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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
   B64D 5/00 20060101AFI20221031BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20221031BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20221031BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
B64D5/00
B64C39/02
B64D47/08
G08G5/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018044242
(22)【出願日】2018-03-12
(65)【公開番号】P2019156106
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】517106408
【氏名又は名称】株式会社A.L.I.Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小松 周平
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-064768(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0204910(US,A1)
【文献】特開2008-068710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 5/00
B64C 39/02
B64D 47/08
G08G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視飛行体を格納する格納装置と、当該格納装置と無線通信可能に構成された管制装置とを含む監視システムであって、
前記監視飛行体は、前記格納装置が対象領域に到着したことを検知すると、前記格納装置より飛行を開始するとともに、カメラ部により前記対象領域の映像情報を取得して前記格納装置に送信し、
前記格納装置は、通信を介して複数の前記監視飛行体の飛行制御を行い、受信した前記映像情報を前記管制装置に送信し、
前記格納装置は、制御管理領域に存在する制御管理下にある前記監視飛行体が他の前記格納装置の制御管理領域に移動した場合に、当該監視飛行体の前記制御管理を停止し、
他の前記格納装置は、移動した前記監視飛行体を自己の制御管理下において前記飛行制御を開始する、 監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視システムであって、
前記格納装置は、任意の航空輸送手段によって前記対象領域の上空に輸送されるものであり、
前記監視飛行体は前記上空において前記飛行を開始する、
監視システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の監視システムであって、
前記管理装置は、表示部を有しており、かつ、前記監視飛行体の位置情報を前記格納装置を介して取得し、前記表示部において、前記位置情報により特定される前記監視飛行体の飛行経路履歴を第1の色を用いて表し、それ以外の部分を前記第1の色とは異なる第2の色で表すことにより視覚化する、
監視システム。
【請求項4】
請求項に記載の監視システムであって、
前記管理装置は、前記表示部に表示した前記第1の色を時間経過に応じて第2の色に変化させる、
監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムに関し、複数の飛行体を利用して特定の領域を監視するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、無人航空機(UAV)による捜索作業の計画を自動立案する捜索作業支援システムが提案されている。特許文献2には、小型無人航空機による信号源探索が可能な信号源探索方法及び信号源探索システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-162316号公報
【文献】特開2011-112370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、領海・領空における安全確保の観点から、特定の領域を常時監視する又は一時的に監視する必要が生じており、国防上も重要な問題となっている。上述した特許文献1及び2においては、広域における監視業務を行うには適していない。
【0005】
そこで、本発明は、特定領域において複数の飛行体による監視業務を行うシステムを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
複数の監視飛行体を格納する格納装置と、当該格納装置と無線通信可能に構成された管制装置とを含む監視システムであって、
前記監視飛行体は、前記格納装置が対象領域に到着したことを検知すると、前記格納装置より飛行を開始するとともに、カメラ部により前記対象領域の映像情報を取得して前記格納装置に送信し、
前記格納装置は、通信を介して複数の前記監視飛行体の飛行制御を行い、受信した前記映像情報を前記管制装置に送信する、
