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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/50 20210101AFI20221028BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20221028BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20221028BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20221028BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
H01M50/50 101
H01M50/249
H01M50/284
H02G3/16
E02F9/00 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021530579
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(86)【国際出願番号】 JP2020024569
(87)【国際公開番号】W WO2021006031
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】P 2019126010
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 明
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 聡彦
(72)【発明者】
【氏名】竹内 健
(72)【発明者】
【氏名】谷垣 絢太
(72)【発明者】
【氏名】杉山 春樹
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-179256(JP,A)
【文献】特開2007-172893(JP,A)
【文献】特開2002-012097(JP,A)
【文献】特開2005-130636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/249
H01M 50/284
H02G 3/16
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置が取付けられた自走可能な車体と、
前記車体に搭載され、前記作業装置を駆動する油圧ポンプと、
前記油圧ポンプを駆動する電動機と、
前記電動機に供給する電力を蓄電する蓄電装置とを有し、
前記蓄電装置は、
前記車体に搭載された筐体と、
直列接続された複数の電池からなる組電池を有し、前記筐体内に格納された電池ブロック部と、
前記電動機に接続されるコネクタ部が設けられ前記組電池に接続された導電回路、および前記導電回路に設けられ前記組電池と前記コネクタ部との間を接続または遮断するリレーを有し、前記筐体内に格納された回路ブロック部と、
前記組電池を構成する電池間の直列接続を遮断する遮断装置とを備えてなる建設機械において、
前記蓄電装置は、前記遮断装置と前記組電池との間を接続する中間接続部材と、
前記中間接続部材を外部に露出させた状態で前記コネクタ部を除く前記導電回路を覆う絶縁カバーとをさらに備え、
前記中間接続部材は、前記遮断装置と前記組電池との間を接続した状態で前記絶縁カバーを前記筐体に対して外れ止めしていることを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記組電池は、最も高電位となる総電圧プラス端子と、最も低電位となる総電圧マイナス端子と、前記総電圧プラス端子と前記総電圧マイナス端子との中間電位となる中間プラス端子および中間マイナス端子とを有し、
前記遮断装置は、前記中間プラス端子と前記中間マイナス端子との間を遮断するサービスプラグによって構成され、
前記中間接続部材は、前記中間プラス端子および前記中間マイナス端子と前記サービスプラグとの間を接続した状態で前記絶縁カバーを前記筐体に対して外れ止めし、
前記電池ブロック部と前記回路ブロック部とは、前記中間接続部材を取外さない限り分離できない構成としたことを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記筐体は、前記電池ブロック部が格納された電池筐体部と、前記回路ブロック部が格納され前記電池筐体部に取付けられた回路筐体部とにより構成され、
前記電池ブロック部と前記回路ブロック部との間には、前記組電池の前記総電圧プラス端子および前記総電圧マイナス端子と前記導電回路との間を接続する総電圧接続部材が設けられ、
前記絶縁カバーは、前記総電圧接続部材、前記中間プラス端子および前記中間マイナス端子を除いて前記導電回路を覆う回路カバーと、前記総電圧接続部材を覆う総電圧端子カバーとにより構成され、
前記中間接続部材は、前記中間プラス端子および前記中間マイナス端子と前記サービスプラグとの間を接続した状態で前記総電圧端子カバーを前記回路筐体部に対して外れ止めし、
