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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】高精度マップの作成方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/521 20170101AFI20221028BHJP
【FI】
G06T7/521
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021065423
(22)【出願日】2021-04-07
(65)【公開番号】P2021108184
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-04-07
(31)【優先権主張番号】202010598678.X
(32)【優先日】2020-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティン ウェントン
(72)【発明者】
【氏名】イー ファン
(72)【発明者】
【氏名】ユー リー
(72)【発明者】
【氏名】ユエン ペンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン シユ
【審査官】藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-211466(JP,A)
【文献】特開2017-138219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00- 1/40
G06T 3/00- 7/90
G06V 10/00-20/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するステップであって、前記点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集された、構築すべきマップのための場所の点群である、取得するステップと、
前記複数の点群の空間分布関係に基づき、前記複数の点群を複数の空間サブマップに区分けするステップと、
各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得るステップと、
前記各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づき、前記複数の空間サブマップをスプライシングし、構築すべき前記マップのベースマップを得るステップと、を含
複数の点群のグローバル初期ポーズを取得する前記ステップは、
ホイールスピードメーターデータと慣性計測ユニットIMUデータにより、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズを取得するステップと、
少なくとも1つの時間サブマップを取得するステップであって、各前記時間サブマップは、時間的に隣接する点群を含む、取得するステップと、
グローバル測位システムGPSデータ、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズ、および、前記少なくとも1つの時間サブマップに基づき、第1のポーズグラフを生成するステップであって、各点群は、前記第1のポーズグラフにおける1つのノードとして表徴され、隣接する2つの点群が前記第1のポーズグラフにおける隣接するノードとして表徴される、生成するステップと、
前記第1のポーズグラフを最適化し、前記複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するステップと、を含む、ことを特徴とする高精度マップの作成方法。
【請求項2】
複数の点群のグローバル初期ポーズを取得する前記ステップは、
グローバル測位システムGPSデータ及び/又は慣性計測ユニットIMUデータにより、前記複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の高精度マップの作成方法。
【請求項3】
前記複数の点群を複数の空間サブマップに区分けする前記ステップは、
前記点群の高さ方向での空間分布関係、および、前記点群の水平方向での空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けするステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の高精度マップの作成方法。
【請求項4】
前記点群の高さ方向での空間分布関係、および、前記点群の水平方向での空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けする前記ステップは、
高さ方向で、前記複数の点群の高さでの階層に基づき、同一層にある点群を同一空間サブマップに区分けするステップと、
水平方向で、前記複数の点群のグローバル初期ポーズによって形成された軌跡に基づき、点群の無向グラフを得るステップと、
最小カットアルゴリズムによって前記無向グラフを分割し、前記無向グラフ内の点群を前記複数の空間サブマップに区分けするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項に記載の高精度マップの作成方法。
【請求項5】
各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得る前記ステップの前に、さらに、
点群の距離制限値に基づき、前記空間サブマップのうち共通観測点があり、グローバル初期ポーズの間の差の絶対値が距離制限値よりも小さい2つの点群を点群ペアに形成するステップであって、マルチサークル間軌跡の誤差を滑らかにして、マルチサークルによるゴーストを回避するために、異なる重みを点群ペアに配分し、前記点群ペアの重みは、前記点群ペアに含まれる点群ペアの時間的距離と負の関係がある、形成するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の高精度マップの作成方法。
【請求項6】
各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得る前記ステップは、
空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値より大きい場合、前記空間サブマップにおいて重みが第1の閾値より小さい第1の点群ペアを破棄するステップであって、前記誤差条件は、点群のタイムスタンプに対応するGPS衛星の数が第2の閾値を超えること、および前記点群の位置誤差が第3の閾値より小さいことを含む、破棄するステップと、
一般化反復最接近点GICPアルゴリズムを使用して前記空間サブマップにおいて前記第1の点群ペア以外の第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを確定するステップと、
ポーズグラフによって、前記第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと前記第2の点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージし、前記第2の点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得するステップとを含む、ことを特徴とする請求項に記載の高精度マップの作成方法。
【請求項7】
各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得る前記ステップは、
空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値以下である場合、前記空間サブマップにおいて各点群ペアの点ペアを取得するステップであって、前記誤差条件は、点群のタイムスタンプに対応するGPS衛星の数が第2の閾値を超えること、および前記点群の位置誤差が第3の閾値より小さいこと、を含む、取得するステップと、
前記空間サブマップにおける各点群ペアの点ペア、および、各点群ペアの重みに基づき、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを取得するステップと、
ポーズグラフによって、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと各点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージし、各点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得するステップとを含む、ことを特徴とする請求項に記載の高精度マップの作成方法。
【請求項8】
前記構築すべきマップのベースマップを得る前記ステップの後に、前記高精度マップの作成方法は、さらに、
前記ベースマップ内の点群を少なくとも1つの領域にしたがって区分けするステップと、
前記領域内の異なるサークルで収集された点群に対応する語義要素の位置偏差に基づき、前記領域内のマルチサークル間の偏差を確定するステップであって、前記領域のマルチサークル間の偏差は、前記ベースマップのスプライシング品質を表徴するためのものである、確定するステップと、
前記領域のマルチサークル間の偏差が第4の閾値より低い場合、点群検索距離と点群の距離制限値を拡大することにより、前記構築すべきマップのベースマップを再生成するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載の高精度マップの作成方法。
【請求項9】
複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するために使用されるものであり、前記点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集された、構築すべきマップのための場所の点群である、取得モジュールと、
前記複数の点群の空間分布関係に基づき、前記複数の点群を複数の空間サブマップに区分けするために使用されるものであり、各空間サブマップに対して、空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得るために使用される最適化モジュールと、
前記各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づき、前記複数の空間サブマップをスプライシングし、構築すべき前記マップのベースマップを得るために使用されるスプライシングモジュールと、を含
前記取得モジュールは、ホイールスピードメーターデータと慣性計測ユニットIMUデータにより、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズを取得し、少なくとも1つの時間サブマップを取得し、各前記時間サブマップは、時間的に隣接する点群を含み、グローバル測位システムGPSデータ、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズ、および、前記少なくとも1つの時間サブマップに基づき、第1のポーズグラフを生成し、そのうち、各点群は、前記第1のポーズグラフにおける1つのノードとして表徴され、隣接する2つの点群が前記第1のポーズグラフにおける隣接するノードとして表徴され、前記第1のポーズグラフを最適化し、前記複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するために使用されるものである、ことを特徴とする高精度マップの作成装置。
