れた位置に設けられた滑車Ha、この滑車Haの近傍に設けられた滑車H、架線集材機1の近傍に設けられた滑車H等に掛け渡されている。ここで、上述した一対の滑車Lb,Lbがグラップル装置3の上側部分3aに設けられており、ホールバックラインHBLがグラップル装置3の下側部分3bに連結されている。グラップル装置3の下側部分3bは、上側部分3aに対して旋回可能に取り付けられている。グラップル装置3の下側部分3bには、一対のグラップルアーム3c,3cが設けられており、一対のグラップルアーム3c,3cを閉じることによって材木を両側から掴みとり、この状態で材木集材地P1へ搬送することが可能になっている。また、一対のグラップルアーム3c,3cを開くことによって掴んだ材木を放して、材木集材地P1へ降ろすことが可能になっている。
【0023】
架線集材機1に備えられたホールバックライン用ウインチ10Hのウインチドラム11HへのホールバックラインHBLの巻き取り・繰り出しを行うことにより、グラップル装置3をスカイラインSKLの架け渡し方向に交差する横方向に移動させることが可能になっている。この場合、ホールバックライン用ウインチ10Hのウインチドラム11Hの駆動を、上述したリフティングライン用ウインチ10Lのウインチドラム11Lの駆動に同調して行うことによって、グラップル装置3が吊り下げられているリフティングラインLFLの張力が調整されるようになっている。
【0024】
具体的には、リフティングラインLFLをウインチドラム11LからL1方向へ繰り出すように、ウインチドラム11Lを駆動することにより、一対の滑車La,La間に位置するリフティングラインLFLの中間部分の長さが大きくなって、グラップル装置3がスカイラインSKLから離れた横方向へ移動可能になる。この場合、ホールバックラインHBLをウインチドラム11Hに巻き取るように、ウインチドラム11Hを同調して駆動することにより、グラップル装置3が上述した滑車Haへ近づく方向に引っ張られ、スカイラインSKLから離れた横方向へグラップル装置3が移動する。
【0025】
逆に、リフティングラインLFLをウインチドラム11Lに巻き取るように、ウインチドラム11Lを駆動することにより、上述したリフティングラインLFLの中間部分の長さが小さくなって、グラップル装置3がスカイラインSKLへ近づく方向へ引っ張られるようになる。この場合、ホールバックラインHBLをウインチドラム11HからH1方向へ繰り出すように、ウインチドラム11Hを同調して駆動することにより、スカイラインSKLへ近づく方向にグラップル装置3が移動する。
【0026】
このようなホールバックラインHBLの繰り出し・巻き取りにより、グラップル装置3をスカイラインSKLの真下だけではなく、スカイラインSKLから離れた横方向へ移動させることが可能になっている。そして、このようなグラップル装置3の移動により、例えば、図5に示すような集材範囲R1の材木を集材することが可能になっている。この場合、集材範囲R1は、上述した滑車Haの設置位置を調整することによって、材木伐採地P3を含むような任意の範囲に変更することが可能になっている。なお、ホールバックラインHBLの繰り出し・巻き取りは、上述したエンドレスラインELLの走行による搬器2の移動時や、リフティングラインLFLの繰り出し・巻き取りによるグラップル装置3の昇降時にも同調して行うことが可能になっている。
【0027】
架線集材機1は、図1図3に示すように、3つのウインチ(エンドレスライン用ウインチ10E、リフティングライン用ウインチ10L、およびホールバックライン用ウインチ10H)と、これら3つのウインチ10E,10L,10Hの駆動源であるエンジン21とを備えた3胴型油圧集材機として構成されている。つまり、架線集材機1には、エンドレスラインELLの巻き取り・繰り出しを行うエンドレスライン用ウインチ10E、リフティングラインLFLの巻き取り・繰り出しを行うリフティングライン用ウインチ10L、およびホールバックラインHBLの巻き取り・繰り出しを行うホールバックライン用ウインチ10Hが搭載されている。各ウインチ10E,10L,10Hを回転駆動するためのウインチ駆動装置の構成部品が、ウインチ本体であるフレームASSY(フレームアッセンブリ)12に搭載されている。フレームASSY12は、エンジン21を内蔵するエンジンフレーム21aと一体的に設けられている。フレームASSY12およびエンジンフレーム21aは、地上に設置されるベースフレーム16上に設けられている。また、リフティングライン用ウインチ10Lおよびホールバックライン用ウインチ10Hの側方には、ウインチカバー17が取り付けられている。
