(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】内視鏡作業チャネルの保護
(51)【国際特許分類】
A61B 1/018 20060101AFI20221028BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20221028BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
A61B1/018 511
A61B1/00 650
G02B23/24 A
(21)【出願番号】P 2020201525
(22)【出願日】2020-12-04
(62)【分割の表示】P 2018560465の分割
【原出願日】2016-06-02
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン カート
(72)【発明者】
【氏名】ダイアニス アリソン
(72)【発明者】
【氏名】ブルーサ ジョルジオ
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-318982(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0087705(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0145142(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00
G02B 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡であって、
挿入管と、
前記挿入管内の作業チャネルと、
前記作業チャネルの少なくとも一部内に配置される保護機構と、を備え、前記保護機構が、前記作業チャネル内の医療器具によって生じる熱損傷及び/又は機械的損傷から前記作業チャネルを保護するように適合されており、
前記保護機構が、前記作業チャネルの内壁から、前記医療器具を受け入れるための挿入の向きからみて鈍角に延び、かつ、受け入れられた前記医療器具から下流の向きからみて鋭角で延設する複数の保護部分を備える、内視鏡。
【請求項2】
前記挿入管が、複数の追加チャネルを備え、前記複数の追加チャネルの少なくとも1つが、保護機構を有する、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記複数の追加チャネルの各々が、吸入、灌注、又は光ファイバのために構成されている、請求項1又は2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記保護機構が、前記挿入管が偏向される外周の周りに位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記複数の保護部分の各々が、前記作業チャネルの前記内壁に取り付けられた第1部分と、移動可能である第2部分と、を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記複数の保護部分が屋根板状のパターンを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記複数の保護部分が、蛇の皮状のパターンを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記保護機構が、前記作業チャネルの遠位端に位置する、請求項1~7のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記保護機構が、前記作業チャネルの全長に沿って位置する、請求項1~7のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記保護機構の遠位端が切欠き部を含んで、前記保護機構が、光、カメラ、及び/又は前記作業チャネルに挿入される前記医療器具を遮断しないようにする、請求項1~9のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項11】
前記保護機構が、前記作業チャネルの全長に沿って延在するU字型断面を含み、前記U字型断面は、前記保護機構が、光、カメラ、及び/又は前記作業チャネルに挿入される前記医療器具を遮断しないようにする、請求項1~10のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項12】
前記保護機構が調節可能であり、前記挿入管の遠位端に対する前記保護機構の配置が変更可能である、請求項1~11のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項13】
前記保護機構の長さが調節可能であり、前記保護機構の長さが伸縮可能である、請求項1~12のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項14】
前記保護機構が前記作業チャネルに固定的に接続されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項15】
前記保護機構が、1~20W/mKの範囲の高熱伝導率を有する材料を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項16】
