(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】レコーダー
(51)【国際特許分類】
B41J 15/04 20060101AFI20221028BHJP
B41J 11/58 20060101ALI20221028BHJP
B65H 16/06 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
B41J15/04
B41J11/58
B65H16/06 A
(21)【出願番号】P 2018211746
(22)【出願日】2018-11-09
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑崎 雄揮
(72)【発明者】
【氏名】取出 優
(72)【発明者】
【氏名】金山 寧
(72)【発明者】
【氏名】宮野 博行
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 将人
(72)【発明者】
【氏名】本郷 泰輝
(72)【発明者】
【氏名】清水 雄介
(72)【発明者】
【氏名】阿見 祥寿
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-217862(JP,A)
【文献】特開2014-162596(JP,A)
【文献】特開2002-128331(JP,A)
【文献】特開2011-184134(JP,A)
【文献】特開2015-229257(JP,A)
【文献】特開2015-110467(JP,A)
【文献】特開2016-193779(JP,A)
【文献】特開2002-274705(JP,A)
【文献】特開平09-150996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 16/00-16/10
B41J 11/00-11/70
B41J 15/00-15/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙を含む記録紙に印字を行うレコーダーであって、
記録紙収容部を閉塞する閉状態と前記記録紙収容部を露出する開状態とを取り得る開閉ケースと、
前記ロール紙を取り付けるロール紙取付部と、
を有し、
前記ロール紙取付部は、
前記開閉ケースの開閉動作に連動して回転する筒状のベース部と、
前記ベース部に出没自在に収容され、突出状態において前記ロール紙を回転自在に支持する出没部材と、
前記ベース部及び出没部材に設けられ、前記ベース部の回転位置に応じて前記出没部材の出没位置を規制する規制部と、
有する、
レコーダー。
【請求項2】
前記出没部材は、前記ベース部に対して相対的に回転可能とされており、
前記規制部は、
前記出没部材の前記ベース部に対向する位置に設けられた突起と、
前記ベース部に形成され、前記突起が入り込んだときに前記出没部材の出没位置を突出位置に規制する第1の切欠と、
を有する、
請求項1に記載のレコーダー。
【請求項3】
前記開閉ケースが前記閉状態となったときに、前記突起が前記第1の切欠に入り込むことにより、前記出没部材の出没位置が前記突出位置に規制される、
請求項2に記載のレコーダー。
【請求項4】
前記ベース部に形成され、前記突起が入り込んだときに前記出没部材の出没位置が没位置となる第2の切欠と、
前記ベース部とは別体であり、前記第2の切欠内で前記出没部材が突出方向に付勢されながら当接する当接部材と、
をさらに有する、
請求項2又は3に記載のレコーダー。
【請求項5】
前記開閉ケースが前記開状態であり、前記突起がユーザーによる前記出没部材の回転操作により前記第2の切欠に入り込んだときに、前記出没部材の出没位置が前記没位置に規制される、
請求項4に記載のレコーダー。
【請求項6】
前記ベース部には、前記第1の切欠と前記第2の切欠とを繋ぐ第3の切欠が形成されている、
請求項4又は5に記載のレコーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙や折畳紙等の記録紙に印字を行うレコーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば心電計においては、心電図の測定や表示を行う装置本体にレコーダーが一体に設けられ、測定結果を記録紙に記録できるようになされたものがある(例えば特許文献1参照)。心電計のレコーダー(以下、単にレコーダーと呼ぶ)には、通常、記録紙としてロール紙や折畳紙等の連続紙が用いられている。また、心電計では、一般に装置の構成を簡単化・小型化するために、サーマルヘッドを用いた感熱記録方式が採用されている。
