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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】扱胴
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/22 20060101AFI20221028BHJP
【FI】
A01F12/22 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021100056
(22)【出願日】2021-06-16
(62)【分割の表示】P 2019193152の分割
【原出願日】2016-03-30
(65)【公開番号】P2021137032
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】佐村木 仁
(72)【発明者】
【氏名】正野 潤一
(72)【発明者】
【氏名】中畠 章博
(72)【発明者】
【氏名】乙倉 進
(72)【発明者】
【氏名】北岡 治正
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-231703(JP,A)
【文献】実公第002859(大正11年)(JP,Y1T)
【文献】特開2013-051902(JP,A)
【文献】特許第6009603(JP,B1)
【文献】特開2015-188435(JP,A)
【文献】実開昭50-035762(JP,U)
【文献】特開2009-207360(JP,A)
【文献】実開昭62-164744(JP,U)
【文献】国際公開第2010/047430(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/18 - 12/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴軸に固着された前側及び後側プレートと、前記扱胴軸の回りを覆う内部空間を形成するように前記前側及び後側プレートに取り付けられた遮蔽板と、棒状部材で形成した支持バー及び前記支持バーの長手方向に沿って間隙を存しつつ配置された複数の扱歯を含む複数の扱歯フレームとを備え、
前記遮蔽板は、径方向外方を向く複数の平坦面が前記扱胴軸の周方向に配列されるように前記扱胴軸の軸線方向に沿って視た際に多角形状を有しており、
前記支持バーは、前記複数の扱歯が固着される長尺のバー本体と、互いに対して前記バー本体の長手方向に離間されるように前記バー本体に設けられた複数の取付ブラケットとを有し、
前記バー本体が前記遮蔽板の平坦面との間に隙間を存した状態で前記遮蔽板の平坦面上に配置されるように前記取付ブラケットが前記遮蔽板の平坦面に締結部材によって着脱可能に固着されていることを特徴とする扱胴。
【請求項2】
記取付ブラケットは、前記バー本体を挟んで前記バー本体の幅方向一方側及び他方側へ延びる第1及び第2取付片を有し、
前記第1及び第2取付片に前記締結部材が挿通される取付孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の扱胴。
【請求項3】
前記複数の扱歯は、下端部が前記バー本体の低壁から前記扱胴軸の径方向内方へ延在され且つ上端部が前記バー本体の上壁から前記扱胴軸の径方向外方へ延在されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の扱胴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扱室に供給される刈取穀稈に対して脱穀処理を行う扱胴に関する。
【背景技術】
【0002】
扱室に供給される刈取穀稈に対して脱穀処理を行う扱胴として、扱胴軸の前部及び後部に固着された前側プレート及び後側プレートと、前記扱胴軸の周方向に沿って配置されるように前記前側プレート及び前記後側プレートに支持された複数の支持バーと、前記複数の支持バーのそれぞれに径方向外方へ延在するように設けられた複数の扱歯とを有する扱胴が提案されている(例えば下記特許文献1~10参照)。
【0003】
前記扱胴においては、前側プレート、後側プレート及び複数の支持バーによって形成される扱胴本体の内部空間に刈取穀稈が自由に入り込む為、刈取穀稈が前記扱胴軸や前記支持バーに巻き付きやすく、脱穀効率が悪化する可能性がある。
【0004】
なお、特許文献1~5には、前記支持バーとして中空のパイプ部材を用いること、並びに、前記中空パイプ部材の長手方向に直交する幅方向に取付孔を貫通させ、前記取付孔に扱歯を挿入させて前記扱歯を前記扱胴軸を基準とした径方向に関し外方へ延在させた状態で前記扱歯を径方向内側及び外側の2箇所で前記中空パイプ部材に固着させることが開示されている。
【0005】
前記特許文献1~10に記載の扱胴に対し、下記特許文献11には、扱胴軸の前部及び後部に固着された前側プレート及び後側プレートと、前記扱胴軸の周方向に沿って配置されるように前記前側プレート及び前記後側プレートに支持された複数の支持バーと、前記複数の支持バーのそれぞれに径方向外方へ延在するように設けられた複数の扱歯とを有する扱胴において、隣接する支持バー間の少なくとも一部を覆う板状の遮蔽板であって、隣接する支持バーの外周面同士を連結する仮想外表面よりも径方向内方に位置する遮蔽板を備えた扱胴が開示されている。
【0006】
前記特許文献11に記載の扱胴は、前記支持バーに支持された複数の扱歯による脱穀作用を得つつ、前記遮蔽板の存在によって刈取穀稈が扱胴本体の内部空間に入り込むことを有効に防止することができ、さらに、前記遮蔽板を前記仮想外表面より径方向内方に位置させることで、前記遮蔽板と扱室の内面との間の処理空間の可及的な拡大を図っている点において、有用である。
