(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20221031BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
G07G1/12 351Z
G07G1/06 Z
(21)【出願番号】P 2019522038
(86)(22)【出願日】2018-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2018016916
(87)【国際公開番号】W WO2018221097
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】P 2017105310
(32)【優先日】2017-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504134520
【氏名又は名称】フェリカネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】多田 順
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-141649(JP,A)
【文献】特開2015-049525(JP,A)
【文献】特開2009-129329(JP,A)
【文献】特開2009-193155(JP,A)
【文献】特開2010-218302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済の過程
における決済要求に応じて外部端末から提供された所定の情報に含まれる
、前記外部端末に備えられるチップに記録されている識別情報を取得し、かつ、前記決済の過程の後のレシート発行動作における要求に応じて前記外部端末から提供される前記識別情報を取得する取得部と、
前記決済の過程において取得した前記識別情報と、前記レシート発行動作において取得した前記識別情報とが同一であると判断された場合に、前記決済の電子レシート情報の提供を制御する制御部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の情報には、前記電子レシート情報の要否を示すフラグ情報も含まれる、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電子レシート情報の提供の直前に取得された前記フラグ情報に基づいて前記電子レシート情報の提供を制御する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記決済の過程で取得された複数の前記フラグ情報のうちのいずれかに基づいて前記電子レシート情報を提供する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
決済の過程
における決済要求に応じて外部端末から提供された所定の情報に含まれる
、前記外部端末に備えられるチップに記録されている識別情報を取得し、かつ、前記決済の過程の後のレシート発行動作における要求に応じて前記外部端末から提供される前記識別情報を取得することと、
前記決済の過程において取得した前記識別情報と、前記レシート発行動作において取得した前記識別情報とが同一であると判断された場合に、前記決済の電子レシート情報の提供を制御することと、を有する、
コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項6】
決済の過程における決済要求に応じて、自装置に備えられるチップに記録される識別情報の送信を行い、かつ、前記決済の過程の後のレシート発行動作における要求に応じて、前記識別情報の送信を行う通信部を備え、
前記通信部は、通信先装置において、前記決済の過程において取得した前記識別情報と、前記レシート発行動作において取得した前記識別情報とが同一であると判断された場合に、前記通信先装置により提供される前記決済の電子レシート情報を取得する
情報処理装置。
【請求項7】
前記通信部は、前記決済の過程で
前記電子レシート情報の要否を示すフラグ情報の送信
も行う
、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通信部は、
前記通信先装置との離隔距離が所定の距離以下である場合に成功する通信方式によって前記送信を行う、
請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通信部は、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、または、Bluetooth(登録商標)のいずれかの前記通信方式によって前記送信を行う、
請求項
8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
耐タンパ性を有するセキュリティチップ内に構成されたセキュアメモリに前記電子レシート情報を記憶する記憶部をさらに備える、
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記セキュアメモリは、複数のアプリケーションに共通して使用される、
請求項
10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記電子レシート情報へのアクセス権を管理する外部サーバと連携することで前記電子レシート情報へのアクセスを制御する制御部をさらに備える、
請求項
10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記アクセス権は前記電子レシート情報に含まれる複数種類の情報単位に設定される、
請求項
12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
ユーザ操作に基づいて前記フラグ情報を設定する設定部をさらに備える、
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記情報処理装置は、ICカード、スマートフォンまたは携帯電話を含む、
請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項16】
決済の過程における決済要求に応じて、自装置に備えられるチップに記録される識別情報の送信を行い、かつ、前記決済の過程の後のレシート発行動作における要求に応じて、前記識別情報の送信を行うことと、
通信先装置において、前記決済の過程において取得した前記識別情報と、前記レシート発行動作において取得した前記識別情報とが同一であると判断された場合に、前記通信先装置により提供される前記決済の電子レシート情報を取得することを有する、
コンピュータにより実行される情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術の進展に伴い、決済において紙に印字されたレシート(以降、便宜的に「紙レシート」と呼称する)だけでなく電子データ化されたレシート(以降、便宜的に「電子レシート情報」と呼称する。なお、「e―レシート」、「デジタルレシート」とも呼称される)も普及しており、様々に活用されている。
【0003】
例えば、以下の特許文献1には、セルフ登録を含む商品データの入力システムと電子レシートシステムとの両方の機能に対応することが可能な商品販売処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のシステム等によっては、電子レシート情報の提供を適切に行うことが困難であった。例えば、特許文献1に記載のシステムは、電子レシート情報の提供を制御するサーバによって成立している。そのため、サーバコストが発生したり、決済が完了してから電子レシート情報受領までにタイムラグが発生したり、ユーザによる会員登録等が必要であったりした。
【0006】
そこで、本開示は上記に鑑みてなされたものであり、本開示は、電子レシート情報の提供をより適切に行うことが可能な、新規かつ改良された情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、決済の過程における決済要求に応じて外部端末から提供された所定の情報に含まれる、前記外部端末に備えられるチップに記録されている識別情報を取得し、かつ、前記決済の過程の後のレシート発行動作における要求に応じて前記外部端末から提供される前記識別情報を取得する取得部と、前記決済の過程において取得した前記識別情報と、前記レシート発行動作において取得した前記識別情報とが同一であると判断された場合に、前記決済の電子レシート情報の提供を制御する制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、決済の過程における決済要求に応じて外部端末から提供された所定の情報に含まれる、前記外部端末に備えられるチップに記録されている識別情報を取得し、かつ、前記決済の過程の後のレシート発行動作における要求に応じて前記外部端末から提供される前記識別情報を取得することと、前記決済の過程において取得した前記識別情報と、前記レシート発行動作において取得した前記識別情報とが同一であると判断された場合に、前記決済の電子レシート情報の提供を制御することと、を有する、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、決済の過程における決済要求に応じて、自装置に備えられるチップに記録される識別情報の送信を行い、かつ、前記決済の過程の後のレシート発行動作における要求に応じて、前記識別情報の送信を行う通信部を備え、前記通信部は、通信先装置において、前記決済の過程において取得した前記識別情報と、前記レシート発行動作において取得した前記識別情報とが同一であると判断された場合に、前記通信先装置により提供される前記決済の電子レシート情報を取得する情報処理装置が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、決済の過程における決済要求に応じて、自装置に備えられるチップに記録される識別情報の送信を行い、かつ、前記決済の過程の後のレシート発行動作における要求に応じて、前記識別情報の送信を行うことと、通信先装置において、前記決済の過程において取得した前記識別情報と、前記レシート発行動作において取得した前記識別情報とが同一であると判断された場合に、前記通信先装置により提供される前記決済の電子レシート情報を取得することを有する、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、電子レシート情報の提供をより適切に行うことが可能となる。