【0003】
ロール紙と折畳紙の両方を用いることができるレコーダーでは、ロール紙を回転可能に支持することができ、かつ、折畳紙の出し入れもできるような、ロール紙取付部が設けられている。具体的には、ロール紙取付部は、円錐形部品をバネで可動できるように構成されており、ロール紙を用いた印字時には円錐形部品がロール紙を回転自在に支持し、折畳紙の出し入れ時には円錐形部品を引っ込めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ロール紙を支持する円錐形部品をバネによって制御しているため、大きな振動を与えるとロール紙が円錐形部品から脱落してしまうおそれがある。心電計等の医療機器は、健診の現場等に持ち運ぶことが多い。特にレコーダーにロール紙を入れたまま持ち運ぶと、移動時にロール紙が脱落するおそれがある。
【0006】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、ロール紙の脱落を防止できるレコーダーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレコーダーの一つの態様は、
ロール紙を含む記録紙に印字を行うレコーダーであって、
記録紙収容部を閉塞する閉状態と前記記録紙収容部を露出する開状態とを取り得る開閉ケースと、
前記ロール紙を取り付けるロール紙取付部と、
を有し、
前記ロール紙取付部は、
前記開閉ケースの開閉動作に連動して回転する筒状のベース部と、
前記ベース部に出没自在に収容され、突出状態において前記ロール紙を回転自在に支持する出没部材と、
前記ベース部及び出没部材に設けられ、前記ベース部の回転位置に応じて前記出没部材の出没位置を規制する規制部と、
有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、開閉ケースの開閉動作に連動して回転するベース部の回転位置に応じて出没部材の出没位置を規制するようにしたので、ロール紙の脱落を防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】開閉ケースが開状態となったときの心電計の上面図
【
図3】開閉ケースが開状態となったときの心電計の斜視図
【
図5】ロール紙取付部及び開閉センサーの説明に供する図
【
図6】
図6Aはロール紙取付部の中立状態を示す図、
図6Bはロール紙取付部の没状態を示す図、
図6Cはロール紙取付部の突出ロック状態を示す図
【
図7】ベース部とケースの関係に着目した
図4のA-A’断面図
【
図8】
図8Aは開閉ケースが開状態のときのロール紙取付部及び開閉センサーの状態を示す図、
図8Bは開閉ケースが閉状態のときのロール紙取付部及び開閉センサーの状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
<心電計の全体構成>
図1、
図2及び
図3は、本発明の実施の形態に係る心電計10の外観構成を示す図である。より具体的には、
図1は開閉ケース110を閉じた状態を示す上面図であり、
図2は開閉ケース110を開いた状態を示す上面図であり、
図3は開閉ケース110を開いた状態を示す斜視図である。
【0012】
心電計10は、大きく分けて、レコーダー100と装置本体200とから構成されている。
【0013】
装置本体200には、表示部210及び操作部220等が設けられている。また、装置本体200の内部には、演算や動作制御を行う制御部や、増幅部、心電用電極等を接続するためのインターフェース部等が設けられている。表示部210には、測定結果である心電図等が表示される。なお、測定結果である生体情報は、自装置で演算により取得してもよいし、他装置から受け取って取得してもよい。操作部220には、各種のキーや、電源スイッチ、スタート/ストップスイッチ等(図示せず)が設けられている。なお、本実施の形態の心電計10は、表示部210がタッチパネル構成とされており、表示部210に各種設定画面や動作メニュー画面を表示し、これを用いて各種設定や動作指示を入力することもできる。
【0014】
<レコーダーの概略構成>
図1から分かるように、レコーダー100には、開ボタン101、排紙口102及び開閉ケース110が設けられている。心電図が記録された記録紙は排紙口102から排出される。
【0015】
レコーダー100には、開ボタン101に連動するロック爪103(
図2、
図3)が設けられており、このロック爪103が開閉ケース110の内面に設けられたロック爪104(
