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特許7167013C型肝炎ウイルスを検出または定量するための組成物および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】C型肝炎ウイルスを検出または定量するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20221031BHJP
   C12N 15/10 20060101ALI20221031BHJP
   C12Q 1/6888 20180101ALI20221031BHJP
   C12Q 1/70 20060101ALI20221031BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALI20221031BHJP
   C12Q 1/6806 20180101ALI20221031BHJP
   C12Q 1/6816 20180101ALI20221031BHJP
   C12Q 1/6865 20180101ALI20221031BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20221031BHJP
【FI】
C12N15/09 Z ZNA
C12N15/10 100Z
C12N15/10 110Z
C12Q1/6888 Z
C12Q1/70
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6806 Z
C12Q1/6816 Z
C12Q1/6865 Z
C12Q1/6851 Z
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2019520890
(86)(22)【出願日】2017-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 US2017057178
(87)【国際公開番号】W WO2018075633
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】62/410,188
(32)【優先日】2016-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500169900
【氏名又は名称】ジェン-プローブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ミック, シオバーン
(72)【発明者】
【氏名】ダービー, ポール エム.
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン, ジョー エー.
(72)【発明者】
【氏名】オービン, シェイラ エム.ジェイ.
【審査官】小金井 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-255516(JP,A)
【文献】特表2001-514483(JP,A)
【文献】特開2002-345467(JP,A)
【文献】国際公開第2010/147848(WO,A2)
【文献】特表平07-503143(JP,A)
【文献】特表2010-500328(JP,A)
【文献】特開2013-143952(JP,A)
【文献】特表2015-528294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12Q 1/00- 3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のC型肝炎ウイルス核酸を検出する方法であって、
前記試料を1つ以上の捕獲オリゴマーおよび初期増幅オリゴマーと接触させ、それによって少なくとも1つの捕獲オリゴマーおよび増幅オリゴマーを、HCV核酸が存在する場合、前記HCV核酸と会合させことと、
前記HCV核酸と会合していない初期増幅オリゴマーを除去することと、
前記HCV核酸が存在する場合、HCV核酸と会合した初期増幅オリゴマーを伸長する伸長反応を実施することと、
伸長した初期増幅オリゴマーが存在する場合、前記伸長した初期増幅オリゴマーを鋳型として用いて増幅反応を実施し、それによってアンプリコンを産生することと、
プローブオリゴマーを用いて前記アンプリコンの有無を検出することと、
を含み、
前記初期増幅オリゴマーは、配列番号6のうちの少なくとも16個の連続したヌクレオチドを含み、
前記プローブオリゴマーは、配列番号13の配列を含み、前記アンプリコンが存在する場合、前記アンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成され、
前記初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーは、HCV核酸中の少なくとも1つの共通の位置にアニールする、方法。
【請求項2】
前記増幅反応を実施することが、(i)前記プローブオリゴマーの上流で前記鋳型またはアンプリコンにアニールする第1および第2の増幅オリゴマーのうちの少なくとも一方、および(ii)前記プローブオリゴマーの下流で前記鋳型またはアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された第3の増幅オリゴマーを付加することと、
前記鋳型が存在する場合、前記第1および第2の増幅オリゴマーを伸長させることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号2のうちの少なくとも16個の連続したヌクレオチドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号3のうちの少なくとも16個の連続したヌクレオチドを含む、請求項2~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の増幅オリゴマーが、少なくとも1つのHCV型において120、125、130、135、140、145、または150位から選択されるHCVゲノム位置の下流でアニールしない、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのHCV型が、HCV型1a、1b、2b、3b、4b、5a、および6aのうちの1つ以上を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第3の増幅オリゴマーが、HCVゲノム80~119位のうちの少なくとも1つを含む部位に特異的にハイブリダイズするように構成されている、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第3の増幅オリゴマーが配列番号7の配列を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の増幅オリゴマーが、配列番号42~47のうちの少なくとも1、2、3、4、または5つの配列を含む、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の増幅オリゴマーが配列番号5の配列を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の増幅オリゴマーが配列番号2の配列を含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の増幅オリゴマーが配列番号3の配列を含む、請求項2~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2の増幅オリゴマーが、約8.5:1.5~約1.5:8.5の範囲の相対モル量(第1:第2)で存在する、請求項2~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2の増幅オリゴマーが、約6:4~約1.5:8.5の範囲の相対モル量(第1:第2)で存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記初期増幅オリゴマーが配列番号6の配列を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記初期増幅オリゴマーが配列番号4の配列を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記プローブオリゴマーが、配列番号48または49の配列を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記プローブオリゴマーが、その5’末端に第1の自己相補的領域およびその3’末端に第2の自己相補的領域を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記自己相補的領域がハイブリダイズして、約5個のワトソン-クリック塩基対またはゆらぎ塩基対を形成し得る、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記プローブオリゴマーが配列番号12の配列を含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記プローブオリゴマーが、配列番号13の配列を含む標的ハイブリダイズ配列を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記プローブオリゴマーが蛍光標識または消光剤を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたはそれより多くの捕獲オリゴマーが、配列番号54の配列を含む第1の捕獲オリゴマーを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記1つまたはそれより多くの捕獲オリゴマーが、配列番号55の配列を含む第2の捕獲オリゴマーを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの増幅オリゴマーが、プロモーター-プライマーである、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーがそれぞれ、HCVゲノムまたはその相補体における86~95位のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9個にアニールする、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
CV核酸が前記試料中に存在する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法前記試料を少なくとも1つの逆転写酵素と接触させることをさらに含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つの増幅オリゴマーが伸長される線形増幅を実施することをさらに含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記線形増幅の前に、前記増幅オリゴマーがHCV核酸と捕獲オリゴマーとの複合体と会合し、前記複合体が固体支持体と会合し、前記方法が前記固体支持体を洗浄することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
洗浄ステップに続いて、前記方法が、HCV核酸と捕獲オリゴマーとの複合体と会合した増幅オリゴマーに対して反対向きの1つ以上のさらなる増幅オリゴマーを付加することを含む、請求項29~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーがプロモーター-プライマーである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記線形増幅に続いて指数関数的増幅を実施することをさらに含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記方法によって産生された少なくとも1つのアンプリコンを定量することをさらに含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年10月19日に出願された米国仮特許出願第62/410,188号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、C型肝炎ウイルス核酸の検出および定量化に有用な組成物、キット、および方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
C型肝炎ウイルス(HCV)は急性および慢性の疾患を引き起こす可能性があり、感染した個体は肝硬変および癌の危険にさらされている。2016年7月のWHOのC型肝炎ファクトシートによると、世界中で約1億3千万から1億5千万人が感染していると推定され、C型肝炎関連肝疾患を起因として年間約70万人が死亡している。HCVの伝染は輸血や汚染された針や医療機器の使用を含む血液感染性ウイルスの典型的な経路を通して起こる。性感染および母子感染もまた起こることが知られている。
【0004】
HCVは、ポジティブセンス一本鎖RNA(ssRNA)ウイルスである。その分布は世界的で、7つの遺伝子型と複数の亜型が知られている。抗ウイルス療法はHCVに対して有効であり得るが、信頼性がありかつ高感度の核酸に基づく検出および定量化は、異なる遺伝子型の間の著しい遺伝的不均一性によって複雑化する。例えば、Ohno O,Mizokami M, Wu RR,Saleh MG,Ohba K,Orito E,Mukaide M,Williams R,Lau JY,et al.(1997),“New hepatitis C virus (HCV) genotyping system that allows for identification of HCV genotypes 1a,1b,2a,2b,3a,3b,4,5a,and 6a,”J Clin Microbiol.35(1):201-7,PMCID:PMC229539を参照されたい。定量化は、例えば抗ウイルス療法の前、最中または後にウイルス量をモニターすることにおいて、または感染の重症度を評価することにおいて有用であり得る。
【0005】
したがって、遺伝子型に関係なく、HCVの高感度な検出および定量化が必要とされている。組成物、キット、および方法は、この必要性を満たすために、他の利益を提供するために、または少なくとも公衆に有用な選択を提供するために本明細書に提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、少なくとも第1および第2の増幅オリゴマーを含む組成物またはキットが提供され、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の5、7、12、および15位のうちの少なくとも1つを含む、配列番号2のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第2の増幅オリゴマーは、配列番号3の5、7、12、および15位のうちの少なくとも1つを含む、配列番号3のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第1および第2の増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列はそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物またはキットは第3の増幅オリゴマーをさらに含み、第3の増幅オリゴマーはアンチセンスC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、HCVゲノム78位の下流に特異的にハイブリダイズするように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態において、試料中のC型肝炎ウイルス核酸を検出する方法であって、試料を少なくとも第1、第2、および第3の増幅オリゴマーと接触させ、それによって組成物を形成することと、C型肝炎ウイルス核酸の存在下で1つ以上のアンプリコンを産生する核酸増幅反応を組成物中で実施することと、そしてアンプリコンを検出することと、を含む方法を提供し、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の5、7、12、および15位のうちの少なくとも1つを含む、配列番号2の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第2の増幅オリゴマーは、配列番号3の5、7、12、および15位のうちの少なくとも1つを含む、配列番号3のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第3の増幅オリゴマーは、アンチセンスC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、HCVゲノムの78位の下流に特異的にハイブリダイズするように構成され、
第1および第2の増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列はそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、
1つ以上のアンプリコンは、C型肝炎ウイルス核酸の存在下での第1および第3の増幅オリゴマーまたは第2および第3の増幅オリゴマーの伸長を通して産生される。
【0008】
いくつかの実施形態では、少なくとも第1および第2の捕獲オリゴマーを含む組成物またはキットが提供され、第1の捕獲オリゴマーは、配列番号54のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
第2の捕獲オリゴマーは、配列番号55のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第1および第2の捕獲オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列はそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、試料からC型肝炎ウイルス核酸を単離する方法であって、試料を少なくとも第1および第2の捕獲オリゴマーと、第1および第2の捕獲オリゴマーのC型肝炎ウイルス核酸へのアニーリングを許容する条件下で、接触させ、それによって、C型肝炎ウイルス核酸と捕獲オリゴマーとの少なくとも1つの複合体を形成することと、少なくとも1つの複合体を単離することにより、複合体を含む組成物を提供することと、を含む、方法を提供し、第1の捕獲オリゴマーは、配列番号54のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第2の捕獲オリゴマーは、配列番号55の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、第1および第2の捕獲オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列はそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、組成物またはキットは、配列番号6のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む初期増幅オリゴマーをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、配列番号13のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドおよびC型肝炎ウイルス配列うちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含むプローブオリゴマーをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーは、HCV核酸中の少なくとも1つの共通の位置にアニールする。
【0013】
いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーを含むキットまたは組成物が提供され、初期増幅オリゴマーは、配列番号6のうち少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み、プローブオリゴマーは、配列番号13のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む。
初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーはそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーは、HCV核酸中の少なくとも1つの共通の位置にアニールする。
【0014】
いくつかの実施形態では、キットまたは組成物は、HCVゲノム81位の上流に特異的にハイブリダイズするように構成された、C型肝炎ウイルス配列うちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む、標的ハイブリダイズ配列を含む第1増幅オリゴマーと、
HCVゲノム81位の上流に特異的にハイブリダイズするように構成された、C型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む、第1の増幅オリゴマーとは異なる第2の増幅オリゴマーと、
HCVゲノムの90位の下流に特異的にハイブリダイズするように構成された、アンチセンスC型肝炎ウイルス配列の少なくとも約14の連続したヌクレオチドを含む、初期増幅オリゴマーとは異なる第3の増幅オリゴマーと、のうちの少なくとも1、2、または3つをさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、キットまたは組成物は、アンチセンスC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む1つ以上の捕獲オリゴマーをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、試料中のC型肝炎ウイルス核酸を検出する方法であって、試料を1つ以上の捕獲オリゴマーおよび初期増幅オリゴマーと接触させ、それによって少なくとも1つの捕獲オリゴマーおよび増幅オリゴマーをHCV核酸と会合させることと、存在する場合;HCV核酸と会合していない初期増幅オリゴマーを除去することと、存在する場合、HCV核酸と会合した初期増幅オリゴマーを伸長する伸長反応を実施することと、存在する場合、伸長した初期増幅オリゴマーを鋳型として用いて増幅反応を実施し、それによってアンプリコンを産生することと、プローブオリゴマーを用いてアンプリコンの有無を検出することと、を含む方法を提供し、初期増幅オリゴマーは、配列番号6のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み、プローブオリゴマーは、配列番号13うちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み、存在する場合、アンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成され、初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーはそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーは、HCV核酸中の少なくとも1つの共通の位置にアニールする。
【0017】
いくつかの実施形態において、増幅反応を実施することが、(i)プローブオリゴマーの上流で鋳型またはアンプリコンにアニールする第1および第2の増幅オリゴマーの少なくとも一方、および(ii)プローブオリゴマーの下流の鋳型またはアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された第3の増幅オリゴマーを付加することと、鋳型が存在する場合、第1および第2の増幅オリゴマーを伸長させることと、を含む。
【0018】
プロモーターおよび3’末端標的ハイブリダイズ配列を含む初期増幅オリゴマーが提供され、この標的ハイブリダイズ配列は、配列番号6のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドおよびC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーはT7プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号8、9、10、または11の配列を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、HCVゲノム81~92位のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個を含む位置に特異的にハイブリダイズするように構成されている。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、HCVゲノム位置81~89のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9個を含む位置に特異的にハイブリダイズするように構成されている。
【0020】
配列番号13のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドおよびC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含むプローブオリゴマーが提供される。
【0021】
いくつかの態様において、プローブオリゴマーは、81~92位のうちの少なくとも6、7、8、9、10、11、または12個を含む位置に特異的にハイブリダイズするように構成されている。いくつかの態様において、プローブオリゴマーは、HCVゲノム81~96位のうちの少なくとも11、12、13、14、15、または16個を含む位置に特異的にハイブリダイズするように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号3のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは、少なくとも1つのHCV型において120、125、130、135、140、145、または150位から選択されるHCVゲノム位置の下流にアニールしない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのHCV型は、HCV型1a、1b、2b、3b、4b、5a、および6aのうちの1つ以上を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは、HCVゲノム80~119位のうちの少なくとも1つを含む部位に特異的にハイブリダイズするように構成されている。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは、配列番号6または7のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは、配列番号33~37のうちの少なくとも1、2、3、または4つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態において、第3の増幅オリゴマーは、配列番号7のうちの少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは配列番号7の配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは、配列番号42~47のうちの少なくとも1、2、3、4または5つの配列を含む。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーは配列番号5の配列を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号23~27のうちの少なくとも1、2、3、または4つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2のうちの少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは配列番号2の配列を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、第2の増幅オリゴマーは、配列番号28~32のうちの少なくとも1、2、3、または4つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号3のうちの少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは配列番号3の配列を含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1および第2の増幅オリゴマーは、約8.5:1.5~約1.5:8.5、約7.5:2.5~約2.5:7.5、約8:2~約7:3、約7:3~約6:4、約6:4~約5:5、約5:5~約4:6、約4:6~約3:7、または約3:7~約2:8の範囲の相対モル量(第1:第2)で存在する。いくつかの実施形態では、第1および第2の増幅オリゴマーは、約6:4~約1.5:8.5、約4:6~約6:4、または約4.5:5.5~約5.5:4.5の範囲の相対モル量(第1:第2)で存在する。
【0029】
いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号33~41のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、または7つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは配列番号6のうちの少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは配列番号6の配列を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号42~47のうちの少なくとも1、2、3、4、または5つの配列を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは配列番号4の配列を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号50~52のうちの少なくとも1つまたは2つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号48または49の配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号12の少なくとも11、12、13、14、または15個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号13の少なくとも11、12、13、14、または15個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの態様において、プローブオリゴマーは、その5’末端に第1の自己相補的領域およびその3’末端に第2の自己相補的領域を含む。いくつかの実施形態では、自己相補的領域はハイブリダイズして、約4~7個のワトソン-クリックまたはゆらぎ塩基対を形成することができる。いくつかの実施形態では、自己相補的領域はハイブリダイズして、約5個のワトソン-クリックまたはゆらぎ塩基対を形成することができる。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号12の配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号13の配列を含む標的ハイブリダイズ配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは非ヌクレオチド検出可能標識を含む。いくつかの実施形態では、非ヌクレオチド検出可能標識は蛍光標識である。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは消光剤を含む。いくつかの実施形態では、非ヌクレオチド検出可能標識は蛍光標識であり、消光剤は、プローブが遊離しているときに、プローブが標的核酸にアニーリングされているときよりも大きい程度で蛍光を吸収する。いくつかの態様において、蛍光標識はFAM、HEX、またはアクリジンである。いくつかの実施形態において、消光剤はDABCYLまたはROXである。いくつかの実施形態では、蛍光標識がプローブオリゴマーの5’末端に付着し、消光剤がプローブオリゴマーの3’末端に付着するか、または蛍光標識がプローブの3’末端に付着し、消光剤がプローブオリゴマーの5’末端に付着している。いくつかの態様において、プローブオリゴマー中の糖の少なくとも約半分、少なくとも約90%、または全てが2’-O-メチル-リボースである。
【0031】