【0012】
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】POS端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】リーダライタの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】ユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】電子オーダーが行われる際にチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報の取得が行われる場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】会員証が提示される際にチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報の取得が行われる場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】ポイントカードが提示される際にチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報の取得が行われる場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】決済が行われる際にチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報の取得が行われる場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1のレシート発行動作の一例を示すフローチャートである
【
図10】第2のレシート発行動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】外部アプリケーションからの電子レシート情報へのアクセスに対する制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】POS端末またはユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の背景
2.本開示の概要
3.装置の機能構成
4.装置の動作
5.装置のハードウェア構成
6.むすび
【0016】
<1.本開示の背景>
上記のとおり、近年の情報処理技術の進展に伴い、電子レシート情報が普及しており、様々に活用されている。
【0017】
ここで、電子レシート情報の受渡方法には様々な形式が存在する。例えば、ユーザがサービス提供事業者によって管理される所定のアプリケーションを用いて事前に会員登録を行うことで、ユーザが当該アプリケーションを介して商品を購入したりサービスを利用したりした場合に、当該アプリケーションまたは当該アプリケーションに登録されたメールアドレスに対して電子レシート情報が提供される形式が存在する。
【0018】
また、サービス事業者が発行している会員証の識別情報(ID等)を、当該事業者が提供しているアプリケーション等に登録し会員証の識別情報とアプリケーションとを対応付けることで、店舗での決済時にユーザが会員証を提示することで当該会員証に対応付けられているアプリケーションに対して電子レシート情報が提供される形式も存在する。
【0019】
また、電子レシート情報に対応するPOS(Point Of Sales system)を採用している店舗にて、POSベンダーが提供している電子レシート情報受領アプリケーション等が表記する識別情報(ID等)を店舗のPOSに読み込ませた上でユーザが決済を行うことによって、当該アプリケーションに対して電子レシート情報が提供される形式も存在する。
【0020】
さらに、決済時に発行された紙レシートにレシートの識別情報(ID、バーコード、2次元コード等)が表示されており、ユーザが所定のアプリケーションに当該識別情報を読み込ませると、その識別情報に対応する電子レシート情報が当該アプリケーションに対して提供される形式も存在する。
【0021】
上記の形式では、様々な問題が発生する場合があった。例えば、上記の形式は、いずれも電子レシート情報の提供を制御するサーバによって実現される。したがって、当該サーバ、サーバとの接続に用いられるネットワーク、もしくは、サーバもしくはユーザ端末にて実行されるアプリケーション等の構築、保守もしくは運用等のコストが発生する。また、電子レシート情報はユーザの個人情報を含むため、情報漏えいや改ざんを防ぐためのセキュリティ対策も求められる。
【0022】
また、サーバを介して電子レシート情報が提供されるため、決済が完了してからユーザが電子レシート情報を受領するまでに相当程度のタイムラグが生じる。サーバとユーザ端末を接続しているネットワークに遅延が発生した場合には、当該タイムラグはさらに長くなる。
【0023】
また、ユーザは、各事業者が提供するアプリケーションに会員登録しなければならない場合がある。より具体的には、ユーザは、ある事業者が提供するアプリケーションに会員登録することで、当該事業者から商品等の購入を行う場合には電子レシート情報を受領できるが、別の事業者から商品の購入等を行う場合には、当該別の事業者が提供するアプリケーションに別途会員登録しなければ電子レシート情報を受領できないため、利便性が低い。
【0024】
また、電子レシート情報を発行する前に、電子レシート情報の受領者のICカード(会員証等)もしくは情報処理装置(スマートフォン等)等を読み取る作業が求められるため、ユーザおよび店員の作業負担が大きい。
【0025】
また、電子レシート情報のフォーマット、規格または保管領域が各事業者もしくは各アプリケーションによって異なるため、複数の事業者もしくはアプリケーションにわたって電子レシート情報が活用され難い(すなわち、電子レシート情報の二次利用が円滑になされない)。特に、電子レシート情報の保管領域が分散しているため、専用のアプリケーションしか電子レシート情報にアクセスすることができない。
【0026】
また、受領後の電子レシート情報が、セキュリティが担保された記憶領域に記憶されていない場合には、電子署名等が施されていないと、第三者、外部アプリケーションもしくはウィルスプログラム等に不正な閲覧、改ざん、複製もしくは削除等が行われる可能性があり、電子レシート情報が決済証明情報として使用され得なくなる場合がある。
【0027】
さらに、紙レシートに表示された識別情報等を用いて電子レシート情報が提供される場合、紙レシートの発行が必要であるため、電子化によりもたらされる恩恵が少ない。また、紙レシートが第三者に見られたり、盗まれたりすることによって、電子レシート情報が第三者によって取得されてしまう(すなわち、決済者と電子レシート情報の受領者の不一致が生じる)。
【0028】
本件の開示者は、上記事情に鑑みて本件の技術に想到するに至った。以降では、「2.本開示の概要」「3.装置の機能構成」「4.装置の動作」「5.装置のハードウェア構成」という順で本開示について詳細に説明していく。
【0029】
<2.本開示の概要>
(2-1.システムの構成)
上記では、本開示の背景について説明した。続いて、
図1を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システムは、POS端末100と、リーダライタ200と、ユーザ端末300と、を備える。
【0031】
(POS端末100)
POS端末100は、商品もしくはサービスの決済処理、売上会計等を行い、店舗内に1台ないし複数台設置される情報処理装置である。例えば、商品等の決済処理については、POS端末100は、決済額の確認、現金もしくはクレジットカード等による決済処理、レシート(電子レシート情報、紙レシート)の提供等を行う。
【0032】
