(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】電子装置、表示システム及びその統合制御装置、セキュリティ認証方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20221028BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20221028BHJP
G06F 3/0354 20130101ALI20221028BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20221028BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20221028BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20221028BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20221028BHJP
G09G 3/3283 20160101ALI20221028BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20221028BHJP
G09G 3/32 20160101ALI20221028BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20221028BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20221028BHJP
【FI】
G06T7/00 500
G06F3/044 120
G06F3/0354 452
G09G5/00 550C
G09G5/00 550X
G09G3/36
G09G3/20 612P
G09G5/00 555D
G09G3/20 612R
G09G3/20 623F
G09G3/20 641C
G09G3/20 624C
G09G3/20 631V
G09G3/20 641Q
G09G3/20 650M
G09G3/3233
G09G3/20 641D
G09G3/3283
G09G5/36 520A
G09G5/00 510H
G09G3/20 691D
G09G3/20 691E
G09G3/20 623N
G09G3/32 A
G02F1/1333
G06F21/31
(21)【出願番号】P 2020529488
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(86)【国際出願番号】 CN2018081113
(87)【国際公開番号】W WO2019104920
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】201711241622.3
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュ、ドン
(72)【発明者】
【氏名】ファヌ、レイ
(72)【発明者】
【氏名】ホウ、リジェ
(72)【発明者】
【氏名】リ、クン
(72)【発明者】
【氏名】クィン、ジェンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジンファン
【審査官】▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-168768(JP,A)
【文献】特表2017-505481(JP,A)
【文献】特開2015-167022(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0363632(US,A1)
【文献】特開2008-197635(JP,A)
【文献】特開2013-080226(JP,A)
【文献】特開2003-067337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00 - 7/90
G09G 3/20 - 5/36
G06F 3/0354 - 3/044
G02F 1/1333
G06F 21/31
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合制御装置であって、
ディスプレイスクリーンに表示駆動信号を提供するための表示ユニットと、
少なくとも一つのセンサーに駆動信号を提供してセンシング信号を受信し、前記センシング信号をセンシングデータに変換するためのセンサーユニットと、
表示ユニットとセンサーユニットを制御するためのプロセッサとを備え、
前記プロセッサが少なくとも一部のセンシングデータに対してローカルセキュリティ認証を行い、且つ前記統合制御装置がオペレーティングシステムを実行するように構成されるメインプロセッサに認証結果を出力
し、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイスクリーンの動作状態に応じて、前記センシングデータが敏感データであるか否かを判定し、
前記センシングデータが生体特徴情報を含むか否かに基づいて、前記センシングデータの敏感レベルを判定し、
判定された前記センシングデータの前記敏感レベルに応じて、前記ローカルセキュリティ認証が前記センシングデータに対して行われる必要があるか否かを判定する
ように構成される、統合制御装置。
【請求項2】
特徴データを記憶するための不揮発性メモリをさらに備え、前記プロセッサは前記センシングデータと前記特徴データを比較して、ローカルセキュリティ認証を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の統合制御装置。
【請求項3】
前記表示ユニットは、液晶スクリーンを駆動するためのものであり、
表示データを受信するための表示及びグラフィックスインタフェースと、
入力された表示データに基づいてグラフィックスデータを生成するための表示コントローラと、
前記少なくとも一つのセンサーに最適化されたグラフィックを提供するためのグラフィックエンジンと、
ゲート電極電圧を生成して複数行の薄膜トランジスタをゲートするためのゲート電極駆動モジュールと、
グラフィックデータに基づいてグレースケール電圧を生成し、ゲートされた薄膜トランジスタを介してグレースケール電圧を印加するためのソース電極駆動モジュールと、
前記ゲート電極電圧と前記グレースケール電圧の出力時点を制御して、連続した画像フレーム周期に、複数行の薄膜トランジスタを走査の方式でゲートするためのタイミングコントローラとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の統合制御装置。
【請求項4】
前記表示ユニットはさらに、
共通電圧を生成するための共通電圧駆動モジュールと、
ガンマ補正曲線を記憶し、前記ソース電極駆動モジュールに、前記グレースケール電圧を補正し、輝度の変化に対する人間の目の非線形要求を満たすための補正信号を提供するためのガンマ基準モジュールとを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の統合制御装置。
【請求項5】
前記表示ユニットは、AMOLEDディスプレイスクリーンを駆動するためのものであり、
表示データを受信するための表示及びグラフィックスインタフェースと、
入力された表示データに基づいてグラフィックスデータを生成するための表示コントローラと、
前記少なくとも一つのセンサーに最適化されたグラフィックを提供するためのグラフィックエンジンと、
ゲート電極電圧を生成して複数行の薄膜トランジスタをゲートするための行駆動モジュールと、
グラフィックデータに基づいてグレースケール電圧を生成し、ゲートされた薄膜トランジスタを介して前記グレースケール電圧に対応する駆動電流を印加するための列駆動モジュールと、
前記ゲート電極電圧と前記グレースケール電圧の出力時点を制御して、連続した画像フレーム周期に、複数行の薄膜トランジスタを走査の方式でゲートするためのタイミングコントローラとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の統合制御装置。
【請求項6】
前記表示ユニットはさらに、
ガンマ補正曲線を記憶し、前記列駆動モジュールに、前記グレースケール電圧を補正し、輝度の変化に対する人間の目の非線形要求を満たすための補正信号を提供するためのガンマ基準モジュールを含む