前記総電圧接続部材は、前記総電圧プラス端子および前記総電圧マイナス端子と前記導電回路との間を接続した状態で前記回路カバーを前記回路筐体部に対して外れ止めし、
前記電池筐体部と前記回路筐体部とは、前記中間接続部材と前記総電圧接続部材とを取外した状態で分離される構成としたことを特徴とする請求項2に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に蓄電装置を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械を代表する油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とを備え、下部走行体と上部旋回体とによって車体が構成されている。上部旋回体の前側には作業装置が俯仰動可能に設けられ、この作業装置によって掘削作業等が行われる。
【0003】
近年では、燃費の向上、COの排出量削減等を目的として、エンジンと、エンジンの駆動をアシストする発電・電動機との2種類の動力源を備えたハイブリッド式の油圧ショベルが知られている。このハイブリッド式の油圧ショベルには、エンジンによって回転駆動されることにより発電を行い、または、電力が供給されることにより前記エンジンの回転を補助するアシスト発電・電動機と、アシスト発電・電動機による発電電力を蓄電し、または、蓄電された電力を電動機に供給する蓄電装置が搭載されている。また、エンジンを搭載せず、充電された蓄電装置から供給される電力によって駆動される電動機を備え、この電動機によって油圧ポンプを駆動して動作するバッテリ式の油圧ショベルも知られている。
【0004】
これらに用いられる蓄電装置は、通常、筐体と、直列接続された複数の電池(リチウムイオン電池等)からなり筐体内に格納された電池ブロック部と、電池ブロック部に接続される導電回路を有し筐体内に格納された回路ブロック部とを含んで構成されている。この種の蓄電装置の組立て作業、解体作業を行う場合には、短絡事故等を防止する必要がある。このため、蓄電装置には、電源として使用されないときに電気回路を遮断するリレー、電池ブロック部を構成する電池間の直列接続を中間電位で遮断するサービスプラグ等が設けられている。従って、蓄電装置の組立て作業、解体作業時にサービスプラグを取外すことにより、蓄電装置の電力を中間電位で遮断することができる。
【0005】
しかし、蓄電装置の組立て作業等においてサービスプラグを取外した場合でも、蓄電装置の総電圧プラス端子および総電圧マイナス端子と、中間電位の端子との間には電位差が存在する。このため、総電圧プラス端子あるいは総電圧マイナス端子と中間電位の端子との間で短絡事故が発生するのを防止するため、中間電位の端子にカバーを取付けた蓄電装置が開示されている(参考文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-32408号公報
【発明の概要】
【0007】
ところで、ハイブリッド式やバッテリ式の油圧ショベルに搭載される蓄電装置はサイズが大きい。このため、蓄電装置は、例えば筐体、電池ブロック部、回路ブロック部、冷却装置等に解体した状態で廃棄されることが多い。特に、海外においては、リチウムイオン電池を解体した状態で廃棄しなければならない地域もある。このような蓄電装置の解体作業は、通常、製造元ではない廃棄業者によって行われるため、解体作業の手順が、短絡事故等を避けるために複雑、難解であった場合には、解体作業の作業性が低下してしまうという問題がある。
【0008】
特許文献1による蓄電装置は、中間電位の端子にカバーを取付けることにより、総電圧プラス端子あるいは総電圧マイナス端子と中間電位の端子との間で短絡事故が発生するのを防止することができる。しかし、蓄電装置の解体作業を行うときに、作業手順を間違えた場合、例えばサービスプラグを取外すのを忘れた状態で解体作業を行った場合には、総電圧プラス端子と総電圧マイナス端子との間で短絡事故等が発生する虞がある。
【0009】
本発明の一実施形態の目的は、蓄電装置の解体作業を行うときの作業性を高めることができるようにした建設機械を提供することにある。
【0010】
本発明の一実施形態は、作業装置が取付けられた自走可能な車体と、前記車体に搭載され、前記作業装置を駆動する油圧ポンプと、前記油圧ポンプを駆動する電動機と、前記電動機に供給する電力を蓄電する蓄電装置とを有し、前記蓄電装置は、前記車体に搭載された筐体と、直列接続された複数の電池からなる組電池を有し、前記筐体内に格納された電池ブロック部と、前記電動機に接続されるコネクタ部が設けられ前記組電池に接続された導電回路、および前記導電回路に設けられ前記組電池と前記コネクタ部との間を接続または遮断するリレーを有し、前記筐体内に格納された回路ブロック部と、前記組電池を構成する電池間の直列接続を遮断する遮断装置とを備えてなる建設機械に適用される。
【0011】