【0007】
しかしながら、前記特許文献11に記載の扱胴は、前記扱歯のメンテナンス及び/又は交換に関し、改善の余地がある。
脱穀処理に際し前記扱歯には大きな負荷が掛かる為、前記扱歯のメンテナンス及び/又は交換を行う必要が生じ得る。
前記特許文献11に記載の脱穀装置においては、前記前側プレート、前記後側プレート及び前記支持バーがフレーム体(扱胴本体)を形成しており、前記遮蔽板は、前記フレーム体に着脱自在に連結されている。
即ち、前記特許文献11に記載の構成においては、前記支持バー自体が扱胴本体を形成しており、前記支持バーを取り外すことは非常に厄介な作業となる。
【0008】
なお、隣接する支持バー間を遮蔽板によって覆うことで、扱胴本体の内部への刈取穀稈の侵入を防止することは、前記特許文献2にも開示されているが、この特許文献2に記載の構成においては、遮蔽板が支持バーに溶接固定されており、従って、支持バーのメンテナンス及び/又は交換作業はより厄介なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第4148978号公報
【文献】中国実用新案第ZL96204624.8号明細書
【文献】中国実用新案第ZL200320110474.9号明細書
【文献】中国実用新案第ZL200320111091.3号明細書
【文献】中国実用新案第ZL200720018949.X号明細書
【文献】中国実用新案第ZL96201207.6号明細書
【文献】中国実用新案第ZL01234314.5号明細書
【文献】中国実用新案第ZL02240781.2号明細書
【文献】中国実用新案第ZL200420041319.0号明細書
【文献】中国実用新案第ZL200420051275.X号明細書
【文献】特許第5437117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、支持バー及び前記支持バーに固着された複数の扱歯を有する扱歯フレームが扱胴軸の軸線回りに複数個、配置されている扱胴であって、内部空間への刈取穀稈の侵入を有効に防止しつつ、前記扱歯フレームのメンテナンス及び/又は交換を容易に行うことができる扱胴の提供を、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、扱胴軸に固着された前側及び後側プレートと、前記扱胴軸の回りを覆う内部空間を形成するように前記前側及び後側プレートに取り付けられた遮蔽板と、棒状部材で形成した支持バー及び前記支持バーの長手方向に沿って間隙を存しつつ配置された複数の扱歯を含む複数の扱歯フレームとを備え、前記遮蔽板は、径方向外方を向く複数の平坦面が前記扱胴軸の周方向に配列されるように前記扱胴軸の軸線方向に沿って視た際に多角形状を有しており、前記支持バーは、前記複数の扱歯が固着される長尺のバー本体と、互いに対して前記バー本体の長手方向に離間されるように前記バー本体に設けられた複数の取付ブラケットとを有し、前記バー本体が前記遮蔽板の平坦面との間に隙間を存した状態で前記遮蔽板の平坦面上に配置されるように前記取付ブラケットが前記遮蔽板の平坦面に締結部材によって着脱可能に固着されている扱胴を提供する。
【0012】
一形態においては、前記取付ブラケットは、前記バー本体を挟んで前記バー本体の幅方向一方側及び他方側へ延びる第1及び第2取付片を有し、前記第1及び第2取付片に前記締結部材が挿通される取付孔が形成される。
好ましくは、前記複数の扱歯は、下端部が前記バー本体の低壁から前記扱胴軸の径方向内方へ延在され且つ上端部が前記バー本体の上壁から前記扱胴軸の径方向外方へ延在される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る扱胴によれば、刈取穀稈が扱胴の内部空間に入り込むことを有効に防止しつつ、摩耗及び/又は損傷が生じた扱歯を含む一の扱歯フレームだけを前記扱胴から取り外すことができる。従って、摩耗及び/又は損傷が生じ易い扱歯を有する扱歯フレームのメンテナンス及び/又は交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る扱胴が適用され得るコンバインの左側面図である。
図2図2は、前記コンバインの右側面図である。
図3図3は、前記コンバインの平面図である。
図4図4は、前記コンバインの伝動模式図である。
図5図5は、前記扱胴の側面図である。
図6図6は、前記扱胴の斜視図である。
図7図7は、図5におけるVII-VII線に沿った断面図である。
図8図8は、図5におけるVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9図9は、図5におけるIX-IX線に沿った断面図である。
図10図10は、前記扱胴の分解斜視図であり、前方から視た状態を示している。
図11図11は、前記扱胴の分解斜視図であり、後方から視た状態を示している。
図12図12は、前記扱胴に備えられた扱歯フレームの斜視図である。
図13図13は、図5におけるXIII-XIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る扱胴の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施の形態に係る扱胴600が適用されるコンバイン1について説明する。
図1図4に、それぞれ、前記コンバイン1の左側面図、右側面図、平面図及び伝動模式図を示す。
【0016】
