(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】印刷され、被覆された剥離フィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20221028BHJP
C09D 11/101 20140101ALI20221028BHJP
C09D 11/03 20140101ALI20221028BHJP
C09D 5/20 20060101ALI20221028BHJP
C09D 183/07 20060101ALI20221028BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
B32B27/00 L
B32B27/00 101
C09D11/101
C09D11/03
C09D5/20
C09D183/07
B65D65/40 D
(21)【出願番号】P 2020539076
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2019051196
(87)【国際公開番号】W WO2019141792
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】102018101331.0
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503102423
【氏名又は名称】ロパレックス ジャーマニー ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Loparex Germany GmbH&Co.KG
【住所又は居所原語表記】Zweibrueckenstr. 15-25, D-91301 Forchheim, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】サイギリ,サーヒン
(72)【発明者】
【氏名】シッツマン,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】シュミッド,ベルナー
(72)【発明者】
【氏名】クリューゲル,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ゼーラー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ディートリヒ,ゲーラルド
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103025836(CN,A)
【文献】特表平08-501043(JP,A)
【文献】国際公開第90/007560(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0137242(US,A1)
【文献】特表2016-539057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
B65D65/00-65/46
A61L13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア層、印刷画像、および剥離被覆を含む剥離フィルムであって、
(a)前記印刷画像が、前記キャリア層と前記剥離被覆との間に少なくとも部分的に配置され、
(b)前記印刷画像が、UV線により硬化される少なくとも1種のインキを含み、
(c)前記剥離被覆が、UV線により硬化されるポリシロキサンを含み、5g/m
2
以下の表面重量を有する、
剥離フィルム。
【請求項2】
前記印刷画像が、前記キャリア層と前記剥離被覆との両方に直接に隣接する、請求項1に記載の剥離フィルム。
【請求項3】
前記印刷画像が、前記キャリア層と前記剥離被覆との間に完全に配置される、請求項1または2に記載の剥離フィルム。
【請求項4】
前記キャリア層が、ポリオレフィンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項5】
前記キャリア層が、
熱可塑性オレフィン、ならびに/または
好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン(PI)、前記ポリマーの少なくとも2種のコポリマーおよび/もしくは混合物からなる群から選択される、2~10個の炭素原子を有するα,β-不飽和オレフィンの、熱可塑性オレフィンホモポリマーまたは熱可塑性オレフィンコポリマー
からなる群より選択される、ポリオレフィンを含む、請求項4に記載の剥離フィルム。
【請求項6】
前記キャリア層が、着色されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項7】
前記キャリア層が、5μm~50μmの範囲の層厚さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項8】
10μm~45μmの範囲の層厚さを有する、請求項7に記載のキャリア層。
【請求項9】
15μm~40μmの範囲の層厚さを有する、請求項8に記載のキャリア層。
【請求項10】
前記剥離被覆が、付加架橋された、好ましくは、金属触媒反応により付加架橋された、縮合架橋された、ラジカル架橋された、および/またはカチオン架橋された、ポリシロキサンからなる群より選択される、少なくとも1種の硬化ポリシロキサンをベースとする、請求項1~9のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項11】
前記剥離被覆が、ポリジアルキルシロキサン、好ましくは、ポリジメチルシロキサン、およびポリアルキルアリールシロキサン、好ましくは、ポリメチルフェニルシロキサンからなる群より選択される、少なくとも1種の硬化ポリシロキサンをベースとする、請求項1~10のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項12】
前記剥離被覆が、2g/m
2以下、極めて好ましくは、0.1g/m
2~1.5g/m
2の範囲の表面重量を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項13】
1つまたは複数の表面層を、シリコーン被覆として、片面または両面に有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項14】
UV線により硬化される前記インキが、蛍光染料または発光染料を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項15】
前記印刷画像から離れた、前記キャリア層の裏面に、少なくとも1つの更なる層を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項16】
前記剥離フィルムの、前記剥離被覆、前記キャリア層、およびまた場合により存在する1つまたは複数の更なる層が、それぞれ互いに独立して、
ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、活性抗菌成分、染料、着色顔料、安定剤、好ましくは、熱安定剤、加工安定剤、加工補助剤、難燃剤、造核剤、結晶化剤、好ましくは、結晶種形成剤、滑剤、光学的光沢剤、軟化剤、封止剤、可塑剤、スペーサー、フィラー、剥離剤、ワックス、湿潤剤、表面活性化合物、好ましくは、界面活性剤、および分散剤からなる群から選択される、補助剤を備えることができ、ならびに/または
さらなる補助剤の重量分率が、それぞれの場合で互いに独立して、それぞれの場合で個々の層の全重量に基づいて、少なくとも0.01~30重量%、好ましくは、0.1~20重量%である、
請求項1~15のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項17】
試験規格FTM10に準拠したFINAT結合強度試験において、2~25cN/10cmの範囲の剥離値に対応する、温度70℃、剥離角度175°および剥離速度300mm/分で試験粘着テープを取り除くとき、シリコーン層が、「擦り落ち」として特定される剥離現象を示さないものである、請求項1~16のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項18】
前記キャリア層が、前記印刷画像から離れたその裏面に、更なる印刷画像を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項19】
前記印刷画像および/または前記更なる印刷画像が、見当合わせ、制御、および/もしくは印刷マークであり、または見当合わせ、制御、および/もしくは印刷マークを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項20】
前記見当合わせ、前記制御、および/または前記印刷マークが、前記剥離フィルムの周辺区域に配置される、請求項19に記載の剥離フィルム。
【請求項21】
UV線により硬化される前記インキ、および/またはUV線により硬化される前記ポリシロキサンが、ラジカル硬化される、またはカチオン硬化される、請求項1~20のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の剥離フィルムを含む、生理用品用の包装。
【請求項23】
生理用品用の包装材料としての、請求項1~
21のいずれか一項に記載の剥離フィルムの使用。
【請求項24】
請求項1~21のいずれか一項に記載の剥離フィルムを製造する方法であって、
(a)キャリア層の表面の少なくとも一部を、UV線により硬化可能な少なくとも1種のインキで印刷するステップと、
(b)前記硬化可能なインキにUV線を照射するステップと、
(c)前記キャリア層の印刷された表面の少なくとも一部に、UV線により硬化可能なポリシロキサンを含む被覆組成物を塗布するステップと、
(d)前記硬化可能なポリシロキサンにUV線を照射するステップと
を含み、ステップ(d)が、ステップ(b)の後、300秒以内に実施される、方法。
【請求項25】
