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特許7166329走査アライメント装置およびその走査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】走査アライメント装置およびその走査方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20221028BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20221028BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
H01L21/68 F
H01L21/30 507J
H01L21/30 525P
H01L23/12 501P
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020502131
(86)(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2018095896
(87)【国際公開番号】W WO2019015558
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-03-02
(31)【優先権主張番号】201710582793.6
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】309012351
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ユー ダーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン シーファ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドンリャン
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106569390(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1333554(CN,A)
【文献】特開2010-041050(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102455600(CN,A)
【文献】特開昭62-248288(JP,A)
【文献】特開2008-177342(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0168187(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0001847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 21/027
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を走査するための走査アライメント装置であって、
半透過型レンズユニットと、撮像素子ユニットと、アライメントレンズユニットと、照明レンズユニットとを備え、
前記アライメントレンズユニットは、複数のサブアライメントレンズユニットを備え、前記撮像素子ユニットは、複数の撮像素子を備え、
前記複数の撮像素子のそれぞれは、複数の部分走査視野(FOV)の1つに対応しており、
前記複数のサブアライメントレンズユニットのそれぞれは、前記複数の撮像素子のそれぞれ1つに対応しており、
前記撮像素子ユニットにおける前記複数の撮像素子のそれぞれの画像倍率(magnification for image)、前記基板の中心からその縁部(edge)に向かって半径方向に徐々(progressively)に減少することにより、前記基板上に、前記基板の中心からその縁部に向かって半径方向に徐々に大きくなる前記部分走査視野(FOV)が形成されることを特徴とする走査アライメント装置。
【請求項2】
前記アライメントレンズユニットにおける前記複数のサブアライメントレンズユニットが、第1の方向に沿って配置され、
前記撮像素子ユニットにおける前記複数の撮像素子が、前記第1の方向に沿って配置され、
前記半透過型レンズユニット、前記撮像素子ユニットおよび前記アライメントレンズユニットが、第2の方向に沿って配置され、
前記半透過型レンズユニットおよび前記照明レンズユニットが、第3の方向に沿って配置され、
