IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大和ハウス工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-屋根構造 図1
  • 特許-屋根構造 図2
  • 特許-屋根構造 図3
  • 特許-屋根構造 図4
  • 特許-屋根構造 図5
  • 特許-屋根構造 図6
  • 特許-屋根構造 図7
  • 特許-屋根構造 図8
  • 特許-屋根構造 図9
  • 特許-屋根構造 図10
  • 特許-屋根構造 図11
  • 特許-屋根構造 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】屋根構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20221031BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20221031BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
H02S20/23 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018054955
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019167706
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】山本 義行
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-150287(JP,A)
【文献】特開平10-061135(JP,A)
【文献】特開平09-137568(JP,A)
【文献】特開2001-135848(JP,A)
【文献】特開2013-138163(JP,A)
【文献】登録実用新案第3182256(JP,U)
【文献】特開2012-028584(JP,A)
【文献】特開2000-073508(JP,A)
【文献】特開2017-160715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
H02S 20/23
E04D 13/00
E04D 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュール付きの屋根材が屋根面上に配置される屋根構造において、
上記太陽電池モジュールのケーブルを受ける受け面部を有する受け部材と、
上記屋根面上に固定された横桟と、
上記屋根材を上記屋根に取り付ける部材であって、ビスによって上記横桟上に固定される取付金具と、
を備えており、
上記受け部材は、上記受け面部に対して水下側に位置する固定板部を有しており、この固定板部が上記ビスによって上記横桟に固定されて、上記屋根材の下方側で上記屋根面との間に空間を介して存在することを特徴とする屋根構造。
【請求項2】
請求項1に記載の屋根構造において、上記受け部材は、上記ケーブルを収容する収容凹部を有することを特徴とする屋根構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の屋根構造において、上記受け部材は、金属製であることを特徴とする屋根構造。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の屋根構造において、上記受け部材は、上記取付金具と別体であり、上記ビスのねじ込みによって片持ち支持されることを特徴とする屋根構造。
【請求項5】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の屋根構造において、上記受け部材が上記取付金具に一体的に設けられていることを特徴とする屋根構造。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の屋根構造において、上記ケーブルが上記受け面部から離脱するのを防止する離脱防止手段を備えることを特徴とする屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、太陽電池モジュール付きの屋根材が屋根面上に配置された屋根構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、母屋方向に長い長方形をなし、棟側縁に一方の接合端縁が形成され、軒側縁に他方の接合端縁が形成され、母屋方向の両端部にも接合縁が形成された屋根本体と、その裏面側に設けられた断熱材とから成り、屋根の野地板上に載せて隣接する他の屋根材と接合して固定し葺設される屋根材において、屋根本体の表側面に太陽電池モジュールが一体的に取り付けられている屋根構造が開示されている。