いくつかの実施形態では、配列番号54の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、または18個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第1の捕獲オリゴマーが存在する。いくつかの実施形態において、第1の捕獲オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は、配列番号57~59のうちの少なくとも1つまたは2つを含む。いくつかの実施形態では、第1の捕獲オリゴマーは配列番号54の配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の捕獲オリゴマーは配列番号16の配列を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、配列番号55のうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、または17個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第2の捕獲オリゴマーが存在する。いくつかの実施形態において、第2の捕獲オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列は、配列番号60~62のうちの少なくとも1つまたは2つを含む。いくつかの実施形態では、第2の捕獲オリゴマーは配列番号55の配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の捕獲オリゴマーは配列番号17の配列を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、捕獲オリゴマーのうちの少なくとも1つは非ヌクレオチド親和性標識をさらに含む。いくつかの実施形態では、捕獲オリゴマーのうちの少なくとも1つは非HCV配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1および第2の捕獲オリゴマーは非HCV配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、捕獲オリゴマーの少なくとも1つまたは2つはさらにポリ-N配列を含む。いくつかの態様において、ポリ-N配列はポリ-Aまたはポリ-T配列である。いくつかの実施形態では、捕獲オリゴマーの少なくとも1つまたは2つは、配列番号21または配列番号22の配列を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、キットまたは組成物は、プロモーター-プライマーである少なくとも1つの増幅オリゴマーを含む。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーはプロモーター-プライマーである。いくつかの実施形態では、プロモーター-プライマーのうちの1つ以上は、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置するT7プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロモーター-プライマーは、配列番号8、9、10、または11の配列を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの増幅オリゴマーは非ヌクレオチド検出可能標識を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーはそれぞれ、HCVゲノムまたはその相補体における86~95位のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9個にアニールする。
【0037】
いくつかの実施形態では、組成物はHCV核酸をさらに含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは少なくとも1つのDNAポリメラーゼをさらに含む。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは逆転写酵素である。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは好熱性である。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは中温性である。
【0039】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットはRNAポリメラーゼをさらに含む。いくつかの態様において、RNAポリメラーゼはT7 RNAポリメラーゼである。
【0040】
いくつかの実施形態において、組成物またはキットは、Mg2+、緩衝液、およびdNTPのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、またはそれらの各々をさらに含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットはさらにrNTPを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、HCVに特異的にハイブリダイズしない第1の対照増幅オリゴマーおよび第2の対照増幅オリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の対照増幅オリゴマーは、配列番号18の配列のうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2の対照増幅オリゴマーは、配列番号56の配列のうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の連続したヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の対照増幅オリゴマーまたは第2の対照増幅オリゴマーはプロモーター-プライマーである。
【0043】
いくつかの実施形態では、組成物またはキットは、第1および第2の対照増幅オリゴマーから産生されたアンプリコンに特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つの対照プローブオリゴマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、対照プローブオリゴマーは、配列番号20の配列のうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23個の連続したヌクレオチドを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、(例えば、増幅オリゴマー、捕獲オリゴマー、またはプローブオリゴマーの)1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の標的ハイブリダイズ配列は、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したヌクレオチドを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの増幅オリゴマーが伸長される線形増幅を実行することをさらに含む。いくつかの実施形態では、線形増幅の前に、増幅オリゴマーはHCV核酸と捕獲オリゴマーとの複合体と会合し、この複合体は固体支持体と会合し、前記方法は固体支持体を洗浄することを含む。いくつかの態様において、固体支持体はマイクロビーズの集団である。いくつかの実施形態では、集団のマイクロビーズは磁性である。いくつかの実施形態では、洗浄ステップに続いて、本方法は、HCV核酸と捕獲オリゴマーとの複合体に会した増幅オリゴマーに対して反対向きの1つ以上のさらなる増幅オリゴマーを付加することを含む。いくつかの実施形態では、1以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーはプロモーター-プライマーである。いくつかの実施形態では、1以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーはプロモーター-プライマーではない。いくつかの実施形態では、1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーが、本明細書に開示されているような第1の増幅オリゴマーを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーは、本明細書に開示されているような第2の増幅オリゴマーを含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、方法は、線形増幅に続いて指数関数的増幅を実行することをさらに含む。いくつかの実施形態において、指数関数的増幅は、本明細書に開示されるように第3の増幅オリゴマーを伸長させることを含む。いくつかの実施形態では、指数関数的増幅は等温増幅である。いくつかの実施形態では、等温増幅は転写媒介増幅である。
【0047】
いくつかの実施形態では、方法は、その方法によって産生された少なくとも1つのアンプリコンを定量することをさらに含む。いくつかの態様において、アンプリコンはリアルタイムで定量化される。
【0048】
いくつかの実施形態では、組成物は水性、凍結型、または凍結乾燥型である。
【0049】
いくつかの実施形態では、組成物は、初期増幅オリゴマーの伸長産物をさらに含み、該伸長産物は請求項106~111のいずれか一項に記載の初期増幅オリゴマーの配列と、C型肝炎核酸配列のうちの少なくとも1、2、3、4、5、10、15、または20個のさらなる3’末端ヌクレオチドと、を含む。
【0050】
セクションの見出しは読者の便宜のために提供されており、本開示の範囲を限定するものではない。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
少なくとも第1および第2の増幅オリゴマーを含む組成物またはキットであって、
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の5、7、12、および15位のうちの少なくとも1つを含む、配列番号2のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号3の5、7、12、および15位のうちの少なくとも1つを含む、配列番号3のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第1および第2の増幅オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列はそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む、組成物またはキット。
(項目2)
第3の増幅オリゴマーをさらに含み、前記第3の増幅オリゴマーは、アンチセンスC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、HCVゲノムの78位の下流に特異的にハイブリダイズするように構成されている、項目1に記載の組成物またはキット。
(項目3)
試料中のC型肝炎ウイルス核酸を検出する方法であって、
前記試料を少なくとも第1、第2、および第3の増幅オリゴマーと接触させ、それによって組成物を形成することと、
C型肝炎ウイルス核酸の存在下で1つ以上のアンプリコンを産生する核酸増幅反応を前記組成物中で実施することと、
前記アンプリコンを検出することと、を含み、
前記第1の増幅オリゴマーは、配列番号2の5、7、12、および15位のうちの少なくとも1つを含む、配列番号2のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第2の増幅オリゴマーは、配列番号3の5、7、12、および15位のうちの少なくとも1つを含む、配列番号3のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第3の増幅オリゴマーは、アンチセンスC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、HCVゲノムの78位の下流に特異的にハイブリダイズするように構成され、
前記第1および第2の増幅オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列はそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、
前記1つ以上のアンプリコンは、前記C型肝炎ウイルス核酸の存在下での前記第1および第3の増幅オリゴマーまたは第2および第3の増幅オリゴマーの伸長を通して産生される、方法。
(項目4)
少なくとも第1および第2の捕獲オリゴマーを含む組成物またはキットであって、前記第1の捕獲オリゴマーは、配列番号54のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第2の捕獲オリゴマーは、配列番号55のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第1および第2の捕獲オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列はそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む、組成物またはキット。
(項目5)
試料からC型肝炎ウイルス核酸を単離する方法であって、
前記試料を少なくとも第1および第2の捕獲オリゴマーと、前記第1および第2の捕獲オリゴマーのC型肝炎ウイルス核酸へのアニーリングを許容する条件下で接触させ、それによってC型肝炎ウイルス核酸と捕獲オリゴマーとの少なくとも1つの複合体を形成することと、前記少なくとも1つの複合体を単離し、それによって前記複合体を含む組成物を提供することと、を含み、
前記第1の捕獲オリゴマーは、配列番号54のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第2の捕獲オリゴマーは、配列番号55のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含み、
前記第1および第2の捕獲オリゴマーの標的ハイブリダイズ配列はそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む、方法。
(項目6)
前記組成物またはキットが、配列番号6のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む初期増幅オリゴマーをさらに含む、項目1~5のいずれか一項に記載のキット、組成物、または方法。
(項目7)
前記組成物またはキットが、配列番号13のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドおよびC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含むプローブオリゴマーをさらに含む、項目1~6のいずれか一項に記載のキット、組成物、または方法。
(項目8)
前記初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーが、HCV核酸中の少なくとも1つの共通の位置にアニールする、項目7に記載のキット、組成物、または方法。
(項目9)
初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーを含むキットまたは組成物であって、
前記初期増幅オリゴマーは、配列番号6のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み、
前記プローブオリゴマーは、配列番号13のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み、
前記初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーはそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、
前記初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーは、HCV核酸中の少なくとも1つの共通の位置にアニールする、キットまたは組成物。
(項目10)
キットまたは組成物が、
HCVゲノムの81位の上流に特異的にハイブリダイズするように構成された、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第1の増幅オリゴマーと、
HCVゲノムの81位の上流に特異的にハイブリダイズするように構成された、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む、前記第1の増幅オリゴマーとは異なる第2の増幅オリゴマーと、
HCVゲノムの90位の下流に特異的にハイブリダイズするように構成された、アンチセンスC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む、初期増幅オリゴマーとは異なる第3の増幅オリゴマーと、のうちの少なくとも1、2、または3つをさらに含む、項目4もしくは7に記載のキットもしくは組成物、または項目5に記載の方法。
(項目11)
キットまたは組成物が、アンチセンスC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む1つ以上の捕獲オリゴマーをさらに含む、項目1~3または6~10のいずれか一項に記載のキット、組成物、または方法。
(項目12)
試料中のC型肝炎ウイルス核酸を検出する方法であって、
前記試料を1つ以上の捕獲オリゴマーおよび初期増幅オリゴマーと接触させ、それによって少なくとも1つの捕獲オリゴマーおよび増幅オリゴマーを、存在する場合、HCV核酸と会合させことと、
前記HCV核酸と会合していない初期増幅オリゴマーを除去することと、
存在する場合、HCV核酸と会合した初期増幅オリゴマーを伸長する伸長反応を実施することと、
存在する場合、伸長した初期増幅オリゴマーを鋳型として用いて増幅反応を実施し、それによってアンプリコンを産生することと、
プローブオリゴマーを用いて前記アンプリコンの有無を検出することと、を含み、
前記初期増幅オリゴマーは、配列番号6のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み、
前記プローブオリゴマーは、配列番号13のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含み、存在する場合、前記アンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成され、
前記初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーはそれぞれ、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含み、
前記初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーは、HCV核酸中の少なくとも1つの共通の位置にアニールする、方法。
(項目13)
前記増幅反応を実施することが、(i)前記プローブオリゴマーの上流で前記鋳型またはアンプリコンにアニールする前記第1および第2の増幅オリゴマーのうちの少なくとも一方、および(ii)前記プローブオリゴマーの下流で前記鋳型またはアンプリコンに特異的にハイブリダイズするように構成された第3の増幅オリゴマーを付加することと、
前記鋳型が存在する場合、前記第1および第2の増幅オリゴマーを伸長させることと、を含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号2のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む、項目9~11または13のいずれか一項に記載のキット、組成物、または方法。
(項目15)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号3のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む、項目9~11または13~14のいずれか一項に記載のキット、組成物、または方法。
(項目16)
前記第3の増幅オリゴマーが、少なくとも1つのHCV型において120、125、130、135、140、145、または150位から選択されるHCVゲノム位置の下流でアニールしない、項目2~15のいずれか一項に記載のキット、組成物、または方法。
(項目17)
前記少なくとも1つのHCV型が、HCV型1a、1b、2b、3b、4b、5a、および6aのうちの1つ以上を含む、項目16に記載のキット、組成物、または方法。
(項目18)
前記第3の増幅オリゴマーが、HCVゲノム80~119位のうちの少なくとも1つを含む部位に特異的にハイブリダイズするように構成されている、項目2~17のいずれか一項に記載のキット、組成物、または方法。
(項目19)
前記第3の増幅オリゴマーが、配列番号6または7のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目18に記載のキット、組成物、または方法。
(項目20)
前記第3の増幅オリゴマーが、配列番号33~37のうちの少なくとも1、2、3、または4つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目19に記載の組成物、キット、または方法。
(項目21)
前記第3の増幅オリゴマーが配列番号7のうちの少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31個の連続したヌクレオチドを含む、項目19または20に記載の組成物、キット、または方法。
(項目22)
前記第3の増幅オリゴマーが配列番号7の配列を含む、項目21に記載の組成物、キット、または方法。
(項目23)
前記第3の増幅オリゴマーが、配列番号42~47のうちの少なくとも1、2、3、4、または5つの配列を含む、項目2~22のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目24)
前記第3の増幅オリゴマーが配列番号5の配列を含む、項目23に記載の組成物、キット、または方法。
(項目25)
前記第1の増幅オリゴマーが、配列番号23~27のうちの少なくとも1、2、3、または4つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目1~3、6~8、10~11、または13~24のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目26)
前記第1の増幅オリゴマーが配列番号2のうちの少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個の連続したヌクレオチドを含む、項目1~3、6~8、10~11、または13~25のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目27)
前記第1の増幅オリゴマーが配列番号2の配列を含む、項目26に記載の組成物、キット、または方法。
(項目28)
前記第2の増幅オリゴマーが、配列番号28~32のうちの少なくとも1、2、3、または4つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目1~3、6~8、10~11、または13~27のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目29)
前記第2の増幅オリゴマーが配列番号3のうちの少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26個の連続したヌクレオチドを含む、項目1~3、6~8、10~11、または13~28のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目30)
前記第2の増幅オリゴマーが配列番号3の配列を含む、項目29に記載の組成物、キット、または方法。
(項目31)
前記第1および第2の増幅オリゴマーが、約8.5:1.5~約1.5:8.5、約7.5:2.5~約2.5:7.5、約8:2~約7:3、約7:3~約6:4、約6:4~約5:5、約5:5~約4:6、約4:6~約3:7、または約3:7~約2:8の範囲の相対モル量(第1:第2)で存在する、項目1~3、6~8、10~11、または13~30のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目32)
前記第1および第2の増幅オリゴマーが、約6:4~約1.5:8.5、約4:6~約6:4、または約4.5:5.5~約5.5:4.5の範囲の相対モル量(第1:第2)で存在する、項目31に記載の組成物、キット、または方法。
(項目33)
前記初期増幅オリゴマーが、配列番号33~41のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、または7つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目4または7~32のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目34)
前記初期増幅オリゴマーが、配列番号6のうちの少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44個の連続したヌクレオチドを含む、項目4または7~33のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目35)
前記初期増幅オリゴマーが配列番号6の配列を含む、項目34に記載の組成物、キット、または方法。
(項目36)
前記初期増幅オリゴマーが、配列番号42~47のうちの少なくとも1、2、3、4、または5つの配列を含む、項目4または7~35のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目37)
前記初期増幅オリゴマーが配列番号4の配列を含む、項目36に記載の組成物、キット、または方法。
(項目38)
前記プローブオリゴマーが、配列番号50~52のうちの少なくとも1つまたは2つを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目7~37のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目39)
前記プローブオリゴマーが、配列番号48または49の配列を含む、項目7~38のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目40)
前記プローブオリゴマーが、配列番号12のうちの少なくとも11、12、13、14、または15個の連続したヌクレオチドを含む、項目7~39のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目41)
前記プローブオリゴマーが、配列番号13の少なくとも11、12、13、14、または15個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目40に記載の組成物、キット、または方法。
(項目42)
前記プローブオリゴマーが、その5’末端に第1の自己相補的領域およびその3’末端に第2の自己相補的領域を含む、項目7~41のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目43)
前記自己相補的領域がハイブリダイズして、約4~7個のワトソン-クリック塩基対またはゆらぎ塩基対を形成し得る、項目42に記載の組成物、キット、または方法。
(項目44)
前記自己相補的領域がハイブリダイズして、約5個のワトソン-クリック塩基対またはゆらぎ塩基対を形成し得る、項目43に記載の組成物、キット、または方法。
(項目45)
前記プローブオリゴマーが配列番号12の配列を含む、項目39~44のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目46)
前記プローブオリゴマーが、配列番号13の配列を含む標的ハイブリダイズ配列を含む、項目45に記載の組成物、キット、または方法。
(項目47)
前記プローブオリゴマーが、非ヌクレオチド検出可能標識を含む、項目7~46のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目48)
前記非ヌクレオチド検出可能標識が蛍光標識である、項目47に記載の組成物、キット、または方法。
(項目49)
前記プローブオリゴマーが消光剤を含む、項目47または48に記載の組成物、キット、または方法。
(項目50)
前記非ヌクレオチド検出可能標識が蛍光標識であり、前記消光剤は、前記プローブが遊離しているときに、前記プローブが標的核酸にアニールされているときよりも大きな程度で蛍光を吸収する、項目49に記載の組成物、キット、または方法。
(項目51)
前記蛍光標識がFAM、HEX、またはアクリジンである、項目48~50のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目52)
前記消光剤がDABCYLまたはROXである、項目49~51のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目53)
前記蛍光標識がプローブオリゴマーの5’末端に付着し、前記消光剤がプローブオリゴマーの3’末端に付着するか、または前記蛍光標識がプローブオリゴマーの3’末端に付着し、前記消光剤がプローブオリゴマーの5’末端に付着する、項目49~52のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目54)
前記プローブオリゴマー中の糖のうちの少なくとも約半分、少なくとも約90%、または全てが、2’-O-メチル-リボースである、項目7~53のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目55)
前記捕獲オリゴマーが、配列番号54のうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、または18個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第1の捕獲オリゴマーを含む、項目4~5または11~54のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目56)
前記第1の捕獲オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列が、配列番号57~59のうちの少なくとも1つまたは2つを含む、項目55に記載の組成物、キット、または方法。
(項目57)
前記第1の捕獲オリゴマーが配列番号54の配列を含む、項目56に記載の組成物、キット、または方法。
(項目58)
前記捕獲オリゴマーが、配列番号55のうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、または17個の連続したヌクレオチドを含む標的ハイブリダイズ配列を含む第2の捕獲オリゴマーを含む、項目4~5または11~57のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目59)
前記第2の捕獲オリゴマーの前記標的ハイブリダイズ配列が、配列番号60~62のうちの少なくとも1つまたは2つを含む、項目58に記載の組成物、キット、または方法。
(項目60)
前記第2の捕獲オリゴマーが配列番号55の配列を含む、項目59に記載の組成物、キット、または方法。
(項目61)
前記捕獲オリゴマーのうちの少なくとも1つが非ヌクレオチド親和性標識をさらに含む、項目4~5または11~60のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目62)
前記捕獲オリゴマーのうちの少なくとも1つが、非HCV配列をさらに含む、項目4~5または11~61のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目63)
前記第1および第2の捕獲オリゴマーが非HCV配列をさらに含む、項目60に記載の組成物、キット、または方法。
(項目64)
捕獲オリゴマーの少なくとも1つまたは2つがポリ-N配列をさらに含む、項目62または63に記載の組成物、キット、または方法。
(項目65)
前記ポリ-N配列が、ポリ-Aまたはポリ-T配列である、項目64に記載の組成物、キット、または方法。
(項目66)
捕獲オリゴマーの少なくとも1つまたは2つが配列番号21または配列番号22の配列を含む、項目65に記載の組成物、キット、または方法。
(項目67)
前記第1の捕獲オリゴマーが配列番号16の配列を含む、項目66に記載の組成物、キット、または方法。
(項目68)
前記第2の捕獲オリゴマーが配列番号17の配列を含む、項目66または67に記載の組成物、キット、または方法。
(項目69)
前記キットまたは組成物が、プロモーター-プライマーである少なくとも1つの増幅オリゴマーを含む、項目1~68のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目70)
前記第3の増幅オリゴマーがプロモーター-プライマーである、項目2~3、6~8、10~11、または13~69のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目71)
前記プロモーター-プライマーのうちの1つ以上が、標的ハイブリダイズ配列の5’位に位置するT7プロモーターを含む、項目69~70のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目72)
1つ以上のプロモーター-プライマーが配列番号8、9、10、または11の配列を含む、項目71に記載の組成物、キット、または方法。
(項目73)
少なくとも1つの増幅オリゴマーが非ヌクレオチド検出可能標識を含む、項目1~3または6~72のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目74)
前記初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーがそれぞれ、HCVゲノムまたはその相補体における86~95位のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9個にアニールする、項目4または6~73のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目75)
前記組成物がHCV核酸をさらに含む、項目1~74のいずれか一項に記載の組成物または方法。
(項目76)
前記組成物またはキットが少なくとも1つのDNAポリメラーゼをさらに含む、項目1~75のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目77)
前記DNAポリメラーゼが逆転写酵素である、項目76に記載の組成物、キット、または方法。
(項目78)
前記DNAポリメラーゼが好熱性である、項目76または77に記載の組成物、キット、または方法。
(項目79)
前記DNAポリメラーゼが中温性である、項目76または77に記載の組成物、キット、または方法。
(項目80)
前記組成物またはキットがRNAポリメラーゼをさらに含む、項目1~79のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目81)
前記RNAポリメラーゼがT7 RNAポリメラーゼである、項目80に記載の組成物、キット、または方法。
(項目82)
前記組成物またはキットが、Mg2+、緩衝液、およびdNTPのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、またはそれらの各々をさらに含む、項目1~81のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目83)
前記組成物またはキットが、rNTPをさらに含む、項目1~82のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目84)
