IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -検出装置 図1
  • -検出装置 図2
  • -検出装置 図3
  • -検出装置 図4
  • -検出装置 図5
  • -検出装置 図6
  • -検出装置 図7
  • -検出装置 図8
  • -検出装置 図9
  • -検出装置 図10
  • -検出装置 図11
  • -検出装置 図12
  • -検出装置 図13
  • -検出装置 図14
  • -検出装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/04 20060101AFI20221028BHJP
   A61C 19/06 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
A61C19/04 Z
A61C19/06 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019557689
(86)(22)【出願日】2018-01-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 GB2018050054
(87)【国際公開番号】W WO2018127717
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2021-01-08
(31)【優先権主張番号】1700317.9
(32)【優先日】2017-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513148598
【氏名又は名称】カルシビス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100007983
【弁理士】
【氏名又は名称】笹川 拓
(72)【発明者】
【氏名】アダム クリスティー
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-531546(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0287490(US,A1)
【文献】特開2011-87733(JP,A)
【文献】特表2010-529415(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0099548(US,A1)
【文献】国際公開第2016/176556(WO,A1)
【文献】特表2017-500097(JP,A)
【文献】特表2001-514053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/04
A61C 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性的歯牙う蝕及び/又は歯牙侵食の検出装置であって、
光検知手段、流体分配手段、アトマイザー、近位端と遠位端からなる本体部及びアプリケーター部からなり、
流体分配手段およびアトマイザーは流体連結され、
流体分配手段内に収められた流体がアトマイザーを通じて対象表面に分配され、
アプリケーター部が着脱自在であり、本体部の遠位端と連結し、
着脱自在のアプリケーター部がアトマイザーを備え、
アトマイザーが複数の流体出口と流体連結する複数の流体アトマイザー経路を有し、
複数の流体アトマイザー経路の各々は、第一の口径及び第二の口径を有し、
複数の流体出口から実質的に同じ流量の流体を放出するように、第二の口径は第一の口径よりも小さく構成され、
アトマイザーは、窪みとしての、遮光体またはスカートからなり、少なくとも一つの流体出口が遮光体またはスカートの内部空間となる窪みに向かって開口している検出装置。
【請求項2】
着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部、および着脱自在な遮光体またはスカート部が可逆的に連結される、請求項に記載の検出装置。
【請求項3】
着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部がアプリケーターハウジング部のメス型コネクターに合うように調整されたオス型コネクターからなり、オス型とメス型のコネクターが流体分配手段と流体連結する流体経路を形成する、請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
アトマイザーが少なくとも四つの流体出口と少なくとも二つの流体アトマイザー経路からなる、請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の検出装置。
【請求項5】
複数の流体アトマイザー経路の口径が、断面積で約1mmから約3mmの間である請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の検出装置。
【請求項6】
複数の流体アトマイザー経路の口径が、断面積で約2mmである請求項に記載の検出装置。
【請求項7】
光検知手段が生物発光性タンパク質によって発生した発光を検知するように調整された、請求項1に記載の検出装置。
【請求項8】
光検知手段がカメラセンサーである、請求項1に記載の検出装置。
【請求項9】
検出装置がさらに光源を備えている請求項1に記載の検出装置。
【請求項10】
流体分配手段がさらに注射器及び注射器駆動手段からなり、注射器駆動手段は注射器の押子を作動し、内部に収められている液体を押し出せるように調整されている、請求項1に記載の検出装置。
【請求項11】