図3)に係合することにより、開閉ケース110が閉状態でロックされる。ユーザーによって開ボタン101が押圧操作されると、これに連動してロック爪103がロック開放位置に回転することにより、開閉ケース110のロックが解除される。開閉ケース110は、ロックが解除された後にユーザーによって開方向に回転されると、
図2及び
図3に示すような開状態となる。
【0016】
また、レコーダー100には、サーマルヘッド120、プラテンローラー130、記録紙収容部140等が設けられている。プラテンローラー130は、開閉ケース110の開端に取り付けられており、開閉ケース110が
図1に示すような閉状態とされたときにサーマルヘッド120に当接し、
図2及び
図3に示すような開状態とされたときにサーマルヘッド120から離間する。
【0017】
図1のように開閉ケース110が閉じた状態において、サーマルヘッド120とプラテンローラー130との間に下方向から折畳紙等の記録紙が進入し、記録紙はプラテンローラー130の回転によって上方向に紙送りされ、これと同時にサーマルヘッド120によって感熱記録が行われる。このようにして、折畳紙等の記録紙に心電図が記録される。
【0018】
ここで、開閉ケース110は回転軸111によって回転自在に軸支されている。開閉ケース110は、記録紙収容部140を閉塞する閉状態と記録紙収容部140を露出する開状態とを取り得る。開閉ケース110は、手動にて回転軸111を回転中心として回転させることができるようになっている。開閉ケース110の開状態において、ユーザーは、記録紙収容部140にロール紙や折畳紙等の記録紙の出し入れを行うことができる。
【0019】
レコーダー100内には一対のロール紙取付部300が設けられている。ロール紙取付部300は、心電計10の前側及び後側にそれぞれ1つずつ設けられており、ロール紙を回転自在に保持する。ロール紙取付部300の詳細については後述する。
【0020】
また、レコーダー100内には開閉ケース110の開閉を検知する開閉センサー400が設けられている。本実施の形態の場合、開閉センサー400は、前側のロール紙取付部300の近傍に設けられている。
【0021】
<ロール紙取付部>
図4、
図5及び
図6は、ロール紙取付部300の説明に供する図である。前側のロール紙取付部300と後側のロール紙取付部300はほぼ同様の構成なので、ここでは前側のロール紙取付部300について説明する。前側のロール紙取付部300と後側のロール紙取付部300の違いは、前側のロール紙取付部300が開閉センサー400を動作させるための構成を有しているのに対して、後側のロール紙取付部300はこれを有していないことである。
【0022】
ロール紙取付部300は、円筒形状のベース部310と、ベース部310の中空部分に配されるペーパー押さえ部330と、を有する。
【0023】
ベース部310は、レコーダー100のシャーシに回転自在に取り付けられている。ベース部310にはコイルバネ311の一端が取り付けられている。コイルバネ311の他端はレコーダー100のシャーシに取り付けられている。これにより、ベース部310はコイルバネ311によって開閉ケース110の開方向に付勢されている。
【0024】
また、ベース部310には、開閉ケース110の当接部112が当接する第1のアーム312と、開閉センサー400を動作させる第2のアーム313と、が形成されている。
【0025】
さらに、ベース部310の外周部分の一部には、第1の切欠314、第2の切欠315、第3の切欠316が形成されている。第1及び第2の切欠314、315は、それぞれ、ベース部310の円周方向に亘って形成されている。第1の切欠314は、第2の切欠315よりもベース部310の開端側に形成されている。第3の切欠316は、第1の切欠314と第2の切欠315を繋ぐように形成されている。
【0026】
ペーパー押さえ部330は、三角錐形状の出没部材331を有する。出没部材331はコイルバネ332を介してレコーダー100のシャーシに回転自在に取り付けられている。これにより、出没部材331は、コイルバネ332によって、先端部分がベース部310から突出する方向に付勢されている。つまり、出没部材331は、ベース部310に出没自在に収容され、突出状態においてロール紙を回転自在に支持する。また、出没部材331は、ベース部310に対して相対的に回転させることができる。
【0027】
出没部材331には突起333が形成されており、突起333は、出没部材331とベース部310との回転方向の相対位置に応じて、第1の切欠314、第2の切欠315又は第3の切欠316のいずれかの位置に遷移する。
【0028】
ここで、第1の切欠314は、出没部材331が
