(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】食品用油脂感増強剤、及びそれを含有する食品
(51)【国際特許分類】
A23D 9/00 20060101AFI20221028BHJP
A23C 15/00 20060101ALI20221028BHJP
A23L 27/60 20160101ALI20221028BHJP
A23L 23/00 20160101ALI20221028BHJP
【FI】
A23D9/00 518
A23C15/00
A23L27/60 A
A23L23/00
(21)【出願番号】P 2019548114
(86)(22)【出願日】2018-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2018036173
(87)【国際公開番号】W WO2019073811
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】P 2017199487
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】302042678
【氏名又は名称】株式会社J-オイルミルズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 美咲
(72)【発明者】
【氏名】徳地 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】小西 聡
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 三四郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅博
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-063781(JP,A)
【文献】国際公開第2014/077019(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/077105(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D 9/00-9/06
A23C 15/00-15/20
A23L 23/00-23/10
A23L 27/60
FSTA/CAplus/AGRICOLA/BIOSIS/
MEDLINE/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酸化物価が20以上400以下であり、乳脂を10質量%以上100質量%以下含む、酸化油脂を有効成分とすることを特徴とする食品用油脂感増強剤。
【請求項2】
前記酸化油脂を0.001質量%以上100質量%以下含む、請求項1に記載の食品用油脂感増強剤。
【請求項3】
前記乳脂が無水乳脂である、請求項1又は2に記載の食品用油脂感増強剤。
【請求項4】
前記酸化油脂及び賦形剤を含有する粉末油脂を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の食品用油脂感増強剤。
【請求項5】
油脂含有量が0.1質量%以上70質量%以下の食品に適用される、請求項1~4のいずれか1項に記載の食品用油脂感増強剤。
【請求項6】
前記食品は、ドレッシング、ルウ、及びスープからなる群より選ばれたいずれか1つである、請求項5に記載の食品用油脂感増強剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用油脂感増強剤、及びそれを含有する食品に関する。詳細には、油脂量を低減した食品や、油脂感が期待される食品に対して、油脂感を増強させることができる食品用油脂感増強剤、及び油脂感が増強された食品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防のため、また消費者の健康への志向の高まりから、低脂肪・低カロリー食品に対するニーズがある。また、油脂量が少ない畜肉、魚介類などにも油脂のおいしさを増強させたいというニーズがある。油脂をなぜおいしいと感じるのかメカニズムは解明されていないが、独特のおいしさがあるため、低脂肪・低カロリー食品に対するニーズがある一方で、油脂を多く含有する食品も依然として根強い人気がある。
【0003】