前記組成物またはキットが、HCVに特異的にハイブリダイズしない第1の対照増幅オリゴマーおよび第2の対照増幅オリゴマーをさらに含む、項目1~83のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目85)
前記第1の対照増幅オリゴマーが、配列番号18の配列うちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個の連続したヌクレオチドを含む、項目84に記載の組成物、キット、または方法。
(項目86)
前記第2の対照増幅オリゴマーが、配列番号56の配列のうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の連続したヌクレオチドを含む、項目84または85に記載の組成物、キット、または方法。
(項目87)
前記第1の対照増幅オリゴマーまたは前記第2の対照増幅オリゴマーが、プロモーター-プライマーである、項目84~86のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目88)
前記組成物またはキットが、前記第1および第2の対照増幅オリゴマーから産生されるアンプリコンに特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つの対照プローブオリゴマーをさらに含む、項目84~87のいずれか一項に記載の組成物、キット、または方法。
(項目89)
前記対照プローブオリゴマーが、配列番号20の配列のうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23個の連続したヌクレオチドを含む、項目88に記載の組成物、キット、または方法。
(項目90)
1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の標的ハイブリダイズ配列が、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の連続したヌクレオチドを含む、項目1~89のいずれか一項に記載の方法、組成物、またはオリゴマー。
(項目91)
少なくとも1つの増幅オリゴマーが伸長される線形増幅を実施することをさらに含む、項目12~90のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
前記線形増幅の前に、前記増幅オリゴマーがHCV核酸と捕獲オリゴマーとの複合体と会合し、前記複合体が固体支持体と会合し、前記方法が前記固体支持体を洗浄することを含む、項目91に記載の方法。
(項目93)
前記固体支持体がマイクロビーズの集団である、項目92に記載の方法。
(項目94)
前記集団の前記マイクロビーズが磁性である、項目93記載の方法。
(項目95)
洗浄ステップに続いて、前記方法が、HCV核酸と捕獲オリゴマーとの複合体と会合した増幅オリゴマーに対して反対向きの1つ以上のさらなる増幅オリゴマーを付加することを含む、項目91~93のいずれか一項に記載の方法。
(項目96)
1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーがプロモーター-プライマーである、項目95に記載の方法。
(項目97)
1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーがプロモーター-プライマーではない、項目96に記載の方法。
(項目98)
前記1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーが、項目1、10、13、14、または25~27のいずれか一項に記載の第1の増幅オリゴマーを含む、項目97に記載の方法。
(項目99)
前記1つ以上の反対向きのさらなる増幅オリゴマーが、項目1、10、13、15、または28~30のいずれか一項に記載の第2の増幅オリゴマーを含む、項目97または98に記載の方法。
(項目100)
前記線形増幅に続いて指数関数的増幅を実施することをさらに含む、項目90~99のいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
前記指数関数的増幅が、項目2、10、13、16、または18~24のいずれか一項に記載の第3の増幅オリゴマーを伸長させることを含む、項目100に記載の方法。
(項目102)
前記指数関数的増幅が等温増幅である、項目100または101に記載の方法。
(項目103)
前記等温増幅が転写媒介増幅である、項目102に記載の方法。
(項目104)
前記方法によって産生された少なくとも1つのアンプリコンを定量することをさらに含む、項目3、6~8、または11~103のいずれか一項に記載の方法。
(項目105)
前記アンプリコンがリアルタイムで定量化される、項目104に記載の方法。
(項目106)
プロモーターおよび3’末端標的ハイブリダイズ配列を含む初期増幅オリゴマーであって、前記標的ハイブリダイズ配列は、配列番号6のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドおよびC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含む、初期増幅オリゴマー。
(項目107)
項目33~37のいずれか一項に記載の初期増幅オリゴマーである、項目106に記載の初期増幅オリゴマー。
(項目108)
T7プロモーターを含む、項目107に記載の初期増幅オリゴマー。
(項目109)
配列番号8、9、10、または11の配列を含む、項目107に記載の初期増幅オリゴマー。
(項目110)
HCVゲノム81~92位のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個を含む位置に特異的にハイブリダイズするように構成されている、項目106~109のいずれか一項に記載の初期増幅オリゴマー。
(項目111)
HCVゲノム81~89位のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9個を含む位置に特異的にハイブリダイズするように構成されている、項目110に記載の初期増幅オリゴマー。
(項目112)
配列番号13のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドおよびC型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチドを含むプローブオリゴマー。
(項目113)
項目38~54のいずれか一項に記載のプローブオリゴマーである、項目112に記載のプローブオリゴマー。
(項目114)
HCVゲノム81~92位のうちの少なくとも6、7、8、9、10、11、または12個を含む位置に特異的にハイブリダイズするように構成されている、項目112または113に記載のプローブオリゴマー。
(項目115)
HCVゲノム81~96位のうちの少なくとも11、12、13、14、15、または16個を含む位置に特異的にハイブリダイズするように構成されている、項目112~114のいずれか一項に記載のプローブオリゴマー。
(項目116)
項目1~2、4、6~9、または14~90のいずれか一項に記載のキット。
(項目117)
項目1~2、4、6~9、または14~90のいずれか一項に記載の組成物。
(項目118)
水性、凍結型、または凍結乾燥型である、項目117に記載の組成物。
(項目119)
初期増幅オリゴマーの伸長産物をさらに含み、前記伸長産物は項目106~111のいずれか一項に記載の初期増幅オリゴマーの配列と、C型肝炎核酸配列のうちの少なくとも1、2、3、4、5、10、15、または20個のさらなる3’末端ヌクレオチドとを含む、項目117または118に記載の組成物。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】HCV配列のアラインメントを示し、増幅およびプローブオリゴマーにより結合された領域を示す。これ以降のアラインメントにおいて、点は参照配列(ここではHCV 1a転写物(配列番号269))との一致を示し、ダッシュはギャップを示し、キャレットは相補的位置を示し、そしてミスマッチはミスマッチ塩基として示される。楕円は、遺伝子型1aと比較して特定のミスマッチを強調している。左のボックスは、列挙された遺伝子型(1a、2b、3a、3b、4h、5a、および6a(それぞれ、配列番号269、270、271、272、273、274および275))においてミスマッチが観察されなかった領域を示す。右側のボックスはG+Cが豊富な領域を示す。
図2-1】図2は、3つの濃度での様々なHCV遺伝子型についての増幅動態を示す。これらの実験において、遺伝子型1aは3つの濃度について痕跡の明確なグループ分けを示したが、最低濃度(10コピー/ml)では、他の遺伝子型は増幅できず(2a)または不均一出現時間を示した(3b、4h、3a、5a、6a)。
図2-2】図2は、3つの濃度での様々なHCV遺伝子型についての増幅動態を示す。これらの実験において、遺伝子型1aは3つの濃度について痕跡の明確なグループ分けを示したが、最低濃度(10コピー/ml)では、他の遺伝子型は増幅できず(2a)または不均一出現時間を示した(3b、4h、3a、5a、6a)。
図2-3】図2は、3つの濃度での様々なHCV遺伝子型についての増幅動態を示す。これらの実験において、遺伝子型1aは3つの濃度について痕跡の明確なグループ分けを示したが、最低濃度(10コピー/ml)では、他の遺伝子型は増幅できず(2a)または不均一出現時間を示した(3b、4h、3a、5a、6a)。
図2-4】図2は、3つの濃度での様々なHCV遺伝子型についての増幅動態を示す。これらの実験において、遺伝子型1aは3つの濃度について痕跡の明確なグループ分けを示したが、最低濃度(10コピー/ml)では、他の遺伝子型は増幅できず(2a)または不均一出現時間を示した(3b、4h、3a、5a、6a)。
図3】異なるNT7プライマーを用いた遺伝子型1aおよび3aについての検量線を示す。
図4A図4A、4B、および4Cは、異なるNT7プライマー(図4Aの遺伝子型1a配列と一致するHCV52~78、図4Bの遺伝子型3a配列と一致するHCV52~78tg、または図4CのHCV52~78とHCV52~78tgの50:50混合物)を用いた遺伝子型定量化を示す。矢印は、図4Aおよび4Bにおける遺伝子型1Aについての曲線を示す。図4Cでは、遺伝子型1aおよび3aの曲線は実質的に重なっていた。
図4B図4A、4B、および4Cは、異なるNT7プライマー(図4Aの遺伝子型1a配列と一致するHCV52~78、図4Bの遺伝子型3a配列と一致するHCV52~78tg、または図4CのHCV52~78とHCV52~78tgの50:50混合物)を用いた遺伝子型定量化を示す。矢印は、図4Aおよび4Bにおける遺伝子型1Aについての曲線を示す。図4Cでは、遺伝子型1aおよび3aの曲線は実質的に重なっていた。
図4C図4A、4B、および4Cは、異なるNT7プライマー(図4Aの遺伝子型1a配列と一致するHCV52~78、図4Bの遺伝子型3a配列と一致するHCV52~78tg、または図4CのHCV52~78とHCV52~78tgの50:50混合物)を用いた遺伝子型定量化を示す。矢印は、図4Aおよび4Bにおける遺伝子型1Aについての曲線を示す。図4Cでは、遺伝子型1aおよび3aの曲線は実質的に重なっていた。
図5A図5Aおよび5Bは、非T7プライマー52~78tのみ(図5A、矢印は遺伝子型3aを示す)および52~78tgのみ(図5B)についての複数のHCV遺伝子型にわたる結果を示す。
図5B図5Aおよび5Bは、非T7プライマー52~78tのみ(図5A、矢印は遺伝子型3aを示す)および52~78tgのみ(図5B)についての複数のHCV遺伝子型にわたる結果を示す。
図6】様々な遺伝子型を用いた定量アッセイについて、標的との対数差(LogDiff)を示す。遺伝子型は、左から右に1a、2b、3a、3b、4h、5a、6aの順序で提示され、各遺伝子型は10(左)および10(右)コピー/mlの条件を反映する2本のバーを有する。
図7-1】図7は、10、10、および10コピー/mlの示された遺伝子型を用いるHCVトーチ68~86対HCVトーチ80~98 5st aの対照比較を示す。矢印は10コピー/mlの状態についての痕跡を示す。
図7-2】図7は、10、10、および10コピー/mlの示された遺伝子型を用いるHCVトーチ68~86対HCVトーチ80~98 5st aの対照比較を示す。矢印は10コピー/mlの状態についての痕跡を示す。
図8】異なるHCVトーチおよびT7オリゴマーを用いた検量線を示す。直線の矢印は、遺伝子型3a、T7 95~119、トーチ68~86の曲線を示す。曲線の矢印は、遺伝子型1a、T7 95~119、トーチ68~86の曲線を示す。
図9】HCVトーチ81~96、81~97、および80~98の検量線を示す。
図10】最高から最低の曲線の順に図に記載されている、異なるT7プライマーを用いた検量線が示されている。
図11】HCV遺伝子型に対するT7プライマーのアラインメントを示す。上から 下の順で、アラインメントされた配列は、配列番号100、2、12、5、222、223、224、225、226、227、228、229、230および225である。
図12A図12A、12B、12C、および12Dは、遺伝子型1aの配列(12A-Dの一番上の行)と一致するかまたはイノシンを含有する(12A-Dのそれぞれの下の2行)、3つのT7 93~119初期増幅オリゴマーについての遺伝子型1a、2b、3a、3b、4h、5a、および6aを有する3コピーレベルの一連の出現曲線を示す。各プロットは100、10000、および1000000コピー/mlの痕跡を示す。矢印(図12B図12D)は、イノシン塩基をT7オリゴマーに使用したときの痕跡の崩壊を示す。
図12B図12A、12B、12C、および12Dは、遺伝子型1aの配列(12A-Dの一番上の行)と一致するかまたはイノシンを含有する(12A-Dのそれぞれの下の2行)、3つのT7 93~119初期増幅オリゴマーについての遺伝子型1a、2b、3a、3b、4h、5a、および6aを有する3コピーレベルの一連の出現曲線を示す。各プロットは100、10000、および1000000コピー/mlの痕跡を示す。矢印(図12B図12D)は、イノシン塩基をT7オリゴマーに使用したときの痕跡の崩壊を示す。
図12C図12A、12B、12C、および12Dは、遺伝子型1aの配列(12A-Dの一番上の行)と一致するかまたはイノシンを含有する(12A-Dのそれぞれの下の2行)、3つのT7 93~119初期増幅オリゴマーについての遺伝子型1a、2b、3a、3b、4h、5a、および6aを有する3コピーレベルの一連の出現曲線を示す。各プロットは100、10000、および1000000コピー/mlの痕跡を示す。矢印(図12B図12D)は、イノシン塩基をT7オリゴマーに使用したときの痕跡の崩壊を示す。
図12D図12A、12B、12C、および12Dは、遺伝子型1aの配列(12A-Dの一番上の行)と一致するかまたはイノシンを含有する(12A-Dのそれぞれの下の2行)、3つのT7 93~119初期増幅オリゴマーについての遺伝子型1a、2b、3a、3b、4h、5a、および6aを有する3コピーレベルの一連の出現曲線を示す。各プロットは100、10000、および1000000コピー/mlの痕跡を示す。矢印(図12B図12D)は、イノシン塩基をT7オリゴマーに使用したときの痕跡の崩壊を示す。
図13A図13A、13B、および13Cは、10、10、および10コピー/mlにおける遺伝子型1a、2b、および5aに対する対照T7 93~119(13A)、T7 89~119(13B)、および80-119(13C)プライマーを用いた出現曲線を示し、遺伝子型間でより高い一貫性およびT789-119とT7 80-119の異なる濃度で曲線の分離を示す。
図13B図13A、13B、および13Cは、10、10、および10コピー/mlにおける遺伝子型1a、2b、および5aに対する対照T7 93~119(13A)、T7 89~119(13B)、および80-119(13C)プライマーを用いた出現曲線を示し、遺伝子型間でより高い一貫性およびT789-119とT7 80-119の異なる濃度で曲線の分離を示す。
図13C図13A、13B、および13Cは、10、10、および10コピー/mlにおける遺伝子型1a、2b、および5aに対する対照T7 93~119(13A)、T7 89~119(13B)、および80-119(13C)プライマーを用いた出現曲線を示し、遺伝子型間でより高い一貫性およびT789-119とT7 80-119の異なる濃度で曲線の分離を示す。
図14】T7 93~119、T7 89~119、およびT7 80~119初期増幅オリゴマーを使用した場合の、2.3、4.3、および6.3logコピー/mlでの、異なるHCV遺伝子型についての対数差(LogDiff)対HCV 1aを示す。
図15A図15A、15B、および15Cは、初期増幅オリゴマーがT7 93-119(15A)、T7 89-119(15B)、またはT7 80-119(15C)の場合の、遺伝子型1a、2b、3a、3b、4h、5a、および6aの検量線を示す。図15Aの矢印は、遺伝子型5aの曲線を示し、これは、T7 93-119を用いた場合には他の遺伝子型の曲線から明らかに区別されたが、より長い初期増幅オリゴマーを用いた場合には他の曲線の間に現れた。
図15B図15A、15B、および15Cは、初期増幅オリゴマーがT7 93-119(15A)、T7 89-119(15B)、またはT7 80-119(15C)の場合の、遺伝子型1a、2b、3a、3b、4h、5a、および6aの検量線を示す。図15Aの矢印は、遺伝子型5aの曲線を示し、これは、T7 93-119を用いた場合には他の遺伝子型の曲線から明らかに区別されたが、より長い初期増幅オリゴマーを用いた場合には他の曲線の間に現れた。
図15C図15A、15B、および15Cは、初期増幅オリゴマーがT7 93-119(15A)、T7 89-119(15B)、またはT7 80-119(15C)の場合の、遺伝子型1a、2b、3a、3b、4h、5a、および6aの検量線を示す。図15Aの矢印は、遺伝子型5aの曲線を示し、これは、T7 93-119を用いた場合には他の遺伝子型の曲線から明らかに区別されたが、より長い初期増幅オリゴマーを用いた場合には他の曲線の間に現れた。
図16】異なる標的濃度および初期増幅オリゴマーを使用した場合の、HCV 1aキャリブレータと比較した、様々な遺伝子型についての定量における差異を示す。各遺伝子型について、左から右への9本のバーは、A1 A2 A3 B1 B2 B3 C1 C2 C3として配置され、ここでAは200コピー/ml(c/ml)、Bは20000c/ml、Cは2M c/ml、1は80-119 T7ipを用いたもの、2は89-119 T7ipを用いたもの、および3は89-119 T7ipを用いたものである(T7ip=T7初期増幅オリゴマー)。
図17】T7初期増幅オリゴマーと選択されたHCV遺伝子型とのアラインメントを示す。上から下の順で、アラインメントされた配列は、配列番号2、12、231、232、233、234、235、236、231、108、4、110、112、237、114、220および5である。
図18】異なるT7初期増幅オリゴマーを用いたHCV遺伝子型に関するLogDiffデータの特徴付けを示す。遺伝子型と濃度は、左から右に以下のとおりである:1a(10、10、10、10、10、10、10c/ml)、2b(10、10、10c/ml)、3a(10、10、10c/ml)、3b(10、10、10c/ml)、4h(10、10、10c/ml)、5a(10、10、10c/ml)、6a(10、10、10c/ml)。各遺伝子型および濃度について、左から右への7つの隣接するバーは、以下のT7初期増幅オリゴマーを用いたデータを表す:81~119、83~119、85~119、87~119、89~119、91~119、93~119。
図19】T7初期増幅オリゴマーについてのHCV遺伝子型に関する10Kパネルの結果を示す。これは、図18サブセットのデータからの10c/mlデータのみの拡大図であり、遺伝子型およびプライマーは同じ順序である。
図20】例示的なオリゴマーセットを用いた、HCV 1aに対する様々な遺伝子型についてのHCV遺伝子型定量化を示す。
図21】HCV遺伝子型配列HCV 1からHCV 6を有するオリゴマーのアラインメントを示す。上から下の順で、アラインメントされた配列は、配列番号238、2、5、220、12、239、240、241、242、243、244、245、246および242である。
図22A図22Aおよび22Bは、初期アッセイ実現可能性オリゴマーシステムで試験した全ての変異体についての対数差(図23A)および予想される標的から>0.4log c/mlの逸脱を有する変異体の対数差c/ml(図23B)、によるインビトロ転写産物HCV変異体試験を示す。
図22B図22Aおよび22Bは、初期アッセイ実現可能性オリゴマーシステムで試験した全ての変異体についての対数差(図23A)および予想される標的から>0.4log c/mlの逸脱を有する変異体の対数差c/ml(図23B)、によるインビトロ転写産物HCV変異体試験を示す。
図23】>0.4log c/mLで過少定量化された13個のHCV変異体との配列アラインメントを示す。上から下の順で、アラインメントされた配列は、配列番号2、220、なし、12、239、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266および267である。特に、HCV0297(-)dT3dA30標的捕獲オリゴヌクレオチド(アラインメントにおける第3の登録)についての標的ハイブリダイズ配列は、この図に表される配列の外側にある。
図24】例示的オリゴマーセットの配列アラインメントを示す。上から下の順で、 アラインメントされた配列は、配列番号16、17、2、3、4、5および12である。
図25A-1】図25Aおよび25Bは、例示的なオリゴマーセットについての、HCV変異体にわたるIVT変異体検出(標的濃度:10c/ml)(図26A)および亜型検出(図26B)を示す。
図25A-2】図25Aおよび25Bは、例示的なオリゴマーセットについての、HCV変異体にわたるIVT変異体検出(標的濃度:10c/ml)(図26A)および亜型検出(図26B)を示す。
図25B図25Aおよび25Bは、例示的なオリゴマーセットについての、HCV変異体にわたるIVT変異体検出(標的濃度:10c/ml)(図26A)および亜型検出(図26B)を示す。
図26】アッセイ30-le9c/mlの直線性を示す(30c/mL、n=60、le2-le9c/mL、n=12))。
図27A図27Aおよび27Bは、1つの標的捕獲オリゴマー(TCO)(0297;暗いバー)および2つのTCO(0297+0327b;明るいバー)条件についてのHCV遺伝子型IVTパーセント陽性の結果を示す。
図27B図27Aおよび27Bは、1つの標的捕獲オリゴマー(TCO)(0297;暗いバー)および2つのTCO(0297+0327b;明るいバー)条件についてのHCV遺伝子型IVTパーセント陽性の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
A.定義
本教示を詳細に説明する前に、本開示は特定の組成物またはプロセスステップに限定されず、それ自体は変化し得ることを理解されたい。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の言及を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「1つのオリゴマー」への言及は複数のオリゴマーなどを含む。
【0053】
本開示で論じられている温度、濃度、時間などの前に暗黙の「約」があり、その結果、ほんのわずかなおよびわずかな逸脱は本明細書の教示の範囲内であることが理解されよう。一般に、用語「約」は、組成物の活性または安定性に有意な影響を及ぼさない、組成物の成分の量のわずかな変動を示す。また、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「含んでいる(include)」、「含んでいる(includes)」、および「含んでいる(including)」の使用は、限定を意図するものではない。前述の一般的な説明および詳細な説明は両方とも例示的かつ説明的なものにすぎず、教示を限定するものではないことを理解されたい。参照により組み入れられるいかなる資料の範囲も本開示の明示的内容と矛盾する限りにおいて、明示的内容が支配する。
【0054】
特に明記しない限り、様々な構成要素「を含む(comprising)」と列挙している明細書中の実施形態は、列挙された構成要素「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」とも企図され、明細書中の様々な構成要素「からなる(consisting of)」と列挙した実施形態もまた、列挙された構成要素「を含む(comprising)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」として企図され、そして、明細書中の様々な構成要素「から本質的になる(consisting essentially of)」ことを列挙された実施形態も、列挙された構成要素「からなる(consisting of)」または「を含む(comprising」として企図される(この互換性は請求項におけるこれらの用語の使用には当てはまらない)。
【0055】
「試料」は、C型肝炎ウイルス(HCV)または核酸または核酸のフラグメントなどのその構成要素を含み得る任意の検体を含む。試料は、HCVまたはそれに由来する標的核酸を含有する、生きているまたは死んだヒトに由来する任意の組織または材料を含む「生物学的試料」を含み、例えば末梢血、血漿、血清、リンパ節、胃腸組織(例えば肝臓)または他の体液または材料を含む。生物学的試料は、組織または細胞構造を物理的または機械的に破壊するように処理されてもよく、したがって、標準的な方法を使用して分析用の生物学的サンプルを調製するために使用される酵素、緩衝液、塩、洗剤などをさらに含み得る溶液中に細胞内成分を放出する。また、試料は、試料を濾過装置によってまたは通過させることから、または遠心分離後に、あるいは媒体、マトリックス、または支持体への付着によって得られるものなどの処理済み試料を含み得る。
【0056】
「核酸」とは、含窒素ヘテロ環塩基または塩基類似体を有する2つ以上の共有結合したヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体である多量体化合物であって、前記ヌクレオシドはホスホジエステル結合または他の結合によって互いに結合してポリヌクレオチドを形成するものを指す。核酸は、RNA、DNA、またはキメラDNA-RNAポリマーまたはオリゴヌクレオチド、およびそれらの類似体を含む。核酸「骨格」は、糖-ホスホジエステル結合、ペプチド-核酸結合(「ペプチド核酸」またはPNAにおいては、例えば、国際特許出願公開第WO95/32305号を参照されたい)、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む様々な結合から構成され得る。核酸の糖部分は、リボースまたはデオキシリボース、あるいは例えば2’-メトキシ置換および2’-ハライド置換(例えば2’-F)のような既知の置換を有する同様の化合物であり得る。窒素塩基は、従来の塩基(A、G、C、T、U)、その類似体(例えば、イノシン、5-メチルイソシトシン、イソグアニン;例えば、The Biochemistry of the Nucleic Acids 5-36、Adams et al.、ed.,11th ed.,1992;Abraham et al.、2007、BioTechniques 43:617-24)であってよく、これはプリンまたはピリミジン塩基の誘導体(例えば、N-メチルデオキシグアノシン、デアザ-またはアザ-プリン、デアザ-またはアザ-ピリミジン、5または6位に置換基を有するピリミジン塩基、2,6および/または8位に改変または置換置換基を有するプリン塩基、例えば2-アミノ-6-メチルアミノプリン、O-メチルグアニン、4-チオ-ピリミジン、4-アミノ-ピリミジン、4-ジメチルヒドラジン-ピリミジン、およびO-アルキル-ピリミジン、ならびにピラゾロ-化合物、例えば非置換または3-置換ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,378,825号、同第6,949,367号および国際特許出願公開第WO93/13121号を参照されたい)を含む。核酸は、骨格が1つ以上の残基に対して窒素塩基を含まない「無塩基」残基を含み得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,585,481号を参照されたい)。核酸は、RNAおよびDNAに見られるような従来の糖、塩基、および結合のみを含み得るか、または従来の成分および置換(例えば、2’-メトキシ骨格によって結合される従来の塩基、または従来の塩基および1以上の塩基類似体の混合物を含む核酸)を含み得る。核酸は、「ロックド核酸」(LNA)を含んでいてよく、ここで1つ以上のヌクレオチドモノマーは糖立体配座を模倣するRNAにロックされた二環式フラノース単位を有し、一本鎖RNA(ssRNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、または二本鎖DNA(dsDNA)中の相補的配列に対するハイブリダイゼーション親和性を増強する(参照により本明細書に組み込まれるVester et al.、Biochemistry 43:13233-41,2004)。核酸は、核酸の機能または挙動を変化させるための修飾塩基、例えばさらなるヌクレオチドが核酸に付加されるのを阻止するための3’-末端ジデオキシヌクレオチドの付加を含み得る。in vitroで核酸を作製するための合成方法は当該分野で周知であるが、核酸は日常的な技術を用いて天然の供給源から精製することができる。
【0057】
ある配列が、HCVのいずれかの遺伝子型、亜型、または単離体と比較して、その配列またはその相補体が生じる、それと少なくとも約90%または少なくとも約95%同一である、またはただ一つのミスマッチを含む場合、それは「C型肝炎ウイルス配列」であり、例えば「C型肝炎ウイルス配列のうちの14個の連続したヌクレオチド」とは、HCVの遺伝子型、亜型、もしくは単離物、またはそれらの相補体の14個の位置のうち少なくとも13個、と一致する14塩基長を指す。配列がC型肝炎ウイルス配列として認定されるかどうかを決定する目的のためには、Uの存在はTと同等であると考えられ、その逆もまた同様である。本明細書に開示される例示的オリゴマーの標的ハイブリダイズ領域、本明細書に開示されるインビトロ転写産物のHCV由来配列、およびその部分配列もまた、C型肝炎ウイルス配列と見なされる。したがって、C型肝炎ウイルス配列の例には、配列番号1~3、6~7、13~14、23~41、48、50~52、54~62、および76~107、配列番号166~214および221のHCV配列フラグメントならびに表5の受入番号により示されるHCV配列、非HCV成分(例えば、転写産物中に存在しうるTOPOまたはpBlueScriptベクター配列)を除く、配列番号63~74の転写産物配列、配列番号108~147のT7増幅オリゴマーの標的ハイブリダイズ領域(例えば、配列番号11のように、T7プロモーター領域のような非HCV配列を除く)、配列番号161~165の捕獲オリゴマーの標的ハイブリダイズ領域(例えば、配列番号21のように、人工領域のような非HCV配列を除く)、が含まれる。いくつかの実施形態では、上記のHCVの遺伝子型、亜型、または単離物は、例えば本開示の日付で入手可能な配列データベースまたは刊行物に存在する、既知の遺伝子型、亜型、またはHCVの単離物である。
【0058】
オリゴマーが、例えば、特定の配列番号「のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチド」および「C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも約14個の連続したヌクレオチド」を含む場合、同じヌクレオチドを(i)および(ii)の両方に含めることができ、例えば、C型肝炎ウイルス配列のうちの少なくとも14個の連続したヌクレオチドは、C型肝炎ウイルス配列の前述の定義と一致する範囲で、特定の配列番号のうちの少なくとも10個の連続したヌクレオチドのいずれかまたはすべてを含むことができる。同様に、配列番号の各配列が存在する場合、それらが重複するかどうかにかかわらず、「オリゴマーは、少なくとも2つ」(またはそれ以上)の複数の特定の配列番号を含む標的ハイブリダイズ配列を含む。したがって、簡単な例として、CATはCAとATの両方を含む。
【0059】
2つの分子が「少なくともN個の共通の位置にアニールする」とは、分子が、標的核酸、例えば、HCV核酸の同じまたは反対の鎖上にN個以上のヌクレオチドだけ重複するハイブリダイゼーション部位を有することを意味する。例えば、位置81~96に特異的にハイブリダイズするように構成された第1のオリゴマーおよび位置93~119に特異的にハイブリダイズするように構成された第2のオリゴマーは、(i)それらが両方とも同じ鎖にアニールするか、または(ii)一方はセンスまたは(+)鎖に特異的にハイブリダイズするように構成され、他方はアンチセンスまたは(-)鎖に特異的にハイブリダイズするように構成されているかどうかに係わらす、4つの共通位置(93、94、95、および96)にアニールする。
【0060】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は核酸鎖を意味する。本出願を通して、核酸は5’末端から3’末端までで示される。合成核酸、例えば、DNA、RNA、DNA/RNAキメラ(非天然のヌクレオチドまたは類似体がそれらに含まれる場合を含む)は、成長する核酸の5’末端に対して典型的には「3’から5’へ」、すなわちヌクレオチドの付加によって合成される。
【0061】
本明細書で使用される「ヌクレオチド」は、リン酸基、5炭素糖、および窒素塩基(本明細書では「核酸塩基」とも呼ばれる)からなる核酸のサブユニットである。RNAに見いだされる5炭素糖はリボースである。DNAでは、5炭素糖は2’-デオキシリボースである。この用語はまた、リボースの2’位にあるメトキシ基(本明細書では「2’-O-Me」または「2’-メトキシ」とも呼ばれる)などのそのようなサブユニットの類似体も含む。本明細書中で使用される場合、「T」残基を含有するメトキシオリゴヌクレオチドは、リボース部分の2’位にメトキシ基を、そしてヌクレオチドの塩基位置にウラシルを有する。
【0062】
本明細書で使用される「非ヌクレオチド単位」は、ポリマーのハイブリダイゼーションに有意に関与しない単位である。そのような単位は、例えば、ヌクレオチドとのいかなる有意な水素結合にも関与せず、そして構成要素として5つのヌクレオチド塩基またはその類似体のうちの1つを有する単位を除外するであろう。
【0063】