図1図4に示すように、前記コンバイン1は、走行機体10と、前記走行機体10に連結された左右一対の走行クローラ20と、前記走行機体10に載置されたエンジン25と、前記エンジン25から前記走行クローラ20へ至る伝動経路に介挿されたトランスミッション30と、前記走行機体10に載置された運転部40と、前記走行機体10の前方に連結された刈取部100と、前記刈取部100によって刈り取られた刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置200と、前記脱穀装置200によって生成された穀粒を貯留するグレンタンク50とを備えている。
【0017】
図1図3に示すように、前記運転部40は、前記走行機体10の前部で且つ機体幅方向一方側に配置されている。
なお、本実施の形態においては、機体幅方向一方側及び他方側は、それぞれ、前記コンバイン1の前進方向を向いて右側及び左側を意味する。
【0018】
前記運転部40は、操縦者が着座可能な運転席41と、前記運転席41の近傍に配置された種々の操作部材とを有している。
【0019】
前記操作部材は、前記コンバイン1の進行方向を変更させる操向操作部材42と、前記コンバイン1の走行速度を変更させる主変速操作部材43及び副変速操作部材44と、前記脱穀装置200の駆動及び停止を切り換え操作する脱穀クラッチ操作部材45と、前記刈取装置100の駆動及び停止を切り換え操作する刈取クラッチ操作部材46とを含んでいる。
【0020】
図1図3に示すように、前記エンジン25は、前記運転部40の下方の空間を利用して前記走行機体10に支持されている。
【0021】
前記エンジン25は、前記運転部40の下方空間において前記走行機体10に支持されたエンジン本体26と、前記エンジン本体26から機体幅方向他方側へ延在された第1出力軸27aと、前記エンジン本体26から機体幅方向一方側へ延在された第2及び第3出力軸27b、27cとを有している。
【0022】
前記トランスミッション30は、前記エンジン25から作動的に入力される回転動力を変速して、前記一対の走行クローラ20に向けて出力するように構成されている。
【0023】
図1及び図3に示すように、前記トランスミッション30は、前記エンジン25より前方において前記運転部40の下方に配置されている。
【0024】
詳しくは、前記トランスミッション30は、前記走行機体10に支持されるミッションケース31と、前記ミッションケース31から機体幅方向他方側へ延在されたトランスミッション入力軸32と、前記トランスミッション入力軸32を介して入力された回転動力を変速する変速機構とを有している。
【0025】
図4に示すように、本実施の形態においては、前記トランスミッション30は、前記変速機構として、前記主変速操作部材43への操作に応じて無段変速を行う油圧式無段変速装置(HST)等の主変速装置35(図4参照)と、前記主変速装置35から作動的に回転動力を入力して、前記副変速操作部材44への操作に応じて多段変速を行うギヤ式変速装置等の副変速装置(図示せず)とを有している。
なお、本実施の形態においては、前記HST35のポンプ軸が前記トランスミッション入力軸32として作用する。
【0026】
前記刈取装置100は、前記走行機体10に昇降自在に連結されており、昇降用油圧シリンダ装置60(図1参照)によって高さ調節可能とされている。
なお、前記昇降用油圧シリンダ装置60へは、前記エンジン25に付設される油圧ポンプ28(図4参照)から作動油が供給される。
【0027】
前記刈取装置100は、前記脱穀装置200における扱室201の前部に設けられた扱口に向けて刈取穀稈を送る搬送経路を画するフィーダハウス110と、前記フィーダハウス110内に配設された供給コンベア115と、前記フィーダハウス110の前端に連接された横長バケット状の穀物ヘッダー120と、前記穀物ヘッダー120内に配設された掻込オーガ125と、前記掻込オーガ125の前方且つ上方に配設されたタインバー付きの掻込リール130と、前記掻込オーガ125の前方且つ下方に配設された刈刃140とを有している。
【0028】
前記供給コンベア115は、搬送方向終端側(後方側)において機体幅方向に沿って配設された刈取入力軸116と、搬送方向始端側(前方側)において機体幅方向に沿って配設された刈取従動軸117と、前記刈取入力軸116に相対回転不能に支持された駆動側回転体118aと、前記刈取従動軸117支持された従動側回転体118bと、前記駆動側回転体118a及び前記従動側回転体118bに巻き回されたコンベア体118cとを有している。
【0029】
斯かる構成において、前記昇降用油圧シリンダ装置60(図1参照)は前記フィーダハウス110の下面と前記走行機体10との間に介挿されており、前記刈取装置100は、前記昇降用油圧シリンダ装置60によって前記刈取入力軸116回り昇降可能となっている。
【0030】
なお、図1図3に示すように、本実施の形態においては、前記刈取装置100は、さらに、前記穀物ヘッダー120の機体幅方向両側から前方へ延びる左右一対の分草体150を有している。
【0031】
前記構成により、前記左右一対の分草体150の間の未刈り穀稈は、穂先側が前記掻込リール130によって掻き込まれつつ、稈側が前記刈刃140によって刈り取られる。
前記刈刃140によって刈り取られた刈取穀稈は、前記掻込オーガ125によって前記穀物ヘッダー120内において前記フィーダハウス110の前端開口付近へ集約され、前記供給コンベア115によって前記フィーダハウス110の前端開口から後端開口へ向けて搬送され、前記扱口から前記扱室201内に投入される。
【0032】
本実施の形態に係る前記コンバイン1は、図1及び図4に示すように、前記供給コンベア115から送られてくる刈取穀稈を前記扱室201の扱口へ送り込むフロントロータ機構160を有している。
【0033】
