(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】DC/DCコンバータ及びその制御
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20221028BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
H02M3/155 P
H02M3/28 P
(21)【出願番号】P 2019563624
(86)(22)【出願日】2018-02-13
(86)【国際出願番号】 US2018017964
(87)【国際公開番号】W WO2018212813
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-02-15
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517306721
【氏名又は名称】ダイナパワー カンパニー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】ソマニ,アパーバ
(72)【発明者】
【氏名】シィア,シィアォロォン
(72)【発明者】
【氏名】タパ,アナップ
(72)【発明者】
【氏名】カステッリーノ,ギズラー
【審査官】土井 悠生
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-162951(JP,A)
【文献】国際公開第2013/121665(WO,A1)
【文献】特開2006-254518(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0099572(US,A1)
【文献】特表2014-508495(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0015181(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0003095(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DC/DCコンバータシステムであって、
第1及び第2ポート間で電圧レベルを変換する双方向DC/DCコンバータを備え、
前記双方向DC/DCコンバータは、
前記第1ポートに接続され、複数のスイッチを有する第1変換ステージと、
前記第2ポートに接続され、複数のスイッチを有し、前記第1変換ステージにインターフェイスで接続された第2変換ステージと、
を有し、
前記
双方向DC/DCコンバータを制御する制御システムを更に備え、
前記制御システムは、
前記第1ポート及び前記第2ポートの一方での電圧レベル、電流レベル又は電力レベルのいずれか一つのコマンドと、前記第1ポート及び前記第2ポートの前記一方での電圧レベル、電流レベル又は電力レベルの実際値とを比較するように構成され、比較に基づくインターフェイス電流コマンドを出力する外部制御ループユニットと、
前記インターフェイス電流コマンドと、前記第1及び前記第2変換ステージのインターフェイスでのインターフェイス電流の実際値とを比較するように構成され、比較に基づくスイッチング信号デューティ値を制御する内部制御ループユニットと、
を有
し、
前記第1変換ステージは、第1ポートの第1端子及び第2端子間に直列接続された第1ハーフブリッジ及び第2ハーフブリッジを有し、
前記第2変換ステージは、第2ポートの第3端子及び第4端子間に直列接続された第3ハーフブリッジ及び第4ハーフブリッジを有し、
前記第1ハーフブリッジは、前記第1ポートの前記第1端子と前記第1ハーフブリッジ及び前記第2ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第1スイッチを有し、
前記第2ハーフブリッジは、前記第1ポートの前記第2端子と前記第1ハーフブリッジ及び前記第2ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第2スイッチを有し、
前記第3ハーフブリッジは、前記第2ポートの前記第3端子と前記第3ハーフブリッジ及び前記第4ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第3スイッチを有し、
前記第4ハーフブリッジは、前記第2ポートの前記第4端子と前記第3ハーフブリッジ及び前記第4ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第4スイッチを有する
ことを特徴とするDC/DCコンバータシステム。
【請求項2】
前記第2変換ステージを前記第1変換ステージに接続する前記インターフェイスは、
前記一対の第1スイッチの接合部に接続された第1端子と、前記一対の第3スイッチの接合部に接続された第2端子とを有する第1インダクタと、
前記一対の第2スイッチの接合部に接続された第1端子と、前記一対の第4スイッチの接合部に接続された第2端子とを有する第2インダクタと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項3】
前記第2変換ステージを前記第1変換ステージに接続する前記インターフェイスは、絶縁トランスを備え、
前記絶縁トランスの第1巻線の一方の側は、前記第1ハーフブリッジの前記一対の第1スイッチの接合部に接続されており、前記第1巻線の他方の側は、前記第2ハーフブリッジの前記一対の第2スイッチの接合部に接続されており、前記絶縁トランスの第2巻線の一方の側は、前記第3ハーフブリッジの前記一対の第3スイッチの接合部に接続されており、前記第2巻線の他方の側は、前記第4ハーフブリッジの前記一対の第4スイッチの接合部に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項4】
前記内部制御ループユニットは、第1変換ステージコントローラ及び第2変換ステージコントローラを有し、
前記内部制御ループユニットは更に、第1及び第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、前記インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流比較値とを比較し、前記第1及び前記第2インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の前記実際値とを比較するように構成されており、
前記第1変換ステージコントローラは、前記第1インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の前記実際値との比較に応じて、前記第1変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御し、
前記第2変換ステージコントローラは、前記第2インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の前記実際値との比較に応じて、前記第2変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御
し、
前記インターフェイス電流比較値は、ドループ係数と前記インターフェイス電流コマンドの絶対値との積と等しく、
前記ドループ係数は、0.05から0.1の範囲から選択される
ことを特徴とする請求項1
乃至3のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項5】
前記インターフェイス電流コマンドと
前記インターフェイス電流比較値とを比較するときに、前記内部制御ループユニットは、前記第1インターフェイス電流コマンドを生成するために、前記インターフェイス電流比較値を前記インターフェイス電流コマンドから引き、前記第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、前記インターフェイス電流比較値を前記インターフェイス電流コマンドに加え、前記第1インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の前記実際値とを比較し、前記第1変換ステージコントローラによって、比較に基づいて、前記第1変換ステージに対する前記スイッチング信号の前記デューティ値を制御し、前記第2インターフェイス電流コマンドと前記インターフェイス電流の前記実際値とを比較し、前記第2変換ステージコントローラによって、比較に基づいて、前記第2変換ステージに対する前記スイッチング信号の前記デューティ値を制御するように構成されていることを特徴とする請求項
4に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項6】
前記第1変換ステージコントローラ及び前記第2変換ステージコントローラは、比例-積分-微分(PID)コントローラ、比例-積分(PI)コントローラ、比例(P)コントローラ及びヒステリシスコントローラの一つを有することを特徴とする請求項
4又は
5に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項7】
前記外部制御ループ
ユニットは、前記インターフェイス電流を制御するための、電圧又は電流についてのコマンドと、実際の電圧又は電流との比較を受信するために、比例-積分-微分(PID)コントローラ、比例-積分(PI)コントローラ、比例(P)コントローラ及びヒステリシスコントローラの一つを有することを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項8】
前記第1変換ステージは、前記第1ポートの電圧が前記第2ポートの電圧より高いときに、前記第1ポートの電圧を、前記第2ポートの出力である出力電圧に変換し、
前記第2変換ステージは、前記第2ポートの電圧が前記第1ポートの電圧より高いときに、前記第
1ポートの電圧を、前記第2ポートの出力である出力電圧に変換し、
前記第1変換ステージ及び前記第2変換ステージ各々は、前記第1及び前記第2ポートの電圧が実質的に同じであるときに、前記第1及び前記第2ポートの電圧を制御するために動作する
ことを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項9】
前記第1変換ステージは、前記第1ポートでエネルギストレージユニットに接続されており、
前記第2変換ステージは、前記第2ポートでPVアレイに接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至
8のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項10】
前記第1ハーフブリッジに結合された第1キャパシタと、
前記第2ハーフブリッジに結合された第2キャパシタと、
を更に備え、
前記制御システムは、前記第1キャパシタに係る電圧と前記第2キャパシタに係る電圧との間の電圧差を制御するためのキャパシタンス制御システムを更に有し、
前記キャパシタンス制御システムは、前記第1キャパシタに係る電圧と前記第2キャパシタに係る電圧との間の差分を計算し、前記第1キャパシタに係る電圧と前記第2キャパシタに係る電圧との間の差分に応じて、デューティ比オフセットを計算し、前記デューティ比オフセットを、前記第1変換ステージコントローラにより出力された前記デューティ値に適用するように構成されている
ことを特徴とする請求項
4乃至
9のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項11】
前記第3ハーフブリッジに結合された第3キャパシタと、
前記第4ハーフブリッジに結合された第4キャパシタと、
を更に備え、
前記制御システムは、前記第3キャパシタに係る電圧と前記第4キャパシタに係る電圧との間の電圧差を制御するためのキャパシタンス制御システムを更に有し、
前記キャパシタンス制御システムは、前記第3キャパシタに係る電圧と前記第4キャパシタに係る電圧との間の差分を計算し、前記第3キャパシタに係る電圧と前記第4キャパシタに係る電圧との間の差分に応じて、デューティ比オフセットを計算し、前記デューティ比オフセットを、前記第2変換ステージコントローラにより出力された前記デューティ値に適用するように構成されている
ことを特徴とする請求項
4乃至
10のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータシステム。
【請求項12】
インターフェイスで接続され、夫々複数のスイッチを有する、第1ポートに接続された第1変換ステージと第2ポートに接続された第2変換ステージとを有する双方向DC/DCコンバータを制御する方法であって、
前記第1及び前記第2ポートの一方の電流レベル、電圧レベル又は電力の一つのコマンドと、前記第1及び前記第2ポートの前記一方の電流レベル、電圧レベル又は電力の実際値とを比較し、
インターフェイス電流コマンドと、前記第1及び前記第2変換ステージの
前記インターフェイスのインターフェイス電流の実際のレベルとを比較し、
比較に基づいてスイッチング信号を制御
し、
前記第1変換ステージは、第1ポートの第1端子及び第2端子間に直列接続された第1ハーフブリッジ及び第2ハーフブリッジを有し、
前記第2変換ステージは、第2ポートの第3端子及び第4端子間に直列接続された第3ハーフブリッジ及び第4ハーフブリッジを有し、
前記第1ハーフブリッジは、前記第1ポートの前記第1端子と前記第1ハーフブリッジ及び前記第2ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第1スイッチを有し、
前記第2ハーフブリッジは、前記第1ポートの前記第2端子と前記第1ハーフブリッジ及び前記第2ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第2スイッチを有し、
前記第3ハーフブリッジは、前記第2ポートの前記第3端子と前記第3ハーフブリッジ及び前記第4ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第3スイッチを有し、
前記第4ハーフブリッジは、前記第2ポートの前記第4端子と前記第3ハーフブリッジ及び前記第4ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第4スイッチを有する
ことを特徴とする双方向DC/DCコンバータを制御する方法。
【請求項13】
前記インターフェイス電流コマンドと、前記第1及び前記第2変換ステージの
前記インターフェイスの
前記インターフェイス電流の実際値とを比較すること、及び、比較に基づいてスイッチング信号を制御することは、
第1及び第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、前記インターフェイス電流コマンドと、インターフェイス電流比較値とを比較することと、
前記第1及び前記第2インターフェイス電流コマンドと、インターフェイス電流の前記実際値とを比較することと、
前記第1インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の前記実際値との比較に応じて、前記第1変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御することと、
前記第2インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の前記実際値との比較に応じて、前記第2変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御することと、
を含
み、
前記インターフェイス電流比較値は、ドループ係数と前記インターフェイス電流コマンドの絶対値との積と等しく、
前記ドループ係数は、0.05から0.1の範囲から選択される
ことを特徴とする請求項1
2に記載の双方向DC/DCコンバータを制御する方法。
【請求項14】
前記第1及び
前記第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、前記インターフェイス電流コマンドと、
前記インターフェイス電流比較値とを比較すること、及び、前記第1及び前記第2変換ステージに対するスイッチング信号の前記デューティ値を制御することは、
前記第1インターフェイス電流コマンドを生成するために、前記インターフェイス電流比較値を、前記インターフェイス電流コマンドから引くことと、
前記第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、前記インターフェイス電流比較値を、前記インターフェイス電流コマンドに加えることと、
前記第1インターフェイス電流コマンドと
前記インターフェイス電流の実際値とを比較して、比較に基づいて、前記第1変換ステージに対する前記スイッチング信号の前記デューティ値を制御することと、
前記第2インターフェイス電流コマンドと前記インターフェイス電流の前記実際値とを比較して、比較に基づいて、前記第2変換ステージに対する前記スイッチング信号の前記デューティ値を制御することと、
を含むことを特徴とする請求項
13に記載の双方向DC/DCコンバータを制御する方法。
【請求項15】
前記第1変換ステージは、前記第1ポートでエネルギストレージユニットに接続されており、
前記第2変換ステージは、前記第2ポートでPVアレイに接続されている
ことを特徴とする請求項
12乃至
14のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータを制御する方法。
【請求項16】
第1ポートの第1端子及び第2端子間に直列接続された第1ハーフブリッジ及び第2ハーフブリッジを有する第1変換ステージと、
前記第1変換ステージに接続され、第2ポートの第3端子及び第4端子間に直列接続された第3ハーフブリッジ及び第4ハーフブリッジを有する第2変換ステージと、
を備え、
前記第1変換ステージは、前記第1ポートの第1電圧の程度が前記第2ポートの第2電圧の程度より高いときに、前記第1ポートの第1電圧を、前記第2ポートの出力である所望の出力電圧に変換するように動作可能であり、
前記第2変換ステージは、前記第2ポートの第2電圧の程度が前記第1ポートの第1電圧の程度より大きいときに、前記第2ポートの第2電圧を、前記第1ポートの出力である所望の電圧出力電圧に変換するように動作可能である
ことを特徴とするDC/DCコンバータ。
【請求項17】
直列接続された前記第1ハーフブリッジ及び前記第2ハーフブリッジと、直列接続された前記第3ハーフブリッジ及び前記第4ハーフブリッジとがカスケード接続を形成するように、前記第1変換ステージが前記第2変換ステージに接続されていることを特徴とする請求項
16に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項18】
前記第1ハーフブリッジは、前記第1ポートの前記第1端子と、前記第1ハーフブリッジ及び前記第2ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第1スイッチを有
し、
前記第2ハーフブリッジは、前記第1ポートの前記第2端子と、前記第1ハーフブリッジ及び前記第2ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第2スイッチを有し、
前記第3ハーフブリッジは、前記第2ポートの前記第1端子と、前記第3ハーフブリッジ及び前記第4ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第3スイッチを有し、
前記第4ハーフブリッジは、前記第2ポートの前記第2端子と、前記第3ハーフブリッジ及び前記第4ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第4スイッチを有する
ことを特徴とする請求項
16又は
17に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項19】
前記一対の第1スイッチの接合部に接続された第1端子と、前記一対の第3スイッチの接合部に接続された第2端子とを有する第1インダクタと、
前記一対の第2スイッチの接合部に接続された第1端子と、前記一対の第4スイッチに接続された第2端子とを有する第2インダクタと、
を更に備えることを特徴とする請求項
18に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項20】
前記第1ハーフブリッジと前記第2ハーフブリッジとの接合部を、前記第3ハーフブリッジと前記第4ハーフブリッジとの接合部に接続する中央部接続を更に備えることを特徴とする請求項
18又は19に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項21】
前記第1及び前記第2ハーフブリッジに近接して結合された第1及び第2キャパシタと、
前記第3及び前記第4ハーフブリッジに近接して結合された第3及び第4キャパシタと、
を更に備えることを特徴とする請求項
18乃至
20のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項22】