【請求項10】
前記取得モジュールは、グローバル測位システムGPSデータ及び/又は慣性計測ユニットIMUデータにより、前記複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するために使用されるものである、ことを特徴とする請求項に記載の高精度マップの作成装置。
【請求項11】
前記最適化モジュールは、前記点群の高さ方向での空間分布関係、および、前記点群の水平方向での空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けするために使用されるものである、ことを特徴とする請求項に記載の高精度マップの作成装置。
【請求項12】
前記最適化モジュールは、高さ方向で、高さでの前記複数の点群の階層に基づき、同一層にある点群を同一空間サブマップに区分けし、水平方向で、前記複数の点群のグローバル初期ポーズによって形成された軌跡に基づき、点群の無向グラフを得るために使用されるものであり、最小カットアルゴリズムによって前記無向グラフを分割し、前記無向グラフ内の点群を前記複数の空間サブマップに区分けするために使用されるものである、ことを特徴とする請求項11に記載の高精度マップの作成装置。
【請求項13】
前記最適化モジュールは、さらに、点群の距離制限値に基づき、前記空間サブマップのうち共通観測点があり、グローバル初期ポーズの間の差の絶対値が距離制限値よりも小さい2つの点群を点群ペアに形成するために使用されるものであり、マルチサークル間軌跡の誤差を滑らかにして、マルチサークルによるゴーストを回避するために、異なる重みを点群ペアに配分し、前記点群ペアの重みは、前記点群ペアに含まれる点群ペアの時間的距離と負の関係がある、ことを特徴とする請求項に記載の高精度マップの作成装置。
【請求項14】
前記最適化モジュールは、空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値より大きい場合、前記空間サブマップにおいて重みが第1の閾値より小さい第1の点群ペアを破棄し、前記誤差条件は、点群のタイムスタンプに対応するGPS衛星の数が第2の閾値を超えること、および前記点群の位置誤差が第3の閾値より小さいこと、を含み、一般化反復最接近点アルゴリズムGICPを使用して、前記空間サブマップにおいて前記第1の点群ペア以外の第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを確定し、ポーズグラフによって、前記第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと前記第2の点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージし、前記第2の点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得するために使用されるものである、ことを特徴とする請求項13に記載の高精度マップの作成装置。
【請求項15】
前記最適化モジュールは、空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値以下である場合、前記空間サブマップにおいて各点群ペアの点ペアを取得し、前記誤差条件は、点群のタイムスタンプに対応するGPS衛星の数が第2の閾値を超えること、および前記点群の位置誤差が第3の閾値より小さいこと、を含み、前記空間サブマップにおいて各点群ペアの点ペア、および、各点群ペアの重みに基づき、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを取得し、ポーズグラフによって、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと各点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージし、各点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得するために使用されるものである、ことを特徴とする請求項13に記載の高精度マップの作成装置。
【請求項16】
前記高精度マップの作成装置は、さらに、
前記ベースマップ内の点群を少なくとも1つの領域にしたがって区分けし、前記領域内の異なるサークルで収集された点群に対応する語義要素の位置偏差に基づき、前記領域のマルチサークル間の偏差を確定し、前記領域のマルチサークル間の偏差が前記ベースマップのスプライシング品質を表徴し、前記領域のマルチサークル間の偏差が第4の閾値より低い場合、点群検索距離と点群の距離制限値を拡大することにより、前記構築すべきマップのベースマップを再生成するために使用される反復モジュールを含む、ことを特徴とする請求項~請求項15のいずれか1項に記載の高精度マップの作成装置。
【請求項17】
少なくとも1つのプロセッサ、および
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するように接続されたメモリを含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の高精度マップの作成方法を実行することができるようになる、ことを特徴とする電子機器。
【請求項18】
コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、コンピュータが請求項1~請求項のいずれか1項に記載の高精度マップの作成方法を実行させるためのものである、ことを特徴とする可読記憶媒体。
【請求項19】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプロセッサで実行されると、コンピュータに請求項1~請求項のいずれか1項に記載の高精度マップの作成方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は自動運転分野に関し、特に、高精度マップ技術に関し、高精度マップの作成方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高精度マップは、自動運転において重要な構成部分であり、高精度マップは、無人車両のリアルタイム測位技術と合わせて無人車両の自動運転にシーン感知、意思決定などの基礎的な技術的サポートを提供する。大規模の高精度マップ作成を完了するために、高精度マップのマップ作成効率を向上させることが非常に重要である。
【0003】
従来技術において、高精度マップは通常、異なる層を含有し、そのうち、マップの底層は通常、実際の三次元環境をモデリングするためのものである。高精度マップの底層を得るために、通常、レーザーレーダー(LiDAR)を利用して点群データを収集し、点群データをアップロードし、計算、初期値を推定し、反復して最適化し、これにより高精度マップの底層を生成する。その後、高精度マップの底層と他の層をスプライシングして高精度マップを生成する。
【0004】
しかしながら、高精度マップのベースマップの生成プロセスで、従来技術において、初期値推定プロセスで点群の初期値に大きく依存し、ひいては、弱いグローバル測位システム(global positioning system、GPS)シーンに対する適応能力が強くなくなり、これにより最適化プロセス計算量が大きくなり、マップ作成の最適化を迅速に完了することができなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高精度マップ作成の方法及び装置が提供され、従来技術において、マップ作成の最適化を迅速に完了することができない問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、高精度マップの作成方法を提供し、
複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するステップであって、前記点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集された、構築すべきマップのための場所の点群である、取得するステップと、
前記複数の点群の空間分布関係に基づき、前記複数の点群を複数の空間サブマップに区分けするステップと、
各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得るステップと、
前記各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づき、前記複数の空間サブマップをスプライシングし、前記構築すべきマップのベースマップを得るステップと、を含む。
【0007】
第2の態様によれば、高精度マップの作成装置を提供し、
複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するものであり、前記点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集された構築すべきマップのための場所の点群であるために使用される、取得モジュールと、
前記複数の点群の空間分布関係に基づき、前記複数の点群を複数の空間サブマップに区分けするために使用されるものであり、各空間サブマップに対して、空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得るために使用される最適化モジュールと、
前記各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づき、前記複数の空間サブマップをスプライシングし、前記構築すべきマップのベースマップを得るために使用されるスプライシングモジュールと、を含む。
【0008】
第3の態様によれば、電子機器を提供し、
少なくとも1つのプロセッサ、および
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するように接続されたメモリを含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサは、第1の態様に記載の方法を実行することができるようになる。
【0009】
第4の態様によれば、コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータ命令は、コンピュータが上記の第1の態様に記載の方法を実行するようにするためのものである。
【0010】
