IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤマハ発動機株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】自動運転車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/08 20120101AFI20221028BHJP
   B60W 30/00 20060101ALI20221028BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20221028BHJP
   B60R 11/04 20060101ALI20221028BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20221028BHJP
【FI】
B60W40/08
B60W30/00
B60W60/00
B60R11/04
B60N2/90
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020552587
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 JP2019041686
(87)【国際公開番号】W WO2020085425
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-04-21
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2018/039559
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018230439
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】倉貫 芳紀
(72)【発明者】
【氏名】藤井 北斗
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/037954(WO,A1)
【文献】特開2017-126118(JP,A)
【文献】特開2004-227497(JP,A)
【文献】特開平09-153196(JP,A)
【文献】特開2018-090165(JP,A)
【文献】特開2017-182137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G08G 1/00 - 99/00
B60R 21/00 - 21/13
B60R 21/34 - 21/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両であって、
車体と、
前記車体により支持される車輪と、
前記車体により支持され、かつ、前記自動運転車両の進行方向を変更する操舵機構と、
前記車体により支持され、かつ、前記自動運転車両を走行させる駆動力及び前記自動運転車両を制動させる制動力を発生する制駆動力発生装置と、
前記車体により支持され、乗客が着座する複数のシートと、
前記操舵機構及び前記制駆動力発生装置を制御して、ドライバーの操作によらず自動運転で前記自動運転車両を走行させる自動運転制御装置と、
を備えており、
前記自動運転車両に乗車している乗客の数を乗車人数とし、
前記複数のシートに着座している乗客の数を着座人数とし、
前記自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを示す準備完了動作を行っている乗客の数を発車準備完了動作人数とし、
前記自動運転車両に乗車する予定の乗客の数を乗車予定人数とし、
前記複数のシートの数を座席数とし、
前記座席数は、前記自動運転車両の乗車定員と等しく、
前記自動運転制御装置は、以下の(a)又は(b)を満たす、自動運転車両。
(a)少なくとも前記乗車人数と前記着座人数とが等しいか否かに基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
(b)少なくとも前記乗車人数と前記発車準備完了動作人数、少なくとも前記乗車定員と前記発車準備完了動作人数とが等しいか否か、少なくとも前記座席数と前記発車準備完了動作人数とが等しいか否か、又は、少なくとも前記乗車予定人数と前記発車準備完了動作人数に基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定し、
前記車体は、乗客を収容するキャビン空間を形成しており、
前記キャビン空間が乗客の直立状態を制限するように形成されている。
【請求項2】
前記自動運転車両は、
前記自動運転車両の内部の状態を非接触で検出して、非接触検出情報を生成する非接触検出装置を、
更に備えており、
前記自動運転制御装置は、前記非接触検出装置が生成した前記非接触検出情報に基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する、
請求項1に記載の自動運転車両。
【請求項3】
前記非接触検出装置は、前記自動運転車両の内部を撮像する撮像装置であり、
前記自動運転制御装置は、前記撮像装置が生成した映像データに基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する、
請求項2に記載の自動運転車両。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記自動運転車両の入口部、前記複数のシート及び前記自動運転車両に乗車している乗客の少なくとも1つを撮像する、
請求項3に記載の自動運転車両。
【請求項5】
前記自動運転制御装置は、前記非接触検出装置が生成した前記非接触検出情報により取得した(1)前記乗車人数と(2)前記着座人数又は前記発車準備完了動作人数の少なくとも1つに基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する、
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の自動運転車両。
【請求項6】
前記自動運転車両は、
前記自動運転車両に設けられている物体に対する乗客の接触状態を検出して、接触検出情報を生成する接触検出装置を、
更に備えており、
前記自動運転制御装置は、前記接触検出装置が生成した前記接触検出情報に基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する、
請求項1に記載の自動運転車両。
【請求項7】
前記自動運転制御装置は、前記接触検出装置が生成した前記接触検出情報により取得した(1)前記乗車人数と(2)前記着座人数又は前記発車準備完了動作人数の少なくとも1つに基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する、
請求項6に記載の自動運転車両。
【請求項8】
前記接触検出装置は、前記複数のシートのそれぞれに対応するように設けられている複数の発車準備完了ボタンを含んでおり、
前記自動運転制御装置は、前記接触検出装置が生成した前記接触検出情報により前記発車準備完了動作人数を取得する、
請求項6又は請求項7のいずれかに記載の自動運転車両。
【請求項9】
前記自動運転車両は、
前記自動運転車両に設けられている物体に対する乗客の接触状態を検出して、接触検出情報を生成する接触検出装置と、
前記自動運転車両の内部の状態を非接触で検出して、非接触検出情報を生成する非接触検出装置と、
を備えており、
前記自動運転制御装置は、前記接触検出装置が生成した前記接触検出情報及び前記非接触検出装置が生成した前記非接触検出情報に基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する、
請求項1に記載の自動運転車両。
【請求項10】
前記自動運転制御装置が、前記(a)を満たす場合、
前記車体は、乗客を収容するキャビン空間を形成しており、
前記キャビン空間が乗客の直立状態を制限するように形成されている、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の自動運転車両。
【請求項11】
前記複数のシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成されている、
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の自動運転車両。
【請求項12】
前記自動運転車両は、
乗客の着座を促進させるための情報提供を行う情報提供装置を、
更に備えている、
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の自動運転車両。
【請求項13】
前記車体は、ドアを含んでおり、
前記自動運転制御装置は、
前記(a)及び前記(b)それぞれにおいて更に、前記ドアの開閉状態に基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する、
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の自動運転車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のシートを備えており、ドライバーの操作によらずに走行することができる自動運転車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動運転車両としては、非特許文献1に開示されている自動運転車両(ヒースローポッド)が知られている。ヒースローポッドには、運転手が存在しない。そのため、ヒースローポッドは、自動運転により運行される。また、ヒースローポッドは、複数のシートを備えている。このようなヒースローポッドは、複数の乗客の内の一人がスタートボタンを押すことにより、発車する。
【0003】
また、従来の自動運転車両としては、特許文献1に記載の移動体が知られている。移動体には、運転手が存在しない。そのため、移動体は、自動運転により運行される。また、移動体は、乗車人数及び乗車予定人数に基づいて、発車可能であるか否かを判定する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】田中幹夫、“準急ユーラシア54.ロンドン・ヒースロー空港の無人タクシー・PODは優れもの”、[online]、2015年8月、H.I.S.London、[2018年6月28日検索]、インターネット〈URL:https://www.his-euro.co.uk/rail-eurasia/jp/rail-eurasia54.htm〉
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2018/037954号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような自動運転車両の技術分野では、新たな発車トリガーにより発車できる自動運転車両が望まれている。
【0007】
そこで、本発明の目的は、新たな発車トリガーにより発車することができる自動運転車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者は、複数のシートを備えている自動運転車両の発車のための新たな発車トリガーを検討した。本願発明者は、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを全ての乗客が示した後に、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することが望ましい場合があることに気が付いた。すなわち、本願発明者は、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを全ての乗客が示したことを新たな発車トリガーにすればよいことに気が付いた。
【0009】
ところで、ヒースローポッドは、複数の乗客の内の1人がスタートボタンを押すことにより、発車する。したがって、ヒースローポッドは、複数の乗客の内の1人の動作をトリガーとして、発車の判定を行う。そのため、ヒースローポッドでは、ヒースローポッドが停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを全ての乗客が示した後に、ヒースローポッドが停車状態から走行状態に移行しているわけではない。
【0010】
また、特許文献1に記載の移動体は、乗車人数及び乗車予定人数に基づいて、発車可能であるか否かを判定する。したがって、特許文献1に記載の移動体は、乗客の動作ではなく、2つの人数を比較することにより、発車の判定を行う。そのため、特許文献1に記載の移動体では、特許文献1に記載の移動体が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを全ての乗客が示した後に、特許文献1に記載の移動体が停車状態から走行状態に移行しているわけではない。
【0011】
そこで、本願発明者は、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備が完了したことを全ての乗客が示した後に、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行するために好ましい構成について検討した。すると、本願発明者は、座席数が自動運転車両の乗車定員と等しければよいことに気が付いた。この場合、全ての乗客は、シートに着座する。これにより、自動運転車両は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の少なくとも1つと(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つとに基づいて、自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。発車準備完了動作人数は、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを示す準備完了動作を行っている乗客の数である。
【0012】
より詳細には、乗客の着座は、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを示している。乗車人数と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が着座している。したがって、例えば、乗車人数と着座人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0013】
また、乗車定員と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が満席状態で着座している。したがって、例えば、乗車定員と着座人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0014】
また、座席数と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が満席状態で着座している。したがって、例えば、座席数と着座人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0015】
また、乗車予定人数と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が着座している。したがって、例えば、乗車予定人数と着座人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0016】
また、例えば、乗車人数と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0017】
また、例えば、乗車定員と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、満席状態で、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0018】
また、例えば、座席数と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、満席状態で、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0019】
また、例えば、乗車予定人数と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0020】
以上のように、座席数が自動運転車両の乗車定員と等しければ、自動運転車両は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の少なくとも1つと(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つとに基づいて、自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。そこで、本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0021】
