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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20221031BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020197265
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2021180299
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】16/872,605
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】林 綺涵
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/073321(WO,A1)
【文献】特表2013-510424(JP,A)
【文献】特開2011-134788(JP,A)
【文献】特開2009-88450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0027829(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域と、前記第1の領域を囲む第2の領域とを有する固体撮像素子であって、
複数の光電変換素子を有する基板、
前記基板上に配置され、前記複数の光電変換素子に対応する複数のカラーフィルタセグメントを含むカラーフィルタ層、および
前記カラーフィルタ層の上に配置され、導波路パーティショングリッドと、前記導波路パーティショングリッドの空間内の導波路材料と、前記導波路パーティショングリッドおよび前記導波路材料上の反射防止膜とを含む光導波路層を含み、
前記導波路パーティショングリッドの上部の幅は、前記導波路パーティショングリッドの底部の幅よりも大きく、
前記導波路パーティショングリッドは、前記第1の領域の第1の導波路部と、前記第2の領域の前記第1の導波路部に対応する第2の導波路部とを有し、
前記複数のカラーフィルタセグメントは、赤、緑、及び青のうち少なくとも1つの色のカラーフィルタセグメントを含み、
前記第2の領域の前記複数のカラーフィルタセグメントにそれぞれ対応する前記導波路材料の上面は、前記第2の領域の前記複数のカラーフィルタセグメントと同じ色である、前記第1の領域の前記複数のカラーフィルタセグメントにそれぞれ対応する前記導波路材料の上面より小さい固体撮像素子。
【請求項2】
前記第2の導波路部の上部の第2の導波路幅は、前記第1の導波路部の上部の第1の導波路幅より大きく、且つ前記第2の導波路幅と前記第1の導波路幅との比は、1.05~1.3である請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記複数のカラーフィルタセグメントは、複数の赤色カラーフィルタセグメントと、複数の緑色カラーフィルタセグメントおよび/または青色カラーフィルタセグメントとを含み、
前記第1の導波路部および前記第2の導波路部は、前記複数の赤色カラーフィルタセグメントに対応する空間を囲み、且つ前記第2の領域では、前記複数の赤色カラーフィルタセグメントのそれぞれに対応する前記導波路材料の上面は、前記複数の緑色カラーフィルタセグメントおよび/または青色カラーフィルタセグメントのそれぞれに対応する導波路材料の上面よりも小さい請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記複数の光電変換素子は、複数の正常画素と、前記複数の正常画素に囲まれた複数の位相検出オートフォーカス画素とに配置され、
前記複数の位相検出オートフォーカス画素のそれぞれは、前記複数の光電変換素子の少なくとも2つに対応し、
前記複数の正常画素のそれぞれは、前記複数の光電変換素子の1つに対応する請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
第1の領域と、前記第1の領域を囲む第2の領域とを有する固体撮像素子であって、
複数の光電変換素子を有する基板、
前記基板上に配置され、前記複数の光電変換素子に対応する複数のカラーフィルタセグメントを含むカラーフィルタ層、および
前記カラーフィルタ層の上に配置され、導波路パーティショングリッドと、前記導波路パーティショングリッドの空間内の導波路材料と、前記導波路パーティショングリッドおよび前記導波路材料上の反射防止膜とを含む光導波路層を含み、
前記導波路パーティショングリッドの上部の幅は、前記導波路パーティショングリッドの底部の幅よりも大きく、
前記複数の光電変換素子は、複数の正常画素と、前記複数の正常画素に囲まれた複数の位相検出オートフォーカス画素とに配置され、
前記複数の位相検出オートフォーカス画素のそれぞれは、前記複数の光電変換素子の少なくとも2つに対応し、
前記複数の正常画素のそれぞれは、前記複数の光電変換素子の1つに対応し、
前記カラーフィルタ層は、前記複数のカラーフィルタセグメントの間に配置された金属グリッドをさらに含み、
前記金属グリッドは、前記第1の領域内に第1の金属部を有し、前記第2の領域内に前記第1の金属部に対応する第2の金属部を有し、
前記第2の金属部の第2の金属幅は、前記第1の金属部の第1の金属幅より大きく、
前記第2の金属幅と前記第1の金属幅の比は、1.2~1.75の範囲内である固体撮像素子。
【請求項6】
前記第1の金属部および前記第2の金属部は、前記複数の位相検出オートフォーカス画素の1つと、前記複数の位相検出オートフォーカス画素の1つを囲む前記複数の正常画素との間の空間に対応し、
前記複数のカラーフィルタセグメントは、前記正常画素の前記第2の金属部の一部を覆う請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記第1の金属部および前記第2の金属部は、前記複数の位相検出オートフォーカス画素の1つと、前記複数の位相検出オートフォーカス画素の1つを囲む前記複数の正常画素との間の空間に対応し、
前記カラーフィルタ層は、前記複数のカラーフィルタセグメントの間と、前記金属グリッド上に配置されたカラーフィルタパーティショングリッドをさらに含み、
前記カラーフィルタパーティショングリッドは、前記第2の金属部の前記第2の金属幅よりも小さいグリッド幅を有する請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記導波路パーティショングリッドは、前記第1の領域内の第1の導波路部と、前記第2の領域内の前記第1の導波路部に対応する第2の導波路部とを有し、且つ前記第2の導波路部の上部の第2の導波路幅は、前記第1の導波路部の上部の第1の導波路幅よりも大きい請求項4に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
第1の領域と、前記第1の領域を囲む第2の領域とを有する固体撮像素子であって、
複数の光電変換素子を有する基板、
前記基板上に配置され、前記複数の光電変換素子に対応する複数のカラーフィルタセグメントを含むカラーフィルタ層、および