本明細書で使用される「標的核酸」は、増幅される標的配列を含む核酸である。標的核酸は、本明細書中に記載されるようにDNAまたはRNAであり得、そして一本鎖または二本鎖のいずれかであり得る。標的核酸は、標的配列以外に増幅されていなくてもよい他の配列を含み得る。
【0064】
本明細書で使用される「標的配列」という用語は、増幅および/または検出されるべき標的核酸の特定のヌクレオチド配列を指す。「標的配列」は、増幅プロセス中にオリゴヌクレオチド(例えば、プライミングオリゴヌクレオチドおよび/またはプロモーターオリゴヌクレオチド)が複合体を形成する複合体形成配列(例えば、TMA)を含む。標的核酸がもともと一本鎖である場合、「標的配列」という用語はまた、標的核酸中に存在するような「標的配列」に相補的な配列も指す。標的核酸がもともと二本鎖である場合、「標的配列」という用語はセンス(+)鎖とアンチセンス(-)鎖の両方を指す。
【0065】
「標的ハイブリダイズ配列」は、標的核酸配列とハイブリダイズするように構成されたオリゴマーの部分を指すために本明細書で使用される。いくつかの実施形態では、標的ハイブリダイズ配列は、標的核酸配列と特異的にハイブリダイズするように構成されている。標的ハイブリダイズ配列は、それらがハイブリダイズするように構成されている標的配列の部分に対して100%相補的であり得るが、必ずしもそうではない。標的ハイブリダイズ配列はまた、標的配列に対して挿入、欠失および/または置換されたヌクレオチド残基を含み得る。標的配列に対する標的ハイブリダイズ配列の100%未満の相補性は、例えば、HCVの様々な遺伝子型にハイブリダイズするように構成されたオリゴマーの場合のように、標的核酸が種内の複数の株である場合に生じ得る。標的核酸に対して100%未満の相補性を有するように標的ハイブリダイズ配列を構成するための他の理由が存在することが理解される。
【0066】
HCV核酸の領域に関して本明細書で使用される「配列を標的とする」という用語は、オリゴヌクレオチドが本明細書に記載の増幅および検出を可能にする様式で標的配列にハイブリダイズするプロセスを指す。1つの好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは標的HCV核酸配列と相補的であり、ミスマッチを含まない。別の好ましい態様において、オリゴヌクレオチドは相補的であるが、標的とされたHCV核酸配列と1、2、3、4、または5つのミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、HCV核酸配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは、標的配列に相補的な少なくとも10個~最大50個のヌクレオチドを含む。10、50およびその間の各整数が含まれるように、少なくとも10個および50個もの数が包含範囲であることが理解される。いくつかの実施形態では、オリゴマーは標的配列に特異的にハイブリダイズする。
【0067】
用語「するように構成された」は、参照オリゴヌクレオチド標的ハイブリダイズ配列のポリヌクレオチド配列構成の実際の配置を意味する。例えば、標的配列から特定のアンプリコンを生成するように構成された増幅オリゴマーは、標的配列にハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を有し、アンプリコンを生成するための増幅反応に使用することができる。また一例として、標的配列に特異的にハイブリダイズするように構成されたオリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で参照配列に特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を有する。
【0068】
本明細書で使用される「特異的にハイブリダイズするように構成された」という用語は、増幅オリゴヌクレオチド、検出プローブ、または他のオリゴヌクレオチドの標的ハイブリダイズ領域が、参照HCV標的領域の配列を標的とし得るポリヌクレオチド配列を有するように設計されることを意味する。そのようなオリゴヌクレオチドは、その配列のみを標的化することに限定されず、組成物として、キット中で、またはHCV標的核酸を標的化するための方法においてむしろ有用である。オリゴヌクレオチドは、試料からのHCVの増幅および検出のためのアッセイの構成要素として機能するように設計されており、したがって試験試料中に通常見られる他の核酸の存在下でHCVを標的とするように設計されている。「に特異的にハイブリダイズする」とは、当技術分野で理解されているように、非標的核酸に対するある少量レベルのハイブリダイゼーションが起こり得るので、排他的にハイブリダイズすることを意味するのではない。むしろ、「特異的にハイブリダイズする」とは、試料中の標的核酸の正確な検出を決定することができるように、オリゴヌクレオチドがアッセイにおいて標的を主としてハイブリダイズするように機能するように構成されていることを意味する。「上流」とは、所与の位置よりも(+)鎖の5’末端(または(-)鎖の3’末端)に近い位置を指す。「下流」とは、所与の位置よりも(+)鎖の3’末端(または(-)鎖の5’末端)に近い位置を指す。
【0069】
標的化HCV核酸に関して本明細書中で使用される場合、用語「フラグメント」は、一続きの連続した核酸をいう。特定の実施形態では、このフラグメントは、配列番号1に対応するHCV RNA由来の連続したヌクレオチドを含み、このフラグメント中の連続したヌクレオチドの数は、配列番号1に対応する全配列についてのそれよりも少ない。
【0070】
本明細書で使用される「領域」という用語は、核酸の一部分を指し、ここで前記一部分は全核酸よりも小さい。例えば、参照される核酸がオリゴヌクレオチドプロモータープライマーであるとき、用語「領域」は全オリゴヌクレオチドのより小さいプロモーター部分を指すために使用され得る。同様に、そしてまた単なる例として、核酸がHCV RNAである場合、用語「領域」は、核酸のより小さな領域を指すために使用され得、より小さな領域は本開示の1つ以上のオリゴヌクレオチドによって標的とされる。。別の非限定的な例として、参照中の核酸がアンプリコンである場合、用語としての領域は、プローブの標的ハイブリダイズ配列によるハイブリダイゼーションのために同定されたより小さなヌクレオチド配列を指すために使用され得る。
【0071】
互換性のある用語「オリゴマー」、「オリゴ」、および「オリゴヌクレオチド」は、一般に1,000ヌクレオチド未満のヌクレオチド(nt)残基を有する核酸を指し、約5ntの残基の下限および約500~900ntの残基の上限の範囲を有するポリマーを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、約12~15ntの下限および約50~600ntの上限を有するサイズ範囲内にあり、他の実施形態は、約15~20ntの下限および約22~100ntの上限を有するサイズ範囲内にある。オリゴヌクレオチドは、天然に存在する供給源から精製され得るか、または任意の種々の周知の酵素的方法もしくは化学的方法を使用して合成され得る。オリゴヌクレオチドという用語は、試薬に対するいかなる特定の機能も意味せず、むしろ、それは本明細書に記載されている全てのそのような試薬を網羅するために一般的に使用されている。オリゴヌクレオチドは様々な異なる機能を果たし得る。例えば、それが相補鎖に対して特異的であり、それとハイブリダイズすることが可能であり、そして核酸ポリメラーゼの存在下でさらに伸長され得る場合、それはプライマーとして機能し得、RNAポリメラーゼによって認識される配列を含み、転写を可能にする場合、それはプライマーとして機能し、そしてプロモーターを提供し得る(例えば、T7プライマー)し、そして標的核酸またはそのアンプリコンにハイブリダイズすることができるならばそれは標的核酸を検出するように機能し得、そしてさらに検出可能な部分(例えば、フルオロフォア)を提供する。
【0072】
本明細書で使用されるとき、特定の参照核酸配列「に実質的に対応する」オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で同じ標的核酸配列によって参照核酸配列とハイブリダイズするという点で、参照核酸配列と同様のハイブリダイゼーション特性を有するように参照核酸配列と十分に類似することを意味する。当業者は、「実質的に対応するオリゴヌクレオチド」が参照配列とは異なり得、なお同じ標的核酸配列にハイブリダイズし得ることを理解するであろう。文脈が明らかにそうでないと指示しない限り、第2の核酸に対応する第1の核酸は、そのRNAまたはDNA等価物ならびにそのDNA/RNAキメラを含み、そしてそれらの相補体を含むことも理解される。核酸からのこの変動は、配列内の同一塩基の割合、またはプローブもしくはプライマーとその標的配列との間の完全に相補的な塩基の割合に関して述べることができる。したがって、特定の実施形態において、これらの塩基同一性または相補性の割合が100%から約80%である場合、オリゴヌクレオチドは参照核酸配列に「実質的に対応する」。いくつかの実施形態では、この割合は100%~約85%までである。いくつかの実施形態では、この割合は100%~約90%、例えば100%~約95%である。同様に、核酸または増幅された核酸の領域は、本明細書において参照核酸配列に対応すると言及され得る。当業者は、容認できないレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを引き起こすことなく、特定の標的配列へのハイブリダイゼーションを可能にするために様々な割合の相補性で必要とされ得る、ハイブリダイゼーション条件に対する様々な修正を理解するであろう。
【0073】
本明細書中で使用される場合、DNA配列に関する「またはその相補体、またはそのRNA等価物またはそのDNA/RNAキメラ」という表現は、(参照DNA配列に加えて)DNA配列の相補体、参照DNA配列のRNA等価物、参照DNA配列の相補体のRNA等価物、参照DNA配列のDNA/RNAキメラ、および参照DNA配列の相補体のDNA/RNAキメラを含む。同様に、RNA配列に関する「またはその相補体、またはそのDNA等価物またはそのDNA/RNAキメラ」という表現は、(参照RNA配列に加えて)RNA配列の相補体、参照RNA配列のDNA等価物、参照RNA配列の相補体のDNA等価物、参照RNA配列のDNA/RNAキメラ、および参照RNA配列の相補体のDNA/RNAキメラを含む。
【0074】
本明細書で使用されるとき、「ブロッキング部分」は、それが核酸ポリメラーゼによって効率的に伸長され得ないように、オリゴヌクレオチドまたは他の核酸の3’末端を「ブロックする」ために使用される物質である。核酸ポリメラーゼによる伸長を意図していないオリゴマーは、増幅反応においてオリゴマーの酵素媒介伸長を防ぐために3’OHを置換するブロッカー基を含み得る。例えば、増幅中に存在するブロック化増幅オリゴマーおよび/または検出プローブは、官能性3’OHを有さず、その代わりに3’末端またはその近くに位置する1つ以上のブロッキング基を含み得る。いくつかの実施形態において、3’末端付近のブロッキング基は、3’末端の5残基以内であり得、そしてオリゴマーへのポリメラーゼの結合を制限するのに十分に大きい。他の実施形態では、ブロッキング基は3’末端に共有結合している。多くの異なる化学基、例えばアルキル基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン-ジオールジデオキシヌクレオチド残基、およびコルジセピンが3’末端をブロックするために使用され得る。
【0075】
「増幅オリゴマー」は、少なくともその3’末端が標的核酸に相補的であり、そして標的核酸またはその相補体にハイブリダイズし、そして核酸増幅反応に関与するオリゴマーである。増幅オリゴマーの例は、標的核酸とハイブリダイズし、増幅過程においてポリメラーゼによって伸長される3’OH末端を含む「プライマー」である。いくつかの実施形態において、増幅オリゴヌクレオチドの5’領域は、標的核酸に対して非相補的であるプロモーター配列(「プロモータープライマー」と称され得る)を含み得る。増幅オリゴマーの別の例は、ポリメラーゼによって伸長されない(例えば、それが3’ブロック化末端を有するため)が、増幅に関与するかまたは増幅を促進するオリゴマーである。例えば、増幅オリゴヌクレオチドの5’領域は、標的核酸に対して非相補的であるプロモーター配列(これは「プロモータープロバイダー」と称され得る)を含み得る。当業者は、プライマーとして機能する増幅オリゴマーが5’プロモーター配列を含むように改変され得、そしてそれ故プロモータープライマーとして機能することを理解するであろう。3’ブロック化末端を組み込むことは、今や標的核酸にハイブリダイズし、転写を開始するのに役立つ上流プロモーター配列を提供することができるが、オリゴ伸長のためのプライマーを提供しないプロモータープライマーをさらに修飾する。そのような修飾オリゴは、本明細書において「プロモータープロバイダー」オリゴマーと呼ばれる。増幅オリゴヌクレオチドのサイズ範囲は、長さが約10~約70nt(プロモーター配列またはポリAテールを含まない)のものが含まれ、標的核酸配列(またはその相補鎖)の領域に相補的な少なくとも約10個の連続した塩基、さらには少なくとも12個の連続した塩基を含むものが含まれる。連続した塩基は、増幅オリゴマーが結合する標的配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または完全に相補的である。増幅オリゴマーは、修飾されたヌクレオチドもしくは類似体、または増幅反応に関与するが標的核酸もしくは鋳型配列に相補的でも含まれてもいないさらなるヌクレオチドを任意に含んでもよい。オリゴヌクレオチド、アンプリコン、または他の核酸の長さの範囲に言及するとき、その範囲は全ての整数(例えば、長さ19~25の連続したヌクレオチドには、19、20、21、22、23、24および25が含まれる。)を含むことが理解される。
【0076】
本明細書中で使用される場合、「プロモーター」は、核酸に結合しそして特定の部位でRNAの転写を開始するためのシグナルとしてDNA依存性RNAポリメラーゼ(「転写酵素」)によって認識される特定の核酸配列である。
【0077】
本明細書中で使用される場合、「プロモータープロバイダー」または「プロバイダー」とは、第1および第2の領域を含み、その3’末端からのDNA合成の開始を妨げるように修飾されているオリゴヌクレオチドをいう。プロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドの「第1の領域」は、DNA鋳型にハイブリダイズする塩基配列を含み、このハイブリダイズする配列は、プロモーター領域の3’側に位置するが、必ずしも隣接しない。プロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズ部分は、典型的には少なくとも10ヌクレオチド長であり、そして50ヌクレオチド以上の長さまで伸びてもよい。「第2の領域」は、RNAポリメラーゼのためのプロモーター配列を含む。プロモーターオリゴヌクレオチドは、それがRNAまたはDNA依存性DNAポリメラーゼ、例えば逆転写酵素によって伸長され得ないように操作され、いくつかの実施形態において、上記のようにその3’末端にブロッキング部分を含む。本明細書で言及されるように、「T7プロバイダー」は、T7 RNAポリメラーゼによって認識されるオリゴヌクレオチド配列を提供するブロック化プロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドである。
【0078】
「終結オリゴヌクレオチド」は、新生核酸のプライマー伸長を「終結させる」ために、標的領域の5’末端付近の標的核酸内の配列に実質的に相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、その結果プライミングオリゴヌクレオチドを含む新生核酸のプライマー伸長を「終結」させ、それによって新生核酸鎖の規定された3’末端を提供する。終結オリゴヌクレオチドは、新生核酸鎖にとって望ましい3’末端を達成するのに十分な位置で標的核酸とハイブリダイズするように設計されている。終結オリゴヌクレオチドの位置はその設計に応じて柔軟である。終結オリゴヌクレオチドは修飾されていても修飾されていなくてもよい。特定の実施形態において、終結オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つ以上の2’-O-MEリボヌクレオチドを用いて合成される。これらの修飾ヌクレオチドは相補的二本鎖のより高い熱安定性を示した。2’-O-MEリボヌクレオチドはまた、エキソヌクレアーゼに対するオリゴヌクレオチドの耐性を増大させるように機能し、それによって修飾オリゴヌクレオチドの半減期を増大させる。(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Majlessi et al.,Nucleic Acids Res.26:2224-9、1988を参照されたい)。2’-O-Meリボヌクレオチドに加えて、またはその代わりに、本明細書の他の場所に記載されているような他の修飾を利用することができる。例えば、終結オリゴヌクレオチドは、PNAまたはLNAを含み得る。(例えば、参照により本明細書に組み込まれるPetersen et al.,J.Mol.Recognit. 13:44-53,2000を参照されたい。)本開示の終結オリゴヌクレオチドは、典型的には、その3’末端に伸長を防ぐためのブロッキング部分を含む。終結オリゴヌクレオチドはまた、ポリメラーゼによる新生核酸鎖のさらなる伸長を終結させるようにオリゴヌクレオチドに結合したタンパク質またはペプチドを含み得る。本開示の終結オリゴヌクレオチドは、典型的には少なくとも10塩基の長さであり、そして15、20、25、30、35、40、50またはそれ以上のヌクレオチド長まで伸長し得る。終結オリゴヌクレオチドは、典型的にまたは必然的に3’ブロッキング部分を含むが、「3’-ブロック化」オリゴヌクレオチドは必ずしも終結オリゴヌクレオチドではない。
【0079】
「増幅」は、標的核酸配列またはその相補体もしくはそのフラグメントの複数のコピーを得るための任意の既知の手順を指す。複数のコピーは、アンプリコンまたは増幅産物と呼ばれることがある。「フラグメント」の増幅は、例えば、標的核酸の内部位置にハイブリダイズし、そこから重合を開始する増幅オリゴヌクレオチドを使用することによって産生される、完全未満の標的核酸またはその相補体を含む増幅核酸の産生を指す。既知の増幅方法としては、例えば、レプリカーゼ媒介増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、および転写媒介または転写関連増幅が挙げられる。レプリカーゼ媒介増幅は、自己複製RNA分子、およびQBレプリカーゼなどのレプリカーゼを使用する(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,786,600号を参照されたい)。PCR増幅は、DNAポリメラーゼ、プライマー対、および熱サイクリングを使用して、dsDNAの2つの相補鎖の複数のコピーを合成するか、またはcDNAから合成する(例えば、参照によりおのおのが本明細書に組み込まれる、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号および同第4,800,159号を参照されたい)。LCR増幅は4つ以上の異なるオリゴヌクレオチドを使用して、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、および変性の複数サイクルを使用することによって標的およびその相補鎖を増幅する(例えば、参照によりおのおのが本明細書に組み込まれる、米国特許第5,427,930号および同第5,516,663号を参照されたい)。SDAは、制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含むプライマーと、標的配列を含む半修飾DNA二本鎖の一方の鎖にニックを入れるエンドヌクレアーゼを使用し、それによって一連のプライマー伸長および鎖置換ステップで増幅が起こる(例えば、参照によりおのおのが本明細書に組み込まれる、米国特許第5,422,252号、同第5,547,861号および同第5,648,211号を参照されたい)。
【0080】
本明細書中で使用される場合、用語「線形増幅」とは、反応中の標的核酸の量に直線的に比例する標的核酸の増加を生じるように設計されている増幅機構をいう。例えば、転写関連反応を用いてDNA標的から複数のRNAコピーを作製することができ、ここでコピー数の増加は線形因子(例えば、鋳型の開始コピー×100)によって表すことができる。いくつかの実施形態において、多相増幅手順における第1相線形増幅は、第2相増幅反応が始まる前に、標的核酸鎖またはその相補体の開始数を少なくとも10倍、例えば、少なくとも100倍、または10~1,000倍増加させる。線形増幅システムの例は、「T7に基づくDNAの線形増幅」(TLAD、Liu et al.,BMC Genomics,4:Art.No.19,May 9,2003を参照されたい)である。他の方法は、例えば、米国特許第9,139,870号から既知であるか、または本明細書に開示されている。したがって、「線形増幅」という用語は、標的核酸配列の指数関数的増幅をもたらさない増幅反応を指す。用語「線形増幅」は、逆転写(RT)-PCRの場合のようにRNA分子の単一cDNA分子への転写のように、核酸鎖の単一コピーを単純に作製する方法を指すものではない。
【0081】
本明細書中で使用される場合、用語「指数関数的増幅」とは、反応中の標的核酸の量に幾何学的に比例する標的核酸の増加を生じるように設計されている核酸増幅をいう。例えば、PCRは、あらゆる元の標的鎖および存在するあらゆる合成鎖に対して1つのDNA鎖を生成する。同様に、転写関連増幅は、すべての元の標的鎖について、およびその後に合成されるすべての鎖について、複数のRNA転写物を生成する。増幅は指数関数的である。なぜなら、合成された鎖はその後の増幅ラウンドにおいて鋳型として使用されるからである。増幅反応は、増幅反応がそのような増加を生じるように設計されている限り、指数関数的に増幅すると考えられる量の核酸を実際に産生する必要はない。
【0082】
「転写関連増幅」または「転写媒介増幅」(TMA)は、核酸鋳型から複数のRNA転写物を産生するためにRNAポリメラーゼを使用する核酸増幅を指す。これらの方法は一般に、RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸、およびプロモーター配列、例えばT7プロモーターを含む鋳型相補的オリゴヌクレオチドを使用し、そして任意には1以上の他のオリゴヌクレオチドを含み得る。T7プロモーター含有オリゴマーが使用される場合、それは「T7プライマー」または「T7オリゴマー」と呼ばれることがあり、他のプライマー/オリゴマーは、「非T7」または「NT7」プライマー/オリゴマーと呼ばれることがある。TMA法および単一プライマー転写関連増幅法は、本明細書に記載のようにHCV標的配列の検出に使用される増幅法の実施形態である。転写関連増幅のバリエーションは、以前に詳細に開示されたように当該分野において周知である。(例えば、参照によりおのおのが本明細書に組み込まれる、米国特許第4,868,105号、同第5,124,246号、同第5,130,238号、同第5,399,491号、同第5,437,990号、同第5,554,516号および同第7,374,885号、ならびに国際特許出願公開第WO88/01302号、同第WO88/10315号、および同第WO95/03430号を参照されたい)。当業者は、開示された組成物がポリメラーゼによるオリゴマー配列の伸長に基づく増幅方法において使用され得ることを理解するであろう。
【0083】
本明細書中で使用される場合、用語「リアルタイムTMA」とは、リアルタイム検出によってモニターされる標的核酸の単一プライマー転写媒介増幅(「TMA」)をいう。
【0084】
本明細書で使用される「アンプリコン」または「増幅産物」という用語は、標的配列内に含まれる配列に対して相補的または相同な、増幅手順中に生成される核酸分子を指す。アンプリコンの相補的または相同的配列は、本明細書において「標的特異的配列」と呼ばれることがある。本開示の増幅オリゴマーを用いて生成されたアンプリコンは、非標的特異的配列を含み得る。アンプリコンは、二本鎖または一本鎖であり得、そしてDNA、RNA、またはその両方を含み得る。例えば、DNA依存性RNAポリメラーゼは、転写媒介増幅手順の間に二本鎖DNAから一本鎖アンプリコンを転写する。これらの一本鎖アンプリコンはRNAアンプリコンであり、増幅オリゴマーがどのように構成されているかに応じて、二本鎖複合体のいずれかの鎖であり得る。したがって、アンプリコンは一本鎖RNAであり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼは、RNA鋳型に相補的なDNA鎖を合成する。したがって、アンプリコンは、二本鎖DNAおよびRNAハイブリッドであり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼはしばしばRNase活性を含むか、またはRNA鎖を分解するRNaseと共に使用される。従って、アンプリコンは一本鎖DNAであり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼは、DNA鋳型から相補的DNA鎖を合成する。従って、アンプリコンは二本鎖DNAであり得る。RNA依存性RNAポリメラーゼは、RNAテンプレートからRNAを合成する。従って、アンプリコンは二本鎖RNAであり得る。DNA依存性RNAポリメラーゼは、転写とも称される二本鎖DNA鋳型からRNAを合成する。したがって、アンプリコンは一本鎖RNAであり得る。アンプリコンおよびアンプリコンを生成するための方法は当業者に知られている。本明細書における便宜上、RNAの一本鎖またはDNAの一本鎖は、本開示の増幅オリゴマーの組み合わせによって生成されたアンプリコンを表し得る。そのような表現は、アンプリコンを示される表現に限定することを意味しない。本開示を所有する当業者は、増幅オリゴマーおよびポリメラーゼ酵素を使用して、すべて本開示の精神および範囲内にある多数のタイプのアンプリコンのいずれかを生成するであろう。
【0085】
本明細書中で使用される場合、「非標的特異的配列」は、標準的なハイブリダイゼーション条件下で標的配列と安定にハイブリダイズしないオリゴマー配列の領域を指す。非標的特異的配列を有するオリゴマーとしては、プロモータープライマーおよび分子ビーコンが挙げられるが、これらに限定されない。増幅オリゴマーは、標的配列または鋳型配列に相補的ではない配列を含み得、例えば、プライマーの5’領域は、標的核酸に対して非相補的であるプロモーター配列(「プロモータープライマー」と呼ばれる)を含み得る。当業者は、プライマーとして機能する増幅オリゴマーが5’プロモーター配列を含むように改変され得、そしてそれ故プロモータープライマーとして機能することを理解するであろう。同様に、プロモータープライマーは、プロモーター配列の除去、またはプロモーター配列なしの合成によって改変されてもよく、それでもなおプライマーとして機能する。3’ブロック化増幅オリゴマーは、プロモーター配列を提供し、そして重合のための鋳型として機能し得る(「プロモータープロバイダー」と呼ばれる)。したがって、プロモータープライマーなどの増幅オリゴマーメンバーによって生成されるアンプリコンは、標的特異的配列および非標的特異的配列を含むであろう。
【0086】
「検出プローブ」、「検出オリゴヌクレオチド」、「プローブオリゴマー」、および「検出プローブオリゴマー」は互換的に使用されて、ハイブリダイゼーションを促進する条件下で、核酸中または増幅核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズして標的配列または増幅された核酸の検出を可能にする、核酸オリゴマーを指す。検出は直接的(例えばその標的配列に直接ハイブリダイズしたプローブ)または間接的(例えば中間分子構造を介してその標的に連結したプローブ)のいずれかであり得る。検出プローブは、DNA、RNA、それらの類似体またはそれらの組み合わせ(例えば、DNA/RNAキメラ)であり得、それらは標識されていてもいなくてもよい。検出プローブは、例えば2’-O-メチル結合などの代替骨格結合をさらに含み得る。検出プローブの「標的配列」は、一般に、標準的な塩基対合によってプローブオリゴマーの少なくとも一部に特異的にハイブリダイズする、より大きな核酸配列内のより小さな核酸配列領域を指す。検出プローブは、標的特異的配列およびプローブの三次元立体配座に寄与する他の配列を含み得る(例えば、参照によりおのおのが本明細書に組み込まれる、米国特許第5,118,801号、同第5,312,728号、同第6,849,412号、同第6,835,542号、同第6,534,274号、および同第6,361,945号、ならびに米国特許出願公開第20060068417号を参照されたい)。
【0087】
「安定」または「検出に対して安定」とは、反応混合物の温度が核酸二本鎖の融解温度より少なくとも2℃低いことを意味する。
【0088】
本明細書中で使用される場合、「標識」とは、検出されるかまたは検出可能なシグナルをもたらすプローブに直接的または間接的に結合した部分または化合物をいう。直接的標識化は、共有結合または非共有相互作用、例えば、水素結合、疎水性およびイオン性相互作用、またはキレートもしくは配位錯体の形成を含む、標識をプローブに連結する結合または相互作用を介して起こり得る。間接的な標識化は、直接的または間接的に標識化され、検出可能なシグナルを増幅することができる、架橋部分または結合対メンバー、抗体またはさらなるオリゴマーなどの「リンカー」の使用を通じて起こり得る。標識は、例えば放射性核種、リガンド(例えば、ビオチン、アビジン)、酵素または酵素基質、反応基、または発色団(例えば、検出可能な色を付与する染料、粒子、またはビーズ)、発光化合物(例えば、生物発光、燐光、または化学発光標識)、またはフルオロフォアのいずれかの検出可能な部分を含む。標識は、混合物中の結合標識プローブが非結合標識プローブとは異なる検出可能な変化、例えば不安定性または特異的な分解特性を示す均質アッセイにおいて検出可能であり得る。「均質な検出可能な標識」は、未結合形態の標識または標識プローブから結合したものを物理的に除去することなく検出することができる(例えば、参照によりおのおのが本明細書に組み込まれる、米国特許第5,283,174号、同第5,656,207号、および同第5,658,737号を参照されたい)。標識は、化学発光化合物、例えば、標準AEを含むアクリジニウムエステル(「AE」)化合物および誘導体を含む(例えば、参照によりおのおのが本明細書に組み込まれる、米国特許第5,656,207号、同第5,658,737号、および同第5,639,604号を参照されたい)。標識を核酸に付着させそして標識を検出する合成および方法は周知である。(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al.Molecular Cloning.A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Habor,N Y,1989),Chapter 10を参照されたい。また、参照によりおのおのが本明細書に組み込まれる、米国特許第5,658,737号、同第5,656,207号、同第5,547,842号、同第5,283,174号および同第4,581,333号を参照されたい)。1つより多い標識、および1つより多くの種類の標識が特定のプローブ上に存在し得るか、または検出は、各プローブが検出可能なシグナルを生じる化合物で標識されているプローブの混合物を使用し得る。(参照によりおのおのが本明細書に組み込まれる、米国特許第6,180,340号および同第6,350,579号を参照されたい)。
【0089】
「捕獲プローブ」、「捕獲オリゴヌクレオチド」、「捕獲オリゴマー」、および「捕獲プローブオリゴマー」は、標準的な塩基対合によって標的核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズし、固定化プローブ上の結合パートナーに結合して標的核酸を支持体に捕獲する、核酸オリゴマーを指すために互換的に用いられる。捕獲オリゴマーの一例は、2つの結合領域:通常は同じオリゴマー上の配列結合領域(例えば、標的部位)および固定化プローブ結合領域、を含むが、2つの領域は、1つ以上のリンカーによって互いに結合した2つの異なるオリゴマー上に存在し得る。捕獲オリゴマーの別の実施形態は、標的核酸に非特異的に結合し、それを支持体上の固定化プローブに結合するために、ランダムまたは非ランダムポリ-GU、ポリ-GT、またはポリU配列を含む標的配列結合領域を使用する。
【0090】
本明細書中で使用される場合、「固定化オリゴヌクレオチド」、「固定化プローブ」、「固定化結合パートナー」、「固定化オリゴマー」、または「固定化核酸」とは、捕獲オリゴマーを支持体に直接または間接的に結合する核酸結合パートナーを指す。支持体に結合した固定化プローブは、試料中の未結合材料からの捕獲プローブ結合標的の分離を容易にする。固定化プローブの一実施形態は、試料中の未結合材料からの結合標的配列の分離を容易にする、支持体に結合したオリゴマーである。支持体は、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シラン、ポリプロピレン、金属、または他の組成物でできていてもよい、その一実施形態は磁気的に誘引性の粒子である、既知の材料、例えばマトリックスおよび溶液中で遊離している粒子を含み得る。支持体は、固定化プローブが直接的に(共有結合、キレート化、またはイオン相互作用による)または間接的に(1つ以上のリンカーを介して)結合している単分散磁性球体(例:均一サイズ+5%)であってもよく、ここでプローブと支持体との間の結合または相互作用はハイブリダイゼーション条件下で安定である。
【0091】