なお、本書では、POS端末100を一例として説明するが、これに限定されず、他の情報処理装置が用いられてもよい。例えば、POS端末100の代りに、所定のサーバ、PC(Personal Computer)またはタブレットPC等の情報処理装置が用いられてもよい。
【0033】
また、
図1に示すように、POS端末100は、ネットワーク400に接続されており、ネットワーク400を介して外部装置と通信を行うことができる。例えば、POS端末100は、ネットワーク400を介して同一店舗もしくは他店舗のPOS端末100または複数のPOS端末100を統括するサーバと通信を行うことができる。なお、ネットワーク400の種類、および、POS端末100と外部装置との通信方式は任意である。
【0034】
(リーダライタ200)
リーダライタ200は、ユーザによってユーザ端末300がかざれた際に、ユーザ端末300と非接触通信を行う情報処理装置である。また、リーダライタ200は、POS端末100と通信することも可能であり、POS端末100から提供された各種情報(電子レシート情報等)をユーザ端末300に提供することもできるし、ユーザ端末300から取得した各種情報(識別情報等)をPOS端末100に提供することもできる。
【0035】
リーダライタ200とユーザ端末300によって行われる非接触通信は、例えば、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、または、Bluetooth(登録商標)を含むが、これに限定されない。なお、リーダライタ200とユーザ端末300によって行われる通信は、非接触通信ではなく接触通信であってもよい。本実施形態においては、NFC、Bluetooth、Wi-Fi等のように、リーダライタ200とユーザ端末300との離隔距離が所定の距離以下である場合に成功する非接触通信や、リーダライタ200とユーザ端末300が接触することを要する接触通信が特に効果的である(詳細は後述する)。
【0036】
また、リーダライタ200とPOS端末100との通信方式は任意である。例えば、リーダライタ200とPOS端末100との通信方式は、任意の非接触通信であってもよいし任意の接触通信(有線通信を含む)であってもよい。
【0037】
(ユーザ端末300)
ユーザ端末300は、決済の過程で使用され、リーダライタ200と通信を行う情報処理装置である。例えば、ユーザ端末300は、会員証またはポイントカード等として機能することができる。より具体的には、ユーザ端末300は、リーダライタ200にかざされることで、会員証に関する情報(会員ID、氏名、会員登録日、会員登録店舗等)またはポイントカードに関する情報(会員ID、蓄積されているポイント数、更新日時等)をリーダライタ200に提供する。
【0038】
また、ユーザ端末300は、商品もしくはサービスの注文(以降、便宜的に「電子オーダー処理」と呼称する)または決済処理(電子マネー、クレジットカード等による決済処理)を行うことができる。より具体的には、ユーザ端末300は、リーダライタ200にかざされることで、注文される商品等の情報(商品コード、個数等)または決済に用いられる情報(電子マネーの残高、クレジットカード番号等)をリーダライタ200に提供する。上記の機能はあくまで一例であり、ユーザ端末300は上記以外の機能を適宜有していてもよい。また、ユーザ端末300は、一台で複数の機能を有していてもよい。
【0039】
ユーザ端末300は、決済の過程で使用される情報処理装置であれば任意の装置が使用され得る。例えば、
図1のように、ユーザ端末300としてスマートフォン301(携帯電話を含む)またはICカード302等が使用されてもよい。
【0040】
(2-2.本開示の機能概要)
上記では、本実施形態に係る情報処理システムの構成について説明した。続いて、本開示の機能概要について説明する。
【0041】
本開示は、サーバを経由することなく電子レシート情報をユーザ端末300に提供する。より具体的には、POS端末100は、ネットワーク400によって接続されているサーバを経由することなく電子レシート情報を生成し、リーダライタ200を経由してユーザ端末300に提供することができる。
【0042】
これによって、本開示は、サーバ、サーバとの接続に用いられるネットワーク等の構築、保守もしくは運用等のコストを低減させることができる。また、本開示は、決済が完了してからユーザが電子レシート情報を受領するまでのタイムラグを短縮させることができる。また、本開示は、ユーザによる会員登録なく電子レシート情報をユーザに提供することができる。
【0043】
また、POS端末100は、決済の過程で提供されたユーザ端末300のチップ内IDと、電子レシート情報の受領に用いられるユーザ端末300のチップ内IDとを比較し、これらが同一である場合に、電子レシート情報を提供する。これによって、本開示は、決済者と電子レシート情報の受領者の同一性を担保することができる。ここで、チップ内IDとしては様々な種類の識別情報が用いられ得る。詳細については後述する。
【0044】
また、リーダライタ200とユーザ端末300による通信が、互いの離隔距離が所定の距離以下である場合に成功する非接触通信(NFC、Bluetooth、Wi-Fi等)、または、接触通信であることによって、本開示は、決済者と電子レシート情報の受領者の同一性をより確実に担保することができる。より具体的には、電子レシート情報の受領者は決済が行われた場にいることが求められ、決済の対応を行った店員が電子レシート情報の受渡しに立ち会うことができるため、本開示は、決済者と電子レシート情報の受領者の同一性をより確実に担保することができる。なお、特に、NFC等によって電子レシート情報の受渡しが行われる場合においては、通信可能な離隔距離が極めて短い(数十[cm]程度)ため、上記の効果がより顕著となる。
【0045】
また、本開示は、ユーザがユーザ端末300をリーダライタ200に一回かざす行為によって、決済に伴い発生する一連の処理(電子オーダー処理、会員証提示、ポイントカード提示およびポイント加算、決済処理、電子レシート情報受領等)を実現することができる。そのため、本開示は、これら一連の処理に伴うユーザおよび店員の作業負担を低減させることができる。
【0046】
また、ユーザは、ユーザ端末300に対して、電子レシート情報の受領に関するフラグ情報(以降、便宜的に「電子レシートフラグ情報」と呼称する)を設定することができる。電子レシートフラグ情報の内容は任意である。例えば、電子レシートフラグ情報は、「電子レシート情報が必要」「電子レシート情報が不要」「電子レシート情報が必要、かつ、他のユーザ端末300で電子レシート情報を受取る」等の情報を表してもよい。POS端末100は、決済の過程でユーザ端末300からこれらの電子レシートフラグ情報を取得することで、当該情報に基づいて電子レシート情報の発行の要否および提供先を判断する。これによって、ユーザは、店員に対してレシート受領方法を伝えることなく、所望の方法でレシートを受領することができる。なお、電子レシートフラグ情報は必須ではない。
【0047】
また、ユーザ端末300は、耐タンパ性を有するセキュリティチップを備えており、当該セキュリティチップ内に構成されたセキュアメモリに、受領した電子レシート情報を保管する。これによって、ユーザ端末300は、第三者、外部アプリケーションもしくはウィルスプログラム等による不正な閲覧、改ざん、複製もしくは削除等を防ぐことができる。
【0048】
さらに、ユーザ端末300は、電子レシート情報に含まれる情報の項目毎(購買年、購買月、購買日、購買時、購買分、店舗チェーン名、店舗支店名、店舗住所、店舗電話番号、購買商品、JANコード等の商品コード、購買点数、単価、割引額、税、合計金額、支払方法、レシート番号、電子マネー残高、加算ポイント等)にブロック分けされた状態で電子レシート情報を保管する。そして、ユーザ端末300は、ユーザ操作に基づいて電子レシート情報に含まれるこれらの複数種類の情報単位にアクセス制御を行うことができる。これによって、ユーザ端末300は、外部装置もしくは自装置の各アプリケーションに対してユーザの所望通りの情報を提供することができる(例えば、「2017年の購買情報のみ提供可」「特定の店舗での購買情報のみ提供可」等)。なお、ユーザ端末300は、ユーザ操作ではなく、所定の外部装置による設定や初期設定に基づいて上記のアクセス制御を行ってもよい。
【0049】
また、電子レシート情報が保管されるセキュアメモリは、複数のアプリケーションもしくはサービスによって共通的に使用される記憶領域である。また、上記のように、電子レシート情報は、ブロック分けされた状態で保管されることで保管形式(フォーマット)が統一化され得る。これによって、互いに異なる事業者によって提供されるアプリケーションもしくはサービスが電子レシート情報を活用することができる。
【0050】
(2-3.チップ内IDの概要)
上記では、本開示の機能概要について説明した。続いて、本開示において電子レシート情報の提供の制御に用いられるチップ内IDの概要について説明する。当該チップ内IDは、決済を行ったユーザに帰属する何らかの識別情報であれば、特に限定されない。
【0051】
例えば、チップ内IDは、チップベンダー等によって、チップ単位で個別に付与された識別情報(チップ固有識別ID(例えばIDm等))、または、チップ内の特定領域に個別に付与された識別情報(チップの共通領域の識別情報等)であってもよい。
