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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】エネルギー利用点追従器インバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20221031BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20221031BHJP
【FI】
H02M7/48 F
H02M3/155 P
H02M7/48 R
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020531921
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 US2018064495
(87)【国際公開番号】W WO2019118297
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】15/838,044
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/197,139
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521367857
【氏名又は名称】エルティー・(ユーエスエイ)・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ジェフリー・ウェン-タイ
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/298305(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/055483(US,A1)
【文献】特表2018-530075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0093314(US,A1)
【文献】国際公開第2013/145263(WO,A1)
【文献】米国特許第7479774(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2006/0082341(US,A1)
【文献】国際公開第1993/023912(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02M 3/155
G05F 1/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
逐次エネルギー抽出制御デバイスであって、該逐次エネルギー抽出制御デバイスは、3つの単相DC/ACコンバータのDCエネルギー抽出シーケンスおよびエネルギー抽出持続期間時間を制御するように構成され、該3つの単相DC/ACコンバータは、3相DC/ACコンバータに作り付けられ、該3相DC/ACコンバータは、
第1のPWM抽出器を備える、前記3相DC/ACコンバータ内の第1の前記単相コンバータであって、該第1のPWM抽出器は、1kHzより上で高/低信号スイッチングを動作させ、第1のAC電力をDC電力源から、該第1のAC電力がある周波数と第1の位相とを有するように抽出するように構成され、前記第1の位相は、3相AC電力グリッドの第1の電力伝達ケーブル対において存在するAC電力の電力グリッド規約に適合する、第1の前記単相コンバータと、
第2のPWM抽出器を備える、前記3相DC/ACコンバータ内の第2の前記単相コンバータであって、該第2のPWM抽出器は、1kHzより上で高/低信号スイッチングを動作させ、第2のAC電力を前記DC電力源から、該第2のAC電力が前記第1のAC電力と同じ周波数を有するが第2の位相を伴うように抽出するように構成され、該第2の位相は、前記3相AC電力グリッドの第2の電力伝達ケーブル対において存在するAC電力の前記電力グリッド規約に適合する、第2の前記単相コンバータと、
第3のPWM抽出器を備える、前記3相DC/ACコンバータ内の第3の前記単相コンバータであって、該第3のPWM抽出器は、1kHzより上で高/低信号スイッチングを動作させ、第3のAC電力を前記DC電力源から、該第3のAC電力が前記第1のAC電力及び前記第2のAC電力と同じ周波数を有するが第3の位相を伴うように抽出するように構成され、該第3の位相は、前記3相AC電力グリッドの第3の電力伝達ケーブル対において存在するAC電力の前記電力グリッド規約に適合する、第3の前記単相コンバータと
を備え、前記逐次エネルギー抽出制御デバイスは、
前記第1のPWM抽出器が、第1のデューティサイクルであって該第1のデューティサイクルの間に該第1のPWM抽出器が前記DC電力源からの電力抽出を実行する第1のデューティサイクルを有することを引き起し、前記第2のPWM抽出器が、第2のデューティサイクルであって該第2のデューティサイクルの間に該第2のPWM抽出器が前記DC電力源からの電力抽出を実行する第2のデューティサイクルを有することを引き起し、前記第3のPWM抽出器が、第3のデューティサイクルであって該第3のデューティサイクルの間に該第3のPWM抽出器が前記DC電力源からの電力抽出を実行する第3のデューティサイクルを有することを引き起し、前記第1、第2、および第3のデューティサイクルが、時間ドメインにおいて重ならないように、前記第1、第2、および第3のPWM抽出器が、逐次的に抽出を実行するように構成された逐次レギュレータ
を備え、
前記逐次レギュレータは、少なくとも1つのAC電力サイクルの現在時間に従って、前記第1、第2、および第3のデューティサイクルのデューティファクタ調整を指図し、それによって、前記第1のAC電力、前記第2のAC電力、および前記第3のAC電力のうちの1つまたは複数を調整するようにさらに構成され、前記デューティファクタ調整は、前記AC電力サイクルにおける時間tの関数として、前記第1のデューティサイクルが2/3cos(ωt)であり、前記第2のデューティサイクルが2/3cos(ωt+120°)であり、前記第3のデューティサイクルが2/3cos(ωt-120°)であるように配置構成される、
逐次エネルギー抽出制御デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の逐次エネルギー抽出制御デバイスであって、前記逐次レギュレータは、
時間クロックと、
複数列を有する時間表であって、各々の列は、AC電力サイクルのそれぞれの部分に対応し、前記AC電力サイクルの前記それぞれの部分についての前記第1、前記第2、および前記第3のデューティサイクルを決定するのに十分な情報を表す、時間表と、
前記十分な情報を使用して、前記第1、前記第2、および前記第3のPWM抽出器を逐次的に起動するように構成される起動器と
を備えた、逐次エネルギー抽出制御デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の逐次エネルギー抽出制御デバイスであって、前記十分な情報は、前記第1のデューティサイクルについての開始時間および終了時間である、逐次エネルギー抽出制御デバイス。
【請求項4】
請求項2に記載の逐次エネルギー抽出制御デバイスであって、前記時間表は、前記複数の列の各々に少なくとも2つの値を含み、第1の前記値は、D*(2/3)*cos(ωt)に等しく、第2の前記値は、D*(2/3)*cos(ωt+120°)に等しく、ここで、DはPWM期間であり、tは前記AC電力サイクルの中の時間である、逐次エネルギー抽出制御デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の逐次エネルギー抽出制御デバイスであって、前記逐次レギュレータは、誘導デバイスからの信号に応答してデューティファクタ調整を指図するように構成された、逐次エネルギー抽出制御デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の逐次エネルギー抽出制御デバイスであって、前記第1のデューティサイクルと前記第2のデューティサイクルとの間の隔たりが、PWMサイクルの3分の1以下である、逐次エネルギー抽出制御デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の逐次エネルギー抽出制御デバイスであって、前記第1のデューティサイクルと前記第2のデューティサイクルとの間の隔たりが、PWMサイクルの5分の1以下である、逐次エネルギー抽出制御デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の逐次エネルギー抽出制御デバイスであって、前記第1のデューティサイクルと前記第2のデューティサイクルとの間の隔たりが、PWMサイクルの20分の1以下である、逐次エネルギー抽出制御デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の逐次エネルギー抽出制御デバイスであって、前記第1のデューティサイクルと前記第2のデューティサイクルとの間の隔たりが、PWMサイクルの100分の1以下である、逐次エネルギー抽出制御デバイス。
【請求項10】
3相DC/ACコンバータにおいて使用するための逐次抽出制御デバイスであって、該3相DC/ACコンバータは、DC電力から第1のAC電力を抽出するための第1のPWM抽出器を備えた第1の単相DC/ACコンバータであって、該第1のAC電力は第1の位相を有し電力グリッド規約に適合する、第1の単相DC/ACコンバータと、前記DC電力から第2のAC電力を抽出するための第2のPWM抽出器を備えた第2の単相DC/ACコンバータであって、該第2のAC電力は第2の位相を有し前記電力グリッド規約に適合する、第2の単相DC/ACコンバータと、前記DC電力から第3のAC電力を抽出するための第3のPWM抽出器を備えた第3の単相DC/ACコンバータであって、該第3のAC電力は第3の位相を有し前記電力グリッド規約に適合する、第3の単相DC/ACコンバータとを備え、前記逐次抽出制御デバイスは、
