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特許7166284ペースト状製品をエアレーションするための装置、及び別の製品と混合するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】ペースト状製品をエアレーションするための装置、及び別の製品と混合するための装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/27 20220101AFI20221028BHJP
   A23C 13/14 20060101ALI20221028BHJP
   A23L 9/20 20160101ALI20221028BHJP
   B01F 27/60 20220101ALI20221028BHJP
   B01F 23/23 20220101ALI20221028BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20221028BHJP
【FI】
B01F27/27
A23C13/14
A23L9/20
B01F27/60
B01F23/23
B01F35/71
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019556624
(86)(22)【出願日】2018-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2018060478
(87)【国際公開番号】W WO2018197493
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-04-21
(31)【優先権主張番号】17168125.7
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17168127.3
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17168142.2
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】クラヴィア, ルイス
(72)【発明者】
【氏名】マーシラ, ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァリエ, ジャン-フランソワ
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/068426(WO,A1)
【文献】特開昭62-022553(JP,A)
【文献】独国実用新案第29709060(DE,U1)
【文献】国際公開第2015/186710(WO,A1)
【文献】実開平02-075132(JP,U)
【文献】特表2013-516504(JP,A)
【文献】特開平09-253469(JP,A)
【文献】実開昭62-174627(JP,U)
【文献】国際公開第99/008782(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00-35/95
A23C 13/14
A23L 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペースト状製品をエアレーションするための装置であって、前記装置は、
長手方向に延びるハウジング(1)であって、エアレーションされる前記ペースト状製品のための入口(4)及びエアレーションされた前記製品のための出口(5)を備えるハウジング(1)と、
前記ハウジング(1)内に設けられた、少なくとも第1のロータ及びステータのセット(21)並びに第2のロータ及びステータのセット(22)であって、ロータ及びステータのセット(21、22)のそれぞれが、前記長手方向に対向する相補的な歯付きリムを有し、前記装置が、ロータ及びステータのセット(21、22)それぞれの前記ロータが結合された駆動シャフト(3)を備える、第1のロータ及びステータのセット(21)並びに第2のロータ及びステータのセット(22)とを備え、
前記装置は、前記第1のロータ及びステータのセット(21)の上流で、エアレーションされる前記ペースト状製品内に気体を注入するための気体注入器(6)を更に備え、
前記装置は、前記第1のロータ及びステータのセット(21)と前記第2のロータ及びステータのセット(22)との間で前記ハウジング内に設けられた中間混合チャンバ(7)と、前記中間混合チャンバ(7)内へ放出を行うように前記中間混合チャンバ(7)内に突出した第2製品導入手段と、を更に備える、装置。
【請求項2】
前記第2製品導入手段が、流体注入器(8)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2製品導入手段が、第2ペースト状製品入口を形成している、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記中間混合チャンバ(7)が、シャフト回転軸線(3)を中心とした円筒形状を有し、第2製品導入手段が、前記中間混合チャンバ(7)の半径に沿った、前記シャフトの外面(31)と前記ハウジング(1)の壁(111)との間の距離の10%~95%、好ましくは20~70%、より好ましくは25~50%の距離だけ前記シャフトの前記外面(31)から離れて、前記中間混合チャンバ内に突出している、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジング(1)が、前記長手方向における前記中間混合チャンバ(7)の長さに沿って内側環状段部(121)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記中間混合チャンバ(7)が、シャフト回転軸線を中心とした円筒形状を有し、ロータの直径よりも小さい直径を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記中間混合チャンバ(7)が、前記第2製品導入手段以外の機械部品のない容積部であ
前記容積部は、前記第1のロータ及びステータのセット(21)の面と、前記第2のロータ及びステータのセット(22)の面と、前記第1のロータ及びステータのセット(21)と前記第2のロータ及びステータのセット(22)との間にある前記ハウジングの壁と、前記第1のロータ及びステータのセット(21)と前記第2のロータ及びステータのセット(22)との間に位置する前記駆動シャフト(3)の表面とによって画定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記中間混合チャンバ(7)は、少なくとも1つのロータ及びステータのセットの長さに相当する長さを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジング(1)が、前記長手方向に複数のモジュールを備え、
前記複数のモジュールが、
製品入口及び気体注入器を備える入口モジュール(11)と、
前記中間混合チャンバ(7)を形成するように構成された少なくとも1つの中間ハウジングモジュール(12)と、
製品出口開口部を備える出口モジュール(13)と、を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
各中間ハウジングモジュール(12)が、1つ、2つ、又は3つのロータ及びステータのセットを受容するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ロータ及びステータのセットそれぞれの前記ロータが、長手方向の前記駆動シャフトに結合されており、ロータ及びステータのセットそれぞれの前記ステータが、前記ハウジングに結合されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも第1のロータ及びステータのセット(21)の前記ロータに結合された第1のシャフト(31)と、少なくとも第2のロータ及びステータのセットの前記ロータに結合された第2のシャフト(32)と、を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のシャフト(31)及び前記第2のシャフト(32)が、前記装置の長手方向軸線(A)と同軸である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、前記第1のシャフト(31)及び前記第2のシャフト(32)を異なる回転速度で、かつ/又は反対方向に駆動するように構成されている、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のシャフト(31)及び前記第2のシャフト(32)をそれぞれ回転駆動する独立した駆動手段を備える、請求項12~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
中間チャンバ(70)が、前記第1のシャフト(31)に結合された一対のロータ及びステータと、前記第2のシャフト(32)に結合された一対のロータ及びステータとの間に形成されている、請求項12~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
記中間チャンバ(70)に第2製品を導入するための第2製品導入手段(80)を備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のシャフト(31)に結合された複数対のロータ及びステータが、第1のハウジング部(41)に封入されており、前記第2のシャフト(32)に結合された複数対のロータ及びステータが、第2のハウジング部(51)に封入されている、請求項12~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
間チャンバ(70)が、前記第1のハウジング部(41)と前記第2のハウジング部(51)との間で中間ハウジング部(71)によって形成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
