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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】画像形成装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/12 20130101AFI20221031BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221031BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
G06F21/12 310
H04N1/00 838
B41J29/38 203
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018200812
(22)【出願日】2018-10-25
(65)【公開番号】P2020067873
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 崇裕
【審査官】宮司 卓佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-045822(JP,A)
【文献】特開2012-020546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/12
H04N 1/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ログイン状態及びログアウト状態でアプリケーションの起動を許可する第1の条件と、ログイン状態で前記アプリケーションの起動を許可する第2の条件との何れかを示す設定を記憶する記憶部と、
前記アプリケーションの起動指示を受け付ける受付部と、
ログアウト状態で前記起動指示を受けた場合、前記アプリケーションに前記第1の条件が設定されているならば前記アプリケーションを起動し、前記アプリケーションに前記第2の条件が設定されているならばログインを条件に前記アプリケーションを起動する制御部と、を備え
前記制御部は、ログアウト状態で、ログイン状態でなければ使用できないAPIを前記アプリケーションが呼び出す場合、ログインを条件に前記APIの呼び出しを許可する、
像形成装置。
【請求項2】
ログイン状態及びログアウト状態でアプリケーションの起動を許可する第1の条件と、ログイン状態で前記アプリケーションの起動を許可する第2の条件との何れかを示す設定を記憶する記憶部と、
前記アプリケーションの起動指示を受け付ける受付部と、
ログアウト状態で前記起動指示を受けた場合、前記アプリケーションに前記第1の条件が設定されているならば前記アプリケーションを起動し、前記アプリケーションに前記第2の条件が設定されているならばログインを条件に前記アプリケーションを起動する制御部と、を備え、
前記記憶部は、前記アプリケーションにおいて使用されるAPIの一覧を記憶し、
前記制御部は、ログアウト状態で前記起動指示を受けた場合、前記アプリケーションに前記第1の条件が設定されているならば、ログイン状態でなければ使用できないAPIが前記一覧に含まれる場合、ログインを条件に前記アプリケーションを起動し、ログイン状態でなければ使用できないAPIが前記一覧に含まれない場合、前記アプリケーションを起動する、
画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記アプリケーションのインストールパッケージに、前記第1の条件を示す情報が含まれる場合、前記アプリケーションのインストールにおいて、前記設定が前記第1の条件を示すように、前記記憶部を制御し、
前記インストールパッケージに、前記第2の条件を示す情報が含まれる場合、前記アプリケーションのインストールにおいて、前記設定が前記第2の条件を示すように、前記記憶部を制御する、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ログアウト状態でアプリケーションの起動指示を受けた場合、
前記アプリケーションに、ログイン状態及びログアウト状態で前記アプリケーションの起動を許可する第1の条件が設定されているならば、前記アプリケーションを起動し、前記アプリケーションに、ログイン状態で前記アプリケーションの起動を許可する第2の条件が設定されているならば、ログインを条件に前記アプリケーションを起動し、
ログアウト状態で、ログイン状態でなければ使用できないAPIを前記アプリケーションが呼び出す場合、ログインを条件に前記APIの呼び出しを許可する、
画像形成装置の制御方法。
【請求項5】
ログアウト状態でアプリケーションの起動指示を受けた場合、
前記アプリケーションに、ログイン状態及びログアウト状態で前記アプリケーションの起動を許可する第1の条件が設定されているならば、前記アプリケーションを起動し、前記アプリケーションに、ログイン状態で前記アプリケーションの起動を許可する第2の条件が設定されているならば、ログインを条件に前記アプリケーションを起動し、
ログアウト状態で前記起動指示を受けた場合、前記アプリケーションに前記第1の条件が設定されているならば、ログイン状態でなければ使用できないAPIが前記アプリケーションにおいて使用されるAPIの一覧に含まれる場合、ログインを条件に前記アプリケーションを起動し、ログイン状態でなければ使用できないAPIが前記一覧に含まれない場合、前記アプリケーションを起動する、