【0028】
ホールバックライン用ウインチ10Hは、架線集材機1の前端部に設けられている。ホールバックライン用ウインチ10Hは、ウインチドラム11HがフレームASSY12に回転自在に支持された構成になっている。ウインチドラム11Hの回転軸は左右方向に沿って延びている。本実施形態では、ホールバックライン用ウインチ10Hのウインチドラム11Hが、フレームASSY12を構成する第1、第2の壁部12A,12Bに回転自在に支持されている。第1、第2の壁部12A,12Bは、左右方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配置されている。ホールバックライン用ウインチ10Hは、図3に示すように、ウインチドラム11Hの回転軸方向の両端に、一対の油圧モータ(第1、第2の油圧モータ)13A,13Bが対向して配置された構成になっており、一対の油圧モータ13A,13Bによって、ウインチドラム11Hを駆動する構成になっている。ホールバックライン用ウインチ10Hの詳細については後述する。
【0029】
ホールバックライン用ウインチ10Hの後方側にリフティングライン用ウインチ10Lが設けられている。リフティングライン用ウインチ10Lは、ウインチドラム11LがフレームASSY12に回転自在に支持された構成になっている。ウインチドラム11Lの回転軸は左右方向に沿って延びている。本実施形態では、リフティングライン用ウインチ10Lのウインチドラム11Lが、フレームASSY12を構成する第1、第2の壁部12A,12Bに回転自在に支持されている。リフティングライン用ウインチ10Lは、ホールバックライン用ウインチ10Hと同様、ウインチドラム11Lの回転軸方向の両端に、一対の油圧モータ(第1、第2の油圧モータ)13A,13Bが対向して配置された構成になっており、一対の油圧モータ13A,13Bによって、ウインチドラム11Lを駆動する構成になっている。
【0030】
リフティングライン用ウインチ10Lの後方側にエンドレスライン用ウインチ10Eが設けられている。エンドレスライン用ウインチ10Eは、ウインチドラム11EがフレームASSY12に回転自在に支持された構成になっている。ウインチドラム11Eの回転軸は左右方向に沿って延びている。本実施形態では、エンドレスライン用ウインチ10Eのウインチドラム11Eが、第2の壁部12Bの側方に設けられている。エンドレスライン用ウインチ10Eは、ホールバックライン用ウインチ10Hおよびリフティングライン用ウインチ10Lとは異なり、第2の壁部12Bに支持された油圧モータ13(図6参照)によって、ウインチドラム11Eを駆動する構成になっている。本実施形態では、油圧モータ13は、3連モータによって構成されている。
【0031】
架線集材機1は、例えば図6に示すような油圧回路20を備えている。この油圧回路20を介して、3つのウインチ10E,10L,10Hの第1、第2の油圧モータ13A,13Bに供給する作動油を制御することによって、3つのウインチ10E,10L,10Hの駆動制御が行われるようになっている。本実施形態では、図示しない操作レバー等を操作することによって、3つのウインチ10E,10L,10Hの駆動制御をそれぞれ独立して行うことが可能になっている(単独制御)。また、図示しない操作レバー等を操作することによって、上述したように、エンドレスライン用ウインチ10Eや、リフティングライン用ウインチ10Lと同調して、ホールバックライン用ウインチ10Hの駆動制御を行うことが可能になっている(同調制御)。
【0032】