前記複数の保護部分それぞれは、前記作業チャネルの内壁に固定された第一端部と、前記第一端部の反対側の端部である第二端部と、を有し、
前記第二端部は、前記第一端部よりも、前記医療器具の前記内視鏡への挿入方向下流側に位置しており、
前記複数の保護部分は、
第一保護部分と、
前記第一保護部分に対して前記挿入方向に隣接配置され、その一部が前記第一
保護部分と重なっている第二保護部分と、
を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、概ね内視鏡に関する。より具体的には、本教示は、内視鏡作業チャネルに保護機構を提供する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、内視鏡手術など様々な医療処置で用いられ得る医療装置である。内視鏡は、概ねハンドピースと、ハンドピースから延出する挿入管と、を含む。挿入管は、1つ又は2つ以上の作業チャネルを含む。内視鏡を含む医療処置中、挿入管は解剖学的構造内の開口部又は切開部を通過し、解剖学的構造内の対象部位へと誘導される。様々な内視鏡器具が1つ又は2つ以上の作業チャネルを通過し、医療処置を実行する対象部位へと方向付けられ得る。内視鏡器具は、例えば、様々な照明装置、カメラ、把持器、解剖用器具、開創器、はさみ、針、バスケット、焼灼器、鉗子、レーザーなどを含んでよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
内視鏡器具が1つ又は2つ以上の作業チャネルを通過する間、器具と作業チャネルの内壁又は内表面との接触により、ひっかき、溝状の傷、凹みが生じ得る、及び/又は他の方法で作業チャネルを損傷させ得る。これは、挿入管が湾曲状であり、その内部で内視鏡器具の移動、往復運動、関節接合、及び/又は他の方法での動作が行われると、悪化することがある。作業チャネルにひっかき、溝状の傷、及び/又は凹みが生じることにより、作業チャネルから削りくず及び/又は破片を分離させることがある。このことは、望ましくないことに、解剖学的構造、解剖学的構造から分離した試料を汚染し得る、及び/又は挿入管、内視鏡、若しくはこれら両方の寿命を短縮し得る。
【0004】
他の場合では、レーザーが作業チャネルを通って完全に挿通されていないときに、レーザーなどの器具が時期尚早に動作する、又は発射すると、作業チャネル又は挿入管が損傷し得る。より具体的には、作業チャネル又は挿入管に対する熱損傷は、レーザーが作業チャネル内の位置にあるときに生じ得、レーザーからのレーザー波長発射時に、レーザー波長が作業チャネルと接触してから、挿入管を出る。かかる熱損傷は、挿入管を動作不能にし得る、又は少なくともその寿命を大幅に制限し得る。更に、レーザー波長と作業チャネルとの接触は、レーザー波長の強度及び有効性を弱め得る、又はそれらに影響し得る。
【0005】
これらの欠点を考慮すると、1つ又は2つ以上の保護機構を有して、内視鏡の挿入管の1つ又は2つ以上の作業チャネルを保護することが望ましいことがある。1つ又は2つ以上の保護機構を有して、内部での1つ又は2つ以上の内視鏡器具の移動、往復運動、及び/又は他の方法での動作により生じる機械的損傷及び/又は熱損傷から挿入管の1つ又は2つ以上の作業チャネルを保護することが望ましい場合がある。1つ又は2つ以上の保護機構を有して、作業チャネルを通過する、又はその内部で動作する内視鏡器具によって生じる、1つ又は2つ以上の作業チャネル及び/又は挿入管に対する摩耗及び損傷を低減する、最小化する、阻止する、又は排除することが望ましい場合がある。挿入管の寿命を延長するため、並びに/又は作業チャネルから破片、削りくずなどが分離し、解剖学的構造及び/若しくは解剖学的構造から得た組織試料を汚染しないために、挿入管及び/又は作業チャネルに対する摩耗及び損傷を低減する、又は最小化することが望ましい場合がある。1つ又は2つ以上の作業チャネル内の1つ又は2つ以上の内視鏡器具の位置又は配置の監視及び/又は決定を支援し、内視鏡器具が作業チャネル内の望ましい位置にないとき、内視鏡器具の動作を阻止できる、1つ又は2つ以上の保護機構を有することが望ましい場合がある。国際公開第2011133941(A3)号、同第2007033379(A3)号、米国特許出願公開第20140350564号、同第20060206178(A1)号、米国特許第8870761号、及び同第7569626号に記載のものなど様々な内視鏡及び内視鏡器具が既知であり、これらの特許は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つ又は2つ以上の内視鏡作業チャネル用の1つ又は2つ以上の保護機構が提供される。本教示は、機械的及び/若しくは熱損傷、又は作業チャネル内での内視鏡器具の移動、往復運動、及び/若しくは他の方法での動作により生じた任意の他の種類の摩耗若しくは損傷から挿入管の作業チャネルを保護し得る、1つ又は2つ以上の保護機構を企図する。有利には、本教示は、挿入管及び/又は作業チャネルに対する摩耗及び/又は損傷を低減し得るか、最小化し得、挿入管及び/又は内視鏡の寿命を延長する。有利には、本教示は、解剖学的構造及び/又は解剖学的構造から分離された試料の汚染を低減し得る、又は最小化し得る。本教示はまた、作業チャネル内の内視鏡器具の位置又は配置の監視及び/又は決定を支援し、内視鏡器具が作業チャネル内の好ましい、又は所望の位置にないとき、内視鏡器具の動作を阻止できる、1つ又は2つ以上の保護機構を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】対象部位にある挿入管及び医療器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本教示は、医療装置に関する。