(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】電磁継電器の接点弾性片構造
(51)【国際特許分類】
H01H 50/56 20060101AFI20221028BHJP
H01H 1/50 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
H01H50/56 B
H01H1/50
(21)【出願番号】P 2021050591
(22)【出願日】2021-03-24
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】511017070
【氏名又は名称】松川精密股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】呉 頌仁
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-127996(JP,A)
【文献】特表2012-517093(JP,A)
【文献】中国実用新案第210296239(CN,U)
【文献】特開2017-084658(JP,A)
【文献】特表2016-512919(JP,A)
【文献】特開2014-116173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 1/50
H01H 50/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの弾性片組立体と、少なくとも1つの接点構造とを備える電磁継電器の接点弾性片構造であって、
該弾性片組立体は、第1片体と、前記第1片体の下方に積み重ねられると共に、前記第1片体と相互に固定される第2片体と、前記第2片体の下方に積み重ねられると共に、前記第2片体と相互に固定される第3片体と、前記第3片体の下方に積み重ねられる第4片体とを含み、
第1凸弧屈折部を有する前記第1片体の一端に第1取付け孔が開設され、
第2凸弧屈折部を有する前記第2片体の一端に前記第1取付け孔に対応する第2取付け孔が開設され、前記第1凸弧屈折部と、前記第1凸弧屈折部の下方に設置される前記第2凸弧屈折部とは、相互の間に間隙を有し、
前記第3片体の一端に前記第2取付け孔に対応する第3取付け孔が開設され、
前記第4片体は、前記第3片体と相互に固定される固定節と、前記第3片体と相互に固定されていない弾性節とを有し、前記固定節に前記第3取付け孔に対応する第4取付け孔が開設され、かつ前記第4片体に複数のスリットが設けられ、
前記接点構造は、前記第1取付け孔、前記第2取付け孔、前記第3取付け孔及び前記第4取付け孔に通貫固定され
、
少なくとも1個の前記スリットの前記第4取付け孔に近隣する端縁は、前記第4取付け孔の周縁に対応して傾斜状または弧状を呈していることを特徴とする、電磁継電器の接点弾性片構造。
【請求項2】
複数の前記スリット
のそれぞれの延在方向は相互に平行であることを特徴とする、請求項1に記載の電磁継電器の接点弾性片構造。
【請求項3】
複数の前記スリットは、前記第4取付け孔の周縁を起点として前記弾性節の方向に向かって延設されることを特徴とする、請求項2に記載の電磁継電器の接点弾性片構造。
【請求項4】
複数の前記スリットの個数が奇数個である場合、中間位置に位置する前記スリットの開孔面積は、両側の複数の各前記スリットの開孔面積よりも大きいことを特徴とする、請求項3に記載の電磁継電器の接点弾性片構造。
【請求項5】
複数の前記スリットの個数が5個であることを特徴とする、請求項3に記載の電磁継電器の接点弾性片構造。
【請求項6】
複数の前記スリットは、前記第4取付け孔の周縁を起点として前記弾性節の方向に向かって放射状に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の電磁継電器の接点弾性片構造。
【請求項7】
前記第1片体の前記第1取付け孔が設けられる一端の反対側の他端に少なくとも1つの第1組付け孔が設けられ、前記第2片体の前記第2取付け孔が設けられる一端の反対側の他端に少なくとも1つの第2組付け孔が設けられ、前記第3片体の前記第3取付け孔が設けられる一端の反対側の他端に少なくとも1つの第3組付け孔が設けられ、かつ前記第1組付け孔、前記第2組付け孔及び前記第3組付け孔は、相互に対応して連通していることを特徴とする、請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の電磁継電器の接点弾性片構造。