監視システムが得られる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特定領域において複数の飛行体による監視業務を行うシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態による飛行体の識別システムの概略図である。
図2図1の管理サーバの機能ブロック図である。
図3図1の認証端末の機能ブロック図である。
図4図1のシステムと登録ステップを示すイメージ図である。
図5図1のシステムの認証ステップを示すブロック図である。
図6図1の登録ステップの処理の流れである。
図7図1の認証ステップの処理の流れである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による監視システムは、以下のような構成を備える。
[項目1]
複数の監視飛行体を格納する格納装置と、当該格納装置と無線通信可能に構成された管制装置とを含む監視システムであって、
前記監視飛行体は、前記格納装置が対象領域に到着したことを検知すると、前記格納装置より飛行を開始するとともに、カメラ部により前記対象領域の映像情報を取得して前記格納装置に送信し、
前記格納装置は、通信を介して複数の前記監視飛行体の飛行制御を行い、受信した前記映像情報を前記管制装置に送信する、
監視システム。
[項目2]
項目1に記載の監視システムであって、
前記格納装置は、任意の航空輸送手段によって前記対象領域の上空に輸送されるものであり、
前記監視飛行体は前記上空において前記飛行を開始する、
監視システム。
[項目3]
項目1又は項目2に記載の監視システムであって、
前記格納装置は、制御管理領域に存在する制御管理下にある前記監視飛行体が他の前記格納装置の制御管理領域に移動した場合に、当該監視飛行体の前記制御管理を停止し、
他の前記格納装置は、移動した前記監視飛行体を自己の制御管理下において前記飛行制御を開始する、
監視システム。
[項目4]
項目1乃至項目3のいずれかに記載の監視システムであって、
前記管理装置は、表示部を有しており、かつ、前記監視飛行体の位置情報を前記格納装置を介して取得し、前記表示部において、前記位置情報により特定される前記監視飛行体の飛行経路履歴を第1の色を用いて表し、それ以外の部分を前記第1の色とは異なる第2の色で表すことにより視覚化する、
監視システム。
[項目5]
項目4に記載の監視システムであって、
前記管理装置は、前記表示部に表示した前記第1の色を時間経過に応じて第2の色に変化させる、
監視システム。
【0010】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の第1の実施の形態による監視システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0011】
<概要>
本発明の実施の形態による監視システム(以下「システム」と言う)は、海洋上や陸上等の特定のエリアにおいて、複数のドローン(監視飛行体)により対象物を発見し情報収集(撮影)するためのシステムである。
【0012】
より詳しくは、複数のドローンを制御することにより対象物の広域探索を実現するものである。即ち、空中にて複数のドローンを搭載したキャニスターを放出し、その放出されたキャニスターからドローンを射出して飛行させることにより対象領空においてドローンを展開する。
【0013】
本実施の形態におけるドローンは、ドローン(Drone)、マルチコプター(Multi Copter)、無人航空機(Unmanned aerial vehicle:UAV)、RPAS(remote piloted aircraft systems)、又はUAS(Unmanned Aircraft Systems)等と称呼されることがある。
【0014】
飛行体は、主として空中を移動するものを指すが、例えば、陸上用、水中用の機能のみ、又はこれらの用途を組み合わせた移動機能を有する飛行体も含まれる。
【0015】
<構成>
図1に示されるように、システムは、管理サーバ1と、キャニスター20と当該キャニスター20に格納されていたグライダー(監視飛行体)30及びドローン(監視飛行体)31とを含んでいる。管理サーバ1と、グライダー30及びドローン31とは、キャニスター20を介して通信可能に構成されている。
【0016】
本実施の形態による通信は、携帯電話機やスマートフォン等に対するキャリアネットワークや、IPベースのコンピュータネットワークとを含む。ここでは、コンピュータネットワークは、相互に接続されたIPネットワークによって構築されたインターネットを含む広い概念で用いられている。
【0017】
また、コンピュータネットワークは、図示されていない無線基地局(例えばWiFi)によって構築される無線ネットワークを含んでも良い。キャリアネットワークとIPネットワークとは、例えば、ゲートウェイ等を介して接続されるが、これに限られるものではない。
【0018】
更には、ネットワークは、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークにより構成することとしてもよい。LPWAは、特定小電力無線局を基地局とするネットワークであり、例示すれば、SIGFOX、LoRa(LoRa WAN)、Wi-Fi HaLow、Wi-SUN、RPMA、Flexnet、IM920、Cat.M1、Cat.NB1などの規格を適宜適用できる。また、適用されるネットワークはこれらに限られず、アンライセンス・バンド一般その他の帯域を適用できる。
【0019】
<ハードウェア構成>
<管理サーバ1>
図2は、管理サーバ1のハードウェア構成を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0020】
