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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】吊り荷の配向を制御するための装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/08 20060101AFI20221028BHJP
   B64D 1/22 20060101ALI20221028BHJP
   B66C 13/06 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
B66C13/08 L
B64D1/22
B66C13/06 M
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019547742
(86)(22)【出願日】2017-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 AU2017051277
(87)【国際公開番号】W WO2018090104
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】2016904755
(32)【優先日】2016-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2017903055
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】521113302
【氏名又は名称】ロボリッガー、プロプライエタリー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】デリック、マークウェル
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特公昭47-026629(JP,B1)
【文献】特開昭63-134495(JP,A)
【文献】特開2004-210518(JP,A)
【文献】特開昭52-033243(JP,A)
【文献】特開平09-110362(JP,A)
【文献】実開昭55-054284(JP,U)
【文献】特開2016-210607(JP,A)
【文献】特開平10-007378(JP,A)
【文献】特開平07-267577(JP,A)
【文献】米国特許第6568291(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00 - 15/06
B66C 1/00 - 3/20
B64D 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置から吊られた荷物の回転配向を制御するための回転配向制御装置であって、
ベーンを有する少なくとも1つのファンを含む少なくとも1つのフライホイールを有する回転器と、少なくとも1つのそれぞれのフライホイール駆動手段と、制御手段と、を含み、
前記制御手段は、前記少なくとも1つのフライホイールの回転を制御して、それぞれある割合の反作用トルクを提供するように構成されており、使用時に、前記少なくとも1つのファンの前記ベーンは、前記吊られた荷物の回転配向を制御するために、前記フライホイール駆動手段が前記それぞれのフライホイールを加速または減速することなくトルクを連続的に送達することができるように、前記少なくとも1つのフライホイールの回転速度の変化を増大させるか又は置換する反作用トルクを生成する、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのファンによって提供される前記反作用トルクは、フライホイール速度の変化を増大又は置換し、反作用トルクを誘起して、前記吊られた荷物の回転配向を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置又は前記吊られた荷物に関係する画像及び/又はデータをキャプチャするように構成された、画像及び/又はデータのキャプチャ手段を含み、
前記画像及び/又はデータのキャプチャ手段は、前記吊られた荷物及び/又は前記吊られた荷物まわりの物理的空間若しくは前記吊られた荷物下の位置をモニタするための少なくとも1つのカメラを含み、
前記キャプチャされた画像及び/又はデータは、前記装置内に又は遠隔コンピュータ上に記憶される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
遠隔作動式荷物解放機構を含み、前記遠隔動作式解放機構は少なくとも1つのフック又は引込み可能なピンを含む、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記回転器のハウジングの外側に実装され、又は、前記回転器若しくは前記吊られた荷物に取り付けられた吊り上げデバイスに独立して実装された、少なくとも1つのスラスタを更に含み、