そこで、油脂量を低減して低脂肪・低カロリーを維持しつつも、油脂感が感じられる食品の開発が進められている。また、油脂量が少ない食品にも油脂のおいしさを増強させる開発が進められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、オクタン酸及び/又はデカン酸を含有する低油脂乳化調味料が開示され、この低油脂乳化調味料によれば油脂様のコクを高めることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の低油脂乳化調味料は、食品に油脂感を付与することはできていたものの、その強度は十分とは言えなかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、食品の油脂感を増強させることができる食品用油脂感増強剤、及び油脂感が増強された食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、酸化乳脂には食品の油脂感を増強させる作用効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、過酸化物価が20以上400以下であり、乳脂を10質量%以上100質量%以下含む、酸化油脂を有効成分とすることを特徴とする食品用油脂感増強剤を提供するものである。
【0010】
本発明の食品用油脂感増強剤は、前記酸化油脂を0.001質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。
【0011】
本発明の食品用油脂感増強剤は、前記乳脂が無水乳脂であることが好ましい。
【0012】
本発明の食品用油脂感増強剤は、前記酸化油脂及び賦形剤を含有する粉末油脂を含むことが好ましい。
【0013】
本発明の食品用油脂感増強剤は、油脂含有量が0.1質量%以上70質量%以下の食品に適用されることが好ましい。
【0014】
本発明の食品用油脂感増強剤における前記食品は、ドレッシング、ルウ、及びスープからなる群より選ばれたいずれか1つであることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上記記載の食品用油脂感増強剤を含有する食品を提供するものである。
【0016】
本発明の食品は、前記油脂感増強剤中の前記酸化油脂を、0.01質量ppm以上500質量ppm以下含有することが好ましい。
【0017】
本発明の食品用油脂感増強剤を含有する食品は、油脂含有量が0.1質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
【0018】
本発明の食品用油脂感増強剤を含有する食品は、ドレッシング、ルウ、及びスープからなる群より選ばれたいずれか1つであることが好ましい。
【0019】
本発明の食品用油脂感増強剤を含有する食品は、油脂含有量が1質量%以上40質量%以下のドレッシング、油脂含有量が5質量%以上30質量%以下のルウ、及び油脂含有量が0.1質量%以上5質量%以下のスープからなる群より選ばれたいずれか1つであることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の食品用油脂感増強剤によれば、従来よりも少量の油脂配合量で、適用する食品の油脂感を増強させることができる。また、本発明の食品用油脂感増強剤を含有する食品によれば、従来よりも少量の油脂配合量で、油脂感を増強させることができる。このことより、健康志向の高まりから、カロリーや脂質を制限したいと望む消費者のニーズに答えることができ、また、油脂量が少ない食品に油脂のおいしさを増強させたいというニーズにも答えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の食品用油脂感増強剤は、酸化油脂を有効成分とする。この酸化油脂は、原料油脂を酸化することで得られるものである。
【0022】
本発明では酸化油脂の原料油脂として乳脂を用いるが、乳脂以外の食用油脂を含んでもよい。乳脂以外の食用油脂としては、特に限定されないが、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、菜種油、コーン油、パーム油及びパーム分別油のいずれか一種又は二種以上が好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油及び菜種油のいずれか一種又は二種以上がより好ましく、中鎖脂肪酸トリグリセリド及び大豆油のいずれか一種又は二種がさらに好ましい。酸化油脂は、本発明の効果を阻害しない限り、通常油脂に添加できる助剤等を含んでいてもよい。
【0023】
本発明における乳脂とは、乳牛等の哺乳動物から採取される生乳の油脂成分を濃縮又は分離して得られるものであって、油脂含量が80質量%以上100質量%以下のものをいう。例えば、無水乳脂、バター、澄ましバター等が挙げられる。無水乳脂は、牛乳等から乳脂肪以外のほとんどすべての成分を除去したものをいい、AMF (Anhydrous Milk Fat、バターオイル)等と表記される場合もある。澄ましバターはバターの脂肪分を分取したものである。本発明で使用する乳脂は、好ましくは無水乳脂又は澄ましバターであり、より好ましくは無水乳脂である。また、乳脂の油脂含量は、好ましくは98質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは99質量%以上100質量%以下である。