【請求項8】
前記弾性片組立体の個数が2個であり、かつ2個の前記弾性片組立体は間隔をもって並列平行に設けられると共に、2個の前記弾性片組立体における前記接点構造が設けられていない他端は、相互に固定されて設けられることを特徴とする、請求項
7に記載の電磁継電器の接点弾性片構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継電器分野に関し、特に、電磁継電器に適用される接点弾性片構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
継電器(Relay)は、別名「リレー」とも呼ばれ、電子制御構成部材である。動作原理に基づいて分類すると、光継電器、電磁継電器、熱継電器などに大別される。
【0003】
電磁継電器を例として説明すると、その内部には、大抵、電磁コイルと、可動接点と、固定接点とが備えられていると共に、固定接点に外向きに制御回路が連結され、電磁コイルに通電した後、可動接点が、電磁コイルの電磁作用に応じて変位するに従い、電気的な開閉を制御する目的を達成する。可動接点は、一般的には可動弾性片上に装着され、これに伴って連動させる可動接点を移動させて固定接点と導通または遮断する。継電器の一部機種において、移動需要などの考察に鑑みて、可動弾性片を3枚構造に設計する方式も見受けられる。前述の可動弾性片構造は、3枚の片体を含むと共に、片体上に接点構造の取付けを容易にするための穿孔が開設されるが、この可動弾性片は、移動上、単一の片体に比べてより良好な表現を有するものの、剛性が強すぎるため、圧力を受けた後の弾性表現が不十分となり、接点の接触強度の安定性に不安が生じることで、継電器が、接点の接触不完全に起因する高温または電気抵抗値の不安定を起こしやすい状況になってしまい、ひいては瞬間的に大幅な変形が起こるため、破裂や回復不能に陥る欠点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電磁継電器において、固定接点と可動接点の接触時の接触押付力と安定性を大幅に増大させることができる、電磁継電器の接点弾性片構造を提供することを旨としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る電磁継電器の接点弾性片構造は、少なくとも1つの弾性片組立体と、少なくとも1つの接点構造とを備え、前記弾性片組立体は、第1片体と、前記第1片体の下方に積み重ねられると共に、前記第1片体と相互に固定される第2片体と、前記第2片体の下方に積み重ねられると共に、前記第2片体と相互に固定される第3片体と、前記第3片体の下方に積み重ねられる第4片体とを含み、第1凸弧屈折部を有する前記第1片体の一端に第1取付け孔が開設され、第2凸弧屈折部を有する前記第2片体の一端に前記第1取付け孔に対応する第2取付け孔が開設され、その内、前記第2凸弧屈折部は、前記第1凸弧屈折部の下方に設置され、かつ前記第1凸弧屈折部と前記第2凸弧屈折部とは、相互の間に間隙を有し、前記第3片体の一端に前記第2取付け孔に対応する第3取付け孔が開設され、前記第4片体は、前記第3片体と相互に固定される固定節と、前記第3片体と相互に固定されていない弾性節とを有し、前記固定節に前記第3取付け孔に対応する第4取付け孔が開設され、かつ前記第4片体に複数のスリットが設けられ、前記接点構造は、前記第1取付け孔、前記第2取付け孔、前記第3取付け孔及び前記第4取付け孔に通貫固定される。これにより、本発明の接点弾性片構造は、適切な構造の応力変形状態を提供できるので、継電器の限られた空間において、安定した作動円滑度を提供し、継電器の作動性能と確実性を有効に増大させることを達成する。
【発明の効果】
【0006】
上記を総合すると、本発明の接点弾性片構造は、上記の技術的特徴を有することにより、弾性片の応力表現を有効に改善することによって、接点弾性片構造の応力強度と変形量との関係を正の線形の理想的な変化状態に近づけることから、電磁継電器の限られた空間において、接点の接触時の押付力を向上させることができ、電気抵抗値の過大変化を消去することで、導電回路をより安定にすることができると同時に、本発明は、より優れた作動円滑度を具備することもできる。より具体的に言えば、前記第4片体とその弾性節、固定節及びスリットの設置によって、作動時により好適な変位円滑度を有すると共に、当該接点構造と継電器における対応の別の接点とを相互に接触させる時の押付力を向上することができ、反対に、このようにして、接点スイッチの耐久回数を増加させることもできる。さらに、実際の作動時の各項要件を考慮して、本発明は、複数の該スリットに関しても前記第4片体上の細部設置態様を提案し、これに基づき、前記第4片体は、前述の効果を有効に達成させることができるほか、自身の剛性と所要の弾性変化を併せ持つこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態の接点弾性片構造の分解模式図である。