機械速度が、100~800m/分の範囲、好ましくは、200~450m/分の範囲である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記印刷画像および前記剥離被覆の両方のための前記インキが、1つの連結操作で直接連続して印刷される、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(b)で用いられる前記UV線が、ステップ(d)で用いられる前記UV線と実質的に同じ波長を有する、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
(i)UV線により硬化可能な前記インキが、ラジカル硬化可能であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、ラジカル硬化可能である、
(ii)UV線により硬化可能な前記インキが、ラジカル硬化可能であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、カチオン硬化可能である、
(iii)UV線により硬化可能な前記インキが、カチオン硬化可能であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、ラジカル硬化可能である、または
(iv)UV線により硬化可能な前記インキが、カチオン硬化可能であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、カチオン硬化可能である
請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
(i)UV線により硬化可能な前記インキが、溶媒を含み、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、溶媒を含む、
(ii)UV線により硬化可能な前記インキが、溶媒を含み、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、無溶媒である、
(iii)UV線により硬化可能な前記インキが、無溶媒であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、溶媒を含む、または
(iv)UV線により硬化可能な前記インキが、無溶媒であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、無溶媒である
請求項24~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
ステップ(a)からステップ(d)を、保護ガス雰囲気下で実施する、請求項24~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
ステップ(a)からステップ(d)を、保護ガス雰囲気なしで実施する、請求項24~29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア層、印刷画像、および剥離被覆を含む剥離フィルムであって、印刷画像が、キャリア層と剥離被覆との間に少なくとも部分的に配置され、印刷画像が、UV線により硬化される少なくとも1種のインキを含み、剥離被覆が、UV線により硬化されるポリシロキサンを含む、剥離フィルム;包装の手段としての剥離フィルムの使用;ならびに剥離フィルムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
剥離フィルムは、粘着テープ、自己粘着ラベル、または粘着性の衛生用品および生理用品の再剥離性の保護フィルムとして使用されることが多く、これらの片面または両面の粘着性製品が、保管または処理の間に接着することを防ぐようにしている。これは、剥離フィルムが、粘着剤、例えば、感圧粘着剤または他の粘着性材料などに関する、有効な剥離作用によって、特徴付けられることを必要とする。これらの品質を確実にするために、剥離フィルムは、しばしば、例えばポリシロキサンをベースとし得る剥離被覆を有する。
【0003】
また、剥離フィルムが印刷されることは、特に、情報提供の目的でまたは審美的な、製造に関連するもしくは他の理由から、望ましいことが多い。例えば、着色見当合わせ、制御、および/または印刷マーク、すなわち着色された表示を、剥離フィルムの、剥離被覆と隣り合う、または剥離被覆の下の、キャリア側に一定の間隔で印刷することができる。光学技術を介して、衛生用品または生理用品などの、製品の製造中または包装中に、例えば、これらの、着色見当合わせ、制御、および/または印刷マークにより、その目的のための設備において、互いに対する、剥離フィルムの、および製品の、正確な位置づけが可能になる。
【0004】
国際公開第1993/23310号は、感圧粘着剤を有する包装製品、例えば、生理用ナプキンのための柔軟な容器に関する。容器は、シリコーンの層で片面を被覆された、紙またはポリマーフィルムから形成され、容器の構成は、シリコーン被覆が容器の内側の面を画定するものである。シリコーン被覆の固着防止性のために、包装製品の粘着剤用の、通常の保護ライナーは必要ない。
【0005】
国際公開第1990/007560号には、格子様式で、異なる剥離力の値(剥離力)を有する部分領域を形成するように、少なくとも1種の剥離剤(粘着性物質をはじく作用剤)の、少なくとも1つの被覆を含む、基材(キャリア要素)、特にライナーの、少なくとも1つの表面を提供する方法が開示されている。
【0006】
国際公開第2005/075592号は、シート状基材およびそれに施された剥離層を含む剥離層キャリアに関する。剥離層キャリアは、自己接着性粘着材料を、感圧粘着剤層に付着させるのに好適である。それは、感圧粘着剤層において、実質的な補完チャンネルを形成し、結合中に陥れた空気を逃がすことができる、隆起部を有するリリーフ構造を特徴とする。
【0007】
国際公開第2007/079921号には、粘着領域の取り外し可能な内張り用の、特に粘着テープまたは粘着フィルムの粘着領域の、取り外し可能な内張り用のライナーを製造する方法であって、キャリア層を用意するステップと、1つまたは複数の隆起した構造を、キャリア層の少なくとも1つの表面に施すステップであり、1つまたは複数の構造が、前記表面にしっかりと接続した、ステップと、それに接続した、表面、および1つまたは複数の構造を粘着剤層で覆うステップとを含む、方法が開示されている。
【0008】
米国特許出願公開第2004/137242号には、無溶媒の、放射線硬化性シリコーン剥離被覆で被覆されるとき、いずれのゴースト像も示さない、カチオン放射線硬化性インキが開示されている。溶媒ベースの強力な粘着剤が、基材に塗布されたインキ上に注がれ、乾燥後に取り除かれる場合、ゴースト像は認められない。結果は、基材にグラフィックを印刷し、シリコーン剥離被覆で、および粘着剤層を有する被覆で、基材を覆う機能であり、それによって、剥離被覆を取り除いた後、許容され得る明瞭さが保たれる。
【0009】
欧州特許第2576383号には、容器の開封における操作またはより早い試みを示す仕組みを有する容器が開示されている。容器の内部およびその内容物にアクセスするために、容器は、容器を開けるための取り外し用タブを備える。容器は、さらにプルタブ用の機能を含み、取り外し用タブにアクセスするために、プルタブ用の機能を、容器基材から少なくとも部分的に分離さなければならない。プルタブ器具の分離により、操作を試みるとき、または開けようと試みる前に、情報が提供される。
【0010】
独国特許第19820274号には、エンボス加工の縁封止ストリップを有する包装ラップを製造するための、固着防止被覆、特にシリコーンを有するポリマーフィルムが開示されている。
【0011】
独国実用新案第202014105973号には、少なくとも1種の、ホモポリマーまたはコポリマーを含む、少なくとも1つの層を有するフィルムが開示されており、前記層にわたって、少なくとも局所的に、熱保護ワニス層が施され、熱保護ワニス層にわたって、少なくとも局所的に、少なくとも1種のポリシロキサンを含む被覆が塗布されている。
【0012】
第1の操作において、例えば、溶媒を含んだインキ、例えばニトロセルロース系のインキでキャリアフィルムを印刷し、第2の操作において、剥離被覆を乾燥させたインキに塗布することが、先行技術により知られて実施されている。
【0013】
しかし、このような剥離フィルムの製造は、印刷、およびそれに続く剥離被覆の塗布の、分離したステップを考慮すれば、比較的費用がかかり、不都合であり、改良された方法で製造することができる、改良された剥離フィルムが必要である。
【発明の概要】
【0014】
本発明の目的は、改良された剥離フィルム、およびまたこれらを製造する方法を提供することである。
【0015】
この目的は、特許請求の範囲の主題によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る剥離フィルムの一実施形態について説明するための概略図である。
【
図2】本発明に係る剥離フィルムの一変形実施形態について説明するための概略図である。
【
図3】本発明に係る剥離フィルムの一変形実施形態について説明するための概略図である。
【
図4】本発明に係る剥離フィルムの一変形実施形態について説明するための概略図である。
【
図5A】本発明に係る剥離フィルムを含む生理用品用の包装について完全に広げた状態を示す概略図である。
【
図5B】本発明に係る剥離フィルムを含む生理用品用の包装について生理用ナプキンを取り出した後に完全に広げた状態を示す図である。
【
図5C】本発明に係る剥離フィルムを含む生理用品用の包装について一部を広げた状態を示す図である。
【
図5D】本発明に係る剥離フィルムを含む生理用品用の包装について完全に封じた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1の態様は、キャリア層、印刷画像、および剥離被覆を含む剥離フィルムであって、印刷画像が、キャリア層と剥離被覆との間に少なくとも部分的に配置され、これによって印刷画像が剥離被覆によって領域の少なくとも一部にわたって覆われ、印刷画像が、UV線により硬化される少なくとも1種のインキを含み、剥離被覆が、UV線により硬化されるポリシロキサンを含む、剥離フィルムに関する。