ことを特徴とする請求項5に記載の統合制御装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのセンサーは、タッチセンサー、指紋センサー、掌紋センサー、音響センサー、光学センサーから選択された少なくとも一つを含み、前記センシングデータは、2次元コード、タッチ位置、指紋、掌紋、声紋、虹彩のうちの少なくとも一つを表すために用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載の統合制御装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つのセンサーはタッチセンサーであり、前記センサーユニットは、
タッチ駆動信号を提供してタッチセンシング信号を受信し、受信されたタッチセンシング信号に対して増幅及びデジタルアナログ変換を行って、センシングデータを生成するためのタッチ論理モジュールと、
センシングデータ、及びセンシングデータに基づいて生成された暗号化データと認証結果のうちの一つを前記統合制御装置の外部に伝送するためのタッチインタフェースとを含む
ことを特徴とする請求項7に記載の統合制御装置。
【請求項9】
前記統合制御装置は単一のチップである
ことを特徴とする請求項7に記載の統合制御装置。
【請求項10】
表示システムでは、
表示データに基づいて画像を表示するためのディスプレイスクリーンと、
ユーザインタラクションのセンシング信号を取得するための少なくとも一つのセンサーと、
請求項1に記載の統合制御装置とを備える、表示システム。
【請求項11】
前記ディスプレイスクリーンは液晶ディスプレイスクリーン、LED液晶ディスプレイスクリーン、AMOLEDディスプレイスクリーン、量子ドットディスプレイスクリーン、電子ペーパー、MicroLEDディスプレイスクリーンから選択されたいずれかの一つである
ことを特徴とする請求項10に記載の表示システム。
【請求項12】
前記少なくとも一つのセンサーは前記ディスプレイスクリーンの内部又は外部に位置する
ことを特徴とする請求項10に記載の表示システム。
【請求項13】
電子装置であって、
ユーザインタラクションのセンシング信号を取得するための少なくとも一つのセンサーと、
請求項1に記載の統合制御装置とを備える、電子装置。
【請求項14】
前記電子装置は携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、VRデバイス、ARデバイス、腕時計、自動車、自転車から選択されたいずれかの一つである
ことを特徴とする請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
請求項1~9のいずれか1項に記載の統合制御装置に適用されるセキュリティ認証方法であって、
ディスプレイスクリーンに関連付けられる少なくとも一つのセンサーからセンシング信号を取得することと、
前記センシング信号からセンシングデータを取得することと、
前記センシングデータのうちの少なくとも一部のセンシングデータを選択して暗号化して暗号化データを取得し、又は前記ディスプレイスクリーンのローカルでのセキュリティ認証であるローカルセキュリティ認証を行って認証結果を取得することと
を含み、
前記ローカルセキュリティ認証を行うステップの前に、前記セキュリティ認証方法は、
前記ディスプレイスクリーンの動作状態に応じて、前記センシングデータが敏感データであるか否かを判定することと、
前記センシングデータが生体特徴情報を含むか否かに基づいて、前記センシングデータの敏感レベルを判定することと、
判定された前記センシングデータの前記敏感レベルに応じて、前記ローカルセキュリティ認証が前記センシングデータに対して行われる必要があるか否かを判定することと
を含む、セキュリティ認証方法。
【請求項16】
ローカルセキュリティ認証を行うステップの前に、さらに、
前記センシングデータが敏感データであるか否かを判定するステップは、
前記少なくとも一つのセンサーから識別子を取得することと、
識別子に応じて前記センシングデータが敏感データであるか否かを判定することと
を含み、
前記少なくとも一部のセンシングデータが敏感データである
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ローカルセキュリティ認証を行うステップの前に、さらに、
ディスプレイスクリーンを所定の動作状態に設定することと、
前記ディスプレイスクリーンの動作状態を取得することと、
動作状態に応じて
、前記センシングデータを敏感データと非敏感データに区分することと
であって、前記センシングデータが、検出された動作状態に応じて、敏感データと非敏感データに区分され得る、前記センシングデータを区分すること
を含む
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
ローカルセキュリティ認証を行うステップの前に、さらに、
敏感レベルに従って、前記センシングデータをレベル1の敏感データとレベル2の敏感データに区分し、前記レベル2の敏感データの感度レベルが前記レベル1の敏感データよりも高いことを含み、
前記少なくとも一部のセンシングデータがレベル2の敏感データである
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記センシングデータ、前記暗号化データと前記認証結果をデータパケットにパッケージ化し、前記データパケットを送信することをさらに含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
パッケージ化は、データコンテンツの前に開始ビットとタイプ識別子を付加し、データコンテンツの後に終了ビットとチェックビットを付加することを意味する
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ローカルセキュリティ認証は前記センシングデータと特徴データを比較して比較結果を取得する
ことを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項22】
ローカルセキュリティ認証を行うステップの前に、さらに、前記少なくとも一つのセンサーを使用し、ローカルに前記特徴データを収集及び生成することを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は2017年11月30日に提出された、出願番号が201711241622.3で、発明の名称が「電子装置、表示システム及びその統合制御装置、セキュリティ認証方法」である中国特許出願に対する優先権を主張し、その全ての内容が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本出願は、表示技術分野に関し、より具体的には、電子装置、表示システム及びその統合制御装置、セキュリティ認証方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ビッグデータ時代の到来に伴い、大量のデータのセキュリティは、「ヒューマンコンピュータインタラクション」で効果的に解決する必要がある重要な問題になる。電子装置に配置されたディスプレイスクリーンは、画像とテキストを表示するために用いられるだけでなく、さらにヒューマンコンピュータインタラクションの重要なアプローチになる。ディスプレイスクリーンにタッチセンサー、指紋センサー、音響センサー、光学センサーなどが統合されてもよく、これにより、表示システムが形成される。ユーザはディスプレイスクリーンに文字の入力、アイコンの選択、ジェスチャ制御、音声、顔識別などの操作を直接行うことができる。
【0004】
表示システムは、情報収集の入口及び表示コンテンツの出口として、データインタラクションのセキュリティに対してかけがえのない役割を果たす。ディスプレイスクリーンで収集されるインタラクションデータには、例えばキーボード入力などのテキスト情報が含まれるだけでなく、指紋、顔の特徴などのプライバシー情報が含まれる可能性がある。これらの敏感データは、ディスプレイスクリーンのドライバーチップからマザーボードのプロセッサに伝送され、オペレーティングシステムによって処理されてセキュリティ認証などの機能を実現する。
【0005】