油圧回路20には、主に、作動油を貯留する作動油タンク22、エンジン21によって駆動される油圧ポンプ部23、各ウインチ10E,10L、10Hを駆動するウインチ駆動部24、切換制御部25、同調制御部26、張力制御部27等が備えられている。油圧ポンプ部23には、3つの油圧ポンプ(エンドレスライン用ポンプ23E、リフティングライン用ポンプ23L、およびホールバックライン用ポンプ23H)が備えられている。油圧ポンプ部23は、これら3つの油圧ポンプ23E,23L,23Hが、エンジン21の出力軸に直結されている3連直結型油圧ポンプとして構成されている。本実施形態では、エンジン21側から順に、ホールバックライン用ポンプ23H、エンドレスライン用ポンプ23E、およびリフティングライン用ポンプ23Lが、直列に配置されている。
【0033】
油圧ポンプ部23の各ポンプ23E,23L,23Hは、例えば斜板の傾斜角度を調整することによってポンプ流量(吐出量)を変更可能な可変容量型油圧ポンプとして構成されており、エンジン21の駆動力によって、各ポンプ23E,23L,23Hをそれぞれ駆動可能になっている。この場合、各ポンプ23E,23L,23Hに内蔵された斜板の傾斜角度を調整することによって、各ポンプ23E,23L,23Hの吐出量をそれぞれ独立して制御することが可能になっている。具体的には、各ポンプ23E,23L,23Hの斜板の傾斜角度を0°(中立状態)とすることによって、エンジン21が駆動していたとしても、作動油を吐出しない空転状態に、各ポンプ23E,23L,23Hをそれぞれ独立して制御することが可能になっている。また、各ポンプ23E,23L,23Hの斜板の傾斜角度を正側(プラス側)に制御することによって、正側の油路へ作動油を吐出する正転状態に、各ポンプ23E,23L,23Hをそれぞれ独立して制御することが可能になっている。逆に、各ポンプ23E,23L,23Hの斜板の傾斜角度を負側(マイナス側)に制御することによって、負側の油路へ作動油を吐出する逆転状態に、各ポンプ23E,23L,23Hをそれぞれ独立して制御することが可能になっている。
【0034】
油圧ポンプ部23は、切換制御部25、同調制御部26、張力制御部27等を介して、ウインチ駆動部24に接続されている。切換制御部25には、油圧回路20の油路の切り換えを行うためのバルブ等が備えられている。同調制御部26には、上述したホールバックライン用ウインチ10Hの同調制御を行うためのバルブ等が備えられている。張力制御部27には、エンドレスラインELL、リフティングラインLFL、およびホールバックラインHBLの張力を所定値に保持するためのバルブ等が備えられている。
【0035】
ウインチ駆動部24は、3つのウインチ駆動部(エンドレスライン用ウインチ駆動部24E、リフティングライン用ウインチ駆動部24L、およびホールバックライン用ウインチ駆動部24H)が備えられている。エンドレスライン用ウインチ駆動部24Eは、エンドレスライン用ポンプ23Eに接続されており、エンドレスライン用ポンプ23Eから吐出された作動油がエンドレスライン用ウインチ駆動部24Eの油圧モータ13へ供給されるようになっている。エンドレスライン用ポンプ23Eの駆動状態(正転状態、中立状態、および逆転状態)に応じて、油圧モータ13の駆動状態(正転状態、中立状態、および逆転状態)が切り換えられる。また、エンドレスライン用ポンプ23Eの吐出量に応じて、油圧モータ13の回転速度が制御される。
【0036】
リフティングライン用ウインチ駆動部24Lは、リフティングライン用ポンプ23Lに接続されており、リフティングライン用ポンプ23Lから吐出された作動油がリフティングライン用ウインチ駆動部24Lの第1、第2の油圧モータ13A,13Bへ同時に供給されるようになっている。リフティングライン用ポンプ23Lの駆動状態(正転状態、中立状態、および逆転状態)に応じて、リフティングライン用ウインチ駆動部24Lの第1、第2の油圧モータ13A,13Bの駆動状態(正転状態、中立状態、および逆転状態)が同時に切り換えられる。また、リフティングライン用ポンプ23Lの吐出量に応じて、リフティングライン用ウインチ駆動部24Lの第1、第2の油圧モータ13A,13Bの回転速度が同時に制御される。つまり、リフティングライン用ウインチ駆動部24Lの第1、第2の油圧モータ13A,13Bが、同一方向、且つ同一の回転速度で回転し、この第1、第2の油圧モータ13A,13Bの回転によって、リフティングライン用ウインチ10Lのウインチドラム11Lが駆動するように構成されている。