前記第1変換ステージ及び前記第2変換ステージは、絶縁トランスを介し
て接続されており、
前記絶縁トランスの第1巻線の一方の側は、前記第1ハーフブリッジの前記一対の
第1スイッチの接合部に接続されており、
前記第1巻線の他方の側は、前記第2ハーフブリッジの前記一対の
第2スイッチの接合部に接続されており、
前記絶縁トランスの第2巻線の一方の側は、前記第3ハーフブリッジの前記一対の
第3スイッチの接合部に接続されており、
前記第2巻線の他方の側は、前記第4ハーフブリッジの前記一対の
第4スイッチの接合部に接続されている
ことを特徴とする請求項
18に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項23】
前記第1ポートは、エネルギストレージユニットに結合するように構成されており、
前記第2ポートは、フォトボルタイクアレイに結合するように構成されている
ことを特徴とする請求項
16乃至
22のいずれか一項に記載のDC/DCコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電力変換デバイス及び関連する制御システムは、様々なエネルギ源をインターフェイスで接続するために用いられる。例えば、電力システムは、様々な内部接続分配エネルギ源(例えば、電力ジェネレータ及びエネルギストレージユニット)及び負荷を含み得る。電力システムは、ユーティリティグリッド又はマイクログリッドに接続されてもよい。電力システムは、これらのエネルギ源の間の電力を変換するために電力変換を使用する(例えばAC/DC、DC/DC、AC/AC及びDC/AC)。
【0002】
電力エレクトロニクスにおいて、DC/DCコンバータは、一の電圧レベルから他にソースを変換する。DC/DCコンバータは、出力電圧が入力電圧より低いステップダウン(バック)コンバータと、出力電圧が入力電圧より高いステップアップ(ブースト)コンバータとを含む。DC/DCコンバータは、入力電圧を所望の出力電圧にステップアップ又はステップダウンするために様々なトポロジーを使用する。例えば、DC/DCコンバータは、例えばIGBT等のスイッチがゲート信号を受信して、入力電圧を所望の出力電圧に変換するスイッチングトポロジーを使用してよい。DC/DCコンバータがエネルギ源から出力された電力をマイクログリッドに適切な電圧に変換するマイクログリッドアプリケーションを含む様々なアプリケーションにおいて、DC/DCコンバータが使用されてよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、一のポートの電圧の程度を、反対側のポートの電圧より高く、と同じに、より低くなるように制御可能なDC/DCコンバータを含む。
【0004】
一の態様では、DC/DCコンバータシステムは、第1及び第2ポートの間の電圧レベルを変換する双方向DC/DCコンバータと、DC/DCコンバータを制御するための制御システムとを含む。双方向DC/DCコンバータは、第1ポートに接続され、複数のスイッチを有する第1変換ステージと、第1変換ステージにインターフェイスで接続された第2変換ステージ、第2変換ステージは第2ポートに接続されており、複数のスイッチを有する、とを含む。制御システムは、第1ポート及び第2ポートの一方の電圧レベル、電流レベル又は電力のいずれか一つのコマンドと、第1ポート及び第2ポートの一方の電圧レベル、電流レベル又は電力レベルの実際値とを比較し、比較に基づいてインターフェイス電流コマンドを出力するように構成された外部制御ループユニットと、インターフェイス電流コマンドと第1及び第2変換ステージのインターフェイスのインターフェイス電流の実際値とを比較し、比較に基づいてスイッチング信号デューティ値を制御するように構成された内部制御ループユニットとを含む。
【0005】
DC/DCコンバータシステムの内部制御ループユニットは、第1変換ステージコントローラ及び第2変換ステージコントローラを含んでよい。内部制御ループユニットは、第1及び第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流比較値とを比較し、第1及び第2インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の実際値とを比較するように構成されていてよい。ここで、第1変換ステージコントローラは、第1インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の実際値との比較に応じて、第1変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御する。第2変換ステージコントローラは、第2インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の実際値との比較に応じて、第2変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御する。
【0006】
インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流比較値とを比較するときに、内部制御ループユニットは、第1インターフェイス電流コマンドを生成するために、インターフェイス電流比較値をインターフェイス電流コマンドから引き、第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、インターフェイス電流比較値をインターフェイス電流コマンドに加え、第1インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の実際値とを比較し、第1変換ステージコントローラによって、比較に基づいて、第1変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御し、第2インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の実際値とを比較し、第2変換ステージコントローラによって、比較に基づいて、第2変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御するように構成されていてよい。
【0007】
第1変換ステージコントローラ及び第2変換ステージコントローラは、比例-積分-微分(PID)コントローラ、比例-積分(PI)コントローラ、比例(P)コントローラ及びヒステリシスコントローラの一つを含んでよい。
【0008】
前記外部制御ループは、前記インターフェイス電流を制御するための、電圧又は電流についてのコマンドと、実際の電圧又は電流との比較を受信するために、比例-積分-微分(PID)コントローラ、比例-積分(PI)コントローラ、比例(P)コントローラ及びヒステリシスコントローラの一つを含んでよい。
【0009】
第1変換ステージは、第1ポートの電圧が第2ポートの電圧より高いときに、第1ポートの電圧を、第2ポートの出力である出力電圧に変換してよい。第2変換ステージは、第2ポートの電圧が第1ポートの電圧より高いときに、第2ポートの電圧を、第2ポートの出力である出力電圧に変換してよい。第1変換ステージ及び第2変換ステージ各々は、第1及び第2ポートの電圧が実質的に同じであるときに、第1及び第2ポートの電圧を制御するために動作してよい。
【0010】
前記第1変換ステージは、第1ポートの第1端子及び第2端子間に直列接続された第1ハーフブリッジ及び第2ハーフブリッジを含んでよい。前記第2変換ステージは、第2ポートの第3端子及び第4端子間に直列接続された第3ハーフブリッジ及び第4ハーフブリッジを含んでよい。
【0011】
第1ハーフブリッジは、入力ポートの第1端子と第1ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第1スイッチを含んでよく、第2ハーフブリッジは、第1ハーフブリッジの接合部と第2ハーフブリッジとの間に直列接続された一対の第2スイッチを有する。第3ハーフブリッジは、第3ハーフブリッジの接合部と第4ハーフブリッジとの間に直列接続された一対のスイッチを含んでよく、第4ハーフブリッジは、第3ハーフブリッジの接合部と第4ハーフブリッジとの間に直列接続された一対のスイッチを含んでよい。
【0012】
第1変換ステージ及び第2変換ステージは、第1及び第2インダクタ又は絶縁トランスを介して、インターフェイスで接続されていてよい。
【0013】
第1変換ステージ及び第2変換ステージが、第1及び第2インダクタを介して、インターフェイスで接続されている場合、第1インダクタは、一対の第1スイッチの接合部に接続された第1端子と、一対の第3スイッチの接合部に接続された第2端子とを有してよく、第2インダクタは、一対の第2スイッチの接合部に接続された第1端子と、一対の第4スイッチに接続された第2端子とを有する。
【0014】
第1変換ステージ及び第2変換ンステージが、絶縁トランスを介して、インターフェイスで接続されている場合、前記絶縁トランスの第1巻線の一方の側は、前記第1ハーフブリッジの前記一対のスイッチの接合部に接続されていてよく、前記第1巻線の他方の側は、前記第2ハーフブリッジの前記一対のスイッチの接合部に接続されていてよく、前記絶縁トランスの第2巻線の一方の側は、前記第3ハーフブリッジの前記一対のスイッチの接合部に接続されていてよく、前記第2巻線の他方の側は、前記第4ハーフブリッジの前記一対のスイッチの接合部に接続されていてよい。
【0015】
第1変換ステージは、第1ポートでエネルギストレージユニットに接続されていてよく、第2変換ステージは、第2ポートでPVアレイに接続されていてよい。
【0016】
DC/DCコンバータシステムは、第1ハーフブリッジに結合された第1キャパシタと、第2ハーフブリッジに結合された第2キャパシタと、も含んでいてよい。制御システムは、第1キャパシタに係る電圧と第2キャパシタに係る電圧との間の電圧差を制御するためのキャパシタンス制御システムを更に有してよい。キャパシタンス制御システムは、第1キャパシタに係る電圧と第2キャパシタに係る電圧との間の差分を計算し、第1キャパシタに係る電圧と第2キャパシタに係る電圧との間の差分に応じて、デューティ比オフセットを計算し、デューティ比オフセットを、第1変換ステージコントローラにより出力されたデューティ値に適用するように構成されている。
【0017】
