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特許7166438450nm以下の波長を制限する白色光源および照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】450nm以下の波長を制限する白色光源および照明装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/56 20100101AFI20221028BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20221028BHJP
   F21K 9/27 20160101ALI20221028BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20221028BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221028BHJP
【FI】
H01L33/56
H01L33/50
F21K9/27
F21V9/38
F21Y115:10
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021513286
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 KR2019014594
(87)【国際公開番号】W WO2020101231
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2018-0139897
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515242984
【氏名又は名称】ジーエルビーテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハン ト
(72)【発明者】
【氏名】キム、ピョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ヨン シク
(72)【発明者】
【氏名】パク、グエン リョル
(72)【発明者】
【氏名】パク、ウン ミ
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ヨン ソン
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-054989(JP,A)
【文献】特開2004-253745(JP,A)
【文献】特開2017-139464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
50nm~490nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオード素子、および
前記青色発光ダイオード素子を封止する封止層
を備える白色光源を含んで構成され、
前記封止層には、
前記青色発光ダイオード素子と共に白色発光を実現する一つ以上の蛍光体と、
450nm以下の波長の光を遮断する遮断剤とが散布され、
450nm~490nmの波長での第1ピーク領域および前記第1ピーク領域と結合して白色発光を形成する第2ピーク領域を形成しつつ、前記450nm以下の波長は制限することを特徴とする、450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項2】
前記遮断剤は、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)を基本元素として構成されたポルフィリン(Porphyrin)系、フタロシアニン(Phthalocyanine)系、クマリン(Coumarin)系から選択された化学物質を含んで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項3】
前記遮断剤は、前記化学物質と共に金属(Metal)物質を含んで構成されることを特徴とする、請求項2に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項4】
前記金属(Metal)物質として、バナジウム(V)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、インジウム(In)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、銀(Ag)、スズ(Sn)、チタニウム(Ti)のうち1種または2種以上が含まれることを特徴とする、請求項3に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項5】
前記遮断剤は、ポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成されることを特徴とする、請求項4に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項6】
前記遮断剤の重量比は、前記蛍光体および遮断剤の全体重量の1%~10%の範囲内にあることを特徴とする、請求項5に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項7】
前記封止層には、
500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、および
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項8】
前記封止層には、
561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項9】
前記封止層には、
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項10】
前記封止層には、
561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、および
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項11】
前記白色照明装置は、相関色温度(CCT)2700K~7000Kの範囲内にある白色光が発光されることを特徴とする、請求項1に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項12】
前記青色発光ダイオード素子は470nm~490nmの発光ピーク波長を有し、
前記封止層には、
前記遮断剤なしに前記500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体のうちの1種または2種以上散布され、
450nm以下の波長の光を制限しつつ白色発光することを特徴とする、請求項1に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項13】
前記白色光源が取り付けられる基板、
前記基板を内蔵し、前記白色光源から発光される光を透過させる透光部材、および
前記基板と電気的に接続され、前記白色光源を駆動させるための電源を供給する連結部材
をさらに含んで蛍光灯形状または平板形状で実現されることを特徴とする、請求項1に記載の450nm以下の波長を制限する白色照明装置。
【請求項14】
50nm~490nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオード素子、および
前記青色発光ダイオード素子を封止する封止層
を含んで構成され、
前記封止層には、
前記青色発光ダイオード素子と共に白色発光を実現する一つ以上の蛍光体と、
450nm以下の波長の光を遮断する遮断剤とが散布され、
450nm~490nmの波長での第1ピーク領域および前記第1ピーク領域と結合して白色発光を形成する第2ピーク領域を形成しつつ、前記450nm以下の波長は制限することを特徴とする、450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項15】
