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特許7167162ハンドルアセンブリ及びそれを含むステープラー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-28
(45)【発行日】2022-11-08
(54)【発明の名称】ハンドルアセンブリ及びそれを含むステープラー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20221031BHJP
【FI】
A61B17/115
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020535639
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2018120122
(87)【国際公開番号】W WO2019128688
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】201721846446.1
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201711434954.3
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515172670
【氏名又は名称】天臣国▲際▼医▲療▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Touchstone International Medical Science Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】278 Dongping Street,Suzhou Industrial Park,Suzhou,Jiangsu,215123 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 志
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0374672(US,A1)
【文献】特開2012-024608(JP,A)
【文献】特表2017-515528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープラーを触発するためのハンドルアセンブリであって、
前記ハンドルアセンブリは、第1ハンドルと、第2ハンドルと、ニードルと、を含み、
前記第1ハンドルは、前記第2ハンドルに対して回転可能であり、
前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルは、連動状態及び非連動状態を有し、
前記ニードルは、第1位置領域と第2位置領域との間で移動可能であり、
前記ニードルが前記第1位置領域に移動すると、前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルが非連動状態にあり、前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2ハンドルが回転しないことにより前記ステープラーを触発させなく、
前記ニードルが前記第2位置領域に移動すると、前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルが連動状態にあり、前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第1ハンドルは、前記第2ハンドルを駆動して第1方向に沿って回転させることによって、前記ステープラーを触発させる
ことを特徴とするハンドルアセンブリ。
【請求項2】
前記第1ハンドルの第1端部は、把持端であり、
前記第1ハンドルの第2端部は、前記第2ハンドルの第1端部に回転可能に連結され、
前記第2ハンドルの第2端部は、前記第2ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記ステープラーのステープルプッシュロッドを押すことによって前記ステープラーを触発させる
ことを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項3】
前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルは、同一の中心の回りに回転し、又は、2つの中心の回りに回転する
ことを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項4】
前記第1ハンドルに設置される弾性部と、をさらに含み、
前記ニードルは、前記第1位置領域から第2位置領域に移動する場合、前記弾性部と接触するとともに、前記弾性部を第1状態から第2状態に切り換え、
前記弾性部が第1状態にあり、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記弾性部が前記第2ハンドルに当接しなく、前記第2ハンドルが安全位置に位置し、
前記弾性部は、前記弾性部が第2状態にあり、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2ハンドルに当接するとともに、前記第2ハンドルを前記安全位置から触発位置へ移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項5】
前記ニードルは、プルタブの遠位端に連結され、
プルタブの近位端は、スクリューに外嵌され、
前記スクリューの遠位端には、ノブが設置され、
前記プルタブは、前記ノブを回転させることにより近位端へ移動されることで、前記ニードルを第1位置領域から前記第2位置領域へ移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項6】
前記第1ハンドルは、第1ピン軸を介して前記第2ハンドルに回転可能に連結され、
前記第2ハンドルは、第2ピン軸を介して前記ステープラーのハウジングに回転可能に連結される
ことを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項7】
前記第1ピン軸及び前記第2ピン軸には、それぞれ第1ねじりばね及び第2ねじりばねが外嵌され、
前記第1ねじりばねの両端は、それぞれ前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルに当接し、
前記第2ねじりばねの両端は、それぞれ前記第2ハンドル及び前記ステープラーのハウジングに当接する
ことを特徴とする請求項6に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項8】
前記弾性部は、両側の側壁を有する弾性キャビティであり、
前記ニードルは、前記弾性キャビティの外部から内部に挿入される場合、前記弾性キャビティを収縮状態から拡張状態に切り換える
ことを特徴とする請求項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項9】
前記第2ハンドルの第1端部には、第2キャビティが設置され、
収縮状態にある前記弾性キャビティは、前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、少なくとも前記第2キャビティの内部に挿入可能であり、
拡張状態にある前記弾性キャビティの側壁の端面は、前記弾性部が前記第2キャビティの内部に挿入し続けることを防止するように、前記第2キャビティの側壁の端面に当接する
ことを特徴とする請求項8に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項10】
前記弾性キャビティの側壁の端面は、前記弾性キャビティの側壁と90°未満の角度をなす第1ガイド面であり、
前記第2キャビティの側壁の端面は、前記第1ガイド面と平行する第2ガイド面である
ことを特徴とする請求項9に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項11】
前記弾性キャビティは、当接区間と、突出区間と、ガイド区間とを含み、
前記突出区間は、前記当接区間と前記ガイド区間との間に位置し、
前記突出区間の側壁の間隔が前記ニードルの幅よりも小さく、
前記ガイド区間の端部の側壁の間隔が前記ニードルの幅よりも大きく形成することによって、前記ニードルを前記突出区間に挿入されるようにガイドする