【0037】
ホールバックライン用ウインチ駆動部24Hは、ホールバックライン用ポンプ23Hに接続されており、ホールバックライン用ポンプ23Hから吐出された作動油がホールバックライン用ウインチ駆動部24Hの第1、第2の油圧モータ13A,13Bへ同時に供給されるようになっている。ホールバックライン用ポンプ23Hの駆動状態(正転状態、中立状態、および逆転状態)に応じて、ホールバックライン用ウインチ駆動部24Hの第1、第2の油圧モータ13A,13Bの駆動状態(正転状態、中立状態、および逆転状態)が同時に切り換えられる。また、ホールバックライン用ポンプ23Hの吐出量に応じて、ホールバックライン用ウインチ駆動部24Hの第1、第2の油圧モータ13A,13Bの回転速度が同一に制御される。つまり、ホールバックライン用ウインチ駆動部24Hの第1、第2の油圧モータ13A,13Bが、同一方向、且つ同一の回転速度で回転し、この第1、第2の油圧モータ13A,13Bの回転によって、ホールバックライン用ウインチ10Hのウインチドラム11Hが駆動するように構成されている。
【0038】
本実施形態では、上述したように、ホールバックライン用ウインチ10Hは、ウインチドラム11Hの回転軸方向の両端に、一対の油圧モータ(第1、第2の油圧モータ)13A,13Bが対向して配置された構成になっている。ホールバックライン用ウインチ10Hの具体的な構成について、図1図3を参照して説明する。なお、上述したように、リフティングライン用ウインチ10Lは、ホールバックライン用ウインチ10Hと同様の構成になっているが、エンドレスライン用ウインチ10Eは、ホールバックライン用ウインチ10Hとは異なる構成になっている。
【0039】
架線集材機1のフレームASSY12を構成する第1、第2の壁部12A,12Bが垂直方向(上下方向)に沿って、互いに平行に延びている。第1、第2の壁部12A,12Bの間には、ウインチドラム11Hの外周囲を覆う連結用壁部12Cが設けられている。第1、第2の壁部12A,12Bおよび連結用壁部12Cによって囲われた空間にウインチドラム11Hが収容されている。ウインチドラム11Hの回転軸方向の両端には、第1、第2の油圧モータ13A,13Bが対向して配置されている。第1、第2の油圧モータ13A,13Bの側方は、ウインチカバー17(図2参照)によってそれぞれ覆われている。
【0040】
第1の油圧モータ13Aは、ウインチドラム11Hの回転軸方向の一端側(図3では左端側)に設けられている。第1の油圧モータ13Aは、第1の壁部12Aに一体的に設けられた第1の固定部131Aと、第1の固定部131Aに対し回転自在に設けられた第1の回転部132Aとを備えている。上述したホールバックライン用ポンプ23Hによって、第1の油圧モータ13Aへ作動油が供給されることで、第1の固定部131Aに対し第1の回転部132Aが回転する。
【0041】
第1の固定部131Aは、フランジ14Aを介して、第1の壁部12Aに対し脱着自在に連結されている。詳細には、第1の壁部12Aには、第1の固定部131Aを挿入可能な円形状の開口部が形成されている。第1の固定部131Aの外周部に固定されたフランジ14Aが、第1の固定部131Aの開口部の内周縁にボルト止め等によって固定されている。第1の固定部131Aおよび第1の壁部12Aは、回転不能な状態で設けられている。
【0042】
第1の回転部132Aは、第1の固定部131Aの内部に収容されており、第1の回転部132Aの回転軸133Aが第1の固定部131Aから突出されている。第1の回転部132Aの回転軸133Aの先端には、フランジ部134Aが一体的に設けられている。第1の回転部132Aのフランジ部134Aは、ボルト止め等によってウインチドラム11Hの側壁部(フランジ部)に対し脱着自在に連結されている。第1の回転部132Aの回転軸133Aの軸心と、ウインチドラム11Hの回転軸の軸心とが一致するように、第1の回転部132Aおよびウインチドラム11Hが配置されている。第1の回転部132Aおよびウインチドラム11Hは、一体回転可能な状態で設けられている。
【0043】