【0018】
意外なことに、本発明に係る剥離フィルムの製造では、1つの操作(印刷するステップ)を省略することができ、これによって、製造時間を相当に短縮することができ、事によると半分にさえなり得ることが明らかになった。印刷画像の印刷、硬化、剥離被覆の塗布、および剥離被覆の硬化は、1つの設備で、連結操作において、数秒以内で実施することができる。既存の生産ラインで、このように、生産速度の相当な増加、事によると2倍の増加を達成することができる。
【0019】
また意外なことに、本発明に係る剥離フィルムの製造では、印刷および剥離被覆の塗布を、連結操作で一斉に行うことができるため、より正確な制御が可能であることがさらに明らかになった。このようにして、剥離被覆の、従来の第2の操作中のフィルムロールのために生じる望ましくない影響を抑制することができる。
【0020】
さらに意外なことには、本発明に係る剥離フィルムの製造では、特に無溶媒印刷用インキが用いられる場合、印刷画像の、および剥離被覆の付着が改善されることが明らかになった。さもなければ、確かに、インキ層が、例えば、ニトロセルロースをベースとし、溶媒を必要とする場合、剥離被覆は、残留溶媒を含んだままのインキ層にほとんど付着しないことが起こり得る。
【0021】
本発明に係るフィルムは、剥離フィルムであり、剥離フィルムが、例えば、粘着テープ、自己粘着ラベル、または粘着性の衛生用品および生理用品などの自己粘着製品用の、再剥離性の保護フィルム(剥離ライナー)として、使用するのに好適なもの、かつ使用するためのものを意味する。本発明に係る剥離フィルムは、「保護フィルム」と同義として称されることもある。
【0022】
本発明に係る剥離フィルムは、好ましくは、生理用ナプキンおよびパンティーライナー(生理用ナプキン包装、シリコーン処理された一重ラップフィルム)を含む群より選択される、衛生用品または生理用品の包装における用途に特に好適である。
【0023】
本発明に係る剥離フィルムは、好ましくは、少なくとも5μmの、より好ましくは、少なくとも10μmの全体の層厚さを有する。本発明に係る剥離フィルムは、好ましくは、5μm~50μmの範囲の、より好ましくは、10μm~45μmの範囲の、さらに好ましくは、15μm~40μmの範囲の全体の層厚さを有する。層厚さを決定するための好適な技術は、当業者に公知である。好ましくは、本発明によれば、層厚さは、ミクロトーム切片によって確認されるものである。
【0024】
本発明に係るフィルムは、キャリア層を含む。本発明に係る好適なキャリア層は、基本的に、印刷可能な材料で作製された任意の層を意味するものである。キャリア層は、好ましくは、熱可塑性であり、より好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ならびに前記ポリマーの少なくとも2種のモノマーの、コポリマーおよび/または混合物からなる群より選択される、ポリマーまたは2種以上のポリマーの混合物をベースとすることが好ましい。
【0025】
特に好ましくは、ポリオレフィン、2種以上のポリオレフィンの混合物、または2種以上のポリオレフィンと1種または複数の他のポリマーとの混合物である。キャリア層は、より好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンおよびポリプロピレンの混合物をベースとする。
【0026】
キャリア層を生成するために、2~10個の炭素原子を有する、α,β-不飽和オレフィンの、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性オレフィンホモポリマー、または熱可塑性オレフィンコポリマー、例えば、ポリエチレン(PE、特にLDPEまたはHDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)、ポリイソブチレン(PI)、前記ポリマーの少なくとも2種のコポリマーおよび/または混合物を優先的に使用できる。
【0027】
「LDPE」は、低密度ポリエチレンを指し、密度0.86~0.93g/cm3の範囲を有し、分子の高い分岐度によって特徴付けられるものである。
【0028】
「HDPE」は、高密度ポリエチレンを指し、分子鎖の少ない分岐のみを有し、密度は0.94~0.97g/cm3の範囲のものとすることができる。キャリア層を生成するために好ましいポリオレフィンは、エチレンホモポリマーまたはエチレンコポリマーおよびプロピレンホモポリマーまたはプロピレンコポリマーである。
【0029】
キャリア層を生成するためにポリアミドが用いられる場合、適合性は、熱可塑性の、脂肪族、半芳香族、または芳香族の、ポリアミドホモポリマーまたはポリアミドコポリマーに備わる。このようなポリアミドは、ジアミン、例えば、2~10個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン、特に、ヘキサメチレンジアミン、または6~10個の炭素原子を有する芳香族ジアミン、とりわけ、p-フェニレンジアミン、およびジカルボン酸、例えば、6~14個の炭素原子を有する、脂肪族または芳香族のジカルボン酸、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、またはイソテレフタル酸のポリアミドである。ポリアミドは、さらに、4~10個の炭素原子を有するラクタム、例えば、ε-カプロラクタムから調製されてもよい。特に、層(a)を生成するために好適なポリアミドは、例えば、PA6、PA12、PA66、PA6I、PA6Tおよび/または前記ポリアミドの少なくとも2種の混合物である。
【0030】
キャリア層を生成するためのポリエステルとして、熱可塑性の、脂肪族、半芳香族、または芳香族の、ポリエステルホモポリマーまたはポリエステルコポリマーを使用することができる。このようなポリエステルは、例えば、エチレングリコールまたは1,4-ブタンジオールなどのポリオール、ならびにアジピン酸および/またはテレフタル酸などのジカルボン酸またはジカルボン酸誘導体から誘導する。1つまたは複数のキャリア層を生成するために、本発明によれば、ポリエステルとして、ポリカーボネート(PC)を使用することも可能である。優先的に、適合するものは、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、または対応するコポリマーである。
【0031】
キャリア層は、原則として、着色することができ、その目的のために、場合により、顔料を備えることができ、または光に関して透明であるものとすることができる。キャリア層は、好ましくは着色される。
【0032】
本発明に係るキャリア層は、好ましくは、少なくとも5μmの、より好ましくは、少なくとも10μmの層厚さを有する。本発明に係るキャリア層は、好ましくは、5μm~50μmの範囲の、より好ましくは、10μm~45μmの範囲の、さらに好ましくは、15μm~40μmの範囲の層厚さを有する。層厚さを決定するために好適な技術は、当業者に公知である。優先的に、本発明によれば、層厚さは、ミクロトーム切片によって確認される。
【0033】
印刷適性を改良するために、キャリア層の2つの表面の少なくとも一方は、その領域の全体または複数の部分にわたって、特に表面張力を増やす手法、とりわけプラズマ法およびコロナ法を用いることによって、前処理されることが可能である。このような場合、前処理は、好ましくは、印刷画像で印刷した後に、少なくとも表面のその区域において実施する。キャリア層は、好ましくは、印刷画像に面する前面で、少なくとも30mN/mの、より好ましくは、少なくとも35mN/mの、さらに好ましくは、少なくとも40mN/mの表面張力を有するものである。
【0034】
本発明に係るフィルムは、UV線により硬化される、少なくとも1種のインキを含む印刷画像を含む。印刷画像は、好ましくは、UV線により硬化される複数の様々なインキを含む。キャリアフィルムを印刷することができ、UV線により硬化され得る好適なインキは、当業者に公知であって、市販されている(例えば、UV製品群、SiegwerkまたはFLEXOCURE GEMINI(登録商標)製品群、FlintGroup)。
【0035】
好ましい一実施形態にて、UV線により硬化されるインキは、ラジカル硬化される。この場合、UV線により硬化されるインキは、好ましくは、UV線により硬化可能であるアクリレート組成物(例えば、FLEXOCURE GEMINI(登録商標)、YELLOW、FlintGroup、FLEXOCURE GEMINI(登録商標)、BLACK FlintGroup、またはUV259、Siegwerk)をベースとする。
【0036】
別の好ましい実施形態にて、UV線により硬化されるインキは、カチオン硬化される。この場合、UV線により硬化されるインキは、好ましくは、UV線により硬化可能であるエポキシ組成物(例えば、UV16、Siegwerk)をベースとする。
【0037】
当業者は、それを用いて、後でさえも有用な、完成した剥離フィルムに基づいた分析技術を有し、硬化がラジカル反応またはカチオン反応によって引き起こされたかどうかについて調べることができる。これは、例えば、NMRまたはIR分光法などの分光技術により行うことができる。
【0038】
好ましい一実施形態にて、UV線により硬化されるインキは、蛍光染料または発光染料を含む。
【0039】
本発明は、印刷画像の印刷領域に特定の制限を課すものではない。優先的には、印刷画像は、キャリア層の表面全体にわたって印刷されるわけではない。印刷画像の印刷領域は、好ましくは、キャリア層の表面の1%~99%の範囲、より好ましくは、5%~95%の範囲、さらに好ましくは、10%~90%の範囲である。
【0040】
本発明に係るフィルムは、UV線により硬化されるポリシロキサンを含む剥離被覆を含む。印刷されたキャリアフィルムを被覆することができ、UV線により硬化され得る、好適な被覆組成物は、同様に当業者に公知であって、同様に市販されている(例えば、TEGO(登録商標)RC、EvonikまたはSILFORCE(登録商標)UV、Momentive)。