前記第2の方向が、前記第1の方向に対して垂直であり、前記第3の方向に対して角度をなして傾斜している、請求項1に記載の走査アライメント装置。
【請求項3】
前記アライメントレンズユニットが、第1のサブアライメントレンズユニットおよび第2のサブアライメントレンズユニットを備え、
前記第1のサブアライメントレンズユニットが、前記撮像素子ユニットと前記半透過型レンズユニットとの間に配置され、
前記第2のサブアライメントレンズユニットが、前記第1のサブアライメントレンズユニットと前記半透過型レンズユニットとの間、または前記半透過型レンズユニットと前記基板との間に配置される、請求項1に記載の走査アライメント装置。
【請求項4】
前記半透過型レンズユニットに、該半透過型レンズユニットが配置される方向に対して45°の角度で傾いた方向に沿って光が入射する、請求項1に記載の走査アライメント装置。
【請求項5】
前記アライメントレンズユニットが、通過するビームを複数のサブビームに分割するように構成され、
前記撮像素子ユニットが、前記複数のサブビームから前記基板の画像を取得するように構成される、請求項1に記載の走査アライメント装置。
【請求項6】
前記複数の撮像素子が、前記複数のサブビームのうちの対応する1つの画像を形成するようにそれぞれ構成された電荷結合デバイスである、請求項5に記載の走査アライメント装置。
【請求項7】
前記半透過型レンズユニットが、第1の方向に沿って配置された1つの半透過型レンズまたは複数のサブ半透過型レンズを含む、請求項1に記載の走査アライメント装置。
【請求項8】
前記照明レンズユニットが、第1の方向に沿って配置された1つの照明レンズまたは複数のサブ照明レンズを含む、請求項1に記載の走査アライメント装置。
【請求項9】
前記照明レンズまたは前記サブ照明レンズのそれぞれが、円柱レンズまたはフレネルレンズである、請求項8に記載の走査アライメント装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の走査アライメント装置を用いた走査方法であって、
アライメントレンズユニットは、それを通過するビームを複数のサブビームに分割するように構成され、各サブビームは、第1の走査方向と、該第1の走査方向に直交する第2の走査方向とで規定される走査FOVを共に構成する複数の部分走査視野(FOV)の1つに対応しており、
以下の工程を含む、走査方法:
工程1) 走査アライメント装置の第1の方向を基板の前記第2の走査方向に位置合わせし、初期位置に前記走査アライメント装置を位置決めする工程;
工程2) 前記走査アライメント装置を、前記第1の走査方向に第1の距離だけ移動させて、前記基板上を走査する工程;
工程3) 前記走査アライメント装置を、前記第2の走査方向に第2の距離だけ移動させる工程;
工程4) 前記走査アライメント装置を、前記第1の走査方向と反対の方向に前記第1の距離だけ移動させて、基板上で別の走査を行う工程;
工程5) 前記走査アライメント装置を、前記第2の走査方向に前記第2の距離だけ移動させる工程;並びに
工程6) 走査の総走査幅が、前記第2の走査方向における前記基板の最大サイズ以上になるまで、工程2)~5)を繰り返す工程、
ここで、前記第1の距離は、前記第1の走査方向における前記基板の最大サイズ以上であり、前記第2の距離は、前記第1の方向に平行な方向に測定された前記走査FOVの幅に等しい。
【請求項11】
前記部分走査視野(FOV)間にギャップがあり、各ギャップの幅が、該部分走査視野(FOV)のそれぞれの幅よりも小さく、
さらに、以下の工程を含む、請求項10に記載の走査方法:
工程7) 工程1)において、前記走査アライメント装置を初期位置に戻し、前記第2の走査方向に第3の距離だけ移動させた後、工程2)~6)を繰り返す工程、
ここで、前記第3の距離は、前記部分走査視野(FOV)間のギャップよりも大きく、前記部分走査視野(FOV)の幅よりも小さい。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか一項に記載の走査アライメント装置を用いた走査方法であって、
アライメントレンズユニットは、それを通過する光ビームを複数のサブビームに分割するように構成され、各サブビームは、走査FOVを共に構成する複数の部分走査視野(FOV)の1つに対応しており、
以下の工程を含む、走査方法:
工程1) 走査アライメント装置の第1の方向を基板の半径方向に位置合わせし、初期位置に前記走査アライメント装置を位置決めする工程;並びに