本発明の一実施形態の特徴は、前記蓄電装置は、前記遮断装置と前記組電池との間を接続する中間接続部材と、前記中間接続部材を外部に露出させた状態で前記コネクタ部を除く前記導電回路を覆う絶縁カバーとをさらに備え、前記中間接続部材は、前記遮断装置と前記組電池との間を接続した状態で前記絶縁カバーを前記筐体に対して外れ止めしていることにある。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、中間接続部材を取外し、遮断装置と組電池との接続を遮断しない限りは、絶縁カバーを筐体にから取外すことができない。従って、中間接続部材を取外して遮断装置と組電池との接続を遮断することにより、筐体内で短絡事故等が発生するのを回避することができ、蓄電装置の解体作業を行うときの作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態によるハイブリッド式の油圧ショベルを示す外観図である。
図2】蓄電装置を示す分解斜視図である。
図3図2中の回路カバーと総電圧バスバーを示す分解斜視図である。
図4図2中の総電圧端子カバーと中間バスバーを示す分解斜視図である。
図5】蓄電装置の電気回路を概略的に示す回路図である。
図6】蓄電装置の回路筐体部を蓋体を取外して上方からみた平面図である。
図7】回路筐体部から総電圧端子カバーを取外した状態を示す図6と同様位置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、ハイブリッド式の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。なお、実施の形態では、油圧ショベルの走行方向を前,後方向とし、油圧ショベルの走行方向と直交する方向を左,右方向として説明する。
【0015】
図中、ハイブリッド式の油圧ショベル1(以下、油圧ショベル1という)は、後述するエンジン10とアシスト発電・電動機12とを併用した動力源を有している。この油圧ショベル1は、前,後方向に自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、上部旋回体4の前側に設けられた作業装置5とを含んで構成されている。下部走行体2と上部旋回体4とは、油圧ショベル1の車体を構成している。油圧ショベル1は、下部走行体2によって作業現場を走行し、上部旋回体4を旋回させつつ作業装置5を俯仰動させることにより、土砂の掘削作業等を行う。
【0016】
上部旋回体4は、下部走行体2上に旋回可能に設けられ、後述の旋回フレーム6、カウンタウエイト7、キャブ8、建屋カバー9、エンジン10、油圧ポンプ11、アシスト発電・電動機12、旋回用油圧モータ14、旋回用発電・電動機15、インバータユニット17、蓄電装置19を含んで構成されている。
【0017】
旋回フレーム6は、上部旋回体4のベースを構成している。旋回フレーム6は、旋回装置3を介して下部走行体2上に支持されたセンタフレーム(図示せず)と、センタフレームの左,右両側に配置された左,右のサイドフレーム6A(左側のみ図示)とを含んで構成されている。旋回フレーム6の前部側には、作業装置5の基端が回動可能に取付けられている。一方、旋回フレーム6の後端には、カウンタウエイト7が設けられている。カウンタウエイト7は、作業装置5との重量バランスをとる重量物として形成されている。
【0018】
キャブ8は、旋回フレーム6の左前側に設けられている。キャブ8は、オペレータが搭乗する運転室を画成している。キャブ8の内部には、運転席、各種の操作レバー装置等(いずれも図示せず)が配設されている。建屋カバー9は、キャブ8とカウンタウエイト7との間に位置して旋回フレーム6上に設けられている。建屋カバー9の内部には、エンジン10、油圧ポンプ11、アシスト発電・電動機12、旋回用油圧モータ14、旋回用発電・電動機15、インバータユニット17、蓄電装置19等が収容されている。
【0019】
エンジン10は、カウンタウエイト7の前側に位置して旋回フレーム6の後部側に搭載されている。エンジン10は、油圧ポンプ11を駆動するものである。油圧ポンプ11は、エンジン10に接続され、エンジン10によって駆動されることにより、下部走行体2の走行用油圧モータ(図示せず)、旋回装置3の旋回用油圧モータ14、および作業装置5に設けられた複数の油圧シリンダ等の油圧アクチュエータに対し、作動用の圧油を供給する。
【0020】
アシスト発電・電動機12は、エンジン10と油圧ポンプ11とに連結されている。アシスト発電・電動機12は、エンジン10の出力軸と油圧ポンプ11の入力軸とに接続され、発電機作用と電動機作用とを行うものである。即ち、アシスト発電・電動機12は、エンジン10によって駆動されることにより発電し、この電力を蓄電装置19に蓄電する。一方、アシスト発電・電動機12は、蓄電装置19から電力が供給されることにより、エンジン10を補助して油圧ポンプ11を駆動する。アシスト発電・電動機12は、ケーブル13を介してインバータユニット17に電気的に接続されている。
【0021】