上記表示システムが敏感データをオペレーティングシステムに直接提供する従来技術には、ユーザの敏感データを漏洩する潜在的なリスクがある。システムレベルのセキュリティ認証はほとんどの移動端末のオペレーティングシステムの機能であり、例えばアンドロイドシステムは指紋識別フレームワークを提供する。アプリケーションプログラム(APP)は、オペレーティングシステムから身元認証の呼び出し権限を取得する場合のみ、支払いなどの機能ニーズを完了することができる。アプリケーションプログラム(APP)のリクエストを受信した後、オペレーティングシステムは、指紋を収集し、収集された指紋を格納された指紋特徴データと比較して、ユーザ身元を判定する。アプリケーションプログラム(APP)は、オペレーティングシステムから身元認証の結果を取得する。しかしながら、ユーザは、アプリケーションプログラム(APP)に対して、自分の敏感データをアプリケーションプログラム(APP)に意図的に提供することではなく、認証機能を実現することを目的とする。アプリケーションプログラム(APP)が何らかの方法で敏感データを取得する場合、ユーザのプライバシーへの保護に非常に不利である。いくつかの悪意のあるアプリケーションプログラム(APP)はさらには敏感データを使用してユーザ身元を偽装することができため、大きなセキュリティリスクが生じる。
【0006】
さらに改善されたシステムでは、ハードウェアレベルのセキュリティ認証を利用することができる。例えば、電子装置は追加したセキュリティチップを含むことができ、そのためセキュリティチップによって敏感データを別に記憶及び認証する。しかしながら、セキュリティチップがシステムコストを増加させるだけでなく、セキュリティチップとオペレーティングシステム間の通信により、システム効率が低くなる。
【0007】
したがって、表示システムのセキュリティをさらに向上させ、オペレーティングシステムのセキュリティ認証効率を高めることが期待される。
【発明の概要】
【0008】
上記問題に鑑みて、本発明の目的は、表示システム及びその統合制御装置とセキュリティ認証方法を提供し、ここで、ディスプレイスクリーンの統合制御装置でセキュリティ認証を行い、セキュリティを向上させ且つシステムリソースを節約することにある。
【0009】
本発明の第一の態様による統合制御装置は、ディスプレイスクリーンに表示駆動信号を提供するための表示ユニットと、少なくとも一つのセンサーに駆動信号を提供し、センシング信号を受信し、前記センシング信号をセンシングデータに変換するためのセンサーユニットと、表示ユニットとセンサーユニットを制御するためのプロセッサとを備え、ここで、前記プロセッサが少なくとも一部のセンシングデータに対してローカルセキュリティ認証を行い、且つ統合制御装置によって認証結果を出力する。
【0010】
好ましくは、特徴データを記憶するための不揮発性メモリをさらに備え、ここで、前記プロセッサは前記センシングデータと前記特徴データを比較して、セキュリティ認証を行う。
【0011】
好ましくは、前記表示ユニットは、液晶スクリーンを駆動するためのものであり、表示データを受信するための表示及びグラフィックスインタフェースと、入力された表示データに基づいてグラフィックスデータを生成するための表示コントローラと、前記少なくとも一つのセンサーに最適化されたグラフィックを提供するためのグラフィックエンジンと、ゲート電極電圧を生成して複数行の薄膜トランジスタをゲートするためのゲート電極駆動モジュールと、グラフィックデータに基づいてグレースケール電圧を生成し、ゲートされた薄膜トランジスタを介してグレースケール電圧を印加するためのソース電極駆動モジュールと、前記ゲート電極電圧と前記グレースケール電圧の出力時点を制御して、連続した画像フレーム周期に、複数行の薄膜トランジスタを走査の方式でゲートするためのタイミングコントローラとを含む。
【0012】
好ましくは、前記表示ユニットは、共通電圧を生成するための共通電圧駆動モジュールと、ガンマ補正曲線を記憶し、前記ソース電極駆動モジュールに、前記グレースケール電圧を補正し、輝度の変化に対する人間の目の非線形要求を満たすための補正信号を提供するためのガンマ基準モジュールとをさらに含む。
【0013】
好ましくは、前記表示ユニットは、AMOLEDディスプレイスクリーンを駆動するためのものであり、表示データを受信するための表示及びグラフィックスインタフェースと、入力された表示データに基づいてグラフィックスデータを生成するための表示コントローラと、前記少なくとも一つのセンサーに最適化されたグラフィックを提供するためのグラフィックエンジンと、ゲート電極電圧を生成して複数行の薄膜トランジスタをゲートするための行駆動モジュールと、グラフィックデータに基づいてグレースケール電圧を生成し、ゲートされた薄膜トランジスタを介して前記グレースケール電圧に対応する駆動電流を印加するための列駆動モジュールと、前記ゲート電極電圧と前記グレースケール電圧の出力時点を制御して、連続した画像フレーム周期に、複数行の薄膜トランジスタを走査の方式でゲートするためのタイミングコントローラとを含む。
【0014】
好ましくは、前記表示ユニットは、ガンマ補正曲線を記憶し、前記列駆動モジュールに、前記グレースケール電圧を補正し、輝度の変化に対する人間の目の非線形要求を満たすための補正信号を提供するためのガンマ基準モジュールとをさらに含む。
【0015】
好ましくは、前記少なくとも一つのセンサーは、タッチセンサー、指紋センサー、掌紋センサー、音響センサー、光学センサーから選択された少なくとも一つを含み、前記センシングデータは、2次元コード、タッチ位置、指紋、掌紋、声紋、虹彩のうちの少なくとも一つを表すために用いられる。
【0016】
好ましくは、前記少なくとも一つのセンサーはタッチセンサーであり、前記センサーユニットは、タッチ駆動信号を提供し、タッチセンシング信号を受信し、受信されたタッチセンシング信号に対して増幅及びデジタルアナログ変換を行って、センシングデータを生成するためのタッチ論理モジュールと、センシングデータ及びセンシングデータに基づいて生成された暗号化データと認証結果のうちの一つを前記統合制御装置の外部に伝送するためのタッチインタフェースとを含む。
【0017】
好ましくは、前記統合制御装置は単一のチップである。
【0018】
本発明の第二の態様による表示システムは、表示データに基づいて画像を表示するためのディスプレイスクリーンと、ユーザインタラクションのセンシング信号を取得するための少なくとも一つのセンサーと、上記統合制御装置とを備える。
【0019】
好ましくは、前記ディスプレイスクリーンは液晶ディスプレイスクリーン、LED液晶ディスプレイスクリーン、AMOLEDディスプレイスクリーン、量子ドットディスプレイスクリーン、電子ペーパー、MicroLEDディスプレイスクリーンから選択されたいずれかの一つである。
【0020】
好ましくは、前記少なくとも一つのセンサーは前記ディスプレイスクリーンの内部又は外部に位置する。
【0021】
本発明の第三の態様による電子装置は、ユーザインタラクションのセンシング信号を取得するための少なくとも一つのセンサーと、上記統合制御装置とを備える。
【0022】
好ましくは、前記電子装置は携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、VRデバイス、ARデバイス、腕時計、自動車、自転車から選択されたいずれかの一つである。
【0023】
本発明の第四の態様によるセキュリティ認証方法は、少なくとも一つのセンサーからセンシング信号を取得することと、前記センシング信号からセンシングデータを取得することと、前記センシングデータのうちの少なくとも一部のセンシングデータを選択して暗号化して暗号化データを取得し、又はローカルセキュリティ認証を行って認証結果を取得することとを含む。
【0024】
好ましくは、ローカルセキュリティ認証を行うステップの前に、さらに、前記少なくとも一つのセンサーから識別子を取得することと、識別子に基づいて前記センシングデータが敏感データであるか否かを判定し、ここで、前記少なくとも一部のセンシングデータが敏感データであることとを含む。
【0025】
好ましくは、ローカルセキュリティ認証を行うステップの前に、さらに、ディスプレイスクリーンを所定の動作状態に設定することと、前記ディスプレイスクリーンの動作状態を取得することと、動作状態に応じて、前記敏感データを敏感データと非敏感データに区分することとを含む。
【0026】