工程2) 前記基板または前記走査アライメント装置を、前記基板の垂直軸を中心に少なくとも1回転させて走査する工程。
【請求項13】
前記部分走査視野(FOV)間にギャップがあり、各ギャップの幅が、前記部分走査視野(FOV)の幅よりも小さく、
さらに、以下の工程を含む、請求項12に記載の走査方法:
工程3) 工程1)において、前記走査アライメント装置を初期位置に戻し、次に、前記基板の半径方向に第4の距離だけ移動させる工程;並びに
工程4) 前記基板または前記走査アライメント装置を、前記基板の垂直軸を中心に少なくとも1回転させて走査する工程、
ここで、前記第4の距離は、前記部分走査視野(FOV)間のギャップよりも大きく、前記部分走査視野(FOV)の幅よりも小さい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造の分野に関し、特に、走査アライメント装置及びその走査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンアウトは、集積回路チップの製造において重要なプロセスである。図1に示すように、従来のファンアウトプロセスは、以下の工程を含む:
工程1) 複数のダイ101を、それらの前面が上向きになるように、基板102上に均一に配置する工程;
工程2) ダイ101を樹脂103で封止し(encapsulating)、樹脂を硬化させる工程;
工程3) ダイ101の裏面が露出するように基板102を除去し、ダイ101の裏面が上を向くように、ダイを封止する樹脂シートをひっくり返す工程;
工程4) フォトリソグラフィ、電気めっき、及びエッチングプロセスを実行することによって再分配(redistribution)層104を形成する(すなわち、再分配層を、ダイを封止する樹脂シートの表面上に金属層及び誘電体層を堆積し、ダイ上に金属配線パターンを形成することによって形成する)工程;
工程5) パッシベーション層105(すなわち、再分配層の腐食を防ぐために再分配層上に形成された保護誘電体膜)を形成する工程;
工程6) パッシベーション層105において、再分配層104と接触するはんだボール106を形成する工程、ただし、バンピング技術を使用して代わりに金属バンプを形成してもよい;並びに
工程7) テストの実行後、工程6から得られた構造体を、複数の個々のデバイス107にダイシングする工程、ここで、各デバイス107は、少なくとも1つのダイ101を含む。
【0003】
しかしながら、ダイ101を基板102上に均一に配置する工程は、ダイ101の目標位置からの大きなずれ(deviation)の問題を伴うことが多い。図2に示すように、ダイ101はライン201上に配置することが意図されているが、ダイ101は実際には別のライン202上に配置してもよい。しかしながら、ライン201は別のライン202から最大10μmずれており、関連するプロセスの許容誤差(例えば、オーバーレイ許容誤差)である4μmを超えている。このため、次のプロセス(例えば、露出工程)の前に、ダイ101の位置を修正する必要がある。
【0004】
ダイ101の位置を修正するプロセスの間、まず、ダイ101の位置情報を取得するために、ダイ101を走査(scan)する。このような走査アライメントを行う従来の装置では、関連する走査視野(FOV)内のダイ101を走査可能な撮像素子(element)を1つだけ使用し、そこからダイ101の位置情報を抽出して記録するようにしている。したがって、このアプローチは非効率的であり、生産性及び製品スループットの低さにつながる傾向がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、従来のアライメント装置を用いた場合に生じる、上述した走査効率、生産性及び製品スループットの低さの問題を解決するために、新規な走査アライメント装置及びその走査方法を提供することにある。
【0006】
この目的のために、提供される走査アライメント装置は、基板を走査するために使用され、半透過型レンズユニット、撮像素子ユニット、アライメントレンズユニット及び照明レンズユニットを含む。アライメントレンズユニットは複数のサブアライメントレンズユニットを含み、撮像素子ユニットは複数の撮像素子を含む。各サブアライメントレンズユニットは、撮像素子のそれぞれ1つに対応している。
【0007】
