(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】車両制御装置、車両制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 25/25 20130101AFI20221031BHJP
B60R 25/23 20130101ALI20221031BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20221031BHJP
G10L 17/00 20130101ALI20221031BHJP
G10L 17/24 20130101ALI20221031BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20221031BHJP
【FI】
B60R25/25
B60R25/23
B60R16/02 655B
G10L17/00 200D
G10L17/24
G10L15/00 200J
(21)【出願番号】P 2018075867
(22)【出願日】2018-04-11
【審査請求日】2020-10-20
(32)【優先日】2017-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】西川 剛樹
(72)【発明者】
【氏名】市村 大治郎
(72)【発明者】
【氏名】辻川 美沙貴
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-153258(JP,A)
【文献】特開2005-232989(JP,A)
【文献】特開2010-146095(JP,A)
【文献】特開2000-352240(JP,A)
【文献】特開2002-193150(JP,A)
【文献】特開2010-195061(JP,A)
【文献】特開2006-161545(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0368455(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00 - 99/00
E05B 1/00 - 85/28
B60R 16/02
G01L 15/00
G01L 17/00
G10L 17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両制御装置であって、
前記車両のキーの検出情報と、前記車両のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得する取得部と、
取得される前記始動情報に応じて、前記車両のセンサによって検出されるユーザの身体的情報であるセンシング情報と、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、検出された前記ユーザが予め登録されたユーザであるか否かを認証する第一認証部と、
取得される前記始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、入力された前記認証情報が予め登録された認証情報であるか否かを認証する第二認証部と、
前記第一認証部による認証
が成功し
、かつ、前記第二認証部
による認証
が成功した場合に前記エンジンの始動の制御情報を出力し
、前記第一認証部による認証の認証処理回数が閾値を超えて失敗
し、前記第二認証部
による認証
が成功した場合に前記エンジンの始動の制御情報を出力する制御情報出力部とを備える
車両制御装置。
【請求項2】
前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報を格納する第一格納部と、
前記認証情報に対応する予め登録された認証情報を格納する第二格納部とをさらに備え、
前記第一認証部は、前記第一格納部から前記予め登録されたユーザの情報を取得し、
前記第二認証部は、前記第二格納部から前記予め登録された認証情報を取得する
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記第一認証部による認証の認証処理回数が閾値を超えて失敗した場合、前記第二認証部による認証が行われる
請求項1または2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記始動指令は、前記車両のアクセサリ電源がオン状態であることを示す
請求項1~3のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記始動指令は、前記車両の運転席へのユーザの着座を示す
請求項1~3のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記第一認証部による認証の実施を示す第一認証提示部と、
前記第二認証部による認証の実施を示す第二認証提示部とをさらに備える
請求項1~5のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記第一認証部は、
前記車両のマイクを介して入力されるユーザの音声を、前記センシング情報として取得し、
予め登録されたユーザの音声情報を、前記予め登録されたユーザの情報として取得し、
前記音声と前記音声情報との類似度に基づき、前記音声を発したユーザが予め登録されたユーザであるか否かを認証する
請求項1~6のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記第一認証部は、前記音声を音声認識することによって取得される文字列と、前記予め登録されたユーザの音声情報に含まれる文字列との一致度に基づき、前記認証を行う
請求項7に記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記第一認証部は、前記音声から取得される特徴量と、前記予め登録されたユーザの音声情報に含まれる音声の特徴量との類似度に基づき、前記認証を行う
請求項7に記載の車両制御装置。
【請求項10】
前記第一認証部は、
前記音声を音声認識することによって取得される文字列と、前記予め登録されたユーザの音声情報に含まれる文字列との一致度に基づく前記認証と、
前記音声から取得される特徴量と、前記予め登録されたユーザの音声情報に含まれる音声の特徴量との類似度に基づく前記認証とを行い、
両方の前記認証が成功した場合、前記音声を発したユーザが予め登録されたユーザであると認証する
請求項7に記載の車両制御装置。
【請求項11】
前記車両のマイクを介して入力されるユーザの音声を取得し、前記音声を発したユーザが高年齢層に該当するか否かを識別する識別部と、
前記識別部の識別結果に応じて、高年齢層のユーザの運転操作を支援する情報を出力する支援部とをさらに備える
請求項1~10のいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項12】
車両のキーの検出情報と、前記車両のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得し、
取得される前記始動情報に応じて、前記車両のセンサによって検出されるユーザの身体的情報であるセンシング情報と、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、
検出された前記ユーザが予め登録されたユーザであるか否かの第一認証を行い、
取得される前記始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、
入力された前記認証情報が予め登録された認証情報であるか否かの第二認証を行い、
前記第一認証
による認証が成功
し、かつ、前記第二認証
による認証
が成功した場合に前記エンジンの始動の制御情報を出力し
、前記第一認証の認証処理回数が閾値を超えて失敗
し、前記第二認証
による認証
が成功した場合に前記エンジンの始動の制御情報を出力する
車両制御方法。
【請求項13】
車両のキーの検出情報と、前記車両のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得し、
取得される前記始動情報に応じて、前記車両のセンサによって検出されるユーザの身体的情報であるセンシング情報と、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、
検出された前記ユーザが予め登録されたユーザであるか否かの第一認証を行い、
取得される前記始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、
入力された前記認証情報が予め登録された認証情報であるか否かの第二認証を行い、
前記第一認証
による認証
が成功し
、かつ、前記第二認証
による認証
が成功した場合に前記エンジンの始動の制御情報を出力し
、前記第一認証の認証処理回数が閾値を超えて失敗
し、前記第二認証
による認証
が成功した場合に前記エンジンの始動の制御情報を出力する
ことを
、車両を制御するコンピュータに実行させる
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両制御装置、車両制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のドアの施錠及び解錠、並びに、ドアの開閉等に、エンジンキー又はリモコンキーが使用されている。このようなキーを落とした場合、他人に拾われ、車両が盗難される可能性がある。例えば、特許文献1は、使用者が発する音声に従い、ドアの施錠及び解錠、トランクオープン、ヘッドライトの点灯及び消灯等の車両各部の制御を行う車両制御装置を開示している。この車両制御装置は、車両に備え付けられたマイクに入力される音声に対して、使用者識別用の音声データに基づく音声認識と、使用者識別用の声紋データに基づく声紋判定とを行うことによって、音声が予め登録された使用者であるか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-80828号公報
【文献】特開2017-161825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の車両制御装置は、音声認識を用いることによって、車両のセキュリティを向上している。しかしながら、特許文献1の車両制御装置は、予め登録された使用者の体調に起因する声の変化及び周囲の雑音等の影響により、当該使用者によって発せられた音声であっても、音声認証ができない可能性がある。このような場合、当該使用者は車両を運転することができない、つまり、車両が使用不能になる。
【0005】