「相補的」とは、2つの一本鎖核酸の類似領域、または同じ一本鎖核酸の2つの異なる領域のヌクレオチド配列が、ストリンジェントなハイブリダイゼーションまたは増幅条件下での安定な二本鎖水素結合領域下で、一本鎖領域が互いにハイブリダイズすることを可能にするヌクレオチド塩基組成を有することを意味する。互いにハイブリダイズする配列は、標準的な核酸塩基対合(例えば、G:C、A:T、またはA:Uの対合)によって意図する標的配列と完全に相補的または部分的に相補的であり得る。「十分に相補的」とは、一連の相補的塩基の間の水素結合によって別の配列とハイブリダイズすることができる連続した配列を意味し、これは標準的な塩基対合によって配列中の各位置で相補的であり得、相補的ではない無塩基残基を含む。十分に相補的な連続した配列は、典型的には、オリゴマーが特異的にハイブリダイズすることが意図される配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%相補的である。「十分に相補的」な配列は、たとえ配列が完全に相補的でなくても、適切なハイブリダイゼーション条件下で核酸オリゴマーとその標的配列との安定なハイブリダイゼーションを可能にする。ある一本鎖領域のヌクレオチドの連続した配列が、他の一本鎖領域のヌクレオチドの類似配列と一連の「基準の」または「ワトソン-クリック」水素結合塩基対を形成することができる、例えばAはUまたはTとペアになり、CはGとペアになる、場合、ヌクレオチド配列は、「完全に」相補的である(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al.,Molecular Cloning.A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)の§§1.90~1.91,7.37~7.57,9.47~9.51および11.47~11.57、特に§§9.50~9.51,11.12~11.13,11.45~11.47および11.55~11.57を参照されたい)。同一性のパーセントの範囲は全ての整数および部分的な数を含むことが理解される。(例えば、少なくとも90%は90、91、93.5、97.687などを含む)。特定の配列の「相補体」への言及は、文脈がそうでないと示さない限り、一般に完全に相補的な配列を示す。
【0092】
「ゆらぎ」塩基対とは、GとUまたはTのいずれかとの対合を指す。
【0093】
「優先的にハイブリダイズする」または「特異的にハイブリダイズする」とは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、プローブがそれらの標的配列またはその複製とハイブリダイズして安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成し、同時に安定なプローブ:非標的ハイブリッドの形成を最小化することを意味する。したがって、プローブは、非標的配列よりも十分に大きい程度まで標的配列またはその複製にハイブリダイズして、当業者が増幅中に形成された標的配列のRNA複製物または相補的DNA(cDNA)を正確に検出または定量することを可能にする。適切なハイブリダイゼーション条件は、当該分野において周知であり、配列組成に基づいて予測され得るか、または日常的な試験方法を使用することによって決定され得る (例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al.,Molecular Cloning.A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)の§§1.90~1.91,7.37~7.57,9.47~9.51および11.47~11.57,特に§§9.50~9.51,11.12~11.13,11.45~11.47および11.55~11.57を参照されたい)。
【0094】
「核酸ハイブリッド」、「ハイブリッド」、または「二重鎖」とは、二本鎖の水素結合領域を含む核酸構造を意味し、各鎖は他方に対して相補的であり、そしてこの領域は、限定されるものではないが、化学発光または蛍光検出、オートラジオグラフィー、またはゲル電気泳動を含む手段によって検出されるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で十分に安定である。そのようなハイブリッドは、RNA:RNA、RNA:DNA、またはDNA:DNA二重鎖分子を含み得る。
【0095】
「試料調製」は、試料中に存在するHCV核酸のその後の増幅および/または検出のために試料を処理する任意のステップまたは方法を指す。試料は、標的核酸が少数成分である成分の複合体混合物であり得る。試料調製は、より大きな体積の試料からの空中または水性の粒子の濾過によって、または標準的な微生物学的方法を使用することによる試料からの微生物の単離などによって、より大きな試料体積から微生物または核酸などの成分を濃縮する任意の既知の方法を含み得る。試料調製は、濾過、遠心分離または吸着を用いることによるなどして、細胞内成分を実質的に水性または有機相に放出するための細胞成分の物理的破壊および/または化学的溶解および破片の除去を含み得る。試料調製は、標的核酸を選択的または非特異的に捕獲し、それを他の試料成分から分離する核酸オリゴヌクレオチドの使用を含み得る(例えば、おのおのが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,110,678号および国際特許出願公開第WO 2008/016988号に記載されるものである。)。
【0096】
「分離する」または「精製する」ことは、試料の1つ以上の成分を他の試料成分から除去されるかまたは分離することを意味する。試料成分は、通常、一般的には水溶液相内の標的核酸を含むが、これはまた、細胞フラグメント、タンパク質、炭水化物、脂質、および他の核酸を含み得る。「分離する」または「精製する」ことは、いずれかの精製の程度を示すものではない。典型的には、分離または精製することは、他の試料成分から少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも95%の標的核酸を取り出す。
【0097】
本明細書中で使用される場合、「DNA依存性DNAポリメラーゼ」は、DNA鋳型から相補的DNAコピーを合成する酵素である。例としては、E.coli由来のDNAポリメラーゼI、バクテリオファージT7 DNAポリメラーゼ、またはバクテリオファージT4、Phi-29、M2もしくはT5由来のDNAポリメラーゼである。DNA依存性DNAポリメラーゼは、細菌もしくはバクテリオファージから単離されるかまたは組換え的に発現される天然に存在する酵素であり得るか、または特定の望ましい特性、例えば熱安定性、または様々な修飾鋳型からのDNA鎖を認識もしくは合成する能力を有するように操作された改変もしくは「進化」形態であり得る。。全ての既知のDNA依存性DNAポリメラーゼは合成を開始するために相補的プライマーを必要とする。適切な条件下で、DNA依存性DNAポリメラーゼはRNA鋳型から相補的DNAコピーを合成し得ることが知られている。RNA依存性DNAポリメラーゼは典型的にはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性も有する。
【0098】
本明細書中で使用される場合、「DNA依存性RNAポリメラーゼ」または「転写酵素」は、通常二本鎖であるプロモーター配列を有する二本鎖または部分的二本鎖DNA分子から複数のRNAコピーを合成する酵素である。RNA分子(「転写物」)は、プロモーターのすぐ下流の特定の位置から開始して5’から3’方向に合成される。転写酵素の例は、E.coliおよびバクテリオファージT7、T3、およびSP6由来のDNA依存性RNAポリメラーゼである。
【0099】
本明細書中で使用される場合、「RNA依存性DNAポリメラーゼ」または「逆転写酵素」(「RT」)は、RNA鋳型から相補的DNAコピーを合成する酵素である。全ての既知の逆転写酵素はまた、DNA鋳型から相補的DNAコピーを作製する能力を有する。したがって、それらはRNA依存性およびDNA依存性の両方のDNAポリメラーゼである。RTはまたRNAse H活性を有し得る。プライマーはRNAとDNAの両方の鋳型を用いて合成を開始するために必要である。
【0100】
「好熱性」は、酵素、例えばポリメラーゼが、約45℃より高い温度、例えば約50℃~99℃の範囲の温度で最適な活性を示すことを示す。いくつかの実施形態では、好熱性酵素は、60℃で20分間インキュベートしたときにその活性の50%を超える量を失うことはない。いくつかの実施形態では、好熱性酵素は、好熱性生物、例えば、その最適増殖温度が約45℃以上、例えば約50℃以上である生物から得られるかまたはそれに由来する。
【0101】
本明細書中で使用される場合、「選択的RNAse」は、RNA:DNA二本鎖のRNA部分を分解するが一本鎖RNA、二本鎖RNAまたはDNAを分解しない酵素である。例示的な選択的RNAseは、RNAse H酵素であり、RNAse Hと同じまたは類似の活性を有する酵素もまた使用され得る。選択的RNAseはエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであり得る。ほとんどの逆転写酵素は、それらのポリメラーゼ活性に加えてRNAse H活性を含む。しかしながら、関連するポリメラーゼ活性がなくても、他のRNAse H源が利用可能である。分解は、RNA:DNA複合体からのRNAの分離をもたらし得る。あるいは、選択的RNAseは、RNAの一部が融解するかまたは酵素がRNAの一部をほどくことを可能にするように、様々な位置で単にRNAを切断することができる。本開示のRNA標的配列またはRNA産生物を選択的に分解する他の酵素は、当業者には容易に明らかであろう。
【0102】
本明細書中で使用される場合、「標準曲線」は、(1)増幅前の量のポリヌクレオチド、および(2)増幅後の量の対応するアンプリコンのいくらかの時間依存のしるしに関する表現である。例えば、標準曲線は、x軸上にプロットされた既知の数の投入鋳型分子、およびy軸上にプロットされたあるレベルの検出可能なアンプリコン産生を達成するのに必要な時間値を有するグラフであり得る。標準曲線は、典型的には、既知の数のポリヌクレオチド鋳型を含む対照ポリヌクレオチド標準を用いて作成される。標準曲線は、電子形式で保存することも、グラフで表すこともできる。試験試料中の分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量は、当業者によく知られているように、試験試料について得られた測定された時間依存値を標準曲線と比較することによって決定することができる。
【0103】
増幅および/または検出システムの文脈において、用語「特異性」は、配列およびアッセイ条件に依存して標的配列と非標的配列とを区別するその能力を説明するシステムの特徴を指すために本明細書中で使用される。核酸増幅に関して、特異性は一般に、副産物の数に対する産生された特定のアンプリコンの数の比(例えば、シグナル対ノイズ比)を指す。検出に関して、特異性とは一般に、標的核酸から生成されたシグナルと非標的核酸から生成されたシグナルとの比を指す。
【0104】
用語「感度」は、核酸増幅反応を検出または定量することができる精度を指すために本明細書中で使用される。増幅反応の感度は、一般に、増幅系において確実に検出することができる標的核酸の最小コピー数の尺度であり、そして例えば、使用される検出アッセイ、および増幅反応の特異性、例えば、副産物に対する特異的アンプリコンの比率、に依存するであろう。
【0105】
本明細書で使用されるとき、用語「相対光単位」(「RLU」)および「相対蛍光単位」(「RFU」)は、所与の波長または波長帯で試料によって放出される光子の相対数を示す任意の測定単位を表す。RLUまたはRFUの測定は、測定に使用される検出器の特性によって異なる。
【0106】
本明細書中で使用される場合、用語「TTime」、「出現時間」、および「出現の時間」は交換可能であり、そしてアッセイデータのリアルタイムプロットにおける閾値時間またはシグナルの出現時間を表す。T Time値は、アンプリコン産生を示す特定の閾値がリアルタイム増幅反応において通過する時間を推定する。TTimeおよびTTime値を計算し使用するためのアルゴリズムは、Light et al.、米国特許出願公開第2006/0276972号の段落番号[0517]~[0538]に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。曲線当てはめ手順が、正規化されバックグラウンド補正されたデータに適用される。曲線当てはめは、所定の下限と上限との間のデータの一部に対してのみ実行される。データに適合する曲線を見つけた後の目的は、曲線またはその投影が所定の閾値と交差する点に対応する時間を推定することである。一実施形態では、正規化データの閾値は0.11である。上限および下限は、曲線がさまざまな対照データセットに適合する範囲が、与えられた閾値に関連する時間内で最小の変動性を示すように経験的に決定される。例えば、一実施形態では、下限は0.04であり、上限は0.36である。曲線は、下限を下回る最初のデータ点から上限を超える最初のデータ点までのデータに適合する。次に、適合の勾配が統計的に有意であるかどうかの決定がなされる。例えば、一次係数のp値が0.05より小さい場合、適合は有意と見なされ、処理が続行される。そうでなければ、処理は停止する。あるいは、データの有効性はRの値によって決定することができる。線形曲線y=mx+bの傾きmと切片bが近似曲線に対して決定される。その情報により、TTimeは次のように決定できる。TTime=(閾値-b)/m。
【0107】
他に示されない限り、以下の表に現れるオリゴマー配列は、小文字がオリゴマーについては2’-O-メチルRNAを、またはウイルス配列についてはRNAを示し、大文字はDNAを示すという慣例に従う。「(c9)」は-(CH-リンカーを示す。他に示されない限り、インビトロ転写物(IVT)配列はRNAである。
【0108】
特に特許請求の範囲における「配列番号Xの配列」への言及は、他に示されない限り、対応する配列表の記載の塩基配列を指し、骨格の同一性を必要としない(例えば、RNA、2’-O-Me RNA、またはDNA)。さらに、TおよびU残基は、他に示されない限り、配列表の記載の目的のために交換可能であると考えられるべきであり、例えば、6番目の位置の残基がTであるかUであるかにかかわらず、配列は配列番号2と同一であると見なすことができる。
【0109】
B.オリゴマー、組成物、およびキット
本開示は、試料からのHCVを増幅、検出、または定量するのに有用なオリゴマー、組成物、およびキットを提供する。
【0110】
いくつかの実施形態において、増幅オリゴマーが提供される。増幅オリゴマーは、一般に、例えばHCV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成された標的ハイブリダイズ領域を含む。異なる長さおよび塩基組成のオリゴマーがHCV核酸を増幅するために使用され得るが、いくつかの実施形態において、本開示におけるオリゴマーは、長さ10~60塩基、長さ14~50塩基、または長さ15~40塩基の標的ハイブリダイズ領域を有する。いくつかの実施形態では、約30~50個、例えば35~45個のヌクレオチドなどの比較的長い標的ハイブリダイズ領域を有する初期増幅オリゴマーが使用され、後の段階で、より短い標的ハイブリダイズ領域を有する増幅オリゴマー、例えば、約15~30ntのような約14~35ヌクレオチドが使用される。
【0111】
特定の実施形態では、本明細書に記載の増幅オリゴマーは、標的ハイブリダイズ配列の5’に位置し、HCV標的核酸と非相補的であるプロモーター配列をさらに含むプロモータープライマーである。例えば、HCV標的領域の増幅のための本明細書に記載のオリゴマー組み合わせのいくつかの実施形態では、(b)に記載の増幅オリゴマー(例えば、表1に示すアンチセンス標的ハイブリダイズ配列を含むまたはからなる増幅オリゴマー)は、5’プロモーター配列をさらに含むプロモータープライマーである。特定の実施形態において、プロモーター配列は、例えば、配列番号8に示される配列を有するT7プロモーター配列のようなT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列である。特定の変形形態では、プロモータープライマーは、配列番号9、配列番号10、またはいくつかの実施形態では配列番号11のうちの1つに示されるT7プロモーターを含む非HCV配列を含む。あるいは、増幅オリゴマーはプロモーター提供者であり得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、増幅オリゴマーはプロモータープライマーではなく、またはプロモーター配列を含まない。例えば、PCRベースのアプローチでは、プライマーは一般にプロモータープライマーではなく、そしてTMAベースのアプローチでは、プロモータープライマーではない少なくとも1つのプライマーが通常使用される(一方、少なくとも1つのプロモータープライマーも使用される)。
【0113】
いくつかの実施形態において、フォワード増幅オリゴマーであり、すなわちそれが(-)鎖HCV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成され、その標的ハイブリダイズ配列がHCVの「センス」配列に対応する第1の増幅オリゴマーが提供される。
【0114】
いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号75などのHCVゲノム核酸の65位を、例えば64~66、63~67、62~68、61~69、60~70、59~71、58~72、57~73、56~74、55~75、54~76、53~77、または52~78位を含むいくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号2に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号3または215に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号76~107のうちの1つに対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものを含めて、第1の増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わせることができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーとは異なるさらなるフォワード増幅オリゴマーである第2の増幅オリゴマーが提供される。実施例に記載されるように、第2のフォワード増幅オリゴマーを使用することは、遺伝子型間の配列変動にもかかわらず、HCV核酸の定量の相対精度を改善し得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号75などのHCVゲノム核酸の65位、例えば64~66、63~67、62~68、61~69、60~70、59~71、58~72、57~73、56~74、55~75、54~76、53~77、または52~78位を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号3に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第2の増幅オリゴマーは、配列番号2または215に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の増幅オリゴマーは、配列番号76~107のうちの1つに対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関しても含めて、第2の増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わせることができる。
【0117】
1つのフォワード増幅オリゴマーのみが使用される場合、それは本明細書における第1または第2の増幅オリゴマーのいずれかに起因する特徴を有し得ることに留意されたい。この注記は、例えば1つの捕獲オリゴマーのみが使用される場合など、序数詞が使用される他の場合にも準用され、それは本明細書中の第1または第2の捕獲オリゴマーのいずれかに起因する特徴を有し得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、逆増幅オリゴマーである、すなわちそれが(+)鎖HCV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成され、その標的ハイブリダイズ配列がHCVの「アンチセンス」配列に対応する第3の増幅オリゴマーが提供される。
【0119】
いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号75などのHCVゲノム核酸の106位、例えば105~107、104~108、103~109、102~110、101~111、100~112、99~113、98~114、97~115、96~116、95~117、94~118、または93~119位を含む。いくつかの実施形態において、第3の増幅オリゴマーは、配列番号7に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態において、第3の増幅オリゴマーは、配列番号218もしくは219の配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態において、第3の増幅オリゴマーは、配列番号147もしくは220の配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態において、第3の増幅オリゴマーは、配列番号75のN~119位(ここでNは87、88、89、90、91、92、93、94、または95である。)の相補体を含む標的ハイブリダイズ配列、またはそれに対して最大1もしくは2までのミスマッチを有する配列、例えば配列番号114~128の1つを含む。
【0120】
その配列に関するものも含めて、第3の増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わせることができる。
【0121】
第3の増幅オリゴマーの存在が必ずしも第1および第2の増幅オリゴマーの両方の存在を意味するわけではないことに注意すべきである。例えば、第1および第3の増幅オリゴマーのみの存在下で指数関数的増幅を実施することが可能である。さらに、線形増幅は、いずれかのフォワード増幅オリゴマーを必要とせずに、第3の増幅オリゴマーの存在下で実施され得る。いくつかの実施形態では、第3の増幅オリゴマーはプロモータープライマーであり、その結果、それは上記で論じられたプロモータープライマーの任意の特徴を有し得る。この注記は、例えば第2の捕獲オリゴマーの存在が必ずしも第1の捕獲オリゴマーの存在を意味するとは限らないなど、序数詞が用いられる他の場合にも準用される。
【0122】
いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーが提供される。初期増幅オリゴマーは、それらが存在するかまたは使用される限りにおいて、第1、第2、および第3の増幅オリゴマーと異なり得る。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、第3の増幅オリゴマーなどの少なくとも1つの他の増幅オリゴマー、または第1、第2、および第3のAOよりも長い標的ハイブリダイズ領域を有する。実施例に記載されるように、長い標的ハイブリダイズ領域を含む初期増幅オリゴマーを使用することは、その後の特定のHCV遺伝子型の増幅および定量を改善し、それによって全体的な検出および定量性能を改善し得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーの標的配列は、配列番号75などのHCVゲノム核酸の99位、例えば98~100、97~101、96~102、95~103、94~104、93~105、92~106、91~107、90~108、89~109、88~110、87~111、86~112、85~113、84~114、83~115、82~116、81~117、80~118、または80~119位を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号6に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号218もしくは219の配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーは、配列番号75のN~119位(ここで、Nは79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、もしくは95である。)の相補体を含む標的ハイブリダイズ配列、またはそれに対して1もしくは2までのミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものも含めて、初期増幅オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わせることができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプローブオリゴマーが提供される。相補的増幅配列にハイブリダイズする検出プローブのいくつかの実施形態は、DNAもしくはRNAオリゴマー、またはDNAとRNAヌクレオチドとの組み合わせを含むオリゴマー、または改変骨格を用いて合成されたオリゴマー、例えば1つ以上の2’-メトキシ置換リボヌクレオチドを含むオリゴマーであり得る。増幅されたHCV配列の検出に使用されるプローブは、非標識で間接的に(例えば、プローブ上の部分への別の結合パートナーの結合によって)検出されてもよく、または様々な検出可能な標識で標識されてもよい。検出プローブオリゴマーは、核酸骨格中の1つ以上の結合に2’-メトキシ骨格を含み得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、本開示による検出プローブオリゴマーはさらに標識を含む。特に適切な標識は、検出可能な光シグナルを発する化合物、例えば、均一混合物中で検出され得るフルオロフォアまたは発光(例えば、化学発光)化合物を含む。1つより多い標識、および1つより多くの種類の標識が特定のプローブ上に存在し得るか、または検出は、各プローブが検出可能なシグナルを生じる化合物で標識されているプローブの混合物の使用に頼り得る(例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,180,340号および同第6,350,579号を参照されたい)。標識は、共有結合、キレート化、およびイオン相互作用を含む様々な手段によってプローブに付着させることができるが、いくつかの実施形態では、標識は共有結合的に付着させる。例えば、いくつかの実施形態では、検出プローブは、例えばアクリジニウムエステル(AE)化合物などの付着された化学発光標識を有し(例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,185,439号、同第5,639,604号、同第5,585,481号、および同第5,656,744号を参照されたい)、これは、典型的な変形において、非ヌクレオチドリンカーによってプローブに付着される(例えば、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,585,481号、同第5,656,744号、および同第5,639,604号を参照されたい)。
【0126】
本開示による検出プローブオリゴマーは、非標的ハイブリダイズ配列をさらに含み得る。いくつかの用途において、少なくともある程度の自己相補性を示すプローブは、検出前にハイブリダイズしていないプローブの除去を最初に必要とせずに試験試料中のプローブ:標的二本鎖の検出を容易にするために望ましい。そのような検出プローブの具体的な実施形態は、例えば、一般にヘアピンと呼ばれる立体配座のような、分子内ハイブリダイゼーションによって保持される立体配座を形成するプローブを含む。特に好適なヘアピンプローブは、「分子トーチ」(例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,849,412号、同第6,835,542号、同第6,534,274号、および第6,361,945号を参照されたい)および「分子ビーコン」(例えば、Tyagi et al.、前出、米国特許第5,118,801および米国特許第5,312,728号、上記を参照されたい)を含む。さらに他の実施形態では、検出プローブは、分子内結合によって保持される立体配座を実質的に形成しない線状オリゴマーである。
【0127】
例として、「分子ビーコン」と呼ばれる構造は、標的相補配列、標的核酸配列の非存在下で閉じた立体配座にプローブを保持する親和性対(または核酸アーム)を有する核酸分子、およびプローブが閉じた立体配座にあるときに相互作用するラベルペアを含む。標的核酸と標的相補的配列とのハイブリダイゼーションは、親和性対のメンバーを分離し、それによってプローブを開放立体配座にシフトさせる。開放型立体配座へのシフトは、例えば、フルオロフォアと消光剤(例えば、DABCYLとEDANS)であり得る標識対の相互作用の減少により検出可能である。分子ビーコンは、米国特許第5,925,517号に十分に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。HCV特異的核酸配列を検出するのに有用な分子ビーコンは、本明細書に開示されるプローブ(例えば、標的ハイブリダイズ)配列の1つのいずれかの末端にフルオロフォアを含む第1の核酸アームおよび消光剤部分を含む第2の核酸アームを付加することによって作り出され得る。この構成では、本明細書に開示されるHCV特異的プローブ配列は、得られる分子ビーコンの標的相補的「ループ」部分として働き、一方、プローブの自己相補的「アーム」はプローブの「ステム」部分を表す。
【0128】
本開示と併せて使用され得る自己相補的ハイブリダイゼーションアッセイプローブの別の例は、一般に「分子トーチ」と呼ばれる(時には単にトーチと呼ばれる)構造である。これらの自己報告プローブは、結合領域(例えば、-(CH-リンカー)によって接続され、そして所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いにハイブリダイズする、自己相補性の異なる領域(造形された「標的結合ドメイン」および「標的閉鎖ドメイン」)を含むように設計されている。適切な標的または変性条件に曝されると、分子トーチの2つの相補的領域(完全にまたは部分的に相補的であり得る)が融解し、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件が回復したときに標的結合ドメインが標的配列へのハイブリダイゼーションに利用可能になる。分子トーチは、標的結合ドメインが標的閉鎖ドメインよりも標的配列へのハイブリダイゼーションを促進するように設計されている。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的閉鎖ドメインは、分子トーチが標的核酸にハイブリダイズするときとは対照的に、分子トーチが自己ハイブリダイズするときには異なるシグナルが生成されるように配置された相互作用標識(例えば、蛍光/消光剤)を含み、それにより、それに関連する実行可能な標識を有するハイブリダイズしていないプローブの存在下で試験試料中のプローブ:標的二本鎖を検出することができる。分子トーチは、米国特許第6,361,945号に十分に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0129】
いくつかの実施形態における分子トーチおよび分子ビーコンは、相互作用可能な対の検出可能な標識で標識されている。相互作用可能な対の標識のメンバーである検出可能な標識の例には、FRETまたは非FRETエネルギー移動メカニズムによって互いに相互作用するものが含まれる。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)は、熱エネルギーへの変換なくおよび供与体および受容体が動的衝突を起こすことなく、原子間距離よりもかなり長い距離にわたる、発色団間の共鳴相互作用による、吸収部位からその分子または分子系におけるその利用部位へのエネルギー量子の無放射伝達を含む。「供与体」は最初にエネルギーを吸収する部分であり、そして「受容体」はその後エネルギーが伝達される部分である。FRETに加えて、励起エネルギーを供与体から受容体分子に伝達することができる少なくとも3つの他の「非FRET」エネルギー転移プロセスがある。
【0130】
2つの標識が十分に接近して保持されて、1つの標識によって発せられたエネルギーが第2の標識によって受け取られるかまたは吸収されることができる場合、FRETまたは非FRETメカニズムによって2つの標識は互いに「エネルギー伝達関係」にあると言われている。これは、例えば、分子二重標識がステム二本鎖の形成によって閉状態に維持され、そしてプローブの一方のアームに結合した発蛍光団からの蛍光発光が反対側のアーム上の消光部分によって消光される場合である。
【0131】
開示された分子トーチおよび分子ビーコンのための例示的な標識部分には、発蛍光団および蛍光消光特性を有する第二の部分(すなわち、「消光剤」)が含まれる。この実施形態では、特性シグナルは特定の波長の蛍光である可能性が高いが、あるいは可視光シグナルでもよい。蛍光が関与する場合、発光の変化は、いくつかの実施形態では、FRETによるものか、または放射エネルギー移動もしくは非FRETモードによるものである。閉状態の一対の相互作用標識を有する分子ビーコンが適切な周波数の光によって刺激されると、非常に低い可能性がある第1のレベルで蛍光シグナルが生成される。この同じプローブが開放状態にあり、適切な周波数の光によって刺激されると、フルオロフォア部分と消光剤部分とは互いに十分に分離され、それらの間のエネルギー移動は実質的に排除される。その条件下では、消光剤部分は発蛍光団部分からの蛍光を消光することができない。発蛍光団が適切な波長の光エネルギーによって刺激されると、第一のレベルより高い第二のレベルの蛍光シグナルが発生する。2つの蛍光レベル間の差は、検出可能かつ測定可能である。このようにフルオロフォアおよび消光剤部分を使用すると、分子ビーコンは「開放」立体配座において「オン」になるだけであり、プローブが容易に検出可能なシグナルを発することによって標的に結合することを示す。プローブの立体配座状態は、標識部分間の相互作用を調節することによってプローブから発生したシグナルを変える。
【0132】
本開示に関連して使用され得る供与体/受容体標識対の例は、FRETを非FRET対と区別することを試みることなく、フルオレセイン/テトラメチルローダミン、IAEDANS/フルオロセイン、EDANS/DABCYL、クマリン/DABCYL、フルオレセイン/フルオレセイン、BODIPY FL/BODIPY FL、フルオレセイン/DABCYL、ルシファーイエロー/DABCYL、BODIPY/DABCYL、エオシン/DABCYL、エリスロシン/DABCYL、テトラメチルローダミン/DABCYL、Texas Red/DABCYL、CY5/BH1、CY5/BH2、CY3/BH1、CY3/BH2、およびフルオレセイン/QSY7染料が含まれる。当業者であれば、供与体色素と受容体色素が異なる場合、受容体の増感蛍光の出現または供与体蛍光の消光によってエネルギー移動を検出できることを理解するであろう。供与体種と受容体種が同じ場合、エネルギーは結果として生じる蛍光偏光解消によって検出することができる。DABCYLおよびQSY7染料などの非蛍光受容体は、直接(すなわち、非増感)受容体励起から生じるバックグラウンド蛍光の潜在的な問題を有利に排除する。供与体-受容体対の一方のメンバーとして使用することができる例示的なフルオロフォア部分には、フルオレセイン、ROX、およびCY色素(例えば、CY5)が含まれる。与体-受容体対の他のメンバーとして使用することができる例示的な消光剤部分には、DABCYLおよびBiosearch Technologies、Inc.(Novato、Calif.)から入手可能なBLACK HOLE QUENCHER部分が含まれる。
