(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】改良されたハイブリッド巻線形態を有する回転電気機械のためのステータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/28 20060101AFI20221028BHJP
H02K 1/16 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
H02K3/28 Z
H02K1/16 Z
(21)【出願番号】P 2019572462
(86)(22)【出願日】2018-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2018067303
(87)【国際公開番号】W WO2019002395
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-03-22
(32)【優先日】2017-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508075579
【氏名又は名称】ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】マリアム、アフメッド
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-247787(JP,A)
【文献】特開2013-192360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/28
H02K 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロット(16)が設けられた本体(11)と、巻線(12)であって、
-第1のタイプの第1の三相システム(a、b、c)及び第2の三相システム(d、e、f)と、
-第2のタイプの第3の三相システム(A、B、C)及び第4の三相システム(D、E、F)と、
を有し、
-前記第1の三相システム(a、b、c)が前記第4の三相システム(D、E、F)に直列に接続され、
-前記第2の三相システム(d、e、f)が前記第3の三相システム(A、B、C)に直列に接続される、巻線(12)と、を備える自動車両用の回転電気機械のためのステータ(10)において、
-前記第1の三相システム(a、b、c)の少なくとも1つの相及び前記第3の三相システム(A、B、C)の少なくとも1つの相は、スロット(16)の1つの同じ系列内に位置され、
-前記第2の三相システム(d、e、f)の少なくとも1つの相及び前記第4の三相システム(D、E、F)の少なくとも1つの相は、スロット(16)の1つの同じ系列内に位置される、
ことを特徴とするステータ(10)。
【請求項2】
前記第1の三相システムの第1の相(a)及び前記第3の三相システムの第1の相(A)は、スロットの1つの同じ第1の系列(S1)内に位置されることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記第2の三相システムの第1の相(d)及び前記第4の三相システムの第1の相(D)は、スロットの1つの同じ第2の系列(S2)内に位置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のステータ。
【請求項4】
前記第1の三相システムの第2の相(b)及び前記第3の三相システムの第2の相(B)は、スロットの1つの同じ第3の系列(S3)内に位置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項5】
前記第2の三相システムの第2の相(e)及び前記第4の三相システムの第2の相(E)は、スロットの1つの同じ第4の系列(S4)内に位置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項6】
前記第1の三相システムの第3の相(c)及び前記第3の三相システムの第3の相(C)は、スロットの1つの同じ第5の系列(S5)内に位置されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項7】
前記第2の三相システムの第3の相(f)及び前記第4の三相システムの
第3の相(F)は、スロットの1つの同じ第6の系列(S6)内に位置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項8】
前記第1の三相システムの前記第1の相(a)及び前記第3の三相システムの前記第1の相(A)を受けるスロットの前記第1の系列(S1)は、前記第2の三相システムの前記第1の相(d)及び前記第4の三相システムの前記第1の相(D)を受けるスロットの前記第2の系列(S2)と隣り合うことを特徴とする請求項2及び3に記載のステータ。
【請求項9】
前記第1の三相システムの前記第2の相(b)及び前記第3の三相システムの前記第2の相(B)を受けるスロットの前記第3の系列(S3)は、前記第2の三相システムの前記第2の相(e)及び前記第4の三相システムの前記第2の相(E)を受けるスロットの前記第4の系列(S4)と隣り合うことを特徴とする請求項4及び5に記載のステータ。
【請求項10】
前記第1の三相システムの前記第3の相(c)及び前記第3の三相システムの前記第3の相(C)を受けるスロットの前記第5の系列(S5)は、前記第2の三相システムの前記第3の相(f)及び前記第4の三相システムの前記第