【0024】
本発明の酸化油脂中に含まれる乳脂含量は、10質量%以上100質量%以下であり、20質量%以上100質量%以下であることが好ましく、50質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、65質量%以上100質量%以下であることがさらにより好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。酸化油脂の乳脂含量が、10質量%未満であると、油脂感が十分に増強できないものとなる傾向がある。
【0025】
原料油脂は、酸化の程度により所定範囲の過酸化物価(以下、「POV」ともいう。)を有する酸化油脂とすることができる。過酸化物価は20以上400以下であり、30以上310以下であることが好ましく、40以上180以下であることがより好ましく、80以上180以下であることがさらに好ましく、100以上140以下であることがさらにより好ましい。酸化油脂の過酸化物価が20未満又は400超であると油脂感が十分に増強できないものとなる傾向にある。
【0026】
なお、酸化油脂の過酸化物価(POV)は、ヨウ化カリウムを試料と反応させ、油脂中のヒドロペルオキシドによってヨウ化カリウムから遊離するヨウ素を滴定すること等の方法により測定することができる。より詳細には、「基準油脂分析試験法 2.5.2 過酸化物価」に則って、測定することができる。
【0027】
原料油脂を酸化する方法は特に限定されない。例えば、原料油脂を加熱して酸化する場合、加熱する温度は65℃以上150℃以下が好ましく、70℃以上140℃以下がより好ましく、75℃以上140℃以下がさらに好ましい。なお、加熱する時間は、特に限定されないが、好ましくは1時間以上100時間以下であり、より好ましくは3時間以上80時間以下であり、さらに好ましくは5時間以上80時間以下である。
【0028】
例えば、原料油脂に酸素を供給して酸化する場合、酸素の供給源としては、酸素単独でもかまわないし、空気等の酸素を含むものでも良く、好ましくは空気である。酸素の供給量が、原料油脂1kgあたり0.001~2L/分となるようにすることが好ましい。空気を供給源とする際は、原料油脂1kgあたり0.005~10L/分であることが好ましく、0.01~5L/分であることがより好ましい。このように酸化をする場合には、原料油脂を撹拌することが好ましい。
【0029】
本発明の食品用油脂感増強剤は、酸化油脂を、0.001質量%以上100質量%以下含むことが好ましく、0.005質量%以上50質量%以下含むことがより好ましく、0.005質量%以上10質量%以下含むことがさらに好ましい。所定の酸化油脂を含有すると、食品の油脂感を効果的に増強できる。
【0030】
本発明の食品用油脂感増強剤は、粉末油脂の形態が好ましい。この粉末油脂は、過酸化物価が20以上400以下であり、乳脂を10質量%以上100質量%以下含む、酸化油脂、及び賦形剤を含有する。
【0031】
粉末油脂は、酸化油脂、賦形剤、必要に応じてその他の原料、及び水を含む混合物を、乳化機で撹拌することによりO/W型エマルジョンを得て、このO/W型エマルジョンをさらに乾燥粉末化することにより得られる。乳化機には、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、薄膜旋回型高速ミキサー、コロイドミル、アトライターミル等を使用可能である。乾燥粉末化の方法としては、例えば、凍結乾燥、真空乾燥、ドラム乾燥等の乾燥化と、凍結粉砕、気流粉砕等の粉末化を組み合わせる方法や、噴霧乾燥、噴霧凍結等の乾燥化と粉末化を同時に行う方法が挙げられる。得られた粉末油脂を必要に応じて、破砕、造粒、分級等の処理にかけてもよい。
【0032】
賦形剤としては、油脂を粉末状の形態とする際に用いられるものであればよく、例えば、乳タンパク質、大豆タンパク質、小麦タンパク質、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、コラーゲン、ゼラチン等のタンパク質及びこれらタンパク質の分解物、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等の単糖類、ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース等の二糖類、コーンシロップ、デキストリン、オリゴ糖等の澱粉分解物、デンプン、増粘多糖類、糖アルコール等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
また、その他の原料として乳化剤を用いることができる。乳化剤は、食品用であれば特に限定されるものではなく、例えば、レシチン、モノグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム等が挙げられる。
【0034】