本開示は、車両のセキュリティを向上し且つ車両の使用不能を低減する車両制御装置、車両制御方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る車両制御装置は、車両に搭載される車両制御装置であって、前記車両のキーの検出情報と、前記車両のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得する取得部と、取得される前記始動情報に応じて、前記車両のセンサによって検出されるユーザのセンシング情報と、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、検出された前記ユーザが予め登録されたユーザであるか否かを認証する第一認証部と、取得される前記始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、入力された前記認証情報が予め登録された認証情報であるか否かを認証する第二認証部と、前記第一認証部及び前記第二認証部の少なくとも一方の認証結果に基づく前記エンジンの始動の制御情報を出力する制御情報出力部とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る車両制御方法は、車両のキーの検出情報と、前記車両のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得し、取得される前記始動情報に応じて、前記車両のセンサによって検出されるユーザのセンシング情報と、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、検出された前記ユーザが予め登録されたユーザであるか否かの第一認証を行い、取得される前記始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、入力された前記認証情報が予め登録された認証情報であるか否かの第二認証を行い、前記第一認証及び前記第二認証の少なくとも一方の認証結果に基づく前記エンジンの始動の制御情報を出力する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、車両のキーの検出情報と、前記車両のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得し、取得される前記始動情報に応じて、前記車両のセンサによって検出されるユーザのセンシング情報と、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、検出された前記ユーザが予め登録されたユーザであるか否かの第一認証を行い、取得される前記始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、入力された前記認証情報が予め登録された認証情報であるか否かの第二認証を行い、前記第一認証及び前記第二認証の少なくとも一方の認証結果に基づく前記エンジンの始動の制御情報を出力することをコンピュータに実行させる。
【0009】
なお、上記の包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読取可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示の車両制御装置等によれば、車両のセキュリティを向上し且つ車両の使用不能を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る車両制御装置が搭載される車両の車室内の一例を示す模式的な図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る車両制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る車両制御装置の第一認証部の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る車両制御装置の第二認証部の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る車両制御装置のユーザ登録動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る車両制御装置のユーザ認証動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る車両制御装置の変形例の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施の形態2に係る車両制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施の形態3に係る車両制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、実施の形態4に係る車両制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施の形態5に係る車両制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施の形態6に係る車両制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、実施の形態7に係る車両制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、実施の形態8に係る車両制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「背景技術」の欄でも記載したように、エンジンキー又はリモコンキーの他人による不正使用に対する車両のセキュリティを向上するために、予め登録されたユーザの認証が組み込まれた車両の制御技術が検討されている。本発明者らは、上記技術を検討し、例えば、「背景技術」の欄で挙げた特許文献1の技術において、予め登録されたユーザであっても認証されないケースがあることを見出した。例えば、予め登録されたユーザの体調に起因して声が変化するケース、周囲の雑音が当該ユーザの音声に混入してマイクに入力されるケース等が該当する。このような場合、当該ユーザが認証のための行為を行っても、当人であると認証されず、車両を使用することができない。そこで、本発明者らは、キーの不正使用に対するセキュリティを向上しつつ、予め登録されたユーザであれば認証が失敗しても車両の使用を可能にする技術を、下記のように創案した。
【0013】
例えば、本開示の一態様に係る車両制御装置は、車両に搭載される車両制御装置であって、前記車両のキーの検出情報と、前記車両のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得する取得部と、取得される前記始動情報に応じて、前記車両のセンサによって検出されるユーザのセンシング情報と、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、検出された前記ユーザが予め登録されたユーザであるか否かを認証する第一認証部と、取得される前記始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、入力された前記認証情報が予め登録された認証情報であるか否かを認証する第二認証部と、前記第一認証部及び前記第二認証部の少なくとも一方の認証結果に基づく前記エンジンの始動の制御情報を出力する制御情報出力部とを備える。
【0014】
上記態様によると、車両制御装置は、第一認証部によるユーザのセンシング情報に関する認証と、第二認証部による入力認証情報に関する認証とを行うことができる。そして、車両制御装置は、第一認証部及び第二認証部の少なくとも一方の認証結果に基づくエンジンの始動の制御情報を出力する。このため、車両制御装置は、第一認証部及び第二認証部の一方の認証が失敗した場合でも、他方の認証結果を用いて、制御情報を出力することができる。よって、車両制御装置は、車両のセキュリティを向上し且つ車両の使用不能を低減することができる。特に、ユーザのセンシング情報に関する認証は、体調等のユーザの状態によっては、予め登録されたユーザであっても失敗する可能性があるが、入力認証情報を用いた認証が実施可能であるため、予め登録されたユーザの誤認証の低減が可能である。
【0015】
本開示一態様に係る車両制御装置は、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報を格納する第一格納部と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報を格納する第二格納部とをさらに備え、前記第一認証部は、前記第一格納部から前記予め登録されたユーザの情報を取得し、前記第二認証部は、前記第二格納部から前記予め登録された認証情報を取得してもよい。
【0016】
上記態様によると、車両制御装置が第一格納部及び第二格納部を備えるため、外部から第一格納部及び第二格納部内の情報への改変を抑制することが可能になる。
【0017】
本開示一態様に係る車両制御装置において、前記制御情報出力部は、前記第一認証部及び前記第二認証部の少なくとも一方による認証が成功した場合、前記エンジンを始動する制御情報を出力してもよい。
【0018】
上記態様によると、車両を使用するユーザは、第一認証部及び第二認証部のいずれによる認証を用いても、エンジンを始動することができる。
【0019】
本開示一態様に係る車両制御装置において、前記第一認証部による認証が失敗した場合、前記第二認証部による認証が行われてもよい。
【0020】
上記態様によると、第一認証部によるユーザのセンシング情報に関する認証は、第二認証部による入力認証情報に関する認証よりも、簡便であるが認証精度が劣る。より簡便な第一認証部による認証を先に行うことによって、ユーザに要求される認証のための行為が低減される。また、後に行われる認証精度をより高くすることによって、セキュリティが高くなる。
【0021】
本開示一態様に係る車両制御装置において、前記始動指令は、前記車両のアクセサリ電源がオン状態であることを示してもよい。
【0022】
上記態様によると、車両制御装置による認証は、ユーザのエンジン始動の一連の動作の中に組み込まれる。よって、円滑な認証処理が可能になる。
【0023】
本開示一態様に係る車両制御装置において、前記始動指令は、前記車両の運転席へのユーザの着座を示してもよい。
【0024】
上記態様によると、ユーザは、スタートボタンを押さずに、エンジンを始動することができる。よって、エンジン始動のためのユーザの操作の簡略化が可能になる。
【0025】
本開示一態様に係る車両制御装置は、前記第一認証部による認証の実施を示す第一認証提示部と、前記第二認証部による認証の実施を示す第二認証提示部とをさらに備えてもよい。
【0026】
上記態様によると、第一認証部による認証のための装置の起動、及び、第二認証部による認証のための装置の起動をそれぞれ、第一認証提示部の提示後及び第二認証提示部の提示後とすることができる。よって、認証に不要な情報が、認証のための装置によって取得されることが抑制される。従って、認証精度が向上する。
【0027】
本開示一態様に係る車両制御装置において、前記第一認証部は、前記車両のマイクを介して入力されるユーザの音声を、前記センシング情報として取得し、予め登録されたユーザの音声情報を、前記予め登録されたユーザの情報として取得し、前記音声と前記音声情報との類似度に基づき、前記音声を発したユーザが予め登録されたユーザであるか否かを認証してもよい。
【0028】
上記態様によると、第一認証部による認証は、車両を使用するユーザによって発せられた音声を用いて行われる。よって、認証のためのユーザの行為が簡略になる。
【0029】
本開示一態様に係る車両制御装置において、前記第一認証部は、前記音声を音声認識することによって取得される文字列と、前記予め登録されたユーザの音声情報に含まれる文字列との一致度に基づき、前記認証を行ってもよい。
【0030】
上記態様によると、第一認証部による認証は、車両を使用するユーザによって発せられた音声に含まれる文字列を用いて行われる。当該文字列は、音声信号に対して音声認識処理を行うことによって、抽出される。この処理は、比較的低い処理量で実行可能である。よって、車両制御装置の処理速度の向上が可能になる。
【0031】
本開示一態様に係る車両制御装置において、前記第一認証部は、前記音声から取得される特徴量と、前記予め登録されたユーザの音声情報に含まれる音声の特徴量との類似度に基づき、前記認証を行ってもよい。
【0032】
上記態様によると、第一認証部による認証は、車両を使用するユーザによって発せられた音声に含まれる特徴量を用いて行われる。つまり、第一認証部による認証では、音声を発した話者が識別され、当該話者が予め登録されたユーザに該当するか否かが認証される。よって、ユーザの認証精度が高くなる、つまり、セキュリティが向上する。
【0033】
本開示一態様に係る車両制御装置において、前記第一認証部は、前記音声を音声認識することによって取得される文字列と、前記予め登録されたユーザの音声情報に含まれる文字列との一致度に基づく前記認証と、前記音声から取得される特徴量と、前記予め登録されたユーザの音声情報に含まれる音声の特徴量との類似度に基づく前記認証とを行い、両方の前記認証が成功した場合、前記音声を発したユーザが予め登録されたユーザであると認証してもよい。
【0034】