DC/DCコンバータシステムは、第3ハーフブリッジに結合された第3キャパシタと、第4ハーフブリッジに結合された第4キャパシタと、も含んでよい。制御システムは、第3キャパシタに係る電圧と第4キャパシタに係る電圧との間の電圧差を制御するためのキャパシタンス制御システムを更に有してよい。キャパシタンス制御システムは、第3キャパシタに係る電圧と第4キャパシタに係る電圧との間の差分を計算し、第3キャパシタに係る電圧と第4キャパシタに係る電圧との間の差分に応じて、デューティ比オフセットを計算し、デューティ比オフセットを、第2変換ステージコントローラにより出力されたデューティ値に適用するように構成されている。
【0018】
他の態様では、インターフェイスで接続され、夫々複数のスイッチを有する、第1ポートに接続された第1変換ステージと第2ポートに接続された第2変換ステージとを有する双方向DC/DCコンバータを制御する方法は、第1及び第2ポートの一方の電流レベル、電圧レベル又は電力のコマンドと、第1及び第2ポートの一方の電流レベル、電圧レベル又は電力の実際値とを比較することと、インターフェイス電流コマンドと、第1及び第2変換ステージのインターフェイスのインターフェイス電流の実際のレベルとを比較することと、比較に基づいてスイッチング信号を制御することを含む。
【0019】
インターフェイス電流コマンドと、第1及び第2変換ステージのインターフェイスのインターフェイス電流の実際値とを比較すること、及び、比較に基づいてスイッチング信号を制御することは、第1及び第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、インターフェイス電流コマンドと、インターフェイス電流比較値とを比較することと、第1及び第2インターフェイス電流コマンドと、インターフェイス電流の実際値とを比較することと、第1インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の実際値との比較に応じて、第1変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御することと、第2インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の実際値との比較に応じて、第2変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御することと、を含んでよい。
【0020】
第1及び第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、インターフェイス電流コマンドと、インターフェイス電流比較値とを比較すること、及び、第1及び第2変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御することは、第1インターフェイス電流コマンドを生成するために、インターフェイス電流比較値を、インターフェイス電流コマンドから引くことと、第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、インターフェイス電流比較値を、インターフェイス電流コマンドに加えることと、第1インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の実際値とを比較して、比較に基づいて、第1変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御することと、第2インターフェイス電流コマンドとインターフェイス電流の実際値とを比較して、比較に基づいて、第2変換ステージに対するスイッチング信号のデューティ値を制御することと、を含んでよい。
【0021】
第1変換ステージは、第1ポートでエネルギストレージユニットに接続されていてよく、第2変換ステージは、第2ポートでPVアレイに接続されていてよい。
【0022】
他の態様では、DC/DCコンバータは、第1変換ステージ及び第2変換ステージを含んでよい。第1変換ステージは、第1ポートの第1端子及び第2端子間に直列接続された第1ハーフブリッジ及び第2ハーフブリッジを含む。第2変換ステージは、第1変換ステージに結合されている。第2変換ステージは、第2ポートの第3端子及び第4端子間に直列接続された第3ハーフブリッジ及び第4ハーフブリッジを有する。第1変換ステージは、第1ポートの第1電圧の程度が第2ポートの第2電圧の程度より高いときに、第1ポートの第1電圧を、第2ポートの出力である所望の出力電圧に変換するように動作可能である。第2変換ステージは、第2ポートの第2電圧の程度が第1ポートの第1電圧の程度より大きいときに、第2ポートの第2電圧を、第1ポートの出力である所望の電圧出力電圧に変換するように動作可能である。
【0023】
第1変換ステージは、第1、第2、第3及び第4ハーフブリッジが直列ハーブブリッジのカスケード接続を形成するように、第2変換ステージに接続されていてよい。
【0024】
第1ハーフブリッジは、第1ポートの第1端子と、第1ハーフブリッジ及び第2ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第1スイッチを含んでよい。
【0025】
第2ハーフブリッジは、第1ポートの第2端子と、第1ハーフブリッジ及び第2ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対の第2スイッチを含んでよい。
【0026】
第3ハーフブリッジは、第2ポートの第1端子と、第3ハーフブリッジ及び第4ハーフブリッジの接合部との間に接続された一対のスイッチを含んでよい。
【0027】
第4ハーフブリッジは、第2ポートの第2端子と、第3ハーフブリッジ及び第4ハーフブリッジの接合部との間に直列接続された一対のスイッチを含んでよい。
【0028】
DC/DCコンバータは、一対の第1スイッチの接合部に接続された第1端子と、一対の第3スイッチの接合部に接続された第2端子とを有する第1インダクタと、一対の第2スイッチの接合部に接続された第1端子と、一対の第4スイッチに接続された第2端子とを有する第2インダクタと、を更に含んでよい。
【0029】
DC/DCコンバータは、第1及び第2ハーフブリッジに近接して結合された第1及び第2キャパシタと、第3及び第4ハーフブリッジに近接して結合された第3及び第4キャパシタと、を更に含んでよい。
【0030】
第1変換ステージ及び第2変換ステージは、絶縁トランスを介して、インターフェイスで接続されていてよい。絶縁トランスの第1巻線の一方の側は、第1ハーフブリッジの一対のスイッチの接合部に接続されており、第1巻線の他方の側は、第2ハーフブリッジの一対のスイッチの接合部に接続されており、絶縁トランスの第2巻線の一方の側は、第3ハーフブリッジの一対のスイッチの接合部に接続されており、第2巻線の他方の側は、第4ハーフブリッジの一対のスイッチの接合部に接続されている。
【0031】
第1ポートは、エネルギストレージユニットに結合するように構成されていてよく、第2ポートは、フォトボルタイクアレイに結合するように構成されていてよい。
【0032】
本発明の利点は容易に認められるだろうし、関連する添付図面を考慮して以下の詳細な説明を参照することにより、よりよく理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるDC/DCコンバータの回路図である。
【
図2】
図2は、本発明の他の実施形態によるDC/DCコンバータの回路図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態によるDC/DCコンバータに対する制御構造である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による
図2に示す制御構造により制御されるDC/DCコンバータの回路図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態によるDC/DCコンバータに対する制御構造である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態によるDC/DCコンバータを使用する例示的な電力システムである。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による第1及び第2ポート間のキャパシタの電圧の電圧差を制御する制御構造である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書の一部を形成し、具体的な実施例を図示する添付図面を参照する。しかしながら、本明細書に記載の原理は、多数の異なる形態で実施されてよい。図中の構成要素は必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに本発明の原理を説明することに重点がおかれている。さらに、図面において、異なる視点を通じて対応する部品を指定するために、同様の参照番号が付されてよい。
【0035】
本発明の以下の説明において、特定の用語は、参照のみを目的として用いられ、限定を意図するものではない。例えば、様々な要素を記述するために本明細書において、第1、第2等の用語が用いられるかもしれないが、これらの要素は、これらの用語により限定されるものではない。これらの用語は、一の要素を他から区別するためだけに用いられる。本発明の説明及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された用語の1つ又は複数のありとあらゆる可能な組み合わせを指し、包含することも理解されるであろう。用語「comprises」及び/又は「comprising」は、本明細書で用いられる場合、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を明記すると理解されるだろうが、一つ以上の他の機能、整数、ステップ操作、要素、コンポーネント、及び/又はそのグループの存在又は追加を排除しない。
【0036】
典型的なDC/DCコンバータは、例えばバッテリ等のソースに接続されていてよく、それによりソース電圧が中間DCバスへ増加(又は減少)可能となる。例えば、バッテリ電圧が300から600Vである場合、DC/DCコンバータは、この電圧を、中間DCバスで例えば800Vなどの出力電圧にブーストしてよい。このような設計は、電流制御がいずれの方向(例えばバッテリの充電又は放電)であるときに、出力電圧が入力電圧より常に高いことを要求する。このような設計は、ソース電圧の増加又は減少に制限される。
【0037】
本発明の実施形態は、ブースト(即ち、増加)又はバック(即ち、減少)動作のいずれにも限定されないDC/DCコンバータを含む。DC/DCコンバータは、トポロジーを伴う第1及び第2ポートと、一方のポートの電圧の大きさが、反対側のポートの電圧より高く、と同じに、より低くなるように制御可能であるという柔軟性を可能とする制御システムと、を含む。