請求項1に記載の検出装置からなるキット。
【請求項12】
検出装置が本体部、少なくとも一つのアプリケーター部、および少なくとも一つの注射器からなる、請求項11に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内検出装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、歯の脱灰を検出するための口腔内検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの歯科疾患は歯の脱灰の結果起こる。脱灰は、歯牙う蝕、歯牙侵食および象牙質知覚過敏の進行の根本となるプロセスである。歯牙の一つまたはそれ以上の硬組織の脱灰は、歯牙の完全性の喪失を引き起こす。ミネラルは、歯牙の硬組織に通常石灰化した状態で存在し、脱灰は自由イオンの遊離が関与する。
【0003】
う蝕病変は、歯の構造を損傷する。病化したう蝕は、痛み、感染、口臭、不快な味および歯の喪失につながる。重症の場合、感染は周囲の軟組織に広がり、死に至ることもある。う蝕を誘発する要因には、歯垢と呼ばれる歯の周囲に溜まる粘性の塊である細菌と摂取した食べ物や飲み物が含まれる。初期の脱灰に関与する細菌は、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)である、一方、乳酸菌は病変の進行に関与しているように見受けられる。これらの細菌は、食べ物/飲み物の糖分を発酵により乳酸のような酸に変換し、歯との接触が放置されればこれらの酸が脱灰を起こす。
【0004】
酸性の(糖質を含むとは限らない)飲み物/食べ物によって頻繁に引き起される歯牙侵食は、歯の表面から徐々に進行し、硬組織の厚みを削ることにより脱灰を引き起こし、象牙質がむき出しになる。また、酸によって軟化されたエナメル(または象牙質)を歯磨きすることにより侵食が加速され、エナメルが完全に除去される結果、象牙質の暴露をもたらす。明確には、侵食は非細菌的プロセスによる進行的な硬質の歯牙組織の喪失をいう。歯牙侵食は、歯のエナメルが酸によって磨り減ることで起こる。
【0005】
象牙質知覚過敏は、象牙質の暴露による痛みで、典型的には外部からの刺激による(他の歯科疾患では説明できない)ものである。暴露され、開いた象牙細管は神経を含む歯髄組織に直接通じている。
【0006】
最初のう蝕の診断は、見える限りの歯の表面を多くの場合歯科用探針または金属ピックと鏡を使って明るい光源のもとで観察する。場合によっては、う蝕病変またはエナメルの脱灰の兆候は、歯の表面に白亜質のスポットとして現れる。しかし、そのようなスポットはいつも見えるとは限らない。
【0007】
初期のう蝕の診断の手助けとなる一般的な手法は、疑われる表面に空気を吹き付けて行われる。脱灰が進むにつれ、う蝕は褐色化し、ついには窪みとなる。大きなう蝕病変は、肉眼でも見える事が多い。しかし小さな病変の識別は非常の難しい。多くの場合、活性的う蝕は、歯牙の完全性に深刻な損傷がもたらされる後期の段階まで検出されない。時には、患者が痛みを感じてから、う蝕の存在がX線を使って確認される。一旦窪みが生じると失われた歯の構造は再生できない。これ以前までの過程は可逆性である可能性があり、従って、できるだけ早くう蝕を識別する事が不可欠である。
【0008】
侵食は、う蝕と同様に外観検査によって検出される。侵食を示唆する徴候や症状には、切歯の透明化、周囲の歯より浮き上がった詰め物および噛み合わせ表面以外のすり減りが含まれる。
【0009】
象牙質知覚過敏は患者が告知し、歯科医が探索するものである。有用な診断手段は、空気/水シリンジ、歯科用探針、打診、咬合ストレス試験、氷といったその他の温感テストおよび閉塞の検査である。しかしながら、これらの方法は患者の申告に頼る主観的なもので正確さを欠く。
【0010】
う蝕、歯牙侵食または象牙質知覚過敏を早期に識別する事ができれば、治療を施すことで歯を保護する事ができる。例えば、問題の領域を封鎖し、それ以上の脱灰を防ぐ事ができる。すなわち早期の検出は最重要事項である。
【0011】
歯の脱灰の検出を補助する多数の装置が開発されている。一例は、US20050003323A1に記載されている。記載の装置は、口腔内カメラと照明灯から成る。照明灯は、励起光、赤外線または紫外線を歯の表面に照射し、口腔内カメラはこれらの照明下での画像を記録するようになっている。装置は、脱灰による反射光の差の決定に使う事ができる。類似の装置がUS2008/0160477に記載されている。当該文書の装置では、定量的蛍光を使って歯の脱灰を探索し、励起光を使って歯の表面に照明を当てる。US20050003323A1およびUS2008/0160477の装置の短所は、異なるスペクトルの光による照射された際に、単に歯の表面の蛍光特性の差に頼っている事である。初期のう蝕では歯の反射特性に違いが生じていないかもしれないため、これらの装置では初期のう蝕は検出されないかもしれない。重要な点は、これらの装置では、効果的なう蝕の臨床管理の鍵となる、う蝕が活性である(よって進行が予測される)か、不活性である(よって進行しなさそう)かの検出ができない事である。
【0012】
う蝕や歯牙侵食がより早く検出されればされる程、その影響を逆進しやすい。当該出願人のWO2008075081A2に記述されているように(当該公開は参照として組み入れられている)、早期の活性的なう蝕や歯牙侵食を検出するための染出液が開発された。当該染出液は、自由イオンの存在下で光学的シグナルを放出するイオン依存性の発光タンパク質を含む。発光シグナルを放出する化学発光性発光タンパク質は、歯の表面に遊離された自由イオンの検出に効果的であり、発光シグナルを放出するカルシウムイオン依存性の化学発光性発光タンパク質は、早期の活性的なう蝕や歯牙侵食の検出に最も有利であることが判った。ここでいう発光とは化学発光の一種である生物発光を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