旋回用油圧モータ14は、下部走行体2と上部旋回体4との間に設けられている。旋回用油圧モータ14は旋回装置3の駆動源を構成し、油圧ポンプ11からの圧油が供給されることにより、下部走行体2に対して上部旋回体4を旋回させる。旋回用発電・電動機15は、旋回用油圧モータ14上に設けられている。旋回用発電・電動機15は、蓄電装置19から電力が供給されることにより、旋回用油圧モータ14の回転を補助する。一方、旋回用発電・電動機15は、上部旋回体4の旋回動作が減速するときに発生する回生エネルギにより発電し、この電力を蓄電装置19に蓄電する。旋回用発電・電動機15は、ケーブル16を介してインバータユニット17に電気的に接続されている。
【0022】
インバータユニット17は、アシスト発電・電動機12および旋回用発電・電動機15と蓄電装置19との間に設けられている。インバータユニット17は、ケーブル18を介して蓄電装置19に電気的に接続されている。インバータユニット17は、アシスト発電・電動機12の動作を制御するアシスト用インバータと、旋回用発電・電動機15の動作を制御する旋回用インバータとを有している。インバータユニット17のアシスト用インバータは、コントローラ(図示せず)からの制御信号に基づいてアシスト発電・電動機12の動作を制御する。インバータユニット17の旋回用インバータは、コントローラからの制御信号に基づいて旋回用発電・電動機15の動作を制御する。
【0023】
次に、本実施形態に用いられる蓄電装置19について説明する。
【0024】
蓄電装置19は、旋回フレーム6上に搭載され、エンジン10等と共に建屋カバー9内に収容されている。蓄電装置19は、アシスト発電・電動機12および旋回用発電・電動機15が発電した電力を蓄電すると共に、蓄電した電力をアシスト発電・電動機12および旋回用発電・電動機15に供給する。図2に示すように、蓄電装置19は、後述する筐体20、電池ブロック部25、回路ブロック部31、サービスプラグ40、総電圧バスバー42,43、中間バスバー45,46、絶縁カバー47を含んで構成されている。
【0025】
筐体20は、蓄電装置19の外殻を構成している。筐体20は、前,後方向に延びる上,下2段の箱状に形成され、その内部には電池ブロック部25、回路ブロック部31等が格納されている。図2に示すように、筐体20は、電池筐体部21と、電池筐体部21の上側に配置された回路筐体部23と、回路筐体部23の上側に配置された蓋体24とにより構成されている。
【0026】
電池筐体部21は、上端が開口した有底な直方体の箱状に形成され、その内部には後述の組電池26が格納されている。即ち、電池筐体部21は、矩形状の底板21Aと、底板21Aの前端から立上る前板21Bと、底板21Aの後端から立上る後板21Cと、底板21Aの左端から立上る左側板21Dと、底板21Aの右端から立上る右側板21Eとにより囲まれ、上端が開口端21Fとなった箱体として形成されている。電池筐体部21の上端には、矩形の枠状をなす取付フランジ21Gが設けられ、取付フランジ21Gには、複数のボルト穴(雌ねじ穴)21Hが形成されている。底板21Aの下面には複数の防振マウント22が設けられ、電池筐体部21は、防振マウント22を介して旋回フレーム6上に取付けられる。
【0027】
回路筐体部23は、電池筐体部21の上側に設けられている。回路筐体部23は、下端が電池筐体部21の開口端21Fを閉塞すると共に上端が開口した有底な箱状に形成され、その内部には回路ブロック部31が格納されている。即ち、回路筐体部23は、電池筐体部21の開口端21Fを閉塞する矩形状の底板23Aと、底板23Aの前側から立上る前板23Bと、底板23Aの後端側から立上る後板23Cと、底板23Aの左端側から立上る左側板23Dと、底板23Aの右端側から立上る右側板23Eとにより囲まれ、上端が開口端23Fとなった箱体として形成されている。
【0028】
底板23Aには、電池筐体部21の取付フランジ21Gに形成された複数のボルト穴21Hに対応する位置に、複数のボルト挿通孔が形成されている。従って、底板23Aのボルト挿通孔に挿通されたボルト23Gが、電池筐体部21のボルト穴21Hに螺着されることにより、回路筐体部23は、電池筐体部21上に取付けられる。これにより、電池筐体部21の内部は、回路筐体部23の底板23Aによって密閉される。
【0029】
回路筐体部23の開口端23Fには、複数のボルト穴(雌ねじ穴)23Hが形成されている。また、回路筐体部23の前板23Bには、後述する第1コネクタ部33と第2コネクタ部34が、左,右方向に隣接して設けられている。さらに、回路筐体部23の後板23Cと左側板23Dとが交わる角部には、左側板23Dから右側板23Eに向けて窪んだ凹窪部23Jが設けられている。この凹窪部23Jには、後述するサービスプラグ40が取付けられている。
【0030】
蓋体24は、回路筐体部23の上側に設けられている。蓋体24は、回路筐体部23の開口端23Fを覆う板体からなり、蓋体24の周縁部には、回路筐体部23の開口端23Fに形成された複数のボルト穴23Hに対応する位置に、複数のボルト挿通孔が形成されている。従って、蓋体24のボルト挿通孔に挿通されたボルト24Aが、回路筐体部23のボルト穴23Hに螺着されることにより、蓋体24は、回路筐体部23上に取付けられる。これにより、回路筐体部23の開口端23Fが蓋体24によって閉塞され、回路筐体部23の内部が密閉される。
【0031】