図4に示したような突出状態となったときの突起333の真横に形成されている。これにより、突起333は、出没部材331が突出状態にあるときにベース部310が出没部材331に対して相対的に回転すると、第1の切欠314に入り込むことができるようになっている。
【0029】
次に、本実施の形態のロール紙取付部300の動作について、
図6を用いて説明する。
【0030】
図6Aはロール紙取付部300の中立状態を示す図である。このとき、出没部材331の突起333は第3の切欠316の位置にあり、出没部材331はベース部310からロール紙の方向に突出した状態にある。
【0031】
図6Bはロール紙取付部300の没状態を示す図である。このとき、出没部材331の突起333は第2の切欠315の位置にあり、出没部材331はベース部310内に引っ込んだ状態にある。
【0032】
図6Cはロール紙取付部300の突出ロック状態を示す図である。このとき、出没部材331の突起333は第1の切欠314の位置にあり、出没部材331はベース部310からロール紙の方向に突出した状態にロックされている。
【0033】
・ロール紙使用時
ロール紙使用時に、ユーザーは、出没部材331を指で回転させることで
図6Aに示したような中立状態にし、次に出没部材331のテーパ面にロール紙の端部を押し当てながら出没部材331を引っ込ませる。やがて、ロール紙の筒に出没部材331が入り込んで出没部材331が突出状態となる。このようにして、ロール紙取付部300にロール紙が取り付けられる。
【0034】
次に、ユーザーが開閉ケース110を閉じていくと、開閉ケース110の当接部112がベース部310の第1のアーム312に当接しながら、ベース部310を回転させる。この結果、
図6Cに示したように、ベース部310が出没部材331に対して相対的に回転し、出没部材331の突起333が第1の切欠314に入り込む。これにより、出没部材331は、第1の切欠314によって引っ込み方向への移動が規制され、突出状態が維持された突出ロック状態とされる。
【0035】
よって、開閉ケース110を閉じれば出没部材331が突出ロック状態とされるので、心電計10の移動時等にロール紙や出没部材331に力が加わった場合でも出没部材331が引っ込むことがない。この結果、出没部材331からのロール紙の脱落を防止できる。
【0036】
・折畳紙使用時
折畳紙使用時に、ユーザーは、出没部材331を指で引っ込めながら回転させることで
図6Bに示したような没状態にする。これにより、出没部材331を折畳紙の出し入れの邪魔にならない没位置に維持させることができる。この状態において、ユーザーは、折畳紙の出し入れを行う。
【0037】
なお、
図4及び
図6等では図を簡単化するために、ベース部310及びペーパー押さえ部330を抜粋して示してあるが、実際には、ベース部310及びペーパー押さえ部330は、出没部材331が出没可能な状態で、ケースによって覆われている。このケースはレコーダー100のシャーシに固定されている。
【0038】
図7は、
図4のA-A’断面である。なお、
図7は、ベース部310と上述のケース500の関係に着目した断面図であり、出没部材331等は省略してある。
図7から分かるように、ケース500には、ベース部310の外周側及び内周側を覆うようなリブが形成されている。このリブの一部は、第2の切欠315内に若干突き出ている。よって、突起333が第2の切欠315内に進入した際には、突起333はコイルバネ332の付勢力によってリブ501の先端に押し当てられた状態となる。なお、リブ501は、ベース部310とは別体であり、突起333が第2の切欠315内で出没部材331が突出方向に付勢されながら当接する当接部材と言うことができる。
【0039】
つまり、出没部材331が
図6Bに示すような没位置にあり、突起333が第2の切欠315内に進入した際には、突起333は第2の切欠315の切欠面ではなく切欠面から若干突き出ているリブ501に押し当てられている。
【0040】
この状態において、ユーザーが開閉ケース110を閉じていくと、開閉ケース110の当接部112がベース部310の第1のアーム312に当接しながら、ベース部310を回転させる。この結果、突起333は、第2の切欠315の位置から第3の切欠316の位置に移動することになるが、リブ501に支持されているので、
図6Aに示したような突出方向には移動しない。よって、開閉ケース110を閉じても、突出部材331は突出せずに没位置のまま維持される。
【0041】
<開閉検知機構>
次に、本実施の形態による開閉ケース110の開閉検知機構について、
図8を用いて説明する。
【0042】