前記少なくとも1つのスラスタは、プロペラ、ターボ・ファン、シュラウド付きファン、及び圧縮ガス・ジェット・スラスタのうちの1つ又は複数を、或いは、それらの2つ以上の組合せを含む、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのフライホイールは、環状又はリング形式のフライホイールを含み、前記環状又はリング形式のフライホイールは、前記フライホイールの内側又は外側のリング・ギヤを介して駆動され、又は、前記フライホイールに連結されたベルト又はチェーンを用いて駆動される、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
回転旋回部と、複数の吊り上げ点を連結する単一点アタッチメントを含み、前記回転旋回部の軸の投影が前記単一点アタッチメントを通過する、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
ロードセルを使用するか又はそれと通信する制御システムを含み、前記制御システムは、前記ロードセルからの少なくとも1つの信号を使用して、プリセット荷物よりも大きな荷物が前記装置によって支持されている場合に前記荷物が連結解除されるのを防止するか否かを決定する、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記装置の少なくとも1つの構成要素の連結を支持し、少なくとも1つのバッテリを実装するための少なくとも1つの差し込み式又は滑り込み式のカセット、及び/又は、
取り外し式コンテナに収容される差し込み式又は滑り込み式のカセットの組合せ
を更に含む、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
溝又は窪みを含む少なくとも1つのフックを含み、前記それぞれのフックによって使用時に支持される吊り荷に接続されたシャックル又はリンクの回転を受容して制限する、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り荷の配向を制御するための装置に関する。
【0002】
本発明は、特に、吊り荷の偏揺れ配向を制御するための装置に関する。
【0003】
本発明は、空気中や水中に吊られた荷物の偏揺れ配向を制御するための装置に適用可能である。
【背景技術】
【0004】
多くの場合、吊り荷を吊り上げること又は下げることの要求が存在する。何らかの荷物は、著しく重く、他の荷物は、非常に長く(土木工事プロジェクトのためなどの、例えば、ビル、橋の建設のための桁や梁)、また、何らかの荷物は、多くの場合、重くもあり長くもある。
【0005】
装置は、荷物が装置から遠隔で連結解除されるのを可能にすることがある。例えば、装置は、荷物の解放を可能にする遠隔制御式解放フックなどの遠隔作動式荷物解放機構を含んでそれを使用することがあり、荷物が解放されたときに作業者が安全な距離に居るのを確実にし、又は、荷物がそれによって装置から吊られる索具を連結解除する。
【0006】
物理的に大型の吊り荷は、横風による影響を受ける場合があり、制御の無い場合に荷物を回転させてしまう。
【0007】
制御ロープは、荷物に取り付けられて1人又は複数の作業者によって保持される場合があり、吊り荷の回転配向を制御するのに役立つ。
【0008】
しかしながら、そういった作業は、作業者を、荷物の不意の回転や落下による怪我の危険に置く。誘導ロープを用いて吊り荷の配向を操縦する作業者が誤って荷物によって押しつぶされた、深刻な怪我や死亡が起きている。
【0009】
何らかの吊り荷は、ヘリコプタから配備されたケーブルから吊られる担架や救助作業者、或いは、スチールトラス、壁パネル又はタワークレーンの部品などの既存の構造体に取付け/嵌合されねばならない荷物など、著しく慎重な位置決めを要求する。
【0010】
加えて、細長い可撓性ケーブルは、特に、荷物に影響する殴打的な横風がある場合に、吊り荷のスピンをもたらす可能性のあるトルクに必然的に晒される。
【0011】
吊り荷の回転配向を安定化させるための1つの構成は、米国特許明細書第5,632,222号に開示されており、使用時に単一の平面内にだけ回転できるように、軸周りに回転するためにフライホイール・ハウジングに実装されるフライホイールと、フライホイールを回転させるための駆動手段と、第2の軸周りに選択的に回転するように前記ハウジングにピボット式に連結され且つ前記荷物に固定されるように適合される回転台手段と、前記回転台手段を回転させるためのハウジングに対して固定される第2の駆動手段と、を備える荷物配向デバイスを説明している。
【0012】
吊り荷の配向を制御するための代替の構成は、米国特許明細書第5,871,249号に開示されており、スタビライザと、制御ユニットと、吊りペイロードの上に位置するポジショナと、を説明している。スタビライザは、複数のフライホイールをケーシング内に含む。各フライホイールの回転の軸は、3つの直交する軸のうちの1つと整列する。中央のベベル・ギアは、高回転数モータの出力を様々なフライホイールに変換する。4つのフライホイールは、1つの水平軸に沿って2つの逆回転ペアに配置される。2つのフライホイールは、他方の軸の周りを逆回転し、単一のフライホイールは、鉛直軸の周りを回転する。フライホイールの質量及び構成は、ジャイロ安定性を提供し、その一方で、潜在的な歳差運動モーメントを中立化する。
【0013】
吊り荷のスピン/偏揺れを制御するための代替の構成は、米国特許明細書第8,226,042号に開示されており、反対の方向に作用し、双方が吊りケーブルに垂直に作用する、第1及び第2のスラスタと、吊りペイロードの偏揺れ配向を維持するために各スラスタからの推力を制御するコントローラと、を使用することを説明している。