第5の態様では、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、電子機器の少なくとも1つのプロセッサは、前記コンピュータ可読記憶媒体から前記コンピュータプログラムを読み取ることができ、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することによって、前記電子機器に上記第1の態様のいずれかの可能な実施形態に記載の方法を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本願の技術により、従来技術において、マップ作成の最適化を迅速に完了することができないという技術的問題を解決する。従来技術と比較して、本願において、複数のフレームの点群を複数の空間サブマップに区分けし、各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、最適化プロセスの計算量を減少させ、ひいては、点群スプライシングの効率を向上させ、マップ作成の最適化を迅速に完了することができる。
【0012】
この部分に記述した内容は、本願の実施例の肝心又は重要な特徴をマークすることを主旨としているわけではなく、本願の範囲を制限するためにも使用されないと理解するべきである。本願の他の特徴は、以下の明細書によって理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本解決手段をよりよく理解するために使用されるものであり、本願に対する限定を構成しない。そのうち、
図1】本願の実施例に係る高精度マップの作成方法のシーンの概略図である。
図2】本願の実施例に係る高精度マップの作成方法の一フローチャートである。
図3】本願の実施例に係る他の高精度マップの作成方法のフローチャートである。
図4】本願の実施例に係る他の高精度マップの作成方法のフローチャートである。
図5】本願の実施例に係る他の高精度マップの作成方法のフローチャートである。
図6】本願の実施例に係る他の高精度マップの作成方法のフローチャートである。
図7】本願の実施例に係る高精度マップの作成装置の一構造概略図である。
図8】本願の実施例に係る高精度マップの作成方法のための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願の示範的な実施例を図面に合わせて説明する。理解に寄与するための本願の実施例の様々な詳細が含まれるが、これらは、例示的なものにすぎないと考えるべきである。よって、当業者は、ここに記述した実施例に対する様々な変化や修正が可能であり、本願の範囲や趣旨から逸脱されないと認識するべきである。同様に、明確や簡潔のため、以下の記述では、周知の機能や構造に関するものを省略するようにしている。
【0015】
高精度マップは、自動運転において重要な構成部分であり、高精度マップは、無人車両のリアルタイム測位技術に合わせて無人車両の自動運転にシーン感知、意思決定などの基礎的な技術的サポートを提供する。大規模の高精度マップ作成を完了するために、高精度マップのマップ作成効率を向上させることが非常に重要である。
【0016】
従来技術において、高精度マップは通常、異なる層を含有し、そのうち、マップの底層は通常、実際の三次元環境をモデリングするためのものである。高精度マップの底層を得るために、通常レーザーレーダー(LiDAR)を利用して点群データを収集し、点群データをアップロードし、計算、初期値を推定し、反復して最適化し、これにより高精度マップの底層を生成する。その後、高精度マップの底層と他の層をスプライシングして高精度マップを生成する。
【0017】
しかしながら、高精度マップのベースマップの生成プロセスで、従来技術において、初期値推定のプロセスで点群の初期値に大きく依存し、ひいては、弱いグローバル測位システム(global positioning system、GPS)シーンに対する適応能力が強くなくなり、これにより最適化プロセスの計算量が大きくなり、マップ作成の最適化を迅速に完了することができなくなる。
【0018】
上記の問題を考えると、本願の実施例は、高精度マップの作成方法及び装置を提供し、従来技術において、マップ作成の最適化を迅速に完了することができないという技術的問題を解決する。本願の技術的構想は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集された複数のフレームの点群を複数の空間サブマップに区分けし、グローバル初期ポーズをそれぞれ最適化してから、各空間サブマップをスプライシングし、構築すべきマップのベースマップを得る。従来技術と比較して、本願に係る高精度マップ作成方法により、最適化プロセスの計算量を減少させ、ひいては、点群スプライシングの効率を向上させ、マップ作成の最適化を迅速に完了することができる。
【0019】
本願の技術的解決手段を明確に理解するために、以下、本願に関する名詞を解釈する。
点群は、点の形態で記録されたスキャン資料であり、各点に三次元座標が含まれ、また、色情報、反射強度情報などが含まれる可能性もある。そのうち、色情報は通常、収集機器によって画像を取得して画像内の対応する位置のピクセルポイントの色情報を点群における対応する点に与えることにより確定されるものである。反射強度情報はレーザーレーダー受信装置によって収集されたエコー強度を取得し、この強度情報は、ターゲットの表面材料、粗さ、入射角の方向および器材の放射エネルギー、レーザー波長に関連する。
ポーズは、指定された座標系における点群の位置と姿勢である。
【0020】
空間サブマップは、点群の位置分布に応じて、特定の領域の点群データが含まれ、異なる空間サブマップが集約し、構築すべきマップのベースマップを形成することができる。
時間サブマップは、時間の順にしたがって最新フレームの点群を追加し続けてデータ更新を行った点群データである。
【0021】
以下、本願の適用シーンについて説明する。
図1は、本願の実施例に係る高精度マップの作成方法のシーンの概略図である。図1に示すように、高精度マップを描画するとき、レーザーレーダー101がマルチサークル収集方式を用いて収集したマップ構築すべき場所の点群である。その後、レーザーレーダー101が、点群の情報を電子機器102に送信し、電子機器102で点群を処理し、構築すべきマップのベースマップを生成し、ひいては、構築すべきマップのベースマップと構築すべきマップの他の層を高精度マップにスプライシングする。車両103は、自動運転過程で電子機器102における高精度マップを取得し、これにより高精度マップに基づいて自動運転ルートを計画することができる。
【0022】
そのうち、レーザーレーダー101は、レーザービームを放射することでターゲットの位置、速度などの特徴量を探測するレーダーである。レーザーレーダー101は、車両103に設置されてもよいが、車両103に設置されなくてもよい。
【0023】
電子機器102は、端末機器であってもよく、サーバであってもよい。端末機器は、コンピュータ、モバイル電話、メッセージ受送信機器、タブレット機器、パーソナルデジタルアシスタントなどのユーザ機器であってもよいが、これらに限定されない。サーバは、単一のネットワークサーバ、複数のネットワークサーバからなるサーバグループ又はクラウドコンピューティングに基づく大量のコンピュータ又はネットワークサーバで構成されたクラウドであってもよいが、これらに限定されない。そのうち、クラウドコンピューティングは、分散コンピューティングの一種であり、疎結合されたコンピュータで構成されるスーパー仮想コンピュータである。
【0024】
説明するべきものとして、本願の実施例に係る応用シーンは、自動運転のシーンを含むが、これに限定されず、高精度マップが必要とされる他の任意のシーンに適用することもできる。
【0025】
本願の実施例に係る高精度マップの作成方法の実行主体は、高精度マップの作成装置であってもよい。該高精度マップの作成装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの方式によって実現することができ、そのうち、ハードウェアは、例えば、上記した電子機器又は電子機器におけるチップであってもよく、ソフトウェアは、例えば、コンピュータプログラム命令又は応用プログラムなどであってもよい。
【0026】
以下、関連する実行コードが集積又は搭載されたサーバを例として、本願の実施例の技術的解決手段について、具体的な実施例をもって詳細に説明する。以下のいくつかの具体的な実施例は、相互に組み合わせることができ、同様又は類似の概念又はプロセスは、一部の実施例で繰り返して説明しないようにする場合もある。
【0027】
図2は、本願の実施例に係る高精度マップの作成方法の一フローチャートであり、本実施例は、いかにして高精度マップを作成するかのプロセスに関する。図2に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
【0028】
S201、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得し、点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集されたマップ構築すべき場所の点群である。
【0029】
そのうち、マルチサークル収集方式は、マップ構築すべき場所を複数の収集サークルに区分けし、レーザーレーダーにより、サークルごとに点群を収集する方式と理解することができる。
【0030】
本願の実施例により、いかにして複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するかについて、限定されない。いくつかの実施例において、グローバル測位システム(Global Positioning System、GPS)信号が良い領域で、サーバは、GPSデータ及び/又は慣性計測ユニット(Inertial measurement unit、IMU)データを直接に受信し、GPSデータ及び/又はIMUデータから、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得することができる。
【0031】
いくつかの実施例において、室内に点群が収集されたり、またはブロックされたりするとき、GPS信号が弱く、このとき、サーバは、まず、ホイールスピードメーター及びIMUによって送信されたホイールスピードメーターデータとIMUデータを受信し、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズを取得することができる。次に、サーバは、少なくとも1つの時間サブマップを取得でき、各時間サブマップは時間的に隣接する点群を含む。さらに、サーバは、グローバル測位システムGPSデータ、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズ、および、少なくとも1つの時間サブマップに基づき、第1のポーズグラフを生成することができる。そのうち、各点群は第1のポーズグラフにおける1つのノードとして表徴され、隣接する2つの点群は、第1のポーズグラフにおける隣接するノードとして表徴される。最後に、サーバは、第1のポーズグラフを最適化し、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得することができる。
【0032】