【
図2A】本発明の一実施形態の接点弾性片構造の組立て模式図である。
【
図2B】本発明の一実施形態の接点弾性片構造の別の視角からの組立て模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態の接点弾性片構造の応用概略図(一)である。
【
図4】本発明の一実施形態の接点弾性片構造の応用概略図(二)である。
【
図6】本発明の一実施形態の別の実施態様の接点弾性片構造の一部分解模式図である。
【
図7】本発明の一実施形態の別の実施態様の接点弾性片構造の組立て模式図である。
【
図8】本発明の一実施形態の次の実施態様の第4片体の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1、
図2A、
図2B、
図3及び
図4を参照する。これらは本発明の一実施形態の接点弾性片構造の分解模式図、同構造の組立て模式図、同構造の別の視角からの組立て模式図、同構造の応用概略図(一)及び応用概略図(二)である。本発明で開示する電磁継電器の接点弾性片構造1は、少なくとも1つの弾性片組立体10と、少なくとも1つの接点構造11とを備える。弾性片組立体10は、第1片体101と、第2片体102と、第3片体103と、第4片体104とを含み、第1片体101は、第1凸弧屈折部1011を有し、かつ第1片体101の一端に第1取付け孔1012が開設される。第2片体102は、第1片体101の下方に積み重ねられると共に、第1片体101と相互に固定され、第2片体102は、第2凸弧屈折部1021を有し、かつ一端に第1取付け孔1012に互いに対応する第2取付け孔1022が開設され、その内、第2凸弧屈折部1021は、第1凸弧屈折部1011の下方に設置され、かつ第1凸弧屈折部1011と第2凸弧屈折部1021とは、相互の間に間隙を有する。第3片体103は、第2片体102の下方に積み重ねられると共に、第2片体102と相互に固定され、第3片体103の一端に第2取付け孔1022に互いに対応する第3取付け孔1031が開設される。第4片体104は、第3片体103の下方に積み重ねられ、第4片体104は、固定節1041と、弾性節1042とを有し、固定節1041に第3取付け孔1031に互いに対応する第4取付け孔1043が開設され、かつ第4片体104に複数のスリット1044が設けられ、その内、固定節1041は、第3片体103と相互に固定され、弾性節1042は、第3片体103と相互に固定されていない。接点構造11は、第1取付け孔1012、第2取付け孔1022、第3取付け孔1031及び第4取付け孔1043に通貫固定される。その内、より好ましくは、第1片体101、第2片体102及び第3片体103は、例えば、銅材を選択して製作することができ、第4片体104は、ステンレス鋼材料で製作することができる。
【0009】
これにより、本発明は、弾性片が圧力を受けた後の弾性表現を有効に調整することによって、接点弾性片構造1に適切な応力対変形の関係を持たせることから、接点弾性片構造1の接点構造11と別の接点との接触押付力表現を最適化する効果が得られる。前述の構造特徴によれば、接点弾性片構造1の応力と変形との関係は、作用力(加圧力)が漸増すると、それに伴って変形量が漸増し、応力(受けた圧力)が漸減すると、接点弾性片構造1が漸次回復する相対関係が現れており、持続的に圧力を受け続けるので、瞬間的大幅な変形が生じて回復不能に陥る問題を生じ難くすることができ、接点弾性片構造1の応力強度の変形量に対する関係を正の線形変化に近づける特性を現出させ、バネ応力変形の理想的な関係状態に近づける。かつこれによって構造の剛性が非常に強いので、作用力が極大となっても僅かな変形しか生じないため、別の接点とうまく接触できない状況を回避することができ、及び弾性片に瞬間的大幅な変形が起こるため、二度と回復できなくなる欠点を回避することができ、または構造の剛性が低すぎると、接点構造11を別の接点と接触させて接点の接触が不完全に形成されることにより起こる高温運転と電気抵抗値の不安定現象を回避することができる。