好ましくは、ローカルセキュリティ認証を行うステップの前に、さらに、敏感レベルに従って、前記センシングデータをレベル1の敏感データとレベル2の敏感データに区分し、ここで、前記少なくとも一部のセンシングデータがレベル2の敏感データであり、前記レベル2の敏感データの感度レベルが前記レベル1の敏感データよりも高いことを含む。
【0027】
好ましくは、前記センシングデータ、前記暗号化データと前記認証結果のうちの一つをデータパケットにパッケージ化し、前記データパケットを送信することをさらに含む。
【0028】
好ましくは、前記パッケージ化は、データコンテンツの前に開始ビットとタイプ識別子を付加し、データコンテンツの後に終了ビットとチェックビットを付加することを意味する。
【0029】
好ましくは、前記ローカルセキュリティ認証は前記センシングデータと特徴データを比較して比較結果を取得することを含む。
【0030】
好ましくは、前記統合制御装置の外部から前記特徴データを予め取得することをさらに含む。
【0031】
好ましくは、ローカルセキュリティ認証を行うステップの前に、さらに、前記少なくとも一つのセンサーを使用し、ローカルに前記特徴データを収集及び生成することを含む。
【0032】
該実施例の表示システムでは、統合制御装置でのプロセッサは表示駆動、タッチ駆動とセキュリティ認証の機能を兼ねる。プロセッサはタッチ論理モジュールからセンシングデータを取得した後、センシングデータのタイプに応じて異なるデータ処理を実行する。したがって、タッチインタフェースによって提供される伝送データは、単一のタイプのセンシングデータではなく、センシングデータ、暗号化データと認証結果のうちの一つであってもよい。
【0033】
該統合制御装置のプロセッサはローカルに敏感データに対してセキュリティ認証を行い、敏感データを表示システムの外部に伝送する必要がないため、セキュリティが向上する。該統合制御装置は、単独したセキュリティチップを設置する必要がなく、ハードウェアコストを増加させない場合で、依然としてハードウェアレベルのセキュリティ認証を行うことができる。
【0034】
統合制御装置により、従来の表示モジュールの構造サイズを縮小し、電子部品の数を減少し、設計の複雑さを低減し、歩留まりを向上させることができる。
【0035】
好ましい実施例では、統合制御装置の各モジュールは、単一のチップに統合されている。さらに、ラッシュメモリを統合制御装置のチップに統合する。特徴データがローカルにおいてチップの内部に記憶されるため、セキュリティをさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
以下に図面を参照して本発明の実施例を説明することにより、本発明の上記及び他の目的、特徴と利点がより明らかになる。
【0037】
【
図1】本発明の実施例による表示システムにおける液晶表示装置の等価回路図である。
【
図2】本発明の実施例による表示システムにおけるタッチ装置の等価回路図である。
【
図3】本発明の実施例による表示システムの内部構造図である。
【
図4】本発明の実施例による表示システムの回路接続図である。
【
図5】本発明の実施例による表示システムにおける統合制御装置の概略ブロック図である。
【
図6】本発明の実施例による表示システムにおける別の統合制御装置の概略ブロック図である。
【
図7】本発明の実施例による表示システムで時分割多重化方式を利用して表示及びタッチするタイミング図である。
【
図8】本発明の実施例による表示システムで実行されるセキュリティ認証方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に図面を参照して発明をより詳しく説明する。各図面で、同じ素子が類似の図面記号で表される。明確にするために、図面の各部分は縮尺通りに描かれていない。また、いくつかの公知の部分が示されない可能性がある。
【0039】
本発明を明確に理解するために、以下に本発明の多くの特定の詳細、例えばデバイスの構造、材料、寸法、処理工程及び技術を説明する。しかし、当業者に理解されるように、これらの特定の詳細に従って本発明を説明しなくてもよい。
【0040】
本出願では、用語「ローカル」はディスプレイスクリーン側の統合制御装置のチップの内部に設置され、又は統合制御装置と同一のプリント回路基板に位置することを示す。例えば、「ローカル認証」は統合制御装置のチップの内部でプロセッサによって認証プログラムを実行することを示し、「ローカル記憶」は特徴データ、暗号化プログラムと認証プログラムを記憶するための不揮発性記憶装置が統合制御装置のチップの内部に位置し、又は統合制御装置と同一のブロックのプリント回路基板に位置することを示す。
【0041】
本発明は様々な形態で示されてもよく、以下にその中のいくつかの例を説明する。
【0042】
本発明の実施例による表示システムは表示装置とユーザ情報を取得するための少なくとも一つのセンサーとを備える。該表示装置は、例えば液晶ディスプレイスクリーン、LED液晶ディスプレイスクリーン、AMOLEDディスプレイスクリーン、量子ドットディスプレイスクリーン、電子ペーパー、MicroLEDディスプレイスクリーンから選択されたいずれかの一つである。該センサーは例えばタッチ装置、指紋センサー、光学センサー、音響センサーから選択されたいずれかの一つである。以下の実施例では、タッチ液晶ディスプレイスクリーンを例として説明し、ここで、表示装置が液晶表示装置であり、センサーはタッチ装置である。
【0043】
図1は本発明の実施例による表示システムにおける液晶表示装置の等価回路図である。
【0044】
液晶表示装置110はゲート電極駆動モジュール111、ソース電極駆動モジュール112、複数の薄膜トランジスタT、及び画素電極と共通電極の間に形成された複数の画素コンデンサCLCを含む。前記複数の薄膜トランジスタTはアレイを構成する。ゲート電極駆動モジュール111は複数本のゲート電極走査線を介して対応する行の薄膜トランジスタTのゲート電極に接続され、ゲート電極電圧G1~Gmを走査の方式で提供し、それによって一つの画像フレーム周期において、異なる行の薄膜トランジスタをゲートする。ソース電極駆動モジュール112は複数本のソース電極データ線を介して対応する列の薄膜トランジスタTのソース電極に接続され、各行の複数の薄膜トランジスタTがゲートされる時に、それぞれ各列の複数の薄膜トランジスタTへグレースケールに対応するグレースケール電圧S1~Snを提供する。ここで、mとnが自然数である。前記複数の薄膜トランジスタTのドレイン電極はそれぞれ対応する一つの画素コンデンサCLCに接続される。
【0045】
ゲート状態において、ソース電極駆動モジュール112はソース電極データ線と薄膜トランジスタTを介してグレースケース電圧を画素CLCに印加する。画素コンデンサCLCの電圧は、液晶分子に作用し、それによって液晶分子の配向を変化させ、グレースケールに対応する光透過率を実現する。画素の更新周期内に電圧を維持するために、画素コンデンサCLCは記憶容量Csに並列接続されてより長い維持時間を得ることができる。
【0046】
図2は本発明の実施例による表示システムにおけるタッチ装置の等価回路図である。
【0047】
タッチ装置120は、タッチ駆動モジュール121、タッチセンシングモジュール122、及び励起電極とセンシング電極の間に形成された複数のセンシングコンデンサCTを含む。前記複数のセンシングコンデンサCTはアレイを構成する。タッチ駆動モジュール121は全ての行の励起電極に接続され、励起信号Tx1~Txmを走査の方式で提供し、それによって一つのタッチフレーム周期において、異なる行の励起電極に励起信号を順次提供する。タッチセンシングモジュール122は全ての列のセンシング電極に接続され、対応する列の受信信号Rx1~Rxnを受信する。ここで、mとnが自然数である。
【0048】
タッチ駆動モジュール121は、例えば交流電流信号を励起信号として生成し、タッチセンシングモジュール122は、例えば交流電流信号を受信し、受信信号に基づいて電流値を検出し、さらに電流値の大きさに基づいて駆動電極とセンシング電極の交差点の静電容量値を取得し、それによって該時点でタッチ動作が発生したか否かを判定する。
【0049】
図3は本発明の実施例による表示システムの内部構造図である。該実施例では、表示システムはタッチディスプレイスクリーン100である。
【0050】
