(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】多層MDO耐熱熱収縮性フィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 27/36 20060101AFI20221031BHJP
C08G 63/672 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
B32B27/36
C08G63/672
(21)【出願番号】P 2019528127
(86)(22)【出願日】2017-11-24
(86)【国際出願番号】 KR2017013546
(87)【国際公開番号】W WO2018097656
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2016-0157613
(32)【優先日】2016-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513193923
【氏名又は名称】エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リム ソルフィ
(72)【発明者】
【氏名】キム スンギ
(72)【発明者】
【氏名】キム ソヨン
【審査官】増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-202940(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0092113(KR,A)
【文献】特表2011-513550(JP,A)
【文献】特許第4411556(JP,B2)
【文献】特開2018-34425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C08J 5/18
C08G 63/672
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層、および
前記基材層の上面および下面のうちの少なくとも一面にスキン層を含み、
前記基材層およびスキン層は、テレフタル酸を含む酸成分とジオール成分が共重合されて、前記酸成分から誘導された酸部分およびジオール成分から誘導されたジオール部分が繰り返される構造を有する共重合ポリエステル樹脂からなり、
前記基材層およびスキン層でジオール成分は1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールおよびポリグリコールからなる群より選択された1種以上をモノマーとして含むものであり、
前記スキン層でジオール成分はイソソルバイドをさらに含み、前記スキン層のイソソルバイド含有量は、スキン層に含まれている全体ジオール成分に対して1mol%以上であり、
前記基材層でジオール成分はイソソルバイドを含まないか、または前記基材層でジオール成分はイソソルバイドをさらに含み、前記基材層のイソソルバイドの含有量は、スキン層に含まれているイソソルバイド含有量と対比して50%以下である、
多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【請求項2】
前記フィルムは95~100℃での最大熱収縮率が50%以上である、請求項1に記載の多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【請求項3】
前記フィルムは収縮開始温度が70℃以上である、請求項1に記載の多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【請求項4】
前記酸成分は、炭素数8~14の芳香族ジカルボン酸成分および炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸成分からなる群から選択される1種以上をさらに含む、請求項1に記載の多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【請求項5】
前記スキン層でジオール成分のイソソルバイド含有量は、前記スキン層に含まれている全体ジオール成分に対して1~60mol%であり、
前記基材層でジオール成分はイソソルバイドを含まない、請求項1に記載の多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【請求項6】
前記スキン層は、加工助剤、静電印加剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、増粘剤、およびアンチブロッキング剤からなる群より選択された添加剤1種以上をさらに含む、請求項1に記載の多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【請求項7】
前記スキン層は、加工助剤、静電印加剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、増粘剤、およびアンチブロッキング剤からなる群より選択された添加剤1種以上をさらに含むコーティング層をさらに含む、請求項1に記載の多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【請求項8】