【0052】
また、チップ内IDは、サービス事業者等によって払い出された所定の識別情報(ユーザID、電子マネーID、クレジットカード情報、会員証情報、電子オーダーIDまたはアプリケーションにて使用される所定の識別情報等)であってもよい。
【0053】
また、電子レシート情報の保管用の記憶領域がユーザ端末300のチップ内に備えられた場合、チップ内IDは、当該記憶領域単位に個別に付与された識別情報であってもよい。なお、当該記憶領域は、複数のアプリケーションもしくはサービスによって共通的に使用される記憶領域であってもよいし、特定のアプリケーションもしくはサービスによって使用される記憶領域であってもよい。
【0054】
<3.装置の機能構成>
上記では、チップ内IDの概要について説明した。続いて、
図2~
図4を参照して、本実施形態に係る各装置の機能構成について説明する。
【0055】
(3-1.POS端末100の機能構成)
図2は、POS端末100の機能構成である。
図2に示すように、POS端末100は、通信部110と、処理部120と、記憶部130と、を備える。さらに、処理部120は、オーダー処理部121と、会員証処理部122と、ポイントカード処理部123と、決済処理部124と、レシート処理部125と、を備える。
【0056】
(通信部110)
通信部110は、リーダライタ200等の外部装置との通信を行う。例えば、通信部110は、決済についての一連の処理で使用される各種情報(電子オーダー情報、会員証情報、ポイントカード情報、電子決済情報、電子レシート情報等)を通信する。特に電子レシート情報の提供に伴い、通信部110は、ユーザ端末300のチップ内IDもしくは電子レシートフラグ情報の取得を行う取得部として機能したり、後述するレシート処理部125によって生成された電子レシート情報の送信、電子レシート情報の受領結果通知の受信を行ったりする。なお、上記の通信内容はあくまで一例であり、通信部110はその他の情報を通信してもよい。
【0057】
(処理部120)
処理部120は、POS端末100によって実現される各種処理を行う。以降では、処理部120が備える各機能構成について説明する。
【0058】
(オーダー処理部121)
オーダー処理部121は、電子オーダー処理をはじめとする各種オーダーに関する処理を行う。例えば、ユーザがユーザ端末300を用いて電子オーダー処理を行った場合(ユーザが所定のアプリケーションを用いて商品またはサービスの注文を行った場合等)、オーダー処理部121は、当該電子オーダー処理に伴って生じる各種処理(オーダーの登録、各種サーバへの情報共有、在庫の更新または合計金額の算出等)を行う。なお、オーダー処理部121は、店員の入力(ボタンもしくはバーコードリーダーを用いた入力等)によるオーダーに関する処理を行ってもよい。なお、上記の処理内容はあくまで一例であり、オーダー処理部121はその他の処理を行ってもよい。
【0059】
(会員証処理部122)
会員証処理部122は、会員証に関する処理を行う。例えば、決済の過程でユーザが会員証(または会員証情報を保有するスマートフォン301等の情報処理装置)を提示した場合に、会員証処理部122は、当該ユーザが会員であるか否かの判定等を行う。なお、上記の処理内容はあくまで一例であり、会員証処理部122はその他の処理を行ってもよい。
【0060】
(ポイントカード処理部123)
ポイントカード処理部123は、ポイントカードに関する処理を行う。例えば、決済の過程でユーザがポイントカード(またはポイントカード情報を保有するスマートフォン301等の情報処理装置)を提示した場合に、ポイントカード処理部123は、決済額に応じたポイントの追加処理等を行う。なお、上記の処理内容はあくまで一例であり、ポイントカード処理部123はその他の処理を行ってもよい。
【0061】
(決済処理部124)
決済処理部124は、決済処理を行う。例えば、決済処理部124は、ユーザ端末300中に保有されている電子マネーから決済額に相当する電子マネーを取得する処理を行ったり、ユーザ端末300から取得したクレジットカード情報(クレジットカード番号等)に基づいて一般的なクレジットカード決済処理を行ったりする。なお、上記の処理内容はあくまで一例であり、決済処理部124はその他の処理を行ってもよい。
【0062】
(レシート処理部125)
レシート処理部125は、レシートに関する処理を行う。特に、レシート処理部125は、電子レシート情報の提供を制御する制御部として機能する。例えば、レシート処理部125は、決済の過程で取得された電子レシートフラグ情報に基づいて電子レシート情報の要否または提供先を判断する。電子レシート情報の提供が必要である場合、レシート処理部125は、決済の過程で取得されたチップ内IDと、電子レシート情報の受領に用いられるチップ内IDとを比較し、各チップ内IDが同一である場合に電子レシート情報の提供を行う。また、各チップ内IDが同一でない場合には、レシート処理部125は、紙レシートを提供してもよいし、電子レシート情報および紙レシートのいずれも提供しなくてもよい。なお、上記の処理内容はあくまで一例であり、レシート処理部125はその他の処理を行ってもよい。
【0063】
(記憶部130)
記憶部130は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部130は、決済についての一連の処理で使用される各種情報(電子オーダー情報、会員証情報、ポイントカード情報、電子決済情報、ユーザ端末300のチップ内ID、電子レシート情報等)を記憶する。また、記憶部130は、一般的なPOSに想定される各種情報(商品情報、顧客情報、売上実績情報等)も記憶する。なお、上記の内容はあくまで一例であり、記憶部130はその他の情報を記憶してもよい。
【0064】
なお、図示していないが、POS端末100は、ディスプレイおよびランプ等の出力部を備えており、電子レシート情報に関する情報(電子レシート情報の内容、電子レシート情報の受渡しの成否等)を出力させてもよい。これによって、例えば、店員が電子レシート情報の受渡しの成否等を認識することができ、受渡しが失敗した場合には、再度電子レシート情報の受渡しを行うこと等が可能となる。
【0065】
(3-2.リーダライタ200の機能構成)
図3は、リーダライタ200の機能構成である。
図3に示すように、リーダライタ200は、通信部210と、処理部220と、記憶部230と、を備える。さらに、通信部210は、第1の通信部211と、第2の通信部212と、を備える。
【0066】
(通信部210)
通信部210は、POS端末100またはユーザ端末300等の外部装置との通信を行う。上記のとおり、通信部210は、第1の通信部211と第2の通信部212を備える。以降では各機能構成について説明する。
【0067】
(第1の通信部211)
第1の通信部211は、ユーザ端末300との非接触通信(NFC、Bluetooth、Wi-Fi等)を行う。より具体的には、第1の通信部211は、POS端末100とユーザ端末300間で行われる、決済についての一連の処理で使用される各種情報(電子オーダー情報、会員証情報、ポイントカード情報、電子決済情報、電子レシート情報等)の通信を仲介する。特に電子レシート情報の提供に伴い、第1の通信部211は、ユーザ端末300のチップ内ID、電子レシート情報、電子レシート情報の受領結果通知の通信を仲介する。なお、上記の通信内容はあくまで一例であり、第1の通信部211はその他の情報を通信してもよい。また、上記のとおり、第1の通信部211は、ユーザ端末300との接触通信を行ってもよい。
【0068】
(第2の通信部212)
第2の通信部212は、POS端末100との通信を行う。より具体的には、第2の通信部212は、第1の通信部211と同様に、POS端末100とユーザ端末300間で行われる、決済についての一連の処理で使用される各種情報の通信を仲介する。なお、上記の通信内容はあくまで一例であり、第2の通信部212はその他の情報を通信してもよい。また、上記のとおり、第2の通信部212によって行われる通信方式は任意である。
【0069】
(処理部220)
処理部220は、リーダライタ200によって実現される各種処理を行う。例えば、処理部220は、第1の通信部211および第2の通信部212を制御することによって、POS端末100およびユーザ端末300との通信を制御する。
【0070】
(記憶部230)
記憶部230は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部230は、リーダライタ200の各機能構成によって使用されるプログラムまたはパラメータ等を記憶する。なお、上記の内容はあくまで一例であり、記憶部230はその他の情報を記憶してもよい。例えば、記憶部230は、決済についての一連の処理で使用される各種情報(電子オーダー情報、会員証情報、ポイントカード情報、電子決済情報、ユーザ端末300のチップ内ID、電子レシート情報、電子レシート情報の受領結果通知等)を一時的に記憶してもよい。
【0071】
(3-3.ユーザ端末300の機能構成)
図4は、ユーザ端末300の機能構成である。
図4に示すように、ユーザ端末300は、通信部310と、処理部320と、記憶部330と、を備える。さらに、記憶部330は、セキュアメモリ331を備える。