前記第1のPWM抽出器が、第1のデューティサイクルであって該第1のデューティサイクルの間に該第1のPWM抽出器が抽出を実行する第1のデューティサイクルを有することを引き起し、前記第2のPWM抽出器が、第2のデューティサイクルであって該第2のデューティサイクルの間に該第2のPWM抽出器が抽出を実行する第2のデューティサイクルを有することを引き起し、前記第3のPWM抽出器が、第3のデューティサイクルであって該第3のデューティサイクルの間に該第3のPWM抽出器が抽出を実行する第3のデューティサイクルを有することを引き起し、前記第1、第2、および第3のデューティサイクルが重ならないように、前記第1、第2、および第3のPWM抽出器が、逐次的に抽出を実行するようにする逐次レギュレータであって、該逐次レギュレータは、前記第1、第2、および第3のデューティサイクルについてのデューティファクタ調整を、前記第1のAC電力、前記第2のAC電力、および前記第3のAC電力のうちの少なくとも1つのAC電力サイクルの現在部分に応じて指図するように構成され、前記デューティファクタ調整は、前記AC電力サイクル内の時間tの関数として、前記第1のデューティサイクルが2/3cos(ωt)であり、前記第2のデューティサイクルが2/3cos(ωt+120°)であり、前記第3のデューティサイクルが2/3cos(ωt-120°)であるようにする、逐次レギュレータ
を備えた、逐次抽出制御デバイス。
【請求項11】
3相DC/ACコンバータシステムであって、
DC電力から第1のAC電力を抽出するための第1のPWM抽出器を備えた第1の単相DC/ACコンバータであって、該第1のAC電力は第1の位相を有し電力グリッド規約に適合する、第1の単相DC/ACコンバータと、前記DC電力から第2のAC電力を抽出するための第2のPWM抽出器を備えた第2の単相DC/ACコンバータであって、該第2のAC電力は第2の位相を有し前記電力グリッド規約に適合する、第2の単相DC/ACコンバータと、前記DC電力から第3のAC電力を抽出するための第3のPWM抽出器を備えた第3の単相DC/ACコンバータであって、該第3のAC電力は第3の位相を有し前記電力グリッド規約に適合する、第3の単相DC/ACコンバータとを備えた3相DC/ACコンバータと、
前記第1のPWM抽出器が、第1のデューティサイクルであって該第1のデューティサイクルの間に該第1のPWM抽出器が抽出を実行する第1のデューティサイクルを有することを引き起し、前記第2のPWM抽出器が、第2のデューティサイクルであって該第2のデューティサイクルの間に該第2のPWM抽出器が抽出を実行する第2のデューティサイクルを有することを引き起し、前記第3のPWM抽出器が、第3のデューティサイクルであって該第3のデューティサイクルの間に該第3のPWM抽出器が抽出を実行する第3のデューティサイクルを有することを引き起し、前記第1、第2、および第3のデューティサイクルが重ならないように、前記第1、第2、および第3のPWM抽出器が、逐次的に抽出を実行するようにする逐次レギュレータであって、該逐次レギュレータは、前記第1、第2、および第3のデューティサイクルについてのデューティファクタ調整を、前記第1のAC電力、前記第2のAC電力、および前記第3のAC電力のうちの少なくとも1つのAC電力サイクルの現在部分に応じて指図するように構成された逐次レギュレータと、
を備え、前記逐次レギュレータは、
時間クロックと、
複数列を有する時間表であって、各々の列は、AC電力サイクルのそれぞれの部分に対応し、前記AC電力サイクルの前記それぞれの部分についての前記第1、第2、および第3のデューティサイクルを決定するのに十分な情報を表す、時間表と、
前記十分な情報を使用して、前記第1、第2、および第3のPWM抽出器を逐次的に起動するように構成される起動器と
を備えた、
3相DC/ACコンバータシステム。
【請求項12】
請求項11に記載の3相DC/ACコンバータシステムであって、前記十分な情報は、前記第1のデューティサイクルについての開始時間および終了時間である、3相DC/ACコンバータシステム。
【請求項13】
請求項11に記載の3相DC/ACコンバータシステムであって、前記時間表は、前記複数の列の各々に少なくとも2つの値を含み、第1の前記値は、D*(2/3)*cos(ωt)に等しく、第2の前記値は、D*(2/3)*cos(ωt+120°)に等しく、ここで、DはPWM期間であり、tは前記AC電力サイクルの中の時間である、3相DC/ACコンバータシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]単相DC/ACコンバータは、DCエネルギー源からの直流(DC)電気エネルギーを、電力グリッドの規約(convention)に適合する交流(AC)電力へと変換する。電力グリッド規約は、電力グリッド上で搬送されるAC振動電力が、個別の固定されたピーク電圧を伴う、および、個別の固定された周波数を伴う正弦波形を有するということを定める。
【0002】
[0002]従来の3相DC/ACコンバータは、各々の電力線の間の120°位相差(「A相、B相、およびC相」と呼称される)を伴う、3つの電力線へのAC電力を提供する。その核心において、3相DC/ACコンバータは、各々が、それぞれの電力線への同じ時間平均されたAC電力の伝達のために抽出および変換を実行する、3つの単相DC/ACコンバータからなる。単相DC/ACコンバータのうちの1つは、かくして、A相を伴う第1の電力線上のAC電力を提供する。単相DC/ACコンバータのうちの第2のものは、かくして、B相を伴う第2の電力線上のAC電力を提供する。単相DC/ACコンバータのうちの第3のものは、かくして、C相を伴う第3の電力線上のAC電力を提供する。換言すれば、3つの単相DC/ACコンバータの、各々のセットは、ほぼ同じ量のDC電力を抽出し、その抽出される電力を、他の単相DC/ACコンバータにより提供されるAC電力と比較して120°位相差を伴うAC電力へと変換し、AC電力を、3つまたは4つの電力線の電力グリッド内に送る。その結果、各々の電力線は、他の電力線のAC電力と同じ周波数、および、同じ量の時間平均された電力の、ただし、他の電力線と比較して120°位相差を伴う、1つの単相AC電力を搬送する。
【0003】
[0003]本明細書において請求される主題は、上記で説明されたものなどの何らかの欠点を解決する、または、上記で説明されたものなどの環境内でのみ動作する、実施形態に制限されない。むしろ、この背景は、本明細書において説明される一部の実施形態が実践され得る、1つの例示的な技術境域を例解するために提供されるのみである。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本明細書において説明される実施形態は、3相DC/ACコンバータにおいての使用のための逐次抽出制御デバイスに関係した。3相コンバータは、DC電力から、第1の位相を有する、および、電力グリッド規約に適合する、第1のAC電力を抽出するための第1のPWM抽出器を備える第1の単相DC/ACコンバータと、DC電力から、第2の位相を有する、および、電力グリッド規約に適合する、第2のAC電力を抽出するための第2のPWM抽出器を備える第2の単相DC/ACコンバータと、DC電力から、第3の位相を有する、および、電力グリッド規約に適合する、第3のAC電力を抽出するための第3のPWM抽出器を備える第3の単相DC/ACコンバータとを有する。デューティファクタ調整が、AC電力サイクルの現在部分に依存して為される。
【0005】
[0005]しかしながら、逐次レギュレータは、第1のPWM抽出器が第1のデューティサイクルを有することであって、その第1のデューティサイクルの間に第1のPWM抽出器が抽出を実行する、有することを引き起こし、第2のPWM抽出器が第2のデューティサイクルを有することであって、その第2のデューティサイクルの間に第2のPWM抽出器が抽出を実行する、有することを引き起こし、第3のPWM抽出器が第3のデューティサイクルを有することであって、その第3のデューティサイクルの間に第3のPWM抽出器が抽出を実行する、有することを引き起こす。よって、従来の3相DC/ACコンバータとは違い、逐次レギュレータは、第1の、第2の、および第3のPWM抽出器が、同時によりむしろ逐次的に抽出を実行するように、第1の、第2の、および第3のデューティサイクルが重ならないことを引き起こす。このことは、DC電力から電力を抽出することにおいて効率を改善する。逐次レギュレータは、少なくとも1つのAC電力サイクルの現在時間によって、第1の、第2の、および第3のデューティファクタのデューティファクタ調整をさらに指図し、それによって、第1のAC電力、第2のAC電力、および第3のAC電力のうちの1つまたは複数を調整する。本明細書において説明される実施形態は、さらには、そのような逐次レギュレータを内包するより、3相DC/ACコンバータに向けられる。
【0006】
[0006]本概要は、発明を実施するための形態において下記でさらに説明される、単純化された形式での概念の選択物を紹介するために提供される。本概要は、請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図されず、本概要は、請求される主題の範囲を決定することにおいて一助として使用されることも意図されない。
【0007】