電池ブロック部25は、筐体20の電池筐体部21内に格納されている。電池ブロック部25は、例えばリチウムイオン電池からなる複数(例えば8個)の電池26Aが電気的に直列接続された組電池26を有している(図5参照)。なお、組電池26を構成する電池26Aは、リチウムイオン電池に限らず、例えばニッケル水素電池等の他の電池を用いてもよい。
【0032】
図5に示すように、複数の電池26Aが直列接続された組電池26には、最も高電位となる総電圧プラス端子27と、最も低電位となる総電圧マイナス端子28とが設けられている。また、組電池26には、複数の電池26Aの半分(例えば4個)の電位(中間電位)となる中間プラス端子29、および中間マイナス端子30が設けられている。
【0033】
回路ブロック部31は、筐体20の回路筐体部23内に格納され、導電回路32と、後述するサービスプラグ回路41とを含んで構成されている。導電回路32は、第1コネクタ部33と、第2コネクタ部34と、接続線35と、接続線36とを有している。第1コネクタ部33は、アシスト発電・電動機12がケーブル(図示せず)を介して接続される。第2コネクタ部34は、旋回用発電・電動機15がケーブル(図示せず)を介して接続される。接続線35は、後述する総電圧バスバー42を介して第1,第2コネクタ部33,34のプラス端子と組電池26の総電圧プラス端子27との間を接続する。接続線36は、後述する総電圧バスバー43を介して第1,第2コネクタ部33,34のマイナス端子と組電池26の総電圧マイナス端子28との間を接続する。
【0034】
導電回路32の接続線35の途中には、第1リレー37が設けられ、接続線36の途中には、第2リレー38が設けられている。これら第1,第2リレー37,38は、組電池26と第1,第2コネクタ部33,34との間を接続または遮断する。即ち、第1,第2リレー37,38は、油圧ショベル1の非作動時には開状態を保持し、油圧ショベル1の作動時にエンジンキー(図示せず)がオンされた後に閉状態となる常開接点を構成している。また、接続線35には、第1リレー37に対して並列接続となるように突入電流防止装置39が設けられている。突入電流防止装置39は、第1,第2リレー37,38が開状態から閉状態に移行したときの突入電流を防止する。
【0035】
遮断装置としてのサービスプラグ40は、回路筐体部23の凹窪部23Jに設けられている。サービスプラグ40は、回路筐体部23内に配置されたサービスプラグ回路41に接続されている。サービスプラグ回路41は、後述する中間バスバー45,46を介して組電池26の中間プラス端子29と中間マイナス端子30とに接続されている。サービスプラグ40は、例えば蓄電装置19の解体作業時の安全性を確保するため、組電池26を構成する複数の電池26A間の直列接続を遮断するディスコネクトスイッチとなっている。
【0036】
総電圧接続部材としての総電圧バスバー42,43は、導電回路32と組電池26との間を接続している。即ち、総電圧バスバー42は、組電池26の総電圧プラス端子27と接続線35との間を接続し、総電圧バスバー43は、組電池26の総電圧マイナス端子28と接続線36との間を接続している。
【0037】
図3に示すように、総電圧バスバー42は、例えば帯板状の金属板を用いて形成され、逆J字状に屈曲した本体部42Aと、本体部42Aの一端に設けられた一側接続部42Bと、本体部42Aの他端に設けられた他側接続部42Cとを有している。本体部42Aの上端は屈曲部42Dとなっている。総電圧バスバー42の一側接続部42Bは、ボルト44Aを用いて組電池26の総電圧プラス端子27に接続され、総電圧バスバー42の他側接続部42Cは、ボルト44Bを用いて接続線35に接続されている。
【0038】
総電圧バスバー43は、総電圧バスバー42と同一形状を有し、本体部43Aと、一側接続部43Bと、他側接続部43Cと、屈曲部43Dからなっている。総電圧バスバー43の一側接続部43Bは、ボルト44Aを用いて組電池26の総電圧マイナス端子28に接続され、総電圧バスバー43の他側接続部43Cは、ボルト44Bを用いて接続線36に接続されている。
【0039】
中間接続部材としての中間バスバー45,46は、組電池26とサービスプラグ回路41との間を接続している。即ち、中間バスバー45は、組電池26の中間プラス端子29とサービスプラグ回路41との間を接続し、中間バスバー46は、組電池26の中間マイナス端子30とサービスプラグ回路41との間を接続している。
【0040】
図4に示すように、中間バスバー45は、例えば帯板状の金属板を用いて形成され、J字状に屈曲した本体部45Aと、本体部45Aの一端に設けられた一側接続部45Bと、本体部45Aの他端に設けられた他側接続部45Cとを有している。本体部45Aの上端は屈曲部45Dとなっている。中間バスバー45の一側接続部45Bは、ボルト44Cを用いて組電池26の中間プラス端子29に接続され、中間バスバー45の他側接続部45Cは、ボルト44Dを用いてサービスプラグ回路41に接続されている。
【0041】