図面に示すように、タッチディスプレイスクリーン100は、液晶スクリーン、及びその上に順次積層されたタッチセンサー171及びガラスカバー172を含む。液晶スクリーンは、バックライトを提供するバックライトユニット131と、グレースケール信号に応じて光透過率を変化させる液晶パネルとを含む。タッチセンサー171は例えばプラスチックシートを基板とする。
【0051】
液晶パネルはさらに順次互いに対向する第一のガラス基板141、第二のガラス基板142、両者の間に挟まれた液晶層161をさらに含み、第一のガラス基板141に第一の偏光板142とTFTアレイ143が形成され、第二のガラス基板142に第二の偏光板152とカラーフィルター153が形成される。
【0052】
第一のガラス基板141には、複数本のゲート電極走査線と複数本のソース電極データ線と複数の画素電極がさらに形成され、TFTアレイ143は、複数の薄膜トランジスタを含み、前記薄膜トランジスタのゲート電極が対応する1本のゲート電極走査線に接続され、ソース電極が対応する1本のソース電極データ線に接続され、ドレイン電極が対応する一つの画素電極に接続される。画素電極と共通電極の間に画素コンデンサが形成される。後述するように、液晶パネルはさらに駆動チップを含み、該駆動チップ内のゲート電極駆動モジュールとソース電極駆動モジュールがゲート電極電圧及びグレースケール電圧をそれぞれ提供する。
【0053】
薄膜トランジスタがゲートされた状態で、ソース電極駆動モジュールはソース電極データ線と薄膜トランジスタを介してグレースケース電圧を画素コンデンサCLCに印加する。画素コンデンサCLCの電圧は、液晶分子に作用し、液晶分子の配向を変化させ、グレースケールに対応する光透過率を実現し、それによって対応するグレースケール表示を実現する。
【0054】
該実施例では、本発明の基本的な原理を説明するために、「カバープレート外部埋め込み型センサー」のタッチディスプレイスクリーン100が示される。しかしながら、本発明は様々な構造のタッチディスプレイスクリーンに応用されてもよく、センサーのタイプ及びそのディスプレイスクリーンでの統合方式に限定されない。
【0055】
このような設計方法により、タッチセンサー171はカバーガラス(CG:Cover Glass)に追加され、又は一つの専用センサーレイヤーに配置される。タッチセンサー171がカバーガラスに統合される方法は、「センサーオンレンズ(SoL:Sensor-on-Lens)」又は「カバー統合ソリューション(OGS:One Glass Solution)」と呼ばれることがあり、これは、この方法が一つの単独したセンサーレイヤーを追加する必要がなく、ガラスカバーを使用するだけでよいためである。単独したタッチセンサー171を使用する設計方法は、ガラス-フィルム(GF:Glass-Film)又はガラス-フィルム-フィルム(GFF:Glass-Film-Film)と呼ばれ、前者が単層電極を使用し、後者が2層の電極を使用する。これらの設計方法は全て「分離型」と呼ばれ、即ちタッチセンサー171は、独立した構造として液晶スクリーンの表面に積み重ねられる。分離型タッチセンサーオーバーレイの利点は、技術が成熟し、リスクが低く、製品が速く市場に出ていることである。最新の表示及びタッチ技術を採用する時にも、分離型設を採用し、この場合、後続の設計段階で分離型設計が統合されることが多い。
【0056】
さらに改善された構造では、タッチセンサー171の電極アレイは液晶スクリーンの一層又は複数の層に直接統合される。このような統合はディスプレイスクリーンにおける基本セルの上又は基本セル内に実現されてもよく、即ち外部埋め込み(On-Cell)統合又は内部埋め込み(In-Cell)統合である。
【0057】
センサーがディスプレイスクリーンにおける基本セルの上に位置するため、タッチ電極アレイを第二のガラス基板151の上に設置する方法は、外部埋め込み型統合と呼ばれる。センサーの駆動電極と受信電極は、ジャンパーと電気的に分離することができ、これらのグリッドがブリッジなしで実現されてもよいように、特殊なレイアウトを採用することができる。後者の設計は、シングルレイヤーマルチポイント外部埋め込み(SLOC:Single-Layer-On-Cell)と呼ばれ、このような設計はコストが低く、歩留まりが高いため、非常に一般的である。
【0058】
外部埋め込み技術を採用して簡単で信頼性が高いタッチ機能をディスプレイスクリーンに追加し、しかも、この方法は、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED:Active-Matrix Organic Light Emitting Diode)ディスプレイスクリーンに最適な選択である場合が多い。大型ディスプレイスクリーン及び曲面又はフレキシブルディスプレイの場合、ジャンパーがない金属メッシュセンサーを外部埋め込み方式で統合することも良い選択である。
【0059】
別の内部埋め込み統合は、タッチセンサーの駆動電極が第一のガラス基板141の内部に埋め込まれ、受信電極が第二のガラス基板151の外部に埋め込まれるという混合式設計に属する。この方式は、ハイブリッドマルチポイント内部埋め込み(Hybrid In-Cell)設計と呼ばれる。混乱を避けるため、用語「包括的マルチポイント埋め込み」(Full In-Cell)は、駆動電極と受信電極がいずれも基本セル内に位置することを意味する。
【0060】
該実施例では、表示システムにタッチセンサーが統合される。代替的な実施形態では、タッチセンサーに加えて、指紋センサー、音響センサー、光学センサーなどの指紋、声紋、虹彩などの生体特徴情報を収集するための様々な生体光学センサーが統合される。
【0061】
図4は本発明の実施例による表示システムの回路接続図である。該実施例では、表示システムはタッチディスプレイスクリーン100である。タッチディスプレイスクリーン100はさらにゲート電極電圧とグレースケール電圧を含む表示駆動信号を液晶スクリーンの薄膜トランジスタに提供し、タッチセンサーの駆動電極のためにタッチ駆動信号を制御し、且つタッチセンサーの受信電極から受信信号を取得し、タッチ位置を判定するための統合制御チップ210を含む。該統合制御チップ210は接続コンポーネント310を介してマザーボード410に接続されている。接続コンポーネント310は例えばフレキシブル回路基板である。マザーボード410はオペレーティングシステムの機能を実現するためのメインプロセッサを含む。
【0062】
従来技術の表示システムでは、収集された敏感データは、表示システム100からマザーボード410のメインプロセッサに送信される。オペレーティングシステムはアプリケーションプログラム(APP)のリクエストを受信した後、敏感データを記憶された特徴データと比較し、それによってユーザ身元を判定し、セキュリティ認証の機能を実現する。アプリケーションプログラム(APP)は、オペレーティングシステムから身元認証の結果を取得する。
【0063】
該実施例による表示システムでは、統合制御チップ210を使用して特徴データを記憶し、セキュリティ認証を行い、それによって、敏感データを表示システム100の外部に伝送する必要がなく、セキュリティが向上する。該表示システムは、単独したセキュリティチップを設置する必要がなく、ハードウェアコストを増加させない場合で、依然としてハードウェアレベルのセキュリティ認証を行うことができる。アプリケーションプログラム(APP)が何れかの方法でオペレーティングシステム内に入る場合でも、オペレーティングシステムに基づいて統合制御チップ210から敏感データを取得することができない。
【0064】
図5は本発明の実施例による表示システムにおける統合制御装置の概略ブロック図である。該表示システムは例えば液晶ディスプレイスクリーンを使用する。
【0065】
図に示すように、統合制御チップ210はプロセッサ211、ユーザインタフェース231、記憶ユニット、表示ユニットとタッチユニットを含む。
【0066】
プロセッサ211はフォンノイマン又はハーバードアーキテクチャのRISC CPUであり、ARM、MIPS、OPEN RISCなどを含むがこれらに限定されなく、好ましくはARMであり、またDSPなどであってもよい。該プロセッサ211はタッチ検出又は残りのタイプのセンサーを最適化する。オペレーティングシステムをウェイクアップしてユーザからのリクエストを処理する必要があるか否かを判定するように、ローカルにタッチ入力を処理することができる。
【0067】