[0007]上記で詳説された、および他の、利点および特徴が得られ得る様式を説明するために、様々な実施形態の、より個別的な説明が、添付される図面への参照により行われることになる。これらの図面は、見本実施形態のみを描写し、それゆえに、本発明の範囲について制限的であると考えられることにはならないということを理解しつつ、実施形態が、付随する図面の使用を通して、追加的な具体性および詳細を伴って、説明および解説されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】[0008]図1Aは、言及される用語、エネルギー抽出、準備、コンディショニング、DC/AC変換、およびAC電力伝達を、例解および明確化するための、太陽電力生成シーケンスのモジュールを描写する図である。
図1B】[0009]図1Bは、電力グリッドシステムの特定の電力線を通して送られるAC信号(DC/ACコンバータ出力)を表す正弦時間変動(振動)AC電圧系列を象徴的に示す図である。
図2A】[0010]言及される単相エネルギー抽出/準備(コンディショニング)デバイスの例である昇圧DC/DCコンバータの典型的な回路を示す図である。
図2B】[0011]言及される単相エネルギー抽出/変換デバイスの例である降圧DC/DCコンバータの典型的な回路を示す図である。
図2C】[0012]DC/DC降圧コンバータ出力の極性を制御し、かくして、図1Bにおいて描写されるような、結果的に生じるAC電圧系列出力を生み出す、スイッチのブリッジ構造を示す図である。
図2D】[0013]スイッチのブリッジ内に送ったDC/ACインバータ電力出力の脈動正弦AC電圧系列を象徴的に描写する図である。
図2E】[0014]3つの領域:抽出されるエネルギーを表す領域I、ならびに、余剰エネルギー領域を表す領域IIおよび領域IIIとして説明される、1つのPWMサイクル内で降圧コンバータによりコンディショニングされることになるDCエネルギーパルスを象徴的に描写する図である。
図3A】[0015]従来の3相DC/ACコンバータに対する対応するエネルギー抽出器の回路を示す図である。
図3B】[0016]1つのPWM期間内のDC入力電力を象徴的に描写する図である。
図3C】[0017]図3の3つのエネルギー抽出器により1つのPWMサイクル内で同時的に抽出されるエネルギーを象徴的に提示する図である。
図4】[0018]電力源が、Pmxの呼び電力定格を伴う、ただしMEUPTデバイスを伴わない、2つの同一の3相DC/ACコンバータをサポートする、PmxDC電力を供給するという構成を象徴的に描写する図である。
図5A】[0019]MEUPTインバータのA相エネルギー抽出、B相エネルギー抽出、およびC相エネルギー抽出に対する3つの回路を示す図である。
図5B】[0020]図5Aの逐次レギュレータにより調節される、A相、B相、およびC相のエネルギー抽出においての時間シーケンスを象徴的に描写する図である。
図6A】[0021]各々のユニットのAC出力を測定するための電力およびエネルギーメータを伴って従来のようにセットアップされる、2つのAC電力生産ユニットが存する、実験においての電力ステーションのブロック線図を例解する図である。
図6B】[0022]減結合デバイスとエネルギー貯蔵器とを含むことに対する修正の後の、および、グリッドへの改善されたエネルギー出力を検証するために使用された、図6Aの電力ステーションのブロック線図を例解する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0023]基本的には、3相DC/ACコンバータは、抽出および変換の機能を実行し、1200位相差を伴う、3つの対の電力線への同様の時間平均されたAC電力を伝達する、単相DC/ACコンバータの3つのセットからなる。それゆえに、3相DC/ACコンバータを理解することは、単相DC/ACコンバータにおいての、とりわけ、主題、エネルギー抽出においての良好な理解を有することである。用語、電力線および電力ケーブルは、当技術分野において互換的であり、別段に指示されない限り、本明細書において互換的である。
【0010】
[0024]米国特許公報第2016/0036232号および第2017/0149250 A1号は、従来の単相コンバータは、直流(DC)電力入力のうちの半分未満を抽出および変換することのみができるという発見を開示する。これらの特許公報は、生み出されるDC電気をエネルギー利用のために効率的に抽出するために、エネルギー抽出デバイスの特性が、生み出されるDC電気エネルギーを効果的および効率的に抽出するために整合されるべきであるということを教示する。
【0011】
[0025]さらにまた、これらの特許公報は、関係付けられるデバイスが、さらには、抽出される電気を効率的なエネルギー利用のためにコンディショニングおよび/または伝達するために整合されるべきであるということを教示する。太陽電力ステーションに対するオプティマイザとして最大電力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)デバイスを使用することに代えて、参照公報は、電力ステーション、とりわけPV電力プラントに対するオプティマイザとして「最大エネルギー利用点追従器(maximum energy utilization point tracker)」を使用することを提案した。そのようなオプティマイザは、本明細書において「MEUPTオプティマイザ」と呼称されることになる。
【0012】
[0026]参照特許公報によれば、MEUPTオプティマイザは、生み出されるが、利用のために電力グリッドに対して抽出および/または伝達されない、電気エネルギー(または電力、それぞれ)とそれらの公報が定義する、「余剰エネルギー」または「余剰電力」とそれらの公報が呼称するものを捕捉するように設計される。余剰エネルギー(または余剰電力)のその定義は、さらには本明細書において使用される。この余剰電力は、余剰エネルギーが電力グリッドに直接的に売り渡され得ないように、電力グリッドからの約90°位相差を有する。MEUPTオプティマイザは、さらには、すべての捕捉される余剰エネルギーをエネルギー貯蔵器の中に一時的に貯蔵し、次いで、利用のために電力グリッドに対してこの電気エネルギーを準備および伝達するように設計される。かくして、PV電力ステーションの電気販売収益は、MEUPTオプティマイザを組み込むときに高められ得る。
【0013】
[0027]当技術分野においてのいくつかの技能が、DCエネルギー抽出において、エネルギー準備において、エネルギーコンディショニングにおいて、およびエネルギー伝達において用いられ得る。本明細書において説明される原理は、DCエネルギー源に関わらず使用され得る。それでも、本開示は、太陽電力生成ストリングをDCエネルギー源の例として使用して、本明細書において言及される用語、エネルギー抽出、準備、コンディショニング、および伝達を、例解および明確化する。とは言え、本明細書において説明される原理は、太陽電力の文脈においての抽出、準備、コンディショニング、および伝達に制限されない。異なる物理的意味を有するが、用語「エネルギー」および「電力」は、当技術分野において互換的であり、別段に指示されない限り、本明細書において互換的である。さらには、異なる物理的意味を有するが、用語「AC電力系列」および「AC電圧系列」は、別段に指示されない限り、本明細書において互換的である。
【0014】
[0028]図1Aは、太陽電力生成シーケンス10の構成要素を示す。シーケンスは、1次エネルギー源として光エネルギー(例えば、太陽エネルギー)から電気エネルギーを生成する、光-電気エネルギー変換デバイス(PV太陽ストリング)101において開始する。この電気エネルギーは、雲量、太陽の角度、PV電池の効率、および、多くの他の要因に依存する時間変動電圧を有する。電気エネルギーは、次いで、固定された電圧を伴うDCエネルギー源へと、DC/DC昇圧コンバータ201により準備およびコンディショニングされる。極性切り替えコントローラ224を追加するとき、DC/AC変換モジュール223は、準備された固定電圧DC電力を、図1Bにおいて描写される正弦時間変動(振動)AC電圧系列へと変換する。
【0015】
[0029]例として、DC/AC変換モジュール223は、パルス幅変調器(PWM)により動作させられる降圧モジュールであり得る。そのように動作させられる降圧モジュールは、さらにはDC/ACコンバータと呼称されることになる。図2Cは、当技術分野において、およびさらには本明細書において、集積ブリッジゲートトランジスタ(IBGT:Integrated Bridge Gate Transistor)と呼称されるブリッジ構造224の例を例解する。示されるように、ブリッジ構造224は、このDC/ACコンバータのAC出力電圧系列の同期性および極性を制御する、4つのスイッチ(S1、S2、S3、およびS4)のセットからなる。ここでは「負荷」は、ブリッジ構造224から変圧器225を窺い見る負荷を表す。デバイス201および223の組み合わせは、本明細書において「PWM抽出器」と呼称されることがある。
【0016】
[0030]ブリッジ構造224により生み出されるAC電圧電力系列は、電力グリッド規約に適合する。AC電力系列は、次いで、グリッド負荷に接続されるグリッド300内に電力を伝達するために、変圧器225を通して給送される。図2Aは、変動電圧DCエネルギー源を、固定された電圧DC源に調節することができる、昇圧DC/DCコンバータ201の典型的な回路設計の例を示す。図2Bは、固定された電圧DC源を正弦AC電力系列へと変換するための、単相DC/ACインバータ223の典型的なPWM動作させられる降圧モジュール回路設計の例を示す。スイッチブリッジ構造224(図2Cにおいて示される)は、この単相DC/ACコンバータ223の出力の極性および同期性を制御する。単相DC/ACコンバータ223(または、昇圧DC/DCコンバータ201および単相DC/ACコンバータ223を組み合わせるときのPWM抽出器)は、さらには、3つの単相インバータからなりたつ従来の3相DC/ACコンバータの従来の単相逆変換モジュール内のエネルギー抽出/変換モジュールとして作用し得る。
【0017】
[0031]第1節:従来のDC/AC変換に関する概観