この医療装置は、患者の解剖学的構造内の対象位置への視覚的アクセスをユーザーに提供するように機能し得る、任意の装置であってよい。医療装置は、内視鏡器具などの器具が、患者の解剖学的構造内の対象部位などリモート位置に挿入されるように機能してよい。医療装置は、事実上あらゆる医療処置において用いられ得る。例えば、医療装置は、経皮腎石摘出術(PCNL)など最小侵襲性処置で用いられ得る。医療装置は内視鏡であってよい。医療装置は、膀胱鏡、腎盂鏡、気管支鏡、喉頭鏡、耳鏡、関節鏡、腹腔鏡、又はこれらの組み合わせなど任意の内視鏡であってよい。
【0009】
医療装置は、ハンドピースを含んでよい。ハンドピースは、ユーザーが医療装置を把持する、保持する、操作する、及び/又は動作させる領域を提供するように機能してよい。ハンドピースは、ユーザーが、医療装置、挿入管、挿入管に挿入された1つ若しくは2つ以上の医療器具、又はこれらの組み合わせの移動、操作、及び/別の方法での動作を実行できるように、1つ又は2つ以上の制御装置を含んでよい。例えば、1つ又は2つ以上の制御装置は、挿入管の少なくとも一部(例えば、遠位屈曲部)を屈曲させてよい、又は関節接合させてよい。
【0010】
ハンドピースは、1つ又は2つ以上のポートを含んでよい。1つ又は2つ以上のポートとしては、1つ又は2つ以上の作業チャネルポートが挙げられてよい。1つ又は2つ以上のポートは、挿入管の1つ又は2つ以上の作業チャネルへのアクセスを提供するように機能してよい。例えば、1つ又は2つ以上のポートは、灌流液、吸入装置、及び/又は1つ又は2つ以上の医療器具を1つ又は2つ以上の作業チャネル、最終的には解剖学的構造内の対象部位に供給してよい。
【0011】
医療装置は、挿入管を含んでよい。挿入管は、医療装置の一部(例えば、ハンドピース)が患者又は解剖学的構造の外部に留まりつつも、医療装置の少なくとも一部が、患者又は解剖学的構造に挿入されるように機能してよい。挿入管は、対向する近位端と遠位端との間の長手方向軸に沿って延在する、細長い管状部材であってよい。挿入管の近位端は、ハンドピースに接続されてよい。医療処置中、遠位端は、患者又は解剖学的構造に挿入されてよい。挿入管は、実質的に真っ直ぐであってよい、1つ若しくは2つ以上の角部、屈曲部、若しくは弓状部を含んでよい、又はこれらの組み合わせであってよい。挿入管は、実質的に剛性、実質的に可撓性、実質的に弾性、又はこれらの組み合わせであってよい。例えば、挿入管の少なくとも遠位部は移動可能、関節接合可能、屈曲可能、偏向可能、及び/又は誘導可能であってよく、ユーザーは、解剖学的構造内の特徴部付近にある少なくとも遠位部分を対象部位まで誘導できる。
【0012】
挿入管は、1つ又は2つ以上の作業チャネルを含んでよい。1つ又は2つ以上の作業チャネルは、1つ又は2つ以上の医療器具が挿入管に挿入され、通過するように機能してよい。1つ又は2つ以上の作業チャネルは、1つ又は2つ以上の別個の、つまり独立した挿入管内の内腔又はチャネルによって画定されてよい。1つ又は2つ以上の作業チャネルは、同一サイズを有してよい、又は様々なサイズの医療器具を収容するようにサイズが異なってよい。1つ又は2つ以上の医療器具は、別個の、つまり独立した挿入管内の内腔若しくはチャネルを通過できる、又は複数の医療器具は、単一の内腔若しくはチャネルを通過できる。作業チャネルはテフロン(登録商標)を含んでよい。本明細書に開示する保護機構のうちの1つ又は2つ以上がなければ、挿入、切除、操作、使用、起動、発射、及び/又は作業チャネル内での1つ又は2つ以上の医療器具の別の方法での使用は、1つ又は2つ以上の作業チャネルの内壁若しくは内表面及び/又はテフロンを不所望に損傷(熱損傷及び/又は機械的損傷など)することがある。
【0013】
作業チャネルは、内壁又は内表面を含んでよい。場合によっては、作業チャネルの内壁又は内表面は、挿入管の内壁又は内表面と同一であってよい(例えば、
図2bを参照)。場合によっては、作業チャネルの内壁又は内表面は挿入管内に位置し、挿入管の内壁又は内表面とは異なってよい(挿入管が複数の作業チャネルを含む場合など、例えば、
図2aを参照)。場合によっては、作業チャネルの内壁又は内表面の少なくとも一部は、挿入管の内壁又は内表面と同一であり、作業チャネルの内壁又は内表面の別の一部は、挿入管の内壁又は内表面と別個であってよい(例えば、
図2cを参照)。
【0014】
1つ又は2つ以上の医療器具は、医療装置、挿入管、挿入管内の1つ若しくは2つ以上の作業チャネル、又はこれらの組み合わせに挿入され得る、及び/又はこれらを通過し得る。例えば、1つ又は2つ以上の医療器具は、解剖学的構造の内側領域をより詳しく観察する、組織試料を得て、切除する、特定の疾患を治療する、腫瘍を切除する、止血する、若しくは異物を分解する、又はこれらの組み合わせを実行するために用いられる、任意の好適な器具であってよい。1つ又は2つ以上の医療器具は、1つ又は2つ以上の内視鏡器具であってよい。1つ又は2つ以上の医療器具は、灌流液、吸入装置、又はその両方を含んでよい。1つ又は2つ以上の医療器具は、1つ又は2つ以上のカテーテル、針、鉗子、焼灼器、砕石器、レーザー、開創器、把持器、解剖用器具、バスケット装置、はさみ、カメラ、光源など、又はこれらの組み合わせを含んでよい。1つ又は2つ以上の医療器具は、ハンドピースに位置する1つ又は2つ以上の制御装置、及び/又はリモート位置、例えばフットペダルに位置する1つ又は2つ以上の制御装置を用いて、ユーザーによって制御されてよい。