(1)の自動運転車両は、
車体と、
前記車体により支持される車輪と、
前記車体により支持され、かつ、前記自動運転車両の進行方向を変更する操舵機構と、
前記車体により支持され、かつ、前記自動運転車両を走行させる駆動力及び前記自動運転車両を制動させる制動力を発生する制駆動力発生装置と、
前記車体により支持され、乗客が着座する複数のシートと、
前記操舵機構及び前記制駆動力発生装置を制御して、ドライバーの操作によらず自動運転で前記自動運転車両を走行させる自動運転制御装置と、
を備えており、
前記自動運転車両に乗車している乗客の数を乗車人数とし、
前記複数のシートに着座している乗客の数を着座人数とし、
前記自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを示す準備完了動作を行っている乗客の数を発車準備完了動作人数とし、
前記自動運転車両に乗車する予定の乗客の数を乗車予定人数とし、
前記複数のシートの数を座席数とし、
前記座席数は、前記自動運転車両の乗車定員と等しく、
前記自動運転制御装置は、(1)前記乗車人数、前記乗車定員、前記座席数又は前記乗車予定人数の少なくとも1つと(2)前記着座人数又は前記発車準備完了動作人数の少なくとも1つとに基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0022】
(1)の自動運転車両によれば、新たな発車トリガーにより発車することができる。(1)の自動運転車両では、座席数が自動運転車両の乗車定員と等しい。この場合、全ての乗客は、複数のシートに着座する。これにより、自動運転車両は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の少なくとも1つと(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つとに基づいて、自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。
【0023】
より詳細には、乗客の着座は、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを示している。乗車人数と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が着座している。したがって、乗車人数と着座人数とが等しいことは、例えば、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0024】
また、乗車定員と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が満席状態で着座している。したがって、乗車定員と着座人数とが等しいことは、例えば、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0025】
また、座席数と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が満席状態で着座している。したがって、座席数と着座人数とが等しいことは、例えば、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0026】
また、乗車予定人数と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が着座している。したがって、乗車予定人数と着座人数とが等しいことは、例えば、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0027】
また、例えば、乗車人数と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0028】
また、例えば、乗車定員と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、満席状態で、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0029】
また、例えば、座席数と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、満席状態で、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0030】
また、例えば、乗車予定人数と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。
【0031】
以上のように、座席数が自動運転車両の乗車定員と等しければ、自動運転車両は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の少なくとも1つと(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つとに基づいて、自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。
【0032】
(2)の自動運転車両は、(1)の自動運転車両であって、
前記自動運転車両は、
前記自動運転車両の内部の状態を非接触で検出して、非接触検出情報を生成する非接触検出装置を、
更に備えており、
前記自動運転制御装置は、前記非接触検出装置が生成した前記非接触検出情報に基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0033】
(2)の自動運転車両によれば、非接触検出装置は、自動運転車両の内部の状態を非接触で検出する。そのため、非接触検出装置は、乗客が触れることができる場所に配置されなくてもよい。その結果、非接触検出装置の配置の自由度が高くなる。
【0034】
(3)の自動運転車両は、(2)の自動運転車両であって、
前記非接触検出装置は、前記自動運転車両の内部を撮像する撮像装置であり、
前記自動運転制御装置は、前記撮像装置が生成した映像データに基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0035】
(3)の自動運転車両によれば、非接触検出装置は、撮像装置である。撮像装置は、自動運転車両の内部を撮影する。自動運転制御装置は、撮像装置が生成した映像データに基づいて、乗車人数のカウントや着座人数のカウント等、複数の情報を取得することができる。これにより、自動運転制御装置が取得したい情報毎に非接触検出装置が設けられる必要がなくなる。その結果、(3)の自動運転車両によれば、非接触検出装置の数を減らすことが可能となる。
【0036】
(4)の自動運転車両は、(3)の自動運転車両であって、
前記撮像装置は、前記自動運転車両の入口部、前記複数のシート及び前記自動運転車両に乗車している乗客の少なくとも1つを撮像する。
【0037】
(5)の自動運転車両は、(2)ないし(4)のいずれかの自動運転車両であって、
前記自動運転制御装置は、前記非接触検出装置が生成した前記非接触検出情報により取得した(1)前記乗車人数と(2)前記着座人数又は前記発車準備完了動作人数の少なくとも1つに基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0038】
(6)の自動運転車両は、(1)の自動運転車両であって、
前記自動運転車両は、
前記自動運転車両に設けられている物体に対する乗客の接触状態を検出して、接触検出情報を生成する接触検出装置を、
更に備えており、
前記自動運転制御装置は、前記接触検出装置が生成した前記接触検出情報に基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0039】
(6)の自動運転車両によれば、接触検出装置は、自動運転車両に設けられている物体に対する乗客の接触状態を検出する。このような接触検出装置は、比較的に簡単な構造を有する可能性が高い。故に、自動運転車両の構造を簡単にすることができる。
【0040】
(7)の自動運転車両は、(6)の自動運転車両であって、
前記自動運転制御装置は、前記接触検出装置が生成した前記接触検出情報により取得した(1)前記乗車人数と(2)前記着座人数又は前記発車準備完了動作人数の少なくとも1つに基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0041】
(8)の自動運転車両は、(6)又は(7)のいずれかの自動運転車両であって、
前記接触検出装置は、前記複数のシートのそれぞれに対応するように設けられている複数の発車準備完了ボタンを含んでおり、
前記自動運転制御装置は、前記接触検出装置が生成した前記接触検出情報により前記発車準備完了動作人数を取得する。
【0042】
(9)の自動運転車両は、(1)の自動運転車両であって、
前記自動運転車両は、
前記自動運転車両に設けられている物体に対する乗客の接触状態を検出して、接触検出情報を生成する接触検出装置と、
前記自動運転車両の内部の状態を非接触で検出して、非接触検出情報を生成する非接触検出装置と、
を備えており、
前記自動運転制御装置は、前記接触検出装置が生成した前記接触検出情報及び前記非接触検出装置が生成した前記非接触検出情報に基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0043】
(9)の自動運転車両によれば、自動運転制御装置は、より多種類の情報を接触検出情報及び非接触検出情報から取得することができる。より詳細には、自動運転制御装置が接触検出情報から得ることができる情報と、自動運転制御装置が非接触検出情報から得ることができる情報とは、完全一致しない場合がある。従って、自動運転制御装置が接触検出情報から得ることができ、自動運転制御装置が非接触検出情報から得ることができない情報が存在する。同様に、自動運転制御装置が非接触検出情報から得ることができ、自動運転制御装置が接触検出情報から得ることができない情報が存在する。そこで、自動運転制御装置は、接触検出情報及び非接触検出情報を取得している。これにより、自動運転制御装置は、より多種類の情報を接触検出情報及び非接触検出情報から取得することができる。
【0044】
(10)の自動運転車両は、(1)ないし(9)のいずれかの自動運転車両であって、
前記車体は、乗客を収容するキャビン空間を形成しており、
前記キャビン空間が乗客の直立状態を制限するように形成されている。
【0045】
(10)の自動運転車両によれば、乗客のシートへの着座が促される。その結果、自動運転車両の速やかな発車が可能となる。
【0046】
(11)の自動運転車両は、(1)ないし(10)のいずれかの自動運転車両であって、
前記複数のシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成されている。
【0047】
(11)の自動運転車両によれば、乗客同士が顔を見ることができる。これにより、乗客のシートへの着座が促される。その結果、自動運転車両の速やかな発車が可能となる。
【0048】
(12)の自動運転車両は、(1)ないし(11)のいずれかの自動運転車両であって、
前記自動運転車両は、
乗客の着座を促進させるための情報提供を行う情報提供装置を、
更に備えている、
【0049】
(12)の自動運転車両によれば、乗客のシートへの着座が促される。その結果、自動運転車両の速やかな発車が可能となる。
【0050】
(13)の自動運転車両は、(1)ないし(12)のいずれかの自動運転車両であって、
前記車体は、ドアを含んでおり、
前記自動運転制御装置は、(1)前記乗車人数、前記乗車定員、前記座席数又は前記乗車予定人数の少なくとも1つと(2)前記着座人数又は前記発車準備完了動作人数の少なくとも1つと前記ドアの開閉状態とに基づいて、前記制駆動力発生装置を制御して前記自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0051】
(13)の自動運転車両によれば、例えば、自動運転制御装置は、ドアが閉まったと判定してから、自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させることができる。
【0052】
この発明の上述の目的及びその他の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面に関連して行われる以下のこの発明の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0053】
本明細書にて使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は1つの、又は複数の関連した列挙されたアイテム(items)のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。
【0054】
本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(including)」、「含む、備える(comprising)」又は「有する(having)」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び/又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの内の1つ又は複数を含むことができる。
【0055】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0056】
一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0057】
本発明の説明においては、技術及び工程の数が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の1つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせの全てを繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び特許請求の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
【0058】
以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面又は説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1図1は、自動運転車両1の側面図である。
図2図2は、自動運転車両1の内部を示す斜視図である。
図3図3は、自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
図4図4は、自動運転車両1aの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
図5図5は、自動運転車両1bの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
図6図6は、自動運転車両1cの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
図7図7は、自動運転車両1dの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
図8図8は、自動運転車両1eの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
図9図9は、自動運転車両1fの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
図10図10は、自動運転車両1gの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
図11図11は、自動運転車両1hの側面図である。
図12図12は、自動運転車両1hの上面図である。
図13図13は、第1の配置例を示した図である。
図14図14は、第2の配置例を示した図である。
図15図15は、第3の配置例を示した図である。
図16図16は、第4の配置例を示した図である。
図17図17は、第5の配置例を示した図である。
図18図18は、第6の配置例を示した図である。
図19図19は、第7の配置例を示した図である。
図20図20は、第8の配置例を示した図である。
図21図21は、第9の配置例を示した図である。
図22a図22aは、第10の配置例を示した図である。
図22b図22bは、自動運転車両1の側面図である。
図22c図22cは、自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0061】
(第1の実施形態)
[自動運転車両の全体構成]