上記態様によると、第一認証部による認証は、車両を使用するユーザによって発せられた音声に含まれる文字列及び特徴量を用いて行われる。そして、文字列を用いた認証及び特徴量を用いた認証のいずれもが成功した場合、第一認証部による認証は成功する。よって、セキュリティが向上する。
【0035】
本開示一態様に係る車両制御装置は、前記車両のマイクを介して入力されるユーザの音声を取得し、前記音声を発したユーザが高年齢層に該当するか否かを識別する識別部と、前記識別部の識別結果に応じて、高年齢層のユーザの運転操作を支援する情報を出力する支援部とをさらに備えてもよい。
【0036】
上記態様によると、車両を使用するユーザが予め登録されたユーザであるか否かの認証に加え、車両を使用するユーザの年齢層が識別される。そして、車両制御装置は、識別された年齢層に応じた運転操作の支援を可能にする。
【0037】
本開示の一態様に係る車両制御方法は、車両のキーの検出情報と、前記車両のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得し、取得される前記始動情報に応じて、前記車両のセンサによって検出されるユーザのセンシング情報と、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、検出された前記ユーザが予め登録されたユーザであるか否かの第一認証を行い、取得される前記始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、入力された前記認証情報が予め登録された認証情報であるか否かの第二認証を行い、前記第一認証及び前記第二認証の少なくとも一方の認証結果に基づく前記エンジンの始動の制御情報を出力する。上記態様によると、本開示の一態様に係る車両制御装置と同様の効果が得られる。
【0038】
本開示の一態様に係るプログラムは、車両のキーの検出情報と、前記車両のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得し、取得される前記始動情報に応じて、前記車両のセンサによって検出されるユーザのセンシング情報と、前記センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、検出された前記ユーザが予め登録されたユーザであるか否かの第一認証を行い、取得される前記始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、前記認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、入力された前記認証情報が予め登録された認証情報であるか否かの第二認証を行い、前記第一認証及び前記第二認証の少なくとも一方の認証結果に基づく前記エンジンの始動の制御情報を出力することをコンピュータに実行させる。上記態様によると、本開示の一態様に係る車両制御装置と同様の効果が得られる。
【0039】
なお、上記の包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読取可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM等の不揮発性の記録媒体を含む。また、装置は、1つ以上の装置で構成されてもよい。装置が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されもよく、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されてもよい。本明細書及び特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
【0040】
以下、本開示に係る車両制御装置等について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ(工程)、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0041】
[実施の形態1]
実施の形態1に係る車両制御装置100を説明する。以下の実施の形態では、車両制御装置100は、リモコンキーの電波を検知することによってエンジンが始動可能な状態となる車両1に搭載され、且つ、エンジンの始動を制御するとして、説明する。本実施の形態では、車両1は、エンジン、つまり内燃機関を搭載する車両である。車両制御装置100は、車両1において、ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)等の装置を単独で構成してもよく、車両1のECU等の装置に、制御回路等として組み込まれてもよい。
【0042】
[1-1.車両1の構成]
図1を参照しつつ、実施の形態1に係る車両制御装置100を備える車両1の構成を説明する。
図1は、実施の形態1に係る車両制御装置100が搭載される車両1の車室内の一例を示す模式的な図である。車両1は、通信可能なリモコンキー2と、リモコンキー2と通信する通信器4と、車両1のエンジンを始動するためのスタートボタン3と、車両制御装置100と、ECU10とを備える。ECU10は、車両1に含まれる様々なECUの総称であり、エンジンを含む車両の各部を制御する。リモコンキー2は、操作が入力されなくても微弱な電波を発信し、通信器4は、車体又は車室内に配置されたアンテナを介して上記電波を受信する。ECU10は、通信器4を介してリモコンキー2の電波信号を受信すると、ドアの解錠等をする。さらに、ECU10は、リモコンキー2の電波信号を受信した状態で、車室内のスタートボタン3が押されると、エンジンの始動等ための電源をオン状態とし、さらに、車両制御装置100の制御のもと、エンジンを始動する。上記電源は、アクセサリ電源(ACC電源)とも呼ばれる。アクセサリ電源は、オン状態で、エンジンの始動の他、空調機器の稼動、カーオーディオ及びナビゲーションシステムなどを含むIVI(車載インフォテインメント:in-vehicle infotainment)の稼動、ミラー及び窓などの車両の付属装置の稼動等を可能にする。上記のようなリモコンキー2は、スマートキーとも呼ばれる。
【0043】
また、車両1は、運転席のシートに、人の着座を検出する着座センサ5を備えてもよい。着座センサ5の例は、シート上の荷重を検出する荷重センサである。ECU10は、着座センサ5によって検出される荷重を取得し、当該荷重に基づき、運転席のシートへの人の着座の有無を検出する。ECU10は、通信器4を介してリモコンキー2の電波信号を受信し、且つ、運転席のシートへの人の着座を検出すると、スタートボタン3への入力がなくても、アクセサリ電源をオン状態にする、又は、エンジンを始動するように構成されてもよい。
【0044】
また、車両1は、車室内に、音声を取得するマイク6と、各種情報を示す表示装置7とを備える。マイク6は、運転席の近傍に配置され、運転席に着座する人の音声を取得する。表示装置7は、ディスプレイ及びスピーカのうちの少なくともディスプレイを備える。ディスプレイの例は、液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)、及び、有機又は無機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。表示装置7は、車両1の状態に関する情報、ナビゲーションシステムが発する地図及び位置情報、カーオーディオの状態を示す情報、及び空調の状態を示す情報等の様々な情報を視覚的及び/又は聴覚的に示す。表示装置7は、人が入力するための入力インタフェース7aも備える。入力インタフェース7aは、表示装置7と一体化されていてもよく、別個に配置されてもよい。本実施の形態では、入力インタフェース7aは、表示装置7のディスプレイと一体化され、ディスプレイはタッチパネルで構成されているが、これに限定されない。
【0045】
また、車両1は、車室内に、カメラ8及び/又は指紋認証センサ9を備えてもよい。カメラ8は、運転席のシートに着座している人の顔を撮像し、当該顔の画像を取得する。指紋認証センサ9は、指紋認証センサ9に接触する人の指の指紋の画像を取得する。指紋認証センサ9の例は、指紋の凹凸に起因する電極の電荷の変化を画像に変換する指紋センサである。
【0046】
マイク6によって取得される音声、カメラ8によって取得される顔画像、及び、指紋認証センサ9によって取得される指紋画像は、後述する車両1を使用するユーザの認証に用いられ得る。
【0047】
[1-2.車両制御装置100の構成]
車両制御装置100の構成を説明する。
図2は、実施の形態1に係る車両制御装置100の機能的な構成の一例のブロック図を示す。
図2に示すように、車両制御装置100は、始動情報取得部101と、第一認証部102と、第二認証部103と、第一認証情報格納部104と、第二認証情報格納部105と、制御情報出力部106とを備える。
【0048】
車両制御装置100の始動情報取得部101、第一認証部102、第二認証部103及び制御情報出力部106からなる各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、並びに、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read-Only Memory)等のメモリなどからなるコンピュータシステム(図示せず)により構成されてもよい。各構成要素の一部又は全部の機能は、CPU又はDSPがRAMを作業用のメモリとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって達成されてもよい。また、各構成要素の一部又は全部の機能は、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路によって達成されてもよい。各構成要素の一部又は全部の機能は、上記のソフトウェア機能とハードウェア回路との組み合わせによって構成されてもよい。プログラムは、アプリケーションとして、インターネット等の通信網を介した通信、モバイル通信規格による通信、その他の無線ネットワーク、有線ネットワーク、又は放送等で提供されるものであってもよい。
【0049】
第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105は、車両1を使用するユーザを認証するための情報を格納する。第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105が格納する情報の詳細は、後述する。第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、ハードディスクドライブ、又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置によって実現される。本実施の形態では、第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105は、車両制御装置100に含まれ、車両1に搭載されるが、これに限定されない。第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105の少なくとも一方は、車両1に搭載されず、車両1から離れた位置にある図示しないサーバ装置に備えられてもよい。この場合、車両制御装置100は、図示しない通信装置を介して、サーバ装置と無線通信し、第一認証情報格納部104及び/又は第二認証情報格納部105から必要な情報を取得してもよい。無線通信は、インターネット等の通信網を介した無線LAN(Local Area Network)であってもよい。第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105はそれぞれ、第一格納部及び第二格納部の一例である。
【0050】
始動情報取得部101は、車両1が備えるキー検出部11、スタートボタン入力検出部12及びアクセサリ電源起動部13から、車両1のリモコンキー2の検出情報と車両1のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得する。始動情報取得部101は、始動情報を第一認証部102及び第二認証部103に出力する。始動情報取得部101は、取得部の一例である。