【0041】
用語「ポリシロキサン」は、本発明において、ポリマー鎖が、ケイ素原子および酸素原子で交互に構成される化合物を指すことを意図している。ポリシロキサンは、それぞれの場合で互いに独立して、2つの有機基Rによって2基置換された、n個のシロキサンの繰り返し単位(-[Si(R2)-O]-)nに基づくものであり、Rは、好ましくは、それぞれの場合で、R1またはOR1であり、R1は、それぞれの場合でアルキル基またはアリール基である。
【0042】
本発明に係る硬化ポリシロキサンは、好ましくは、ジアルキルシロキサンの繰り返し単位、またはアルキルアリールシロキサンの繰り返し単位に基づく。個々のシロキサン単位のSi-O結合の数に応じて、それぞれの場合で、四価のケイ素原子に基づいて、これらの単位は、1個のSi-O結合を有する末端単官能シロキサン(M)と、2個のSi-O結合を有する二官能性シロキサン(D)と、3個のSi-O結合を有する三官能性シロキサン(T)と、4個のSi-O結合を有する四官能性シロキサン(Q)とに区別することができる。
【0043】
本発明で用いられるポリシロキサンは、好ましくは、架橋された、環状または連鎖状構造、より好ましくは架橋連鎖状の構造を有し、(D)単位、(T)単位、および/または(Q)単位によって結合して、二次元または三次元の網目構造を形成するものである。
【0044】
好ましい一実施形態にて、UV線により硬化されるポリシロキサンは、ラジカル硬化される。この場合、UV線により硬化されるポリシロキサンは、好ましくは、UV線により硬化可能であるアクリレート組成物(例えば、TEGO(登録商標)RC702、Evonik)をベースとする。
【0045】
別の好ましい実施形態にて、UV線により硬化されるポリシロキサンは、カチオン硬化される。この場合、UV線により硬化されるポリシロキサンは、好ましくは、UV線により硬化可能であるエポキシ組成物(例えば、TEGO(登録商標)RC1401、Evonik、またはSILFORCE(登録商標)UV9800、Momentive)をベースとする。
【0046】
本発明に係る剥離フィルムの剥離被覆は、好ましくは、付加架橋された、好ましくは、金属触媒反応により付加架橋された、縮合架橋された、ラジカル架橋された、および/またはカチオン架橋された、ポリシロキサンからなる群より選択される、少なくとも1種の硬化された、すなわち架橋されたポリシロキサンをベースとする。本発明に係る剥離フィルムの剥離被覆は、好ましくは、それぞれの場合において硬化される、ポリジアルキルシロキサン、好ましくは、ポリジメチルシロキサン、およびポリアルキルアリールシロキサン、好ましくは、ポリメチルフェニルシロキサンからなる群より選択される、少なくとも1種の硬化ポリシロキサンをベースとする。
【0047】
本発明に係る剥離フィルムの剥離被覆の表面重量は、好ましくは、5g/m2以下、より好ましくは、2g/m2以下、さらに好ましくは、0.1g/m2~1.5g/m2の範囲である。
【0048】
本発明に係る剥離フィルムは、好ましくは、片面に、シリコーン被覆を有し、すなわち、その表面層の一方のみとして有する。または、本発明に係る剥離フィルムは、両面にシリコーン被覆を有することができる。
【0049】
剥離被覆の領域は、本発明において特定の制限を受けない。好ましい一実施形態にて、剥離被覆は、キャリア層(繰り返し)の全体の表面を覆うわけではない。別の好ましい実施形態にて、キャリア層の全体の表面は、剥離被覆で覆われる。剥離被覆の領域は、好ましくは、キャリア層の表面の、1%~100%の範囲、より好ましくは、50%~100%の範囲、さらに好ましくは、75%~100%の範囲である。
【0050】
印刷画像は、個々のコヒーレント構造であってもよく、または互いに分離した2つ以上の構造を含んでもよい。このような互いに分離した2つ以上の構造は、様々なインキを用いて、連結ステップで印刷されることが好ましく、好ましくは、例えばフレキソ印刷によって時間的に継続して印刷される。
【0051】
本発明に係るフィルムにて、印刷画像は、キャリア層と剥離被覆との間に少なくとも部分的に配置され、したがって、印刷画像は、剥離被覆によって、その領域の少なくとも一部にわたって覆われる。印刷画像は、好ましくはキャリア層と剥離被覆との間に完全に配置され、これによって、剥離被覆は、印刷画像をその全ての領域にわたって覆う。剥離被覆の領域は、好ましくは、印刷画像の印刷領域よりも大きく、キャリア層の表面の未印刷区域もまた、剥離被覆によって覆われることを意味するものである。
【0052】
印刷画像は、好ましくは、キャリア層に直接に、かつ剥離被覆に直接に、両方に隣接する、すなわち、印刷画像はキャリア層かつ剥離被覆の両方に直接に接する。
【0053】
好ましい一実施形態にて、印刷画像から離れた、キャリア層の裏面に、本発明に係る剥離フィルムは、少なくとも1つの更なる層、好ましくは、少なくとも1種の熱可塑性ポリマーをベースとした、少なくとも1つの更なる層を含む。好ましい一実施形態にて、印刷画像から離れた、キャリア層の裏面に、本発明に係る剥離フィルムは、好ましくは、互いにそれぞれ独立して、少なくとも1種の熱可塑性ポリマーをベースとした、2つ以上の更なる層を含む。
【0054】
好ましい一実施形態にて、更なる層は、バリア層であり、または複数の、更なる層は、バリア層、好ましくは、酸素バリア層、水蒸気バリア層、もしくは油バリア層である。
【0055】
バリア層を生成するための適合性は、好ましくは、少なくとも1種の熱可塑性ポリマー、より好ましくは、ポリアミド、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、および前記ポリマーの少なくとも2種の混合物を含む群から選択される、少なくとも1種の熱可塑性ポリマーに備わる。
【0056】
バリア層を生成するためのポリアミド(PA)は、好ましくは、上記でより詳細に解明されたポリアミドと同様のものであり、本発明に係る剥離フィルムのキャリア層を生成するのに使用することもできる。バリア層を生成するのに用いられるポリビニルアルコールは、対応するポリ酢酸ビニル(PVA)の、完全な、または不完全な加水分解によって得られ、したがって、鹸化度50~98モル%を有する、部分的に鹸化されたポリ酢酸ビニルだけでなく、鹸化度98%以上を有する、完全に鹸化されたポリ酢酸ビニルも含む。バリア層を生成するのに用いられるエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、対応するエチレン含有ポリ酢酸ビニル(EVAc)の、完全な、または不完全な加水分解によって得られ、特に、鹸化度98%以上を有する、完全に鹸化されたエチレン含有ポリ酢酸ビニルを含む。
【0057】
本発明に係るキャリア層は、好ましくは、多層フィルムの一部、好ましくは、多層吹込みフィルムもしくはキャストフィルムの一部、または好ましくは、筒状フィルムの形態の多層フィルムアセンブリの一部である。本発明に係るキャリア層は、より好ましくは多層吹込みフィルムの一部である。
【0058】
本発明に係るキャリア層は、好ましくは、全体で、少なくとも、2つ、3つ、4つ、または5つの層を含み、このうちキャリア層が1つの層である、多層フィルムの一部である。多層フィルムの、個々の層は、その場合、本発明に係る様々な目的に役立つ。例えば、多層フィルムのシール性は、組成物および外層の層厚さによって影響を受けることがある。個々の層の機能化および/または艶消(dulling)も可能である。安定化は、好ましくは、多層フィルムの中間層を介して達成することができる。
【0059】
1つまたは複数のバリア層は、本発明によれば、好ましくは、被包装内容物の移動性成分、例えば、生理用ナプキンの感圧粘着剤等が、多層フィルムを介して移動し、そのようにして、例えば、周囲の包装に到達するのを防ぐことができる。
【0060】
好ましい一実施形態にて、本発明に係るキャリア層は、剥離効果を有する、少なくとも一軸配向した多層ポリマーフィルムの一部であり、少なくともポリオレフィン50重量%程度まで構成され、総厚さ18μm未満、好ましくは、12μm未満の総厚さを有し、少なくとも1つの表面に、少なくとも一部エンボス加工を有する。この多層ポリマーフィルムの好ましい実施形態は、国際公開第2015/139844号に記載されており、その全体の開示内容は、引用することによって本明細書の一部を成すものとし、また本発明に係る好ましい実施形態に関連して引用される。
【0061】
別の好ましい実施形態において、本発明に係るキャリア層は、少なくとも一軸配向であり、場合により、エンボス加工され、機械軸方向に対して交差した引裂強度よりも、少なくとも30%異なる、機械軸方向の引裂強度を有する、柔軟なポリマーフィルムの一部である。この多層ポリマーフィルムの好ましい実施形態は、国際公開第2015/139845号に記載され、その全体の開示内容は、引用することによって本明細書の一部を成すものとし、また本発明に係る好ましい実施形態に関連して引用される。
【0062】
別の好ましい実施形態にて、本発明に係るキャリア層は、機械軸方向で、少なくとも1:2に、少なくとも一軸配向し、少なくとも、ある程度、ポリオレフィン50重量%で構成され、18μm、好ましくは、12μm以下の総厚さを有し、DIN EN ISO527-3に準拠して、幅25mmあたり、少なくとも3Nの張力下で、最大で1%までの伸長を有する、多層ポリマーフィルムの一部である。この多層ポリマーフィルムの好ましい実施形態は、国際公開第2015/139843号に記載され、その全体の開示内容は、引用することによって本明細書の一部を成すものとし、また本発明に係る好ましい実施形態に関連して引用される。
【0063】
さらなる好ましい一実施形態にて、本発明に係るキャリア層は、
a)密度0.910~0.940g/cm3の範囲および融点110℃~130℃の範囲を有するポリエチレン成分をベースにしたシール性層(a)、