ことを特徴とする請求項8に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項12】
前記弾性キャビティの当接区間、突出区間及びガイド区間は、一体に成形され、
前記弾性キャビティの側壁は、前記突出区間から前記ガイド区間にスムーズに移行する
ことを特徴とする請求項11に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項13】
前記第1ハンドルの第2端部は、第1キャビティを備え、
前記弾性キャビティ及び前記第1キャビティは、一体的に成形されるとともに、互いに連通する
ことを特徴とする請求項11に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項14】
前記弾性キャビティは、当接区間及び弾性区間を含み、
前記第1ハンドルの第2端部は、第1キャビティを備え、
前記弾性区間は、前記第1キャビティの内部に挿入され、
前記当接区間の側壁の端面は、前記第1キャビティの外部に位置し、
前記ニードルが前記弾性区間の外部から前記弾性区間の内部に挿入される場合、前記弾性区間及び前記当接区間の両側の側壁は、いずれも両側に向いて拡張される
ことを特徴とする請求項8から請求項10のうちいずれか1項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項15】
前記弾性キャビティは、連結区間をさらに含み、
前記弾性区間は、前記当接区間と前記連結区間との間に位置し、
前記連結区間は、前記第1キャビティの内部に挿入されるとともに、ファスナーを介して前記第1キャビティに固定される
ことを特徴とする請求項14に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項16】
前記ニードルは、前記ステープラーのハウジングの内部に回転可能に固定され、
前記ニードルは、第2方向に沿って前記弾性キャビティの外部から内部に回転し、
前記第1方向は、第2方向と反対の方向である
ことを特徴とする請求項8に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項17】
前記弾性部は、弾性シートを含み、
前記ニードルは、前記第1位置領域から第2位置領域に移動する場合、前記弾性シートを押して一方側へ湾曲させることによって、前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する時、前記弾性シートを前記第2ハンドルに当接させる
ことを特徴とする請求項に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項18】
前記第1ハンドルは、両側の側壁を有する第1キャビティを含み、
前記ハンドルアセンブリは、第1位置領域と第2位置領域との間で移動可能なニードルと、2つのスライド溝と、1つのスライダーと、をさらに含み、
前記2つのスライド溝は、それぞれ前記第1キャビティの両側の側壁に設置され、
前記スライド溝は、互いに連通する第1区間及び第2区間を含み、
前記スライド溝は、前記第1ハンドルに設置され、
前記スライダーは、2つのスライド部及び前記2つのスライド部の間に設置されるスライダーガイド部を含み、
前記2つのスライド部は、それぞれ対応するスライド溝にスライド可能に嵌め込まれ、
前記スライダーと前記第2ハンドルとの間には、スライダー復帰ねじりばねが設置され、
前記ニードルは、前記第1位置領域から第2位置領域に移動する場合、前記スライダーを前記スライド溝の第1区間から前記スライド溝の第2区間へ移動させることによって、前記スライダー復帰ねじりばねを変形させ、
前記スライダーが前記スライド溝の第1区間に位置し、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライダーが前記第2ハンドルに当接しなく、前記第2ハンドルが安全位置に位置し、
前記スライダーガイド部は、前記スライダーが前記スライド溝の第2区間に位置し、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2ハンドルに当接するとともに、前記第2ハンドルを前記安全位置から触発位置へ移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項19】
前記第2ハンドルは、両側の側壁を有する第2キャビティを含み、
前記ハンドルアセンブリは、ニードルと、リンクと、2つのスライド溝と、1つのスライダーと、をさらに含み、
前記ニードルは、第1位置領域と第2位置領域との間で移動可能であり、
前記リンクの第1端部は、前記ニードルに連結され、
前記2つのスライド溝は、それぞれ前記第2キャビティの両側の側壁に設置され、
前記スライダーは、2つのスライド部及び前記2つのスライド部の間に設置するスライダーガイド部を含み、
前記2つのスライド部は、それぞれ前記スライド溝で移動可能であり、
前記リンクの第2端部は、前記スライダーに連結され、
前記スライダーと前記第1ハンドルとの間には、スライダー復帰ねじりばねが設置され、
前記ニードルは、前記第1位置領域から第2位置領域に移動する場合、前記リンクを介して前記スライダーを前記スライド溝の第1区間から前記スライド溝の第2区間に移動させることによって、前記スライダー復帰ねじりばねを変形させ、
前記スライダーが前記スライド溝の第1区間に位置し、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第1ハンドルが前記スライダーに当接しなく、前記第2ハンドルが安全位置に位置し、
前記第1ハンドルは、前記スライダーが前記スライド溝の第2区間に位置し、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライダーガイド部に当接するとともに、前記第2ハンドルを前記安全位置から触発位置へ移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項20】
前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルに挿入される第1ピン軸をさらに含み、
前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルは、前記第1ピン軸の回りに回転可能である
ことを特徴とする請求項18又は19に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項21】
ステープラーであって、
前記ステープラーは、請求項1から請求項20のうちいずれか1項に記載のハンドルアセンブリを含むことを特徴とするステープラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具技術分野、特に、ステープラー技術分野に関し、具体的に、ハンドルアセンブリ及びそれを含むステープラーに関する。
【背景技術】
【0002】
消化管腫瘍は、発症率の高いヒト疾患の一つである。治療過程において、通常、医師の手動操作の代わりに円形ステープラーを使用して、消化管などの生理学的組織を吻合する。円形ステープラーは、よく見かける外科手術器具であり、軸方向の内向きに綴じるという方式を多く使用している。手術する時に、食道、胃、腸管などの生理学的組織の端対端又は端対側の吻合を行う。そして、吻合する時に、2つの組織セグメントをステープラー内に収容し、触発を完了させた後、組織に円形の吻合口を形成することによって組織通路を再構築する。
【0003】
従来技術において、円形ステープラーは、ステープラー本体と、前記ステープラー本体に移動可能に連結されるハンドルアセンブリと、前記本体と嵌合するステープルアンビル(Anvil)アセンブリと、を含む。前記ステープラー本体は、遠位端に設置され、環状ステープルカートリッジ及びカッターを含むステープルカートリッジアセンブリと、本体の近位端に設置され、本体に対して回転可能なノブ(knob)と、を含む。ここで、遠位端及び近位端は、操作者に対して示すものであり、操作者に近い一端が近位端であり、操作者から離れた一端、即ち手術位置により近い一端が遠位端である。前記ステープルアンビルアセンブリは、ステープルアンビルと、ステープルアンビルの上部に設置されるステープルアンビルキャップと、ステープルアンビルの内部に設置されるナイフアンビルと、ステープラー本体に着脱可能に連結されるステープルアンビル軸と、を含む。手術中、腫瘍組織を取り除いた後、ステープルアンビル軸を組織の一端の巾着に貫通させてステープラー本体の遠位端に配置し、その後ノブを回転させることにより、ステープルアンビルとステープルカートリッジとの間の距離を適切な距離まで徐々に減少させた後、触発可能な状態に到達してこそ、ハンドルを把持して器具を触発できるようにすることで、吻合を完了することができる。医療器具の不断の発展に伴い、円形ステープラーは、痔などの疾患の治療にもますます広く使用されている。