ペースト状製品をエアレーションする方法であって、エアレーションされるペースト状製品の流れを請求項1~19のいずれか一項に記載の装置に通す工程と、前記第1のロータ及びステータのセットに対して上流の位置で、上流気体注入器によって前記ペースト状製品の流れに気体を注入する工程と、前記中間混合チャンバに前記第2製品導入手段によって第2製品を注入する工程とを含む、方法。
【請求項21】
前記ペースト状製品が、乳食品製品である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記上流気体注入器によって前記ペースト状製品に導入される前記気体が、空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2製品が、空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、液体チョコレート、液体キャラメル、フルーツクーリ、フレーバーソース、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト状製品のエアレーションのための装置、及びペースト状製品のエアレーションのための方法に関する。「ペースト状」とは、広範かつ非制限的に理解されるべきである。ペースト状製品は、半液体製品、粘稠な製品、及び半固体製品を含む。例えば、乳製品ベースに空気又は気体を泡立てて入れることにより得られる泡形態の、乳製品(すなわち牛乳食品製品)に基づくムース(すなわちエアレーションされた食品組成物)は、当技術分野で周知である。それらのエアレーションされた食感は、消費者に大変歓迎される。本発明は、特に食品及び飼料産業のかかる製品のエアレーションに関する。また、エアレーションは、製薬産業又は化粧料産業に適用されてもよい。
【背景技術】
【0002】
産業的に最も一般的に適用される液体製品及び半液体製品のエアレーション方法は、機械的エアレーションに基づいている。市販されている機械は、設計上いくらか異なってはいるものの、それらの動作原理は概して類似している。また、ロータステータミキサーの例が、欧州特許出願公開第0210905(A2)号、英国特許出願公開第2105209(A)号及び米国特許出願公開第2017/101583(A1)号に記載されている。
【0003】
最もよく市販されている機械の混合装置は、金属ペグで覆われたステンレス鋼ロータシャフトを備えるロータ及びステータ型のものであり、これはまた、その内部にペグを有するハウジングの内側に嵌合する。混合装置が組み立てられると、シャフト上のペグと装置の内側のペグが噛み合い、製品の流れに対し剪断力を与える。液相と気相とが、混合装置に入る前に組み合わされる。混合装置は、大きな気泡を、食品母材の中に取り込まれる非常に小さな気泡へと機械的に粉砕する。泡の大きさは、製品特性を決定する本質的な要因である。
【0004】
このような機械は、例えば、国際公開第91/07221(A1)号、英国特許出願公開第888264(A)号及び独国特許出願公開第3127684(A1)号に記載されている。
【0005】
国際公開第2013/068426(A1)号は、少なくとも1つのロータ及びステータのセットを有する混合ヘッドを備えた、食品製品のエアレーションのためのデバイスを開示している。ロータ及びステータのセットのそれぞれは、軸方向に対向する相補的な歯付きリムを有するロータ及びステータを備える。エアレーションされる製品を受容するための製品入口開口部と気体注入器とを有する入口カバーが設けられており、気体注入器は、入口カバーに配置されており、気体注入器のヘッドが入口カバーと第1のロータ及びステータのセットとによって画定されるヘッドスペースに位置するように入口カバーを横切っている。このデバイスでは、いくつかの組成物を混合して一緒にエアレーションすることはできない。
【0006】
独国特許第102015205597(B3)号は、塊状物の多い又は液体状の第2の食品塊を含有する、泡立てられた第1の食品塊を製造するためのデバイスに関する。このデバイスは、1つの先端部において、第1のステータハウジング及び第1のロータを備える。第1のステータハウジング及び第1のロータは、半径方向に方向付けされ、軸方向に間隔の空けられた泡立て要素を備える。第1のロータは、第1ステータハウジング内で回転する。ロータ泡立て要素は、第1のステータハウジングの静的泡立て要素と噛み合う。第1のロータは、第1の駆動シャフトと連結されている。このデバイスは、その他方の先端部において、第1のステータハウジング及び第1のロータと同様に構成された第2のステータハウジング及び第2のロータを備える。泡立て用の第1のロータの回転速度は、混合用の第2のロータの回転速度とは独立して設定することができる。
【0007】
独国特許出願公開第29709060(A1)号は、流体相中に気体、流体及び/又は固体を連続的に分散及び混合するロータ/ステータ混合デバイスを構築するための構築キットに関する。
【0008】
国際公開第99/08782(A1)号は、気体と、液体と、小胞膜形成材料との混合物があるゾーンを通過する気体含有小胞の調製方法に関し、このゾーンにおいて、混合物は、少なくとも20m/秒の速度で互いに対して移動する複数の表面によって及ぼされる剪断力を受ける。
【0009】
市販のシステムの欠点としては、装置の汎用性に対する制限が挙げられ、例えば、異なる流体の注入及び/又は得られる気泡のサイズなどに関して、装置の汎用性が制限されていることを含んでいる。
【0010】
この欠点は、上流側のロータ及びステータのセットと隣接する下流側のロータ及びステータのセットとの間の位置に、食品製品と混合される第2製品を注入するための更なる入口を備える、ペースト状製品(例えば、食品製品)をエアレーションするための装置を提供することによって、部分的に克服され得る。
【0011】
しかしながら、このような装置は、特に第2製品に関しての食品製品の均質な混合及びエアレーションに関して制限がある。第2製品は、液体、半液体、気体、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。第2製品はまた、固体片であってもよいし、又は固体片を含んでもよい。
【0012】
また、従来技術による装置は、入力が所望され得る全ての様々な種類の第2製品について、要求された特性を出力製品(例えば、チョコレートチャンクなどの均質に分布した固体混入物を有するクリーム)にもたらすことができない。
【0013】
最も技術的に高度な装置であっても、泡立てに関してそれらの汎用性が制限されたままであるため、全ての種類のエアレーションされたペースト状製品を製造することはできない。いずれの装置も特定の製品を製造するために設計されているが、より広範囲の製品、例えば、様々な種類の第2製品(気体、液体、半液体、固体片、又はそれらの組み合わせであり、これらは、エアレーションされたベース製品に導入されると特性が変化する製品であり得る)と混合された様々な特性(気体の量、気泡のサイズなど)を有するエアレーションされたベース製品の製造に容易に適合させることはできない。
【発明の概要】
【0014】
本発明の目的は、特にペースト状製品への第2製品の導入に関して、既知のシステムの1つ以上の欠点を克服する食品製品のエアレーションのための装置及び方法を提供することである。
【0015】
よって、本発明の一態様は、ペースト状製品をエアレーションするための装置を提案し、装置は、長手方向に延びるハウジングであって、エアレーションされるペースト状製品のための入口(4)及びエアレーションされた製品のための出口を備えるハウジングと、ハウジング内に設けられた、少なくとも第1のロータ及びステータのセット並びに第2のロータ及びステータのセットであって、ロータ及びステータのセットのそれぞれが、長手方向に対向する相補的な歯付きリムを有し、上記装置が、ロータ及びステータのセットそれぞれのロータが結合された駆動シャフトを備える、第1のロータ及びステータのセット並びに第2のロータ及びステータのセットとを備える。上記装置は、第1のロータ及びステータのセットの上流で、エアレーションされるペースト状製品に気体を注入するための気体注入器を更に備え、上記装置は、第1のロータ及びステータのセットと第2のロータ及びステータのセットとの間でハウジング内に設けられた中間混合チャンバと、中間混合チャンバ内へ放出を行うように中間混合チャンバ内に突出した第2製品導入手段と、を更に備える。
【0016】
既存のシステムと比較して、混合チャンバの壁から距離を置いて混合チャンバ内部に第2製品を導入することにより、エアレーションされたペースト状製品内に第2製品がより良く分布させられ又は均質化され、ロータ及びステータのセットに到達するまでの第2製品のペースト状製品内の移動時間を増加させる。
【0017】
一実施形態では、第2製品導入手段が、流体注入器を備える。別の実施形態では、第2製品導入手段が、第2ペースト状製品入口を形成している。
【0018】
一実施形態では、中間混合チャンバが、シャフト回転軸線を中心とした円筒形状を有し、第2製品導入手段が、中間混合チャンバの半径に沿った、シャフトの外面とハウジングの壁との間の距離の10%~95%、好ましくは20~70%、より好ましくは25~50%の距離だけシャフトの外面から離れて、中間混合チャンバ内に突出している。
【0019】
一実施形態では、ハウジングが、長手方向における中間混合チャンバの長さに沿って内側環状段部を備える。好ましくは、中間混合チャンバが、シャフトの回転軸線を中心とした円筒形状を有し、ロータの直径よりも小さい直径を有する。
【0020】
一実施形態では、中間混合チャンバが、上記流体注入器以外の機械部品のない容積部である。
【0021】
一実施形態では、中間混合チャンバは、少なくとも一つのロータ及びステータのセットの長さに相当する長さを有する。
【0022】
一実施形態では、ハウジングが、長手方向に複数のモジュールを備え、これらの複数のモジュールは、