前記遮断剤は、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)を基本元素として構成されたポルフィリン(Porphyrin)系、フタロシアニン(Phthalocyanine)系、クマリン(Coumarin)系から選択された化学物質を含んで構成されることを特徴とする、請求項14に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項16】
前記遮断剤は、前記化学物質と共に金属(Metal)物質を含んで構成されることを特徴とする、請求項15に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項17】
前記金属(Metal)物質として、バナジウム(V)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、インジウム(In)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、銀(Ag)、スズ(Sn)、チタニウム(Ti)のうち1種または2種以上が含まれることを特徴とする、請求項16に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項18】
前記遮断剤は、ポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成されることを特徴とする、請求項17に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項19】
前記遮断剤の重量比は、前記蛍光体および遮断剤の全体重量の1%~10%の範囲内にあることを特徴とする、請求項18に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項20】
前記封止層には、
500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、および
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、請求項14に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項21】
前記封止層には、
561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体が含まれることを特徴とする、請求項14に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項22】
前記封止層には、
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、請求項14に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項23】
前記封止層には、
561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、および
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、請求項14に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項24】
関色温度(CCT)2700K~7000Kの範囲内にある白色光が発光されることを特徴とする、請求項14に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項25】
前記青色発光ダイオード素子は470nm~490nmの発光ピーク波長を有し、
前記封止層には、
前記遮断剤なしに前記500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、および561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体のうちの1種または2種以上散布され、
450nm以下の波長の光を制限しつつ白色発光することを特徴とする、請求項14に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【請求項26】
前記白色光源が取り付けられる基板、
前記基板を内蔵し、前記白色光源から発光される光を透過させる透光部材、および
前記基板と電気的に接続され、前記白色光源を駆動させるための電源を供給する連結部材
をさらに含んで蛍光灯形状で実現されることを特徴とする、請求項14に記載の450nm以下の波長を制限する白色光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 色光源および照明装置に関し、より具体的には、露光工程などで用いられる450nm以下の波長の光を制限しつつも白色光を実現することができる450nm以下の波長を制限する白色光源および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体およびPCBなどを製作するためには、フォトレジスト(photoresist)を露光させて回路パターンを形成する露光工程(lithography process)を経る。よって、半導体およびPCBの製造時、露光工程が進行する露光ルームに設けられる照明灯は、露光工程で用いられるフォトレジストに反応する波長の光を発光してはいけない。
【0003】
より具体的には、半導体露光工程においては、製品特性に合わせて、450nm以下の波長の光を用いて回路パターンを形成する(例えば、g線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)など)。このことから、従来の半導体およびPCBの製造ラインにおいて、露光工程が進行する露光ルームにおいては、前記450nm以下の波長を制限して露光工程での不良の発生を防止したのである。
【0004】
より具体的には、従来には露光工程で用いられる400~700nm波長を含む白色蛍光灯に450nm波長の光を遮断するフィルムやプラスチックカバーなどを覆わせた照明灯を用いており、この時、前記フィルムやプラスチックカバーは黄色を帯びつつ、図1(a)に示すように黄色の照明環境をなすところ、このため、露光工程をイエロー(yellow)工程とも呼ぶようになった。
【0005】
より具体的には、黄色の発光がなされる従来の露光ルーム用の蛍光灯400は、図2に示すようにガラス管からなるボディ410の端部に備えられた電極420から高圧の水銀放電を通じて発光がなされるようになり、ボディ410を囲む波長遮蔽フィルム430が発光時に特定領域の波長帯、すなわち、450nm以下の波長帯を遮断するため、露光ルームに適用されてもフォトレジストに反応しないので露光工程の進行に支障がないものであった。
【0006】
しかし、従来の露光ルーム用の蛍光灯400は、ボディ410内に水銀440を含有するので環境汚染の原因になるという問題があり、高圧放電過程で電極420に塗布されたエミッタ(emitter)が蒸発するのでその寿命を長期間維持できないという問題があり、ボディ410を囲む波長遮蔽フィルム430が時間の経過と伴って光反応を引き起こして遮断すべき波長帯が漏れる危険があるという問題もあった。
【0007】
さらには、従来の露光ルーム用の蛍光灯400は、前記波長遮蔽フィルム430を取り付けるための追加工程が発生して単価が上昇し、特に露光工程での黄色照明は作業者の疲労度の増加、作業能力および効率の低下および長時間露出時の視認性の低下などの問題をもたらしうるため、多くの関連会社などでは露光工程に適用できる白色照明を実現しようと持続的な試みをしているものの、それに対する適切な解決策が未だに提示できていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような従来技術の問題を解決するためのものであり、露光工程などで用いられる450nm以下の波長の光を制限しつつも白色光を実現することができる450nm以下の波長を制限する白色光源および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を達成するために、本発明に係る450nm以下の波長を制限する白色照明装置は、 450nm~490nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオード素子、および前記青色発光ダイオード素子を封止する封止層を備える白色光源を含んで構成され、前記封止層には、前記青色発光ダイオード素子と共に白色発光を実現する一つ以上の蛍光体と、450nm以下の波長の光を遮断する遮断剤とが散布され、450nm~490nmの波長での第1ピーク領域および前記第1ピーク領域と結合して白色発光を形成する第2ピーク領域を形成しつつ、前記450nm以下の波長は制限することを特徴とする。