【0004】
同時に、泌尿器科分野における過長包皮及び包茎を治療するための手術において、他の形態の円形ステープラー、即ち包皮ステープラーも登場した。従来技術において、前記本体と嵌合するものが亀頭キャップアセンブリである以外に、上記の消化管用円形ステープラーと類似する構造を有する包皮ステープラーも記載されている。同様に、前記亀頭キャップアセンブリは、ステープルアンビルと、ステープルアンビルに固定して連結される亀頭キャップ及びナイフアンビルと、ステープラー本体に着脱可能に連結される中心ロッドと、を含む。手術中、切除された包皮組織を把持して亀頭キャップに固定し、その後、中心ロッドをステープラー本体の遠位端に配置し、ノブを回すことにより、亀頭キャップとステープルカートリッジとの間の距離を適切な距離まで徐々に減少させた後、触発可能な状態に到達してこそ、ハンドルを把持して器具を触発することで、吻合を完了することができる。
【0005】
技術の発展に伴い、既に円形ステープラーの触発伝動機構を改善し、安全メカニズムを追加した。ステープラーが触発可能な状態に到達していない場合、安全メカニズムの作用によって、医師がハンドルを押してもハンドルを動かすことができないので、器具の触発による手術の失敗を回避することができる。しかしながら、実際の状況において、例えば、医師の使用体験が高くないなどの一部の欠陥が依然として存在し、また、医師がハンドルを強く押す場合、ステープラーのハウジングの破断を招く可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術における問題に鑑みて、医師は、ステープラーが触発可能な位置に到達したかどうかに関係なく、第1ハンドルを押すことができるが、ステープラーが触発可能な状態に到達していない場合、第1ハンドルが第2ハンドルに介してステープラーを触発することができないので、ハンドルを強く押すことによるステープラーの損傷を回避することができるハンドルアセンブリ及びそれを含むステープラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例は、ステープラーを触発するためのハンドルアセンブリを提供する。前記ハンドルアセンブリは、第1ハンドルと、第2ハンドルと、を含み、前記第1ハンドルは、外力を受けることによって第1方向に沿って回転可能であり、前記第2ハンドルが第1方向に沿って回転する時、前記ステープラーを触発することができ、前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルは、連動状態及び非連動状態を有する。
【0008】
前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルが非連動状態にあり、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2ハンドルが回転しないことで、前記ステープラーを触発させることができない。
【0009】
前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルが連動状態にあり、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第1ハンドルは、前記ステープラーが触発されるように、前記第2ハンドルを駆動して第1方向に沿って回転させることができる。
【0010】
選択的に、前記第1ハンドルの第1端部は、把持端であり、前記第1ハンドルの第2端部は、前記第2ハンドルの第1端部に回転可能に連結され、前記第2ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2ハンドルの第2端部は、前記ステープラーのステープルプッシュロッドを押すことによって前記ステープラーを触発させる。
【0011】
選択的に、前記第1ハンドル及び第2ハンドルは、同一の中心の回りに回転し、又は、2つの中心の回りに回転する。
【0012】
選択的に、前記ハンドルアセンブリは、
第1位置領域と第2位置領域との間で移動可能なニードルと、弾性部と、をさらに含み、
前記弾性部は、前記第1ハンドルに位置し、前記ニードルは、前記第1位置領域から第2位置領域に移動する場合、前記弾性部と接触するとともに、前記弾性部を第1状態から第2状態に切り換える。
【0013】
前記弾性部が第1状態にあり、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記弾性部が前記第2ハンドルに当接しなく、前記第2ハンドルが安全位置に位置する。
【0014】
前記弾性部が第2状態にあり、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記弾性部は、前記第2ハンドルに当接するとともに、前記第2ハンドルを前記安全位置から触発位置へ移動させる。
【0015】
選択的に、前記ニードルは、プルタブ(pull tab)の遠位端に連結され、プルタブの近位端は、スクリューに外嵌され、スクリューの遠位端には、ノブが設置され、プルタブは、ノブを回転させることにより近位端へ移動されることで、ニードルを第1位置領域から第2位置領域へ移動させる。
【0016】
選択的に、前記第1ハンドルは、第1ピン軸を介して前記第2ハンドルに回転可能に連結され、前記第2ハンドルは、第2ピン軸を介して前記ステープラーのハウジングに回転可能に連結される。
【0017】
選択的に、前記第1ピン軸及び第2ピン軸には、それぞれ第1ねじりばね及び第2ねじりばねが外嵌され、前記第1ねじりばねの両端は、それぞれ前記第1ハンドル及び前記第2ハンドルに当接し、前記第2ねじりばねの両端は、それぞれ前記第2ハンドル及び前記ステープラーのハウジングに当接する。。
【0018】
選択的に、前記弾性部は、両側の側壁を有する弾性キャビティであり、前記ニードルは、前記弾性キャビティの外部から内部に挿入される場合、前記弾性キャビティを収縮状態から拡張状態に切り換える。
【0019】
選択的に、前記第2ハンドルの第1端部には、第2キャビティが設置され、収縮状態にある弾性キャビティは、前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、少なくとも前記第2キャビティの内部に挿入することができ、拡張状態にある弾性キャビティの側壁の端面は、前記弾性部が前記第2キャビティの内部に挿入し続けることを防止するように、前記第2キャビティの側壁の端面に当接する。
【0020】
選択的に、前記弾性キャビティの側壁の端面は、前記弾性キャビティの側壁と90°未満の角度をなす第1ガイド面であり、前記第2キャビティの側壁の端面は、前記第1ガイド面と平行する第2ガイド面である。
【0021】
選択的に、前記弾性キャビティは、当接区間、突出区間及びガイド区間を含み、前記突出区間は、前記当接区間と前記ガイド区間との間に位置し、前記突出区間の側壁の間隔が前記ニードルの幅よりも小さく、前記ガイド区間の端部の側壁の間隔が前記ニードルの幅よりも大きいので、前記ニードルが前記突出区間に挿入するようにガイドする。
【0022】
選択的に、前記弾性キャビティの当接区間、突出区間及びガイド区間は、一体に成形され、且つ、前記弾性キャビティの側壁は、前記突出区間から前記ガイド区間にスムーズに移行される。
【0023】
選択的に、前記第1ハンドルの第2端部は、第1キャビティを有し、前記弾性キャビティ及び前記第1キャビティは、一体に成形されるとともに互いに連通されている。
【0024】
選択的に、前記弾性キャビティは、当接区間及び弾性区間を含み、前記第1ハンドルの第2端部は、第1キャビティを有し、前記弾性区間は、前記第1キャビティの内部に挿入され、前記当接区間の側壁の端面は、前記第1キャビティの外部に位置する。
【0025】
前記ニードルが前記弾性区間の外部から前記弾性区間の内部に挿入される場合、前記弾性区間及び前記当接区間の両側の側壁は、いずれも両側に向いて拡張される。
【0026】
選択的に、前記弾性キャビティは、連結区間をさらに含み、前記弾性区間は、前記当接区間と前記連結区間との間に位置し、前記連結区間は、前記第1キャビティの内部に挿入されるとともに、ファスナーを介して前記第1キャビティに固定される。
【0027】