そして、この構造においては、コネクタ付きの出力ケーブルが屋根面から浮いた状態で存在しており、また、太陽電池モジュールの取付金物が上記出力ケーブルの下側に位置する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-36604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構造は、上記出力ケーブルを受ける構造にはなっておらず、上記出力ケーブルが、上記取付金物の上に落ちたり、或いは、野地板上に落ちるおそれがある。そして、上記のように、上記出力ケーブルが上記野地板上に落ちた状態において、上記出力ケーブルの被覆損傷やコネクタの接合不良等に起因してスパークが発生して、野地板上に飛ぶと、この野地板から出火するおそれがある。また、上記出力ケーブルが上記取付金物上に落ちた場合でも、上記出力ケーブルからスパークが発生すると、その熱が上記取付金物を伝わってその下側の野地板に直接的に伝わり、この野地板から出火するおそれがある。
【0005】
この発明は、屋根上に設置される太陽電池モジュールのケーブルからスパークが発生したような場合でも、これに起因して屋根から出火するのを抑制できる屋根構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の屋根構造は、上記の課題を解決するために、太陽電池モジュール付きの屋根材が屋根面上に配置される屋根構造において、上記太陽電池モジュールのケーブルを受ける受け面部が、上記屋根材の下方側で上記屋根面との間に空間または防火性材を介して存在することを特徴とする。
【0007】
上記の構成であれば、上記太陽電池モジュールのケーブルを受ける受け面部によって、上記ケーブルと屋根面との直接的な接触が防止されることになる。したがって、上記ケーブルから発生したスパークが屋根面に至るのを抑制し、屋根面からの出火を抑制できる。また、上記受け面部は、上記屋根材の下方側で上記屋根面との間に空間または防火性材を介して存在するので、上記スパークによって上記受け面部が熱を帯びた場合の出火も抑制できる。
【0008】
上記受け面部は、上記ケーブルを受ける受け部材の面部からなっていてもよい。
【0009】
上記受け部材は、上記ケーブルを収容する収容凹部を有してもよい。これによれば、上記ケーブルの配置作業の容易化が図れる。
【0010】
上記受け部材は、金属製であってもよい。これによれば、例えば鋼板や他の金属板からなる受け部材を採用し、この受け部材の作製コストの低減や設置作業の容易化を図ることができる。
【0011】
上記受け部材が上記屋根面上の横桟に固定されていてもよい。これによれば、上記横桟の高さを利用することができ、上記受け部材の下側に空間または防火性材を介在させることが容易になる。
【0012】
上記受け部材が一体的に設けられた屋根材が上記横桟に固定されてもよい。これによれば、部品点数を削減して建築コストの低減を図ることができる。
【0013】
上記受け部材が脚部を有しており、この脚部が上記屋根面に固定されてもよい。これによれば、横桟等を利用しなくても、上記受け部材の下側に空間または防火性材を介在させることができる。
【0014】
上記防火性材の上面部が上記受け面部をなしてもよい。これによれば、上記受け部材無しで上記屋根面上に上記受け面部を設ける構造が得られることになる。
【0015】
上記ケーブルが上記受け面部から離脱するのを防止する離脱防止手段を備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明であれば、屋根上に設置される太陽電池モジュールのケーブルの被覆損傷やコネクタの接合不良等に起因してスパークが発生したような場合でも、屋根面からの出火を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の実施形態の屋根構造の断面の概略を示した説明図である。
図2図1の屋根構造で用いられている太陽電池モジュール付きの屋根材の配線の概略を示した説明図である。
図3図1の屋根構造で用いられている受け部材および配線の断面の概略を拡大して示した説明図である。
図4図3の受け部材を拡大して示した斜視図である。