そのうち、時間サブマップには、具体的に、多重解像度の占用グリッドデータと反射値グリッドデータが含まれる。グリッドデータは、複数のセル(Cell)が行列の方式にしたがって構成されたものである。例示的に、占用グリッドの場合、1つのグリッドに対応するCellは、占用された状態と占用されなかった状態という2種類の状態しかない。レーザーレーダーにより、1つのグリッドに対応する位置から障害物がスキャンされた場合、Cellが占用された状態であり、レーザーレーダーにより、1つのグリッドから対応する位置に障害物がスキャンされなかった場合、Cellが占用されなかった状態である。例示的に、反射値グリッドについて、各グリッドに対応するCellがレーダー信号の反射値である。
【0033】
以下、第1のポーズグラフについて説明する。例示的に、マップの最適化によって生成された第1のポーズグラフにおいて、各時間サブマップは、いずれも1つのノードが対応的設置されており、時間サブマップにおける各点群も、1つのノードが対応的設置されている。時間サブマップのノードと時間サブマップにおける点群のノードとの間は、サブグラフ内部のエッジであり、隣接する2つの点群のノードの間は、隣接するノードのエッジである。そのうち、サブグラフノードのエッジは、単一サイクル制約又はマルチサークル制約によって構成することができ、単一サイクルとマルチサークルとは、レーザーレーダーによってスキャンされるサークル数である。隣接するノードのエッジは、隣接する2つの点群の間の相対的ポーズによって構成することができる。
【0034】
S202、複数の点群の空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けする。
【0035】
そのうち、複数の点群の空間分布関係は、高さ方向での空間関係と水平方向での空間関係であってもよい。具体的に、サーバは、高さ方向での点群の空間関係、および、水平方向での点群の空間関係に基づき、点群を複数の空間サブマップに区分けするしてよい。
【0036】
本願の実施例において、空間分布関係を用いて複数の点群を複数の空間サブマップに区分けしてもよいが、複数の空間分布関係を用いて複数の点群を複数の空間サブマップに区分けしてもよく、本願は、これについて、限定されない。
【0037】
いくつかの実施例において、サーバは、高さ方向で、高さでの複数の点群の階層に基づき、同一層にある点群を同一空間サブマップに区分けする。サーバは、水平方向で、複数の点群のグローバル初期ポーズで形成された軌跡に基づき、点群の無向グラフを得る。また、最小カットアルゴリズムによって無向グラフを分割し、無向グラフ内の点群を複数の空間サブマップに区分けする。
【0038】
例示的に、高さ方向での空間関係を例として、空間サブマップを区分けし、マップ構築すべき場所が高階建ての地下室である場合、高さ方向で、地下室の毎階に分布された複数の点群を同一空間サブマップに区分けする。水平方向で形成された軌跡を例として、空間サブマップを区分けし、サーバは、水平方向で、複数の点群のグローバル初期ポーズで形成された軌跡に基づき、点群の無向グラフを得てから、最小カットアルゴリズムによって無向グラフを分割し、無向グラフ内の点群を複数の空間サブマップに区分けする。また、最小カットアルゴリズムによって無向グラフから分割された空間サブマップはまたクラスター化することもでき、分割された空間サブマップがプリセットの空間サブマップ閾値より小さい場合、それを隣接する空間サブマップに合併することができる。
【0039】
S203、各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得る。
【0040】
本願の実施例において、サーバは、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けした後に、各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得ることができる。そのうち、異なる空間サブマップにおける点群に対して、異なる最適化方式を用いてもよいが、または、同様な最適化方式を用いてもよい。
【0041】
いくつかの実施例において、最適化の前に、サーバは、空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群を確定し、これにより空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率が比率閾値より大きいか否かに基づき、空間サブマップにおける点群の最適化方式を確定することができる。
【0042】
例示的に、各点群に対して、その対応するタイムスタンプ付近の元のGPSデータを検索し、GPS状態を誤差条件とすることができ、具体的に、GPSのスター数>8、位置の誤差が0.05mより小さいという条件が満たされた場合、点群が誤差条件を満たすと見なすことができる。また、収集されたデータは、取得された複数の点群がマップ構築すべき場所に均一的に分布されると確保できない。通常、点群は、交差点待機/速度制限エリアなどの道路に密集するが、他の場所にまばらである。よって、点群が誤差条件を満たすか否かを判断する前に、点群の空間分布にしたがって、点群をダウンサンプリングし、これにより演算量を減少させることができる。
【0043】
いくつかの実施例において、対応する適化方式を用いて点群のグローバル初期ポーズを最適化する前に、また、点群の距離制限値に基づき、空間サブマップのうち共通観測点があり、グローバル初期ポーズの間の差の絶対値が距離制限値よりも小さい2つの点群を点群ペアに形成することができ、そのうち、点群ペアの重みは、点群ペアに含まれる点群ペアの時間的距離と負の関係がある。
【0044】
いくつかの実施例において、空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値より大きい場合、小規模の最適化を用いることができる。具体的に、小規模の最適化は、空間サブマップにおいて重みが第1の閾値より小さい第1の点群ペアを破棄すること、一般化反復最接近点アルゴリズムを使用して、空間サブマップにおいて第1の点群ペア以外の第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを確定すること、最後に、ポーズグラフによって、第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと第2の点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージして、第2の点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得すること、を含むことができる。
【0045】
いくつかの実施例において、空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値以下である場合、大規模の最適化を用いることができる。具体的に、大規模の最適化は、空間サブマップにおける各点群ペアの点ペアを取得すること、空間サブマップにおける各点群ペアの点ペア、および、各点群ペアの重みに基づいて、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを取得すること、ポーズグラフによって、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと各点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージし、各点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得すること、を含む。
【0046】
S204、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づき、複数の空間サブマップをスプライシングし、構築すべきマップのベースマップを得る。
【0047】
本願の実施例において、各空間サブマップにおける点群のグローバル初期ポーズの最適化を完了した後に、複数の空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づいて、複数の空間サブマップをスプライシングし、構築すべきマップのベースマップを得ることができる。
【0048】
本願の実施例により、いかにして空間サブマップを構築すべきマップのベースマップにスプライシングするかについて、限定されない。例示的に、可以各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズをエッジとし、各空間サブマップにおける個々の点群をノードとして、ポーズグラフを構成してよい。該ポーズグラフにおいて、一部の点群は1つの空間サブマップにのみ属し、この部分の点群のグローバルポーズと比べて、複数の空間サブマップで共有される点群は最適化に関与する。ここで、空間サブマップ境界に近づく点群に対し、システムは、より高い重みを与え、空間サブマップ境界から離れた点群に、より低い重みを与える。該最適化プロセスは、画像の最適化と表すことができる。最適化完了後に、異なる空間サブマップを集約して、構築すべきマップのベースマップを形成する。
【0049】
本願の実施例に係る高精度マップ作成方法により、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得し、点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集されたマップ構築すべき場所の点群であり、複数の点群の空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けし、各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得て、複数の空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づいて、複数の空間サブマップをスプライシングし、構築すべきマップのベースマップを得る。従来技術と比較して、本願において、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けし、各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、最適化プロセスの計算量を減少させ、ひいては、点群スプライシングの効率を向上させ、マップ作成の最適化を迅速に完了することができる。
【0050】
上記の実施例に基づき、以下、いかにして複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するかについて説明する。いくつかの実施例において、室外などのGPS信号が良い場所で、サーバは、グローバル測位システムGPSデータ及び/又は慣性計測ユニットIMUデータにより、複数の点群のグローバル初期ポーズを直接に取得することができる。室内又はGPS信号がブロックされた場所で、LiDAR同時ローカリゼーションおよびマッピング(simultaneous localization and mapping、SLAM)システムを使用して複数の点群のグローバル初期ポーズを取得することができる。
【0051】
図3は、本願の実施例に係る高精度マップの作成方法の他のフローチャートである。図3は、LiDAR SLAMを用いていかにして複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するかに関している。図3のように、高精度マップの作成方法は、以下のステップを含む。