第2の油圧モータ13Bは、ウインチドラム11Hの回転軸方向の他端側(図3では右端側)に設けられている。第2の油圧モータ13Bは、第2の壁部12Bに一体的に設けられた第2の固定部131Bと、第2の固定部131Bに対し回転自在に設けられた第2の回転部132Bとを備えている。上述したホールバックライン用ポンプ23Hによって、第2の油圧モータ13Bへ作動油が供給されることで、第2の固定部131Bに対し第2の回転部132Bが回転する。
【0044】
第2の固定部131Bは、フランジ14Bを介して、第2の壁部12Bに対し脱着自在に連結されている。詳細には、第2の壁部12Bには、第2の固定部131Bを挿入可能な円形状の開口部が形成されている。第2の固定部131Bの外周部に固定されたフランジ14Bが、第2の固定部131Bの開口部の内周縁にボルト止め等によって固定されている。第2の固定部131Bおよび第2の壁部12Bは、回転不能な状態で設けられている。
【0045】
第2の回転部132Bは、第2の固定部132Bの内部に収容されており、第2の回転部132Bの回転軸133Bが第2の固定部131Bから突出されている。第2の回転部132Bの回転軸133Bの先端には、フランジ部134Bが一体的に設けられている。第2の回転部132Bのフランジ部134Bは、ボルト止め等によってウインチドラム11Hの側壁部(フランジ部)に対し脱着自在に連結されている。第2の回転部132Bの回転軸133Bの軸心と、ウインチドラム11Hの回転軸の軸心とが一致するように、第2の回転部132Bおよびウインチドラム11Hが配置されている。第2の回転部132Bおよびウインチドラム11Hは、一体回転可能な状態で設けられている。
【0046】
ホールバックライン用ウインチ10Hでは、ウインチドラム11Hの回転軸の軸心が、第1、第2の回転部132A、132Bの回転軸133A,133Bの軸心と一致するように設けられており、ウインチドラム11Hおよび第1、第2の回転部132A、132Bが一体回転可能に設けられている。第1、第2の油圧モータ13A,13Bの第1、第2の回転部132A、132Bの回転によって、ウインチドラム11Hが駆動されるようになっている。詳細には、上述したように、油圧回路20によって、第1、第2の油圧モータ13A,13Bの第1、第2の回転部132A、132Bの駆動状態(正転状態、中立状態、および逆転状態)が同時に切り換えられ、また、第1、第2の油圧モータ13A,13Bの第1、第2の回転部132A、132Bの回転速度が同一に制御される。このように、第1、第2の油圧モータ13A,13Bの第1、第2の回転部132A、132Bが、同一方向、且つ同一の回転速度で回転することによって、ウインチドラム11Hが駆動されるようになっている。
【0047】
本実施形態では、上述したように、ホールバックライン用ウインチ10Hのウインチドラム11Hが、第1、第2の油圧モータ13A,13Bによって駆動されている。本実施形態によれば、1つの油圧モータによってウインチドラム11Hを駆動する場合に比べて、第1、第2の油圧モータ13A,13Bの小型化を図ることができ、これにより、ウインチドラム11Hの高速回転およびホールバックライン用ウインチ10Hの出力向上の両立を図ることができる。以下、この点について説明する。
【0048】
まず、1つの油圧モータによってウインチドラム11Hを駆動する場合、ホールバックラインHBLの張力を確保するために、ホールバックライン用ウインチ10Hの出力を向上させるには、大型の油圧モータを用いる必要がある。この場合、油圧モータの重量が増加する可能性があり、ウインチドラム11Hの高速回転が困難になり、ウインチドラム11Hの最高回転数が低くなる可能性がある。また、油圧ポンプも大型化する必要があり、場合によっては減速機構を設ける必要がある。一方、小型の油圧モータを1つだけ用いてウインチドラム11Hを駆動する場合、ウインチドラム11Hの出力向上が困難になり、巻き取りができなくなったりする可能性がある。
【0049】