【0038】
本発明の実施形態は、DC/DCコンバータと、所望の電流、電圧又は電力リファレンスを出力するためにDC/DCコンバータを制御する制御構造を有する制御システムと、を含む。本発明の実施形態は、低電圧定格スイッチ(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)等の半導体デバイス)を使用しつつ、高電圧エネルギストレージ(例えばバッテリ)及びフォトボルタイク(PV)アレイのインターフェイスを可能にするDC/DCコンバータ及び制御システムを含む。本発明の実施形態は、PVアレイを伴うエネルギストレージ(例えばバッテリ)とのインターフェイスを可能にするDC/DCコンバータ及び制御システムも含み、ここで、エネルギストレージの出力/入力電圧及びPVアレイの出力電圧は、電圧の程度が重複している。
【0039】
図1を参照して、本発明の実施形態によるDC/DCコンバータ100は、互いに接続された第1変換ステージ110及び第2変換ステージ120を含んでよい。第1変換ステージは、例えばエネルギストレージユニット(例えばバッテリ)等の電源に接続されてよい第1ポート130に接続されている。第2変換ステージは、例えばフォトボルタイク(PV)アレイ等の電源、又は他の電力コンバータ(例えば電力インバータ)、又は負荷に接続されてよい第2ポート140に接続されている。第1及び第2変換ステージ110、120は、双方向DC/DCコンバータ(即ち、電力の流れが双方向である)を形成する。
図1に示す実施形態では、第1ポート130での第1変換ステージ110の電圧の大きさは、第2ポート140での第2変換ステージの電圧の大きさより大きく若しくは小さく、又は、実質的に等しく(即ち、等しいに近い)なることが可能である。従って、DC/DCコンバータ100のいずれかの側は、バック又はブーストコンバータとして使用可能である。
図1は、第1及び第2ポート130及び140に接続されたバッテリ及びPVアレイを示しているけれども、異なるソース及び/又は負荷が、第1及び第2ポート130及び140に代わりに接続されていてもよいことに留意されたい、つまり、本発明はそのように限定されない。
【0040】
実施形態では、第1変換ステージ110は、ポート130の電圧の大きさがポート140の電圧の大きさより高い場合、第1ポート130の電圧を、ポート140の所望の大きさ(即ち、出力電圧)に変換するように動作する。この変換は、フィードバック信号と比較される電流コマンド、電圧コマンド又は電力リファレンスのいずれか一つを用いて実現されてよい。第2変換ステージ120は、ポート140の電圧の大きさがポート130の電圧の大きさより大きい場合、ポート140電圧を、ポート130で所望の大きさに変換するように動作する。この変換は、フィードバック信号と比較される電流コマンド、電圧コマンド又は電力リファレンスのいずれか一つを用いて実現されてよい。
【0041】
従って、DC/DCコンバータは、いずれかのポートでの電圧の大きさが、いずれかの側で例えば1500V等の所定電圧までの範囲をとる設計において、実装されてよい。この例では、DC/DCコンバータにおける電力の流れを制御可能にしつつ(即ち、電流の方向を制御する)、ポート130、140いずれかの電圧を、1500Vまでの任意の電圧に制御可能である。従って、例えばポート130の電圧を800Vにすることができ、ポート140の電圧を1500Vにすることができ、電流はいずれの方向にも制御可能である(例えば、電源を充電又は放電する)。同様に、ポート130を1500Vにすることができ、ポート140を800Vにすることができ、電流はいずれの方向にも制御可能である。最後に、ポート130の電圧の大きさは、ポート140の電圧の大きさと実質的に等しくなることができ、電流はいずれの方向にも制御可能である。
【0042】
実施形態では、DC/DCコンバータは、2組のカスケード式ハーフブリッジを含む。第1変換ステージ110は、直列に接続された第1ハーフブリッジ112及び第2ハーフブリッジ114を含む。第1ハーフブリッジ112及び第2ハーフブリッジ114は、夫々、一対のスイッチQ1、Q2及びQ3、Q4を有してよい。第2変換ステージ120は、直列に接続された第3ハーフブリッジ122及び第4ハーフブリッジ124を含む。第3ハーフブリッジ122及び第4ハーフブリッジ124は、夫々、一対のスイッチQ5、Q6及びQ7、Q8を有してよい。
【0043】
図1に示す実施形態では、第1ハーフブリッジ112の一対のスイッチQ1、Q2は、第1ポート130の第1端子と、第1ハーフブリッジ112及び第2ハーフブリッジ114の接合部(即ち、第1ハーフブリッジを第2ハーフブリッジに接続するノード)との間に直列に接続される。第2ハーフブリッジ114の一対のスイッチQ3、Q4は、第1ハーフブリッジ112及び第2ハーフブリッジ114の接合部(即ち、第1ハーフブリッジを第2ハーフブリッジに接続するノード)と、ポート130の第2端子との間に直列に接続される。第3ハーフブリッジ122の一対のスイッチは、第2ポートの第1端子と、第3ハーフブリッジ122及び第4ハーフブリッジ124の接合部との間に直列に接続される。第4ハーフブリッジ124の一対のスイッチは、第3ハーフブリッジ122及び第4ハーフブリッジ124の接合部と、第2ポート140の第2端子との間に接続されている。
【0044】
実施形態では、第1変換ステージ110及び第2変換ステージは、第1及び第2インダクタL1及びL2を用いてインターフェイスで接続される。第1インダクタL1の一の端子は、第1ハーフブリッジ112の一対のスイッチQ1、Q2の接合部(即ち、スイッチQ1及びQ2を接続するノード)に接続される。第1インダクタL1の他の端子は、第3ハーブブリッジ122の一対のスイッチの接合部に接続される。第2インダクタL2の一の端子は、第2ハーフブリッジ114の一対のスイッチQ3、Q4の接合部に接続されており、第2インダクタの他の端子は、第4ハーフブリッジ124の一対のスイッチQ7、Q8の接合部に接続されている。
【0045】
他の実施形態では、第1及び第2インダクタL1及びL2は、
図2に示す絶縁トランスT1により置き換えられてよい。
図2に図示するように、絶縁トランスT1の第1巻線の一方の側は、第1ハーフブリッジの一対のスイッチQ1、Q2の接合部に接続されており、第1巻線の他方の側は、第2ハーフブリッジの一対のスイッチQ3、Q4の接合部に接続されている。トランスT1の第2巻線の一方の側は、第3ハーフブリッジの一対のスイッチQ5、Q6の接合部に接続されており、第2巻線の他方の側は、第4ハーフブリッジ124の一対のスイッチQ7、Q8の接合部に接続されている。
【0046】
第1及び第2変換ステージ110及び120が、インダクタL1及びL2(
図1)によりインターフェイスで接続される実施形態では、DC/DCコンバータ100は、付加的な中央部接続150を更に含んでよい。
図1を参照して、中央部接続150は、第1及び第2ハーフブリッジ112、114の接合部を、第3及び第4ハーフブリッジ122、124の接合部に接続してよい。中央部接続150は、例えば、入力/出力130がエネルギストレージ(例えばバッテリ/複数のバッテリ)に接続されるシナリオにおいて、バッテリ端子上のノイズは、ニュートラル中央部接続により減少されるという利点があるだろう。しかしながら、リップル実施(即ち、バッテリ及びPVポート上のリップル電流及び電圧)をある程度妥協するというこの接続の設計上のトレードオフがある。
【0047】
実施形態では、ハーフブリッジ112、114、122、124各々は、フィルタリング及び半導体電圧オーバシュート低減のために、DCバスキャパシタC1~C4に近接して結合されていてよい。例えばキャパシタC1は、Q1及びQ2により形成されるハーフブリッジについてのフィルタキャパシタである。これらのキャパシタC1~C4各々は、個別のキャパシタであってもよいし、適切な定格に到達するために、複数のディスクリートキャパシタを直列及び並列に組み合わせたものであってもよい。
【0048】
実施形態では、スイッチQ1~Q8は、バックボディダイオードを伴う半導体スイッチである。Q1~Q8に使用してよい半導体スイッチの例は、IGBT、MOSFET等を含むが、これらに限定されない。
【0049】
実施形態では、エネルギストレージユニットは、入力/出力側130に設けられてよく、PVアレイ及び/又はPVインバータは、入力/出力側140に接続されてよい。このようなレイアウトの一つが
図6の例示的なシステムに示されている。例えばDC/DCコンバータ100は、エネルギストレージユニット510(バッテリ610等)とPVアレイ620との間で使用可能であり、PVアレイ620は、ユーティリティACグリッド650に接続されたインバータ630を有していてよい。この特定のレイアウトでは、DC/DCコンバータ100を通る電力の流れが双方向であることが好ましく、それにより、システムはPVアレイからの電力でバッテリを充電する能力を有し、一方で、PVインバータの方法によりバッテリをグリッドに放電することも可能である。この場合、バッテリの電圧は、双方向の電力の流れを伴い、PV電圧よりも高く若しくは低く、又はおおよそ等しくなることが可能である。バッテリ電圧がPV電圧より高い場合、バッテリ側コンバータ(即ち、第1変換ステージ110)はスイッチングする。バッテリ電圧がPV電圧より低い場合、PV側コンバータ(即ち、第2変換ステージ120)はスイッチングする。両者の電圧が等しい又は実質的に等しい(即ち、等しいに近い)場合、両側のコンバータがスイッチングする。電圧が等しいに近いか否かの判定は、設計思想に基づいてよく、コンバータ100の制御システム内にプログラムされる。例えば、第1ポート130電圧の大きさを、第2ポート140の電圧の大きさから引いて得られた値が、所定値以下である場合、両電圧が、実質的に等しいと判定されてよい。例えば、両ポート電圧が互いに5%以内である場合、それらは実質的に等しいと判定されてよい。従って、DC/DCコンバータ100のいずれの側もバック又はブーストとして使用可能である。
【0050】
実施形態では、制御システム660は、インバータ630及びDC/DCコンバータ100を制御するための一以上のコントローラを含んでよい。一の実施形態では、制御システム660は、DC/DCコンバータ100及びインバータ630各々を制御するための単一のコントローラを含んでよい。他の実施形態では、制御システム660は、DC/DCコンバータ100及びPVインバータのための分離したコントローラを含んでよい。制御システム660のコントローラは、DC/DCコンバータ100及び/又はインバータ630内に収容されていてもよいし、一方又は両方から分離して収容されていてもよい。分離したマスタコントローラは、DC/DCコンバータ及びインバータ630の一以上のコントローラに信号を送信するために、及び/又は、一以上のコントローラの間を調整するために用いられてもよい。