よって、電磁継電器の限られた空間内に、接点弾性片構造1の応用時の押付力を有効に向上させることから、接点の接触不完全により引き起こされる使用温度過高や電気抵抗値の変化過大などの問題を回避することが達成される。より具体的に言えば、接点弾性片構造1の第4片体104は、固定節1041、弾性節1042及び複数の該スリット1044を有し、かつ固定節1041を第3片体103と相互に固定する区間とさせ、このようにして、弾性節1042及び複数の該スリット1044を介して接点弾性片構造1に応用時の弾性変形を提供することができ、接点構造11と別の接点との接触力を向上させ、かつ接点弾性片構造1の応力強度の変形量に対する関係は、正の線形変化に近づける特性を示す。さらに、複数の該スリット1044を開設することにより、第4片体104にリブ付き構造が相対形成されることは、かけられる抵抗圧力を接点構造11の位置に平均に分散させることができ、作動応力時に発生する一部反りや歪みの現象を回避することができ、接点構造11と別の接点との接触安定性を増大させることができる。
【0010】
接点弾性片構造1は、様々な電磁継電器内に適用されて可動弾性片として使用することができ、電磁作用に応じて、それに伴って連動させて変位させることから、別の接点に接触または断接することで、電磁継電器の電気的な開閉を制御する効果が得られる。電磁継電器において、接点弾性片構造1は、単組または複組の設置であってもよい。ここで、
図3及び
図4には、簡易的な電磁継電器の内部構造の模式が示されており、本実施形態中では、電磁継電器において2組の接点弾性片構造1を設ける応用方式を例として説明する。電磁継電器内には、回転ブリッジ20、2枚の固定接点片21及び2本の延長アーム22を設けてもよく、回転ブリッジ20は、回転ブリッジ20の対向両側から外向きに延設される第1回動片201と、第2回動片202とを有すると共に、複数の接点弾性片構造1を制御するために用いられ、第1回動片201は、任意の1本の延長アーム22の一端と係着設置され、任意の1つの接点弾性片構造1は、この延長アーム22の他端と連結設置され、第2回動片202は、別本の延長アーム22と係着設置され、別の接点弾性片構造1は、この延長アーム22の他端と連結設置される。複数の固定接点片21は、それぞれ複数の接点弾性片構造1に対応して設置される。回転ブリッジ20が電磁作用を受けて移動するときに、それに伴って複数の接点弾性片構造1の複数の接点構造11を同期的に連動させることができ、複数の固定接点片21上の接点に接触または断接させることによって、電磁継電器の電気的状態を制御する。
【0011】
ここで、従来の弾性片構造の一部応用概略図である
図5を併せて参照する。従来の弾性片構造Aが、図示のような3枚構造を呈すると共に、圧力を受けて固定接点Bと接触する場合、従来の弾性片構造Aは、弾性応力を調整するための構造を具備していないため、一旦、圧力を受けて固定接点Bの方向に向かって移動するときに、それは瞬間的作用力により大幅な反り変形が生じやすくなり、かえって従来の弾性片構造上の接点Cと固定接点Bとの接触が不完全な状態に形成されてしまうので、高温または電気抵抗値の不安定を引き起こしてしまう問題は、
図5に示す如くである。本発明に戻ると、
図3には、複数の接点弾性片構造1が複数の固定接点片21の接点と接触していない状態が示されており、
図4には、複数の接点弾性片構造1が回転ブリッジ20の移動に応じて複数の固定接点片21の接点と接触可能な状態が示されており、複数の接点弾性片構造1の第4片体104の構造によって、複数の接点弾性片構造1が圧力を受けるときに、より良好な弾性表現を有することができ、弾性節1042と固定節1041との設計に応じて受けた圧力を複数の接点構造11が設けられている区間に伝達すると共に、これに基づき、それを固定接点片21の接点に接触させるように押し移動させ、このようにして、複数の接点弾性片構造1は、一部反りに起因する接点の接触不完全の不良現象を発生させることがないため、複数の接点構造11は、確実に複数の固定接点片21の接点と安定した接触状態に形成できる。このほか、前述のように、第4片体104に複数の該スリット1044が開設される構造設計によれば、隣り合うスリット1044とスリット1044との間に前リブ、中央リブ及び後リブが形成され、そしてそれにかけられる抵抗圧力を接点構造11の前方、接点構造11の周囲及び接点構造11の後方といった位置に平均に分散させることができるから、一部反りや歪みの現象の発生を回避することができ、接点構造11と別の接点との接触安定性を増大させることができる。