画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なアプリケーションをインストールすることができる画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、ログイン中のユーザーだけがアプリケーションを使えるようにすることができる。しかしながら、インストールされるアプリケーションのうちの特定のアプリケーションだけを、ログイン中のユーザーだけが使えるようにすることは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-196501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、簡単な方法で、アプリケーションごとのログインの要否を設定できる画像形成装置及び制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の画像形成装置は、記憶部及び制御部を含む。記憶部は、アプリケーションの設定を記憶する。制御部は、前記アプリケーションを起動するように指示されたことに応じて、ログイン状態である場合、前記アプリケーションを起動する。制御部は、前記アプリケーションを起動するように指示されたことに応じて、ログイン状態でなく且つ前記設定が第1の状態である場合、前記アプリケーションを起動する。制御部は、前記アプリケーションを起動するように指示されたことに応じて、ログイン状態でなく且つ前記設定が第2の状態である場合、認証処理を開始する。制御部は、認証が正常に行われてログイン状態となったならば前記アプリケーションを起動し、前記認証が正常に行われずログイン状態とならないならば前記アプリケーションを起動しない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態及び第2実施形態に係る画像形成装置及び通信装置の要部回路構成の一例を示すブロック図。
図2図1中の画像形成装置のプロセッサーによる第1実施形態に係る処理のフローチャート。
図3図1中の画像形成装置のプロセッサーによる第1実施形態及び第2実施形態に係る処理のフローチャート。
図4図1中の画像形成装置のプロセッサーによる第1実施形態及び第2実施形態に係る処理のフローチャート。
図5図1中の画像形成装置のプロセッサーによる第2実施形態に係る処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、いくつかの実施形態に係る画像形成装置について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置10及び通信装置20の要部回路構成の一例を示すブロック図である。
【0008】
画像形成装置10及び通信装置20は、ネットワークNWに接続する。ネットワークNWは、典型的にはイントラネットなどのプライベートネットワークを含む通信網である。ネットワークNWは、典型的にはLAN(local area network)を含む通信網である。ネットワークNWは、インターネットを含む通信網であっても良い。ネットワークNWは、WAN(wide area network)を含む通信網であっても良い。また、ネットワークNWは、無線回線でも良いし有線回線でも良く、無線回線と有線回線とが混在していても良い。また、ネットワークNWは、専用線又は公衆携帯電話網などを含む通信網であっても良い。
【0009】
画像形成装置10は、例えば、MFP(multifunction peripheral)、コピー機、プリンター又はファクシミリなどである。画像形成装置10は、例えば、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、消色機能及びファクシミリ機能などを備える。印刷機能は、画像形成媒体Pなどに対してトナーなどの記録材を用いて画像を形成する機能である。画像形成媒体Pは、例えば、シート状の紙などである。スキャン機能は、画像が形成された原稿などから画像を読み取る機能である。コピー機能は、スキャン機能を用いて原稿などから読み取った画像を、印刷機能を用いて画像形成媒体Pに印刷する機能である。消色機能は、画像形成媒体P上に消色可能な記録材で形成された画像を消色する機能である。
画像形成装置10は、登録ユーザーによるログインが可能である。ユーザーは、画像形成装置10にログインすることで、例えば、様々な機能が使用可能となる。
画像形成装置10は、一例として、プロセッサー11、ROM(read-only memory)12、RAM(random-access memory)13、補助記憶デバイス14、通信インターフェース15、コントロールパネル16、画像形成部17及び画像読取部18を含む。そして、これら各部がバス19などによって接続される。
【0010】
プロセッサー11は、画像形成装置10の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分に相当する。プロセッサー11は、ROM12又は補助記憶デバイス14などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、画像形成装置10の各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサー11は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー11は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。プロセッサー11は、制御部の一例である。プロセッサー11を中枢とするコンピューターは、制御部の一例である。
【0011】
ROM12は、プロセッサー11を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。ROM12は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM12は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM12は、プロセッサー11が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0012】
RAM13は、プロセッサー11を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。RAM13は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM13は、プロセッサー11が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0013】