【0051】
図3は、本発明の実施形態によるDC/DCコンバータを制御するための制御システムの制御構造300を示している。
図4は、本発明の実施形態による
図3に示す制御構造300により制御されるDC/DCコンバータの回路図である。
図4は、
図1に類似しているが、特定の測定のための符号と、DC/DCコンバータのスイッチに送信するゲーティング/スイッチング信号とも含む。
【0052】
図3及び
図4を参照して、制御構造300は、外部制御ループ310及び内部制御ループ320を含む。外部ループ310は、第1ポート又は第2ポート120の電圧、電流又は電力の大きさを制御する(一例では、これは、バッテリ/PV電流の大きさ又はバッテリ/PV電圧の大きさであり得る)。内部ループ320は、インターフェイスインダクタ電流Im1を制御する。
図4に示す例示的な実施形態では、バッテリ電流又は電圧は、ポート130の電流又は電圧であり、PV電流又は電圧は、ポート140の電圧又は電流である。インターフェイスインダクタ電流Im1は、第1変換ステージ及び第2変換ステージのインターフェイスの電流である。第1及び第2インダクタL1及びL2が、第1及び第2変換ステージ110、120(
図1及び4)のインターフェイスとして用いられる実施形態では、インターフェイスインダクタ電流の一方又は両方(例えば、Im1、Im2又はIm1及びIm2)が制御される。第1及び第2インダクタが、絶縁トランスT1(
図2)により置き換えられる実施形態では、内部ループ320は、トランス電流Im1を制御する。例示的な実施形態は、ソースとしてのバッテリ/PV電圧又は電流を有するが、外部ループ310が、ソースが接続される第1及び第2ポート130又は140の一方の電圧/電流/電力を制御する場合に、他のソースがポート130及び140に接続されてよい、と理解すべきである。
【0053】
図3に示す実施形態では、コントローラパラメータ(例えば、2つのPIパラメータ)は、ハードウェアパラメータに適合するように調整されてよい。チューニングは、複数の要因に依存してよい。例えば1)要求される応答速度-システムの制御帯域幅-例えば、1ms又は100msで定格電流に到達することが望ましいか否か、2)システムのハードウェアパラメータ:インダクタンス、キャパシタンス及びスイッチング周波数値。
【0054】
外部制御ループ310は、第1ポート130及び第2ポート140の一方の電圧、電流又は電力(例えばバッテリ電流又はPV電圧)の特定のレベル(即ち、大きさ)のためのコマンドを一の入力として受信し、電圧、電流又は電力の実際のレベル(例えばバッテリ電流又はPV電圧の実際の大きさ)のフィードバックを他の入力として受信する。電力のコマンドの場合、電力は、制御されるポート130又は140の電圧及び電流センサから取得された値を用いることにより、計算される。電圧、電流又は電力(例えばバッテリ電流又はPV電圧)の特定のレベル(即ち、大きさ)のコマンドは、電圧、電流又は電力の所望の大きさであってよい(例えば、第1ポート130又は第2ポート140のバッテリ電流の所望の大きさ又はPV電圧の所望の大きさ)。これらのコマンドは、所望の動作モードに基づいてDC/DCコンバータ100のコントローラにおいて生成されてもよいし、マスタコントローラにより送信されてよい。例えば、バッテリが放電される場合、正のバッテリ電流コマンドが用いられてよく、バッテリが充電される場合、負のバッテリ電流コマンドが用いられてよい。バッテリ電流又はPV電圧のフィードバックは、第1ポート130又は第2ポート140で測定されたバッテリ電流の実際の大きさ又はPV電圧の実際の大きさである。所望の大きさは、次に、例えば所望の大きさと実際の大きさとの間の差分をとることにより、実際の大きさと比較される。この差分は、インダクタ(例えばLm1)の一つを介して、インターフェイスインダクタ電流(例えばIm1)の一つを制御するためのコントローラ312内に入力される。コントローラ312は、次に、内部制御ループ320に、インターフェイスインダクタ電流のための電流コマンドIm_cmdを出力する。ここで、第1及び第2変換ステージ110、120のスイッチQ1~Q8に送信される一以上のスイッチング信号のデューティ値D1を計算するために、電流コマンドIm_cmdは、インターフェイスインダクタ電流の実際の大きさと比較可能なインターフェイスインダクタ電流のための所望の大きさとしてみなされてよい。
【0055】
中央部接続150がインストールされる実施形態では、インダクタ電流Im1の制御に加えて、制御構造300は、Im1が制御されるのと同じ方法で、Im2を制御するための追加の外部及び内部制御ループを含んでよい。中央部接続150が省略された場合、Im2の制御は、インダクタ電流Im2はIm1と同じになるため、Im2の制御は不要である。
【0056】
図3に示す実施形態では、コントローラ312及び322は、比例-積分(PI)コントローラである。しかしながら、コントローラはPIコントローラに限定されないと理解すべきであり、実際、コントローラは、例えば比例-積分-微分(PID)コントローラ、比例(P)コントローラ、ヒステリシスコントローラ、等を含む任意の閉ループコントローラであってよい。
【0057】
内部制御ループ320は、インダクタ電流コマンドIm_cmd及びインダクタ電流Im1の実際の大きさを、入力として、受信する。インダクタ電流コマンドIm_cmdは、次に、例えば、インダクタ電流コマンドIm_cmdとインダクタ電流Im1との間の差分をとることにより、インターフェイスインダクタ電流と比較される。この差分は、次に、スイッチQ1~Q8(
図4参照)に入力されるスイッチング信号Gb1p、Gb1n、Gb2p、Gb2n、Gs1p、Gs1n、Gs2p、Gs2nを生成するために用いることが可能なデューティ値D1の計算のために、コントローラ322に入力される。コントローラ322は、DC/DCコンバータに、デューティ値又はスイッチング信号Gb1p、Gb1n、Gb2p、Gb2n、Gs1p、Gs1n、Gs2p、Gs2nを出力する。デューティ値は、DC/DCコンバータ100のステップアップ/ステップダウンの大きさに影響を及ぼすスイッチの信号のデューティサイクルに影響を及ぼし、デューティ比は、DC/DCコンバータ100の第1ポート130及び第2ポート140の電圧の比に依存する。
【0058】
制御構造300がデューティ値を計算する場合、入力/出力130から流れる電流は、正の電流として規定されてよく(例えば、バッテリが入力/出力130に存在する実施形態では、バッテリ放電電流は、正の電流として規定される)、制御構造は、上限インターフェイスインダクタLm1の電流を制御してよい(制御構造は、任意のインターフェイスインダクタの電流を同様に制御可能であると理解すべきである)。バッテリ側コントローラから計算されたデューティ値(Db1)は、IGBTTb1G(Gp1p)のゲートについてのものである。例えば、デューティ値Db1が1である場合、Tb1pは完全にオンであり、0.5は半分オンであり半分オフであり、0は完全にオフである。Gb1nは、デッドタイムを伴うGp1pの逆数であってよい。Gb2p/Gb2nは、複数の方法で、Gb1p/Gb1nから確認されてよい。一の実施形態では、Gb2p/Gb2nは、Gb1p/Gb1nを逆にすることによって確認されてよい(即ち、Gb2p=Gb1n、Gb2n=Gb1p)。他の実施形態では、Gb2p/Gb2nは、Gb1p/Gb1nを逆にして、半周期(180度)だけシフトすることにより確認されてよい。同様のロジックは、入力/出力側140スイッチ信号に適用される。
【0059】
いくつかの状況では、IGBTのダイオードのみが必要とされる、つまり、IGBTは、完全にオフにされるべきである。例えば、PV側電圧がバッテリ側より十分に高く(即ち、互いに実質的に等しくない)、電流は、バッテリ側からPV側に流れている場合、Ts1p/Ts2nは、オフであるべきであり、Ts1n/Ts2pのみがスイッチングされる。実施形態では、スイッチのゲーティングはオフにされないことが望ましい(即ち、これらのスイッチが不要であっても、スイッチは依然としてゲート信号を受信する)。しかしながら、電流の方向は、スイッチが導通しないような方向である。代わりに、バックボディ並列ダイオードは導通する。これらのスイッチはスイッチングしているが、電流がながれないので損失はない。MOSFETを用いるコンバータでは、バックボディダイオードよりもMOSFETチャンネルが電流を伝導することが望ましい-この場合、ゲーティングがオフにされないことが要求される。
【0060】
図3の制御構造は、所望の出力を得るために、スイッチング信号Gb1p,Gb1n、Gb2p、Gb2n、Gs1p、Gs1n、Gs2p、Gs2nのデューティサイクルを計算可能であるが、この制御システムは、同時に、第1変換ステージ110及び第2変換ステージ120のスイッチングを回避することは困難である。ポート130(例えばバッテリ)及びポート140(例えばPVアレイ又はPVインバータ)の電圧の大きさが異なる場合、第1変換ステージ110及び第2変換ステージ120の一方のみのスイッチが、スイッチングされることが必要である。例えば、最高電圧を有する入力/出力130又は140の第1又は第2変換ステージ120のスイッチのみが、スイッチングされる必要がある。望ましくは、第1及び第2変換ステージ110、120の他方のスイッチは、常にオン又はオフであるべきである(即ち、スイッチングなし)。例えば、バッテリが入力/出力130に存在し、PVアレイ/PVインバータが入力/出力140に存在する実施形態を考えると、PV=1000V且つバッテリ=500Vの場合、バッテリ側変換ステージ110は、スイッチングされるべきではなく、PV側変換ステージ120は、0.5に近いデューティ比を有するであろう。
【0061】
図3に示す制御構造は、所望の出力を得るために、第1及び第2変換ステージ120の両方をスイッチングするための制御を提供するけれども、この制御は、不必要なスイッチング損失をもたらす(この場合、第1及び第2変換ステージのインターフェイスの電圧を、バッテリ及びPV電圧の両側より低くするために、両側の全てのスイッチをスイッチングする場合、制御は実行可能であるが、スイッチング損失が生じる)。
【0062】
図5は、本発明の実施形態によるDC/DCコンバータのための制御構造500である。