【0014】
その後の米国特許明細書第8,938,325号は、効果的に動作するために、環境ファクタ、ケーブルばね、及び、スピン変化とピッチ変化に影響する減衰ファクタ、或いは、スラスタ、ウインチ、ヘリコプタからのシステム雑音、又は、米国特許第8,226,042号の制御システムの能力に影響する他のシステム雑音、を補償するシステムを提供することによって、米国特許第8,226,042号に開示された構成の改善を探求している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
制限を有する前述の背景を考慮に入れて、吊りペイロードの配向の制御を改善するための装置を提供することは、望ましいと明らかになった。
【0016】
本発明は、吊り線と吊り荷との間に連結されたときに、制御された回転トルクを提供して吊り荷の偏揺れ位置を制御する装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述のことを考慮して、本発明の一態様は、装置から吊られた荷物の回転配向を制御するための回転配向制御装置を提供し、装置は、少なくとも1つのフライホイールを有する回転器と、少なくとも1つのそれぞれのフライホイール駆動手段と、制御手段と、を含み、少なくとも1つのフライホイールの制御は、吊り荷の回転配向を制御するためのそれぞれある割合の反作用トルクを提供する。
【0018】
装置は、少なくとも1つのファンを含むことがある。好ましくは、ファン又は各ファンは、それぞれのフライホイールに実装されることがあり、或いは、その一部を形成することがある。
【0019】
装置は、少なくとも1つのジャイロスコープを含むことがある。
【0020】
理解されるであろうことは、装置及び/又は吊り荷が、好ましくは、装置によって作り出される反作用力に耐えるために、(吊り線以外の)取付け線や構造的な拘束を持たない、ということである。
【0021】
好ましくは、装置は、遠隔デバイスからワイヤレスで制御されることがある。しかしながら、装置は、連結式の制御ケーブルを介して代替的に制御されることがある。
【0022】
装置は、少なくとも1つのフライホイール及び/又は少なくとも1つのファン・システム及び/又は少なくとも1つのジャイロスコープを含むことがあり、回転トルクを制御するのに使用するためであり、吊り荷の回転配向を制御する。
【0023】
装置によって生み出される回転トルクは、a)フライホイール慣性に対する反作用、b)ファン・システムからの推力、c)ジャイロスコープの歳差運動によって提供される反作用、のうちの1つによって、又は、それらのうちの2つ以上の組合せによって、提供されることがある。
【0024】
装置は、少なくとも1つのカメラを含むのが好ましいことがある。少なくとも1つのカメラは、吊り荷及び/又は荷物まわりの物理的な空間若しくは荷物下の位置、をモニタするために設けられることがある。カメラは、吊り荷、並びに/或いは、荷物を回転器装置に連結するための、フック、解放機構、及び、スプレッダ・バー、のうちの1つ又は複数、の画像をキャプチャするために使用されることがある。画像認識技術は、荷物及び/又は荷物の1つ又は複数の特徴(バランスの均等性、荷物まわりの包装材料や締め具、荷物の一部若しくは全部の滑りの徴候、マーカ(バーコードやラベルなど)の識別など)を明確に識別するために、並びに/或いは、物流追跡の目的のための1つ又は複数のマーカ/インジケータのために、使用されることがある。
【0025】
装置は、1つ又は複数のフックを含むか又は利用することがある解放機構を含むことがある。解放機構は、遠隔的に作動/動作されることがある。解放機構は、ワイヤレス受信機によって又は連結式のケーブルを介して受信される信号の命令などで、装置と荷物を相互に連結解除するために動作されることがある。1つ又は複数のフックは、フックの曲げ部に、例えば、シャンクとフック先端の間の曲げ部に、溝や窪みを組み込むことがある。溝又は窪みは、コネクタ(シャックルやリンクなどの)を確実に位置させる場合があり、コネクタは、フックから荷物を支持/連結し、フックとコネクタ(例えば、リンクやシャックル)との間の回転を制限又は防止する。溝又は窪みは、フックの曲げ部の広幅/肉厚の部分に設けられることがある。例えば、フックの曲げ部は、外方に広幅化/フレア化する部分を有することがあり、したがって、溝又は窪みの基部は、フレア部分の直ぐ前及び/又は後でフックの部分よりも広幅である。
【0026】
本発明の1つ又は複数の形態は、トルクを少なくとも1つのフライホイールに提供するモータを提供する。そういったトルクは、モータと少なくとも1つのフライホイールとの間のギヤ装置を介して、又は、フライホイールに対するモータの直接連結によって、又は、モータ要素を少なくとも1つのフライホイールに組み込むことによって、提供されることがある。
【0027】
装置は、少なくとも1つのファンを含むことがある。例えば、1つ又は複数のベーン・ファンは、設けられることがある。
【0028】
本発明の1つ又は複数の実施形態が水面下で採用されるか又は水中に部分的に沈められ/浸される場合、少なくとも1つのインペラは、少なくとも1つのファンを交換するか又は補強するために提供されることがある。