前記カラーフィルタ層の上に配置され、導波路パーティショングリッドと、前記導波路パーティショングリッドの空間内の導波路材料と、前記導波路パーティショングリッドおよび前記導波路材料上の反射防止膜とを含む光導波路層を含み、
前記導波路パーティショングリッドの上部の幅は、前記導波路パーティショングリッドの底部の幅よりも大きく、
前記複数の光電変換素子は、複数の正常画素と、前記複数の正常画素に囲まれた複数の位相検出オートフォーカス画素とに配置され、
前記複数の位相検出オートフォーカス画素のそれぞれは、前記複数の光電変換素子の少なくとも2つに対応し、
前記複数の正常画素のそれぞれは、前記複数の光電変換素子の1つに対応し、
前記導波路パーティショングリッドは、前記第1の領域内の第1の導波路部と、前記第2の領域内の前記第1の導波路部に対応する第2の導波路部とを有し、且つ前記第2の導波路部の上部の第2の導波路幅は、前記第1の導波路部の上部の第1の導波路幅よりも大きく、
前記第1の導波路部および前記第2の導波路部は、前記複数の位相検出オートフォーカス画素の1つと、前記複数の位相検出オートフォーカス画素の1つを囲む前記複数の正常画素との間の空間に対応し、
前記カラーフィルタ層は、前記複数のカラーフィルタセグメントの間に配置されたカラーフィルタパーティショングリッドをさらに含み、
前記複数の光電変換素子は、前記複数の正常画素によって前記複数の位相検出オートフォーカス画素から分離された複数の追加の正常画素にさらに配置され、且つ前記複数の正常画素の1つに対応する前記導波路材料の上面は、前記第2の領域内の前記複数の追加の正常画素の1つに対応する前記導波路材料の上面よりも小さい固体撮像素子。
【請求項10】
第1の領域と、前記第1の領域を囲む第2の領域とを有する固体撮像素子であって、
複数の光電変換素子を有する基板、
前記基板上に配置され、前記複数の光電変換素子に対応する複数のカラーフィルタセグメントを含むカラーフィルタ層、および
前記カラーフィルタ層の上に配置され、導波路パーティショングリッドと、前記導波路パーティショングリッドの空間内の導波路材料と、前記導波路パーティショングリッドおよび前記導波路材料上の反射防止膜とを含む光導波路層を含み、
前記導波路パーティショングリッドの上部の幅は、前記導波路パーティショングリッドの底部の幅よりも大きく、
前記複数の光電変換素子は、複数の正常画素と、前記複数の正常画素に囲まれた複数の位相検出オートフォーカス画素とに配置され、
前記複数の位相検出オートフォーカス画素のそれぞれは、前記複数の光電変換素子の少なくとも2つに対応し、
前記複数の正常画素のそれぞれは、前記複数の光電変換素子の1つに対応し、
前記カラーフィルタ層は、前記カラーフィルタセグメントの間に配置されたカラーフィルタパーティショングリッドをさらに含み、
前記カラーフィルタパーティショングリッドは、前記第1の領域内に第1のカラー部を有し、前記第2の領域内に前記第1のカラー部に対応する第2のカラー部を有し、
前記第2のカラー部の底部の第2のカラー幅は、前記第1のカラー部の底部の第1のカラー幅よりも小さい固体撮像素子。
【請求項11】
前記第1のカラー部および前記第2のカラー部は、前記複数の位相検出オートフォーカス画素の1つと、前記複数の位相検出オートフォーカス画素の1つを囲む前記複数の正常画素との間の空間に対応し、
前記第2のカラー部によって囲まれた前記複数のカラーフィルタセグメントの1つの底面は、前記第1のカラー部によって囲まれた前記複数のカラーフィルタセグメントのもう1つの底面よりも大きい請求項10に記載の固体撮像素子。
【請求項12】
前記導波路パーティショングリッドは、前記第1の領域内の第1の導波路部と、前記第2の領域内の前記第1の導波路部に対応する第2の導波路部とを有し、且つ前記第1の導波路部の上部の第1の導波路幅は、前記第2の導波路部の上部の第2の導波路幅よりも大きく、
前記第1の導波路部によって囲まれた前記導波路材料の上面は、前記第2の導波路部によって囲まれた前記導波路材料の上面よりも小さい請求項4に記載の固体撮像素子。
【請求項13】
空間内の前記導波路材料は、長方形、三角形、弧形、またはそれらの組み合わせを含むプロファイルを有する請求項1に記載の固体撮像素子。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子に関するものであり、特に、可変幅を有する導波路パーティショングリッドを含む固体撮像素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電荷結合素子(CCD)イメージセンサおよび相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサなどの固体撮像素子は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどのさまざまな撮像装置に広く用いられている。これらの固体撮像素子では、光検出部が複数の画素のそれぞれに形成されており、信号電荷が光検出部で受光した光量に応じて発生する。また、光検出部で発生した信号電荷は、伝送されて増幅され、これにより画像信号を得る。
【0003】
近年、画素数を増加させて高解像度の画像を提供するために、CMOSイメージセンサに代表される固体撮像素子の画素サイズを小さくする傾向にある。しかしながら、画素サイズの縮小が進む一方で、固体撮像素子の設計および製造には依然として様々な課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可変幅を有する導波路パーティショングリッドを含む固体撮像素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
固体撮像素子のエッジ領域または周辺領域内(または近傍)では、固体撮像素子に照射される入射光は、斜めになる可能性があり、且つ光電変換素子の感度は、異なるカラーフィルタセグメントの異なる屈折率により、不均一になる可能性がある。本発明の実施形態では、固体撮像素子は、異なるグリッド幅を有する導波路パーティショングリッドを含み、これにより、固体撮像素子のエッジ領域または周辺領域内の画素感度の均一性を高めることができる。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、第1の領域と、第1の領域を囲む第2の領域とを有する固体撮像素子が提供される。固体撮像素子は、複数の光電変換素子を有する基板を含む。固体撮像素子は、基板上に配置されたカラーフィルタ層も含む。カラーフィルタ層は、複数の光電変換素子に対応する複数のカラーフィルタセグメントを含む。本発明の固体撮像素子は、カラーフィルタ層の上に光導波路層をさらに含む。光導波路層は、導波路パーティショングリッドと、導波路パーティショングリッドの空間内の導波路材料と、導波路パーティショングリッドおよび導波路材料上の反射防止膜とを含む。導波路パーティショングリッドの上部の幅は、導波路パーティショングリッドの底部の幅よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本発明のよれば、固体撮像素子のエッジ領域または周辺領域内の画素感度の均一性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を通じて、より完全に理解することができる。業界標準の慣行に従って、さまざまな特徴が縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。実際、さまざまな特徴の寸法は、明確に説明できるようにするために、任意に増加または減少されることがある。