【0010】
この時、前記遮断剤は、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)を基本元素として構成されたポルフィリン(Porphyrin)系、フタロシアニン(Phthalocyanine)系、クマリン(Coumarin)系から選択された化学物質を含んで構成されてもよい。
【0011】
また、前記遮断剤は、前記化学物質と共に金属(Metal)物質を含んで構成されてもよい。
【0012】
この時、前記金属(Metal)物質として、バナジウム(V)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、インジウム(In)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、銀(Ag)、スズ(Sn)、チタニウム(Ti)のうち1種または2種が含まれることが好ましい。
【0013】
さらに、前記遮断剤は、ポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成されてもよい。
【0014】
さらに、前記遮断剤の重量比は、前記蛍光体および遮断剤の全体重量の1%~10%の範囲内にあることが好ましい。
【0015】
また、前記封止層には、500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、および621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれてもよい。
【0016】
また、前記封止層には、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体が含まれてもよい。
【0017】
また、前記封止層には、621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれてもよい。
【0018】
また、前記封止層には、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、および621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれてもよい。
【0019】
また、前記白色照明装置は、相関色温度(CCT)2700K~7000Kの範囲内にある白色光が発光されてもよい。
【0020】
また、前記青色発光ダイオード素子は470nm~490nmの発光ピーク波長を有し、前記封止層には、前記遮断剤なしに前記500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体のうちの1種または2種以上散布され、450nm以下の波長の光を遮断しつつ白色発光してもよい。
【0021】
また、前記白色光源が取り付けられる基板、前記基板を内蔵し、前記白色光源から発光される光を透過させる透光材、および前記基板と電気的に接続され、前記白色光源を駆動させるための電源を供給する連結部をさらに含んで蛍光灯形状または平板形状で実現されてもよい。
【0022】
本発明の他の側面による450nm以下の波長を制限する白色光源は、450nm~490nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオード素子、および前記青色発光ダイオード素子を封止する封止層を含んで構成され、前記封止層には、前記青色発光ダイオード素子と共に白色発光を実現する一つ以上の蛍光体と、450nm以下の波長の光を遮断する遮断剤とが散布され、450nm~490nmの波長での第1ピーク領域および前記第1ピーク領域と結合して白色発光を形成する第2ピーク領域を形成しつつ、前記450nm以下の波長は制限することを特徴とする。
【0023】
この時、前記遮断剤は、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)を基本元素として構成されたポルフィリン(Porphyrin)系、フタロシアニン(Phthalocyanine)系、クマリン(Coumarin)系から選択された化学物質を含んで構成されてもよい。
【0024】
また、前記遮断剤は、前記化学物質と共に金属(Metal)物質を含んで構成されてもよい。
【0025】
この時、前記金属(Metal)物質として、バナジウム(V)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、インジウム(In)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、銀(Ag)、スズ(Sn)、チタニウム(Ti)のうち1種または2種が含まれることが好ましい。
【0026】
さらに、前記遮断剤は、ポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成されてもよい。
【0027】
さらに、前記遮断剤の重量比は、前記蛍光体および遮断剤の全体重量の1%~10%の範囲内にあることが好ましい。
【0028】
また、前記封止層には、500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、および621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれてもよい。
【0029】
また、前記封止層には、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体が含まれてもよい。
【0030】
また、前記封止層には、621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれてもよい。
【0031】
また、前記封止層には、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、および621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれてもよい。
【0032】
また、前記白色照明装置は、相関色温度(CCT)2700K~7000Kの範囲内にある白色光が発光されてもよい。
【0033】
また、前記青色発光ダイオード素子は470nm~490nmの発光ピーク波長を有し、前記封止層には、前記遮断剤なしに前記500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体のうちの1種または2種以上散布され、450nm以下の波長の光を遮断しつつ白色発光してもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源および照明装置は、450nm以下の波長を制限しつつも白色光を実現することができ、さらに露光工程などの進行時に白色照明環境で工程を行うことができるようにして作業者の疲労度の増加、作業能力および効率の低下および長時間露出時の視認性の低下などの問題を改善できるだけでなく、波長遮蔽フィルムなどを取り付けるための追加工程によって発生しうる製造単価の上昇も防止できるという効果を有する。
【0035】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付図面は、本発明に対する実施形態を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来の露光ルームでの照明環境と本発明に係る露光ルームでの照明環境を例示する図である。
図2】従来の露光ルーム用の照明灯を例示する図である。
図3】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源の断面図である。