【0029】
本発明の構成要素の水面下/水中での機能は、構成要素の水上での機能と同様であり、除外されることは、浸された構成要素への力の大きさが水と空気の物理的な違いのせいで異なる、ということである。
【0030】
ファンは、そのフライホイール又は各それぞれのフライホイールに好ましくは取り付けられるか又はそれの部分を形成する。
【0031】
少なくとも1つのファンは、幾つかのベーンを含むことがある。ファンによって動かされる空気は、反作用トルクをファン上に、したがって関連するフライホイール上に作り出す反作用力を提供し、それは、フライホイール速度の変化を増大させるか又は置換するフライホイールの高速回転で特に効果的であり、反作用トルクを誘起して、ペイロードの回転配向を制御する。
【0032】
装置の1つ又は複数のフライホイールは、幾つかのベーンを組み込むことがあり、それは、好ましくは放射状のベーンを含み、又は、放射状のベーンであることがある。
【0033】
少なくとも1つの可動ベーンは、ファンからの空気流を修正/制御するために設けられることがあり、それによって、吊り荷の回転配向を制御するために使用されることがある。
【0034】
可動ベーンは、ファンに実装されることがあり、或いは、ファンからの空気流を誘導するためにファンから外されることがある。ベーンは、自動調整を行って、ファンの回転方向が逆になると空気の偏向方向を変えることがある。
【0035】
装置は、少なくとも1つのスラスタを含むことがある。スラスタ、又は2つ以上のスラスタは、回転器のハウジングの外側に実装されることがあり、回転推力又は追加の回転推力を提供し、吊り荷を回転させるか又はその回転を制御し、偏揺れ位置及び/又は偏揺れのレートを調整する。
【0036】
理解されるであろうことは、偏揺れが吊り荷の直立/鉛直軸(多くの場合「z」軸と呼ばれる)を中心とする回転に関係する、ということである。
【0037】
スラスタ、又は各スラスタは、回転器ハウジングの外側に実装されることがあり、或いは、回転器に取り付けられた(吊り上げビームなどの)吊り上げデバイスに独立して実装されることがある。それに代え又は加えて、スラスタは、吊り荷に取り付けられることがある。
【0038】
スラスタの動作は、コントローラによって制御される場合がある。
【0039】
スラスタは、プロペラ、ターボ・ファン、シュラウド付きファン、又は圧縮ガス・ジェット・スラスタのうちの1つ又は複数を、或いは、それらの2つ以上の組合せを、含むことがある。
【0040】
装置は、少なくとも1つのジャイロスコープ、好ましくは、2つのジャイロスコープを含むことがあり、それらのそれぞれのスピン軸を傾けることによって鉛直軸まわりの追加のトルクを提供する。
【0041】
装置は、少なくとも1つのロードセルを含むことがあり、したがって、吊り上げられた荷物の重量及び/又は吊り上げ点間の重量のバランスは、遠隔操作者と制御システムとに提供される。
【0042】
制御システムは、設けられることがある。装置は、制御システムを含むことがあり、制御システムは、a)マイクロコンピュータ、b)3つの主軸x、y、zの個々のための加速度計、ジャイロ、及び磁力計を含む9軸慣性センサ、c)フライホイール速度を検知するモータ可変速コントローラからのエンコーダ入力又は他のフィードバック・システム、d)モータ可変速コントローラとのインターフェース、e)ワイヤレス(Wi-Fi、又は他のワイヤレス・システム)インターフェース、f)ロードセルとのインターフェース(ロードセルが使用されている場合)、g)遠隔解放フックとのインターフェース(設けられている場合)、h)スラスタとのインターフェース(使用されている場合)、i)遠心ファン空気誘導ベーンとのインターフェース(使用されている場合)、j)1つ又は複数のGPSセンサ、のうちの1つ又は複数を含むことがある。装置は、ビデオ通信のための独立したワイヤレス・システムを含むか又はそれと通信することがある。
【0043】
3つの主軸は、ペイロードや車両などのボディのためのロール軸即ち「x」軸、ピッチ軸即ち「y」軸、ヨー軸即ち「z」軸、と通常呼ばれる。
【0044】
装置は、適応制御システム/ロジックを含むことがあり、吊り荷が操作者によって規定された配向に回転するのを可能にし、荷物をその配向に維持する。適応制御システム/ロジックは、荷物と装置の間の連結の捩り剛性に応答するか又は反応することがある。適応制御システム/ロジックは、ロードセルによって決定されるように荷物の質量に応答することがある。
【0045】
少なくとも1つのフライホイールは、中実又は穴あきの円板フライホイールを含むことがある。好ましくは、中実又は穴あきの円板フライホイールは、フライホイールの質量をその周辺に向けて集中させる。好ましくは、少なくとも1つのフライホイールは、機械加工済みの円板を含む。
【0046】
それに代え又は加えて、少なくとも1つのフライホイールは、中心の無いフライホイール、環状のフライホイール、又はリング状のフライホイールを含むことがあり、フライホイールは、好ましくはこれらのフライホイールは、フライホイールの内側又は外側のリング・ギヤを介して駆動されることがある。例えば、リング・ギヤは、環状又はリング状のフライホイールの外側面及び内側面の一方又は双方に設けられることがある。
【0047】