【0051】
ここで、キー検出部11、スタートボタン入力検出部12及びアクセサリ電源起動部13の構成を説明する。キー検出部11は、車室内に配置された通信器4を介して、リモコンキー2が発する電波信号を受信することによって、リモコンキー2が所定エリア内に存在することを検出する。所定エリアの例は、車室内のエリアである。キー検出部11は、リモコンキー2を検出すると、その検出結果を、リモコンキー2の検出情報として、アクセサリ電源起動部13に出力する。
【0052】
スタートボタン入力検出部12は、車両1を使用するユーザによって、スタートボタン3が押されると、スタートボタン3から入力信号を受信する。スタートボタン入力検出部12は、スタートボタン3の入力信号を受信すると、スタートボタン3がオンされた情報を、スタートボタン3のオン情報として、アクセサリ電源起動部13に出力する。スタートボタン3のオン情報は、車両1のエンジンを始動する指令を含む。
【0053】
アクセサリ電源起動部13は、リモコンキー2の検出情報を取得している状態で、スタートボタン3のオン情報を取得すると、アクセサリ電源をオン状態にする。さらに、アクセサリ電源起動部13は、リモコンキー2の検出情報と、車両1のエンジンを始動する指令とを、始動情報取得部101に出力する。アクセサリ電源起動部13は、エンジンを始動する指令として、アクセサリ電源がオン状態である情報を始動情報取得部101に出力してもよい。
【0054】
キー検出部11、スタートボタン入力検出部12及びアクセサリ電源起動部13は、車両制御装置100の始動情報取得部101等の構成要素に関して上述した構成のいずれかで構成されてもよい。キー検出部11、スタートボタン入力検出部12及びアクセサリ電源起動部13は、ECU10に含まれてもよく、エンジン始動用のECU等を別個に構成してもよい。
【0055】
ECU10、キー検出部11、スタートボタン入力検出部12、アクセサリ電源起動部13及び車両制御装置100の間の通信は、いかなる通信であってもよい。当該通信の例は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介した通信である。
【0056】
図2及び
図3に示すように、車両制御装置100の第一認証部102は、認証制御部102aと、検出情報取得部102bと、認証部102cと、認証結果出力部102dとを含む。なお、
図3は、実施の形態1に係る車両制御装置100の第一認証部102の機能的な構成の一例を示すブロック図である。認証制御部102aは、始動情報取得部101から始動情報を受信する。認証制御部102aは、始動情報を受信すると、検出情報取得部102bに、車両1のセンサを用いて車両1のユーザをセンシングさせ、当該ユーザの身体的情報を、センシング情報として取得させる。以下において、上記ユーザの身体的情報を、「センシング身体的情報」とも呼ぶ。このように、第一認証部102は、取得される始動情報に応じて、車両1のセンサによって検出されるユーザのセンシング情報を取得する。
【0057】
車両1のセンサの例は、マイク6、カメラ8及び指紋認証センサ9である。マイク6によってセンシングされるユーザの身体的情報は、マイク6によって集音される当該ユーザの音声の情報である。カメラ8によってセンシングされるユーザの身体的情報は、カメラ8によって撮像される画像内の当該ユーザの顔画像又は眼の虹彩画像である。指紋認証センサ9によってセンシングされるユーザの身体的情報は、指紋認証センサ9によって画像化された当該ユーザの指紋画像である。マイク6、カメラ8及び指紋認証センサ9等の車両1のセンサは、第一認証装置を構成する。
【0058】
検出情報取得部102bは、ユーザの音声を取得する場合、音声認識することによって、取得された音声に含まれる文字列を抽出し、センシング身体的情報として認証制御部102aに出力してもよい。又は、検出情報取得部102bは、取得された音声から特徴量を抽出し、センシング身体的情報として認証制御部102aに出力してもよい。音声の特徴量は、当該音声を発するユーザの特徴を示す。
【0059】
検出情報取得部102bは、ユーザの画像を取得する場合、当該画像からユーザの顔領域を抽出し、顔領域の画像を、センシング身体的情報として認証制御部102aに出力してもよい。又は、検出情報取得部102bは、当該画像からユーザの眼の虹彩領域を抽出し、虹彩領域の画像を、センシング身体的情報として認証制御部102aに出力してもよい。
【0060】
さらに、認証制御部102aは、検出情報取得部102bから取得されたセンシング身体的情報を認証部102cに出力する。認証部102cは、第一認証情報格納部104において、取得されたセンシング身体的情報に対応する身体的情報(以下、「登録身体的情報」とも呼ぶ)を参照し、センシング身体的情報と登録身体的情報とを照合する。そして、認証部102cは、センシング身体的情報と登録身体的情報との一致度又は類似度に基づき、センシング身体的情報の対象のユーザが予め登録されたユーザであるか否かを認証する。認証部102cは、センシング身体的情報と登録身体的情報とが一致する又は事前に定義された類似度以上の関係を有する場合、センシング身体的情報の対象のユーザが予め登録されたユーザであると認証する、つまり、認証が成功した判定する。上記以外の場合、認証部102cは、センシング身体的情報の対象のユーザが予め登録されたユーザでないと認証する、つまり、認証が失敗した判定する。このように、第一認証部102は、第一認証情報格納部104から、センシング身体的情報に対応する登録身体的情報を取得し、センシング身体的情報の対象のユーザが予め登録されたユーザであるか否かを認証する。認証部102cは、認証結果を認証結果出力部102dに出力し、認証結果出力部102dは、当該認証結果を制御情報出力部106又は第二認証部103に出力する。
【0061】
登録身体的情報は、車両1の所有者及び当該所有者によって許可されたユーザ等の車両1を正規に使用することができるユーザによって、車両1のセンサを用いて予め取得され、第一認証情報格納部104に登録されている。なお、登録身体的情報は、車両1の外部のセンサによって取得されてもよい。登録身体的情報の例は、センシング身体的情報と同様に、ユーザの音声の情報、ユーザの顔画像又は眼の虹彩画像、及びユーザの指紋画像である。
【0062】
図2及び
図4に示すように、第二認証部103は、認証制御部103aと、検出情報取得部103bと、認証部103cと、認証結果出力部103dとを含む。なお、
図4は、実施の形態1に係る車両制御装置100の第二認証部103の機能的な構成の一例を示すブロック図である。認証制御部103aは、始動情報取得部101から始動情報を受信する。認証制御部103aは、始動情報を受信すると、検出情報取得部103bに、表示装置7の入力インタフェース7aを介した認証情報の入力を受け付ける状態に遷移させ、認証情報の入力を待たせる、つまり、入力待ち受け状態とさせる。認証情報の例は、暗証番号、パスワード、ボタンの入力順序等の暗号キーである。
【0063】
認証情報が入力されると、検出情報取得部103bは、認証制御部103aを介して、認証部103cに当該認証情報(以下、「入力認証情報」とも呼ぶ)を出力する。認証部103cは、第二認証情報格納部105において、入力認証情報に対応する認証情報(以下、「登録認証情報」とも呼ぶ)を参照し、入力認証情報と登録認証情報とを照合する。そして、認証部103cは、入力認証情報と登録認証情報との一致度に基づき、入力認証情報が登録認証情報であるか否かを認証する。認証部103cは、入力認証情報と登録認証情報とが一致する場合、認証が成功した判定する。上記以外の場合、認証部103cは、認証が失敗した判定する。このように、第二認証部103は、第二認証情報格納部105から、入力認証情報に対応する登録認証情報を取得し、入力認証情報が登録認証情報であるか否かを認証する。認証部103cは、認証結果を認証結果出力部103dに出力し、認証結果出力部103dは、当該認証結果を制御情報出力部106に出力する。ここで、入力インタフェース7aは、第二認証装置を構成する。
【0064】
登録認証情報は、車両1の所有者及び当該所有者によって許可されたユーザ等の車両1を正規に使用することができるユーザによって、入力インタフェース7aを用いて予め入力され、第二認証情報格納部105に登録されている。なお、登録認証情報は、車両1の外部の装置から無線通信又は有線通信を介して、第二認証情報格納部105に登録されてもよい。登録認証情報は、ユーザへの車両1の引き渡し前に、自動車販売会社等によって予め登録されてもよい。登録認証情報の例は、入力認証情報と同様に、暗号キーである。
【0065】
制御情報出力部106は、第一認証部102及び第二認証部103の少なくとも一方の認証結果に基づくエンジンの始動の制御情報を、ECU10に出力する。具体的には、制御情報出力部106は、第一認証部102の認証成功の認証結果、及び、第二認証部103の認証成功の認証結果のうちの少なくとも1つを取得すると、エンジンを始動させる制御情報を、ECU10に出力する。これにより、ECU10はエンジンを始動する。また、制御情報出力部106は、第一認証部102の認証失敗の認証結果、及び、第二認証部103の認証失敗の認証結果を取得すると、エンジンを始動させない制御情報を、ECU10に出力する。これにより、ECU10はエンジンを始動しない。後者の場合、制御情報出力部106は、認証が失敗したこと示す情報を表示装置7に表示し、ユーザに報知してもよい。そして、第二認証部103は、入力インタフェース7aへの認証情報の入力を待つ入力待ち受け状態を維持してもよい。
【0066】
[1-3.車両制御装置100のユーザ登録動作]
車両制御装置100における第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105へのユーザ情報の登録動作を説明する。通常、車両制御装置100は、車両1を使用するユーザを認証結果に応じてエンジンを始動する認証モードで動作する。しかしながら、車両制御装置100は、予め定義されたルールに従った入力を受けると、第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105へユーザ情報を登録する登録モードで動作する。予め定義されたルールは、所定の入力回数及びタイミングでのスタートボタン3への入力、入力インタフェース7aへの暗号の入力、図示しない端子に接続される入力装置を介した暗号の入力等のいかなるルールであってもよい。
【0067】
図5は、実施の形態1に係る車両制御装置100のユーザ登録動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図5は、登録モードでの車両制御装置100の動作を示す。
図5に示すように、ステップS1において、始動情報取得部101は、キー検出部11からリモコンキー2の検出情報を取得できるか否かを判定する。始動情報取得部101は、取得できる場合(ステップS1でYes)、ステップS2に進み、取得できない場合(ステップS1でNo)、ステップS1に戻る。
【0068】
ステップS2において、始動情報取得部101は、スタートボタン入力検出部12からエンジンの始動指令を取得できるか否かを判定する。始動情報取得部101は、取得できる場合(ステップS2でYes)、ステップS3に進む。この場合、アクセサリ電源起動部13は、オフ状態からオン状態になる。また、始動情報取得部101は、取得できない場合(ステップS2でNo)、ステップS2に戻る。
【0069】
ステップS3において、第一認証部102は、第一認識装置である車両1のセンサの電源を起動する。車両1のセンサは、マイク6、カメラ8又は指紋認証センサ9である。
【0070】
次いで、ステップS4において、第二認証部103は、第二認識装置である入力インタフェース7a及び表示装置7の電源を起動する。
【0071】