【0052】
S301、ホイールスピードメーターデータと慣性計測ユニットIMUデータにより、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズを取得する。
【0053】
本ステップに、サーバは、ホイールスピードメーターデータとIMUデータを受信し、ホイールスピードメーターデータとIMUデータに基づいて、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズを予測できる。本願の実施例により、具体的な予測プロセスについて限定されない、従来の予測方法に基づいて行うことができる。
【0054】
S302、少なくとも1つの時間サブマップを取得し、各時間サブマップは時間的に隣接する点群を含む。
【0055】
本ステップに、サーバは、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズを取得した後に、複数の時間サブマップを取得することができる。
【0056】
いくつかの実施例において、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズをアプリオリとして、点群と複数の時間サブマップをマッチできる。マッチング完了後に、マッチされた点群ペアを利用して時間サブマップを更新することができる。時間サブマップに点群が存在しないとき、点群を時間サブマップに埋め込むことができる。
【0057】
そのうち、時間サブマップは具体的に、多重解像度の占用グリッドデータと反射値グリッドデータが含まれる。グリッドデータは、複数のセル(Cell)が行列の方式にしたがって構成されたものである。例示的に、占用グリッドの場合、1つのグリッドに対応するCellは、占用された状態と占用されなかった状態という2種類の状態しかない。レーザーレーダーにより、1つのグリッドに対応する位置から障害物がスキャンされた場合、Cellが占用された状態であり、レーザーレーダーにより、1つのグリッドに対応する位置から障害物がスキャンされなかった場合、Cellが占用されなかった状態である。例示的に、反射値グリッドについて、各グリッドに対応するCellがレーダー信号の反射値である。
【0058】
S303、グローバル測位システムGPSデータ、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズ、および、少なくとも1つの時間サブマップに基づき、第1のポーズグラフを生成し、そのうち、各点群は第1のポーズグラフにおける1つのノードとして表徴され、隣接する2つの点群は、第1のポーズグラフにおける隣接するノードとして表徴される。
【0059】
以下、第1のポーズグラフについて説明する。例示的に、画像の最適化によって生成された第1のポーズグラフにおいて、各時間サブマップは、いずれも1つのノードが対応的設置されており、時間サブマップにおける各点群も1つのノードが対応的設置されている。時間サブマップのノードと時間サブマップにおける点群のノードとの間は、サブグラフ内部のエッジであり、隣接する2つの点群のノードの間は、隣接するノードのエッジである。そのうち、サブグラフノードのエッジは、単一サイクル制約又はマルチサークル制約によって構成することができ、単一サイクルとマルチサークルとは、レーザーレーダーによってスキャンされるサークル数である。隣接するノードのエッジは、隣接する2つの点群の間の相対的ポーズによって構成することができる。
【0060】
いくつかの実施例において、時間サブマップのマルチサークル制約と単一サイクル制約は、点群閉ループ検出時に使用される点群検索距離と関連する。具体的に、点群と複数の時間サブマップとのマッチングプロセスで蓄積されたドリフトが存在し、このとき、点群に対して閉ループ検出を行うことで該蓄積されたドリフトを効果的に減らすことができる。閉ループ検出結果は、一般的に、一致性があり、即ち、複数の閉ループ検出にマッチできる点群検索距離が複数存在するとき、該特性を利用して閉ループ検出結果を検査することができる。
【0061】
本願において、点群と時間サブマップとのマッチング、および点群の閉ループ検出は、いずれもローカル座標系において行われ、マップ作成システムには、最終的にグローバルポーズを得る必要があるため、GPSデータによって点群の軌跡をグローバル座標系に転換し、ポーズグラフ(Pose Graph)を使用して上記のデータをマージする必要がある。ポーズグラフを生成するプロセスで、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズ制約によって第1のポーズグラフの隣接するノードのエッジを構成し、時間サブマップのマルチサークル制約と単一サイクル制約によって第1のポーズグラフのサブグラフレベルのエッジを構成する。なお、GPSデータをマージするために、ローカル-グローバル(local-global)変換を利用して、ポーズグラフに仮想ノードを構築し、点群状態とGPS測定とがマッチするようにする。
【0062】
S304、第1のポーズグラフを最適化し、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得する。
【0063】
本願の実施例により、いかにして第1のポーズグラフを最適化して複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するかについて、限定されない。従来のポーズグラフ最適化方式に基づいて行うことができる。
【0064】
本願の実施例に係る高精度マップの作成方法により、まず、ホイールスピードメーターデータとIMUデータによって、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズを取得する。その後、複数の時間サブマップを取得する。この後、グローバル測位システムGPSデータ、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズ、および、複数の時間サブマップに基づき、第1のポーズグラフを生成する。最後に、第1のポーズグラフを最適化し、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得する。該方式により、マップ作成プロセスで、グローバル初期ポーズ品質への依存を減らすことができ、GPSが弱いシーンに対してよりよい適応性を有する。
【0065】
上記の実施例に基づき、以下、小規模の最適化方法を提供して、同一空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化する。図4は、本願の実施例に係る他の高精度マップの作成方法のフローチャートであり。図4のように、高精度マップの作成方法は、以下のステップを含む。
【0066】
S401、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得し、点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集されたマップ構築すべき場所の点群である。
【0067】
S401の技術的効果や、技術的特徴、および選択的な実施形態は、図2に示したS201内容を参照することができ、ここで繰り返して説明しないようにする。
【0068】
S402、個々の点群が誤差条件を満たすか否かを確定する。
【0069】
そのうち、誤差条件は、点群のタイムスタンプに対応するGPS衛星の数が第2の閾値を超えること、および点群の位置誤差が第3の閾値より小さいことを含む。
【0070】
本願の実施例により、第2の閾値と第3の閾値について、限定されない。実際の状況に応じて具体的に設定することができる。
【0071】
例示的に、個々の点群について、その対応するタイムスタンプ付近の元のGPSデータを検索し、GPS状態を誤差条件とすることができ、具体的に、GPSの衛星数が8より大きく、点群の位置誤差が0.05mより小さい条件が満たされた場合、点群が誤差条件を満たすと見なすことができる。また、収集されたデータにより、取得された複数の点群がマップ構築すべき場所に均一的に分布されると確保できず、通常、点群は交差点待機/速度制限エリアなどの道路に密集するが、他の場所にまばらであるため、点群が誤差条件を満たすか否かを判断する前に、点群の空間分布にしたがって、点群をダウンサンプリングし、これにより誤差を減少させることができる。
【0072】
S403、複数の点群の空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けする。
【0073】
S403の技術的効果や、技術的特徴、および選択的な実施形態は、図2に示したS202内容を参照することができ、ここで繰り返して説明しないようにする。
【0074】
S404、点群の距離制限値に基づき、空間サブマップのうち共通観測点があり、グローバル初期ポーズの間の差の絶対値が距離制限値よりも小さい2つの点群を点群ペアに形成し、そのうち、点群ペアの重みは、点群ペアに含まれる点群ペアの時間的距離と負の関係がある。
【0075】
そのうち、点群の距離制限値は、プリセットの値であり、構築すべきマップのベースマップのスプライシング品質に基づいて調整することができる。
【0076】
例示的に、各空間サブマップにおいてアンダーサンプリングされた点群iについて、該空間サブマップにおける他の点群を横断し、点群iと水平方向での距離が点群の距離制限値より小さい他の点群を発見した場合、2つの点群には、共通観測点が存在し、グローバル初期ポーズの間の差の絶対値が距離制限値より小さいと見なすことができ、相応的に、2つの点群を1つの点群ペア(frame pair)に構成することができる。
【0077】
いくつかの実施例において、マルチサークル間軌跡の誤差を滑らかにして、マルチサークルによるゴーストを回避するために、異なる重みを点群ペアに配分することができる。マルチサークル間の点群ペアは、空間的に近づくが、時間的に遠ざかっているため、時間的に近づく点群ペアの重みが低く、時間的に離れた点群ペアの重みが高く、点群ペア重みを表す式は以下のとおりであり、
【数1】
そのうち、
【数2】
は一般に、10に設定することができる。
【0078】
S405、空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値より大きい場合、空間サブマップにおいて重みが第1の閾値より小さい第1の点群ペアを破棄し、そのうち、誤差条件は、点群のタイムスタンプに対応するGPS衛星の数が第2の閾値を超えること、および点群の位置誤差が第3の閾値より小さいこと、を含む。
【0079】
本願の実施例により、比率閾値について、限定されない。実際の状況に応じて具体的に設定することができ、例示的に、0.5、0.8などに設定することができる。
【0080】
いくつかの実施例において、誤差条件を満たす点群の比率のほか、また、誤差条件を満たす点群の最小の外接長方形の面積と空間サブマップの最小の外接長方形の面積との比率も考慮に入れる必要がある。
【0081】