前記フィルムは5%以下のヘイズを有する、請求項1に記載の多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【請求項9】
前記フィルムは、MD(Machine Direction)方向に1.1倍~5倍延伸して製造されたものである、請求項1に記載の多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【請求項10】
フィルムの全体厚さが10~60μmである、請求項1に記載の多層MDO耐熱熱収縮性フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年11月24日付の韓国特許出願第10-2016-0157613号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、耐熱性に優れた共重合ポリエステルの多層MDO耐熱高収縮フィルムに関し、より詳しくは、各種容器のラベル、キャップシールまたは直接包装などの用途に使用可能な共重合ポリエステル樹脂の耐熱性MDO(Machine Direction Orientation)多層熱収縮フィルムに関する。
【背景技術】
【0003】
熱収縮性プラスチック製品は加熱により収縮する性質を用いて、収縮包装、収縮ラベル(label)などのフィルム用途に広く使用される。そのうち、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(Polystyrene)、ポリエステル(polyester)系プラスチックフィルムなどが各種容器などのラベル(label)やキャップシール(capseal)、または直接包装などの目的で使用されてきた。
【0004】
しかし、ポリ塩化ビニルからなるフィルムは、焼却時に塩化水素ガスおよびダイオキシンの原因になる物質が発生する問題があり、規制の対象となっている。また、この製品をPET容器などの収縮ラベルとして用いる場合、容器をリサイクルして利用する時にはラベルと容器とを分離シなければならない煩わしさがあった。また、ポリスチレン(polystyrene)系フィルムは収縮工程による作業安定性が良く、製品の外観が良好な反面、耐薬品性が良くなくて印刷する時には特殊な組成のインクを使用しなければならない問題がある。さらに、常温での保管安定性が不十分で自然に収縮するなど寸法が変わる短所がある。
【0005】
特に、一般的なMDO熱収縮フィルムは、耐熱度が低い高収縮フィルムであるかフィルムの耐熱度は高いが、収縮率が低い特徴がある。耐熱度を向上させるイソソルバイドモノマーはフィルムの伸び率を低下させる特徴がある。
【0006】
したがって、高収縮と耐熱性を同時に確保できる耐熱性高収縮フィルムに対する研究が必要であるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、高収縮を付与できる基材層を基本にし、その上に耐熱度を向上できるスキン層を多層に形成し、従来のTD延伸方法ではなくMD延伸を通じて優れた耐熱性および高収縮特性を同時に有する共重合ポリエステル樹脂の耐熱性MDO多層熱収縮フィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基材層、および前記基材層の上面および下面のうちの少なくとも一面にスキン層を含み、
前記基材層およびスキン層は、テレフタル酸を含む酸成分とジオール成分が共重合されて、前記酸成分から誘導された酸部分およびジオール成分から誘導されたジオール部分が繰り返される構造を有する共重合ポリエステル樹脂からなり、
前記基材層およびスキン層で、ジオール成分は1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールおよびポリグリコールからなる群より選択された1種以上をモノマーとして含むものであり、
前記スキン層で、ジオール成分はイソソルバイドをさらに含み、前記スキン層のイソソルバイド含有量はスキン層に含まれている全体ジオール成分に対して1mol%以上の多層MDO耐熱熱収縮性フィルムを提供する。
【0009】
前記スキン層に含まれている共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度が90度以上になることができる。
【0010】
本発明の多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは、95~100℃での最大熱収縮率が50%以上であり得、収縮開始温度が70℃以上であり得る。また、前記多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは5%以下のヘイズを有することができる。
【0011】
前記共重合ポリエステルの多層MDO耐熱熱収縮性フィルムにおいて、基材層およびスキン層は、前記酸成分として炭素数8~14の芳香族ジカルボン酸成分および炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸成分からなる群から選択される1種以上をさらに含むことができる。
【0012】
