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  • 特許-墓所に設置される水汲み場 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】墓所に設置される水汲み場
(51)【国際特許分類】
   E04H 13/00 20060101AFI20221031BHJP
   E03C 1/18 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
E04H13/00 Z
E03C1/18
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019103409
(22)【出願日】2019-06-01
(65)【公開番号】P2020197050
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-05-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】718006844
【氏名又は名称】加西商事株式会社
(72)【発明者】
【氏名】沼野 藤信
(72)【発明者】
【氏名】沼野 藤憲
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3222632(JP,U)
【文献】登録実用新案第3216801(JP,U)
【文献】登録実用新案第3046600(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 13/00
E03C 1/12
E03C 1/14-1/181
E03C 1/186
E03C 1/32-1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
墓所である墓園の所望の所定箇所に設けられ、地面に敷設されたコンクリート面上に立設され、参拝時に使用される水汲み場であって、
上記水汲み場を構成する水汲み場本体は、椅子やテーブル等を設置した自由な休憩場として活用可能なスペース空間を有し、
水道管より引き出される給水導管の放出水を蛇口を介して取り出す水栓柱と、
上記水栓柱の蛇口側に配置され手足などを洗い流す洗い場と、
上記水栓柱の蛇口側と反対側に配置され、手桶や柄杓などの墓参用具を整理し保管する整理棚とより構成され、
上記整理棚は、ステンレス製パイプによって区画して配置されるスペースを有すると共に、水切り穴を有する水切り用の床面パネルに載置される手桶を備え、
上記整理棚のスペースの短手方向において、所定間隔を隔てた一対のステンレス製パイプによって形成され、かつ柄杓本体が係止めされて吊り下げられる持ち部を有する柄杓と、よりなることを特徴とする墓所に設置される水汲み場。
【請求項2】
上記水栓柱や洗い場や整理棚のそれぞれは、各分割パーツの組み合わせによって成形されることを特徴とする請求項1記載の墓所に設置される水汲み場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、墓所である墓園に設置される水汲み場であって、流し場や水栓柱や手桶あるいは柄杓などの各種墓参用品の整理棚が、効率よく整理・整頓され、かつ参拝の老若男女が憩える墓所に設置される水汲み場に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、墓所における墓も宗派に囚われない公園墓地などのような墓園も多く建設されてきているため、故人を偲び弔うための場所であると共に、大人だけではなく子供を含めて故人を気持ちよく楽しい気分で偲び弔うことが必要になってきている。
【0003】
また、そのように故人を偲び弔うための場所であるため、例えば、墓参に必要な水汲み場の他に散水用の水桶や柄杓などが必要であるが、余り研究の対象とされていなかった。
従来、神社や寺院等に置かれ、参詣者が手や口を漱ぎ清める手水舎には柄杓が備えられ、墓を清めるための水桶が供えられている。
この柄杓は、木製や竹製であるが、用途や目的に応じて大きさや素材には多くの種類があり、木製や竹製の他に金属製やプラスチック製のものもある。
また、桶は、底板の周りに細長い木の板を箇形になるように並べて締めた容器からなり、木製の他に金属製やプラスチック製のものもある。
【0004】
このように、墓所である墓園に設置される流し場や水栓柱や手桶あるいは柄杓などの各種墓参用品の整理棚を備えた水汲み場に関すものに次のような特許文献1がある。