ユーザインタフェース231は、様々な通信プロトコル及びデジタルI/O、例えばI2CプロトコルとSPIプロトコルをサポートし、且つ複数のデジタルI/Oピンを提供することができる。該ユーザインタフェース231はマザーボードのメインプロセッサと互いに通信することができる。
【0068】
記憶ユニットはさらにデータRAM241、プログラムRAM242、ブートROM243とフラッシュメモリ244を含む。フラッシュメモリ244に特徴データ、暗号化プログラムと認証プログラムが記憶される。統合制御チップ210の電源投入期間に、ブートROM243内のブートプログラムは、フラッシュメモリ244を検出し、フラッシュメモリ244から暗号化プログラム及び認証プログラムをロードし、且つ復号してデータをプログラムRAMに記憶する。プロセッサ211が動作期間に生成したデータは、データRAM241に記憶されてもよい。該実施例では、フラッシュメモリ244における特徴データは、マザーボードのメインプロセッサからのものであってもよいし、プロセッサ211の制御でローカルに収集されてデータ処理によって取得された特徴データであってもよい。後者の場合、ユーザの敏感データだけでなく特徴データはいずれもローカルに生成される。オペレーティングシステムは統合制御チップ210から認証結果のみを取得するが、敏感データと特徴データの両者を取得することができなく、それによってセキュリティをさらに向上させることに有利である。
【0069】
表示ユニットは表示コントローラ212、グラフィックスエンジン213、タイミングコントローラ214、表示及びグラフィックスインタフェース215、ゲート電極駆動モジュール216、ソース電極駆動モジュール217、共通電圧駆動モジュール218、バックライト制御モジュール219とガンマ基準モジュール251を含む。表示コントローラ212は入力された表示データに基づいてグラフィックスデータを生成するために用いられる。グラフィックスエンジン213はメモリウィンドウ、カーソル、ポインターとスプライトグラフィックを制御して、タッチのための高性能の最適化されたグラフィックを提供するために用いられる。表示及びグラフィックスインタフェース215は、表示データ例えばDSI TCVR、DBI I/F、DPI I/Fを受信するための様々な工業基準の表示インタフェースを提供する。バックライト制御モジュール219は、液晶スクリーンのバックライトを制御して低消費電力管理を実現するために用いられ、それによって既存のバックライト省エネルギー技術と組み合わせることができる。ゲート電極駆動モジュール216、ソース電極駆動モジュール217、共通電圧駆動モジュール218は、それぞれゲート電極電圧、グレースケール電圧と共通電圧を生成するために用いられる。タイミングコントローラ214はゲート電極電圧及びグレースケール電圧の出力時点を制御するために用いられ、それによって一つの画像フレーム周期に、ゲート電極電圧G1~Gmを走査の方式で提供し、対応する薄膜トランジスタがゲートされる時に、各列の複数の薄膜トランジスタTにグレースケールに対応するグレースケール電圧S1~Snを提供し、それによって画素コンデンサに電圧を印加して液晶分子の配向を変化させ、グレースケールに対応する光透過率を実現する。ガンマ基準モジュール251は、ガンマ補正曲線を記憶し、ソース電極駆動モジュール217に、前記グレースケール電圧を補正し、輝度の変化に対する人間の目の非線形要求を満たすための補正信号を提供するために用いられる。
【0070】
タッチユニットはタッチ論理モジュール221とタッチインタフェース222を含む。タッチ論理モジュール221はタッチ駆動モジュールとタッチセンシングモジュールの機能を兼ねるため、タッチ駆動信号TXを提供してタッチセンシング信号RXを受信することができる。タッチ論理モジュール221は受信されたタッチセンシング信号に対して増幅及びびデジタルアナログ変換を行って、センシングデータを生成する。タッチインタフェース222はセンシングデータをマザーボードのメインプロセッサに提供し、オペレーティングシステムによって処理する。
【0071】
従来技術の統合制御装置は表示駆動機能とタッチ駆動機能の少なくとも一つを実現するために用いられる。該統合制御装置におけるCPUは表示駆動機能とタッチ駆動機能を兼ねることができる。統合制御装置では、CPUはタッチ論理モジュールからセンシングデータを取得し、その後センシングデータをタッチインタフェースに提供し、それによって単一タイプのセンシングデータをディスプレイスクリーンの外部に伝送する。マザーボードのプロセッサは該センシングデータを取得し、さらにオペレーティングシステムをウェイクアップし、センシングデータを認証する。該従来技術の統合制御装置はセンシングデータの敏感プログラムを区別せず、オペレーティングシステムは敏感データを直接取得する。
【0072】
従来技術の統合制御装置と異なり、該実施例では、統合制御チップ210におけるプロセッサ211は表示駆動、タッチ駆動とセキュリティ認証の機能を兼ねる。好ましい実施例では、統合制御チップ210のモジュールは、単一のチップに統合される。しかしながら、本発明はこれらに限定されない。統合制御チップ210については複数のチップが形成されてもよく、且つディスプレイスクリーン側の回路基板に共同でインストールされる。プロセッサ211はタッチ論理モジュール221からセンシングデータを取得した後、センシングデータのタイプに応じて異なるデータ処理を実行する。したがって、タッチインタフェース222によって提供される伝送データは、単一タイプのセンシングデータではなく、センシングデータ、暗号化データと認証結果のうちの一つであってもよい。
【0073】
該実施例では、統合制御チップ210のフラッシュメモリ244は、特徴データ、暗号化プログラムと認証プログラムを記憶するために用いられる。しかしながら、本発明はこれらに限定されない。代替的な実施形態では、統合制御チップ210はいかなるタイプの不揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリ、SRAM、DRAM、EEPROM、EPROMから選択されたいずれかの一つを使用することができる。
【0074】
該統合制御チップ210のフラッシュメモリ244は、ローカルに特徴データを記憶するために用いられ、プロセッサ211はローカルにセキュリティ認証を行うために用いられ、それによって敏感データを表示システム100の外部に伝送する必要がなく、セキュリティが向上する。該統合制御チップ210は、単独したセキュリティチップを設置する必要がなくなり、ハードウェアコストを増加させない場合で、依然としてハードウェアレベルのセキュリティ認証を行うことができる。
【0075】
該実施例では、フラッシュメモリ244は統合制御チップ210に統合され、セキュリティを向上させる。代替的な実施形態では、フラッシュメモリ244は、統合制御チップ210の外部に位置し且つバスを介して統合制御チップ210に接続され、システムコストを削減させることができる。
【0076】
図6は本発明の実施例による表示システムにおける別の統合制御装置の概略ブロック図である。該表示システムは例えばAMOLEDディスプレイスクリーンを使用する。
【0077】
図に示すように、統合制御チップ220はプロセッサ211、ユーザインタフェース231、記憶ユニット、表示ユニットとタッチユニットを含む。
【0078】
プロセッサ211はフォンノイマン又はハーバードアーキテクチャのRISC CPUであり、ARM、MIPS、OPEN RISCなどを含むがこれらに限定されなく、好ましくはARMであり、またDSPなどであってもよい。該プロセッサ211はタッチ検出又は残りのタイプのセンサーを最適化する。オペレーティングシステムをウェイクアップしてユーザからのリクエストを処理する必要があるか否かを判定するように、ローカルにタッチ入力を処理することができる。
【0079】
ユーザインタフェース231は、様々な通信プロトコルとデジタルI/O、例えばI2CプロトコルとSPIプロトコルをサポートし、且つ複数のデジタルI/Oピンを提供することができる。該ユーザインタフェース231はマザーボードのメインプロセッサと互いに通信することができる。
【0080】