例示的に、上記の2つの比率閾値がいずれも0.8であることを例として、各空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率が0.8より大きくて、誤差条件を満たす点群の最小の外接長方形の面積と空間サブマップの最小の外接長方形の面積との比率が0.8より大きいと統計した場合、該空間サブマップにおける点群は、小規模の最適化を用いることができる。
【0082】
小規模の最適化において、重みが1より小さい場合、サーバは、該点群ペアを破棄し、重みが1より大きい場合、サーバは、該点群ペアを保留する。
【0083】
S406、一般化反復最接近点(generalized iterative closest point、GICP)アルゴリズムを使用して空間サブマップにおいて第1の点群ペア以外の第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを確定する。
【0084】
本願の実施例により、一般化反復最接近点アルゴリズムを使用して、いかにして点群の相対的ポーズを確定するかについて、限定されない。従来の方式を用いて行うことができる。
【0085】
S407、ポーズグラフによって、第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと第2の点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージして、第2の点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得する。
【0086】
本ステップに、第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを確定した後に、ポーズグラフによって、第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと第2の点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージして、第2の点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得することができる。
【0087】
例示的に、相対的ポーズの推定を完了した後に、ポーズグラフを利用して各点群の相対的ポーズと各点群のグローバル初期ポーズとをマージし、ポーズグラフにおいて、各点群は、相対的ポーズが1つのノードであり、相対制約によってバイナリ(binary)エッジを構成し、グローバル初期ポーズによって単項(unary)エッジを構成し、これにより第2の点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得する。
【0088】
本願において、ポーズグラフの最適化を行ってから輸出された各点群のグローバルポーズは、より滑らかになる。
【0089】
上記の実施例に基づき、以下、大規模の最適化の方法を提供し、同一空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化する。図5は、本願の実施例に係る他の高精度マップ作成方法のフローチャートである。図5のように、高精度マップ作成方法は、以下のステップを含む。
【0090】
S501、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得し、点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集されたマップ構築すべき場所の点群である。
【0091】
S502、個々の点群が誤差条件を満たすか否かを確定する。
【0092】
S503、複数の点群の空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けする。
【0093】
S504、点群の距離制限値に基づき、空間サブマップのうち共通観測点があり、グローバル初期ポーズの間の差の絶対値が距離制限値よりも小さい2つの点群を点群ペアに形成し、そのうち、点群ペアの重みは、点群ペアに含まれる点群ペアの時間的距離と負の関係がある。
【0094】
S501-S504の技術的効果や、技術的特徴、および選択的な実施形態は、図4に示したS401-S404の内容を参照することができ、ここで繰り返して説明しないようにする。
【0095】
S505、空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値以下である場合、空間サブマップにおける各点群ペアの点ペアを取得し、そのうち、誤差条件は、点群のタイムスタンプに対応するGPS衛星の数が第2の閾値を超えること、および点群の位置誤差が第3の閾値より小さいこと、を含む。
【0096】
本願の実施例により、比率閾値について、限定されない。実際の状況に応じて具体的に設定することができ、例示的に、0.5、0.8などに設定することができる。
【0097】
いくつかの実施例において、誤差条件を満たす点群の比率のほか、誤差条件を満たす点群の最小の外接長方形の面積と空間サブマップの最小の外接長方形の面積との比率も考慮に入れる必要がある。
【0098】
例示的に、上記の2つの比率閾値がいずれも0.8であることを例として、各空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率が0.8以上であり、または、誤差条件を満たす点群の最小の外接長方形の面積と空間サブマップの最小の外接長方形の面積との比率が0.8以下である場合、該空間サブマップにおける点群は、大規模の最適化を用いることができる。
【0099】
大規模の最適化において、サーバは、点群ペアに相対的ポーズを対応する数で入れ、該相対的ポーズにより、ディープニューラルネットワークモデル(DeepVCP)を利用して空間サブマップにおける各点群ペアの点ペア(Point Pair)を発見することができる。
【0100】
S506、空間サブマップにおける各点群ペアの点ペア、および、各点群ペアの重みに基づいて、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを取得する。
【0101】
図4に係る実施例と類似し、サーバは、まず、空間サブマップにおいて重みが第1の閾値より小さい第1の点群ペアを破棄してから、一般化反復最接近点アルゴリズムを使用して、空間サブマップにおいて第1の点群ペア以外の第2の点群ペアにおける各点ペアの点群の相対的ポーズを確定することができる。
【0102】
例示的に、以下の式を用いて各点群の相対的ポーズを確定することができ、
【数3】
そのうち、
【数4】
は、該ディープニューラルネットワークモデルによって該点ペアに対して予測した信頼性を表し、[R、t]、[R、t]は、それぞれi番目とj番目の点群のグローバル初期ポーズを表し、
【数5】
は、それぞれディープニューラルネットワークモデルの点ペアにおける任意の1つの点ペアkを表す。
【数6】
は、点群ペアのセットであり、
【数7】
は、ディープニューラルネットワークモデルに構築された点ペアセットである。
【0103】
S507、ポーズグラフによって、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと各点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージし、各点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得する。
【0104】
S507の技術的効果や、技術的特徴、および選択的な実施形態は、図4に示したS407の内容を参照することができ、ここで繰り返して説明しないようにする。
【0105】
本願において、ディープニューラルネットワークモジュールによって構築された点ペアは、より正確であり、点ペアの数をさらに減少させ、最適化問題の規模を小さくすることができる。
【0106】
上記の実施例に基づき、構築すべきマップのベースマップのスプライシングを完了した後に、また、ベースマップのスプライシング品質を検証することもできる。スプライシング品質が不合格である場合、2回反復の方式によって構築すべきマップのベースマップを再生成することができる。図6は、本願の実施例に係る他の高精度マップの作成方法のフローチャートである。図6に示すように、高精度マップ作成方法は、以下のステップを含む。
【0107】
S601、個々の点群のグローバル初期ポーズを取得し、点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集されたマップ構築すべき場所の点群である。
【0108】
S602、複数の点群の空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けする。
【0109】
S603、各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得る。
【0110】
S604、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づき、空間サブマップをスプライシングし、構築すべきマップのベースマップを得る。
【0111】
S601-S604の技術的効果や、技術的特徴、および選択的な実施形態は、図2に示したS201-S204の内容を参照することができ、ここで繰り返して説明しないようにする。
【0112】
S605、ベースマップ内の点群を複数の領域にしたがって区分けする。
【0113】
本願において、得られた構築すべきマップのベースマップには、再構築に参加するすべての点群のグローバルポーズが含まれており、このとき、ベースマップのスプライシング品質を検証することができる。具体的に、ベースマップ内のすべての点群を複数の領域に区分けし、1つの領域が1つのブロック又はシーンに近い範囲をカバーする。
【0114】
本願の実施例により、いかにして領域を区分けするかについて、限定されない。例示的に、プリセットの寸法に基づいて区分けしてもよく、マップでの建物に基づいて区分けしてもよい。
【0115】
S606、領域内の異なるサークルで収集された点群に対応する語義要素の位置偏差に基づき、領域のマルチサークル間の偏差を確定し、領域のマルチサークル間の偏差は、ベースマップのスプライシング品質を表徴するためのものである。
【0116】
そのうち、本願の実施例により、語義要素について、限定されない。例示的に、棒状の物、地面などであってもよい。
【0117】
本願の実施例において、サーバは、各領域における異なるサークルの語義要素を抽出し、同一領域に属する異なるサークルの間で収集された点群対応語義要素の間の位置偏差を推定することにより、マルチサークル間の偏差を確定でき、該マルチサークル間の偏差は、マップスプライシングの品質を反映している。
【0118】
S607、領域のマルチサークル間の偏差が第4の閾値より低い場合、点群検索距離と点群の距離制限値を拡大することにより、構築すべきマップのベースマップを再生成する。
【0119】
そのうち、本願の実施例により、第4の閾値について、限定されない。実際の状況に応じて具体的に設定することができる。
【0120】