すなわち、墓参り用手桶及び墓参り用柄杓等の墓参り用具を簡単に収納することができる墓参り用具収納装置及び墓参り用具収納装置を備えた墓の提供を課題とするもので、墓本体は、大理石等の石材から形成された竿石と、石材等から構成された外棚とを備えており、墓参り用具収納装置は、外棚の内側の近傍に設置されている。
これにより、墓参り毎に墓参り用手桶、墓参り用柄杓及び柄付きわし等の墓参り用具を墓参り毎に持ち運ぶ手間が省け、自分専用の手桶や柄杓を置いておくことができる(同文献の段落「0034」乃至段落「0035」記載)。
【0005】
【文献】実用新案登録第3216801号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、特許出願人は、気持ちよく故人を祀るためまた気持ちよく故人を弔うための水汲み場として、また、成形性に優れ、流し場や水栓柱や手桶あるいは柄杓などの各種墓参用品の整理棚が準備され、墓参に際して参拝する老若男女が気持ちよく憩えて墓参することができる墓所の水汲み場を鋭意研究したものである
【0007】
本発明の目的は、募所である墓園に設置される水汲み場であって、自由加工性に優れた石材による各分割パーツの接合・組み合わせにより、流し場や水栓柱や手桶あるいは柄杓などの各種墓参用品の整理棚が準備され、効率よく整理・整頓され、かつ参拝の老若男女が憩える墓所に設置される水汲み場の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、請求項1記載のように、墓所である墓園の所望の所定箇所に設けられ、地面に敷設されたコンクリート面上に立設され、参拝時に使用される水汲み場であって、上記水汲み場を構成する水汲み場本体は、椅子やテープル等を設置した自由な休憩場として活用可能なスペース空間を有し、水道管より引き出される給水導管の放出水を蛇口を介して取り出す水栓柱と、上記水栓柱の蛇口側に配置され手足などを洗い流す洗い場と、上記水栓柱の蛇口側と反対側に配置され、手桶や柄杓などの墓参用具を整理し保管する整理棚とより構成され、上記整理棚は、ステンレス製パイプによって区画して配置されるスペースを有すると共に、水切り穴を有する水切り用の床面パネルに載置される手桶を備え、上記整理棚のスペースの短手方向において、所定間隔を隔てた一対のステンレス製パイプによって形成され、かつ柄杓本体が係り止めされて吊り下げられる持ち部を有する柄杓と、よりなることを特徴とする。
また、請求項2記載のように、上記水栓柱や洗い場や整理棚のそれぞれは、各分割パーツの組み合わせによって成形されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、墓所である墓園に設置される水汲み場であって、流し場や水栓柱や手桶あるいは柄杓などの各種墓参用品の整理棚が効率よく設置・整頓され、かつ参拝の老若男女が憩えるようなスペースを有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る墓所における水汲み場を示す斜視図である。
図2図1に示した水汲み場の水汲み場本体を示す斜視図である。
図3図1に示した水汲み本体の縦断面図である。
図4図1に示した水汲み場の第2の実施例である。
図5図4に示した水汲み場の斜視である
図6図1に示した柄杓設置状態を示す説明図である。
図7図1に示した捨コン基礎構造図1に示した縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、墓園10の所望箇所に設けられた参拝時に使用する水汲み場11である。
この水汲み場11は、少なくとも水を放出する水栓柱13と、手足などを洗い流す洗い場14と、参拝に際して使用する手桶16や柄杓17などの器具類を整理して保管する整理棚15とよりなる水汲み場本体12によって構成されている。
この水汲み場本体12は、御影石等の石材によって形成されており、地面Gに敷設されたコンクリート19上に立設さが、その他タイルを敷き詰めてもよい。
なお、水汲み場本体12以外の水汲み場11のスペースとしては、所望により適宜なスペースとすることができ、例えば、椅子やテープル等を設置した自由な休憩場等のスペース空間として活用可能である。
また、コンクリート19によって支持される水汲み場11の下部側は、捨てコンと称せられる基礎部20が埋設されて水汲み場11を支持している。