b)密度0.910~0.940g/cm3を有する、少なくとも1種のポリエチレン51~85重量%、およびそれぞれの場合で、ポリマー混合物の全重量に基づいて、少なくとも1種のプロピレンホモポリマーまたはプロピレンコポリマー15~49重量%のポリマー混合物をベースにした層(b)、
c)密度0.910~0.940g/cm3の範囲および融点110℃~130℃の範囲を有するポリエチレン成分をベースにしたシール性層(c)
の層シーケンスを含む多層ポリオレフィンフィルムの一部であって、
層(a)の融点または層(c)の融点が、層(b)の融点よりも少なくとも5℃より低く、それぞれの場合で、DIN53356に準拠して測定された、機械軸方向(MD)引裂強度が5N未満であり、機械軸方向に対して交差した(CD)引裂強度は、(MD)の引裂強度よりも、少なくとも4倍より強く、DIN ISO527-3に準拠して測定された、引張強度は、機械軸方向(MD)において、機械軸方向に対して交差した(CD)の引張強度とほぼ同じであり、15N超である、多層ポリオレフィンフィルムの一部である。この多層ポリマーフィルムの、好ましい実施形態は、国際公開第2017/016660号に記載され、その全体の開示内容は、引用することによって本明細書の一部を成すものとし、また本発明に係る好ましい実施形態に関連して引用される。
【0064】
別の好ましい実施形態にて、本発明に係る剥離フィルムは、キャリア層および剥離被覆以外の層を含まず、言い換えれば、この場合、本発明に係る剥離フィルムは、キャリア層および剥離被覆(ならびにまた印刷画像、および存在する場合、更なる印刷画像)から構成される。その場合、本発明に係るキャリア層は、好ましくは、単層の吹込みフィルムまたはキャストフィルムである。
【0065】
本発明に係る剥離フィルムにおいて存在する、剥離被覆、キャリア層、および任意の更なる1つまたは複数の層は、必要に応じて、それぞれの場合で互いに独立して、好ましくは、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、活性抗菌成分、染料、着色顔料、安定剤、好ましくは、熱安定剤、加工安定剤、加工補助剤、難燃剤、造核剤、結晶化剤、好ましくは、結晶種形成剤、滑剤、光学的光沢剤、軟化剤、封止剤、可塑剤、スペーサー、フィラー、剥離剤、ワックス、湿潤剤、表面活性化合物、好ましくは、界面活性剤、および分散剤からなる群より選択される、補助剤を備えることができ、または補助剤でドープすることができる。このような場合において、シリコーン被覆の、すなわちポリシロキサンの剥離効果は、維持されなければならない。
【0066】
本発明に係る剥離フィルムの、剥離被覆、キャリア層、および任意の他の1つまたは複数の層は、必要に応じて、それぞれの場合で互いに独立して、前述した補助剤の、少なくとも1種を、互いに独立して、それぞれの場合で個々の層の全重量に基づいて、少なくとも0.01~30重量%、好ましくは、少なくとも0.1~20重量%含む。
【0067】
好ましい一実施形態にて、キャリア層の印刷画像と同様に、詳細には、印刷画像から離れた、その裏面に、本発明に係る剥離フィルムは、更なる印刷画像を含む。
【0068】
優先的に、印刷画像および更なる印刷画像は、互いに異なるものである。例えば、その2つの印刷画像の一方が、被包装内容物の作業説明を含み、その2つの印刷画像の他方が、意図する様式でそれを使用した後に、被包装内容物を廃棄するための説明を示すことが好ましい。
【0069】
キャリア層が透明である場合、印刷画像および更なる印刷画像は、平面図において、剥離被覆の上、および印刷画像の下の両方で視認することができる。すなわち、更なる印刷画像は、透明なキャリア層を通して現れる。
【0070】
好ましい一実施形態にて、本発明に係る剥離フィルムの印刷画像および/または更なる印刷画像は、見当合わせ、制御、および/または印刷マークであり、好ましくは、剥離フィルムの周辺区域に配置される。
【0071】
特に好ましい一実施形態にて、本発明に係る剥離フィルムの印刷画像および/または更なる印刷画像は、追加の、見当合わせ、制御、および/または印刷マークであり、好ましくは、剥離フィルムの周辺区域に配置される。
【0072】
優先的に、本発明における「剥離フィルムの周辺区域」は、それぞれの箇所で端部に対して直交した、剥離フィルムの全範囲の、端部に面した、20%、より好ましくは、10%に及ぶ。例えば、剥離フィルムは、端部に対して直交した、15cmの全範囲(幅)を有する場合、この箇所での剥離フィルムの周辺区域は、好ましくは、端部に面した、3cm、より好ましくは、1.5cmに及ぶ。
【0073】
特に好ましい一実施形態にて、本発明に係る剥離フィルムは、その2つの外側の領域の少なくとも一部にわたって剥離被覆を含み、剥離被覆の組成は、好ましくは、それぞれの場合において同じである。キャリア層が唯一の層である場合、好ましくは、キャリア層の、両方の外側は、その領域の少なくとも一部にわたって剥離被覆を有する。キャリア層が、多層フィルムの一部である場合、キャリア層は、印刷画像に面する側の領域の少なくとも一部にわたって、剥離被覆を有し、多層フィルムの、反対の最も外側の層、すなわち、他の外側も、同様に、その領域の少なくとも一部にわたって、更なる剥離被覆を有する。
【0074】
本発明のさらなる一態様は、好ましくは、生理用ナプキンおよびパンティーライナーを含む群から選択される、衛生用品または生理用品の包装であって、前述した本発明に係る剥離フィルムを含む、包装に関する。
【0075】
本発明に係る包装は、好ましくは、包装ラップの形態である。全体の包装は、好ましくは剥離フィルムおよび被包装内容物(生理用品)で構成される。
【0076】
キャリア層は、好ましくは、印刷画像の前面において、生理用品によって、完全に、または少なくとも部分的に隠された印刷画像を有する。生理用品の裏面で、好ましくは、感圧粘着剤があり、それによって、生理用品を剥離被覆に付着させる。感圧粘着剤は、手動で引っ張ることによって剥離被覆から取り外すことができ、生理用品を包装から取り出すことができる。ここで、生理用品の、感圧粘着剤の付着力は、好ましくは、剥離被覆の付着力よりも強く、したがって、感圧粘着剤は、包装から取り出されるとき、まだ生理用品に留まる。感圧粘着剤は、好ましくは、さらなる機能を果たすことができる。例えば、生理用品が、生理用ナプキンである場合、意図される使用の過程で、感圧粘着剤によって、下着の内側に付着させることができる。生理用品を取り出した結果として、裏にある印刷画像は、完全に視認することができ、例えば、審美的な目的を果たすことができ、ならびに/または例えば、絵文字および/もしくは文の形態で、意図する様式でそれを使用した後、生理用品を廃棄するための説明を含むことができる。
【0077】
好ましい一実施形態にて、それぞれの場合で、周辺区域のキャリア層は、感圧粘着剤のストリップを有し、これによって、包む間に、包装を端で封じることができる。包装は、好ましくは、再封性である。当業者の認識によれば、端で封じるために、他の選択肢、例えば、ヒートシール、圧着なども代替的に使用できる。再封性を確実なものにするために、本発明では、感圧粘着剤を使用することが好ましい。
【0078】
好ましい一実施形態にて、キャリア層に対する生理用品の配置は、中心ではなく、むしろ横方向オフセットであり、したがって生理用品の区域はキャリア層の縁に覆い被さる。
【0079】
包装ラップの機能を説明する目的で、再び封じる作業を以下に説明する。包装ラップの初めての開封で、対応するステップは、逆順で詳しく検討される。包装ラップとしての、包装の機能を説明するために、剥離フィルムを、第1の折り畳みによって、狭いラップ部分およびまた中央ラップ部分に分割することができる。さらに、剥離フィルムを、第2の折り畳みによって、中央ラップ部分およびまた広いラップ部分に分割することができる。
【0080】
再び封じるとき、第1のステップにて、狭いラップ部分は、第1の折り畳みに沿って、包まれ(畳み込まれ)、したがって、場合により裏面に配置された更なる印刷画像は、包装の前面に配置されることになり、したがって、平面図で視認することができる。更なる印刷画像は、審美的な目的を果たすことができ、ならびに/または例えば、絵文字および/もしくは文の形態で、意図する様式で、生理用ナプキンを包装から取り出すための説明を含むことができる。周辺区域に塗布された、好ましい感圧粘着剤によって、裏面の中央ラップ部分およびまた前面の狭いラップ部分は、ある種の封止された袋を形成し、包まれた生理用ナプキンが前記袋の開口部に達する。
【0081】
再び封じる間、第2のステップにて、中央ラップ部分およびまたそれにわたって畳まれた狭いラップ部分は、第2の折り畳みに沿って、再び包まれ(畳み込まれ)、したがって、場合により裏面に配置された、更なる印刷画像の別の部分は、包装の前面に配置されることになり、したがって、平面図で視認することができる。更なる印刷画像は、同様に、審美的な目的を果たすことができ、ならびに/または例えば、絵文字および/もしくは文の形態で、意図する様式で、生理用ナプキンを包装から取り出すための説明を含むことができる。周辺区域に塗布される、好ましい感圧粘着剤によって、裏面の広いラップ部分、およびまた前面の中央ラップ部分、およびまた中心に配置された狭いラップ部分は、ある種の封止された袋を形成し、その内部に、二重に包まれた生理用品が位置する。
【0082】
このような場合、剥離フィルムの覆い被さる区域は、好ましくは、広いラップ部分によって隠されず、したがってまだ視認することができ、例えば、手で包装を容易に開けるためのタブとして機能することができる。当業者の認識によれば、感圧粘着剤が剥離被覆に付着し、やはりそれから取り外し可能であるように、キャリア層の裏面、同様に、多層フィルムの場合、剥離フィルムの裏面の外層が、少なくとも周辺区域において更なる剥離被覆を有する場合が有利である。
【0083】
本発明のさらなる一態様は、好ましくは、生理用ナプキンおよびパンティーライナーを含む群から選択される、衛生用品または生理用品の包装材料としての、前述された本発明に係る剥離フィルムの使用に関する。
【0084】
本発明のさらなる一態様は、前述された本発明に係る剥離フィルムを製造する方法であって、