図4】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の分解図である。
図6】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置のスペクトルを示すグラフである。
図7a】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源で用いられるポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成された1種の遮断剤の分子式の例示図である。
図7b】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源で用いられるポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成された1種の遮断剤の波長別の吸収、透過グラフである。
図8】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源の断面図である。
図9】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の構成別の特性実験値を示す図である。
図10a図10a~図10gは本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の発光スペクトルである。
図10b】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の発光スペクトルである。
図10c】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の発光スペクトルである。
図10d】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の発光スペクトルである。
図10e】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の発光スペクトルである。
図10f】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の発光スペクトルである。
図10g】本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置の発光スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、様々な変換を加えてもよく、種々の実施形態を有しても良いところ、以下では、特定の実施形態を添付された図面に基づいて詳細に説明することにする。
【0038】
以下の実施形態は、本明細書に記述された方法、装置および/またはシステムに関する包括的な理解を助けるために提供される。但し、これは例示に過ぎず、本発明はこれに制限されるものではない。
【0039】
本発明の実施形態を説明するにおいて、本発明と関連した公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。そして、後述の用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などに応じて異なりうる。よって、その定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて下されなければならない。詳細な説明で用いられる用語は、単に本発明の実施形態を記述するためのものであって、決して制限的なものではない。明確に別の意味でない限り、単数形態の表現は複数形態の意味を含む。本説明において、「含む」または「備える」のような表現は、ある特性、数字、ステップ、動作、要素、これらの一部または組み合わせを示すためのものであって、記述されたもの以外に一つまたはそれ以上の他の特性、数字、ステップ、動作、要素、これらの一部または組み合わせの存在または可能性を排除するように解釈してはいけない。
【0040】
また、第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するのに用いられるが、前記構成要素は前記用語によって限定されるものではなく、前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ用いられる。
【0041】
以下では、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源および照明装置の例示的な実施形態を添付された図面を参照して詳しく説明する。
【0042】
先ず、図3は、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源100の断面図を例示している。
【0043】
図3に示すように、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源100は、450nm~490nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130および前記青色発光ダイオード素子130を封止する封止層140を含んで構成され、この時、前記封止層140には、前記青色発光ダイオード素子130と共に白色発光を実現する一つ以上の蛍光体150と、450nm以下の波長の光を遮断する遮断剤160とが散布され、450nm~490nmの波長での第1ピーク領域および前記第1ピーク領域と結合して白色発光を形成する第2ピーク領域を形成しつつも、450nm以下の波長は制限して、露光工程を進行する露光ルームなどにおいても使用が可能な白色光源100および照明装置10を提供できるようになる。
【0044】
また、図4は、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10の斜視図を例示し、図5は、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10の分解図を例示している。
【0045】
図4および図5に示すように、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、前記白色光源100が取り付けられる基板200、前記基板200を内蔵し、前記白色光源100から発光される光を透過させる透光部材300、および前記基板200と電気的に接続され、前記白色光源100を駆動させるための電源を供給する連結部材310を含んで蛍光灯形状または平板形状で実現することができる。しかし、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、この他に、本発明は露光工程が進行すれる露光ルームで使用される照明灯のように450nm以下の波長が制限させる様々な形状で実現することができる。
【0046】
以下では、図3図5を参照して、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源100および照明装置10を各構成別に分けて詳しく説明する。
【0047】
先ず、図3は、本発明の好ましい実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源100の断面図を例示している。
【0048】
図3に示すように、本発明の好ましい実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源100は、ベース基板110上に取り付けられたLEDチップなどの発光ダイオード素子130を含む。それにより、前記450nm以下の波長を制限する白色光源100は、表面実装方式(SMT)でボールグリッド接合210され、金属基板(metal PCB)などの種々の基板200上に取り付けられる。勿論、図3のパッケージ構造は本発明の一つの実施形態として例示したものであって、この他に他のパッケージング方式によっても構成可能である。
【0049】
前記450nm以下の波長を制限する白色光源100のベース基板110上には、所定の形状、例えば、円錐形状のフレーム170が設けられ、前記フレーム170の内面には、前記発光ダイオード素子130から放出される光を効率的に反射させるためのリフレクタ(reflector)が備えられる。また、図示してはいないが、前記発光ダイオード素子130の電極は、ボンディングワイヤなどを介してベース基板110上の金属配線と電気的に接続される。