補助記憶デバイス14は、プロセッサー11を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス14は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス14は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス14は、プロセッサー11が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー11での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。なお、画像形成装置10は、補助記憶デバイス14に代えて、あるいは補助記憶デバイス14に加えて、メモリカード又はUSB(universal serial bus)メモリなどの記憶媒体を挿入可能なインターフェースを備えていてもよい。
【0014】
ROM12又は補助記憶デバイス14に記憶されるプログラムは、後述する処理を実行するためのプログラムを含む。当該プログラムは、各種のAPI(application programming interface)を提供する機能を有する。一例として、画像形成装置10は、当該プログラムがROM12又は補助記憶デバイス14に記憶された状態で画像形成装置10の管理者などへと譲渡される。しかしながら、画像形成装置10は、当該プログラムがROM12又は補助記憶デバイス14に記憶されない状態で当該管理者などに譲渡されても良い。また、画像形成装置10は、当該プログラムとは別のプログラムがROM12又は補助記憶デバイス14に記憶された状態で当該管理者などに譲渡されても良い。そして、後述する処理を実行するためのプログラムが別途に当該管理者などへと譲渡され、当該管理者又はサービスマンなどによる操作の下にROM12又は補助記憶デバイス14へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはネットワークなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0015】
APIは、権限の設定が可能である。あるいは、APIは、デフォルトで権限が設定されている。権限の設定により、画像形成装置10は、例えば、管理者ユーザーだけが使用可能なAPI、特定のユーザーだけが使用可能なAPI、ログインユーザーだけが使用可能なAPI、特定のユーザーグループだけが使用可能なAPI、及び全てのユーザーが使用可能なAPIなどを提供する。
【0016】
また、補助記憶デバイス14などに記憶されるプログラムは、画像形成装置10の機能などを追加するアプリケーションソフトウェア(以下「内蔵アプリケーション」という。)を1又は複数含んでも良い。内蔵アプリケーションは、上記のAPIを呼び出して動作することが可能である。一例として、画像形成装置10は、内蔵アプリケーションがROM12又は補助記憶デバイス14に記憶されない状態で画像形成装置10の管理者などへと譲渡される。そして、別途に当該管理者などへと譲渡される内蔵アプリケーションが、当該管理者又はサービスマンなどによる操作の下に補助記憶デバイス14などへと書き込まれる(インストールされる)。しかしながら、画像形成装置10は、内蔵アプリケーションがROM12又は補助記憶デバイス14に記憶された状態(インストールされた状態)で当該管理者などへと譲渡されても良い。内蔵アプリケーションの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。
【0017】
内蔵アプリケーションのインストールパッケージは、一例として、プログラムコード、属性ファイル、署名データ及びリソースファイルを含む。このうち、属性ファイルは、内蔵アプリケーションについての各種の設定値を含む。例えば、属性ファイルは、自動認証機能を有効とするか無効とするかを画像形成装置10に指示する値、及び自動認証機能の有効と無効との切り替えを許可するか否かを画像形成装置10に指示する値を含む。自動認証機能については後述する。
プロセッサー11は、内蔵アプリケーションのインストール時に、属性ファイルに含まれる各値に基づき、当該内蔵アプリケーションについてのアプリケーション設定を生成して補助記憶デバイス14などに記憶させる。例えば、属性ファイルに、自動認証機能を有効とすることを指示する値が含まれる場合、アプリケーション設定は、自動認証機能が有効であることを示す値を含む。また、属性ファイルに、自動認証機能を無効とすることを指示する値が含まれる場合、アプリケーション設定は、自動認証機能が無効であることを示す値を含む。そして、属性ファイルに、自動認証機能の有効と無効との切り替えを許可することを指示する値が含まれる場合、アプリケーション設定は、自動認証機能の有効と無効との切り替えを許可することを示す値を含む。また、属性ファイルに、自動認証機能の有効と無効との切り替えを禁止することを指示する値が含まれる場合、アプリケーション設定は、自動認証機能の有効と無効との切り替えを禁止することを示す値を含む。アプリケーション設定が、自動認証機能が有効であることを示す値を含んでいる状態は、第1の状態の一例である。アプリケーション設定が、自動認証機能が無効であることを示す値を含んでいる状態は、第2の状態の一例である。アプリケーション設定を記憶する装置は、記憶部の一例である。したがって、補助記憶デバイス14は、記憶部の一例である。
【0018】
通信インターフェース15は、画像形成装置10がネットワークなどを介して通信するためのインターフェースである。
【0019】
コントロールパネル16は、画像形成装置10の操作者が操作するためのボタン及びタッチパネルなどを備える。当該タッチパネルは、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどのディスプレイとタッチパッドなどのポインティングデバイスとが積層されたものである。したがって、当該ボタン及びタッチパネルは、画像形成装置10の操作者による操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。また、当該タッチパネルが備えるディスプレイは、画像形成装置10の操作者に各種情報を通知する表示デバイスとして機能する。
また、画像形成装置10は、入力デバイスとしてマイクを備えていても良い。そして、画像形成装置10は、マイクから入力される音声を用いた音声認識による操作等の入力が可能であっても良い。
【0020】
画像形成部17は、トナー又はインクなどを用いて画像を形成することで、画像形成媒体Pに対して画像を印刷する。画像形成部17は、例えば、レーザープリンター、インクジェットプリンター又はその他の方式のプリンターによって印刷を行う。
【0021】
画像読取部18は、原稿から画像を読み取る。画像読取部18は、原稿から画像を読み取るためにスキャナーを備える。