3の相(F)を受けるスロットの前記第6の系列(S6)と隣り合うことを特徴とする請求項6及び7に記載のステータ。
【請求項11】
前記第3の三相システム(A、B、C)及び前記第4の三相システム(D、E、F)はそれぞれ、ブリッジ及び/又はインバータを整流する機能を有する回路(P1、P2)に接続されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項12】
前記第1の三相システム(a、b、c)及び前記第2の三相システム(d、e、f)がデルタタイプを成すことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項13】
前記第3の三相システム(A、B、C)及び前記第4の三相システム(D、E、F)がスタータイプを成すことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項14】
前記第1の三相システムの相の電圧(Va、Vb、Vc)と前記第4の三相システムの対応する相の電圧(VD、VE、VF)との間の電気角差がゼロであることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項15】
前記第2の三相システムの相の電圧(Vd、Ve、Vf)と前記第3の三相システムの対応する相の電圧(VA、VB、VC)との間の電気角差がゼロであることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項16】
前記第3の三相システム(A、B、C)及び第4の三相システム(D、E、F)の相がスロット(16)の開口の傍に位置されることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のステータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良されたハイブリッド巻線形態を有する回転電気機械のためのステータに関する。
【背景技術】
【0002】
それ自体既知の態様で、回転電気機械は、ステータと、シャフトと一体のロータとを備える。ロータは、駆動シャフト及び/又は被駆動シャフトと一体を成す場合があり、オルタネータ、電気モータ、又は、両方のモードで動作できる可逆機械の形態を成す回転電気機械の一部となる場合がある。
【0003】
ロータは、適切な固定システムによってパケットの形態で保持される金属シートの積層体により形成される本体を備える。ロータは、例えばそれぞれが2つの隣り合うロータ歯により画定されるキャビティ内に収容される永久磁石によって形成される極を備える。或いは、ロータは、ロータアームの周りに巻回される巻線を備える、いわゆる突極ロータである場合がある。また、ロータは、極ホイールを備えるオルタネータロータの形態を成す場合もあり、極ホイール間に巻線が取り付けられる。
【0004】
更に、ステータは、例えばベアリングによって、回転するロータシャフトを支持するように構成されるケーシング内に取り付けられる。ステータは、スロットを画定する複数の歯が設けられた本体と、ステータのスロット内に挿入される巻線とを備える。巻線は、例えば、エナメルで覆われた連続ワイヤから又は溶接によって互いに接合されたピンの形態の導電要素から得られる。
【0005】
米国特許第7030533号明細書又は米国特許第7291954号明細書の文献は、デルタタイプの第1の三相システム及び第2の三相システムを備える巻線について記載する。巻線は、スタータイプの第3の三相システム及び第4の三相システムも備える。第1の三相システムは第4の三相システムに直列に接続され、また、第2の三相システムは第3の三相システムに直列に接続される。更に、第1及び第2の三相システムの位相の対は、スロットの1つの同じ系列内に位置され、一方、第3及び第4の三相システムの位相の対は、スロットの1つの同じ系列内に位置される。しかしながら、そのような形態は、デルタシステムの相電圧と対応するスターシステムの相電圧との間にゼロ以外の電気角を導入するという欠点を有する。これは、無視できない電気機械の出力電流のリップルをもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第7030533号明細書
【文献】米国特許第7291954号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、スロットが設けられた本体と、巻線であって、
-第1のタイプの第1の三相システム及び第2の三相システムと、
-第2のタイプの第3の三相システム及び第4の三相システムと、
を有し、
-第1の三相システムが第4の三相システムに直列に接続され、
-第2の三相システムが第3の三相システムに直列に接続される、巻線と、を備える自動車両用の回転電気機械のためのステータにおいて、
-第1の三相システムの少なくとも1つの相及び第3の三相システムの少なくとも1つの相は、スロットの1つの同じ系列内に位置され、
-第2の三相システムの少なくとも1つの相及び第4の三相システムの少なくとも1つの相は、スロットの1つの同じ系列内に位置される、
ことを特徴とするステータを提案することによってこの欠点を効果的に克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、異なる三相システムの相間の電気角の機械的補正を可能にし、それにより、特に、回転電気機械の出力電流のリップルを最小限に抑えることができるようにする。