[0032]一般的に、実践的な太陽ストリングにおいての最大電力生産点においての電圧(MPPPV:voltage at the maximum power production point)は、時間変動であり、AC電力グリッドの指定されたピーク電圧未満である。電圧昇圧エネルギー抽出器が、エネルギー抽出および準備のためにPVステーション内で必要とされる。電圧昇圧エネルギー抽出器は、時間変動低電圧DC源を、固定された高電圧DCエネルギー源へとコンディショニングする。
【0018】
[0033]図2Aは、インダクタLと、フィードバック制御デューティファクタ調整器(feedback control duty factor adjuster)FCDFA(示されない)により調節される制御可能スイッチQと、ダイオードDと、コンデンサCとからなるDC/DC昇圧モジュール201の電圧昇圧器回路を描写する。スイッチQは、調整可能デューティファクタによって、高周波数(典型的には、市販製品において約18kHz)で切り替えられる。フィードバック制御デューティファクタ調整器(FCDFA)は、このDC/DC昇圧モジュール201が、実質的に一定のDC出力電圧(v)を生み出すように、調整可能デューティファクタを調節する。換言すれば、このDC/DC昇圧モジュール201は、時間変動電圧を伴うDCエネルギー源を、シーケンス内の後続のデバイス(すなわち、図1Aの事例においてはDC/AC変換モジュール223)に適する、固定されたDC電圧v(典型的には、v=vpk、ただし、vpkはACグリッドのピーク電圧である)を有するエネルギー源へと修正する。この後続のDC/AC変換モジュールは、指定されたピーク電圧を伴うDC電力を、電力グリッド規約に適合する正弦電力系列の形式でのAC電力へと変換する。
【0019】
[0034]スイッチQがオンである期間の間、設計されたインダクタLは、エネルギーを入力ユニット(図1Aの事例においては、PV太陽ストリング101)から抽出する。具体的には、インダクタLは、PWMスイッチのフィードバック制御されるデューティファクタにより指定される時間期間の中で、入力電力により充電される。この充電は、スイッチQの両端の電圧vSWを、スイッチの両端の電圧vSWが適正な値に達するまで、入力電圧vinの方へと上の方に促して発生する。スイッチQがオフである期間の間、電流が、インダクタLからダイオードDを通って流れて、設計されたコンデンサCを充電し、かくして、所望される出力電圧(グリッド接続事例においては、v=v=vpk)に等しい定常状態電圧を生み出す。フィードバック制御を使用して、適正に設計された固定されたPWM周波数のスイッチQのオン-オフ期間のデューティファクタを調整することにより、出力電圧をvinから、AC電力グリッド指定されたピーク電圧v=vpkに、上に昇圧することができる。かくして、この電圧昇圧回路は、後続のDC/AC変換モジュールへの出力に適したピーク電圧を生み出すことができる。上記の描写された回路は、当技術分野において「昇圧DC/DCコンバータ」または「昇圧コンバータ」と称される。
【0020】
[0035]上記で説明されたように、昇圧コンバータは、時間変動電圧DC源(例えばPVストリング)を、AC電力グリッドのピーク電圧に等しくあり得る実質的に一定の電圧を有するDC源に修正するように設計される。供給ピーク電圧が正常動作において1つのACサイクル内で減衰することを防止するために、適切な静電容量が、図2Aにおいて描写される昇圧回路のコンデンサCに対して設計されるということに留意されたい。すなわち、このコンデンサCは、1つのACサイクルにわたって実質的に一定であるように電圧を維持するためのものである。この説明される機能を実行するコンデンサは、しばしば、当技術分野において「DCリンク」コンデンサと称される。電力グリッド規約は、DCリンクの両端の電圧変動をまさにほとんど許容しない。それゆえに、DCリンクコンデンサは、大きい余剰エネルギーを貯蔵するようには設計されず、なぜならば、そのように行うことは、AC電力グリッドの最大の許容される電圧変動の中にとどまるために、巨大な(およびかくして高価な)コンデンサを要することになるからである。
【0021】
[0036]図2Bは、インダクタLLと、デューティファクタ調整器DFAにより調節される制御可能スイッチQQと、ダイオードDDと、DCリンクコンデンサCCとからなる典型的なDC/AC変換モジュール223を描写する。スイッチQQは、調整可能デューティファクタによって、高周波数(典型的には、市販製品において約18kHz)で切り替えられる。スイッチQQ(しばしば「PWMスイッチ」と呼称される)は、パルス幅変調器(PWM)信号により調節される。このPWMスイッチのデューティファクタは、この変換モジュール223の生み出されるAC電力系列が電力グリッド規約に適合するように、デューティファクタ調整器DFAにより調節される。描写されるDC/AC変換モジュール223は、当技術分野において「降圧コンバータ」と称される。DFAと関連付けられる降圧コンバータ223は、指定されたピーク電圧を伴うDCエネルギー源を、正弦AC電力系列へと変換することができる。この脈動AC電力系列は、(図1Aの極性/同期性コントローラ224の例である)図2Cにおいて描写されるスイッチブリッジ構造を通して、および次いで、変圧器(例えば、図1Aの変圧器225)を通して、および、グリッド(例えば、図1Aのグリッド300)内に送られる。説明されるように、スイッチブリッジ構造は、極性および同期性コントローラとして作用する。
【0022】
[0037]図2Cにおいて描写されるように、スイッチS1およびS2が両方オンであり、スイッチS3およびS4がオフであるとき、正電圧が負荷をまたいで付与される。逆に、スイッチS3およびS4がオンであり、スイッチS1およびS2がオフであるとき、負電圧が負荷をまたいで付与される。この切り替えが、電力グリッド内の正/負電圧(またはゼロ電圧交差)遷移を検知する同期レギュレータ(図2Cにおいて示されない)により制御されるとき、このブリッジ構造224(デューティファクタ調整器DFAと組み合わされる)は、単相DC/ACコンバータの出力極性および同期性を効果的に制御することができる。
【0023】
[0038]同期レギュレータは、純粋な正弦電力波形が生み出されるように、時間変動PWMデューティファクタ調整を適時に調節することができ、その正弦電力波形は、要されるAC角周波数ωを伴う、要されるACピーク電圧vpkを伴う、および、グリッドの対応する電力線と同期するその波形の位相θを伴う、cos(ωt+θ)により表される。固定された電圧DC入力と、ならびに、グリッド内の寄生インダクタンスおよび寄生静電容量と合体するとき、インダクタLLおよびコンデンサCCは、実際には低減されることが、または省略されることさえある。当技術分野において、用語「コンバータ」および「インバータ」(ならびに、ついでに言えば、「変換」および「逆変換」)は、互換的であり、かくして、本明細書において互換的である。
【0024】
[0039]デューティファクタ調整器DFAは、降圧コンバータのスイッチQQをターンオン/オフするための設計によって、時間の関数としてデューティファクタを調整する。かくして、適正に設計された回路、および、準備されたピーク電圧によって、この変換モジュールは、AC電力グリッド規約の要件を含む設計要件を順守する、所望される出力電圧値、電力形式、周波数、および位相、ならびに、グリッドの対応する電力線の位相を生み出すことができる。グリッド接続されたユニットの事例において、AC同期レギュレータ(典型的には、DC/ACコンバータに作り付けられる)が、電力グリッドのピーク電圧がドリフトする事例において、および/または、電力グリッドの周波数がドリフトする事例において、準備されたAC電力出力を電力グリッドとともにドリフトさせるために用いられる。そのような生み出されるAC電力(電圧ではない)信号が、図2Eにおいて描写される。換言すれば、上記で説明されたPWMエネルギー抽出器を使用して、単相DC/ACコンバータは、固定された電圧DCエネルギー源からのDC電気エネルギーを、電力グリッド規約に適合するAC電力へと、抽出および変換することができる。
【0025】
[0040]非常に重要なことには、上記の単相インバータの出力電力、P(t)は、cos(ωt+θ)の形式によって時間的に変動するということに留意されたい。かくして、特定の時間期間にわたって、電力グリッドの電力線を通して伝達されるエネルギーは、この期間にわたる、その時間変動出力電力系列の積分に等しい。結果的に生じる積分値は、同じ時間期間にわたるエネルギー源の一定DC電力の積分のうちの半分のみに等しい。換言すれば、上記で説明された従来の単相インバータは、DCエネルギー源により提供されるエネルギーのうちの多くて半分のみを抽出および変換することのみができる。残余の、および使用されないエネルギーは、かくして、利用可能な入力エネルギーのうちの半分より多い。この残余の量が、上記の参照される特許公報において説明される余剰エネルギーの大部分の一因となる。
【0026】
[0041]後に続く分析の目的のために、DCエネルギー源は、いくつかのAC電力サイクルの期間内で一定電力Pmxのものであるということを想定する。図2Eは、1つのPWMサイクル(期間Dを有する)内の抽出されるDCエネルギーパルスを描写する。明示されることになるように、抽出されるDC電力Pは、DC電力Pmx以下である。このPWMサイクルにおいてのデューティファクタd(t)/Dは、生み出される電力が、電力グリッド規約に適合する、および、θがグリッドの対応する電力線の位相である、P*cos(ωt+θ)に実質的に等しいように、d(t)/D=cos(ωt+θ)に等しい値に調整される。図2E(具体的には、図2Eの下半分)は、さらには、1つのPWM期間として時間区間Dを伴う電力-時間空間(エネルギー空間と呼ばれる)を描写し、入力DC電力がPmxであり、抽出される電力がPである。
【0027】