前記フロントロータ機構160は、前記供給コンベア115の搬送終端と前記扱口との間において機体幅方向に沿ったフロントロータ駆動軸161と、前記フロントロータ駆動軸161に相対回転不能に支持されたフロントロータ(ビータ)162とを有しており、前記供給コンベア115の搬送終端へ搬送された刈取穀稈は前記フロントロータ162によって前記扱口から前記扱室201内に投入されるようになっている。
【0034】
図1及び図4等に示すように、前記脱穀装置200は、前記走行機体10に立設される機枠によって形成される前記扱室201と、前後方向に沿って配設された扱胴軸210と、前記扱胴軸210によって回転駆動される状態で前記扱室201内に収容された本実施の形態に係る扱胴600と、前記扱胴220の下方に配設された受網230(図1参照)とを備えている。
前記扱胴600の詳細については後述する。
【0035】
前記扱胴600によって刈取穀稈から脱穀された脱穀物のうち前記受網230の網目開口より小さい穀粒等の脱穀物は、前記受網230から漏下して、前記脱穀装置200における下記選別機構250によって選別処理を受ける。
一方、前記受網230の網目開口より大きい藁屑等の脱穀物は、前記扱胴220の搬送作用によって前記扱室201の後方に設けられた排塵口205から排出される。
【0036】
好ましくは、前記扱胴220の上方には取付角度変更可能な複数の送塵弁(図示せず)が設けられ、前記送塵弁の取付角度を変更することにより前記扱室201内の脱穀物の搬送速度が調整可能とされ得る。
【0037】
前記脱穀装置200は、さらに、前記受網230から漏下した脱穀物から穀粒を選別する前記穀粒選別機構250を有している。
【0038】
前記穀粒選別機構250は、前記受網230から漏下された脱穀物に対して比重選別を行う揺動選別体260と、前記揺動選別体260に向けて選別風を供給する選別風供給体280とを有している。
【0039】
前記揺動選別体260は、前記エンジン25から作動的に伝達される動力によって駆動される揺動選別駆動軸261と、前記揺動選別駆動軸261によって揺動される揺動選別盤265とを有している。
前記揺動選別盤265は、グレンパン、チャフシーブ、グレンシーブ及びストローラック等を含む。
【0040】
前記選別風供給体280は、前記エンジン25から作動的に伝達される動力によって駆動される唐箕軸281と、前記唐箕軸281によって駆動される唐箕ファン285とを有している。
【0041】
前記穀粒選別機構250は、さらに、前記揺動選別体260による比重選別作用及び前記選別風供給体280による風選別作用によって脱穀物から選別された穀粒(精粒等の一番物)を集約する一番樋301と、前記一番樋301内に配設された一番コンベア機構310と、前記一番コンベア機構310によって送られてくる一番物を前記グレンタンク50内に搬送する揚穀コンベア機構320と、前記脱穀物から穀粒及び藁の混合物(二番物)を集約する二番樋302と、前記二番樋302内に配設された二番コンベア機構330と、前記二番コンベア機構330によって送られてくる二番物を前記揺動選別盤265の選別始端側へ戻す二番還元コンベア機構340とを有している。
【0042】
ここで、前記コンバイン1における伝動構造について説明する。
図4に示すように、前記エンジン25の前記第2及び第3出力軸27b、27cは、それぞれ、前記油圧ポンプ28及び冷却ファン29を駆動する。
【0043】
一方、前記エンジン25の前記第1出力軸27aは、前記走行部材20を駆動する為の走行系回転動力を出力する。
【0044】
図4に示すように、前記第1出力軸27aは、プーリー伝動機構等の走行系無端体伝動機構400を介して前記トランスミッション入力軸32に作動連結されている。
【0045】
前記第1出力軸27aは、さらに、前記脱穀装置200及び前記刈取装置100を駆動する為の作業系回転動力も出力する。
【0046】
本実施の形態においては、作業系回転動力は、前記唐箕軸281の機体幅方向一方側に相対回転自在に外挿されたパイプ軸500を介して前記脱穀装置200及び前記刈取装置100に伝達されるようになっている。
【0047】
即ち、図4に示すように、前記唐箕軸281は、前記扱室201を形成する機枠に軸線回り回転自在に支持されており、前記唐箕軸281のうち、前記扱室201を形成する機枠より機体幅方向一方側へ延在された部分(前記唐箕軸281の機体幅方向一方側)に前記パイプ軸500が相対回転自在に外挿されている。
【0048】
斯かる構成において、前記第1出力軸27aは、プーリー伝動機構等の第1作業系無端体伝動機構410を介して前記パイプ軸500に作動連結されている。
【0049】
なお、図4に示すように、前記第1作業系無端体伝動機構410には、前記脱穀クラッチ操作部材45への操作に応じて、前記エンジン25から前記脱穀装置200及び前記刈取装置100への動力伝達を係脱させる脱穀クラッチ290が介挿されている。
【0050】
さらに、前記コンバイン1においては、図4に示すように、前記扱室201の前方において、機体幅方向に沿った扱胴入力軸510が設けられている。
【0051】
図4図5及び図7に示すように、前記扱胴入力軸510は、前記扱室201の前方に配置された伝動ケース520に軸線回り回転自在に支持されている。
【0052】
詳しくは、前記扱胴入力軸510は、機体幅方向一方側が前記伝動ケース520から外方へ延在されて、機体幅方向に関し前記運転部40及び前記脱穀装置200の間の間隙に位置し且つ機体幅方向他方側が前記伝動ケース520内に突入された状態で、前記伝動ケース520に軸線回り回転自在に支持されている。
【0053】
斯かる構成において、前記パイプ軸500は、プーリー伝動機構等の第2作業系無端体伝動機構420を介して前記扱胴入力軸510に作動連結されている。
【0054】