以下に、本発明の第1の実施形態に係る自動運転車両の全体構成について図面を参照しながら説明する。図1は、自動運転車両1の側面図である。図1では、自動運転車両1を模式化すると共に、機能ブロックを合わせて記載した。図2は、自動運転車両1の内部を示す斜視図である。図2では、自動運転車両1の前部を示した。
【0062】
以下では、自動運転車両1の前方向を前方向Fと定義する。前方向Fは、自動運転車両1の進行方向と一致する。自動運転車両1の後方向を後方向Bと定義する。自動運転車両1の左方向を左方向Lと定義する。自動運転車両1の右方向を右方向Rと定義する。自動運転車両1の上方向を上方向Uと定義する。自動運転車両1の下方向を下方向Dと定義する。自動運転車両1の前後方向を前後方向FBと定義する。自動運転車両1の左右方向を左右方向LRと定義する。自動運転車両1の上下方向を上下方向UDと定義する。
【0063】
本明細書において、自動運転車両1の進行方向とは、通常使用時に車輪の回転により自動運転車両1が進む方向であり、一時的な車輪の逆回転により自動運転車両1が進む方向は含まない。自動運転車両1がスイッチバック可能車両(Bi-directionalvehicle)の場合は、車輪の逆回転により逆向きの方向に変更可能である。
【0064】
本明細書において、前後方向に延びる軸や部材とは、必ずしも前後方向と平行である軸や部材だけを示すものではない。前後方向に延びる軸や部材とは、前後方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材を含む。同様に、上下方向に延びる軸や部材とは、上下方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材を含む。左右方向に延びる軸や部材とは、左右方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材を含む。
【0065】
本明細書における任意の2つの部材を第1部材及び第2部材と定義した場合、任意の2つの部材の関係は以下のような意味になる。本明細書において、第1部材が第2部材に支持されているとは、第1部材が第2部材に対して移動不可能に第2部材に取り付けられている(すなわち、固定されている)場合、及び、第1部材が第2部材に対して移動可能に第2部材に取り付けられている場合を含む。また、第1部材が第2部材に支持されているとは、第1部材が第2部材に直接に取り付けられている場合、及び、第1部材が第3部材を介して第2部材に取り付けられている場合の両方を含む。
【0066】
本明細書において、前後方向に並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。前後方向に垂直な方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている状態である。本明細書において、上方向又は下方向に見て前後方向に並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。上方向又は下方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている。この場合、上方向及び下方向とは異なる左方向又は右方向に第1部材及び第2部材を見ると、第1部材及び第2部材のいずれか一方が前後方向を示す任意の直線上に配置されていなくてもよい。なお、第1部材と第2部材とが接触していてもよい。第1部材と第2部材とが離れていてもよい。第1部材と第2部材との間に第3部材が存在していてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0067】
本明細書において、第1部材が第2部材の前方向に配置されるとは、以下の状態を指す。第1部材の少なくとも一部は、第2部材が前方向に平行移動するときに通過する領域内に配置されている。よって、第1部材は、第2部材が前方向に平行移動するときに通過する領域内に収まっていてもよいし、第2部材が前方向に平行移動するときに通過する領域から突出していてもよい。この場合、第1部材及び第2部材は、前後方向に並んでいる。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0068】
本明細書において、左方向又は右方向に見て、第1部材が第2部材の前方向に配置されるとは、以下の状態を指す。左方向又は右方向に見て、第1部材と第2部材が前後方向に並んでいる。この定義において、第1部材と第2部材は、3次元では、前後方向に並んでいなくてもよい。この定義は、前後方向以外の方向も適用される。
【0069】
本明細書において、第1部材が第2部材より前方向に配置されるとは、以下の状態を指す。第1部材は、第2部材の前端を通り前後方向に直交する平面の前方向に配置される。この場合、第1部材及び第2部材は、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0070】
本明細書において、特に断りのない場合には、第1部材の各部について以下のように定義する。第1部材の前部とは、第1部材の前半分を意味する。第1部材の後部とは、第1部材の後半分を意味する。第1部材の左部とは、第1部材の左半分を意味する。第1部材の右部とは、第1部材の右半分を意味する。第1部材の上部とは、第1部材の上半分を意味する。第1部材の下部とは、第1部材の下半分を意味する。第1部材の上端とは、第1部材の上方向の端を意味する。第1部材の下端とは、第1部材の下方向の端を意味する。第1部材の前端とは、第1部材の前方向の端を意味する。第1部材の後端とは、第1部材の後方向の端を意味する。第1部材の左端とは、第1部材の左方向の端を意味する。第1部材の右端とは、第1部材の右方向の端を意味する。第1部材の上端部とは、第1部材の上端及びその近傍を意味する。第1部材の下端部とは、第1部材の下端及びその近傍を意味する。第1部材の前端部とは、第1部材の前端及びその近傍を意味する。第1部材の後端部とは、第1部材の後端及びその近傍を意味する。第1部材の左端部とは、第1部材の左端及びその近傍を意味する。第1部材の右端部とは、第1部材の右端及びその近傍を意味する。第1部材とは、自動運転車両1を構成する部材を意味する。
【0071】
本明細書において、第1部材と第2部材との間に構成(部材、空間又は開口)が形成される(位置する又は設けられる)とは、第1部材と第2部材とが並ぶ方向において第1部材と第2部材との間に構成が存在することを意味する。ただし、構成は、第1部材と第2部材とが並ぶ方向に直交する方向に第1部材又は第2部材から突出していてもよいし、突出していなくてもよい。
【0072】
自動運転車両1は、図1に示すように、車体2、複数の車輪4、操舵機構6、制駆動力発生装置7、複数のシート12、自動運転制御装置14、撮像装置20及びLIDAR(Light Detection and Ranging)21を備えている。
【0073】
車体2は、自動運転車両1の車体フレーム及び外装である。車体2は、箱形状を有している。これにより、車体2は、キャビン空間Sp(図2参照)を形成している。キャビン空間Spは、乗員を収容する空間である。車体2の右面には、図2に示すように、入口部60が設けられている。入口部60は、乗客が乗車するための開口である。乗客は、入口部60から降車してもよい。図2では、車体2は、入口部60を開閉するためのドアを有していない。従って、乗客は、ドアを開けることなく車体2に乗り込むことができる。ただし、車体2は、入口部60を開閉するためのドアを含んでいてもよい。
【0074】
また、自動運転車両1のキャビン空間Spは、乗客の直立状態を制限するように形成されている。具体的には、車体2の床面から天井までの高さは、乗客がキャビン空間Spにおいて直立することが難しい高さに設定されている。このような高さは、例えば、成人男性の平均身長より低い高さである。高さとは、上下方向UDの長さである。なお、乗客の直立状態の制限は、車体2の床面から天井までの高さ以外の手段により実現されてもよい。例えば、キャビン空間Spが狭いことにより、乗客が後述する複数のシート12に着座しなければ、乗車定員の乗客全員が自動運転車両1に乗車できなくてもよい。
【0075】
複数の車輪4は、図1に示すように、車体2に支持されている。複数の車輪4は、車軸を中心に回転することができる。車輪4とは、タイヤと、タイヤを保持するホイール本体とを含む。複数の車輪4は、左前輪4FL、右前輪4FR、左後輪4BL及び右後輪4BRを含んでいる。左前輪4FLは、車体2の左部かつ前部に配置されている。左前輪4FLは、上下方向UDに延びる左前キングピン軸(図示せず)を中心に回転できる。右前輪4FRは、車体2の右部かつ前部に配置されている。右前輪4FRは、上下方向UDに延びる右前キングピン軸(図示せず)を中心に回転できる。このように、左前輪4FL及び右前輪4FRは、操舵輪である。左後輪4BLは、車体2の左部かつ後部に配置されている。右後輪4BRは、車体2の右部かつ後部に配置されている。
【0076】
操舵機構6は、車体2に支持されている。操舵機構6は、車体2の進行方向を変更する。操舵機構6は、複数の車輪4の内の少なくとも1つを操舵する機構である。本実施形態では、操舵機構6は、左前輪4FL及び右前輪4FRを左方向L又は右方向Rに操舵する。より詳細には、操舵機構6は、左前キングピン軸を中心に左前輪4FLを回転させると共に、右前キングピン軸を中心に右前輪4FRを回転させる。例えば、自動運転車両1が前進しながら左方向Lに旋回する場合、操舵機構6は、下方向Dに見て、左前輪4FL及び右前輪4FRを反時計回りに回転させる。例えば、自動運転車両1が前進しながら右方向Rに旋回する場合、操舵機構6は、下方向Dに見て、左前輪4FL及び右前輪4FRを時計回りに回転させる。操舵機構6は、例えば、電気モータ、減速機、ラックアンドピニオン式のステアリングギア機構により構成されている。ただし、ステアリングギア機構は、ラックアンドピニオン式のステアリングギア機構に限られず、リサーキュレーテッドボール式のステアリングギア機構等であってもよい。
【0077】
制駆動力発生装置7は、車体2に支持されている。制駆動力発生装置7は、自動運転車両1を走行させる駆動力及び自動運転車両1を制動させる制動力を発生する。制駆動力発生装置7は、駆動力発生装置8及び制動力発生装置10を含んでいる。駆動力発生装置8は、自動運転車両1を走行させる駆動力を発生させる。本実施形態では、駆動力発生装置8は、左後輪4BL及び右後輪4BRを回転させる。従って、左後輪4BL及び右後輪4BRは、駆動輪である。駆動力発生装置8は、例えば、エンジンや電気モータ等である。また、駆動力発生装置8は、エンジン及び電気モータが組み合わされたハイブリッド式の動力源であってもよい。制動力発生装置10は、自動運転車両1を制動させる制動力を発生する。制動力発生装置10は、例えば、左前輪4FL、右前輪4FR、左後輪4BL及び右後輪4BRの運動エネルギーを摩擦により熱エネルギーに変換する。
【0078】
複数のシート12は、車体2に支持されている。複数のシート12には、乗客が着座する。ただし、複数のシート12には、シートベルトが設けられていない。シートベルトは、乗客をシートに拘束するためのベルトである。シートベルトは、例えば、2点式シートベルト、3点式シートベルト、4点式シートベルト及び6点式シートベルトである。
【0079】
複数のシート12は、コミュニケーションシートである。コミュニケーションシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成されたシートである。コミュニケーションシートは、複数の乗客が着座可能に構成されたシートである。コミュニケーションシートは、例えば、乗客が対面可能に配置された2列のシートである。コミュニケーションシートは、例えば、L字状に配置されたシートであってもよい。コミュニケーションシートは、例えば、角張ったC字状に配置されたシートであってもよい。コミュニケーションシートは、例えば、四角状に配置されたシートであってもよい。コミュニケーションシートは、1人の乗客が着座してもよいし、複数の乗客が着座してもよい。コミュニケーションシートは、着座した乗客同士が顔を見ながら会話してもよいし、しなくてもよい。コミュニケーションシートは、着座した複数の乗客が向かい合う状態と、着座した複数の乗客が同じ方向に向く状態とに変化できるシートであってもよい。ただし、コミュニケーションシートには、着座した複数の乗客が同じ方向にしか向かない状態で固定されたシートは含まれない。
【0080】
複数のシート12は、左前シート12FL、右前シート12FR、左後シート12BL及び右後シート12BRを含んでいる。左前シート12FLは、図2に示すように、キャビン空間Spの左部かつ前部に配置されている。左前シート12FLは、左前シート12FLに着座した乗客が後方向Bを向くように配置されている。右前シート12FRは、図2に示すように、キャビン空間Spの右部かつ前部に配置されている。これにより、左前シート12FLと右前シート12FRとは、左右方向LRに並んでいる。右前シート12FRは、右前シート12FRに着座した乗客が後方向Bを向くように配置されている。
【0081】
左後シート12BLは、キャビン空間Spの左部かつ後部に配置されている。従って、左後シート12BLは、左前シート12FLの後方向Bに配置されている。左後シート12BLは、左後シート12BLに着座した乗客が前方向Fを向くように配置されている。これにより、左後シート12BLに着座した乗客は、左前シート12FLに着座した乗客及び右前シート12FRに着座した乗客と向かい合う。右後シート12BRは、キャビン空間Spの右部かつ後部に配置されている。従って、右後シート12BRは、右前シート12FRの後方向Bに配置されている。これにより、左後シート12BLと右後シート12BRとは、左右方向LRに並んでいる。右後シート12BRは、右後シート12BRに着座した乗客が前方向Fを向くように配置されている。これにより、右後シート12BRに着座した乗客は、左前シート12FLに着座した乗客及び右前シート12FRに着座した乗客と向かい合う。
【0082】
複数のシート12の数を座席数とする。前記の通り、座席数は、4個である。一方、自動運転車両1の乗車定員は、4人である。従って、座席数は、自動運転車両1の乗車定員と等しい。すなわち、自動運転車両1は、乗客全員が複数のシート12に着座した状態で走行する。車体2に付された乗車定員や、自動運転車両1のマニュアルに記載された乗車定員等により自動運転車両1の乗車定員を確認することができる。
【0083】
撮像装置20は、車体2に支持されている。撮像装置20は、自動運転車両1の内部の状態を非接触で検出して、非接触検出情報を生成する非接触検出装置の一例である。本実施形態では、撮像装置20は、下方向Dに見たときに、車体2の天井の中央に固定されている。撮像装置20は、下方向Dを向いている。これにより、撮像装置20は、自動運転車両1の内部を撮像する。本実施形態では、撮像装置20は、自動運転車両1に乗車している乗客を撮像している。撮像装置20は、映像データを非接触検出情報として自動運転制御装置14(詳細は後述)に出力する。
【0084】
LIDAR21は、自動運転車両1の周囲の情報(障害物の有無等)を取得する。LIDAR21は、パルス状に発光するレーザをLIDAR21の周囲に照射して、自動運転車両1の周囲の物体において発生した散乱光を検出する。そして、LIDAR21は、その反射時間(発光後に反射光を検出するまでの時間)に基づいて、LIDAR21から自動運転車両1の周囲の物体までの距離を算出する。
【0085】
自動運転制御装置14は、車体2に支持されている。自動運転制御装置14は、操舵機構6及び制駆動力発生装置7を制御して、ドライバーの操作によらずに自動運転で自動運転車両1を走行させる。自動運転制御装置14は、メモリ及びCPU(CentralProcessingUnit)等(いずれも図示せず)を含んでいる。メモリは、自動運転で自動運転車両1を走行させるためのプログラムを記憶している。CPUは、メモリが記憶しているプログラムを実行する。これにより、CPUは、撮像装置20及びLIDAR21が取得した情報に基づいて操舵機構6及び制駆動力発生装置7を制御して、自動運転車両1を自動運転で走行させる。なお、本明細書における自動運転は、例えば、米国運輸省道路交通安全局のレベル4及びレベル5を指す。本実施形態に係る自動運転車両1では、特に、自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成した非接触検出情報(映像データ)に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して、自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させる。
【0086】
[自動運転車両の動作]