本願において、サーバは、異なる領域のベースマップのスプライシング品質を評価することができ、マルチサークル間の偏差が第4の閾値より低い領域は、2回目の反復最適化に進め、このとき、該領域について、最適化結果品質の昇降に基づいて複数の異なる検索方向を選択することができる。
【0121】
具体的に、マルチサークル間の偏差について、前述の点群検索距離と点群の距離制限値を拡大することで2回目の反復を行うことができる。2回目の反復において、上記の点群の最適化及びベースマップのスプライシングしプロセスを再開して、マップのスプライシング品質が合格になるまで、マップのスプライシング品質を再検出する。
【0122】
本願の実施例に係る高精度マップの作成方法により、ベースマップ内の点群を複数の領域にしたがって区分けして、領域内の異なるサークルで収集された点群に対応する語義要素の位置偏差に基づき、領域のマルチサークル間の偏差を確定する。領域のマルチサークル間の偏差が第4の閾値より低い場合、点群検索距離と点群の距離制限値を拡大することにより、構築すべきマップのベースマップを再生成する。該方式により、マップスプライシングの最適化及び品質検出をブロック単位で完了することができ、品質検出の結果に基づいて点群検索距離と点群の距離制限値を拡大し、データの最適化を反復して完了させ、マップ作成の成功率を効果的に向上させることができる。
【0123】
当業者は、上記の方法の実施例を実現するステップのすべて又は一部は、プログラム情報に関連するハードウェアによって完了することができ、前述のプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、該プログラムが実行されたとき、上記の方法の実施例を含むステップが実行されるようになる。前述の記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスクまたはコンパクトディスクなどのプログラムコードを記憶可能な様々な媒体を含むと理解することができる。
【0124】
図7は、本願の実施例に係る高精度マップの作成装置の一構造概略図である。該高精度マップの作成装置は、ソフトウェア、ハードウェアまたは両者の組み合わせによって実現することができ、例えば、上記したサーバ又はサーバにおけるチップが、上記した通信方法を実行することに用いられてもよい。図7に示すように、該高精度マップの作成装置700は、取得モジュール701、最適化モジュール702、スプライシングモジュール703及び反復モジュール704を含む。
【0125】
取得モジュール701は、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するために使用されるものであり、点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集されたマップ構築すべき場所の点群であり、
最適化モジュール702は、複数の点群の空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けするために使用され、各空間サブマップに対して、空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得るために使用されるものであり、
スプライシングモジュール703は、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づき、複数の空間サブマップをスプライシングし、構築すべきマップのベースマップを得るために使用されるものである。
【0126】
一選択的な実施形態において、取得モジュール701は、具体的に、ホイールスピードメーターデータと慣性計測ユニットIMUデータにより、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズを取得し、少なくとも1つの時間サブマップを取得し、各時間サブマップは時間的に隣接する点群を含み、グローバル測位システムGPSデータ、時間的に隣接する2つの点群の間の相対的ポーズ、および、少なくとも1つの時間サブマップに基づき、第1のポーズグラフを生成し、そのうち、各点群は第1のポーズグラフにおける1つのノードとして表徴され、隣接する2つの点群は、第1のポーズグラフにおける隣接するノードとして表徴され、第1のポーズグラフを最適化し、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するために使用されるものである。
【0127】
一選択的な実施形態において、取得モジュール701は、具体的に、グローバル測位システムGPSデータ及び/又は慣性計測ユニットIMUデータにより、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得するために使用されるものである。
【0128】
一選択的な実施形態において、最適化モジュール702は、具体的に、点群の高さ方向での空間分布関係、および、点群の水平方向での空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けするために使用されるものである。
【0129】
一選択的な実施形態において、最適化モジュール702は、具体的に、高さ方向で、複数の高さでの点群の階層に基づき、同一層にある点群を同一空間サブマップに区分けし、水平方向で、複数の点群のグローバル初期ポーズで形成された軌跡に基づき、点群の無向グラフを得、最小カットアルゴリズムによって無向グラフを分割し、無向グラフ内の点群を複数の空間サブマップに区分けするために使用されるものである。
【0130】
一選択的な実施形態において、最適化モジュール702は、また、点群の距離制限値に基づき、空間サブマップのうち共通観測点があり、グローバル初期ポーズの間の差の絶対値が距離制限値よりも小さい2つの点群を点群ペアに形成し、そのうち、点群ペアの重みは、点群ペアに含まれる点群ペアの時間的距離と負の関係があるために使用されるものである。
【0131】
一選択的な実施形態において、最適化モジュール702は、具体的に、空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値より大きい場合、空間サブマップにおいて重みが第1の閾値より小さい第1の点群ペアを破棄し、そのうち、誤差条件は、点群のタイムスタンプに対応するGPS衛星の数が第2の閾値を超えること、および点群の位置誤差が第3の閾値より小さいことを含み、一般化反復最接近点アルゴリズムGICPを使用して、空間サブマップにおいて第1の点群ペア以外の第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを確定し、ポーズグラフによって、第2の点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと第2の点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージして、第2の点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得するために使用されるものである。
【0132】
一選択的な実施形態において、最適化モジュール702は、具体的に、空間サブマップのうち誤差条件を満たす点群の比率がプリセット比率閾値以下である場合、空間サブマップにおいて各点群ペアの点ペアを取得するためにしようされるものであり、そのうち、誤差条件は、点群のタイムスタンプに対応するGPS衛星の数が第2の閾値を超えること、および点群の位置誤差が第3の閾値より小さいことを含み、空間サブマップにおいて各点群ペアの点ペア、および、各点群ペアの重みに基づいて、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズを取得するために使用されるものであり、ポーズグラフによって、各点群ペアにおける各点群の相対的ポーズと各点群ペアにおける各点群のグローバル初期ポーズとをマージし、各点群ペアにおける各点群のグローバルポーズを取得するために使用されるものである。
【0133】
一選択的な実施形態において、該装置は、また、
ベースマップ内の点群を少なくとも1つの領域にしたがって区分けするために使用されるものであり、領域内の異なるサークルで収集された点群に対応する語義要素の位置偏差に基づき、領域のマルチサークル間の偏差を確定するために使用されるものであり、領域のマルチサークル間の偏差がベースマップのスプライシング品質を表徴するためのものであり、領域のマルチサークル間の偏差が第4の閾値より低い場合、点群検索距離と点群の距離制限値を拡大することにより、構築すべきマップのベースマップを再生成するために使用される反復モジュール704を含む。
【0134】
本願の実施例に係る高精度マップの作成装置は、上記の方法実施例における高精度マップの作成方法の動作を実行することができ、その実現原理や技術的効果が類似するため、ここで繰り返して説明しないようにする。
【0135】
本願の実施例によれば、本願は、さらに、電子機器及び可読記憶媒体を提供する。
【0136】
図8に示すように、図8は、本願の実施例に係る高精度マップの作成方法のための電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、作業台、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、大型コンピュータ、及びその他の適切なコンピュータなどのような、様々な形のデジタルコンピュータを表すことを主旨とする。電子機器は、また、パーソナルデジタルアシスタント、セルラーテレフォン、スマートフォーン、ウェアラブルデバイス及びその他の類似するコンピューティングデバイスなどのような、様々な形のモバイル装置を表すこともできる。本明細書に示したコンポーネント、それらの連結や関係、及び、それらの機能は、あくまで例示的なものにすぎず、本明細書に記載の及び/又は本文が求める本願の実現を制限することを意図しない。
【0137】
図8に示すように、該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ801、メモリ802、及び各コンポーネントを連結するためのインタフェースを含み、該インタフェースは、高速インタフェースと低速インタフェースとを含む。個々のコンポーネントは、異なるバスを使用して互いに接続され、パブリックメインボードにインストールされるか、又は、必要に応じて他の方式でインストールされることができる。プロセッサは、電子機器内で実行される命令を処理することができ、外部の入力/出力装置(インタフェースにカップリングされたディスプレイデバイスなど)でGUIのグラフィクス情報がディスプレイされるための、メモリ内又はメモリ上に記憶されている命令まで含まれている。他の実施形態において、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスや複数のメモリを複数のメモリと一緒に使用してもよい。同様に、複数の電子機器に接続し、個々の機器により、必要な操作を一部提供(例えば、サーバアレイ、一揃いのブレードサーバ、または、マルチプロセッサシステムとする)してもよい。図8には、1つのプロセッサ801を例としている。
【0138】