(a)キャリア層の表面の少なくとも一部を、UV線により硬化可能な少なくとも1種のインキで印刷するステップと、
(b)硬化可能なインキにUV線を照射するステップと、
(c)キャリア層の印刷された表面の少なくとも一部に、UV線により硬化可能なポリシロキサンを含む被覆組成物を塗布するステップと、
(d)硬化可能なポリシロキサンにUV線を照射するステップと
を含む、方法に関する。
【0085】
本発明に係る剥離フィルムは、公知の製造方法、例えば、ラミネーションまたは(共)押出成形によって、好ましくは共押出成形によって製造することができる。このような場合、キャリア層、および/または場合により存在する、1つの更なる層、もしくは場合により存在する、複数の更なる層は、押出成形によって、好ましくは平坦フィルム押出成形(キャスト押出成形)または吹込みフィルム押出成形によって、より詳細には、平坦フィルム共押出成形(キャスト共押出成形)または吹込みフィルム共押出成形によって形成することができ、本発明では、吹込みフィルム共押出成形によって製造することが好ましい。
【0086】
好ましくは、キャリア層、および/または場合により存在する、1つの更なる層、もしくは場合により存在する、複数の更なる層は、場合により、多層フィルムとして、場合により筒状フィルムの形態で、製造し、加工処理することができる。
【0087】
得られる、単層の、もしくは好ましくは多層吹込みフィルムもしくはキャストフィルム、または得られる、筒状フィルムの形態の、全体的な、場合により多層の、フィルムアセンブリは、予備保管なしで、製造直後に、あるいはその実際の製造の一部として、エンボス加工され得る。好ましくは、単層の、もしくは好ましくは多層吹込みフィルムもしくはキャストフィルム、または場合により多層の、フィルムアセンブリは、その実際の製造中に、筒状フィルムの形態でエンボス加工される。
【0088】
ステップ(a)からステップ(d)は、好ましくは、時間的にアルファベット順で行われ、ステップ(a)およびステップ(b)、ステップ(b)およびステップ(c)、ならびに/またはステップ(c)およびステップ(d)は、互いに独立して、少なくとも部分的に同時に実施することが可能である。特に、本発明においては、ステップ(b)のUV線によって誘発される硬化可能なインキの硬化は、被覆組成物を、ステップ(c)で既に塗布し、引き続いて、ステップ(d)でUV線を照射する場合には、全て完了させる必要はない。
【0089】
ステップ(d)は、好ましくは、ステップ(b)の後、300秒以内に実施して、これによって、ステップ(a)からステップ(d)を実質的に連結操作で実施する。好ましい実施形態にて、ステップ(d)は、ステップ(b)の後、240秒以内に、または180秒以内に、または120秒以内に、または60秒以内に、または30秒以内に、または10秒以内に実施する。好ましい実施形態にて、ステップ(d)は、ステップ(b)の後、9秒以内に、または8秒以内に、または7秒以内に、または6秒以内に、または5秒以内に、または4秒以内に実施する。本発明に係る方法は、好ましくは連続的に実施するので、当業者の認識によれば、これらの部分が、例えば、初めに印刷画像で印刷され、直列の複数のインキ装置を備えた共通の中心胴上で照射されて、その直後に剥離被覆で被覆され、再び照射される場合、この場合の上記の時間の詳細が本発明に係る剥離フィルムの特定の部分を指す。この場合の、ステップ(b)とステップ(d)の間の時間間隔は、共通の中心胴周辺のUV線源の間の物理的距離と、機械速度との積である。被覆組成物を塗布するための下流工程の印刷装置は、代替的に、独立した中心圧胴で確保することもできる。
【0090】
機械速度は、好ましくは、100~800m/分の範囲、好ましくは、200m/分~450m/分の範囲であり、キャリアフィルムの種類、様々な印刷技術および印刷用インキの数、または複数の印刷操作および/もしくは被覆操作に、事によって必要とされる正確な制御によって決まる。
【0091】
優先的に、印刷画像用および剥離被覆用の両者のインキ、例えばUV硬化可能なシリコーン層を生成するための被覆組成物は、1つの連結操作で直接連続して、例えば、第1のインキ装置(印刷画像)および第2のインキ装置(剥離被覆)における共通の中心胴で、印刷される。このような場合、剥離被覆を、全体の領域または領域の一部(繰り返し)にわたって塗布することができる。
【0092】
好ましい一実施形態にて、剥離被覆は、制御され、領域の一部(繰り返し)にわたって塗布されて、この制御は、見当合わせ、制御、および/もしくは印刷マーク、または剥離被覆の下の印刷画像によって行うことが可能である。
【0093】
好ましい一実施形態にて、更なる印刷画像は、印刷画像から離れた、キャリアフィルムの裏面に施され、更なる印刷画像の印刷は、好ましくは制御なしで行われる。好ましい一実施形態にて、剥離被覆は、制御され、領域の一部(繰り返し)に塗布されて、この場合、制御は、印刷画像から離れた、キャリアフィルムの裏面の、この更なる印刷画像を利用して行われる。
【0094】
見当合わせ、制御、および/または印刷マークは、当業者に公知であり、様々な機能を満たすことができる。優先的には、本発明によれば、見当合わせ、制御、および/または印刷マークは、
- ステップ(a)で印刷するステップ中に、剥離フィルムに、印刷画像の相対的な位置を特定する、
- 追加的に存在する場合、印刷するステップ中に、剥離フィルムに、更なる印刷画像の相対的な位置を特定する、
- 特に、剥離被覆が、領域の一部にわたってのみ塗布される場合、ステップ(c)の剥離被覆を塗布するステップ中に、剥離フィルムに剥離被覆の相対的な位置を特定する、ならびに/または
- 剥離フィルムを、例えば、包装材料として引き続いて使用する間に、剥離フィルムに、および/もしくは剥離被覆に、被包装内容物の、および/もしくは被包装内容物に塗布された感圧粘着剤の、相対的な位置を特定する、
との機能を果たすことができる。
【0095】
ステップ(b)で用いられるUV線は、好ましくは、ステップ(d)で用いられるUV線と実質的に同じ波長を有する。
【0096】
この文脈で、カチオン硬化可能な印刷用インキおよび/または被覆組成物(例えば、エポキシ系)は、時として、硬化が空気中に存在する酸素によって悪影響を受けず、したがって不活性ガスを用いる必要がないという利点を有している。しかし、その一方で、このような印刷用インキおよび/または被覆組成物は、時として、悪臭公害を引き起こす傾向がある。
【0097】
これとは対照的に、ラジカル硬化可能な印刷用インキおよび/または被覆組成物(例えば、アクリレート系)は、時として、いずれの悪臭公害も引き起こさないという利点を有している。しかし、その一方で、このような印刷用インキおよび/または被覆組成物は、不活性ガスを使用する必要がある。
【0098】
本発明に係る方法の好ましい実施形態にて、
(i)UV線により硬化可能なインキは、ラジカル硬化可能であり、UV線により硬化可能なポリシロキサンは、ラジカル硬化可能である、
(ii)UV線により硬化可能なインキは、ラジカル硬化可能であり、UV線により硬化可能なポリシロキサンは、カチオン硬化可能である、
(iii)UV線により硬化可能なインキは、カチオン硬化可能であり、UV線により硬化可能なポリシロキサンは、ラジカル硬化可能である、または
(iv)UV線により硬化可能なインキは、カチオン硬化可能であり、UV線により硬化可能なポリシロキサンは、カチオン硬化可能である。
【0099】
本発明に係る方法の好ましい一実施形態にて、ステップ(a)からステップ(d)は、保護ガス雰囲気下で実施する。
【0100】
本発明に係る方法の別の好ましい実施形態にて、ステップ(a)からステップ(d)は、保護ガス雰囲気なしで実施する。
【0101】
本発明に係る方法の好ましい実施形態にて、
(i)UV線により硬化可能なインキは、溶媒を含み、UV線により硬化可能なポリシロキサンは、溶媒を含む、
(ii)UV線により硬化可能なインキは、溶媒を含み、UV線により硬化可能なポリシロキサンは、無溶媒である、
(iii)UV線により硬化可能なインキは、無溶媒であり、UV線により硬化可能なポリシロキサンは、溶媒を含む、または
(iv)UV線により硬化可能なインキは、無溶媒であり、UV線により硬化可能なポリシロキサンは、無溶媒である。
【0102】
図1は、キャリア層(1)と、印刷画像(2)と、剥離被覆(3)とを含む、本発明に係る剥離フィルムについて、好ましい一実施形態を概略的に説明する図である。
図1に示す実施形態にて、剥離被覆(3)は、印刷画像(2)を含むキャリア層(1)に、全体の領域にわたって塗布されており、これによって、剥離被覆(3)の領域は、キャリア層(1)の領域に対応している。
【0103】
図2は、キャリア層(1)と、印刷画像(2)と、剥離被覆(3)とを含む、本発明に係る剥離フィルムについて、好ましい一変形実施形態を概略的に説明する図である。
図2に示す実施形態にて、剥離被覆(3)は、印刷画像(2)を含むキャリア層(1)に、領域の一部にわたって塗布されており、これによって、剥離被覆(3)の領域は、キャリア層(1)の領域よりも小さく、剥離被覆(3)で覆われていない周辺区域(4)が残っている。
【0104】
図3は、キャリア層(1)と、印刷画像(2)と、剥離被覆(3)とを含み、これに加えて、周辺区域(4)の印刷画像(2)が、見当合わせ、制御、および/または印刷マーク(5)を有する、本発明に係る剥離フィルムの好ましい一変形実施形態を概略的に説明する図である。
【0105】
図4は、キャリア層(1)と、印刷画像(2)と、剥離被覆(3)と、周辺区域(4)と、見当合わせ、制御、および/または印刷マーク(5)と、裏面に更なる印刷画像(6)とを含む、本発明に係る剥離フィルムの好ましい一変形実施形態を概略的に説明する図である。
【0106】
図5は、本発明に係る好ましい生理用品用の剥離フィルムを含む包装を概略的に説明する図である。この包装は、生理用ナプキン用の包装ラップの例示的な形態を示すものの、他の被包装内容物、特に生理用品を包装するために使用することもできる。全体の包装は、好ましくは、剥離フィルムおよび生理用ナプキンで構成される。本発明に係る包装の剥離フィルムは、