製品入口及び気体注入器を含む入口モジュールと、
中間混合チャンバを形成するように構成された少なくとも1つの中間ハウジングモジュールと、
製品出口開口部を備える出口モジュールと、を備える。
【0023】
好ましくは、各中間ハウジングモジュールが、1つ、2つ、又は3つのロータ及びステータのセットを受容するように構成されている。
【0024】
一実施形態では、ロータ及びステータのセットそれぞれのロータが、長手方向の駆動シャフトに結合されており、ロータ及びステータのセットそれぞれのステータがハウジングに結合されている。
【0025】
一実施形態では、本装置は、少なくとも第1のロータ及びステータのセットのロータに結合された第1のシャフトと、少なくとも第2のロータ及びステータのセットのロータに結合された第2のシャフトと、を備える。
【0026】
一実施形態では、第1のシャフト及び第2のシャフトが、装置の長手方向軸線と同軸である。
【0027】
一実施形態では、装置が、第1のシャフト及び第2のシャフトを異なる回転速度で、かつ/又は反対方向に駆動するように構成されている。
【0028】
一実施形態では、装置が、第1のシャフト及び第2のシャフトをそれぞれ回転駆動する独立した駆動手段を備える。
【0029】
一実施形態では、中間チャンバが、第1のシャフトに結合された一対のロータ及びステータと、第2のシャフトに結合された一対のロータ及びステータとの間に形成されている。
【0030】
一実施形態では、装置が、第1のシャフトに結合された一対のロータ及びステータと、第2のシャフトに結合された一対のロータ及びステータとの間に形成された中間チャンバに第2製品を導入するための第2製品導入手段を備える。
【0031】
一実施形態では、第1のシャフトに結合された複数対のロータ及びステータが、第1のハウジング部に封入されており、第2のシャフトに結合された複数対のロータ及びステータが、第2のハウジング部に封入されている。
【0032】
一実施形態では、中間チャンバが、第1のハウジング部と第2のハウジング部との間で中間ハウジング部によって形成されている。
【0033】
別の態様では、本発明は、ペースト状製品をエアレーションする方法を提案し、この方法は、エアレーションされるペースト状製品の流れを前述の請求項のいずれか一項に記載の装置に通す工程と、第1のロータ及びステータのセットに対して上流の位置で、上流気体注入器によってペースト状製品の流れに気体を注入する工程と、中間混合チャンバに第2製品導入手段によって第2製品を注入する工程とを含む。
【0034】
一実施形態では、ペースト状製品は、乳食品製品である。
【0035】
一実施形態では、上流気体注入器によってペースト状製品に導入される気体が、空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0036】
一実施形態では、第2製品が、空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、液体チョコレート、液体キャラメル、フルーツクーリ、フレーバーソース、及びこれらの組み合わせから選択される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施形態による装置の概略断面図である。
図2】本発明の別の実施形態による装置の概略断面図である。
図3】本発明の更に別の実施形態による装置の概略断面図である。
図4】本発明の更に別の実施形態による装置の概略断面図である。
図5】本発明で使用され得る入口モジュールの概略断面図である。
図6】本発明で使用され得る入口モジュールの概略断面図である。
図7】本発明で使用され得る出口モジュールの概略断面図である。
図8】本発明で使用され得る出口モジュールの概略断面図である。
図9】本発明で使用され得る中間モジュールの概略断面図である。
図10】本発明で使用され得る中間モジュールの概略断面図である。
図11】本発明で使用され得る中間モジュールの概略断面図である。
図12】本発明で使用され得る中間モジュールの概略断面図である。
図13】本発明で使用され得る中間モジュールの概略断面図である。
図14】本発明で使用され得る、モジュール間の組立インターフェースの例示的実施形態である。
図15】本発明で使用され得る、モジュール間の組立インターフェースの例示的実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明及びその利点の完全な理解のため、以下における発明を実施するための形態を参照する。
【0039】
本発明の様々な実施形態は、本発明の他の実施形態と組み合わせることができ、本発明を作製及び使用する特定の方法を例示するものに過ぎず、請求項及び以下の詳細な説明と共に考慮するにあたり、本発明の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0040】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は包括的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【0041】
以下の実施例を参照して本発明を更に説明する。特許請求の範囲に記載された本発明は、これらの実施例により決して限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態によるペースト状製品をエアレーションするための装置の概略断面図である。
【0043】
ペースト状製品をエアレーションするための図示された装置は、2つのロータ及びステータのセット21、22を収容したハウジング1を備える。図示された実施形態では、ハウジング1は、ほぼ管状の形態を有する。ハウジング1は、長手方向に延びている。
【0044】
ロータ及びステータのセットである21、22は、中央の長手方向軸線Aに沿って長手方向に延びている中央駆動シャフト3に沿って直列に並んでいる。
【0045】
ロータ及びステータのセットである21、22のそれぞれは、ロータ及び対応するステータを備える。ロータは、駆動シャフト3に結合されており、シャフト3に結合されたモータ駆動装置(図示せず)によって駆動シャフト3の長手方向軸線の周りで回転駆動される。モータ駆動装置は、駆動シャフト3に直接又は間接的に結合することができる。回転方向は、駆動シャフト3の回転軸線(長手方向軸線Aに相当する)を中心に時計回り又は反時計回りとすることができる。駆動シャフト3の典型的な回転速度は、50RPM~1500RPMまで様々とすることができる。
【0046】
図示された実施形態では、ステータは、本発明の図示された実施形態において円筒形状を有するハウジング1の内壁に結合されている。
【0047】
ロータは1つ以上の歯付きリムを有し、この歯付きリムは、軸方向に対向するステータの相補的な歯付きリムと協働する。
【0048】
図1に示された実施形態では、ペースト状製品をエアレーションするための装置には、2つのロータ及びステータのセット21、22、すなわち第1のロータ及びステータのセット21と、第2のロータ及びステータのセット22とが備えられている。第1のロータ及びステータのセット21は、製品入口4からエアレーション済み製品出口5までの本装置における製品の流れの大まかな方向に関して、第2のロータ及びステータのセット22の上流にある。
【0049】
この実施形態では、本装置は、入口カバー又は入口モジュール11に設けられた製品入口4を有する。製品入口4は、製品供給ライン(図示せず)からエアレーションするペースト状(例えば、液体又は半液体)製品の流れを受容するように構成されている。図示された実施形態では、この製品入口は、入口カバーの中央に、長手方向軸線Aに沿って配置されている。ポンプ(図示せず)を使用して、液体又は半液体製品を本装置に注入して、一連のロータ及びステータのセット21、22に通すことができる。
【0050】
気体注入器6は、圧力下で気体を本装置に導入するために、入口カバーに配置されている。
【0051】
一般的に、気体は、約0.5bar~約10barの範囲に加圧されて混合装置内に注入され得る。気体注入器の出口先端部61は、第1のロータ及びステータのセット21の上流の空間内に配置されている。気体注入は、第1のロータ及びステータのセット21の近傍で実施することができる。
【0052】
気体注入器6の位置は、例えば、ペースト状製品の流れの中に規則的かつ均一な気泡を生成するために、ペースト状製品の流れへの気体の効率的な取り込みをもたらすのに重要である。
【0053】
気体注入器6は、その中心軸線を、本装置(及び/又は製品入口)の長手方向軸線Aに平行にして、又は本装置の長手方向軸線Aに対して10°~約85°の角度で傾斜して、配置することができる。気体注入器6の中心軸線の傾斜により、第1のロータ及びステータのセット21の歯に対する注入気体の流れを最適化することが可能になる。気体注入器先端部の位置は、加えられる剪断力及び切断力の良好な制御をもたらし、製品の流れにおける気体ポケットの形成を回避する。
【0054】
気体注入器6によって圧力下で本装置に入った気体は、第1のロータ及びステータのセット21の歯付きリムに流れ、第1の歯付きロータ及びステータのセットによってもたらされる高剪断力及び切断力を直接受ける。ロータ及びステータのセット21、22それぞれにおけるロータの回転は、ロータ歯とステータ歯との間の剪断ギャップを通して製品の流れ及び気泡を外向きに送り込み、局所的な高剪断状態を作り出す。ロータ歯とステータ歯との間の、製品が流れる剪断ギャップにおいて製品の流れに及ぼされる高剪断力は、製品の流れの均質化及び小気泡を伴う製品の均質なエアレーションの生成をもたらす。
【0055】