当該出願人のWO2012007769A1に記述されているように(参照として組み入れられている)、WO2008075081A2の染出液が歯から遊離された自由イオンと接した際に放出される光学的シグナルを検出することを意図する検出装置が開発された。本発明の目的は、WO2012007769A1に記述されている検出装置にさらなる改善を加え、前述の染出液から放出される光学的シグナルをより効果的に検出できる追加的な有利な特徴を導入するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第一の局面において、活性的歯牙う蝕及び/又は歯牙侵食の検出装置であって、光検知手段、流体分配手段、アトマイザー、近位端と遠位端からなる本体部及びアプリケーター部からなり、流体分配手段およびアトマイザーは流体連結され、流体分配手段内に収められた流体がアトマイザーを通じて対象表面に分配され、アプリケーター部が着脱自在であり、本体部の遠位端と連結し、着脱自在のアプリケーター部がアトマイザーを備え、アトマイザーが複数の流体出口と流体連結する複数の流体アトマイザー経路を有し、複数の流体アトマイザー経路の各々は、第一の口径及び第二の口径を有し、複数の流体出口から実質的に同じ流量の流体を放出するように、第二の口径は第一の口径よりも小さく構成され、アトマイザーは、窪みとしての、遮光体またはスカートからなり、少なくとも一つの流体出口が遮光体またはスカートの内部空間となる窪みに向かって開口している検出装置が提供される。本発明の検出装置は、従来の検出装置に比べて対象表面に施された染出液から放出される光学的シグナルを素早く検出できるという点で有利である。流体分配手段は、染出液を収納しアトマイザーを通じて対象表面に投与することができる。これは、アトマイザーが染出液の均一な分配を施し染出液によって生じた光学的シグナルが検知手段によって検出できるため、有利である。光検知手段は、カメラ、荷電結合素子(CCD)または相補型金属酸化物半導体(CMOS)であっても良い。光検知手段は、化学発光性発光タンパク質を含む染出液から発生する弱光シグナルを検出できるように特別に調整されていても良い。

【0015】
好ましくは、検知手段は、さらに近位端および遠位端からなる本体部とアプリケーター部から構成される。本体部7は患者の口腔内に収まりやすいように細長い形状にすることができる。さらに好ましくは、アプリケーター部が脱着自在に本体部の遠位端に連結される。着脱自在なアプリケーター部を使用することによって、装置の当該部分が使い捨てとなる。使い捨てのアプリケーター部は、患者間の交差汚染を防げるので有利である。
【0016】
着脱自在なアプリケーター部は、好ましくはアトマイザーからなる。本発明の範疇では、アトマイザーとは、微細な液滴スプレーを作る装置である。着脱自在なアプリケーター部がアトマイザーからなることは有利である。というのは、アトマイザーが染出液を患者の口腔内に放出するため口腔の細菌による汚染の可能性があるからである。
【0017】
好ましくは、アトマイザーは、少なくとも一つの流体アトマイザー経路が少なくとも一つの流体出口と流体連結されている。より好ましくは、アトマイザーは、複数の流体アトマイザー経路が複数の流体出口と流体連結されている。当該の少なくとも一つの流体アトマイザー経路は染出液の流体分配手段から対象表面にスプレーとして散布する少なくとも一つの流体出口へ流通させる。
【0018】
好ましくは、具体的にアトマイザーは複数の流体出口を持ち、流体出口はそこから実質的に同じ流量の流体を放出できるように構成される。これは、等しい流量で流体が複数の流体出口から流出することによって染出液を対象表面にスプレーとして均一に分配できるので有利である。
【0019】
好ましくは、着脱自在なアプリケーター部は、アプリケーターハウジング部、着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部からなり、遮光体またはスカートは着脱自在である。この配置は、少なくとも一部の構成要素を使い捨てとすることができるため有利である。例えば、着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部および着脱自在な遮光体またはスカート部は使い捨てとし、アプリケーターハウジング部はオートクレーブ可能とすることができる。着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部および着脱自在な遮光体またはスカート部は交差汚染を防ぐため有利である。また、着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部の再使用は、流体通路の目詰まりや閉塞につながり、装置の最適な運転を妨げる恐れがある。加えて、着脱自在な遮光体またはスカート部として、異なる対象表面用に異なる大きさの遮光体/スカートを使用できる。例えば、異なる大きさの遮光体またはスカートを異なる大きさの歯に使用することができる。歯が異なる大きさや形状であるため、より大きな、または小さな遮光体またはスカートを使う必要があることもある。また、装置を歯の表面に乗せるために遮光体またはスカートの両側に切り込みまたは間隙が必要となることもある。
【0020】