【0072】
(通信部310)
通信部310は、リーダライタ200等の外部装置との通信を行う。例えば、通信部310は、決済についての一連の処理で使用される各種情報(電子オーダー情報、会員証情報、ポイントカード情報、電子決済情報、電子レシート情報等)を通信する。特に電子レシート情報の提供に伴い、通信部310は、ユーザ端末300のチップ内IDの送信、電子レシート情報の受信、電子レシート情報の受領結果通知の送信を行う。なお、上記の通信内容はあくまで一例であり、通信部310はその他の情報を通信してもよい。
【0073】
(処理部320)
処理部320は、ユーザ端末300によって実現される各種処理を行う。例えば、ユーザがユーザ端末300をリーダライタ200にかざすことで非接触通信が行われる場合には、処理部320はチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報をリーダライタ200に送信する処理を制御する。これによって、POS端末100がリーダライタ200を介してチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を把握することができ、これらの情報に基づいて電子レシート情報の提供を制御することができる。
【0074】
また、処理部320は、電子レシート情報を受領した場合には、当該情報を後述するセキュアメモリ331に保管する。上記のとおり、処理部320は、電子レシート情報に含まれる情報の項目毎にブロック分けされた状態で電子レシート情報を保管する。
【0075】
また、処理部320は、ユーザ操作に基づいてセキュアメモリ331に保管されている電子レシート情報のアクセス制御を行う制御部として機能してもよい。例えば、処理部320は、ユーザ操作に基づいて電子レシート情報に含まれる複数種類の情報単位でアクセス権の設定を行ってもよい。例えば、ユーザ端末300が入力部(図示なし)を備えたスマートフォン301等の装置である場合に、処理部320は、ユーザによる入力操作に基づいてアクセス権の設定を行ってもよい。なお、アクセス権の設定方法は上記に限定されない。また、アクセス権の内容は任意である。例えば、アクセス権の内容は、読出し、追加、変更、削除に関する内容を含み、変更や削除を不可とすること等によってセキュリティを向上させることができる。さらに、処理部320は、当該アクセス権の情報を外部のサーバ(管理サーバ)に提供し、当該サーバと連携することで電子レシート情報へのアクセス制御を実現してもよい。詳細については、後に
図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0076】
また、処理部320は、ユーザ操作に基づいて電子レシートフラグ情報の設定処理を行う設定部として機能してもよい。アクセス権の設定と同様に、処理部320は、ユーザによる入力操作に基づいて電子レシートフラグ情報の設定を行ってもよい。なお、電子レシートフラグ情報の設定方法は上記に限定されない。例えば、POS端末100が設定部の機能を備えており、ユーザが店員に依頼することで店員がPOS端末100を操作して電子レシートフラグ情報を設定してもよい。また、スマートフォン301が設定部の機能を備えており、ユーザがスマートフォン301を用いてICカード302の電子レシートフラグ情報を設定し、スマートフォン301とICカード302との通信によって電子レシートフラグ情報をICカード302に反映させてもよい。
【0077】
(記憶部330)
記憶部330は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部330は、ユーザ端末300の各機能構成によって使用されるプログラムまたはパラメータ等を記憶する。なお、上記の内容はあくまで一例であり、記憶部330はその他の情報を記憶してもよい。また、上記のとおり、記憶部330はセキュアメモリ331を備える。
【0078】
(セキュアメモリ331)
セキュアメモリ331は、耐タンパ性を有するセキュリティチップ内に構成され、受領された電子レシート情報を記憶するメモリである。セキュアメモリ331は、処理部320によって実行されるプログラムに基づいてアクセス可能なメモリ領域であり、外部からのアクセスを排除し、外部からのアクセスに基づく格納データの改竄を不能としたデータ記憶領域である。なお、本実施形態ではセキュアメモリ331が用いられているが、これに限定されず、セキュアメモリ331以外の任意のメモリが用いられてもよい。
【0079】
<4.装置の動作>
上記では、本実施形態に係る各装置の機能構成について説明した。続いて、本実施形態に係る各装置の動作について説明する。
【0080】
まず、
図5~
図8を参照して、決済の過程においてPOS端末100がユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得する動作について説明する。POS端末100は、レシートを発行する前の任意のタイミングでユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得する。これにより、POS端末100は、当該チップ内IDと、電子レシート情報の受領に用いられるチップ内IDとを比較することで、電子レシート情報の提供を適切に行うことができる。また、POS端末100は、電子レシートフラグ情報に基づいて電子レシート情報の発行の要否および提供先を判断することができる。なお、
図5~
図8はあくまで一例であり、POS端末100は、その他の動作においてユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得してもよい。
【0081】
(4-1.電子オーダー処理の際の動作)
図5は、電子オーダー処理が行われる際にチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報の取得が行われる場合の動作の一例を示すフローチャートである。電子オーダー処理とは、例えば、ユーザがユーザ端末300を用いて商品またはサービスの注文を行うことを指す。
【0082】
ステップS1000では、ユーザがユーザ端末300のアプリケーションを用いて電子オーダー情報を登録する。ステップS1004では、POS端末100が電子オーダー情報を要求する信号を生成し、当該信号をリーダライタ200に送信し、ステップS1008ではリーダライタ200が当該信号をユーザ端末300に送信する。
【0083】
ステップS1012では、ユーザ端末300が当該信号の受信に基づいて電子オーダー情報が含まれる応答信号を生成し、応答信号をリーダライタ200に送信する。このとき、ユーザ端末300は、ユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報も応答信号に含める。ステップS1016では、リーダライタ200が応答信号をPOS端末100に送信する。
【0084】
応答信号を受信したPOS端末100は、ステップS1020にて応答信号に含まれるユーザ端末300のチップ内IDを確認し、ステップS1024にて応答信号に含まれる電子レシートフラグ情報を確認する。ステップS1028では、POS端末100は、電子オーダーに関する処理を実施する。例えば、POS端末100は、電子オーダー情報を登録すること等により注文された商品等をユーザに提供する処理を行う。
【0085】
上記の動作によって、POS端末100は、電子レシート情報の提供処理に用いる、ユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得することができる。なお、
図5のフローチャートはあくまで一例であり、適宜変更され得る。例えば、レシート発行前に行われる他の動作にて、POS端末100がチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得することができる場合には、電子オーダー処理にてこれらの情報が送受信されなくてもよい。すなわち、口頭による注文が行われてもよい。
【0086】
(4-2.会員証提示の際の動作)
図6は、会員証が提示される際にチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報の取得が行われる場合の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図6においては、複数種類の会員証情報が記録されたスマートフォン301等の情報処理装置が用いられる場合を想定して説明するが、これに限定されない。例えば、一種類の会員証情報が記録されたICカード302等が使用されてもよい。
【0087】
ステップS1100では、POS端末100が会員証情報を要求する信号を生成し、当該信号をリーダライタ200に送信し、ステップS1104ではリーダライタ200が当該信号をユーザ端末300に送信する。ステップS1108では、ユーザがスマートフォン301等の情報処理装置を操作することによって複数種類の会員証情報の中から使用する会員証情報を選択する。なお、ユーザが、使用する会員証情報を店員に伝え、店員がPOS端末100に当該情報を入力することで会員証情報の選択が行われてもよいし、ユーザ自身がPOS端末100に対して、使用する会員証情報を入力することで会員証情報の選択が行われてもよい。この場合、以降の動作で通信される応答信号において会員証情報の一部または全部が省略されてもよい。