前記基材層で、ジオール成分はイソソルバイドをさらに含むことができ、前記基材層のイソソルバイド含有量は、スキン層に含まれているイソソルバイド含有量と対比して50%以下であることができる。
【0013】
また、前記スキン層は、加工助剤、静電印加剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、増粘剤、およびアンチブロッキング剤からなる群より選択された添加剤1種以上を含むことができる。または、前記スキン層は、加工助剤、静電印加剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、増粘剤、およびアンチブロッキング剤からなる群より選択された添加剤1種以上をさらに含むコーティング層をさらに含むことができる。このような添加剤が含まれているスキン層あるいはコーティング層は1層以上であり得る。
【0014】
また、前記多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは、MD(Machine Direction)方向に1.1倍~5倍延伸して製造されたものであってもよい。
【0015】
本発明の多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは、フィルム全体厚さが10~60マイクロメータ(μm)であってもよい。
【0016】
また、本発明の他の一実施形態によると、前述したような共重合ポリエステル樹脂を用いた多層MDO耐熱フィルムを提供する。前記多層MDO耐熱フィルムは、基材層、および前記基材層の上面および下面のうちの少なくとも一面にスキン層を含み、前記基材層およびスキン層は、テレフタル酸を含む酸成分とジオール成分が共重合されて、前記酸成分から誘導された酸部分およびジオール成分から誘導されたジオール部分が繰り返される構造を有する共重合ポリエステル樹脂からなり、前記基材層およびスキン層で、ジオール成分は1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールおよびポリグリコールからなる群より選択された1種以上をモノマーとして含むものであり、
前記スキン層で、ジオール成分はイソソルバイドをさらに含み、前記スキン層のイソソルバイド含有量は、スキン層に含まれている全体ジオール成分に対して1mol%以上である。
【0017】
前記多層MDO耐熱フィルムは、MD(Machine Direction)方向に1.1倍~5倍延伸して製造されたものであり得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る多層MDO耐熱高収縮フィルムは、高収縮を付与できる基材層を基本にし、その上に耐熱度を向上させることができるスキン層を多層に形成し、従来のTD延伸方法ではなくMD延伸を通じて優れた耐熱性および高収縮特性を同時に有し、透明性が改善されたフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1(a)は、多層耐熱MDO収縮フィルムの構成を示す図であり、基材層の上面と下面いずれもスキン層を配置する3層で構成された多層MDO耐熱高収縮フィルムを示した図である。
図1(b)は、多層耐熱MDO収縮フィルムの構成を示す図であり、基材層の上面または下面のうちの一面にスキン層を配置する2層で構成された多層MDO耐熱高収縮フィルムを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明において、第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するために用いられ、前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ用いられる。
【0021】
また、本明細書に使用された用語は、単に例示的な実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定する意図はない。単数の表現は文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、‘含む’、‘備える’または‘有する’などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0022】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるため、特定の実施例を図面に例示し詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。
【0023】
以下、本発明の好ましい一実施形態による共重合ポリエステルの多層MDO耐熱熱収縮性フィルムについてより具体的に説明する。
【0024】