次に、自動運転車両1の動作について図面を参照しながら説明する。以下では、自動運転車両1の発車動作について説明を行う。発車動作とは、自動運転車両1が停車状態から走行状態に移行する動作である。また、発車動作時に自動運転制御装置14が行う処理を発車処理と呼ぶ。図3は、自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。以下では、乗車人数は、自動運転車両1に乗車している乗客の数である。また、着座人数は、複数のシート12に着座している乗客の数である。
【0087】
本処理は、停車状態の自動運転車両1に乗客が乗車することにより開始される。撮像装置20は、自動運転車両1の内部を撮像することにより、自動運転車両1内の乗客を撮像する。撮像装置20は、映像データを非接触検出情報として自動運転制御装置14に出力する。
【0088】
自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、乗車人数を取得する(ステップS1)。非接触検出情報(映像データ)に基づく乗車人数のカウントは、例えば、「OpenPose」(カーネギーメロン大学https://arxiv.org/pdf/1611.08050.pdf)により実現することが可能である。
【0089】
次に、自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、着座人数を取得する(ステップS2)。「OpenPose」では、自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、人間の関節を検出する。すなわち、「OpenPose」では、自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、人間の姿勢を検出することができる。そこで、自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、乗客が着座しているか否かを判定することができる。これにより、自動運転制御装置14は、着座人数をカウントすることができる。
【0090】
次に、自動運転制御装置14は、乗車人数と着座人数とが等しいか否かを判定する(ステップS3)。すなわち、自動運転制御装置14は、乗客全員が複数のシート12に着座しているか否かを判定する。ステップS3では、自動運転制御装置14は、乗車人数と着座人数とに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させるか否かを判定する。乗車人数と着座人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させることができると判定する。そこで、本処理はステップS4に進む。乗車人数と着座人数とが等しくない場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させることができないと判定する。そこで、本処理はステップS1に戻る。この場合、自動運転車両1は、発車しない。
【0091】
乗車人数と着座人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させる(ステップS4)。以上の動作により、発車処理が終了する。この後、自動運転制御装置14は、自動運転車両1の自動運転を実行する。自動運転車両1の発車処理後の自動運転については、説明を省略する。
【0092】
[効果]
(a)自動運転車両1によれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。自動運転車両1では、座席数が自動運転車両1の乗車定員と等しい。この場合、全ての乗客は、複数のシート12に着座する。これにより、自動運転車両1は、乗車人数と着座人数とに基づいて、自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。より詳細には、乗客の着座は、自動運転車両1が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを示している。乗車人数と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が着座している。したがって、乗車人数と着座人数とが等しいことは、例えば、乗客全員が、自動運転車両1が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。よって、自動運転車両1によれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。
【0093】
(b)自動運転車両1によれば、撮像装置20は、自動運転車両1の内部の状態を非接触で検出する非接触検出装置である。そのため、撮像装置20は、乗客が触れることができる場所に配置されなくてもよい。その結果、撮像装置20の配置の自由度が高くなる。
【0094】
(c)自動運転車両1によれば、撮像装置20は、自動運転車両1の内部を撮影する。自動運転制御装置14は、撮像装置20が撮像した映像データに基づいて、乗車人数をカウントできると共に、着座人数をカウントできる。これにより、乗車人数のカウント及び着座人数のカウントのために、複数の非接触検出装置が設けられる必要がなくなる。その結果、自動運転車両1によれば、非接触検出装置の数を減らすことが可能となる。
【0095】
(d)自動運転車両1によれば、自動運転車両1のキャビン空間Spが乗客の直立状態を制限するように形成されている。これにより、乗客の複数のシート12への着座が促される。その結果、自動運転車両1の速やかな発車が可能となる。
【0096】
(e)自動運転車両1によれば、乗客同士が顔を見ることができる。これにより、乗客の複数のシート12への着座が促される。その結果、自動運転車両1の速やかな発車が可能となる。
【0097】
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例に係る自動運転車両1aについて図面を参照しながら説明する。なお、自動運転車両1aの側面図は、図1を援用する。自動運転車両1aの内部を示す斜視図は、図2を援用する。
【0098】
自動運転車両1では、自動運転制御装置14は、乗車人数及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。一方、自動運転車両1aでは、自動運転制御装置14は、乗車人数及び発車準備完了動作人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1aを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。発車準備完了動作人数とは、自動運転車両1aが停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを示す準備完了動作を行っている乗客の数である。換言すれば、発車準備完了動作人数とは、自動運転車両1aが停車状態から走行状態に移行してもよいことを示す意思表示を行っている乗客の人数である。発車準備完了動作は、自動運転車両1aが停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを示す動作である。発車準備完了動作は、乗客がサムズアップする動作や、乗客が両手をあげる動作等である。
【0099】
自動運転車両1aの構造は、自動運転車両1の構造と同じであるので説明を省略する。
【0100】
[自動運転車両の動作]
次に、自動運転車両1aの動作について図面を参照しながら説明する。図4は、自動運転車両1aの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
【0101】
本処理は、停車状態の自動運転車両1aに乗客が乗車することにより開始される。撮像装置20は、自動運転車両1aの内部を撮像することにより、自動運転車両1a内の乗客を撮像する。撮像装置20は、映像データを非接触検出情報として自動運転制御装置14に出力する。
【0102】
自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、乗車人数を取得する(ステップS11)。図4のステップS11は、図3のステップS1と同じである。
【0103】
次に、自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、発車準備完了動作人数を取得する(ステップS12)。「OpenPose」では、自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、人間の関節を検出する。すなわち、「OpenPose」では、自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、人間の姿勢を検出することができる。そこで、自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、乗客が停車状態から走行状態に移行してもよいことを示す意思表示を行っているか否かを判定することができる。自動運転車両1aが停車状態から走行状態に移行してもよいことを示す意思表示は、例えば、乗客が両手を挙げることや、乗客がサムズアップをしていることである。これにより、自動運転制御装置14は、発車準備完了動作人数をカウントすることができる。
【0104】
次に、自動運転制御装置14は、乗車人数と発車準備完了動作人数とが等しいか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13では、自動運転制御装置14は、乗車人数と発車準備完了動作人数とに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させるか否かを判定する。すなわち、自動運転制御装置14は、自動運転車両1aが停車状態から走行状態に移行してもよいことを示す意思表示を乗客全員が行っているか否かを判定する。乗車人数と発車準備完了動作人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1aを停車状態から走行状態へと移行させることができると判定する。そこで、本処理はステップS14に進む。乗車人数と発車準備完了動作人数とが等しくない場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1aを停車状態から走行状態へと移行させることができないと判定する。そこで、本処理はステップS11に戻る。この場合、自動運転車両1aは、発車しない。
【0105】
乗車人数と発車準完了動作人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1aを停車状態から走行状態に移行させる(ステップS14)。以上の動作により、発車処理が終了する。この後、自動運転制御装置14は、自動運転車両1aの自動運転を実行する。自動運転車両1aの発車処理後の自動運転については、説明を省略する。
【0106】
[効果]
(a)自動運転車両1aによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。より詳細には、乗車人数と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両1aが停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。これにより、自動運転車両1aは、乗車人数と発車準備完了動作人数とに基づいて、自動運転車両1aを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。その結果、自動運転車両1aによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。
【0107】
(b)自動運転車両1aによれば、自動運転車両1と同様に、撮像装置20の配置の自由度が高くなる。
【0108】
(c)自動運転車両1aによれば、撮像装置20は、自動運転車両1aの内部を撮影する。自動運転制御装置14は、撮像装置20が撮像した映像データに基づいて、乗車人数をカウントできると共に、発車準備完了動作人数をカウントできる。これにより、乗車人数のカウント及び発車準備完了動作人数のカウントのために、複数の非接触検出装置が設けられる必要がなくなる。その結果、自動運転車両1aによれば、非接触検出装置の数を減らすことが可能となる。
【0109】
(d)(e)自動運転車両1aによれば、自動運転車両1と同じ理由により、自動運転車両1aの速やかな発車が可能となる。
【0110】
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例に係る自動運転車両1bについて図面を参照しながら説明する。なお、自動運転車両1bの側面図は、図1を援用する。自動運転車両1bの内部を示す斜視図は、図2を援用する。
【0111】
自動運転車両1では、自動運転制御装置14は、乗車人数及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させる。一方、自動運転車両1bでは、自動運転制御装置14は、乗車定員及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1bを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0112】
自動運転車両1bは、記憶装置16を更に備えている点において、自動運転車両1と相違する。記憶装置16は、乗車定員を記憶している。記憶装置16は、例えば、不揮発性メモリである。自動運転車両1bの記憶装置16以外の構成は、自動運転車両1と同じであるので説明を省略する。
【0113】
[自動運転車両の動作]
次に、自動運転車両1bの動作について図面を参照しながら説明する。図5は、自動運転車両1bの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
【0114】
本処理は、停車状態の自動運転車両1bに乗客が乗車することにより開始される。自動運転制御装置14は、記憶装置16から乗車定員を取得する(ステップS21)。
【0115】
次に、撮像装置20は、自動運転車両1bの内部を撮像することにより、自動運転車両1b内の乗客を撮像する。撮像装置20は、映像データを非接触検出情報として自動運転制御装置14に出力する。
【0116】
自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、着座人数を取得する(ステップS22)。図5のステップS22は、図3のステップS2と同じである。
【0117】
次に、自動運転制御装置14は、乗車定員と着座人数とが等しいか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23では、自動運転制御装置14は、乗車定員と着座人数とに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させるか否かを判定する。乗車定員と着座人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1bを停車状態から走行状態に移行させることができると判定する。そこで、本処理はステップS24に進む。乗車定員と着座人数とが等しくない場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1bを停車状態から走行状態に移行させることができないと判定する。そこで、本処理はステップS21に戻る。この場合、自動運転車両1bは、発車しない。
【0118】
乗車定員と着座人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1bを停車状態から走行状態に移行させる(ステップS24)。以上の動作により、発車処理が終了する。この後、自動運転制御装置14は、自動運転車両1bの自動運転を実行する。自動運転車両1bの発車処理後の自動運転については、説明を省略する。
【0119】
[効果]
(a)自動運転車両1bによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。より詳細には、自動運転車両1bでは、座席数が自動運転車両1bの乗車定員と等しい。この場合、全ての乗客は、複数のシート12に着座する。これにより、自動運転車両1bは、乗車定員と着座人数とに基づいて、自動運転車両を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。より詳細には、乗客の着座は、自動運転車両1が停車状態から走行状態に移行することに対して準備が完了したことを示している。乗車定員と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が満席状態で着座している。したがって、乗車定員と着座人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両1bが停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。よって、自動運転車両1によれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。