当該スキャナーは、例えば、CCD(charge-coupled device)イメージセンサーなどの撮像素子を備える光学縮小方式である。あるいは、当該スキャナーは、CMOS(complementary metal-oxide-semiconductor)イメージセンサーなどの撮像素子を備える密着センサー(CIS(contact image sensor))方式である。あるいは、当該スキャナーは、その他の公知の方式である。
【0022】
バス19は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、画像形成装置10の各部で授受される信号を伝送する。
【0023】
通信装置20は、PC(personal computer)、サーバー、タブレットPC又はスマートホンなどである。通信装置20は、ネットワークNWを介して画像形成装置10を操作する機能を備える。通信装置20は、一例として、プロセッサー21、ROM22、RAM23、補助記憶デバイス24、通信インターフェース25、表示デバイス26及び入力デバイス27を含む。そして、これら各部がバス28などによって接続される。
【0024】
プロセッサー21は、通信装置20の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分に相当する。プロセッサー21は、ROM22又は補助記憶デバイス24などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、通信装置20の各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサー21は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー21は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0025】
ROM22は、プロセッサー21を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。ROM22は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM22は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM22は、プロセッサー21が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0026】
RAM23は、プロセッサー21を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。RAM23は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM23は、プロセッサー21が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0027】
補助記憶デバイス24は、プロセッサー21を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス24は、例えばEEPROM、HDD又はSSDなどである。補助記憶デバイス24は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス24は、プロセッサー21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー21での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0028】
ROM22又は補助記憶デバイス24に記憶されるプログラムは、後述する処理を実行するためのプログラムを含む。一例として、通信装置20は、当該プログラムがROM22又は補助記憶デバイス24に記憶された状態で通信装置20の管理者などへと譲渡される。しかしながら、通信装置20は、当該プログラムがROM22又は補助記憶デバイス24に記憶されない状態で当該管理者などに譲渡されても良い。また、通信装置20は、当該プログラムとは別のプログラムがROM22又は補助記憶デバイス24に記憶された状態で当該管理者などに譲渡されても良い。そして、後述する処理を実行するためのプログラムが別途に当該管理者などへと譲渡され、当該管理者又はサービスマンなどによる操作の下にROM22又は補助記憶デバイス24へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはネットワークNWなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0029】
通信インターフェース25は、通信装置20がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。
【0030】
表示デバイス26は、通信装置20の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する。表示デバイス26は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。また、0及び表示デバイス26としては、タッチパネルを用いることもできる。すなわち、タッチパネルが備える表示パネルを表示デバイス26として、タッチパネルが備えるタッチパッドを0として用いることができる。
【0031】
入力デバイス27は、通信装置20の操作者による操作を受け付ける。入力デバイス27は、例えば、キーボード、キーパッド、タッチパッド又はマウスなどである。また、表示デバイス26及び入力デバイス27としては、タッチパネルを用いることもできる。すなわち、タッチパネルが備える表示パネルを表示デバイス26として、タッチパネルが備えるタッチパッドを入力デバイス27として用いることができる。
【0032】
バス28は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、通信装置20の各部で授受される信号を伝送する。
【0033】