図5】他の実施形態を示す図であって、受け部材および配線の断面の概略を拡大して示した説明図である。
図6】他の実施形態を示す図であって、受け部材および配線の断面の概略を拡大して示した説明図である。
図7】他の実施形態を示す図であって、受け部材および配線の断面の概略を拡大して示した説明図である。
図8】他の実施形態を示す図であって、受け部材および配線の断面の概略を拡大して示した説明図である。
図9】他の実施形態の屋根構造の断面の概略を示した説明図である。
図10図9の受け部材を拡大して示した斜視図である。
図11】他の実施形態の屋根構造の断面の概略を示した説明図である。
図12図11の受け部材を拡大して示した平面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1および図2に示すように、この実施形態の屋根構造で用いる太陽電池モジュール付きの屋根材1は、一例として、太陽電池パネル部14の周囲縁を枠11によって囲った構造を有している。上記太陽電池パネル部14は光起電力層を挟み込んだガラス板部、上記光起電力層にて生成された電力を取り出す配線部などを有して構成されている。
【0019】
また、上記屋根材1の水上側の裏面側の箇所に取付金具12が係合される。この取付金具12には、水上側に突出する突出固定部が形成されている。この突出固定部は、屋根面2上に固定されている横桟(瓦桟)21上で上側からねじ込まれたビス26によって上記横桟21に固定される。上記屋根材1の敷き作業においては、予め取付金具12をビス26によって上記横桟21に固定しておくこともできる。なお、この実施形態では、上記屋根面2は、野地板22上にアスファルトルーフィング23が貼られた構造を有している。
【0020】
また、上記太陽電池モジュール付きの屋根材1の裏面には、上記太陽電池パネル部14が生成した電力を取り出す端子部15が設けられている。そして、この端子部15からは、上記電力を出力するケーブル16が引き出されており、各ケーブル16の端部には他のケーブルとの接合を容易にするためのコネクタ16aが取り付けられている。
【0021】
上記横桟21の上面側には、上記ケーブル16を受け止める金属製の受け部材3が取り付けられている。この受け部材3の横長さは、上記太陽電池モジュール付きの屋根材1の横長さよりも短くされており、上記太陽電池モジュール付きの屋根材1の側部において、それらの上下段間で上記ケーブル16を縦方向に延ばすこともできる。また、上記受け部材3は、水下側に突出する固定板部31を有しており、上記屋根面2に略平行となっている上記横桟21の上面に固定される。この固定は、上記ビス26で行ってもよいし、別のビスによって行ってもよい。上記固定板部31には、上記ビス(26)を挿通させる孔部が形成されている。
【0022】
また、上記受け部材3は、図3および図4にも示すように、上記固定板部31の水上側において桁行方向に長い溝を形成する収容凹部32を有している。また、この収容凹部32の底面は、上記固定板部31と略平行に形成されており、上記固定板部31が上記横桟21の上面に固定された状態で、上記底面が屋根面2と略平行に位置するようなっている。さらに、上記収容凹部32の水上側壁部の上端には、ヘミング曲げ部32aが施されている。上記ヘミング曲げ部32aによって、上記受け部材3の強度向上、並びに、上記ケーブル16の被覆の傷つき防止が図られている。
【0023】
上記受け部材3は、この実施形態では、鋼板を屈曲加工することで形成している。鋼板の厚さは、例えば、上記取付金具12の厚さと同程度としている。上記収容凹部32の底部の上側面が、上記ケーブル16に接してこれを受ける受け部として機能することになる。そして、上記収容凹部32の底部は、上記屋根材1と上記屋根面2との間で上記屋根面2から離間し、上記屋根面2との間に空間を形成して存在している。
【0024】
上記の構成であれば、上記太陽電池モジュールのケーブル16を受ける受け面部を有する上記受け部材3によって、上記ケーブル16と屋根面2との直接的な接触が防止されることになる。したがって、上記ケーブル16から発生したスパークが屋根面2に至るのを抑制し、屋根面2からの出火を抑制できる。また、上記受け面部は、上記屋根材2の下方側で上記屋根面2との間に空間を介して存在するので、上記スパークによって上記受け部材3の受け面部が熱を帯びることによる出火も抑制できる。
【0025】
また、上記受け部材3が上記ケーブル16を収容する収容凹部32を有していると、上記ケーブル16の設置作業の容易化が図れる。
【0026】