【0133】
核酸ポリメラーゼによって伸長されることを意図しないオリゴマー、例えばプローブオリゴマーおよび捕獲オリゴマーは、増幅反応においてオリゴマーの酵素媒介伸長を防ぐために3’OHを置換するブロッカー基を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において増幅中に存在するブロック化増幅オリゴマーおよび/または検出プローブは、官能性3’OHを有さず、その代わりに3’末端またはその近くに位置する1つ以上のブロッキング基を含む。3’末端近くのブロッキング基は、いくつかの実施形態では3’末端から5残基以内であり、ポリメラーゼのオリゴマーへの結合を制限するのに十分に大きく、他の実施形態は3’末端に共有結合したブロッキング基を含む。多くの異なる化学基、例えばアルキル基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン-ジオールジデオキシヌクレオチド残基、およびコルジセピンが3’末端をブロックするために使用され得る。
【0134】
長さおよび塩基組成の異なるオリゴヌクレオチドプローブをHCV核酸の検出に使用することができるが、本開示におけるプローブのいくつかの実施形態は、長さ10~60塩基、または長さ14~50塩基、または長さ15~30塩基である。
【0135】
いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーの標的配列は、配列番号75などのHCVゲノム核酸の88または89位、例えば88~89、87~90、86~91、85~92、84~93、83~94、82~95、または81~96位を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号13に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態において、プローブオリゴマーは、配列番号216の1~19位の配列、または配列番号217の1~19位の配列、またはそれらに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号12に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態では、プローブオリゴマーは、配列番号216もしくは217の配列、またはそれに対して最大1もしくは2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関するものも含めて、プローブオリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わせることができる。
【0136】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの捕獲オリゴマーが提供される。捕獲オリゴマーは、HCV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成された標的ハイブリダイズ配列、例えば10~60塩基長、または14~50塩基長、または15~30塩基長を含む。標的ハイブリダイズ配列は、固定化プローブに結合する配列または部分、例えばビーズなどの固体基質に結合したオリゴマーに共有結合している。
【0137】
より具体的な実施形態では、捕獲プローブオリゴマーは、HCV標的配列に相補的ではないが固定化結合パートナー(例えば、固定化プローブ)の配列に特異的にハイブリダイズするテール部分(例えば、3’テール)を含み、例えば参照により本明細書に組み込まれる、例えば米国特許第6,110,678号に既に記載されているように、それにより標的核酸を他の試料成分から分離することを可能にする部分として働く。任意の配列をテール領域に使用することができ、これは一般に長さ約5~50ntであり、特定の実施形態は少なくとも約10nt、例えば約10~40nt(例:A10 (配列番号22の1位~10位)~A40 (配列番号268))、例えば約14~33nt(例:A14 (配列番号22の1位~14位)~A30 (配列番号22)またはT14 (配列番号21の1位~17位)~T30 (配列番号21))の実質的にホモポリマーテール(「ポリ-N配列」)を含み、これは、固体支持体、例えばマトリックスまたは粒子に付着した相補的固定化配列(例えば、ポリ-T)に結合する。例えば、3’テールを含む捕獲プローブの特定の実施形態では、捕獲プローブは配列番号16または17から選択される配列を有する。
【0138】
いくつかの実施形態において、第1の捕獲オリゴマーが提供される。いくつかの実施形態では、第1の捕獲オリゴマーの標的配列は、配列番号75などのHCVゲノム核酸の307位、例えば306~308、305~309、304~310、303~311、302~312、301~313、300~314、299~315、または298~316位を含む。いくつかの実施形態において、第1の捕獲オリゴマーは、配列番号54に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の捕獲オリゴマーは、配列番号16に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の捕獲オリゴマーは、配列番号161~165のうちの1つの1~19位に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関しても含めて、第1の捕獲オリゴマーの様々な実施形態が上記の要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わせることができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、第1の捕獲オリゴマーとは異なる第2の捕獲オリゴマーが提供される。いくつかの実施形態では、第2の捕獲オリゴマーの標的配列は、配列番号75などのHCVゲノム核酸の335位または336位、例えば335~336、334~337、333~338位、332~339、331~340、330~341、329~342、328~343、または327~344位などを含む。いくつかの実施形態において、第2の捕獲オリゴマーは、配列番号55に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態において、第2の捕獲オリゴマーは、配列番号17に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の捕獲オリゴマーは、配列番号161~165のうちの1つの1~19位に対して最大1または2のミスマッチを有する配列を含む。その配列に関しても含めて、第2の捕獲オリゴマーの様々な実施形態が上記要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わせることができる。
【0140】
その配列に関しても含めて、第2の捕獲オリゴマーの様々な実施形態が上記要約に開示されており、それらのいずれも、この節で上述した特徴と実行可能な範囲で組み合わせることができる。
【0141】
例えば、条件が増幅に適していることを立証することによって陰性結果が有効であることを確認するために、内部対照オリゴマーを提供することができる。例示的な対照標的捕獲オリゴマーは配列番号15である。例示的な対照増幅オリゴマーは、配列番号18および19である。例示的な対照プローブオリゴマーは配列番号20である。対照増幅オリゴマーによって増幅することができる対照鋳型も提供することができる。対照テンプレートは既知のプロトコルに従って調製することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,785,844号を参照すれば、これはHIV-1配列の一部を含むインビトロで合成された転写物および内部対照プローブによって標的化される特有の配列からなる内部対照を記載する。
【0142】
本開示の特定の態様では、試料中のHCVの有無を判定するため、またはHCVを定量するために、少なくとも2つのオリゴマーの組み合わせが提供される。いくつかの実施形態では、オリゴマーの組み合わせは、例えば、配列番号1、75の配列を有するHCV標的核酸、表5で言及されるHCV株、配列番号63~74のいずれかのHCV由来の配列、または実施例10に記載のHCV構築物、の標的領域を増幅するのに適した少なくとも2つの増幅オリゴマーを含む。そのような実施形態では、少なくとも1つの増幅オリゴマーはセンス配向(「センスTHS」)の標的ハイブリダイズ配列を含み、少なくとも1つの増幅オリゴマーはアンチセンス配向(「アンチセンスTHS」)の標的ハイブリダイズ配列を含み、センスTHSおよびアンチセンスTHSはそれぞれ、HCV配列内の標的配列に特異的にハイブリダイズするように構成されている。標的ハイブリダイズ配列は、アンチセンスTHSによって標的化されたHCV配列がセンスTHSによって標的化されたHCV配列の下流に位置するように選択される(すなわち、少なくとも2つの増幅オリゴマーは、それらが増幅されるべき標的領域に隣接するように配置される。)。
【0143】
オリゴマーは、様々な組み合わせ(例えば、キットまたは組成物)で提供することができ、例えば、2、3、4、5、6、または7個の第1の増幅オリゴマー、第2の増幅オリゴマー、第3の増幅オリゴマー、初期増幅オリゴマー、プローブオリゴマー、第1の捕獲オリゴマー、および第2の捕獲オリゴマー、例えば初期増幅オリゴマーおよび少なくとも1つの捕獲オリゴマー、任意に初期増幅オリゴマーをさらに含む、第1の捕獲オリゴマーおよび第2の捕獲オリゴマー;任意にプローブオリゴマーをさらに含む、第1の増幅オリゴマーおよび第3の増幅オリゴマー;任意にプローブオリゴマーをさらに含む、第1、第2、および第3の増幅オリゴマー;任意にプローブオリゴマーをさらに含む、初期増幅オリゴマー、少なくとも1つの捕獲オリゴマー、第1の増幅オリゴマー、および第3の増幅オリゴマー;任意にプローブオリゴマーをさらに含む、初期増幅オリゴマー、第1の捕獲オリゴマー、第2の捕獲オリゴマー、第1の増幅オリゴマー、および第3の増幅オリゴマー;任意にプローブオリゴマーをさらに含む、初期増幅オリゴマー、少なくとも1つの捕獲オリゴマー、第1の増幅オリゴマー、第2の増幅オリゴマー、および第3の増幅オリゴマー;あるいは、任意にプローブオリゴマーをさらに含む、初期増幅オリゴマー、第1の捕獲オリゴマー、第2の捕獲オリゴマー、第1の増幅オリゴマー、第2の増幅オリゴマー、および第3の増幅オリゴマー、を含む。組み合わせは、対照オリゴマーまたはそれらの組み合わせ、例えば、2つの対照AO、対照標的捕獲オリゴマー、および/または対照プローブオリゴマーをさらに含み得る。いくつかの態様において、第1および第2のAOの両方が存在する。いくつかの実施形態では、初期AOと第3のAOの両方が存在する。いくつかの実施形態では、初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーの両方が存在し、ここで、初期増幅オリゴマーおよびプローブオリゴマーは、HCV核酸中の少なくとも5、10、または15の共通位置などの少なくとも1つの共通位置にアニールする。
【0144】
いくつかの実施形態において、組み合わせは、対照オリゴマーを含まず、8、7、6、または5を超える異なるオリゴマーを含まない。そのような実施形態では、誤った組み込み、二重組み込み、省略、またはオリゴマー合成中の他の誤りから生じ得るような、微量(例えば、変異体に最も類似した配列を有するオリゴマーなどの主要なオリゴマー種に対して約15モル%以下または約10モル%以下)で存在する変異体は、異なるオリゴマーとは見なされない。
【0145】
いくつかの実施形態において、オリゴマーの組み合わせは、以下の実施例のいずれかに記載されるように、または実施例に記載される個々の反応において提供される。
【0146】
いくつかの実施形態では、例えばキットまたは組成物中のオリゴマーの組合せは、少なくとも3、4、5または6つのHCV遺伝子型(例えば、1a型、1b型、2b型、3a型、3b型、4h型、5a型、6a型)の核酸に、任意には試料中に存在すると疑われる他の、非HCV核酸(例えば、他の血液媒介病原体)への最小限の交差反応性で、特異的にハイブリダイズするように構成される。特定の変形形態では、本開示の組成物はさらに、前述の種類の5’UTRとは異なり、例えば少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、.35、40、45、または配列番号166~213もしくは214の配列を含む全てのHCV株(例えば表5に列記された菌株)の、HCV配列の検出を可能にする。いくつかの実施形態では、オリゴマーの組み合わせを使用して、1logのHCV 1aの範囲内でそのような株を定量することができる。いくつかの実施形態では、オリゴマーの組み合わせを使用して、0.5logのHCV 1aの範囲内のそのような株を定量することができる。いくつかの態様では、本開示の組成物は、A型肝炎、B型肝炎、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、HIV、パルボウイルス、風疹、デング熱2、デング熱3、デング熱4、エプスタイン-バー、および西ナイルウイルスのうちの1以上、またはすべてに対して最小の交差反応性でHCV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成されている。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、1つ以上の、またはすべてのC.albicans、C.diphtheriae、P.acnes、S.aureus、S.epidermis、S.pneumoniaeに最小限の交差反応性で、HCV核酸に特異的にハイブリダイズするように構成されている。一態様では、本開示の組成物は、これらの生物のうちの1つ以上を検出するための構成要素および方法をさらに含む多重システムの一部である。
【0147】
本開示によってまた提供されるのは、試料中のHCV標的核酸の存在または非存在を決定するため、またはその量を定量するための反応混合物である。本開示による反応混合物は、少なくとも以下のうちの1つ以上を含む:HCV標的核酸の増幅のための本明細書に記載のオリゴマーの組み合わせ、HCV標的核酸を精製するための本明細書に記載の捕獲プローブオリゴマー、HCV増幅産物の有無を判定するための本明細書に記載の検出プローブオリゴマー、HCV標的核酸を検出するためのアッセイの感度を離調させるための、本明細書に記載のプローブ保護オリゴマー。いくつかの実施形態では、上記の任意のオリゴマーの組み合わせが反応混合物中に存在する。反応混合物は、例えば捕獲プローブ核酸のアレイなどの多数の任意成分をさらに含んでもよい。増幅反応混合物については、反応混合物は典型的には、例えば緩衝液、塩溶液、適切なヌクレオチド三リン酸(例えば、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、ATP、CTP、GTPおよびUTP)などのインビトロ増幅を実施するのに適した他の試薬、および/または酵素(例えば、逆転写酵素、および/またはRNAポリメラーゼ)を含み、典型的には試験サンプル成分を含み、その中にHCV標的核酸が存在してもしなくてもよい。さらに、増幅オリゴマーの組み合わせと共に検出プローブを含む反応混合物については、反応混合物のための増幅オリゴマーおよび検出プローブオリゴマーの選択は共通の標的領域によって連結される(すなわち、反応混合物は、反応混合物の増幅オリゴマーの組み合わせによって増幅可能な配列に結合するプローブを含むであろう。)。
【0148】
本開示によってまた提供されるのは、本明細書に記載の方法を実施するためのキットである。本開示によるキットは少なくとも以下のうちの1つ以上を含む:HCV標的核酸の増幅のための本明細書に記載の増幅オリゴマーの組み合わせ、HCV標的核酸を精製するための本明細書に記載の捕獲プローブオリゴマー、HCV増幅産物の有無を判定するための本明細書に記載の検出プローブオリゴマー、およびHCV標的核酸を検出するためのアッセイの感度を離調させるための、本明細書に記載のプローブ保護オリゴマー。いくつかの実施形態では、上記の任意のオリゴマーの組み合わせがキット中に存在する。キットは、例えば捕獲プローブ核酸のアレイなどのいくつかの任意成分をさらに含み得る。キット中に存在し得る他の試薬には、例えば緩衝液、塩溶液、適切なヌクレオチド三リン酸(例えば、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、ATP、CTP、GTPおよびUTP)、および/または酵素(例えば、逆転写酵素、および/またはRNAポリメラーゼ)などのインビトロ増幅を行うのに適した試薬が含まれる。本明細書に記載のオリゴマーは様々な異なる実施形態で包装することができ、当業者は本開示が多くの異なるキット構成を包含することを理解するであろう。例えば、キットは、HCVゲノムの1つの標的領域のみのための増幅オリゴマーを含み得るか、またはそれは複数のHCV標的領域のための増幅オリゴマーを含み得る。加えて、増幅オリゴマーの組み合わせと共に検出プローブを含むキットについては、キットのための増幅オリゴマーおよび検出プローブオリゴマーの選択は、共通の標的領域によって連結される(すなわち、キットは、キットの増幅オリゴマーの組み合わせによって増幅可能な配列に結合するプローブを含むであろう)。特定の実施形態において、キットは、本開示による方法を実施するための一組の使用説明書をさらに含み、使用説明書は、添付文書および/またはキットもしくはその構成要素の包装に関連し得る。
【0149】
C.方法および使用
本明細書に開示するいかなる方法も、本方法の目的に差し向けられた本方法に関与する材料の対応する使用の開示としても理解されることになっている。HCV配列を含むオリゴマーのうちのいかなるもの、およびこのようなオリゴマーを含むいかなる組み合わせ(例えば、キットおよび組成物)も、HCVを検出または定量する上での使用のために、およびHCVを検出または定量するための組成物の調製における使用のために、開示されもするものとして理解されることになっている。
【0150】
大まかにいえば、方法は、次の構成要素、すなわち、HCV核酸が捕獲オリゴマーおよび場合により初期増幅オリゴマーへアニールされた標的捕獲体、標的オリゴマーと会合していない材料を除去するための単離、例えば、洗浄、線形増幅、指数関数的増幅、ならびに指数関数的増幅とともにリアルタイムで実施され得るアンプリコン検出、例えば、アンプリコン定量、のうちの1つ以上を含むことができる。ある特定の実施形態は、上述のステップの各々を包含する。ある特定の実施形態は、線形増幅を伴わない指数関数的増幅を包含する。ある特定の実施形態は、洗浄、単離、および線形増幅を包含する。ある特定の実施形態は、指数関数的増幅およびアンプリコン検出を包含する。ある特定の実施形態は、先に列挙した構成要素のうちのいずれか2つを包含する。ある特定の実施形態は、直上に列挙したいずれか2つの構成要素、例えば、洗浄および線形増幅、または線形増幅および指数関数的増幅を包含する。
【0151】
いくつかの実施形態において、増幅は、HCV標的核酸に対応するHCV核酸標的領域を増幅するために核酸試料を少なくとも2つのオリゴマーと接触させることであって、先に説明したような少なくとも2つの増幅オリゴマー(例えば、指数関数的増幅のために、センス方向に向けられた1つ以上、およびアンチセンス方向に向けられた1つ以上)を含む、接触させることと、(2)試料中に存在する何らかのHCV標的核酸が、増幅産物を生成するための鋳型として使用される、インビトロ核酸増幅反応を実施することと、(3)増幅産物の有無を検出し、それにより試料中のHVCの有無を決定すること、または試料中のHCV核酸の量を定量することと、を含む。
【0152】
本開示に従った検出方法は、当該方法のその後のステップへ供されることになっている試料を得るステップをさらに含むことができる。ある特定の実施形態において、使用することになっている試料「を得ること」は、例えば、当該方法のうちの1つ以上のステップが実施される検査施設または他の場所で試料を受領すること、および/または当該方法のうちの1つ以上のステップが実施される施設内の場所から(例えば、貯蔵施設または他の保管所から)試料を検索することを含む。
【0153】
ある特定の実施形態において、当該方法は、HCV標的核酸を試料中の他の成分から、例えば、捕獲ステップの前のような増幅前に精製することをさらに含む。このような精製は、試料中に含有される生体を分離および/もしくは濃縮する方法、または非核酸試料成分、例えば、タンパク質、炭水化物、塩、脂質などを除去もしくは分解する方法を含んでもよい。いくつかの実施形態において、試料中のDNAは、例えば、DNアーゼを用いて、場合により、DNアーゼを除去もしくは失活させること、または分解したDNAを除去することを用いて分解される。
【0154】
特定の実施形態において、標的核酸を精製することは、標的核酸を捕獲して、標的核酸を他の試料構成要素から特異的にまたは非特異的に分離することを含む。非特異的標的捕獲法は、実質的に水性の混合物からの核酸の選択的沈殿、他の試料構成要素を除去するために洗浄される支持体への核酸の付着、またはHCV核酸および他の試料構成要素を含有する混合物から核酸を物理的に分離する他の手段を包含してもよい。
【0155】
標的捕獲は典型的には、ハイブリダイズ条件下で、通常、尾部配列:固定したプローブ配列の二本鎖のTよりも高い温度で、HCV標的配列に特異的にハイブリダイズする1つ以上の捕獲プローブオリゴマーを含有する液相混合物中で生じる。捕獲プローブ尾部を含む実施形態については、捕獲プローブ尾部が固定プローブにハイブリダイズするようにハイブリダイズ条件を調整することによって、HCV標的:捕獲プローブ複合体を捕獲する。ある特定の実施形態は、常磁性ビーズのような、粒子状固体支持体を用いる。
【0156】
単離は捕獲の後に続くことができ、ここで、固体支持体上の複合体は、他の試料構成要素から分離される。単離は、何らかの適切な技術、例えば、HCV標的配列と会合した支持体を1回以上(例えば、2回または3回)洗浄して、他の試料構成要素および/または会合していないオリゴマーを除去することによって達成することができる。常磁性ビーズのような粒子状固体支持体を用いる実施形態において、HCV-標的と会合した粒子は、洗浄溶液中で懸濁され、いくつかの実施形態において磁力を用いることによって、洗浄溶液から回収されてもよい。取り扱いステップ数を制限するために、HCV標的核酸は、支持体上の複合体におけるHCV標的配列を増幅オリゴマーと単純に混合して、増幅ステップへと進行することによって増幅されることがある。
【0157】
線形増幅は、例えば、標的核酸配列を、標的核酸配列の線形増幅を支持し、その指数関数的増幅に必要とされる少なくとも1つの構成要素を欠失する第1の相の増幅反応混合物と接触させることによって実施することができる。いくつかの実施形態において、第1の相の増幅反応混合物は、逆転写酵素、ポリメラーゼ、およびこれらの組み合わせから選択される増幅酵素を含む。ポリメラーゼは、典型的にはRNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性RNAポリメラーゼ、およびこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、第1の相の増幅反応混合物はさらに、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)HまたはRNアーゼH活性を有する逆転写酵素のようなRNアーゼを含む。いくつかの実施形態において、第1の相の増幅混合物は、RNアーゼH活性を有する逆転写酵素、およびRNAポリメラーゼを含む。
【0158】
いくつかの実施形態において、第1の相の増幅混合物は、増幅オリゴヌクレオチドも含むことがある。増幅オリゴヌクレオチドは、T7 RNAポリメラーゼのようなRNAポリメラーゼについての5’プロモーター配列、および/またはその酵素的伸長を防止する遮断された3’末端を含むことができる。さらに、第1の相の増幅混合物は、時には、所望の終点を超えた標的核酸配列の酵素的伸長を防止するための遮断性オリゴヌクレオチドを含むことがある。
【0159】
先に記載のとおり、第1の相の増幅反応のカギとなる特色は、指数関数的増幅反応を支持するその不能性であり、その理由は、指数関数的増幅に必要とされる1つ以上の構成要素が欠失しているか、および/または指数関数的増幅を阻害する作用因子が存在しているか、および/または反応混合物の温度が指数関数的増幅に対して伝導していない、などである。制限なしで、指数関数的増幅に必要とされる欠失している構成要素および/または阻害因子および/または反応条件は、次の群、すなわち、増幅オリゴヌクレオチド(例えば、RNAポリメラーゼについての5’プロモーター配列、非プロモーター増幅オリゴヌクレオチド、またはこれらの組み合わせを含む増幅オリゴヌクレオチド)、酵素(例えば、RNAポリメラーゼのようなポリメラーゼ)、ヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、切断酵素、RNアーゼ、ホスホリラーゼ、グリコシラーゼなど)、酵素補助因子、キレート剤(例えば、EDTAまたはEGTA)、リボヌクレオチド三リン酸(rNTP)、デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)、Mg2+、塩、緩衝液、酵素阻害薬、遮断性オリゴヌクレオチド、pH、温度、塩濃度およびこれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの場合、欠失する構成要素は、第1の相の反応において存在する指数関数的増幅の阻害因子の効果を逆転させる作用因子のように、間接的に関与し得る。
【0160】
HCV標的配列を指数関数的に増幅することは、増幅されることになっている標的領域に隣接する少なくとも2つの増幅オリゴマーを用いるインビトロ増幅反応を利用する。いくつかの実施形態において、先に説明したような第1および第2の増幅オリゴマーは、順方向の向きで提供され、第3の増幅オリゴマーは、逆方向の向きで提供される。特定の実施形態において、増幅されることになっている標的領域は、ヌクレオチド位置79を含む配列番号75の領域、例えば、約位置74~84、69~89、64~94、59~99、59~109、または52~119(増幅産物へと組み込まれるオリゴマー配列を含む)に実質的に相当する。これらの標的領域の増幅に特に適した増幅オリゴマーの組み合わせは、先に説明されている。適切な増幅方法は、例えば、レプリカーゼ媒介増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、および転写媒介増幅または転写関連増幅(TMA)を含む。
【0161】
例えば、TMA増幅を使用するいくつかの増幅方法は、次のステップを含む。簡潔には、増幅されることになっている配列を含有する標的核酸は、一本鎖の核酸(例えば、HCV RNAのようなssRNA)として提供される。当業者は、代替的に、DNAがTMAにおいて使用されることができることを認識するであろうし、二本鎖核酸(例えば、dsDNA)の従来の融解は、一本鎖標的核酸を提供するために使用してもよい。プロモータープライマー(例えば、先に説明したようなプロモーターを含む第3の増幅オリゴマー)は、その標的配列において標的核酸へ特異的に結合し、逆転写酵素(RT)は、標的鎖を鋳型として用いてプロモータープライマーの3’末端を伸長して、cDNA伸長産物を創出し、ssRNAが元の鋳型であった場合、RNA:DNA二本鎖を結果的に生じる。RNアーゼは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を消化し、第2のプライマーは、プロモータープライマーの末端から下流のcDNA鎖に位置するその標的配列へ特異的に結合する。RTは、第1のcDNA鋳型を用いて他のプライマーの3’末端を伸長することによって、新たなDNA鎖を合成して機能的プロモーター配列を含有するdsDNAを創出する。次に、プロモーター配列に特異的なRNAポリメラーゼは、転写を開始して、反応において初期標的鎖の約100~1000増幅コピー(「アンプリコン」)であるRNA転写産物を生成する。増幅は、他のプライマーがアンプリコンの各々におけるその標的配列へ特異的に結合するときに続行し、RTはアンプリコンRNA鋳型からDNAコピーを創出して、RNA:DNA二本鎖を生成する。反応混合物中のRNアーゼは、RNA:DNA二本鎖からアンプリコンRNAを消化し、プロモータープライマーは、新たに合成されたDNAにおけるその相補的配列へ特異的に結合する。RTは、プロモータープライマーの3’末端を伸長して、機能的プロモーターを含有するdsDNAを創出し、当該dsDNAへRNAポリメラーゼが結合して、標的鎖と相補的なさらなるアンプリコンを転写する。より多数のアンプリコンコピーを作製する自己触媒周期は、試料中に存在する標的核酸が結果的に約10億倍増幅する反応の経過中に反復する。増幅産物は、増幅中に、または増幅反応の終了時に、増幅産物中に含有される標的配列へ特異的に結合するプローブを用いることによってリアルタイムで検出され得る。結合したプローブから結果的に生じるシグナルの検出は、試料中の標的核酸の存在を示す。
【0162】
いくつかの実施形態において、方法は、「逆」TMA反応を利用する。このような変法において、開始または「順方向」増幅オリゴマーは、標的領域の3’末端の近傍で標的核酸にハイブリダイズするプライミング性オリゴヌクレオチドである。逆転写酵素(RT)は、標的核酸を鋳型として用いてプライマーの3’末端を伸長することによって、cDNA鎖を合成する。その他のまたは「逆方向」増幅オリゴマーは、合成されたcDNA鎖内に含有される標的配列にハイブリダイズするよう構成された標的ハイブリダイズ配列を有するプロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーである。第2の増幅オリゴマーがプロモータープライマーである場合、RTは、cDNA鎖を鋳型として用いてプロモータープライマーの3’末端を伸長して、標的配列鎖の第2のcDNAコピーを創出し、それにより機能的プロモーター配列を含有するdsDNAを創出する。次に、増幅は、前段落においてRNAポリメラーゼを利用するプロモーター配列からの転写の開始について本質的に先に説明したとおり続行する。あるいは、第2の増幅オリゴマーがプロモータープロバイダーである場合、標的領域の5’末端の近傍にある標的配列にハイブリダイズする終止オリゴヌクレオチドは、終止オリゴヌクレオチドの3’末端でプライミング性オリゴマーの伸長を終止するよう典型的に利用され、それにより、プライミング性オリゴマーからの伸長によって合成した初期cDNA鎖について定義された3’末端を提供する。プロモータープロバイダーの標的ハイブリダイズ配列は次に、初期cDNA鎖の定義された3’末端にハイブリダイズし、cDNA鎖の3’末端を、プロモータープロバイダーのプロモーター配列と相補的な配列を付加するよう伸長して、結果的に二本鎖プロモーター配列の形成を生じる。次に、初期cDNA鎖を鋳型として用いて、プロモーター部分を含んでいない、初期cDNA鎖と相補的な複数のRNA転写産物を、二本鎖プロモーターを認識してそこから転写を開始するRNAポリメラーゼを用いて転写する。これらのRNA転写産物の各々は次に、第1のプライミング性増幅オリゴマーからのさらなる増幅のための鋳型として役立つよう利用可能である。
【0163】
検出ステップは、種々の公知の技術のうちのいずれかを用いて実施され、例えば、増幅産物を、標識した検出プローブにハイブリダイズして、標識したプローブから結果的に生じるシグナルを検出することなどによって、増幅した標的配列と特異的に会合したシグナルを検出し得る。検出ステップは、例えば、その核酸塩基配列の全部または一部など、増幅した配列に関するさらなる情報も提供し得る。検出は、増幅反応が完了した後に実施され得、または標的領域を例えばリアルタイムで増幅することと同時に実施され得る。一実施形態において、検出ステップは、均一な検出、例えば、ハイブリダイズしていないプローブの混合物からの除去なしでの、ハイブリダイズしたプローブの検出を可能にする(例えば、各々が本明細書で参照により組み込まれる米国特許第5,639,604号および第5,283,174号を参照されたい)。いくつかの実施形態において、核酸は、検出可能な電荷など、物理的変化を結果として生じる表面と会合している。増幅した核酸は、当該核酸をマトリックス中もしくはマトリックス上で濃縮して、核酸もしくは当該核酸と会合した色素(例えば、臭化エチジウムまたはサイバーグリーンなどの挿入剤)を検出することによって、または液相中の核酸と会合した色素の増加を検出することによって検出されてもよい。他の検出方法は、増幅した産物中の配列と特異的にハイブリダイズして、プローブ:生成物複合体の存在を検出するように、または増幅産物と会合した検出可能なシグナルを増幅し得るプローブの複合体を使用することによって、構成された核酸検出プローブを用いてもよい(例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,424,413号、第5,451,503号、および第5,849,481号)。増幅した産物と特異的に会合する直接的または間接的に標識したプローブは、試料中の標的核酸の存在を示す検出可能なシグナルを提供する。特に、増幅した産物は、HCVゲノムRNA中の標的配列またはHCVゲノムRNA中の配列と相補的な標的配列を含有するであろうし、プローブは、検査した試料中のHCV核酸の存在を示すために、増幅した産物中に含有される配列へ直接的にまたは間接的に結合するであろう。
【0164】