次いで、ステップS5において、第一認証部102は、車両1のセンサにユーザをセンシングさせ、当該ユーザの身体的情報を取得する。そして、第一認証部102は、取得された身体的情報を第一認証情報格納部104に格納する、つまり登録する。登録される身体的情報は、1人のユーザの情報であってもよく、複数のユーザの情報であってもよい。
【0072】
次いで、ステップS6において、第二認証部103は、入力インタフェース7aへの認証情報の入力を受け付ける入力待ち受け状態となる。入力インタフェース7aへ認証情報が入力されると、第二認証部103は、入力された認証情報を第二認証情報格納部105に格納する、つまり登録する。入力待ち受け状態のとき、第二認証部103は、入力インタフェース7aへの入力を促す画像又は音声を、表示装置7に出力させてもよい。登録される認証情報は、1つであるが、複数であってもよい。ステップS6の処理の終了後、車両制御装置100は、認証モードでの動作を終了する。
【0073】
上述のようなステップS1~S6の処理によって、第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105それぞれに、登録身体的情報及び登録認証情報が格納される。認証モードでの登録身体的情報及び登録認証情報の格納は、車両1が自動車販売会社からユーザに引き渡される際又は引き渡し前に行われてもよく、引き渡し後に、各情報を変更するために行われてもよい。
【0074】
また、ステップS3及びS4の順序は、
図5の順序に限定されず、逆であってもよい。ステップS5及びS6の順序は、
図5の順序に限定されず、逆であってもよい。
【0075】
[1-4.車両制御装置100のユーザ認証動作]
車両制御装置100におけるエンジン始動時のユーザの認証動作を説明する。
図6は、実施の形態1に係る車両制御装置100のユーザ認証動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図6は、通常行われるモードである認証モードでの車両制御装置100の動作を示す。車両制御装置100は、認証モードにおいて、車両1を使用しようとするユーザが予め登録されたユーザに該当するか否かを認証する。
【0076】
図6に示すように、ステップS101において、始動情報取得部101は、キー検出部11からリモコンキー2の検出情報を取得できるか否かを判定する。始動情報取得部101は、取得できる場合(ステップS101でYes)、ステップS102に進み、取得できない場合(ステップS101でNo)、ステップS101に戻る。
【0077】
ステップS102において、始動情報取得部101は、スタートボタン入力検出部12からエンジンの始動指令を取得できるか否かを判定する。始動情報取得部101は、取得できる場合(ステップS102でYes)、ステップS103に進む。この場合、アクセサリ電源起動部13は、オフ状態からオン状態になる。また、始動情報取得部101は、取得できない場合(ステップS102でNo)、ステップS102に戻る。
【0078】
ステップS103において、第一認証部102は、第一認識装置である車両1のセンサの電源を起動する。車両1のセンサは、マイク6、カメラ8又は指紋認証センサ9である。
【0079】
次いで、ステップS104において、第二認証部103は、第二認識装置である入力インタフェース7a及び表示装置7の電源を起動する。
【0080】
次いで、ステップS105において、第一認証部102は、第一認証部102による認証である第一認証の実施が可能であるか否かを判定する。第一認証部102は、実施可能である場合(ステップS105でYes)、ステップS106に進み、実施不可能である場合(ステップS105でNo)、ステップS109に進む。なお、第一認証部102は、車両1のセンサの起動後、第一所定時間以内に当該センサによって検出されるセンシング身体的情報を取得できる場合、第一認証を実施可能であると判定する。第一認証部102は、第一所定時間以内に当該センシング身体的情報を取得できない場合、及び、当該センシング身体的情報を取得する前に入力インタフェース7aへの入力を検出する場合、第一認証を実施不可能であると判定する。センシング身体的情報の取得は、マイク6へ入力された音声情報の取得、カメラ8による撮像画像の取得、又は、指紋認証センサ9へ入力された指紋の画像の取得である。
【0081】
ステップS106において、第一認証部102は、取得されたセンシング身体的情報と、第一認証情報格納部104内の登録身体的情報とを照合し、当該センシング身体的情報の認証を行う。第一認証部102は、センシング身体的情報の認証が成功する、つまり認証結果が適合する場合(ステップS106でYes)、ステップS113に進む。第一認証部102は、センシング身体的情報の認証が失敗する、つまり認証結果が不適合である場合(ステップS106でNo)、ステップS107に進む。
【0082】
ステップS107において、第一認証部102は、車両1のセンサの起動後に実施されたセンシング身体的情報の認証回数、つまり認証処理回数をカウントする。具体的には、第一認証部102は、直近のステップS106の処理の前に保持している認証処理回数に、「1」を加算する。
【0083】
次いで、ステップS108において、第一認証部102は、センシング身体的情報の認証処理回数が第一閾値よりも大きいか否かを判定する。第一閾値は、予め設定され、例えば、第一認証情報格納部104に格納されている。第一認証部102は、第一閾値以下である場合(ステップS108でNo)、センシング身体的情報の認証処理を継続し、ステップS105に戻り、新たなセンシング身体的情報を取得する。この場合、ステップS105では、第一認証部102は、直近のステップS106での認証処理後、第二所定時間以内に新たなセンシング身体的情報を取得できる場合、第一認証を実施可能であると判定する。さらに、第一認証部102は、直近のステップS106での認証処理後、第二所定時間以内に新たなセンシング身体的情報を取得できない場合、及び、新たなセンシング身体的情報を取得する前に入力インタフェース7aへの入力を検出する場合、第一認証を実施不可能であると判定する。第二所定時間は、第一所定時間と同じであってもよく、異なっていてもよい。また、第一認証部102は、認証処理回数が第一閾値超である場合(ステップS108でYes)、ステップS109に進む。
【0084】
ステップS109において、第二認証部103は、第二認証部103による認証である第二認証の実施が可能であるか否かを判定する。第二認証部103は、実施可能である場合(ステップS109でYes)、ステップS110に進み、実施不可能である場合(ステップS109でNo)、認証モードの処理を終了する。なお、第二認証部103は、入力インタフェース7a及び表示装置7の起動後、第三所定時間以内に入力インタフェース7aに入力される入力認証情報を取得できる場合、実施可能であると判定し、第三所定時間以内に当該入力認証情報を取得できない場合、実施不可能であると判定する。第三所定時間は、第一所定時間及び第二所定時間のいずれかと同じであってもよく、いずれとも異なっていてもよい。
【0085】
ステップS110において、第二認証部103は、取得された入力認証情報と、第二認証情報格納部105内の登録認証情報とを照合し、当該入力認証情報の認証を行う。第二認証部103は、入力認証情報の認証が成功する、つまり認証結果が適合する場合(ステップS110でYes)、ステップS113に進む。第二認証部103は、入力認証情報の認証が失敗する、つまり認証結果が不適合である場合(ステップS110でNo)、ステップS111に進む。
【0086】
ステップS111において、第二認証部103は、入力インタフェース7a及び表示装置7の起動後に実施された入力認証情報の認証回数、つまり認証処理回数をカウントする。具体的には、第二認証部103は、直近のステップS110の処理の前に保持している認証処理回数に、「1」を加算する。
【0087】
次いで、ステップS112において、第二認証部103は、入力認証情報の認証処理回数が第二閾値よりも大きいか否かを判定する。第二閾値は、予め設定され、例えば、第二認証情報格納部105に格納されている。第二認証部103は、第二閾値以下である場合(ステップS112でNo)、入力認証情報の認証処理を継続し、ステップS109に戻り、新たな入力認証情報を取得する。この場合、ステップS109では、第二認証部103は、直近のステップS110での認証処理後、第四所定時間以内に新たな入力認証情報を取得できる場合、第二認証を実施可能であると判定する。さらに、第二認証部103は、直近のステップS110での認証処理後、第四所定時間以内に当該入力認証情報を取得できない場合、第二認証を実施不可能であると判定する。第四所定時間は、第一所定時間、第二所定時間及び第三所定時間のいずれかと同じであってもよく、いずれとも異なっていてもよい。また、第二認証部103は、認証処理回数が第二閾値超である場合(ステップS112でYes)、認証モードの処理を終了する。
【0088】
ステップS113において、制御情報出力部106は、第一認証部102又は第二認証部103から認証が成功した情報を取得するため、車両1のエンジンを始動させる制御情報をECU10に出力する。これにより、ECU10はエンジンを始動する。
【0089】
上述したように、車両制御装置100は、第一認証の実施が不可能である場合、第一認証が第一閾値を超えて失敗した場合、又は、第一認証が成功する前に入力インタフェース7aへの入力がある場合、第二認証を行う。さらに、車両制御装置100は、第二認証の実施が不可能である場合、又は、第二認証が第二閾値を超えて失敗した場合、ユーザの認証が失敗したと判定する。一方、車両制御装置100は、第一認証及び第二認証のいずれかが成功した場合、ユーザの認証が成功したと判定する。
【0090】
[1-5.効果]
上述したように実施の形態1に係る車両制御装置100は、車両1のキーの検出情報と、車両1のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得する始動情報取得部101と、取得される始動情報に応じて、車両1のセンサによって検出されるユーザのセンシング情報と、センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報とを取得し、検出されたユーザが予め登録されたユーザであるか否かを認証する第一認証部102と、取得される始動情報に応じて、ユーザによって入力される認証情報と、認証情報に対応する予め登録された認証情報とを取得し、入力された認証情報が予め登録された認証情報であるか否かを認証する第二認証部103と、第一認証部102及び第二認証部103の少なくとも一方の認証結果に基づくエンジンの始動の制御情報を出力する制御情報出力部106とを備える。
【0091】
上記構成によると、車両制御装置100は、第一認証部102によるユーザのセンシング情報に関する認証と、第二認証部103による入力認証情報に関する認証とを行うことができる。そして、車両制御装置100は、第一認証部102及び第二認証部103の少なくとも一方の認証結果に基づくエンジンの始動の制御情報を出力する。このため、車両制御装置100は、第一認証部102及び第二認証部103の一方の認証が失敗した場合でも、他方の認証結果を用いて、制御情報を出力することができる。よって、車両制御装置100は、車両1のセキュリティを向上し且つ車両1の使用不能を低減することができる。特に、ユーザのセンシング情報に関する認証は、体調等のユーザの状態によっては、予め登録されたユーザであっても失敗する可能性があるが、入力認証情報を用いた認証が実施可能であるため、予め登録されたユーザの誤認証の低減が可能である。
【0092】
また、実施の形態1に係る車両制御装置100は、センシング情報に対応する予め登録されたユーザの情報を格納する第一認証情報格納部104と、認証情報に対応する予め登録された認証情報を格納する第二認証情報格納部105とを備える。第一認証部102は、第一認証情報格納部104から予め登録されたユーザの情報を取得し、第二認証部103は、第二認証情報格納部105から予め登録された認証情報を取得する。上記構成によると、車両制御装置100が第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105を備えるため、外部から第一認証情報格納部104及び第二認証情報格納部105の情報への改変を抑制することが可能になる。