以下、第1実施形態に係る画像形成装置10の動作を図2図4などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図2図4は、画像形成装置10のプロセッサー11による処理のフローチャートである。プロセッサー11は、ROM12又は補助記憶デバイス14などに記憶されたプログラムに基づいてこの処理を実行する。なお、プロセッサー11がActN(Nは、自然数。)の処理の後にAct(N+1)へと進む場合、以下このことを説明する記載を省略する場合がある。
【0034】
Act11においてプロセッサー11は、内蔵アプリケーションを起動するように指示されたか否かを判定する。例えば、プロセッサー11は、コントロールパネル16などに対して、内蔵アプリケーションを起動する操作が行われた場合に、内蔵アプリケーションを起動するように指示されたと判定する。また例えば、プロセッサー11は、他のプログラムなどから、内蔵アプリケーションを起動することを指示するコマンドが入力された場合などに、内蔵アプリケーションを起動するように指示されたと判定する。また例えば、プロセッサー11は、通信装置20から、内蔵アプリケーションを起動するように指示するコマンドが送信された場合に、内蔵アプリケーションを起動するように指示されたと判定する。プロセッサー11は、内蔵アプリケーションを起動するように指示されていないならば、Act11においてNoと判定してAct12へと進む。
以上より、プロセッサー11は、Act11の処理を行うことで、アプリケーションの起動指示を受け付ける受付部として動作する。あるいは、プロセッサー11を中枢とするコンピューターは、Act11の処理を行うことで、受付部として動作する。
【0035】
Act12においてプロセッサー11は、設定の確認及び変更をするための設定画面を表示するように指示されたか否かを判定する。例えば、プロセッサー11は、コントロールパネル16などに対して、設定画面を表示するように指示する操作が行われた場合に、設定画面を表示するように指示されたと判定する。また例えば、プロセッサー11は、通信装置20から、設定画面を表示デバイス26に表示させるように指示するコマンドが送信された場合などにおいて、設定画面を表示するように指示されたと判定する。プロセッサー11は、設定画面を表示するように指示されていないならば、Act12においてNoと判定してAct13へと進む。
【0036】
Act13においてプロセッサー11は、ログイン処理を開始するように指示されたか否かを判定する。例えば、プロセッサー11は、コントロールパネル16などに対して、ログイン処理の開始を実行するように指示する操作がおこなわれた場合に、ログイン処理を開始するように指示されたと判定する。また例えば、プロセッサー11は、通信装置20から、ログイン処理を開始するように指示するコマンドなどが送信された場合に、ログイン処理を開始するように指示されたと判定する。プロセッサー11は、ログイン処理を開始するための操作が行われていないならば、Act13においてNoと判定してAct11へと戻る。かくして、プロセッサー11は、内蔵アプリケーションを起動するように指示されるか、設定画面を表示するように指示されるか、ログイン処理を開始するための操作が行われるまでAct11~Act13を繰り返す。
【0037】
プロセッサー11は、Act11~Act13の待受状態にあるときに設定画面を表示するように指示されたならば、Act12においてYesと判定してAct13へと進む。
【0038】
Act14においてプロセッサー11は、設定画面に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー11は、生成したこの画像を表示するようにコントロールパネル16に対して指示する。この指示を受けてコントロールパネル16が備えるタッチパネルは、設定画面を表示する。
設定画面は、各種設定についての現在の設定値などを含む。また、設定画面は、設定画面の表示を終了するための戻るボタンを含む。さらに、設定画面は、各種設定を変更するためのボタンなどを含む。
【0039】
Act15においてプロセッサー11は、設定画面の表示を終了するための操作が行われたか否かを判定する。すなわちプロセッサー11は、戻るボタンを操作するなどの予め定められた操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー11は、設定画面の表示を終了するための操作が行われないならば、Act15においてNoと判定してAct16へと進む。
【0040】
Act16においてプロセッサー11は、各種設定を変更するための操作が行われたか否かを判定する。すなわちプロセッサー11は、各種設定を変更するためのボタンを操作するなどの予め定められた操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー11は、各種設定を変更するための操作が行われないならば、Act16においてNoと判定してAct15へと戻る。かくして、プロセッサー11は、設定画面の表示を終了するための操作が行われるか、各種設定を変更するための操作が行われるまでAct15及びAct16を繰り返す。
プロセッサー11は、Act15及びAct16の待受状態にあるときに設定画面の表示を終了するための操作が行われたならば、Act15においてYesと判定してAct11へと戻る。
【0041】
プロセッサー11は、Act15及びAct16の待受状態にあるときに各種設定を変更するための操作が行われたならば、Act16においてYesと判定してAct17へと進む。
Act17においてプロセッサー11は、操作者による入力に基づき、各種設定値を補助記憶デバイス14などに記憶させる。プロセッサー11は、Act17の処理の後、Act15へと戻る。
Act17で記憶される各種設定は、例えば、「アプリケーション設定」と「本体設定」との2種類を含む。アプリケーション設定は、画像形成装置10にインストールされた内蔵アプリケーションごとの設定である。アプリケーション設定のそれぞれは、特定の内蔵アプリケーションに対してのみ有効な設定である。ただし、当該特定の内蔵アプリケーションは、複数の内蔵アプリケーションを含んでも良い。そして、本体設定は、アプリケーション設定とは異なり、特定の内蔵アプリケーションに対する設定ではなく、画像形成装置10についての設定である。
本体設定は、例えば、ユーザー認証機能が有効であるか無効であるかを示す設定を含む。ユーザー認証機能とは、ユーザーが画像形成装置10にログインすることを可能にする機能である。ユーザー認証機能が無効である場合、ユーザーは、画像形成装置10にログインすることができない。