前記扱胴軸210は、図4に示すように、前端部が前記伝動ケース520内に突入されており、前記伝動ケース520内において前記扱胴入力軸510に作動連結されている。
【0055】
詳しくは、図4に示すように、前記扱胴入力軸510の機体幅方向他方側は前記伝動ケース520内で終焉されており、前記伝動ケース内においてベベルギヤ機構530を介して前記扱胴軸210の前端部に作動連結されている。
【0056】
さらに、前記コンバイン1においては、機体幅方向一方側が前記伝動ケース520内において前記扱胴入力軸510の機体幅方向他方側に軸線回り相対回転不能に連結された状態で機体幅方向に延びる作業系伝動軸540が設けられており、前記作業系伝動軸540を介して前記刈取装置100及び前記選別機構250に前記エンジン25からの回転動力が伝達されるようになっている。
【0057】
本実施の形態においては、前記作業系伝動軸540は前記ベベルギヤ機構530を利用して、前記扱胴入力軸510に軸線回り相対回転不能に連結されている。
【0058】
即ち、前記ベベルギヤ機構530の駆動側ベベルギヤには前記扱胴入力軸510の機体幅方向他方側が相対回転不能に挿入されるスプライン孔が設けられており、前記作業系伝動軸540は機体幅方向一方側が前記駆動側ベベルギヤのスプライン孔に挿入されることで前記扱胴入力軸510に軸線回り相対回転不能に連結されている。
【0059】
次に、前記作業系伝動軸540から前記刈取装置100への伝動構造について説明する。
前述の通り、前記コンバイン1は前記フロントロータ機構160を有しており、前記作業系伝動軸540から前記刈取装置100へは前記フロントロータ駆動軸161を介して動力伝達されている。
【0060】
前記作業系伝動軸540は、プーリー伝動機構等の第3作業系無端体伝動機構430を介して前記フロントロータ駆動軸161に作動連結されている。
【0061】
なお、図4に示すように、前記第3作業系無端体伝動機構430には、前記刈取クラッチ操作部材46への操作に応じて、動力伝達を係脱させる刈取クラッチ190が介挿されている。
【0062】
前記フロントロータ駆動軸161は、スプロケット伝動機構等の第4作業系無端体伝動機構440を介して前記刈取入力軸116に作動連結されている。
【0063】
なお、本実施の形態においては、図4に示すように、前記フロントロータ駆動軸161と前記刈取入力軸116との間に正逆転切換機構170が介挿されており、前記第4作業系無端体伝動機構440は前記フロントロータ駆動軸161から前記正逆転切換機構170に回転動力を伝達している。
【0064】
詳しくは、前記刈取入力軸116の機体幅方向他方側において前記刈取入力軸116と同軸上に刈取伝動軸105が配設されており、前記フロントロータ駆動軸161は前記第4作業系伝動機構455を介して前記刈取伝動軸105に作動連結されている。
そして、前記刈取伝動軸105と前記刈取入力軸116との間に前記正逆転切換機構170が介挿されている。
【0065】
前記穀物ヘッダー120には、機体幅方向に沿ったヘッダー駆動軸121と、前記掻込オーガ125を支持した状態で機体幅方向沿った掻込軸122とが設けられており、前記刈取入力軸116の機体幅方向一方側が前記ヘッダー駆動軸121にヘッダー駆動チェーン460を介して作動連結され、前記ヘッダー駆動軸121が掻込駆動チェーン461を介して前記掻込軸122に作動連結されている。
【0066】
前記掻込軸122は、前記掻込リール130を支持するリール軸131に作動連結されている。
詳しくは、前記掻込軸122は第1リール駆動チェーン465を介して中間軸466に作動連結され、前記中間軸466は第2リール駆動チェーン467を介して前記リール軸131に作動連結されている。
【0067】
さらに、前記ヘッダー駆動軸121は、刈刃駆動クランク機構470を介して前記刈刃140にも作動連結されている。
【0068】
次に、前記作業系伝動軸540から前記選別機構250への伝動構造について説明する。
図4に示すように、前記作業系伝動軸540は、プーリー伝動機構等の第5作業系無端体伝動機構450を介して前記唐箕軸281にも作動連結されている。
【0069】
本実施の形態においては、図4に示すように、前記唐箕軸281を介して、前記一番コンベア機構310、前記揚穀コンベア機構320、前記二番コンベア機構330、前記二番還元コンベア機構340及び前記揺動選別軸261へ回転動力が作動的に駆動されている。
【0070】
詳しくは、図4に示すように、前記一番コンベア機構310は、前記一番樋301内に配設された一番コンベア軸311と、前記一番コンベア軸311に設けられた一番コンベア312とを有している。
【0071】
前記揚穀コンベア機構320は、下端側が前記一番樋301の機体幅方向一方側に連通され且つ上端側が前記グレンタンク50の投入口に連通された揚穀筒325内に配設され、下端側が前記一番コンベア軸311に作動連結された揚穀軸321と、前記揚穀軸321に設けられた揚穀コンベア322とを有している。
【0072】
前記二番コンベア機構330は、前記二番樋302内に配設された二番コンベア軸321と、前記二番コンベア軸321に設けられた二番コンベア322とを有している。
【0073】
前記二番還元コンベア機構340は、下端側が前記二番樋302の機体幅方向一方側に連通され且つ上端側が前記揺動選別盤265の選別始端側へ向けて開口された二番還元筒345内に配設され、下端側が前記二番コンベア軸321に作動連結された二番還元軸341と、前記二番還元軸341に設けられた二番還元コンベア342とを有している。
【0074】
斯かる構成において、前記唐箕軸281の機体幅方向他方側が、コンベア用プーリー伝動機構480を介して前記一番コンベア軸311及び前記二番コンベア軸321の機体幅方向他方側に作動連結されている。