増幅ステップの終了近くまたは終了時に増幅した産物を検出する実施形態において、線形検出プローブは、増幅した産物とのプローブのハイブリダイゼーションを示すためにシグナルを提供するよう使用されてもよい。このような検出の1例は、標的核酸にハイブリダイズする発光標識したプローブを用いる。次に、発光標識を、ハイブリダイズしていないプローブから加水分解する。検出は、ルミノメーターを用いて化学発光によって実施される。(例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願公開第WO89/002476号を参照されたい)。リアルタイム検出を用いる他の実施形態において、検出プローブは、例えば、プローブが、増幅した産物へ結合するときに検出されるレポーター部分で標識された分子ビーコン、分子トーチ、またはハイブリダイゼーションスイッチプローブのようなヘアピンプローブであってもよい。このようなプローブは、標的にハイブリダイズする配列と、標的にハイブリダイズしない配列とを含み得る。このようなプローブの種々の形態は、すでに説明されている(例えば、参照により本明細書に各々組み込みまれる米国特許第5,118,801号、第5,312,728号、第5,925,517号、第6,150,097号、第6,849,412号、第6,835,542号、第6,534,274号、および第6,361,945号、ならびに米国特許出願公開第20060068417A1号および第20060194240A1号を参照されたい)。
【0165】
いくつかの実施形態において、分子トーチ(単にトーチとも時に称する)が検出に使用される。いくつかの実施形態において、トーチは、先に開示したようなプローブオリゴマーである。
【0166】
概して、開示された方法は、分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量と、分析物アンプリコンの増幅後の量とに関する標準曲線を考慮に入れるステップを包含することができる。
【0167】
リアルタイム増幅反応は、反応に入力される分析物ポリヌクレオチドの数と時間の関数として合成される分析物アンプリコンの数との間の定量的な関連性を有利に特色とするので、検査試料中に存在する分析物ポリヌクレオチドの数は、標準曲線を用いて決定することができる。例えば、既知の量のポリヌクレオチド標準曲線を含有する複数の増幅反応は、未知数の分析物ポリヌクレオチドを含有する検査試料を用いて調製された増幅反応と並行して実行することができる。あるいは、標準曲線は、分析手順が実施される各時間の曲線を準備することが不必要であるよう、事前に準備することができる。事前に準備したこのような曲線は、検査機器の記憶装置に電子的に記憶することさえできる。第1の軸上のポリヌクレオチド標準物質の増幅前の量と、第2の軸上の核酸増幅のある特定のレベル(背景シグナルを上回る出現の時間など)をもたらすのに必要とされる時間のいくつかの兆候とを有する標準曲線を次に準備する。検査反応のために測定される分析物アンプリコンの増幅後の量は次に、標準曲線の増幅後の軸上に位置する。曲線の他の軸上の対応する値は、検査反応において存在した分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量を表す。したがって、検査試料中に存在する分析物ポリヌクレオチドの分子の数を決定することは、標準曲線を考慮に入れることによって、より詳細には、通常レベルの当業者になじみがあるであろう手順である、検査試料について得られた定量的な結果を標準曲線と比較することによって達成される。
【0168】
本明細書に説明する手順は、検査試料中に存在する分析物ポリヌクレオチド(例えば、HCV核酸)を定量するために容易に使用することができる。実際に、複数の標準的な対照増幅反応が既知数の分析物ポリヌクレオチド標準物質を用いて開始される場合、および未知数の分析物ポリヌクレオチド分子を含む検査反応が実施される場合、各反応におけるある特定のレベルの増幅をもたらすのに必要とされる時間を測定した後に、検査試料中に存在しなければならなかった分析物ポリヌクレオチド分子の数を決定することはできる。標準的な増幅反応へと入力される分析物ポリヌクレオチド分子の数と、ある特定のレベルの増幅をもたらすのに必要とされる時間との間の関連性は、グラフを用いて簡便に確立される。検査試料中に存在する分析物ポリヌクレオチドの数を決定することは単に、測定された分析物アンプリコンシグナル強度に対応する分析物ポリヌクレオチド分子の数を標準グラフから決定することである。このことは、分析物ポリヌクレオチド標準物質が、検査試料中に含有される分析物ポリヌクレオチドの増幅前の量を定量するために、ポリヌクレオチド増幅反応に関連してどのように用いることができるかを例証する。
【0169】
いくつかの実施形態において、方法または使用は、場合により試料(例えば、他の血液由来の病原体)中にあると疑われる他の非HCV核酸との最小限の交差反応性に、少なくとも3、4、5、または6のHCV遺伝子型(1a、1b、2b、3a、3b、4h、5a、6a型)の実質的に等価の定量(例えば、1、0.5、または0.25対数内)を提供することができる。ある特定の変化において、本開示の方法および使用は、上述の型、例えば、配列番号166~213または214の配列を含む少なくとも1、2,3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45または全部のHCV株(例えば、表5に列挙される株)の5’UTRから、HCV遺伝子型1a(例えば、配列番号75)まで変化するHCV配列の定量、例えば、実質的に等価の定量(例えば、1、0.5、または0.25対数内)をさらに可能にする。いくつかの態様において、本開示の方法および使用は、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、HIVウイルス、パルボウイルス、風疹ウイルス、デング熱ウイルス2型、デング熱ウイルス3型、デング熱ウイルス4型、エプスタイン・バーウイルス、西ナイルウイルスのうちの1つ以上または全部との最小限の交差反応性を示す。いくつかの実施形態において、本開示の方法および使用は、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)、ジフテリア菌(C.diphtheriae)、プロピオニバクテリウム・アクネス(P.acnes)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、表皮ブドウ球菌(S.epidermis)、スタフィロコッカス・ニューモニアエ(S.pneumoniae)のうちの1つ以上または全部に対する最小限の交差反応性を示す。一態様において、本開示の方法および使用は、上述のウイルスまたは微生物のうちの1つ以上を検出するための方法で多重になる。概して、最小限の交差反応性は、少なくとも約95%の特異性、例えば、少なくとも約96%、97%、98%、または99%を示すものとして理解される。
【実施例
【0170】
以下の実施例は、ある特定の開示された実施形態を例証するよう提供され、本開示の範囲をいかなる方法でも制限するものとして解釈されないことになっている。
【0171】
一般的な試薬および方法。別段の記載がない限り、増幅は、T7 RNAポリメラーゼおよび逆転写酵素を用いた転写媒介増幅を等温で用いて実行した。標準的な転写媒介増幅(TMA)反応は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,399,491号においてKacian et al.によって本質的に説明されるように実施した。
二相性TMAは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,139,870号において本質的に説明される通り実施した。概して、二相性手順において付加された最後のプライマーは、T7プライマー、または2つの異なるT7プライマー配列の組み合わせが使用される短めのT7プライマーとした。
【0172】
増幅反応は、T7プライマーおよび非T7プライマーの反応あたり約5~10pmoleを用いて種々のプライマーの組み合わせについて実施した。
【0173】
検出には、5’-蛍光体(例えば、FAMまたはROX)および3’-消光剤(例えば、DABCYL)を含有するプローブオリゴマーとして分子トーチを用いた(FAMおよびDABCYLについては「5F3D」またはROXおよびDABCYLについては「5R3D」)。トーチは、参照により組み込まれる米国特許第6,849,412号において詳細に考察されている。トーチは概して、-(CH-リンカーを3’末端の近く(例えば、3’末端から5番目のヌクレオチドと6番目のヌクレオチドとの間、または4番目のヌクレオチドと5番目のヌクレオチドとの間)に含有していた。標的捕獲は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,034,554号において本質的に説明されるとおり実施した。
【0174】
例示的な内部対照オリゴマーおよび鋳型は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,785,844号において考察されている。
【0175】
実施例1-HCV遺伝子型および例示的なオリゴマーのためのHCVインビトロ転写産物
HCVの5’非翻訳領域(UTR)を、遺伝子型にわたってHCVを検出するためのアッセイ標的として選択した。この領域の保存された性質は、類似のプライマーおよび検出プローブを用いてHCVの複数の遺伝子型を検出することができる遺伝子検査を可能にすると考えられた。5’-UTRの長さは、HCV遺伝子型間で約90%の相同性の341塩基長である。5’UTRは、ウイルスRNA複製に必要とされるが、翻訳に必須ではない。
【0176】
HCV 1aインビトロ転写産物(IVT)を、926塩基の転写長およびHCV 1a 5’-UTR領域を含む837塩基対の相配列挿入長を有するpBluescript II SK(+)ベクターを用いて生成した。このIVTおよびその後のIVTについての配列情報は、後述の配列表に示されている。
【0177】
HCV 2b IVTを元来、HCV 2b 5’-UTRの998塩基の転写長および約850塩基対の配列挿入長を有するpBluescript II SK(+)へと配置した。
【0178】
HCV 3a臨床試料から作製した一定分量のIVTストックを用いて、IVTをcDNAクローンへと逆転写し、これをIVT製造に適したpBluescript II SK(+)ベクターへと挿入した。プラスミドインサートを配列決定し、Los Alamos HCV DB由来の配列と比較し、それにより当該クローンが公知のHCV 3a遺伝子型配列と一致することを確認した。この新たなプラスミド由来のIVTを、HCV 3aの5’UTR領域の大部分と5’コード領域とを含有する861塩基のIVTを結果的に生じるT7プロモーターを用いて発生させた。IVTの3’領域が阻害構造(非表示)を形成していることを示唆する初期の実験に続いて、HCV 3aIVTがHCV3b IVTとより密接に対合するようHCV 3aIVTから3’オープンリーディングフレーム(ORF)領域を除去した。
【0179】
HCV 3aの新たな第2版IVT(3aV2)は、標的捕獲オリゴマーHCV0297(-)dT3dA30(配列番号16)に対する結合部位の直後からORF開始位置の近くまでを除去して、結果的に最終長の351塩基を有するおよそ400塩基短いIVTを生じる3’IVTの終止部を有した。HCV 3aV2の長さおよび領域は、322塩基のHCV3bIVT配列とより類似している。
【0180】
52-78(+)非T7プライマーのちょうど5’の高GC領域を除去することによって、3a V2 IVTとはわずかに異なるさらなる3a型第3版(3aV3)を作製した。第V2版は、HCV 3aの第V1版または第V3版よりもHCV3b IVTに対する良好な増幅および検出性能を示した。
【0181】
HCV3bの5’-UTRのPCR産物をTOPOクローニングプラスミドへと挿入し、転写産物長が422塩基であるSP6プロモーターをオフにした。その後、このインサートを325塩基対長のpBluescript II SK(+)プラスミドへと転移させた。元のインサートは、元のRT-PCRプライマーによって導入された突然変異を有していた。この突然変異を修正して、HCV3b遺伝子型配列についてLos Alamos DBと対合させた。
【0182】
長さ422塩基対のHCV 4hインサート配列を元来、SP6プロモーターを含有するTOPOベクター内へと入れた。他のIVTとより一致させるために、T7プロモーターを用いてインサートを、325塩基長のIVTを有するpBluescript II SK(+)プラスミドへと移動させて、IVTを発生させた。
【0183】
生成した元のTOPO HCV 4hIVTは、誤対合にもかかわらず、HCV 1aと比較して過剰定量している。The optical density (OD), molecular weight, and sequence of the HCV4hIVTの光学密度(OD)、分子量、および配列を再確認し、正確であることを認めた。したがって、HCV 1aに対する過剰定量が4hIVT配列に対して本質的であると結論付けられた。この効果は、0.15対数差未満である(非表示)。
【0184】
HCV 5a配列を元来、長さ435塩基対のTOPOクローンID100007内に入れ、IVTはT7 TOPOプロモーターをオフにさせた。当該配列がHCV 3a、3b、4hおよび6aと類似のIVT配列を有するであろうように、pBluescript II SK(+)ベクターへと移動させた。IVTのものを再度、pBluescript II SK(+)T7プロモーターを用いて調製した。結果的に生じるIVT長のpBluescript II(+)プラスミドは、HCV 5aの5’UTR領域を用いて325塩基のIVTを発生させる.
【0185】
HCV 6a配列を元来、438塩基対の塩基対長のTOPOクローンID100008へと入れ、T7プロモーターを用いて発生させた。T7プロモーターを用いて当該配列をpBluescript II SK(+)ベクター内へと移動させ、IVTを発生させた。結果的に生じるIVT長のpBluescript II SK(+)ベクターは、HCV 6aの5’UTR領域を用いて328塩基IVTを発生させる。
【0186】
選択されたpBluescript IVT配列と例示的なオリゴマーとのアラインメントを図1に示す。
【0187】
実施例2-初期アッセイ設計
HCV配列からアラインメントを創出し、Los Alamosデータベース(2008)(hcv.lanl.gov)由来の配列を含む種々のHCV遺伝子型のうちの配列差を同定した。初期セットのオリゴマーを、5’末端から約塩基50で開始する、遺伝子型のうちで約90%相同である領域であるC型肝炎ウイルスポリタンパク質前駆体(HCV-1)の5’UTR領域を標的とするよう設計した。本明細書で説明するプライマー配列は、誤対合を有さないHCV-1a mRNAゲノム配列(GenBank受託番号M62321)(配列番号75)と整列させる。
【0188】
この元来のHCVオリゴマーセットは、次の特徴を有していた(図1における丸囲み)。トーチ68~86オリゴマーは、HCV 3a/b型についての2つの誤対合を有しており、遺伝子型間で大きな違いを有する貧弱な増幅動態を有していた。非T7 50~66オリゴマーは、HCV 3a型において1つの誤対合を有しており、T7 95-119は、HCV 2b、3a、および4hの各々において1つの誤対合を有している。元来のオリゴマーセットの検査由来の増幅曲線は図2に示しており、このオリゴマーセットを用いた異なるHCV遺伝子型の定量における差を明確に実証する。例えば、CAL02条件(10コピー/ml)の下で、HCV 1aは、CAL04条件(10コピー/ml)よりも約5分間遅れて増幅し、HCV 2bは、意味のある増幅をしなかったが、その他の検査した遺伝子型は、一致していない増幅動態を示した。
【0189】
実施例3-HCV非T7プライマー選択
新たなオリゴマー設計を行った。プローブについて図1の左側の四角で囲んだ領域を含む代替的な領域を標的とし、これは、HCV遺伝子型全部と対合した。非T7およびT7をこのプローブ領域の周りに設計した。高C鎖を含有するオリゴマー設計のための貧弱な領域を図1の一番右側の四角で囲んだ領域に示す。この領域におけるオリゴマーまたはこの領域にわたって増幅するオリゴマーは、増幅しなかったかまたは非常に貧弱な増幅を示した。
【0190】
非T7プライマーについての新たな配列を元来の配列と比較した。HCV 1aおよび3aについてHCV NT7 52~78と比較した遺伝子型1aおよび3a(緑色および金色)を有する元来のHCV NT7 50~66オリゴマーを用いた較正曲線は、NT7 52~78配列を用いることが、より迅速な出現時間を付与したことと、当該遺伝子型がより類似していることとを示した(図3における4つからなる小文字の群における線)。
【0191】
非T7プライマー設計に影響する配列の誤対合は主として、HCV 3a/3b配列にある。HCV 3aIVTを用いて実施した実験において、標準的な転写媒介増幅(TMA)遺伝子型1aおよび3aと対合するHCV52~78 NT7配列の50:50の混合物である新たなトーチおよびT7 HCV 93~119(-)は、いずれかの52~78 NT7配列単独よりも等しい定量を示した(図4A図4C)。これらのオリゴマーをすべての遺伝子型で再検査した。
【0192】
HCV遺伝子型をすべて、新たなオリゴマーHCV非T7 52~78t(5’-GGAACTTCTGTCTTCACGCAGAAAGCG)(配列番号215)を含む異なる非T7プライマーで検査した。HCV 3aは、HCV非T7 52~78t(のみ)で定量化された下にある (図5Aにおける矢印)のに対し、HCV非T7 52~78tg(のみ)は、遺伝子型にわたる定量において類似性を示している(図5B)。HCV 5aは、定量がわずかに過小評価されているが、この配列は、T7領域において2つの誤対合を有している。これらの実験は、HCV 4h、5aおよび6aについてのTOPO IVT配列を用いた。HCV NT7 52~78遺伝子型3a配列(「52~78tg」、52~78-1とも称する)(配列番号2)をオリゴマーセットにおける封入のために選択した。
【0193】
図6に示されているのは、二相性TMAフォーマット(内部対照(IC)を含む)におけるHCV非T7 52~78tg(のみ)を含むHCVプライマーセットについての確証的な実験結果である。7つのHCV遺伝子型を10kコピー/mlで検査し(図6における「04」項目)、遺伝子型2~6についての1Mコピー/ml(図6における「07」項目)を標的に対する対数差として示す。図6における「CAL」の登録は、遺伝子型1aを用いたが、他の項目の遺伝子型は、最後の2文字、例えば、「2B」によって指示される。本実験についてのIVTは、HCV遺伝子型4h、5a、および6aについてのTOPOプラスミド由来であり、pBluescript IVTは、HCV 1a、2b、3a(第1版)および3bについてのTOPOプラスミド由来である。
【0194】
実施例4-HCVトーチ選択実験
元来のオリゴマーセットにより、HCVトーチ68~86は、HCV 3aおよびHCV 3b配列との2つの誤対合を有していた。数個の配列を、完全対合領域において検査し(図1の左側の四角)、いくつかは、配列を有するまたは有さない対合領域の縁部においてCのものと対合していた。元来のトーチHCV68~86配列を1つずつ、HCV80~98 5st a(+)(5‘-CUAGCCAUGGCGUUAGUAU-(c9)-gcuag(配列番号216))と比較し、この比較は、出現曲線がHCV 3aとは劇的に異なっていることを示す(図7)。
【0195】
HCV 1aおよびHCV 3aという2つのIVTを用いて検査した3つのトーチについての出現時間較正曲線を図8に示す。元来のオリゴマーセットにより、HCV 3aの遺伝子型の明確な遅延がある(条件3)(図8における直線矢印で示された上側の較正曲線)。幹部領域の異なる80~98標的結合領域を有する2つのHCVトーチ(トーチ80~98_5st(5’-gCUAGCCAUGGCGUUAGUAU-(c9)-cuagc)(配列番号217)および80~98_5st_a)は、68~86についてのHCV 1aの較正曲線(曲線矢印で示す)およびHCV 3aの較正曲線(cnd3、対照(cnt)セット)に対して、HCV 1aおよびHCV 3aについて一緒により近くに動態を移動させる(図8)。
【0196】
純粋な系(標的捕獲なし)を有するHCVトーチ81~96および81~97による全HCV遺伝子型との実際の対合は、HCV 1aについてHCVトーチ80~98対照と差がないことを示す(図9)。HCVトーチ81~96を さらなる使用のために選択したところ、標的結合領域においてHCVトーチ80~98 5st aよりも3塩基短い。
【0197】
実施例5-HCV T7プライマーおよび初期増幅オリゴマーの選択
T7配列を元来のオリゴマーセット、HCVトーチ68~86、およびHCV非T7 50~66で検査する実験を、標準的なTMAフォーマットを用いた一本鎖HCV増幅において実施した。HCV 1aについての較正曲線をT7配列における変化を用いて実施し、図10において示されるT7配列による出現時間に対する依存性を明らかにした。T7 99-119(5’-
【化1】
、配列番号218、斜字の標的ハイブリダイズ配列)は、アッセイの終了時に出現時間の5分間の遅延を結果的に生じるT7 95-119に対する標的結合領域から除去された4塩基を有する。T7 99-1191(5’-
【化2】
、配列番号219、斜字の標的ハイブリダイズ配列)は、さらなる遅延を示した。’-
【0198】
単体および混合物を検査する、亜型を対合させる一連の標準的なT7プライマーをTCRおよびAMP2において検査した。HCV 5a 遺伝子型は常に、完全に対合していない限り、遅延した。しかしながら、5aと完全に対合したプライマーは、T7領域の標的結合領域の中心におけるAA誤対合によるように、HCV 1aを遅延させた(データ非表示)。イノシン塩基を有する標準的なT7プライマーも、図11におけるアラインメントの四角によって示されるように、遺伝子型間の増幅を平衡化するよう試みて検査した。7遺伝子型はすべて、二相性TMAフォーマットにおいて検査した(HCV 4、5、および6遺伝子型についてのTOPO IVTを用いる)。
【0199】
3つのT7プライマーを比較する3つのコピーレベルについての一連の出現曲線は、イノシン塩基が図12A図12Dにおける矢印によって示されるように存在したとき、より低い濃度の崩壊を明らかにした。改善が観察されなかったので、プライマーにおけるイノシン塩基を用いたさらなる研究を実施しなかった。
【0200】
高C領域において設計されたT7プライマーも、トーチと非T7プライマーとの組み合わせにおいて検査したが、感度レベルは、さらなる研究を正当化しなかった(データ非表示)。
【0201】
初期の初回に関する誤対合を除去するための一連のHCV T7初期増幅オリゴマーを検査し、ここで、T7初期増幅オリゴマーをTCRへ標的捕獲オリゴマー(TCO)全部を用いて付加し、最短の標準的なT7 HCV 93-119(HCV 1aと対合)をプロモーターAMP2試薬へ付加した。HCV遺伝子型1a、2bおよび5aをTCRおよびAMP2の両方において存在する2つの候補初期増幅オリゴマーT7 89-119およびT7 80-119と対照T7 93-119とを用いて初期スクリーニングした。図13A図13Cにおいて呈されるデータについては、HCV 1aについての較正因子は、Cal02=2.0、Cal04=4.0およびCal06=6.0対数コピー/mlである。HCV遺伝子型2bおよび5aについては、濃度は、CTR01=2.3、CTR02=4.3およびCTR03=6.3対数コピー/mlである。出現曲線は、cal全部と3つのレベルの対照とを示す。対照条件(T7 93-119)(図13A)は、遺伝子型全部におけるレベルの最小の定義された群を示すのに対し、T7 89-119(図13B)およびT7 80-119(図13C)条件は、別個のレベルを示す(が、T7 89-119およびT7 80-119はわずかに異なるレベルを有する)(図13A図13C)。
【0202】
各T7初期増幅オリゴマーについてのHCV 1aとのHCV 2bおよびHCV 5a対数差を図14に示しており、HCV 5aについては最大の差である(TOPOプラスミド由来のIVT)。3つのプライマー全部のT7標的結合領域における2つのAA誤対合があるが、長めのT7配列89-119および80-119は、増幅の初期についての誤対合を克服する。
【0203】
HCV 6遺伝子型全部をHCV 1aと比較するために、同じ3つのT7初期増幅オリゴマーHCV T7 93-119、T7 89-119、および80-119(全部についての対照およびAMP2)をHCV遺伝子型1a、2b、3a/b、4h、5a、および6a(HCV遺伝子型4~6についてのTOPOプラスミドにおける)で検査した。較正因子(先行実験と同じレベル)としてプロットした遺伝子型全部についての比率較正曲線は、長めの初期増幅オリゴマー(T7 89-119または80-119)が明確に、HCV 5a増幅曲線を他の遺伝子型のものとより類似することを示す(図15A図15C)。
【0204】
HCV 1a較正因子に対する遺伝子型についての定量における差としてプロットされるこの同じデータセットは図16に示されており、HCV T7 89-119初期増幅オリゴマーのような長めの初期増幅オリゴマーを用いた改善も例証する(3つからなる各セットにおける中心棒)。
【0205】
HCV T7プライマーの元来の標準的なTMAスクリーニングの間、HCV T7 89-119は、内部対照(IC)プライマー(非表示)とのプライマー相互作用を有すると同定された。この相互作用により、標準的なTMAフォーマットにおけるその使用は回避されたが、HCV T7 89-119は、二相性TMAフォーマットにおいて使用することができる。
【0206】
遺伝子型における対数コピー差をさらに特徴づけるために、一連のT7初期増幅オリゴマーを設計したので、図17における対角線近くのアラインメントに示す。
【0207】
このシリーズのT7初期増幅オリゴマーの一部を、HCV 1a較正因子およびHCV遺伝子型1~6(遺伝子型4~6についてのTOPOプラスミド由来のIVTを使用)とともにA3amp試薬を有する二相性フォーマットにおいて検査した。HCV遺伝子型2~6は全部、3つのレベル、すなわち、1mlあたり100コピー、10kコピーおよび1Mコピーで検査した。また、初期増幅オリゴマーとしてのT7 89-119はとりわけ、同様に実施した。T7 89-119は、AMP2中にT7 93-119が存在する他のHCV遺伝子型について、HCV 1aに対する最小の差を与えた(図18)。
【0208】
このデータの部分セットを1mlあたりの10kコピーの条件について図19に呈し、T7初期増幅オリゴマーの相対的な性能をより明確に示す。
【0209】
実施例6-例示的なHCVオリゴマーセット
上述の結果に一部基づいて、表1に列挙するオリゴマーを含有する例示的なHCVオリゴマーセットを設計した。
【表1】
【0210】
オリゴマー配列は、異なるHCV遺伝子型についてのIVTおよび配列と以下の通り整列する。
【0211】
2つの誤対合した「A」塩基対は、(+)52-78プライマーに対する1A型IVTの非T7結合領域中に存在する。プローブオリゴマー、初期増幅オリゴマー、およびT7プライマーは、配列の残部と対合する。1a型IVTは、遺伝子型の残部についてのIVTとの比較についての参照として使用される。
【0212】
2つの誤対合した「A」塩基対は、T7結合領域における52-78(+)プライマーおよび単一の「A」誤対合についての非7結合領域中に存在する。これらの「A」は、配列表における2b 型IVTについての登録において太字にされている。
【0213】
HCV 4hは、イニシエーター/T7領域における非T7 52-78(+)領域および単一のUからGへの点突然変異における2つの誤対合を特徴とする。トーチおよび標的捕獲オリゴマーは、HCV 1a遺伝子型配列と対合する。
【0214】
HCV 5a IVTは、非T7 52-78(+)領域における2つの「A」の誤対合と、T7プライマーの中間における2つの並置された「AA」誤対合を特徴とする。
【0215】
初期の実験は、イニシエータープライマーなしで、結果的に、HCV5a遺伝子型を用いた貧弱な挙動を生じた。HCV 1a標準に対する過小定量は、T7プライマー結合領域における二重「AA」誤対合により、非常に明らかであった。しかしながら、初期増幅オリゴマーが標的捕獲試薬(TCR)中にいったん含まれると、HCV5a IVTの挙動は、他のIVT遺伝子型の挙動に匹敵していた。
【0216】
HCV 6a IVTは、非T7 52-78(+)領域における2つの「A」誤対合と、T7結合ドメインの中間部分における1つの「A」塩基誤対合とを特徴とする。
【0217】
実施例7-内部対照オリゴマープライマーの選択
内部対照オリゴマーの組込みは、次のセットのオリゴマー、すなわち、T7 95-119、NT7 52-78、および80-98-aトーチを用いて検査した。
【0218】
配列番号15および18~20によるオリゴマーを内部対照(別名、一般的な内部対照(GIC)、IC)としての使用のために評価した。OEMプラットフォーム上で標準的なTMAフォーマットを用いて、ICオリゴマーを早期HCVamp系へと添加して、何らかのプライマーの相互作用が存在するかどうかを決定した。ICオリゴマーの1つまたは全部を添加することは結果的に、(下方端における1~2分間の出現時間差の間の)共鳴競合に基づくいくつかの予期される遅延を生じる(データ非表示)。内部対照増幅は、HCVオリゴマーセットの存在下で成功することも確認した(非表示)。
【0219】
実施例8-二相性TMA HCV/ICアッセイを用いたHCV遺伝子型の検出
表2のオリゴマーセットを用いたHCV遺伝子型2b、3a、3b、4h、5aおよび6aについてのpBluescript IVTのHCV遺伝子型定量を、HCV 1a較正因子との定量差としてプロットした(図20)。HCV 1a較正因子との□0.25対数差におけるHCV遺伝子型の定量を達成した。
【0220】
TCRにおける2つのT7増幅オリゴマーHCV T7 93-119(配列番号5)およびHCV T7 80-119(配列番号4)を陰性血清で検査し、内部対照増幅についての出現時間に影響しないことを確認した(非表示)。HCVトーチ配列とより大きく重複するので、トーチ配列を重複させるTCRからのT7のキャリオーバーにより、血清を用いた実験における擬陽性があるかどうかを決定するためにも、HCV T7 80-119初期増幅オリゴマーを検査した。1つの擬陽性(N=140、特異性=99.3%)は、非常に低濃度で生じたが、添加した血清試料の調製の間の操作側の誤りによることがあり、明らかな分解によりデータを除外した。
【0221】
実施例9-HCV定量アッセイの要約およびさらなる開発
HCV定量アッセイを、特異的標的捕獲およびリアルタイム検出と組み合わせた二相性TMAを用いて設計および実施した。アッセイは、第1回の伸長および線形増幅のための標的捕獲試薬(TCR)における長いHCV T7初期増幅オリゴマーと、増幅試薬における2つのHCV NT7オリゴマーとを用いる。プロモーター試薬における第2のHCV T7は、HCV標的の指数関数的増幅に用いられる。FAMで標識され、Dabcylで消光される、プロモーター試薬中のHCVプローブは、リアルタイム蛍光検出に用いられる。
【0222】
一般的な内部対照(GIC)オリゴマーは、後述の配列表に説明されている通りであった(配列番号15および18~20)。
【0223】
6つのHCV遺伝子型を検出し、等しく定量するためのアッセイの二相性フォーマットの開発に続いて、オリゴマーセットのさらなる開発は特異的HCV配列突然変異を扱い、第2のHCV TCO(0327b)(配列番号17)の付加は、試料由来の標的捕獲を扱った。注釈付きHCV配列を提供するLos Alamos HCV配列データベースを解析ツールとして用いた。
【0224】
HCV定量に使用するオリゴマーを表2に呈する。
【0225】
増幅プライマーを、遺伝子型において約90%の相同性を有する領域であるC型肝炎ウイルスポリタンパク質前駆体(HCV-1)の5’UTR領域へ向けられる。
【0226】
終点Procleix(登録)Ultrio(登録)アッセイ由来のHCVプライマーもリアルタイムTMAフォーマットにおいて検査した。いずれもさらに進行するよう十分には実施しなかった。
【0227】
先に考察するように、比較的早期のHCVオリゴマーセットは、HCV遺伝子型に対する誤対合を有していた(図1において楕円で示す)。トーチ68~86は、HCV 3a/bについて2つの誤対合を有しているが、貧弱な増幅動態を有し、遺伝子間における差は大きかった。非T7 50-66は、HCV 3aにおいて1つの誤対合を有しており、T7 95-119は、HCV 2b、3a、および4hの各々において1つの誤対合を有している。オリゴマーの元来のセットは、遺伝子型全部を等しく定量しなかった。
【0228】
新たなオリゴマーを、HCV遺伝子型全部との完全な対合を有するトーチ配列について代替的な領域および図21に示すトーチの四角の領域において設計した。非T7(NT7)およびT7をこのトーチ領域の周りに設計した。
【0229】
HCV-Quant Assayについて選択された予備的オリゴマーを表2に列挙するとともに、アラインメントデータを図21に列挙した。
【表2】
【0230】
表2におけるオリゴマーは、複数のHCV亜型を用いて十分挙動することが認められた。しかしながら、いくつかは、ある特定のHCV配列に対するオリゴマー結合領域内の誤対合を有することが認められ、このことは貧弱な定量を結果的に生じる可能性があった。HCVdB.org、Genbank、およびLos Alamosを含むデータベース源から配列を集めた。これらのデータベースにおける遺伝子型の普及度を以下の表3に報告したが、これは米国の普及度と同様である。
【表3】
【0231】
本目的は、遺伝子型に関わらず期待された濃度の±0.5対数c/ml内での定量を提供することとした。ソースデータベースから認められた855の配列のうち、表2のオリゴマーセットについての関連領域において81の独特な配列(完全な対合を含む)があった。誤対合の頻度は、有効な誤対合の下で、以下の表4に示すようなT7配列およびトーチ配列において最大であった。TCOは、高い誤対合普及度も有していた(5%超)が、大半は単一塩基の誤対合で、このことは、挙動に及ぼす最小限の影響よりも多くを有するとは考えられていない。
【表4】
【0232】
81の独特な突然変異体配列のうちの50を次の基準に基づいて合成のために選択した。
1.所与のプライマーまたはオリゴマー配列内での2を超える誤対合。
2.データベースにおいて1回を超えて生じる突然変異体配列全部を構築および検査した。
3.一般的な突然変異。例えば、位置「x」において「t」の代わりに「g」が共通してみられた場合、これらの型の突然変異の部分セットを作製した。この型の単一塩基突然変異は非常に一般的なので、部分セットのみを作製した。
4.欠失および挿入がなされて検査されたことを選択する。
【0233】
同定した突然変異を親HCVクローンへと、特異的突然変異誘発によって組み込んだ(塩基の変更を含有するプライマーを用いたプラスミドのPCR)。次に、これらの新たな突然変異体クローンのインビトロでの転写産物をオフにした。表5は、合成および検査した突然変異体を列挙する。表5において、「亜型」の欄は、突然変異が初期的に同定された亜型を示し、クローン名は、検査のためのコンストラクトが得られた親クローンの亜型の命名を含む。
【表5-1】