任意に、アライメントレンズユニットにおけるサブアライメントレンズユニットは、第1の方向に沿って配置されることができ、ここで、撮像素子ユニットにおける撮像素子は、前記第1の方向に沿って配置され、半透過型レンズユニット、撮像素子ユニット及びアライメントレンズユニットは、第2の方向に沿って配置され、半透過型レンズユニットは、照明レンズユニットに対して第3の方向に沿って並んで配置され、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して垂直であり、かつ前記第3の方向に対して角度をなして傾斜している。
【0008】
任意に、アライメントレンズユニットは、第1のサブアライメントレンズユニット及び第2のサブアライメントレンズユニットを含むことができ、ここで、第1のサブアライメントレンズユニットは、撮像素子ユニットと半透過型レンズユニットとの間に配置され、第2のサブアライメントレンズユニットは、第1のサブアライメントレンズユニットと半透過型レンズユニットとの間、または半透過型レンズユニットと基板との間に配置される。
【0009】
任意に、光は、半透過型レンズユニットが配置される方向に対して45°の角度で傾斜する方向に沿って該半透過型レンズユニットに入射することができる。
【0010】
任意に、アライメントレンズユニットは、それを通過する光ビームを複数のサブビームに分割するように構成されることができ、ここで、撮像素子ユニットは、複数のサブビームから基板の画像を取得するように構成される。
【0011】
任意に、撮像素子は、それぞれが、サブビームのそれぞれ1つに作用する電荷結合デバイスであってもよい。
【0012】
任意に、撮像素子は、徐々に減少する倍率プロファイルを示す、明確に異なる倍率を有することができる。
【0013】
任意に、半透過型レンズユニットは、第1の方向に沿って配置された、1つの半透過型部材または複数の半透過型素子を含むことができる。
【0014】
任意に、照明レンズユニットは、第1の方向に沿って配置された、1つの照明レンズまたは複数の照明レンズ素子を含むことができる。
【0015】
任意に、照明レンズまたは照明レンズ素子は、円柱レンズまたはフレネルレンズであってもよい。
【0016】
本発明は、また、上述の走査アライメント装置を用いた走査方法を提供し、ここで、アライメントレンズユニットは、そこを通過する光ビームを複数のサブビームに分割するように構成され、それぞれの部分走査視野(FOV)を形成し、それらが一体となって(together)、第1の走査方向と、該第1の走査方向と直交する第2の走査方向とで規定される走査FOVを提供する。走査方法は、以下の工程を含む:
工程1: 走査アライメント装置を初期位置に移動し、その第1の方向を基板の第2の走査方向に位置合わせする工程;
工程2: 走査アライメント装置を第1の走査方向に第1の距離だけ移動させながら、基板上で走査を行う工程;
工程3: 走査アライメント装置を第2の走査方向に第2の距離だけ移動させる工程;
工程4: 走査アライメント装置を第1の走査方向とは反対の方向に第1の距離だけ移動させながら、基板上で別の走査を行う工程;
工程5: 走査アライメント装置を第2の走査方向に第2の距離だけ移動させる工程;並びに
工程6: 繰り返し実行される走査の総走査幅が、第2の走査方向における基板の最大サイズ以上になるまで、工程2~工程5を繰り返す工程、
ここで、第1の距離は、第1の走査方向における基板の最大サイズ以上であり、第2の距離は、第1の方向に平行な方向で測定された走査FOVの幅に等しい。
【0017】
任意に、部分走査FOV間にギャップが存在してもよく、それは部分走査FOVの幅よりも小さい幅を有し、さらに、走査方法は以下の工程を含む:
工程7: 工程1で走査アライメント装置を初期位置に戻し、次に、第2の走査方向に第3の距離だけ移動して、工程2~工程6を繰り返す工程、
ここで、第3の距離は、部分走査FOV間のギャップの幅よりも大きく、部分走査FOVの幅よりも小さい。
【0018】
本発明は、また、上述の走査アライメント装置を用いた別の走査方法を提供し、ここで、アライメントレンズユニットは、そこを通過する光ビームを複数のサブビームに分割するように構成され、それぞれの部分走査FOVを形成して、それらが一体となって走査FOVを提供する。当該走査方法は、以下の工程を含む:
工程1: 走査アライメント装置を初期位置に移動し、その第1の方向を基板の半径方向に位置合わせする工程;並びに
工程2: 基板を走査する走査アライメント装置と同時に、基板または走査アライメント装置を、基板の垂直軸を中心として少なくとも1回転させる工程。
【0019】