少なくとも1つのフライホイールは、モータによって駆動されることがある。モータは、少なくとも1つのフライホイールを駆動するために、ベルト又はチェーン駆動システムを用いて、連結されることがある。少なくとも1つのフライホイールは、フライホイールに取り付けられるか又はフライホイールを使用してモータの回転器要素を支持する中空シャフトを備えたモータによって駆動されることがある。
【0048】
中心の無い、環状、又はリング形式のフライホイールは、軸受によって、誘導及び/又は支持される場合がある。軸受は、その下側面及び/又はその外側/内側面で環状又はリング形式のフライホイールを支持する場合がある。
【0049】
1つ又は複数のモータ、好ましくは、電気モータは、駆動ギヤ又はギヤ装置を介してなど、リング・ギヤを駆動する場合がある。
【0050】
理解されるであろうことは、中心の無い、環状、又はリング形式のフライホイールが中心集中型の吊り上げ荷物経路を可能にする、ということである。
【0051】
本発明の別の態様は、装置から吊られた荷物の回転配向を制御するための回転配向制御装置を提供し、装置は、少なくとも1つのフライホイールを有する回転器と、少なくとも1つのそれぞれのフライホイール駆動手段と、制御手段と、を含み、少なくとも1つのフライホイールの制御は、吊り荷の回転配向を制御するためのそれぞれある割合の反作用トルクを提供し、少なくとも1つのフライホイールは、中実、中心の無い、環状又はリング形式のフライホイールを含む。
【0052】
好ましくは、本発明の1つ又は複数の実施形態は、中実、穴あき、及び/又は、中心の無い/環状/リング形式のフライホイールの組合せを含む。
【0053】
より好ましくは、少なくとも1つのフライホイールは、装置で使用するために選択されることがあり、特定の適用例や仕様に適している。
【0054】
装置は、支持部に旋回部を含むことがあり、装置は、クレーン・フックからの支持線などの支持線から吊られる。そういった旋回部は、好ましくは鉛直軸まわりの自由回転を可能にする。
【0055】
少なくとも1つのピボットは、設けられる場合があり、旋回部と、荷物を装置に連結するために使用される2つの吊り上げ点と、によって概ね規定される、例えば、荷物の対称面などで、装置が傾くのを可能にする。前記請求項のいずれか1項に記載の装置は、少なくとも1つのピボットを含み、各前記ピボットは、それぞれのピボット軸を有する。装置は、装置のボディと回転器が吊られる吊り線との間に連結される少なくとも1つの前記ピボット、及び/又は、回転器と装置のボディから吊られた荷物との間に連結される少なくとも1つの前記ピボット、を含むことがある。少なくとも1つのピボットは、回転器が荷物に対してそれぞれのピボット軸まわりに傾くのを可能にすることがあり、回転器の回転軸に垂直な軸まわりのモーメントは、回転器に殆ど存在しないか又は全く存在しない。回転器と回転器が吊られる吊り線との間に連結された少なくとも1つの前記ピボットのピボット軸と、回転器と回転器から吊られた荷物との間に連結された少なくとも1つの前記ピボットのピボット軸と、は相互に平行であることがある。
【0056】
荷物は、装置の裏面の1つ又は複数の吊り上げ点に取り付けられることがあり、したがって、回転トルクは、吊り上げ索具を介して荷物に加えられる場合がある。
【0057】
単一の吊り上げ点が使用されるところでは、回転剛構造(スプレッダ・バー又はフレームなど)は、採用される場合がある。複数のケーブル/チェーン/ワイヤは、回転トルクを荷物に伝達する目的で、回転剛構造に取り付けられる場合がある。
【0058】
代替の構成は、吊り上げ点が連結部を介して荷物に回転トルクを伝達することができるやり方で、単一の吊り上げ点に直接又は間接に連結された荷物を有することがある。
【0059】
装置は、複数の吊り上げ点を装置に連結する単一点アタッチメントを含むことがあり、したがって、旋回部の軸の投影がこの単一点を通過する。
【0060】
モータ制御システムは、設けられることがあり、フライホイールを減速させる必要があるとき、回転するフライホイールに蓄えられるエネルギが変換されて電力に戻るのを可能にする。この電力は、バッテリを充電するために使用される場合がある。
【0061】
遠隔動作式荷物解放システムは、1つ又は2つ以上の安全機能を含むことがあり、荷物の誤った解放を確実にできなくする。例えば、1つ又は複数の安全機能は、荷物解放を開始させる目的で2つのボタンが同時に押圧されるのを要求する制御構成、及び/又は、荷物が装置によって依然として支持されているかを決定するためにロードセルを使用する構成、及び/又は、アタッチメント上の荷物がプリセット量よりも大きい場合(解放を防止するための荷物制限検知)に解放を動作させることのできない構成、を含むことがある。本発明の1つ又は複数の形態は、過負荷検出システムを含むことがあり、荷物の重量及び/又はそのバランスがそれぞれの重量又はバランスの閾値を超える場合に、過負荷を検出する。
【0062】
装置は、取り外し式コンテナの中に又は引き出しの中に収容されるバッテリ(交換式及び/又は充電式のバッテリなど)を用いて給電されることがあり、したがって、迅速に変更することが可能であり、その目的は、放電済みバッテリ・パックを充電済みバッテリ・パックと交換することによって、装置の連続的な使用を可能にすることである。
【0063】