図1図1は、いくつかの実施形態による固体撮像素子を示す上面図である。
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-1を示す部分平面図である。
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-1を示す部分平面図である。
図2C図2Cは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-3を示す部分平面図である。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-1を示す部分断面図である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-2を示す部分断面図である。
図3C図3Cは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-3を示す部分断面図である。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-1を示す部分断面図である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-3を示す部分断面図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-1を示す部分断面図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-3を示す部分断面図である。
図6A図6Aは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-1を示す部分断面図である。
図6B図6Bは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-3を示す部分断面図である。
図7A図7Aは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-1を示す部分断面図である。
図7B図7Bは、いくつかの実施形態による固体撮像素子の領域ROI-3を示す部分断面図である。
図8A図8Aは、いくつかの実施形態による固体撮像素子を示す部分断面図である。
図8B図8Bは、いくつかの実施形態による固体撮像素子を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示の第2の特徴の上方、または上への第1の特徴の形成は、第1と第2の特徴が直接接触で形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触でないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成された複数の実施形態を含むこともできる。
【0010】
例示された方法の前、間、または後に追加のステップを実施することができ、例示された方法の他の実施形態では、いくつかのステップが置き換えられるかまたは省略されることがあることを理解されたい。
【0011】
更に(以下の詳細な説明において)、「下の方」、「下方」、「下部」、「上の方」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴の関係を別の(複数の)要素と(複数の)特徴で記述するための説明を簡潔にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0012】
本開示では、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、一般的に、所定値の+/-20%を意味し、より一般的に、所定値の+/-10%を意味し、より一般的に、所定値の+/-5%を意味し、より一般的に、所定値の+/-3%を意味し、より一般的に、所定値の+/-2%を意味し、より一般的に、所定値の+/-1%を意味し、さらにより一般的に、所定値の+/-0.5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。即ち、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語の具体的な説明がないとき、所定値は、「約」、「およそ」、および「実質的に」の意味を含む。
【0013】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0014】
また、本開示は、複数の例において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、複数の以下に討論する実施形態および/または配置の関係を限定するものではない。
【0015】
固体撮像素子では、入射光は、画素アレイの中央領域に放射される入射光の法線角度よりも大きい斜めの角度で、画素アレイのエッジ(周辺領域)に放射される。入射光の角度は、固体撮像素子の受光面の法線から決定される。例えば、画素アレイのエッジ(周辺領域)に照射される入射光の傾斜角度は、約+/-20度から約+/-40度であることができ、画素アレイの中央領域に照射される入射光の法線角度は、約0度であることができる。
【0016】
固体撮像装置は、受光ユニットに入射する光の方向により、大きく2つのグループに分類される。1つは、読み取り回路の配線層が形成されている基板の表面に入射する受光する表面照射型(FSI)撮像素子である。もう1つは、配線層が形成されていない基板の裏面に入射する光を受光する裏面照射型(BSI)撮像素子である。カラー画像を撮像するために、FSIおよびBSI撮像素子にカラーフィルタが提供される。FSIおよびBSI撮像素子は、通常、画素間の光を遮断して混色を防ぐ遮光グリッド構造を有する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態による固体撮像素子100を示す上面図である。図1に示すように、領域ROI-1は固体撮像素子100の中央領域を表し、領域ROI-3は固体撮像素子100のエッジ領域(周辺領域)を表し、領域ROI-2は領域ROI-1と領域ROI-3との間の領域を表している。図1は、固体撮像素子100の領域ROI-1、領域ROI-2、および領域ROI-3の相対位置を示している。領域ROI-1、領域ROI-2、および領域ROI-3の相対位置は、以下の図においても適用され得ることに留意すべきである。
【0018】
図2Aは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子200の領域ROI―1を示す部分平面図である。図2Bは、本発明の実施形態による固体撮像素子200の領域ROI-2を示す部分平面図である。図2Cは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子200の領域ROI-3を示す部分平面図である。図3Aは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子200の領域ROI-1を示す部分断面図である。図3Bは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子200の領域ROI-2を示す部分断面図である。図3Cは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子の領域ROI-3を示す部分断面図である。