さらに、その他の原料としてpH調整剤を用いることができる。pH調整剤は、食品用であれば特に限定されるものではなく、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸、コハク酸、乳酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0035】
本発明の食品用油脂感増強剤は、酸化油脂を食用油脂で希釈したものでもよく、その場合には、食用油脂に対し、酸化油脂を好ましくは0.001質量%以上50質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上20質量%以下、さらにより好ましくは0.01質量%以上10質量%以下となるようにする。食用油脂は、特に限定されず、例えば、パーム核油、パーム油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオ脂等の植物油脂、乳脂、ラード等の動物油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。また、これらの分別油(パーム油の中融点部、パーム油の分別軟質油、パーム油の分別硬質油等)、エステル交換油、水素添加油等の加工した油脂を使用できる。また、これらの食用油脂は、1種又は2種以上を使用することができる。
【0036】
上記のように、食品用油脂感増強剤の形態は、食品や調味料等での使用に適した形態であればよく、例えば、前記粉末油脂のような粉末状、前記食用油脂で希釈したもののような液状等の形態で用いることができる。
【0037】
本発明の食品用油脂感増強剤には、食用油脂に汎用される添加剤を配合できる。添加剤の例には、トコフェロール、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、オリザノール、ローズマリー抽出物等の酸化防止剤;シリコーン等の消泡剤等が挙げられる。
【0038】
本発明の食品用油脂感増強剤は、食品に適用することでその食品の油脂感を増強させることができる。適用する食品としては、油脂含有量が0.1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、1質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。所定の油脂含有量の食品に適用すると、油脂感を効果的に増強することができる。
【0039】
上記のような食品としては、具体的にドレッシング、ルウ、及びスープ等が挙げられる。
【0040】
ドレッシングとは、液状の調味料であり、食酢若しくはかんきつ類の果汁、及び油脂に食塩、砂糖類、香辛料・ハーブ・酒等を加えて製造されたもののことをいう。具体的には、例えば、フレンチドレッシング、和風ドレッシング、ごまドレッシング、サウザンアイランドドレッシング、シーザーサラダドレッシング、サラダクリーミードレッシング、コールスロードレッシング、サラダドレッシング、サンドイッチスプレッド、チーズドレッシング、イタリアンドレッシング、中華ドレッシング、マヨネーズ様調味料、タルタルソース等が挙げられる。本発明が適用されるドレッシングとしては、油脂含有量が1質量%以上40質量%以下のものが好ましい。
【0041】
ルウとは、小麦粉等の穀粉をバター等の油脂で加熱して調理したペースト、顆粒及びブロック形態のもののことをいう。具体的には、例えば、カレールウ、ハヤシルウ、ホワイトルウ、デミグラスルウ、パスタルウ、ベシャメルルウ、ヴルーテルウ、エスパニョールルウ、シチュールウ、又はポタージュルウ等が挙げられる。これらのルウを用いて、例えばカレーソース、ハヤシソース、ホワイトソース、デミグラスソース、パスタソース、ベシャメルソース、ヴルーテソース、エスパニョールソース、又はポタージュソース等に加工される。本発明が適用されるルウとしては、油脂含有量が5質量%以上30質量%以下のものが好ましい。
【0042】
スープとは、肉、野菜や魚介類等を煮込んだ水分の多い料理のことをいう。具体的には、例えば、鍋、そば、うどん、ラーメン、パスタ等のつゆ、コンソメスープ、卵スープ、ワカメスープ、フカヒレスープ、ポタージュスープ、オニオンスープ、コーンスープ、中華スープ、ボルシチ、味噌汁、吸い物等が挙げられる。また乾燥スープやスープの濃縮液のように、使用前に水又は湯を加えて作製するスープも挙げられる。本発明が適用されるスープとしては、油脂含有量が0.1質量%以上5質量%以下のものが好ましく、油脂含有量が1質量%以上5質量%以下のものが好ましい。
【0043】
本発明の食品用油脂感増強剤を適用する食品としては、上記の他にも、油脂量が少ない畜肉、魚介類、及びその加工食品等が挙げられ、例えば、オーブンやスチームなどで加熱調理されたノンフライ食品;ハム;焼き肉、焼き鳥、ステーキ、焼き魚、焼きエビ等の焼肉類;トンカツ、ビーフカツ、チキンカツ、唐揚げ、竜田揚げ、フライドチキン、鮭フライ、アジフライ、ホッケフライ、サバフライ、タラ等の白身魚のフライ、エビフライ等のフライ食品;ホッケの開き等の干物等が挙げられる。