任意に、部分走査FOV間にギャップが存在してもよく、それは、部分走査FOVの幅よりも小さい幅を有し、さらに、走査方法は以下の工程を含む:
工程3: 工程1で走査アライメント装置を初期位置に戻し、次に、基板の半径方向に第4の距離だけ移動させる工程;並びに
工程4: 基板を走査する走査アライメント装置と同時に、基板または走査アライメント装置を、基板の垂直軸を中心として少なくとも1回転させる工程、
ここで、第4の距離は、部分走査FOV間のギャップの幅よりも大きく、部分走査FOVの幅よりも小さい。
【0020】
要約すると、従来のアプローチと比較して、本発明で提供される走査アライメント装置及び走査方法は、同じ数の走査FOVを提供できる、より多くの撮像素子を使用する。その結果、拡大総走査FOV(expanded aggregate scanning FOV)が得られ、走査効率の向上、生産性の向上及び製品スループットの向上をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1は、従来のファンアウトプロセスをグラフで示すフローチャートである。
図2は、従来のプロセスにおける基板上のダイの配置を概略的に示す図である。
図3は、本発明の一実施形態による走査アライメント装置が、どのように入射光を受光し、基板上に向けるかを概略的に示す図である。
図4は、本発明の別の実施形態による走査アライメント装置が、どのように入射光を受光し、基板上に向けるかを概略的に示す図である。
図5及び図6は、本発明の一実施形態による走査方法において、走査アライメント装置が基板を走査する走査経路の概略図である。
図7は、本発明の別の実施形態による、別の走査方法において、基板上に走査アライメント装置によって形成される走査視野(FOV)を概略的に示す図である。
図8は、本発明の一実施形態による複数の撮像素子の倍率と、基板の中心からのそれらの距離との間の関係を示す図である。
【0022】
これらの図では、
100、200-走査アライメント装置;
101-ダイ;102、307-基板;103-樹脂;104-再分配層;105-パッシベーション層;
106-はんだボール;107-個々のデバイス;201-ライン;202-別のライン;301-半透過型レンズユニット;
3011、3012、3013-サブ半透過型レンズ;302-撮像素子ユニット;
3021、3022、3023-撮像素子;303-第1のサブアライメントレンズユニット;
3031、3032、3033、3041、3042、3043-サブアライメントレンズ;304-第2のサブアライメントレンズユニット;
305-照明レンズ;3051、3052、3053-サブ照明レンズ;306-入射光ビーム;307-基板;
401-走査視野(FOV)。
【0023】
詳細な説明
本発明の特定の実施形態を、添付の概略図を参照して以下により詳細に説明する。本発明の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲からより明らかになるであろう。添付の図面は、必ずしも正確な縮尺で示されていない非常に簡略化された形態で提供されており、実施形態を説明する際の便宜及び明確さを容易にすることのみを目的としていることに留意されたい。
【0024】
図3及び図4を参照すると、走査アライメント装置は、半透過型レンズユニット、撮像素子ユニット302、アライメントレンズユニット及び照明レンズユニットを含む。アライメントレンズユニットは、例えば、第1のサブアライメントレンズユニット303及び第2のサブアライメントレンズユニット304を含む、複数のサブアライメントレンズユニットを含む。撮像素子ユニット302は、それぞれが、複数のサブアライメントレンズユニットのそれぞれ1つに対応する、複数の撮像素子を含む。半透過型レンズユニットは、1つの半透過型レンズまたは複数のサブ半透過型レンズを含み、照明レンズユニットは、1つの照明レンズまたは複数のサブ照明レンズを含む。
【0025】
図3に示す例では、半透過型レンズユニットは、1つの半透過型レンズを含み、照明レンズユニットは、1つの照明レンズを含む。図4の例では、半透過型レンズユニットは、複数のサブ半透過型レンズ3011、3012、3013を含み、照明レンズユニットは、複数のサブ照明レンズ3051、3052、3053を含む。
【0026】