【0015】
医療装置は、1つ又は2つ以上のストッパーを含んでよい。1つ又は2つ以上のストッパーは、挿入管及び/又は作業チャネル内の1つ又は2つ以上の医療器具、保護装置、スリーブ、又はこれらの組み合わせを支持するように機能してよい。1つ又は2つ以上のストッパーは、1つ若しくは2つ以上の医療器具、保護装置、スリーブ、又は組み合わせが移動しない、滑動しない、並びに/又は挿入管及び/若しくは作業チャネル内で不注意により再配置されない、若しくは移動させられないように機能してよい。1つ又は2つ以上のストッパーは、少なくとも部分的に弾性材料又はゴム材料で作製されてよい。1つ又は2つ以上のストッパーは、電気絶縁体であってよい。1つ又は2つ以上のストッパーは、Oリングであってよい。1つ又は2つ以上のストッパーは、作業チャネル、挿入管、又はその両方の内壁又は内表面に永久的に取り付けられてよい。1つ又は2つ以上のストッパーは取り外し可能又は交換可能であってよく、作業チャネルに挿入される医療器具に応じて、様々なサイズ及び/又は形状のストッパーが選択的に取り付けられ得る。1つ又は2つ以上のストッパーは、挿入管、作業チャネル、又はその両方に対して移動可能であってよい、及び/又は固定されていてよい。1つ又は2つ以上のストッパーは、挿入管、作業チャネル、若しくはその両方の遠位端の手前まで延在してよい、挿入管、作業チャネル、若しくはその両方の遠位端から突出して延在してよい、又は挿入管、作業チャネル、若しくはその両方の遠位端と同一平面であってよい。
【0016】
医療装置は、1つ又は2つ以上の保護機構を含んでよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、1つ若しくは2つ以上の作業チャネル、挿入管、内視鏡、又はこれらの組み合わせを保護する、及び/又はこれらに保護を提供するように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、作業チャネルと、作業チャネルに挿入された、1つ若しくは2つ以上の医療器具との接触を制限する、又は阻止するように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、1つ又は2つ以上の医療器具が1つ又は2つ以上の作業チャネル内で動作するとき、作業チャネルに対する、及び/又は挿入管の内側に対する損傷を制限する、又は阻止するように機能してよい。「動作」とは、作業チャネル内において、医療器具の挿入、移動、操作、方向付け、回転、押し出し、引き寄せ、関節接合、起動、動作、発射、又はこれらの組み合わせが行われることを意味してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、作業チャネル内において、1つ又は2つ以上の医療器具の挿入、移動、操作、方向付け、回転、押し出し、引き寄せ、関節接合、又はこれらの組み合わせが行われるとき、作業チャネル及び/又は挿入管の内側に対する、ひっかき、溝状の傷、凹み、変形、外傷の形態の損傷を制限する、低減する、又は阻止するように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、1つ又は2つ以上の医療器具が作業チャネルと接触するとき、作業チャネルからの破片、削りくず、及び/又はかけらの抜け落ちを制限する、低減する、又は阻止するように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、作業チャネルと、作業チャネルに挿入された、1つ又は2つ以上の医療器具との金属接触を制限する、又は阻止するように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、挿入管、作業チャネル、又はその両方に力を加えるように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、挿入管、作業チャネル、又はその両方に対して、特に、挿入管の少なくとも遠位領域又は遠位部であってよい、挿入管が屈曲可能、偏向可能、関節接合可能、及び/又は変形可能である領域において力を加えるように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、ハンドピース、患者、挿入管、挿入管の近位端、挿入管の遠位端、又はこれらの組み合わせなど既知の、固定された、又は決定された位置に対して、1つ若しくは2つ以上の作業チャネル及び/又は挿入管内の1つ若しくは2つ以上の医療器具の配置又は位置を決定する論理チェックを提供するように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、挿入管内での医療器具の有無を検出するように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護機構は、医療器具が完全に挿入管に挿通される、及び/又は挿入管の遠位端から延出することを確実にするように機能してよい。
【0017】
1つ又は2つ以上の保護機構は、任意の1つ又は2つ以上の本明細書に記載の保護機構の機構、機能、及び特性を含んでよい。例えば、ある保護機構は、
図2cに示す、1つ若しくは2つ以上の保護部分、保護