本発明の一実施形態によると、基材層、および前記基材層の上面および下面のうちの少なくとも一面にスキン層を含み、前記基材層およびスキン層は、テレフタル酸を含む酸成分とジオール成分が共重合されて、前記酸成分から誘導された酸部分およびジオール成分から誘導されたジオール部分が繰り返される構造を有する共重合ポリエステル樹脂からなり、前記基材層およびスキン層で、ジオール成分は1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールおよびポリグリコールからなる群より選択された1種以上をモノマーとして含むものであり、前記スキン層で、ジオール成分はイソソルバイドをさらに含み、前記スキン層のイソソルバイド含有量はスキン層に含まれている全体ジオール成分に対して約1mol%以上である多層MDO耐熱熱収縮性フィルムを提供する。
【0025】
特に、一般的なMDO熱収縮フィルムは、耐熱度が低い高収縮フィルムであるかフィルムの耐熱度は高いが、収縮率が低い特徴がある。耐熱度を向上させるイソソルバイドモノマーはフィルムの伸び率を低下させる特徴がある。これによって、本発明は、高収縮を付与できる第1層(基材層、メイン層)を基本にし、その上に耐熱度を向上させることができるスキン層を多層に形成して収縮率を向上させ、かつ耐熱度の低下の問題を克服することもできる多層MDO耐熱高収縮フィルムを提供することを特徴とする。既存の多層MDOフィルム(film)の場合、機能性を付与するために添加剤を追加して使用する構成があるが、本発明の多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは、耐熱度を付与しながら収縮率を向上させることができる組み合わせで構成されている特徴がある。
【0026】
前記MDO(Machine Direction Orientation)フィルムは、押出した樹脂の長さ方向あるいは横方向(押出時の流れ方向)に延伸させて製造するフィルムを称す。
【0027】
また、本発明の多層MDO耐熱高収縮フィルムは2層以上の多層で構成される。一例として、
図1に示したように、基材層の上面と下面いずれもスキン層を配置する3層以上で構成された多層MDO耐熱高収縮フィルムであるか(
図1(a)参照)、基材層の上面または下面のうちの一面にスキン層を配置する2層以上で構成された多層MDO耐熱高収縮フィルム(
図1(b)参照)であることができる。
【0028】
まず、基材層であるメイン層は耐熱度は低いが、MD延伸時に延伸率に優れ、最大収縮率が高い樹脂で、特に、ジオール(diol)成分として1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ポリグリコールなどが一つ以上モノマーとして含まれるポリエステル樹脂を使用することができる。
【0029】
また、スキン層で、ジオール成分は耐熱度が高いイソソルバイドを必ず含むポリエステル樹脂を使用することができる。前記スキン層は、ジオール成分中のイソソルバイドの含有量は、スキン層に含まれている全体ジオール成分に対して約1mol%以上または約1mol%~60mol%であり得、好ましくは、3.5mol%以上または約3.5mol%~58mol%、あるいは約5mol%以上または約5mol%~56mol%であり得る。前記スキン層でイソソルバイドの含有量が約1mol%未満であるとフィルムの耐熱度が低下して、充填製品(収縮フィルムを使用した容器に入れる物質、例えば、温かい飲み物)の温度が高い材料を使用する場合には耐熱度の低いフィルムがフィルム間の接触による不良が発生する恐れがある。
【0030】
ただし、スキン層でイソソルバイドの含有量が増加するとイソソルバイド含有量が高くて壊れやすい(Brittle)特性が大きくなることができ、延伸可能な比率が低くなって最大収縮率が減少することができるので、好ましくは約60mol%以下の範囲で使用することができる。前述のように優れた耐熱度および最大収縮率、収縮開始温度などを向上させて脆性(brittle)防止および成形と後工程時に熱による変形などを防止する側面から前記含有量の範囲で含まれる。
【0031】
また、本発明の多層MDO耐熱熱収縮性フィルムの基材層とスキン層の比率は、スキン層に使用する樹脂のイソソルバイド含有量に応じて異なり、印刷の際、必要な印刷加工温度を考慮して約70度以上の収縮開始温度を有する耐熱度を基準にして比率を決定することができる。
【0032】
このとき、スキン層に含まれている共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は約85度以上であり得、さらに好ましくは90度以上であり得る。前記フィルムは約95~100℃での最大熱収縮率が約50%以上となることができ、前記フィルムは、収縮開始温度が約70℃以上であり得る。
【0033】
前記基材層とスキン層はテレフタル酸を含む酸成分と前述のようなジオール成分が共重合されて、前記酸成分から誘導された酸部分およびジオール成分から誘導されたジオール部分が繰り返される構造を有する共重合ポリエステル樹脂からなるものである。
【0034】
本発明に使用される酸成分(acid component)は、主成分としてテレフタル酸を含む。つまり、前記酸成分は全体酸成分がテレフタル酸成分であるか、ポリエステル樹脂の物性改善のために、テレフタル酸成分以外に、炭素数8~14の芳香族ジカルボン酸成分および炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸成分からなる群から選択された共重合酸成分(共重合モノマー)を一部含むことができる。
【0035】