好ましくは、複数の流体出口から実質的に同じ流量で流れる流体は、第一の流体出口セットと流体アトマイザー経路を通して流体連結した第二の流体出口セットによって提供される。同一の流体アトマイザー経路に複数の出口を持つことで、対象表面に流体を均一に分配できるようにより多くの出口を提供できるため、有利である。
【0021】
好ましくは、複数の流体アトマイザー経路は第一の流体出口セットの前に第一の口径を持ち、第一の流体出口セットの後ろで第二の流体出口セットの前に第二の口径を持ち、第二の口径は第一の口径より小さくなっている。この配置は、流体が最適な流量で第一の出口に入り出口から流出できるので有利である。第二の流体出口へのより小さな口径を持つ流体通路は、同じまたは同様な最適な流量で流体を第二の出口から流出させる。この構成は、もし両出口が同じ口径であった場合にベンチュリ効果が起こり、第二の流体出口セットに偏りが生じ不均衡な流量になってしまうため、有利である。
【0022】
好ましくは、アトマイザーは、環境光が光検出手段に到達するのを最小限に抑えるため、遮光体またはスカートを備える。この構成は、染出液の塗布した対象表面からの発光に対する光検出装置の感受性の低下につながる環境光の光検出手段への到達量を減らすバリアを有利に提供する。より好ましくは、遮光体またはスカートは不透明でショア硬度20Aから40Aのシリコーンゴム材でできている。さらに好ましくは、遮光体またはスカートは不透明でショア硬度30Aのシリコーンゴム材でできている。
【0023】
好ましくは、少なくとも一つの流体出口が遮光体またはスカートの内部空間によって規定される窪みに向けられている。この構成は、アトマイザーによって作り出されたスプレーが遮光体またはスカートの内部境界内に包含され、窪みによって規定される対象表面と対象表面の周囲、つまり遮光体またはスカートによって規定される歯に向けられるため、有利である。これにより、染出液の無駄が防がれ、対象表面の均一な塗布が保証される。
【0024】
好ましくは、着脱自在なアプリケーター部は、アプリケーターハウジング部、透明窓部、流体通路部、および アトマイザーからなる。層状の構造はアプリケーター部のコストを低減し、塗布部の構築をより効率化する。
【0025】
好ましくは、透明窓部は、少なくとも部分的に遮光体またはスカートの内部空間によって規定される窪みに突出して屈折面を形成する。これは、微細なスプレーの生成を助長するので有利である。流体が流体出口から放出されると、屈折面に当たりさらなる流体の細粒化が起きる。流体屈折面は、最適な屈折と流体の細粒化をもたらすように角度を持たせても良い。
【0026】
好ましくは、透明窓部は、へりを構成するように凹みを持つ。例えば歯のような対象方面と同一面にある透明窓部の表面は、流体出口から流出したまたは屈折面で屈折されたスプレーにより表面が妨害されるのを防ぐために凹んでいてもよい。凹みによって構成されたへりは、 光を有利に透明窓部に通過させ、光検出手段による検出を可能とする。透明窓部の表面に生じた液滴は装置の画像記録の質を低下させ、染出物質から発生した光の装置による最適な検出を妨げるかもしれない。
【0027】
好ましくは、透明窓部の全て又は一部がつや消しになっている。つや消しのプラスチック材料は入手が容易で、異なった程度で不透明でありながら光を透過させる。有利なことに、透明窓部のつや消しは、驚きながら画像の獲得に影響することなく、透明窓部の表面の流体の蓄積および/または流れを制御できることが分かった。
【0028】
好ましくは、流体経路は流体分配手段の流体孔のための囲いからなる。これは、流体分配手段の流体孔とアプリケーター部の流体経路を直接交流させるため有利である。
【0029】
好ましくは、着脱自在なアプリケーター部は、アプリケーターを本体部に固定するための留め具からなる。さらに好ましくは、留め具は、本体部のキャッチに対応する。この配置は、着脱自在なアプリケーター部を本体部に有利に固定し、使用者が希望した時のみに取り外すことができる。留め具とキャッチの配置は、装置の安全性にとって非常に有利である。もし、装置の流体通路または出口が詰まった場合、この配置により着脱自在なアプリケーター部が本体に固定されているため、目詰まりによって生じた急な圧力の上昇によって、患者の口腔内でアプリケーターが本体から排出されることを防ぐ。
【0030】
好ましくは、流体分配手段は染出液を含む。より好ましくは、染出液は自由イオンの存在を特徴付ける光学的シグナルを産生できる組成からなる。さらに好ましくは、組成はカルシウム依存性発光タンパク質である。本発明の範疇では、染出液は、対象表面に塗布され当該表面から遊離した自由イオンの存在下でシグナルを産生する流体である。染出液の活性部分を構成する組成を染出液と称することがある。ある種の具体例においては、染出液は液体またはゲルである。自由イオンの存在下で検出可能なシグナルを産生する染出液は、う蝕が活性であるか不活性であるかを鑑別できるため非常に有利である。活性なう蝕から産生される主要な自由イオンはカルシウムイオンである。染出液の一部としてのカルシウム依存性発光タンパク質は、歯から遊離された自由カルシウムイオンを検出する有利な手段である。カルシウムイオンと接触することによって閃光を発するカルシウム依存性発光タンパク質は、非常に有利である。これらのタンパク質とカルシウムの相互作用によって発する閃光は発光極大に達するまでに10ms単位と非常に短いため、発光の検知には感度の高い光検知手段が好ましい。
【0031】
好ましくは、流体分配手段は注射器である。より好ましくは、流体分配手段はさらに注射器駆動手段からなり、注射器駆動手段は注射器の押子を作動し、内部に収められている液体を押し出せるようになっている。注射器は、染出液を装置から分配する手段を有利に提供する。注射器はまた使用者に取っても使いやすく、充填および装置からの脱着も容易である。