[0042]図2Eにおいて描写されるように、このエネルギー空間は、3つの領域に分割される。領域Iは、抽出される電力Pを伴う、および、D*cos(ωt+θ)の時間持続期間を伴う、抽出されるDCエネルギーパルスを表し、そのエネルギーパルスは、PWM抽出時間に対応する任意の時間tにおいて、P(t)=P*cos(ωt+θ)の単相AC電力に変換される。領域Iは、さらには「エネルギー抽出される区域」または「エネルギー抽出される領域」と呼称される。エネルギー源の電力Pmxと電力Pとの中間の区域が、領域IIIである。領域IIは、PWM期間D内のエネルギー抽出される区域の後の区域である。領域IIおよびIIIの組み合わされた区域は、このエネルギー空間内の余剰エネルギー区域を表す。余剰エネルギー区域(領域)内のエネルギーは、抽出されず、AC電力へと変換されず、かくして、従来のように利用されない。代わりに、この余剰エネルギーは、結局は熱として吸収される。
【0028】
[0043]反復して言えば、従来のDC/AC単相コンバータは、電圧昇圧モジュールを用いて、時間変動電圧を伴うDC電力源を、グリッドのピーク電圧などの、実質的に一定の、および特定の電圧を伴うDC電力源へと修正する。このDC源は、PWM抽出器が、一定電圧DC入力エネルギーを脈動DC電力信号へと抽出および変換するための入力DC源として働く。1つのPWMサイクルにおいてのデューティファクタが、時間tにおいてcos(ωt+θ)により調節されるとき(ただし、位相θは、電力グリッドの対応する電力線の位相である)、出力電力形状は、AC電力規約に適合する。高いレベルにおいて、各々のPWMサイクルのエネルギー空間は、2つの領域 - 抽出されるエネルギー領域(例えば、図2Eにおいての領域I)、および、余剰エネルギー領域(例えば、図2Eにおいての領域IIおよび領域IIIの組み合わせ)からなる。抽出されるエネルギーは、かくして、AC電力に変換され、電力グリッドの対応する電力線に提供され、これに対し、余剰エネルギーは、MEUPTオプティマイザなどのデバイス内に捕捉および貯蔵されない限り、熱へと変えられる。
【0029】
[0044]上記で説明されたように、参照される特許公報は、余剰エネルギーの量が、時間のいくつかのAC期間を通して積分されるとき、少なくとも、抽出されるエネルギーと同じほど大きいということを教示する。換言すれば、従来の単相DC/ACコンバータは、入力DCエネルギーのうちの多くて半分を抽出および変換することのみができる。すなわち、従来の単相DC/ACコンバータを使用するとき、入力DCエネルギーのうちの少なくとも半分は、余剰エネルギーになることになり、その余剰エネルギーは、抽出されず、変換されず、電力グリッドに伝達されず、負荷により利用されず、結局は熱へと変わることになる。
【0030】
[0045]参照される特許公報は、さらには、単相DC/ACコンバータの非効率的なエネルギー抽出の根本原因が、従来の3相DC/ACコンバータへと尾を引くということを力説した。このことはなぜならば、本質的には、3相DC/ACコンバータは、抽出および変換の機能を実行し、120°位相差を伴う、3つの電力線対への同様の時間平均されたAC電力を伝達する、3つの単相DC/ACコンバータのセットからなるからである。
【0031】
[0046]第2節:従来の3相インバータにおいてのエネルギー抽出
[0047]従来の3相DC/ACコンバータに作り付けられる3つの単相DC/ACコンバータが存する。3つの単相DC/ACコンバータの各々は、1つのPWMエネルギー抽出器を装備させられる。3つのエネルギー抽出器は、それらが同じ周波数(「PWM周波数」と命名される)で動作するように、同時レギュレータにより調節される。図3Aは、対応するPWMエネルギー抽出器の3つの回路301、302、および303を描写する。各々の回路301、302、および303は、単相エネルギー抽出器と同じであり、上記で説明された同じ動作原理を使用する。単相エネルギー抽出器301は、A相AC電力を出力し、スイッチQを有し、単相エネルギー抽出器302は、B相AC電力を出力し、スイッチQを有し、単相エネルギー抽出器303は、C相AC電力を出力し、スイッチQを有する。同時レギュレータ310が、3つのエネルギー抽出器内の3つのスイッチQ、Q、Qを同時にターンオンして、エネルギー抽出を同じ時間に、同じ周波数によって、ただし異なるデューティファクタによって、開始するために用いられる。
【0032】
[0048]DCエネルギー源は、1つのACサイクル内でDC一定入力電力Pmxを有するということを想定する。さらには、1つのPWM期間がACサイクル全体の小さい何分の1かであるということが真であるということを想定する。図3Bは、1つのPWM期間内のDC入力電力を描写する。1つのPWMサイクル内で、3つのエネルギー抽出器により抽出されるエネルギーが、図3Cにおいて象徴的に提示される。抽出される電力高さは、図3BにおいてのDC電力入力Pmxの1/3より低い、図3CにおいてのPとして指示される。A相エネルギー抽出器に対するこのPWMサイクルにおいてのデューティファクタは、取り立てられる電力が、単相AC規約に適合するP*cos(ωt)(またはP*sin(ωt))に等しいように、cos(ωt)(またはsin(ωt))に等しいように調整される。同様に、B相エネルギー抽出器に対するこのPWMサイクルにおいてのデューティファクタは、取り立てられる電力が、P*cos(ωt+120°)(またはP*sin(ωt+120°))に等しいように、cos(ωt+120°)(またはsin(ωt+120°))に等しいように調整される。さらには、C相エネルギー抽出器に対するこのPWMサイクルにおいてのデューティファクタは、取り立てられる電力が、P*cos(ωt-120°)(またはP*sin(ωt-120°))に等しいように、cos(ωt-120°)(またはsin(ωt-120°))に等しいように調整される。さらには、3相AC出力の位相差は、3相電力グリッド規約との適合性において、120°であるように保たれる。
【0033】
[0049]典型的な従来の3相DC/ACコンバータのエネルギー抽出(図3Cにおいて象徴的に描写される)は、時間ドメインにおいて重なるということに注目されたい。時間ドメインにおいて重なるエネルギー抽出は、本明細書において「同時エネルギー抽出」と呼称され、同時エネルギー抽出を指図するレギュレータ(図3Aにおいて示される)は、本明細書において「同時レギュレータ」と呼称される。
【0034】
[0050]エネルギー保存の法則(電気エネルギー源の特性は動的に変化し得るという事実と組み合わされる)は、同時エネルギー抽出においての3つの電力抽出の高さの合計が、入力DC電力源Pmxより大でないこと、すなわち、Pmx>P+P+P、すなわち、P<(1/3)Pmxを強いることになる。従来の3相AC電力出力の総計は、P(t)=P(sin(ωt)+sin(ωt+120°)+sin(ωt-120°))、または、P(t)=P(cos(ωt)+cos(ωt+120°)+cos(ωt-120°))である。(sin(ωt)+sin(ωt+120°)+sin(ωt-120°))=(cos(ωt)+cos(ωt+120°)+cos(ωt-120°))=3/2であるということが示され得る。かくして、P(t)=(3/2)P<(3/2)*(1/3)Pmx=1/2Pmxである。すなわち、同時エネルギー抽出の実践に起因して、従来のDC/ACコンバータの総計は、(1/2)Pmx、DC入力電力のうちの半分より大になり得ない。
【0035】
[0051]換言すれば、従来の3相DC/ACコンバータ(同時エネルギー抽出を用いる)の総合的なAC電力出力は、DC入力電力のうちの半分より大になり得ない。すなわち、従来の3相DC/ACコンバータは、コンバータがPV電力ステーションに組み込まれるときに、光起電力(PV)太陽ストリング内で生み出される電力のうちの半分未満を抽出および変換することのみができる。そして、PVで生み出されるDC電力のうちの少なくとも半分は、余剰電力になり、その余剰電力が、MEUPTデバイスなどのデバイス内に捕捉および貯蔵されない限り、その余剰電力は、ある時点で熱へと変わる。
【0036】
[0052]反復して言えば、基本的には、従来の3相DC/ACコンバータは、3つの単相DC/ACコンバータを、単相DC/ACコンバータとして抽出および変換機能を実行するように動作させ、120°位相差を伴う、3つまたは4つの対の電力線への同様の時間平均されたAC電力を伝達する。換言すれば、従来の3相DC/ACコンバータは、3つの単相DC/ACコンバータを動作させるDC/ACコンバータである。各々の単相DC/ACコンバータは、そのDC入力電力(入力DC電力の1/3に等しい)のうちの半分を抽出し、抽出されるDC電力の量を、120°位相差を伴うAC電力へと変換し、3つの単相AC電力出力を3つまたは4つの電力電線の電力グリッドに送る。各々の電力線は、同じ周波数(AC電力周波数)を伴う、時間平均された電力の同じ量を伴う、ただし120°位相差を伴う、1つの単相AC電力を搬送する。用語、電力電線および電力ケーブルは、当技術分野において、および本明細書において互換的である。
【0037】
[0053]参照される特許公報において説明される、および、上記の理論的導出において再確認される、導出される結果によれば、(3相DC/ACコンバータ内の)各々の単相コンバータは、各々の単相AC電力出力において、入力DC電力(生成されるDC電力の1/3以下である)のうちの半分未満を抽出および変換する。それゆえに、任意の時間においての、任意の従来の3相DC/ACコンバータからの、総合的な最大の(抽出および変換される)3相AC電力出力は、生み出されるDC電力のうちの多くて半分であるのみであり得るものであり、すなわち、P(t)=3*(1/2)*(1/3)Pmx=(1/2)Pmxである。
【0038】