これに対し、本実施形態では、第1、第2の油圧モータ13A,13Bによって、ホールバックライン用ウインチ10Hの出力を半分ずつ分担させることができ、ホールバックラインHBLの張力を容易に確保することができる。したがって、出力向上のために第1、第2の油圧モータ13A,13Bを大型化する必要がなくなり、第1、第2の油圧モータ13A,13Bの小型化を図ることができる。これにより、第1、第2の油圧モータ13A,13Bの重量を低減することができ、ウインチドラム11Hの高速回転を実現でき、ウインチドラム11Hの最高回転数を高く設定することができる。その結果、ホールバックラインHBLの巻き取り・繰り出しを高速で行うことができる。
【0050】
しかも、ウインチドラム11Hが、第1、第2の軸受け機能を備えた油圧モータ13A,13Bの第1、第2の回転部132A、132Bによって回転自在に支持されるので、ベアリング等の軸受け部材が不要になる。第1、第2の油圧モータ13A,13Bの変速作用によってウインチドラム11Hの高速回転を行うことができるので、ウインチドラム11Hの高速回転のための変速機構を別途設ける必要がなくなる。したがって、部品点数を削減することができ、コスト低減を図ることができる。
【0051】
本実施形態では、架線集材機1のリフティングライン用ウインチ10Lも、ホールバックライン用ウインチ10Hと同様の構成になっている。このため、第1、第2の油圧モータ13A,13Bによって、リフティングライン用ウインチ10Lの出力を半分ずつ分担させることができ、リフティングラインLFLの張力を容易に確保することができる。したがって、出力向上のために第1、第2の油圧モータ13A,13Bを大型化する必要がなくなり、第1、第2の油圧モータ13A,13Bの小型化を図ることができる。これにより、第1、第2の油圧モータ13A,13Bの重量を低減することができ、ウインチドラム11Lの高速回転を実現でき、ウインチドラム11Lの最高回転数を高く設定することができる。その結果、リフティングラインLFLの巻き取り・繰り出しを高速で行うことができる。
【0052】
今回、開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、前記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【0053】
上記実施形態では、リフティングライン用ウインチ10Lの駆動装置およびホールバックライン用ウインチ10Hの駆動装置の両方に本発明を適用したが、これに限らず、リフティングライン用ウインチ10Lの駆動装置およびホールバックライン用ウインチ10Hの駆動装置の一方のみに本発明を適用してもよい。また、本発明をエンドレスライン用ウインチ10Eの駆動装置に適用してもよい。
【0054】
上記実施形態では、架線集材機1が3つのウインチ10E,10L,10Hを備えた3胴型油圧集材機である場合について説明した。しかし、これに限らず、架線集材機1は、2つのウインチを備えた2胴型油圧集材機であってもよいし、あるいは、1つのウインチを備えた1胴型油圧集材機であってもよい。
【0055】
上記実施形態では、エンドレスタイラー式の架線集材システム100に用いられる架線集材機1に備えられたウインチ駆動装置に本発明を適用した場合について説明した。しかし、これに限らず、上記以外の方式の架線集材システムに用いられる架線集材機のウインチ駆動装置に本発明を適用してもよい。さらに、ウインチを駆動するためのウインチ駆動装置であれば、架線集材機以外の機器に備えられたウインチ駆動装置に対して本発明を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、ウインチドラムがウインチ本体に回転自在に支持されたウインチを駆動するウインチ駆動装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 架線集材機
2 搬器
3 グラップル装置
10E エンドレスライン用ウインチ
10L リフティングライン用ウインチ
10H ホールバックライン用ウインチ
11E,11L,11H ウインチドラム
12 フレームASSY(ウインチ本体)
13A 第1の油圧モータ
131A 固定部
132A 回転部
13B 第2の油圧モータ
131B 固定部
132B 回転部
SKY スカイライン
ELL エンドレスライン
LFL リフティングライン
HBL ホールバックライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6