図5の制御構造500は、DC/DCコンバータ100を制御する、それにより、これらの変換ステージ110及び120の電圧が所定電圧の大きさだけ離れているときに、第1変換ステージ110及び第2変換ステージ120の一方のみがその時にスイッチングし、それにより、第1変換ステージ110及び第2変換ステージ120の電圧の大きさが十分に近いときに(即ち、差分が所定電圧値以内である)、第1変換ステージ110及び第2変換ステージ120の両方がスイッチングする。加えて、
図5の制御構造は、一の変換ステージから他の変換ステージへの切り換えをスムーズな移行を提供する。
【0063】
図5を参照して、制御構造500は、外部制御ループユニット510及び内部制御ループユニット520を備える。外部制御ループユニット510は、一方のポート(110又は120)の電圧の大きさ、電流の大きさ又は電力を制御し、インターフェイスインダクタ電流コマンドIm_cmdを生成する(第1及び第2インダクタが、絶縁トランスT1(
図5参照)により置き換えられる実施形態では、内部ループ320は、トランス電流Im1を制御してよい)。内部制御ループ520は、インダクタ電流コマンドIm_cmdを受信して、インターフェイス電流コマンドをインターフェイス電流比較値と比較することにより(つまり、インターフェイス電流比較値Ideltaを用いて、2つのポートのためのIm_cmd値を調整することにより)、2つの異なるインダクタ電流コマンド、即ち、第1インダクタ電流コマンドIb_cmd及び第2インダクタ電流コマンドIs_cmdを生成する。内部制御ループ520は、第1及び第2デューティ値Db1及びDs1を生成するために、第1及び第2インダクタ電流コマンドIb_cmd及びIs_cmdを用いる。第1デューティ値Db1は、第1変換ステージ110のスイッチQ1~Q4のスイッチングを制御するためのものであり、第2デューティ値Ds1は、第2変換ステージ120のスイッチQ5~Q8のスイッチングを制御するためのものである。
【0064】
中央部接続150がインストールされた実施形態では、インダクタ電流Im1を制御することに加えて、制御構造500は、Im1が制御される方法と同じにIm2を制御するための追加の外部及び内部制御ループを含んでよい。中央部接続150が省略される場合、インダクタ電流Im2はIm1と同じになるため、Im2の制御は不要である。
【0065】
図5に示す実施形態では、コントローラ512、522及び524は、比例-積分(PI)コントローラである。しかしながら、これらのコントローラはPIコントローラに限定されないと理解すべきであり、実際、コントローラは、例えば比例-積分-微分(PID)コントローラ及び比例(P)コントローラ等を含む任意の閉ループコントローラであってよい。
【0066】
外部制御ループユニット510は、第1及び第2ポート130及び140の一方の電圧の大きさ、電流の大きさ又は電力(例えばバッテリ電流又はPV電圧)についてのコマンドを、一の入力として受信する。外部制御ループユニット510は、ポート130又は140電圧、電流又は電力のフィードバック(例えばバッテリ電流又はPV電圧のフィードバック)を、他の入力として受信する。
図3を参照して説明した制御構造と同様に、ソースとしてのバッテリ/PV電圧又は電流は一例であると理解すべきであり、他のソースがポート130及び140に結合されてよい。電圧、電流又は電力(例えばバッテリ電流又はPV電圧)についてのコマンドは、電圧、電流又は電力の所望の大きさ(例えばバッテリ電流又はPV電圧の所望の大きさ)であってよく、電圧、電流又は電力(例えばバッテリ電流又はPV電圧)のフィードバックは、ポート130又は140の電圧、電流又は電力の実際の大きさ(例えば、バッテリ電流又はPV電圧の実際の大きさ)である。所望の大きさは、次に、例えば所望の大きさと実際の大きさとの間の差分をとることにより、実際の大きさと比較される。この差分は、インダクタの一つ(例えばLm1)上のインターフェイスインダクタ電流の一つ(例えばIm1)を制御するために、コントローラ512に入力される。コントローラ512は、次に、内部制御ループ520に、インターフェイスインダクタ電流についての電流コマンドIm_cmdを出力する。ここで、電流コマンドIm_cmdは、インターフェイスインダクタ電流の実際の大きさと比較されるインターフェイスインダクタ電流についての所望の大きさであってよい。
【0067】
内部制御ループ520では、インターフェイスインダクタ(Lm1)電流(Im1)は、電流Im1の大きさを、外部制御ループから受信された電流コマンドIm_cmdの大きさと等しくするために、スイッチQ1~Q8に送信されるスイッチング信号のためのゲートデューティDb1、Ds1を計算することにより、制御される。第1及び第2ポート130及び140が異なる電圧の大きさを有している場合、制御システムの制御構造により計算されたゲートデューティは、より高い電圧側のスイッチにのみ用いられる(即ち、より高い電圧の大きさを有するポート130又は140に接続された変換ステージのスイッチ)。より低い電圧側のスイッチのゲートデューティは、1又は0の定数である。例えば、バッテリが入力/出力130に存在し、PVアレイ/PVインバータが入力/出力140に存在する実施形態を考えると、PV=1000V且つバッテリ=500Vの場合、バッテリ側変換ステージ110は、1又は0の定数でスイッチングすべきであり、PV側変換ステージ120は、デューティ値Ds1に応じてスイッチングするだろう。
【0068】
DC/DCコンバータ100トポロジーについて、コントローラがどちらの側がより高い電圧であるかを間違えた場合(即ち、第1変換ステージ110又は第2変換ステージ120の電圧)大きな電流障害が生じることに注意すべきである。バッテリが第1ポート130に接続されており且つPVアレイが第2ポート140に接続されている場合を考えると、バッテリ電圧は急速には変化せずに、数秒以内は一定として悪買うことができることがわかる。しかしながら、PV電圧は、PVアレイに入射する太陽光量に関連するので、PV電圧は急速に変化することがある。制御システムに入力する電圧フィードバックに誤差がある場合、どちらの側の電圧がより高いかを間違える可能性がある(即ち、第1ポート130及び第2ポート140の電圧の大きさのいずれがより高いか)。従って、PV電圧がバッテリ電圧を高速で横切る場合、電流障害が容易に発生する。
【0069】
図5に示す実施形態の制御構造は、一の変換ステージから他への転送をスムーズにすることができる。
【0070】
図5に示す実施形態では、内部制御ループ520は2つのコントローラ、即ち、第1変換ステージコントローラ522及び第2変換ステージコントローラ524を含む(例えば、2つのPIコントローラ-上述したように、コントローラはPIコントローラに限定されず、任意の閉ループコントローラであり得る)。第1変換ステージコントローラ522は、第1変換ステージ110のスイッチQ1~Q4に出力されるスイッチング信号を生成するために、ゲートデューティDb1を制御し、第2変換ステージコントローラ524は、第2変換ステージ120のスイッチQ5~Q8に出力されるスイッチング信号を生成するために、ゲートデューティDs1を制御する。
【0071】
図5に示す制御構造を実施する場合、第1変換ステージ110及び第2変換ステージ210各々は、Im1電流を制御したいと考えることができる。しかしながら、実際には、制御されるIm1電流は一つのみである。
図5に示すように、2つのPIコントローラに異なる電流コマンドを発行することによって、2つのコントローラ522及び524が同時に1つの電流制御を制御しようとする結果は、低電圧側のコントローラは常に飽和しており、電流を制御できないこととなる。従って、低電圧側のゲートデューティ値は一定である(例えば、最大値である1、又は最小値である0になる)。つまり、低電圧側のスイッチは完全にオン又はオフになり、高電圧側のスイッチはIm1を制御するためにスイッチングする。電流コマンドは、次のように計算されてよい。
Ib_cmd=Im_cmd-Idelta;
Is_cmd=Im_cmd+Idelta;
Ideltaは、インターフェイス電流比較値と呼ばれる。インターフェイス電流比較値Ideltaは、正の定数として設定可能である。しかしながら、次の式のようにIm_cmdでその値が変化することが望ましい。
Idelta=Kdrp*abs(Im_cmd);
上記式では、インターフェイス電流比較値Ideltaは、正の値でなければならない。好ましくは、インターフェイス電流比較値Ideltaについて最小制限値Idelta_minが設定されており、それにより、Kdrp*abs(Im_cmd)<Idelta_minの場合Idelta=Idelta_minとなる。ドループ係数Kdrpは、小さい比(例えば、5-10%、Kdrp=0.05-0.1)であることが望ましい。Idelta_minは、チューニングの初期値として定格コンバータ電流の5%に設定されることが望ましい。デューティ比Db1及びDs1は、通常、最大値1に制限される。第1及び第2ポート130及び140の電圧が十分に離れている場合(即ち、第1及び第2ポート130、140の電圧の大きさが、実質的に等しくない)、デューティ比の一つ(より低い電圧側)が1に飽和すると、この側はスイッチングしない。他方の側は、1未満のデューティ比を有し、この側はスイッチングする。電圧が実質的に同じである場合(即ち、第1及び第2ポートの間の電圧レベルの差分が所定値未満である)、最大デューティ比は、所定値に制限される(例えば0.95に制限される)。この場合、両方の側がスイッチングする。実施形態では、一の場合から他に移行するためのヒステリシス帯(この例では25V)が存在する-これは、エッジでのモード間の急速な切替を防ぐ。制御システムは、第1及び第2ポート130及び140電圧V1及びV2が、実質的に同じであるとみなされる場合――両者は50V未満の差であり、25Vのヒステリシス帯が提供される場合――について、最大デューティ比が所定値0.95に制限される例について、下記の制御ロジックを含んでよい。即ち、
if abs(V1-V2) < 25V //電圧が十分に近い場合(25V以内)、最大デューティを0.95に制限
Db1_max=0.95 Ds1_max=0.95
else if abs(V1-V2) > 50V //電圧が十分に離れている場合(50Vより大きい)、最大デューティを1に解放
Db1_max=1 Ds1_max=1
上記式に従い、内部制御ループ520では、外部制御ループにより制御されるインターフェイス電流コマンドIm_cmdは、第1及び第2インテ―フェイス電流コマンドIb_cmd及びIs_cmdを出力するために、インターフェイス電流比較値Ideltaと比較される/により調整される。