前記炭素数8~14の芳香族ジカルボン酸成分は、テレフタル酸成分を除いた、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などポリエステル樹脂の製造に通常使用される芳香族ジカルボン酸成分を含み、前記炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸成分は1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸などのシクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、セバシン酸、コハク酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピック酸、グルタル酸、アゼライ酸などポリエステル樹脂の製造に通常使用される線状、分枝状または環状の脂肪族ジカルボン酸成分を含む。
【0036】
前記酸成分は、単独または2以上を配合した形態で用いることができる。本明細書において、テレフタル酸成分などの用語はテレフタル酸、そのアルキルエステル(モノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルまたはジブチルエステルなど炭素数1~4の低級アルキルエステル)および/またはこれらの酸無水物(acid anhydride)を含む意味で使用され、グリコール成分と反応して、テレフタロイル部分(terephthaloyl moiety)を形成する。また、本明細書において、酸部分(acid moiety)およびジオール部分(diol moiety)は、酸成分およびジオール成分が通常のポリエステル重合反応されるとき、水素、ヒドロキシ基またはアルコキシ基が除去され、残った残基(residue)をいう。
【0037】
また、前記基材層とスキン層で使用されるジオール成分(diol component)は、基本的に1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリグリコールからなる群から選択される1種以上のジオール成分を含む。前記スキン層においては前記ジオール成分以外にイソソルバイドを所定の範囲でさらに含む。これに反し、基材層にはイソソルバイドを全く含まないかまたは工程量産方式により基材層にもイソソルバイドを少量程度含むことができる。ただし、このように基材層に含まれているイソソルバイド含有量は、スキン層に含まれているイソソルバイド含有量と対比して約50%以下あるいは約40%以下、または約10%~30%となることができる。
【0038】
ここで、前記ジオール成分中の1,4-シクロヘキサンジメタノールはシス-、トランス-、または二つの異性体の混合物を使用することができる。また、高分子の成形性またはその他物性を改善するために、選択的にジエチレングリコールなどを含むことができる。本発明で用いられるジオール成分、つまり、イソソルバイドと1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリグリコールなどの総含有量は100mol%を超えない範囲で使用することができる。特に、前記ジオール成分の残りの成分としては、全体ジオール成分の和が100mol%となるようにエチレングリコールなどを追加して使用することができる。
【0039】
また、本発明の共重合ポリエステル樹脂は、必要に応じて、下記ジオール成分を一つ以上追加して使用することができる。使用可能なジオール成分としては、プロパン-1,2-ジオール、2,2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-n-プロピル-1,3-プロパンジオール、1,1-エチル-n-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-n-プロピル-2-n-ブチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジ-n-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-n-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-n-ブチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ジメチル-1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、2-エチル-1,4-ブタンジオール、2,3,4-トリメチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-ヘキシル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-ヘキシル-1,3-プロパンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、トリエチレングリコール(triethylene glycol)などのポリエチレングリコール(polyethylene glycol)、ポリプロピレングリコール(polypropylenglycol)、ポリオキシテトラメチレングリコール(polyoxy tetramethylene glycol)、ビスフェノール(bisphenol)化合物またはその誘導体のアルキレンオキシド(alkylene oxide)などのエーテルグリコール(ether glycol)またはダイマージオール(dimer diol)またはこれらの混合物などが挙げられる。前記追加ジオール成分の含有量は、ポリエステル樹脂の物性を阻害しない範囲で、全体ジオール成分の和が100mol%となるように任意に調節可能である。