本装置は、第1のロータ及びステータのセットと第2のロータ及びステータのセットとの間でハウジング内に設けられた中間混合チャンバ7を更に備える。混合チャンバ7は、ロータ及びステータのセットの間に位置するハウジング1内部の空き容積部(すなわち、流体注入器以外の機械部品のない容積部)である。混合チャンバ7は、1つのロータ及びステータのセットの下流であり、かつ次の(下流側にある)のロータ及びステータのセットの前の製品の流れを均質化することを可能にする。混合チャンバ7は、エアレーションされた製品の膨張及び安定化に寄与する。混合チャンバ7は、上流の1つのロータ及びステータのセットの面と、下流の1つのロータ及びステータのセットの面と、これらの上流の1セットと下流の1セットとの間にあるハウジングの壁と、これらの上流の1セットと下流の1セットとの間に位置する駆動シャフト3の表面31とによって画定される空き容積部とすることができる。図1に示された実施形態では、混合チャンバ7が、(上流のセットとしての)第1のロータ及びステータのセット21と(下流のセットとしての)第2のロータ及びステータのセット22との間に設けられている。
【0056】
本発明の図示された実施形態では、本装置は、混合チャンバ7に第2製品を導入するための流体注入器8を備える第2製品導入手段を更に備える。
【0057】
前述したように、第2製品は、液体、半液体、気体、又はこれらの任意の組み合わせであってよい。第2製品は、特に、食品製品への注入後に例えば冷却されるとすぐに固化する液体又は半液体組成物であってもよい。例えば、本装置内を流れるペースト状製品は、低温に維持されてもよい。第2製品は、ペースト状製品の温度よりも高い温度の、溶融チョコレート組成物又は液体キャラメル組成物であってもよい。温度の差によって、追加された組成物は、ペースト状製品への注入後すぐに冷める。これにより、第2製品の粘度は増加し、又は更に第2製品は固化する。
【0058】
第2製品の物理的性質に応じて、流体注入器8は、例えば、気体注入器、又は第2ペースト状製品入口であってもよい。第2製品導入手段は、第2ペースト状製品を都合良く送達するのに十分な直径とその端部における開口切断面とを有する管を含み得る。
【0059】
流体注入器8(又は他の第2製品導入手段)は、上記混合チャンバ7内へ放出を行うように混合チャンバ7内に突出するように構成されている。このようにして、第2製品は、混合チャンバ7内部で、(混合チャンバ7内部での流体注入器8の突出に応じて)駆動シャフト3から所望の距離で、ペースト状製品の流れに導入され得る。このように、混合チャンバ7を横切る駆動シャフト3の近くに、すなわち可能な限り混合チャンバ7の中心近くに、第2製品を導入することが望ましい場合もある。
【0060】
第2製品導入手段は、例えば、中間混合チャンバ7内に延びており、中間混合チャンバ7の半径(ただし、混合チャンバ7が、円筒形状などの回転表面によって画定される形状である場合)に沿った、シャフト3の外面31とハウジング1の内壁111との間の距離の10%~95%の距離だけシャフト3の外面31から離れて、第2製品を注入することができる。この距離は、ペースト状製品、第2製品、及び本装置の構成に応じて適合させることができる。例えば、第2製品導入手段は、中間混合チャンバ7内に延びており、上記距離の20%~70%、又は上記距離の25%~50%の距離だけシャフト3の外面から離れて第2製品を注入することができる。
【0061】
第2製品は、ロータの歯付きリムのすぐ前方には導入されない。第2製品は、ハウジング1の内壁111に沿ったペースト状製品の流れの表面だけでなく、本装置内のエアレーションされたペースト状製品の流れの厚い部分にも導入されるため、エアレーションされたペースト状製品に第2製品を均一に混ぜ込むことができる。第2製品は、エアレーションされたペースト状製品に導入された後に、上記エアレーションされたペースト状製品によって直ちに包囲される。第2製品がペースト状製品流に導入された後に(部分的に又は完全に)固化する場合、又は、より一般的には、ペースト状製品への導入後にその物理的特性が変化する場合には、この特性の変化は、上記第2製品をペースト状製品流の厚い部分に導入し、導入された第2製品が第2のロータ及びステータのセット22に到達するまでの移動時間を増加することによって強化される。
【0062】
ハウジング1は、混合された第2製品を含むエアレーションされた製品ための製品出口5を備える。好ましくは、製品出口5の下流の製品の流れには背圧レギュレータ(図示せず)が設けられている。いくつかの実施形態では、背圧レギュレータは、メンブレン背圧弁の形式であり、例えば、二重メンブレン背圧弁である。しかしながら、他にも適した背圧レギュレータシステムが想定される。都合が良いことに、背圧レギュレータは、混合チャンバ7内の圧力を制御し、混合装置を通る製品の安定した流れを確保することを可能にする。
【0063】
図2は、本発明の代替的実施形態による装置の概略断面図である。図2の実施形態は、3つのロータ及びステータのセット21、22、23並びに別のハウジング構成を備える点で図1の実施形態とは異なる。
【0064】
図示された例示的実施形態では、第3のロータ及びステータのセット23は、第1のロータ及びステータのセット21の上流に設けられている。これらのロータ及びステータのセット21、22、23の数、位置、及びパラメータ(歯の形態、サイズ、及び数)は、ペースト状製品、導入される第2製品、及び所望の最終エアレーション済み製品の所望の特性に適合される。
【0065】
本装置のハウジング1に関して、図2(及び以下に説明される図3)に示された変形実施形態は、モジュール式構造に基づいている。図2の装置のハウジング1は、入口モジュール11、中間ハウジングモジュール12、及び出口モジュール13を備える。
【0066】
入口モジュール11は、製品入口4及び気体注入器6を備える。中間ハウジングモジュール12は、第1のロータ及びステータのセット21と第2のロータ及びステータのセット22との間に中間混合チャンバ7を形成するように構成されている。出口モジュール13は、製品出口5の開口部を備える。図示された実施形態では、出口モジュール13はまた、駆動シャフト3がハウジング1に入るための穴を備える。
【0067】
中間ハウジングモジュール12は、1つ、2つ、又は3つのロータ及びステータのセットを受容するように構成することができる。図2の図示された実施形態では、中間ハウジングモジュール12は、3つのロータ及びステータのセットを受容するように構成されている。ハウジングの中間モジュールは、その長手方向において内側環状段部121を備えてもよい。この環状段部121は、その上流及び下流にロータ及びステータのセットのための場所を画定する。図示された実施形態では、中間ハウジングモジュール12内では、2つのセットを環状段部121の上流に配置することができ、1つのセットを環状段部121の下流に配置することができる。
【0068】
環状段部121はまた、隣接するロータ及びステータのセットのステータを適所に維持するのに役立ち得る。環状段部121はまた、ハウジングへの密閉を強化し、ロータ及びステータのセットの周辺に製品の流れが形成されるのを回避することができる。この密閉をもたらすために、Oリングが、段部121と隣接するロータ及びステータのセットとの間に配置されてもよい。
【0069】
環状段部の機能は、スペーサリング9(図1の実施形態では図示せず、図2及び図3のスペーサリング9に相当する)によって得ることができ、このスペーサリング9は、ハウジング1の内側にぴったり合う適切な直径と、隣接するロータ及びステータのセットを長手方向において維持し、スペーサリングと上記隣接するロータ及びステータのセットとの間にOリングを収容するように適合された厚さと、を有する。スペーサリングが、2つのロータ及びステータのセットの間に中間チャンバを形成するために使用される場合、スペーサリングは、流体注入器がリングを通過することを可能にする穴又は長手方向の溝などの特徴を備えてもよい。
【0070】
出口モジュール13は、追加されたロータ及びステータのセットを受容するように構成されている。しかしながら、図示された実施形態では、1つのロータ及びステータのセットの代わりに、スペーサリング9が使用されている。このようなスペーサリング9を任意の1つのロータ及びステータのセットの代わりに使用して、上記のロータ及びステータのセットを本装置内に機械的に保持することができる。
【0071】
本発明の図示された実施形態では、環状段部121が、本装置の中間混合チャンバ7を画定している。より具体的には、環状段部121は、中間混合チャンバ7の壁111を画定している。これにより、中間混合チャンバ7は、ロータの直径よりも小さい直径を有する、長手方向軸線Aを中心とする円筒形状を有する。図示された実施形態では、中間混合チャンバ7は、1つのロータ及びステータのセットの長さとほぼ等しい長さを有する。しかしながら、中間混合チャンバ7の長さは、より短くても、又はより長くてもよい。
【0072】
図3は、本発明の更に別の代替的実施形態による装置の概略断面図である。図2に示された実施形態と比較して、ハウジング1は、2つの中間ハウジングモジュール12’、12’’を備える。第1の中間ハウジングモジュール12’は、第3及び第1のロータ及びステータのセット23、21を受容し、第2の中間ハウジングモジュールは、第2、第4、及び第5のロータ及びステータのセット22、24、25を受容している。図2の実施形態と同様に、スペーサリング9が出口モジュール内に設けられている。
【0073】
図3に示した本発明の実施形態は、2つの中間混合チャンバ、すなわち、第1及び第2のロータ及びステータのセット21、22の間の第1の中間混合チャンバ7’と、第4及び第5のロータ及びステータのセット24、25の間の第2の中間混合チャンバ7’’と、を備える。第1の流体注入器8’は、第1の第2製品を第1の中間混合チャンバ7に導入するように構成され、第2の流体注入器8’’は、第2の第2製品を第2の中間混合チャンバ7’’に導入するように構成されている。第1及び第2の第2製品は、同じであってもよいし、又はそうでなくてもよい。それらは、同じ種類(気体、液体、半液体など)であってもよいし、又はそうでなくてもよい。本装置は、第1及び第2の第2製品を同時に又は順次導入するように構成することができる。
【0074】