【0120】
(b)自動運転車両1bによれば、自動運転車両1と同様に、撮像装置20の配置の自由度が高くなる。
【0121】
(d)(e)自動運転車両1bによれば、自動運転車両1と同じ理由により、自動運転車両1bの速やかな発車が可能となる。
【0122】
(第3の変形例)
以下に、第3の変形例に係る自動運転車両1cについて図面を参照しながら説明する。なお、自動運転車両1cの側面図は、図1を援用する。自動運転車両1cの内部を示す斜視図は、図2を援用する。
【0123】
自動運転車両1では、自動運転制御装置14は、乗車人数及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。一方、自動運転車両1cでは、自動運転制御装置14は、乗車定員及び発車準備完了動作人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1cを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0124】
自動運転車両1cは、記憶装置16を更に備えている点において、自動運転車両1と相違する。記憶装置16は、乗車定員を記憶している。記憶装置16は、例えば、不揮発性メモリである。自動運転車両1cの記憶装置16以外の構成は、自動運転車両1と同じであるので説明を省略する。
【0125】
[自動運転車両の動作]
次に、自動運転車両1cの動作について図面を参照しながら説明する。図6は、自動運転車両1cの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
【0126】
本処理は、停車状態の自動運転車両1cに乗客が乗車することにより開始される。次に、自動運転制御装置14は、記憶装置16から乗車定員を取得する(ステップS31)。
【0127】
撮像装置20は、自動運転車両1cの内部を撮像することにより、自動運転車両1c内の乗客を撮像する。撮像装置20は、映像データを非接触検出情報として自動運転制御装置14に出力する。
【0128】
自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、発車準備完了動作人数を取得する(ステップS32)。図6のステップS32は、図4のステップS12と同じである。
【0129】
次に、自動運転制御装置14は、乗車定員と発車準備完了動作人数とが等しいか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33では、自動運転制御装置14は、乗車定員と発車準備完了動作人数とに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させるか否かを判定する。乗車定員と発車準備完了動作人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1cを停車状態から走行状態に移行できると判定する。そこで、本処理はステップS34に進む。乗車人数と乗車予定人数とが等しくない場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1cを停車状態から走行状態に移行できないと判定する。そこで、本処理はステップS31に戻る。この場合、自動運転車両1cは、発車しない。
【0130】
乗車定員と発車準備完了動作人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1cを停車状態から走行状態に移行させる(ステップS34)。以上の動作により、発車処理が終了する。この後、自動運転制御装置14は、自動運転車両1cの自動運転を実行する。自動運転車両1cの発車処理後の自動運転については、説明を省略する。
【0131】
[効果]
(a)の自動運転車両1cによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。より詳細には、乗車定員と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、満席状態で、自動運転車両1cが停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。これにより、自動運転車両1cは、乗車定員と発車準備完了動作人数とに基づいて、自動運転車両1cを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。その結果、自動運転車両1cによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。
【0132】
(b)自動運転車両1cによれば、自動運転車両1と同様に、撮像装置20の配置の自由度が高くなる。
【0133】
(d)(e)自動運転車両1cによれば、自動運転車両1と同じ理由により、自動運転車両1cの速やかな発車が可能となる。
【0134】
(第4の変形例)
以下に、第4の変形例に係る自動運転車両1dについて図面を参照しながら説明する。なお、自動運転車両1dの側面図は、図1を援用する。自動運転車両1dの内部を示す斜視図は、図2を援用する。
【0135】
自動運転車両1では、自動運転制御装置14は、乗車人数及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。一方、自動運転車両1dでは、自動運転制御装置14は、座席数及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1dを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0136】
自動運転車両1dは、記憶装置16を更に備えている点において、自動運転車両1と相違する。記憶装置16は、座席数を記憶している。記憶装置16は、例えば、不揮発性メモリである。自動運転車両1dの記憶装置16以外の構成は、自動運転車両1と同じであるので説明を省略する。
【0137】
[自動運転車両の動作]
次に、自動運転車両1dの動作について図面を参照しながら説明する。図7は、自動運転車両1dの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
【0138】
本処理は、停車状態の自動運転車両1dに乗客が乗車することにより開始される。次に、自動運転制御装置14は、記憶装置16から座席数を取得する(ステップS41)。
【0139】
撮像装置20は、自動運転車両1dの内部を撮像することにより、自動運転車両1d内の乗客を撮像する。撮像装置20は、映像データを非接触検出情報として自動運転制御装置14に出力する。
【0140】
自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、着座人数を取得する(ステップS42)。図7のステップS42は、図3のステップS2と同じである。
【0141】
次に、自動運転制御装置14は、座席数と着座人数とが等しいか否かを判定する(ステップS43)。ステップS43では、自動運転制御装置14は、座席数と着座人数とに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させるか否かを判定する。ステップS43では、自動運転制御装置14は、全ての複数のシート12に乗客が着座したか否かを判定する。座席数と着座人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1dを停車状態から走行状態に移行させることができると判定する。そこで、本処理はステップS44に進む。座席数と着座人数とが等しくない場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1dを停車状態から走行状態に移行させることができないと判定する。そこで、本処理はステップS41に戻る。この場合、自動運転車両1dは、発車しない。
【0142】
座席数と着座人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1dを停車状態から走行状態に移行させる(ステップS44)。以上の動作により、発車処理が終了する。この後、自動運転制御装置14は、自動運転車両1dの自動運転を実行する。自動運転車両1dの発車処理後の自動運転については、説明を省略する。
【0143】
[効果]
(a)自動運転車両1dによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。より詳細には、座席数と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が満席状態で着座している。座席数と着座人数とが等しいことは、乗客全員が、満席状態で、自動運転車両1が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。これにより、自動運転車両1dは、座席数と着座人数とに基づいて、自動運転車両1dを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。その結果、自動運転車両1dによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。
【0144】
(b)自動運転車両1dによれば、自動運転車両1と同様に、撮像装置20の配置の自由度が高くなる。
【0145】
(d)(e)自動運転車両1dによれば、自動運転車両1と同じ理由により、自動運転車両1dの速やかな発車が可能となる。
【0146】
(第5の変形例)
以下に、第5の変形例に係る自動運転車両1eについて図面を参照しながら説明する。なお、自動運転車両1eの側面図は、図1を援用する。自動運転車両1eの内部を示す斜視図は、図2を援用する。
【0147】
自動運転車両1では、自動運転制御装置14は、乗車人数及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。一方、自動運転車両1eでは、自動運転制御装置14は、乗車予定人数及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1eを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。乗車予定人数は、自動運転車両1eに実際に乗車する前に乗客が申告した乗客の人数である。
【0148】
自動運転車両1eは、記憶装置16を更に備えている点において、自動運転車両1と相違する。記憶装置16は、乗車予定人数を記憶している。記憶装置16は、例えば、不揮発性メモリである。自動運転車両1eの記憶装置16以外の構成は、自動運転車両1と同じであるので説明を省略する。
【0149】
ここで、自動運転車両1eによる乗車予定人数の取得について説明する。乗客は、自動運転車両1eへの乗車前に、無線通信端末(例えば、スマートフォン)を用いて、乗車予定人数をサーバ(図示せず)に送信する。サーバは、インターネットを介して、自動運転車両1eに乗車予定人数を送信する。自動運転車両1eは、乗車予定人数を受信装置(図示せず)にて受信し、記憶装置16に記録する。これにより、自動運転車両1eは、乗客の乗車前に乗車予定人数を取得する。なお、乗客は、無線通信端末ではなく有線の電気通信回線に接続された端末を用いて、乗車予定人数をサーバに送信してもよい。また、乗車人数を送信する端末は、ユーザが携帯する携帯端末でも、特定の場所に固定して配置される固定端末であってもよい。なお、自動運転車両1eは、複数グループの乗車予定人数を取得し、複数グループの乗車予定人数を合算することにより、乗車予定人数を取得してもよい。
【0150】
[自動運転車両の動作]
次に、自動運転車両1eの動作について図面を参照しながら説明する。図8は、自動運転車両1eの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
【0151】
本処理は、停車状態の自動運転車両1eに乗客が乗車することにより開始される。次に、自動運転制御装置14は、記憶装置16から乗車予定人数を取得する(ステップS51)。
【0152】
撮像装置20は、自動運転車両1eの内部を撮像することにより、自動運転車両1e内の乗客を撮像する。撮像装置20は、映像データを非接触検出情報として自動運転制御装置14に出力する。
【0153】
自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、着座人数を取得する(ステップS52)。図8のステップS52は、図3のステップS2と同じである。
【0154】
次に、自動運転制御装置14は、乗車予定人数と着座人数とが等しいか否かを判定する(ステップS53)。ステップS53では、自動運転制御装置14は、乗車予定人数と着座人数とに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させるか否かを判定する。ステップS53では、自動運転制御装置14は、乗車予定の乗客全員が複数のシート12に着座したか否かを判定する。乗車予定人数と着座人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1eを停車状態から走行状態に移行できると判定する。そこで、本処理はステップS54に進む。乗車予定人数と着座人数とが等しくない場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1eを停車状態から走行状態に移行できないと判定する。そこで、本処理はステップS51に戻る。この場合、自動運転車両1eは、発車しない。
【0155】
乗車予定人数と着座人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1eを停車状態から走行状態に移行させる(ステップS54)。以上の動作により、発車処理が終了する。この後、自動運転制御装置14は、自動運転車両1eの自動運転を実行する。自動運転車両1eの発車処理後の自動運転については、説明を省略する。
【0156】
[効果]
(a)自動運転車両1eによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。より詳細には、乗車予定人数と着座人数とが等しい場合には、乗客全員が着座している。したがって、乗車予定人数と着座人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。これにより、自動運転車両1eは、乗車予定人数と着座人数とに基づいて、自動運転車両1eを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。その結果、自動運転車両1eによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。
【0157】
(b)自動運転車両1eによれば、自動運転車両1と同様に、撮像装置20の配置の自由度が高くなる。
【0158】
(d)(e)自動運転車両1eによれば、自動運転車両1と同じ理由により、自動運転車両1eの速やかな発車が可能となる。
【0159】
(第6の変形例)
以下に、第6の変形例に係る自動運転車両1fについて図面を参照しながら説明する。なお、自動運転車両1fの側面図は、図1を援用する。自動運転車両1fの内部を示す斜視図は、図2を援用する。
【0160】
自動運転車両1では、自動運転制御装置14は、乗車人数及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。一方、自動運転車両1fでは、座席数及び発車準備完了動作人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1fを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0161】
自動運転車両1fは、記憶装置16を更に備えている点において、自動運転車両1と相違する。記憶装置16は、座席数を記憶している。記憶装置16は、例えば、不揮発性メモリである。自動運転車両1fの記憶装置16以外の構成は、自動運転車両1と同じであるので説明を省略する。
【0162】
[自動運転車両の動作]
次に、自動運転車両1fの動作について図面を参照しながら説明する。図9は、自動運転車両1fの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
【0163】
本処理は、停車状態の自動運転車両1fに乗客が乗車することにより開始される。次に、自動運転制御装置14は、記憶装置16から座席数を取得する(ステップS61)。
【0164】
撮像装置20は、自動運転車両1fの内部を撮像することにより、自動運転車両1f内の乗客を撮像する。撮像装置20は、映像データを非接触検出情報として自動運転制御装置14に出力する。