中間バスバー46は、中間バスバー45と同一形状を有し、本体部46Aと、一側接続部46Bと、他側接続部46Cと、屈曲部46Dからなっている。中間バスバー46の一側接続部46Bは、ボルト44Cを用いて組電池26の中間マイナス端子30に接続され、中間バスバー46の他側接続部46Cは、ボルト44Dを用いてサービスプラグ回路41に接続されている。
【0042】
絶縁カバー47は、筐体20の回路筐体部23内に設けられている。図6に示すように、回路筐体部23から蓋体24を取外したときに、絶縁カバー47は、中間バスバー45,46を外部に露出させた状態で、第1コネクタ部33および第2コネクタ部34を除く導電回路32を覆っている。絶縁カバー47は、後述する回路カバー48と総電圧端子カバー49とにより構成されている。
【0043】
回路カバー48は、複数のボルト50を用いて回路筐体部23に着脱可能に取付けられている。回路カバー48は、総電圧バスバー42,43、中間プラス端子29および中間マイナス端子30を除いて導電回路32を覆っている(図7参照)。図3に示すように、回路カバー48は、例えばPBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)等の電気的な絶縁性に優れた樹脂素材を用いて平板状に形成されている。即ち、回路カバー48は、前端縁48A、後端縁48B、左端縁48C、右端縁48Dを有する平板状に形成されている。後端縁48Bと右端縁48Dとが交わる角部には、後端縁48Bから後方に延びる張出し部48Eが設けられている。回路カバー48の左端縁48Cと右端縁48Dとの間隔は、回路筐体部23の左側板23Dと右側板23Eとの間隔とほぼ等しく設定されている。
【0044】
回路カバー48の張出し部48Eには、上,下方向に貫通する前角孔48Fと後角孔48Gとが前,後方向に隣接して形成されている。前角孔48Fには、総電圧バスバー42の他側接続部42Cが挿通され、後角孔48Gには、総電圧バスバー43の他側接続部43Cが挿通される。張出し部48Eの左端縁48E1と前角孔48Fとの間には、前掛止め部48Hが形成され、張出し部48Eの左端縁48E1と後角孔48Gとの間には、後掛止め部48Jが形成されている。総電圧バスバー42の他側接続部42Cが、張出し部48Eの前角孔48Fに挿通されたときには、総電圧バスバー42の屈曲部42Dは、前掛止め部48Hを上方から跨ぐ。これと同様に、総電圧バスバー43の他側接続部43Cが、張出し部48Eの後角孔48Gに挿通されたときには、総電圧バスバー43の屈曲部43Dは、後掛止め部48Jを上方から跨ぐ。
【0045】
このように、総電圧バスバー42の屈曲部42Dは、回路カバー48の前掛止め部48Hに常に係合し、総電圧バスバー43の屈曲部43Dは、回路カバー48の後掛止め部48Jに常に係合している。これにより、総電圧バスバー42,43は、組電池26の総電圧プラス端子27および総電圧マイナス端子28と導電回路32との間を接続した状態で、回路カバー48を回路筐体部23に対して外れ止めしている。このため、仮に回路カバー48からボルト50を抜取ったとしても、総電圧バスバー42,43を取外さない限り、回路カバー48を回路筐体部23から取外すことができない構成となっている。即ち、総電圧バスバー42を取外すことにより、組電池26の総電圧プラス端子27と導電回路32の接続線35との接続を遮断し、総電圧バスバー43を取外すことにより、組電池26の総電圧マイナス端子28と導電回路32の接続線36との接続を遮断しない限り、回路カバー48を取外すことができない構成となっている。
【0046】
回路カバー48と共に絶縁カバー47を構成する総電圧端子カバー49は、複数のボルト50を用いて回路筐体部23に着脱可能に取付けられ、総電圧バスバー42,43を覆っている(図6参照)。図4に示すように、総電圧端子カバー49は、例えばPBT樹脂等の電気的な絶縁性に優れた樹脂素材を用いて平板状に形成されている。即ち、総電圧端子カバー49は、前端縁49A、後端縁49B、左端縁49C、右端縁49Dを有する平板状に形成されている。総電圧端子カバー49のうち左端縁49Cに寄った位置には、左,右一対の後角孔49E1,49E2と、左,右一対の前角孔49F1,49F2とが形成されている。後角孔49E1と後角孔49E2との間には、後掛止め部49Gが形成され、前角孔49F1と前角孔49F2との間には、前掛止め部49Hが形成されている。
【0047】
総電圧端子カバー49の後角孔49E1には、中間バスバー45の他側接続部45Cが挿通され、後角孔49E2には、中間バスバー45の一側接続部45Bが挿通される。この状態で、中間バスバー45の屈曲部45Dは、総電圧端子カバー49の後掛止め部49Gを上方から跨ぐ。これと同様に、総電圧端子カバー49の前角孔49F1には、中間バスバー46の他側接続部46Cが挿通され、前角孔49F2には、中間バスバー46の一側接続部46Bが挿通される。この状態で、中間バスバー46の屈曲部46Dは、総電圧端子カバー49の前掛止め部49Hを上方から跨ぐ。
【0048】
このように、中間バスバー45の屈曲部45Dは、総電圧端子カバー49の後掛止め部49Gに常に係合し、中間バスバー46の屈曲部46Dは、総電圧端子カバー49の前掛止め部49Hに常に係合している。これにより、中間バスバー45,46は、サービスプラグ40と組電池26との間を接続した状態で、総電圧端子カバー49を回路筐体部23に対して外れ止めしている。