図3に示す、1つ若しくは2つ以上の切欠き部、及び/又は
図2bに示す、1対若しくは2対以上のコンデンサなどを含んでよい。
【0018】
この保護機構は、作業チャネルの全長に沿って、又はその一部のみに沿って位置してよい。例えば、ある保護機構は、作業チャネルの近位領域、作業チャネルの遠位領域、又は作業チャネルの中心領域に位置してよい。場合によっては、挿入管又は作業チャネルの内壁又は直径に対する損傷を阻止するように、保護機構が作業チャネル又は挿入管の全長に沿って延在することが有利な場合がある。これは、医療器具がレーザーの場合、特に望ましいことがある。つまり、レーザーの最も外側のカバー又はシーリングは、その長さに沿って任意の位置で損傷し得る(damaged)、又は損傷し得(comprised)、レーザーが発射されると、レーザー波長が損傷した(damaged)、又は損傷した(compromised)領域から出射し得る。つまり、保護機構が作業チャネル又は挿入管の全長に沿って位置する場合、挿入管、作業チャネル、及び/又は医療装置に対する損傷は低減し得る、又は阻止され得る。遠位領域を強化するために遠位部又は遠位領域が屈曲可能である場合、保護機構は、遠位部又は遠位領域に位置することが望ましいことがあり、1つ又は2つ以上の医療器具の移動、回転、屈曲、往復運動など、及び/又はその内部での別の方法での動作中に、挿入管が、繰り返される挿入管の操作、屈曲、関節接合、及び/又は偏向に耐えることができる。保護機構は、挿入管及び/又は作業チャネルの屈曲領域、角、又は方向に沿って位置してよく、保護機構は、例えば、腎臓の下極など対象部位にアクセスする場合など挿入管及び/又は作業チャネルが極度に屈曲させられるときに挿入管を強化するように機能する。
【0019】
保護機構は、好適な材料で作製されてよい。保護機構の材料は、保護機構がレーザー波長に対して極めて吸収性である、及び/又は高熱伝導性を有するような材料であってよい。この材料は、1~20W/mKの範囲の熱伝導率を有してよい。保護機構の材料は、レーザーの熱エネルギーが保護機構に浸透することができず、したがって、作業チャネル、挿入部、又はその両方を破壊又は損傷できない材料であってよい。保護機構の材料は、保護機構が可撓性、耐キンク性、かつレーザーセーフである材料であってよい。保護機構の材料は、1つ又は2つ以上の医療器具が保護機構と接触したとき、保護機構がひっかき、溝状の傷、凹み、及び/又は変形に耐え得る材料であってよい。例えば、保護機構は、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroehtylene)(PTFE)、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、又は他の熱ポリマーなどプラスチック又は非金属で作製されてよい。水がレーザー光を吸収できることは既知であるため、例えば保護機構は、高含水量を有する材料で作製されてよい。例えば、保護機構は、金属酸化物、ダイヤモンド、ダイヤモンド結晶、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素炭素、又はカーボンナノチューブで作製されてよい。例えば、保護機構は、金属酸化物、ダイヤモンド、ダイヤモンド結晶、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素炭素、又はカーボンナノチューブなど添加剤と融合するポリマーを含んでよい。例えば、保護機構は、架橋熱ポリマーを含んでよい。例えば、保護機構は、高電子密度材料であって、光を遮断してよい。例えば、保護機構は、放射線不透過性要素又は放射線不透過剤を含んで、光子吸収を停止させてよい。例えば、保護層は、吸収されないエネルギーを散逸させるために、高熱耐性を有し、高熱伝導性であってよい。例えば、保護機構は、低圧蒸着又は低温蒸着によって形成されて、保護機構を作業チャネルに取り付けてよい、又は結合してよい。
【0020】
保護機構は、作業チャネル内に位置する、1つ又は2つ以上の材料又は機構の層であってよい。保護機構は、作業チャネル、挿入管の内壁若しくは内表面、又はその両方のうちの1つ又は2つ以上の内壁又は内表面に接続されてよい。この接続は、取り外し可能であっても、永続的であってもよい。例えば、保護機構は、取り外し可能又は交換可能であってよい。これは、挿入管が加圧減菌されて再利用され得るが、保護機構は損傷のために交換が必要なときに有利なことがある。これはまた、様々なサイズ又は種類の保護機構の使用が所望されるときに有利なことがある。例えば、ある特定の保護機構は、鉗子など特定の医療器具の使用時に所望されてよく、別の種類の保護機構は、レーザーの使用時に所望されてよい。したがって、取り外し可能な接続は、単一又は標準的な挿入先端部を使用し続けながらも、制約を受けない柔軟性をユーザーにもたらしてよい。
【0021】