【0040】
また、本発明のスキン層共重合ポリエステル樹脂には加工助剤、静電印加剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、増粘剤、およびアンチブロッキング剤などの添加剤1種以上を含むかまたは帯電防止剤処理耐熱処理のコーティング層を追加したものであり得る。前記コーティング層は加工助剤、静電印加剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、増粘剤、およびアンチブロッキング剤からなる群より選択された添加剤1種以上をさらに含むことができる。このような添加剤が含まれているスキン層あるいはコーティング層は1層以上であってもよく、例えば、5層または7層で構成することができる。前記機能性添加剤は、スキン層またはコーティング層の樹脂成分の全体重量に対して約1~5重量%程度使用可能であり、当該範囲内で使用することでフィルム成形が容易で、かつフィルムに多様な特性をさらに付与させることができる。
【0041】
特に、前記使用する添加剤が無機粒子の場合、例えば、シリカ系の場合平均粒径は約10マイクロメータ以下、または好ましくは約5マイクロメータ以下であればフィルムの透明性を維持するのに適した特徴を有する。
【0042】
このとき、全体層に約1~5重量%程度を使用するものよりも、スキン層にだけ添加剤を追加する場合、機能は同一に維持しながらフィルムの外観(HazeおよびColor)と機能性添加剤の消耗量の減少に対する費用節減などの利点がある。
【0043】
特に、本発明のスキン層に約5%内外のアンチブロッキングマスターバッチ(M/B、master batch)を使用することができる。これは、単一層にマスターバッチを使用するものよりも少量を使用できるので、アンチブロッキングマスターバッチに含まれている無機物の量が減少してフィルムの透明度が向上し、マスターバッチの使用量の減少による材料費の節減効果を得ることもできる。
【0044】
また、前記多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは、MD(Machine Direction)方向に約1.1倍~約5倍、あるいは約1.1倍~約4.5倍、あるいは約1.1倍~約4倍延伸して製造されたものであり得る。
【0045】
このとき、MD延伸装置は、予熱ローラ、延伸ローラ、アニーリングローラ、冷却ローラで構成され得る。前記ローラ延伸装置の温度は、一般にガラス転移温度よりも予熱ローラの場合約10~約30℃程度高く設定し、延伸ローラの場合約5~20℃程度高く設定し、アニーリングローラの場合約10~30℃程度低く設定し、冷却ローラの場合約20~50℃程度低く設定することができ、その結果、均一な延伸が可能で偏差を最小化できる。
【0046】
前記延伸ローラ間の速度を異にすることで延伸倍率が調節可能で、例えば、前記第1延伸ローラおよび第2延伸ローラの速度比は約1:12~1:5、好ましくは約1:15~1:3であるとき、MDO熱収縮フィルムの強度および収縮率が改善され得る。
【0047】
本発明の多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは、フィルム全体厚さが約10~約60マイクロメータ(μm)であり得る。また、前記多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは、約95度~約100度付近で最大収縮率が一定で温度に応じた敏感度が低くて均一な製品を作ることができる特徴がある。約100度でのTD(Transverse direction)収縮率が約5%以下、好ましくは約2%以下に低く、寸法安定性に優れた特徴がある。ここで、TD(Transverse direction)は押出した樹脂の縦方向(押出時の流れ反対方向)に該当することで、フィルムの縦方向を指す。このとき、寸法安定性は、延伸後のフィルムのアニーリング条件によって変更が可能であり、アニーリング温度が延伸温度と類似しているか高いほどまたはアニーリング速度が遅いほどTD収縮率の変化が小さくなる特徴がある。
【0048】
本発明の多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは、上述した成分および組成以外に、本発明の属する技術分野において通常採用される添加剤などをさらに含むことができる。
【0049】