より一般には、ロータ及びステータのセットの様々な構成を使用して、図示された実施形態及び他の可能な実施形態に相当する本発明の様々な実施形態による装置を形成することができる。
【0075】
本発明の全ての実施形態では、ロータ及びステータのセットのそれぞれは、2列以上のロータ及びステータ歯を備えていてもよい。ロータ-ステータのそれぞれの段階で、ロータ及びステータの歯列の数は、混合装置に沿ってばらついてもよい。特定の実施形態では、全ロータ-ステータ段階のロータ及びステータが、同じ数の歯列を有する。様々な実施形態では、少なくとも1つのロータ及びステータのセットが、2列のロータ-ステータの歯、3列のロータ-ステータの歯、又は4列のロータ-ステータの歯を備える。
【0076】
ロータ歯の数、幅、及び/又は間隔は、特定の1つのロータ及びステータのセットの特定の1つのロータの複数の歯列同士の間でばらつくことがある。好ましい実施形態では、歯の間隔は、特定の1つのロータではほぼ同じである。ステータの歯の数、幅、及び/又は間隔は、エアレーションする製品に応じて、特定の1つのステータの歯列同士の間でばらつくことがある。好ましい実施形態では、歯の間隔は、同じステータ上ではほぼ同じである。特定の1つのロータ及びステータのセットの、ロータ及びステータの相補的な、軸方向に対向する歯同士は、対応する歯の数、幅、及び間隔を有してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、複数のロータが少なくとも10個のロータ歯を備え、ロータ歯は、各ロータの周囲に周方向に間隔を空けて配置される。
【0078】
複数のロータ及びステータのセットの歯の構成及び駆動シャフト3の回転速度は、本装置内の製品流路に沿って剪断速度を変化させるように適合されてもよい。例えば、剪断速度は、ロータの速度に比例し、ロータ/ステータのギャップ幅に反比例し、同じ列の2つの歯の間の角測距離に反比例して変化する。ロータ/ステータのギャップ幅とは、ロータの歯列と隣接するステータの歯列との間の径方向の距離である。
【0079】
中空ジャケット(図示せず)が、ハウジング1の周囲に設けられてもよい。ジャケット及びハウジングは、冷却用流体又は加熱用流体の循環のための空間を画定する。ジャケットの使用により、エアレーションする製品を所望の温度に維持することが可能になる。いくつかの実施形態では、本装置を通って流れる製品の冷却された温度を維持するために、冷却用流体がジャケット内で循環される。冷却用流体が循環することによって、混合装置の内部における回転速度によって生じる熱エネルギーが取り込まれるのを防ぐことができる。有利なことに、これによって、製品中のエアレーションの程度及び安定性を維持することができる。冷却用又は加熱用のあらゆる流体を想定することができる。冷却用流体の例には、低温の空気又は水が含まれる。
【0080】
冷却用流体又は加熱用流体の温度は、エアレーションする製品及びその製品の所望のエアレーション特性に応じて適合させることができる。
【0081】
図4は、本発明の一実施形態によるペースト状製品をエアレーションするための装置の概略断面図である。
【0082】
ペースト状の製品をエアレーションするための図示された装置はハウジング100を備え、このハウジング100には、5つのロータ及びステータのセット、すなわち、第1のロータ及びステータのセット21、第2のロータ及びステータのセット22、第3のロータ及びステータのセット23、第4のロータ及びステータのセット24、並びに第5のロータ及びステータのセット25が収容されている。図示された実施形態では、ハウジング100は長手方向に延びている。
【0083】
図4の図示された実施形態では、5つのロータ及びステータのセット21、22、23、24、25は、本装置のハウジング100の長手方向に延びている長手方向軸線Aに沿って直列に並んでいる。第1のロータ及びステータのセット21は、製品入口4からエアレーション済み製品出口5までの本装置における製品の流れの大まかな方向に関して、第3のロータ及びステータのセット23などの上流にある第2のロータ及びステータのセット22の上流にある。
【0084】
ロータ及びステータのセット21、22、23、24、25のそれぞれは、ロータ及び対応するステータを含む。
【0085】
図示された実施形態では、ステータは、本発明の図示された実施形態において円筒形状を有するハウジング100の内壁に結合されている。
【0086】
ロータは1つ以上の歯付きリムを有し、この歯付きリムは、軸方向に対向するステータの相補的な歯付きリムと協働する。それぞれのロータは、駆動シャフトに結合されており、駆動シャフトは、ロータを回転駆動する。図示された例示的な実施形態では、第1、第2、及び第3のロータ及びステータのセット21、22、23は、第1の駆動シャフト31に結合(すなわち、それらのロータが結合)されている。第4及び第5のロータ及びステータのセット24、25は、第2の駆動シャフト32に結合されている。
【0087】
上記ロータ及びステータのセット21、22、23、24、25は2つのシャフトに分散されるため、各シャフトの長さは、同じ数のロータ及びステータのセットが単一のシャフトに結合された装置と比較して減少する。これにより、各シャフト31、32に加えられる力が低減され、特に、シャフトを屈曲させることもあるシャフト軸受(例えば、シャフトがハウジング100に入る部分)にかかるモーメントが制限される。
【0088】
図4の図示された実施形態では、第1のシャフト31及び第2のシャフト32は、同軸であり、長手方向軸線Aと一直線に並んでいる。
【0089】
2つのシャフトは、一直線に並んでもよいし、又はそうでなくてもよいため、多くの装置構成が可能である。「L」状(直角をなす2つのシャフトを有する)又は「U」状(平行な2つのシャフトを有する)の概略構成を有する装置が提供されてもよい。
【0090】
好ましくは、本装置は、第1のシャフト及び第2のシャフトを異なる回転速度で、かつ/又は反対方向に駆動するように構成されている。これは、様々な機構又は構成によって行うことができる。本発明の一実施形態では、第1の駆動シャフト31の駆動及び第2の駆動シャフト32の駆動は独立している。これを達成するために、第1の駆動シャフトは、第1の駆動モータによって(直接又は変速機構を介して)回転駆動されることができ、第2の駆動シャフトは、第2の駆動モータによって(直接又は変速機構を介して)回転駆動されることができる。第1駆動モータ及び第2駆動モータは、独立して制御されることができる。本発明の別の実施形態では、第1及び第2のシャフト31、32を異なる速度で、かつ/又は反対方向に駆動することは、単一の駆動モータと第1のシャフト31及び第2のシャフト32それぞれとの間の異なる変速機システムによって得ることができる。
【0091】
本発明で使用され得る変速機システムは、駆動チェーン又はベルト、ギアアセンブリ又は歯車列(減速機付き又は減速機なし)、及び駆動モータの回転速度又は回転方向を変化させることができる任意の他の既知の変速機システムを含む。
【0092】
これにより、本装置内を流れるペースト状製品の流れに対して別個の機能又は効果を有する、第1のシャフト31に結合されたロータ及びステータのセット、並びに第2のシャフト32に結合されたロータ及びステータのセットを提供することが可能になる。例えば、第1のシャフト31は、高回転速度で駆動することができ、気体が第1のシャフト31によって駆動されるロータの上流に導入され、小気泡を伴う高度にエアレーションされたムースを形成することができ、一方、第2のシャフト32は低回転速度で駆動することができ、第1の駆動部31に結合されたロータ及びステータのセットと、第2の駆動部32に結合されたロータ及びステータのセットとの間に導入又は形成された固体混入物を、これらの混入物を粉砕することなくムースに混ぜ込むことができる。第2のシャフト32に結合されたセットによって行われる混合は、シャフト同士を反対方向に駆動することによって強化することができる。駆動シャフト31、32の典型的な回転速度は、50RPM~1500RPMまで様々とすることができる。例えば、ペースト状製品を気体で泡立てて小さな気泡を有するムースを形成するために、高い回転速度を選択することができる。低回転速度は、均質的か否かに関わらず、第2製品(流体、半液体、又は固体片)を混合するために選択することができる。低回転速度での混合は、第2製品が混ぜ込まれるベース製品の特性を変えない(例えば、ムースの食感を変えない)、又は第2製品の特性を変えない(例えば、固体片を粉砕しない)。
【0093】
ロータ及びステータのセットそれぞれの歯のサイズは、所望の効果に応じて、ロータの(すなわち、対応する駆動シャフトの)回転速度と組み合わせて選択することができる。例えば、(好ましくは、高回転速度と組み合わせて)小さな歯を使用して製品中に小気泡を形成することができ、(好ましくは、低回転速度と組み合わせて)大きな歯を使用して固体混入物を破壊しないようにすることができる。
【0094】
上記のロータ及びステータのセット21、22、23、24、25の歯の構成及び対応する駆動シャフト31、32の回転速度は、本装置内の製品流路に沿って剪断速度を変化させるように適合されてもよい。例えば、剪断速度は、ロータの速度に比例し、ロータ/ステータのギャップ幅に反比例し、同じ列の2つの歯の間の角測距離に反比例して変化する。ロータ/ステータのギャップ幅とは、ロータの歯列と隣接するステータの歯列との間の径方向の距離である。
【0095】
図4の図示された実施形態では、本装置は、ハウジング100の第1のハウジング部41を形成する入口モジュールに設けられた製品入口4を有する。製品入口4は、製品供給ライン(図示せず)からエアレーションされるペースト状(例えば、液体又は半液体)製品の流れを受容するように構成されている。ポンプ(図示せず)を使用して、液体又は半液体製品を本装置に注入して、一連のロータ及びステータのセット21、22、23、24、25を通すことができる。
【0096】