保護機構は、1つ又は2つ以上のコンデンサを含んでよい。保護機構は、1つ又は2つ以上の平行平板コンデンサを含んでよい。好ましくは、保護機構は、少なくとも1対の対向する平行平板コンデンサを含む。しかしながら、2つ又は3つ以上の対向する平行平板コンデンサが好ましくてよい。1つ又は2つ以上のコンデンサは、ハンドピース、患者、挿入管、挿入管の近位端、挿入管の遠位端、又はこれらの組み合わせなど既知の、固定された、又は決定された位置に対して、1つ又は2つ以上の作業チャネル内の1つ又は2つ以上の医療器具の配置又は位置を決定する論理チェックを提供するように機能してよい。論理チェックは、医療装置、医療装置と連通する制御装置、又は医療装置と連通するコンピュータによって実行されてよい。1つ又は2つ以上のコンデンサは、挿入管内での医療器具の有無を検出するように機能してよい。1つ又は2つ以上のコンデンサは、医療器具が完全に挿入管に挿通される、及び/又は挿入管の遠位端から延出することを確実にするように機能してよい。医療器具がレーザーである場合、レーザーの起動時、及び/又は発射時に、レーザー波長が作業チャネル及び/又は挿入管の内側部分と接触せず、医療装置及び/又は挿入管に対する不要な損傷が阻止され得るように、レーザーが確実に挿入管に完全に挿通されること、及び/又は挿入管の遠位端から延出することが望ましいことがある。医療器具が所望の位置又は配置にないことを論理チェックが決定する場合、医療器具がレーザーであれば、医療器具は動作又は発射を阻止されてよい。したがって、偶発的、又は時期尚早の発射が制限され得る、又は阻止され得る。
【0022】
保護機構(例えば、コンデンサ)は、方法に従って動作し得る。コンデンサが、その間に医療器具が位置しない状態で互いに対向するとき、制御装置又は論理システムによってコンデンサ間の第1の静電容量が測定され得る、又は決定され得る。医療器具がコンデンサ間に位置するとき、制御装置又は論理システムによってコンデンサ間の第2の静電容量が測定され得る、又は決定され得る。第2の静電容量は、所定の値又は動作範囲であり得る、又は第2の静電容量は、第1の静電容量に等しくない値であり得る。制御装置、論理システム、医療装置、及び/又は医療器具は、制御装置又は論理システムによって第2の静電容量が測定される、又は決定されるときに医療器具が動作され得るように、適合され得る、構成され得る、又は動作され得る。あるいは、制御装置又は論理システムによって第2の静電容量が測定されない、又は決定されないとき、医療器具は動作を制限され得る、又は阻止され得る。
【0023】
任意の数のかかる対向するコンデンサが用いられ得る。例えば、2セットの対向するコンデンサが用いられ得る。例えば、近位対のコンデンサ及び遠位対のコンデンサは、作業チャネル内に配置され得る。医療器具が作業チャネル内に位置しない、及び/又は両コンデンサ対に近位に位置しないとき、第1対及び第2対の対向するコンデンサのそれぞれの間の静電容量は、制御装置又は論理システムによってそれぞれ決定されるC1及びC2であり得る。医療器具が第1対のコンデンサ間に位置するとき、第1対のコンデンサ間の静電容量は、制御装置又は論理システムによってC1’と決定されてよい。C1’は、測定値又は動作範囲であってよい、又はC1若しくはC1の許容可能な動作範囲に等しくない値であってよい。制御装置又は論理システムが、静電容量をC1’及びC2と読み取るとき、制御装置又は論理システムは、医療器具が第1対及び第2対のコンデンサ間の任意の位置に位置する又は配置されていることを理解する。制御装置又は論理システムは、この期間中、医療器具の動作を制限してよい、又は阻止してよい。両対のコンデンサ間に位置する、又は配置されるように医療器具が更に移動させられると、制御装置又は論理システムは、静電容量がC1’及びC2’であると決定し、したがって医療器具が両コンデンサ対の間に位置することを理解してよい。C2’は、測定値又は動作範囲であってよい、又はC2若しくはC2の許容可能な動作範囲に等しくない値であってよい。作業管の遠位端付近にコンデンサを配置することにより、コンデンサを用いて、ハンドピース、挿入管の遠位端、又はその両方に対する医療器具の遠位端又は遠位部の有無、位置、及び/又は配置を決定できる。したがって、医療器具は、挿入管内での存在、位置、及び/又は配置に応じて、動作し得る、又は動作を制約され得る。
【0024】
保護機構は、少なくとも部分的に反射性である材料を含んでよい。医療器具がレーザーである場合、使用中に、レーザーが起動して、試験信号又は波長(医療処置中に用いられる正常波長よりも短いレーザー波長であり得る)を送信することがある。レーザーが作業チャネル内で適切に位置しない場合(例えば、レーザーが挿入管の遠位端を超えて延在しない場合)、反射性表面は、医療装置、制御装置、又はその両方によって検出され得る試験信号若しくは波長、又は他のパターンの散乱を生成するように機能して、レーザーが適切に位置付けられていないことを示し、したがって、レーザーの起動又は正常信号若しくは波長の発射を阻止してよい。加えて、又はあるいは、レーザーのカバー又はシースが損傷した(例えば、裂けた)場合、レーザーの遠位端が挿入管の遠位端に対して適切に位置付けられているとしても、試験信号又は波長の発射により、試験信号又は波長が、その長さに沿ったいずれかの位置からレーザーを出射させ得る。したがって、反射性表面は、試験信号若しくは波長、又は医療装置、制御装置、若しくはその両方によって検出され得る他のパターンの散乱を生じさせて、したがって、レーザーに正常信号又は波長を発射させず、したがって、挿入管の内側又は作業チャネルに対する損傷を阻止するように機能してよい。
【0025】