[0054]強調すれば、上記の理論的導出は、従来の3相DC/ACコンバータ業界内の同時エネルギー抽出を使用することの共通設計実践によりもたらされる厳しい帰結を明らかにする。この共通設計実践は、3相DC/ACコンバータ業界内で、長い歳月の間、業界が厳しい帰結の存在について知ることさえなく則られてきた。この同時エネルギー抽出実践は、上記の理論的導出においてまさに初めて明らかにされる厳しい帰結を結果的に生じさせる。この厳しい帰結は、従来の3相DC/ACコンバータからの3つのAC電力出力の総計が、DC電力入力のうちの半分未満であるということである。この明らかにされた共通設計実践は、グリーンエネルギー電力業界内で、とりわけPV太陽電力業界内で、長い歳月の実践であったことが確認される。
【0039】
[0055]異なるように言い換えれば、従来のPV太陽電力業界は、同時エネルギー抽出を実践する。翻って、エネルギー保存法則(電気エネルギー源の特性は動的に変化し得るという事実と組み合わされる)は、3つの抽出される電力高さPの総計が、PVで生成されるDC電力源Pmxの3分の1未満であること(すなわち、P<(1/3)Pmx)を強いることになる。従来の3相AC電力出力の総計は、P(t)=(3/2)Pであり、そのP(t)は、(3/2)*(1/3)*Pmx<(1/2)Pmxである、すなわち、PVで生み出されるDC電力のうちの半分より小さいということが、次いで示され得る。それゆえに、PVで生成されるDC電力のうちの少なくとも半分は、従来の3相DC/ACコンバータを使用するときに余剰電力になる。余剰エネルギーのこの量は、その余剰エネルギーが、MEUPTオプティマイザなどのデバイス内に捕捉および貯蔵されない限り、ついには熱へと変わる。
【0040】
[0056]上記で説明されたように、入力DC電力のうちの少なくとも半分は、従来の3相DC/ACコンバータを使用するときに余剰電力になり得る。本明細書において開示されるこの情報を与えられると、次の質問は、「2つ以上の追加的な従来の3相DC/ACコンバータをただ用いて、DC余剰エネルギーを抽出し、変換して、AC電力を提供することができるか?」ということであり得る。答えは、本明細書において以降説明される理由のために否定的である。
【0041】
[0057]図4において描写されるように、3相DC/ACコンバータ4210および4220(各々は呼び電力定格Pmxを伴う)の2つの同一のセットが、余剰エネルギーを捕捉および貯蔵するためのデバイス(MEUPTオプティマイザなど)を伴わずに、DC電力源Pmxを供給するPV生成器4110に接続される。エネルギー保存の法則は、2つの並列接続されるDC/ACコンバータ4210および4220の各々が、電力強さPmxを伴う総合的な入力DC電力のうちの半分を取り出す(すなわち、各々のコンバータに対して1/2Pmxのみを電力入力として取り出す)ことを可能とするのみであることになる。換言すれば、2つの同一の3相DC/ACコンバータの各々は、1/2Pmxの入力DC電力を有する。
【0042】
[0058]3つのエネルギー抽出器(従来の3相DC/ACコンバータ内の)は、同時エネルギー抽出を実践するということを想起されたい。上記で説明されたように、3相DC/ACコンバータの各々は、DC電力入力のうちの半分を変換して、(1/2)*(1/2)*Pmx、すなわちPmxの1/4であるAC電力出力を生み出すことのみができる。2つのコンバータの総合的なAC電力出力は、依然として(1/2)Pmxに等しい、Pmxの2*(1/4)である。同様の分析が、どちらも、より大きな電力定格を持たされる、または、より多いDC/ACインバータを設けられるという事例に対して、同じ結論を導出するように実行され得る。再び強調すれば、同時エネルギー抽出は、生み出されるDC電力のうちの半分より多いものが余剰エネルギーになることを結果的に生じさせる根本原因である。
【0043】
[0059]次の質問は、「太陽の生み出される電力のうちの半分が、従来の3相DC/ACコンバータにより抽出されるときに余剰エネルギーになるということを決定的に証明するための実験を実行することができるか?」ということであり得る。後に続く節は、太陽の生み出される電力のうちの少なくとも半分が、従来の3相DC/ACコンバータにより抽出されるときに余剰エネルギーになるということを証明するための実験を説明する。
【0044】
[0060]第3節:実験的な決定的証明
[0061]MEUPTオプティマイザは、この残余の電気エネルギー - 余剰エネルギーを捕捉/利用するように設計される。MEUPTオプティマイザを組み込みつつ、後に続くことは、太陽の生み出される電力のうちの少なくとも半分が、従来の3相DC/ACコンバータにより抽出されるときに余剰エネルギーになるということを決定的に証明することを設計した実験の、実験的セットアップ、および、ステップ単位の実行(executions)を説明する。
【0045】
[0062]図6Aは、2つのAC電力生産ユニット6100Aおよび6200Aを備えるPV電力ステーション6000Aの開始セットアップを描写する。AC電力生産ユニット6100Aおよび6200Aの各々は、ブラインドMPPT適合を実践し、3相AC電力を電力グリッド6600Aに提供する。AC電力生産ユニット6100Aは、DC電力生成器(30kW)6110Aと、3相DC/AC(30kW)コンバータ6130Aとからなる。AC電力生産ユニット6200Aは、DC電力生成器(30kW)6220Aと、3相DC/AC(30kW)コンバータ6230Aとからなる。電力生成器6110Aは、2つの並列接続されるPVストリング6111Aおよび6112Aを使用して、DC電気を生成する。電力生成器6220Aは、別の2つの並列接続される太陽ストリング6221Aおよび6222Aを使用して、DC電気を生成する。4つのPVストリングの各々は、各々のパネルが正午および晴天において300Wの電力を生み出す能力がある、25個の直列接続される太陽パネルからなる。
【0046】
[0063]DC電力生成器6110Aは、DC電力を3相DC/ACコンバータ6130Aに供給し、DC電力生成器6220Aは、DC電力を3相DC/ACコンバータ6230Aに供給する。これらの2つのコンバータ6130Aおよび6230Aは、次いで、供給されるDC電力を3相AC電力へと変換する。実験において、電力生産ユニット6100Aおよび6200AのAC出力電力は、2つの3相ACワットメータ(kWでの)6351Aおよび6352Aそれぞれにより測定された。これらの2つの電力生産ユニット6100Aおよび6200AのACエネルギー生産(kW*時での)が、さらには、2つのkW時メータ6361Aおよび6362Aそれぞれにより測定された。生み出された3相AC電力は、次いで、変圧器6500Aを経てグリッド6600Aに提供された。PV電力ステーションが動作させられ、2つのAC電力生産ユニット6100Aおよび6200Aのエネルギー生産が、7日の間測定された。
【0047】
[0064]2つのkW時メータの読み取り値は、この時間期間の間、毎日等しい値を示した。このことは、これらの2つの電力生産ユニット6100Aおよび6200Aのすべての要素(測定のための機器の2つのセットを含む)が実質的に同一であるという高い信頼を提供する。このステップの後、2つのAC電力生産ユニットのうちの一方6200Aは、変化させられずに保たれ、これに対し、他方のAC電力生産ユニット6100Aは、図6Bの左手側において描写されるように、異なる構成6100Bによって修正された。
【0048】
[0065]図6Bの電力生産ユニット6200Bは、修正されない図6Aの電力生産ユニット6200Aである。さらには、図6Bの要素6351B、6361B、6352B、6362B、6500B、6600Bは、図6Aの要素6351A、6361A、6352A、6362A、6500A、6600Aそれぞれと同じである。さらにまた、電力生産ユニット6100Bの構成は、図6Bにおいて、図6Aの電力生産ユニット6100Aと異なるが、図6Bの電力生産ユニット6100Bの要素のうちの一部は、図6Aの電力生産ユニット6100Aの中に含まれるものと同じである。実例として、図6BのPVストリング6111Bおよび6112Bは、図6AのPVストリング6111Aおよび6112Aそれぞれと同じである。同じように、図6BのDC/ACコンバータ6130Bは、図6AのDC/ACコンバータ6130Aと同じである。
【0049】
[0066]後に続くロク(6)個のステップは、どのように電力生産ユニット6100Aが6100Bの構成へと修正されたかを説明し、図6Bにおいての左手側に関して説明される。ステップ1は、減結合ダイオードのセット6311Bを、太陽ストリング6111Bおよび6112Bと、3相DC/ACコンバータ6130Bとの中間に追加することであったものであり、そのことは、ブラインドMPPT適合を実践している。ステップ2は、エネルギー貯蔵器6410Bを構成内へと追加することであった。ステップ3は、エネルギー貯蔵器6410Bを、減結合ダイオードの別のセット6312Bを通して、およびスイッチSW1を通して、DC/ACコンバータ6130BのDC端子に接続することであった。ステップ4は、別の3相DC/ACコンバータ6130S(20kW)を構成内へと追加することであったものであり、そのコンバータ6130Sは、設計されたMEUPTコントローラ6420Bの指図によって動作させられた。ステップ5は、DC/ACコンバータ6130Sを、減結合ダイオードの別のセット6313Bを通して、およびスイッチSW2を通して、エネルギー貯蔵器6410Bに接続することであった。ステップ6は、コンバータ6130Sの出力端子を、スイッチSW3を通して、電力およびエネルギー測定機器セット6351Bおよび6361Bに接続することであった。言及される「減結合ダイオードセット」は、当技術分野において「ブロッキングダイオード」と称されるダイオードであり得るということに留意されたい。スイッチSW1、SW2、およびSW3は、関連性のあるデバイスが、下記で説明される設計された実験的実行(execution)ステップにおいて、適正な時間において実験に導入され(または、実験から除去され)得るように、図6Bにおいて描写されるように追加されるということに、さらには留意されたい。