また、上記受け部材3が金属製であると、加工が容易であるので、この受け部材3の作製コストの低減や設置作業の容易化を図ることができる。
【0027】
また、上記受け部材3が上記屋根面2上の横桟21に固定される構成であると、上記横桟21の高さの利用によって、上記受け部材3の下側に空間を介在させることが容易になる。
【0028】
なお、上記受け部材3を収容凹部のない単なる平板形状部とすることもできる。また、上記平板形状部は、上記屋根面2に平行でもよいし、或いは水平に位置するものでもよい。また、上記平板形状部や上記収容凹部32の水上側壁部の上部側に孔を形成しておき、この孔に先端側を通した結束バンドを上記ケーブル16に当てて、上記結束バンドの先端側を結束バンドのロック部に通すことにより、上記ケーブル16の脱落を防止してもよい。すなわち、上記結束バンドによって、上記ケーブル16を上記受け面部側に留めるように拘束する離脱防止手段を形成することができる。もちろん、上記結束バンドを用いずに、上記ケーブル16を上記収容凹部32や上記平板形状部に拘束してもよい。なお、上記結束バンド等によって、上記収容凹部32の上側開口を部分的に覆うことで、上記ケーブル16が上記収容凹部32から出ないようにすることもでき、このような上記収容凹部32と上記結束バンド等との組み合わせよって、上記ケーブル16を上記受け面部側に留めるように囲う離脱防止手段を形成できる。
【0029】
また、上記の例では、上記受け部材3の下側に空間を介在させたが、この空間に代えて防火性材を介在させてもよい。ここで、この防火性材は、不燃材、準不燃材および難燃材を含むものとする。好ましくは、上記防火性材として、金属に比べて高い断熱性を備えるロックウール等の不燃材を用いる。
【0030】
次に、図5に基づいて他の実施形態を説明する。この実施形態では、上記取付金具12に受け部材3Aが一体的に形成されており、上記取付金具12の水上側に突出された部位は、上記受け部材3Aの固定板部31として機能する。上記固定板部31を横桟21にビス26で固定することにより、上記受け部材3Aが屋根面2に固定される。このように上記受け部材3Aが屋根材1に一体的に設けられる構成であると、部品点数を削減して建築コストの低減を図ることができる。なお、上記受け部材3Aを収容凹部のない単なる平板形状部とし、この平板形状部上にケーブル16を結束バンドで縛り付けておく態様とすることもできる。また、上記結束バンド等を通すための孔を上記平板形状部に形成しておいてもよい。もちろん、上記受け部材3においても同様に、平板形状とすることもできる。
【0031】
次に、図6に基づいて他の実施形態を説明する。この実施形態では、受け部材3Bを用いている。この受け部材3Bは、桁行方向に長く形成されており、上記ケーブル16を収容する収容凹部32を有するとともに、その水上側および水下側において脚部33を備えている。各脚部33の下端側には取付片部が形成されており、この取付片部にねじ込まれたビス27によって上記受け部材3Bが屋根面2に固定される。そして、上記脚部33によって、上記収容凹部32の下方側には、屋根面2との間に空間が形成される。これによれば、横桟21を利用しなくても、上記受け部材3Bの下側に空間または防火性材を介在させることができる。
【0032】
なお、上記受け部材3Bにおいては、1枚の鋼鈑を曲げ加工することによって、上記収容凹部32および脚部33を形成しており、コストの低減が図られている。また、この受け部材3Bを用いる場合においても、上記結束バンドを用いて、上記ケーブル16の脱落を防止するようにしてもよい。また、結束バンドに替えて、粘着テープ等を上記ケーブル16の上方で上記収容凹部32跨ぐように上記受け部材3Bに貼り付けてもよい。上記粘着テープ等によっても、上記ケーブル16を上記受け面部側に留めるように拘束する離脱防止手段が形成されることになる。
【0033】
次に、図7に基づいて他の実施形態を説明する。この実施形態では、受け部材3Cを用いている。この受け部材3Cは、桁行方向に長く形成されており、上記ケーブル16を収容する収容凹部32を有するとともに、この収容凹部32の上方側開口を狭める覆片部34を有しており、特に結束バンドを要しない構成になっている。上記覆片部34によっても、上記ケーブル16を上記受け面部側に留めるように囲う離脱防止手段が形成される。また、この受け部材3Cにおいては、1枚の鋼鈑を曲げ加工することによって、上記収容凹部32および覆片部34を形成しており、コストの低減が図られている。また、上記受け部材3Cと屋根面2との間には、桁行方向に長く形成された防火性材4を介在させてある。ここで、防火性材4は、不燃材、準不燃材および難燃材を含むものである。例えば、上記防火性材4として、金属に比べて高い断熱性を備える硬質のロックウール板、グラスウール板、セメント板等の不燃材を用いることができる。上記収容凹部32の底板部には、所定間隔でビス挿通孔が形成されており、このビス挿通孔に通したビス28を屋根面2にねじ込むことで、上記受け部材3Cと上記防火性材4が屋根面2上に固定される。