【0088】
ステップS1112では、ユーザ端末300がユーザ操作に基づいて会員証情報が含まれる応答信号を生成し、応答信号をリーダライタ200に送信する。このとき、ユーザ端末300は、ユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報も応答信号に含める。ステップS1116では、リーダライタ200が応答信号をPOS端末100に送信する。
【0089】
応答信号を受信したPOS端末100は、ステップS1120にて応答信号に含まれるユーザ端末300のチップ内IDを確認し、ステップS1124にて応答信号に含まれる電子レシートフラグ情報を確認する。ステップS1128では、POS端末100は、応答信号に含まれる会員証情報に関する処理を実施する。例えば、POS端末100は、会員証情報に基づいてユーザが会員登録されているか否かの判定等を行う。
【0090】
上記の動作によって、POS端末100は、電子レシート情報の提供処理に用いる、ユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得することができる。なお、
図6のフローチャートはあくまで一例であり、適宜変更され得る。例えば、レシート発行前に行われる他の動作にて、POS端末100がチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得することができる場合には、会員証提示の際にこれらの情報が送受信されなくてもよい。
【0091】
(4-3.ポイントカード提示の際の動作)
図7は、ポイントカードが提示される際にチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報の取得が行われる場合の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図7においては、複数種類のポイントカード情報が記録されたスマートフォン301等の情報処理装置が用いられる場合を想定して説明するが、これに限定されない。例えば、一種類のポイントカード情報が記録されたICカード302等が使用されてもよい。
【0092】
ステップS1200では、POS端末100がポイントカード情報を要求する信号を生成し、当該信号をリーダライタ200に送信し、ステップS1204ではリーダライタ200が当該信号をユーザ端末300に送信する。ステップS1208では、ユーザがスマートフォン301等の情報処理装置を操作することによって複数種類のポイントカード情報の中から使用するポイントカード情報を選択する。なお、ユーザが、使用するポイントカード情報を店員に伝え、店員がPOS端末100に当該情報を入力することでポイントカード情報の選択が行われてもよいし、ユーザ自身がPOS端末100に対して、使用するポイントカード情報を入力することでポイントカード情報の選択が行われてもよい。この場合、以降の動作で通信される応答信号においてポイントカード情報の一部または全部が省略されてもよい。
【0093】
ステップS1212では、ユーザ端末300がユーザ操作に基づいてポイントカード情報が含まれる応答信号を生成し、応答信号をリーダライタ200に送信する。このとき、ユーザ端末300は、ユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報も応答信号に含める。ステップS1216では、リーダライタ200が応答信号をPOS端末100に送信する。
【0094】
応答信号を受信したPOS端末100は、ステップS1220にて応答信号に含まれるユーザ端末300のチップ内IDを確認し、ステップS1224にて応答信号に含まれる電子レシートフラグ情報を確認する。ステップS1228では、POS端末100は、応答信号に含まれるポイントカード情報に関する処理を実施する。例えば、POS端末100は決済額に応じたポイントの追加処理等を行う。
【0095】
上記の動作によって、POS端末100は、電子レシート情報の提供処理に用いる、ユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得することができる。なお、
図7のフローチャートはあくまで一例であり、適宜変更され得る。例えば、レシート発行前に行われる他の動作にて、POS端末100がチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得することができる場合には、ポイントカード提示の際にこれらの情報が送受信されなくてもよい。
【0096】
(4-4.決済の動作)
図8は、決済が行われる際にチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報の取得が行われる場合の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図8においては、複数種類の決済方法を実施可能なスマートフォン301等の情報処理装置が用いられる場合を想定して説明するが、これに限定されない。例えば、一種類の決済方法のみ実施可能なICカード302等(プリペイドカード、クレジットカード等)が使用されてもよい。
【0097】
ステップS1300では、POS端末100が電子オーダー情報に基づいて決済額を確定する。ステップS1304では、POS端末100が決済に用いられる情報(電子マネーの残高、クレジットカード番号等。以降、「電子決済情報」と呼称する)を要求する信号を生成し、当該信号をリーダライタ200に送信し、ステップS1308ではリーダライタ200が当該信号をユーザ端末300に送信する。ステップS1312では、ユーザがスマートフォン301等の情報処理装置を操作することによって複数種類の決済方法の中から決済方法を選択する。なお、ユーザが決済方法を店員に伝え、店員がPOS端末100に当該情報を入力することで決済方法の選択が行われてもよいし、ユーザ自身がPOS端末100に対して、決済方法を入力することで決済方法の選択が行われてもよい。この場合、以降の動作で通信される応答信号において電子決済情報の一部または全部が省略されてもよい。
【0098】
ステップS1316では、ユーザ端末300がユーザ操作に基づいて電子決済情報が含まれる応答信号を生成し、応答信号をリーダライタ200に送信する。このとき、ユーザ端末300は、ユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報も応答信号に含める。ステップS1320では、リーダライタ200が応答信号をPOS端末100に送信する。
【0099】
応答信号を受信したPOS端末100は、ステップS1324にて応答信号に含まれるユーザ端末300のチップ内IDを確認し、ステップS1328にて応答信号に含まれる電子レシートフラグ情報を確認する。ステップS1332では、POS端末100は、決済処理を実施する。例えば、POS端末100は、ユーザ端末300中に保有されている電子マネーから決済額に相当する電子マネーを取得する処理を行ったり、ユーザ端末300から取得したクレジットカード情報に基づいて一般的なクレジットカード決済処理を行ったりする。
【0100】
上記の動作によって、POS端末100は、電子レシート情報の提供処理に用いる、ユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得することができる。なお、
図8のフローチャートはあくまで一例であり、適宜変更され得る。例えば、レシート発行前に行われる他の動作にて、POS端末100がチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報を取得することができる場合には、決済処理の際にこれらの情報が送受信されなくてもよい。すなわち、現金によって決済が行われてもよい。
【0101】
(4-5.第1のレシート発行動作)
上記では、レシート発行前に行われる各種動作について説明した。続いて、上記の各種動作でPOS端末100によって取得されたユーザ端末300のチップ内IDおよび電子レシートフラグ情報に基づいて行われるレシートの発行動作について説明する。
【0102】
図9は、第1のレシート発行動作の一例を示すフローチャートである。第1のレシート発行動作とは、レシート発行直前の処理で提示されたチップの電子レシートフラグ情報がオンになっている場合(電子レシート情報の発行が必要である場合を指す)に電子レシート情報の発行が行われる動作である。例えば、レシート発行直前に実施された決済処理において提示されたチップの電子レシートフラグ情報がオンになっており、決済処理に用いられた装置(スマートフォン301等)に対して電子レシート情報が提供される場合等が該当する。
【0103】
ステップS1400にて、レシート発行直前の処理で提示されたチップの電子レシートフラグ情報がオンになっていない場合(ステップS1400/No)、ステップS1404にて、POS端末100が、ユーザに対して、電子レシート情報ではなく紙レシートを発行する(または、電子レシート情報および紙レシートのいずれも発行しない)。
【0104】
