(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-27
(45)【発行日】2022-11-07
(54)【発明の名称】作業台
(51)【国際特許分類】
B25H 1/04 20060101AFI20221028BHJP
E04G 21/14 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
B25H1/04
E04G21/14
(21)【出願番号】P 2022077574
(22)【出願日】2022-05-10
【審査請求日】2022-05-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517320521
【氏名又は名称】池田 亨司
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 亨司
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-137878(JP,A)
【文献】特開2021-074803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H 1/04
E04G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置される載置物を支持する作業台であって、
それぞれ、2枚の半支持板が、側縁部の上部側または下部側の一方に設けられた結合部で結合されるとともに、側縁部の上部側または下部側の他方にスリットが形成されてなる1対の支持板を有し、
上記1対の支持板における各スリットに、互いに他方の支持板の結合部が嵌まり込んで断面X字状に交差するように組み合わされるとともに、
上記交差部分の端部に、上記1対の支持板が互いになす角度を固定する固定部材が設けられ
、
上記半支持板に、上記固定部材を収容し得る穴または凹部が形成されていることを特徴とする作業台。
【請求項2】
請求項1の作業台であって、
上記結合部は、半支持板の側縁部に形成された凹部または穴にヒンジピンが挿入されて結合されていることを特徴とする作業台。
【請求項3】
請求項2の作業台であって、
上記ヒンジピンは、それぞれ上記各半支持板の凹部または穴に挿入される1対のピン部と、上記1対のピン部同士を所定の間隔を空けて連結する連結部とを有し、結合状態の上記半支持板を折り畳み得るように構成されていることを特徴とする作業台。
【請求項4】
請求項1の作業台であって、
複数の上記作業台における上記支持板の端部同士が、上記固定部材によって連結され得るように構成されていることを特徴とする作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場で板状部材を載置して加工したりするために用いられる作業台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築現場で使用するための作業台として、下部に切り込み部を設けた支持台雄部と、上部に切り込み部を設けた支持台雌部とをクロスに組み合わせて使用される作業台が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように下部や上部に切り込み部を設けてクロスに組み合わせる支持台雄部や支持台雌部は、切り込み部を挟んで両側に延びる長さを有するため、持ち運びしにくかったり、組み合わされたときに支持台雄部と支持台雌部とが成す角度が一定になりにくいため、安定性が損なわれたりしやすい。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、作業台の持ち運びを容易にしたり、安定性を高めることを容易にしたりすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、
本発明は、
載置される載置物を支持する作業台であって、
それぞれ、2枚の半支持板が、側縁部の上部側または下部側の一方に設けられた結合部で結合されるとともに、側縁部の上部側または下部側の他方にスリットが形成されてなる1対の支持板を有し、
上記1対の支持板における各スリットに、互いに他方の支持板の結合部が嵌まり込んで断面X字状に交差するように組み合わされるとともに、
上記交差部分の端部に、上記1対の支持板が互いになす角度を固定する固定部材が設けられていることを特徴とする。
【0007】
これにより、半支持板を折り畳んだり分解したりしてコンパクトにすることができるので、持ち運びが容易になる。
【0008】
また、支持板の交差部分に固定部材が設けられることにより、支持板が互いになす角度を固定して安定性を高めることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、作業台の持ち運びを容易にしたり安定性を高めたりすることが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】作業台100の全体構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
作業台100は、
図1に示すように、1対の支持板110がX字状に交差するように組み合わされて構成されている。各支持板110は、
図2に示すように、2枚の半支持板111が、ヒンジピン120により結合されて構成されている。より詳しくは、半支持板111は、
図2における側縁部の上部側の結合部111aに形成された凹部111b(または穴)に、