【0049】
このため、仮に総電圧端子カバー49からボルト50を抜取ったとしても、中間バスバー45,46を取外さない限り、総電圧端子カバー49を回路筐体部23から取外すことができない構成となっている。即ち、中間バスバー45を取外すことにより、組電池26の中間プラス端子29とサービスプラグ回路41との接続を遮断し、中間バスバー46を取外すことにより、組電池26の中間マイナス端子30とサービスプラグ回路41との接続を遮断しない限り、総電圧端子カバー49を取外すことができない構成となっている。
【0050】
しかも、総電圧バスバー42の一側接続部42Bは、ボルト44Aを用いて組電池26の総電圧プラス端子27に固定され、総電圧バスバー43の一側接続部43Bは、ボルト44Aを用いて組電池26の総電圧マイナス端子28に固定されている。さらに、中間バスバー45の一側接続部45Bは、ボルト44Cを用いて組電池26の中間プラス端子29に固定され、中間バスバー46の一側接続部46Bは、ボルト44Cを用いて組電池26の中間マイナス端子30に固定されている。
【0051】
このため、電池ブロック部25と回路ブロック部31とは、総電圧バスバー42,43および中間バスバー45,46を取外さない限り分離することができない構成となっている。即ち、組電池26が格納された電池筐体部21と、導電回路32およびサービスプラグ回路41が格納された回路筐体部23とは、総電圧バスバー42,43および中間バスバー45,46を取外した状態で分離される構成となっている。
【0052】
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き蓄電装置19を有するもので、以下、蓄電装置19を解体する場合の作業手順について説明する。
【0053】
蓄電装置19を解体する場合には、回路筐体部23から複数のボルト24Aを抜取り、蓋体24を取外す。蓋体24が取外された状態では、図6に示すように、回路筐体部23内に格納されたサービスプラグ回路41と、中間バスバー45,46と、組電池26の中間プラス端子29および中間マイナス端子30が外部に露出している。一方、導電回路32は、回路カバー48によって覆われ、総電圧バスバー42,43は、総電圧端子カバー49によって覆われている。
【0054】
この場合、中間プラス端子29、中間マイナス端子30、中間バスバー45,46、サービスプラグ回路41は、総電圧プラス端子27と総電圧マイナス端子28の中間電位であり、これらは全て等電位である。このため、工具等が外部に露出した中間プラス端子29、中間マイナス端子30、中間バスバー45,46、サービスプラグ回路41に触れたとしても、短絡事故等が発生することはない。
【0055】
次に、中間バスバー45,46を取外す。即ち、中間バスバー45の一側接続部45Bを組電池26の中間プラス端子29から取外し、他側接続部45Cをサービスプラグ回路41から取外すと共に、中間バスバー46の一側接続部46Bを組電池26の中間マイナス端子30から取外し、他側接続部46Cをサービスプラグ回路41から取外す。これにより、中間バスバー45,46による総電圧端子カバー49の外れ止め状態が解除される。従って、複数のボルト50を取外すことにより、回路筐体部23から総電圧端子カバー49を取外すことができる。
【0056】
総電圧端子カバー49が取外された状態では、図7に示すように、回路筐体部23内に格納されたサービスプラグ回路41と、組電池26の中間プラス端子29および中間マイナス端子30と、総電圧プラス端子27および総電圧マイナス端子28と、総電圧バスバー42,43とが外部に露出している。この場合、中間バスバー45,46は取外されているので、仮にサービスプラグ40を取外す操作を忘れたまま解体作業が行われ、工具等が総電圧プラス端子27および総電圧マイナス端子28に触れたとしても、短絡事故等の発生を回避することができる。
【0057】
この状態で、総電圧バスバー42,43を取外す。即ち、総電圧バスバー42の一側接続部42Bを組電池26の総電圧プラス端子27から取外し、他側接続部42Cを導電回路32(接続線35)から取外す。また、総電圧バスバー43の一側接続部43Bを組電池26の総電圧マイナス端子28から取外し、他側接続部43Cを導電回路32(接続線36)から取外す。これにより、総電圧バスバー42,43による回路カバー48の外れ止め状態が解除される。従って、複数のボルト50を取外すことにより、回路筐体部23から回路カバー48を取外すことができる。
【0058】
回路カバー48が取外された状態では、回路筐体部23内に格納された導電回路32、サービスプラグ回路41を含む全ての電気回路が外部に露出する。この場合、回路筐体部23内の電気回路と電池筐体部21内の組電池26との接続は遮断されている。従って、工具等が回路筐体部23内の電気回路に触れたとしても、短絡事故等が発生するのを回避することができる。
【0059】