図示されるように、管理サーバ1は、複数のキャニスター20と接続されシステムの一部を構成する。管理サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0021】
管理サーバ1は、少なくとも、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0022】
プロセッサ10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0023】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0024】
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されていてもよい。
【0025】
送受信部13は、管理サーバ1をネットワーク10に接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インタフェースを備えていてもよい。
【0026】
入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0027】
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0028】
<飛行体の構成>
図3に示されるように、上述したシステムに利用されるドローン31は、一般に以下のような構成を有している。
【0029】
<制御部>
フライトコントローラやセンサ類を備え、飛行の状態を観測・推定し、所望の動作を実現するために動力部に送り出す指令を計算する。
【0030】
フライトコントローラは、プログラマブルプロセッサ(例えば、中央演算処理装置(CPU))などを有することができ、またフライトコントローラが実行可能であるロジック・コード・およびプログラム命令を記憶するためのメモリを有しても良い。
【0031】
メモリは、例えば、SDカードなどの分離可能な媒体または外部の記憶装置を含んでいてもよい。カメラやセンサ類から取得したデータは、メモリに直接に伝達されかつ記憶されてもよい。例えば、カメラ等で撮影した静止画・動画データが内蔵の記憶装置又は外部の記憶装置に記録される。
【0032】
制御部にあるセンサ類は、慣性センサ(加速度センサ、ジャイロセンサ等)、GPSセンサ、近接センサ(例えば、LIDAR)、またはビジョンセンサ(例えば、カメラ)を含み得る。
【0033】
<動力部>
モータ・ESC(Electronic Speed Controller)・プロペラなどの推力発生装置および推力制御装置を備え、フライトコントローラおよび送受信機からの信号を受けて所望の飛行を実現する。推力発生装置は、電気モータの他にガソリンエンジンなどを用いてもよい。
【0034】
<送受信部>
他の飛行体や操縦者と有線通信または無線通信などの任意の通信手段を持ち、制御部・動力部などに任意の情報を送受信することができる。
【0035】
<動力源>
バッテリーなどのエネルギー源を備える。電気エネルギーに限らず、ガソリン等の化学エネルギーおよびエネルギー変換モジュールを備えても良い。また、例えば、無線送電のような非接触給電による蓄電モジュールを備えてもよい。
【0036】
<その他センサ・動作部>
空中撮影や電波中継など、飛行を実現することに直接には関与しない目的にて備えられたセンサおよび動作機構を有することがある。例えば、カメラセンサ、温度センサ、ジンバル機構、物件の投下機構などがあげられ、飛行体の任務によってはこれらには限らない。本実施の形態においては、対象領域の情報を収集するための通常カメラに加えて、赤外線カメラ、X線カメラ等、収集する情報に合わせて適宜変更・追加が可能である。
【0037】
本実施の形態によるシステムの運用は、2つのフェーズから成る。以下、海域で不審船が発見された場合の運用を説明する。
【0038】
<フェーズ1>
漁船からの通報やレーダー探知によって不審船を捕捉した旨の情報を受けると、キャニスター20を積載した有人飛行機10が当該海域に急行する。キャニスター20の輸送手段は有人飛行機10に限られず、キャニスター20を輸送可能な手段であればどのようなものであってもよい。
【0039】
図4に示されるように、有人飛行機10が対象領域の領空に到着すると、キャニスター20は海域50に投下される。本実施の形態によるキャニスター20は、図示されるように略魚型水雷形状を有してるが、立方体、球状等、どのようなものであってもよい。内部にグライダー30やドローン31を格納できるようにされていればよい。
【0040】
キャニスター20は、投下後、所定の時間が経過した際に複数のグライダー30(及びドローン31:図示せず)を起動し、射出する。射出されたグライダー30やドローン31は、当該海域を飛行しながらそのカメラによって不審船の監視および追跡業務を行う。
【0041】
<フェーズ2>
図1に示されるように、本実施の形態によるキャニスター20は複数利用してもよい。グライダー30、ドローン31の射出を終えキャニスター20は海上に浮遊し、グライダー30やドローン31の情報通信の中継機として機能する。即ち、グライダー30やドローン31からカメラ画像や位置情報の通信に関して、基地局となる。また、キャニスター20は、グライダー30及びドローン31から収集した情報を統合・分析し、その結果に応じてグライダー30及びドローン31に対して所定の情報を送信することとしてもよい。
【0042】