【0165】
自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、発車準備完了動作人数を取得する(ステップS62)。図9のステップS62は、図4のステップS12と同じである。
【0166】
次に、自動運転制御装置14は、座席数と発車準備完了動作人数とが等しいか否かを判定する(ステップS63)。ステップS63では、自動運転制御装置14は、座席数と発車準備完了動作人数とに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させるか否かを判定する。座席数は、自動運転車両1の乗車定員と等しい。そのため、ステップS63では、自動運転制御装置14は、自動運転車両1fが停車状態から走行状態に移行してもよいことを示す意思表示を乗客全員が行っているか否かを判定する。座席数と発車準備完了動作人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1fを停止状態から走行状態に移行できると判定する。そこで、本処理はステップS64に進む。座席数と発車準備完了動作人数とが等しくない場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1fを停止状態から走行状態に移行できないと判定する。そこで、本処理はステップS61に戻る。この場合、自動運転車両1fは、発車しない。
【0167】
座席数と発車準備完了動作人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1fを停車状態から走行状態に移行させる(ステップS64)。以上の動作により、発車処理が終了する。この後、自動運転制御装置14は、自動運転車両1fの自動運転を実行する。自動運転車両1fの発車処理後の自動運転については、説明を省略する。
【0168】
[効果]
(a)自動運転車両1fによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。より詳細には、座席数と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、満席状態で、自動運転車両が停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。これにより、自動運転車両1fは、座席数と発車準備完了動作人数とに基づいて、自動運転車両1fを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。その結果、自動運転車両1fによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。
【0169】
(b)自動運転車両1fによれば、自動運転車両1と同様に、撮像装置20の配置の自由度が高くなる。
【0170】
(c)自動運転車両1fによれば、自動運転車両1と同じ理由により、自動運転車両1fの速やかな発車が可能となる。
【0171】
(第7の変形例)
以下に、第7の変形例に係る自動運転車両1gについて図面を参照しながら説明する。なお、自動運転車両1gの側面図は、図1を援用する。自動運転車両1gの内部を示す斜視図は、図2を援用する。
【0172】
自動運転車両1では、自動運転制御装置14は、乗車人数及び着座人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。一方、自動運転車両1gでは、自動運転制御装置14は、乗車予定人数及び発車準備完了動作人数に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1gを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0173】
自動運転車両1gは、記憶装置16を更に備えている点において、自動運転車両1と相違する。記憶装置16は、乗車予定人数を記憶している。記憶装置16は、例えば、不揮発性メモリである。自動運転車両1gの記憶装置16以外の構成は、自動運転車両1と同じであるので説明を省略する。また、自動運転車両1gによる乗車予定人数の取得は、自動運転車両1eによる乗車予定人数の取得と同じであるので、説明を省略する。
【0174】
[自動運転車両の動作]
次に、自動運転車両1gの動作について図面を参照しながら説明する。図10は、自動運転車両1gの自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
【0175】
本処理は、停車状態の自動運転車両1gに乗客が乗車することにより開始される。次に、自動運転制御装置14は、記憶装置16から乗車予定人数を取得する(ステップS71)。図10のステップS71は、図8のステップS51と同じである。
【0176】
撮像装置20は、自動運転車両1gの内部を撮像することにより、自動運転車両1g内の乗客を撮像する。撮像装置20は、映像データを非接触検出情報として自動運転制御装置14に出力する。
【0177】
自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、発車準備完了動作人数を取得する(ステップS72)。図10のステップS72は、図4のステップS12と同じである。
【0178】
次に、自動運転制御装置14は、乗車予定人数と発車準備完了動作人数とが等しいか否かを判定する(ステップS73)。ステップS73では、自動運転制御装置14は、乗車予定人数と発車準備完了人数とに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態へと移行させるか否かを判定する。ステップS73では、自動運転制御装置14は、自動運転車両1gが停車状態から走行状態に移行してもよいことを示す意思表示を乗車予定の乗客全員が行っているか否かを判定する。乗車予定人数と発車準備完了動作人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1gを停車状態から走行状態に移行できると判定する。そこで、本処理はステップS74に進む。乗車予定人数と発車準備完了動作人数とが等しくない場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1gを停車状態から走行状態に移行できないと判定する。そこで、本処理はステップS71に戻る。この場合、自動運転車両1gは、発車しない。
【0179】
乗車予定人数と発車準備完了動作人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1gを停車状態から走行状態に移行させる(ステップS74)。以上の動作により、発車処理が終了する。この後、自動運転制御装置14は、自動運転車両1gの自動運転を実行する。自動運転車両1gの発車処理後の自動運転については、説明を省略する。
【0180】
[効果]
(a)自動運転車両1gによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。より詳細には、乗車予定人数と発車準備完了動作人数とが等しいことは、乗客全員が、自動運転車両1gが停車状態から走行状態に移行することに対する準備を完了したことを示している。これにより、自動運転車両1gは、乗車予定人数と発車準備完了動作人数とに基づいて、自動運転車両1gを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定できる。その結果、自動運転車両1gによれば、スタートボタンとは異なる新たな発車トリガーにより発車することができる。
【0181】
(b)自動運転車両1gによれば、自動運転車両1と同様に、撮像装置20の配置の自由度が高くなる。
【0182】
(c)自動運転車両1gによれば、自動運転車両1と同じ理由により、自動運転車両1gの速やかな発車が可能となる。
【0183】
(第8の変形例)
以下に、第8の変形例に係る自動運転車両1hについて図面を参照しながら説明する。図11は、自動運転車両1hの側面図である。図12は、自動運転車両1hの上面図である。図11及び図12では、自動運転車両1hを模式化して記載した。
【0184】
自動運転車両1hは、以下の2点において自動運転車両1と相違する。
【0185】
1点目
自動運転車両1hは、複数のシート12のレイアウトにおいて自動運転車両1と相違する。具体的には、自動運転車両1の複数のシート12は、コミュニケーションシートである。一方、自動運転車両1hの複数のシート12は、コミュニケーションシートではない。
【0186】
2点目
自動運転車両1hは、撮像装置20a,20b,20c,62のレイアウトにおいて自動運転車両1と相違する。具体的には、自動運転車両1は、1つの撮像装置20を備えている。一方、自動運転車両1hは、4つの撮像装置20a,20b,20c,62を備えている。
【0187】
以下に、上記相違点を中心に自動運転車両1hについて説明する。自動運転車両1hは、図11に示すように、複数のシート12を備えている。複数のシート12は、左前シート12FL、右前シート12FR、左中シート12ML、右中シート12MR、左後シート12BL及び右後シート12BRを含んでいる。
【0188】
左前シート12FL、左中シート12ML及び左後シート12BLは、図12に示すように、キャビン空間Spの左部に配置されている。左前シート12FL、左中シート12ML及び左後シート12BLは、前方向Fから後方向Bへとこの順に一列に並んでいる。また、左前シート12FL、左中シート12ML及び左後シート12BLはそれぞれ、左前シート12FL、左中シート12ML及び左後シート12BLのそれぞれに着座した乗客が前方向Fを向くように配置されている。
【0189】
右前シート12FR、右中シート12MR及び右後シート12BRは、図12に示すように、キャビン空間Spの右部に配置されている。右前シート12FR、右中シート12MR及び右後シート12BRは、前方向Fから後方向Bへとこの順に一列に並んでいる。これにより、右前シート12FRは、左前シート12FLの右方向Rに配置されている。右中シート12MRは、左中シート12MLの右方向Rに配置されている。右後シート12BRは、左後シート12BLの右方向Rに配置されている。また、右前シート12FR、右中シート12MR及び右後シート12BRはそれぞれ、右前シート12FR、右中シート12MR及び右後シート12BRのそれぞれに着座した乗客が前方向Fを向くように配置されている。
【0190】
撮像装置62は、車体2の前端部に配置されている。撮像装置62は、自動運転車両1hより前方向Fに位置する空間を撮像する。撮像装置62は、自動運転制御装置14(図11及び図12には図示せず)に映像データを出力する。自動運転制御装置14は、撮像装置62が出力する映像データに基づいて操舵機構6(図11及び図12には図示せず)及び制駆動力発生装置7(図11及び図12には図示せず)を制御して、自動運転車両1を自動運転で走行させる。
【0191】
撮像装置20aは、車体2の左右方向LRの中央において、左前シート12FL及び右前シート12FRの前方向Fに配置されている。撮像装置20aは、後方向Bを向くように配置されている。これにより、撮像装置20aは、左中シート12ML、右中シート12MR、左後シート12BL及び右後シート12BRを撮像している。
【0192】
撮像装置20bは、車体2の後端部かつ左端部に配置されている。撮像装置20bは、前方向Fを向くように配置されている。これにより、撮像装置20bは、左前シート12FL、左中シート12MLを撮像している。また、撮像装置20bは、車体2の左方向Lに位置する空間も撮像している。これにより、自動運転制御装置14は、車体2から乗客の体の一部(例えば、腕)がはみ出していることや、車体2の左方向Lに障害物が存在することを認識することができる。
【0193】
撮像装置20cは、車体2の後端部かつ右端部に配置されている。撮像装置20cは、前方向Fを向くように配置されている。これにより、撮像装置20cは、右前シート12FR、右中シート12MRを撮像している。また、撮像装置20cは、車体2の右方向Rに位置する空間も撮像している。これにより、自動運転制御装置14は、車体2から乗客の体の一部(例えば、腕)がはみ出していることや、車体2の右方向Rに障害物が存在することを認識することができる。
【0194】
以上のように、自動運転車両1hでは、撮像装置20a,20b,20cは、互いの撮像領域を補い合うことによって、キャビン空間Spの全体を撮像している。なお、自動運転車両1hのその他の構造は、自動運転車両1と同じであるので説明を省略する。
【0195】
以下に、自動運転車両1hにおける撮像装置の配置例について図面を参照しながら説明する。図13は、第1の配置例を示した図である。図14は、第2の配置例を示した図である。図15は、第3の配置例を示した図である。図16は、第4の配置例を示した図である。図17は、第5の配置例を示した図である。図18は、第6の配置例を示した図である。図19は、第7の配置例を示した図である。図20は、第8の配置例を示した図である。図21は、第9の配置例を示した図である。図22aは、第10の配置例を示した図である。
【0196】
第1の配置例では、図13に示すように、撮像装置20aは、車体2の左右方向LRの中央において、左前シート12FL及び右前シート12FRの前方向Fに配置されている。撮像装置20aは、後方向Bを向くように配置されている。撮像装置20bは、車体2の前端部かつ左端部に配置されている。撮像装置20bは、後方向Bを向くように配置されている。撮像装置20cは、車体2の前端部かつ右端部に配置されている。撮像装置20cは、後方向Bを向くように配置されている。
【0197】
第2の配置例では、図14に示すように、撮像装置20aは、車体2の左右方向LRの中央において、左後シート12BL及び右後シート12BRの後方向Bに配置されている。撮像装置20aは、前方向Fを向くように配置されている。撮像装置20bは、車体2の前端部かつ左端部に配置されている。撮像装置20bは、後方向Bを向くように配置されている。撮像装置20cは、車体2の前端部かつ右端部に配置されている。撮像装置20cは、後方向Bを向くように配置されている。
【0198】
第3の配置例では、図15に示すように、撮像装置20aは、右前シート12FRの右方向Rに配置されている。撮像装置20aは、左方向Lを向くように配置されている。撮像装置20bは、車体2の前端部かつ左端部に配置されている。撮像装置20bは、後方向Bを向くように配置されている。撮像装置20cは、車体2の前端部かつ右端部に配置されている。撮像装置20cは、後方向Bを向くように配置されている。
【0199】
第4の配置例では、図16に示すように、撮像装置20aは、車体2の前端部かつ左端部に配置されている。撮像装置20aは、後方向Bを向くように配置されている。撮像装置20bは、車体2の後端部かつ右端部に配置されている。撮像装置20bは、前方向Fを向くように配置されている。
【0200】
第5の配置例では、図17に示すように、撮像装置20aは、車体2の前端部かつ左端部に配置されている。撮像装置20aは、右後方向RBを向くように配置されている。撮像装置20bは、車体2の前端部かつ右端部に配置されている。撮像装置20bは、左後方向LBを向くように配置されている。
【0201】
第6の配置例では、図18に示すように、撮像装置20aは、車体2の前端部かつ左端部に配置されている。撮像装置20aは、後方向Bを向くように配置されている。撮像装置20bは、車体2の前端部かつ右端部に配置されている。撮像装置20bは、後方向Bを向くように配置されている。
【0202】
第7の配置例では、図19に示すように、撮像装置20aは、車体2の左右方向LRの中央において、左前シート12FL及び右前シート12FRの前方向Fに配置されている。撮像装置20aは、後方向Bを向くように配置されている。図19の撮像装置20aの撮像領域は、図12の撮像装置20aの撮像領域より広い。
【0203】
第8の配置例では、図20に示すように、撮像装置20aは、車体2の前端部かつ右端部に配置されている。撮像装置20aは、左後方向LBを向くように配置されている。図20の撮像装置20aの撮像領域は、図12の撮像装置20aの撮像領域より広い。
【0204】
第9の配置例では、図21に示すように、撮像装置20aは、車体2の左右方向LRの中央において、左中シート12ML及び右中シート12MRの上方向Uに配置されている。撮像装置20aは、下方向Dを向くように配置されている。撮像装置20aは、下方向D、前方向F,後方向B、左方向L及び右方向Rを広範囲に撮像できる構造を有する。従って、撮像装置20aは、例えば、魚眼レンズを備えている。
【0205】