実際の使用において、入射光ビーム306は、照明レンズユニットによって半透過型レンズユニットに入射する単一の連続光ビームに変換され、その後、入射連続光ビームを基板307上に反射する。基板307から反射された光は、半透過型レンズユニットを通って伝播して、アライメントレンズユニットに到達し、そこで、複数のサブビームに分割される。次いで、これらのサブビームは、撮像素子ユニット302に入射し、したがって、基板の画像を形成する。各サブビームは、撮像素子のそれぞれ1つに入射する。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態による走査アライメント装置100が入射光を受光し、該入射光を基板上に向ける方法を概略的に示している。図3に示すように、走査アライメント装置100における半透過型レンズユニット301は、1つの半透過型レンズとして実装され、照明レンズユニット305は、1つの照明レンズとして実装されている。加えて、アライメントレンズユニットは、第1のサブアライメントレンズユニット303及び第2のサブアライメントレンズユニット304を含み、第1のサブアライメントレンズユニット303及び第2のサブアライメントレンズユニット304のそれぞれは、第1の方向に沿って配置された複数のサブアライメントレンズを含む。撮像素子ユニット302は、第1の方向に沿ってまた配置された複数の撮像素子3021、3022、3023を含む。
【0028】
一実施形態では、撮像素子ユニット302、第1のサブアライメントレンズユニット303、第2のサブアライメントレンズユニット304及び半透過型レンズユニット301は、第2の方向に沿ってこの順序で順次配置される。また、半透過型レンズユニット301は、照明レンズ305に対して第3の方向に沿って並設されている。第2の方向は、第1の方向に対して垂直であり、第3の方向に対して0°~180°の範囲の角度、好ましくは90°傾斜している。この角度は、入射光が、半透過型レンズユニット301を通過した後に、基板に垂直に入射し、半透過型レンズユニット301を透過(transmit through)できるように、半透過型レンズユニット301に同じ方法で戻ることを保証できる。さらに、入射光は、透過(transmission)前後で異なる方向に伝播するため、部品の設計と組み立てを効率的に行うことができる。図3に示すように、入射光が透過前に伝播する方向は、第3の方向である。半透過型レンズに到達する前に、入射光はシェーピングを経験することがあり、その経路は、必ずしも直線であるとは限らず、湾曲していてもよいし、曲がっていてもよい。第2の方向は、基板307が配置される平面に対して垂直である。第1の方向は、入射光が透過前に伝播する方向及び第2の方向の両方に対して垂直である。
【0029】
第1のサブアライメントレンズユニット303は、3つのサブアライメントレンズ3031、3032、3033を含むことができるが、これらに限定されない。第1のサブアライメントレンズユニット303内のサブアライメントレンズの数は、必要に応じて増減可能であることが理解されよう。
【0030】
第2のサブアライメントレンズユニット304は、3つのサブアライメントレンズ3041、3042、3043を含むことができるが、これらに限定されない。第2のサブアライメントレンズユニット304内のサブアライメントレンズの数は、必要に応じて増減可能であることが理解されよう。
【0031】
撮像素子ユニット302は、3つの撮像素子3021、3022、3023を含むことができるが、これらに限定されない。サブアライメントレンズにおける撮像素子の数は、サブアライメントレンズの数に応じて増減することができ、走査アライメント装置100に構造上の柔軟性を付与する。一実施形態では、撮像素子の数は、第1のサブアライメントレンズユニット内のサブアライメントレンズの数と同じである。
【0032】
実際の使用では、入射光ビーム306は、照明レンズ305によって、半透過型レンズユニット301に入射する単一の連続光ビームに変換され、その後、半透過型レンズユニット301は、入射連続光ビームを基板307に反射する。基板307から反射された光は、半透過型レンズユニット301を通って伝播し、その後、第2のサブアライメントレンズユニット304及び第1のサブアライメントレンズユニット303を次々に伝播する。その結果、第2のサブアライメントレンズユニット304及び第1のサブアライメントレンズユニット303を通過した後の光は、複数のサブビームに分割され、次いで、撮像素子ユニット302に入射して、撮像素子ユニット302上に基板の画像を形成する。各サブビームは、撮像素子のそれぞれ1つに入射する。
【0033】