【0075】
さらに、前記二番コンベア軸321の機体幅方向他方側が、揺動選別用プーリー伝動機構485を介して前記揺動選別軸261の機体幅方向他方側に作動連結されている。
【0076】
以下、本実施の形態に係る前記扱胴600の詳細構造について説明する。
図5及び図6に、それぞれ、前記扱胴600の側面図及び斜視図を示す。
図7図9に、それぞれ、図5におけるVII-VI線、VIII-VIII線及びIX-IX線に沿った断面図を示す。
さらに、図10及び図11に、前記扱胴600の分解斜視図を示す。
【0077】
図10及び図11等に示すように、前記扱胴600は、前記扱胴軸210に固着された前側プレート620及び後側プレート630と、前記前側プレート620及び前記後側プレート630に巻き付けられた遮蔽板650と、前記遮蔽板650の外表面に着脱自在に固着される複数の扱歯フレーム700とを備えている。
【0078】
前記前側プレート620は、図10及び図11に示すように、前記扱胴軸210に相対回転不能に支持される前側径方向延在部621と、前記扱胴軸210の周方向に延びる前側周方向延在部625とを有している。
本実施の形態においては、前記前側周方向延在部625は、前記前側径方向延在部621の後面に溶接等によって固着されている。
【0079】
前記後側プレート630は、図10及び図11に示すように、前記前側径方向延在部621と対向するように前記扱胴軸210に固着された後側径方向延在部631と、前記扱胴軸210の周方向に延びる後側周方向延在部635とを有している。
本実施の形態においては、前記後側周方向延在部635は、前記後側径方向延在部621の前面に溶接等によって固着されている。
【0080】
前記遮蔽板650は、前記前側プレート620及び前記後側プレート630と共働して前記扱胴軸210の回りを覆う内部空間を形成するように前記前側プレート620及び前記後側プレート630に巻き付けられている。
【0081】
図8図11に示すように、前記遮蔽板650は前記扱胴軸210の周方向に分割された複数の分割遮蔽板を有している。
本実施の形態においては、前記遮蔽板650は前記扱胴軸210の周方向に略2分割された第1及び第2遮蔽板650(1)、650(2)を有している。
【0082】
前記扱歯フレーム700は、長尺の支持バー710と、前記支持バー710の長手方向に沿って間隙を存しつつ配置された複数の扱歯730とを有している。
【0083】
図5図11に示すように、前記複数の扱歯フレーム700は、当該複数の扱歯フレーム700の支持バー710が前記扱胴軸210に略平行な状態で前記扱胴軸210の周方向に間隔を存しつつ配置され且つ前記複数の扱歯730が径方向外方へ延びる姿勢で、前記遮蔽板650を挟んだ状態で前記前側プレート620及び前記後側プレート630に着脱自在に固着されている。
【0084】
図12に、前記扱歯フレーム700の拡大斜視図を示す。
図10図12等に示すように、前記支持バー710は、前記複数の扱歯730が固着される長尺のバー本体711と、互いに対して前記バー本体711の長手方向に離間されるように前記バー本体711に設けられた複数の取付ブラケット715とを有している。
【0085】
なお、本実施の形態においては、図12に示すように、前記バー本体711は中空の四角パイプとされている。
即ち、前記バー本体711は、前記扱胴600に装着された状態において、前記扱胴軸210の径方向内方及び外方にそれぞれ位置する低壁及び上壁711a、711bと、前記扱胴軸210の周方向一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1及び第2側壁711c、711dとを有している。
【0086】
前記取付ブラケット715は、前記扱胴軸210の軸線方向に関し、前記前側プレート620及び前記後側プレート630とそれぞれ同一位置に設けられた前側取付ブラケット715F及び後側取付ブラケット715Rを有している。
【0087】
前記前側取付ブラケット715F及び前記後側取付ブラケット715Rの各々は、前記バー本体711の低壁711aを挟んで前記バー本体711の幅方向一方側及び他方側へ延びる第1及び第2取付片715a、715bと、前記バー本体711の第1側壁711cと前記第1取付片とを連結する第1連結片715cと、前記バー本体711の第2側壁と前記第2取付片715bとを連結する第2連結片715dとを有している。
【0088】
図13に、図5におけるXIII-XIII線に沿った断面図を示す。
図13に示すように、前記複数の扱歯730は、下端部が前記バー本体711の低壁711aから前記扱胴軸210の径方向内方へ延在され且つ上端部が前記バー本体711の上壁711bから前記扱胴軸210の径方向外方へ延在された状態で前記バー本体711の前記低壁711a及び前記上壁711bに溶接等によって固着されている。
【0089】
図13に示すように、前記取付ブラケット715は、前記扱歯730の下端部が前記遮蔽板650と干渉しないように前記バー本体711の低壁711aと前記遮蔽板650との間に間隙765を存しつつ、前記バー本体711を前記遮蔽板650上に配置させ得るように構成されている。
【0090】
なお、図13においては、本実施の形態に係る前記扱胴600に任意的に備えられる下記第2中間取付ブラケット715C(2)が図示されている。
前記第2中間取付ブラケット715C(2)及び下記第1中間取付ブラケット715C(1)は、前記前側取付ブラケット715F及び前記後側取付ブラケット715Rと同一構成を有している。
【0091】