図3に示すように、ヒンジピン120の連結部122で連結されたピン部121が回動自在に挿入されて結合されている。これにより、支持板110を折り畳んでコンパクトにできるので、持ち運ぶことなどが容易にできる。なお、上記のように折り畳むのに限らず、半支持板111を脱着可能にしてもよく、この場合でも容易に持ち運ベルようにできる。
【0013】
上記のように結合された2枚の半支持板111の間には、
図2における下部側にスリット112が形成されている。そこで、1対の他方の支持板110を上下反転させ、各支持板110のスリット112に、互いに他方の支持板110の結合部111aを嵌め込むことによって、
図1に示すような中央部で断面X字状に交差するように支持板110を組み合わせることができる。
【0014】
上記各半支持板111の上下縁には、作業台100に載置される載置物と作業台100との間に手指を入れやすくするための上下縁凹部111cが形成されている。また、半支持板111の上下縁の近傍には、それぞれ4つの指挿入穴111dが形成され、支持板110や作業台100を掴みやすいようにしたり、ロープなどによって結束したりしやすいようになっている。半支持板111には、また、後述する固定部材130を収容し得る固定部材収容穴111e(または凹部)が形成されている。
【0015】
1対の支持板110の交差部分には、支持板110が互いになす角度を固定する固定部材130が設けられている。上記固定部材130は、
図4に示すように、円板部131に、断面くの字形の4つの立設壁部132が立設され、十字形の溝部133が形成されている。上記溝部133に、支持板110の交差部分の縁部が嵌まり込むことによって、支持板110のなす角度が一定に保たれるようになっている。これにより、作業台100がぐらつきにくくなるなど安定性を高めることが容易にできる。ここで、上記固定部材130の円板部131は、支持板110の交差部分の縁部に形成された固定部材埋込段差111fに埋め込まれることによって、作業台100の上下端が面一になるようになっている。また、固定部材130における立設壁部132には係止凸部132aが形成される一方、支持板110の交差部分付近には係止凹部111gが形成され、これらが係合することによって、固定部材130が支持板110に強固に取り付けられるようになっている。
【0016】
上記のように、2枚の半支持板111が、結合部111aでヒンジピン120等により結合されて支持板110が構成されることにより、半支持板111を折り畳んだり分解したりしてコンパクトにすることができるので、例えばキャリーバッグに入れて電車で持ち運びすることが容易になるなど、使い勝手を向上させることが容易にできる。または、使い勝手を損なうことなく、作業台100を大型化することが容易にできる。
【0017】
また、支持板110の交差部分に固定部材130が設けられることにより、支持板110が互いになす角度を固定して安定性を高めることが容易にできる。
【0018】
また、半支持板111に形成された固定部材収容穴111eに固定部材130を収容可能にすることにより、作業台100の持ち運びを一層容易にしたり、固定部材130を紛失しにくくしたりすることが容易にできる。
【0019】
なお、上記のような作業台100は、その上に加工対象などを載置してもよいし、板部材などを載置してテーブルのようにして使用してもよい。
【0020】
(その他の事項)
半支持板111は、上記のように結合部111aで他の半支持板111と結合されるのに限らず、結合部111aとは反対側の端部、すなわち支持板110の端部で他の半支持板111と固定部材130を介して結合されるようにしてもよい。具体的には、例えば
図5に示すように、2組の作業台100を支持板110の2箇所の端部同士が固定部材130により結合されるようにして連結することもできる。ここで、支持板110の端部にも
図2に併せて示すように係止凹部111gを形成して固定部材130の係止凸部132aと係合させることにより強固に連結することが容易にできる。これによって、作業台100を大型化したり、安定性を一層向上させたりすることが容易にできる。さらに、より多くの作業台100を網目状などに連結するなどしてもよい。
【0021】
また、上記の例のように、半支持板111の結合部111aの部分で支持板110を折り曲げることができる場合には、
図6に示すように2枚の支持板110をそれぞれ直角に折り曲げて互いに連結し、小型の正方形状の作業台などを構成してもよい。
【符号の説明】
【0022】
100 作業台
110 支持板
111 半支持板
111a 結合部
111b 凹部
111c 上下縁凹部
111d 指挿入穴
111e 固定部材収容穴
111f 固定部材埋込段差
111g 係止凹部
112 スリット
120 ヒンジピン
121 ピン部
122 連結部
130 固定部材
131 円板部
132 立設壁部
132a 係止凸部
133 溝部
【要約】
【課題】作業台の持ち運びを容易にし、また、安定性を高める。
【解決手段】作業台100は、それぞれ、2枚の半支持板111が、側縁部の上部側または下部側の一方に設けられた結合部111aで結合されるとともに、側縁部の上部側または下部側の他方にスリット112が形成されてなる1対の支持板110を有し、1対の支持板110における各スリット112に、互いに他方の支持板110の結合部111aが嵌まり込んで断面X字状に交差するように組み合わされるとともに、交差部分の端部に、支持板110が互いになす角度を固定する固定部材130が設けられている。
【選択図】
図1