【0019】
この実施形態では、図3Aは、図2Aに示された線A-A’または線B-B’に沿った固体撮像素子200の領域ROI-1の断面図であることができる。同様に、図3Bは、図2Bに示された線C-C’または線D-D’に沿った固体撮像素子200の領域ROI-2の断面図であることができ、同様に、図3Cは、図2Cに示された線E-E’または線F-F’に沿った固体撮像素子200の領域ROI-3の断面図であることができる。図2A図3Cの領域ROI-1、領域ROI-2、および領域ROI-3の相対的な位置は、図1を参照することもできる。図2A図3Cでは、簡潔にするために、固体撮像素子200のいくつかの構成要素が省略されてもよいことに留意すべきである。
【0020】
いくつかの本実施形態では、固体撮像素子200は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサまたは電荷結合素子(CCD)イメージセンサで形成されることができるが、本開示はそれに限定されない。図2に示すように、図3Aから図3Cを参照すると、固体撮像デバイス200は、例えば、ウェハまたはチップであり得る基板101を含むが、本開示はそれに限定されない。図3A~3Cに示されるように、固体撮像素子200は、例えばウェハやチップなどの基板101を含むが、本開示はそれに限定されない。基板101は、表面101Fと、表面101Fの反対側の裏面101Bとを有する。複数の光電変換素子103(例えば、フォトダイオード)が基板101に形成されることができる。
【0021】
図3A図3Cに示すように、基板101は、複数の光電変換素子103を有する。基板101内の光電変換素子103は、シャロートレンチアイソレーション(STI)領域またはディープトレンチアイソレーション領域などの分離構造(図示せず)によって互いに分離されることができる。分離構造は、エッチングプロセスを用いて、基板101にトレンチを形成し、トレンチを絶縁材料または誘電体材料で充填して形成されることができる。本実施形態の固体撮像素子の図は、いくつかの画素を示しているが、実際には、固体撮像素子は、画素アレイに数百万以上の画素を有する。
【0022】
いくつかの本実施形態では、光電変換素子103が基板101の裏面101bに形成され、配線層105が基板101の表面101fに形成されているが、本実施形態はそれに限定されない。配線層105は、複数の誘電体層に埋め込まれた複数の導電線およびビアを含む相互接続構造でもよく、固体撮像装置200に必要な様々な電気回路をさらに含むことができる。入射光は、裏面101B側に照射され、光電変換素子103で受光される。図3A図3Cに示される固体撮像素子200は、裏面照射型(BSI)撮像素子と称されるが、本実施形態はそれに限定されない。他の実施形態では、固体撮像素子200は、表面照射型(FSI)撮像装置であることができる。図3A図3Cに示される基板101および配線層105は、FSI撮像素子では、反転されればよい。FSI撮像素子では、入射光は、表面101F側に照射され、配線層105を通過した後、基板101の裏面101Bに形成された光電変換素子103で受光される。
【0023】
図3A図3Cに示されるように、いくつかの本実施形態では、固体撮像素子200は、基板101の裏面101Bに形成され、光電変換素子103を覆う高誘電率(高κ)膜107を含むこともできる。高κ膜107の材料は、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ハフニウムタンタル(HfTaO)、酸化ハフニウムチタン(HfTiO)、酸化ハフニウムジルコニウム(HfZrO)、五酸化タンタル(Ta)、他の好適な高κ膜誘電体材料のいずれか一種、またはそれらの2種以上を組み合わせたものを含むことができるが、本実施形態はそれらに限定されない。高κ膜107は、堆積プロセスにより形成されてもよい。堆積プロセスは、例えば、化学気相成長(CVD)、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、原子層堆積(ALD)、または他の堆積技術である。高κ膜107は、高屈折率および光吸収能力を有することができる。
【0024】
いくつかの本実施形態では、固体撮像素子200は、高κ膜107上に形成されたバッファ層109をさらに含むことができる。バッファ層109の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、他の適切な絶縁材料のいずれか一種、またはそれらの2種以上を組み合わせたものを含むことができるが、本開示はそれに限定されない。バッファ層109は、堆積プロセスによって形成されてもよい。堆積プロセスは、例えば、スピンオンコーティング、化学気相成長、流動性化学気相堆積(FCVD)、プラズマ強化化学気相堆積、物理気相堆積(PVD)、または別の堆積技術である。
【0025】
図3A図3Cに示すように、固体撮像素子200は、基板101上および光電変換素子103の上方に配置されたカラーフィルタ層120を含む。より詳細には、カラーフィルタ層120は、図3A図3Cに示されるように、バッファ層109上に形成された金属グリッド111を含むが、本実施形態はそれに限定されない。本実施形態では、金属グリッド111の材料は、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、金属窒化物(例えば、窒化チタン(TiN))、他の適切な材料のいずれか一種、またはそれらの2種以上を組み合わせたものを含むことができるが、本実施形態は、それに限定されない。金属グリッド111は、バッファ層109上に金属層を堆積させ、次いでフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを用いて金属層をパターニングしてグリッド構造によって形成できるが、本実施形態はそれに限定されない。
【0026】
図3A図3Cに示すように、カラーフィルタ層120は、カラーフィルタパーティショングリッド(partition grid)113Bおよび複数のカラーフィルタセグメント115も含む。カラーフィルタセグメント115は、光電変換素子103に対応し、カラーフィルタパーティショングリッド113Bは、カラーフィルタセグメント115の間、および金属グリッド111上に配置される。本実施形態では、金属グリッド111、カラーフィルタパーティショングリッド113B、およびカラーフィルタセグメント115は、総称してカラーフィルタ層120と呼ばれることがある。特に、カラーフィルタパーティショングリッド113Bは、金属グリッド111の少なくとも一部の上に形成されて覆うことができ、カラーフィルタセグメント115は、カラーフィルタパーティショングリッド113Bのそれぞれの空間に配置されることができる。カラーフィルタパーティショングリッド113Bの材料は、約1.0~約1.99の範囲の低屈折率を有する透明な誘電体材料を含むことができ、カラーフィルタパーティショングリッド113Bの屈折率は、カラーフィルタセグメント115の屈折率より低くてもよいが、本実施形態はそれに限定されない。各カラーフィルタセグメント115は、1つのそれぞれの光電変換素子103に対応することができるが、本開示はそれに限定されない。