【0044】
また、本発明の食品用油脂感増強剤を適用する食品としては、食品の通常の油脂含量に対して、例えば、油脂含量が75%以下とされた食品が好適である。この場合、当該食品の通常の油脂含量は、例えば、日本食品標準成分表2015年版(七訂)に記載された各食品のトリアシルグリセロール当量又は脂質含有量を基準とすることができる。
【0045】
さらに、例えば、食品用油脂感増強剤の形態としては、バッター液、ブレッダー、ピックル液、タンブリング液等が挙げられる。
【0046】
本発明の食品用油脂感増強剤を含有する食品は、前記食品用油脂感増強剤中の前記酸化油脂を、0.01質量ppm以上500質量ppm以下含有することが好ましく、0.1質量ppm以上350質量ppm以下含有することがより好ましく、1質量ppm以上200質量ppm以下含有することがより好ましい。所定の範囲の食品用油脂感増強剤を含有する食品は、油脂感が効果的に増強される。
【実施例】
【0047】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
<1.基準マヨネーズの調製>
油脂感を評価する基準となるマヨネーズ様調味料/マヨネーズ(以下、「基準マヨネーズ」という。)を作製した。
【0049】
1.油分10質量%のマヨネーズ様調味料の調製
下記表1の油分10質量%の分量に従い、澱粉と水をステンレス平底の鍋に入れてIHヒーター(型番:KZ-PH1、松下電器産業株式会社製)上で混合しながら加熱し、質量が30g減少するまで水を蒸発させて糊を作製した。作製した糊に油脂以外の材料全て添加混合した後、油脂を少しずつ加え、ハンドミキサーで均一になるまで十分に攪拌して、油分10質量%のマヨネーズ様調味料を調製した。
【0050】
【0051】
2.油分80質量%のマヨネーズの調製
上記表1の油分80質量%の分量で、油脂以外の材料を全て混合し、水相を作製した。作製した水相に油脂を少しずつ加え、ハンドミキサーで均一になるまで十分攪拌し、油分80質量%のマヨネーズを調製した。
【0052】
3.基準マヨネーズの調製
上記で調製した油分10質量%マヨネーズ様調味料と油分80質量%マヨネーズとを混合し、油分10,12.5,15,20,30,40,50,60,70,80質量%の基準マヨネーズを調製した。
【0053】
<2.原料油脂の検討>
酸化油脂の原料油脂による効果の違いを検討した。原料油脂として、菜種油、無水乳脂、又はバターを用い、調製した酸化油脂を表2に示した。
【0054】
1.酸化油脂の調製
(1)菜種油を原料油脂とする酸化油脂(酸化菜種油)の調製(調製例1)
菜種油(製品名:さらさらキャノーラ油、株式会社J-オイルミルズ社製)200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら撹拌し、空気(200mL/分)を供給した。空気供給時間を10.5時間として、冷却後、酸化菜種油を得た。得られた酸化菜種油の過酸化物価(POV)を「基準油脂分析試験法 2.5.2 過酸化物価」に則って、測定したところ、47であった。
【0055】
(2)無水乳脂を原料油脂とする酸化油脂(酸化乳脂)の調製(調製例2)
無水乳脂(製品名:バターオイルCML、丸和油脂株式会社製、油脂含量:99.8質量%)200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら撹拌し、空気(200mL/分)を供給した。空気供給時間を5.2時間として、冷却後、酸化乳脂を得、過酸化物価を測定したところ、46であった。
【0056】
(3)バターを原料油脂とする酸化油脂(酸化バター)の調製(調製例3)
バター(製品名:雪印北海道バター、雪印メグミルク株式会社製、油脂含量:81質量%)200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら撹拌し、空気(200mL/分)を供給した。空気供給時間を72.5時間として、冷却後、酸化バターを得、過酸化物価を測定したところ、56であった。
【0057】
【0058】
2.低油分マヨネーズ様調味料の調製
上記「油分10質量%のマヨネーズ様調味料の調製」と同じ方法で、表1に替えて表3の分量に従い、各酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料を調製した。なお、油脂の添加は、先に酸化油脂配合菜種油を加え、その後菜種油を少しずつで加える手順で実施した。
【0059】
【0060】
3.基準マヨネーズでの評価A