【0093】
また、実施の形態1に係る車両制御装置100において、制御情報出力部106は、第一認証部102及び第二認証部103の少なくとも一方による認証が成功した場合、エンジンを始動する制御情報を出力する。上記構成によると、車両1を使用するユーザは、第一認証部102及び第二認証部103のいずれによる認証を用いても、エンジンを始動することができる。
【0094】
また、実施の形態1に係る車両制御装置100において、第一認証部102による認証が失敗した場合、第二認証部103による認証が行われる。上記構成によると、第一認証部102によるユーザのセンシング情報に関する認証は、第二認証部103による入力認証情報に関する認証よりも、簡便であるが認証精度が劣る。より簡便な第一認証部102による認証を先に行うことによって、ユーザに要求される認証のための行為が低減される。また、後に行われる認証精度をより高くすることによって、セキュリティが高くなる。
【0095】
また、実施の形態1に係る車両制御装置100において、始動指令は、車両1のアクセサリ電源がオン状態であることを示す。上記構成によると、車両制御装置100による認証は、ユーザのエンジン始動の一連の動作の中に組み込まれる。よって、円滑な認証処理が可能になる。
【0096】
[実施の形態1の変形例]
実施の形態1に係る車両制御装置100の変形例を説明する。以下において、本変形例について、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図7に示すように、本変形例では、始動情報取得部101は、車両1のキー検出部11及び着座検出部14から、アクセサリ電源起動部13を介さずに、車両1のリモコンキー2の検出情報と車両1のエンジンの始動指令とを含む始動情報を取得する。なお、
図7は、実施の形態1に係る車両制御装置100の変形例の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0097】
着座検出部14は、
図1に示す着座センサ5によって検出される荷重を取得し、荷重に基づき、運転席のシートへの人の着座の有無を検出する。始動情報取得部101は、キー検出部11からリモコンキー2の検出情報を取得する。始動情報取得部101は、リモコンキー2の検出情報を取得している状態において、着座検出部14から運転席のシートへの人の着座の有りの検出結果を取得すると、当該検出結果を車両1のエンジンの始動指令とする。始動情報取得部101は、リモコンキー2の検出情報とエンジンの始動指令とを含む始動情報を第一認証部102及び第二認証部103に出力する。
【0098】
このように、本変形例では、車両制御装置100が動作を開始するためのトリガが、実施の形態1と異なる。その他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。そして、本変形例においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、本変形例では、始動指令は、車両1の運転席へのユーザの着座を示す。上記構成によると、ユーザは、スタートボタン3を押さずに、エンジンを始動することができる。よって、エンジン始動のためのユーザの操作の簡略化が可能になる。
【0099】
[実施の形態2]
実施の形態2に係る車両制御装置200を説明する。実施の形態2に係る車両制御装置200は、第一認証及び第二認証を行う前に、第一認証及び第二認証の実施をユーザに提示する点で、実施の形態1と異なる。以下において、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
【0100】
図8は、実施の形態2に係る車両制御装置200の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、車両制御装置200は、実施の形態1に係る車両制御装置100と同様に、始動情報取得部101と、第一認証部102と、第二認証部103と、第一認証情報格納部104と、第二認証情報格納部105と、制御情報出力部106とを備える。さらに、車両制御装置200は、第一認証提示部201及び第二認証提示部202を備える。第一認証提示部201及び第二認証提示部202の構成は、実施の形態1に係る車両制御装置100の始動情報取得部101等の構成要素について上述した構成のいずれかと同様である。
【0101】
第一認証提示部201は、始動情報取得部101から始動情報を取得すると、第一認証を実施することを、ユーザに提示する。言い換えれば、第一認証提示部201は、第一認証が実施可能状態であることを提示する。例えば、第一認証提示部201は、表示装置7のスピーカを用いて、音声により聴覚的に提示してもよく、表示装置7のディスプレイを用いて、画像内の文字列等により視覚的に提示してもよく、聴覚的な提示と視覚的な提示とを併用してもよい。例えば、車両1のセンサがマイク6である場合、第一認証提示部201は、マイク6への発話を促す提示をユーザにする。車両1のセンサがカメラ8である場合、第一認証提示部201は、カメラ8に顔を向けることを促す提示をユーザにする。車両1のセンサが指紋認証センサ9である場合、第一認証提示部201は、指紋認証センサ9への指の接触を促す提示をユーザにする。第一認証部102は、第一認証提示部201による提示開始後、車両1のセンサを起動する。これにより、車両1のセンサは、意図するタイミングでセンシング身体的情報を取得し得る。つまり、車両1のセンサは、ユーザの音声以外の不要なノイズ、ユーザの顔が写っていない意図しない画像、又は、ユーザの指以外の指紋画像の取得を抑制することができる。
【0102】
第二認証提示部202は、第二認証を実施することをユーザに提示する。言い換えれば、第二認証提示部202は、第二認証の実施が実施可能状態であることを提示する。第二認証提示部202は、始動情報取得部101から始動情報を取得すると、提示を行ってもよい。第二認証提示部202は、始動情報の取得直後に提示せず、第一認証の実施が不可能である場合、又は、第一認証が第一閾値を超えて失敗した場合、提示を行ってもよい。例えば、第二認証提示部202は、表示装置7のスピーカを用いて、音声により聴覚的に提示してもよく、表示装置7のディスプレイを用いて、画像内の文字列等により視覚的に提示してもよく、聴覚的な提示と視覚的な提示とを併用してもよい。第二認証提示部202は、第一認証提示部201と一緒に提示する場合、第一認証提示部201と異なる手段で提示を行ってもよい。第二認証部103は、第二認証提示部202による提示開始後、入力インタフェース7aを介した認証情報の入力の受け付けを開始する。
【0103】
実施の形態2に係る車両制御装置200のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。そして、実施の形態2に係る車両制御装置200においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、実施の形態2に係る車両制御装置200は、第一認証部102による認証の実施を示す第一認証提示部201と、第二認証部103による認証の実施を示す第二認証提示部202とを備える。上記構成によると、第一認証部102による認証のための装置の起動、及び、第二認証部103による認証のための装置の起動をそれぞれ、第一認証提示部201の提示後及び第二認証提示部202の提示後とすることができる。よって、認証に不要な情報が、認証のための装置によって取得されることが抑制される。従って、認証精度が向上する。また、認証のための装置の不要な稼動が低減されるため、省電力化が可能になる。
【0104】
[実施の形態3]
実施の形態3に係る車両制御装置300を説明する。実施の形態3に係る車両制御装置300は、車両1のマイク6に入力されるユーザの音声を用いて第一認証を行い、入力インタフェース7aを介して入力される暗号キーを用いて第二認証を行う。以下において、実施の形態3について、実施の形態1及び2と異なる点を中心に説明する。
【0105】
図9は、実施の形態3に係る車両制御装置300の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、車両制御装置300は、実施の形態1に係る車両制御装置100と同様に、始動情報取得部101と、第一認証部102と、第二認証部103と、第一認証情報格納部104と、第二認証情報格納部105と、制御情報出力部106とを備える。さらに、車両制御装置300は、音声取得部301及び入力信号取得部302を備える。音声取得部301及び入力信号取得部302の構成は、実施の形態1に係る車両制御装置100の始動情報取得部101等の構成要素について上述した構成のいずれかと同様である。
【0106】
音声取得部301は、始動情報取得部101から始動情報を取得すると、車両1のマイク6を起動する。そして、音声取得部301は、マイク6を介して入力されるユーザの音声信号を取得する。音声取得部301は、音声認識することによって、取得された音声信号に含まれる文字列を抽出し、センシング身体的情報として第一認証部102に出力してもよく、取得された音声信号から特徴量を抽出し、センシング身体的情報として第一認証部102に出力してもよい。音声取得部301は、文字列及び特徴量の両方を抽出し、第一認証部102に出力してもよい。
【0107】
第一認証部102は、取得された音声信号の文字列及び/又は特徴量と、第一認証情報格納部104に格納されている予め登録されたユーザの音声情報である当該ユーザの音声の文字列及び/又は特徴量とを照合する。そして、第一認証部102は、両者の一致度又は類似度に基づき、センシング身体的情報の対象のユーザが予め登録されたユーザであるか否かの認証を行う。
【0108】
入力信号取得部302は、始動情報取得部101から始動情報を取得すると、入力インタフェース7aを介した暗号キーの入力の受け付けを開始する。そして、入力信号取得部302は、入力インタフェース7aを介して入力される暗号キーの入力信号を取得し、第二認証部103に出力する。
【0109】
第二認証部103は、取得された暗号キーと、第二認証情報格納部105に格納されている予め登録され暗号キーとを照合する。そして、第二認証部103は、両者が一致する場合、認証が成功したと判定する、つまり、暗号キーを入力したユーザが予め登録されたユーザであると認証する。第二認証部103は、両者が一致しない場合、認証が失敗したと判定する。
【0110】
実施の形態3に係る車両制御装置300のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。そして、実施の形態3に係る車両制御装置300においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、実施の形態3に係る車両制御装置300では、第一認証部102は、車両1のマイク6を介して入力されるユーザの音声を、センシング情報として取得し、予め登録されたユーザの音声情報を、予め登録されたユーザの情報として取得し、音声と音声情報との類似度に基づき、音声を発したユーザが予め登録されたユーザであるか否かを認証する。上記構成によると、第一認証部102による認証は、車両1を使用するユーザによって発せられた音声を用いて行われる。よって、認証のためのユーザの行為が簡略になる。
【0111】
[実施の形態4]
実施の形態4に係る車両制御装置400を説明する。実施の形態4に係る車両制御装置400は、第一認証及び第二認証を行う前に、第一認証及び第二認証の実施をユーザに提示する点で、実施の形態3と異なる。以下において、実施の形態4について、実施の形態1~3と異なる点を中心に説明する。
【0112】