【0027】
さらに、いくつかの本実施形態では、カラーフィルタセグメント115は、図3A図3Cに示すように、適切な配置で配列された赤色(R)カラーフィルタセグメント115Rおよび緑色(G)/青色(B)カラーフィルタセグメント115GBを含むことができる。他の実施形態では、カラーフィルタセグメント115は、適切な配置で赤色、緑色、および青色のカラーフィルタセグメントと共に配列された白(W)または他のカラーフィルタセグメントをさらに含むことができる。カラーフィルタセグメント115は、カラーフィルタパーティショングリッド113Bの上面と同じ高さの上面を有することができるが、本開示はそれに限定されない。
【0028】
図3A図3Bに示されるように、固体撮像素子200は、カラーフィルタ層120の上に光導波路層130をさらに含む。図3A図3Cに示されるように、光導波路層130は、導波路パーティショングリッド123Aと、導波路パーティショングリッド123Aの空間内(および光電変換素子103の上方)に配置された導波路材料(導波路コア部)121と、導波路パーティショングリッド123Aおよび導波路材料121上の反射防止膜123Bとを含む。より詳細には、図3A図3Cに示すように、導波路パーティショングリッド123Aは、カラーフィルタパーティショングリッド113Bに対応するように配置され、導波路材料121および導波路パーティショングリッド123Aは同一平面上の上面を有し、反射防止膜123Bは同一平面上の上面に配置されることができるが、本実施形態はそれに限定されない。
【0029】
本実施形態では、導波路パーティショングリッド123aの材料は、約1.0~約1.99の範囲の低屈折率を有する透明な誘電体材料を含むことができ、導波路材料121の材料は、導波路パーティショングリッド123Aの屈折率よりも高い屈折率を有する他の透明な誘電体材料を含むことができるが、本実施形態はそれに限定されない。本実施形態では、導波路材料121の屈折率は、約1.1~約2.0の範囲である。本実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aおよび反射防止膜123Bは、同じ材料で作られ、同じプロセスステップで一緒に形成されることができるが、本実施形態はそれに限定されない。他の実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aおよび反射防止膜123Bは、異なるプロセスステップで形成されてもよい。
【0030】
本実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aの上部の幅は、導波路パーティショングリッド123Aの底部の幅よりも大きくてもよい。即ち、図3A図3Cに示された固体撮像素子200の断面図では、導波路パーティショングリッド123Aは、複数の台形として形成されることができるが、本実施形態はそれに限定されない。なお、導波路パーティショングリッド123Aの上部及び底部について、基板101、カラーフィルタ層120、及び光導波路層130の積層方向で、底部は上部よりも基板101に近い方に位置している。そして、導波路パーティショングリッド123Aの上部及び底部の幅は、基板101、カラーフィルタ層120、及び光導波路層130の積層方向に対して垂直な方向の長さに相当する。また、以下の説明において、「上部」及び「底部」について、上部は、基板101、カラーフィルタ層120、及び光導波路層130の積層方向で、底部よりも遠い方の部分を示し、底部は、当該積層方向で、上部よりも近い方の部分を示している。また、「幅」は、基板101、カラーフィルタ層120、及び光導波路層130の積層方向に対して垂直な方向の長さに相当する。
【0031】
いくつかの本実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aは、図2Aおよび図3Aに示されるように、領域ROI-1内の第1の導波路部123A1と、図2Bおよび図3B(または図2Cおよび図3C)に示されるように、領域ROI-2(または領域ROI-3)内の第1の導波路部123A1に対応する第2の導波路部123A2(または123A2’)とを有する。さらに、第2の導波路部123A2(または123A2’)の上部の第2の導波路幅WW2(またはWW2’)は、第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1よりも大きい。この実施形態では、第2の導波路部123A2’の上部の第2の導波路幅WW2’は、第2の導波路部123A2の上部の第2の導波路幅WW2よりも大きい。即ち、領域ROI-2(即ち、固体撮像素子200の中央領域とエッジ領域との間)内の第2の導波路部123A2の上部の第2の導波路幅WW2、または領域ROI-3(即ち、固体撮像素子200のエッジ領域)内の第2の導波路部123A2’の上部の第2の導波路幅WW2’は、領域ROI-1(即ち、固体撮像素子200の中央領域)内の第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1よりも大きい。
【0032】
図2A図2B図3A、および図3Bに示されるように、例えば、第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1は、約0.15μm~約0.22μmの範囲であってもよく、第2の導波路部123A2の上部の第2の導波路幅WW2は、約0.17μm~約0.24μmの範囲であってもよいが、本実施形態はそれに限定されない。同様に、図2Cおよび図3Cに示されるように、第2の導波路部123A2’の上部の第2の導波路幅WW2’は、約0.19μm~約0.26μmの範囲であってもよいが、本実施形態はそれに限定されない。いくつかの本実施形態では、第2の導波路部123A2(または123A2’)の上部の第2の導波路幅WW2(またはWW2’)と第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1との比(WW2/WW1またはWW2’/WW1)は、約1.05~約1.3であってもよいが、本実施形態はそれに限定されない。
【0033】
さらに、図2A図2Cおよび図3A図3Cに示される実施形態では、領域ROI-1内の第1の導波路部123A1および領域ROI-2(または領域ROI-3)内の第2の導波路部123A2(または123A2’)は、赤色カラーフィルタセグメント115Rに対応する空間を囲む。図2A図2Cに示すように、第2の導波路部123A2(または123A2’)の上部の第2の導波路幅WW2(またはWW2’)は、第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1より大きいため、領域ROI-2(即ち、固体撮像素子200の中央領域とエッジ領域との間)または領域ROI-3(即ち、固体撮像素子200のエッジ領域)内の赤色カラーフィルタセグメント115Rのそれぞれに対応する導波路材料121の上面121Rは、領域ROI-1(即ち、固体撮像素子200の中央領域)内の赤色カラーフィルタセグメント115Rのそれぞれに対応する導波路材料121の上面121Rよりも小さい。図2Bおよび図2Cに示されるように、赤色カラーフィルタセグメント115Rのそれぞれに対応する導波路材料121の上面121Rは、領域ROI-2または領域ROI-3内の緑色/青色カラーフィルタセグメント115GBのそれぞれに対応する導波路材料121の上面121GBよりも小さい。