【0050】
[0067]上記の修正が為された後の最初の夜、SW1がターンオンされ、これに対し、スイッチSW2およびSW3はターンオフされた。コンバータ6130Bおよび6230Bは、次の朝早くに作動することを開始した。電力生産ユニット6100Bおよび6200Bの2つの出力を測定する電力メータ6351Bおよび6352Bは、同じ読み取り値を示した。貯蔵器6410Bが、さらには、貯蔵器6410Bの高端子電圧の測定により指示されるように充電することを始めた。システムは、最初の日に終日の間、説明されたように動作した。2つの電力生産ユニット6100Bおよび6200Bから提供された、測定されたエネルギーは、kW時メータ6361Bおよび6362Bの読み取り値において示されたように等しかった。この実験的ステップは、追加された減結合ダイオードセット6311Bおよび貯蔵器6410Bが、電力生産ユニット6100Bの電力およびエネルギー生産を変化させなかったということを明示した。
【0051】
[0068]スイッチSW1、SW2、およびSW3は、最初の日の動作の後の夜(2番目の夜)にターンオンされた。コンバータ6130Bおよび6230Bは、早朝(2番目の日)に早くに作動することを開始し、これに対し、コンバータ6130Sは、コンバータ6130Bおよび6230Sが作動することを開始した約15分後において、より低い電力変換レベルで作動することを開始した。その後、コンバータ6130Sは、約2分ごとにその変換電力レベルが増大したが、そのことは、コントローラ設計、および、貯蔵器エネルギーレベルの増分と矛盾しない。電力メータ6351B(ユニット6100Bに対する)の読み取り値は、ほとんど日没までの全日の間、電力メータ6352B(ユニット6200Bに対する)の読み取り値の約2倍に達した。2番目の日の終了までに2つの電力生産ユニット6100Bおよび6200Bから提供されたエネルギーは、2つのkW時メータの読み取り値から導出された。結果は、修正された電力生産ユニット6100Bから提供されたエネルギーが、修正されない電力生産ユニット6200Bから提供されたエネルギーの2倍より多かったということを示した。後に続く連続した6日の間、スイッチSW1、SW2、およびSW3はオンのままであり、修正された電力生産ユニット6100Bから提供されたエネルギーは、一貫して、各々の日に、電力生産ユニット6200Bのエネルギーの2倍より多かった。
【0052】
[0069]次の夜、スイッチSW2およびSW3がターンオフされた。電力生産ユニット6100Bおよび6200Bから提供された、測定されたエネルギーは、スイッチSW2およびSW3がオフのままであった様態の間、後に続く連続した5日の間、同じレベルに戻った。次の夜、スイッチSW2およびSW3が再びターンオンされた。電力生産ユニット6100Bの測定されたエネルギー生産は、スイッチSW2およびSW3がオンのままであった様態で、後に続く連続した5日の間、毎日、電力生産ユニット6200Bの測定されたエネルギー生産の2倍より再び多くなった。
【0053】
[0070]上記で説明されたように、この実験のステップ単位の実行(execution)は、第2節において予測されたようなPV電力ステーション内の余剰エネルギーの存在を決定的に証明する。具体的には、PV電力ステーション内で、生み出されるDCエネルギーが3相DC/ACコンバータにより抽出されるとき、PVで生み出されるエネルギーのうちの約半分が、依然として残余の余剰エネルギーとして存在する。
【0054】
[0071]上記で説明された望ましくない帰結を緩和するための2つの手立てが存する。第1の手立ては、参照される特許公報において説明される原理に則って、MEUPTオプティマイザをエネルギーシステムへと組み込むことである。他方の手立ては、A相、B相、およびC相に対する提案されるデューティファクタ調整と関連付けられる逐次エネルギー抽出を実践することを提案する、本明細書において説明される原理に則ることである。
【0055】
[0072]第4節:提案される逐次エネルギー抽出
[0073]本明細書において説明される原理は、時間重なりエネルギー抽出の発生を防止することができる、A相、B相、およびC相に対する逐次エネルギー抽出を実践することを提案する。逐次エネルギー抽出をどのすべてのPWM期間内でも実践するとき、A相が、最初にDCエネルギーを適時に抽出し、B相が次いで、A相抽出のすぐ後にDCエネルギーを適時に抽出し、最後にC相が、残っているDCエネルギーを適時に抽出する。そのように行うことにより、各々の相においてのエネルギー抽出の高さPは、Pmxに等しい、その高さの最大値に達することができる。この帰結は、エネルギー抽出の高さがPmxの3分の1(1/3)に等しいのみであり得る、同時エネルギー抽出の実践と異なる。
【0056】
[0074]後に続く分析を直感的にするために、および、一般性を失うことなく、AC周波数は50ヘルツであり、PWM周波数は18Kヘルツであるということを想定することにする。この想定は、あらゆるPWM期間の時間持続期間内で、AC電力位相角前進を厳密に1°にする。図5Aは、この新しいエネルギー抽出器に対する提案される回路を描写する。エネルギー抽出の回路は、図3Aにおいて描写される従来のものの回路と同様である。図3Aにおいて描写される従来のエネルギー抽出器の同時レギュレータ310は、今から、図5Aにおいて描写されるような逐次レギュレータ510により置き換えられるということに留意されたい。
【0057】
[0075]強調すれば、同時レギュレータにより調節されるエネルギー抽出器は、同時エネルギー抽出器であり、同時エネルギー抽出器により実行されるエネルギー抽出は、同時エネルギー抽出の決定的実践である。他方で、逐次レギュレータにより調節されるエネルギー抽出器は、逐次エネルギー抽出器であり、逐次エネルギー抽出器により実行されるエネルギー抽出は、提案される逐次エネルギー抽出の実践である。
【0058】
[0076]実施形態として、図5Bは、逐次レギュレータを用いて3つの相エネルギー抽出を調節する3相DC/ACコンバータを描写する。このエネルギー抽出実践において、A相エネルギー抽出は、d(t)の時間持続期間を伴って、PWMサイクルの始まりにおいて開始するように配置構成され、B相エネルギー抽出は、d(t)の時間持続期間を伴って、A相抽出の完了において開始するように配置構成され、C相エネルギー抽出は、d(t)の時間持続期間を伴って、B相エネルギー抽出の完了の後に続くように配置構成される。これらの3つのエネルギー抽出は、逐次的に、および切れ目なく実行するように配置構成される。時間ドメイン重なりエネルギー抽出は、図5Bにおいて描写されるように、発生しないということが認められ得る。現実においては、1つのエネルギー抽出の終了と、別のエネルギー抽出の始まりとの間に、若干の時間経過が存し得る。しかしながら、各々のPWMサイクルの中のこの時間経過は、かなり小さく、および好ましくは、PWMサイクルの33%、20%、10%、またはさらには1%より下に保たれ得る。それゆえに、各々の相においての電力抽出の高さPは、同時エネルギー抽出において使用される入力電力の何分の1か(1/3)と対照的に、その高さの最大値、入力DC電力Pmxに等しいように設計され得る。
【0059】
[0077]1つのPWM期間の時間持続期間をDとセットすることにする。A相抽出に対するデューティファクタは、d(t)/Dと定義され、B相抽出に対するデューティファクタは、d(t)/Dであり、C相抽出に対するデューティファクタは、次いでd(t)/Dに等しい。さらにまた、本明細書において説明される原理は、これらの3つのデューティファクタの値を、d(t)/D=2/3cos(ωt)、d(t)/D=2/3cos(ωt+120°)、およびd(t)/D=2/3cos(ωt-120°)と割り当てることを提案する。3つのエネルギー抽出に対する対応する時間区間は、したがって、デューティファクタのそれぞれの値によって割り当てられ得る。これらの3つのエネルギー抽出の総合的な時間持続期間、d(t)+d(t)+d(t)は、D、1つのPWM期間の時間区間に厳密に等しいということに留意されたい。
【0060】
[0078]上記で述べられたように、1つのPWM期間時間区間は、AC電力サイクル内の1°位相前進の区間に等しく、かくして、3つの位相差は、120°区間プラスまたはマイナス1°においてであることになり、そのことは、充分に既存の電力グリッドの許容範囲の中である。電力線の3つの対において搬送される電力の総計は、したがって、P(t)=P(t)+P(t)+P(t)=Pmx(2/3)(cos(ωt)+cos(ωt+120°)+cos(ωt-120°))=Pmx(2/3)(3/2)=Pmxに等しい。換言すれば、任意の時間において、3相電力線において搬送される総合的な電力は、生み出されるDC電力の量に実質的に等しい。換言すれば、逐次エネルギー抽出を実践するとき、残余の余剰エネルギーは存さない(または、かすかな残余の余剰エネルギーが存する)。別の言い方をすれば、逐次エネルギー抽出器を組み込むとき、3相DC/ACコンバータは、ゼロまたは実質的にゼロの余剰エネルギーを伴って、生み出されるDC電力のすべてまたは実質的にすべてを抽出することができる。
【0061】
[0079]反復して言えば、本明細書において説明される原理は、3相の、各々のエネルギー抽出を逐次的に、および切れ目なく開始することを提案する。3つの相エネルギー抽出が逐次事象になるとき、抽出電力高さは、DC入力電力Pmxに等しいようにセットされ得る。本明細書において説明される原理は、A相に対して2/3cos(ωt)、B相に対して2/3cos(ωt+120°)、および、C相に対して2/3cos(ωt-120°)に等しい3つのデューティファクタを有することをさらに提案する。そのように行うことにより、これらの3相エネルギー抽出事象は、逐次的に生起することができ、エネルギー抽出の3つの事象は、厳密に1つのPWM期間内で、ならびに、A相、B相、およびC相の間のすべてのAC電力位相差が、1°の容認可能な許容範囲の中で120°である様態で、切れ目なく完了することができる。