【0042】
プロセッサー11は、Act11~Act13の待受状態にあるときにログイン処理を開始するための操作が行われたならば、Act13においてYesと判定してAct18へと進む。なお、プロセッサー11は、本体設定においてユーザー認証機能が無効に設定されている場合、ログイン処理を開始するための操作を行えないように制御する。あるいは、プロセッサー11は、本体設定においてユーザー認証機能が無効に設定されている場合、ログイン処理を開始するための操作が行われても、ログイン処理を開始するための操作は行われていないものとみなし、Act13においてNoと判定する。
Act18においてプロセッサー11は、図4に示すログイン処理を実行する。
【0043】
Act41においてプロセッサー11は、ログイン画面に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー11は、生成したこの画像を表示するようにコントロールパネル16が備えるタッチパネルに対して指示する。この指示を受けて当該タッチパネルは、ログイン画面を表示する。あるいは、プロセッサー11は、通信装置20からの指示でログイン処理を開始した場合、通信装置20の表示デバイス26にログイン画面を表示させる。
ログイン画面は、一例として、ログインに必要なID(identifier)及びパスワードを入力するための入力欄、ログインの実行を指示するためのログインボタン及びログインを中止するための中止ボタンを含む。なお、当該IDは、例えばユーザーごとにユニークに割り当てられた識別符号である。
【0044】
Act42においてプロセッサー11は、中止ボタンが操作されたか否かを判定する。プロセッサー11は、中止ボタンが操作されないならば、Act42においてNoと判定してAct43へと進む。
【0045】
Act43においてプロセッサー11は、パスワード及びIDが入力された状態でログインボタンが操作されたか否かを判定する。プロセッサー11は、ログインボタンが操作されていないならば、Act43においてNoと判定してAct42へと戻る。かくして、プロセッサー11は、中止ボタンが操作されるか、パスワード及びIDが入力された状態でログインボタンが操作されるまでAct42及びAct43を繰り返す。
【0046】
プロセッサー11は、Act42及びAct43の待受状態にあるときに中止ボタンが操作されたならば、Act42においてYesと判定して図4に示すログイン処理を終了する。
【0047】
プロセッサー11は、Act42及びAct43の待受状態にあるときにパスワード及びIDが入力された状態でログインボタンが操作されたならば、Act43においてYesと判定してAct44へと進む。
【0048】
Act44においてプロセッサー11は、IDとパスワードとの組み合わせが正しいか否かを確認する。そして、プロセッサー11は、IDとパスワードとの組み合わせが正しい組み合わせであるならば、認証に成功したと判定する。プロセッサー11は、IDとパスワードとの組み合わせが正しくなく、認証に失敗したと判定したならば、Act44においてNoと判定してAct41へと戻る。なお、このとき、プロセッサー11は、ログインに失敗した旨をログイン画面に含める。対して、プロセッサー11は、認証に成功したと判定するならば、Act44においてYesと判定してAct45へと進む。
【0049】
Act45においてプロセッサー11は、画像形成装置10を、ログイン状態に移行させる。例えば、プロセッサー11は、ログイン中のユーザーによる設定に基づいた動作をするように画像形成装置10を制御する。なお、ここでは、入力されたIDで特定されるユーザーがログイン者となる。プロセッサー11は、Act45の処理の後、図4に示すログイン処理を終了する。
以上の図4の処理の説明では、一例として、ログインは、IDとパスワードとの組み合わせを用いる方式を用いるものとした。しかしながら、ログインは、その他の方式であっても良い。例えば、ログインは、指紋認証又は顔認証などの生体認証を用いるものであっても良い。また例えば、ログインは、ICカードなどを用いるものであっても良い。
プロセッサーは、図2のAct18においてログイン処理を終了した後、Act11へと戻る。
【0050】
プロセッサー11は、Act11~Act13の待受状態にあるときに内蔵アプリケーションを起動するように指示されたならば、Act11においてYesと判定してAct19へと進む。なお、ここで起動を指示された内蔵アプリケーションを、以下「対象アプリケーション」というものとする。
Act19においてプロセッサー11は、本体設定において、ユーザー認証機能が有効になっているか否かを判定する。プロセッサー11は、ユーザー認証機能が有効になっているならば、Act19においてYesと判定してAct20へと進む。
【0051】
Act20においてプロセッサー11は、画像形成装置10がログイン状態であるか否かを判定する。プロセッサー11は、画像形成装置10がログイン状態でないならば、すなわちログアウト状態であるならば、Act20においてNoと判定してAct21へと進む。
【0052】
Act21においてプロセッサー11は、対象アプリケーションについてのアプリケーション設定において、対象アプリケーションの自動認証機能が有効になっているか否かを判定する。自動認証機能は、内蔵アプリケーションの起動時にログイン状態でない場合に、ログイン処理を自動で実行する機能である。プロセッサー11は、自動認証機能が有効になっているならば、Act21においてYesと判定してAct22へと進む。
なお、自動認証機能は、アプリケーション設定において有効と無効との切り替えが可能である。ただし、アプリケーション設定が、有効と無効との切り替えを許可しない設定になっている(有効と無効との切り替えを許可しないことを示す値を含む)場合には、ユーザーが自動認証機能の有効と無効とを切り替えることはできない。
【0053】
Act22においてプロセッサー11は、図4に示すログイン処理を実行する。プロセッサー11は、ログイン処理を終了した後、図2のAct23へと進む。
【0054】
Act23においてプロセッサー11は、Act22のログイン処理によってログイン状態に移行したか否かを判定する。プロセッサー11は、Act22のログイン処理によってログイン状態に移行していないならば、Act23においてNoと判定してAct24へと進む。