また、本発明の他の一実施形態によると、前述した共重合ポリエステル樹脂を用いた多層MDO耐熱フィルムを提供する。前記多層MDO耐熱フィルムは、基材層、および前記基材層の上面および下面のうちの少なくとも一面にスキン層を含み、前記基材層およびスキン層は、テレフタル酸を含む酸成分とジオール成分が共重合されて、前記酸成分から誘導された酸部分およびジオール成分から誘導されたジオール部分が繰り返される構造を有する共重合ポリエステル樹脂からなり、前記基材層およびスキン層でジオール成分は1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールおよびポリグリコールからなる群より選択された1種以上をモノマーとして含むものであり、
前記スキン層で、ジオール成分はイソソルバイドをさらに含み、前記スキン層のイソソルバイド含有量は、スキン層に含まれている全体ジオール成分に対して約1mol%以上または約1mol%~60mol%となることができ、好ましくは3.5mol%以上または約3.5mol%~58mol%、あるいは約5mol%以上または約5mol%~56mol%となることができる。
【0050】
前記多層MDO耐熱フィルムは、MD(Machine Direction)方向に約1.1倍~約5倍、あるいは約1.1倍~約4.5倍、あるいは約1.1倍~約4倍延伸して製造されたものであり得る。
【0051】
このような共重合ポリエステル樹脂の組成および物性特徴、製造方法などは前述した通りである。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の理解を助けるために望ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示したものに過ぎず、本発明の範囲は下記の実施例によって限定されるものではない。
【0053】
製造例1~9:ポリエステル樹脂の重合工程
テレフタル酸100mol%を基準に、下記表1に示したような残留構成成分組成で、テレフタル酸と共に1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、イソソルバイド(ISB)を使用して実施例1~4および比較例1~4で基材層またはスキン層を構成する製造例1~9のポリエステル樹脂(樹脂1~9)を製造した。
【0054】
ここで、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)の残留率は約95%~100%、ネオペンチルグリコール(NPG)、イソソルバイド(ISB)の残留率は約55%~約80%の水準であり、ジエチレングリコール(DEG)は自然発生量と共に追加投入により約80%~95%の残留率を有し、酸成分に対する全体ジオール成分のモル比(G/A)は、約1.2~3の水準で投入モル比を変更して重合した。
【0055】
前記ポリエステル樹脂を製造するにあたり、投入量を除いた基本的な反応条件は以下の通りである。
【0056】
それぞれの原料を用いた共重合されたポリエステル樹脂を3kgバッチ反応器で混合しながら、温度を徐々に約255~270℃まで昇温しながら反応させた。
【0057】
このとき、発生する水を系外へ流出させてエステル反応させ、水の発生、流出が終了すると撹拌機と冷却コンデンサおよび真空システム付きの重縮合反応器に内容物を移した。前記エステル化反応物に触媒、安定剤、呈色剤を適正な比率で添加した後、反応機の内部温度を約240℃から285℃まで上げながら圧力を一次的に常圧から約50mmHgまで減圧し、約20分間低真空反応でエチレングリコールを抜き出し、再び約0.1mmHgまで徐々に減圧して高真空雰囲気で所望の固有粘度となるまで重縮合反応させて共重合ポリエステル樹脂を製造した。
【0058】
製造された共重合ポリエステル樹脂を用いてMDO熱収縮フィルムを製造した。ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ティーエイインスツルメント(TA instrument)社のMettler Toledoの示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimetry)を用いて測定した。このとき、昇温速度は約10℃/minで測定し、熱履歴を除いた2ndTgの値を表記した。
【0059】
また、前記ポリエステル樹脂に対して下記の方法でNMRを用いて成分分析を行い、このように測定された樹脂の成分分析結果は下記の表1に示す。
【0060】
成分分析(NMR)
ECA 600、Jeol(600MHz、H-NMR)機器を用いてFourier-Transform(for higher resolution and faster scanning)モードで測定した。このとき、試料前処理方法は、ペレット(pellet)試料量約15mgをNMR tube(quartz、NMR inactive)に入れ、クロロホルム(chloroform)約0.7mLを入れて溶解させて、分析時に使用した。
【0061】
このような測定結果は、酸(acid)比率を100mol%としたジオール(diol)成分の組成の結果であって、下記表1にDiolの組成を示した。参考として、ジエチレングリコール(DEG)の場合投入しなくても副反応によって微量成分が検出される特徴がある。一般に、DEG発生は、ポリエステル重合に関する一般的な副反応の結果のうち一つとして知られている。
【0062】
【0063】
実施例1~4および比較例1~5:多層MDO耐熱熱収縮性フィルムの製造