本発明の1つ又は複数の実施形態は、添付する図面を参照して、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明の例示的な実施形態の概略図である。
図2】本発明の例示的な実施形態の概略図である。
図3】本発明の代替的な例示的な実施形態の概略図である。
図4】本発明の代替的な実施形態の概略図である。
図5】本発明の代替的な実施形態の図である。
図6】本発明の他の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1は、本発明の実施形態の概略図を示す。
【0066】
吊りペイロード配向制御装置10は、吊り線14(ケーブルなどの)と吊りペイロード16との間に連結されたハウジング12aを含む回転器12を含む。
【0067】
装置回転器は、旋回デバイス18によって吊り線に連結され、旋回デバイス18は、吊り線に対する、重要なことには、吊り上げデバイスや支持するインフラ/車両(図示せず)に対する、装置(その結果、吊りペイロードも)の回転を可能にする。
【0068】
装置10は、ケーブル22連結型コントローラ20からの制御、及び/又は、左右回転コマンド入力制御手段を提供する手持ち型コントローラなどのワイヤレス遠隔コントローラ24からのワイヤレス通信23による制御、を含む場合がある。コントローラ20及び24の一方又は双方は、装置10から受け取るデータを表示するために使用されることもある。
【0069】
少なくとも1つの遠隔作動式荷物アタッチメント手段26(1つ又は複数の遠隔作動式解放フックなどの)は、設けられる場合があり、例えば、それぞれワイヤレス又はケーブルで通信するコントローラ20、24によって受け取られる信号のコマンドに基づいて吊り荷16からデバイスを連結解除できる。
【0070】
吊り荷16は、1つ又は複数の任意選択のカメラ28によって視覚的にモニタされる場合がある(図2)。
【0071】
図2は、本発明の例示的な実施形態を示し、装置10は、回転器12を含み、回転器12は、可変速モータ・コントローラ30と、入力電力インバータ32と、バッテリ34と、制御モジュール36と、任意選択のバッテリ充電器38と、を組み込む。
【0072】
モータ40は、駆動手段42を介してフライホイール44を駆動する。駆動手段は、ダイレクトドライブであることがあり、或いは、ギアボックスなどの可変駆動比手段を含むことがある。
【0073】
回転器12は、吊り線(ケーブルなどの)から旋回部18によって吊られ、ペイロードは、回転器に1つ又は複数のアタッチメント手段26によって取り付けられる。
【0074】
装置は、1つ又は複数のベーン・ファンなどの少なくとも1つのファン45を含む場合があり、ファン45は、フライホイールから分離され、その代替にされ、或いは、それと一体化されることがある。ベーン・ファン又は各ベーン・ファンは、幾つかのファン・ベーン50、150を含む場合がある。ファンによって動かされる空気は、ファンへの、したがって、関連するフライホイールへの、反作用トルクを作り出す反作用力を提供し、それは、フライホイール速度の変化を増加させる又は置換する高いフライホイール回転速度で特に効果的であり、反作用トルクを誘起し、ペイロードの回転配向を制御する。
【0075】
例えば、1つ又は複数の設けられたフライホイール44、144は、幾つかのベーン50、150を組み込むことがあり、ベーンは、放射状のベーンを含むか又は放射状のベーンであることが好ましいことがある。
【0076】
ベーンは、それぞれのフライホイールが遠心ファンのように機能するのを可能にする。それは、モータ40がトルクを、フライホイールに又は個々それぞれのフライホイールに、連続的に送達するのを可能にし、その際、フライホイールが加速や減速する必要がない、即ち、フライホイールの角速度を増加や減少させる必要がない。
【0077】
ファンの周囲から排出される空気は、1セットの可動ベーンによって方向付けられることがあり、追加の回転トルクを吊り荷に提供する。可動ベーンは、ファンに実装されることがあり、或いは、ファンからの空気流を誘導するためにファンから実装解除されることがある。ベーンは、ファンの回転方向が逆転すると、空気の偏向の方向を変えるために、自動的に適合することがある。
【0078】
図3に提供される例示的な実施形態に示されるように、更なる追加の可能性は、スラスタ52によって提供される場合がある。
【0079】
スラスタは、回転器12のハウジング12aの外側に実装される場合があり、吊り荷16への追加の回転推力を提供する。
【0080】
スラスタは、回転器ハウジング12aの外側に実装される場合があり、又は、回転器12に取り付けられた(吊り上げビームなどの)吊り上げデバイス46に独立して実装される場合があり、或いは、スラスタ52は、吊り荷に又はそれらの組合せに取り付けられる場合がある。スラスタの動作は、制御モジュール36を介してコントローラ20、24によって制御される場合がある。
【0081】
スラスタは、プロペラ、ターボ・ファン、シュラウド付きファン、又は圧縮ガス・ジェット・スラスタのうちの1つ又は複数を、或いは、それらの2つ以上の組合せを、含む場合がある。
【0082】
装置は、少なくとも1つのジャイロスコープ、好ましくは、2つのジャイロスコープを含むことがあり、それらのそれぞれの回転軸を傾けることによって鉛直軸又は水平軸まわりの追加のトルクを提供する。