【0050】
また、前記封止層140には前記青色発光ダイオード素子130の励起波長によって励起されて発光する一つ以上の蛍光体150が含まれ、前記青色発光ダイオード素子130と共に白色発光を実現することができ、特に前記封止層140には露光工程などで用いられる450nm以下の波長を遮断する遮断剤160が前記蛍光体150と共に散布されるようになる。
【0051】
さらに、前記封止層140において、前記遮断剤160の重量比は、前記蛍光体150および遮断剤160の全体重量の1%~10%の範囲内にあることが好ましい。
【0052】
この時、前記封止層140には、500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体151、および621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体153が前記遮断剤160と共に散布される。
【0053】
また、前記封止層140には、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体が含まれて前記遮断剤160と共に散布されることもできる。
【0054】
また、前記封止層140には、621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれて前記遮断剤160と共に散布されることもできる。
【0055】
また、前記封止層140には、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、および621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれて前記遮断剤160と共に散布されることもできる。
【0056】
より具体的には、本発明において、前記第1~第3蛍光体151,152,153などの蛍光体150は、好ましくは、粉状として提供される。それにより、前記封止層140は、前記蛍光体150を分散および固定しつつ前記発光ダイオード素子130を密封する透明樹脂を含んで構成されることができる。
【0057】
本発明において、前記透明樹脂としては、通常のシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などを用いることができる。
【0058】
本発明には前記一つ以上の蛍光体150が備えられて前記青色発光ダイオード素子130と共に白色発光を実現するようになる。
【0059】
この時、白色発光を実現するためには青色、緑色、赤色の光が適切に組み合わせられなければならないが、本発明では用いられる波長が露光工程などで用いられる450nm以下の波長領域を侵さないことが好ましいため、前記青色発光ダイオード素子130は450nm~490nmの発光ピーク波長を有するものに制限される。
【0060】
すなわち、図6に示すように、従来には発光ダイオードを用いて白色発光素子を実現する場合(図6の(A))、450nm以下の波長の青色発光ダイオード素子を用いて青色波長において第1ピーク領域を形成(図6の(A1))し、また、黄色蛍光体などを用いて黄色波長において第2ピーク領域を形成(図6の(A2))して白色発光を実現したが、本発明においては、露光工程などで用いられる450nm以下の波長領域を制限して450nm~490nmの発光ピーク波長を有することが好ましい。
【0061】
それにより、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源100および照明装置10においては(図6の(B))、450nm~490nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130を用いて450nm~490nmの波長において第1ピーク領域を形成(図6の(B1))し、また一つ以上の蛍光体150を用いて前記第1ピーク波長と結合して白色発光を形成する第2ピーク領域(図6の(B2))において発光しつつ前記第1ピーク領域と結合して白色発光を実現することを特徴とする。
【0062】
それにより、本発明において、前記一つ以上の蛍光体150は、前記青色発光ダイオード素子130による450nm~490nmの波長での第1ピーク領域と結合して白色発光を形成できる蛍光体150に限定して選択しなければならない。
【0063】
さらに、本発明において、前記一つ以上の蛍光体150は、互いに異なる組成を有する一つ以上の蛍光物質から構成されることができる。
【0064】
より具体的には、本発明において、前記第1蛍光体151は、前記発光ダイオード素子130の発光によって励起されて500~560nmの範囲でピーク波長を有する光を放出することができる。前記第1蛍光体151の発光ピーク波長は、前記発光ダイオード素子130から放出される光のピーク波長より大きい。
【0065】
本発明において、前記第1蛍光体151としては、下記(化学式1)または(化学式2)で表される蛍光体のうち一つを用いるか、または下記(化学式1)または(化学式2)の複数の蛍光体の組み合わせを用いることが好ましい。
【0066】
(化学式1)
Al、Luを基本とするGarnet構造の蛍光体として、
さらに、Al5Lu3O12:Ce++を用いることができる。
【0067】
(化学式2)
Si、O、Nを基本とする酸窒化物系蛍光体として、
さらに、Si6-ZAlZOZN8-Z:Eu++(Z=0.1~0.3)を用いることができる。
【0068】
また、本発明において、前記第2蛍光体152は前記発光ダイオード素子130の発光によって励起されて561~620nmの範囲でピーク波長を有する光を放出し、前記第2蛍光体152としては下記(化学式3)~(化学式5)で表される蛍光体を単独でまたは組み合わせて用いることができる。
【0069】
(化学式3)
Y、Alを基本とするGarnet構造の蛍光体として、
さらに、Y3Al5O12:Ce+++を用いることができる。
【0070】
(化学式4)
SrまたはBaまたはCa、Siを基本とするSilicate系蛍光体として、
さらに、(Sr、Ba、Ca)2SiO4:Eu++を用いることができる。
【0071】
(化学式5)
Si、Al、O、Nを基本とする酸窒化物系蛍光体として、
さらに、CaSiAlON:Eu++を用いることができる。
【0072】
また、本発明において、前記第3蛍光体153は前記発光ダイオード素子130の発光によって励起されて621~670nmの範囲でピーク波長を有する光を放出し、前記第3蛍光体153も下記(化学式6)または(化学式7)で表される蛍光体を単独でまたは組み合わせて用いることができる。
【0073】
(化学式6)
Ca、Si、Nを基本とする窒化物系蛍光体として、
さらに、CaAlSiN3:Eu++を用いることができる。
【0074】
(化学式7)
SrまたはCa、Si、Nを基本とする窒化物系蛍光体として、
さらに、(Sr、Ca)AlSiN3:Eu++を用いることができる。
【0075】
特に、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源100および照明装置10においては、前記封止層140には前記一つ以上の蛍光体150と共に遮断剤160が散布され、450nm以下の波長の光を遮断しつつも白色光を実現できるようになる。
【0076】
この時、前記遮断剤160は、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)を基本元素として構成されたポルフィリン(Porphyrin)系、フタロシアニン(Phthalocyanine)系、クマリン(Coumarin)系から選択された化学物質を含んで構成されることができる。
【0077】
また、前記遮断剤160は、前記化学物質と共に金属(Metal)物質を含んで構成されることもできる。
【0078】
この時、前記金属(Metal)物質として、バナジウム(V)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、インジウム(In)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、銀(Ag)、スズ(Sn)、チタニウム(Ti)のうち1種または2種が含まれることが好ましい。