原料油脂を、菜種油、無水乳脂、又はバターとした酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料について、上記で調製した基準マヨネーズのどの油分の油脂感に相当するかを評価した。結果を表4に示した。増強倍率は、例えば、酸化油脂を100質量ppmを含む、油分が10質量%のマヨネーズ様調味料が、油分40質量%の基準マヨネーズと同等の油脂感だった場合、(40質量%-(10質量%-100質量ppm))/100質量ppm=3001として計算した。評価は3名のパネラーによって行われ、合議により増強倍率を決定した。
【0061】
無水乳脂を原料油脂とした酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料(実施例1)では、油分60質量%の基準マヨネーズに相当する油脂感が得られ、これは増強倍率が5001と高い値であり、油脂感が十分に増強されたことを示す結果であった。また、バターを原料油脂とした酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料(実施例2)では、油分30質量%の基準マヨネーズに相当する油脂感が得られ、これは増強倍率が2001と高い値であり、油脂感が十分に増強されたことを示す結果であった。
【0062】
一方、菜種油を原料油脂とした酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料(比較例1)では、油分15質量%の基準マヨネーズに相当する油脂感しか得られず、増強倍率は501であり、油脂感が十分に増強されていないことを示す結果であった。
【0063】
【0064】
<3.過酸化物価の検討>
酸化油脂の過酸化物価による効果の違いを検討した。原料油脂が無水乳脂であって、過酸化物価が46,34,83,120,180,310である酸化油脂(調製例2,4~8)を用いた。
【0065】
1.酸化油脂の調製(調製例4~8)
上記「(2)無水乳脂を原料油脂とする酸化油脂の調製」の空気の供給時間を表2の時間に変えたことを除き、同じ方法で、各過酸化物価の酸化油脂(調製例4~8)を調製した。調製した酸化油脂は、表2に示した。
【0066】
2.低油分マヨネーズ様調味料の調製1
上記「油分10質量%のマヨネーズ様調味料の調製」と同じ方法で、表1に替えて表5の分量に従い、各酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料を調製した。なお、油脂の添加は、先に無水乳脂配合菜種油又は酸化油脂配合菜種油を加え、その後菜種油を少しずつで加える手順で実施した。
【0067】
【0068】
3.基準マヨネーズでの評価1
過酸化物価が異なる酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料について、上記「基準マヨネーズでの評価A」と同様に評価した。結果を表6に示した。
【0069】
過酸化物価が34~120である酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料(実施例1、3~5)では、油分30~80質量%の基準マヨネーズに相当する油脂感が得られ、これは増強倍率が2001~7001と高い値であり、油脂感が十分に増強されたことを示す結果であった。
【0070】
一方、酸化油脂を配合していない低油分マヨネーズ様調味料(比較例2)では、油分10質量%の基準マヨネーズに相当する油脂感しか得られず、増強倍率は1であり、油脂感が増強されていないことを示す結果であった。
【0071】
【0072】
4.低油分マヨネーズ様調味料の調製2
上記「油分10質量%のマヨネーズ様調味料の調製」と同じ方法で、表1に替えて表7の分量に従い、各酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料を調製した。なお、油脂の添加は、先に酸化油脂配合菜種油を加え、その後菜種油を少しずつで加える手順で実施した。
【0073】
【0074】
5.基準マヨネーズでの評価2
過酸化物価が異なる酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料について、上記「基準マヨネーズでの評価A」と同様に評価した。結果を表8に示した。
【0075】
過酸化物価が120~310である酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料(実施例6~8)では、油分20~50質量%の基準マヨネーズに相当する油脂感が得られ、これは増強倍率が20001~80001と高い値であり、油脂感が十分に増強されたことを示す結果であった。
【0076】
【0077】
<4.酸化油脂添加量の検討>
酸化油脂の添加量による効果の違いを検討した。原料油脂が無水乳脂であって、過酸化物価が46である酸化油脂(調製例2)を用いた。
【0078】
1.低油分マヨネーズ様調味料の調製
上記「油分10質量%のマヨネーズ様調味料の調製」と同じ方法で、表1に替えて表9の分量に従い、各酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料を調製した。なお、油脂の添加は、先に酸化油脂配合菜種油を加え、その後菜種油を少しずつで加える手順で実施した。