図5においては、明確さを理由に省略されているものの、見当合わせ、制御、および/または印刷マークを含むことができる。
図5Aから
図5Dに、本発明に係る包装の様々な状態を示す。
【0107】
図5Aに、本発明に係る包装の完全に広げた状態を示す。キャリア層(1)は、印刷画像を有しており、図示された状態では、印刷画像はその前面の生理用ナプキン(7)により隠されている。当業者の認識によれば、印刷画像を、代替的に、生理用ナプキン(7)に、オフセットで配置することもでき、および/または少なくともその一部に、生理用ナプキン(7)で隠されていない、すなわち、視認することができる広範に及ぶデザイン等を付与することもできる。剥離被覆(3)は、印刷画像を含むキャリア層(1)の領域の一部にわたって塗布されており、これによって、剥離被覆(3)の領域は、キャリア層(1)の領域よりも小さく、剥離被覆(3)で覆われていない周辺区域(4)が残っている。好ましくは、その裏面にて、生理用ナプキン(7)は、感圧粘着剤(図示せず)を有しており、これによって剥離被覆(3)に付着する。生理用ナプキンは、手で取りだすことにより剥離被覆(3)の感圧粘着剤と共に取り外すことができる。その後、生理用ナプキン(7)の意図する用途の過程で、感圧粘着剤は、下着の内側に付着させるように機能することができる。キャリア層(1)は、周辺区域(4)にて、2つの長辺のそれぞれに感圧粘着剤(13)のストリップを有しており、したがって、包装は端で包むことによって封じることができる。好ましくは、包装は、再封性である。当業者の認識によれば、端で封じるために、代替的に、ヒートシール、圧着等の、他の選択肢を用いることも可能である。生理用ナプキン(7)は、好ましくは、キャリア層に対して中心にあるように配置されず、むしろ横方向オフセットを有しており、したがって、区域(14)はキャリア層(1)の縁で生理用ナプキンを越えて突出している。剥離フィルムは、第1の折り畳み(8)により、狭いラップ部分(10)と中央ラップ部分(11)に想定的に分割することができる。さらに、剥離フィルムは、第2の折り畳み(9)により、中央ラップ部分(11)と広いラップ部分(12)に分割することができる。
【0108】
図5Bに、本発明に係る包装について、生理用ナプキンを取り出した後に、完全に広げた状態を示す。このように、裏にある印刷画像(2)は、視認することができ、審美的な目的を果たすことができ、ならびに/または、例えば、絵文字および/もしくは文の形態で、それが意図するように使用された後に、生理用ナプキンを廃棄するための説明を含むことができる。
【0109】
図5Cに、本発明に係る包装について、一部を広げた状態を示す。この状態は、包装を初めて開封する間に、また再び封じる際に起こり得る。このような場合、狭いラップ部分(10)は、第1の折り畳み(8)に沿って、包まれ(畳み込まれ)、したがって、
図5A/
図5Bにおいて裏面に配置された更なる印刷画像(6)は示された平面図でまだ視認することができないが、
図5Cによれば包装の前面に配置されており、示された平面図で視認することができる。更なる印刷画像は、審美的な目的を果たすことができ、ならびに/または例えば、絵文字および/もしくは文の形態で、生理用ナプキンを包装から適切に取り出すための説明を含むことができる。周辺区域(4)に塗布された感圧粘着剤(13)によって、裏面の中央ラップ部分(11)と前面の狭いラップ部分(10)は、ある種の封止された袋を形成し、包まれた生理用ナプキン(7)が、前記袋の開口部に達する。このような場合、生理用ナプキン(7)の突出区域(14)は、狭いラップ部分(10)によって隠れることなく、したがって(
図5Aのような表示と比較して、裏面で)まだ視認することができる。
【0110】
図5Dに、本発明に係る包装について、完全に封じられた状態を示す。この状態は、包装を初めて開封する間、および再び封じる際の両方で、同様に起こり得る。このような場合、中央ラップ部分(11)およびまたそれにわたって畳まれた狭いラップ部分(10)は、第2の折り畳み(9)に沿って再び包まれ(畳み込まれ)、したがって、
図5A/
図5Bにおいて裏面に配置された更なる印刷画像(6)の異なる部分は示された平面図でまだ視認することができないが、
図5Dによれば包装の前面に配置されており、示された平面図で視認することができる。更なる印刷画像は、同様に、審美的な目的を果たすことができ、ならびに/または、例えば絵文字および/もしくは文の形態で、生理用ナプキンを包装から適切に取り出すための説明を含むことができる。
図5Cに示された更なる印刷画像(6)は、このようにして隠される。周辺区域(4)に塗布された感圧粘着剤(13)によって、裏面の広いラップ部分(12)と前面の中央ラップ部分(11)およびまた中心に配置された狭いラップ部分(10)は、ある種の封止された袋を形成し、前記袋の内部に、二重に包まれた生理用ナプキン(7)が位置している。好ましくは、このような場合、剥離フィルムの突出区域(15)は、広いラップ部分(12)により隠されることがなく、これによってまだ視認することができ、例えば、手で包装をより容易に開けるためのタブとして機能することができる。当業者の認識によれば、感圧粘着剤(13)が剥離フィルムに付着し、そこから再び取り外すこともできるように、キャリア層(1)の裏面、または多層フィルムの場合、
図5A/
図5Bに示された、剥離フィルムの裏面の外層がまた、少なくとも周辺区域において、更なる剥離被覆を有する場合が有利である。
【0111】
[参照記号のリスト]
1 キャリア層
2 印刷画像
3 剥離被覆
4 周辺区域
5 見当合わせ、制御、および/または印刷マーク
6 更なる印刷画像
7 生理用ナプキン
8 第1の折り畳み
9 第2の折り畳み
10 狭いラップ部分
11 中央ラップ部分
12 広いラップ部分
13 感圧粘着剤
14 生理用ナプキンの突出区域
15 剥離フィルムの突出区域
【実施例】
【0112】
以下の例は、本発明を説明するのに役立つものであって、いずれかの制限を課すものとして解釈されるべきではない。
【0113】
用いられたキャリア層は、片面にコロナ前処理した(42mN/m)、厚さ24μmのポリオレフィンフィルムであった。機械速度は、それぞれの場合で、250m/分であった。
【0114】
中心圧胴に配置された印刷装置を備えた、従来のフレキソ印刷方法を用いた。印刷装置は、印刷デザインを有する印刷用スリーブを保持した、プレス胴で構成されたものとした。インキを、彫刻ロールによって、印刷デザインを有したプレス胴に塗布し、過剰のインキは、彫刻ロールの表面から、ドクターナイフ(いわゆる、「閉ボックスナイフ(closed box knife)印刷装置」)によって、取り去った。
【0115】
シリコーン処理は、インキ印刷装置(プレス胴、彫刻ロール、およびボックスナイフで構成される。)の下流工程の印刷装置で行い、これを用いて、印刷(=「シリコーン印刷装置」)によってシリコーン被覆を塗布した。実験では、インキ印刷装置およびシリコーン印刷装置の両方を、中心圧胴でしっかりと固定した。
【0116】
試験された剥離フィルムの、それぞれの構成を以下の表に纏める。例C-1から例C-8は、比較例であり、例I-1から例I-5は、本発明における実施例である。
【0117】
【0118】
それぞれの操作の数、およびまたそれぞれの場合にて製造に必要とされる時間について、下記表に纏める。
【0119】
【0120】
剥離力は、電子式引裂き機(分解能0.02N)を用いて、70℃で決定した。これは、Tesaband A7475、幅25mmを用いて実施した。新しくシリコーン処理された試験片は、約6個のプライヤーのスラブにて、長さ約24~29cmで提供され、黒色フィルムに包まれた。次いで、これらの試験片を調整した。調整は、乾燥キャビネット2時間/70℃にて、ラック周りでスラブを包むことによって行った。これにより、空気がラックを通って自由に循環することができ、このようにしてスラブを均一に加熱した。試料を取り出し、粘着テープを、試験される領域にわたって、気泡を含まないように粘着させた。粘着テープを、速度20cm/秒でFinatローラーを用いて、4回巻きながら落とした。剥離フィルムは、それぞれの場合において、1cmの何もない縁が、粘着テープの端に残るように、切り取った。試料を、同じ長さ(長さ約30cm)のストリップに切断し、ラベル付けした。その後、試料は、薄い金属プレートの間に置かれ、重りで垂れ下がった。荷重は、均一であった。重りの数は、階層あたりの試料の数によって決定した。
【0121】
【0122】
これは、70g/cm2の荷重に対応した。その後、試料を、乾燥キャビネットにて70℃で20時間保管し、取り出した後、金属支持シートに粘着させた。硬いフィルムストリップを、試験粘着テープに固定し、金属支持シートを、Zwick試験機器の下方の締付けジョーでしっかりと留め、硬いフィルムストリップを、上方の締付けジョーでしっかりと留めた。荷重セルを調節した後、試験粘着テープを、角度175°および速度300mm/分で剥がした。
【0123】
「擦り落ち(rub off)」を決定するために、シリコーン処理されたフィルムを滑らかな下張り紙に平らに置いた。次いで、シリコーン層を親指で4~5回擦った。シリコーンフィルムが一部脱離した場合に「擦り落ち」を記録した。そうでない場合は、試験は「sat」と記録した。
【0124】
剥離値、硬化度、固定具、および「擦り落ち」について下記表に纏める。
【0125】
【0126】
上記実験データに示されたように、比較例C-1から比較例C-4の剥離フィルムの製造は、多大な作業手間を伴い、結果として長い作業時間に結び付くものだった。比較例C-6から比較例C-8の剥離フィルムは、これらの不利益は示さないものの、シリコーン印刷装置への色移り(汚染)を示し、擦り落ちも示した。
【0127】
一方、本発明における例I-1および例I-2の剥離フィルムは、不利益を全く示さなかった。なお、本発明における例I-3から例I-5の剥離フィルムの場合には、悪臭公害が、カチオン硬化インキおよび/または被覆組成物を使用することから生じ得ることも留意すべきである。