【0034】
いくつかの本実施形態では、領域ROI-2(即ち、固体撮像素子200の中央領域とエッジ領域との間)または領域ROI-3(即ち、固体撮像素子200のエッジ領域)内の導波路パーティショングリッド123Aの位置は、カラーフィルタパーティショングリッド113Bの位置に対して、方向Dにシフト距離がシフトされる。ここでは、方向Dは、カラーフィルタ層120の上面と平行な平面上にある水平方向である。シフト距離は、固体撮像素子200の領域ROI-2または領域ROI-3内の感度、チャネル分離、または他の性能に基づいて調整されることができる。本実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aのシフト距離は一定であることができるが、本実施形態はそれに限定されない。他の実施形態では、導波路パーティショングリッド123aのシフト距離は可変であることができる。
【0035】
本実施形態によれば、領域ROI-2または領域ROI-3内の導波路パーティショングリッド123Aの位置がシフトして固体撮像素子200に照射した斜め入射光は、カラーフィルタセグメント115に導入され、光電変換素子103の中央領域近傍の位置に到達することができる。従って、固体撮像素子200のエッジ領域(周辺領域)内(または近傍)の感度を高めることができる。
【0036】
さらに、より高い屈折率により、赤色カラーフィルタセグメント115Rは、領域ROI-2(即ち、固体撮像素子200の中央領域とエッジ領域との間)または領域ROI-3(即ち、固体撮像素子200のエッジ領域)内の緑色/青色カラーフィルタセグメント115GBよりも高い感度を有することができる。本実施形態では、第2の導波路部123A2(または123A2’)の上部の第2の導波路幅WW2(またはWW2’)は、第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1より大きくなるよう設定されており、これにより、カラーフィルタセグメント115の感度の差を低減できる。従って、固体撮像素子200のエッジ領域(周辺領域)内(または近傍)の感度の均一性を高めることができる。
【0037】
図4Aは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子300の領域ROI-1を示す部分断面図である。図4Bは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子300の領域ROI-3を示す部分断面図である。図4Aおよび図4Bの領域ROI-1および領域ROI-3の相対的な位置は、図1を参照してもよい。図4Aおよび図4Bでは、簡潔にするために、固体撮像素子300のいくつかの構成要素が省略されてもよいことに留意すべきである。
【0038】
図4Aおよび図4Bに示すように、いくつかの本実施形態では、固体撮像素子300の光電変換素子103は、複数の正常画素Pと、正常画素Pで囲まれた複数の位相検出オートフォーカス画素PDAFとで配置されることができる。いくつかの本実施形態では、位相検出オートフォーカス画素PDAFのそれぞれは、少なくとも2つの光電変換素子103に対応することができ、正常画素Pのそれぞれは、光電変換素子103の1つに対応することができるが、本実施形態はそれに限定されない。
【0039】
本実施形態では、金属グリッド111は、固体撮像素子300の異なる領域において異なる幅を有する。例えば、図4Aおよび図4Bに示されるように、金属グリッド111は、領域ROI-1(即ち、固体撮像素子300の中央領域)に第1の金属部111Aと、領域ROI-3(即ち、固体撮像素子300のエッジ領域)に第1の金属部111Aに対応する第2の金属部111Bとを有するが、本実施形態はそれに限定されない。他の実施形態では、金属グリッド111の第2の金属部111Bは、領域ROI-2(即ち、固体撮像素子300の中央領域とエッジ領域の間)に配置されてもよい。
【0040】
本実施形態では、金属グリッド111の第1の金属部111Aおよび第2の金属部111Bは、位相検出オートフォーカス画素PDAFの1つと、対応する正常画素P(即ち、位相検出オートフォーカス画素PDAFを囲んでいる正常画素P)との間の空間に対応する。さらに、第2の金属部111Bの第2の金属幅MW2は、第1の金属部111Aの第1の金属幅MW1よりも大きい。より詳細には、図4Bに示されるように、金属グリッド111の第2の金属部111Bは、領域ROI-3内の正常画素Pに対応するカラーフィルタセグメント115の下に部分的に配置されることができる。即ち、図4Bに示されるように、カラーフィルタセグメント115は、正常画素Pにおける金属グリッド111の第2の金属部111Bの一部を覆うことができる。代わりに、図4Aに示されるように、金属グリッド111の第1の金属部111Aは、領域ROI-1内のカラーフィルタパーティショングリッド113Bによって完全に覆われてもよい。
【0041】
いくつかの本実施形態では、第2の金属部111Bの第2の金属幅MW2と第1の金属部111Aの第1の金属幅MW1との比(MW2/MW1)は、約1.2~約1.75とすることができるが、本開示はそれに限定されない。
【0042】
領域ROI-3(または領域ROI-2)内の位相検出オートフォーカス画素PDAFを囲む正常画素Pは、他の正常画素Pよりも高い感度を有するため、領域ROI-3(または領域ROI-2)の感度は、不均衡である可能性がある。本実施形態では、第2の金属部111Bの第2の金属幅MW2は、第1の金属部111Aの第1の金属幅MW1よりも大きく設定されるため、正常画素Pの感度の差を、減少できる。従って、固体撮像素子300のエッジ領域(周辺領域)内(または近傍)の感度の均一性を高めることができる。
【0043】
いくつかの本実施形態では、図4Bに示されるように、領域ROI-3では、カラーフィルタパーティショングリッド113Bはグリッド幅CWを有し、グリッド幅CWは、第2の金属部111Bの第2の金属幅MW2より小さいことができるが、本実施形態はそれに限定されない。
【0044】
図5Aは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子400の領域ROI-1を示す部分断面図である。図5Bは、本発明の実施形態による固体撮像素子400の領域ROI-3を示す部分断面図である。図5Aおよび図5Bの領域ROI-1および領域ROI-3の相対的な位置は、図1を参照してもよい。図5Aおよび図5Bでは、簡潔にするために、固体撮像素子400のいくつかの構成要素が省略されてもよいことに留意すべきである。
【0045】