【0079】
より具体的には、図7aは、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源100で用いられるポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成された1種の遮断剤の分子式および波長別の吸収、透過グラフを示している。
【0080】
本発明においては、下記(化学式8)の分子構造を有する1種の遮断剤160を構成し、一つ以上の蛍光体150と共に封止層140に散布させるようになる。
【0081】
(化学式8)
C20H14N4V
【0082】
この時、図7bに示すように、前記ポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成された1種の遮断剤160は、450nm以下の波長の光を吸収しつつ、それ以上の波長は効果的に透過させることを確認することができる。
【0083】
特に、前記ポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成された1種の遮断剤160の重量比は、前記蛍光体150および遮断剤160の全体重量の1%~10%の範囲内にあることが好ましい。
【0084】
本発明の発明者らは、前記ポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成された1種の遮断剤160を一つ以上の蛍光体150と共に封止層140に散布しつつ、前記遮断剤160の重量比を前記蛍光体150および遮断剤160の全体重量の1%~10%の範囲内に構成することによって、450nm以下の波長の光を遮断しつつも、黄色ではない白色の照明を実現できることを確認した。
【0085】
この時、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10においては、相関色温度(CCT)2700K~7000Kの範囲内にある白色光が発光される。
【0086】
さらに、前記基板200には、前記450nm以下の波長を制限する白色光源100が取り付けられるパッド、および前記450nm以下の波長を制限する白色光源100を駆動させるための回路パターンなどが備えられることができる。前記基板200はFR-4などの誘電体を用いて構成されてもよいが、さらに、前記白色光源100の発熱などを促進するための金属基板(metal PCB)などの様々な材質で実現されてもよい。この時、前記基板200は、連結部材310と電気的に接続されて外部電源の供給を受けることができる。
【0087】
さらに、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10には、前記基板200を載置させつつ前記450nm以下の波長を制限する白色光源100から発生した熱を放出するための放熱部材320が備えられることができる。それにより、前記放熱部材320は、前記基板200と連結されて放熱を促進するために金属材質からなるかまたは放熱に有利な構造で実現されてもよい。
【0088】
また、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、前記450nm以下の波長を制限する白色光源100を内蔵し、前記450nm以下の波長を制限する白色光源100から発光される光を透過する透光部材300を備えることができる。前記透光部材300は、前記450nm以下の波長を制限する白色光源100から発光される光を効果的に透過させるPC、PMMAまたはガラスなどから構成されることが好ましい。さらに、前記透光部材300は、眩しさを減らすことができるように半透明材質で実現されることもできる。
【0089】
また、図8に示すように、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、470nm~490nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130と前記青色発光ダイオード素子130を封止する封止層140とを含んで構成され、この時、前記封止層140には、前記遮断剤160なしに前記500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体151、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体152、621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体153のうち1種または2種以上で構成されて前記遮断剤160と共に散布され、450nm以下の波長の光を遮断しつつ白色発光を実現することもできる。
【0090】
また、図9は、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10の構成別の特性実験値を示し、図10a~図10gは、図8の構成別の特性実験値に応じた450nm以下の波長を制限する白色照明装置10の発光スペクトルを示している。
【0091】
以下では、図9および図10a~図10gを参照して、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10の実験値などに基づいて本発明をより詳しく検討する。
【0092】
先ず、図9は、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色照明装置10での前記青色発光ダイオード素子130の波長を異にしつつ、前記蛍光体150および遮断剤160の組成を変化させる場合に対する性能実験値を示している。
【0093】
より具体的には、図9の(1)~(7)は、前記青色発光ダイオード素子130の波長および第1~第3蛍光体151、152、153の組成を組み合わせしつつ、各々に対して遮断剤160の添加有無に応じた450nm波長でのスペクトル大きさと遮断率を測定して示している。
【0094】
先ず、図8の(1)は、450~460nmのピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130に前記第1蛍光体151と第3蛍光体153とを組み合わせて用いる場合に対する測定値を示す。この時、前記第1蛍光体151の重量比は81%であり、第3蛍光体153の重量比は15%であり、遮断剤160の重量比は4%にした。
【0095】
また、前記封止層140を構成するにおいては、ケイ素を92.4%、前記蛍光体150および遮断剤160を7.6%の重量比で組み合わせた。
【0096】
それにより、上記のような組成から構成された450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、図10aに示すように、遮断剤160を用いない場合には、450nm波長の光が単に最大値に対比して0.87%減衰するのに留まるのに対し、遮断剤160を用いる場合には、450nm波長の光を99.38%まで遮断することができるため、450nm以下の波長の光を遮断しつつも白色発光を実現できるようになる。
【0097】
また、図9の(2)は、460~470nmのピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130に前記第1蛍光体151と第3蛍光体153とを組み合わせて用いる場合に対する測定値を示す。この時、前記第1蛍光体151の重量比は82.5%に、第3蛍光体153の重量比は15%に、遮断剤160の重量比は2.5%に調整された。
【0098】
また、前記封止層140を構成するにおいては、ケイ素を94.4%、前記蛍光体150および遮断剤160を5.6%の重量比で組み合わせた。
【0099】
それにより、上記のような組成から構成された450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、図10bに示すように、遮断剤160を用いない場合には、450nm波長の光が最大値に対比して67.71%まで減衰するが、まだ450nm波長の光を十分に制限することはできず、その反面、遮断剤160を用いる場合には、450nm波長の光を99.48%まで遮断できることが分かる。