【表5-2】

【表5-3】

【表5-4】

【表5-5】
【0234】
50のインビトロ転写産物突然変異体を初期アッセイ実現可能性オリゴマーシステムで検査し(表2)、8つの突然変異体を、期待した結果から0.5log c/mlを除いて回収した(図22Aおよび図22B)が、これは集団の約1%を表す(8/850)。13の突然変異体は、0.4log c/mL超ほど過小定量した。
【0235】
0.5対数を超える対数差の8個の突然変異体のうちの6個を T7およびトーチ領域に、1個をNT7領域に配置し、単一の突然変異体は、T7、NT7およびTCO領域に突然変異を有していた(表6)。
【表6】
【0236】
図23は、0.4log c/mL超ほど過小定量した13の突然変異体を含む配列アラインメントを示す。
【0237】
突然変異体HCVの定量を改善するために、初期オリゴマーセットに対して変更を行った。初期オリゴマーセットに対する選択された改変は、(1)T7およびトーチ誤対合を取り扱うためにT7初期増幅オリゴマーを長くすること、および(2)第2の異なるNT7オリゴマーを加えることとした。スクリーニングされたオリゴマーを表7に列挙する。
【表7-1】

【表7-2】

【表7-3】

【表7-4】

【表7-5】

【表7-6】
【0238】
52-78-2とも称されるNT7オリゴマーHCV(+)52-78_NT7_mutTTA_1(配列番号3)は、ある特定の突然変異の存在下で定量を改善することが認められた。突然変異を扱うためにこのオリゴマーの追加で、オリゴマーセットには2つのNT7プライマー(HCV(+)52-78-1(配列番号2)、およびHCV(+)52-78-2(配列番号3))があった。
【0239】
2つのNT7プライマーの比率が変動する亜型3a、亜型3b、および亜型1aのNT7 TTAA突然変異体を含む遺伝子型についての検出結果は、表8にある(標的由来の対数差として付与)(太斜字は、NT7 T-T-A遺伝子型突然変異体について0.5対数差を超えること、または3aおよび3b遺伝子型について0.25対数差よりも大きいことを示す)。52-78-2 NT7オリゴマーの75%または50%を用いて、結果的に標的の0.5対数以内の検査した配列全部の定量を行った。52-78-2 NT7オリゴマーの25%を用いて、結果的に標的の0.5対数以内の、T-T-A突然変異体以外の検査した配列全部の定量を行った。およそ±10%のプライマー濃度についての製造耐性が許容され得ることも結論付けられた。50%の52-78-2で、亜型3aおよび3bは、標的の±0.25対数差以内で定量し、1a NT7 TTA突然変異体は、±0.5log c/ml内で定量した。
【表8】
【0240】
T7およびトーチ突然変異体を扱うために、長めのT7初期増幅オリゴマー(HCV(-)80-119 T7)を設計した。T7配列の長さを長くすることによって、オリゴマーの結合は、T7における単離された誤対合を克服した。結果として、新たなT7初期増幅オリゴマーは、トーチを完全に重複させている。
【0241】
T7初期増幅オリゴマーを標的捕獲試薬中に入れる。T7初期増幅オリゴマー設計は、トーチ領域を重複させている。したがって、擬陽性の危険性を最小限にするために、遊離T7初期増幅オリゴマーは、洗浄ステップ中に除去されるべきである。T7初期増幅オリゴマーを直接、増幅反応へと添加すると、結果的に、擬陽性を生じた(データ非表示)。
【0242】
図24は、エラーに列挙されたオリゴマーに対応するHCVオリゴマーにおけるオリゴヌクレオチドの配列アラインメントである。参照源不明…これらの変更で、IVT変異体はすべて、標的とされる濃度の±0.5log c/ml内で回収し(図25A)、亜型検出は、期待値の±0.25log c/ml以内であった(図25B)。試薬製剤中に添加した第2のHCV TCO(0327)についての配列も図24に示す。
【0243】
実施例10-特異性分析試験
これらのデータは、HCV 0327b(-)捕獲オリゴマーが使用されていないことを除き、表2に呈されるようなオリゴマーのセットを用いて発生させた。
【0244】
実験室内で調製されたHCV陰性血清、内部増幅対照(IAC)緩衝液、およびより粘度の高い臨床試料を含む臨床的陰性試料を用いて一連の異なる機器でいくつかの特異性を実施した。擬陽性(FP)は、100%(95%信頼区間:99.7~100%)の特異性を結果的に生じる検査した1468の陰性において認められなかった(表9)。
【表9】
【0245】
実施例11-臨床試料の分析感度および分析
本実施例におけるデータは、HCV 0327b(-)捕獲オリゴマーを使用していないことを除き、表2におけるオリゴマーのセットを用いて発生させた。
【0246】
以下に呈される試験は、血漿中のウイルス、IAC緩衝液中のIVT、および外殻のあるRNAに類似の人工的なAcroMetrix HCV-Sウイルスパネルも用いて実施した。AcroMetrix HCV-Sパネルは、IU/mLで較正されたAcromMetrixによるSynTura Technology(Applied Biosystemsカタログ番号950350)を用いて組換えBVDV()タンパク質中に埋め込まれたHCV1bの合成配列である。
【0247】
予備実験に基づき、WHOのHCV第2番目の標準を用いて、HCVアッセイは、5コピー/IU変換因子を有する。予備感度試験を、IACにおける表10に指示した。60c/mlでの陽性率を100%とした。PROBIT解析を用い、95%の確率における検出限界は、19.58c/mlまたは3.9IU/mlとした。Probit解析は、R統計計算ソフトウェアを用いて、二名目誤差分布を有する汎化線形モデルを用いて、応答変数についてのProbit関数とともに用いることによって実施した。表10および表11を参照されたい。
【表10】

【表11】
【0248】
血清中のAcrometrixパネルを用いた試験も実施した。12IU/mlにおける陽性率を100%とした。PROBIT分析を用いて、95%確率での検出限界を3.13IU/mlとした。表12および表13を参照されたい。
【表12】

【表13】
【0249】
精度を種々の低コピーレベルパネルを用いて、3つの機器にわたって、3日間、合計60個の複製物について査定した。誤差の合計は、12IU/mlで1log c/ml未満、または1.78log c/ml未満であった。表14を参照されたい。
【表14】
【0250】
QC較正因子の精度を本試験における5つの異なる濃度でも査定した。誤差の合計は、1log c/ml未満であり、標準偏差log c/mlは、2log c/ml(約20IU/ml)から9log c/ml(約2e8 IU/ml)までで0.20未満であった。表15を参照されたい。
【表15】
【0251】
図26は、本アッセイが1.47log c/ml(約6IU/ml)から9log c/ml(約2e8 IU/ml)まで線形であったことを実証している.
【0252】
91の臨床試料についてのHCVウイルス量を実施例11において説明したアッセイを用いて測定し、Abbott Molecular Inc.製およびRoche Molecular Systems Inc.製の市販のHCVアッセイからの結果と比較した。5コピー/IU変換を先に考察したように測定した。本アッセイの結果はすべて、Abbottの結果(非表示)の1log c/ml内であった。Rocheアッセイと比較したとき、2HCV亜型の4つの試料は、1対数超の定量を付与した。Rocheアッセイは、HCV亜型4を過小定量することが公知である。Chevaliez et al.,Journal of Hepatology,第44巻,付録2,2006年4月号,S195~S196頁を参照されたい。
【0253】
実施例12-第2の標的捕獲オリゴマーの添加
標的捕獲に関して性能に影響するかどうかについて、第2のTCOであるHCV 0327b(-)dT3dA30(配列番号17)を評価した。以下の実験はすべて、別段の記載がない限り、HCV 0327b(-)dT3dA30を6pmol/反応で用いて検査した。
【0254】
以下の条件は、第2のTCOの追加の影響を評価して、第2のTCOの至適濃度を決定するために検査した。TCO(0297)領域および遺伝子型転写産物パネルにおける突然変異を有する6つの突然変異体転写産物をle4コピー/mlで検査した(n=5).6および12pmol/反応における第2のTCO(0327b)の追加は、類似の対数コピーおよび精度を有していた。正のパネルはすべて、100%陽性であり、標的対数コピーの±0.5対数内であった。対照(単一のTCO系(0297のみ))は、初期の実行においてやや高めの対数コピー値を有していたが、異なる日に反復した同じ条件からの結果は、条件の残りと整列した結果を有しており(非表示)、このことは、日に日にわずかな変化を示している。第2のTCO(0327b)は単独で、HCVおよびGICについての出現時間を両者についておよそ3分間遅延していた。6pmol/反応における追加の第2のTCO(0327b)はしたがって、許容され得る濃度である。
【0255】
WHOのHCVパネルを第2のTCOの追加で検査した。本試験は、パネルあたり15~45の範囲の複製物全体による複数の機器に関して完遂した(3回の試行)。検出の先行限界(LoD)(95%陽性)は、3.76 IU/mLであると決定された(3つの機器、パネルあたりまたは6回の試行あたりn=30~90)。LoDは、5.06IU/mLまでわずかに増大し、3.76 IU/mlという先行値が95%信頼区間以内であるので(表16)、実験間の変化があり得る。
【表16】
【0256】
計算されたLoQ(定量限界)(すなわち、誤さの合計が1に等しい濃度)は、9.748IU/mlであり、単一のTCOを用いたときに類似しており(単一のTCO TE=9.02IU/mL)、本アッセイのLoD近くで等価の精度を実証した(表17)。
【表17】
【0257】
0297 TCOのみを用いて既に検査した6つのHCV遺伝子型の同じ臨床標本についてのLoDを、第2のTCOである0327b(NB3+TCO)を用いてLoD(12IU/ml)の近くで再検査した。臨床標本を、初期の検査から5IU/mlを超える適切な血漿または血清の希釈物において連続的に希釈した。HCV遺伝子型4を例外とする検査した遺伝子型全部について、最低標的濃度での%陽性結果および平均対数コピーは、第2のTCOの追加でより大きかった(表18)。すなわち、1IU/mlにおいて、1b、2a、3a、5a、および6cの各々は、改善された%陽性を示した(13、20、26、13、および13百分率点の上昇)。HCV遺伝子型4の標本は、単一のTCO系と比較して第2のTCOの追加を用いた類似の結果を有していた。すべての百分率陽性の結果は、12IU/mLで95%以上であり、100IU/mlにおいて0.25標準偏差対数コピー以下とした。
【表18-1】

【表18-2】
【0258】
第2のTCOを含むおよび含まない低濃度での性能をさらに確認するために、遺伝子型IVTを30、8および5コピー/mlのパネルで検査した。各パネルを0297 TCOのみ(n=10)または0297 TCOおよび0327b TCO(n=20)を用いて検査した。%陽性結果は、HCV遺伝子型2b, 3a, 3b and 4h について匹敵しており、結果は、遺伝子型5aおよび6aについて0297および0327b TCOを遺伝子型5aおよび6aについて用いて改善された(図27A図27B)。すべての条件は、30コピー/mLにおいて100%陽性結果を生じた。平均対数コピー結果は、遺伝子型2b、3aおよび3bについての条件間で匹敵しており、遺伝子型4h、5aおよび6aについてやや高かった(非表示)。5aおよび6aのような遺伝子型について低濃度で第2のTCOとともに%陽性における上昇傾向は、8および5コピー/mlのパネルのさらに30個の複製物と、0297 TCOの個別のロットを用いて確認した(非表示)。データは、表19に要約する。
【表19】
【0259】
実施例13-交差反応性、分析特異性、および臨床特異性
ウイルス(A型肝炎、B型肝炎、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、パルボウイルス、ルベラ、デング2型、デング3型、デング4型、エプスタイン・バー、および西ナイル)については10粒子形成単位(PFU)/mLまたは50%組織培養感染量(TCID50)の、微生物(C.albicans、C.diphtheriae、P.acnes、S.aureus、S.epidermis、S.pneumoniae)については106コロニー形成単位(CFU)/mLのIAC(内部対照緩衝液)へと刺激されたウイルスおよび微生物のパネルに対する微生物交差反応性について含まれた0327b TCOを用いて検査を行った。陽性結果はHCV核酸の不在下では得られなかった。HCV(2.3対数コピー/ml)の存在下で、パネルにおけるいかなるウイルスまたは微生物からも有意な干渉はなかった(すなわち、定量は、刺激した試料全部についての対照の0.25対数以内とした)。
【0260】
臨床特異性は、961の凍結した未感染標本(420の個々のヒト血清および541の個々のヒト血漿)を用いて0297および0327b TCOを含むオリゴマーセットを用いて反復した。8個の陽性が検査中に生じ、99%の特異性および98.4%の低めの結合(95%CI)を先生から与えられた。分析特異性は、情報目的のために、少数のIACおよび合計n=150での陰性血清試料を用いて反復した。IACおよび陰性血清試料について陽性は生じなかった(特異性は100%であり、低めの結合(95%CI)は98.4%であった)。
【0261】
陽性は、同じ試料を用いた1回のTCOのより早期の検査において生じた。陽性の増加が第2のTCOの追加または追加検査時に環境上の混入のような外来源に起因するかどうかを決定するために、1個のTCOを用いておよび2個のTCOを用いて検査を併行反復した。各条件において検査した410の臨床陰性標本のうち、2つの陽性は、2つのTCOで生じ、陽性は、対照1のTCO条件において生じなかった。408個のIAC陰性試料のうち、2つの陽性は、対照1のTCO条件において生じ、2つのTCOについては何も生じなかった。したがって、1つのTCO条件と2つのTCO条件の両方は、類似の結果を有し、これらのデータは第2のTCOの追加が、擬陽性の割合をより高くすることに寄与していないことを確認した。
【0262】
配列表
次の表において、小文字はRNA(HCV配列について)または2’-O-メチルRNA(オリゴマー配列および部分配列について)を示し、大文字はDNAを示す。「(c9)」は、-(CH-リンカーを示す。下線は、異種性融合配列、例えば、プロモーターまたはその部分配列を示す(下線はT30配列について非表示)。
【表20-1】

【表20-2】

【表20-3】

【表20-4】

【表20-5】

【表20-6】

【表20-7】

【表20-8】

【表20-9】

【表20-10】

【表20-11】
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7-1】
図7-2】
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24
図25A-1】
図25A-2】
図25B
図26
図27A
図27B
【配列表】
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