図10は、実施の形態4に係る車両制御装置400の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、車両制御装置400は、実施の形態3に係る車両制御装置300と同様に、始動情報取得部101と、第一認証部102と、第二認証部103と、第一認証情報格納部104と、第二認証情報格納部105と、制御情報出力部106と、音声取得部402と、入力信号取得部404とを備える。さらに、車両制御装置400は、実施の形態2に係る車両制御装置200と同様に、第一認証提示部401及び第二認証提示部403を備える。音声取得部402及び入力信号取得部404の構成はそれぞれ、実施の形態3の音声取得部301及び入力信号取得部302と同じである。第一認証提示部401及び第二認証提示部403の構成は、実施の形態2の第一認証提示部201及び第二認証提示部202と同様である。
【0113】
第一認証提示部401は、始動情報取得部101から始動情報を取得すると、第一認証を実施することを、ユーザに提示する。そして、第一認証提示部401は、提示開始後、音声取得部301を起動する。
【0114】
第二認証提示部403は、第二認証を実施することをユーザに提示する。第二認証提示部403は、始動情報取得部101から始動情報を取得すると、提示を行ってもよい。第二認証提示部403は、始動情報の取得直後に提示せず、第一認証の実施が不可能である場合、又は、第一認証が第一閾値を超えて失敗した場合、提示を行ってもよい。そして、第二認証提示部403は、提示開始後、入力信号取得部404を起動する。
【0115】
実施の形態4に係る車両制御装置400のその他の構成及び動作は、実施の形態3と同様であるため、その説明を省略する。そして、実施の形態4に係る車両制御装置400においても、実施の形態2及び3と同様の効果が得られる。
【0116】
[実施の形態5]
実施の形態5に係る車両制御装置500を説明する。実施の形態5に係る車両制御装置500は、車両1のマイク6に入力されるユーザの音声に含まれる文字列を用いて第一認証を行う。以下において、実施の形態5について、実施の形態1~4と異なる点を中心に説明する。
【0117】
図11は、実施の形態5に係る車両制御装置500の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図11に示すように、車両制御装置500は、実施の形態4に係る車両制御装置400と同様に、始動情報取得部101と、第二認証部103と、第二認証情報格納部105と、制御情報出力部106と、第一認証提示部401と、音声取得部402と、第二認証提示部403と、入力信号取得部404とを備える。さらに、車両制御装置500は、第一認証部102及び第一認証情報格納部104の代わりに、キーワード認証部501及びキーワード情報格納部502を備える。キーワード認証部501及びキーワード情報格納部502の構成はそれぞれ、第一認証部102及び第一認証情報格納部104と同様であってもよい。キーワード認証部501は第一認証部の一例であり、キーワード情報格納部502は第一格納部の一例である。
【0118】
キーワード情報格納部502は、予め登録されたキーワードの文字列の情報を格納する。キーワードは、マイク6を介して音声信号として入力され、音声認識により、音声信号から文字列に変換されたものであってよく、入力インタフェース7aを介して入力された文字列であってもよい。
【0119】
音声取得部402は、マイク6を介して入力されるユーザの音声信号を音声認識することによって、当該音声信号に含まれる文字列を抽出し、キーワード認証部501に出力する。音声信号からの文字列の抽出は、既知の様々な音声認識技術を用いることによって、実現可能である。
【0120】
キーワード認証部501は、取得された音声信号の文字列と、キーワード情報格納部502に格納されている予め登録されたキーワードの文字列とを照合する。キーワード認証部501は、音声信号の文字列とキーワードの文字列とが一致する場合、認証が成功したと判定する、つまり、音声信号を発したユーザが予め登録されたユーザであると認証する。キーワード認証部501は、両者が一致しない場合、認証が失敗したと判定する。
【0121】
実施の形態5に係る車両制御装置500のその他の構成及び動作は、実施の形態4と同様であるため、その説明を省略する。そして、実施の形態5に係る車両制御装置500においても、実施の形態4と同様の効果が得られる。また、実施の形態5に係る車両制御装置500では、第一認証部102は、音声を音声認識することによって取得される文字列と、予め登録されたユーザの音声情報に含まれる文字列との一致度に基づき、認証を行う。上記構成によると、第一認証部102による認証は、車両1を使用するユーザによって発せられた音声に含まれる文字列を用いて行われる。当該文字列は、音声信号に対して音声認識処理を行うことによって、抽出される。この処理は、比較的低い処理量で実行可能である。よって、車両制御装置100の処理速度の向上が可能になる。
【0122】
[実施の形態6]
実施の形態6に係る車両制御装置600を説明する。実施の形態6に係る車両制御装置600は、車両1のマイク6に入力されるユーザの音声に含まれる特徴量を用いて第一認証を行う。以下において、実施の形態6について、実施の形態1~5と異なる点を中心に説明する。
【0123】
図12は、実施の形態6に係る車両制御装置600の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、車両制御装置600は、実施の形態4に係る車両制御装置400と同様に、始動情報取得部101と、第二認証部103と、第二認証情報格納部105と、制御情報出力部106と、第一認証提示部401と、音声取得部402と、第二認証提示部403と、入力信号取得部404とを備える。さらに、車両制御装置600は、第一認証部102及び第一認証情報格納部104の代わりに、特徴量認証部601及び特徴量情報格納部602を備える。特徴量認証部601及び特徴量情報格納部602の構成はそれぞれ、第一認証部102及び第一認証情報格納部104と同様であってもよい。特徴量認証部601は第一認証部の一例であり、特徴量情報格納部602は第一格納部の一例である。
【0124】
特徴量情報格納部602は、予め登録されたユーザの音声の特徴量の情報を格納する。特徴量は、マイク6を介して取得される当該ユーザの音声信号から、車両制御装置600によって抽出されてもよく、車両1の外部の装置を用いて当該ユーザの音声信号から抽出された特徴量であってもよい。特徴量情報格納部602には、1人のユーザの音声の特徴量の情報が格納されてもよく、複数のユーザの音声の特徴量の情報が格納されてもよい。
【0125】
ユーザの音声の特徴量の情報の例は、当該ユーザを識別するための個人用音声辞書である。個人用音声辞書は、ユーザの音声の特徴量と、不特定多数の話者の音声のデータ、雑音データ、又は、これら両方を用いて抽出される特徴量とに基づいて生成される音声モデルで構成される。
【0126】
音声取得部402は、マイク6を介して入力されるユーザの音声信号から特徴量を抽出し、特徴量認証部601に出力する。音声信号からの特徴量の抽出は、既知の様々な特徴量抽出技術を用いることによって、実現可能である。
【0127】
特徴量認証部601は、取得された音声信号の特徴量に基づき、当該音声信号の音声モデルを生成し、当該音声信号の音声モデルと、特徴量情報格納部602に格納されている予め登録されたユーザの音声の特徴量の情報である個人用音声辞書とを照合する。そして、特徴量認証部601は、音声信号の音声モデルと個人用音声辞書の音声モデルとの類似度が事前に定義された類似度以上である場合、認証が成功したと判定し、当該音声信号を発したユーザは予め登録されたユーザであると認証する。特徴量認証部601は、上記類似度が事前に定義された類似度未満である場合、認証が失敗したと判定する。
【0128】
なお、音声の特徴量は、話者の音声の特徴を示し、音声の特徴量を用いて話者の識別が可能である。音声の特徴量を用いた話者の識別方法の1つに、i-vectorと呼ばれる話者識別方法がある。i-vectorに基づく話者識別では、因子分析を利用して、話者に含まれる固有の特徴を抽出し、抽出した特徴量を比較することで話者を判別する。i-vectorでは、特徴抽出に因子分析を用いているため、次元を削減して特徴を表現することが可能であり、少量の発話データでも効率よく話者性を表現することができる。特徴量認証部601は、i-vector等の話者の識別方法を用いて、音声信号の音声モデルと個人用音声辞書の音声モデルとの類似度を算出する。このように、特徴量認証部601は、話者を識別することにより、認証を行う。i-vector等を用いた話者の識別方法は、特許文献2に開示されるように既知であるため、その詳細な説明を省略する。
【0129】
実施の形態6に係る車両制御装置600のその他の構成及び動作は、実施の形態4と同様であるため、その説明を省略する。そして、実施の形態6に係る車両制御装置600においても、実施の形態4と同様の効果が得られる。また、実施の形態6に係る車両制御装置600では、特徴量認証部601は、音声から取得される特徴量と、予め登録されたユーザの音声情報に含まれる音声の特徴量との類似度に基づき、認証を行う。上記構成によると、特徴量認証部601による認証は、車両1を使用するユーザによって発せられた音声に含まれる特徴量を用いて行われる。つまり、特徴量認証部601による認証では、音声を発した話者が識別され、当該話者が予め登録されたユーザに該当するか否かが認証される。よって、ユーザの認証精度が高くなる、つまり、セキュリティが向上する。
【0130】
[実施の形態7]
実施の形態7に係る車両制御装置700を説明する。実施の形態7に係る車両制御装置600は、車両1のマイク6に入力されるユーザの音声に含まれる文字列と特徴量とを用いて第一認証を行う。以下において、実施の形態7について、実施の形態1~6と異なる点を中心に説明する。
【0131】
図13は、実施の形態7に係る車両制御装置700の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、車両制御装置700は、実施の形態4に係る車両制御装置400と同様に、始動情報取得部101と、第二認証部103と、第二認証情報格納部105と、制御情報出力部106と、第一認証提示部401と、音声取得部402と、第二認証提示部403と、入力信号取得部404とを備える。さらに、車両制御装置700は、実施の形態5に係る車両制御装置500と同様に、キーワード認証部701及びキーワード情報格納部702を備える。さらにまた、車両制御装置700は、実施の形態6に係る車両制御装置600と同様に、特徴量認証部703及び特徴量情報格納部704を備える。また、車両制御装置700は、統合部705を備える。
【0132】
キーワード認証部701及びキーワード情報格納部702はそれぞれ、実施の形態5のキーワード認証部501及びキーワード情報格納部502と同じである。キーワード認証部701は、認証結果を統合部705に出力する。
【0133】
特徴量認証部703及び特徴量情報格納部704はそれぞれ、実施の形態6の特徴量認証部601及び特徴量情報格納部602と同じである。特徴量認証部703は、認証結果を統合部705に出力する。
【0134】
また、音声取得部402は、マイク6を介して入力されるユーザの音声信号から文字列及び特徴量を抽出し、文字列をキーワード認証部701に出力し、特徴量を特徴量認証部601に出力する。
【0135】
統合部705は、キーワード認証部701及び特徴量認証部703それぞれから取得される認証結果を統合し、音声信号を発したユーザが予め登録されたユーザであるか否かを判定する。具体的には、統合部705は、キーワード認証部701から認証成功の認証結果を取得し、且つ、特徴量認証部703から認証成功の認証結果を取得した場合、音声信号を発したユーザは予め登録されたユーザであると判定する。統合部705は、キーワード認証部701から取得される認証結果と特徴量認証部703から取得される認証結果との少なくとも一方が、認証失敗を示す場合、音声信号を発したユーザは予め登録されたユーザでないと判定する。統合部705は、判定結果を、第一認証の統合認証結果として、制御情報出力部106又は第二認証提示部403に出力する。