【0032】
本発明の第二の局面では、本発明の第一の局面による検知装置からなる歯牙う蝕および/または歯牙侵食の検出キットが提供される。
【0033】
本発明の範疇では、近位端とは、装置を患者に使用する際に患者に近い側の端とは反対の検知装置の使用者に近い側の装置の端をいう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明を実施例および付随の図面によってさらに説明する。
図1】本発明に係る一実施例の検知装置の本体部およびアプリケーター部を示す斜視図である。
図2図1の検知装置の一実施例の本体部のA-Aによる断面図である。
図3】アプリケーター部を構成する検知装置の部分分解組み立て図である。
図4図4aは、アトマイザーの斜視図である。図4bは、アトマイザーの平面図である。図4cは、図4bに示されるC-Cによるアトマイザーの断面図である。図4dは、図4bに示されるD-Dによるアトマイザーの断面図である。
図5】アトマイザーの流体の流れを概略的に示す平面図である。
図6図1に示されるアプリケーター部のB-Bによる断面図である。
図7図6に示されるアプリケーター部の遠位端の断面図である。
図8】アプリケーター部が本体部に留め具システムによって固定された斜視図である。
図9図9aは、別の実施例の留め具システムによるアプリケーター部の斜視図である。図9bは、図9aに示されるアプリケーター部のE-Eによる断面図である。
図10図10aは、サムリリースキャッチからなるアプリケーター部の側面図である。図10bは、サムリリースキャッチからなるアプリケーター部の斜視図である。
図11】本発明に係るさらなる実施例の検知装置の本体部およびアプリケーター部を示す斜視図である。
図12】アプリケーターハウジング部、着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部、および着脱自在なスカート部からなる着脱自在なアプリケーター部の斜視図である。
図13】着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部がアプリケーターハウジング部にスライド式に固定された斜視図である。
図14】着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部の内部構造を示す図である。
図15】着脱自在なスカート部が着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部に固定された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
可能な限り、すべての図面の同一の構造に同一の参照番号が付けられている。
【0036】
図1に示す本発明の一実施例による検知装置1は、光探知手段12、流体分配手段4、およびアトマイザー5からなり、流体分配手段4およびアトマイザー5は流体連結され、流体分配手段4内に収納された流体がアトマイザー5を通じて対象表面にスプレーとして分配される。
【0037】
図1は、また、ある実施例によっては検知装置がさらに近位端2および遠位端3からなる本体部7と着脱自在なアプリケーター部6から構成され、着脱自在なアプリケーター部6は、本体部7の遠位端3に可逆的に連結されている。本体部7は患者の口腔内に収まりやすいように細長い形状にすることができる。本体部7は、さらに流体分配手段4のカバー8をなしても良い。流体分配手段4の一部は、図1に示すように、注射器9であってもよい。
【0038】
図2は、本体部7の一例を示す断面概略図である。図2は、ある実施例によっては、流体分配手段4が注射器9と注射器駆動手段10から構成されることを示す。注射器駆動手段10は、注射器9の押子を前進させるいかなる手段でも良い。一例として、注射器駆動手段10は、圧縮バネで構成され、装置を作動すると、バネが圧縮されそして解放され、注射器9の押子に力が加わる。この実施例では、毎回装置が作動されるたびに同じ力が注射器9の押子に加わる。圧縮バネによって押子にかかる圧力はおよそ1から2MPaで良い。より好ましくは、圧縮バネによって押子にかかる圧力はおよそ1.5MPaである。従って、毎回装置が作動されるたびに実質的に同じ量の液体が装置から放出される。ある実施例では、装置が作動されると、流体分配手段4からおよそ1μlから1000μlの液体が放出される。好ましい実施例では、装置が作動されると、流体分配手段4からおよそ10μlから40μlの液体が放出される。さらに好ましい実施例では、装置が作動されると、流体分配手段4からおよそ20μlから30μlの液体が放出される。さらにまた好ましい実施例では、装置が作動されると、流体分配手段4からおよそ25μlの液体が放出される。注射器駆動手段10は、さらに、バネを圧縮する圧縮力を生み出す原動巻き取り手段を備えても良い。注射器9を装置に挿入すると、注射器駆動手段10は、注射器9を使用可能状態に準備する動作を行う。この動作は、流体分配手段4が染出液のみのよって充填されるように装置の流体通路から空気を放出させることを含む。
【0039】
別の実施例においては、流体分配手段4は液体を放出できる加圧系であっても良い。このような実施例では、染出液は推進剤と混合しても良い。
【0040】
図2は、また、装置の検知機器を示す。この実施例においては、本体部7は、透明窓部11を持ち、対象表面からの光が本体部7内に入り、光検知手段12により検知されるようになっている。光が透明窓部11を通過すると、光は鏡13によって反射され、レンズアレイ14に導かれ、光検知手段12により検知される。図2に示されていない別の実施例においては、光はプリズムによって偏向される。鏡13またはプリズムは、バンドパス、偏光またはダイクロイックフィルター材で塗布されていても良い。これらのフィルター材は、透明窓部11から入る光の信号対雑音比を向上させるために有利である。