【0012】
一つの実施態様において、第4片体104上の複数の該スリット1044は長条状であってもよく、かつ各該スリット1044の延在方向は相互に平行であり、このようにして、接点弾性片構造1を適切な応用呈示表現に保持させることができ、かつ作動上の安定性を向上させることができる。さらに、複数の該スリット1044の配列は、第4取付け孔1043の周縁を起点として弾性節1042の方向に向かって延設されてもよく、このようにして、複数の該スリット1044の分布は、第4取付け孔1043を越えないようにさせる状態が呈示され、接点構造11の作動への影響を回避することができると同時に、第4片体104の剛性も確保することができ、柔らかすぎて容易に変形してしまうことに起因する接点構造11の接触度不足などを回避することができる。また、複数の該スリット1044の個数が奇数個である場合、中間位置に位置する該スリット1044の開孔面積は、両側の複数の各該スリット1044の開孔面積よりも大きく、これによって第4片体104は、より均一に対称的な応力状態を有し、接点弾性片構造1の応力変形状態の向上に役立ち、応用上、より優れた性能を持たせることができる。本実施形態中では、複数の該スリット1044の個数については、5個を例として説明し、片体全体の剛性と変形弾性を兼ね備えるために、
図1または
図2Bに示すように、第4片体104上に5個の該スリット1044が開設され、かつ中間位置に位置する該スリット1044の開孔面積は、両側のその他の複数の該スリット1044の開孔面積よりも大きいことがわかる。同時に、複数の該スリット1044は、それぞれ長条状であると共に、相互に平行であり、かつ接点構造11への影響を回避するために、複数の該スリット1044の末端は、いずれも第4取付け孔1043を越えないようにする。
【0013】
このほか、別の実施態様において、少なくとも1個の該スリット1044の第4取付け孔1043に近隣する端縁は、第4取付け孔1043の周縁に対応して傾斜状または弧状を呈しており、これに基づき、第4取付け孔1043、つまり接点構造11と一定の距離を保持すると同時に、傾斜状または弧状の端縁構造により、圧力を受けた時の変形は、より一層ニーズに合わせた対応が可能となる。
【0014】
なお、接点弾性片構造1を容易に電磁継電器内に固設するために、より好ましくは、第1片体101の第1取付け孔1012が設けられる一端の反対側の他端に少なくとも1つの第1組付け孔1013が設けられ、第2片体102の第2取付け孔1022が設けられる一端の反対側の他端に少なくとも1つの第2組付け孔1023が設けられ、第3片体103の第3取付け孔1031が設けられる一端の反対側の他端に少なくとも1つの第3組付け孔1032が設けられ、かつ第1組付け孔1013、第2組付け孔1023及び第3組付け孔1032は、相互に対応して連通していることで、接点弾性片構造1における第1組付け孔1013、第2組付け孔1023及び第3組付け孔1032を具備する端部は、電磁継電器の端子回路と固定組立てられると共に、電気的導通の状態を現出させると同時に、接点弾性片構造1の接点構造11が設置される端部は、それに伴って連動させて変位させることができる。
【0015】
図3、
図4、
図6及び
図7を併せて参照する。その内、
図6及び
図7は、それぞれ本発明の一実施形態の別の実施態様の接点弾性片構造の分解模式図及び組立て模式図である。この実施態様において、接点弾性片構造1の弾性片組立体10の個数が2個であり、かつ2個の弾性片組立体10は間隔をもって並列平行に設けられると共に、2個の弾性片組立体10における接点構造11が設けられていない他端は、相互に固定されて設けられる。接点弾性片構造1は、単一の接点を有する形態であってもよいほか、
図6及び
図7に示すような構造態様のように、二組の設置であってもよく、このようにして、双接点タイプの電磁継電器内に適用することができる。なお、2個の弾性片組立体10は、間隔を有するので、相互に接触して電気的導通状態に影響するのを回避することができる。また、
図1を再度併せて参照して、単一の弾性片組立体10の細部構造について説明する。
【0016】