【0083】
装置は、吊り上げられた荷物の重量及び/又は吊り上げ点間の重量のバランスが遠隔操作者と制御システムとに提供されるように、少なくとも1つのロードセル54を含む場合がある。
【0084】
1つ又は複数のカメラ28は、視覚情報を遠隔操作者に放送する場合があり、吊り荷を整列させるのに、例えば、荷物が送達されるべき場所との整列のために、支援を提供する。
【0085】
制御システムは、a)マイクロコンピュータ、b)3つの主軸x、y、zの個々のための加速度計、ジャイロ、及び磁力計を含む9軸慣性センサ、c)フライホイール速度を検知するエンコーダ入力、d)モータ可変速コントローラとのインターフェース、e)ワイヤレス(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、又は他のワイヤレス手段)インターフェース、f)ロードセルとのインターフェース(ロードセルが使用されている場合)、g)遠隔解放フックとのインターフェース(設けられている場合)、h)スラスタとのインターフェース(使用されている場合)、i)遠心ファン空気誘導ベーンとのインターフェース(使用されている場合)、j)GPSセンサ(使用されている場合)、を含む場合がある。
【0086】
装置は、吊り荷が操作者によって規定された偏揺れ配向に回転するのを可能にするため及び荷物をその配向に維持するために、適応制御ロジックを含む場合がある。最高回転速度は、制御される場合がある。装置は、荷物の慣性及び所望の回転速度若しくはレートに応じて、加えられたトルクを適合させる場合がある。装置の回転速度、又は荷物の慣性に応じて加えられたトルク、又は所望の回転速度若しくはレート、或いはそれらの2つ以上の組合せは、適応制御ロジックによって制御される場合がある。適応制御ロジックは、少なくとも1つのセンサからの少なくとも1つの入力を利用、及び/又は、制御ロジックを実行する少なくとも1つの制御手段と統合、する場合がある。1つ又は複数のセンサは、位置センサ、ロータリ・エンコーダ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、角度/傾斜センサ、温度センサ、又は、それらの任意の2つ以上の組合せ、を含むことがある。
【0087】
1つ又は複数のフック157は、フックの曲げ部を横方向に横切る溝又は窪み158を、例えば、シャンクとフック先端との間に、組み込むことがある。溝又は窪みは、コネクタ(シャックルやリンクなどの)を確実に位置させる場合があり、コネクタは、フックから荷物を支持/連結し、フックとコネクタ(例えば、リンクやシャックル)との間の回転を制限又は防止する。
【0088】
装置は、連続的な「ハートビート」又は「ハンドシェイク」信号を含む安全機能を含むことが好ましく、遠隔制御ステーションとの通信をベリファイして、適切な応答を提供し、通信の喪失の場合に望まれていない行動を防止する。
【0089】
図4に示すように、装置100の代替の実施形態は、軸受156によってハウジング112a内に回転するように支持された中心の無い、環状又はリング状のフライホイール144を含む。軸受は、フライホイールの下に、上に、及び、その外周に、設けられる場合がある。軸受の代替の構成は、軸受のちょうど下側及び外周など、想定される。
【0090】
フライホイール144は、それぞれの駆動手段142a、142b及び関連する駆動ギヤ143a、143bを介してなど、少なくとも1つのモータ140(例えば、モータ140a、140b)によって、回転するように駆動されるのが好ましく、それらはフライホイールの内側面上のリング・ギヤを駆動することができ、或いは、駆動ホイール、例えば、ゴムや他のポリマなどの弾性材料のホイール、がフライホイールの内側面に接触することができる。フライホイール144(リング形式のフライホイールでもよい)は、ダイレクト・ドライブ・モータによって直接駆動されることがあり、それはフライホイールを直接駆動するために、或いは、駆動ベルトやチェーンを介してなどモータからフライホイールに駆動を伝達するために動作可能に連結される駆動構成に、連結される。フライホイールは、ベーン150を含むことがある。
【0091】
理解されるであろうことは、ギヤ・リングが、フライホイールの外側面に設けられてもよく、ギヤ・リングに対する駆動が、フライホイールの外側に設けられてもよく、軸受が、上側面/下側面及び内側面を支持するために配置されてもよい、ということである。
【0092】
バッテリ、モータ・コントローラ、インバータ、制御システム、及び、任意選択でバッテリ充電器(例えば、130~138)などの機器は、ハウジング112aの内部又はその上に設けられる場合がある。
【0093】
図5及び6は、本発明を具現化する装置200を示す。
【0094】
装置は、交換式又は充電式のバッテリ206、210を、少なくとも1つの引き出し231によって支持されることが好ましい取り外し式コンテナ230の内部などに、含む場合があり、引き出しは、望遠鏡式引き出しスライド212に実装されることがある。交換式又は充電式のバッテリ206、210は、カセット構成として設けられる場合があり、それによって、バッテリは、差し込みされて、ユニットとして取り外しできる。
【0095】