【0055】
Act24においてプロセッサー11は、ログイン状態でないため対象アプリケーションを起動しないことを操作者に報知する。例えば、プロセッサー11は、ログイン状態でないため対象アプリケーションを起動しないことを示す旨をコントロールパネル16のタッチパネルに表示させる。プロセッサー11は、Act24の処理の後、Act11へと戻る。
【0056】
対して、プロセッサー11は、Act22のログイン処理によってログイン状態に移行したならば、Act23においてYesと判定してAct25へと進む。また、プロセッサー11は、ユーザー認証機能が無効になっているならば、Act19においてNoと判定してAct25へと進む。また、プロセッサー11は、画像形成装置10がログイン状態であるならば、Act20においてYesと判定してAct25へと進む。また、プロセッサー11は、自動認証機能が無効になっているならば、Act21においてNoと判定してAct25へと進む。
【0057】
Act25においてプロセッサー11は、対象アプリケーションを起動する。プロセッサー11は、Act25の処理の後、図3のAct26へと進む。
【0058】
Act26においてプロセッサー11は、対象アプリケーションを終了するように指示されたか否かを判定する。プロセッサー11は、Act25で起動した内蔵アプリケーションを終了するように指示されていないならば、Act26においてNoと判定してAct27へと進む。
【0059】
Act27においてプロセッサー11は、対象アプリケーションからAPIを呼び出すように指示されたか否かを判定する。プロセッサー11は、APIを呼び出すように指示されていないならば、Act27においてNoと判定してAct26へと戻る。かくして、プロセッサー11は、対象アプリケーションを終了するように指示されるか、APIを呼び出すように指示されるまでAct26及びAct27を繰り返す。
【0060】
プロセッサー11は、Act26及びAct27の待受状態にあるときに、対象アプリケーションを終了するように指示されたならば、Act26においてYesと判定して図2のAct11へと戻る。
【0061】
プロセッサー11は、図3のAct26及びAct27の待受状態にあるときにAPIを呼び出すように指示されたならば、Act27においてYesと判定してAct28へと進む。なお、ここで呼び出すように指示されたAPIを、以下「対象API」という。
【0062】
Act28においてプロセッサー11は、対象APIが、認証の必要なAPIであるか否かを判定する。プロセッサー11は、対象APIが、認証の必要なAPIであるならば、Act28においてYesと判定してAct29へと進む。
【0063】
Act29においてプロセッサー11は、本体設定において、ユーザー認証機能が有効になっているか否かを判定する。プロセッサー11は、ユーザー認証機能が有効になっているならば、Act29においてYesと判定してAct30へと進む。
【0064】
Act30においてプロセッサー11は、画像形成装置10がログイン状態であるか否かを判定する。プロセッサー11は、画像形成装置10がログイン状態でないならば、Act30においてNoと判定してAct31へと進む。
【0065】
Act31においてプロセッサー11は、図4に示すログイン処理を実行する。プロセッサー11は、Act31においてログイン処理を終了した後、図3のAct32へと進む。なお、Act31のログイン処理は、ユーザー認証機能が無効である場合にも実行されて良い。
【0066】
Act32においてプロセッサー11は、Act31のログイン処理によってログイン状態に移行したか否かを判定する。プロセッサー11は、ログイン状態に移行したならば、Act32においてYesと判定してAct33へと進む。
また、プロセッサー11は、画像形成装置10がログイン状態であるならば、Act30においてYesと判定してAct32へと進む。
【0067】
Act33においてプロセッサー11は、ログイン中のユーザーが、対象APIを呼び出す権限があるか否かを判定する。プロセッサー11は、対象APIを呼び出す権限があるならば、Act33においてYesと判定してAct34へと進む。
また、プロセッサー11は、対象APIが、認証が必要なAPIでないならば、Act28においてNoと判定してAct34へと進む。
【0068】
Act34においてプロセッサー11は、対象APIの呼び出しに応じ、対象APIを使用した処理を行う。プロセッサー11は、Act34の処理の後、Act26へと戻る。
【0069】
対して、プロセッサー11は、ユーザー認証機能が無効になっているならば、Act29においてNoと判定してAct35へと進む。また、プロセッサー11は、対象APIを呼び出す権限がないならば、Act33においてNoと判定してAct35へと進む。また、プロセッサー11は、Act31のログイン処理によってログイン状態に移行していないならば、Act32においてNoと判定してAct35へと進む。
【0070】
Act35においてプロセッサー11は、対象APIの呼び出しを許可しないことを示す情報を対象アプリケーションに渡す。プロセッサー11は、Act35の処理の後、Act26へと戻る。
【0071】
第1実施形態の画像形成装置10は、内蔵アプリケーションの起動時に、ログイン状態であるならば、当該内蔵アプリケーションを起動する。そして、第1実施形態の画像形成装置10は、ログイン状態でなく、自動認証機能が無効であるならば、当該内蔵アプリケーションを起動する。また、第1実施形態の画像形成装置10は、ログイン状態でなく、自動認証機能が有効であるならば、ログイン処理を実行する。そして、第1実施形態の画像形成装置10は、ログイン処理によってログイン状態に移行したならば、当該内蔵アプリケーションを起動する。対して、第1実施形態の画像形成装置10は、ログイン処理によってログイン状態に移行しなかった場合には、当該内蔵アプリケーションを起動しない。すなわち、第1実施形態の画像形成装置10は、自動認証機能が無効である場合には、ログイン状態であるか否かに拘わらず内蔵アプリケーションを起動する。対して、第1実施形態の画像形成装置10は、自動認証機能が有効である場合には、ログイン状態でなければ内蔵アプリケーションを起動しない。したがって、第1実施形態の画像形成装置10は、内蔵アプリケーションごとに、自動認証機能が有効か無効かを決定するだけで、内蔵アプリケーションごとに、起動にログインが必要であるか否かを設定することができる。すなわち、第1実施形態の画像形成装置10は、簡単な方法で、アプリケーションごとのログインの要否を設定できる。