【0034】
次に、図8に基づいて他の実施形態を説明する。この実施形態では、上記の桁行方向に長く形成された防火性材4によって、太陽電池モジュールのケーブル16を受ける受け面部が形成されたものとなっている。すなわち、上記防火性材4の上側面部が上記受け面部をなしている。これによれば、上記受け面部を上記屋根面2上に上記防火性材4を介在させて設ける構造が簡単に得られることになる。なお、上記ケーブル16は、結束バンド等を用いて、上記防火性材4に留め付けることができる。上記結束バンド等によっても、上記ケーブル16を上記受け面部側に留めるように拘束する離脱防止手段が形成される。上記防火性材4は上記ビス28を用いて屋根面2に固定することができる。上記防火性材4は、上記の実施形態と同様、金属に比べて高い断熱性を備える硬質のロックウール板、グラスウール板、セメント板等を用いることができる。
【0035】
次に、図9および図10に基づいて他の実施形態を説明する。この実施形態では、屋根面2の最も軒先側に配置される太陽電池モジュール付きの屋根材1Aに関する屋根構造となっている。上記屋根材1Aお係止する設置固定部17は、屋根面2に配置された横桟(広小舞)21Aにおける略水平な上面に置かれ、ビス29によって横桟21Aに固定される。上記設置固定部17には上記ビス29が挿通される貫通穴が形成されている。そして、上記横桟21Aの上面側に、上記ケーブル16を受け止める受け部材3Dが取り付けられている。この受け部材3Dは、水下側に突出する固定板部31Aを有しており、屋根面2の傾斜に対して非平行とされた上記横桟21の略水平な上面に固定される。この固定は、上記ビス29で行ってもよいし、別のビスによって行ってもよい。上記固定板部31Aには、上記ビス(29)を挿通させる孔部が形成されている。そして、上記受け部材3Dの収容凹部32の底面は、上記固定板部31Aと非平行に形成されており、上記固定板部31Aが上記横桟21の上面に固定された状態で、上記底面が屋根面2と略平行に位置するようなっている。
【0036】
また、上記収容凹部32の水上側壁の上端には、ヘミング曲げ部32aが施されている。そして、上記収容凹部32の底部は、上記屋根材1と上記屋根面2との間で上記屋根面2から離間し、上記屋根面2に対して空間を介在させて位置している。
【0037】
次に、図11および図12に基づいて他の実施形態を説明する。この実施形態では、受け部材3Eを用いている。この受け部材3Eは、桁行方向に長いピース部材として形成され、上記ケーブル16を収容する収容凹部32の上方側開口を狭める覆片部34を有しており、特に結束バンドを要することなく、上記ケーブル16が受け面部から離脱するのを防止する。また、この受け部材3Eにおいては、桁行方向の両端側において脚部33Aを備えている。各脚部33Aの下端側には取付片部が形成されており、この取付片部にねじ込まれた図示しないビスによって上記受け部材3Eが屋根面2に固定される。上記脚部33Aによって、上記収容凹部32の下方側に空間が形成される。また、この受け部材3Eにおいては、1枚の鋼鈑を切込み加工および曲げ加工することによって、上記収容凹部32、覆片部34、取付片部および脚部33Aを形成している。
【0038】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 :太陽電池モジュール付きの屋根材
1A :屋根材
2 :屋根面
3 :受け部材
3A :受け部材
3B :受け部材
3C :受け部材
3D :受け部材
3E :受け部材
4 :防火性材
11 :枠
12 :取付金具
14 :太陽電池パネル部
15 :端子部
16 :ケーブル
16a :コネクタ
17 :設置固定部
21 :横桟
21A :横桟
22 :野地板
23 :アスファルトルーフィング
26 :ビス
27 :ビス
28 :ビス
29 :ビス
31 :固定板部
31A :固定板部
32 :収容凹部
32a :ヘミング曲げ部
33 :脚部
33A :脚部
34 :覆片部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12