記憶ユニットはさらにデータRAM241、プログラムRAM242、ブートROM243とフラッシュメモリ244を含む。フラッシュメモリ244に特徴データ、暗号化プログラムと認証プログラムが記憶される。統合制御チップ220の電源がオンになっている期間に、ブートROM243内のブートプログラムは、フラッシュメモリ244を検出し、フラッシュメモリ244から暗号化プログラム及び認証プログラムをロードし、且つ復号してデータをプログラムRAMに記憶する。プロセッサ211が動作期間に生成したデータは、データRAM241に記憶されてもよい。該実施例では、フラッシュメモリ244における特徴データは、マザーボードのメインプロセッサからのものであってもよいし、プロセッサ211の制御でローカルに収集されてデータ処理によって取得された特徴データであってもよい。後者の場合、ユーザの敏感データだけでなく特徴データはいずれもローカルに生成される。オペレーティングシステムは統合制御チップ220から認証結果のみを取得するが、敏感データと特徴データの両者を取得することができなく、それによってセキュリティをさらに向上させることに有利である。
【0081】
表示ユニットは表示コントローラ212、グラフィックスエンジン213、タイミングコントローラ214、表示及びグラフィックスインタフェース215、行駆動モジュール226、列駆動モジュール227とガンマ基準モジュール251を含む。表示コントローラ212は入力された表示データに基づいてグラフィックスデータを生成するために用いられる。グラフィックスエンジン213はメモリウィンドウ、カーソル、ポインターとスプライトグラフィックを制御して、タッチのための高性能の最適化されたグラフィックを提供するために用いられる。表示及びグラフィックスインタフェース215は、表示データ例えばDSI TCVR、DBI I/F、DPI I/Fを受信するための様々な工業基準の表示インタフェースを提供する。行駆動モジュール226、列駆動モジュール227はそれぞれゲート電極電圧とグレースケール電圧を生成するために用いられる。タイミングコントローラ214はゲート電極電圧及びグレースケール電圧の出力時点を制御するために用いられ、それによって一つの画像フレーム周期に、ゲート電極電圧G1~Gmを走査方式で提供し、対応する薄膜トランジスタがゲートされる時に、各列の複数の薄膜トランジスタTにグレースケールに対応する電圧S1~Snを提供し、それによって発光ダイオードにグレースケールに対応する値の電流を印加して発光して、グレースケールに対応する発光輝度を達成する。ガンマ基準モジュール251は、ガンマ補正曲線を記憶し、列駆動モジュール227に、前記グレースケール電圧を補正し、輝度の変化に対する人間の目の非線形要求を満たすための補正信号を提供するために用いられる。
【0082】
タッチユニットはタッチ論理モジュール221とタッチインタフェース222を含む。タッチ論理モジュール221はタッチ駆動モジュールとタッチセンシングモジュールの機能を兼ねるため、タッチ駆動信号TXを提供してタッチセンシング信号RXを受信することができる。タッチ論理モジュール221は受信されたタッチセンシング信号に対して増幅及びびデジタルアナログ変換を行って、センシングデータを生成する。タッチインタフェース222はセンシングデータをマザーボードのメインプロセッサに提供し、オペレーティングシステムによって処理する。
【0083】
該実施例では、統合制御チップ220のプロセッサ211は、表示駆動、タッチ駆動とセキュリティ認証の機能を兼ねる。プロセッサ211はタッチ論理モジュール221からセンシングデータを取得した後、センシングデータのタイプに応じて異なるデータ処理を実行する。したがって、タッチインタフェース222によって提供される伝送データは、単一タイプのセンシングデータではなく、センシングデータ、暗号化データと認証結果のうちの一つであってもよい。
【0084】
該統合制御チップ220のフラッシュメモリ244は、ローカルに特徴データを記憶するために用いられ、プロセッサ211はローカルにセキュリティ認証を行うために用いられ、それによって敏感データを表示システム100の外部に伝送する必要がなく、セキュリティが向上する。該統合制御チップ220は、単独したセキュリティチップを設置する必要がなく、ハードウェアコストを増加させない場合で、依然としてハードウェアレベルのセキュリティ認証を行うことができる。
【0085】
該実施例では、フラッシュメモリ244は統合制御チップ220に統合され、セキュリティを向上させる。代替的な実施形態では、フラッシュメモリ244は、統合制御チップ220の外部に位置し且つバスを介して統合制御チップ220に接続され、システムコストを削減させることができる。
【0086】
図7は本発明の実施例による表示システムで時分割多重化方式を利用して表示及びタッチするタイミング図である。
【0087】
実際の応用において、表示システムは複数のタイプのセンサーを統合することができる。統合制御チップ210におけるプロセッサは表示駆動、センサー駆動とセキュリティ認証の3つの機能を兼ねるため、ハードウェアレベルのセキュリティ認証メカニズムを提供する。様々なセンシングユニットは低い動作周波数で周期的ポーリング状態にある。
【0088】
タッチ検出に対して、センシングユニットが物体のタッチをセンシングする場合、動作状態に変換し、タッチデータを収集し、この時に表示データとタッチデータに対して時間分割多重化方式を利用する。
【0089】
接触式生体特徴識別、例えば指紋識別に対して、接触式生体特徴識別にはタッチが必要であり、したがって、この方式で収集された生体特徴データがタッチデータと類似し、表示データと時間分割多重化方式を利用する。
【0090】
非接触式生体特徴識別に対して、予め設定することができる。手動監視が必要な収集については、シリアルデータフレームを使用し、表示データを現在の収集データに切り替え、現在の表示されている収集データが終了した後、元の表示される画像に切り替えることができる。該非接触式生体特徴識別収集プロセスに手動監視(監視なし)が必要ではない場合、表示データと時間分割多重方式を利用してバックグラウンドで処理することができる。イメージセンサーを使用して画像を収集する時に、リアルタイムに収集された画像が要求を満たすか否かを手動で確認する必要がある場合、現在のキャプチャされているオブジェクトを表示することができ、この時に表示データはイメージセンサーによって収集された現在のデータである。
【0091】
タッチと表示が同期して行われる必要があることを例として説明する。
【0092】
画像フレームの切り替えプロセスにおけるブランキング期間に、表示ユニットはタッチユニットのノイズに小さく影響する。したがって、デバイスが実際に動作する場合、表示とタッチに対して時間分割多重化原理を利用し、表示データ処理がタッチデータ処理と時間的に分離し、相互干渉を減少することができる。画像フレームの走査中、いくつかのタイムスロットが区分されてタッチフレームとして用いられる。
【0093】
図7に示すように、一つの画像フレーム期間に、複数の表示期間TP及び複数のタッチ期間TPがそれぞれ含まれる。異なる期間に、表示データとタッチデータの処理は、交互に実行される。即ち表示とタッチが時分割多重化される。人間の目が画像変換に対して一定の識別時間ウィンドウを有するため、フレームレートと2つの期間の時間の比率に一定の要求がある。このような駆動方式により、タッチ動作層に対する液晶表示アレイのノイズ電気信号の影響を効果的に低減させ、また、シールドラミネートレイヤーを節約し、タッチディスプレイスクリーンの厚さを減らすことができる。
【0094】
以上に時分割多重化はソフトウェアプログラムによって操作されてもよく、マルチプレックス選択ユニット(MUX)と組み合わせて切り替えられてもよい。
【0095】
図8は本発明の実施例による表示システムで実行されるセキュリティ認証方法のフローチャートである。該方法では統合制御装置が少なくとも一つのセンサーに接続されてセンシングデータを取得し、センシングデータの敏感レベルに応じて異なるデータ処理を行うことが説明される。該センサーは例えばタッチセンサー、指紋センサー、音響センサー、光学センサーのうちの少なくとも一つであり、該センシングデータは例えば2次元コード、タッチ位置、指紋、声紋、虹彩のうちの少なくとも一つである。
【0096】
該セキュリティ認証方法は例えば
図5に示す統合制御チップ210に用いられる。以下の実施例では依然としてタッチセンサーを例として各ステップを説明する。
【0097】
ステップS101において、統合制御チップ210はセンサーから識別子とセンシング信号を取得する。センサーの識別子はセンサーのタイプを識別するために用いられる。
【0098】