保護機構は、1つ又は2つ以上の保護部分を含んでよい。1つ又は2つ以上の保護部分は、作業チャネルの少なくとも一部内に配置されてよく、挿入管及び/又は1つ若しくは2つ以上の医療器具の屈折(bend)、屈曲(flex)、及び/又は関節接合を可能にするように機能してよい。1つ又は2つ以上の保護部分は、作業チャネルの外周の周りに少なくとも部分的に延在してよいが、場合によっては、この部分が作業チャネルの外周全体に延在することが望ましいことがある。1つ又は2つ以上の保護部分は、挿入管の長手方向軸に対して、1つ又は2つの部分において作業チャネルの外周の周りに少なくとも部分的に延在してよい。例えば、1つ又は2つ以上の部分は長手方向軸と平行に配置されて、約20度離れて、約30度離れて、約45度離れて、約90度離れて、約135度離れて、又は更には約180度離れて離間してよい。あるいは、これらの部分は、不規則に離間されてよい。あるいは、これらの部分は、1つ又は2つ以上の作業チャネルの内側の周りにらせん状に、又は無作為に配置され得る。1つ又は2つ以上の保護部分は、部分的に接続され、部分的にどの接続とも無関係である。例えば、保護部分の端部は、作業チャネル又は隣接する保護部分に接続されてよく、対向する端部はどの接続とも無関係である。当業者は、かかる説明を、蛇の皮、蛇の鱗、及び/又は屋根板と関連付け得る。この点に関して、挿入管の屈曲時、関節接合時、及び/又は移動時に、作業チャネルは、1つ又は2つ以上の保護部分によって覆われ、保護されたままである。
【0026】
保護機構はスリーブの一部として用いられてよく、保護機構は、医療装置及び/又は挿入管から迅速かつ容易に取り外され得る、又は分離され得る。スリーブの一部として用いられるとき、保護機構は、本明細書に記載の機能特性、材料特性、及び/又は構造特製のいずれかを含む細長い部分を含んでよい。上記のように、取り外し可能な保護機構は、挿入管が加圧減菌されて再利用され得るが、保護機構は損傷のために交換が必要なときに有利なことがある。これはまた、様々なサイズ又は種類の保護機構の使用が所望されるときに有利なことがある。例えば、ある特定の保護機構は、鉗子など特定の医療器具の使用時に所望されてよく、別の種類の保護機構は、レーザーの使用時に所望されてよい。
【0027】
保護機構又は細長い部分は、切欠き部を含んでよい。切欠き部は、処置中に光、カメラ、及び/又は本明細書に記載の他の医療器具の遮断を制限する、又は阻止する開口部を提供するように機能してよい。切欠き部は、保護機構の遠位端又は遠位部に位置してよい、又は切欠き部は、保護機構の長手方向全長に沿って位置し得、したがって、その長さに沿ってU字型断面を形成する。
【0028】
保護機構はアジャスタを含んでよい。アジャスタは、保護機構を移動させるように機能してよい。アジャスタは、ハンドピース又は患者に対して、保護機構の遠位移動、近位移動、回転移動、又はこれらの組み合わせの移動を実行させるように機能してよい。例えば、アジャスタを操作することにより、切欠き部をハンドピース上のポートのうちの1つ又は2つ以上と同一方向、ハンドピース上のポートから離れる方向、又はこれらの間の任意の方向に方向付けてよい。例えば、アジャスタを操作することにより、挿入管の遠位端に向かって、又は医療装置のハンドピースに向かって保護機構の遠位端を移動させてよい。これは、保護機構を挿入管に適切にフィットさせるのに有利であり得る。アジャスタは、保護機構又は細長い部分の長さを変えるように機能してよい。例えば、保護機構又は細長い部分は、調節できる(例えば、長く、つまり伸長させる、短く、つまり折り畳む、又はその両方)長さを有してよく、アジャスタを操作することにより、長さを変えてよい。これもまた、保護機構を特定の挿入管に適切にフィットさせるのに有利であり得る。アジャスタは、保護機構の断面サイズ又は直径を伸縮させて、様々なサイズの医療器具を収容するように機能してよい。アジャスタは、医療装置又はハンドルに保護機構又はスリーブを取り付けるように機能してよく、したがって、保護機構又はスリーブは、アジャスタを操作しなければハンドピースに対して移動できない。例えば、アジャスタは、医療装置の作業チャネルポート又は医療装置の他のポートに螺接されてよい。あるいは、アジャスタは、圧入又は任意の他の好適な接続によってハンドピースに接続されてよい、又は取り付けられてよい。好ましくは、接続は一時的であり、保護機構は、要求に応じて医療装置から分離され得る。
【0029】
図1は、医療装置10を示す。医療装置10は、挿入管12と、ハンドピース14と、を含む。挿入管12は、作業チャネル16と、遠位端18と、を含む。ハンドピース14は、ポート20と、アイピース22と、作業チャネルポート24と、を含む。医療器具26は、作業チャネルポート24を介して挿入管12の作業チャネル16へと挿入され得る。
【0030】
図2aは、線2a-2aに沿って切断した、
図1の挿入管12の断面を示す。保護機構28は、挿入管12の作業チャネル16の少なくとも一部内に配置される。医療器具26が作業チャネル16に挿入される、又は作業チャネル16内で移動されると、医療器具26は、作業チャネル16の内壁又は内表面48ではなく、保護機構28と接触し得る。挿入管12は複数のチャネル16’を含んでよく、これらのうちの1つ又は2つ以上は、本明細書に開示する保護機構28のうちの1つ又は2つ以上を含んでよい。チャネル16’は、光ファイバ、光学素子、灌流液、吸入装置などの収容に用いられてよい。
【0031】
図2bは、
図1の線2b-2bに沿って切断した挿入管12の断面を示す。保護機構28は、挿入管12の外周の周りの区域又は領域に位置し、挿入管12のときに挿入管12を強化するために、挿入管12は、屈曲する、又は偏向する。この図では、挿入管12は、両方向矢印52で識別される方向に屈曲可能である、又は偏向可能であるが、挿入管12は、任意の方向に屈曲する、又は偏向するように適合され得ることを理解されたい。作業チャネル16内に位置する医療器具26は、挿入管12が挿入管12の内壁又は内表面48と接触せずに屈曲するとき、保護機構28と接触してよい。