図4の図示された実施形態では、製品入口は、長手方向軸線Aに対してほぼ直角である。他の変形実施形態では、製品入口は、長手方向軸線Aに対して鋭角をなしてもよい。第1のシャフト31は、長手方向軸線Aに沿ってハウジング100の端部に形成された穴を経由して入口モジュールに入るため、製品入口は、好ましくは、入口モジュールの外周側に配置される。
【0097】
製品入口は、入口チャンバ42に開口していてもよい。入口チャンバ42は、本質的に、第1のロータ及びステータのセット21の上流の入口モジュール内に位置する、気体注入器6以外の機械部品がない容積部からなる。
【0098】
気体注入器6は、圧力下で気体を本装置に導入するために、入口モジュールに配置される。気体注入器は、気体(例えば、空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、又はこれらの組み合わせ)を入口チャンバに注入することができる。したがって、気体注入器の出口先端部61は、入口チャンバ内に配置される。一般的に、気体は、約0.5bar~約10barの範囲に加圧されて混合装置内に注入され得る。
【0099】
気体注入器6の位置は、例えば、ペースト状製品流中に規則的かつ均一な気泡を生成するために、ペースト状製品流への気体の効率的な取り込みをもたらすのに重要である。気体注入器6は、多くの位置及び向きで使用することができる。気体注入器6の位置及び向きの選択により、第1のロータ及びステータのセット21の歯に対する注入気体の流れを最適化することが可能になる。気体注入器先端部の位置は、加えられる剪断力及び切断力の良好な制御をもたらし、製品の流れにおける気体ポケットの形成を回避する。
【0100】
気体注入器6によって圧力下で本装置に入った気体は、第1のロータ及びステータのセット21の歯付きリムに流れ、第1の歯付きロータ及びステータのセットによってもたらされる高剪断力及び切断力を受ける。ロータ及びステータのセット21、22それぞれにおけるロータの回転は、ロータ歯とステータ歯との間の剪断ギャップを通して製品の流れ及び気泡を外向きに送り込み、局所的な高剪断状態を作り出す。ロータ歯とステータ歯との間の、流体が流れる剪断ギャップにおいて製品の流れに及ぼされる高剪断力は、製品流の均質化及び小気泡を伴う製品の均質なエアレーションの生成をもたらす。
【0101】
ハウジング100は、混合された第2流体を含むエアレーションされた製品ための製品出口5を備える。製品出口は、ハウジング100の第2のハウジング部51を形成する出口モジュールに設けられる。好ましくは、製品出口5の下流の製品の流れには背圧レギュレータ(図示せず)が設けられている。いくつかの実施形態では、背圧レギュレータは、メンブレン背圧弁の形式であり、例えば、二重メンブレン背圧弁である。しかしながら、他の適した背圧レギュレータシステムが設けられても良い。都合が良いことに、背圧レギュレータは、混合チャンバ70内の圧力を制御し、混合装置を通る製品の安定した流れを確保することを可能にする。
【0102】
図4の図示された実施例では、第1のハウジング部41及び第2のハウジング部51は、第1のハウジング部41によって形成された入口モジュールが、気体注入器6を受容するように適合されていることを除いて、同様の形状を有する。いくつかの実施形態では、同一のモジュールを第1のハウジング部41及び第2のハウジング部51として使用してもよい。例えば、入口モジュールには、入口モジュールの壁のうちの1つの壁を通る、気体注入器を配置することができるテーパ状穴を設けることができ、一方、出口モジュールの場合、テーパ状穴に閉鎖ねじを配置して穴を密閉することができる。
【0103】
図示された実施形態では、製品出口は、長手方向軸線Aに対してほぼ直角である。他の変形実施形態では、製品出口は、長手方向軸線Aに対して鋭角をなしてもよい。第2のシャフト32は、長手方向軸線Aに沿ってハウジング100の端部に形成された穴を経由して出口モジュールに入るため、製品出口5は、好ましくは、入口モジュールの外周側に配置される。
【0104】
製品出口は、出口チャンバ52に開口していてもよい。出口チャンバ52は、本質的に、最後のロータ及びステータのセット21の下流の出口モジュール内に位置する、機械部品のない容積部からなる。
【0105】
第1、第2、及び第3のロータ及びステータのセット21、22、23並びに第1の駆動シャフト31は、第1のハウジング部41に収容されている。第4及び第5のロータ及びステータのセット24、25並びに第2の駆動シャフト32は、第2のハウジング部51に収容されている。第1のハウジング部41及び第2のハウジング部51は両方とも、最大3つのロータ及びステータのセットを受容するように適合されている。1つ又は2つのロータ及びステータのセットだけが第1のハウジング部又は第2のハウジング部に設けられる場合、スペーサリング9が、1つのセットの代わりに提供されてもよい。
【0106】
スペーサリング9は、ハウジング100の内側にぴったり合う適切な直径と、隣接するロータ及びステータのセットを長手方向において維持するように、またスペーサリングと上記隣接するロータ及びステータ(又はハウジングの壁)のセットとの間にOリング91を収容するように適合された厚さとを有する。
【0107】
図4の図示された例のように、スペーサリング9を使用して、(例えば、製品の移動時間を増加させて第2製品との混合を強化する、かつ/又は1つのロータ及びステータのセットの後の乱流を平滑化するために)2つのロータ及びステータのセットの間に空きチャンバを形成することができる。
【0108】
また、図示された装置は、第3及び第4のロータ及びステータのセットの間に、又は、換言すると、第1のハウジング部41と第2のハウジング部51との間に、中間チャンバ70を形成する中間ハウジング部71を備える。中間チャンバ70は、ある1つのロータ及びステータのセットの下流かつ次の(下流の)1つのロータ及びステータのセットの前の製品の流れを均質化することを可能にする。中間チャンバ70は、エアレーションされた製品の膨張及び安定化に寄与することができる。
【0109】
中間チャンバ70は、ハウジング100内部の空き容積部であり、すなわち、気体、流体、又は半液体の第2製品用の第2製品注入器などの少なくとも1つの第2製品導入手段80以外の機械部品のない容積部である。半液体製品又は固体片の場合、第2製品導入手段80は、第2製品を都合良く送達するのに十分な直径と端部における開口切断面とを有する管を含み得る。
【0110】
前述したように、第2製品は、液体、半液体、気体、固体片、又はこれらの任意の組み合わせであってよい。第2製品は、特に、食品製品への注入後に例えば冷却されるとすぐに固化する液体又は半液体組成物であってもよい。例えば、本装置内を流れるペースト状製品は、低温に維持されてもよい。第2流体は、ペースト状製品の温度よりも高い温度の、溶融チョコレート組成物又は液体キャラメル組成物であってもよい。温度の差によって、追加された組成物は、ペースト状製品への注入後すぐに冷める。これにより、第2流体の粘度は増加し、又は更に第2流体は固化する。
【0111】
第2製品導入手段80は、中間チャンバ70内へ放出を行うように上記中間チャンバ70内に突出するように構成されている。このようにして、第2製品は、中間チャンバ70の内部で(エアレーションされた)ペースト状製品の流れに導入され得る。このように、長手方向軸線Aの近くに、すなわち可能な限り中間チャンバ70の中心近くに、第2製品を導入することが望ましい場合もある。第2流体は、ハウジング100の内壁111に沿ったペースト状製品の流れの表面だけでなく、本装置内のエアレーションされたペースト状製品の流れに深く導入されるため、エアレーションされたペースト状製品に第2製品を均一に混ぜ込むことができる。第2製品がペースト状製品の流れに導入された後に(部分的に又は完全に)固化する場合、又は、より一般的には、ペースト状製品への導入後にその物理的特性が変化する場合には、この特性の変化は、上記第2流体をペースト状製品の流れに深く導入し、導入された第2流体が第4のロータ及びステータのセット24に到達するまでの移動時間を増加することによって強化される。
【0112】
図4の図示された実施形態では、本装置は2つの第2製品導入手段80を備える。複数の第2製品導入手段は、エアレーションされたペースト状製品における第2製品の良好な初期分布をもたらす。
【0113】
中空ジャケット(図示せず)が、ハウジング100の周囲に設けられてもよい。ジャケット及びハウジングは、冷却用流体又は加熱用流体の循環のための空間を画定する。ジャケットの使用により、エアレーションする製品を所望の温度に維持することが可能になる。いくつかの実施形態では、本装置を通って流れる製品の冷却された温度を維持するために、冷却用流体がジャケット内で循環される。冷却用流体が循環することによって、混合装置の内部における回転速度によって生じる熱エネルギーが取り込まれるのを防ぐことができる。有利なことに、これによって、製品中のエアレーションの程度及び安定性を維持することができる。冷却用又は加熱用のあらゆる流体を想定することができる。冷却用流体の例には、低温の空気又は水が含まれる。冷却用流体又は加熱用流体の温度は、エアレーションする製品及びその製品の所望のエアレーション特性に応じて適合させることができる。
【0114】
図1図2図3及び図4に例として示されるように、本発明の様々な実施形態による装置では、ロータ及びステータのセットの様々な構成並びにハウジングの様々な構成を使用することができる。いくつかの実施形態では、Oリング91を使用して、装置のいくつかの部品間に封止部を設けることができる。Oリング91を使用して、ハウジングを形成するモジュールに封止部を提供し、本装置外への製品の漏れを回避することができる。Oリング91はまた、以下に説明するように、ロータ及びステータのセットとハウジングの内部部品との間、及びシャフト3とロータ及びステータのセットとの間で使用することができる。
【0115】