メモリ802は、本願に係る非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。そのうち、前記メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサが本願に係る高精度マップ作成方法を実行するようになる。本願の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ命令を記憶しており、該コンピュータ命令は、コンピュータが本願に係る高精度マップ作成方法を実行するようにさせるためのものである。
【0139】
メモリ802は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として、本願の実施例における高精度マップ作成方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、図面7に示すような取得モジュール701、最適化モジュール702、スプライシングモジュール703及び反復モジュール704)などの非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータによる実行可能なプログラムおよびモジュールを記憶するために使用されるものであってもよい。プロセッサ801は、メモリ802に記憶された非一時的なソフトウェアプログラム、命令およびモジュールを実行に移すことにより、サーバの様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行し、即ち、上記の方法の実施例における高精度マップ作成方法を実現するようになる。
【0140】
メモリ802は、プログラム記憶エリアとデータ記憶エリアとを含むことができ、そのうち、プログラム記憶エリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶エリアは、高精度マップ作成方法の電子機器の使用によって新規されるデータなどを記憶することができる。また、メモリ802は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又はその他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスなどの非一時的なメモリを含むこともできる。いくつかの実施例において、メモリ802は、プロセッサ801に対して遠隔に設置されているメモリを選択的に含むことができ、それらの遠隔メモリは、ネットワークを介し、高精度マップ作成方法の電子機器に接続されることができる。上記のネットワークの実例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0141】
高精度マップ作成方法の電子機器は、さらに、入力装置803及び出力装置804を含むことができる。プロセッサ801、メモリ802、入力装置803及び出力装置804は、バス又はその他の方式によって接続されてもよく、図8では、バスによって接続される方式を例としている。
【0142】
入力装置803は、入力された数字又はキャラクタ情報を受信し、高精度マップ作成方法の電子機器のユーザ設定、および機能制御に関連する鍵信号の入力を発生することができ、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、インディケータロッド、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、操縦ハンドルなどの入力装置が挙げられる。出力装置804は、ディスプレイデバイス、補助照明装置(LEDなど)や触感フィードバック装置(振動モータなど)などを含むことができる。該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイやプラズマディスプレイを含むことができるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスはタッチスクリーンであってもよい。
【0143】
ここに記載のシステムや技術的様々な実施形態は、デジタル電子回路、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現されてよい。それらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムに実施される形態を含むことができ、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行及び/又は解釈されることができ、該プログラマブルプロセッサは、特定用途向け、または、汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、少なくとも1つの出力装置から、データや命令を受信し、そして、データや命令を該記憶システム、該少なくとも1つの入力装置や、該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0144】
これらコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、または、コードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、これらのコンピュータプログラムをアドバンスプロセス及び/又はオブジェクト指向型プログラミング言語、及び/又はアセンブリ言語/機械言語を利用して実施することができる。例えば、本明細書に使用される用語「機械可読媒体」や「コンピュータ可読媒体」は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム製品、デバイス、及び/又は装置(磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジック装置(PLD)など)のことを指し、機械可読信号としての機械命令を受信する機械可読媒体を含む。用語「機械可読信号」は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号のことを指す。
【0145】
本開示の実施例の別の態様において、本開示の実施例はさらに、コンピュータプログラムをさらに提供し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、電子機器の少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータプログラムを読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータプログラムを実行することによって、電子機器に上記実施例に記載の方法を実行させる。
【0146】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここに記載のシステムや技術をコンピュータで実施することができ、該コンピュータは、ユーザへ情報をディスプレイするためのディスプレイ装置(CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニターなど)、及びキーボードやポインティングデバイス(マウス又はトラックボールなど)があり、ユーザは、該キーボードや該ポインティングデバイスを通じ、入力をコンピュータに提供することができる。その他の種類の装置は、ユーザとのインタラクションを提供するために使用されることができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形の感覚フィードバック(視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触感フィードバックなど)であってもよく、ユーザからの入力を任意の形(音入力、音声入力又は触感入力を含む)で受信することができる。
【0147】
ここに記載のシステムや技術は、バックグランドコンポーネントを含むコンピュータシステム(データサーバとして作用するなど)に、または、ミドルウェアコンポーネントを含むコンピュータシステム(アプリケーションサーバなど)に、または、フロントエンドコンポーネントを含むコンピュータシステム(図形式のユーザインタフェース、またはネットワークブラウザを備えるユーザコンピュータなど、ユーザは、該図形式のユーザインタフェース、または該ネットワークブラウザを通じてここに記載のシステムや技術に係る実施形態とインタラクションをすることができる)に、またはこのようなバックグランドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピュータシステムに実施されてもよい。システムのコンポーネントは、任意の形、または媒体のデジタルデータ通信(通信ネットワークなど)を通じて相互に接続することができる。通信ネットワークは、例示的に、ローカルエリアネットワーク(LAN)や、ワイドエリアネットワーク(WAN)及びインターネットを含む。
【0148】
コンピュータシステムは、クライアント端末やサーバを含むことができる。クライアント端末やサーバは、一般的に、互いに遠く離れており、通信ネットワークを通じてインタラクションをしている。対応するコンピュータでの実行、および、互いにクライアント端末・サーバという関係を有するコンピュータプログラムにより、クライアント端末とサーバとの関係を築き上げる。
【0149】
本願の実施例的技術的解決手段により、複数の点群のグローバル初期ポーズを取得し、点群は、マルチサークル収集方式を用いてレーザーレーダーにより収集されたマップ構築すべき場所の点群であり、複数の点群の空間分布関係に基づき、複数の点群を複数の空間サブマップに区分けし、各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、各空間サブマップにおける点群のグローバルポーズを得て、複数の空間サブマップにおける点群のグローバルポーズに基づいて、複数の空間サブマップをスプライシングし、構築すべきマップのベースマップを得る。従来技術と比較して、本願将複数のフレームの点群を複数の空間サブマップに区分けする、各空間サブマップに対して、該空間サブマップに属する点群のグローバル初期ポーズを最適化し、最適化プロセスの計算量を減少させ、ひいては、点群スプライシングの効率を向上させ、マップ作成の最適化を迅速に完了することができる。
【0150】
上記に示した様々な形のフローを使用し、ステップを改めて並べ替えたり、増加したり、又は削除したりすることができると理解するべきである。例えば、本願に記載の各ステップは、本願に開示された技術的解決手段による所期結果さえ実現されれば、並行して実行されてもよく、順に沿って実行されてもよく、又は順番を乱して実行されてもよいから、本文では、ここで限定されない。
【0151】
上記の具体的な実施形態は、本願の保護範囲に対する制限を構成しない。当業者であれば、設計要件やその他の要素に基づいた様々な修正、組み合わせ、下位組み合わせや代替が可能であると理解するべきである。本願の精神や原則の範囲内に行われるすべての修正、等価置換や改善は、いずれも本願の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8