本実施の形態においては、前記扱歯フレーム700は、前記前側取付ブラケット620及び前記後側取付ブラケット630に巻き付けられた前記遮蔽板650の外表面上に配置されており、前記遮蔽板650を挟んだ状態で前記前側プレート620及び前記後側プレート630に着脱自在に固着されている。
【0092】
詳しくは、前記取付ブラケット715の前記第1及び第2取付片715a、715bにはボルト等の締結部材720が挿通される取付孔717(図12参照)が形成されている。
【0093】
前記遮蔽板650を構成する前記複数の分割遮蔽板650(1)、650(2)には、前記前側周方向延在部625及び前記後側周方向延在部635に巻き付けられた状態において対応する前記取付ブラケット715の取付孔717と対向する位置に、貫通孔652(図10及び図11参照)が形成されている。
【0094】
さらに、前記前側周方向延在部625及び前記後側周方向延在部635には、前記取付ブラケット715の取付孔717に対応する位置に、装着孔627が形成されている。
【0095】
斯かる構成において、前記複数の分割遮蔽板650(1)、650(2)が前記前側周方向延在部625及び前記後側周方向延在部635に巻き付けられた状態で前記複数の分割遮蔽板650(1)、650(2)の外表面上に配置された前記複数の扱歯フレーム700が、前記取付ブラケット715の取付孔717、前記遮蔽板650の貫通孔652、前記前側プレート620の装着孔627及び前記後側プレート630の装着孔627に挿通される前記締結部材720を介して、前記複数の分割遮蔽板650(1)、650(2)を挟んだ状態で前記前側周方向延在部625及び前記後側周方向延在部635に着脱自在に固着されている。
【0096】
ここで、図7図11に示すように、前記複数の分割遮蔽板650(1)、650(2)の各々の外表面上に複数の前記扱歯フレーム700が存するように、前記扱胴600に備えられる前記扱歯フレーム700の本数が前記分割遮蔽板650(1)、650(2)の枚数より大とされている。
【0097】
前述の通り、本実施の形態においては、前記遮蔽板650は前記第1及び第2分割遮蔽板650(1)、650(2)の2枚の分割遮蔽板を有しており、これに対し、前記扱歯フレーム700は6本、備えられている。
この場合、各分割遮蔽板650(1)、650(2)の外表面上に3本の前記扱歯フレーム700が配置される。
【0098】
斯かる構成によれば、前記遮蔽板650を設けることによって前記扱胴600の内部空間への刈取穀稈の侵入を有効に防止するという効果を得つつ、前記扱歯フレーム700のメンテナンス及び/又は交換を容易に行うことができる。
【0099】
即ち、刈取穀稈に対する扱ぎ処理において前記扱歯730に摩耗や損傷が生じる場合がある。
本実施の形態においては、前記遮蔽板650を構成する前記複数の分割遮蔽板650(1)、650(2)の各々の外表面上に複数(図示の形態においては3本)の前記扱歯フレーム700が配置され、前記複数(図示の形態においては3本)の扱歯フレーム700によって一枚の分割遮蔽板650(1)、650(2)が前記前側プレート620及び前記後側プレート630に締結部材720を介して着脱自在に固着されている。
【0100】
斯かる構成においては、摩耗や損傷が生じた扱歯730を含む一の扱歯フレーム700だけを、前記分割遮蔽板650(1)、650(2)が残りの扱歯フレーム700によって前記前側プレート620及び前記後側プレート630に装着されている状態のままで、取り外すことができる。
従って、扱歯730を有する扱歯フレーム700のメンテナス及び/又は交換作業を容易に行うことができる。
【0101】
本実施の形態においては、図5及び図6に示すように、前記複数の分割遮蔽板650(1)、650(2)の少なくとも一つには前記扱胴600の内部空間を外方に開放する開口(図示せず)が設けられており、前記開口は前記分割遮蔽板に締結部材656を介して着脱自在に装着されるカバー655によって覆われている。
斯かる構成によれば、前記扱胴600の内部空間にアクセスする必要が生じた際の作業性を向上させることができる。
【0102】
本実施の形態においては、図7図9等に示すように、前記前側周方向延在部625、前記後側周方向延在部635及び前記遮蔽板650は、径方向外方を向く複数の平坦面が前記扱胴軸210の周方向に配列されるように、前記扱胴軸210の軸線方向に沿って視た際に多角形状を有している。
本実施の形態においては、前記前側周方向延在部625、前記後側周方向延在部635及び前記遮蔽板650は前記扱胴軸210の軸線方向に沿って視た際に12面の前記平坦面800が周方向に配列されてなる12角形状を有している。
【0103】
そして、前記複数の扱歯フレーム700は、前記支持バー710が前記遮蔽板650の平坦面800上に位置された状態で、前記遮蔽板650を挟んで前記前側周方向延在部625及び前記後側周方向延在部635の対応する平坦面800に着脱可能に固着されている。
【0104】
斯かる構成によれば、以下の効果を得ることができる。
即ち、前述の通り、本実施の形態においては、前記扱歯フレーム700は、前記遮蔽板650の外表面上に位置された状態で、前記取付ブラケット715を介して前記遮蔽板650と共に前記前側プレート620及び前記後側プレート630に固着されている。
【0105】
斯かる構成においては、図13に示すように、前記扱胴軸210の径方向に関し、前記遮蔽板650の外表面と前記バー本体711の底壁711aの外表面(前記扱胴軸210を基準にして径方向内方を向く面)との間に、隙間765が生じ得る。
【0106】
前記扱胴600による刈取穀稈に対する脱穀処理に際し前記隙間765に刈取穀稈が挟まると、前記扱胴600の伝動構造に負荷が掛かると共に、脱穀効率が悪化する虞がある。