【0009】
1つの実施形態によれば、第1の三相システムの第1の相及び第3の三相システムの第1の相は、スロットの1つの同じ第1の系列内に位置される。
【0010】
1つの実施形態によれば、第2の三相システムの第1の相及び第4の三相システムの第1の相は、スロットの1つの同じ第2の系列内に位置される。
【0011】
1つの実施形態によれば、第1の三相システムの第2の相及び第3の三相システムの第2の相は、スロットの1つの同じ第3の系列内に位置される。
【0012】
1つの実施形態によれば、第2の三相システムの第2の相及び第4の三相システムの第2の相は、スロットの1つの同じ第4の系列内に位置される。
【0013】
1つの実施形態によれば、第1の三相システムの第3の相及び第3の三相システムの第3の相は、スロットの1つの同じ第5の系列内に位置される。
【0014】
1つの実施形態によれば、第2の三相システムの第3の相及び第4の三相システムの第3の相は、スロットの1つの同じ第6の系列内に位置される。
【0015】
1つの実施形態によれば、第1の三相システムの第1の相及び第3の三相システムの第1の相を受けるスロットの第1の系列は、第2の三相システムの第1の相及び第4の三相システムの第1の相を受けるスロットの第2の系列と隣り合う。
【0016】
1つの実施形態によれば、第1の三相システムの第2の相及び第3の三相システムの第2の相を受けるスロットの第3の系列は、第2の三相システムの第2の相及び第4の三相システムの第2の相を受けるスロットの第4の系列と隣り合う。
【0017】
1つの実施形態によれば、第1の三相システムの第3の相及び第3の三相システムの第3の相を受けるスロットの第5の系列は、第2の三相システムの第3の相及び第4の三相システムの第3の相を受けるスロットの第6の系列と隣り合う。
【0018】
1つの実施形態によれば、第3の三相システム及び第4の三相システムはそれぞれ、ブリッジ及び/又はインバータを整流する機能を有する回路に接続される。
【0019】
1つの実施形態によれば、第1の三相システム及び第2の三相システムはデルタタイプを成す。
【0020】
1つの実施形態によれば、第3の三相システム及び第4の三相システムはスタータイプを成す。
【0021】
1つの実施形態によれば、第1の三相システムの相の電圧と第4の三相システムの対応する相の電圧との間の電気角差はゼロである。
【0022】
1つの実施形態によれば、第2の三相システムの相の電圧と第3の三相システムの対応する相の電圧との間の電気角差はゼロである。
【0023】
1つの実施形態によれば、第3の三相システム及び第4の三相システムの相がスロットの開口の傍に位置される。これにより、最大電流を電気機械のファンにより生成される空気流に伝えるシステムの相を露出することによって機械の冷却を改善することができる。
【0024】
本発明は、以下に与えられる説明を読んで添付図面を検討すると、より良く理解され得る。これらの図は、例示目的でのみ与えられており、決して本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係る回転電気機械用のためのステータの部分断面図を示す。
【
図2】本発明に係るステータの様々な三相システムの電気的設置概略図である。
【
図3】本発明に係るステータのスロット内の様々な三相システムの相間結合の概略図である。
【
図4】デルタシステムの相電圧と対応するスターシステムの相電圧との間の電気角の違いを示す概略図である。
【
図5】電気機械の出力電流のリップルを示すグラフ表示である。
【
図6】デルタシステム及びスターシステムの電流信号並びにこれらの電流信号の高調波のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
同一、同様、又は、類似の要素は、ある図から別の図へと同じ参照符号を保つ。
【0027】
図1は、本体11と巻線12とを備える回転電気機械のためのステータ10を示す。ステータ本体11は、平坦なシートの軸方向積層体から成る。本体11は、規則的な角度分布を有する歯13を備える。これらの歯13は、各スロット16が2つの連続する歯13によって画定されるようにスロット16を画定する。スロット16は、本体11の軸方向端面で軸方向に開放する。また、スロット16は、本体11の内部に向かって径方向でも開放する。ステータ本体11には、歯13の自由端付近に歯根17が設けられてもよい。
【0028】
図2において分かるように、巻線12は、デルタタイプの第1の三相システムa、b、c及び第2の三相システムd、e、fを備える。巻線12は、スタータイプの第3の三相システムA、B、C及び第4の三相システムD、E、Fも備える。変形例として、異なるシステムのタイプ(デルタ又はスター)が異なってもよい。第1の三相システムa、b、cは第4の三相システムD、E、Fに直列に接続される。第2の三相システムd、e、fは第3の三相システムA、B、Cに直列に接続される。
【0029】
各相は、連続するエナメルで覆われた銅線などの導体20の幾つかの同心の巻回部から形成される。導体20は、ここでは円形断面を有する。或いは、スロット16の充填を最適化するために、導体20は、長方形、正方形、又は、平坦形状断面を有してもよい。
【0030】