【0079】
【0080】
2.基準マヨネーズでの評価
酸化油脂を異なる量で配合した低油分マヨネーズ様調味料について、上記「基準マヨネーズでの評価A」と同様に評価した。結果を表10に示した。
【0081】
酸化油脂添加量がそれぞれ5,100質量ppmである酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料(実施例9、実施例1)では、油分30,60質量%の基準マヨネーズに相当する油脂感が得られ、これは増強倍率が40001,5001と高い値であり、油脂感が十分に増強されたことを示す結果であった。
【0082】
【0083】
<5.粉末油脂の検討>
酸化油脂を含む粉末油脂(以下、「粉末酸化油脂」ともいう。)の効果を検討した。
【0084】
1.粉末油脂の調製
表11に示す割合で各原料を混合して得た組成物113.97質量部に、水86.03質量部を添加し水分含量が50質量%の混合物を得た。得られた混合物を、高圧乳化機(製品名:LAB2000、APV社製)を用い、1次圧力を500bar、2次圧力を50barとして乳化することにより、O/W型エマルジョンを得た。得られたエマルジョンをさらに、噴霧乾燥機(製品名:B-290、日本ビュッヒ社製)を用いて乾燥粉末化することにより粉末酸化油脂(油脂含有量50質量%)を得た。
【0085】
【0086】
2.酸化油脂を使用する低油分マヨネーズ様調味料の調製(実施例10の調製)
上記「油分10質量%のマヨネーズ様調味料の調製」と同じ方法で、表1に替えて表12の酸化乳脂の分量に従い、酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料を調製した。なお、油脂の添加は、先に酸化油脂配合菜種油を加え、その後菜種油を少しずつで加える手順で実施した。
【0087】
【0088】
3.粉末酸化油脂を使用する低油分マヨネーズ様調味料の調製(実施例11の調製)
上記「油分10質量%のマヨネーズ様調味料の調製」と同じ方法で、表1に替えて表12の粉末酸化油脂の分量に従い、粉末酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料を調製した。なお、粉末酸化油脂は、水、澱粉と共に鍋に入れて、糊を作製した。
【0089】
4.基準マヨネーズでの評価
形態が異なる食品用油脂感増強剤を配合した低油分マヨネーズ様調味料について、上記「基準マヨネーズでの評価A」と同じ方法で評価した。結果を表13に示した。
【0090】
粉末化していない酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料(実施例10)では、油分30質量%の基準マヨネーズに相当する油脂感が得られ、これは増強倍率が40001と高い値であり、油脂感が十分に増強されたことを示す結果であった。粉末化した酸化油脂を配合した低油分マヨネーズ様調味料(実施例11)では、油分60質量%の基準マヨネーズに相当する油脂感が得られ、これは増強倍率が100001と高い値であり、油脂感がさらに増強されたことを示す結果であった。
【0091】
【0092】
<6.スープでの検討>
酸化油脂の原料油脂による効果の違いをスープで検討した。酸化油脂は、原料油脂として菜種油を用い調製した酸化油脂(調製例1)、及び、原料油脂として無水乳脂を用い調製した酸化油脂(調製例2)を用いた。
【0093】
1.粉末油脂の調製(調製例9~12)
表14に示す割合で各原料を混合して得た固形分が100質量部である組成物に、合計200質量部となるように水を添加し水分含量が50質量%の混合物を得た。得られた混合物を、高圧乳化機(製品名:LAB2000、APV社製)を用い、1次圧力を500bar、2次圧力を50barとして乳化することにより、O/W型エマルジョンを得た。得られたエマルジョンをさらに、噴霧乾燥機(製品名:B-290、日本ビュッヒ社製)を用いて乾燥粉末化することにより粉末油脂(調製例9:油脂含有量30質量%;調製例10~12:油脂含有量21質量%)を得た。
【0094】
【0095】
2.スープの調製(参考例1、2、実施例12、比較例3)
下記表15の分量に従い、水をステンレス平底の鍋に入れてIHヒーター(型番:KZ-PH1、松下電器産業株式会社製)で加熱し、沸騰させた。沸騰した水に調味料ミックスを加え攪拌し、6質量%分の水が蒸発したところで、加熱を止め、粉末油脂を添加し、さらに充分攪拌することで、スープを調製した。
【0096】
【0097】
3.油脂感の評価
原料油脂を菜種油又は無水乳脂とした酸化油脂を含有する粉末油脂を配合したスープについて、上記で調製した参考例1及び2との比較により油脂感を評価した。結果を表16に示した。評価は3名のパネラーで、合議により行った。
【0098】