図5の実施形態では、インターフェイス電流比較値との比較は、第1インターフェイス電流コマンドIb_cmdを生成するために、インターフェイス電流コマンドIm_cmdからインテ―フェイス電流比較値Ideltaを引くことと、第2インターフェイス電流コマンドを生成するために、インターフェイス電流コマンドIm_cmdにインターフェイス電流比較値Ideltaを加えることとを含む。第1及び第2インターフェイス電流コマンドは、次に、例えば、これらの値からインターフェイス電流Im1の実際値を引くことによって、インターフェイス電流Im1の実際値(例えば、インダクタL1(
図1)のインターフェイス電流又はトランス電流(
図2))と比較され、比較の結果は、第1及び第2変換ステージコントローラ522及び524に出力される。第1及び第2変換ステージコントローラ522は、次に、第1及び第2変換ステージ110及び120夫々のスイッチング信号を生成するためのゲートデューティ値Db1及びDs1を生成する。
【0072】
上記のように制御する場合、実際のLm1電流Im1は、コマンドIm_cmdから異なる可能性があることに注意すべきである。しかしながら、最終目標は、外部制御ループ510により制御されるバッテリ電流又はPV電圧であるので、これは問題ではない。電流コマンドIm_cmdは、外部制御ループ510により自動的に調整されるだろう。
【0073】
内部制御ユニットへのフィードバックのために、インターフェイス電流Im1はサンプリングされる。インターフェイス電流Im1は、高周波リップルが含まれる可能性があることに注意すべきである。このリップルは、おおよそ直線的に上昇/下降する。リップル周波数は、第1及び第2変換ステージ110及び120のスイッチのスイッチング周波数と等しい又はその2倍である。リップル振幅は、リップル周波数、インダクタLm1及びLm2の大きさ、並びに、第1ポート130(例えばバッテリ)及び第2ポート140(例えばPV)間の差異に依存する。Lm1電流フィードバックについてのサンプル周波数がスイッチング周波数と同じである場合、Lm1電流のサンプリングされた値は誤差を有する可能性がある。従って、リップルの中間点でサンプリングすることが望ましい、さもなければ、サンプリングされた値は実際の平均電流から異なる。しかしながら、いずれにせよ、Lm1は最終目標ではないので、外部制御ループ-最終目標値(例えば、バッテリ電流又はPV電圧)及びその実際値の両方を入力として受信する-は、Lm1電流における誤差を自動的に調整するだろう。
【0074】
DC/DCコンバータ100が、エネルギストレージ(例えばバッテリ)及びPVアレイ/インバータに結合されている場合、外部制御ループ310について、制御目標は、バッテリ電流又はPV電圧であってよく、制御構造500は、ユーザが制御を望むものに依存するこれら2つの目標の間を転送可能である。目標がバッテリ電流である場合、実際のバッテリ電流は、外部ループ310においてフィードバックのためにサンプリングされ、目標がPV電圧の場合、実際のPV電圧は、外部ループ310においてフィードバックのためにサンプリングされる。バッテリ電流がサンプリングされる場合、内部ループのためにインターフェイスインダクタL1電流がサンプリングされる場合に比べて、このサンプリングは重要であることに注意すべきである。インターフェイスインダクタ電流Im1は最終目標ではなくので、Im1電流サンプリングの精度はそれほど重要ではなく、上述したように、外部制御ループ510は、内部制御ループ520のために、自動的に調整するだろうからである。バッテリ電流は最終目標であるので、サンプリング時のその精度は、より重要である。
【0075】
上述のように、第1変換ステージ110(例えばコンバータのバッテリ側)の端子には、キャパシタC1及びC2が存在する。バッテリ及びDC/DCコンバータ間の電流が存在する場合、(バッテリ)電流は、リップル又は振動を含むだろう。リップル周波数は、スイッチング周波数(又はその2倍)である。スイッチング周波数が固定であると仮定すると、バッテリ電流リップル振幅は、主に、バッテリ及びコンバータのキャパシタ間のインピーダンスに依存する。コンバータのバッテリ側のキャパシタが十分には大きくなく及び/又はスイッチング周波数が十分には大きくない場合、バッテリ電流リップルは、仕様を越えている可能性がある。追加のインダクタは、バッテリ及びコンバータ間に設けられてよい。
【0076】
バッテリ電流フィードバックは、Lm1よりも高い精度が必要であるという事実に加えて、バッテリ及びコンバータ間のインピーダンスが変化すると、バッテリ電流の中間点は移動する。従って、バッテリ電流の中間点をサンプリングすること、又は、バッテリ電流の間違った点でのサンプリングにより生じる誤差を訂正することは困難である。従って、実施形態では、フィードバックのためのバッテリ電流は、第1及び第2変換ステージ110及び120のスイッチのスイッチング周波数よりも高い周波数でサンプリングされる。例えば、実施形態では、バッテリ電流の16ポイントは、一のスイッチングサイクル中にサンプリングされ、次に、16ポイントの平均が計算され、バッテリ電流制御のためのフィードバックとして提供される。サンプリングポイントの数を増やすと、遅延が増加し、バッテリ電流制御が遅くなる可能性がある。従って、サンプリングポイントの数は、望ましい応答時間に基づいて決定されてよい。さらに、バッテリ電流リップルが高い場合、サンプリングポイントの数は増加してよい。
【0077】
図7は、本発明の実施形態による、第1及び第2ポートのキャパシタ間の電圧の電圧差を制御するための制御構造/システムである。第1ポート130上のキャパシタC1に係る電圧とキャパシタC2に係る電圧と(同様に、第2ポート140上のキャパシタC3に係る電圧とキャパシタC4に係る電圧)の間の差分は、ゼロに近づくように維持されることが望ましい。
図7は、これを達成するために、
図3又は
図5の制御構造と一緒に提供可能な制御構造/システムを示している。この制御構造700は、
図5の制御構造と同じ又は別個の物理的コントローラ上に設けることが可能である。
【0078】
図7を参照して、キャパシタC及びC2(
図1及び2)に係る電圧が測定され、それらの差分が計算される(Vc1-Vc2)。この値には、次に、インダクタL1内を流れる電流の向きがポート130からポート140である場合、1がかけられる。L2における電流又はトランスT1における電流は、この目的のために用いられてよい。電流の流れが逆方向である場合、電圧差には、代わりに-1がかけられる。ローパスフィルタ710は、測定された電流をフィルタリングするために用いられてよく、フィルタリングされた電流の方向も用いられてよい。
【0079】
このようにして得られた値は、次に、コントローラ522(
図5)から得られたデューティ比に適用しなければならないデューティ比オフセットを計算するために、コントローラ702に入力される。このコントローラの出力は、第1ハーフブリッジ112のスイッチQ1及びQ2のためのスイッチング信号を生成するために、コントローラ522の出力に加えられるとともに、第2ハーフブリッジ114のスイッチQ3及びQ4のためのスイッチング信号を生成するために、コントローラ522の出力から引かれる。
【0080】
コントローラ702は、例えばPIコントローラ、比例-積分-微分(PID)コントローラ、比例(P)コントローラ、ヒステリシスコントローラ等の閉ループコントローラであってよい。
【0081】
同様のアプローチは、ポート140のキャパシタC3及びC4間の電圧差をゼロに近いことを維持するためにとられる。キャパシタC3及びC4に係る電圧が測定され、それらの差異が計算される(Vc3-Vc4)。この値には、次に、インダクタL1における電流の流れの方向がポート130からポート140である場合に、1がかけられる。L2における電流又はトランスT1における電流は、この目的のために用いられてよい。電流の流れが反対方向である場合、電圧差には、代わりに-1がかけられる。ローパスフィルタは、測定された電流をフィルタリングするために用いられてよく、フィルタリングされた電流の方向(符号)も用いられてよい。
【0082】
次に、取得された値は、コントローラ524(
図5)から取得されるデューティ比に適用されるべきデューティ比オフセットを計算するために、コントローラに入力される。このコントローラの出力は、第3ハーフブリッジ122についてのスイッチング信号を生成するために、コントローラ524の出力から引かれるとともに、第4ハーフブリッジ124についてのスイッチング信号を生成するために、コントローラ524の出力に加えられる。
【0083】
上述した特定の例示的な実施形態では、DC/DCコンバータ100は、エネルギストレージ及びPVアレイ/インバータ間に結合されるものとして説明されているけれども、本発明はこの用途に限定されないと理解すべきである。当業者には、本発明の実施形態が、例えばDC/DCコンバータに、第1及び第2入力/出力側130及び140の電圧のオーバラップが要求されるアプリケーションなどの追加のアプリケーションに適していることが理解されるであろう。追加の例には、可変周波数ドライブ(VFD)アプリケーションにおけるバックアップ電力が含まれる。DC/DCコンバータは、VFDのDCバスとインターフェイスで接続されていてよい。グリッド電圧が存在する場合、DCバス電圧は、グリッドによって確立され、VFDはモータに給電する。グリッドがなくなる(例えば停電)場合、DC/DCコンバータは、バッテリからVFDに放電することによりDCバスを維持し、VFDを中断なく実行できる。
【0084】
制御構造300及び500は、例えばデジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のコントローラ上で具現されてよい。しかしながら、コントローラはこれらに限定されず、任意のデジタルプロセッサ又はアナログ若しくは混合信号回路であってよいと理解すべきである。加えて、制御構造300及び500は、単一のコントローラ又は複数のコントローラ(例えば、外部及び内部ループの別々のコントローラ)上に具現されてよい。
【0085】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示された電力システムに様々な修正及び変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本開示の他の実施形態は、本開示の明細書及び実施の考慮から当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は例示としてのみ考慮されることが意図されており、本開示の真の範囲は以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって示される。