【0062】
[0080]それゆえに、3相DC/ACコンバータが、提案される逐次エネルギー抽出器を組み込むとき、DC/ACコンバータは、次いで、設計され、太陽の生み出される電力全体Pmxを、残余の余剰エネルギーを少しも伴わずに抽出および変換することができ、生み出されるAC電力出力は、3相AC電力グリッド規約に適合することができる。
【0063】
[0081]第5節:逐次レギュレータの設計考慮事項
[0082]1つの実施形態において、PWMの開始を付与して、(2/3)D*cos(ωt)の持続期間時間を伴うA相抽出を開始し、次いで、A相抽出の信号変化(オン期間からオフ期間への)を付与して、開始、(2/3)D*cos(ωt+120°)の持続期間時間を伴うB相抽出をトリガし、次いで、B相抽出の信号変化(オン期間からオフ期間への)を付与して、開始、C相抽出をトリガすることができる。
【0064】
[0083]別の実施形態において、1つのPWM期間が決定的AC位相前進(言わば、1°)を生むので、誰しも、第1の値としてのA相抽出の決定的完了時間、および、第2の値としてのB相抽出の決定的完了時間を伴う表を構築することができる。この表は、全電力サイクルを使うための列の数(言わば、180°に対する180個の列)を内包することができる。360°の電圧サイクルは、180°ごとに電力サイクルを生み出すものであり、なぜならば、電力は電圧の2乗に比例し、正弦電圧波を2乗することは、2倍の周波数を伴う電力波を創出するからであるということに留意されたい。
【0065】
[0084]この時間表の各々の列内の2つの逐次時間線を使用して、設計は、A相エネルギー抽出の開始時間(PWMの始まり)および終了時間(列内の第1の時間値)としての、B相エネルギー抽出の開始時間(列内の第1の時間値)および終了時間(列内の第2の時間値)に対する、ならびに、C相エネルギー抽出の開始時間(列内の第2の時間値)および終了時間(PWMの終了)に対する、1つのPWM時間期間の中の2つの時間線を周期的に指し示すことができる。180個の列を完了することは、1つのAC電力サイクルに対するDC/AC変換を完了することを意味する。プロセスは、次いで、DC/AC逆変換の次の一巡、等々に対して繰り返され得る。1/180,000秒(すなわち、5マイクロ秒)より良好な時間分解能を伴うクロックが、この実施形態において使用されるものとする。
【0066】
[0085]従来の3相DC/ACコンバータ内の同期モジュールは、生み出されるAC電力の位相が、電力グリッド内で時折発生する位相/周波数ドリフティングとともにドリフトすることができるように、PWMの開始をAC電力サイクルの最大および最小において同期させるために用いられ得る。本明細書において説明される原理は、さらには、位相/周波数ドリフトに順応するためのデバイスを用いることがある。
【0067】
[0086]第6節:要約
[0087]第1節において説明されたように、従来のAC単相コンバータは、PWM抽出器を用いて、DC入力電力を抽出する。1つのPWMサイクルにおいてのデューティファクタが、時間tにおいてcos(ωt)(またはsin(ωt))により調節されるとき、AC電力出力は、電力グリッド規約に適合する。各々のPWMサイクルのエネルギー空間内に2つの領域が存し、一方は抽出されるエネルギー領域であり、これに対し、他方は余剰エネルギー領域であるということに留意されたい。参照特許公報は、余剰エネルギーの量は、少なくとも、時間のいくつかのAC期間を通して積分されるときの抽出されるエネルギーと同じほど大きいということを教示する。換言すれば、単相DC/ACコンバータは、入力DC電力のうちの多くて半分を抽出および変換することのみができる。抽出されるエネルギーは、AC電力に変換され、電力グリッドに提供され、これに対し、余剰エネルギーは、MEUPTデバイスなどのデバイス内に捕捉および貯蔵されない限り、熱へと変えられる。
【0068】
[0088]第2節において説明されたように、従来の3相DC/ACコンバータは、3つの同一の単相DC/ACコンバータについて動作する。各々の単相DC/ACコンバータは、そのDC入力電力のうちの半分をAC電力へと抽出および変換する。同時エネルギー抽出の実践に起因して、このDC入力電力は、最大で、生成されるDC電力の3分の1に等しいのみであり得るということに留意されたい。それゆえに、3相DC/ACコンバータは、生み出されるDC電力のうちの多くて半分を変換および抽出する。これらの3つの単相コンバータのAC電力出力は、互いに対する120°位相差を有する。さらには、これらの3つの単相AC電力出力は、3つまたは4つの電力電線を通して電力グリッドに送られる。
【0069】
[0089]異なるように言い換えれば、従来のPV太陽電力業界は、同時エネルギー抽出を実践する従来のDC/ACコンバータを使用し、そのことによって、エネルギー保存法則は、3つの抽出される電力高さPの総計が、PVで生成されるDC電力源Pmxの3分の1未満であること(すなわち、P<(1/3)Pmx)を強いる。従来の3相AC電力出力の総計は、せいぜいP(t)=(3/2)Pであり、そのP(t)は、(1/2)Pmx、すなわち、PVで生み出されるDC電力のうちの半分より小さいということが、次いで示され得る。それゆえに、PVで生成されるDC電力のうちの少なくとも半分は、従来の3相DC/ACコンバータを使用するときに余剰電力になる。余剰エネルギーのこの量は、その余剰エネルギーが、MEUPTオプティマイザなどのデバイス内に捕捉および貯蔵されない限り、ついには熱へと変わることになる。
【0070】
[0090]第2節において説明された理論的導出は、従来の3相DC/ACコンバータ業界内の共通設計実践によりもたらされる厳しい帰結を明らかにする。この共通設計実践は、3相DC/ACコンバータ業界内で、長い歳月の間、業界が厳しい帰結の存在を知ることさえなく実践されてきた。この共通実践は、従来の3相DC/ACが同時エネルギー抽出を実践するということである。この実践は、上記の理論的導出において業界に対して初めて明らかにされるような厳しい帰結を確実に結果的に生じさせ得る。この厳しい帰結は、従来の3相DC/ACコンバータからの3つのAC電力出力の総計が、DC電力入力のうちの半分未満であるということである。この明らかにされた共通実践は、グリーンエネルギー電力業界内で、とりわけPV太陽電力業界内で、長い歳月の実践であったことが確認される。
【0071】
[0091]上記で説明された望ましくない帰結を緩和するための2つの手立ては、1)参照特許公報において説明される原理に則って、MEUPTオプティマイザをエネルギーシステムへと組み込むこと、または、2)A相、B相、およびC相に対する提案されるデューティファクタ調整と関連付けられる逐次エネルギー抽出を実践することを提案する、本明細書において説明される原理に則ることである。
【0072】
[0092]第4節は、提案されるデューティファクタ調整を伴う提案される逐次エネルギー抽出を説明する。説明される逐次エネルギー抽出をどのすべてのPWM期間内でも実践するとき、A相が、最初に相応のDCエネルギーを適時に抽出し、B相が、A相抽出のすぐ後に相応のDCエネルギーを適時に抽出し、C相が、最後において相応のDCエネルギーを適時に抽出する。そのように行うことにより、各々の相においてのエネルギー抽出の高さPは、生み出される電力Pmxに等しい、その高さの最大値に達することができる。このことは、各々の相においてのエネルギー抽出の高さPが、せいぜいPmxの1/3に達するのみであることを引き起こす、従来の同時エネルギー抽出を実践することから結果的に生じる帰結と異なる。
【0073】
[0093]本明細書において説明される原理は、各々の相に対するエネルギー抽出開始時間が逐次レギュレータにより調節されるということを提案する。3つの相エネルギー抽出は、抽出電力高さがDC入力電力Pmxに等しくあり得るように、逐次事象になる。本明細書において説明される原理は、A相に対して2/3cos(ωt)、B相に対して2/3cos(ωt+120°)、および、C相に対して2/3cos(ωt-120°)であることになる3つのデューティファクタをさらに提案する。これらの3相エネルギー抽出事象は、したがって、切れ目なく逐次的に生起することができ、3つのエネルギー抽出事象は、さらには、厳密に1つのPWM期間内で完了することができる。さらにまた、A相、B相、およびC相の間のAC電力位相差は、120°プラスまたはマイナス1°であるように設計され得る。それゆえに、提案される逐次エネルギー抽出器を組み込む3相DC/ACコンバータのとき、新しい設計されるDC/ACコンバータは、生み出される電力Pmxの全体(または、実質的にすべて)を、残余の余剰エネルギーを少しも(または、ほとんど)伴わずに抽出および変換することができる。さらにまた、生み出されるAC電力出力は、3相AC電力グリッド規約に容易に適合することができる。
【0074】
[0094]本発明は、その趣旨または本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形式で実施され得る。説明された実施形態は、すべての側面において、単に、限定的ではなく例解的であると考えられることになる。本発明の範囲は、それゆえに、上述の説明によってよりむしろ、添付される特許請求の範囲により指示される。特許請求の範囲の均等性の意味および範囲の中にあるすべての変化は、その特許請求の範囲の、範囲の中に包含されることになる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6A
図6B