選択的に、前記ニードルは、前記ステープラーのハウジングの内部に回転可能に固定され、前記ニードルは、第2方向に沿って前記弾性キャビティの外部から内部に回転し、前記第1方向は、第2方向と反対の方向である。
【0028】
選択的に、前記弾性部は、弾性シートを含み、前記ニードルは、前記第1位置領域から第2位置領域に移動する場合、前記弾性シートを押して一方側へ湾曲させることにより、前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記弾性シートが前記第2ハンドルに当接する。
【0029】
選択的に、前記第1ハンドルは、両側の側壁を有する第1キャビティを含み、
前記ハンドルアセンブリは、第1位置領域と第2位置領域との間で移動可能なニードルと、2つのシュートと、1つのスライダーと、をさらに含み、
前記2つのシュートは、それぞれ前記第1キャビティの両側の側壁に設置され、前記2つのシュートは、互いに連通する第1区間及び第2区間を含み、前記シュートは、前記第1ハンドルに設置され、前記スライダーは、2つのスライド部及び前記2つのスライド部の間に設置されるスライダーガイド部を含み、前記2つのスライド部は、それぞれ対応するシュートにスライド可能に嵌め込まれ、前記スライダーと前記第2ハンドルとの間には、スライダー復帰ねじりばねが設置され;前記ニードルは、前記第1位置領域から第2位置領域に移動する場合、前記スライダーを前記シュートの第1区間から前記シュートの第2区間へ移動させることによって、前記スライダー復帰ねじりばねを変形させる。
【0030】
前記スライダーが前記シュートの第1区間に位置し、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライダーが前記第2ハンドルに当接しなく、前記第2ハンドルが安全位置に位置する。
【0031】
前記スライダーが前記シュートの第2区間に位置し、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記スライダーガイド部が前記第2ハンドルに当接するとともに、前記第2ハンドルを前記安全位置から触発位置へ移動させる。
【0032】
選択的に、前記第2ハンドルは、両側の側壁を有する第2キャビティを含み、前記ハンドルアセンブリは、ニードルと、リンクと、2つのシュートと、1つのスライダーと、をさらに含み、
前記ニードルは、第1位置領域と第2位置領域との間で移動可能であり、前記リンクの第1端部は、前記ニードルに連結され、
前記2つのシュートは、それぞれ前記第2キャビティの両側の側壁に設置され、前記スライダーは、2つのスライド部及び前記2つのスライド部の間に設置されるスライダーガイド部を含み、前記2つのスライド部は、それぞれ前記シュートで移動可能であり、前記リンクの第2端部は、前記スライダーに連結され、前記スライダーと前記第1ハンドルとの間には、スライダー復帰ねじりばねが設置され、前記ニードルは、前記第1位置領域から第2位置領域に移動する場合、前記リンクを介して前記スライダーを前記シュートの第1区間から前記シュートの第2区間に移動させることによって、前記スライダー復帰ねじりばねを変形させる。
【0033】
前記スライダーが前記シュートの第1区間に位置し、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第1ハンドルは、前記スライダーに当接しなく、前記第2ハンドルが安全位置に位置する。
【0034】
前記スライダーが前記シュートの第2区間に位置し、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第1ハンドルは、前記スライダーガイド部に当接するとともに、前記第2ハンドルを前記安全位置から触発位置へ移動させる。
【0035】
選択的に、前記第1ハンドル及び第2ハンドルに挿入される第1ピン軸をさらに含み、前記第1ハンドル及び第2ハンドルは、前記第1ピン軸の回りに回転することができる。
【0036】
本発明の実施例は、前記ハンドルアセンブリを含むステープラーをさらに提供する。
【発明の効果】
【0037】
本発明により提供されるハンドルアセンブリ及びそれを含むステープラーは、以下の利点を有する。
【0038】
本発明は、ハンドルアセンブリ及びそれを含むステープラーを提供し、ハンドルアセンブリを第1ハンドルと第2ハンドルとに分割することによって、第2ハンドルの移動のみで、ステープラーを触発して切断及び縫合動作を実行することができる。使用の過程において、医師は、ステープラーが触発可能な位置に到達したかどうかに関係なく、第1ハンドルを押すことができるが、ステープラーが触発可能な状態に到達していない場合、第1ハンドルが第2ハンドルを駆動することができないので、ステープラーを触発することもできない。医師は、操作体験を通じて触発状態を判断することもできる。ステープラーが触発可能な状態に到達した場合のみに、第2ハンドルが第1ハンドルの移動により移動されるので、ステープラーが触発される。これにより、ハンドルが強く押されることによるステープラーの損傷を回避するとともに、医師の使用体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
以下の図面を参照しながら非限定的な実施例に対する詳細な説明によって、本発明の他の特徴、目的及び利点がさらに明らかとなる。
図1】本発明の第1実施例に係るハンドルアセンブリがステープラーに使用される構造を示す模式図である。
図2】本発明の第1実施例に係る円形ステープラーの構造を示す模式図である。
図3】本発明の第1実施例に係るハンドルアセンブリが包皮ステープラーに使用される構造を示す模式図である。
図4】本発明の図1におけるA-A方向に沿う断面図である。
図5】本発明の第1実施例に係るニードルが弾性部の外部に位置する場合の第1ハンドルが押圧されていない時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
図6図5におけるA1-A1方向に沿って切断した断面図である。
図7図5におけるB-B方向に沿って切断した断面図である。
図8図5におけるC1-C1方向に沿って切断した断面図である。
図9】本発明の第1実施例に係るニードルが弾性部の外部に位置する場合の第1ハンドルが押圧されている時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
図10図9におけるA2-A2方向に沿って切断した断面図である。
図11】本発明の第1実施例に係るニードルが弾性部の内部に位置する場合の第1ハンドルが押圧されていない時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
図12図11におけるA3-A3方向に沿って切断した断面図である。
図13図11におけるC2-C2方向に沿って切断した断面図である。
図14】本発明の第1実施例に係るニードルが弾性部の内部に位置する場合の第1ハンドルが押圧されている時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
図15図14におけるA4-A4方向に沿って切断した断面図である。
図16】本発明の第2実施例に係る弾性部の正面図である。
図17】本発明の第2実施例に係る弾性部の側面図である。
図18】本発明の第2実施例に係るニードルが弾性部の外部に位置する場合の第1ハンドルが押圧されていない時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
図19図18におけるD1-D1方向に沿って切断した断面図である。
図20】本発明の第2実施例に係るニードルが弾性部の外部に位置する場合の第1ハンドルが押圧されている時の構造を示す模式図である。
図21図20におけるD2-D2方向に沿って切断した断面図である。
図22】本発明の第2実施例に係るニードルが弾性部の内部に位置する場合の第1ハンドルが押圧されていない時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
図23図22におけるD3-D3方向に沿って切断した断面図である。
図24】本発明の第2実施例に係るニードルが弾性部の内部に位置する場合の第1ハンドルが押圧されている時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
図25図24におけるD4-D4方向に沿って切断した断面図である。
図26】本発明の第3実施例に係るハンドルアセンブリの弾性部が第1状態にある時の構造を示す模式図である。
図27】本発明の第3実施例に係るハンドルアセンブリの弾性部が第2状態にある時の構造を示す模式図である。