【0041】
使用に際し、図1および図2に示される実施例の検知装置1は、歯科医によって操作される。まず、染出液を含む注射器9を本体部7に挿入する。注射器9は、カバー8を再装着することによって、本体部7内に保持される。そして、アプリケーター部6が本体部7の遠位端3に置かれる。装置は、次に患者の口に挿入され、アトマイザー5が対象の歯の表面に置かれる。装置は、本体部7の引き金を押さえることで、作動する。そして、流体分配手段4が作動する。注射器駆動手段10が注射器9の押子に力を加え、所定の体積の染出液が注射器9から放出される。染出液は、流体通路を通りアトマイザー5に送られる。染出液は、アトマイザー5の流体出口から細かいスプレーとして放出される。スプレーは、対象表面と接触し、自由イオンが対象表面に存在すれば、光学信号が光検知手段12に寄って検出される。検知された光は、画像表示装置上に画像を作るために使われても良い。ある実施例によれば、染出液から放出された光学信号を検知して作られた画像は、染出液の塗布前に装置に搭載された例えばLEDまたはランプといった光源を使って対象表面の可視光画像に重ね合わせても良い。
【0042】
一例では、装置の撮った画像は、ワイヤレスでコンピューターに送信される。他の例では、装置の撮った画像は、装置とコンピューターに作動可能なように繋がれたケーブルを通してコンピューターに送信される。
【0043】
図3は、着脱自在なアプリケーター部6を構成する部品の一例である。着脱自在なアプリケーター部6はアプリケーターハウジング部15、透明窓部16、流体通路部17およびアトマイザー5からなる。流体通路部17は流体分配手段4がアトマイザー5と流体連結する通路を構成する。流体分配手段4を作動すると、流体が流体分配手段4から流体通路部17の通路に沿って出て、アトマイザー5へ移動する。アトマイザー5は、流体通路部17から流体を受け入れる一つまたはそれ以上の流体アトマイザー経路18を持つ。図3の実施例では、流体通路部17は、アトマイザー5に入る前に通路が二つの経路に分かれている。二つの経路に分かれた部分の流体通路部17は、流体通路の開口部の反対の湾曲した壁付近で分かれていても良い。代替例では、流体は、流体通路部17によってできた一つの通路からアトマイザーに入り、アトマイザー5内で二つの経路の分かれ、流体アトマイザー経路18を構成する。
【0044】
一例では、透明窓部16は、アクリル製であって良い。一例では、透明窓部16は、少なくとも一つの流体アトマイザー経路18の上部を封鎖するようにアトマイザー5の上に位置する。好ましい例では、アプリケーター部6が本体部7に固定された際に、着脱自在なアプリケーター部6の透明窓部16は、本体部7の透明窓11に対応する。アプリケーター部6の透明窓部16が本体部7の透明窓部11と揃うことで、対象表面からの光が光検知手段12へ妨げることなく通過できる。一例では、透明窓は曇り防止組成物で塗布されて良い。曇り防止組成物が、患者の口の中の息で透明窓部16が曇ることを防ぐ。
【0045】
一例では、一つまたはそれ以上のアプリケーターハウジング15、透明窓部16、流体通路部17、およびアトマイザー5が超音波溶接で互いに接合される。
【0046】
一例では、アトマイザー5は、少なくとも一つの流体アトマイザー経路18を持つ。図4および図5に示される好ましい例では、アトマイザー5は、少なくとも二つの流体アトマイザー経路18を持つ。一例では、流体アトマイザー経路18は、少なくとも一つの流体出口19に通じている。好ましい例では、各流体アトマイザー経路18が少なくとも二つの流体出口19に通じている。図4および図5に示される例では、各流体アトマイザー経路18が二つの流体出口19を持つ。さらなる例では、流体アトマイザー経路18は、第一セットの流体出口19aの前に第一の口径を持ち、第一セットの流体出口19aの後ろで第二セットの流体出口19bの前に第二の口径を持ち、第二の口径は第一の口径より小さくなっている。
【0047】
図4aは、遮光体またはスカート20を含んだアトマイザー5を表している。図4に示される例では、流体は、単一の経路を通ってアトマイザーに入り、二つの流体アトマイザー経路18に分かれる。アトマイザー5に入る単一の流体通路は、流体通路がアトマイザー5に入る部分と反対の湾曲した壁付近で分かれている。図4bは、アトマイザー5を上から見た図を示し、流体アトマイザー経路18は、第一セットの流体出口19aへの第一の口径を持ち、第二セットの流体出口19bへの第二の口径を持つ。図4bの例は、二つの流体アトマイザー経路18と四つの流体出口19aおよび19bを持つ。図4cは、図4bに示されるアトマイザーのD-D軸にそった断面図である。この断面図は、流体通路がアトマイザー5と二つの流体出口19aおよび19bに入る様子を示す。図4dは、図4bに示されるアトマイザーのC-Cに沿った断面図である。この断面図は、第二の口径の流体アトマイザー経路18と第一セットの流体出口19aを表す。
【0048】