ロータ/ステータ歯の数、幅及び/又は間隔は、混合装置内のロータ及びステータのセット相互の間でばらつくことがある。いくつかの実施形態では、ロータ及びステータのセットのそれぞれは、ほぼ同じ数、幅及び/又は間隔のロータ/ステータ歯を有する。ロータ及びステータのセットのそれぞれの歯付きリムの外径は、ほぼ同じとすることができる。ロータ及びステータのセットのそれぞれの歯付きリムの内径は、ほぼ同じとすることができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、ロータ及びステータのセットのそれぞれは、取り外し可能かつ互換可能であり、柔軟性を提供する。したがって、例えば、エアレーションする食品製品の特性及び所望のエアレーション結果に応じて、混合装置内のロータ及びステータのセットごとに、ロータ-ステータの歯付きリムの様々な数、幅、及び間隔の歯を所望のように変更することができる。
【0117】
いくつかの実施形態によれば、複数のロータ及びステータのセットは、全て同じ直径を有してもよいし、又は別々の直径を有してもよい。例えば、全てのロータ及びステータのセットが同じ直径を有し一直線に並んだ構成により、混合装置に沿って加えられる剪断力及び切断力を制御することが可能になり、本装置を通してほぼ一定の製品流量が提供される。
【0118】
対照的に、複数のロータ及びステータのセットが円錐状かつ半径方向に段違いの構成では、それぞれのセットは、すぐ上流のセットよりも大きい又は小さい直径を有し、本装置内部の製品流の速度の変動を生じる。本発明による装置の利点は、最終製品の「後期の差別化」を提供することである。例えば、数種類の最終製品のために、同じ食品母材をペースト状製品として本装置に導入することができる。気体が、気体注入器1を通って食品母材に注入される。次いで、第2製品が、流体注入器8(又は他の第2製品導入手段(例えば、第2製品導入手段80))を通して、泡立てられた食品母材に注入される。導入される第2製品を変更することによって、最終製品を容易に変更することができる。図5及び図6は、本発明による装置を形成するために本発明で使用され得る入口モジュールの概略断面図である。
【0119】
図5は、入口モジュール11を表す。入口モジュールは、製品入口4及び気体注入器6を備える。入口モジュール11は、軸線Aの周りの回転体の概略形状を有する。
【0120】
製品入口4は、製品供給ラインからエアレーションされるペースト状(例えば、液体又は半液体)製品の流れを受容するように構成されている。製品入口4には、例えば、製品供給ラインを上記製品入口4にねじ止めして密閉するように、タッピング130が備えられている。
【0121】
図5の実施形態では、製品入口は、軸線Aに沿って入口カバーの中心に配置されている。これにより、入口モジュール11内(ひいては入口モジュール11を含む混合装置内)への大きな入口開口部を設けることが可能となる。本装置へのベース製品の導入は、本装置への製品の流れと同じ方向で実行することができる。開口部が大きくかつ製品の流れの方向の変化がないと、ヘッドロスの発生が非常に少ない。ただし、シャフト(本装置内を流れる製品を泡立て又は混合するためのロータ及びステータのセットのロータを駆動するために本装置で使用される)は、主軸線Aに沿って入口モジュールを通して導入することはできない。詳細に前述した図1図3の装置など、図5の入口モジュール11を使用する混合装置では、駆動シャフトは、本装置のもう一方の端部を経由して、すなわち出口モジュールを経由して、本装置に入る必要がある(ただし、本装置が軸線Aに沿って長手構造を有する場合)。
【0122】
図5の入口モジュール11は、短い長さ(軸Aに沿った寸法)を有し、カバーとして見なされ得る。入口モジュールによって形成されるハウジング部140は、気体注入器が入口モジュールの外形を出ることなく本装置内に突出するのに十分な内部空き空間のみを提供する。
【0123】
気体注入器6の位置は、例えば、ペースト状製品の流れの中に規則的かつ均一な気泡を生成するために、ペースト状製品の流れへの気体の効率的な取り込みをもたらすのに重要である。
【0124】
気体注入器6は、その中心軸線を、本装置(及び/又は製品入口)の軸線Aに平行にして、又は(図5のように)、軸線Aに対して10°~約85°の角度で傾斜して、配置することができる。気体注入器6の中心軸線の傾斜により、入口モジュール11を含む混合装置の第1のロータ及びステータのセットの歯に対する注入気体の流れを最適化することが可能になる。気体注入器先端部の位置は、加えられる剪断力及び切断力の良好な制御をもたらし、製品の流れにおける気体ポケットの形成を回避する。
【0125】
入口モジュールには、任意の中間モジュールの対応するインターフェースに取り付けられるように構成された組立インターフェース89が備えられる。「対応する」とは、それらのインターフェースが互いに取り付けられるように構成されていることを意味する。それらのインターフェースは同一であってもよい。本発明で使用され得る組立インターフェースの例示的実施形態を、以下に図14及び図15を参照してより詳細に説明する。
【0126】
図5の入口モジュール1の組立インターフェースは、カラー81からなり、このカラー81は、入口モジュールと一体であり、入口モジュールのインターフェース面82の外周で軸線Aに対して垂直に延びている。カラー81は、中間モジュールの(同じ形状を有する)インターフェースと接触するように配置されることができ、このインターフェースに対して締め付けられることができる、平坦な環状インターフェースを形成している。任意選択の封止部(例えば、Oリング)が、インターフェース面同士の間に配置されてもよい。
【0127】
図6は、入口モジュール11’を表す。入口モジュール11’は、図5の入口モジュールと同様に、製品入口4及び気体注入器6を備える。
【0128】
製品入口4は、製品供給ラインからエアレーションされるペースト状(例えば、液体又は半液体)製品の流れを受容するように構成されている。製品入口4には、例えば、製品供給ラインを上記製品入口4にねじ止めして密閉するように、タッピング130が備えられている。
【0129】
入口モジュール11’は、軸線Aの周りの回転体の概略形状を有する。ただし、図6の実施形態では、製品入口は、入口モジュールの片側に配置されている。より具体的には、製品入口は、軸線Aに対してほぼ直角である。他の変形形態では、製品入口は、軸線Aに対して鋭角をなしてもよい。入口モジュール15の穴が軸線Aに沿って入口モジュール11’の端部に形成されるため、製品入口は、好ましくは、入口モジュールの外周側に配置される。この穴は、(ロータ及びステータのセットのロータを駆動するための)シャフトを入口モジュール11’へ導入するように適合される。
【0130】
図6の例示的な入口モジュール11’のハウジング部140は、最大3つのロータ及びステータのセットを収容するように構成されている。ロータ及びステータのセットが配置され得る場所は、図6に点線で表されている。
【0131】
製品入口は、入口チャンバ42に開口していてもよい。大まかに言うと、入口チャンバ42は、第1のロータ及びステータのセットの上流の入口モジュール内に位置する、気体注入器6以外の機械部品のない容積部からなる。
【0132】
入口モジュール11’には、任意の中間モジュールの対応するインターフェースに取り付けられるように構成された組立インターフェース89が備えられている。図示された実施形態のインターフェース89は、図5の入口モジュールのインターフェースと同一である。したがって、図5の入口モジュール11’のインターフェースは、このモジュールのインターフェース面82で平坦な環状インターフェースを形成するカラー81を含む。図7及び図8は、本発明で使用され得る出口モジュールの概略断面図である。
【0133】
図7は、出口モジュール13の第1の例示的実施形態を表す。出口モジュール13は、気体注入器を含まないことを除いて、図6の入口モジュール11’と本質的に同一である。入口モジュール11’に設けられた気体注入器用の穴は、(図7に示されるように)出口モジュール13にはなくてもよいし、又は、例えば、封止用ねじによって封止されてもよい。
【0134】
出口モジュール13は、製品出口5を備える。製品出口5には、例えば、製品出口ラインを上記製品出口5にねじ止めして密閉するように、タップ230が備えられている。
【0135】
図示された実施形態では、製品出口は、長手方向軸線Aに対してほぼ直角である。他の変形実施形態では、製品出口は、長手方向軸線Aに対して鋭角をなしてもよい。製品出口5は、好ましくは、入口モジュールの外周側に配置される。これにより、出口モジュールの穴250を、軸線Aに沿って、出口モジュール13の端部に設けることが可能となる。この出口モジュールの穴250は、(ロータ及びステータのセットのロータを駆動するための)シャフトを出口モジュール13へ導入するように適合される。
【0136】
製品出口は、出口チャンバ52に開口していてもよい。出口チャンバ52は、本質的に、最後のロータ及びステータのセットの下流の出口モジュール内に位置する、機械部品のない容積部からなる。
【0137】
図6の入口モジュール11’と同様に、出口モジュール13は、最大3つのロータ及びステータのセットを収容するように構成されている。ロータ及びステータのセットが配置され得る場所は、図7に点線で表されている。
【0138】
出口モジュール13には、任意の中間モジュールの対応するインターフェースに取り付けられるように構成された組立インターフェース89が備えられる。図示された実施形態のインターフェース89は、図5又は図6の入口モジュールのインターフェースと同一である。したがって、図5の出口モジュール13’のインターフェース89は、このモジュールのインターフェース面82で平坦な環状インターフェースを形成するカラー81を含む。
【0139】
図8は、出口モジュール13’の別の実施形態を表す。図8の実施形態は、出口モジュールが、(図8の点線で表される場所において)1つのロータ及びステータのセットのみを収容するように適合されていることを除いて、図7の実施形態と同一である。