該実施例では、統合制御チップ210の異なるピンを介して異なるタイプのセンサーを接続し、ピンに基づいてセンサーの識別子を取得する。代替的な実施形態では、センサーは識別子とセンシング信号を統合制御チップ210に伝送する。
【0099】
その後、統合制御チップ210の内部で後のステップS102~S110を実行し続ける。
【0100】
ステップS102において、センシング信号をセンシングデータに処理する。例えば、タッチ論理モジュール211は、受信信号(RX)に対して増幅及びアナログデジタル変換を行い、前記センシングデータを生成するために用いられる。
【0101】
ステップS103において、好ましいステップとして、タッチディスプレイスクリーン110の動作状態を取得する。
【0102】
タッチディスプレイスクリーン110で様々な動作を行うことができる。ユーザの同じ動作の場合でも、それぞれ敏感データ又は非敏感データである可能性がある。例えば、画面のロックが解除され又はアプリケーションAPPがリクエストする場合、オペレーティングシステムは、タッチディスプレイスクリーン110にパスワード入力インタフェースを生成し、ユーザのタッチ動作によって入力パスワードを生成する。該入力パスワードはプライベートコンテンツであり、敏感データと見なされてもよい。逆に、アプリケーションプログラム(APP)でグラフィックズーム操作を行う時に、ユーザのタッチ動作によりズーム命令が生成され、該ズーム命令が開示コンテンツであり、非敏感データと見なされてもよい。
【0103】
該ステップでは、ディスプレイスクリーンは、所定の動作状態、例えば敏感状態と非敏感状態のうちの一つが既に予め設定された。統合制御チップ210は前のステップでセンシングデータを取得するためにセンサーを起動した。さらに、統合制御チップ210は、後でセンシングデータが敏感データであるか否かを判定するように、オペレーティングシステムからタッチディスプレイスクリーン110の動作状態を知ることができる。
【0104】
ステップS104において、タッチディスプレイスクリーン110の動作状態に応じて、敏感状態にあるか否かを判定する。タッチディスプレイスクリーン110の動作状態が非敏感状態である場合、ステップS110を実行し、センシングデータをパッケージ化してディスプレイの外部に伝送する。タッチディスプレイスクリーン110の動作状態が敏感状態である場合、ステップS105を実行する。
【0105】
ステップS105で、識別子に応じてセンシングデータが敏感データであるか否かを判定する。タッチディスプレイスクリーン110によって取得されたセンシングデータが非敏感データである場合、ステップS110を実行し、センシングデータをパッケージ化してディスプレイの外部に伝送する。タッチディスプレイスクリーン110によって取得されたセンシングデータが敏感データである場合、ステップS106を実行する。
【0106】
例えば、上述したように、タッチセンサーによって生成されたセンシングデータが動作状態に関連付けられ、非敏感データだけでなく敏感データである可能性がある。指紋センサーによって生成されたセンシングデータは常に敏感データである。
【0107】
ステップS106で、センシングデータの敏感レベルを取得する。例えば、タッチセンサーによって生成されたセンシングデータは例えばユーザ名と身元情報の入力に用いられ、オペレーティングシステムによって敏感データをさらに処理し、該敏感データの敏感レベルがレベル1の敏感データと見なされてもよい。指紋センサーによって生成されたセンシングデータは個人識別パスワード又は生体特徴情報を含み、該センシングデータの敏感レベルがレベル2の敏感データと見なされてもよい。レベル2の敏感データの敏感レベルがレベル1の敏感よりも高い。該実施例では、例えばセンシングデータのコンテンツが生体特徴情報を含むか否かに応じて敏感レベルを区分する。
【0108】
ステップS107で、敏感レベルに応じて、ローカルセキュリティ認証を行うか否かを判定する。センシングデータがレベル1の敏感データである場合、ステップS108を実行し、センシングデータを暗号化し、その後ステップS110を実行し、暗号化されたデータをパッケージ化してディスプレイスクリーンの外部に伝送する。センシングデータがレベル2の敏感データである場合、ステップS109を実行し、センシングデータに対してローカル認証を行い、その後ステップS110を実行し、認証結果をパッケージ化してディスプレイスクリーンの外部に伝送する。
【0109】
ステップS109で、敏感データに対してローカルセキュリティ認証を行う。該ステップの前に、特徴データを提供し且つフラッシュメモリ244に記憶するようにオペレーティングシステムに予めリクエストすることができる。好ましい実施例では、統合制御チップ210はローカルに特徴データを収集及び生成し且つフラッシュメモリ244に記憶することができる。該特徴データは、PINコード、指紋テンプレート、虹彩特徴などを含む。
【0110】
ステップS110で、異なるタイプのデータをパッケージ化してディスプレイスクリーンの外部に伝送する。該ステップでパッケージ化されたデータは上記のセンシングデータ、暗号化データと認証結果のいずれかの一つを含む。該データパッケージ化は、データコンテンツの前に開始ビットとタイプ識別子を付加し、データコンテンツの後に終了ビットとチェックビットを付加することを含む。
【0111】
上記方法では、センシングデータのタイプに対して異なる処理を行う。非敏感データに対して、統合制御チップ210はセンシングデータをディスプレイスクリーンの外部に直接伝送し、レベル1の敏感データに対して、統合制御チップ210はセンシングデータを暗号化してディスプレイスクリーンの外部に伝送し、レベル2の敏感データに対して、統合制御チップ210はローカルにセキュリティ認証を行い、センシングデータと特徴データを比較して認証結果を取得し、そして認証結果をディスプレイスクリーンの外部に伝送する。
【0112】
これらのデータは、ディスプレイスクリーンのドライバーチップからマザーボードのプロセッサに伝送され、オペレーティングシステムによって処理されてデータコンテンツの取得を実現する。オペレーティングシステムはタイプ識別子に応じて、データコンテンツがセンシングデータ、暗号化データと認証結果のうちの一つを識別することができる。
【0113】
図4を参照すると、該方法が電子装置に応用される場合、マザーボード410のプロセッサと統合制御チップ210のプロセッサはそれぞれオペレーティングシステムとセキュリティ認証に用いられる。オペレーティングシステムは統合制御チップ210から認証結果のみを取得するため、敏感データを取得することができなく、それによってセキュリティを向上させることに有利である。
【0114】
説明すべきものとして、本説明書において、第一と第二などのような関係用語は一つのエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作と区別するためのものだけであり、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にいかなるこのような実際の関係又は順番が存在することをリクエスト又は示唆しない。そして、用語「包括」、「包含」又は他のいかなる変形は非排他的な包含を含むことを図ることにより、一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置はこれらの要素だけでなく、明確に示されない他の要素を含み、又はさらにこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有な要素を含む。更なる制限がない場合、語句「一つ......を含む」によって限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0115】
本発明による実施例は上記の通りであり、これらの実施例では、全ての詳細が詳述されなく、また該発明が説明される具体的な実施例のみに限定されない。明らかに、上記の説明によれば、多くの修正及び変形が可能であり、回路の局所的な構造の変更、コンポーネントのタイプ又は型番の置き換えを含むがこれらに限定されない。本明細書は、本発明の原理と実際応用をより良く解釈するために、これらの実施例を選択して具体的に説明し、これにより、当業者は、本発明をより良く利用し、本発明に基づいて修正して使用することができる。本発明は添付の特許請求の範囲及びその全ての範囲と同等物のみによって制限される。