【0100】
また、図9の(3)は、470~480nmのピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130に前記第1蛍光体151と第3蛍光体153とを組み合わせて用いる場合に対する測定値を示す。この時、前記第1蛍光体151の重量比は83.5%に、第3蛍光体153の重量比は15%に、遮断剤160の重量比は1.5%に調整された。
【0101】
また、前記封止層140を構成するにおいては、ケイ素を91.8%、前記蛍光体150および遮断剤160を8.2%の重量比で組み合わせた。
【0102】
それにより、上記のような組成から構成された450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、図10cに示すように、遮断剤160を用いない場合には、450nm波長の光が最大値に対比して93.05%まで減衰するが、依然として450nm波長の光を十に制限することはできず、その反面、遮断剤160を用いる場合には、450nm波長の光を99.63%まで遮断できることが分かる。
【0103】
また、図9の(4)は、470~480nmのピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130に前記第2蛍光体152と第3蛍光体153とを組み合わせて用いる場合に対する測定値を示す。この時、前記第2蛍光体152の重量比は95.9%、第3蛍光体153の重量比は2.1%、遮断剤160の重量比は2.0%で組み合わせた。
【0104】
また、前記封止層140を構成するにおいては、ケイ素を95.6%、前記蛍光体150および遮断剤160を4.4%の重量比で組み合わせた。
【0105】
それにより、上記のような組成から構成された450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、図10dに示すように、遮断剤160を用いない場合には、450nm波長の光が最大値に対比して93.05%まで減衰するが、依然として450nm波長の光を十に制限することはできず、その反面、遮断剤160を用いる場合には、450nm波長の光を99.36%まで遮断できることが分かる。
【0106】
また、図9の(5)は、470~480nmのピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130に前記第1蛍光体151と第3蛍光体153とを組み合わせて用いる場合に対する測定値を示す。この時、前記第1蛍光体151の重量比は83.0%、第3蛍光体153の重量比は15.0%、遮断剤160の重量比は1.5%で組み合わせた。
【0107】
また、前記封止層140を構成するにおいては、ケイ素を95.6%、前記蛍光体150および遮断剤160を4.4%の重量比で組み合わせた。
【0108】
それにより、上記のような組成から構成された450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、図10eに示すように、遮断剤160を用いない場合には、450nm波長の光が最大値に対比して93.05%まで減衰するが、依然として450nm波長の光を十に制限することはできず、その反面、遮断剤160を用いる場合には、450nm波長の光を99.42%まで遮断できることが分かる。
【0109】
また、図9の(6)は、480~490nmのピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130に前記第1蛍光体151と第3蛍光体153とを組み合わせて用いる場合に対する測定値を示す。この時、前記第1蛍光体151の重量比は84.0%、第3蛍光体153の重量比は15.0%、遮断剤160の重量比は1.0%で組み合わせた。
【0110】
また、前記封止層140を構成するにおいては、ケイ素を94.6%、前記蛍光体150および遮断剤160を5.4%の重量比で組み合わせた。
【0111】
それにより、上記のような組成から構成された450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、図10fに示すように、遮断剤160を用いない場合には、450nm波長の光が最大値に対比して95.39%まで減衰することができるため、450nm波長の光が相に減衰されたと見られるが、依然として遮断剤160を用いる場合に達することはできず、その反面、遮断剤160を用いる場合には、450nm波長の光を99.73%まで遮断できることが分かる。
【0112】
最後に、図9の(7)は、480~490nmのピーク波長を有する青色発光ダイオード素子130に前記第1蛍光体151と第2蛍光体152とを組み合わせて用いる場合に対する測定値を示す。この時、前記第1蛍光体151の重量比は3.0%、第2蛍光体152の重量比は95.5%、遮断剤160の重量比は1.5%で組み合わせた。
【0113】
また、前記封止層140を構成するにおいては、ケイ素を95.5%、前記蛍光体150および遮断剤160を4.5%の重量比で組み合わせた。
【0114】
それにより、上記のような組成から構成された450nm以下の波長を制限する白色照明装置10は、図10gに示すように、遮断剤160を用いない場合には、450nm波長の光が最大値に対比して95.87%まで減衰することができるため、450nm波長の光が相に減衰されたと見られるが、依然として遮断剤160を用いる場合に達することはできず、その反面、遮断剤160を用いる場合には、450nm波長の光を99.33%まで遮断できることが分かる。
【0115】
つまり、本発明の一実施形態による450nm以下の波長を制限する白色光源100および照明装置10は、450nm以下の波長を制限しつつも白色光を実現することができ、さらに露光工程などの進行時に白色照明環境で工程を行うことができるようにして作業者の疲労度の増加、作業能力および効率の低下および長時間露出時の視認性の低下などの問題を改善できるだけでなく、波長遮蔽フィルムなどを取り付けるための追加工程によって発生しうる製造単価の上昇も防止できるようになる。
【0116】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正および変形が可能である。したがって、本発明に記載された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態に限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の請求範囲によって解釈しなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈しなければならない。
【0117】
本発明の例示的な態様を以下に記載する。
<1>
露光工程を進行する露光ルームの照明のための白色照明装置であって、
450nm~490nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオード素子、および
前記青色発光ダイオード素子を封止する封止層
を備える白色光源を含んで構成され、
前記封止層には、
前記青色発光ダイオード素子と共に白色発光を実現する一つ以上の蛍光体と、
露光工程で用いられる波長の光を遮断する遮断剤とが散布され、
450nm~490nmの波長での第1ピーク領域および前記第1ピーク領域と結合して白色発光を形成する第2ピーク領域を形成しつつ、前記露光工程で用いられる波長は制限することを特徴とする、露光工程における照明用の白色照明装置。
<2>
前記遮断剤は、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)を基本元素として構成されたポルフィリン(Porphyrin)系、フタロシアニン(Phthalocyanine)系、クマリン(Coumarin)系から選択された化学物質を含んで構成されることを特徴とする、<1>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<3>