図28】本発明の第4実施例に係るハンドルアセンブリが初期状態にある時の構造を示す模式図である。
図29】本発明の第4実施例に係るハンドルアセンブリの斜視図である。
図30】本発明の第4実施例に係るスライダーの構造を示す模式図である。
図31】本発明の第4実施例に係るハンドルアセンブリが失効状態にある時の構造を示す模式図である。
図32】本発明の第4実施例に係るハンドルアセンブリが触発状態にある時の構造を示す模式図である。
図33】本発明の第4実施例に係るハンドルアセンブリが触発状態にある時の構造を示す模式図である。
図34】本発明の第5実施例に係るハンドルアセンブリが初期状態にある時の構造を示す模式図である。
図35】本発明の第5実施例に係るハンドルアセンブリが失効状態にある時の構造を示す模式図である。
図36】本発明の第5実施例に係るハンドルアセンブリが触発状態にある時の構造を示す模式図である。
図37】本発明の第6実施例に係るハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付の図面を参照しながら、例示的な実施形態をより完全に説明する。ただし、例示的な実施形態は、複数種類の形態で実施することができるが、ここに記述する実施形態に限定されない。逆に、これらの実施形態を提供して、本発明を全面で完全に、かつ、例示的な実施形態の思想を全面で当業者に伝達する。図面において、同一の符号は同一又は類似の構造を示すので、それらの繰り返しの説明を省略する。
【0041】
本発明は、ステープラーを触発するための新たなハンドルアセンブリを提供する。本発明は、上記の目的を実現し、従来技術におけるハンドルに存在する技術課題を解決するために、ハンドルアセンブリを第1ハンドル1と第2ハンドル2とに分割し、第1ハンドルが外力により回転することができるが、第2ハンドル2が特定の方向に沿って回転する時のみにステープラーを触発することができる。ここで、前記第1ハンドル及び第2ハンドルは、連動状態及び非連動状態を有する。前記第1ハンドル及び第2ハンドルが非連動状態にあり、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第2ハンドルが回転しないので、前記ステープラーを触発することができない。前記第1ハンドル及び第2ハンドルが連動状態にあり、且つ前記第1ハンドルが第1方向に沿って回転する場合、前記第1ハンドルは、前記第2ハンドルを駆動して第1方向に沿って回転させることにより、前記ステープラーを触発する。
【0042】
このため、本発明は、ハンドルアセンブリを第1ハンドルと第2ハンドルとに分割することにより、第2ハンドルの移動のみで、ステープラーを触発して切断及び縫合動作を実行することができる。使用の過程において、医師は、ステープラーが触発可能な位置に到達したかどうかに関係なく、第1ハンドルを押すことができるが、ステープラーが触発可能な状態に到達していない場合、第1ハンドルが第2ハンドルを駆動することができないので、ステープラーを触発させることもできない。
【0043】
以下、いくつかの具体的な実施例を組み合わせて本発明のハンドルアセンブリの構造をさらに説明する。以下の記述は、本発明のハンドルアセンブリの構造及び動作状態をより良く説明するためのものであり、本発明のハンドルアセンブリの好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲の限定として解釈されるべきではないことを理解することができる。
【0044】
第1実施例
本実施例において、前記ハンドルアセンブリは、図1に示すように、第1ハンドル1と第2ハンドル2との間の連動状態を制御するためのニードル4をさらに含む。
【0045】
ここで、ニードル4には、第1端部41、第2端部42及び固定端部43が設置されている。ニードル4の第2端部42は、プルタブの遠位端と連動する。プルタブの近位端は、スクリューに外嵌され、スクリューの近位端は、ノブに連結される。プルタブは、ノブを回転させることにより、ニードル4の第2端部42を第1位置領域と第2位置領域との間で移動させることができる。ここで、ステープラー本体において、第1位置領域及び第2位置領域に対応する位置には、使用の過程中にニードル4の第2端部42が所在する位置を観察するための観察窓が設置されている。ニードル4の第2端部42が第1位置領域に位置する場合、安全状態になり、この時、ステープラーが触発されることができない。ニードル4の第2端部42が第2位置領域に位置する場合、ステープラーが触発されることができる。医者に直感的に提示するために、観察窓において、触発可能な第2位置領域Lに対応する領域は、既に従来技術に開示された緑色領域である。
【0046】
第1ハンドル1には、弾性部3が設置されている。ニードル4の第2端部42が第1位置領域から第2位置領域に移動する時、ニードル4の第1端部41は、弾性部3と接触するとともに、弾性部3を第1状態から第2状態に切り換える。第1状態は、弾性部3がニードル4と接触する前の状態であり、第2状態は、弾性部3がニードル4と接触した時の状態である。
【0047】
弾性部3が第1状態にあり、且つ第1ハンドル1が第1方向に沿って回転する場合、弾性部3は、第2ハンドル2に当接しなく、第2ハンドル2は、安全位置に位置し、即ち、ステープラーに対して触発を行わない。弾性部3が第2状態にあり、且つ第1ハンドル1が第1方向に沿って回転する場合、弾性部3は、第2ハンドル2に当接するとともに、第2ハンドル2を安全位置から触発位置へ移動させる。この状態で、弾性部3は、第2ハンドル2を押すことによってステープラーを触発することができる。図1において、第1方向は、反時計方向である。
【0048】
ニードル4の第2端部42が第1位置領域及び第2位置領域に位置する場合、第1ハンドル1の移動により第2ハンドル2に対する影響は異なる。弾性部3は、ニードル4の第2端部42が第1位置領域に位置する場合、第1状態になり、そして、弾性部3が移動する過程において第2ハンドル2と接触しないので、第2ハンドル2に作用力を印加することもできない。従って、第2ハンドル2は、依然として初期状態を維持し、器具の触発を駆動することができない。弾性部3は、ニードル4の第2端部42が第2位置領域に位置する場合、第2状態になり、そして、弾性部3が第1ハンドル1の回転に伴って回転する時、第2ハンドル2を押して移動させることによって第2ハンドル2を駆動して器具を触発させる。このため、ニードル4の位置を変更させることにより、第1ハンドル1と第2ハンドル2との間の相互嵌合関係を制御することができる。
【0049】
つまり、ステープラーの触発が準備されていない場合、ニードル4の第2端部42は、第1位置領域に位置する。この時、医師が第1ハンドル1を把持して第1ハンドル1を容易に回転させることができるが、第2ハンドル2を触発することができない。これは、この時に非触発状態になるので、第1ハンドルを把持する力が非常に小さいからである。医師は、このような操作体験により、現在ステープラーの状態が非触発状態にあり、且つ、ステープラーのハウジングの破断を招くことができないことを把握することもできる。ステープラーの触発が準備された場合、ニードル4の第2端部42は、第2位置領域に位置し、即ち触発可能な領域に位置する。この時、医師が第1ハンドル1を把持し、第1ハンドル1を移動させるによって第2ハンドル2を移動させることで、ステープラーの触発を駆動することができる。
【0050】
図2に示すように、本発明の第1実施例に係るハンドルアセンブリがステープラーに使用される構造を示す模式図であり、円形ステープラーが示されている。上記ステープラーの一端部は、互いに嵌合するステープルカートリッジアセンブリ72及びステープルアンビルアセンブリ73を含み、他端部は、ノブ71及びハンドルアセンブリを含む。第2ハンドル2の第2端部42は、ステープルプッシュロッド75の近位端と嵌合する。第2ハンドル2は、ステープラーが触発条件を満たす場合、ステープルプッシュロッド75を押すことで、ステープルプッシュロッド75がさらにステープラーのステープルプッシュスライス及び環状カッターを押し、これにより、手術する組織に対する縫合及び切断を行う。ここで、図2に示したステープラーの構造は、一例に過ぎず、実際の応用において、他の種類のステープラーは、本発明の実施例に係るハンドルアセンブリを使用して本発明の目的を実現することもできる。例えば、図3に示すように、上記ハンドルアセンブリが適用された包皮ステープラー本体9の構造を示している。包皮ステープラー本体9の遠位端には、ステープルカートリッジアセンブリ91が設置され、また、ステープルカートリッジアセンブリ91と嵌合する亀頭キャップアセンブリ(図示せず)がさらに設置される。包皮ステープラーを使用する時、第2ハンドル2は、包皮ステープラーの一端に移動可能に連結され、第2ハンドル2の第2端部52は、包皮ステープラーのステープルブッシュ部材と嵌合する。触発条件に満たされた場合、第2ハンドル2は、ステープルブッシュ部材を押すことによって包皮ステープラーの触発を実現する。