第1及び第2のサブアライメントレンズユニット303、304が、撮像素子ユニット302と半透過型レンズユニット301との間に配置される、図3に示す場合とは異なり、図4に示す別の実施形態では、走査アライメント装置200が、入射光を受光して、それを基板上に向ける。図4に示すように、第2のサブアライメントレンズユニット3041、3042、3043は、半透過型レンズユニットと基板307との間に配置される。
【0034】
さらに、図4の実施形態では、図3の半透過型レンズユニット301は、第1の方向に沿って整列された複数のサブ半透過型レンズに分割されている。サブ半透過型レンズは、3つのサブ半透過型レンズ3011、3012、3013を含むが、これらに限定されない。必要に応じて、サブ半透過型レンズの数を増減することができる。さらに、図4に示す実施形態では、図3の照明レンズ305はまた、第1の方向に沿って整列された複数のサブ照明レンズに分割されている。サブ照明レンズは、3つのサブ照明レンズ3051、3052、3053を含むが、これらに限定されず、サブ照明レンズの数は、必要に応じて増減することができる。
【0035】
図3及び4の実施形態では、1つ以上の照明レンズは、円柱レンズまたはフレネルレンズであってもよい。単一の半透過型レンズの場合には、その光の入射方向は、それが配置されている方向に対して45°の角度で傾斜していてもよい。撮像素子は、特に、サブビームのそれぞれ1つにそれぞれ作用する電荷結合デバイスであってもよい。
【0036】
さらに、図5は、本発明の一実施形態による走査方法における、走査アライメント装置が基板を走査する走査経路の概略図である。走査アライメント装置は、限定を意味することなく、上述した走査アライメント装置100または走査アライメント装置200のいずれであってもよい。各サブビームは、それぞれの部分走査視野(FOV)に対応している。全ての部分走査FOVは、走査FOVを構成している。
【0037】
図5に示すように、部分走査FOVから得られる走査FOVは、走査幅を有しており、この走査アライメント装置を用いた走査方法について、以下に詳細に説明する。
【0038】
部分走査FOV間にギャップがない場合、本方法は、以下の工程を含むことができる:
工程1) 走査アライメント装置の走査FOV401を点Aに移動させる工程;
工程2) 走査アライメント装置を、経路Xに沿って点Bまで、第1の走査方向S1に第1の距離だけ移動させる工程;
工程3) 走査アライメント装置を、経路Xに沿って点Cまで、第1の走査方向S1に対して垂直な第2の走査方向S2に第2の距離だけ移動させる工程;
工程4) 走査アライメント装置を、経路Xに沿って点Dまで、第1の走査方向S1とは反対の方向に第1の距離だけ移動させる工程;並びに
工程5) 走査アライメント装置を、経路Xに沿って点Eまで、第2の走査方向S2に第2の距離だけ移動させる工程。
【0039】
これらの工程を1サイクルとして、開始点Aから終了点Kまでの距離が基板307の直径以上である場合、基板の走査を完了することができる。
【0040】
基板全体が走査されることを保証するために、第1の距離は、基板307の直径以上であり(これに限定されない)、第2の距離は、走査FOV401の幅に等しい。
【0041】
部分走査FOV間にギャップがある場合には、本方法は、さらに以下の工程を含むことができる:経路Xと同一であって、第2の走査方向にそこから第3の距離だけずれた経路Yを計画する工程(図6参照)。第3の距離は、部分走査FOV間のギャップよりも大きく、かつ、部分走査FOVの幅よりも小さい。この場合、経路Xに沿って走査した後、そこから第3の距離だけずれた経路Yに沿って、別の走査を行うことができる。このようにして、基板全体の走査を保証することができる。
【0042】
この実施形態によれば、走査アライメント装置及び基板307のいずれかを、経路X及びYに沿って移動させることにより、走査を行うことができる。
【0043】
図7は、本発明の一実施形態による別の走査方法において、基板上に走査アライメント装置によって形成される走査FOVを概略的に示す図である。図7に示す場合、走査アライメント装置の撮像素子ユニット302は、4つの撮像素子を含み、撮像素子ユニット302内の4つの撮像素子の各々の倍率は、基板の中心Oからその縁部(edge)に向けて半径方向(radially)を指す方向に次第に減少する。その結果、中心Oから縁部に向かう前記方向にサイズが徐々に大きくなる部分走査FOVが形成され、それらが一体となって基板上に実質的に扇形の走査FOVZが形成される。図8は、撮像素子の倍率と、中心Oからのそれらの距離との間の関係を示している。