図5Aおよび図5Bに示すように、いくつかの本実施形態では、固体撮像素子400の光電変換素子103は、複数の正常画素Pと、正常画素Pで囲まれた複数の位相検出オートフォーカス画素PDAFとで配置されることができる。同様に、位相検出オートフォーカス画素PDAFのそれぞれは、少なくとも2つの光電変換素子103に対応することができ、正常画素Pのそれぞれは、光電変換素子103の1つに対応することができるが、本実施形態はそれに限定されない。
【0046】
図5Aおよび図5Bに示されるように、いくつかの本実施形態では、固体撮像素子400の光電変換素子103は、複数の追加の正常画素P1にさらに配置されてもよく、追加の正常画素P1は、正常画素Pによって位相検出オートフォーカス画素PDAFから分離される。
【0047】
本実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aは、固体撮像素子400の異なる領域において異なる幅を有する。例えば、図5Aおよび図5Bに示されるように、導波路パーティショングリッド123Aは、領域ROI-1(即ち、固体撮像素子400の中央領域)に第1の金属部123A1と、領域ROI-3(即ち、固体撮像素子400のエッジ領域)に第1の導波路部123A1に対応する第2の導波路部123A2とを有するが、本実施形態はそれに限定されない。他の実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aの第2の導波路部123A2は、領域ROI-2(即ち、固体撮像素子400の中央領域とエッジ領域の間)に配置されてもよい。
【0048】
本実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aの第1の導波路部123A1および第2の導波路部123A2は、位相検出オートフォーカス画素PDAFの1つと、対応する正常画素P(即ち、位相検出オートフォーカス画素PDAFを囲んでいる正常画素P)との間の空間に対応する。さらに、第2の導波路部123A2の上部の第2の導波路幅WW2は、第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1よりも大きい。
【0049】
いくつかの本実施形態では、図5Bに示されるように、正常画素Pの1つに対応する導波路材料121の上面121Aは、領域ROI-3(または領域ROI-2)の追加の正常画素P1の1つに対応する導波路材料121の上面121Bよりも小さいが、本実施形態はそれに限定されない。
【0050】
領域ROI-3(または領域ROI-2)内の位相検出オートフォーカス画素PDAFを囲む正常画素Pは、他の正常画素P(例えば、追加の正常画素P1)よりも高い感度を有するため、領域ROI-3(または領域ROI-2)の感度は、不均衡である可能性がある。本実施形態では、第2の導波路部123A2の上部の第2の導波路幅WW2は、第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1よりも大きくなるように設定されるため、正常画素Pの感度の差を、減少できる。従って、固体撮像素子400のエッジ領域(周辺領域)内(または近傍)の感度の均一性を高めることができる。
【0051】
本実施形態では、図5Bに示されるように、導波路パーティショングリッド123Aは、領域ROI-3(即ち、固体撮像素子400のエッジ領域)内の追加の正常画素P1の1つに対応する第3の導波路部123A3を有することができる。また、第2の導波路部123A2の上部の第2の導波路幅WW2は、第3の導波路部123A3の上部の第3の導波路幅WW3よりも大きいが、本実施形態はそれに限定されない。
【0052】
図6Aは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子500の領域ROI-1を示す部分断面図である。図6Bは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子の領域ROI-3を示す部分断面図である。図6Aおよび図6Bの領域ROI-1および領域ROI-3の相対的な位置は、図1を参照してもよい。図6Aおよび図6Bでは、簡潔にするために、固体撮像素子500のいくつかの構成要素が省略されてもよいことに留意すべきである。
【0053】
図6Aおよび図6Bに示すように、いくつかの本実施形態では、固体撮像素子500の光電変換素子103は、複数の正常画素Pと、正常画素Pで囲まれた複数の位相検出オートフォーカス画素PDAFとで配置されることができる。同様に、位相検出オートフォーカス画素PDAFのそれぞれは、少なくとも2つの光電変換素子103に対応することができ、正常画素Pのそれぞれは、光電変換素子103の1つに対応することができるが、本実施形態はそれに限定されない。
【0054】
本実施形態では、カラーフィルタパーティショングリッド113Bは、固体撮像素子500の異なる領域において異なる幅を有する。例えば、図6Aおよび図6Bに示されるように、カラーフィルタパーティショングリッド113Bは、領域ROI-1(即ち、固体撮像素子500の中央領域)に第1のカラー部113B1と、領域ROI-3(即ち、固体撮像素子500のエッジ領域)に第1のカラー部113B1に対応する第2のカラー部113B2とを有するが、本実施形態はそれに限定されない。他の実施形態では、カラーフィルタパーティショングリッド113Bの第2のカラー部113B2は、領域ROI-2(即ち、固体撮像素子500の中央領域とエッジ領域の間)に配置されてもよい。
【0055】
本実施形態では、カラーフィルタパーティショングリッド113Bの第1のカラー部113B1および第2のカラー部113B2は、位相検出オートフォーカス画素PDAFの1つと、対応する正常画素P(即ち、位相検出オートフォーカス画素PDAFを囲んでいる通常画素P)との間の空間に対応する。さらに、第2のカラー部113b2の底部の第2のカラー幅CW2は、第1のカラー部113b1の下面の第1のカラー幅CW1よりも小さい。
【0056】
図6Aおよび図6Bに示された実施形態では、第2のカラー部113B2で囲まれたカラーフィルタセグメント115の1つの底面115B2(領域ROI-3または領域ROI-2の位相検出オートフォーカス画素PDAFに対応する)は、第1のカラー部113B1で囲まれたカラーフィルタセグメント115のもう1つの底面115B1(領域ROI-1の位相検出オートフォーカス画素PDAFに対応する)よりも大きい。
【0057】
領域ROI-3(または領域ROI-2)内の位相検出オートフォーカス画素PDAFを囲む正常画素Pは、他の正常画素Pよりも高い感度を有するため、領域ROI-3(または領域ROI-2)の感度は、不均衡である可能性がある。本実施形態では、第2のカラー部113B2の底部の第2のカラー幅CW2は、第1のカラー部113B1の底部の第1のカラー幅CW1よりも小さく設定されるため、正常画素Pの感度の差を減少できる。従って、固体撮像素子500のエッジ領域(周辺領域)内(または近傍)の感度の均一性を高めることができる。
【0058】
図7Aは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子600の領域ROI-1を示す部分断面図である。図7Bは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子600の領域ROI-3を示す部分断面図である。図7Aおよび図7Bの領域ROI-1および領域ROI-3の相対的な位置は、図1を参照してもよい。図7Aおよび図7Bでは、簡潔にするために、固体撮像素子600のいくつかの構成要素が省略されてもよいことに留意すべきである。