下記表2に示すような構成で熱収縮性フィルムを製造した。まず、スキン層と基材層のそれぞれの層を他の押出機で溶融押出してロールで溶融接着する方法(multilayer押出)を用いて押出した。
【0064】
このとき、スキン層と基材層の溶融粘度(melt viscosity)が類似しているようにそれぞれのバレル温度を調節することが好ましく、基材層の場合ポリマー温度基準に約250度~約255度の水準で温度を調節し、スキン層は、スキン層を構成する樹脂の耐熱度と粘度を考慮して成形品の厚さを均一にするために基材層とスキン層の粘度を類似に合わせて押出し、一般に耐熱度の高いスキン層の場合、基材層よりも押出温度を上昇させて成形した。一例として、樹脂4は約260度、樹脂7は約265度、樹脂8は約270度で押出した。
【0065】
T-ダイから押出したシートを約40度~90度に調整された引取用冷却ローラによって冷却させた。以降、約80~140度に調整されたローラ延伸装置内で低速度ローラと高速度ローラの速度比によってMD方向に約1.1~約4倍で延伸して巻取機で巻き取ってフィルムロールを得ることができる。
【0066】
【0067】
試験例
実施例1~4および比較例1~5により製造された熱収縮性フィルムに対して、次のような方法で物性評価を行い、その物性測定結果は下記表3に示す。
【0068】
a)透明度(Haze)
Nippon Denshoku社のヘーズメーター(NDH7000)を用いてフィルムのHazeを測定した。
【0069】
b)成形品(フィルム)の65度の条件で変形
陽刻印刷の温度は約62度~約65度の水準であり、高温充填の飲み物の温度が約60度~約70度であるため、平均約65度の条件でMD延伸フィルムの変形率を確認して耐熱度を評価した。
【0070】
約10cm×10cmの正方形に裁断して、約65度の水槽(water bath)にフィルムを約15秒間入れて変形の可否を確認した。
【0071】
c)熱収縮率(%、75度、100度)
約10cm×10cmの正方形に裁断し、下記表に記載されている温度約75度または約100度で約15秒~20秒間水槽(water bath)に入れて熱収縮させた後、試料の縦方向(TD)および横方向(MD)の長さを測定して下記の計算式1により算出した。ここで、横方向(MD)はフィルムの延伸方向に該当し、縦方向(TD)はフィルムの延伸方向の反対方向に該当する。
【0072】
[計算式1]
熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ-収縮後の長さ)/(収縮前の長さ)
【0073】
【0074】
前記表3に示したように、本発明により製造された実施例1~4の共重合ポリエステルの多層MDO耐熱熱収縮性フィルムは最大収縮率を向上させ、スキン層にアンチブロッキングマスターバッチ(M/B)を付与して透明度を顕著に向上させることができることが分かる。特に、実施例1では、基材層に収縮率が高い樹脂を使用し、スキン層に耐熱度を高める樹脂から構成された多層熱収縮フィルム生産の際、最大収縮率は63%で高い値を得ることができ、65度基準でフィルムの変形がなくて内部充填製品の温度が高くても安定的に使用できることを確認できる。実施例2では、CHDMとISB含有量を調節して収縮率が改善され、65%で実施例1よりも高くなる現象を確認できる。
【0075】
また、実施例2および3によると、スキン層の厚さはスキン層を構成する樹脂の耐熱度と所望の耐熱度水準により多様に変更可能で、基材層の厚さが同じであり、基材層の成分が同じである場合には最大収縮率が類似な水準であることが分かる。実施例4では、基材層を構成する樹脂の収縮率により最大収縮率の差があり、実施例3よりも基材層の厚さが厚くても基材層の樹脂の特性によって収縮率は実施例3よりも低い特徴を有することが分かる。また、単層に機能性添加剤を全体に4%を追加したものよりも、実施例2および4のように、スキン層にスキン層を構成する成分の4%を追加した場合にフィルムのヘイズ(Haze)値が低くて透明性が高くなることを直接的に確認できる。
【0076】
一方、既存の方式で共重合ポリエステル樹脂を製造して用いた比較例1~5の熱収縮フィルムは、印刷加工時に温度で変形が発生するか最大収縮率が顕著に落ちる問題が発生することが分かる。特に、比較例1~4では、単層のMD収縮フィルムを示したものであり、収縮フィルムを構成するポリエステル樹脂の耐熱度によりフィルムの65度での変形の可否と収縮率の変化を確認できる。このうち、比較例1および2の場合、耐熱度を向上させるイソソルバイドは延伸可能な伸び率を低下させて、最大収縮率を多少低下させることが分かる。比較例3および4では、最大収縮率は高いが、耐熱度は顕著に落ち、65度の条件でフィルムの変形が発生する短所があることが分かる。また、比較例5では、基材層にイソソルバイド9.5mol%を含む樹脂を使用してガラス転移温度が高いフィルムに適用し、スキン層にイソソルバイドを含まない樹脂を用いたガラス転移温度が低いフィルムで組み合わせて多層MDO耐熱熱収縮性フィルムを製造したもので、このような場合最大収縮率も45%に低下し、同時に65度の条件でフィルムの変形が発生する問題があることが分かる。
【符号の説明】
【0077】
1:スキン層
2:基材層