【0051】
本発明の各例示的な図面において、ハンドルアセンブリの構造を明確に示すために、ハンドルアセンブリのハウジングを省略する。
図4に示すように、本発明の第1実施例に係るハンドルアセンブリの連結関係の模式図であり、図1におけるA-A方向に沿って切断した断面図である。第1ハンドル1の第1端部11は、医師が手術時に操作するための把持端である。第1ハンドル1の第2端部12は、第1ピン軸14を介して第2ハンドル2の第1端部21に回転可能に連結される。第2ハンドル2の第2端部22は、第2ピン軸24を介してステープラーのハウジング74に回転可能に連結される。第1ハンドル1の第2端部12と第2ハンドル2の第1端部21との間には、第1ねじりばね15がさらに設置されている。第1ねじりばね15は、第1ピン軸14の外周面に外嵌される。第2ハンドル2の第2端部22とステープラーのハウジング74との間には、第2ねじりばね25がさらに設置されている。第2ねじりばね25は、第2ピン軸24の外周面に外嵌される。このため、弾性部3が第1状態にある場合、器具は、安全状態になる。この時、第1ハンドル1は、操作者からの小さな圧力を受けると、第1ピン軸14を中心として反時計回りに回転し、そして、外力が排除されると、第1ねじりばね15により時計回りに沿って初期位置まで復帰することができるが、この時、第2ハンドルは回転しない。弾性部3が第2状態にある場合、第1ハンドル1の回転は、第2ハンドル2を回転させることにより、第2ハンドル2が第2ピン軸24を中心として反時計回りに回転するようにし、そして、外力が排除されると、第2ねじりばね25によって時計回りに元の状態に復帰される。
【0052】
ここでは、ハンドルアセンブリにおける第1ハンドルと第2ハンドルとの間の連結方式の一例に過ぎず、実際の応用において、例えば、ねじりばねを増加又は減少したり、ねじりばねの設置位置を変更したりするなどの他の種類の連結方式を選択することもできるが、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0053】
以下、図5図8を組み合わせて本発明の第1実施例に係る弾性部3の構造を具体的に説明する。図5に示すように、弾性部3は、第1状態にあり、この時の第1ハンドル1は、初期位置にある。本実施例において、第2ハンドル2は、第2キャビティ23を有する。弾性部3は、両側(2つ)の側壁を有する弾性キャビティ31である。弾性部3が第1状態及び第2状態にある場合、弾性キャビティ31は、それぞれ収縮状態及び拡張状態になる。ニードル4の第2端部42が第1位置領域及び第2位置領域に位置する場合、ニードル4の第1端部41は、それぞれ弾性キャビティ31の外部及び内部に位置する。ニードル4の幅は、弾性キャビティ31の2つの側壁の間隔よりも大きい。ここで、ニードル4の幅とは、弾性キャビティ31の側壁に垂直な方向におけるニードル4の幅を指す。弾性キャビティ31の側壁とは、弾性キャビティ31の両側の側壁の間の間隔を指す。ニードル4の第1端部41が弾性キャビティ31の外部から弾性キャビティ31の内部に移動する場合、弾性キャビティ31の側壁は、ニードル4により押圧されて両側に向いて拡張される。図8に示すように、ニードル4の第1端部41が弾性キャビティ31の外部に位置する場合、弾性キャビティ31が収縮状態になる構造を有する。図5図8と組み合わせるとわかるように、弾性キャビティ31が収縮状態にある場合、弾性キャビティ31の側壁の端面が第2キャビティ23の側壁の端面と干渉しない。
【0054】
図9図10に示すように、弾性部3が第1状態にあり、この時の第1ハンドル1が把持されて反時計回りに回転する。この時、弾性キャビティ31の側壁の端面が第2キャビティ23の側壁の端面と干渉しないので、弾性部3の少なくとも一部は、第2キャビティ23の内部(挿入量は、第1ハンドル1の押圧程度によって異なる。)に挿入され、さらに、第1ハンドル1の押圧程度の増加に伴って、第1ハンドル1の第2端部12も第2キャビティ23に部分的に挿入することができる。これにより、第1ハンドル1が第2ハンドル2に作用力を印加しないので、第2ハンドル2は、依然として変化することなく安全位置に保持されることにより、ステープラーを触発することができない。第1ねじりばね15のねじり力が触発力よりも遥かに小さいので、この時の把持力は、第1ねじりばね15に打ち勝つ力に過ぎない。これにより、医師が触覚のフィードバックを取得することもできるので、現在のニードル4が第2位置領域に到達しなく、ステープラーが触発されていないことを把握することができる。
【0055】
図11図13に示すように、弾性部3が第2状態にあり、この時の第1ハンドル1が初期位置にある。図13及び図8を比較するとわかるように、ニードル4は、弾性キャビティ31の内部に挿入された後、弾性キャビティ31を押圧するので、弾性キャビティ31の両側の側壁を両側へ拡張させることにより、弾性キャビティ31を拡張状態に転換させる。図12及び図13を組み合わせてわかるように、この状態で、弾性キャビティ31の側壁の端面と第2キャビティ23の側壁の端面との間にある程度の干渉が存在する。各接触面の間で相対移動する場合、第1推力F1及び第2推力F2を形成し、これにより、第2ハンドル2の駆動トルクMを形成することができる。
【0056】
さらに、図13に示すように、前記弾性キャビティ31は、当接区間32、突出区間33及びガイド区間34を含むことができる。突出区間33は、当接区間32とガイド区間34との間に位置する。突出区間33の側壁は、弾性キャビティ31の内部に向かって突出する。ガイド区間34の端面における側壁の間の間隔は、ニードル4の幅よりも大きいので、ガイド区間34は、ニードル4が突出区間33に挿入するようにガイドする機能を果たすことができる。ニードル4が突出区間33に挿入された場合、当接区間32及び突出区間33の両側の側壁は、いずれも両側へ拡張し、当接区間32の側壁の端面は、弾性部3の側壁の端面である。さらに、弾性キャビティ31の当接区間32、突出区間33及びガイド区間34は一体的に成形され、且つ、弾性キャビティ31の側壁が突出区間33から当接区間32にスムーズに移行するので、ニードル4が弾性キャビティ31の中でスムーズに移動するようにガイドすることができる。
【0057】
図14に示すように、弾性部3が第2状態にあり、この時の第1ハンドル1は、把持されて反時計回りに回転する。図面に示した方向において、ニードル4は、ステープラーのハウジングの内部においてニードル固定端部43に回転可能に固定され、ニードル4の第1端部41は、第2方向に沿って弾性キャビティ31の外部から弾性キャビティ31の内部に回転する。本実施例において、第2方向は、時計方向である。図面に示すように、前記弾性キャビティ31の側壁の端面及び第2キャビティ23の側壁の端面は、互いに平行になり且つガイド作用を有する一対の傾斜面である。これにより、ニードル4の第1端部41が弾性キャビティ31に挿入されて弾性キャビティ31を拡張させた後、医師がハンドルを把持すると、弾性キャビティ31の側壁の端面と第2キャビティ23の側壁の端面との間で相互作用力を生じる。上記作用力によって、弾性キャビティ31の側壁の間の距離がハンドルが把持される前の間隔よりも大きくなり、即ち、ニードル4の幅よりも大きくなる。ニードル4は、第1ハンドル1が回転し続けることに伴って、弾性キャビティ31の当接区間32から離脱する。この時、器具が触発位置に到達し、第2ハンドル2の第2端部22がプルタブを突き上げた場合、ニードル4は、弾性キャビティ31の作用力を受けることなく復帰される。この時、弾性部3は、拡張状態になる。弾性キャビティ31の側壁の端面と第2キャビティ23の側壁の端面と間にある程度の干渉が存在するので、弾性部3が移動する場合、弾性部3は第2キャビティ23の内部にさらに挿入しないが、第2キャビティ23の側壁の端面と接触して推力を印加する。そして、駆動トルクMにより第2ハンドル2を押して回転させ、最終的に、第2ハンドル2を触発位置に到達させる。即ち、ステープラーの触発を実現する。
【0058】