第10の配置例では、図22aに示すように、撮像装置20aは、車体2の左右方向LRの中央において、左前シート12FL及び右前シート12FRの上方向Uに配置されている。撮像装置20aは、下方向Dを向くように配置されている。撮像装置20aは、下方向D、前方向F,後方向B、左方向L及び右方向Rを広範囲に撮像できる構造を有する。従って、撮像装置20aは、例えば、魚眼レンズを備えている。また、図22aの撮像装置20aは、自動運転車両1hの前方向Fに位置する領域も撮像している。故に、第10の配置例では、撮像装置62が設けられていない。
【0206】
(その他の実施形態)
本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた実施形態及び変形例は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示の思想を限定するものではない。上記の実施形態及び変形例は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得る。
【0207】
当該趣旨は、本明細書に開示された実施形態例に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、実施形態及び変形例に跨る特徴の組み合わせ)、改良、変更を包含する。特許請求の範囲における限定事項は当該特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態及び変形例に限定されるべきではない。そのような実施形態及び変形例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」、「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。
【0208】
なお、自動運転車両1,1b,1d,1eにおいて、撮像装置20は、自動運転車両1,1b,1d,1eに乗車している乗客を撮像すると共に、複数のシート12を撮像してもよい。この場合、ステップS2,S22,S42,S52において、自動運転制御装置14は、複数のシート12の座面を認識できるか否かにより、複数のシート12に乗客が着座しているか否かを判定してもよい。具体的には、自動運転制御装置14は、座面を認識できない複数のシート12については乗客が着座していると判定する。一方、自動運転制御装置14は、座面を認識できる複数のシート12については乗客が着座していないと判定する。自動運転制御装置14は、座面を認識できない複数のシート12の数をカウントすることにより、着座人数をカウントすることができる。自動運転制御装置14が座面を認識しやすいように、座面にマークが付されてもよい。
【0209】
なお、自動運転車両1d,1fにおいて、撮像装置20は、自動運転車両1d,1fに乗車している乗客を撮像すると共に、複数のシート12を撮像してもよい。この場合、ステップS41,S61において、自動運転制御装置14は、非接触検出情報(映像データ)に基づいて、複数のシート12の座面の数をカウントすることにより、座席数を取得してもよい。自動運転制御装置14が座面を認識しやすいように、座面にマークが付されてもよい。
【0210】
なお、自動運転車両1,1aは、図2に示すように、重量感知装置28及びステップ50を備えていてもよい。ステップ50は、車体2の一部である。ステップ50は、車体2の床面から右方向Rに突出する板である。乗客は、自動運転車両1,1aに乗車するときに、ステップ50を踏んで乗車する。重量感知装置28は、ステップ50に設けられている。重量感知装置28は、ステップ50を踏んでいる乗客の体重を感知し、乗客の体重を示す接触検出情報を出力する。このように、重量感知装置28は、自動運転車両1,1aに設けられた物体(ステップ50)に対する乗客の接触状態を検出して、接触検出情報を生成する接触検出装置である。自動運転制御装置14は、ステップS1,S11において、重量感知装置28が生成した接触検出情報に基づいて、乗車人数を取得する。これにより、自動運転制御装置14は、重量感知装置28が生成した接触検出情報に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1aを停車状態から走行様態に移行させるか否か判定できる。
【0211】
以上のように、重量感知装置28を備える自動運転車両1,1aによれば、重量感知装置28は、自動運転車両1,1aに設けられている物体に対する乗客の接触状態を検出する。このような重量感知装置28は、比較的に簡単な構造を有する可能性が高い。故に、自動運転車両1,1aの構造を簡単にすることができる。
【0212】
なお、重量感知装置28は、入口部60付近において車体2の床面に配置されていてもよい。すなわち、重量感知装置28は、キャビン空間Sp内に配置されていてもよい。
【0213】
なお、自動運転車両1,1aは、図2に示すように、撮像装置30を備えていてもよい。撮像装置30は、自動運転車両1,1aの入口部60を撮像する。これにより、撮像装置30は、自動運転車両1,1aに乗車する乗客を撮像する。自動運転制御装置14は、ステップS1,S11において、撮像装置30が生成した非接触検出情報(映像データ)に基づいて、乗車人数を取得する。これにより、自動運転制御装置14は、撮像装置30が生成した非接触検出情報(映像データ)に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1aを停車状態から走行状態に移行させるか否か判定できる。
【0214】
なお、自動運転車両1,1b,1d,1eは、図2に示すように、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BR(着座センサ22BL,22BRは図示せず)を備えていてもよい。着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRはそれぞれ、左前シート12FL、右前シート12FR、左後シート12BL及び右後シート12BRの座面に配置されている。着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRはそれぞれ、左前シート12FL、右前シート12FR、左後シート12BL及び右後シート12BRに着座している乗客の体重を感知し、乗客の体重を示す接触検出情報を出力する。このように、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRは、自動運転車両1,1b,1d,1eに設けられた物体(左前シート12FL、右前シート12FR、左後シート12BL及び右後シート12BRの座面)に対する乗客の接触状態を検出して、接触検出情報を生成する接触検出装置である。自動運転制御装置14は、ステップS2,S22,S42,S52において、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRが生成した接触検出情報に基づいて、着座人数を取得する。これにより、自動運転制御装置14は、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRが生成した接触検出情報に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1b,1d,1eを停車状態から走行状態に移行させるか否か判定できる。
【0215】
以上のように、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRを備える自動運転車両1,1b,1d,1eによれば、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRは、自動運転車両1,1b,1d,1eに設けられた物体に対する乗客の接触状態を検出する。このような着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRは、比較的に簡単な構造を有する可能性が高い。故に、自動運転車両1,1b,1d,1eの構造を簡単にすることができる。なお、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRはそれぞれ、左前シート12FL、右前シート12FR、左後シート12BL及び右後シート12BRの背もたれに配置されていてもよい。
【0216】
なお、自動運転車両1a,1c,1f,1gは、図2に示すように、ボタン26FL,26FR,26BL,26BR(ボタン26BL,26BRは図示せず)を備えていてもよい。ボタン26FL,26FR,26BL,26BRはそれぞれ、左前シート12FL、右前シート12FR、左後シート12BL及び右後シート12BRに対応するように配置されている発車準備完了ボタンである。ボタン26FL,26FR,26BL,26BRはそれぞれ、左前シート12FL、右前シート12FR、左後シート12BL及び右後シート12BRに着座している乗客の左方向L又は右方向Rに配置されている。乗客は、自動運転車両1a,1c,1f,1gが停車状態から走行状態に移行してもよいことを示す意思表示を行うために、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRを押す。ボタン26FL,26FR,26BL,26BRはそれぞれ、乗客により押されると、自動運転車両1a,1c,1f,1gが停車状態から走行状態に移行してもよいことを示す意思表示に関する接触検出情報を出力する。このように、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRは、自動運転車両1a,1c,1f,1gに設けられた物体(ボタン26FL,26FR,26BL,26BR)に対する乗客の接触状態を検出して、接触検出情報を生成する接触検出装置である。自動運転制御装置14は、ステップS12,S32,S62,S72において、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRが生成した接触検出情報に基づいて、発車準備完了動作人数を取得する。これにより、自動運転制御装置14は、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRが生成した接触検出情報に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1a,1c,1f,1gを停車状態から走行状態に移行させるか否か判定できる。
【0217】
以上のように、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRを備える自動運転車両1a,1c,1f,1gによれば、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRは、自動運転車両1a,1c,1f,1gに設けられた物体に対する乗客の接触状態を検出する。このようなボタン26FL,26FR,26BL,26BRは、比較的に簡単な構造を有する可能性が高い。故に、自動運転車両1a,1c,1f,1gの構造を簡単にすることができる。
【0218】
なお、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRは、非特許文献1に開示のスタートボタンとは全く異なるボタンである。非特許文献1に記載のスタートボタンでは、乗客がスタートボタンを押すことにより、スタートボタンを押した乗客以外の乗客の意志に関わらず、自動運転車両が発車する。一方、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRでは、各乗客は、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRを押すことにより、自動運転車両1a,1c,1f,1gが停車状態から走行状態に移行してもよいという意思表示をする。従って、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRとスタートボタンとの間には、1人の乗客の意志なのか、全ての乗客の意志なのかにおいて相違点が存在する。
【0219】
なお、自動運転車両1は、非接触検出装置である撮像装置20及び接触検出装置である重量感知装置28を備えていてもよい。自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成した非接触検出情報に基づいて、着座人数を取得する。自動運転制御装置14は、重量感知装置28が生成した接触検出情報に基づいて、乗車人数を取得する。このように、自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成する非接触検出情報及び重量感知装置28が生成する接触検出情報に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させるか否か判定する。
【0220】
なお、自動運転車両1は、非接触検出装置である撮像装置20及び接触検出装置である着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRを備えていてもよい。自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成した非接触検出情報に基づいて、乗車人数を取得する。自動運転制御装置14は、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRが生成した接触検出情報に基づいて、着座人数を取得する。このように、自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成する非接触検出情報及び着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRが生成する接触検出情報に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させるか否か判定する。
【0221】
以上のように、自動運転車両1が非接触検出装置及び接触検出装置を備えることにより、自動運転制御装置14は、より多種類の情報を接触検出情報及び非接触検出情報から取得することができる。より詳細には、自動運転制御装置14が接触検出情報から得ることができる情報と、自動運転制御装置14が非接触検出情報から得ることができる情報とは、完全一致しない場合がある。従って、自動運転制御装置14が接触検出情報から得ることができ、自動運転制御装置14が非接触検出情報から得ることができない情報が存在する。同様に、自動運転制御装置14が非接触検出情報から得ることができ、自動運転制御装置14が接触検出情報から得ることができない情報が存在する。そこで、自動運転制御装置14は、接触検出情報及び非接触検出情報を取得している。これにより、自動運転制御装置14は、より多種類の情報を接触検出情報及び非接触検出情報から取得することができる。
【0222】
なお、自動運転車両1は、接触検出装置である着座センサ22FL,22FR,22BL,22BR及び重量感知装置28を備えていてもよい。自動運転制御装置14は、重量感知装置28が生成した接触検出情報に基づいて、乗車人数を取得する。自動運転制御装置14は、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BRが生成した接触検出情報に基づいて、着座人数を取得する。このように、自動運転制御装置14は、着座センサ22FL,22FR,22BL,22BR及び重量感知装置28が生成する接触検出情報に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1を停車状態から走行状態に移行させるか否か判定する。
【0223】
なお、自動運転車両1aは、非接触検出装置である撮像装置20及び接触検出装置であるボタン26FL,26FR,26BL,26BRを備えていてもよい。自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成した非接触検出情報に基づいて、乗車人数を取得する。自動運転制御装置14は、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRが生成した接触検出情報に基づいて、発車準備完了動作人数を取得する。このように、自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成する非接触検出情報及びボタン26FL,26FR,26BL,26BRが生成する接触検出情報に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1aを停車状態から走行状態に移行させるか否か判定する。
【0224】
なお、自動運転車両1aは、非接触検出装置である撮像装置20及び接触検出装置である重量感知装置28を備えていてもよい。自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成した非接触検出情報に基づいて、発車準備完了動作人数を取得する。自動運転制御装置14は、重量感知装置28が生成した接触検出情報に基づいて、乗車人数を取得する。このように、自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成する非接触検出情報及び重量感知装置28が生成する接触検出情報に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1aを停車状態から走行状態に移行させるか否か判定する。