ある実施例においては、流体アトマイザー経路18は流体通路部17と流体連結されている。一例においては、アトマイザーは遮光体またはスカート20からなる。当該遮光体またはスカート20は窪み21を形作っても良い。一例として、流体出口19が遮光体またはスカート20によって形作られた窪み21向かって開口するように配置されてもよい。流体出口19、19aおよび19bが窪み21向かって開口することで、アトマイザーによって形作られたスプレーが窪み21内に収められた対象表面に集中できるため、有利である。したがって、遮光体またはスカートは、流体出口19、19aおよび19bから分散されるスプレーが無駄になるのを防ぐ。遮光体またはスカート20は、ショアA硬度20から40、より好ましくはショアA硬度30の材料でできている。一例では、遮光体またはスカート20の内部によって形作られた窪み21の直径は、遮光体またはスカート20の上から遮光体またはスカート20の下に向かって減少しても良い。さらなる実施例では、図3図4および図5に示されているように、窪み21は楕円形であって良い。好ましい例では、楕円の長径は、遮光体またはスカート20の上の約12mmから14mmから遮光体またはスカート20の下の約8mmから10mmまで、減少しても良い。
【0049】
図5は、好ましい流体アトマイザー経路の流体の流れを示す。図5に示すように、流体アトマイザー経路18は実質的に同じ流体の分布をそれぞれの流体出口19にもたらす。
【0050】
図6は、着脱自在なアプリケーター部6が本体部7に取り付けられた組み立て概略図を示す。アトマイザー5は、流体通路部17によって作られた容器内に置かれ、容器と透明窓部16の間に挟まれている。アトマイザー5は、さらにアプリケーターハウジング部15によって固定される。一例では、流体通路部17は流体分配手段4の流体孔のための囲い40からなる。好ましい例では、囲い40は本体部7とさねはぎによって連結されている。さねはぎを使って、流体が口腔内に入り込むのを防ぎ、装置が汚染されるのを防ぐ。より好ましい例では、囲い40は、本体部7とルアースリップロケーターで連結される。ルアースリップロケーターは、流体分配手段4の孔が漏れないようにアプリケーター部によって密封される。
【0051】
図7に示すように、着脱自在なアトマイザー部6の部品間の継ぎ目は、部品の固定を助ける非常シールリップ70からなっても良い。非常シールリップ70は、硬質プラスチック製であって良い。非常シールリップ70は、使用時に部品が圧縮された際の減衰効果をもたらす。
【0052】
図6および図7に示すように、本発明の一実施例によれば、透明窓部16は、少なくとも部分的に窪み21突出しても良い。図7に示すように、透明窓部16の突出部は、屈折面71を形成するように角度を持たせることができる。屈折面71の角度は、流体出口19から出た流体が屈折面71に当たって屈折されるような角度とすることができる。この流体出口19から出た流体の屈折は、流体の細粒化を増長し、染出液のスプレーの産生を助長する。透明窓部16の全表面がスプレーによって塗布されるのを防ぐために、対象表面と同一平面にある透明窓部16の表面は屈折面71から凹ませて、へり72を形成する。へり72は、透明窓部16の表面が流体出口19および屈折面71からのスプレーによって遮られるのを防ぐ。これにより、光が妨害されることなく透明窓部16、続いて前述した透明窓部11(図7には示されていない)そして最終的に光検知手段12(図7には示されていない)を通過する。
【0053】
一例では、透明窓部の全て又は一部がつや消しになっている。透明窓部の全て又は一部をつや消しとすることで、透明窓部の表面の流体の蓄積および/または流れを制御できる。
【0054】
図8は、着脱自在なアプリケーター部6と本体部7の連結を示す。着脱自在なアプリケーター部6は、本体部7に着脱自在なアプリケーター部6の留め具81と本体部7のキャッチ80によって固定される。
【0055】
図9の実施例では、キャッチ90がバネ懸架式で示されており、使用後のアプリケーター部6の本体部7からの脱着は、キャッチ90を押し下げることで行われる。キャッチ90を押し下げることで固定歯92が着脱自在なアプリケーター部6の留め具91から外れ、着脱自在なアプリケーター部6を本体部7から引き離すことができる。
【0056】
図10に示すさらなる実施例では、着脱自在なアプリケーター部6はサムキャッチ100を備え、使用者による着脱自在なアプリケーター部6の脱着をより容易にする。
【0057】
図11から図15に示すさらなる実施例では、着脱自在なアプリケーター部6は、三つの可逆的に連結する要素からなる。図11は、三つの要素が連結した状態を示す。第一要素は、アプリケーターハウジング部15であり、第二要素は、着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110、そして第三要素は、着脱自在な遮光体またはスカート部111である。
【0058】
図11は、また、この配置の要素が本体部7の遠位端3に連結される前の状態を示す。図11には、流体分配手段を固定するためのカバー8も示されている。
【0059】
図12は、本実施例の着脱自在なアプリケーター部6の三つの成分の部分分解図である。アプリケーター部6の三つの成分は、順に積み重なっている。
【0060】
本実施例の着脱自在なアプリケーター部6の第一要素は、アプリケーターハウジング部15であり、図14に示され、本実施例では定位置に溶接されても良い透明窓11、流体分配手段からの流体経路を形成するメス型コネクター113、および着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110をアプリケーターハウジング部15に固定するためのスライド式コネクター継手115からなる。
【0061】
本実施例の着脱自在なアプリケーター部6の第二要素は、着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110であり、図14に示され、流体通路を形成するためにアプリケーターハウジング部15のメス型コネクターにつなぐオス型コネクター112からなり、流体分配手段10から少なくとも一つの流体出口又は複数の流体出口114への流体の通行を促す。着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110は、また、遮光体またはスカートコネクター継手116からなり、着脱自在な遮光体またはスカート部111への結合を促す。