ロール紙取付部300の近傍には、開閉センサー400が設けられている。開閉センサー400は、センサー本体401と、センサー本体401から出没自在の押し込みスイッチ402と、押し込み板403と、を有する。押し込み板403は、一端がセンサー本体401に回転自在に取り付けられている。
【0043】
図8Aは開閉ケース110が開状態のときのロール紙取付部300及び開閉センサー400の状態を示す。
図8Bは開閉ケース110が閉状態のときのロール紙取付部300及び開閉センサー400の状態を示す。
【0044】
図8Aに示す開状態では、第2のアーム313は押し込み板403から離間しており、押し込み板403は押し込みスイッチ402から離間した状態にあり、押し込みスイッチ402は押し込まれていない。一方、ユーザーが開閉ケース110を閉じていくと、開閉ケース110の当接部112によって第1のアーム312が押され、ロール紙取付部300のベース部310が
図8における時計方向に回転する。このベース部310の回転に従って、第2のアーム313が押し込み板403の外面を摺動しながら押し込み板403を閉じる方向に回転させていく。
【0045】
やがて、
図8Bに示した開閉ケース110の閉状態となると、押し込み板403の押し込み面は完全にセンサー本体401の外面に一致し、押し込みスイッチ402が押し込み板403によって押し込まれた状態となる。この結果、開閉センサー400は、開閉ケース110が閉状態となったことを検知できる。
【0046】
図8Bの状態から開閉ケース110が開状態とされると、ベース部310がコイルバネ311の引っ張り力によって図の反時計方向に回転駆動される。この結果、ロール紙取付部300及び開閉センサー400は、
図8Aに示したような状態となり、押し込みスイッチ402が押し込まれていない状態となることにより、開閉センサー400は開閉ケース110が開状態となったと検知する。
【0047】
<効果>
以上説明したように、本実施の形態によれば、ロール紙取付部300が、開閉ケース110の開閉動作に連動して回転する筒状のベース部310と、ベース部310に出没自在に収容され、突出状態においてロール紙を回転自在に支持する出没部材331と、ベース部310及び出没部材331に設けられ、ベース部310の回転位置に応じて出没部材331の出没位置を規制する規制部(切欠314、315、316、突起333)と、を有するので、ロール紙の脱落を防止できるようになる。また、折畳紙の出し入れの邪魔にもならない。
【0048】
<他の実施の形態>
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0049】
切欠314、315、316及び突起333の位置及び形状は、必ずしも上述の実施の形態に例示したものに限らず、要はベース部310の回転位置に応じて出没部材331の出没位置を規制できる位置及び形状を採用すればよい。
【0050】
上述の実施の形態では、ロール紙以外にも折畳紙も収容できる構成とするために、一対のロール紙取付部300の両方を出没自在の構成としたが、ロール紙のみを収容する場合には一方のロール紙取付部のみを出没自在の構成とし、他方のロール紙取付部は固定のままでもよい。
【0051】
さらに、上述の実施の形態では、本発明を心電計に適用した場合について述べたが、これに限らず、ロール紙や折畳紙等の記録紙に印字を行うレコーダーに広く適用可能である。例えば、レコーダーを有する脳波計、脈波計、ポリグラフ、生体情報モニター等にも適用可能である。
【0052】
なお、本明細書における「出没」とは、ロール紙の方向に突き出た第1の位置と、当該第1の位置よりも引っ込んだ第2の位置とを取り得ることを意味し、単にベース部310との関係を意味するものではないことに注意されたい。特に「没位置」とはベース部310内に完全に没することを意味するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、ロール紙や折畳紙等の記録紙に印字を行うレコーダーに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 心電計
100 レコーダー
101 開ボタン
102 排紙口
103、104 ロック爪
110 開閉ケース
111 回転軸
112 当接部
120 サーマルヘッド
130 プラテンローラー
140 記録紙収容部
200 装置本体
300 ロール紙取付部
310 ベース部
311、332 コイルバネ
312 第1のアーム
313 第2のアーム
314 第1の切欠
315 第2の切欠
316 第3の切欠
330 ペーパー押さえ部
331 出没部材
333 突起
400 開閉センサー
401 センサー本体
402 押し込みスイッチ
403 押し込み板