触発する時、第1ハンドル1は、回転してプルタブを突き上げることにより、プルタブがニードル4と離脱する。これにより、ニードル4が復帰スプリング(図示せず)の作用によって初期状態に戻ることができる。これに対して、弾性部3がニードル4により支持されないので、第1ハンドル1を離す場合、第1ハンドル1が第1ねじりばね15の復帰力によって時計回りに回転して初期位置に戻った後、第2ハンドル2も第2ねじりばね25の復帰力によって時計回りに回転して安全位置に戻る。
さらに、選択的に、弾性キャビティ31の側壁の端面は、弾性キャビティ31の側壁と90°未満の角度をなす第1ガイド面であり、第2キャビティ23の側壁の端面は、第1ガイド面と平行な第2ガイド面である。即ち、弾性キャビティ31及び第2キャビティ23における対応する位置に2つのガイド傾斜面を設置することにより、両方の間の有効な嵌合長さを増加させて操作の信頼性を高めることが容易になるとともに、触発を完了させてから後退する時に復帰を実現することができる。
【0059】
さらに、選択的に、弾性キャビティ31及び第1ハンドル1の第2端部12は、例えば、スタンピング法により一体的に成形されることができる。第1ハンドル1の第2端部12は、弾性キャビティ31と連通する第1キャビティ13を有することができる。
【0060】
図14において、ニードル4の第2端部42が第1位置領域に位置する場合、ニードル4の第1端部41は、弾性キャビティ31の内部に挿入されていない。ニードル4の第2端部42が第2位置領域Lに位置する場合、ニードル4の第1端部41は、弾性キャビティ31の内部に挿入される。触発を完了させた後、ニードル4の第2端部42は、図面におけるRで示した方向に沿って第1位置領域に戻ることができる。即ち、ニードル4の第1端部41が弾性キャビティ31の内部から離脱されることによって、弾性キャビティ31が収縮状態に戻って第2ハンドル2と当接なくなる。第1ハンドル1は、外力が排除された後、第1ねじりばね15の作用力によって初期状態に戻り、第2ハンドル2もそれに伴って第2ねじりばね25の作用力によって安全状態に戻る。
【0061】
第2実施例
図16図25は、本発明の第2実施例に係るハンドルの構造を示す模式図である。本実施例と第1実施例との相違点は、弾性部及び第1ハンドルを一体的に成形する場合、弾性部のプロセスに対する要求が非常に高いので、製造コストもそれに伴って高くなる可能性があることを考えると、本実施例において弾性部を別個の部材として設置することである。
【0062】
図16図19は、本実施例に係る弾性部5の構造を示す模式図である。弾性部5も、当接区間及び弾性区間52を備える弾性キャビティを含む、。第1ハンドル1の第2端部12は、第1キャビティ13を有し、弾性キャビティの弾性区間52は、第1キャビティ13の内部に挿入され、当接区間の側壁の端面は、当接端面51として第1キャビティ13の外部に位置する。そして、当接端面51は、第1キャビティ13の側壁の端面に当接する。同様に、ニードル6が弾性キャビティの外部から弾性区間52の内部に挿入する場合、弾性区間52及び当接区間の側壁が両側へ拡張されることにより、当接端面51も両側へ拡張される。選択的に、弾性キャビティは、連結区間53をさらに含む。弾性区間52は、当接区間と連結区間53との間に位置する。連結区間53は、第1キャビティ13の内部に挿入されるとともに、ファスナーを介して第1キャビティ13に固定される。例えば、連結区間53は、第1ハンドル1の側壁におけるホールにより固定連結の組立を実現する。
【0063】
図18に示すように、本発明の第2実施例に係るニードル6が弾性部5の外部に位置する場合、第1ハンドル1が押圧されていない時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。この時、弾性部5は、収縮状態になり、第1ハンドル1が初期位置にある。図19は、図18におけるD1-D1方向に沿って切断した断面図である。図19から分かるように、弾性部5の当接端面51は、第2キャビティ23の側壁の端面と干渉しない。
【0064】
図20に示すように、本発明の第2実施例に係るニードル6が弾性部5の外部に位置する場合の第1ハンドル1が押圧されている時の構造を示す模式図である。この時、弾性部5が収縮状態にあり、第1ハンドル1が反時計回りに回転する。図21は、図19におけるD2-D2方向に沿って切断した断面図である。図22から分かるように、弾性部5の当接端面51が第2キャビティ23の側壁の端面と干渉しないので、弾性部5の少なくとも一部が第2キャビティ23に挿入されるが、第2ハンドル2と接触しない。これにより、第2ハンドル2を押すことにより触発を行うことができない。
【0065】
図22に示すように、本発明の第2実施例に係るニードル6が弾性部5の内部に位置する場合の第1ハンドル1が押圧されていない時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である、この時、弾性部5が拡張状態にあり、第1ハンドル1が初期位置にある。図23は、図22におけるD3-D3方向に沿って切断した断面図である。図23から分かるように、弾性部5の当接端面51と第2キャビティ23の側壁の端面との間に一定の干渉が存在する。
【0066】
図24に示すように、本発明の第2実施例に係るニードル6が弾性部5の内部に位置する場合の第1ハンドル1が押圧されている時のハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。この時、弾性部5が拡張状態になる。図25は、図24におけるD4-D4方向に沿って切断した断面図である。図25から分かるように、弾性部5の当接端面51と第2キャビティ23の側壁の端面との間に一定の干渉が存在するので、弾性部5は、移動する時に第2キャビティ23の内部に挿入しなく、当接端面51が第2ハンドル2を押すことによって、第2ハンドル2を第1ハンドル1の移動に伴って移動させる。これによって、第2ハンドル2を触発位置に押されることにより、ステープラーの触発を行う。
【0067】
第3実施例
図26図27に示すように、本発明の第3実施例に係るハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。本実施例と上述の2つの実施例との相違点は、弾性部83が別個のソリッド弾性シートであることである。図26図27は、第1ハンドルと第2ハンドルとの間の連動関係に対するソリッド弾性シートの影響だけを例示的に示すものである。弾性部83は、図26に示すように、第1状態にある場合第2ハンドル82と干渉しない。弾性部83は、第1ハンドル81が移動する場合(図面における点線位置に移動した場合)、第2ハンドル82の外面に沿って移動することができるので、第1ハンドル81が第2ハンドル82と連動しない。
【0068】
ニードル(図示せず)は、図27に示すように、弾性部83が第2状態にある場合に弾性部83を押すことにより、弾性部83を一方側に湾曲させることによって第2ハンドル82と干渉させる。第1ハンドル81が移動する場合(図面における対応する点線位置に移動した場合)、弾性部83の端部は、第2ハンドル82に当接されて第2ハンドル82を移動させる(図面における対応する点線位置に移動させる。)。ニードルが弾性部83を押さないと、弾性部83は、自身の弾性力によって元の状態に復帰することができるので、第2ハンドル82との干渉作用が解除される。このような場合、第2ハンドル82に第2キャビティを設置しなく、第1ハンドル81に第1キャビティを設置しなくてもよい。
【0069】
このような実施方式を利用する場合、第2ハンドル81と円形ステープラーのステープルプッシュロッドとを連動させればよい。第2ハンドル81が移動しない場合、ステープルプッシュロッドを押して触発させることができない。第2ハンドル81が移動する場合、ステープルプッシュロッドを押してステープラーの触発を実現することができる。
【0070】
第4実施例
図28図33に示すように、本発明の第4実施例に係るハンドルアセンブリの構造及び動作過程を示している。本実施例と第1実施例との相違点は、第1ハンドル1には、弾性部が設置されていなく、スライダー91及びシュート17が設置されることである。シュート17は、互いに連通する第1区間及び第2区間を含み、スライダー91は、シュート17で移動することができる。ニードル4の第2端部42が第1位置領域から第2位置領域に移動する場合、スライダー91をシュート17の第1区間からシュート17の第2区間へ移動させる。第2ハンドル2は、ハンドルガイド部26を含む。
【0071】
図28図30に示すように、第1ハンドル1は、両側(2つ)の側壁を有する第1キャビティ13を含む。スライダー91には、両端に位置するスライド部911及び中心部に位置するスライダーガイド部912が設置され、また、ねじりばね位置制限部331がさらに設置されている。ねじりばね位置制限部331には、スライダー復帰ねじりばね16が設置されている。スライダー91は、シュート17の第1区間からシュート17の第2区間へ移動する場合、スライダー復帰ねじりばね16を変形させる。