【0140】
図9図13は、本発明で使用され得る中間モジュールの概略断面図である。
【0141】
本発明で使用される中間モジュールは、様々なサイズ、形状、及び機能を有し得る。
【0142】
例えば、中間モジュールは、以下の機能、すなわち、本装置内を流れる製品を泡立て又は混合し、例えば製品の混合又はオーバーラン(膨張率)を高めるための空き空間を提供し、気体、液体、固体片、又はそれらの任意の組み合わせであり得る第2製品を製品に導入する、という機能のうちの1つ又は複数を有し得る。混合は、1つ又は複数のロータ及びステータのセットを使用する。泡立ては、泡立て用の1つ(又は複数)のロータ及びステータのセットの上流に気体を導入することを必要とする。
【0143】
図5の中間モジュール125の例示的な実施形態は、ロータ及びステータのセットが配置され得る3つの場所を含む。第1の場所P1及び第2の場所P2は、中間モジュール3の中間チャンバ7の一方の側に位置する。第3の場所P3は、中間チャンバ7の他方の側に位置する。「側」の概念は、軸Aに沿って考慮される。
【0144】
中間チャンバは、第2製品が、例えば、図9の図示された実施形態のような第2製品注入器8(例えば、気体又は液体注入器)によって、又は他の導入手段によって導入され得る空き空間である。
【0145】
中間チャンバ7には段部33が設けられている。中間モジュール125がほぼ円筒形状だとすると、段部33は、(中間チャンバに沿った)モジュールの内径の減少に相当し得る。段部33は、第1、第2、及び第3の場所P1、P2、P3に配置されたロータ及びステータ(又は他の構成要素)のセットを長手方向(すなわち、軸線Aの方向)に維持するのに役立つ。
【0146】
中間モジュール125の両端部には、前述した入口モジュール及び出口モジュールのインターフェースと同一の組立インターフェース89が備えられる。中間モジュール125の両端部は、入口モジュール11、11’、出口モジュール13、13’、及び中間モジュール125~129のうちの1つの対応するインターフェースに取り付けることができる。これにより、中間モジュールを両方向に取り付けること、すなわち、中間モジュールの2つの端部のどちらがその中間モジュールを備える混合装置において上流となり、どちらが下流となるかを選択することも可能になる。このことは、以下に例として記載する全ての中間モジュール、及び当業者によって記載された例から導き出すことができる中間モジュールの変形実施形態にも当てはまる。
【0147】
図10の中間モジュール126は、1つのロータ及びステータのセット(又は他の互換性のある構成要素)のための第3の位置P3を提供しないことを除いて、図9の中間モジュール125と同じである。
【0148】
図11の中間モジュール127は、1つ又は2つのロータ及びステータのセットが配置され得る円筒の概略形状を有する。ロータ及びステータのセットが配置され得る可能性のある位置が、点線で表されている。中間モジュール127を備える混合装置において、この中間モジュールは、例えば、複数のロータ及びステータのセットなどデバイス同士の間に空きチャンバを設けるために、空のままとしてもよい。中間モジュール127には、(軸線Aに沿った)両端部にインターフェース89が設けられており、これらのインターフェース89により、中間モジュール127の各端部を入口モジュール、出口モジュール、又は中間モジュールの対応するインターフェースに取り付けることが可能になる。
【0149】
図12の中間モジュール128(図11の中間モジュール127と同様)は、円筒の概略形状を有する。しかしながら、図11の中間モジュール127よりも小さい内径を備える。図12の中間モジュール128を使用して、連続したロータ及びステータのセットを、間隔を空けながら長手方向に(軸線Aに沿って)維持することができ、かつ/又は中間空きチャンバを設けることができる。中間モジュール128には、(軸線Aに沿った)両端部にインターフェース89が設けられており、これらのインターフェース89により、中間モジュール6の各端部を入口モジュール、出口モジュール、又は中間モジュールの対応するインターフェースに取り付けることが可能になる。
【0150】
図13の中間モジュール129は、第2製品の導入手段を含む、図12の中間モジュール128の変形例である。図示された実施形態では、この導入手段は、中間モジュール129の内容積部内に突出する2つのパイプ800を備える。パイプ800はそれぞれ、第2製品ラインの接続のために、ねじ山が(中間モジュール129によって形成されたハウジング部の外側に)設けられている。各パイプ800は、この実施形態では軸線Aに平行である大きな開口によって、中間モジュール129内で終わっている。図示された第2製品導入手段は、特に、粘稠な又は半液体の第2製品の導入、かつ/又は固体片若しくは粒状物/顆粒を含む第2製品の導入に適している。
【0151】
他の代替的実施形態では、入口、出口、又は中間モジュールのいずれかにおいて、他の第2製品導入手段が設けられてもよい。例えば、中間モジュール125又は入口モジュール11,11’は、粘稠な製品又は固体片を含む製品の導入に適合されたパイプを備えてもよい。中間モジュール129は、第2の気体注入器又は液体注入器を備えてもよい。任意の第2製品導入手段が、中間モジュール127に、又は出口モジュール13、13’に設けられてもよい。
【0152】
記載された入口モジュール、出口モジュール、及び中間モジュールは、図1~4に示された混合装置を形成することを可能にする非包括的な例示的実施形態と見なされるべきである。多くの代替的実施形態が、本発明の範囲内で可能である。
【0153】
記載されたモジュールの一部又は全て、及び記載されたモジュールから改変され得る、又は特定の目的のために設計され得る他のモジュールは、モジュールのセット(又は「バンク」)を形成し、このモジュールのセットにおいて、ペースト状製品をエアレーションするための所望の装置を形成するようにモジュールを選択することができる。
【0154】
インターフェース89は、互換性のあるモジュールを取り付けるために可能なインターフェースの一例に過ぎないことに留意されたい。図14は、2つのモジュール、すなわち第1のモジュールM1(入口モジュール、出口モジュール、又は中間モジュールである)及び第2のモジュールM2(入口モジュール、出口モジュール、又は中間モジュールである)が、どのようにそれぞれのインターフェース89によって互いに取り付けられ得るかを示す。
【0155】
クランプ83を、インターフェース89のカラー81の周囲で使用して、カラー81同士を押圧して保持することができる。Oリング91などの封止部が、製品の漏れを回避するためにモジュール間に設けられてもよい。
【0156】
図15は、他の種類のインターフェースを使用して、2つのモジュールを互いに取り付けることができることを示している。第1のモジュールM1’は、雄ねじ84を有する端部を備える。第2のモジュールM2’は、同じ雄ねじ84を有する端部を備える。第1及び第2のモジュールは、タッピングされたリング又はナット85によって連結され、このリング又はナット85は、タッピングのほぼ真ん中でタッピングの方向が変化する内側タッピングを有する。
【0157】
ペースト状製品をエアレーションするための多くの装置は、モジュールのセットに基づいて、同様の方法で形成することができる。本発明による装置を形成するために、このモジュールのセットは、
-製品入口及び気体注入器を備える少なくとも1つの入口モジュールと、
-少なくとも1つの中間モジュールと、
-製品出口開口部を備える少なくとも1つの出口モジュールと、を備える必要がある。
【0158】
このセットの全てのモジュールは、対応する組立インターフェースを有する。これは、各モジュールが、このセットのうちの任意の他のモジュールに組み付けられ得ることを意味する。実際には、モジュールの選択を行うことができるように、このセットに4個以上の利用可能なモジュールが存在すると都合が良い。具体的には、別々の機能(モジュールごとに1つ又は複数の機能)を有する多くの中間モジュールを設けることができる。
【0159】
これは、ペースト状製品をエアレーションするためのモジュール式装置をもたらし、新たなペースト状製品(既存の市販製品に基づいているか否かにかかわらず)をエアレーションするように装置を設計しなければならない場合の工業的柔軟性をもたらす。ペースト状製品をエアレーションするための装置のモジュール式構造は、製造対象製品に本装置の設計を容易に、かつ比較的迅速に適合させることが可能になる。例えば、ペースト状製品が食品製品である場合、本装置をレシピの変更に適合させることができる。
【0160】
モジュール、特に中間モジュールは、所望の機能に基づいて選択することができる。すなわち、本装置内を流れる製品を泡立て又は混合し、例えば製品の混合を高めるための空き空間を提供し、第2製品を製品内に導入するという機能、又は他の機能に基づいて選択することができる。
【0161】
本発明の混合装置は、例えば食品産業又は化粧料産業において、多種多様な用途でのペースト状製品のエアレーションに都合良く使用され得る。具体的用途としては、液体及び半液体食品のエアレーション、例えば、乳製品、菓子、アイスクリーム、又は他の液体及び半液体食品のエアレーションがある。注入された液体又は半液体の第2製品の例としては、高温のキャラメル及びチョコレートが挙げられ、このような追加の第2製品を高温で注入し、エアレーションされた製品によって冷却して固体粒子を形成することができる。下流(例えば、第2)のロータ及びステータのセットは、この追加組成物を押し潰し又は細かく砕き、例えば、エアレーションされた製品中に粒子、粒状物、又は小片を有する粒状体を形成することになる。
【0162】
他の実施形態では、本発明は、本明細書に上述した混合装置を使用して、液体又はペースト状の製品、好ましくは食品をエアレーションする方法を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15