前記遮断剤は、前記化学物質と共に金属(Metal)物質を含んで構成されることを特徴とする、<2>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<4>
前記金属(Metal)物質として、バナジウム(V)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、インジウム(In)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、銀(Ag)、スズ(Sn)、チタニウム(Ti)のうち1種または2種以上が含まれることを特徴とする、<3>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<5>
前記遮断剤は、ポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成されることを特徴とする、<4>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<6>
前記遮断剤の重量比は、前記蛍光体および遮断剤の全体重量の1%~10%の範囲内にあることを特徴とする、<5>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<7>
前記封止層には、
500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、および
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、<1>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<8>
前記封止層には、
561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体が含まれることを特徴とする、<1>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<9>
前記封止層には、
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、<1>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<10>
前記封止層には、
561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、および
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、<1>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<11>
前記白色照明装置は、相関色温度(CCT)2700K~7000Kの範囲内にある白色光が発光されることを特徴とする、<1>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<12>
前記青色発光ダイオード素子は470nm~490nmの発光ピーク波長を有し、
前記封止層には、
前記遮断剤なしに前記500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、または621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が1種または2種以上散布され、
露光工程で用いられる波長の光を制限しつつ白色発光することを特徴とする、<1>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<13>
前記白色光源が取り付けられる基板、
前記基板を内蔵し、前記白色光源から発光される光を透過させる透光部材、および
前記基板と電気的に接続され、前記白色光源を駆動させるための電源を供給する連結部材
をさらに含んで蛍光灯形状または平板形状で実現されることを特徴とする、<1>の露光工程における照明用の白色照明装置。
<14>
露光工程を進行する露光ルームの照明用の白色光源であって、
450nm~490nmの発光ピーク波長を有する青色発光ダイオード素子、および
前記青色発光ダイオード素子を封止する封止層
を含んで構成され、
前記封止層には、
前記青色発光ダイオード素子と共に白色発光を実現する一つ以上の蛍光体と、
露光工程で用いられる波長の光を遮断する遮断剤とが散布され、
450nm~490nmの波長での第1ピーク領域および前記第1ピーク領域と結合して白色発光を形成する第2ピーク領域を形成しつつ、前記露光工程で用いられる波長は制限することを特徴とする、露光工程における照明用の白色光源。
<15>
前記遮断剤は、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)を基本元素として構成されたポルフィリン(Porphyrin)系、フタロシアニン(Phthalocyanine)系、クマリン(Coumarin)系から選択された化学物質を含んで構成されることを特徴とする、<14>の露光工程における照明用の白色光源。
<16>
前記遮断剤は、前記化学物質と共に金属(Metal)物質を含んで構成されることを特徴とする、<15>の露光工程における照明用の白色光源。
<17>
前記金属(Metal)物質として、バナジウム(V)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、インジウム(In)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、銀(Ag)、スズ(Sn)、チタニウム(Ti)のうち1種または2種以上が含まれることを特徴とする、<16>の露光工程における照明用の白色光源。
<18>
前記遮断剤は、ポルフィリン-バナジウム(porphyrin-vanadium)から構成されることを特徴とする、<17>の露光工程における照明用の白色光源。
<19>
前記遮断剤の重量比は、前記蛍光体および遮断剤の全体重量の1%~10%の範囲内にあることを特徴とする、<18>の露光工程における照明用の白色光源。
<20>
前記封止層には、
500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、および
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、<14>の露光工程における照明用の白色光源。
<21>
前記封止層には、
561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体が含まれることを特徴とする、<14>の露光工程における照明用の白色光源。
<22>
前記封止層には、
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、<14>の露光工程における照明用の白色光源。
<23>
前記封止層には、
561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体、および
621~670nmの発光ピーク波長を有する第3蛍光体が含まれることを特徴とする、<14>の露光工程における照明用の白色光源。
<24>
前記白色照明装置は、相関色温度(CCT)2700K~7000Kの範囲内にある白色光が発光されることを特徴とする、<14>の露光工程における照明用の白色光源。
<25>
前記青色発光ダイオード素子は470nm~490nmの発光ピーク波長を有し、
前記封止層には、
前記遮断剤なしに前記500~560nmの発光ピーク波長を有する第1蛍光体、および561~620nmの発光ピーク波長を有する第2蛍光体が散布され、
露光工程で用いられる波長の光を制限しつつ白色発光することを特徴とする、<14>の露光工程における照明用の白色光源。
<26>
前記白色光源が取り付けられる基板、
前記基板を内蔵し、前記白色光源から発光される光を透過させる透光部材、および
前記基板と電気的に接続され、前記白色光源を駆動させるための電源を供給する連結部材
をさらに含んで蛍光灯形状で実現されることを特徴とする、<14>の露光工程における照明用の白色光源。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図10f
図10g