【0072】
また、第1実施形態の画像形成装置10は、自動認証機能が有効であるか無効であるかは、内蔵アプリケーションのインストールパッケージに含まれる値によって決定される。したがって、内蔵アプリケーションの設計者は、当該値を変更するだけで、画像形成装置10に所望の動作を行わせることができる。
【0073】
また、第1実施形態の画像形成装置10は、ログイン状態でない場合に、内蔵アプリケーションがログイン状態でなければ使用できないAPIを呼び出そうとしたならば、認証処理を開始する。したがって、内蔵アプリケーションが、ログイン状態でなければ使用できないAPIを呼び出さない動作を実行するだけであれば、ログイン状態でなくても動作可能である。このため、第1実施形態の画像形成装置10は、不要なログインを減らすことができる。また、これにより、ユーザーの手間が減る。
【0074】
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係る画像形成装置10及び通信装置20の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0075】
第2実施形態における、内蔵アプリケーションのインストールパッケージについて説明する。当該インストールパッケージに含まれる属性ファイルは、API一覧を含む。API一覧は、当該内蔵アプリケーションで使用されるAPIの一覧である。
プロセッサー11は、内蔵アプリケーションのインストール時に、API一覧を、当該内蔵アプリケーションに関連付けて補助記憶デバイス14などに記憶させる。
【0076】
以下、第2実施形態に係る画像形成装置10の動作を図3図5などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。プロセッサー11は、第1実施形態の図2に代えて図5に示す処理を実行する。また、プロセッサー11は、第1実施形態と同様に図3及び図4に示す処理を実行する。図5は、画像形成装置10のプロセッサー11による処理のフローチャートである。プロセッサー11は、ROM12又は補助記憶デバイス14などに記憶されたプログラムに基づいてこの処理を実行する。
【0077】
プロセッサー11は、図5のAct21でYesと判定したならばAct51へと進む。
Act51においてプロセッサー11は、対象アプリケーションが、認証が必要なAPIを使用するか否かを判定する。なお、プロセッサー11は、例えば、対象アプリケーションのAPI一覧を参照して、認証が必要なAPIが含まれる場合に、対象アプリケーションが、認証が必要なAPIを使用すると判定する。プロセッサー11は、対象アプリケーションが、認証が必要なAPIを使用すると判定するならば、Act51においてYesと判定してAct22へと進む。対して、プロセッサー11は、対象アプリケーションが、認証が必要なAPIを使用しないと判定するならば、Act51においてNoと判定してAct25へと進む。
【0078】
第2実施形態の画像形成装置10によれば、起動しようとしている内蔵アプリケーションが、認証の必要なAPIを使う可能性が無い場合には、自動認証を実行しない。これにより、画像形成装置10は、不要な認証を行わない。したがって、画像形成装置10のユーザーは、不要なログインを減らすことができる。また、これにより、ユーザーの手間が減る。
【0079】
上記の実施形態は以下のような変形も可能である。
画像形成装置10は、ユーザー認証機能が無効である場合、アプリケーションを起動しなくても良い。
【0080】
内蔵アプリケーションは、他の装置に記憶されたものであっても良い。他の装置は、例えば、他の画像形成装置10又はサーバー装置などである。この場合、画像形成装置10は、他の装置と通信することで当該内蔵アプリケーションを起動する。また、この場合、画像形成装置10は、アプリケーション設定を、当該他の装置から取得しても良い。他の装置から取得したアプリケーション設定は、例えば、RAM13又は補助記憶デバイス14などに記憶される。
【0081】
上記の実施形態では、アプリケーション設定は、自動認証機能が有効であることを示す値を含んでいる場合に自動認証機能が有効であることを示し、自動認証機能が無効であることを示す値を含んでいる場合に自動認証機能が無効であることを示す。
しかしながら、アプリケーション設定は、自動認証機能が有効であることを示す値を含んでいる場合に自動認証機能が有効であることを示し、自動認証機能が有効であることを示す値を含まない場合に自動認証機能が無効であることを示しても良い。この場合、自動認証機能が有効であることを示す値を含んでいるアプリケーション設定は、ログイン状態及びログアウト状態でアプリケーションの起動を許可する第1の条件を示す設定の一例である。そして、自動認証機能が有効であることを示す値を含まないアプリケーション設定は、ログイン状態で前記アプリケーションの起動を許可する第2の条件を示す設定の一例である。
また、アプリケーション設定は、自動認証機能が無効であることを示す値を含んでいる場合に自動認証機能が無効であることを示し、自動認証機能が無効であることを示す値を含まない場合に自動認証機能が有効であることを示しても良い。この場合、自動認証機能が無効であることを示す値を含んでいるアプリケーション設定は、第2の条件を示す設定の一例である。そして、自動認証機能が無効であることを示す値を含まないアプリケーション設定は、第1の条件を示す設定の一例である。
なお、アプリケーション設定は、自動認証機能の有効と無効を示すために値以外の情報を用いるものであっても良い。また、アプリケーション設定は、自動認証機能の有効と無効を示すために値以外の情報を用いるものであっても良い。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
10……画像形成装置、11,21……プロセッサー、12,22……ROM、13,23……RAM、14,24……補助記憶デバイス、15,25……通信インターフェース、16……コントロールパネル、17……画像形成部、18……画像読取部、19,28……バス、20……通信装置、26……表示デバイス、27……入力デバイス
図1
図2
図3
図4
図5