このようにして、中間バスバー45,46および総電圧バスバー42,43を取外すことにより、組電池26が格納された電池筐体部21と、導電回路32およびサービスプラグ回路41が格納された回路筐体部23とを迅速かつ安全に分離することができ、蓄電装置19の解体作業の作業性を高めることができる。
【0060】
かくして、実施形態によれば、油圧ショベル1に搭載された蓄電装置19は、上部旋回体4に搭載された筐体20と、直列接続された複数の電池26Aからなる組電池26を有し、筐体20内に格納された電池ブロック部25と、アシスト発電・電動機12、旋回用発電・電動機15等の電気機器に接続される第1,第2コネクタ部33,34が設けられ組電池26に接続された導電回路32、および導電回路32に設けられ組電池26と第1,第2コネクタ部33,34との間を接続または遮断する第1,第2リレー37,38を有し、筐体20内に格納された回路ブロック部31と、組電池26を構成する電池26A間の直列接続を遮断するサービスプラグ40とを備えている。
【0061】
そして、蓄電装置19は、サービスプラグ40と組電池26との間を接続する中間バスバー45,46と、中間バスバー45,46を外部に露出させた状態で第1,第2コネクタ部33,34を除く導電回路32を覆う絶縁カバー47とをさらに備え、中間バスバー45,46は、サービスプラグ40と組電池26との間を接続した状態で、絶縁カバー47を筐体20に対して外れ止めしている。
【0062】
この構成によれば、中間バスバー45,46を取外してサービスプラグ40と組電池26との接続を遮断しない限りは、絶縁カバー47(回路カバー48および総電圧端子カバー49)を筐体20から取外すことができない。従って、蓄電装置19の解体作業が、正規の作業手順に従って行われず、仮にサービスプラグ40を取外す操作を忘れたまま解体作業が行われたとしても、中間バスバー45,46を取外すことにより、サービスプラグ40と組電池26との接続を遮断することができる。この結果、工具等が回路筐体部23内の電気回路に触れたとしても、短絡事故等が発生するのを回避することができ、組電池26が格納された電池筐体部21と、導電回路32およびサービスプラグ回路41が格納された回路筐体部23とを迅速かつ安全に分離することができ、蓄電装置19の解体作業の作業性を高めることができる。
【0063】
なお、実施の形態では、中間接続部材として、帯板状の金属板からなる中間バスバー45,46を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばケーブル等の導電材料を用いて中間接続部材を形成してもよい。このことは、総電圧バスバー42,43によって構成された総電圧接続部材についても同様である。
【0064】
実施の形態では、回路カバー48および総電圧端子カバー49からなる絶縁カバー47は、回路筐体部23に取付けられた状態で、中間バスバー45,46、および組電池26の中間プラス端子29,中間マイナス端子30の他に、サービスプラグ回路41を露出させる構成としている(図6参照)。しかし、本発明はこれに限らず、中間バスバー45,46、および組電池26の中間プラス端子29,中間マイナス端子30のみを外部に露出させ、それ以外の回路筐体部23内に配置された電気回路全体を覆う構成としてもよい。
【0065】
実施の形態では、アシスト発電・電動機12と、旋回用発電・電動機15とを備えたハイブリッド式の油圧ショベル1を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばアシスト発電・電動機12および旋回用発電・電動機15のうちいずれか一方を備えた油圧ショベルにも適用することができる。
【0066】
実施形態では、エンジン10と、エンジン10に連結されたアシスト発電・電動機12とを併用したハイブリッド式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばエンジンを搭載しない電動式の油圧ショベル、即ち、予め電力が蓄電された蓄電装置を用いて電動機を駆動し、この電動機によって油圧ポンプを駆動する電動式の油圧ショベルにも適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
4 上部旋回体(車体)
5 作業装置
10 エンジン
12 アシスト発電・電動機(電動機)
15 旋回用発電・電動機(電動機)
19 蓄電装置
20 筐体
21 電池筐体部
23 回路筐体部
25 電池ブロック部
26 組電池
26A 電池
27 総電圧プラス端子
28 総電圧マイナス端子
29 中間プラス端子
30 中間マイナス端子
31 回路ブロック部
32 導電回路
33 第1コネクタ部(コネクタ部)
34 第2コネクタ部(コネクタ部)
37 第1リレー(リレー)
38 第2リレー(リレー)
40 サービスプラグ(遮断装置)
42,43 総電圧バスバー(総電圧接続部材)
45,46 中間バスバー(中間接続部材)
47 絶縁カバー
48 回路カバー
49 総電圧端子カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7