旋回部118は、ボディ203をケーブルやチェーンなどの吊り線に連結する場合がある。
【0096】
旋回部は、ボディ(及び任意の吊り荷)が旋回軸222まわりに回転するのを可能にし、それによって、旋回部に取り付けられた吊り線に対してボディ全体が回転するのを可能にする。
【0097】
アタッチメント部分202は、それぞれのピボット204を介して、回転器のボディ203に連結される場合がある。ピボットは、クレーンなどのケーブルやチェーンから装置を支持するアタッチメント部分に対するピボット軸205まわりのボディのピボット運動(P1)を可能にする。スプレッダ・バーやフレームなどの荷物サポート216は、ピボット214によってボディ203に連結される場合があり、ピボット214は、装置のボディに対する荷物のピボット軸215まわりのピボット運動(P2)を可能にする。例えば、ピボット204、214は、(例えば、旋回部のための)デバイス回転軸が正確に鉛直でないときなど、荷物が連結されているときに、ボディ203がより自由に回転するのを可能にする。少なくとも1つのピボットは、回転器が荷物に対してそれぞれのピボット軸まわりに傾くのを可能にする場合があり、回転器の回転軸に垂直な軸まわりのモーメントは、回転器に殆ど存在しないか又は全く存在しない。例えば、回転器と荷物の間のピボットのピボット軸は、回転器(例えば、下側のピボット)が傾くのを可能にする場合があり、その間、荷物は、水平に又は殆ど水平に吊られたままである。それに代え又は加えて、吊り線と回転器(例えば、上側のピボット)の間のピボットは、ボディが傾くのを可能にする場合がある。より好ましくは、そういった上側ピボット及び下側ピボットの組合せは、吊り線と荷物の双方に対して回転器が傾くのを可能にし、それは、トルク効果と歳差運動を可能にし、また、回転器が、風によって引き起こされるなどの傾斜効果を補償するのを、そして、そうでないケースよりもより自由に回転するのを可能にする。上側ピボット及び下側ピボットは、相互に平行であることが好ましい。
【0098】
回転器200は、アタッチメントによって吊り線(ケーブルなどの)から吊られる場合があり、ペイロードは、1つ又は複数のアタッチメント手段26によって回転器に取り付けられる。装置を支持するピボット204、及び/又は、荷物を支持するピボット214は、旋回部の軸が、旋回部220(図6の矢印220を参照のこと)によって支持される質量の重心を通過するように、それぞれのピボット軸205、215(例えば、図6に示す実施形態のページの内外の水平軸)を介して傾斜するのを可能にする場合がある。荷物は、1つ又は複数のアタッチメント点218を介して装置に取り付けられる場合がある。
【0099】
装置は、少なくとも1つのロードセル232、234を使用するか又はそれと通信する、制御システム236を有するか又はそれと通信する場合がある。制御システムは、ロードセルからの少なくとも1つの信号を使用する場合があり、プリセット荷物よりも大きな荷物が装置によって支持されている場合に、荷物が連結解除されるのを防止するか否かを決定する。ロードセルは、ボディの上に、中に、又は下に設けられる場合がある。装置は、各吊り上げに関するデータを収集することがあり、それは吊り上げの重量、吊り上げの画像、吊り上げの時間、吊り上げの場所(GPS及び/又は他のデータの使用によるなど)を含むことがあり、荷物の物流追跡のために使用される場合がある。装置は、上で説明したデータを含むデータを記憶するためのオンボード・メモリを有することがある。装置は、遠隔の又はインターネット接続型の記憶装置とのワイヤレス接続を有することがある。
【0100】
装置は、外部又は内部のデータ記憶装置との接続部を有することがあり、ロードセル、カメラ、GPSセンサのうちの1つ又は複数によって収集されるデータが、記憶され、読み出され、又は、インターネット接続型デバイスに記憶されるのを可能にする。
【符号の説明】
【0101】
10、100、200 吊りペイロード配向制御装置
12、112 回転器
12a、112a ハウジング
14、114 ケーブル
16 ペイロード
18、118 旋回カップリング
20、120 コントローラ(ワイヤード)
22、122 コントローラ・ケーブル
24、124 コントローラ(ワイヤレス)
26、126 荷物アタッチメント手段(任意選択で遠隔解放可能)
28 カメラ
30、130 可変速モータ・コントローラ
143 駆動ギヤ
145 中心の無い環状又はリング状のフライホイール上のリング・ギヤ
45 ファン
202 旋回部
222 旋回回転
205、215 ピボット軸
218 荷物アタッチメント点(フック、ストラップ、スプレッダ・バーその他のためなど)
32、132 電力インバータ
34、206 バッテリ
36、136 制御モジュール
38、138 バッテリ充電器(任意選択)
40、140 モータ(好ましくは電気)
42、142 モータからフライホイールへの駆動手段
44、144 フライホイール中心の無い環状又はリング状のフライホイール
46 ロード・ビーム
48 ロード・ビームからロード・コネクタ
50、150 ファン・ベーン
52 スラスタ
54、232、234 ロードセル
156 軸受
157 フック
158 フックの溝/窪み
220 旋回軸
204、214 ピボット
P1、P2 ピボット回転
図1
図2
図3
図4
図5
図6