【0107】
この点に関し、本実施の形態におけるように、前記複数の扱歯フレーム700を前記遮蔽板650の平坦面800上に位置させれば、前記遮蔽板650における隣接する平坦面800の間に位置する角部810によって、刈取穀稈が径方向外方へ案内されて、前記隙間765に挟まることを有効に防止することができる。
【0108】
好ましくは、前記前側周方向延在部625、前記後側周方向延在部635及び前記遮蔽板650の前記平坦面800は、前記扱胴600に備えられる前記複数の扱歯フレーム700の本数の2倍の面数とされる。
【0109】
図7図9等に示すように、本実施の形態に係る前記扱胴600は、前記扱歯フレーム700を6本、有している。従って、前記平坦面800は12面とされる。
【0110】
その上で、一の扱歯フレーム700は前記遮蔽板650の一の平坦面上に位置され、前記一の扱歯フレーム700から前記扱胴軸210の周方向一方側に隣接する次の扱歯フレーム700は、前記一の平坦面800から前記扱胴軸210の周方向一方側へ2番目に隣接する平坦面800上に位置されている。
【0111】
また、本実施の形態においては、図7図9等に示すように、前記取付ブラケット715は、前記扱胴軸210の周方向に関し、対応する前記平坦面800内に収まるように構成されており、これにより、前記扱歯フレーム700の脱着作業の容易化を図っている。
【0112】
なお、本実施の形態においては、図10及び図11に示すように、前記扱胴600には、前記前側プレート620及び前記後側プレート630の間において前記扱胴軸210に相対回転不能に支持された第1中間プレート640(1)と、前記第1中間プレート640(1)及び前記後側プレート630の間において前記扱胴軸210に相対回転不能に支持された第2中間プレート640(2)とが設けられている。
【0113】
前記第1及び第2中間プレート640(1)、640(2)の各々は、前記扱胴軸210に相対回転不能に支持される中間径方向延在部641と、前記扱胴軸210の周方向に延びる中間周方向延在部645とを有している。
この場合、前記遮蔽板650を構成する前記複数の分割遮蔽板650(1)、650(2)は、前記前側周方向延在部625及び前記後側周方向延在部635に加えて、前記第1及び第2中間プレート640(1)、640(2)の前記中間週方向延在部645にも巻き付けられる。
【0114】
本実施の形態においては、図5図6図10及び図11等に示すように、前記支持バー710に設けられた前記取付ブラケット715は、前記前側取付ブラケット715F及び前記後側取付ブラケット715Rに加えて、前記第1及び第2中間プレート640(1)、640(2)にそれぞれ締結部材720を介して着脱自在に連結される第1及び第2中間取付ブラケットを有してい715C(1)、715C(2)る。
【0115】
即ち、本実施の形態においては、前記支持バー710に設けられた前記取付ブラケット715は、前記扱胴軸210の軸線方向に関し、前記前側プレート620、前記第1中間プレート640C(1)、前記第2中間プレート640C(2)及び前記後側プレート630とそれぞれ同一位置に配置された前記前側取付ブラケット715F、前記第1中間取付ブラケット715C(1)、前記第2中間取付ブラケット715C(2)及び前記後側取付ブラケット715Rを有している。
【0116】
前記遮蔽板650を構成する前記複数の分割遮蔽板650(1)、650(2)には、前記前側周方向延在部625、前記第1中間プレート640C(1)の前記中間周方向延在部645、前記第2中間プレート640C(2)の前記中間周方向延在部645及び前記後側周方向延在部635に巻き付けられた状態において、前記第1及び第2中間取付ブラケット715C(1)、715C(2)の取付孔717に対応する位置にも、貫通孔652(図10及び図11参照)が形成されている。
【0117】
前記第1中間プレート640(1)の中間周方向延在部645及び前記第2中間プレート640(2)の中間周方向延在部645には、それぞれ、対応する前記第1及び第2中間取付ブラケット715における取付孔に対向する位置に装着孔が形成されている。
【0118】
斯かる構成において、前記扱歯フレーム710は、前記遮蔽板650上に配置された状態で、締結部材720を介して前記前側プレート620及び前記後側プレート630に加えて前記第1及び第2中間プレート640C(1)、640C(2)にも着脱自在に固着されている。
【0119】
図5等に示すように、本実施の形態に係る扱胴600においては、前記遮蔽板650及び前記扱歯フレーム700によって形成される扱ぎ部600Bに加えて、前記扱ぎ部600Bよりも前方に、前記扱胴軸210の回転に伴って刈取穀稈を前記扱ぎ部600Bへ向けて搬送する掻込部600Aが設けられている。
【0120】
前記掻込部600Aは、前記扱胴軸210の回転に応じて刈取穀稈を前記扱ぎ部600Bへ向けて搬送する複数の螺旋羽根760であって、前記扱胴軸210の軸線回りに等間隔に配置された複数の螺旋羽根760を有している。
本実施の形態においては、図5図11等に示すように、前記掻込部600Aは、前記扱胴軸210に相対回転不能に支持され且つ後端面において前記前側プレート620に締結部材を介して連結される切頭円錐状のドラム体750を備えており、前記複数の螺旋羽根760は前記ドラム体750の外周面に設けられている。
【符号の説明】
【0121】
210 扱胴軸
600 扱胴
620 前側プレート
630 後側プレート
650 遮蔽板
700 扱歯フレーム
710 支持バー
711 バー本体
715 取付ブラケット
730 扱歯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13