なお、本願の出願当初の特許請求の範囲の請求項は以下の通りである。
[請求項1]
キャリア層、印刷画像、および剥離被覆を含む剥離フィルムであって、(a)前記印刷画像が、前記キャリア層と前記剥離被覆との間に少なくとも部分的に配置され、(b)前記印刷画像が、UV線により硬化される少なくとも1種のインキを含み、(c)前記剥離被覆が、UV線により硬化されるポリシロキサンを含む、剥離フィルム。
[請求項2]
前記印刷画像が、前記キャリア層と前記剥離被覆との両方に直接に隣接する、請求項1に記載の剥離フィルム。
[請求項3]
前記印刷画像が、前記キャリア層と前記剥離被覆との間に完全に配置される、請求項1または2に記載の剥離フィルム。
[請求項4]
前記キャリア層が、ポリオレフィンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項5]
前記キャリア層が、熱可塑性オレフィン、ならびに/または好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン(PI)、前記ポリマーの少なくとも2種のコポリマーおよび/もしくは混合物からなる群より選択される、2~10個の炭素原子を有するα,β-不飽和オレフィンの、熱可塑性オレフィンホモポリマーまたは熱可塑性オレフィンコポリマーからなる群より選択される、ポリオレフィンを含む、請求項4に記載の剥離フィルム。
[請求項6]
前記キャリア層が、着色されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項7]
前記キャリア層が、5μm~50μmの範囲の層厚さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項8]
10μm~45μmの範囲の層厚さを有する、請求項7に記載のキャリア層。
[請求項9]
15μm~40μmの範囲の層厚さを有する、請求項8に記載のキャリア層。
[請求項10]
前記キャリア層が、前記印刷画像に面する前面にて、少なくとも30mN/mの表面張力を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項11]
前記キャリア層が、前記印刷画像に面する前面にて、少なくとも35mN/mの表面張力を有する、請求項10に記載の剥離フィルム。
[請求項12]
前記キャリア層が、前記印刷画像に面する前面にて、少なくとも40mN/mの表面張力を有する、請求項11に記載の剥離フィルム。
[請求項13]
前記剥離被覆が、付加架橋された、好ましくは、金属触媒反応により付加架橋された、縮合架橋された、ラジカル架橋された、および/またはカチオン架橋された、ポリシロキサンからなる群より選択される、少なくとも1種の硬化ポリシロキサンをベースとする、請求項1~12のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項14]
前記剥離被覆が、ポリジアルキルシロキサン、好ましくは、ポリジメチルシロキサン、およびポリアルキルアリールシロキサン、好ましくは、ポリメチルフェニルシロキサンからなる群より選択される、少なくとも1種の硬化ポリシロキサンをベースとする、請求項1~12のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項15]
前記剥離被覆が、5g/m
2
以下、より好ましくは、2g/m
2
以下、極めて好ましくは、0.1g/m
2
~1.5g/m
2
の範囲の表面重量を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項16]
1つまたは複数の表面層を、シリコーン被覆として、片面または両面に有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項17]
UV線により硬化される前記インキが、蛍光染料または発光染料を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項18]
前記印刷画像から離れた前記キャリア層の裏面に、少なくとも1つの更なる層を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項19]
前記剥離フィルムの、前記剥離被覆、前記キャリア層、およびまた場合により存在する1つまたは複数の更なる層が、それぞれ互いに独立して、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、活性抗菌成分、染料、着色顔料、安定剤、好ましくは、熱安定剤、加工安定剤、加工補助剤、難燃剤、造核剤、結晶化剤、好ましくは、結晶種形成剤、滑剤、光学的光沢剤、軟化剤、封止剤、可塑剤、スペーサー、フィラー、剥離剤、ワックス、湿潤剤、表面活性化合物、好ましくは、界面活性剤、および分散剤からなる群より選択される、補助剤を備えることができ、ならびに/またはさらなる補助剤の重量分率が、それぞれの場合で互いに独立して、それぞれの場合で個々の層の全重量に基づいて、少なくとも0.01~30重量%、好ましくは、0.1~20重量%である、請求項1~18のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項20]
試験規格FTM10に準拠したFINAT結合強度試験において、2~25cN/10cmの範囲の剥離値に対応する、温度70℃、剥離角度175°および剥離速度300mm/分で試験粘着テープを取り除くとき、シリコーン層が、「擦り落ち」として特定される剥離現象を示さない、請求項1~19のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項21]
前記キャリア層が、前記印刷画像から離れたその裏面に、更なる印刷画像を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項22]
前記印刷画像および/または前記更なる印刷画像が、見当合わせ、制御、および/もしくは印刷マークである、または見当合わせ、制御、および/もしくは印刷マークを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項23]
前記見当合わせ、前記制御、および/または前記印刷マークが、前記剥離フィルムの周辺区域に配置される、請求項22に記載の剥離フィルム。
[請求項24]
UV線により硬化される前記インキ、および/またはUV線により硬化される前記ポリシロキサンが、ラジカル硬化される、またはカチオン硬化される、請求項1~23のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
[請求項25]
請求項1~24のいずれか一項に記載の剥離フィルムを含む、生理用品用の包装。
[請求項26]
生理用品用の包装材料としての、請求項1~24のいずれか一項に記載の剥離フィルムの使用。
[請求項27]
請求項1~24のいずれか一項に記載の剥離フィルムを製造する方法であって、
(a)キャリア層の表面の少なくとも一部を、UV線により硬化可能な少なくとも1種のインキで印刷するステップと、(b)前記硬化可能なインキにUV線を照射するステップと、(c)前記キャリア層の印刷された表面の少なくとも一部に、UV線により硬化可能なポリシロキサンを含む被覆組成物を塗布するステップと(d)前記硬化可能なポリシロキサンにUV線を照射するステップとを含む、方法。
[請求項28]
ステップ(d)を、ステップ(b)の後、300秒以内に実施する、請求項27に記載の方法。
[請求項29]
機械速度が、100~800m/分の範囲、好ましくは、200~450m/分の範囲である、請求項27または28に記載の方法。
[請求項30]
前記印刷画像および前記剥離被覆の両方のための前記インキが、1つの連結操作で直接連続して印刷される、請求項27~29のいずれか一項に記載の方法。
[請求項31]
ステップ(b)で用いられる前記UV線が、ステップ(d)で用いられる前記UV線と実質的に同じ波長を有する、請求項27~30のいずれか一項に記載の方法。
[請求項32]
(i)UV線により硬化可能な前記インキが、ラジカル硬化可能であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、ラジカル硬化可能である、(ii)UV線により硬化可能な前記インキが、ラジカル硬化可能であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、カチオン硬化可能である、(iii)UV線により硬化可能な前記インキが、カチオン硬化可能であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、ラジカル硬化可能である、または(iv)UV線により硬化可能な前記インキが、カチオン硬化可能であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、カチオン硬化可能である、請求項27~31のいずれか一項に記載の方法。
[請求項33]
(i)UV線により硬化可能な前記インキが、溶媒を含み、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、溶媒を含む、(ii)UV線により硬化可能な前記インキが、溶媒を含み、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、無溶媒である、(iii)UV線により硬化可能な前記インキが、無溶媒であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、溶媒を含む、または(iv)UV線により硬化可能な前記インキが、無溶媒であり、UV線により硬化可能な前記ポリシロキサンが、無溶媒である、請求項27から32のいずれか1項に記載の方法。
[請求項34]
ステップ(a)からステップ(d)を、保護ガス雰囲気下で実施する、請求項27~33のいずれか一項に記載の方法。
[請求項35]
ステップ(a)からステップ(d)を、保護ガス雰囲気なしで実施する、請求項27~33のいずれか一項に記載の方法。