2つの異なるシステムの2つの相は、各スロット16が対応する相の導体20を数回受けるように、スロットの系列S1~S6と関連付けられる。1つの系列の2つの連続するスロット16は隣り合うスロット16によって分離され、隣り合うスロット16のそれぞれは他の相と関連付けられるスロットの他の系列に対応する。したがって、4つの3相システムの場合、2つの関連する相の導体20は、[4(3相システム)×3(相)]/2(スロット当たりの相)ごとに、すなわち、6スロットごとに挿入される。
【0031】
デルタ三相システムの相及びスター三相システムの相は、1つの同じ数の巻回部又は異なる数の巻回部によって形成されてもよい。この場合、デルタシステム及びスターシステムの相はそれぞれ、ステータがスロットごとに4つの導体を備えるように、2つの巻回部によって形成される。
【0032】
より正確には、
図3において分かるように、第1の三相システムの第1の相「a」及び第3の三相システムの第1の相Aは、スロットの1つの同じ第1の系列S1内に位置される。
【0033】
第2の三相システムの第1の相d及び第4の三相システムの第1の相Dは、スロットの1つの同じ第2の系列S2内に位置される。
【0034】
第1の三相システムの第2の相b及び第3の三相システムの第2の相Bは、スロットの1つの同じ第3の系列S3内に位置される。
【0035】
第2の三相システムの第2の相e及び第4の三相システムの第2の相Eは、スロットの1つの同じ第4の系列S4内に位置される。
【0036】
第1の三相システムの第3の相c及び第3の三相システムの第3の相Cは、スロットの1つの同じ第5の系列S5内に位置される。
【0037】
第2の三相システムの第3の相f及び第4の三相システムの第3の相Fは、スロットの1つの同じ第6の系列S6内に位置される。
【0038】
好ましくは、第1の三相システムの第1の相「a」及び第3の三相システムの第1の相Aを受けるスロットの第1の系列S1は、第2の三相システムの第1の相d及び第4の三相システムの第1の相Dを受けるスロットの第2の系列S2と隣り合う。
【0039】
第1の三相システムの第2の相b及び第3の三相システムの第2の相Bを受けるスロットの第3の系列S3は、第2の三相システムの第2の相e及び第4の三相システムの第2の相Eを受けるスロットの第4の系列S4と隣り合う。
【0040】
第1の三相システムの第3の相c及び第3の三相システムの第3の相Cを受けるスロットの第5の系列S5は、第2の三相システムの第3の相f及び第4の三相システムの第3の相Fを受けるスロットの第6の系列S6と隣り合う。
【0041】
更に、第3の三相システムA、B、C及び第4の三相システムD、E、Fはそれぞれ、ブリッジ及び/又はインバータを整流する機能を有する回路P1、P2にそれぞれ接続される。各回路P1、P2は、正端子B+とシステムアースの間に取り付けられる。
【0042】
図4から明らかなように、第1の三相システムの相の電圧Va、Vb、Vcと第4の三相システムの対応する相の電圧VD、VE、VFとの間の電気角差はゼロである。
【0043】
したがって、第1の三相システムの第1の相の電圧Vaと第4の三相システムの第1の相の電圧VDとの間の電気角差はゼロである。第1の三相システムの第2の相の電圧Vbと第4の三相システムの第2の相の電圧VEとの間の電気角差はゼロである。
【0044】
第1の三相システムの第3の相の電圧Vcと第4の三相システムの第3の相の電圧VFとの間の電気角差はゼロである。
【0045】
更に、第2の三相システムの相の電圧Vd、Ve、Vfと第3の三相システムの対応する相の電圧VA、VB、VCとの間の電気角差はゼロである。
【0046】
したがって、第2の三相システムの第1の相の電圧Vdと第3の三相システムの第1の相の電圧VAとの間の電気角差はゼロである。第2の三相システムの第2の相の電圧Veと第3の三相システムの第2の相の電圧VBとの間の電気角差はゼロである。第2の三相システムの第3の相の電圧Vfと第3の三相システムの第3の相の電圧VCとの間の電気角差はゼロである。
【0047】
図5は、本発明により、低回転速度で、電気機械の出力電流の変動を最小限に抑えながら、その強度を最大化できることを示す。実際に、1800回転/分の速度の場合、出力電流Isは3.2A程度の変動Vondに関して132Aに達し、一方、米国特許第7291954号明細書の文献に記載されるようなステータを備える機械の場合、機械の出力電流は3.7A程度の変動に関して123Aに達する。
【0048】
好適には、スラーシステムの相(第3のシステムA、B、C及び第4のシステムD、E、F)はスロット16の開口の傍に位置され、一方、デルタシステムの相(第1のシステムa、b、c及び第2のシステムd、e、f)はスロット底部16の傍に位置される。
【0049】
これにより、最大電流を電気機械のファンにより生成される空気流に伝えるシステムの相を露出することによって機械の冷却を改善することができる。実際に、
図6は、スターシステムに関する相電流IYの第1の高調波H1がデルタシステムに関する相電流IDeltaの高調波H1’よりも大きいことを示す。
【0050】
更に、本発明は、交流電流損失を低減できるようにする。電流IDeltaに関しては第3の高調波の振幅も減少される。
【0051】
勿論、前述の説明は、単なる一例として与えられているにすぎず、様々な要素を任意の他の同等の要素と置き換える際に放置されない本発明の分野を限定するものではない。