所定の情報としては、例えば、当該海域の探索カバー率に関する情報等が挙げられる。この場合、当該海域を仮想的にメッシュ化し、その領域内を移動するグライダー30やドローン31の移動履歴に基づいて監視を行う監視システムを適用することができる。詳しくは、監視システムを構成する監視装置は、グライダー30及びドローン31が存在する現在メッシュ位置を取得する取得部と、移動装置が過去の一定時間内に存在した過去メッシュ位置を記憶する記憶部と、過去メッシュ位置及び現在メッシュ位置に基づいて、移動装置が次に移動すべき移動先メッシュ位置を演算する演算部と、移動先メッシュ位置に関する情報を移動装置に送信する送信部とを備えることとしてもよい。
【0043】
キャニスター20は、グライダー30及びドローン31と通信を行うとともに、管理サーバ10とも通信を行う。この場合、複数のキャニスター20から取得した上記探索カバー率を考慮して、探査が終わっていない地点、又は探査が終わってから相当程度の時間が経過している地点に関する情報を各キャニスター20に送信することとしてもよい。
【0044】
本実施の形態において用いられる複数のキャニスター20は、一機の有人飛行体によって全てのキャニスター20を輸送することとしてもよいし、複数機の有人飛行機によってキャニスター20を輸送することとしてもよい。
【0045】
図5に示されるように、グライダー30は、キャニスター20内において、保持部22に保持・固定されている。なお、グライダー30(及びドローン31:図示せず)は、必要に応じて、例えば翼の折り畳み・展開機構を持つこととしてもよい。
【0046】
図6に示されるように、本実施の形態によるキャニスター20は、少なくとも次の機能を有する。即ち、キャニスター20は射出信号受信部、射出制御部、保持部、保持解除部、射出部及び起動信号送信部の機能を有している。なお、これ以外の要素を更に備えることとしてもよい。
【0047】
図示されるように、有人飛行機が対象領域の領空に到着すると、キャニスター20が投下される。投下は、有人飛行機側からの制御で行われることとしてもよいし、自律的に行われこととしてもよい。
【0048】
キャニスター20は、投下されたことを検知すると、あらかじめセットされた高度情報、位置情報、条件情報に応じて、射出信号を生成し出力する。射出信号は、射出制御部に伝達される。射出制御部は、キャニスター20からグライダー30やドローン31を射出するための制御全般を行う機能を有している。
【0049】
射出制御部は、グライダー30及びドローン31をキャニスター内で保持している保持部と、グライダー30及びドローン31に対して起動信号を送る起動信号送信部とを制御する。
【0050】
起動信号送信部は、グライダー30及びドローン31に対して、起動信号を送信する。これがトリガーとなりグライダー30及びドローン31が起動される。なお、キャニスター側の電源から常に電力を供給することとし常時起動状態にすることしてもよい。
【0051】
保持部は、グライダー30及びドローン31を保持・固定する。保持の仕方は例えば、グライダー30及びドローン31のフレームを挟むようにして物理的に保持してもよいし、電磁気的に保持することとしてもよい。射出制御部からの信号を受信すると、保持解除部は、グライダー30及びドローン31の保持を解除し自由に移動可能にする。同時に射出部は、グライダー30及びドローン31をキャニスター20の外部へ射出する。射出については、火薬やスチーム等により勢いをつける射出方法と、自然落下方法などが採用できる。
【0052】
以上説明した構成により、図6に示されるように、キャニスター20の落下中に当該キャニスター20からグライダー30及びドローン31を効率的に放出することができる。
【0053】
<その他の変形例に関する項目>
本発明は、以下の項目に関する構成を並列して又は直列的に備えることとしてもよい。
[項目6]
仮想的にメッシュ化された監視領域内を移動する移動装置の移動履歴に基づいて、当該監視領域の監視を行う監視装置であって、
前記移動装置が存在する現在メッシュ位置を取得する取得部と、
前記移動装置が過去の一定時間内に存在した過去メッシュ位置を記憶する記憶部と、
前記過去メッシュ位置及び前記現在メッシュ位置に基づいて、前記移動装置が次に移動すべき移動先メッシュ位置を演算する演算部と、
前記移動先メッシュ位置に関する情報を前記移動装置に送信する送信部とを備える、
監視装置。
[項目7]
項目1に記載の監視装置であって、
前記演算部は、現在メッシュ位置から所定距離以内の周囲メッシュに対し重みづけを行うものであって、前記過去メッシュからの距離が大きいほど大きな重みづけを行う、
監視装置。
[項目8]
項目2に記載の監視装置であって、
前記過去メッシュ位置の夫々に対して、取得時からの時間経過とともに初期値から減少していくパラメータを付与する付与部をさらに備えており、
前記重みづけは、前記過去メッシュからの距離と、当該過去メッシュの夫々に付与されたパラメータの両方に基づいて前記移動先メッシュ位置を演算する、
監視装置。
[項目9]
項目1乃至項目3のいずれかに記載の監視装置であって、
前記取得部は、他の移動装置に関する前記現在メッシュ位置及び前記過去メッシュ位置を取得する、
監視装置。
[項目10]
項目1乃至項目4のいずれかに記載の監視装置であって、
表示部と、
前記監視領域、前記現在メッシュ位置及び前記過去メッシュ位置を前記表示部に出力する表示出力部とを備える、
監視装置。
【0054】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
1 管理サーバ
10 飛行機
20 キャニスター
30 グライダー(監視飛行体)
31 ドローン(監視飛行体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7