【0225】
以上のように、自動運転車両1aが非接触検出装置及び接触検出装置を備えることにより、自動運転制御装置14は、より多種類の情報を接触検出情報及び非接触検出情報から取得することができる。より詳細には、自動運転制御装置14が接触検出情報から得ることができる情報と、自動運転制御装置14が非接触検出情報から得ることができる情報とは、完全一致しない場合がある。従って、自動運転制御装置14が接触検出情報から得ることができ、自動運転制御装置14が非接触検出情報から得ることができない情報が存在する。同様に、自動運転制御装置14が非接触検出情報から得ることができ、自動運転制御装置14が接触検出情報から得ることができない情報が存在する。そこで、自動運転制御装置14は、接触検出情報及び非接触検出情報を取得している。これにより、自動運転制御装置14は、より多種類の情報を接触検出情報及び非接触検出情報から取得することができる。
【0226】
なお、自動運転車両1aは、接触検出装置であるボタン26FL,26FR,26BL,26BR及び重量感知装置28を備えていてもよい。自動運転制御装置14は、重量感知装置28が生成した接触検出情報に基づいて、乗車人数を取得する。自動運転制御装置14は、ボタン26FL,26FR,26BL,26BRが生成した接触検出情報に基づいて、発車準備完了動作人数を取得する。このように、自動運転制御装置14は、ボタン26FL,26FR,26BL,26BR及び重量感知装置28が生成する接触検出情報に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1aを停車状態から走行状態に移行させるか否か判定する。
【0227】
なお、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hでは、自動運転制御装置14は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の少なくとも1つと(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つとに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。
【0228】
ただし、自動運転制御装置14は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の少なくとも1つと(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つとに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定すればよい。従って、自動運転制御装置14は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の内の2以上と(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の内の2以上とを組み合わせることによって、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hを停車状態から走行状態に移行させるか否か判定してもよい。
【0229】
このように、自動運転制御装置14は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の少なくとも1つと(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つとに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定している。この技術思想により、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hが運行される場所、具体的なシーン又は運行される自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hに合わせて発車に必要な条件を変更できる。これにより、複数のシート12を備えている自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hの設計の自由度が高くなる。
【0230】
なお、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hにおいて、自動運転制御装置14は、乗車人数、乗車定員、座席数、乗車予定人数、着座人数及び発車準備完了動作人数に加えて、乗車人数、乗車定員、座席数、乗車予定人数、着座人数及び発車準備完了動作人数以外の条件に基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定してもよい。乗車人数、乗車定員、座席数、乗車予定人数、着座人数及び発車準備完了動作人数以外の条件とは、例えば、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hの周囲の環境(障害物の有無)や、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hの周囲に障害物が存在しない時間の長さ、発車予定時刻等である。
【0231】
なお、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hは、非特許文献1に開示されているスタートボタンを更に備えていてもよい。この場合、自動運転制御装置14は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の少なくとも1つと(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つと非特許文献1に記載のスタートボタンが押されたこととに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hを停車状態から走行状態に移行させるか否か判定する。
【0232】
なお、自動運転車両1,1aにおいて、自動運転制御装置14が乗車人数を取得する手段は、例えば、入口部60に設けられたラインセンサ又は赤外線レーザであってもよい。また、自動運転制御装置14が乗車人数を取得する手段として、Bluetooth(登録商標)LowEnergyビーコンが利用されてもよい。すなわち、自動運転制御装置14は、Bluetooth(登録商標)LowEnergyビーコンを用いて、自動運転車両1,1a内に存在するスマートフォン等の携帯無線端末の数をカウントしてもよい。この場合、自動運転制御装置14は、自動運転車両1,1a内に存在するスマートフォン等の携帯無線端末の数を乗車人数と見做す。
【0233】
なお、自動運転車両1,1aにおいて、自動運転制御装置14が乗車人数を取得する手段は、例えば、声に基づく人数判定であってもよい。より詳細には、自動運転制御装置14は、図示しないマイクにより、自動運転車両1,1a内の声を集音する。そして、自動運転制御装置14は、集音した声に基づいて、乗車人数を取得する。
【0234】
なお、自動運転車両1,1b,1d,1eにおいて、自動運転制御装置14が着座人数を取得する手段は、例えば、以下の構成であってもよい。
【0235】
・天井と座面(又は乗客)との距離
乗客が複数のシート12に着座すると、複数のシート12の座面上には乗客が存在する。そのため、車体2の天井から複数のシート12に着座している乗客までの距離は、車体2の天井から複数のシート12の座面までの距離より短くなる。そこで、自動運転制御装置14は、距離測定装置(図示せず)により、車体2の天井から複数のシート12の座面までの距離、又は、車体2の天井から複数のシート12に着座している乗客までの距離を測定すればよい。そして、自動運転制御装置14は、距離測定装置が測定した距離が相対的に短い場合には、乗客が複数のシート12に着座していると判定する。自動運転制御装置14は、距離測定装置が測定した距離が相対的に長い場合には、乗客が複数のシート12に着座していないと判定する。
【0236】
・天井と乗客の顔との位置関係
乗客が複数のシート12に着座すると、乗客が複数のシート12に着座しない場合に比べて、車体2の天井から乗客の顔までの距離が大きくなる。そこで、自動運転制御装置14は、撮像装置20が撮像した画像に基づいて、車体2の天井から乗客の顔までの距離を取得する。そして、自動運転制御装置14は、車体2の天井から乗客の顔までの距離が相対的に短い場合には、乗客が複数のシート12に着座していないと判定する。自動運転制御装置14は、車体2の天井から乗客の顔までの距離が相対的に長い場合には、乗客が複数のシート12に着座していると判定する。
【0237】
・無線通信端末のジャイロセンサからの出力
自動運転制御装置14は、図示しない通信装置を介して乗客の無線通信端末のジャイロセンサからの出力を取得する。自動運転制御装置14は、ジャイロセンサからの出力の変動が相対的に小さい場合には、乗客が複数のシート12に着座していると判定する。自動運転制御装置14は、ジャイロセンサからの出力の変動が相対的に大きい場合には、乗客が複数のシート12に着座していないと判定する。
【0238】
・無線通信端末の気圧計からの出力
自動運転制御装置14は、図示しない通信装置を介して乗客の無線通信端末の気圧計からの出力を取得する。自動運転制御装置14は、気圧計からの出力が相対的に高い気圧を示す場合には、乗客が複数のシート12に着座していると判定する。自動運転制御装置14は、気圧計からの出力が相対的に低い気圧を示す場合には、乗客が複数のシート12に着座していないと判定する。
【0239】
なお、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hでは、自動運転制御装置14は、車体2に設けられている。しかしながら、自動運転制御装置14は、車体2に設けられていなくてもよく、車体2から離れた場所に設けられていてもよい。この場合、車体2から離れた場所に設けられた自動運転制御装置14は、図3ないし図10のフローチャートを実行する。そして、自動運転制御装置14は、無線通信を介して、制駆動力発生装置7を制御する。この場合、自動運転制御装置14は、複数台の自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hを同時に自動運転させてもよい。
【0240】
なお、自動運転制御装置14の一部の機能が車体2に設けられ、自動運転制御装置14の残部の機能が車体2から離れた場所に設けられてもよい。この場合、図3ないし図10のフローチャートの一部は、車体2に設けられた自動運転制御装置14の一部により実行される。また、図3ないし図10のフローチャートの残部は、車体2から離れた場所に設けられた自動運転制御装置14の残部により実行される。
【0241】
なお、自動運転車両1,1aにおいて、自動運転制御装置14は、「OpenPose」以外の手段により乗車人数を取得してもよい。例えば、自動運転制御装置14は、撮像装置20が生成した映像データに基づいて、乗客の顔を認識する。自動運転制御装置14は、認識した顔の数をカウントすることにより、乗車人数を取得できる。
【0242】
なお、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hは、図1に示すように、スピーカー24を更に備えていてもよい。自動運転制御装置14は、スピーカー24に乗客に着席を促進させるためのアナウンスを行わせる。なお、スピーカー24の代わりにディスプレイが用いられてもよい。この場合、ディスプレイには、乗客に着席を促進させるための映像が表示される。このようなスピーカー24やディスプレイは、乗客の着席を促進させるための情報提供を行う情報提供装置の一例である。自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hの速やかな発車が可能となる。なお、自動運転車両1a,1f,1gにおいて、自動運転制御装置14は、乗客に発車許可の意思表示を要求するアナウンスをスピーカー24又はディスプレイに行わせてもよい。
【0243】
なお、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hは、4個の車輪4を備えている。しかしながら、車輪4の数は、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。
【0244】
なお、制動力発生装置10は、車輪4の運動エネルギーを熱エネルギーに変換する装置であるとした。しかしながら、駆動力発生装置8がモータを含んでいる場合には、制動力発生装置10は、車輪4の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置であってもよい。すなわち、制動力発生装置10は、回生ブレーキであってもよい。
【0245】
なお、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gは、車椅子を利用する乗客が乗車できるように構成されていてもよい。この場合、複数のシート12は、跳ね上げ式椅子である。跳ね上げ式椅子では、乗客が着座していないときには、座面が背もたれに接触するように退避する。これにより、車椅子が乗車するためのスペースがキャビン空間Spに確保される。
【0246】
なお、非接触検出装置は、例えば、赤外線サーモグラフィカメラであってもよい。また、非接触検出装置は、撮像装置に限らない。
【0247】
なお、複数のシート12には、シートベルトが設けられていてもよい。
【0248】
なお、自動運転車両1,1aにおいて、自動運転制御装置14は、非接触検出装置が生成した非接触検出情報により取得した(1)乗車人数と(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1aを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定してもよい。また、自動運転車両1,1aにおいて、自動運転制御装置14は、接触検出装置が生成した接触検出情報により取得した(1)乗車人数と(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1aを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定してもよい。
【0249】
ところで、図22bは、自動運転車両1の側面図である。図22cは、自動運転制御装置14が発車処理時に実行するフローチャートである。
【0250】
図22bに示すように、自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gにおいて、車体2は、ドア100を含んでいてもよい。この場合、自動運転制御装置14は、(1)乗車人数、乗車定員、座席数又は乗車予定人数の少なくとも1つと(2)着座人数又は発車準備完了動作人数の少なくとも1つとドアの開閉状態とに基づいて、制駆動力発生装置7を制御して自動運転車両1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gを停車状態から走行状態に移行させるか否かを判定する。以下に、図22cを参照しながら、自動運転車両1の動作の一例について説明する。
【0251】
図22cのステップS1~S3は、図3のステップS1~S3と同じであるので説明を省略する。ステップS3において乗車人数と着座人数とが等しい場合、自動運転制御装置14は、ドア100が閉まっているか否かを判定する(ステップS80)。ドア100が閉まっていない場合には、本処理はステップS1に戻る。ドア100が閉まっている場合には、本処理はステップS4に進む。図22cのステップS4は、図3のステップS3と同じであるので説明を省略する。
【符号の説明】
【0252】
1,1a~1i:自動運転車両
2:車体
4:車輪
4BL:左後輪
4BR:右後輪
4FL:左前輪
4FR:右前輪
6:操舵機構
7:制駆動力発生装置
8:駆動力発生装置
10:制動力発生装置
12:シート
12BL:左後シート
12BR:右後シート
12FL:左前シート
12FR:右前シート
12ML:左中シート
12MR:右中シート
14:自動運転制御装置
16:記憶装置
20:撮像装置
20a~20c:撮像装置
22BL,22BR,22FL,22FR:着座センサ
24:スピーカー
26BL,26BR,26FL,26FR:ボタン
28:重量感知装置
30:撮像装置
60:入口部
62:撮像装置
100:ドア
Sp:キャビン空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22a
図22b
図22c