【0062】
本実施例の着脱自在なアプリケーター部6の第三要素は、遮光体またはスカートコネクターアーム117からなる着脱自在な遮光体またはスカート部111である。遮光体またはスカートは、染出物質から放出された生物発光の検知に影響を及ぼすかもしれない環境光が背景ノイズとなるのを防ぐ。
【0063】
図13は、着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110がアプリケーターハウジング部15に適切にスライド式コネクター継手115によって固定されている状態を示す。着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110は、また、着脱自在なアプリケーター部に、アプリケーターハウジング部15のメス型コネクター113に挿入された、着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110上のオス型コネクター112によって結合及び固定されている。オス型コネクターとメス型コネクターの接続は流体通路を形成し、流体分配手段によって分配された流体が着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110に入り、対象表面に分配できるように流体出口114に流れる。
【0064】
また、図13に示されるように、脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110は、遮光体またはスカートコネクター継手からもなり、着脱自在な遮光体またはスカート部111が着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110に固定できるように調整されている。
【0065】
図14は、一実施例の着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110の内部構造を示す。オス型コネクター112は、流体通路につながり、そこから少なくとも第一の流体経路119と少なくとも第二の流体経路120に分かれる。同等の流体の流れを得るために、流体通路が少なくとも第一の流体経路119と少なくとも第二の流体経路120が分かれるまたは枝分かれする地点に突起を形成しても良い。第一と第二の流体経路は、流体をスプレーする窪みの反対側に湾曲する。流体経路は、さらにより小さな流体アトマイザー経路121、122、123、および124に分かれまたは枝分かれしてもよく、複数の流体出口114につながっている。図14に示す例では、流体通路は、二つの流体経路119、120に分かれ、それぞれがさらに二つの流体アトマイザー経路121、122、123、および124に枝分かれし、合計4つの流体出口114につながっている。
【0066】
上述したように、流体出口は実質的に同じ流れの流体がそこから出るように調整されている。これは、複数の流体出口から同じ流量で流体が流れることで、対象表面に染出液がスプレーとして均一に分配されることを助長できるために有利である。一例として、窪みの外周に実質的に等間隔で四つの流体出口をそれぞれ配置することで達成できる。
【0067】
しかし、二つまたは三つだけの流体アトマイザー出口と対応する流体アトマイザー経路がある場合も想定でき、また、4つ以上の流体アトマイザー出口と対応する流体アトマイザー経路、例えば、6、7、8、9、10以上の流体出口がある場合もある。
【0068】
ある実施例では、流体経路の口径が流体アトマイザー経路の口径より大きくなっている。一例では、流体アトマイザー経路の口径は、断面積で約1mmから約3mmである。好ましい例では、流体アトマイザー経路の口径は、断面積で約2mmである。他の例では、流体アトマイザー経路の口径は、断面積で約0.1mmから約0.3mmである。他の好ましい例では、流体アトマイザー経路の口径は、断面積で約0.2mmである。
【0069】
一例では、流体出口は長さ1.5mmで幅0.5mmである。
【0070】
図15に示されるように、好ましい実施例では、着脱自在な遮光体またはスカート部111が着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110に、着脱自在な遮光体またはスカート部111を時計回りまたは反時計回りに回転させることではまり込み、遮光体またはスカートコネクター継手116によって堅固に固定される。そういったはまり込みを助長するため、着脱自在な遮光体またはスカート部111は、遮光体またはスカートコネクターアーム117からなる。図15に示されるように、遮光体またはスカートは円形で少なくとも一つの凹みを持つ。遮光体またはスカートは、異なる表面、例えば異なる歯に最適にフィットするために、異なる大きさであってよい。
【0071】
患者間の交差汚染を防ぐために、着脱自在に組み合わせたアトマイザーおよび流体通路連合部110及び着脱自在な遮光体またはスカート部111は一回だけ使われた後、使い捨てられ取り替え自由であり、アプリケーターハウジング部15は、オートクレーブ可能とすることができる。
【0072】
前述の実施例に対応する本実施例の装置の特徴が上記のように詳細に説明され、それらは本実施例の装置に全て応用できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15