また、水汲み場本体12を構成する水栓柱13や洗い場14や整理棚15は、それぞれが分割パーツの組み合わせによって構成されることより、より容易により箭便に組合すことでき、より自由に組合せて成型することができる。
【0012】
水栓柱13は、四角で縦長の外装ケース13 aよりなり、詳細は後述するが、一方側(図中左側)に洗い場14が配置され、他方側(図中右側)に手桶16や柄杓17等の器具類の整理棚15が配置される。
水栓柱13の上部は閉じられた蓋体13bとされ、その下部は開口された底部13cとされ、その中間部分は中空孔13dとされている。
中空孔13dと連続する開口された底部13cからは、水道管23と接続される給水導管24が挿通され、中空孔13dの上部近傍に開設された穿孔13eを介して給水導管24が引き出されると共に、給水導管23には蛇口24が接続されている。
なお、穿孔13eはダイヤモンドカッターなどで行う。
【0013】
洗い場14は、蛇口25から放出された水の受け皿となるもので、底部14aと底部14aを囲む外枠14b ・・・との組み合わせによりなっている。14cは底部14dに設けられた排水口である。
なお、流し場14の底部や外枠は、この実施例のように分割パーツより形成されるのが好適である。
【0014】
整理棚15は、参拝時に水を汲み持参する手桶16や柄杓17等を整理して保管する整理棚用スペースSであって、水栓柱13の他方側(図中右側)に対して正面部15aと側面部15bとから形成されたL字状壁面のスペースである。
正面部15aと側面部15bとによって囲まれたL字状壁のスペース内は、整理棚用スペースSは、主として多数の手桶16・・・と多数の柄杓17・・・が配置される。
手桶16は、手桶本体16aと手桶持ち部16bよりなり、整理棚用スペースS内において長手方向に上下左右に配置され架け渡されたステンレス製パイプ18・ ・ ・内に設置される。
なお、整理棚用スペースSには水切り穴を有する床面パネル15cに載置されている。
柄杓17は、整理棚のスペースSの短手方向において、所定間隔を隔てた左右一対のステンレス製パイプが19、19が配置されて柄杓17が係止められる。上記所定間隔とは、柄杓本体17a手持ち部17bであり、柄杓本体17aを介して手持ち部17bが引きかかり垂下される。
【0015】
このように、地面Gに敷設されたコンクリート21上に立設された水汲み場11は、水道管23より引き出された給水導管24の放出水を蛇口25を介して取り出す水栓柱13を備えると共に、この水栓柱13の一方側(図中左側)に洗い場14を配置し、かつ水栓柱13の他方側(図中右側)に手桶16や柄杓17の整理棚15を配置し、これら水栓柱13や洗い場14や整理棚15などは御影石等よりなる石材により形成されているので、御影石等よりなる石材は自由な成形性に富むと共に、この石材は墓としての荘厳性を有し、かつ分割パーツの組み合わせにより容易に公園墓地の水汲み場11を提供するものである。
しかも、手桶16や柄杓17の整理棚15は、参拝時に水を汲み持参する手桶16や柄杓17等を整理して保管するように、整理棚のスペースS内に配置され架け渡されたステンレス製パイプ18・・・・、19 ・・内に設置され、手桶16は、水切り穴を有する床面パネル15c上に保管される。
柄杓17は、整理棚用スペースS内に配置され架け渡されたステンレス製パイプ18・・・に柄杓本体17aが係止めされて吊り下げられている。
【0016】
図4」と「図5」は、第2の実施例であり、水栓柱13を御影石等よりなる分割パーツよりなり、石材により区分し形成したものである。
すなわち、単に外装ケース13aに穿孔13eを開設するのではなく、外装ケース13を穿孔13eを境に2分割し、この穿孔eを介して給水導管24が引き出されると共に、蛇口25が接続される構造とするものである。
【符号の説明】
【0017】
G 地面
J 芝
R 参道
S 整理棚用スペース
10 募苑
11 水汲み場
12 水汲み装置本体
13 水栓柱
13a 外装ケース
13b 蓋体
13c 底部
13d 中空部
13e 穿孔
14 洗い場
14a 底部
14b 外枠
14c 排水口
1 5 整理棚
15a 正面部
15b 側面部
15c 床面パネル
16 手桶
16a 手桶本体
16b 手桶持ち部
17 柄杓
17a 柄杓本体
17b 手持ち部
18 ステンレス製パイプ
19 ステンレス製パイプ
20 床面パネル
21 コンクリート、タイル、石)
22 捨てコン基礎部
23 水導管
24 給水導管
25 蛇口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7