【0044】
図8において、横軸は、mmで測定された、基板305の中心Oからの撮像素子の半径方向距離を表し、縦軸は、それらの倍率を表す。図8において、Hで示される理想的な倍率プロファイルと比較すると、撮像素子は、それぞれ、基板305の半径方向に一定の幅及び固定倍率を有するので、実際のプロファイルは、図7のように、それぞれの部分走査FOVに対応する階段状のライン(stepped line)である。実際の走査アプリケーションでは、4つの撮像素子のうちの3つを有効にすることもできる。この場合、3つの部分走査FOVが基板上に形成され、したがって、3つの対応する階段状のラインが図8に現れる。当業者は、本発明が4つまたは3つの撮像素子に限定されないことを理解するであろう。なぜなら、様々な実際の走査アプリケーションの要件を満たすために、異なる数の撮像素子を使用することができるからである。
【0045】
上記の走査アライメント装置を用いた他の走査方法について、図7を参照して以下に詳述する。
【0046】
撮像素子間にギャップがない場合、本方法は、以下の工程を含むことができる:
工程11) 撮像素子の部分走査FOVから生じる走査FOVが、基板の半径の少なくとも一部をカバーするように、走査アライメント装置を初期位置に移動させ、その第1の方向を基板の半径方向と一致するように調整する工程;並びに
工程12) 基板305を走査する撮像素子ユニット302と同時に、少なくとも一回転した中心Oを通る基板305の法線を中心に基板305を回転させる工程。
【0047】
好ましくは、初期位置において、工程12)が一度だけ実行されるように、撮像素子の部分走査FOVから得られる走査FOVが、基板の半径全体をカバーする。
【0048】
任意に、初期位置における走査アライメント装置の走査FOVが基板の半径全体をカバーしない場合、工程12)は、基板全体の走査を完了するために、異なる初期位置から数回実行されてもよい。初期位置における走査アライメント装置の走査FOVが基板の中心Oを包含する場合、工程12)は、中心Oを包含する基板の円形領域の走査を可能にすることが容易に理解されよう。さもなければ、基板の環状領域の走査が可能となる。
【0049】
さらに、走査方法において、部分走査FOVよりも狭い部分走査FOV間のギャップが存在する場合には、工程12)の完了後に、走査アライメント装置の初期位置を中心Oに向けて第4の距離だけシフトさせ、その後、工程12)を再度繰り返すようにしてもよい。第4の距離は、部分走査FOV間のギャップの幅より大きく、部分走査FOV自体の幅より小さくてもよい。このようにして、基板305全体の走査を依然として達成することができる。
【0050】
上述の実施形態における撮像素子は、明確に異なる倍率を有する電荷結合デバイスであってもよい。走査FOVは、走査アライメント装置によって基板305上に投影されて撮像素子ユニット302にフィードバックされる入射光306によって画定される走査範囲であり、一方、部分走査FOVの各々は、走査アライメント装置によって基板305上に投影されて撮像素子のそれぞれの1つにフィードバックされる入射光306の一部によって画定される走査範囲であることが理解されよう。
【0051】
要約すると、本発明の走査アライメント装置では、照明レンズユニットによって入射光ビームが半透過型レンズユニットに入射する単一の連続光ビームに変換され、その後、この入射連続光ビームが基板に反射される。第1及び第2のサブアライメントレンズユニットは、通過する光ビームを複数のサブビームに分割するように構成され、撮像素子ユニットは、複数のサブビームから基板の画像を取得するように構成される。従来のアプローチと比較して、本発明は、同じ数の走査FOVを提供できるより多くの撮像素子を使用する。その結果、拡大総走査FOVが得られ、走査効率の向上、生産性の向上及び製品スループットの向上をもたらすことができる。
【0052】
上記に提示された実施形態は、いくつかの好ましい例に過ぎず、本発明を限定することを決して意図するものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、上記の教示に基づいて当業者によってなされた、本明細書に開示された主題又はその特徴に対してなされる同等の代替又は変形などのあらゆる修正も、本発明の範囲内にあると考えられることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8