レシート発行直前の処理で提示されたチップの電子レシートフラグ情報がオンになっている場合(ステップS1400/Yes)、ステップS1408にて、POS端末100が、当該チップのチップ内IDを要求する信号を生成し、当該信号をリーダライタ200に送信し、ステップS1412ではリーダライタ200が当該信号をユーザ端末300に送信する。
【0105】
ステップS1416では、ユーザ端末300が当該信号の受信に基づいてチップ内IDが含まれる応答信号を生成し、応答信号をリーダライタ200に送信する。ステップS1420では、リーダライタ200が応答信号をPOS端末100に送信する。
【0106】
ステップS1424では、POS端末100が、応答信号に含まれるチップ内IDと、レシート発行直前の処理で取得したチップ内IDとの同一性を判断する。互いのチップ内IDが同一であると判断されなかった場合(ステップS1428/No)、ステップS1432にて、POS端末100は、ユーザに対して、電子レシート情報ではなく紙レシートを発行する(または、電子レシート情報および紙レシートのいずれも発行しない)。
【0107】
互いのチップ内IDが同一であると判断された場合(ステップS1428/Yes)、ステップS1436にて、POS端末100は、電子レシート情報を生成し、当該電子レシート情報を含む信号をリーダライタ200に送信する。ステップS1440ではリーダライタ200が当該信号をユーザ端末300に送信することで、ユーザ端末300は電子レシート情報を取得することができる。ステップS1444では、ユーザ端末300が取得した電子レシート情報をセキュアメモリ331に保管する。
【0108】
ステップS1448では、ユーザ端末300は電子レシート情報の受領結果通知を生成し、当該信号をリーダライタ200に送信する。ステップS1452では、リーダライタ200が受領結果通知をPOS端末100に送信することで、POS端末100は、ユーザ端末300による電子レシート情報の受領結果を認識することができる。なお、ユーザ端末300が電子レシート情報を適切に受領できなかった場合には、POS端末100は、電子レシート情報の送信処理を再度実施してもよい。
【0109】
上記のとおり、POS端末100は、レシート発行直前の処理で取得されたチップ内IDと同一のチップ内IDを有さないチップに対しては電子レシート情報を提供しない。これによって、POS端末100は、決済者と電子レシート情報の受領者の同一性を担保することができる。例えば、決済後に第三者が任意の情報処理装置をリーダライタ200にかざして電子レシート情報の取得を試みても、POS端末100は、決済時のチップ内IDと当該装置のチップ内IDが異なることによって当該装置に対する電子レシート情報の提供を回避することができる。なお、
図9のフローチャートはあくまで一例であり、適宜変更され得る。
【0110】
(4-6.第2のレシート発行動作)
図10は、第2のレシート発行動作の一例を示すフローチャートである。第2のレシート発行動作とは、決済の過程で提示されたチップのいずれか一つでも電子レシートフラグ情報がオンになっている場合には電子レシート情報の発行が行われる動作である。例えば、決済処理の後に、ユーザが、電子レシートフラグ情報がオンになっているユーザ端末300を、再度リーダライタ200にかざすことによって電子レシート情報を取得する場合等が該当する。なお、複数のチップの電子レシート情報がオンになっている場合には、当該チップのいずれが再度リーダライタ200にかざされてもよいこととする。
【0111】
ステップS1500にて、決済の過程で提示された、いずれかのチップの電子レシートフラグ情報がオンになっていない場合(ステップS1500/No)、ステップS1504にて、POS端末100が、ユーザに対して、電子レシート情報ではなく紙レシートを発行する(または、電子レシート情報および紙レシートのいずれも発行しない)。
【0112】
いずれかのチップの電子レシートフラグ情報がオンになっている場合(ステップS1500/Yes)、ステップS1508にて、POS端末100が、当該チップのチップ内IDを要求する信号を生成し、当該信号をリーダライタ200に送信し、ステップS1512ではリーダライタ200が当該信号をユーザ端末300に送信する。
【0113】
そして、ステップS1516では、ユーザが、電子レシートフラグ情報がオンになっているユーザ端末300を再度リーダライタ200にかざすことによって、ユーザ端末300がチップ内IDを含む応答信号を生成し、応答信号をリーダライタ200に送信する。ステップS1520では、リーダライタ200が応答信号をPOS端末100に送信する。以降の処理は、
図9のステップS1424~ステップS1452と同一であるため、説明を省略する。
【0114】
上記の動作によって、ユーザは、所望のチップに電子レシート情報を集約することができる。また、電子レシート情報の取得に伴い、ユーザがユーザ端末300を再度リーダライタ200にかざすという行為を意図的に行うため、ユーザが意図せず電子レシート情報を取得してしまうという事態を回避することができる。なお、
図10のフローチャートはあくまで一例であり、適宜変更され得る。例えば、決済の過程で提示されたチップのいずれか一つでも電子レシートフラグ情報がオフになっている場合には電子レシート情報の発行が行われなくてもよい。また、チップが提示される順番等に基づいてチップの電子レシートフラグ情報の優先順位が決定されてもよい(例えば、後に提示されるチップの電子レシートフラグ情報がより優先される等)し、優先順位に関する情報が別途提示されてもよい。
【0115】
(4-7.電子レシート情報へのアクセス制御動作)
続いて、
図11を参照して、電子レシート情報を取得したユーザ以外の第三者のアプリケーション(以降、便宜的に「外部アプリケーション」と呼称する)からの電子レシート情報へのアクセスに対する制御動作について説明する。
図11は、外部アプリケーションからの電子レシート情報へのアクセスに対する制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0116】
図11に示す「アクセス管理アプリケーション」とは、ユーザ端末300の処理部320によって実行される、電子レシート情報へのアクセスを制御するアプリケーションである。また、「管理サーバ」とは、電子レシート情報へのアクセス権を管理する情報処理装置である。以降では、管理サーバがユーザ端末300とは別個に設けられる場合を想定して記載するが、これに限定されない。すなわち、ユーザ端末300が管理サーバの機能を有していてもよい。
【0117】
まず、ステップS1600にて事前に、管理サーバが、電子レシート情報へのアクセス権に関する情報を含む許可リストを作成する。許可リストは、例えば、外部アプリケーション毎にアクセス可能な情報項目がリストアップされた情報であり、ユーザが適宜編集可能な情報である。なお、これはあくまで一例であり、許可リストの内容は適宜変更され得る。
【0118】
ステップS1604にて、外部アプリケーションが電子レシート情報へのアクセスを要求する信号(アクセスする情報項目が指定されていてもよい)をユーザ端末300に対して送信した場合、ステップS1608で、アクセス管理アプリケーションは、外部アプリケーションのアクセス権の有無およびその内容を確認する信号を管理サーバに対して送信する。ステップS1612では、管理サーバは、当該信号の受信に基づいて外部アプリケーションのアクセス権の有無およびその内容を確認し、確認結果をアクセス管理アプリケーションに対して送信する。
【0119】
外部アプリケーションが電子レシート情報に対するアクセス権を有していない場合(ステップS1616/No)、ステップS1620にて、アクセス管理アプリケーションは、外部アプリケーションに対してアクセス権を有していないことを通知する。外部アプリケーションが電子レシート情報に対するアクセス権を有している場合(ステップS1616/Yes)、ステップS1624にて、アクセス管理アプリケーションが電子レシート情報を要求する信号をセキュアメモリ331に対して送信する。ステップS1628では、セキュアメモリ331が電子レシート情報をアクセス管理アプリケーションに対して提供する。
【0120】
ステップS1632では、アクセス管理アプリケーションが電子レシート情報を外部アプリケーションに対して提供する。ステップS1636では、外部アプリケーションが受領した電子レシート情報を用いて各種処理を実施する。
【0121】
上記の動作によって、ユーザ端末300は、保管している電子レシート情報へのアクセスをより適切に制御することができる。例えば、仮に、外部アプリケーションに対してセキュアメモリ331へのアクセスを可能とする鍵情報等を付与した場合、当該鍵情報が漏洩すると第三者による不正アクセス等が発生する可能性がある。一方、上記の方法においては、管理サーバが電子レシート情報へのアクセス権を一元管理しているため、上記のような不正アクセスは発生しない。
【0122】
<5.装置のハードウェア構成>
上記では、本実施形態に係る各装置の動作について説明した。続いて、
図12を参照して、POS端末100またはユーザ端末300のハードウェア構成について説明する。
図12は、POS端末100またはユーザ端末300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。POS端末100またはユーザ端末300は、