【0032】
図2cは、
図1の線2c-2cに沿って切断した挿入管12の長手方向断面を示す。保護機構28は、作業チャネル16の内壁又は内表面48内に配置される。この図では、保護機構28は、第1対の対向するコンデンサ28a1、28a2と第2対の対向するコンデンサ28b1、28b2と、を含む。医療器具26が作業チャネル16内に位置しないとき、又は医療器具26の少なくとも遠位端が作業チャネル16内に位置しない、若しくは第1のコンデンサ28a1、28a2の近位に位置しないとき、医療装置10又は制御装置40を用いて、第1のコンデンサ28a1、28a2間で第1の静電容量(C1)が測定され得る。同様に、第2の静電容量(C2)は、第2のコンデンサ28b1、28b2間で測定され得る。医療器具26の少なくとも遠位端が第1のコンデンサ28a1、28a2間に位置するように医療器具26が挿入管12の遠位端18に向かって移動されるとき、静電容量(C1’)は、第1のコンデンサ28a1、28a2間で測定され得る。医療器具26の少なくとも遠位端が第2対の対向するコンデンサ28b1、28b2間にも位置するように医療器具26が挿入管12の遠位端18に向かって更に移動されるとき、異なる静電容量(C2’)が第2対の対向するコンデンサ28b1、28b2間で測定され得る。医療装置10又は制御装置40は、第1のコンデンサ28a1、28a2間で測定された静電容量がC1又はC1’であり、第2のコンデンサ28b1、28b2間で測定された静電容量がC2であるとき、医療器具26の少なくとも遠位端が第1のコンデンサ28a1、28a2の近位に位置する、又は第1のコンデンサ28a1、28a2及び第2のコンデンサ28b1、28b2の間の任意の位置に位置することを理解する。したがって、医療器具26が、例えばレーザーである場合、医療装置10又は制御装置40は、レーザーの動作又は発射を阻止するように機能してよく、したがって、レーザーから発射されるレーザー波長が、挿入管12を機械的に及び/又は熱的に損傷しないようにする。医療装置10又は制御装置40が第1のコンデンサ28a1、28a2間の静電容量をC1’として測定し、第2のコンデンサ28b1、28b2間の静電容量をC2’として測定すると、医療装置10及び/又は制御装置40は、医療器具26の少なくとも遠位端が第2のコンデンサ28b1、28b2の遠位に位置し、したがって、挿入管12の遠位端18に、又はその付近にあることを理解する。したがって、医療器具26がレーザーである場合、レーザーは、レーザー波長が挿入管12の内側部分と接触する危険性を最小限にしながら、安全に動作し得る、又は発射し得る。
【0033】
図2dは、
図1の線2d-2dに沿って切断した
図1の挿入管12の長手方向断面を示す。一連の保護部分42を備える保護機構28は、作業チャネル16及び/又は挿入管12の内壁又は内表面48から延出する。保護部分42は蛇の皮又は屋根板に類似であってよく、各部分42の第1の部分44は作業チャネル16の内側又は隣接部分42に取り付けられており、各部分42の第2の部分46は移動可能であり、取り付けられていない。医療器具26が作業チャネル16に挿入される、又は作業チャネル16内で移動されると、医療器具26は、作業挿入管12の内壁又は内表面ではなく、保護機構28と接触し得る。
【0034】
図3は、保護機構28を示す。この図では、保護機構28はスリーブであってよい。保護機構28は、遠位端32と近位端34との間に延在する細長い部分30を含む。この図では、細長い部分30は、切欠き部36を含むが、細長い部分30は切欠き部を含まず、したがって、他の図では連続断面を有し得ることを理解されたい。保護機構28の近位端34は、アジャスタ38を含む。保護機構28は、
図1に示す挿入管12の作業チャネル16に接続可能である。使用中、医療器具26は作業チャネル12に挿入され得、作業チャネル16の内側部分又は内壁に接触するのではなく、医療器具(medical instatement)26は、代わりに保護機構28の細長い部分30と接触し得る。スリーブ30の遠位端32は、挿入管12の遠位端18と揃えられ得る、又は遠位端32は、挿入管12の遠位端18と作業チャネルポート24との間の任意の所望の位置に位置付けられ得る。アジャスタ38は、保護機構28を医療装置10に接続するように機能し得る。アジャスタ36を操作することにより、挿入管16内の保護機構28の位置の移動、回転、若しくはその両方、細長い部分30の長さの変更(例えば、伸縮)、又はこれらの組み合わせを実行させ得る。
【0035】
図4は、
図3の保護機構28を含む医療装置10を示す。アジャスタ36を操作することにより、挿入管12内でスリーブ30及び/又はスリーブ30の遠位端32の配置を再配置できる。
図4は、挿入管12の遠位端18を超えて延在する医療器具26の端部を示しており、この場合、長さ及び/又は配置を調節できる保護機構28を有することが望ましくなり得る。医療装置10は、挿入後に、挿入管12内でスリーブ30が移動しないように機能し得るストッパー52を含み得る。
図5は、対象部位50(この例では、腎臓の下極)にアクセスしている挿入管12及び医療器具26の断面図を示す。挿入管12は、対象部位50にアクセスするために屈曲配置で示す。挿入管12は、本明細書に記載の1つ又は2つ以上の保護機構28を含む。