【0072】
図31に示すように、ハンドルアセンブリが失効状態にある時の構造を示している。この時、ニードル4の第2端部42は、プルタブにより引かれることなく、触発可能な領域Lの外部に位置する。スライダー91は、シュート17の第1区間に位置し、スライダー91のスライダーガイド部912は、第2ハンドル2と干渉しない。第1ハンドル1は、反時計回りに回転する場合、第2ハンドル2と連動しないので、第2ハンドル2が依然として初期位置にあり、回転しない。この時、操作者は、第1ハンドル1を把持することができるが、ステープラーを触発することができない。操作者は、把持力の大きさに基いて現在が失効状態になり、ステープラーが触発されていないことを把握することができる。
【0073】
なお、本発明において、前記シュート17の第1区間及び第2区間は、相対的な概念であり、即ち、図28図33に示した視野角から見ると、シュート17の第1区間は、シュート17の第2区間の右側に位置する。
【0074】
図32及び図33に示すように、ハンドルアセンブリが触発状態にある時の構造を示している。この時、ニードル4の第2端部42は、プルタブにより引かれて触発可能な領域Lに挿入される。そして、ニードル4の第1端部41は、スライダー91をシュート17の第2端部へ移動させることによって、スライダーガイド部912が第2ハンドル2と干渉される。
【0075】
この時、第1ハンドル1を把持して反時計回りに回転させると、スライダーガイド部912は、第2ハンドル2を反時計回りに回転させる。これにより、第2ハンドル2の第2端部22は、ステープルプッシュロッドを押すことにより、ステープラーを触発することができる。プルタブがニードル4と離脱して、ニードル4をニードル復帰ねじりばね(図示せず)によって元の位置に復帰させる場合、復帰ねじりばね16の復帰力によってスライダー91が押されて復帰される。第1ハンドル1及び第2ハンドル2の復帰過程は、第1実施例と同一であるので、それらの繰り返しの説明を省略する。
【0076】
第5実施例
図33図35に示すように、本発明の第5実施例に係るハンドルアセンブリの構造及び動作過程を示している。本実施例と第4実施例との相違点は、シュート27が第2ハンドル2に設置され、シュート27の第1区間が第2区間の左側に位置し、第1ハンドル1には、ハンドルガイド部(図示せず)が設置されることである。スライダー92は、リンク93を介してニードル4の第1端部41に連結され、ニードル4の第1端部41は、プルタブの作用によって第2端部42の回りに回転することができる。ニードル4には、リンク溝44が設置されている。リンク93の第1端部931は、前記リンク溝44にスライド可能に設置されている。リンク93の第2端部932は、連結ピン軸921を介してスライダー92に連結され、ニードル4の作用力をスライダー92に伝達する。同様に、第2ハンドル2は、両側(2つ)の側壁を有する第2キャビティを含む。2つのシュート27がそれぞれ第2キャビティの両側の側壁に設置されている。スライダー92は、両側に位置するスライド部及び中心部に位置するスライダーガイド部(図示せず)を含む。スライダー92のスライド部は、それぞれシュート27の中に嵌め込まれる。スライダー92と第1ハンドル1との間には、スライダー92を復帰させるためのスライダー復帰ねじりばねがさらに設置されることができる。第1ねじりばね15をそのままスライダー92の復帰ねじりばねとして使用することもできる。
【0077】
図35に示すように、第5実施例に係るハンドルアセンブリが失効状態にある時の構造を示している。この時、ニードル4の第1端部41は、プルタブの作用を受けることなく、触発可能な領域Lの外部に位置する。リンク93は、スライダー92に作用力を印加しないので、スライダー92がシュート27の第1区間に位置する。第1ハンドル1が回転する時、第2ハンドル2がそれと連動しないので、ステープラーを触発することができない。
【0078】
図36に示すように、第5実施例に係るハンドルアセンブリが触発状態にある時の構造を示している。この時、ニードル4の第1端部41は、プルタブの作用によって触発可能な領域Lに位置する。ニードル4は、リンク93を介してスライダー92をシュート27の第1区間から第2区間へ移動させる。スライダーガイド部は、第1ハンドル1と干渉する。第1ハンドル1が反時計回りに回転する場合、スライダーガイド部と当接することによって、第2ハンドル2を反時計回りに回転させる。これにより、第2ハンドル2の第2端部22がステープルプッシュロッドを押すことで、ステープラーを触発させる。プルタブがニードル4と離脱して、ニードル4をニードル復帰ねじりばね(図示せず)によって元の位置に復帰させる場合、スライダー92がスライダー復帰ねじりばねの復帰力によって押されて復帰される。第1ハンドル1及び第2ハンドル2の復帰過程は、第1実施例と同一であるので、それらの繰り返しの説明を省略する。
【0079】
第6実施例
図37は、本発明の第6実施例に係るハンドルアセンブリの構造を示す模式図である。本実施例と第4実施例との相違点は、第4実施例に係る第1ハンドル1及び第2ハンドル2がそれぞれ第1ピン軸14及び第2ピン軸24の2つの回転軸の回りに回転するが、第6実施例に係るハンドルアセンブリの第1ハンドル1及び第2ハンドル2は、同時に第1ピン軸14の回りに回転することである。即ち、本実施例において、第1ハンドル1及び第2ハンドル2は、いずれも第1ピン軸14の外周面に外嵌され、第1ねじりばね15は、第1ピン軸14の外周面に外嵌される。また、第1ねじりばね15の両端は、第2ハンドル2に復帰力を提供するように、それぞれ第2ハンドル2及びステープラーのハウジングに当接する。第1ハンドル1を復帰させるために、ステープラーのハウジンに固定される第2ピン軸24をさらに備える。第2ピン軸24の外周面には、第2ねじりばね25が外嵌され、第2ねじりばね25の両端は、第1ハンドル1に復帰力を提供するように、それぞれ第1ハンドル1及びステープラーのハウジングに当接する。第1ハンドル1が回転する場合、第2ねじりばね25が変形される。第2ハンドル2が回転する場合、第1ねじりばね15が変形する。本実施例の他の内容及び動作過程は、第4実施例と同一であるので、ここでは、その説明は繰り返さない。
【0080】
本発明の実施例は、前記ハンドルアセンブリを含むステープラーをさらに提供する。ステープラーが触発可能な位置に到達していない場合、第1ハンドルが第2ハンドルを駆動させることができないので、ステープラーも触発されることがない。医師は、操作体験を通じて触発状態を判断することもできる。ステープラーが触発可能な位置に到達した場合のみに、第2ハンドルが第1ハンドルの移動により移動されることによって、ステープラーが触発される。これにより、ステープラーが誤触発されることを回避する上で、ステープラーのハウジングの破断を回避することができる。
【0081】
本発明により提供されるハンドルアセンブリ及びそれを含むステープラーは、以下の利点を有する。
【0082】
本発明は、ハンドルアセンブリ及びそれを含むステープラーを提供し、ハンドルアセンブリを第1ハンドルと第2ハンドルとに分割することによって、第2ハンドルの移動のみで、ステープラーを触発して切断及び縫合動作を実行することができる。使用の過程において、医師は、ステープラーが触発可能な位置に到達したかどうかに関係なく、第1ハンドルを押すことができるが、ステープラーが触発可能な状態に到達していない場合、第1ハンドルが第2ハンドルを駆動することができないので、ステープラーを触発させることもできない。医師は、操作体験を通じて触発状態を判断することもできる。ステープラーが触発可能な状態に到達した場合のみに、第2ハンドル第1ハンドルの移動により移動されるので、ステープラーを触発させることができる。これにより、ハンドルが強く押されることによるステープラーの損傷を回避するとともに、医師の使用体験を向上させることができる。
【0083】
以上、具体的な好ましい実施形態を組み合わせて本発明をさらに詳細的に説明し、本発明の具体的な実施はこれらの説明のみに限定されると認定することができない。当業者にとって、本発明の構想から逸脱しない範囲において種々の単純な推論又は置換を行うこともでき、それらのすべては、本発明の保護範囲内のものに該当すると、見なされるべきである。
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