【0136】
実施の形態7に係る車両制御装置700のその他の構成及び動作は、実施の形態4~6と同様であるため、その説明を省略する。そして、実施の形態7に係る車両制御装置700においても、実施の形態4~6と同様の効果が得られる。また、実施の形態7に係る車両制御装置700では、キーワード認証部701は、音声を音声認識することによって取得される文字列と、予め登録されたユーザの音声情報に含まれる文字列との一致度に基づく認証を行う。特徴量認証部703は、音声から取得される特徴量と、予め登録されたユーザの音声情報に含まれる音声の特徴量との類似度に基づく認証を行う。統合部705は、両方の認証が成功した場合、音声を発したユーザが予め登録されたユーザであると認証する。上記構成によると、第一認証は、車両1を使用するユーザによって発せられた音声に含まれる文字列及び特徴量を用いて行われる。そして、文字列を用いた認証及び特徴量を用いた認証のいずれもが成功した場合、第一認証は成功する。よって、セキュリティが向上する。
【0137】
[実施の形態8]
実施の形態8に係る車両制御装置800を説明する。実施の形態8に係る車両制御装置800は、車両1のマイク6に入力されるユーザの音声に含まれる特徴量からユーザの年齢層を特定し、年齢層に応じた運転支援情報を出力する。以下において、実施の形態8について、実施の形態1~7と異なる点を中心に説明する。
【0138】
図14は、実施の形態8に係る車両制御装置800の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図14に示すように、車両制御装置800は、実施の形態4に係る車両制御装置400と同様に、始動情報取得部101と、第一認証部102と、第二認証部103と、第一認証情報格納部104と、第二認証情報格納部105と、制御情報出力部106と、第一認証提示部401と、音声取得部402と、第二認証提示部403と、入力信号取得部404とを備える。さらに、車両制御装置800は、高齢層識別部801と、高齢層情報格納部802と、運転操作支援部803とを備える。
【0139】
高齢層情報格納部802は、高齢層の話者の音声の特徴量の情報を格納する。この特徴量の情報は、不特定多数の高齢層の話者の音声から抽出された特徴量の情報である。このような特徴量の情報の例は、高齢者を識別するための高齢層音声辞書である。高齢層音声辞書は、不特定多数の高齢層の話者の音声のデータ、雑音データ、又は、これら両方を用いて抽出される特徴量に基づいて生成される音声モデルで構成される。一般的に、加齢に伴って、調音器官の筋肉が衰え、発話行動における音声強度が低下し、口唇の開閉及び舌の動きが緩慢になる。これにより、高齢層の話者の音声は、高齢層以外の話者の音声と異なる特徴を有する。このような高齢層の話者に特有の特徴量の情報が、高齢層情報格納部802に格納される。高齢層の話者の音声の特徴量の情報は、車両1の製造過程などの車両1がユーザに引き渡される前に、予め高齢層情報格納部802に格納され得る。
【0140】
なお、高齢層とは、任意の年齢層に設定されてもよい。例えば、高齢層は、車両の運転時に車両への高齢者マーク(「高齢者運転標識」とも呼ばれる)の表示が要求される70歳以上の年齢層であってもよい。又は、高齢層は、車両への高齢者マーク(「高齢者運転標識」とも呼ばれる)の表示が義務化され且つ運転免許証の更新時に認知機能検査及び高齢者運転講習の受講が義務化されている75歳以上の年齢層であってもよい。
【0141】
高齢層識別部801は、第一認証部102から、第一認証の認証結果と、第一認証に用いられた音声信号又はその特徴量を取得する。高齢層識別部801は、取得された音声信号から特徴量を抽出する。さらに、高齢層識別部801は、特徴量から、音声信号を発したユーザの音声モデルを生成する。高齢層識別部801は、生成された音声モデルと、高齢層情報格納部802に格納されている高齢層音声辞書とを照合する。そして、高齢層識別部801は、音声モデルと高齢層音声辞書の音声モデルとの類似度が事前に定義された類似度以上である場合、音声モデルの対象のユーザは高齢層に該当すると判定し、上記類似度が事前に定義された類似度未満である場合、当該ユーザは高齢層に該当しないと判定する。高齢層識別部801は、判定結果、つまり識別結果を運転操作支援部803に出力し、第一認証部102の認証結果を、制御情報出力部106又は第二認証提示部403に出力する。このように、高齢層識別部801は、車両1のマイク6を介して入力されるユーザの音声を取得し、当該音声を発したユーザが高年齢層に該当するか否かを識別する。
【0142】
運転操作支援部803は、高齢層識別部801の識別結果に応じて、高齢層のユーザの運転操作を支援する情報である支援情報を出力する。具体的には、運転操作支援部803は、高齢層識別部801から、音声モデルの対象のユーザは高齢層に該当するという識別結果を取得する場合、支援情報を表示装置7に出力し、表示装置7に出力させる。表示装置7は、ディスプレイ及び/又はスピーカを介して、支援情報を視覚的及び/又は聴覚的に出力する。運転操作支援部803は、車両1のエンジンの始動直後、停車状態又は駐車状態からの車両1の発進時、車両1の停止時、車両1の後退時、車両1の左右折又は旋回時、及び、車両1の長く続く定速直進走行時などのユーザの運転開始時及び運転中に、誤操作の抑制、注意喚起、及び漫然運転の解消等のために、状況に応じた支援情報を出力してもよい。例えば、運転操作支援部803は、停車状態又は駐車状態からの車両1の発進時、ブレーキペダルとアクセルペダルとの踏み間違いを注意喚起する支援情報を出力してもよい。
【0143】
実施の形態8に係る車両制御装置800のその他の構成及び動作は、実施の形態4と同様であるため、その説明を省略する。そして、実施の形態8に係る車両制御装置800においても、実施の形態4と同様の効果が得られる。また、実施の形態8に係る車両制御装置800は、車両1のマイク6を介して入力されるユーザの音声を取得し、音声を発したユーザが高年齢層に該当するか否かを識別する識別部としての高齢層識別部801と、高齢層識別部801の識別結果に応じて、高年齢層のユーザの運転操作を支援する情報を出力する支援部としての運転操作支援部803とを備える。上記構成によると、車両1を使用するユーザが予め登録されたユーザであるか否かの認証に加え、車両1を使用するユーザの年齢層が識別される。そして、車両制御装置800は、識別された年齢層に応じた運転操作の支援も可能にする。
【0144】
また、実施の形態8に係る車両制御装置800では、高齢層識別部801は、ユーザの音声信号の特徴量に基づき、当該ユーザの年齢層を識別していたが、これに限定されない。例えば、第一認証情報格納部104は、音声情報と、当該音声情報を発したユーザの情報とを対応付けて、格納してもよい。このようなユーザ情報は、対応するユーザの年齢を含んでもよい。この場合、高齢層識別部801は、第一認証部102による認証が成功したユーザについて、第一認証情報格納部104から、当該ユーザに対応する音声情報のユーザ情報を取得し、認証が成功したユーザの年齢層を識別してもよい。又は、高齢層識別部801は、第一認証部102を介して、第一認証情報格納部104から上記ユーザ情報を取得してもよい。
【0145】
[その他]
以上、1つ又は複数の態様に係る車両制御装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、1つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0146】
例えば、実施の形態及び変形例に係る車両制御装置は、エンジンを搭載する車両1に備えられる構成であったが、電気自動車等のエンジンを搭載しない車両に備えられてもよい。この場合、車両制御装置は、車両に搭載されるモータ等の動力装置の始動を制御する。
【0147】
また、実施の形態及び変形例に係る車両制御装置は、車両1のエンジンを始動するための認証を行ったが、これに限定されない。実施の形態及び変形例に係る車両制御装置は、ドアの施錠及び解錠等の車両1の各装置を動作させるための認証に適用されてもよい。
【0148】
また、実施の形態及び変形例に係る車両制御装置は、アクセサリ電源がオン状態で動作していたが、アクセサリ電源がオフ状態で動作するように構成されてもよい。この場合、車両制御装置に専用の電源がひかれてもよい。
【0149】
また、上述したように、本開示の技術は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読取可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM等の不揮発性の記録媒体を含む。
【0150】
例えば、上記実施の形態に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0151】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0152】
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUなどのプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0153】
また、上記構成要素の一部又は全部は、脱着可能なIC(Integrated Circuit)カード又は単体のモジュールから構成されてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記のLSI又はシステムLSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。これらICカード及びモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0154】
本開示の車両制御方法は、MPU(Micro Processing Unit)及びCPUなどのプロセッサ、LSIなどの回路、ICカード又は単体のモジュール等によって、実現されてもよい。
【0155】
さらに、本開示の技術は、ソフトウェアプログラム又はソフトウェアプログラムからなるデジタル信号によって実現されてもよく、プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0156】
また、上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
【0157】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを1つの機能ブロックとして実現したり、1つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本開示の技術は、車両の各装置を稼動する際のセキュリティを向上する技術に有用である。
【符号の説明】
【0159】
1 車両
2 リモコンキー
3 スタートボタン
4 通信器
5 着座センサ
6 マイク
7 表示装置
7a 入力インタフェース
8 カメラ
9 指紋認証センサ
11 キー検出部
12 スタートボタン入力検出部
13 アクセサリ電源起動部
14 着座検出部
100,200,300,400,500,600,600,700,800 車両制御装置
101 始動情報取得部(取得部)
102 第一認証部
103 第二認証部
104 第一認証情報格納部(第一格納部)
105 第二認証情報格納部(第二格納部)
106 制御情報出力部
201,401 第一認証提示部
202,403 第二認証提示部
301,402 音声取得部
302,404 入力信号取得部
501,701 キーワード認証部(第一認証部)
502,702 キーワード情報格納部(第一格納部)
601,703 特徴量認証部(第一認証部)
602,704 特徴量情報格納部(第一格納部)
705 統合部
801 高齢層識別部(識別部)
802 高齢層情報格納部
803 運転操作支援部(支援部)