さらに、各弾性片組立体10の接点構造11が設けられる一端の一側辺は、漸拡階段状をなす態様であってもよく、このようにして、2個の弾性片組立体10が接近すぎると、様々な不良な電気的伝導現象の発生を招くことをさらに防止することができる。
図6及び
図7を参照すると、前述の漸拡階段状構造をなす態様によれば、複数の弾性片組立体10の接点構造11に近隣する端部に比較的大きい間隙を形成させ、相互干渉による影響を回避できることがわかる。
【0017】
同様に、弾性片組立体10の個数が2個であり、前述の各項に付加可能な細部技術的特徴はここでも適用可能であり、各弾性片組立体10の第4片体104上の複数の該スリット1044を例として挙げれば、例えば、各該スリット1044は長条状であってもよく、かつ各該スリット1044の延在方向は相互に平行な構造態様で実施してもよい。また、複数の該スリット1044は、各自に対応の第4取付け孔1043の周縁を起点として弾性節1042の方向に向かって延設されてもよい。複数の該スリット1044の個数が奇数個である場合、中間位置に位置する該スリット1044の開孔面積は、両側の複数の各該スリット1044の開孔面積よりも大きく、かつ本実施態様において、複数の該スリット1044の個数が5個であり、及び少なくとも1個の該スリット1044の第4取付け孔1043に近隣する端縁は、第4取付け孔1043の周縁に対応して傾斜状や弧状などを呈している。関連の細部記述と対応の効果については、既に前述のとおりであるので、対応内容を再度参照されたい。
【0018】
図3、
図4を再度参照する。適用する際、単一の弾性片組立体10が設けられる構造状態と同様であり、2個の弾性片組立体10を備える接点弾性片構造1は、電磁継電器中に設置するために供されると共に、同様に単組または複組の設置であってもよく、各接点弾性片構造1は、複数の延長アーム22の構造によって、回転ブリッジ20の第1回動片201及び第2回動片202の連動を受けて、各接点弾性片構造1上の2個の接点構造11と対応の固定接点片21上の接点とは、相互に接触または断接してもよい。詳細な作動記述については、前述の対応段落の内容を合わせて参照し、ここでの詳細な説明は省略する。
【0019】
本発明の一実施形態の次の実施態様の第4片体の構造模式図である
図8を参照する。第4片体104の複数の該スリット1044は、前述のように平行な長条状構造であるほか、第4取付け孔1043の周縁を起点として弾性節1042の方向に向かって放射状に設けられる態様で設けてもよく、
図8を参照されたい。これにより、接点弾性片構造1は、より好ましい変形状態を具備するので、剛性が高すぎて接点構造11の作動に影響するのを防止することができる。
【0020】
上記を総合すると、本発明の接点弾性片構造1は、上記の技術的特徴によれば、弾性片の応力表現を有効に改善することによって、接点弾性片構造1の応力強度と変形量との関係を正の線形の理想的な変化状態に近づけることから、電磁継電器の限られた空間において、接点の接触時の押付力を向上させることができ、電気抵抗値の過大変化を消去することで、導電回路をより安定にすることができると同時に、本発明は、より優れた作動円滑度を具備することもできる。より具体的に言えば、第4片体104とその弾性節1042、固定節1041及びスリット1044の設置によって、作動時により好適な変位円滑度を有すると共に、接点構造11と継電器における対応の別の接点とを相互に接触させる時の押付力を向上することができ、反対に、このようにして、接点スイッチの耐久回数を増加させることもできる。さらに、実際の作動時の各項要件を考慮して、本発明は、複数の該スリット1044に関しても第4片体104上の細部設置態様を提案し、これに基づき、第4片体104は、前述の効果を有効に達成させることができるほか、自身の剛性と所要の弾性変化を併せ持つこともできる。
【符号の説明】
【0021】
1 接点弾性片構造
10 弾性片組立体
101 第1片体
1011 第1凸弧屈折部
1012 第1取付け孔
1013 第1組付け孔
102 第2片体
1021 第2凸弧屈折部
1022 第2取付け孔
1023 第2組付け孔
103 第3片体
1031 第3取付け孔
1032 第3組付け孔
104 第4片体
1041 固定節
1042 弾性節
1043 第4取付け孔
1044 スリット
11 接点構造
20 回転ブリッジ
201 第1回動片
202 第2回動片
21 固定接点片
22 延長アーム
A 従来の弾性片構造
B 固定接点
C 従来の弾性片構造上の接点