【0059】
図7Aおよび図7Bに示すように、いくつかの本実施形態では、固体撮像素子600の光電変換素子103は、複数の正常画素Pと、正常画素Pで囲まれた複数の位相検出オートフォーカス画素PDAFとで配置されることができる。同様に、位相検出オートフォーカス画素PDAFのそれぞれは、少なくとも2つの光電変換素子103に対応することができ、正常画素Pのそれぞれは、光電変換素子103の1つに対応することができるが、本実施形態はそれに限定されない。
【0060】
本実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aは、固体撮像素子600の異なる領域において異なる幅を有する。例えば、図7Aおよび図7Bに示されるように、導波路パーティショングリッド123Aは、領域ROI-1(即ち、固体撮像素子600の中央領域)に第1の金属部123A1と、領域ROI-3(即ち、固体撮像素子600のエッジ領域)に第1の導波路部123A1に対応する第2の導波路部123A2とを有するが、本実施形態はそれに限定されない。他の実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aの第2の導波路部123A2は、領域ROI-2(即ち、固体撮像素子600の中央領域とエッジ領域の間)に配置されてもよい。
【0061】
本実施形態では、導波路パーティショングリッド123Aの第1の導波路部123A1および第2の導波路部123A2は、位相検出オートフォーカス画素PDAFの1つと、対応する正常画素P(即ち、位相検出オートフォーカス画素PDAFを囲んでいる正常画素P)との間の空間に対応する。さらに、第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1は、第2の導波路部123A2の上部の第2の導波路幅WW2よりも大きい。
【0062】
図7Aおよび図7Bに示されるように、他の実施形態では、第1の導波路部123A1で囲まれた導波路部材121の上面121A1(領域ROI-1の位相検出オートフォーカス画素PDAFに対応する)は、第2の導波路部123A2で囲まれた導波路材料121の上面121A2(領域ROI-3または領域ROI-2の位相検出オートフォーカス画素PDAFに対応する)よりも小さい。
【0063】
本実施形態では、第1の導波路部123A1の上部の第1の導波路幅WW1は、第2の導波路部123A2の上部の第2の導波路幅WW2よりも大きくなるように設定されるため、固体撮像素子600の感度の均一性を高めることができる。
【0064】
図8Aは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子700を示す部分断面図である。図8Bは、いくつかの本実施形態による固体撮像素子800を示す部分断面図である。図8Aおよび図8Bでは、簡潔にするために、固体撮像素子700または固体撮像素子800のいくつかの構成要素が省略されてもよいことに留意すべきである。
【0065】
図8Aに示すように、空間内の導波路材料121のプロファイルは、三角形の形状であってもよく、図8Bに示すように、空間内の導波路材料121のプロファイルは、円弧の形状であってもよいが、本実施形態はそれらに限定されるものではない。いくつかの本実施形態では、空間内の導波路材料121は、長方形、三角形、その他の多角形、円弧、またはそれらの組み合わせを含むプロファイルを有していてもよい。
【0066】
要約すると、本開示の実施形態によれば、固体撮像素子のいくつかの構成要素の幅を調整することにより、カラーフィルタセグメントの感度の差は減少されることができる。従って、固体撮像素子のエッジ領域または周辺領域内(または近傍)の感度の均一性を高めることができる。
【0067】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できるであろう。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。従って、保護の範囲は請求項を通じて決定される必要がある。さらに、いくつかの本実施形態が上記に開示されているが、それらは、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0068】
本明細書全体にわたる特徴、利点、または同様の言語への言及は、本開示で実現され得る全ての特徴および利点が、本開示の任意の単一の実施形態で実現されるべきまたは実現され得ることを意味するのではない。むしろ、特徴および利点に言及する言語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。従って、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに類似の言語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。
【0069】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、本開示の説明された特徴、利点、および特性は、任意の適切な方法で組み合わせることができる。当業者は、本明細書の説明に基づいて、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしに本開示を実施できることを認識するであろう。他の例では、本開示の全ての実施形態に存在しない可能性がある、追加の特徴および利点が特定の実施形態において認識され得る。
【符号の説明】
【0070】
100、200、300、400、500、600、700、800 固体撮像素子
101 基板
101B 裏面
101F 表面
103 光電変換素子
105 配線層
107 高誘電率(高κ)膜
109 バッファ層
111 金属グリッド
111A 第1の金属部
111B 第2の金属部
113B カラーフィルタパーティショングリッド
113B1 第1のカラー部
113B2 第2のカラー部
115 カラーフィルタセグメント
115GB 緑色/青色カラーフィルタセグメント
115R 赤色カラーフィルタセグメント
120 カラーフィルタ層
121 導波路材料
121GB 導波路材料の上面
121R 導波路材料の上面
123A 導波路パーティショングリッド
123A1 第1の導波路部
123A2、123A2’ 第2の導波路部
123A3 第3の導波路部
123B 反射防止膜
130 光導波路層
A-A’、B-B’、C-C’、D-D’、E-E’、F-F’ 断面図
CW グリッド幅
CW1 第1のカラー幅
CW2 第2のカラー幅
D 方向
MW1 第1の金属幅
MW2 第2の金属幅
P 正常画素
P1 追加の正常画素
PDAF 位相検出オートフォーカス画素
ROI-1、ROI-2、ROI-3 領域
WW1 第1の導波路幅
WW2、WW2’ 第2の導波路幅
WW3 第3の導波路幅
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B