原料油脂を無水乳脂とした酸化油脂を含有する粉末油脂を配合した油分1.5質量%のスープ(実施例12)では、油分が2.1質量%のスープ(参考例1)と同じ油脂感が得られ、油脂感が増強されたことを示す結果であった。一方、原料油脂を菜種油とした酸化油脂を含有する粉末油脂を配合した油分1.5質量%のスープ(比較例3)では、油分1.5質量%のスープ(参考例2)と同じ油脂感であり、油脂感を増強する効果がないことを示す結果であった。
【0099】
【0100】
<7.ルウ(カレールウ)での検討>
酸化油脂の原料油脂による効果の違いをルウ(カレールウ)で検討した。酸化油脂は、原料油脂として菜種油を用い調製した酸化油脂(調製例1)、及び、原料油脂として無水乳脂を用い調製した酸化油脂(調製例2)を用いた。
【0101】
1.粉末油脂の調製(調製例13~15)
表17に示す割合で各原料を混合して得た固形分が100質量部である組成物に、合計200質量部となるように水を添加し水分含量が50質量%の混合物を得た。得られた混合物を、高圧乳化機(製品名:LAB2000、APV社製)を用い、1次圧力を500bar、2次圧力を50barとして乳化することにより、O/W型エマルジョンを得た。得られたエマルジョンをさらに、噴霧乾燥機(製品名:B-290、日本ビュッヒ社製)を用いて乾燥粉末化することにより粉末油脂(油脂含有量45質量%)を得た。
【0102】
【0103】
2.カレーの調製(参考例3、実施例13、比較例4)
下記表18の分量に従い、水をステンレス平底の鍋に入れて蓋をし、IHヒーター(型番:KZ-PH1、松下電器産業株式会社製)で加熱し、沸騰させた。加熱を止めてから蓋を開け、沸騰した水にカレールウを少しずつ振り入れて、木べらで混合した。カレールウを混合後、IHヒーターに鍋をのせて、メモリ3で加熱しながら10分間かき混ぜた。さらに各粉末油脂を添加混合後、加熱を止め、カレーを調製した。
【0104】
【0105】
3.油脂感の評価
原料油脂を菜種油又は無水乳脂とした酸化油脂を含有する粉末油脂を配合したカレーについて、上記で調製した参考例3との比較により油脂感を評価した。結果を表19に示した。評価は3名のパネラーで、合議により行った。
【0106】
原料油脂を無水乳脂とした酸化油脂を含有する粉末油脂を配合したカレー(実施例13)では、参考例3のカレーよりも高い油脂感が得られ、油脂感が増強されたことを示す結果であった。一方、原料油脂を菜種油とした酸化油脂を含有する粉末油脂を配合したカレー(比較例4)では、参考例3のカレーと同じ油脂感であり、油脂感を増強する効果がないことを示す結果であった。
【0107】
【0108】
<7.乳脂及び乳脂以外の食用油脂を含む酸化油脂の検討>
1.乳脂及び乳脂以外の食用油脂を含む酸化油脂(調製例16)
無水乳脂140gに中鎖脂肪酸トリグリセリド(アクターM-107FR、理研ビタミン株式会社製)60gを混合し、乳脂を70質量%含む油脂を調製した。調製した油脂200gをステンレスビーカーに入れ、120℃に保温しながら、撹拌し、空気(200mL/分)を供給した。空気供給時間を13時間として、冷却後、酸化油脂を得た。得られた酸化油脂の過酸化物価(POV)を「基準油脂分析試験法 2.5.2 過酸化物価」に則って、測定したところ、59であった。
【0109】
2.乳脂及び乳脂以外の食用油脂を含む酸化油脂(調製例17)
調製例16において中鎖脂肪酸トリグリセリドに代えて、大豆油(株式会社J-オイルミルズ社製)を用いたこと以外、同様に処理し、酸化油脂を得、過酸化物価を測定したところ、45であった。
【0110】
3.乳脂及び乳脂以外の食用油脂を含む酸化油脂(調製例18)
無水乳脂50質量部に高オレイン酸低リノレン酸菜種油(株式会社J-オイルミルズ社
製)50質量部を混合し、乳脂を50質量%含む油脂を調製した。調製した油脂200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら、撹拌し、空気(200mL/分)を供給した。空気供給時間を36時間として、冷却後、酸化油脂を得、過酸化物価を測定したところ、100であった。
【0111】
4.乳脂及び乳脂以外の食用油脂を含む酸化油脂(調製例19)
無水乳脂20質量部に高オレイン酸低リノレン酸菜種油80質量部を混合し、乳脂を2
0質量%含む油脂を調製した。調製した油脂200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら、撹拌し、空気(200mL/分)を供給した。空気供給時間を30時間として、冷却後、酸化油脂を得、過酸化物価を測定したところ、105であった。
【0112】
<8.空気供給量の異なる酸化油脂の検討>
1.無水乳脂の酸化油脂(調製例20)
無水乳脂200gをステンレスビーカーに入れ、100℃に保温しながら、撹拌し、空気(5mL/分)を供給した。空気供給時間を33時間として、冷却後、酸化乳脂を得、過酸化物価を測定したところ、47であった。