図12に示す情報処理装置900によって実現される。
【0123】
情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、を備える。また、情報処理装置900は、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、ドライブ911と、リムーバブル記憶媒体912と、通信装置913と、を備える。
【0124】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムまたは演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムまたは、その実行において適宜変化するパラメータなどを一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0125】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0126】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置900を操作するユーザは、当該入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0127】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。
【0128】
ストレージ装置910は、本開示の一実施形態にかかる近距離無線通信装置の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムおよび各種データを格納する。
【0129】
ドライブ911は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ911は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体912に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ911は、リムーバブル記憶媒体912に情報を書き込むこともできる。
【0130】
通信装置913は、通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。
【0131】
<6.むすび>
以上で説明してきた本開示は、電子レシート情報の提供をより適切に行うことができる。より具体的には、本開示は、サーバを経由することなく電子レシート情報を提供することができる。これによって、本開示は、サーバ等のコストを低減させることができ、決済が完了してからユーザが電子レシート情報を受領するまでのタイムラグを短縮させることができる。さらに、本開示は、ユーザによる会員登録なく電子レシート情報を提供することができる。
【0132】
また、本開示は、決済の過程で取得したチップ内IDと、電子レシート情報の提供時に取得したチップ内IDとを比較し、これらが同一である場合に電子レシート情報を提供することで、決済者と電子レシート情報の受領者の同一性を担保することができる。
【0133】
また、本開示は、電子レシート情報の受渡しのために、互いの離隔距離が所定の距離以下である場合に成功する非接触通信(NFC、Bluetooth、Wi-Fi等)、または、接触通信を用いることによって、決済者と電子レシート情報の受領者の同一性をより確実に担保することができる。
【0134】
また、本開示は、ユーザがユーザ端末300をリーダライタ200に一回かざす行為だけで、決済に伴い発生する一連の処理(電子オーダー処理、会員証提示、ポイントカード提示およびポイント加算、決済処理、電子レシート情報受領等)を実現することができる。また、本開示は、電子レシートフラグ情報を用いることで、より簡易に、ユーザ所望の方法でレシートを提供することができる。
【0135】
また、電子レシート情報がセキュアメモリ331に保管されることによって、本開示は、電子レシート情報に対する不正な閲覧、改ざん、複製もしくは削除等を防ぐことができる。また、本開示は、電子レシート情報に含まれる複数種類の情報単位でアクセス制御を行うことができる。また、セキュアメモリ331が、複数のアプリケーションもしくはサービスによって共通的に使用され得るために、本開示は、電子レシート情報の二次利用を促進させることができる。
【0136】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0137】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0138】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
決済の過程で使用される外部端末から提供された所定の情報を取得する取得部と、
前記所定の情報に基づいて前記決済の電子レシート情報の提供を制御する制御部と、を備える、
情報処理装置。
(2)
前記所定の情報は、前記外部端末に備えられるチップに記録される所定の識別情報である、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、前記所定の識別情報が前記決済の過程で提供された識別情報と一致している外部端末に対して前記電子レシート情報を提供する、
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記所定の情報には、前記電子レシート情報の要否を示すフラグ情報も含まれる、
前記(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、前記電子レシート情報の提供の直前に取得された前記フラグ情報に基づいて前記電子レシート情報の提供を制御する、
前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、前記決済の過程で取得された複数の前記フラグ情報のうちのいずれかに基づいて前記電子レシート情報を提供する、
前記(4)に記載の情報処理装置。
(7)
決済の過程で使用される外部端末から提供された所定の情報を取得することと、
前記所定の情報に基づいて前記決済の電子レシート情報の提供を制御することと、を有する、
コンピュータにより実行される情報処理方法。
(8)
決済の過程で前記決済の電子レシート情報の要否を示すフラグ情報の送信を行う通信部を備える、
情報処理装置。
(9)
前記通信部は、自装置に備えられるチップに記録される所定の識別情報の送信も行う、
前記(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記通信部は、通信先装置との離隔距離が所定の距離以下である場合に成功する通信方式によって前記送信を行う、
前記(8)または(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記通信部は、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、または、Bluetooth(登録商標)のいずれかの前記通信方式によって前記送信を行う、
前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)
耐タンパ性を有するセキュリティチップ内に構成されたセキュアメモリに前記電子レシート情報を記憶する記憶部をさらに備える、
前記(8)から(11)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(13)
前記セキュアメモリは、複数のアプリケーションに共通して使用される、
前記(12)に記載の情報処理装置。
(14)
前記電子レシート情報へのアクセス権を管理する外部サーバと連携することで前記電子レシート情報へのアクセスを制御する制御部をさらに備える、
前記(12)または(13)に記載の情報処理装置。
(15)
前記アクセス権は前記電子レシート情報に含まれる複数種類の情報単位に設定される、
前記(14)に記載の情報処理装置。
(16)
ユーザ操作に基づいて前記フラグ情報を設定する設定部をさらに備える、
前記(8)から(15)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(17)
前記情報処理装置は、ICカード、スマートフォンまたは携帯電話を含む、
前記(8)から(16)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(18)
決済の過程で前記決済の電子レシート情報の要否を示すフラグ情報の送信を行うことを有する、
コンピュータにより実行される情報処理方法。
【符号の説明】
【0139】
100 POS端末
110 通信部
120 処理部
121 オーダー処理部
122 会員証処理部
123 ポイントカード処理部
124 決済処理部
125 レシート処理部
130 記憶部
200 リーダライタ
210 通信部
211 第1の通信部
212 第2の通信部
220 処理部
230 記憶部
300 ユーザ端末
310 通信部
320 処理部
330 記憶部
331 セキュアメモリ